説明

フィルム処理装置

【課題】その課題は、ループ形成空間の空間サイズが制限されている場合でも、ループ形成を可能としつつ、スキャン処理開始のタイミングを速めて、処理効率を高めることができるフィルム処理装置を提供することである。
【解決手段】フィルム受け渡しユニットにおける受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間にループを形成させるフィルム処理装置であって、ループ形成される写真フィルムの長さ情報であるループ量を演算するループ量演算手段71cと、ループ量演算手段71cの演算によるループ量が所定値以上か否かを判断するループ量判断手段70aと、ループ量が所定値になるまでループ形成するように制御され、ループ量判断手段70aによってループ量が所定値以上と判断された場合に、フィルムスキャナFS側に写真フィルムを搬送するように制御することを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、受け取り位置において上流側搬送ローラ対から写真フィルムを受け取り、受け渡し位置において写真フィルムをフィルムスキャナ側に受け渡すフィルム受け渡しユニットと、受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に形成される写真フィルムのループを収容するループ形成空間と、フィルム受け渡しユニットを停止させて、上流側搬送ローラ対のみを駆動することでループを形成させるループ形成制御部とを備えたフィルム処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
かかるフィルム処理装置の一例として、下記特許文献1に開示される写真感光材料処理装置が公知であり、この装置は、未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサと、現像済み写真フィルムのコマ画像をデジタル画像データとして取得するためのフィルムスキャナとを結合して一体化したシステムとして構成されている。フィルムプロセッサにおいて写真フィルムの現像処理を行う場合には、写真フィルムの先端にフィルムリーダと呼ばれる案内部材を取り付け、写真フィルムはこのフィルムリーダによりフィルムプロセッサ内の各部を移動する。写真フィルムの現像処理及び乾燥処理が終了すると、写真フィルムはフィルムプロセッサから排出されて搬送ユニットへ送り込まれ、まず写真フィルムとフィルムリーダを分離するために写真フィルムの先端部をカットする。フィルムリーダは所定の場所に回収され、現像済み写真フィルムは、チャッカー(フィルム受け渡しユニットに相当)によりフィルムスキャナに受け渡され、各コマ画像のスキャニングが行われる。
【0003】
また、フィルムプロセッサにおける写真フィルムの処理速度と、フィルムスキャナにおける写真フィルムの処理速度は異なっており、その速度差を吸収する必要がある。そのために、フィルムスキャナに写真フィルムを受け渡す前に、写真フィルムのループ(たるみ)を形成し、処理速度の差がスキャニングに影響しないようにする必要がある。そのために、ループを収容するループ形成空間が設けられる。
【0004】
【特許文献1】特開平11−234476号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
フィルムプロセッサとフィルムスキャナを一体化したフィルム処理装置の場合は、フィルムプロセッサからフィルムスキャナまで現像済み写真フィルムを搬送するための搬送ユニットを配置する必要性と、フィルムスキャナによりスキャニングされた写真フィルムを排出するための排出経路を確保する必要性もあることから、ループ形成空間を配置する場所も制限されることがあり、写真フィルムのループが確実にループ形成空間へと案内されるようにする必要がある。特に、写真フィルムのベース部材はコシが強いものがあり、ループが予定外の方向に形成されると、内部の機構と擦れるなどして写真フィルムに傷が発生してしまう。
【0006】
そして、ループ形成空間は配置場所が制限されるだけでなく、その空間サイズも制限される。そのため、このループ形成空間に形成できるループの量は制限されることになる。従って、限られたループ形成空間内で、写真フィルムのループが整然と形成されるようにすることが必要となる。ループ形成空間内に写真フィルムが次から次へと送りこまれると、写真フィルムがループ形成空間の内壁に擦れ合い、さらには、写真フィルムのループが変形して折れ曲がりを生じ、写真フィルム同士が強く擦れ合い写真フィルムに傷が発生してしまう場合があり好ましくない。
【0007】
ところで、このフィルム処理装置は、上述したようにフィルムスキャナのフィルム搬送速度と、搬送ユニットのフィルム搬送速度が異なるために、ループ形成空間でループを形成してこれら速度差を吸収できるようにしてから、フィルムスキャナに搬送するように構成されている。この構成の場合、ループ形成される期間は、スキャン処理が実行されないこととなり、装置全体の処理効率が悪いものとなっていた。
【0008】
また、搬送ユニットの速度がスキャン処理速度より遅いために生ずる不都合を解消するために、スキャン処理中における搬送ユニットでの搬送時間(搬送距離)を短く設定することが考えられる。例えば、図9Aに示すように、ループ形成する場合に、写真フィルム後端が第1フィルムセンサ33で検知されてから所定距離後まで搬送させて、ループを形成することで、スキャン処理中における搬送ユニットでの搬送距離を短く設定できる。しかし、写真フィルムをループ形成空間に送れば送るほど、ループ量が増大し、図9Aに示すようにループ形成空間内では乱れたループが形成されることになる。
【0009】
そして、図9Bに示すように、ループ形成完了後(写真フィルム後端が第1フィルムセンサ33で検知されてから所定距離まで搬送されてから)、チャッカーC(フィルム受け渡しユニットに相当)が、所定の位置(受け渡し位置に相当する)に移動して、スキャン処理実行まで待機し、スキャン処理開始タイミングで、写真フィルムをフィルムスキャナ側に搬送するように構成されている。この構成によると、スキャン開始タイミングまで、所定位置から写真フィルムが搬送されないことになる。つまり、この所定位置からフィルムスキャナまでの距離の存在のために、実際のスキャン処理タイミングが遅くなり、結果的に装置の処理効率が悪いものとなっていた。
【0010】
本発明は上記実情に鑑みてなされたものであり、その課題は、ループ形成空間の空間サイズが制限されている場合でも、ループ形成を可能としつつ、スキャン処理開始のタイミングを速めて、処理効率を高めることができるフィルム処理装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するため本発明に係るフィルム処理装置は、
受け取り位置において上流側搬送ローラ対から写真フィルムを受け取り、受け渡し位置において写真フィルムをフィルムスキャナ側に受け渡すフィルム受け渡しユニットと、
受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に形成される写真フィルムのループを収容するループ形成空間と、
フィルム受け渡しユニットを停止させて、上流側搬送ローラ対のみを駆動することでループを形成させるループ形成制御部とを備えたフィルム処理装置であって、
前記ループ形成空間でループ形成される写真フィルムの長さ情報であるループ量を演算するループ量演算手段と、
前記ループ量演算手段の演算によるループ量が所定値以上か否かを判断するループ量判断手段と、
ループ形成制御部によってループ量が所定値になるまでループ形成するように制御され、ループ量判断手段によってループ量が所定値以上と判断された場合に、前記フィルムスキャナ側に写真フィルムを搬送するように制御する搬送制御部とをさらに備えることを特徴とするものである。
【0012】
この構成によるフィルム処理装置の作用・効果を説明する。フィルム受け渡しユニットは、上流側の受け取り位置で写真フィルムを受け取り、これを下流側の受け渡し位置にて写真フィルムを受け渡す機能を有する。例えば、上流側からはフィルムプロセッサで現像処理された写真フィルムが搬送されてくる。下流側には、写真フィルムのコマ画像をスキャニングするためのフィルムスキャナが配置される。従って、フィルム受け渡しユニットは両者の橋渡し的な役割を果たす。フィルム受け渡しユニットは挟持ローラ対を備えており、写真フィルムの先端側を挟持した状態で受け取り位置から受け渡し位置へと移動可能に構成されている。このフィルム受け渡しユニットが上記移動を行なう間に、写真フィルムのループを形成して収容するためにループ形成空間が配置されている。ループを形成する場合には、フィルム受け渡しユニットを停止させて、上流側の搬送ローラ対のみを駆動する。これにより、上流側からのみ写真フィルムが送り込まれる状態となり、写真フィルムのループ形成を行なうことができる。
【0013】
そして、ループ量演算手段は、ループ形成空間でループ形成される写真フィルムの長さ情報であるループ量を演算する。ループ量判断手段は、ループ量演算手段の演算によるループ量が所定値以上か否かを判断する。そして、ループ形成制御部によってループ量が所定値になるまでループ形成するように制御され、ループ量判断手段によってループ量が所定値以上と判断された場合に、搬送制御部は、フィルムスキャナ側に写真フィルムを搬送するように制御する。「ループ量が所定値」は、例えば、36コマ撮影可能な135mmフィルムの場合においてループ量が24コマ分の長さ等である。また、フィルム長が短い場合、例えば、12コマ撮影可能なフィルムの場合には、ループ量が8コマ分の長さが例示される。ループ形成する場合に、フィルム後端が搬送ユニットの搬送ローラに挟持されている必要があり、フィルム長さに応じてループ量の最大値(又は所定値)を設定できるようにすることが好ましい。
【0014】
その結果、ループ形成空間の空間サイズが制限されている場合でも、ループ形成を可能としつつ、スキャン処理開始のタイミングを速めて、処理効率を高めることができるフィルム処理装置を提供することができる。
【0015】
本発明において、搬送制御部は、フィルム受け渡しユニットが受け渡し位置に配置された場合に、写真フィルムをスキャン待機位置まで搬送するように制御することが好ましい。
【0016】
この構成によると、フィルム受け渡しユニットが受け渡し位置に配置された場合に、写真フィルムをスキャン待機位置まで搬送される。これにより、写真フィルムをフィルムスキャナ側に近いスキャン待機位置に搬送できるので、スキャン処理開始のタイミングをさらに速めることができる。
【0017】
本発明において、搬送制御部は、写真フィルム後端がフィルムプロセッサ側から排出された場合に、スキャン待機位置からフィルムスキャナ側に写真フィルムを搬送可能に制御することが好ましい。
【0018】
この構成によると、写真フィルム後端がフィルムプロセッサ側から排出された場合に、スキャン待機位置からフィルムスキャナ側に写真フィルムが搬送可能となる。これにより、フィルムスキャナ側への搬送開始のタイミングをより速く設定することができ、処理効率を高めることができる。そして、写真フィルムの後端がフィルムプロセッサ側から排出された場合、写真フィルムをフィルムスキャナ側にフィルムスキャン速度で搬送しても処理速度差でフィルムが突っ張ることがない。
【0019】
本発明において、写真フィルムがフィルムスキャナ側に搬送されることで減少するループ形成空間のループ量を演算するループ残存量演算手段と、
ループ残存量演算手段で演算されたループ残存量が所定値以下か否かを判断するループ残存量判断手段とを、さらに備え
搬送制御部は、
ループ残存量判断手段によってループ残存量が所定値以下であると判断された場合に、写真フィルムをループ形成空間に送り出しループ形成するように制御することが好ましい。
【0020】
この構成によれば、ループ残存量演算手段は、写真フィルムがフィルムスキャナ側に搬送されることで減少するループ形成空間のループ量を演算する。ループ残存量判断手段は、ループ残存量演算手段で演算されたループ残存量が所定値以下か否かを判断する。そして、搬送制御部は、ループ残存量判断手段によってループ残存量が所定値以下であると判断された場合に、写真フィルムをループ形成空間に送り出しループ形成するように制御することができる。これによって、ループ形成空間のループ量が減少し、所定値に達した場合に、ループを形成できるようになり、フィルムスキャナ側の搬送速度が速い場合でも、ループを形成して速度差をなくすことができる。また、「残存量が所定値以下」は、例えば、上記の「ループ量が所定値(例えば、135mmフィルムの場合24コマ分の長さ)」より小さい値であれば任意に設定できるが、あまり小さい値だとスキャン処理との速度差を吸収するためのループの役割を発揮できないので好ましくない。また、写真フィルムをループ形成空間に送り出す送り出し速度は、フィルムスキャナの搬送速度を考慮して設定される。
【0021】
また、フィルムスキャナでのスキャン処理は、プレスキャンと本スキャンを称される2種類のスキャン処理が実行される。プレスキャン処理では、写真フィルムをスキャン処理した後、写真フィルムを巻取りユニットで巻き取り、この巻取りユニットから写真フィルムを引き出して、プレスキャン処理でのフィルム搬送方向とは逆方向にフィルムを搬送させて本スキャン処理が行われる。従って、この巻取りユニットの巻取り長さによってスキャンできる写真フィルムの長さが決定される。
【0022】
本発明において使用可能な写真フィルムの長さは、上記のループ形成空間及び巻取りユニットを考慮して設定され、通常、2000mmの長さである。例えば、2000mm以上のフィルム長さの写真フィルムは、搬送ユニットで自動搬送されず、フィルムストッカーに排出されるように構成して、プレスキャン処理中に巻取りユニットでフィルムの巻取りができずにプレスキャン処理が途中で中断されないようにすることが好ましい。
【発明を実施するための最良の形態】
【0023】
本発明に係るフィルム処理装置の好適な実施形態を図面を用いて説明する。図1は、フィルムプロセッサFPとフィルムスキャナFSで構成されるフィルム処理装置FAと、プリント作成装置PAを有するプリント処理システム1全体の外観構成を示す図である。なお、プリント処理システム1は、その他の装置(例えば、注文者用受付端末、記録媒体への書き込み・読み取り装置、インターネット受け付け可能なPC端末等)を有するものであってもよい。
【0024】
<システムの全体構成>
図1において、フィルム処理装置FAは、未現像写真フィルムの現像処理を行なうフィルムプロセッサFPと、このフィルムプロセッサFPにより現像処理された現像済み写真フィルムのコマ画像を光電変換によりデジタルの画像データとして取得するためのフィルムスキャナFSとを上下位置に配置する。そして、フィルム処理装置FAは、フィルムプロセッサFPの排出部から排出された現像済み写真フィルムをフィルムスキャナFSの供給部へ搬送するための搬送ユニットFCを備えている。
【0025】
このフィルム処理装置FAは、通信回線を介してプリント作成装置PAに接続される。プリント作成装置PAは、通信機能、オーダー管理・制御機能、画像処理機能、プリント作成機能を有し、コンピュータ、ディスプレイ等の表示手段、キーボード、マウス等のインターフェースとを備えている。この構成によりフィルム処理装置FAで取得した画像データは、通信回線を介してプリント作成装置PAに伝送され、このプリント作成装置PAにより印画紙等のプリント媒体に画像がプリントされる。オーダー管理・制御は、画像データをオーダー単位で管理し、プリント作成の順序を設定できるように構成される。
【0026】
なお、プリント作成装置PAは銀塩式の印画紙を使用するものに限定されず、インクジェット型、昇華型のプリント作成装置を用いてもよい。
【0027】
本発明において、フィルムプロセッサFPにより現像処理される前の写真フィルム(コマ画像が潜像状態のもの)を特に未現像写真フィルムと称し、フィルムプロセッサFPにより現像処理された後の写真フィルム(コマ画像が顕在化したもの)を特に現像済み写真フィルムと称することがある。
【0028】
<フィルムプロセッサ>
フィルムプロセッサFPは、図1、2に示すように、プロセッサ本体の前部にフィルム挿入部11を配置し、プロセッサ本体内部に現像処理部12、乾燥処理部13とを備え、プロセッサ本体の後部に排出部14を配置し、フィルム挿入部11から排出部14にわたって搬送機構15を形成している。プロセッサ本体の前部位置には各種情報を表示する液晶ディスプレイ16aと複数の操作ボタン16bを有したコントロールパネル16を備え、プロセッサ本体内部にフィルムプロセッサFP全体の制御を実現する制御ユニット17を備える。プロセッサ本体の上面には、排出部14から送りだされる現像済み写真フィルムを受け止めるフィルムストッカー18が形成されている。
【0029】
フィルム挿入部11には、開閉自在な蓋体11aを備え、フィルムカートリッジCa(もしくはパトローネ)に収容されたロール状の未現像写真フィルムをセットし、搬送機構15に受け渡す作動系(フィルム駆動機構11e)と、写真フィルムの後端を切断する切断ユニット11bを備える。
【0030】
また、写真フィルムの長さの情報を得るために、搬送機構15によって搬送される写真フィルムの先端及び後端の通過を検出するローディングセンサー11c(フィルム位置検出センサーに相当)を備える。ローディングセンサー11cは、例えば、一対の光学式センサー(受光式、投光式)、反射型センサー、レーザセンサー、その他の近接センサー、イメージセンサー等で構成できるが、一対の光学式センサー(受光式、投光式)が好ましい。このローディングセンサー11cは、フィルム先端位置(もしくはフィルムリーダの先端位置)とフィルム後端位置を検出することができる。これら検出された先端位置と後端位置情報に基づいて、写真フィルムの長さ情報を演算することができる(後述)。
【0031】
APSフィルムの現像処理の場合、カートリッジCaから引き出した写真フィルムの先端にフィルムリーダLを取り付け、蓋体11aを開放して、このフィルムリーダLが先行するようにフィルム挿入部11にカートリッジCaをセットする。写真フィルムFとフィルムリーダLとを接続した状態を図3に示す。フィルムリーダLは、樹脂製のフィルムと同程度の柔軟性を持つシート状部材であり、写真フィルムFよりも大きな幅寸法を有する。フィルムリーダLには、多数のパーフォレーションLaが形成されており、このパーフォレーションLaと噛み合うスプロケットにより、写真フィルムFはフィルムプロセッサFP内を搬送される。かかるパーフォレーションLaを設けることで、フィルムプロセッサFP内をすべりが生じることなく確実に写真フィルムを案内することができる。
【0032】
パーフォレーションLaは、好ましくは、図示のようにフィルムリーダLの幅方向の片側端部(図3参照)に形成されるが、両側端部に形成されていてもよい。写真フィルムFとフィルムリーダLとの連結は、図3(a)に示すように、フィルムリーダLに形成された係合突起を写真フィルムFに形成された孔に挿入することで連結してもよいし、図3(b)に示すように、粘着テープTにより写真フィルムFの先端部とフィルムリーダLとを連結してもよい。使用されるフィルムリーダLの形状・大きさは予め決まっている。また、フィルムリーダLと写真フィルムFの連結は治具を用いて行なうため、フィルムリーダLに対する写真フィルムFの連結位置(貼り付け位置)も予め決まっている。
【0033】
フィルムリーダL付きの写真フィルムFをセットして、蓋体11aを閉じた後、コントロールパネル16の所定の操作ボタン16bを操作することで制御ユニット17の制御によってフィルム搬送(ローディング)が開始され、現像処理部12での現像処理と、乾燥処理部13での乾燥処理の後に排出部14からフィルムリーダLを先頭にして写真フィルムが排出される。この場合、カートリッジ検出手段11dがカートリッジCaを検出して、次いで、蓋体11aを閉じると、ローディングが開始され、写真フィルムFが搬送開始される。
【0034】
制御ユニット17は、ローディングを開始するようにフィルムプロセッサFPの各要素を制御する。フィルム駆動機構11eが、フィルムリーダL及び写真フィルムFを圧着ローラで狭持しながら現像処理部12まで搬送し、ローディングセンサー11cが搬送されてきたフィルムリーダL及び写真フィルムの先端を検出すると、現像処理部12及び乾燥処理部13の搬送機構15が駆動され、フィルムリーダL及び写真フィルムを圧着ローラで挟持して、現像処理部側に搬送する。ここで、フィルム駆動機構11eと搬送機構15は、別駆動で動作する。なお、フィルムプロセッサFPでの「ローディング」とは、フィルムカートリッジCaから写真フィルムがフィルム駆動機構11eによって引き出され、現像処理部12に搬送される動作を意味する。
【0035】
現像処理部12は、発色現像槽、漂白槽、定着槽、安定槽を有し、現像処理部12内部において搬送機構15は、フィルムリーダL及び写真フィルムを搬送するためフィルムリーダLのパーフォレーションLaと係合する複数のスプロケット機構と圧着ローラ機構15aを備えている。また、乾燥処理部13は、現像処理部12から搬送されてきた写真フィルムを乾燥するブロワ13aを備える。同様に、乾燥処理部13にも上記スプロケット機構と圧着ローラ機構が備えられている。搬送機構15は、スプロケット機構と圧着ローラ機構15aと、これらを電動モータ(不図示)で同期駆動する駆動系を備えている。
【0036】
排出部14には、現像済み写真フィルムをフィルムプロセッサFPから排出するための排出ローラ15bが設けられている。排出ローラ15bにより排出された写真フィルムは、搬送ユニットFCに受け渡されフィルムスキャナFSへと搬送されることになる。
【0037】
フィルムスキャナFSは、図1,2に示すように、スキャナー本体の下部にフィルムキャリア21を配置し、このフィルムキャリア21の下側に光源ユニット22を、フィルムキャリア21の上側にズームレンズ23と光電変換ユニット24とを配置している。スキャナー本体の内部にスキャナー制御部25(制御ユニット)を配置している。フィルムスキャナFSは、フィルムプロセッサFPに固定されており、排出部14の排出ブロック上部位置に配置されている。
【0038】
フィルムキャリア21は、フィルムプロセッサFPの前部と同じ方向に現像済み写真フィルムの供給部21aを形成し、この供給部21aからフィルムを後部側に搬送しながらスキャニングを行えるように構成される。なお、フィルムキャリア21に写真フィルムを送り出す前に、搬送ユニットFCにおいて写真フィルムからフィルムリーダLを切り離す処理がなされる。また、フィルムキャリア21は、搬送ローラ21bを駆動する搬送モータ(不図示)を備える。
【0039】
光源ユニット22は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色の発光ダイオード(不図示)を有し、ズームレンズ23は、焦点距離の調節によって、写真フィルムのコマの情報を設定された拡大率で光電変換ユニット24の光電変換面に結像させる。この光電変換ユニット24は、R(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応してCCD等の光電変換素子でなる3つのラインセンサ(不図示)を備える。
【0040】
<搬送ユニットの構成>
次に、フィルムプロセッサFPから排出された現像済み写真フィルムをフィルムスキャナFSへ搬送するための搬送ユニットFCの構成を図4により説明する。図4に示すように、フィルムプロセッサFPの排出部14には、排出ローラ15bが設けられている。
【0041】
搬送ユニットFCは、フレームに固定された搬送ブロックBと、所定の軸芯周りに回転可能に取り付けられたチャッカーCとを備えている。搬送ブロックBの下側のブロック部の上流側端部には、フィルムガイド30が設けられており、軸芯30a周りに回転可能に軸支されている。フィルムガイド30は、搬送すべき写真フィルムの幅寸法に対応したガイド部を備えており、図4に示す第1位置と想像線で示す第2位置との間をガイド切替ソレノイド31によりいずれかの位置に切り替えられる。第1位置にセットされているときは、写真フィルムをフィルムスキャナFSの方向に導くことができる。第2位置にセットしているときは、写真フィルムはフィルムストッカー18に排出される。
【0042】
搬送経路に沿って、上流側の搬送ローラ対32aと下流側の搬送ローラ対32bとからなるローラ搬送機構32が設けられている。各搬送ローラ対32a,32bは、駆動ローラと圧着ローラにより構成され、第1駆動モータM1により同期駆動される。下流側の搬送ローラ対32bの上流側近傍に第1フィルムセンサ33とリーダセンサー34が設けられている。これらのセンサーは、発光素子と受光素子からなる光センサーであり、写真フィルムやフィルムリーダがセンサー位置を通過すると、透光状態から遮光状態に切り換わることで検出を行なう。第1フィルムセンサ33とリーダセンサー34は、図4の紙面に直交する方向から見ると同じ位置に配置されているが、幅方向において異なる位置に配置されており、写真フィルムとフィルムリーダを別々に検出することができる。
【0043】
下流側搬送ローラ対32bの更に下流側には、写真フィルムとフィルムリーダを切り離すためのカッター35が設けられており、カットモータ36により駆動される。カットされたフィルムリーダはリーダーストッカー19に回収される。カッター35のすぐ下流側には、第2フィルムセンサ37が設けられており、フィルムリーダの先端や写真フィルムの先端を検出する。第2フィルムセンサ37も第1フィルムセンサ33と同様の光センサーで構成することができる。
【0044】
チャッカーCはフィルムリーダが切り離された写真フィルムの先端部を挟持ローラ対40により挟持し、フィルムスキャナFSの供給部21aへと搬送する。チャッカーCは、チャッカー駆動モータにより軸芯41回りに回転可能に設けられている。チャッカーCは、図4に示すような写真フィルムを受け取る受け取り位置と、写真フィルムをフィルムスキャナFSに受け渡し可能な受け渡し位置の間を回転可能であり、更に、ループボックス50内にループを形成するためにループ形成位置において中間停止することができる。
【0045】
搬送ユニットFCの右側の空間はループボックス50であり、写真フィルムがループを形成するための空間部が形成されている。搬送ユニットFCの上部には、第1ガイド部60と第2ガイド部61が設けられており、夫々写真フィルムを搬送するための搬送経路60a,61aが形成されている。チャッカーCが受け渡し位置に回転してきたときは、第2ガイド部61は経路外に退避するように移動し、第1ガイド部60の搬送経路60aに写真フィルムが受け渡される。
【0046】
ガイド検出センサー62は、上述したように第1ガイド部60が閉じられているか否かを検出する。ガイド検出センサー62は、第1フィルムセンサ33と同様の光センサーで構成することができる。第1ガイド部60が閉じられていれば、ガイド検出センサー62は、遮光状態となる。スキャン待機位置は、例えば、このガイド検出センサー62の位置や、後述するローディングセンサ26の位置が例示される。
【0047】
ループボックス50の上方には第1排出経路51と第2排出経路52が設けられている。フィルムスキャナFSによるコマ画像の読み取りが終了した写真フィルムは、第1ガイド部60と第2ガイド部61を逆方向に搬送され、第1排出経路51へと導かれる。第1排出経路51の終端はフィルムストッカー18へと連結されており、スキャニングを終了した写真フィルムはフィルムストッカー18に回収される。第1排出経路51には、写真フィルムを搬送するための搬送ローラ54が設けられており、これは第3駆動モータM3(図5参照)により駆動される。第3駆動モータM3と、搬送ローラ54とは、適宜の減速機構やベルト機構により連結されている。なお、第3駆動モータM3は後述するようにチャッカーCの挟持ローラ対40を駆動する機能も有している。
【0048】
フィルムプロセッサFPにより現像処理された写真フィルムは、搬送ユニットFCを介して自動的にフィルムスキャナFSに送り込まれるが、手動でフィルムスキャナFSに写真フィルムを供給することもできる。この場合は、第2ガイド機構61を開いて、第1ガイド機構60を介して、手動で写真フィルムを供給部21aから供給する。例えば、焼き増しプリントの依頼で写真フィルムの現像処理を行わない場合は、手動で写真フィルムをフィルムスキャナFSに供給する。手動で挿入された写真フィルムは、第2排出経路52から排出されるように構成されている。
【0049】
フィルムスキャナFSには、搬送経路に沿って搬送ローラ21bが配置されており、その途中に読み取り用の開口部21cが設けられる。この開口部21cの位置に読み取り光軸SLが設定される。供給部21aには、ローディングセンサー26が設けられており、写真フィルムの先端が搬送されてきたことを検出する。この検出に基づいて、各搬送ローラ21bを回転させるための駆動モータを駆動する。また、ローディングセンサー26とは別にレディセンサー27が設けられており、このレディセンサー27による検出タイミングを基準として、写真フィルムの画像スキャニング開始が制御される。
【0050】
<ループ形成について>
次に、ループボックス50におけるループ形成について説明する。フィルムプロセッサFPとフィルムスキャナFSを一体化したシステムとする場合、フィルムプロセッサFPから排出された写真フィルムを引き続いて搬送ユニットにより搬送し、フィルムスキャナFSに引き渡すことで、現像処理からコマ画像の読み取りまでを連続的に処理することができる。この場合、現像処理を行うときの処理速度は予め決まっており、排出ローラ15bの駆動速度もプロセッサの能力に基づいて設定されている。写真フィルムの搬送をスムーズに行なうためには、搬送ユニットFCのローラ搬送機構32の駆動速度も基本的には排出ローラ15bに合わせる必要がある。
【0051】
一方、フィルムスキャナFSにおける処理速度(写真フィルムの搬送速度)は、フィルムプロセッサFPとは異なっており、通常はフィルムスキャナFSのほうが高速である。従って、写真フィルムがローラ搬送機構32の搬送系とフィルムスキャナFSの搬送系の両方で駆動すると、写真フィルムに突っ張りが生じてしまう。そこで、フィルムスキャナFSに写真フィルムを送り込む前に、写真フィルムのループを形成するようにしてかかる処理速度の差を吸収できるように構成している。
【0052】
ループボックス50の構成を図8により説明すると、図1にも示すように、ループボックス50は、一対のボックスケース53a,53bにより構成され、これらボックスケース53a,53bは、写真フィルムの幅寸法に対応した距離だけ隔てて配置される。図8には、一方のボックスケース53aのみが図示されており、このボックスケース53aに第1排出経路51を形成するための溝が形成されている。他方のボックスケース53bにも同じような溝が形成されている。また、第2排出経路52を形成するため、一方のボックスケース53aの上部には段部が形成され、他方のボックスケース53bにも同じような段部が形成される。この左右一対の段部により、写真フィルムの幅方向がガイド可能となっている。
【0053】
ループボックス50の第1排出経路51には前述のように搬送ローラ対54が2箇所配置されており、スキャニングを終了した写真フィルムは、この第1排出経路51に沿って搬送され、排出部51bからフィルムストッカー18へ排出される。図8からも分かるように、第1排出経路51はループボックス50の外観側の周囲に沿って形成されており、その内側にループを形成するための空間が形成される。ループボックス50の最上部に、第2排出経路52が配置される。
【0054】
側面視で、ループを収容するための空間は、第1の空間S1と第2の空間S2により構成される。空間の入口部SEは、上記の第1・第2排出経路51,52を配置する必要性からその大きさが制限されている。第1の空間S1は入口部SEから奥側にかけて水平方向に広がっている。また、第1の空間S1の奥側において、垂直下方向に広がる第2の空間S2が設けられている。空間部の形状は全体として略逆L字形となっている。ループが形成されていく方向は、図8に示すようになっている。
【0055】
図8は、ループを形成するときにチャッカーCが中間位置で停止している状態を図示している。ここでローラ搬送機構32による写真フィルムの搬送方向に対応するベクトルV1は、図示のような方向を向いており、搬送ブロックBにおける搬送方向と同じである。また、中間位置における挟持ローラ対40の搬送方向に対応するベクトルV2の方向は図示のような方向を向いている。中間位置においてチャッカーCも挟持ローラ対40も停止した状態ではあるが、搬送方向に対応するベクトルの方向はV2の方向であり、挟持ローラ対40の一対のローラの回転軸を結んだ線に直交する方向である。このように2つの搬送方向に対応するベクトルV1,V2は、ループボックス50の入口部SEの方向を向いている。そのため、ループを形成する場合に、確実にループボックス50の方向にループを形成していくことができる。
【0056】
以上のように、ベクトルV1とベクトルV2の夫々がループボックス50の入口部SEの方向を向いているので、これらの合成ベクトルの方向も入口部SEの方向を向いていることになる。なお、ベクトルV1とベクトルV2の両方がループボックス50の入口部SEの方向を向いていない場合でも、その合成ベクトルの方向が入口部SEの方向を向いていれば、確実にループボックス50の方向にループを形成していくことができる。
【0057】
さらに、上記合成ベクトルの方向は、水平方向もしくは水平方向よりも上向きに設定しておくことが好ましい。ループが形成されていくときに、ループの下部がループボックス50の内壁面を擦れることになるが、合成ベクトルを上向きにすることで、内壁面との擦れ状態を緩和することができる。その結果、ループ形成時の負荷を小さくし、写真フィルムに与えるダメージを低下することができる。
【0058】
また、搬送ブロックBから写真フィルムが空間部に排出されるポイントy1と、中間位置で挟持ローラ対40が写真フィルムを挟持しているポイントy2とを結んだ線yを考えると、チャッカーCの回転軸芯41は、この直線yの一方側(図8の左側)に配置され、ループボックス50は直線yの他方側(図8の右側)に配置される。これにより、受け取り位置から中間位置にチャッカーCが移動する際に、挟持ポイントy2はループボックス50側に突出した円弧を描いて移動する。これにより、より確実にループボックス50の方向に向けてループを形成することができる。ループ形成を行なうときの動作については後述する。
【0059】
ループボックス50を構成するボックスケース53a,53bは、好適には樹脂成型により製作することができ、写真フィルムとの摩擦抵抗を低くするために、内部の表面を光沢面としたりコーティング等を施すことが好ましい。
【0060】
<制御ブロック構成>
次に、図5の制御ブロック図によりフィルム処理装置FAの制御機能について説明する。まず、フィルムプロセッサFPの制御ユニット17の主要な機能を説明する。フィルム端部検出部17aは、ローディングセンサー11cによる検出信号に基づいて、写真フィルム(フィルムリーダ)の先端位置及び後端位置を検出する。フィルム長さ演算部17bは、フィルム端部検出部17aにより検出された先端位置と後端位置の情報に基づいて、写真フィルムの長さを演算する。実際にローディングセンサー11cにより検出されるのはフィルムリーダの先端であるが、フィルムリーダの大きさは予め分かっているため、その分を差し引くことで写真フィルムの長さを演算することができる。通信制御部17cは、搬送ユニットFCやフィルムスキャナFSとの通信を行う機能を有する。
【0061】
フィルム位置演算部17dは、写真フィルムの先端位置情報に基づいて、現像済み写真フィルムが搬送ユニットFC内に送り込まれてくるタイミングを演算する。具体的には、排出ローラ15bから所定距離の位置に写真フィルム先端が到達したことを検出する。カウント部17eは、ローディングセンサー11cにより先端が検出された時点から予め設定された所定時間をカウントする。所定時間をカウント終了した時点で、写真フィルムの先端が排出ローラ15bから所定距離の位置に到達していることになる。なお、時間をカウントするのではなく、搬送機構15による搬送量をカウントするように構成してもよい。
【0062】
搬送制御部70は、搬送ユニットFC内を搬送される写真フィルムの搬送・停止を含む駆動制御を統括的に行なう。また、フィルムプロセッサFSの制御ユニット17及びフィルムスキャナFSのスキャナー制御部25との通信を行なう。写真フィルムの位置情報や長さ情報は、制御ユニット17からの通信によりデータを受信することができる。また、搬送制御部70は、ループボックス50にループが形成されるように、チャッカーCやローラ搬送機構32の駆動を制御し、ループ形成制御部として機能するものである。
【0063】
搬送量演算部71は、写真フィルムの搬送量を演算する。搬送ユニットFCにおいて写真フィルムの搬送・停止の制御を行うためには、写真フィルムの搬送量を監視することが必要である。搬送量の演算は、各モータ(パルスモータ)を駆動するために供給される駆動パルスの数や、搬送ローラに連動して回転するエンコーダからの信号に基づいて、搬送量を演算することができる。あるいはタイマーによる時間カウントを行なって搬送量を演算してもよい。また、搬送量演算部71は第1フィルム長さカウント部71aと第2フィルム長さカウント部71bの機能を備えており、搬送される写真フィルムの長さをカウントする機能を有する。
【0064】
また、ループ量演算手段71cは、ループ形成空間でループ形成される写真フィルムの長さ情報であるループ量を演算することができる。また、ループ残存量演算手段71dは、写真フィルムがフィルムスキャナFS側に搬送されることで減少するループ形成空間のループ量(ループ残存量)を演算することができる。ループ量またはループ残存量は、搬送量から演算できる。
【0065】
ループ量判断手段70aは、演算されたループ量が所定値以上か否かを判断することができる。そして、搬送制御部70は、ループ量が所定値になるまでループ形成するように制御され、ループ量判断手段70aによってループ量が所定値以上と判断された場合に、フィルムスキャナFS側に写真フィルムを搬送するように制御することができる。「所定値」は、例えば、36コマ撮影可能な135mmフィルムの場合、24コマ分の長さが例示される。
【0066】
また、搬送制御部70は、フィルム受け渡しユニットが受け渡し位置に配置された場合に、写真フィルムをスキャン待機位置まで搬送するように制御することが好ましい。また、搬送制御部70は、写真フィルム後端がフィルムスキャナFS側から排出された場合に、スキャン待機位置からフィルムプロセッサFP側に写真フィルムを搬送するように制御することが好ましい。
【0067】
ループ残存量判断手段70bは、ループ残存量演算手段71dで演算されたループ残存量が所定値以下か否かを判断することができる。そして、搬送制御部70は、ループ残存量判断手段70bによってループ残存量が所定値以下であると判断された場合に、写真フィルムをループ形成空間に送り出しループ形成するように制御することができる。ここでの「所定値」は、既にループ形成された写真フィルムと擦れないような値(フィルム長さ)に設定することが望ましく、例えば、ループ形成空間に形成されるループ量の最大値が24コマ分の長さ(135mmフィルム)である場合に12コマ分の長さが好適である。
【0068】
搬送制御部70は、ガイド切替ソレノイド31、第1駆動モータM1、第2駆動モータM2、第3駆動モータM3、チャッカーモータCM、カットモータ36に対する駆動制御を行なう。第1駆動モータM1は、ローラ搬送機構32を駆動し、第2駆動モータM2と第3駆動モータM3はチャッカーCの挟持ローラ対40を駆動する。チャッカーC自身には駆動源は搭載されておらず、チャッカーCが受け取り位置にあるときは、第2駆動モータM2と挟持ローラ対40とが機械的に連結し、チャッカーCが受け渡し位置にあるときは、第3駆動モータM3と挟持ローラ対40とが機械的に連結可能に構成されている。第2駆動モータM2と第3駆動モータM3は、搬送ユニットFCのフレームに対して固定されている。
【0069】
第1・第2フィルムセンサ33,37については既に説明した通り、写真フィルム(フィルムリーダ)の先端・後端の検出を行なう。ホームリミットスイッチ35aは、カッター35がホーム位置にあるか否かを検出する。ホームリミットスイッチ35aは機械的にカッター35を検出するものであるが、光センサーなど他のタイプのセンサーを用いてもよい。
【0070】
ホームセンサー38は、チャッカーCが受け取り位置(ホーム位置)にいることを検出するためのセンサーである。ガイド検出センサー62は、第1ガイド部60が閉じているか否かを検出するためのセンサーである。第1ガイド部60が閉じているときに、チャッカーCにより写真フィルムをフィルムスキャナFSに受け渡すことができる。以上の各センサー信号は、搬送制御部70に送信され、これらの検出結果に基づいて、ソレノイドやモータの駆動制御が行なわれる。
【0071】
<フィルム搬送動作>
次に、フィルムプロセッサFPから排出された現像済み写真フィルムがフィルムスキャナFSに搬送されるまでの動作を図6のフローチャート及び図7の動作図に基づいて説明する。
【0072】
フィルムプロセッサFPにおいて未現像写真フィルム(フィルムリーダ)の先端をローディングセンサー11cにより検出すると、カウント部17eによりカウントを開始する(S1,S2)。このカウント値が予め設定した所定値に到達したか否かを判断し(S3)、所定値に到達すれば、フィルム先端排出通知信号を制御ユニット17から搬送制御部70へ送信する。このとき、排出ローラ15bから所定距離の位置に写真フィルム(フィルムリーダ)の先端が到達している。すなわち、この信号により未現像写真フィルムがフィルムプロセッサFPから搬送ユニットFC内へ挿入されてきたことを認識する。
【0073】
搬送制御部70は、処理開始信号をスキャナー制御部25へ送信し、これに対する応答信号をスキャナー制御部25から搬送制御部70へ送信する。この信号によりスキャニングが許可されたか否かを判断し(S5)、許可されていなければ、ガイド切替ソレノイド31は第2位置のままとなる。従って、写真フィルムはフィルムストッカー18へと排出され、フィルムスキャナFSには搬送されない。スキャニング許可が出ないのは、現在フィルムスキャナFSが使用中(例えば、手動で写真フィルムを挿入して処理している状態)であるなどの理由による。
【0074】
スキャニング許可状態であれば、ガイド切替ソレノイド31をONにし、フィルムガイド30を図7Aに示すように第2位置から第1位置へと切り替える。次に、第1駆動モータM1と第2駆動モータM2を駆動する。これにより、フィルムリーダLを先頭にして写真フィルムFが引き続き搬送経路に沿って搬送されることになる。第1・第2駆動モータM1,M2の回転速度は排出ローラ15bの回転速度と同期した形で行なわれる(S7)。フィルムプロセッサFPが駆動している間、排出ローラ15bは常に所定速度で回転している。
【0075】
フィルムリーダL付き写真フィルムFが搬送されると、第1フィルムセンサ33及びリーダセンサー34が透光から遮光状態に変化する(S8)。これらのセンサーが共に遮光状態になった時点から、フィルムリーダLの先頭位置のカウントを開始する(S9)。これは搬送量演算部71の機能に基づき行われる。
【0076】
引き続き写真フィルムFを搬送すると第2フィルムセンサ37が透光から遮光状態に切り替わる(S10)。この遮光から所定量写真フィルムを搬送した時点で第1・第2駆動モータM1,M2を共に停止させる(S11)。このときの状態を図7Bに示す。この場合、排出ローラ15bは依然として駆動される状態であるため、図7Cに示すように排出ローラ15bと上流側搬送ローラ対32aの間の空間(ループ形成部に相当)に写真フィルムFのループRが形成される(S12)。所定量のループRを形成するために、所定時間だけ第1・第2駆動モータM1,M2は停止させられる。所定量のループRが形成されたか否かは、上記のようにモータの駆動停止時間で決められるため、ループRの大きさを検出するための専用のセンサーは不要である。
【0077】
所定量のループRが作成された後、ガイド切替ソレノイド31をOFFにし、第1位置から第2位置へと切り替える(S14)。これにより、フィルムガイド30は写真フィルムFの幅をガイドできる状態となり、写真フィルムFの蛇行等を補正することができる。また、この時点ではフィルムリーダLはフィルムガイド30の位置を完全に通過している状態である。
【0078】
次に、再び第1・第2駆動モータM1,M2を排出ローラ15bと同期する形で駆動する(S15)。再び、フィルムリーダLを先頭に写真フィルムFの搬送が開始される。フィルムリーダLの後端がリーダセンサー34の位置を通過すると、リーダセンサー34は遮光から透光状態に切り替わる(S16)。そして、この透光状態に切り替わってから所定距離搬送した時点で第1駆動モータM1をまず先に停止させ、その直後に第2駆動モータM2を停止させる(S17,18)。この状態を図7Dに示す。なお、チャッカーCは受け取り位置において待機しており、挟持ローラ対40と第2駆動モータM2とは機械的に連結されている。
【0079】
フィルムリーダLは、チャッカーCの挟持ローラ対40に挟持され、先端はチャッカーCから垂れ下がった状態になる。また、フィルムリーダLの後端は、カッター35によるカット位置を通過している。従って、この状態はフィルムリーダLと写真フィルムFとを分離する準備が整った段階を示している。第1駆動モータM1を第2駆動モータM2よりも直前に停止させることで、カット位置における写真フィルムFのたるみを解消することができる。カット位置は、フィルムリーダLの後端から所定距離(例えば、20mm程度)の位置にある。
【0080】
次に、カッターモータ36を駆動しフィルムリーダLと写真フィルムFを切り離す(S19)。なお、カッター35の動作のチェックはホームリミットスイッチ35aの検出結果等に基づいて行なわれる。カット処理終了後、第2駆動モータM2を駆動することで、分離されたフィルムリーダLが搬送され、リーダーストッカー19へと回収される。フィルムリーダLが搬送されると、第2フィルムセンサ37が遮光から透光状態に切り替わる(S21)。
【0081】
第2フィルムセンサ37が透光状態になってから所定量挟持ローラ対40を駆動した後、第2駆動モータM2を停止させる(S22)。フィルムリーダLを排出するときの様子を図7Eに示す。フィルムリーダLを排出するときの第2駆動モータM2の駆動速度は、フィルムリーダL用に設定された速度で行なわれ、排出ローラ15bの駆動速度よりも速い速度とすることが好ましい。
【0082】
次に、第1・第2駆動モータM1,M2を再び排出ローラ15bに同期した速度で駆動する(S23)。カットされた写真フィルムFの先端が第2フィルムセンサ37を通過すると、第2フィルムセンサ37は透光から遮光状態に切り替わる(S24)。この切り替わり時に、第1フィルム長さカウント部71aによりフィルム長さのカウントを開始する。遮光状態に切り替わってから所定量だけ更に写真フィルムFを搬送させた後、第1・第2駆動モータM1,M2を共に停止させる(S25)。この時点で写真フィルムFの先端は、挟持ローラ対40から少し突出した状態になっている。
【0083】
第1・第2駆動モータM1,M2の停止により、排出ローラ15bのみが駆動する状態となり、ループ形成部に写真フィルムFのループが形成される状態になり(S26)、これを図7Fに示す。所定量のループRを形成するため、予め設定した所定時間が経過するのを待つ(S27)。
【0084】
所定時間が経過すると、チャッカーモータCMを駆動し、チャッカーCの回転を開始する(S28)。これにより、チャッカーCは軸芯41回りに反時計方向に回転し始める。チャッカーモータCMの駆動開始と同時に第1駆動モータM1をチャッカーCの回転速度に同期した速度で駆動する(S29)。
【0085】
チャッカーモータCMを予め設定した所定量駆動して、チャッカーCがループ形成位置(中間位置)に到達するとチャッカーモータCMを停止する(S30)。これと同時に第1駆動モータM1も停止させる(S31)。この状態を図7Gに示す。中間位置は、受け渡し位置に対して例えば30゜程度手前の位置に設定されている。次に、第1駆動モータM1を排出ローラ15bと速度を同期させて駆動させる(S32)。この動作によりループボックス50内に写真フィルムFのループが形成されていく(S33)。チャッカーCを図示の中間位置で停止させるのは、このループが形成されやすくするためである。ループが形成された状態を図7Hに示す。また、チャッカーCがループ形成位置に到達すると、チャッカーCにより第2ガイド部61が跳ね上げられる。
【0086】
排出ローラ15bの押し出しにより連続的に写真フィルムFがループボックス50に送り込まれて、ループが形成される(図7H参照)。ここで形成されるループのループ量は、ループ形成空間で形成されるループのフィルム長さであり、第2フィルムセンサ37部分から挟持ローラ対40部分までの写真フィルムの長さである。第2フィルムセンサ37でフィルム先端が検出されてからのフィルム搬送量を演算することで、ループ量が得られる。搬送量(搬送された写真フィルムFの長さ)は、第2フィルムセンサ37がステップS24において写真フィルムの先端を検出してからカウントされるフィルム長さカウント値である。
【0087】
写真フィルムFがループボックス50に搬送されていくと、写真フィルムFの後端が排出ローラ15bから脱出する。フィルム後端が排出ローラ15bから脱出して所定距離Lx(例えば30mm)の位置に到達したことを検出する(S34)。これは、フィルム位置演算部17dの機能に基づいて検出されるものであり、次の式に基づいて演算される。
【0088】
フィルム長さ−L1−L2+L3≦フィルム長さカウント値・・・(A)
ここでフィルム長さ情報は、フィルムプロセッサFP側のフィルム長さ演算部17bの機能により演算されたデータが使用される。L1は、フィルムリーダLと写真フィルムFをカットするときにカットされたフィルムの長さ(前述の例では20mm)である。L2は、第2フィルムセンサ37の位置と排出ローラ15bから所定距離の位置の間のフィルム長さである(図7H参照)。L3はループ形成部において形成されるループ量(例えば、50mm)である。上記L1,L2,L3は、いずれも予め設定された値が使用される。フィルム長さカウント値は、第2フィルムセンサ37がステップS24において写真フィルムの先端を検出してからカウントされるカウント値(搬送された写真フィルムの長さに相当する)である。上記式が成立した時点で、写真フィルムFの後端は完全にフィルムプロセッサFPから排出され搬送ユニットFC内に入っていることになる。第1フィルム長さカウント部71aによるカウントはその後も続けて行なわれる。
【0089】
ステップS34により、写真フィルムの後端の排出が検出されることにより、スキャン処理を可能状態に設定する。これは、フィルムプロセッサーFPの搬送速度は一定速度であり、さらに、搬送ユニットFCでの搬送速度やフィルムスキャナFSでのスキャン速度より遅いためである。
【0090】
ループ量が、所定値(24コマ分の長さ)以上か否かが判断される(S35)。ループ量が所定値より小さい場合、ステップS33に行き、そのままループが形成される。一方、ループ量が所定値以上である場合、ステップS36に行き、第1駆動モータM1の駆動を停止する(S36)。次に、チャッカーモータCMを駆動してチャッカーCを再び反時計方向に回転させる(S37)。ついで、第3駆動モータM3を低速で駆動開始する(S38)。これは、第3駆動モータM3による駆動系とチャッカーCの挟持ローラ対40との噛み合わせをスムーズに行なうためである。ループ形成位置から所定角度回転させると、チャッカーCは受け渡し位置に移動し、チャッカーモータCMを停止させる(S39)。次に、第3駆動モータM3も停止させる(S40)。この状態を図7Iに示す。
【0091】
次に、フィルムキャリア21内のスキャナーモータSMと第3駆動モータM3を最高速度で駆動する(S41)。また、第2フィルム長さカウント部71bにより、フィルム長さのカウント(カウント値(2))が開始される。これにより、写真フィルムFがチャッカーCから排出されて第1ガイド部60の搬送経路60aに挿入され、ガイド検出センサー62の位置(スキャン待機位置に相当する)まで搬送され、第3駆動モータM3を停止する(S41)。ガイド検出センサー62が、写真フィルムFの先端を検出することで第3駆動モータM3を停止するように構成できる。或いは、第2フィルム長さカウント部71bによるフィルム長さのカウントに基づいて、搬送量を演算し、搬送量がチャッカーCからスキャン待機位置(ガイド検出センサー62の位置)までの距離に等しくなった場合に第3駆動モータM3を停止するように構成できる。これを図7Jに示す。
【0092】
また、スキャン待機位置として、ローディングセンサー26の位置に設定することもできる。この場合、写真フィルムFは、チャッカーCから排出されて第1ガイド部60の搬送経路60aに挿入されフィルムスキャナFS内に供給される。フィルムスキャナFSのローディングセンサー26により写真フィルムFの先端を検出すると、ローディングセンサー26は透光から遮光状態に切り替わる。この遮光状態になってから所定量写真フィルムを搬送した後、スキャナーモータSMと第3駆動モータM3を共に停止させる。この時点で、写真フィルムFの先端は、一番上流にある搬送ローラ対21bから少し突出した状態になっている。これを図7Kに示す。
【0093】
この写真フィルムFがスキャン待機位置に挿入されたことを搬送制御部70からスキャナー制御部25へと通知する(S43)。スキャナー制御部25からスキャニングOKという応答信号があれば(S44)、スキャナーモータSMと第3駆動モータM3を最高速度で駆動する(S46)。スキャニングの許可が出なければ、許可が出るまで待機する(S45)。
【0094】
ステップS46において、スキャナーモータSMの速度よりも第3駆動モータM3の速度の方が若干遅くなるように設定されている。第3駆動モータM3により駆動される駆動系にすべり機構を設けるようにし、フィルムスキャナFSに送り込まれる写真フィルムFにたるみが生じないようにする。
【0095】
次に、ループボックス50内のループ残存量が予め設定した所定値以下になったか否かを判断する(S47)。このループ残存量は次式により演算される。
【0096】
ループ残存量=フィルム長さカウント値(1)−(L4)・・・(B)
ここでフィルム長さカウント値(1)は第1フィルム長さカウント部71aによりカウントされた値が使用される(第2フィルムセンサ37からループ形成空間に送り込まれる写真フィルムのフィルム長さのカウント値に相当する)。L4は図7J或いは図7Kに示すように、受け渡し位置からガイド検出センサー62或いはローディングセンサー26までの距離である。
【0097】
ループ残存量が所定値以下になると、第1駆動モータM1を最高速度で駆動する(S48)。写真フィルムFが第1フィルムセンサを透過後、写真フィルムFの後端を所定距離だけ搬送させると、第1駆動モータM1を停止させる(S49)。これにより、写真フィルムFはスキャナーモータSMと第3駆動モータM3のみで搬送される状態になる。これを図7Lに示す。
【0098】
写真フィルムFの後端が第2フィルムセンサ37の位置を通過すると、第2フィルムセンサ37は遮光から透過状態に切り替わる(S50)。一方、フィルムスキャナFSにおいては、写真フィルムFのスキャニング動作(プレスキャン)が行なわれる。写真フィルムFの後端がローディングセンサー26の位置を通過すると、ローディングセンサー26は遮光から透過状態に切り替わり(S51)、プレスキャンもしばらくして終了する(S52)。
【0099】
ここで、写真フィルムFのスキャニング動作におけるプレスキャンと本スキャンについて簡単に説明する。図7L等に示すように、写真フィルムが右から左へ移動するときはプレスキャンが行なわれ、プレスキャンが終了して写真フィルムFを左から右に逆移動するときに本スキャンが行なわれる。プレスキャンとは、写真フィルム全体の画像を低解像度で読み取るものであり、コマ画像の位置を特定するなどの処理が行われる。本スキャンにおいては、プレスキャンにおいて特定されたコマ画像を高解像度で読み取るものであり、コマ画像の部分のみが読み取られる。この読み取られたコマ画像の画像データを用いてプリント作成処理が行われる。
【0100】
写真フィルムFの受け渡し位置における送り出しが終了すると、チャッカーモータCMによりチャッカーCを逆回転させる(S53)。チャッカーCが受け取り位置に戻ってくると、ホームセンサー38が透光から遮光状態に切り替わる(S54)。遮光状態に切り替わってから、チャッカーモータCMを停止させる(S55)。チャッカーCがホーム位置に戻ることで、第2ガイド部61も元の位置に復帰する。
【0101】
フィルムスキャナFSにおいて、プレスキャンが終了した後、本スキャンが開始されると、写真フィルムの先端は第1ガイド部60と第2ガイド部61の各搬送経路60a,61aを通過し、更にループボックス50の周囲に設けられている第1排出経路51を通過してフィルムストッカー18へ回収される。
【0102】
以上の構成によれば、ループ形成空間の空間サイズが制限されている場合でも、ループ形成を可能としつつ、スキャン処理開始のタイミングを速めて、処理効率を高めることができるフィルム処理装置を提供することができる。
【0103】
<別実施形態>
本発明において処理対象となる写真フィルムは、ネガフィルムかポジフィルムか限定されるものではなく、また、135タイプやAPSタイプなどの適宜の種類の写真フィルムに対して応用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0104】
【図1】フィルム処理装置を有するプリント処理システム全体の外観構成を示す図
【図2】フィルム処理装置の全体構成を示す断面図
【図3】写真フィルムとフィルムリーダを連結した状態を示す図
【図4】搬送ユニットの構成を示す断面図
【図5】フィルム処理装置の制御機能を示すブロック図
【図6A】搬送ユニットにおける動作を示すフローチャート
【図6B】搬送ユニットにおける動作を示すフローチャート
【図6C】搬送ユニットにおける動作を示すフローチャート
【図6D】搬送ユニットにおける動作を示すフローチャート
【図7A】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7B】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7C】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7D】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7E】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7F】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7G】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7H】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7I】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7J】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7K】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図7L】搬送ユニットにおける動作を示す図
【図8】ループボックスの構成とループ形成について説明する図
【図9A】従来装置のループ形成動作を示す図
【図9B】従来装置のループ形成動作を示す図
【符号の説明】
【0105】
1 プリント処理システム
32 ローラ搬送機構
32a,32b 搬送ローラ対
40 挟持ローラ対
41 軸芯
50 ループボックス
60 第1ガイド機構
61 第2ガイド機構
61a 搬送経路
70 搬送制御部
70a ループ量判断手段
70b ループ残存量判断手段
71 搬送量演算部
71a 第1フィルム長さカウント部
71b 第2フィルム長さカウント部
71c ループ量演算手段
71d ループ残存量演算手段
B 搬送ブロック
F 写真フィルム
FP フィルムプロセッサ
FA フィルム処理装置
FC 搬送ユニット
FS フィルムスキャナ
C チャッカー
L フィルムリーダ
S1 第1の空間
S2 第2の空間
V1,V2 搬送方向に対応するベクトル
y 直線
y1,y2 ポイント

【特許請求の範囲】
【請求項1】
受け取り位置において上流側搬送ローラ対から写真フィルムを受け取り、受け渡し位置において写真フィルムをフィルムスキャナ側に受け渡すフィルム受け渡しユニットと、
受け取り位置から受け渡し位置へ移動する間に形成される写真フィルムのループを収容するループ形成空間と、
フィルム受け渡しユニットを停止させて、上流側搬送ローラ対のみを駆動することでループを形成させるループ形成制御部とを備えたフィルム処理装置であって、
前記ループ形成空間でループ形成される写真フィルムの長さ情報であるループ量を演算するループ量演算手段と、
前記ループ量演算手段の演算によるループ量が所定値以上か否かを判断するループ量判断手段と、
前記ループ形成制御部によってループ量が所定値になるまでループ形成するように制御され、ループ量判断手段によってループ量が所定値以上と判断された場合に、前記フィルムスキャナ側に写真フィルムを搬送するように制御する搬送制御部とを、
さらに備えることを特徴とするフィルム処理装置。
【請求項2】
前記搬送制御部は、
フィルム受け渡しユニットが受け渡し位置に配置された場合に、写真フィルムをスキャン待機位置まで搬送可能に制御することを特徴とする請求項1に記載のフィルム処理装置。
【請求項3】
前記搬送制御部は、
写真フィルム後端がフィルムプロセッサ側から排出された場合に、スキャン待機位置からフィルムスキャナ側に写真フィルムを搬送するように制御することを特徴とする請求項2に記載のフィルム処理装置。
【請求項4】
写真フィルムがフィルムスキャナ側に搬送されることで減少するループ形成空間のループ量を演算するループ残存量演算手段と、
ループ残存量演算手段で演算されたループ残存量が所定値以下か否かを判断するループ残存量判断手段とを、さらに備え
前記搬送制御部は、
前記ループ残存量判断手段によってループ残存量が所定値以下であると判断された場合に、写真フィルムをループ形成空間に送り出しループ形成するように制御することを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載のフィルム処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6A】
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【図6B】
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【図6C】
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【図6D】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図7D】
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【図7E】
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【図7F】
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【図7G】
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【図7H】
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【図7I】
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【図7J】
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【図7K】
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【図7L】
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【図8】
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【図9A】
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【図9B】
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【公開番号】特開2007−225703(P2007−225703A)
【公開日】平成19年9月6日(2007.9.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−44156(P2006−44156)
【出願日】平成18年2月21日(2006.2.21)
【出願人】(000135313)ノーリツ鋼機株式会社 (1,824)
【Fターム(参考)】