説明

フィルム露光装置

【課題】フィルム状の被露光体にマスクパターンを露光する露光装置において、露光面上に生じる皺を抑制することで、露光面上に精度の高いマスクパターンを形成する。
【解決手段】フィルム露光装置1は、フィルム搬送部2と、フォトマスク3と、マスク保持部4と、光照射部5とを備える。フォトマスク3は、被露光体Fの搬送方向に沿って配置される第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32を備える。マスク保持部4は、第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32の間に被露光体Fの搬送方向に交差して延設し且つ露光面aに対して立設した遮光板41を備え、遮光板41の延設方向に沿ってエアが吹き出され、開口4aを介してフォトマスク3を冷却するエア吹き出し口42(42A,42B)を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フィルム状の被露光体に各種パターンを露光するフィルム露光装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
フィルム状の基材を一方向に搬送しながら、この基材に位相差パターン,フィルタパターン,回路パターンなどの各種パターンを露光する露光装置が知られている。例えば、下記特許文献1に記載された露光装置は、所定幅を有するロールフィルム状の被露光体を露光部上に送り込んで、マスクのパターンを被露光体に露光する装置であって、被露光体を送り出す供給リールを回転させる供給リール回転部と、この供給リールから送り出された被露光体をガイドするガイドローラと、このガイドローラと露光部との間に配置され、被露光体にパターンマスクとの位置合わせ用のアライメントマークを描画するアライメントマーク描画部とを備える。また、このアライメントマークを撮像するアライメントカメラを備え、アライメントカメラの画像に基づいてフィルム状の被露光体とマスクの位置調整を行うものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−53383号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
このような露光装置では、フィルム状の被露光体が露光によって加熱されることで、被露光体の露光面に搬送方向に沿った筋状の皺が生じることがある。露光面にこのような皺が生じると、マスクのパターンを露光面上に形成する際にパターンの寸法に悪影響を及ぼすことがあり、露光面上に精度の高いパターンを形成することができない問題が生じる。
【0005】
また、被露光体のフィルム面上に形成したアライメントマークをアライメントカメラで撮像する際に、前述した皺がフィルム面上に生じていると、アライメントカメラの焦点位置が変化し、取得画像の鮮明度が低下して被露光体とマスクとの位置調整を高精度に行うことができなくなる問題が生じる。
【0006】
本発明は、このような問題に対処することを課題の一例とするものである。すなわち、フィルム状の被露光体にマスクパターンを露光する露光装置において、露光面上に生じる皺を抑制することで、露光面上に精度の高いマスクパターンを形成すること、或いは、フィルム状の被露光体とマスクとの位置調整を高精度に行うことができること、等が本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
このような目的を達成するために、本発明は、以下の構成を少なくとも具備するものである。
【0008】
フィルム状の被露光体にマスクパターンを露光する露光装置において、前記被露光体を一方向に沿って搬送するフィルム搬送部と、前記被露光体の露光面上に近接配置されるフォトマスクと、前記フォトマスクを前記被露光体の露光面上に保持すると共に前記フォトマスクのマスクパターンに対応した開口を有するマスク保持部と、前記フォトマスクのマスクパターンに前記開口を介して光を照射する光照射部とを備え、前記フォトマスクは、前記被露光体の搬送方向に沿って配置される第1のマスクパターンと第2のマスクパターンを備え、前記マスク保持部は、前記第1のマスクパターンと前記第2のマスクパターンの間に前記被露光体の搬送方向に交差して延設し且つ前記露光面に対して立設した遮光板を備えると共に、前記遮光板の延設方向に沿ってエアが吹き出され前記開口を介して前記フォトマスクを冷却するエア吹き出し口を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明は、フィルム状の被露光体への露光時に生じる皺が、露光時に加熱されるフォトマスクからの輻射熱による被露光体の熱膨張によって生じるという新たな知見に基づくものであり、被露光体の皺の発生原因であるフォトマスクの加熱を効果的に解消するために、フォトマスクを保持するマスク保持部にフォトマスクを冷却するエア吹き出し口を設けたものである。
【0010】
この際、本発明のフィルム露光装置は、フォトマスク自体が被露光体の搬送方向に沿って第1のマスクパターンと第2のマスクパターンを備えており、マスク保持部が第1のマスクパターンと第2のマスクパターンの間に被露光体の搬送方向に交差して延設し且つ被露光体の露光面に対して立設した遮光板を備えているので、この遮光板を利用してフォトマスクに吹き付けるエアの流れを被露光体の搬送方向と交差する方向に規制し、被露光体の搬送方向上流側と下流側でフォトマスクに対する冷却強度を変えることができる。
【0011】
より具体的には、被露光体の搬送方向に沿ってフォトマスクが第1のマスクパターンと第2のマスクパターンを備えることで、フォトマスクからの輻射熱で加熱される被露光体にはその搬送方向に沿った温度勾配が生じ易くなる。本発明のフィルム露光装置は、フォトマスクを被露光体に近接した状態で保持するマスク保持部が、前述した遮光板の延設方向に沿ってエアを吹き出すエア吹き出し口を備え、このエア吹き出し口から吹き出されたエアがマスク保持部の開口を介してフォトマスクを冷却するので、被露光体の搬送方向に交差する方向に向けたエア吹き出し口を前述した温度勾配に対応して配置し、冷却強度を被露光体の搬送方向の上流側と下流側で変えることで、効率的なフォトマスクの冷却が可能になる。
【0012】
これによって被露光体の温度勾配を解消させ、被露光体の露光面上に生じる皺を抑制することができるので、露光面上に精度の高いパターンを形成することができる。また、被露光体の露光面上に生じる皺を抑制することで、被露光体のアライメントマークを焦点ズレなく撮像できるので、被露光体とマスクとの位置調整を高精度に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の実施形態に係るフィルム露光装置の全体構成を示した説明図である(図1(a)が側面図であり、図1(b)が平面図)。
【図2】本発明の実施形態におけるフォトマスクのマスクパターンを示した説明図(図2(a)が平面図、図2(b)がA−A断面図)である。
【図3】本発明の実施形態におけるマスク保持部の具体的な構成例を示した説明図(図3(a)がB−B断面図であり、図3(b)がA−A断面図)である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態を説明する。図1は、本発明の実施形態に係るフィルム露光装置の全体構成を示した説明図である(図1(a)が側面図であり、図1(b)が平面図)。
【0015】
フィルム露光装置1は、フィルム状の被露光体Fにマスクパターンを露光する装置であり、被露光体Fを一方向に沿って搬送するフィルム搬送部2と、被露光体Fの露光面a上に近接配置されるフォトマスク3と、フォトマスク3を被露光体Fの露光面a上に保持するマスク保持部4と、フォトマスク3のマスクパターンに光を照射する光照射部5とを備えている。
【0016】
被露光体Fは、一方向に沿って長尺なフィルム状の基材に対して紫外線等の光を照射することで変性する感光性樹脂層を表面又は内部に備えるものである。被露光体F上に形成される露光パターンは、位相差パターン,カラーフィルタパターン,回路パターンなどの各種パターンであればよく、パターンの形態は特に限定されないが、被露光体Fを一方向に沿って搬送しながらパターン形成を行うものであるから、搬送方向に沿った線状のパターンが形成されることになる。
【0017】
フィルム搬送部2は、フィルム状の被露光体Fを図示の矢印に沿って一方向に搬送するものである。図示の例は、フォトマスク3に対して被露光体Fの搬送方向上流側と下流側に一対の搬送ロール21,22を備えており、その搬送ロール21,22の間に被露光体Fの露光面aが配置された露光部1Aを備える。図示のフィルム搬送部2は、一対の搬送ロール21,22間の露光面aに所定のテンションが付加されるように、搬送ロール21,22の上流側及び下流側に複数の搬送ロール23,24を備えている。
【0018】
フォトマスク3は、図示の例では搬送ロール21,22間で被露光体Fの露光面a上に近接配置され、被露光体Fの搬送方向に沿って配置される第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32を備えている。図2は、本発明の実施形態におけるフォトマスクのマスクパターンを示した説明図(図2(a)が平面図、図2(b)がA−A断面図)である。図示の例では、第1のマスクパターン31が被露光体Fの搬送方向上流側に配置され、第2のマスクパターン32が被露光体Fの搬送方向下流側に配置されている。第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32は、それぞれ被露光体Fの露光面a上の異なる位置に線状のパターンを形成するものである。
【0019】
フォトマスク3は、第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32の間にアライメント開口部33,34,35を備えている。アライメント開口部33,34はそれ自体がアライメントマークとして機能するものであり、これによってフォトマスク3の初期状態における位置調整を行う。アライメント開口部35はスリット状の開口部であり、その内部に被露光体Fの搬送方向に沿って線状のマーク(図示省略)が設けられている。被露光体F上に設けられた線状のアライメントマークとアライメント開口部35内の線状のマークを合わせることで被露光体Fの搬送中の位置調整が行われる。また、フォトマスク3は、透明な石英ガラス基板3Aの一面にクロムなどの遮光層3Bをスパッタリングなどで形成し、この遮光層3Bにフォトリソ工程などで第1のマスクパターン31、第2のマスクパターン32、アライメント開口部33,34,35を形成したものである。
【0020】
マスク保持部4は、フォトマスク3を被露光体Fの露光面a上に保持すると共にフォトマスク3のマスクパターンに対応した開口4aを有する。開口4aはフォトマスク3の第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32に対応して形成されている。また、マスク保持部4は、第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32の間に被露光体Fの搬送方向に交差して延設し且つ露光面aに対して立設した遮光板41を備えている。そして、マスク保持部4は、遮光板41の延設方向に沿ってエアが吹き出されるエア吹き出し口42(42A,42B)を備えている。このエア吹き出し口42(42A,42B)から吹き出されたエアが開口4aを介してフォトマスク3に当たることでフォトマスク3を冷却している。
【0021】
マスク保持部4の上には、フォトマスク3の第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32のそれぞれに光を照射する光照射部5(5A,5B)を配置している。光照射部5(5A,5B)は、図示省略した一つ又は複数の光源からの光をフォトマスク3の第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32にそれぞれ導くものである。光照射部5(5A,5B)の一例を説明すると、異なる直線偏光成分(P偏光とS偏光)をそれぞれの光照射部5A,5Bから露光面aに傾斜した角度で照射している。これによると露光面a上にストライプ状の位相差パターンを形成することができる。
【0022】
また、本発明の実施形態に係るフィルム露光装置1は、一対の搬送ロール21,22間にアライメントマークを撮像するアライメントカメラ6(6A,6B)を配置しており、アライメントカメラ6(6A,6B)の取得画像に基づいてマスク保持部4と被露光体Fとの位置調整を行う位置調整部7を備える。位置調整部7はマスク保持部4の支持枠43を介してマスク保持部4に保持されたフォトマスク3と被露光体Fとの位置調整を行う。
【0023】
アライメントカメラ6は、位置調整用光源9から照射されて、アライメント開口部33,34,35及び被露光体Fを透過した光で、アライメントマークの画像を取得している。アライメントカメラ6の画像は図示省略した制御部で画像処理され、この制御部の出力によって位置調整部7を動作させる。アライメントカメラ6は、アライメント開口部33,34とアライメントマークとして撮像するための初期調整用カメラ6Aと、アライメント開口部35内の線状マークと被露光体Fに設けた線状のアライメントマークを撮像するための追従用カメラ6Bを備えている。また、一対の搬送ロール21,22間には、被露光体Fとフォトマスク3との間隔を検知して適正な間隔に調整するためのギャップセンサ8を設けることができる。
【0024】
このような構成を備えるフィルム露光装置1は、エア吹き出し口42(42A,42B)からエアをフォトマスク3に吹き付けることで、フォトマスク3の加熱を抑えることができ、フォトマスク3からの輻射熱で被露光体Fが熱膨張することによって生じる露光面aの皺を抑制することができる。これによって、皺のないフラットな露光面aに第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32を露光することができ、寸法精度の高いマスクパターンを形成することが可能になる。また、露光面aの皺を抑制することで、アライメントカメラ6で被露光体Fに設けたアライメントマークを撮像する際の焦点ズレが生じ難くなる。これによって、被露光体Fとフォトマスク3との位置調整を高精度に行うことが可能になる。
【0025】
このようなフィルム露光装置1において、エア吹き出し口42を設けること無く露光動作を行った場合には、光照射部5Aから照射される光でフォトマスク3における第1のマスクパターンの周辺が加熱され、光照射部5Bから照射される光でフォトマスク3における第2のマスクパターンの周辺が加熱されることになる。フォトマスク3の遮光層3Bの表面温度は遮光層3Bにおける熱伝導で全体的に高くなるが、光の照射で直接的に温度が上昇する第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32の周囲は部分的に温度が高くなっている。これに対して、フォトマスク3に近接した状態で搬送される被露光体Fは、フォトマスク3からの輻射熱で加熱され、また常時一方向に沿って移動するので、搬送方向上流側に位置する第1のマスクパターン31の周囲の高温部分からの輻射熱で加熱された被露光体Fの露光面aが移動して第2のマスクパターン32の周囲の高温部分からの輻射熱で更に加熱されることになり、被露光体Fの露光面aは搬送方向の上流側より下流側で温度が高い温度勾配を有する状態になる。
【0026】
このように、エア吹き出し口42を設けること無く露光動作を行った場合には、被露光体Fの露光面aに搬送方向に沿った温度勾配が形成されることになり、これが原因で露光面aに皺が生じやすくなる。これに対して、本発明の実施形態に係るフィルム露光装置1は、マスク保持部4が被露光体Fの搬送方向に交差する方向に延設された遮光板41を備えており、この遮光板41を利用して、被露光体Fの搬送方向と交差する方向に沿ったエアの流れでフォトマスクを冷却することができる。これによると、被露光体Fの搬送方向上流側と下流側で冷却の強度を変えることができる。そして、フォトマスク3に対して被露光体Fの搬送方向の下流側でより強い冷却を行うことで、被露光体Fの露光面aに前述した温度勾配が生じ難くなり、効率的にフォトマスク3を冷却して被露光体Fに生じる皺を抑制することができる。
【0027】
図3は、本発明の実施形態におけるマスク保持部の具体的な構成例を示した説明図(図3(a)がB−B断面図であり、図3(b)がA−A断面図)である。図示の例のマスク保持部4は、フォトマスク3を吸着して保持するものであり、フォトマスク3の外周縁に対応する外縁を有する枠体44を備えている。この枠体44には、内部にフォトマスク3の第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32に対応する開口4aが設けられる。
【0028】
また、枠体44の略中央には、被露光体Fの搬送方向(図示矢印m)に交差する方向に延設される遮光板41が設けられ、遮光板41を跨ぐように支持枠43が設けられている。遮光板41は第1のマスクパターン31に照射される光と第2のマスクパターン32に照射される光が互いに交錯しないように設けられるものであり、この遮光板41によって開口4aが二つに仕切られている。更に、枠体44には、その下面にマスク吸着孔45が設けられ、このマスク吸着孔45に生じる負圧でフォトマスク3を枠体44の下面に吸着している。
【0029】
図示の例では、このようなマスク保持部4において、枠体44にエア吹き出し口42(42A,42B)を設けている。このエア吹き出し口42(42A,42B)は、第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32のそれぞれに対応して設けられ、遮光板41の延設方向(すなわち、被露光体Fの搬送方向(図示矢印m)に交差する方向)に沿ってエアが吹き出されるように配備されている。そして、被露光体Fの搬送方向(図示矢印m)下流側のエア吹き出し口42Bの口径が被露光体Fの搬送方向(図示矢印m)上流側のエア吹き出し口42Aの口径より大きく形成されており、エア吹き出し口42Bの吹き出し流量をエア吹き出し口42Aの吹き出し流量より大きくしている。
【0030】
ここでのエア吹き出し口42A,42Bはいずれも開口4a内に向けられ、このエア吹き出し口42A,42Bから吹き出されるエアでフォトマスク3の第1のマスクパターン31と第2のマスクパターン32の周囲を冷却している。この例では、枠体44にエア吹き出し口42A,42Bを直接形成しているが、これに限らず、枠体44の上面でエア吹き出し口42A,42Bを有するエアホースなどを支持する構成であってもよい。
【0031】
このような構成を有するマスク保持部4を備えたフィルム露光装置1によると、第2のマスクパターン32の周囲の冷却強度を第1のマスクパターン31の周囲の冷却強度より高めることができ、フォトマスク3に対してその全体を冷却しながら被露光体Fの搬送方向下流側での冷却強度を高めることができる。これによると、被露光体Fの露光面aにおける温度勾配を解消するようにフォトマスク3を効率的に冷却することができ、被露光体Fに生じる皺を効果的に抑制することができる。
【0032】
以上説明した本発明の実施形態に係るフィルム露光装置1は、被露光体Fの露光面a上に生じる皺を抑制することで、露光面a上に精度の高いマスクパターンを形成することができる。また、被露光体Fの露光面a上に生じる皺を抑制することで、被露光体Fに設けたアライメントマークを焦点ズレ無く撮像することができ、被露光体Fとフォトマスク3との位置調整を高精度に行うことができる。
【0033】
以上、本発明の実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこれらの実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計の変更等があっても本発明に含まれる。また、上述の各実施の形態は、その目的及び構成等に特に矛盾や問題がない限り、互いの技術を流用して組み合わせることが可能である。
【符号の説明】
【0034】
1:フィルム露光装置,2:フィルム搬送部,3:フォトマスク,
4:マスク保持部,4a:開口,5(5A,5B):光照射部,
6(6A,6B):アライメントカメラ,7:位置調整部,
8:ギャップセンサ,9:位置調整用光源,
21,22,23,24:搬送ロール,
31:第1のマスクパターン,32:第2のマスクパターン,
33,34,35:アライメント開口部,
41:遮光板,42(42A,42B):エア吹き出し口,
43:支持枠,44:枠体,45:マスク吸着孔
F:被露光体,a:露光面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
フィルム状の被露光体にマスクパターンを露光する露光装置において、
前記被露光体を一方向に沿って搬送するフィルム搬送部と、
前記被露光体の露光面上に近接配置されるフォトマスクと、
前記フォトマスクを前記被露光体の露光面上に保持すると共に前記フォトマスクのマスクパターンに対応した開口を有するマスク保持部と、
前記フォトマスクのマスクパターンに前記開口を介して光を照射する光照射部とを備え、
前記フォトマスクは、前記被露光体の搬送方向に沿って配置される第1のマスクパターンと第2のマスクパターンを備え、
前記マスク保持部は、
前記第1のマスクパターンと前記第2のマスクパターンの間に前記被露光体の搬送方向に交差して延設し且つ前記露光面に対して立設した遮光板を備えると共に、
前記遮光板の延設方向に沿ってエアが吹き出され前記開口を介して前記フォトマスクを冷却するエア吹き出し口を備えることを特徴とするフィルム露光装置。
【請求項2】
前記エア吹き出し口は、前記第1のマスクパターンと前記第2のマスクパターンのそれぞれに対応して設けられ、
前記被露光体の搬送方向下流側に配置した前記エア吹き出し口の吹き出し流量を前記被露光体の搬送方向上流側に配置した前記エア吹き出し口の吹き出し流量より大きくしたことを特徴とする請求項1記載のフィルム露光装置。
【請求項3】
前記エア吹き出し口を前記マスク保持部の枠体に設けたことを特徴とする請求項1又は2記載のフィルム露光装置。
【請求項4】
前記フィルム搬送部は、前記被露光体の搬送方向に沿って一対の搬送ロールを備え、
前記一対の搬送ロール間に前記被露光体に設けたアライメントマークを撮像するアライメントカメラを配置し、当該アライメントカメラの取得画像に基づいて前記マスク保持部と前記被露光体との位置調整を行う位置調整部を備えることを特徴とする請求項3に記載のフィルム露光装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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