説明

フェニルエーテル誘導体及びそれを用いた医薬

【課題】優れたPPARα/γアゴニスト作用を有し、医薬品として望ましい性質を有する新規化合物を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表されるペルオキシソーム増殖薬活性化受容体α/γアゴニスト。
【化1】

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、糖尿病の予防・治療薬に有効なエーテル誘導体、その塩またはそれらの溶媒和物に関する。より具体的には、ペルオキシソーム増殖薬活性化受容体α/γアゴニスト(PPAR α/γ agonist: Peroxisome proliferator-activated receptor α/γ agonist)に関する。
【背景技術】
【0002】
糖尿病は、虚血性心疾患や脳血管障害などを始めとして急性あるいは慢性の種々の合併症を発症・進展させて日常生活に著しい障害をもたらす疾患である。したがって、早期発見と厳格な血糖コントロールにより、それらの合併症の発症や進展を阻止する必要がある。
糖尿病は、血糖をコントロールするインシュリンの産生・分泌が障害されている1型糖尿病と、インシュリンの産生・分泌は正常範囲から高レベルにあるがインシュリンの標的臓器や組織において感受性が低下している(すなわち、インシュリン抵抗性が高まっている)2型糖尿病に分類される。
インシュリンの主要な標的臓器や組織は、筋、脂肪組織および肝であり、筋においてはグルコースの取り込みやグリコーゲン合成を促進し、脂肪組織においてはグルコースの取り込みや利用を促進し、肝においては糖新生を抑制するとともにグリコーゲン合成を促進する。また、インシュリンは、上記のような糖代謝をコントロールするばかりではなく、脂肪組織において脂肪代謝(脂肪の合成促進や分解抑制)にも関与している。
【0003】
近年、インシュリン抵抗性を改善する薬剤として、下記構造のピオグリタゾン(pioglitazone)等のチアゾリジンジオン誘導体(非特許文献1)が開発され、2型糖尿病患者、特に肥満を伴う2型糖尿病患者の治療に広く使われている。
【0004】
【化1】

【0005】
これらのチアゾリジンジオン誘導体は、ペルオキシソーム増殖薬活性化受容体γ(PPARγ)のアゴニストであることが明らかにされている(非特許文献2)。PPARγアゴニストがインシュリン抵抗性を改善するメカニズムは充分には解明されていないが、インシュリン抵抗性を惹起する遊離脂肪酸などを産生・分泌する肥大脂肪細胞のアポトーシス促進や前駆脂肪細胞から脂肪細胞への分化促進による遊離脂肪酸の取り込み・貯蔵促進が有力な説として挙げられている。
【0006】
PPARγアゴニストであるピオグリタゾンは、特に肥満を伴う2型糖尿病患者に投与されて高い治療効果を上げているが、その一方で体重増加や体液貯留が一部の患者で見られている(非特許文献3)。前述のように糖尿病は虚血性心疾患や脳血管障害などの合併症を発症・進展させることから、このような体重増加や体液貯留は好ましいことではない。最近では、PPARγアゴニストにPPARαアゴニスト作用を付加したPPARα/γアゴニストの研究が活発であり、動物モデルにおいてPPARγアゴニストよりも優れた糖尿病治療薬としての性質を示すことが示唆されている。例えば、db/dbマウスを用いた試験において、PPARα/γアゴニストKRP−297がピオグリタゾンと比較して有意に体重の増加を抑制することが示されている(非特許文献4)。また、PPARα/γアゴニストLY465608が用量依存的に高比重リポタンパク(HDL)を増加させるとともに、血漿トリグリセリドを低下させ、虚血性心疾患のリスクを低減することが示されている(非特許文献5)。
代表的なPPARα/γアゴニストとしては、下記の化合物が挙げられる(非特許文献6および7および特許文献1および2)。
【0007】
【化2】

【0008】
【非特許文献1】Chem. Pharm. Bull., 39, 1440-1445 (1991)
【非特許文献2】J. Biol. Chem., 270, 12953-12956 (1995)
【非特許文献3】Am. J. Med., 115 (8A), 111S-115S (2003)
【非特許文献4】Am. J. Physiol., 284, E966-E971 (2003)
【非特許文献5】Diabetes, 51, 1083-1087 (2002)
【非特許文献6】Bioorg. Med. Chem. Lett., 9, 533-538 (1999)
【非特許文献7】Chem. Pharm. Bull., 51, 138-151 (2003)
【特許文献1】WO2001−021602号公報
【特許文献2】WO2004−000785号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明の目的は、前記の公知PPARα/γアゴニストとは化学構造が異なり、優れたPPARα/γアゴニスト作用を有し、医薬品として望ましい性質を有する化合物を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
そこで本発明者は、種々検討した結果、下記一般式(I)で表されるエーテル誘導体が、優れたPPARα/γアゴニスト作用を示し、糖尿病の予防・治療薬として有用であることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、一般式(I)
【0011】
【化3】

【0012】
(上記式中、
1およびR2は各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカノイル基、低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基、低級アルキル基を有していてもよいスルファモイル基、低級アルキル基を有していてもよいスルファイモイルオキシ基、置換基を有していてもよい5〜6員の飽和へテロ環基、置換基を有していてもよい5〜6員の芳香族ヘテロ環基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、または置換基を有していてもよいアリール基を示し、
3は、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、または置換基を有していてもよい5〜6員の芳香族ヘテロ環基を示し、
4およびR5は各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、または置換基を有していてもよいアミノ基を示し、
6およびR7は各々独立に、水素原子または低級アルキル基を示し、あるいはR6と R7は、それらが置換している炭素原子と一緒になって3〜6員の脂肪族飽和環を形成してもよく、
8は水素原子または低級アルキル基を示し、
Wは−O−、−C(=O)−、または−NR9−(式中、R9は、水素原子または低級アルキル基を示す。)を示し、
Qは−(CH2n−(式中、nは、Wが−C(=O)−の場合は1〜5、Wが−O−または−NR9−の場合は2〜5の整数を示す。)を示し、
mは1〜3の整数(ただし、R3が低級アルコキシ基の場合には、mは2〜3の整数)を示す。)
で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を提供するものである。
【0013】
また本発明は、上記一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を有効成分とする医薬を提供するものである。
また本発明は、上記一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物および薬学的に許容し得る担体を含有する医薬組成物を提供するものである。
さらに本発明は、上記一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物の、医薬製造のための使用を提供するものである。
さらにまた、本発明は、上記一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とするインシュリン抵抗性に起因する疾患の治療剤を提供するものである。
さらにまた、本発明は、上記一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする糖尿病の治療剤を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の一般式(I)で表される化合物は、優れたPPARα/γアゴニスト作用を示し、糖尿病の予防・治療薬として有用である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下に、一般式(I)における各置換基について説明する。
ハロゲン原子とは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子およびよう素原子を意味する。ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子および臭素原子が好ましい。
【0016】
低級アルコキシ基とは、炭素数1〜6の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基を有するアルコキシ基を意味し、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、1−メチルエトキシ基、ブトキシ基、1,1−ジメチルエトキシ基、2−メチルプロポキシ基、ペントキシ基、およびシクロペンチルオキシ基を代表例として挙げることができる。これらの中で、メトキシ基、エトキシ基、ブトキシ基、および1,1−ジメチルエトキシ基、が好ましく、メトキシ基および1,1−ジメチルエトキシ基がより好ましい。なお、以下の各種置換基の説明で用いる低級アルコキシ基も同様である。
【0017】
低級アルカノイル基とは、炭素数2〜6の直鎖状または分枝状のアルカノイル基を意味し、例えば、エタノイル基、プロパノイル基、ブタノイル基、2−メチルプロピオニル基、ペンタノイル基、および3−メチルブタノイル基を代表例として挙げることができる。その中でも、エタノイル基、プロパノイル基、およびブタノイル基が好ましく、エタノイル基がより好ましい。
以下の各種置換基の説明で用いる低級アルカノイル基も同様である。
【0018】
低級アルキル基とは、炭素数1〜6の直鎖状、分枝状または環状のアルキル基を意味し、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、1−メチルエチル基、1,1−ジメチルエチル基、1−メチルプロピル基、2−メチルプロピル基、1,1−ジメチルプロピル基、1,2−ジメチルプロピル基、2,2−ジメチルプロピル基、1−メチルブチル基、2−メチルブチル基、3−メチルブチル基、1,1−ジメチルブチル基、1,2−ジメチルブチル基、1,3−ジメチルブチル基、2,2−ジメチルブチル基、2,3−ジメチルブチル基、3,3−ジメチルブチル基、1−メチルペンチル基、2−メチルペンチル基、3−メチルペンチル基、4−メチルペンチル基、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロプロピルメチル基、シクロブチルメチル基、およびシクロペンチルメチル基を代表例として挙げることができる。これらの中で、メチル基、エチル基およびプロピル基が好ましい。なお、以下の各種置換基の説明で用いる低級アルキル基も同様である。
【0019】
低級アルキルカルバモイルオキシ基としては、上記の低級アルキル基を有するカルバモイルオキシ基が挙げられ、具体的には、メチルカルバモイルオキシ基、エチルカルバモイルオキシ基、ジメチルカルバモイルオキシ基、およびジエチルカルバモイルオキシ基を代表例として挙げることができる。
【0020】
低級アルキルスルホニル基としては、上記の低級アルキル基を有するスルホニル基が挙げられ、具体的には、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基、プロピルスルホニル基、ブチルスルホニル基、ペンチルスルホニル基、ヘキシルスルホニル基、1−メチルエチルスルホニル基、1,1−ジメチルエチルスルホニル基、1−メチルプロピルスルホニル基、2−メチルプロピルスルホニル基、1,1−ジメチルプロピルスルホニル基、1,2−ジメチルプロピルスルホニル基、2,2−ジメチルプロピルスルホニル基、1−メチルブチルスルホニル基、2−メチルブチルスルホニル基、3−メチルブチルスルホニル基、1,1−ジメチルブチルスルホニル基、1,2−ジメチルブチルスルホニル基、1,3−ジメチルブチルスルホニル基、2,2−ジメチルブチルスルホニル基、2,3−ジメチルブチルスルホニル基、3,3−ジメチルブチルスルホニル基、1−メチルペンチルスルホニル基、2−メチルペンチルスルホニル基、3−メチルペンチルスルホニル基、4−メチルペンチルスルホニル基、シクロプロピルスルホニル基、シクロブチルスルホニル基、シクロペンチルスルホニル基、シクロヘキシルスルホニル基、シクロプロピルメチルスルホニル基、シクロブチルメチルスルホニル基、およびシクロペンチルメチルスルホニル基を代表例として挙げることができる。これらの中で、メチルスルホニル基、エチルスルホニル基およびプロピルスルホニル基が好ましく、メチルスルホニル基がより好ましい。
【0021】
低級アルキルチオ基とは、上記の低級アルキル基を有するチオ基が挙げられ、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、1−メチルエチルチオ基、1,1−ジメチルエチルチオ基、1−メチルプロピルチオ基、2−メチルプロピルチオ基、1,1−ジメチルプロピルチオ基、1,2−ジメチルプロピルチオ基、2,2−ジメチルプロピルチオ基、1−メチルブチルチオ基、2−メチルブチルチオ基、3−メチルブチルチオ基、1,1−ジメチルブチルチオ基、1,2−ジメチルブチルチオ基、1,3−ジメチルブチルチオ基、2,2−ジメチルブチルチオ基、2,3−ジメチルブチルチオ基、3,3−ジメチルブチルチオ基、1−メチルペンチルチオ基、2−メチルペンチルチオ基、3−メチルペンチルチオ基、4−メチルペンチルチオ基、シクロプロピルチオ基、シクロブチルチオ基、シクロペンチルチオ基、シクロヘキシルチオ基、シクロプロピルメチルチオ基、シクロブチルメチルチオ基、およびシクロペンチルメチルチオ基を代表例として挙げることができる。これらの中で、メチルチオ基、エチルチオ基およびプロピルチオ基が好ましい。
【0022】
低級アルキルスルフィニル基としては、上記の低級アルキル基を有するスルフィニル基が挙げられ、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基、プロピルスルフィニル基、ブチルスルフィニル基、ペンチルスルフィニル基、ヘキシルスルフィニル基、1−メチルエチルスルフィニル基、1,1−ジメチルエチルスルフィニル基、1−メチルプロピルスルフィニル基、2−メチルプロピルスルフィニル基、1,1−ジメチルプロピルスルフィニル基、1,2−ジメチルプロピルスルフィニル基、2,2−ジメチルプロピルスルフィニル基、1−メチルブチルスルフィニル基、2−メチルブチルスルフィニル基、3−メチルブチルスルフィニル基、1,1−ジメチルブチルスルフィニル基、1,2−ジメチルブチルスルフィニル基、1,3−ジメチルブチルスルフィニル基、2,2−ジメチルブチルスルフィニル基、2,3−ジメチルブチルスルフィニル基、3,3−ジメチルブチルスルフィニル基、1−メチルペンチルスルフィニル基、2−メチルペンチルスルフィニル基、3−メチルペンチルスルフィニル基、4−メチルペンチルスルフィニル基、シクロプロピルスルフィニル基、シクロブチルスルフィニル基、シクロペンチルスルフィニル基、シクロヘキシルスルフィニル基、シクロプロピルメチルスルフィニル基、シクロブチルメチルスルフィニル基、およびシクロペンチルメチルスルフィニル基を代表例として挙げることができる。これらの中で、メチルスルフィニル基、エチルスルフィニル基およびプロピルスルフィニル基が好ましい。
【0023】
置換基を有していてもよい低級アルキル基としては、上記の低級アルキル基に加えて、水酸基、ハロゲン原子、アミノ基、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、低級アルコキシ基、カルボキシ基、低級アルコキシカルボニル基、カルバモイル基、低級アルキルカルバモイル基、ジ低級アルキルカルバモイル基、カルバモイルアミノ基、低級アルキルカルバモイルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、および低級アルカノイルアミノ基の中から選ばれる1〜3個の基が置換した低級アルキル基が挙げられ、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、3−フルオロプロピル基、アミノメチル基、2−アミノエチル基、3−アミノプロピル基、メチルアミノメチル基、2−メチルアミノエチル基、3−メチルアミノプロピル基、ジメチルアミノメチル基、2−ジメチルアミノエチル基、3−ジメチルアミノプロピル基、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、3−メトキシプロピル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、3−カルボキシプロピル基、メトキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、3−メトキシカルボニルプロピル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、3−カルバモイルプロピル基、メチルカルバモイルメチル基、2−メチルカルバモイルエチル基、3−メチルカルバモイルプロピル基、エチルカルバモイルメチル基、2−エチルカルバモイルエチル基、3−エチルカルバモイルプロピル基、ジメチルカルバモイルメチル基、2−ジメチルカルバモイルエチル基、3−ジメチルカルバモイルプロピル基、ジエチルカルバモイルメチル基、2−ジエチルカルバモイルエチル基、3−ジエチルカルバモイルプロピル基、カルバモイルアミノメチル基、2−カルバモイルアミノエチル基、3−カルバモイルアミノプロピル基、メチルカルバモイルアミノメチル基、2−メチルカルバモイルアミノエチル基、3−メチルカルバモイルアミノプロピル基、エチルカルバモイルアミノメチル基、2−エチルカルバモイルアミノエチル基、3−エチルカルバモイルアミノプロピル基、ジメチルカルバモイルアミノメチル基、2−ジメチルカルバモイルアミノエチル基、3−ジメチルカルバモイルアミノプロピル基、ジエチルカルバモイルアミノメチル基、2−ジエチルカルバモイルアミノエチル基、3−ジエチルカルバモイルアミノプロピル基、メチルスルホニルアミノメチル基、2−メチルスルホニルアミノエチル基、3−メチルスルホニルアミノプロピル基、メトキシカルボニルアミノメチル基、2−メトキシカルボニルアミノエチル基、3−メトキシカルボニルアミノプロピル基、エトキシカルボニルアミノメチル基、2−エトキシカルボニルアミノエチル基、3−エトキシカルボニルアミノプロピル基、エタノイルアミノメチル基、2−エタノイルアミノエチル基、および3−エタノイルアミノプロピル基を代表例として挙げることができる。
【0024】
中でも、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−フルオロエチル基、2−クロロエチル基、アミノメチル基、2−アミノエチル基、メチルアミノメチル基、2−メチルアミノエチル基、ジメチルアミノメチル基、2−ジメチルアミノエチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、カルボキシメチル基、2−カルボキシエチル基、メトキシカルボニルメチル基、2−メトキシカルボニルエチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、メチルカルバモイルメチル基、2−メチルカルバモイルエチル基、エチルカルバモイルメチル基、2−エチルカルバモイルエチル基、ジメチルカルバモイルメチル基、2−ジメチルカルバモイルエチル基、ジエチルカルバモイルメチル基、2−ジエチルカルバモイルエチル基、カルバモイルアミノメチル基、2−カルバモイルアミノエチル基、メチルカルバモイルアミノメチル基、2−メチルカルバモイルアミノエチル基、エチルカルバモイルアミノメチル基、2−エチルカルバモイルアミノエチル基、ジメチルカルバモイルアミノメチル基、2−ジメチルカルバモイルアミノエチル基、ジエチルカルバモイルアミノメチル基、2−ジエチルカルバモイルアミノエチル基、メチルスルホニルアミノメチル基、2−メチルスルホニルアミノエチル基、メトキシカルボニルアミノメチル基、2−メトキシカルボニルアミノエチル基、エトキシカルボニルアミノメチル基、2−エトキシカルボニルアミノエチル基、エタノイルアミノメチル基、および2−エタノイルアミノエチル基が好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−フルオロエチル基、アミノメチル基、2−アミノエチル基、メチルアミノメチル基、2−メチルアミノエチル基、ジメチルアミノメチル基、2−ジメチルアミノエチル基、メトキシメチル基、2−メトキシエチル基、カルバモイルメチル基、2−カルバモイルエチル基、メチルカルバモイルメチル基、2−メチルカルバモイルエチル基、ジメチルカルバモイルメチル基、2−ジメチルカルバモイルエチル基、ジエチルカルバモイルメチル基、カルバモイルアミノメチル基、メチルカルバモイルアミノメチル基、エチルカルバモイルアミノメチル基、ジメチルカルバモイルアミノメチル基、ジエチルカルバモイルアミノメチル基、およびメチルスルホニルアミノメチル基がより好ましく、メチル基、エチル基、プロピル基、トリフルオロメチル基、ヒドロキシメチル基、2−ヒドロキシエチル基および2−フルオロエチル基が特に好ましい。なお、以下の各種置換基の説明で用いる、置換基を有していてもよいアルキル基も同様である。
【0025】
置換基を有していてもよいアミノ基としては、非置換のアミノ基に加えて、低級アルキルアミノ基、ジ低級アルキルアミノ基、低級アルコキシカルボニルアミノ基、カルバモイルアミノ基、低級アルキルカルバモイルアミノ基、ジ低級アルキルカルバモイルアミノ基、低級アルキルスルホニルアミノ基、低級アルカノイルアミノ基、N−低級アルキル−N−低級アルカノイルアミノ基、およびN−低級アルキル−N−低級アルキルスルホニルアミノ基、N−低級アルキル−N−低級アルコキシカルボニルアミノ基が挙げられ、例えば、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、プロピルアミノ基、ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、1−メチルエチルアミノ基、1,1−ジメチルエチルアミノ基、1−メチルプロピルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、ジブチルアミノ基、ジペンチルアミノ基、ジヘキシルアミノ基、ジ(1−メチルエチル)アミノ基、メチルエチルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、メチルカルバモイルアミノ基、エチルカルバモイルアミノ基、ジメチルカルバモイルアミノ基、ジエチルカルバモイルアミノ基、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、エタノイルアミノ基、プロパノイルアミノ基、ブタノイルアミノ基、N−メチル−N−エタノイルアミノ基、N−メチル−N−メチルスルホニルアミノ基、およびN−メチル−N−メトキシカルボニルアミノ基を代表例として挙げることができる。中でも、アミノ基、メチルアミノ基、エチルアミノ基、1−メチルエチルアミノ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、メチルエチルアミノ基、メトキシカルボニルアミノ基、エトキシカルボニルアミノ基、メチルカルバモイルアミノ基、エチルカルバモイルアミノ基、ジメチルカルバモイルアミノ基、ジエチルカルバモイルアミノ基、メチルスルホニルアミノ基、エチルスルホニルアミノ基、エタノイルアミノ基、ブタノイルアミノ基、およびN−メチル−N−メチルスルホニルアミノ基が好ましく、アミノ基、エタノイルアミノ基、メチルスルホニルアミノ基およびN−メチル−N−メチルスルホニルアミノ基がより好ましい。なお、以下の各種置換基の説明で用いる、置換基を有していてもよいアミノ基も同様である。
【0026】
低級アルケニル基とは、炭素数2〜6の直鎖状および分枝状のアルケニル基を意味し、例えば、ビニル基、アリル基、およびブテニル基を代表例として挙げることができる。その中でも、ビニル基が好ましい。なお、以下の各種置換基の説明で用いる、低級アルケニル基も同様である。
【0027】
置換基を有していてもよいカルバモイル基としては、非置換のカルバモイル基に加えて、水酸基、低級アルケニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、および低級アルコキシ基から選ばれる1または2個の基が置換したカルバモイル基が挙げられ、例えば、カルバモイル基、ヒドロキシカルバモイル基、ビニルカルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、メトキシカルバモイル基、エトキシカルバモイル基を代表例として挙げることができる。カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、およびメトキシカルバモイル基が好ましく、メチルカルバモイル基がより好ましい。
【0028】
置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基としては、非置換のアリールスルホニルオキシ基に加えて、ハロゲン原子、低級アルキル基、および低級アルコキシ基から選ばれる1または2個の基が置換したアリールスルホニルオキシ基が挙げられ、例えば、フェニルスルホニルオキシ基、クロロフェニルスルホニルオキシ基、ジクロロフェニルスルホニルオキシ基、フルオロフェニルスルホニルオキシ基、ジフルオロフェニルスルホニルオキシ基、メチルフェニルスルホニルオキシ基、エチルフェニルスルホニルオキシ基、プロピルフェニルスルホニルオキシ基、イソプロピルフェニルスルホニルオキシ基、ジメチルフェニルスルホニルオキシ基、ジエチルフェニルスルホニルオキシ基、メトキシフェニルスルホニルオキシ基、エトキシフェニルスルホニルオキシ基、プロポキシフェニルスルホニルオキシ基、ジメトキシフェニルスルホニルオキシ基、ジエトキシフェニルスルホニルオキシ基を代表例として挙げることができる。その中でも、フェニルスルホニルオキシ基、クロロフェニルスルホニルオキシ基、フルオロフェニルスルホニルオキシ基、メチルフェニルスルホニルオキシ基、エチルフェニルスルホニルオキシ基、メトキシフェニルスルホニルオキシ基、およびエトキシフェニルスルホニルオキシ基が好ましく、フェニルスルホニルオキシ基、フルオロフェニルスルホニルオキシ基、メチルフェニルスルホニルオキシ基、およびメトキシフェニルスルホニルオキシ基がより好ましい。
【0029】
置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ基としては、非置換の低級アルキルスルホニルオキシ基に加えて、ハロゲン原子および低級アルコキシ基の中から選ばれる1〜3個の基が置換した低級アルキルスルホニルオキシ基が挙げられ、例えば、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、2−フルオロエチルスルホニルオキシ基、2−クロロエチルスルホニルオキシ基、3−フルオロプロピルスルホニルオキシ基、メトキシメチルスルホニルオキシ基、2−メトキシエチルスルホニルオキシ基、および3−メトキシプロピルスルホニルオキシ基を代表例として挙げることができる。中でも、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、2−フルオロエチルスルホニルオキシ基、2−クロロエチルスルホニルオキシ基、メトキシメチルスルホニルオキシ基、および2−メトキシエチルスルホニルオキシ基が好ましく、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、2−フルオロエチルスルホニルオキシ基、メトキシメチルスルホニルオキシ基、および2−メトキシエチルスルホニルオキシ基がより好ましく、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、およびトリフルオロメチルスルホニルオキシ基が特に好ましい。
【0030】
低級アルキルスルホニルオキシ基としては、上記の低級アルキル基を有するスルホニルオキシ基が挙げられ、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、プロピルスルホニルオキシ基、ブチルスルホニルオキシ基、ペンチルスルホニルオキシ基、ヘキシルスルホニルオキシ基、1−メチルエチルスルホニルオキシ基、1,1−ジメチルエチルスルホニルオキシ基、1−メチルプロピルスルホニルオキシ基、2−メチルプロピルスルホニルオキシ基、1,1−ジメチルプロピルスルホニルオキシ基、1,2−ジメチルプロピルスルホニルオキシ基、2,2−ジメチルプロピルスルホニルオキシ基、1−メチルブチルスルホニルオキシ基、2−メチルブチルスルホニルオキシ基、3−メチルブチルスルホニルオキシ基、1,1−ジメチルブチルスルホニルオキシ基、1,2−ジメチルブチルスルホニルオキシ基、1,3−ジメチルブチルスルホニルオキシ基、2,2−ジメチルブチルスルホニルオキシ基、2,3−ジメチルブチルスルホニルオキシ基、3,3−ジメチルブチルスルホニルオキシ基、1−メチルペンチルスルホニルオキシ基、2−メチルペンチルスルホニルオキシ基、3−メチルペンチルスルホニルオキシ基、4−メチルペンチルスルホニルオキシ基、シクロプロピルスルホニルオキシ基、シクロブチルスルホニルオキシ基、シクロペンチルスルホニルオキシ基、シクロヘキシルスルホニルオキシ基、シクロプロピルメチルスルホニルオキシ基、シクロブチルメチルスルホニルオキシ基、およびシクロペンチルメチルスルホニルオキシ基を代表例として挙げることができる。これらの中で、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基およびプロピルスルホニルオキシ基が好ましく、メチルスルホニルオキシ基がより好ましい。
【0031】
低級アルキル基を有していてもよいスルファモイル基としては、非置換のスルファモイル基に加え、上記の低級アルキル基を有するスルファモイル基が挙げられ、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、プロピルスルファモイル基、ジプロピルスルファモイル基、ブチルスルファモイル基、ジブチルスルファモイル基、ペンチルスルファモイル基、ジペンチルスルファモイル基、ヘキシルスルファモイル基、ジヘキシルスルファモイル基、1−メチルエチルスルファモイル基、1,1−ジメチルエチルスルファモイル基、1−メチルプロピルスルファモイル基、2−メチルプロピルスルファモイル基、1,1−ジメチルプロピルスルファモイル基、1,2−ジメチルプロピルスルファモイル基、2,2−ジメチルプロピルスルファモイル基、1−メチルブチルスルファモイル基、2−メチルブチルスルファモイル基、3−メチルブチルスルファモイル基、1,1−ジメチルブチルスルファモイル基、1,2−ジメチルブチルスルファモイル基、1,3−ジメチルブチルスルファモイル基、2,2−ジメチルブチルスルファモイル基、2,3−ジメチルブチルスルファモイル基、3,3−ジメチルブチルスルファモイル基、1−メチルペンチルスルファモイル基、2−メチルペンチルスルファモイル基、3−メチルペンチルスルファモイル基、4−メチルペンチルスルファモイル基、シクロプロピルスルファモイル基、シクロブチルスルファモイル基、シクロペンチルスルファモイル基、シクロヘキシルスルファモイル基、シクロプロピルメチルスルファモイル基、シクロブチルメチルスルファモイル基、およびシクロペンチルメチルスルファモイル基を代表例として挙げることができる。中でも、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、エチルスルファモイル基、1−メチルエチルスルファモイル基、ジメチルスルファモイル基、ジエチルスルファモイル基、ジプロピルスルファモイル基、およびメチルエチルスルファモイル基が好ましく、スルファモイル基、メチルスルファモイル基、およびエチルスルファモイル基がより好ましい。
【0032】
低級アルキル基を有していてもよいスルファモイルオキシ基としては、非置換のスルファモイルオキシ基に加えて、上記の低級アルキル基を有するスルファモイルオキシ基が挙げられ、スルファモイルオキシ基、メチルスルファモイルオキシ基、ジメチルスルファモイルオキシ基、エチルスルファモイルオキシ基、ジエチルスルファモイルオキシ基、プロピルスルファモイルオキシ基、ジプロピルスルファモイルオキシ基、ブチルスルファモイルオキシ基、ジブチルスルファモイルオキシ基、ペンチルスルファモイルオキシ基、ジペンチルスルファモイルオキシ基、ヘキシルスルファモイルオキシ基、ジヘキシルスルファモイルオキシ基、1−メチルエチルスルファモイルオキシ基、1,1−ジメチルエチルスルファモイルオキシ基、1−メチルプロピルスルファモイルオキシ基、2−メチルプロピルスルファモイルオキシ基、1,1−ジメチルプロピルスルファモイルオキシ基、1,2−ジメチルプロピルスルファモイルオキシ基、2,2−ジメチルプロピルスルファモイルオキシ基、1−メチルブチルスルファモイルオキシ基、2−メチルブチルスルファモイルオキシ基、3−メチルブチルスルファモイルオキシ基、1,1−ジメチルブチルスルファモイルオキシ基、1,2−ジメチルブチルスルファモイルオキシ基、1,3−ジメチルブチルスルファモイルオキシ基、2,2−ジメチルブチルスルファモイルオキシ基、2,3−ジメチルブチルスルファモイルオキシ基、3,3−ジメチルブチルスルファモイルオキシ基、1−メチルペンチルスルファモイルオキシ基、2−メチルペンチルスルファモイルオキシ基、3−メチルペンチルスルファモイルオキシ基、4−メチルペンチルスルファモイルオキシ基、シクロプロピルスルファモイルオキシ基、シクロブチルスルファモイルオキシ基、シクロペンチルスルファモイルオキシ基、シクロヘキシルスルファモイルオキシ基、シクロプロピルメチルスルファモイルオキシ基、シクロブチルメチルスルファモイルオキシ基、およびシクロペンチルメチルスルファモイルオキシ基を代表例として挙げることができる。中でも、スルファモイルオキシ基、メチルスルファモイルオキシ基、エチルスルファモイルオキシ基、1−メチルエチルスルファモイルオキシ基、ジメチルスルファモイルオキシ基、ジエチルスルファモイルオキシ基、ジプロピルスルファモイルオキシ基、およびメチルエチルスルファモイルオキシ基が好ましく、スルファモイルオキシ基、メチルスルファモイルオキシ基、およびエチルスルファモイルオキシ基がより好ましい。
【0033】
置換基を有していてもよい5〜6員の飽和ヘテロ環基としては、非置換の5〜6員の飽和へテロ環基に加えて、水酸基、オキソ基、低級アルキル基、および低級アルコキシ基の中から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換された5〜6員の飽和へテロ環基が挙げられる。ここで言う飽和へテロ環とは、酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜6員の飽和のヘテロ環を意味し、モルホリン環、ピペリジン環、ピペラジン環、ピロリジン環、アゼチジン環、およびチオモルホリン環を代表例として挙げることができる。置換基を有していてもよい5〜6員の飽和ヘテロ環基としては、モルホリニル基、ヒドロキシモルホリニル基、オキソモルホリニル基、メトキシモルホリニル基、エトキシモルホリニル基、メチルモルホリニル基、チオモルホリニル基、ヒドロキシチオモルホリニル基、オキソチオモルホリニル基、メトキシチオモルホリニル基、エトキシチオモルホリニル基、メチルチオモルホリニル基、ピペリジニル基、ヒドロキシピペリジニル基、オキソピペリジニル基、メトキシピペリジニル基、エトキシピペリジニル基、メチルピペリジニル基、ピロリジニル基、ヒドロキシピロリジニル基、オキソピロリジニル基、メトキシピロリジニル基、エトキシピロリジニル基、およびメチルピロリジニル基を代表例として挙げることができる。その中でも、モルホリニル基、オキソモルホリニル基、チオモルホリニル基、オキソチオモルホリニル基、ピペリジニル基、およびオキソピペリジニル基が好ましい。
【0034】
置換基を有していてもよい5〜6員の芳香族へテロ環基としては、非置換の5〜6員の芳香族へテロ環基に加えて、水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいフェニル基(後述)、および置換基を有していてもよい5〜6員の不飽和のヘテロ環基(後述)の中から選ばれる1〜2個の基を有していてもよい5〜6員の芳香族へテロ環基が挙げられる。
ここで言う5〜6員の芳香族へテロ環基とは、環構造の構成要素として酸素原子、窒素原子および硫黄原子から選ばれる少なくとも1個のヘテロ原子を含有する5〜6員の芳香環基を意味し、具体的には、ピロリル基、フリル基、チエニル基、ピラゾリル基、イミダゾリル基、トリアゾリル基、テトラゾリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、イソオキサゾリル基、イソチアゾリル基、オキサジアゾリル基、チアジアゾリル基、ピリジル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、およびピラジニル基を代表例として挙げることができる。それらの中で、チアゾリル基、トリアゾリル基、フリル基、およびオキサゾリル基が好ましい。
【0035】
上記の置換基を有していてもよい5〜6員の芳香族へテロ環基の具体例としては、チアゾリル基、ヒドロキシチアゾリル基、クロロチアゾリル基、メトキシチアゾリル基、エトキシチアゾリル基、メチルチアゾリル基、トリフルオロメチルチアゾリル基、エタノイルアミノチアゾリル基、フェニルチアゾリル基、メチル−フェニルチアゾリル基、トリアゾリル基、ヒドロキシトリアゾリル基、クロロトリアゾリル基、メトキシトリアゾリル基、エトキシトリアゾリル基、メチルトリアゾリル基、トリフルオロメチルトリアゾリル基、エタノイルアミノトリアゾリル基、フェニルトリアゾリル基、メチルーフェニルトリアゾリル基、フリル基、ヒドロキシフリル基、クロロフリル基、メトキシフリル基、エトキシフリル基、メチルフリル基、トリフルオロメチルフリル基、エタノイルアミノフリル基、フェニルフリル基、メチルーフェニルフリル基、オキサゾリル基、ヒドロキシオキサゾリル基、クロロオキサゾリル基、メトキシオキサゾリル基、エトキシオキサゾリル基、メチルオキサゾリル基、トリフルオロメチルオキサゾリル基、エタノイルアミノキサゾリル基、フェニルオキサゾリル基、メチルーフェニルオキサゾリル基、オキサジアゾリル基、ヒドロキシオキサジアゾリル基、クロロオキサジアゾリル基、メトキシオキサジアゾリル基、エトキシオキサジアゾリル基、メチルオキサジアゾリル基、トリフルオロメチルオキサジアゾリル基、エタノイルアミノキサゾリル基、フェニルオキサジアゾリル基、およびメチルーフェニルオキサジアゾリル基を代表例として挙げることができる。その中でも、フリル基、チアゾリル基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、およびメチルーフェニルオキサゾリル基がより好ましい。
【0036】
上述の置換基を有していてもよいフェニル基としては、非置換のフェニル基に加えて、低級アルキル基、ハロゲン原子、および低級アルコキシ基の中から選ばれる1または2個の基が置換したフェニル基が挙げられる。具体的には、非置換のフェニル基に加えて、モノ置換フェニル基の例としては、メチルフェニル基、エチルフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、およびメトキシフェニル基を代表例として挙げることができ、ジ置換フェニル基の具体例としては、フルオロ−メチルフェニル基、クロロ−メチルフェニル基、ジフルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、クロロ−フルオロフェニル基、フルオロ−メトキシフェニル基、およびクロロ−メトキシフェニル基を代表例として挙げることができる。好ましい例として、非置換のフェニル基に加えて、モノ置換フェニル基としては、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、フルオロフェニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、フルオロ−メチルフェニル基、クロロ−メチルフェニル基、ジフルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、クロロ−フルオロフェニル基、フルオロ−メトキシフェニル基、およびクロロ−メトキシフェニル基が好ましく、フェニル基、メチルフェニル基、メトキシフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基、ジクロロフェニル基、およびクロロ−フルオロフェニル基がより好ましい。
【0037】
上述の置換基を有していてもよい5〜6員の不飽和のヘテロ環基としては、チエニル基、フリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基等の非置換ヘテロ環基、並びに水酸基、ハロゲン原子、低級アルキル基、および低級アルコキシ基の中から選ばれる少なくとも1個の置換基で置換されたチエニル基、フリル基、ピラニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、イソチアゾリル基、イソオキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基等を挙げることができる。具体的には、チエニル基、ヒドロキシチエニル基、クロロチエニル基、フルオロチエニル基、メチルチエニル基、エチルチエニル基、プロピルチエニル基、メトキシチエニル基、エトキシチエニル基、プロポキシチエニル基、フリル基、ヒドロキシフリル基、クロロフリル基、フルオロフリル基、メチルフリル基、エチルフリル基、プロピルフリル基、メトキシフリル基、エトキシフリル基、プロポキシフリル基、ピラニル基、ヒドロキシピラニル基、クロロピラニル基、フルオロピラニル基、メチルピラニル基、エチルピラニル基、プロピルピラニル基、メトキシピラニル基、エトキシピラニル基、プロポキシピラニル基、ピロリル基、ヒドロキシピロリル基、クロロピロリル基、フルオロピロリル基、メチルピロリル基、エチルピロリル基、プロピルピロリル基、メトキシピロリル基、エトキシピロリル基、プロポキシピロリル基、イミダゾリル基、ヒドロキシイミダゾリル基、クロロイミダゾリル基、フルオロイミダゾリル基、メチルイミダゾリル基、エチルイミダゾリル基、プロピルイミダゾリル基、メトキシイミダゾリル基、エトキシイミダゾリル基、プロポキシイミダゾリル基、ピラゾリル基、ヒドロキシピラゾリル基、クロロピラゾリル基、フルオロピラゾリル基、メチルピラゾリル基、エチルピラゾリル基、プロピルピラゾリル基、メトキシピラゾリル基、エトキシピラゾリル基、およびプロポキシピラゾリル基を代表例として挙げることができる。
【0038】
置換基を有していてもよいアリール基としては、非置換のアリール基に加えて、水酸基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、および置換基を有していてもよいアミノ基の中から選ばれる1または2個の基が置換したアリール基が挙げられる。例えば、フェニル基、ヒドロキシフェニル基、クロロフェニル基、フルオロフェニル基、メチルフェニル基、エチルフェニル基、プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、イソプロピルフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロポキシフェニル基、メチルアミノフェニル基、エチルアミノフェニル基、プロピルアミノフェニル基、ブチルアミノフェニル基、ペンチルアミノフェニル基、ヘキシルアミノフェニル基、1−メチルエチルアミノフェニル基、1,1−ジメチルエチルアミノフェニル基、1−メチルプロピルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、ジエチルアミノフェニル基、ジプロピルアミノフェニル基、ジブチルアミノフェニル基、ジペンチルアミノフェニル基、ジヘキシルアミノフェニル基、ジ(1−メチルエチル)アミノフェニル基、メチルエチルアミノフェニル基、メトキシカルボニルアミノフェニル基、エトキシカルボニルアミノフェニル基、メチルカルバモイルアミノフェニル基、エチルカルバモイルアミノフェニル基、ジメチルカルバモイルアミノフェニル基、ジエチルカルバモイルアミノフェニル基、メチルスルホニルアミノフェニル基、エチルスルホニルアミノフェニル基、エタノイルアミノフェニル基、プロパノイルアミノフェニル基、ブタノイルアミノフェニル基、N−メチル−N−エタノイルアミノフェニル基、N−メチル−N−メチルスルホニルアミノフェニル基、N−メチル−N−メトキシカルボニルアミノフェニル基、ナフチル基、ヒドロキシナフチル基、クロロナフチル基、フルオロナフチル基、メチルナフチル基、エチルナフチル基、プロピルナフチル基、ブチルナフチル基、イソプロピルナフチル基、メトキシナフチル基、エトキシナフチル基、プロポキシナフチル基、メチルアミノナフチル基、エチルアミノナフチル基、プロピルアミノナフチル基、ブチルアミノナフチル基、ペンチルアミノナフチル基、ヘキシルアミノナフチル基、1−メチルエチルアミノナフチル基、1,1−ジメチルエチルアミノナフチル基、1−メチルプロピルアミノナフチル基、ジメチルアミノナフチル基、ジエチルアミノナフチル基、ジプロピルアミノナフチル基、ジブチルアミノナフチル基、ジペンチルアミノナフチル基、ジヘキシルアミノナフチル基、ジ(1−メチルエチル)アミノナフチル基、メチルエチルアミノナフチル基、メトキシカルボニルアミノナフチル基、エトキシカルボニルアミノナフチル基、メチルカルバモイルアミノナフチル基、エチルカルバモイルアミノナフチル基、ジメチルカルバモイルアミノナフチル基、ジエチルカルバモイルアミノナフチル基、メチルスルホニルアミノナフチル基、エチルスルホニルアミノナフチル基、エタノイルアミノナフチル基、プロパノイルアミノナフチル基、ブタノイルアミノナフチル基、N−メチル−N−エタノイルアミノナフチル基、N−メチル−N−メチルスルホニルアミノナフチル基、およびN−メチル−N−メトキシカルボニルアミノナフチル基を代表例として挙げることができる。
【0039】
置換基を有していてもよいアリールオキシ基としては、非置換のアリールオキシ基に加えて、水酸基、ハロゲン原子、低級アルキル基、低級アルコキシ基、および置換基を有していてもよいアミノ基の中から選ばれる1または2個の基が置換したアリールオキシ基が挙げられる。例えば、フェノキシ基、ヒドロキシフェノキシ基、クロロフェノキシ基、フルオロフェノキシ基、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、イソプロピルフェノキシ基、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、プロポキシフェノキシ基、メチルアミノフェノキシ基、エチルアミノフェノキシ基、プロピルアミノフェノキシ基、ブチルアミノフェノキシ基、ペンチルアミノフェノキシ基、ヘキシルアミノフェノキシ基、1−メチルエチルアミノフェノキシ基、1,1−ジメチルエチルアミノフェノキシ基、1−メチルプロピルアミノフェノキシ基、ジメチルアミノフェノキシ基、ジエチルアミノフェノキシ基、ジプロピルアミノフェノキシ基、ジブチルアミノフェノキシ基、ジペンチルアミノフェノキシ基、ジヘキシルアミノフェノキシ基、ジ(1−メチルエチル)アミノフェノキシ基、メチルエチルアミノフェノキシ基、メトキシカルボニルアミノフェノキシ基、エトキシカルボニルアミノフェノキシ基、メチルカルバモイルアミノフェノキシ基、エチルカルバモイルアミノフェノキシ基、ジメチルカルバモイルアミノフェノキシ基、ジエチルカルバモイルアミノフェノキシ基、メチルスルホニルアミノフェノキシ基、エチルスルホニルアミノフェノキシ基、エタノイルアミノフェノキシ基、プロパノイルアミノフェノキシ基、ブタノイルアミノフェノキシ基、N−メチル−N−エタノイルアミノフェノキシ基、N−メチル−N−メチルスルホニルアミノフェノキシ基、およびN−メチル−N−メトキシカルボニルアミノフェノキシ基、ナフトキシ基、ヒドロキシナフトキシ基、クロロナフトキシ基、フルオロナフトキシ基、メチルナフトキシ基、エチルナフトキシ基、プロピルナフトキシ基、ブチルナフトキシ基、イソプロピルナフトキシ基、メトキシナフトキシ基、エトキシナフトキシ基、プロポキシナフトキシ基、メチルアミノナフトキシ基、エチルアミノナフトキシ基、プロピルアミノナフトキシ基、ブチルアミノナフトキシ基、ペンチルアミノナフトキシ基、ヘキシルアミノナフトキシ基、1−メチルエチルアミノナフトキシ基、1,1−ジメチルエチルアミノナフトキシ基、1−メチルプロピルアミノナフトキシ基、ジメチルアミノナフトキシ基、ジエチルアミノナフトキシ基、ジプロピルアミノナフトキシ基、ジブチルアミノナフトキシ基、ジペンチルアミノナフトキシ基、ジヘキシルアミノナフトキシ基、ジ(1−メチルエチル)アミノナフトキシ基、メチルエチルアミノナフトキシ基、メトキシカルボニルアミノナフトキシ基、エトキシカルボニルアミノナフトキシ基、メチルカルバモイルアミノナフトキシ基、エチルカルバモイルアミノナフトキシ基、ジメチルカルバモイルアミノナフトキシ基、ジエチルカルバモイルアミノナフトキシ基、メチルスルホニルアミノナフトキシ基、エチルスルホニルアミノナフトキシ基、エタノイルアミノナフトキシ基、プロパノイルアミノナフトキシ基、ブタノイルアミノナフトキシ基、N−メチル−N−エタノイルアミノナフトキシ基、N−メチル−N−メチルスルホニルアミノナフトキシ基、およびN−メチル−N−メトキシカルボニルアミノナフトキシ基を代表例として挙げることができる。
【0040】
以下に、R1〜R8、W、Q、およびmについて説明する。
1およびR2は各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカノイル基、低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ基、低級アルキル基を有していてもよいスルファモイル基、低級アルキル基を有していてもよいスルファモイルオキシ基、置換基を有していてもよい5〜6員の芳香族へテロ環基、およびアリールオキシ基が好ましい。
【0041】
具体的には、水素原子、水酸基、塩素原子、フッ素原子、メトキシ基、シアノ基、エタノイル基、メチルスルホニル基、メチルチオ基、メチルスルフィニル基、メチル基、メチルスルホニルアミノ基、エタノイルアミノ基、N−メチル−N−メチルスルホニルアミノ基、メチルスルホニルオキシ基、エチルスルホニルオキシ基、トリフルオロメチルスルホニルオキシ基、スルファモイル基、スルファモイルオキシ基、トリアゾリル基、オキサゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、およびフェノキシ基を好ましい例として挙げることができる。
【0042】
3の好ましい具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、カルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、メトキシカルバモイル基、フリル基、オキサゾリル基、メチルオキサゾリル基、メチル−フェニルオキサゾリル基、ヒドロキシオキサジアゾリル基、メチルオキサジアゾリル基、チアゾリル基、チアジアゾリル基、およびピリジニル基を好ましい例として挙げることができ、メトキシ基、メトキシカルバモイル基、メチルカルバモイル基、エチルカルバモイル基、ジメチルカルバモイル基、ジエチルカルバモイル基、フリル基、オキサゾリル基、メチル−フェニルオキサゾリル基、およびチアゾリル基をより好ましい例として挙げることができる。
【0043】
4およびR5は、各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、および置換基を有していてもよい低級アルキル基が好ましく、具体的には、各々独立に、水素原子、水酸基、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、メトキシ基、およびメチル基が好ましい。
【0044】
6およびR7は、具体的には、各々独立に、水素原子、メチル基、およびエチル基が好ましく、またR6とR7が結合している炭素原子と一緒になって形成する3〜6員の飽和環も好ましい。R6およびR7としては、各々独立に水素原子およびメチル基がより好ましく、特に、メチル基が好ましい。
【0045】
8は、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、および1,1−ジメチルエチル基が好ましく、水素原子が特に好ましい。
Wは−O−および−C(=O)−が好ましく、−O−がより好ましい。
Qは−(CH2n−(式中、nは、Wが−C(=O)−の場合は1〜5の整数であり、1〜3が好ましく、Wが−O−または−NR9−の場合は2〜5の整数であり、2〜3が好ましい。)を意味し、mは、1〜3の整数であるが、1が好ましい。ただし、R3が低級アルコキシ基である場合には、mは2が好ましい。
【0046】
本発明の一般式(I)で示される化合物には、立体異性体あるいは不斉炭素原子に由来する光学異性体が存在することもあるが、これらの立体異性体、光学異性体及びこれらの混合物のいずれも本発明に含まれる。
【0047】
本発明の一般式(I)で示される化合物の塩としては、医薬的に許容し得る塩であれば特に限定されないが、具体的には、塩酸塩、臭化水素酸塩、ヨウ化水素酸塩、燐酸塩、硝酸塩および硫酸塩等の鉱酸塩類、安息香酸塩、メタンスルホン酸塩、2−ヒドロキシエタンスルホン酸塩およびp−トルエンスルホン酸塩等の有機スルホン酸塩類、並びに酢酸塩、プロパン酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、グルタル酸塩、アジピン酸塩、酒石酸塩、マレイン酸塩、リンゴ酸塩およびマンデル酸塩等の有機カルボン酸塩類等を挙げることができる。
【0048】
また、一般式(I)で示される化合物が酸性基を有する場合には、アルカリ金属イオンまたはアルカリ土類金属イオンの塩となってもよい。溶媒和物としては、医薬的に許容し得るものであれば特に限定されないが、具体的には、水和物、エタノール和物等を挙げることができる。
【0049】
以下に、本発明の一般式(I)で表される化合物の代表的な合成方法について説明する。
【0050】
【化4】

【0051】
化合物(3)は、アルデヒド(1)とアミン(2)を還元剤の存在下に反応させることにより合成することができる。酢酸等の酸の存在下もしくは非存在下に、アルデヒド(1)とアミン(2)からシッフ塩基を生成させた後に還元剤を作用させて化合物(3)を得る。この場合、アルデヒド(1)とアミン(2)を溶媒に溶解し、シッフ塩基の生成を確認することなく還元剤を作用させることによっても、化合物(3)を合成することができる。通常、アルデヒド(1)に対してアミン(2)を等モルあるいは過剰モルを用いる。還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の水素化金属錯体が挙げられ、アルデヒド(1)に対して通常等モルあるいは過剰モル、好ましくは等モルから5倍モルの還元剤を用いる。反応溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカンを挙げることができる。反応温度は、−20℃から用いる溶媒の沸点まで、好ましくは0℃から50℃であり、反応時間は15分から24時間、好ましくは30分から10時間程度である。
【0052】
化合物(3)から化合物(Ia)の合成は、化合物(3)に対して化合物(4)を作用させることによって行うことができる。化合物(3)に対して化合物(4)を等モルないし過剰モル、好ましくは等モルから2倍モルを塩基の存在下に作用させ、必要により、よう化テトラブチルアンモニウム、よう化カリウム等の反応促進剤を用いることができる。塩基としてはトリエチルアミン等の三級アミン類や炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩を等モルないし過剰モルを用いる。溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル等の溶媒が挙げられる。反応温度は0℃から用いる溶媒の沸点まで、好ましくは室温から100℃であり、反応時間は1時間から7日間、好ましくは1時間から48時間程度である。
【0053】
化合物(Ia)から化合物(Ib)の合成は、エステルの種類によって異なるが、文献記載の方法[プロテクティブ・グループス・イン・オーガニック・シンセシス(Protective Groups in Organic Synthesis)、第2版、T.W.グリーン(T. W. Green)、P.G.M.ウッツ(P. G. M. Wuts)著、John Wiley & Son社(1991年)を参照]またはそれに準ずる方法に従って行うことができる。酸または塩基を用いる加水分解反応、パラジウム−炭素等の触媒の存在下に行う水素化反応、トリフルオロ酢酸を用いて行う方法が挙げられる。例えば、塩基を用いる加水分解反応では、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム等の水酸化金属塩や炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等の炭酸塩を化合物(Ia)に対して等モルないし過剰モル作用させることにより行う。溶媒としてはメタノール、エタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、または水、およびそれらの混合溶媒が挙げられる。反応温度は0℃から100℃、好ましくは0℃から60℃である。反応時間は、エステルの種類によって異なるが、通常1時間から72時間、好ましくは1時間から24時間程度である。化合物(Ia)のR8がtert−ブチル基の場合
、トリフルオロ酢酸、塩酸等の酸を作用させる方法により行うことができる。トリフルオロ酢酸、塩酸は過剰モルを用いる。溶媒としてはジクロロメタン、ジオキサン等の溶媒が挙げられ、反応温度は0℃から用いる溶媒の沸点まで、好ましくは0℃から30℃であり、反応時間は1時間から48時間、好ましくは1時間から24時間である。
【0054】
上記合成法1−1に記載の化合物(Ia)は、下記合成法1−2または合成法1−3に示す方法によっても製造することが可能である。
【0055】
【化5】

【0056】
化合物(Ia)は、アミン(3)とアルデヒド(5)を還元剤の存在下に反応させることにより合成することができる。酢酸等の酸の存在下もしくは非存在下に、アミン(3)とアルデヒド(5)からシッフ塩基を生成させた後に還元剤を作用させて化合物(Ia)を得る。この場合、アミン(3)とアルデヒド(5)を溶媒に溶解し、シッフ塩基の生成を確認することなく還元剤を作用させることによっても、化合物(Ia)を合成することができる。通常、アミン(3)に対してアルデヒド(5)を等モルあるいは過剰モルを用いる。還元剤としては水素化ホウ素ナトリウム、シアノ水素化ホウ素ナトリウム、トリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム等の水素化金属錯体が挙げられ、中でもトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムが好ましく、アルデヒド(5)に対して通常等モルあるいは過剰モル、好ましくは等モルから5倍モルの還元剤を用いる。反応溶媒としては、メタノールやエタノール等のアルコール類、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化アルカンを挙げることができる。反応温度は、−20℃から用いる溶媒の沸点まで、好ましくは0℃から50℃であり、反応時間は15分から24時間、好ましくは30分から10時間程度である。
【0057】


【化6】

【0058】
化合物(Ia)はアミン(3)とカルボン酸もしくは酸クロリドを意味する化合物(6)より誘導されるアミド化合物(7)を還元反応に付すことにより合成可能である。
化合物(3)からアミド化合物(7)の合成は、化合物(6)がカルボン酸誘導体、すなわち、Yが水酸基の場合、化合物(3)にカルボン酸(6)を縮合剤の存在下に作用させて行うことができる。例えば、化合物(6)に対してアミン(3)を等モルないし過剰モルを不活性溶媒中で−50℃ないし反応に用いる溶媒の沸点まで、好ましくは0℃から30℃において縮合剤の存在下に作用させることにより行われる。反応時間は10分から48時間、好ましくは30分から12時間程度である。縮合剤としては、N,N'−ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド、シアノリン酸ジエチル、ベンゾトリアゾリルオキシ−トリス[ピロリジノ]−ホスホニウム ヘキサフルオロホスフェート、2−(1H−ベンゾトリアゾール−1−イル)−1,1,3,3−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボレート等を挙げることができ、化合物(6)に対して等モルないし過剰モル、好ましくは等モル〜5倍モルを用いる。不活性溶媒としては、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の溶媒、またはそれらの混合物が挙げられる。また、必要によりトリエチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン、N−メチルモルホリンや4−ジメチルアミノピリジン等の塩基の存在下に行うことができる。さらに、1−ヒドロキシベンゾトリアゾール、N−ヒドロキシスクシンイミド、N−ヒドロキシフタルイミド等のN−ヒドロキシ化合物もしくは4−ニトロフェノール、2,4−ジニトロフェノール、2,4,5−トリクロロフェノール、ペンタクロロフェノール等のフェノール化合物を反応促進剤として添加することができる。
【0059】
また、化合物(3)からアミド化合物(7)の合成は、化合物(6)が酸クロリド、すなわち、Yが塩素原子の場合、化合物(3)に酸クロリド(6)を塩基の存在下に作用させて行うことができる。例えば、アミン(3)に対して化合物(6)を等モルないし過剰モルを不活性溶媒中で−50℃ないし反応に用いる溶媒の沸点まで、好ましくは0℃から30℃において塩基の存在下に作用させることにより行われる。反応時間は10分から48時間、好ましくは30分から12時間程度である。塩基としては、トリエチルアミン等の三級アミン類や炭酸カリウム、炭酸セシウム等の炭酸塩、またはピリジンを等モルないし過剰モルを用いる。不活性溶媒としては、ジクロロメタン、N,N−ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、酢酸エチル等の溶媒、またはそれらの混合物が挙げられる。
【0060】
化合物(7)から化合物(Ia)の合成は、還元反応により行うことができる。還元剤
としては通常、ボラン−テトラヒドロフラン錯体やボラン−硫化ジメチル錯体等のボラン錯体を用い、化合物(7)に対して等モルないし過剰モルを不活性溶媒中で0℃ないし反応に用いる溶媒の沸点まで、好ましくは0℃から90℃において作用させることにより行われる。反応時間は30分から48時間、好ましくは30分から12時間程度である。不活性溶媒としては、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル等のエーテル系溶媒が挙げられる。
【0061】
上記合成法1−1に記載の化合物(Ia)は、下記に示すように化合物(9)を経由する合成法2−1から2−3によっても合成することが可能である。
【0062】
【化7】

【0063】
化合物(1)と化合物(8)から化合物(9)の合成および化合物(10)と化合物(5)から化合物(9)の合成は、合成法1−1における化合物(1)と化合物(2)から化合物(3)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
化合物(9)と化合物(11)から化合物(Ia)の合成は、合成法1−1における化合物(3)と化合物(4)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
【0064】
【化8】

【0065】
化合物(9)と化合物(12)から化合物(Ia)の合成は、合成法1−2における化合物(3)と化合物(5)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
【0066】
【化9】

【0067】
化合物(9)と化合物(13)(カルボン酸もしくは酸クロリド)から化合物(14)の合成は、合成法1−3における化合物(3)と化合物(6)から化合物(7)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
化合物(14)から化合物(Ia)の合成は、合成法1−3における化合物(7)から
化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
【0068】
上記合成法1−1に記載の化合物(Ia)は、下記に示すように化合物(13)を経由する合成法3−1から3−3によっても合成することが可能である。
【0069】
【化10】

【0070】
化合物(5)と化合物(2)から化合物(15)の合成および化合物(8)と化合物(12)から化合物(15)の合成は、合成法1−1における化合物(1)と化合物(2)から化合物(3)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
化合物(15)と化合物(16)から化合物(Ia)の合成は、合成法1−1における化合物(3)と化合物(4)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
【0071】
【化11】

【0072】
化合物(15)と化合物(1)から化合物(Ia)の合成は、合成法1−2における化合物(3)と化合物(5)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
【0073】
【化12】

【0074】
化合物(15)と化合物(17)(カルボン酸もしくは酸クロリド)から化合物(18)の合成は、合成法1−3における化合物(3)と化合物(6)から化合物(7)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
化合物(18)から化合物(Ia)の合成は、合成法1−3における化合物(7)から
化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
また、化合物(Ia)は、下記に示すように化合物(21)を経由する合成法4−1から4−3によっても合成することが可能である。
【0075】
【化13】

【0076】
化合物(3)と化合物(19)から化合物(21)の合成は、合成法1−1における化合物(3)と化合物(4)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことが
できる。
化合物(3)と化合物(20)から化合物(21)の合成は、合成法1−2における化合物(3)と化合物(5)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことが
できる。
【0077】
化合物(21)と化合物(22)から化合物(Ia)の合成は、アゾジカルボン酸ジアルキルエステルおよびトリフェニルホスフィンを作用させる文献記載の方法[O. Mitsunobu、シンセシス(Synthesis)、1頁、1981年]、いわゆる光延反応(Mitsunobu reaction)によって合成することができる。例えば、化合物(21)と化合物(22)にアゾジカルボン酸ジアルキルエステルおよびトリフェニルホスフィンを等モルないし過剰モル、好ましくは等モルから2倍モル作用させる。溶媒としてはジクロロメタン等のハロゲン化アルカン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等のエーテル系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、トルエン、ベンゼン等の溶媒もしくはそれらの混合溶媒が挙げられる。反応は0℃から用いる溶媒の沸点まで、好ましくは0℃から30℃程度であり、反応時間は通常10分から168時間、好ましくは30分から24時間程度である。
【0078】
【化14】

【0079】
化合物(1)と化合物(23)から化合物(24)の合成および化合物(10)と化合物(20)から化合物(24)の合成は、合成法1−1における化合物(1)と化合物(2)から化合物(3)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。また、化合物(24)と化合物(12)から化合物(21)の合成は、合成法1−2における化合物(3)と化合物(5)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
さらに、化合物(21)から化合物(Ia)の合成は、前出の光延反応により合成可能である。
【0080】
【化15】

【0081】
化合物(12)と化合物(23)から化合物(25)の合成は、合成法1−1における化合物(1)と化合物(2)から化合物(3)を合成する場合と同様の条件で行うことができる。
化合物(25)と化合物(1)から化合物(21)の合成は、合成法1−2における化合物(3)と化合物(5)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことが
できる。
化合物(25)と化合物(16)から化合物(21)の合成は、合成法1−1における化合物(3)と化合物(4)から化合物(Ia)を合成する場合と同様の条件で行うことが
できる。化合物(21)から化合物(Ia)の合成は、前出の光延反応により合成可能である。
【0082】
上記の合成法1−2から4−3までの方法で合成した化合物(Ia)は、合成法1−1に記載の方法で化合物(Ib)に導くことができる。
【0083】
本発明の化合物(I)を糖尿病の予防・治療薬は、種々の製剤を用いて経口投与される。その製剤に用いられる本発明の化合物(I)は、遊離体、塩またはそれらの水和物もしくは溶媒和物のいずれでもよい。本発明の化合物(I)を含有する経口用製剤としては、錠剤、細粒剤、散剤、顆粒剤、およびカプセル剤を挙げることができ、錠剤およびカプセル剤が好ましい。これらの経口用製剤は、製剤学上許容される添加物を含み、例えば充填剤類、増量剤類、結合剤類、崩壊剤類、溶解促進剤類、湿潤剤類、潤滑剤類等を必要に応じて選択して使用することができる。
また、投与量については、一人当たり一日に0.1mg〜1500mgが好ましく、特に1mg〜500mgが好ましい。この投与量は、1日1回でもよく、2〜3回に分けてもよい。
【実施例】
【0084】
[参考例1]
(1)2−[4−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 エチル エステル
【0085】
【化16】

【0086】
2−(4−ホルミル−2,6−ジメチルフェノキシ)−2−メチルプロパン酸 エチル エステル(1.72g)をエタノール(25ml)に溶解し、エタノールアミン(0.472ml)と硫酸ナトリウムを加えて、80℃で6時間加熱攪拌した。反応液を氷水にて冷却し、水素化ホウ素ナトリウム(295mg)を加えて、室温で3日間攪拌した。反応液をセライトを用いてろ過した。ろ液を減圧下に濃縮することにより、標題化合物の粗精製物を得、そのまま次の反応に用いた。
【0087】
(2)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 エチル エステル
【0088】
【化17】

【0089】
参考例1−(1)の化合物(900mg)をジクロロメタン(5ml)とエタノール(1ml)の混合液に溶解し、フルフラル(0.361ml)とトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウム(1.23g)を加えて、室温で一晩攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:2)で精製し、標題化合物(468mg)を淡黄色油状物として得た。
【0090】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.35(3H,t,J=7.1Hz),1.47(6H,s),2.19(6H,s),2.69(2H,t,J=5.6Hz),3.53(2H,s),3.58(2H,t,J=5.6Hz),3.65(2H,s),4.29(2H,q,J=7.1Hz),6.16(1H,d,J=3.2Hz),6.32(1H,dd,J=1.7,3.2Hz),6.92(2H,s),7.39(1H,d,J=1.7Hz).
MS m/z:389(M+H)+
【0091】
[参考例2]
(1)2−(4−ホルミル−2,6−ジメチルフェノキシ)−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0092】
【化18】

【0093】
3,5−ジメチル−4−ヒドロキシベンズアルデヒド(15.0g)をN,N−ジメチルホルムアミド(300ml)に溶解し、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸 tert−ブチル エステル(18.9ml)と炭酸セシウム(65.2g)を加えて、70℃にて2.5時間攪拌した。その後、2−ブロモ−2−メチルプロパン酸 tert−ブチル エステル(18.9ml)を加えて一晩攪拌する操作を3回繰り返した。室温まで冷却後、セライトを用いて不溶固体をろ去し、酢酸エチルで洗浄した。ろ液と洗液を併せて、水で2回洗浄後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、残留物をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製(15%酢酸エチル−ヘキサン)することにより標題化合物(5.69g)を淡黄色固体として得た。
【0094】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.41(6H,s),1.47(9H,s),2.25(6H,s),7.48(2H,s),9.83(1H,s).
(2)2−[4−[(2−ヒドロキシエチルアミノ)メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0095】
【化19】

【0096】
参考例1−(1)と同様にして、参考例2−(1)の化合物(1.02g)とエタノールアミン(0.230ml)から標題化合物(1.08g)を黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(6H,s),1.51(9H,s),2.22(6H,s),2.82(2H,t,J=5.1Hz),3.69(2H,t,J=5.1Hz),3.73(2H,s),6.95(2H,s).
MS m/z:338(M+H)+
【0097】
(3)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−(2−ヒドロキシエチル)アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0098】
【化20】

【0099】
参考例1−(2)と同様にして、参考例2−(2)の化合物(1.08g)とフルフラル(0.331ml)をトリアセトキシ水素化ホウ素ナトリウムで処理することにより標題化合物(1.27g)を黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.43(6H,s),1.51(9H,s),2.22(6H,s),2.70(2H,t,J=5.4Hz),3.54(2H,s),3.59(2H,t,J=5.4Hz),3.67(2H,s),6.17(1H,br d,J=2.9Hz),6.33(1H,dd,J=3.2,2.0Hz),6.92(2H,s),7.39(1H,dd,J=2.0,1.0Hz).
MS m/z:418(M+H)+
【0100】
[参考例3]
2−[4−[[(フラン−2−イルメチル)アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロパン酸 tert−ブチル エステル
【0101】
【化21】

【0102】
参考例2−(1)の化合物(2.1g)をエタノール(25ml)に溶解し、フルフリルアミン(0.731ml)と硫酸ナトリウム(4g)を加えて3時間加熱還流した。氷水冷却の反応液に水素化ホウ素ナトリウム(408mg)を加えて一晩攪拌した。反応液に飽和食塩水を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、減圧留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:1)で精製し、標題化合物(2.68g)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(6H,s),1.51(9H,s),2.21(6H,s),3.66(2H,s),3.78(2H,s),6.18(1H,d,J=3.2Hz),6.32(1H,dd,J=2.0,3.2Hz),6.91(2H,s),7.37(1H,d,J=2.0Hz).
MS m/z:374(M+H)+
【0103】
[参考例4]
2−[4−[[(フラン−2−イルメチル)アミノ]メチル]フェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 エチル エステル
【0104】
【化22】

【0105】
参考例3と同様にして、2−(4−ホルミルフェノキシ)−2−メチルプロピオン酸 エチル エステル(10g)とフルフリルアミン(4.1ml)を水素化ホウ素ナトリウムで処理することにより、標題化合物(12.9g)を黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.25(3H,t,J=7.4Hz),1.58(6H,s),3.71(2H,s),3.79(2H,s),4.23(2H,q,J=7.4Hz),6.17(1H,d,J=2.9Hz),6.31(1H,dd,J=2.0,2.9Hz),6.80(2H,d,J=8.8Hz),7.19(2H,d,J=8.8Hz),7.37(1H,d,J=2.0Hz).
MS m/z:318(M+H)+
【0106】
[実施例1]
(1)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 エチル エステル
【0107】
【化23】

【0108】
参考例1−(2)の化合物(230mg)をテトラヒドロフラン(4ml)に溶解し、氷水冷却下に4−メトキシフェノール(73mg)、トリフェニルホスフィン(186mg)とジイソプロピルアゾジカルボン酸(0.140ml)を加えて、室温で一晩攪拌した。反応液を減圧下濃縮し、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8)で精製し、標題化合物(278mg)を淡黄色油状物として得た。
MS m/z:495(M+H)+
【0109】
(2)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0110】
【化24】

【0111】
実施例1−(1)の化合物(278mg)をエタノール(2ml)とテトラヒドロフラン(2ml)の混合液に溶解し、5規定水酸化ナトリウム水溶液(0.224ml)を加えて、室温で6日間攪拌した。反応液に濃塩酸(0.094ml)を加えて中和し、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、標題化合物(158mg)を淡黄色固体として得た。
【0112】
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.32(6H,s),2.13(6H,s),2.74(2H,t,J=5.9Hz),3.53(2H,s),3.69(2H,s),3.95(2H,t,J=5.9Hz),6.31(1H,d,J=2.9Hz),6.41(1H,dd,J=1.7,2.9Hz),6.78−6.83(4H,m),6.95(2H,s),7.61(1H,d,J=1.7Hz).
MS m/z:468(M+H)+
【0113】
[実施例2]
(1)2−[4−[[[2−(4−アセチルフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 エチル エステル
【0114】
【化25】

【0115】
実施例1−(1)と同様にして、参考例1−(2)の化合物(140mg)と1−(4−ヒドロキシフェニル)エタノン(49mg)から標題化合物(278mg)を黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.35(3H,t,J=7.1Hz),1.45(6H,s),2.18(6H,s),2.55(3H,s),2.93(2H,t,J=6.1Hz),3.60(2H,s),3.76(2H,s),4.07(2H,t,J=6.1Hz),4.28(2H,q,J=7.1Hz),6.21(1H,d,J=3.2Hz),6.34(1H,dd,J=1.7,3.2Hz),6.87(2H,d,J=8.8Hz),6.95(2H,s),7.40(1H,d,J=1.7Hz),7.90(2H,d,J=8.8Hz).
MS m/z:508(M+H)+
【0116】
(2)2−[4−[[[2−(4−アセチルフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0117】
【化26】

【0118】
実施例1−(2)と同様にして、実施例2−(2)で得られた化合物(278mg)から標題化合物(80mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.31(6H,s),2.12(6H,s),2.79(2H,t,J=5.9Hz),3.55(2H,s),3.57(3H,s),3.71(2H,s),4.12(2H,t,J=5.9Hz),6.32(1H,d,J=3.2Hz),6.42(1H,dd,J=2.0,3.2Hz),6.94(2H,s),6.97(2H,d,J=9.1Hz),7.62(1H,d,J=1.7Hz),7.89(2H,d,J=9.1Hz).
MS m/z:480(M+H)+
【0119】
[実施例3]
(1)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−フェノキシフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 エチル エステル
【0120】
【化27】

【0121】
実施例1−(1)と同様にして、参考例1−(2)の化合物(147mg)と4−フェノキシフェノール(70mg)から標題化合物(203mg)を黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.35(3H,t,J=7.1Hz),1.46(6H,s),2.18(6H,s),2.92(2H,t,J=6.1Hz),3.61(2H,s),3.77(2H,s),4.02(2H,t,J=6.1Hz),4.28(2H,q,J=7.1Hz),6.21(1H,d,J=3.2Hz),6.33(1H,dd,J=2.0,3.2Hz),6.80−6.92(7H,m),7.04(1H,dt,J=1.2,7.4Hz),7.27−7.31(3H,m),7.40(1H,d,J=1.2Hz).
MS m/z:558(M+H)+
【0122】
(2)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−フェノキシフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0123】
【化28】

【0124】
実施例1−(2)と同様にして、実施例3−(2)の化合物(200mg)から標題化合物(135mg)を無色油状物として得た。このものをジクロロメタン(1ml)に溶解し、4規定塩酸−ジオキサン溶液(0.077ml)を加えて室温で攪拌後、ろ取することにより標題化合物の塩酸塩を固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.32(6H,s),2.14(6H,s),2.77(2H,t,J=5.9Hz),3.55(2H,s),3.71(2H,s),4.01(2H,t,J=5.9Hz),6.32(1H,d,J=3.2Hz),6.41(1H,dd,J=2.0,3.2Hz),6.87−6.96(8H,m),7.03−7.08(1H,m),7.32−7.36(2H,m),7.62(1H,d,J=2.0Hz).
元素分析値 C3235NO6・HCl・1/4H2Oとして
計算値:C,67.36;H,6.45;N,2.45.
実測値:C,67.26;H,6.36;N,2.55.
MS m/z:530(M+H)+
【0125】
[実施例4]
(1)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−(2−フェノキシエチル)アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 エチル エステル
【0126】
【化29】

【0127】
実施例1−(1)と同様にして、参考例1−(2)の化合物(230mg)とフェノール(56mg)から粗な標題化合物(323mg)を淡黄色油状物として得た。
MS m/z:466(M+H)+
【0128】
(2)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−(2−フェノキシエチル)アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0129】
【化30】

【0130】
実施例1−(2)と同様にして、実施例4−(2)で得られた化合物(323mg)から標題化合物(130mg)を褐色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.33(6H,s),2.13(6H,s),2.77(2H,t,J=6.1Hz),3.55(2H,s),3.71(2H,s),4.01(2H,t,J=6.1Hz),6.32(1H,d,J=3.2Hz),6.41(1H,dd,J=1.7,3.2Hz),6.86−6.92(3H,m),6.96(2H,s),7.23−7.27(2H,m),7.61(1H,d,J=1.7Hz).
MS m/z:438(M+H)+
【0131】
[実施例5]
(1)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0132】
【化31】

【0133】
参考例2−(3)の化合物(160mg)をテトラヒドロフラン(6ml)に溶解し、2−メトキシフェノール(88mg)、トリフェニルホスフィン(135mg)とジイソプロピルアゾジカルボン酸(0.100ml)を加えて、室温で5日間攪拌した。反応液を酢酸エチルで希釈し、飽和重曹水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:10)で精製し、標題化合物(157mg)を淡黄色油状物として得た。
【0134】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(6H,s),1.51(9H,s),2.21(6H,s),2.96(2H,t,J=6.1Hz),3.61(2H,s),3.77(2H,s),3.82(3H,br s),4.09(2H,t,J=6.1Hz),6.23(1H,br d,J=2.9Hz),6.29−6.34(1H,m),6.78−6.94(4H,m),6.97(2H,s),7.38(1H,br s).
MS m/z:524(M+H)+
【0135】
(2)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(2−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0136】
【化32】

【0137】
実施例5−(1)の化合物(151mg)をジクロロメタン(5ml)に溶解し、トリフルオロ酢酸(3ml)を加えて、室温で2.5時間攪拌した。減圧下濃縮後、残渣をジクロロメタンに溶解し、飽和食塩水と飽和重曹水を加えて分液した。有機層を分取して水洗後、無水硫酸ナトリウムで乾燥した。減圧下溶媒を留去して、残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製(ジクロロメタン:メタノール=30:1)することにより標題化合物(119mg)を淡黄色固体として得た。
【0138】
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.47(6H,s),2.20(6H,s),3.23(2H,br s),3.83(3H,s),4.00(2H,br s),4.11−4.42(4H,m),6.38−6.43(1H,m),6.54−6.63(1H,br),6.85−6.99(4H,m),7.12(2H,s),7.47(1H,br s),8.25−9.67(1H,br).
MS m/z:468(M+H)+
【0139】
[実施例6]
(1)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0140】
【化33】

【0141】
実施例5−(1)と同様にして、参考例2−(3)の化合物(120mg)と4−メタンスルホニルフェノール(88mg)から標題化合物(130mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.41(6H,s),1.51(9H,s),2.21(6H,s),2.93(2H,t,J=6.0Hz),3.03(3H,s),3.60(2H,s),3.76(2H,s),4.06(2H,t,J=6.0Hz),6.21(1H,d,J=2.9Hz),6.34(1H,dd,J=2.9,2.0Hz),6.93−6.98(4H,m),7.40(1H,d,J=2.0Hz),7.83(2H,d,J=9.0Hz).
MS m/z:572(M+H)+
【0142】
(2)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−メタンスルホニルフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0143】
【化34】

【0144】
実施例5−(2)と同様にして、実施例6−(1)の化合物(122mg)から標題化合物(111mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.49(6H,s),2.20(6H,s),2.93(2H,t,J=5.9Hz),3.03(3H,s),3.61(2H,s),3.79(2H,s),4.08(2H,t,J=5.9Hz),6.23(1H,d,J=2.9Hz),6.35(1H,dd,J=2.9,2.0Hz),6.92(2H,d,J=8.8Hz),6.97(2H,s),7.41(1H,br.s),7.81(2H,d,J=8.8Hz).
MS m/z:516(M+H)+
【0145】
[実施例7]
(1)2−[4−[[[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0146】
【化35】

【0147】
実施例5−(1)と同様にして、参考例2−(3)の化合物(90mg)と4−クロロフェノール(67mg)から標題化合物(130mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(6H,s),1.51(9H,s),2.19(6H,s),2.90(2H,t,J=6.0Hz),3.60(2H,s),3.76(2H,s),4.00(2H,t,J=6.0Hz),6.21(1H,br.d,J=3.2Hz),6.33(1H,dd,J=3.2,2.0Hz),6.75(2H,d,J=9.0Hz),6.95(2H,s),7.16(2H,d,J=9.0Hz),7.39(1H,dd,J=2.0,0.7Hz).
MS m/z:528(M+H)+
【0148】
(2)2−[4−[[[2−(4−クロロフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0149】
【化36】

【0150】
実施例5−(2)と同様にして、実施例7−(1)の化合物(119mg)から標題化合物(66mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.49(6H,s),2.21(6H,s),2.92(2H,t,J=5.9Hz),3.63(2H,s),3.79(2H,s),4.02(2H,t,J=5.9Hz),6.23(1H,br d,J=2.7Hz),6.34(1H,dd,J=2.7,1.6Hz),6.78(2H,d,J=9.0Hz),7.00(2H,s),7.20(2H,d,J=9.0Hz),7.40(1H,d,J=1.6Hz).
MS m/z:472(M+H)+
【0151】
[実施例8]
(1)2−[4−[[[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0152】
【化37】

【0153】
実施例5−(1)と同様にして、参考例2−(3)の化合物(91mg)と4−フルオロフェノール(58mg)から標題化合物(133mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(6H,s),1.51(9H,s),2.20(6H,s),2.90(2H,t,J=6.0Hz),3.60(2H,s),3.76(2H,s),3.99(2H,t,J=6.0Hz),6.21(1H,br d,J=3.2Hz),6.33(1H,dd,J=3.2,2.0Hz),6.72−6.81(2H,m),6.86−6.97(4H,m),7.39(1H,dd,J=2.0,0.7Hz).
MS m/z:512(M+H)+
【0154】
(2)2−[4−[[[2−(4−フルオロフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0155】
【化38】

【0156】
実施例5−(2)と同様にして、実施例8−(1)の化合物(123mg)から標題化合物(80mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.49(6H,s),2.21(6H,s),2.92(2H,t,J=5.7Hz),3.63(2H,s),3.79(2H,s),4.02(2H,t,J=5.7Hz),6.23(1H,br s),6.34(1H,dd,J=3.2,1.7Hz),6.79(2H,dd,J=9.0,4.4Hz),6.91−6.97(2H,m),7.00(2H,s),7.40(1H,br.s).
MS m/z:456(M+H)+
【0157】
[実施例9]
(1)2−[4−[[[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0158】
【化39】

【0159】
実施例5−(1)と同様にして、参考例2−(3)の化合物(85mg)と2,4−ジクロロフェノール(82mg)から標題化合物(106mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(6H,s),1.51(9H,s),2.20(6H,s),2.96(2H,t,J=5.7Hz),3.63(2H,s),3.80(2H,s),4.05(2H,t,J=5.7Hz),6.23(1H,br d,J=2.9Hz),6.33(1H,dd,J=2.9,1.7Hz),6.75(1H,d,J=8.8Hz),6.95(2H,s),7.13(1H,dd,J=8.8,2.4Hz),7.34(1H,d,J=2.4Hz),7.39(1H,dd,J=1.7,0.7Hz).
MS m/z:562,564(M+H)+
【0160】
(2)2−[4−[[[2−(2,4−ジクロロフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0161】
【化40】

【0162】
実施例5−(2)と同様にして、実施例9−(1)の化合物(106mg)から標題化合物(85mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.49(6H,s),2.20(6H,s),3.02(2H,t,J=5.6Hz),3.72(2H,s),3.88(2H,s),4.12(2H,t,J=5.6Hz),6.29(1H,br d,J=2.9Hz),6.35(1H,dd,J=2.9,1.7Hz),6.78(1H,d,J=8.8Hz),7.02(2H,s),7.13(1H,dd,J=8.8,2.7Hz),7.34(1H,d,J=2.7Hz),7.41(1H,dd,J=1.7,0.7Hz),8.40−9.10(1H,br).
MS m/z:506,508(M+H)+
【0163】
[実施例10]
(1)2−[4−[[[2−(4−シアノフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0164】
【化41】

【0165】
実施例5−(1)と同様にして、参考例2−(3)の化合物(85mg)と4−ヒドロキシベンゾニトリル(60mg)から標題化合物(82mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.41(6H,s),1.51(9H,s),2.21(6H,s),2.92(2H,t,J=5.9Hz),3.60(2H,s),3.76(2H,s),4.03(2H,t,J=5.9Hz),6.21(1H,br d,J=2.7Hz),6.34(1H,dd,J=2.9,1.7Hz),6.88(2H,d,J=8.8Hz),6.94(2H,s),7.40(1H,dd,J=1.7,0.7Hz),7.55(2H,d,J=8.8Hz).
MS m/z:519(M+H)+
【0166】
(2)2−[4−[[[2−(4−シアノフェノキシ)エチル]−フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0167】
【化42】

【0168】
実施例5−(2)と同様にして、実施例10−(1)の化合物(82mg)から標題化合物(71mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.49(6H,s),2.21(6H,s),2.98(2H,t,J=5.9Hz),3.67(2H,s),3.82(2H,s),4.11(2H,t,J=5.9Hz),6.26(1H,d,J=2.7Hz),6.33−6.38(1H,m),6.90(2H,d,J=8.5Hz),7.00(2H,s),7.42(1H,br s),7.46−8.35(1H,br),7.55(2H,d,J=8.5Hz).
MS m/z:463(M+H)+
【0169】
[実施例11]
(1)2−[4−[[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0170】
【化43】

【0171】
実施例5−(1)と同様にして、参考例2−(3)の化合物(85mg)と4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルフェノール(84mg)から標題化合物(91mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(6H,s),1.51(9H,s),2.21(6H,s),2.94(2H,t,J=5.9Hz),3.62(2H,s),3.78(2H,s),4.06(2H,t,J=5.9Hz),6.20−6.25(1H,m),6.35(1H,dd,J=2.9,1.7Hz),6.95(2H,d,J=9.0Hz),6.97(2H,s),7.41(1H,dd,J=1.7,0.7Hz),7.54(2H,d,J=9.0Hz),8.07(1H,s),8.47(1H,s).
MS m/z:561(M+H)+
【0172】
(2)2−[4−[[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−[1,2,4]トリアゾール−1−イルフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0173】
【化44】

【0174】
実施例5−(2)と同様にして、実施例11−(1)の化合物(91mg)から標題化合物(72mg)を淡黄色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.49(6H,s),2.22(6H,s),2.96(2H,br s),3.66(2H,s),3.84(2H,s),4.09(2H,br s),6.27(1H,br s),6.33−6.38(1H,m),6.93(2H,d,J=9.0Hz),7.01(2H,s),7.42(1H,br d,J=1.2Hz),7.53(2H,d,J=9.0Hz),8.10(1H,s),8.26−9.19(1H,br),8.54(1H,s).
MS m/z:505(M+H)+
【0175】
[実施例12]
(1)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(3−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸 tert−ブチル エステル
【0176】
【化45】

【0177】
実施例5−(1)と同様にして、参考例2−(3)の化合物(160mg)と3−メトキシフェノール(75mg)から標題化合物(119mg)を淡黄色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.42(6H,s),1.51(9H,s),2.21(6H,s),2.91(2H,t,J=6.1Hz),3.60(2H,s),3.76(2H,s),3.77(3H,s),4.02(2H,t,J=6.1Hz),6.20(1H,br d,J=3.2Hz),6.31−6.34(1H,m),6.41−6.52(3H,m),6.96(2H,s),7.15(1H,t,J=8.1Hz),7.36−7.41(1H,m).
MS m/z:524(M+H)+
【0178】
(2)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(3−メトキシフェノキシ)エチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロピオン酸
【0179】
【化46】

【0180】
実施例5−(2)と同様にして、実施例11−(1)の化合物(116mg)から標題化合物(83mg)を淡青色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.50(6H,s),2.22(6H,s),2.86−3.04(2H,br),3.55−3.89(4H,br),3.78(3H,s),3.96−4.16(2H,br),6.19−6.30(1H,br),6.32−6.39(1H,br),6.41−6.54(3H,m),6.96−7.10(2H,br),7.16(1H,t,J=8.2Hz),7.42(1H,br s).
MS m/z:468(M+H)+
【0181】
[実施例13]
(1)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロパン酸 tert−ブチル エステル
【0182】
【化47】

【0183】
参考例3の化合物(210mg)をN,N−ジメチルホルムアミド(5ml) に溶解し、臭化4−メトキシフェナシル(128mg)と炭酸カリウム(93mg)を加えて、80℃で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液を加えて、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後,減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:8)で精製し、標題化合物(66mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.41(6H,s),1.50(9H,s),2.19(6H,s),3.64(2H,s),3.79(2H,s),3.84(2H,s),3.86(3H,s),6.19(1H,d,J=3.2Hz),6.32(1H,dd,J=1.7,3.2Hz),6.88(2H,d,J=9.1Hz),6.93(2H,s),7.39(1H,d,J=2.0Hz),7.87(2H,d,J=9.1Hz).
MS m/z:522(M+H)+
【0184】
(2)2−[4−[[フラン−2−イルメチル−[2−(4−メトキシフェニル)−2−オキソエチル]アミノ]メチル]−2,6−ジメチルフェノキシ]−2−メチルプロパン酸
【0185】
【化48】

【0186】
実施例13−(1)の化合物(62mg)をジクロロメタン(1.5ml)に溶解し、4規定塩酸ジオキサン溶液(0.5ml)を加えて、室温で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣を分取用薄相シリカゲルクロマトグラフィー(クロロホルム:メタノール=95:5)で精製し、標題化合物(25mg) を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:1.32(6H,s),2.11(6H,s),3.57(2H,s),3.74(2H,s),3.78(2H,s),3.83(3H,s),6.27(1H,d,J=3.2Hz),6.40(1H,dd,J=1.7,3.2Hz),6.88(2H,s),6.98(2H,d,J=9.1Hz),7.61(1H,d,J=1.7Hz),7.83(2H,d,J=9.1Hz).
MS m/z:466(M+H)+
【0187】
[実施例14]
(1)2−[4−[[[2−(エチルフェニルアミノ)エチル]フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]フェノキシ]−2−メチルプロパン酸 エチル エステル
【0188】
【化49】

【0189】
エチルフェニルアミノエタノール(165mg)をジクロロメタン(4ml) に溶解して、氷水冷却下にトリエチルアミン(0.166ml)と塩化メタンスルホニル(0.085ml)を加えて1時間攪拌した。反応液に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、ジクロロメタンで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮した。残渣をN,N−ジメチルホルムアミド(6ml)に溶解し、参考例4の化合物(250mg)と炭酸セシウム(424mg)を加えて、70℃で一晩攪拌した。反応液を減圧濃縮し、残渣に炭酸水素ナトリウム水溶液を加え、酢酸エチルで3回抽出した。有機層を飽和食塩水で洗浄し、無水硫酸ナトリウムで乾燥後、溶媒を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:ヘキサン=1:9)で精製し、標題化合物(301mg)を無色油状物として得た。
1H−NMR(400MHz,CDCl3)δ:1.07(3H,t,J=7.1Hz),1.24(3H,t,J=7.1Hz),1.59(6H,s),2.64(2H,t,J=7.6Hz),3.24−3.33(4H,m),3.60(2H,s),3.68(2H,s),4.23(2H,q,J=7.1Hz),6.18(1H,d,J=3.2Hz),6.33(1H,dd,J=1.7,3.2Hz),6.54(2H,d,J=8.1Hz),6.59(1H,t,J=7.1Hz),6.81(2H,d,J=8.6Hz),7.11−7.15(2H,m),7.24(2H,d,J=8.1Hz),7.39(1H,d,J=1.7Hz).
MS m/z:465(M+H)+
【0190】
(2)2−[4−[[[2−(エチルフェニルアミノ)エチル]フラン−2−イルメチルアミノ]メチル]フェノキシ]−2−メチルプロパン酸
【0191】
【化50】

【0192】
実施例14−(1)の化合物(295mg)をエタノール(2ml)とテトラヒドロフラン(2ml)の混合液に溶解し、5規定水酸化ナトリウム水溶液(0.254ml)を加えて、50℃で一晩攪拌した。反応液に濃塩酸(0.106ml)を加え、減圧下濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィー(ジクロロメタン:メタノール=95:5)の後、ジエチルエーテル−メタノールを加えてろ取し、標題化合物(145mg)を無色固体として得た。
1H−NMR(400MHz,DMSO−d6)δ:0.97(3H,t,J= 7.1 Hz),1.48(6H,s),2.46−2.50(2H,m),3.16−3.25(4H,m),3.56(2H,s),3.67(2H,s),6.32(1H,d,J=2.9Hz),6.41−6.49(4H,m),6.79(2H,d,J=8.6Hz),7.00−7.03(1H,m),7.23(2H,d,J=8.6Hz),7.62(1H,d,J=1.7Hz).
MS m/z:437(M+H)+
元素分析値 C263224・1/4H2Oとして
計算値:C,70.80;H,7.43;N,6.35.
分析値:C,70.98;H,7.38;N,6.31.
【0193】
[試験例1]
GAL4−hPPAR トランスアクチベーションアッセイ
(a)プラスミド
GAL4 DNA結合領域−PPARリガンド結合領域の融合蛋白発現プラスミドpFA−hPPARα/GAL4およびpFA−hPPARγ/GAL4は、それぞれhPPARαおよびhPPARγのLBD cDNAを、CMVプロモーター下に酵母のGAL4 DNA結合領域(GAL4 DBD)を持つ市販の発現ベクター(pFA trans−Activator plasmids,STRATAGENE社)に組み込むことで得た。レポーター蛋白発現プラスミドは、分泌型アルカリフォスファターゼ(SEAP)のcDNA上流にGAL4応答領域(GAL4 UAS)を持つ市販のプラスミド(pFR−SEAP,STRATAGENE社)を使用した。
(b)細胞培養およびトランスアクチべーションアッセイ
10%ウシ胎仔血清(Hyclone社)、100単位/mLペニシリンGおよび100mg/mL硫酸ストレプトマイシンを含む高グルコースのダルベッコの調整イーグル培地(DMEM)にHEK293T細胞を懸濁し、24ウェル細胞培養プレートに8×104個/ウェルの密度で播種した。5%CO2の加湿雰囲気下に37℃で24時間培養後、製造業者の説明に従ってリポフェクトアミン(Lipofectamine,Invitrogen社)およびプラス試薬(Plus Reagent,Invitrogen社)を用いて無血清条件下でトランスフェクションを行った。すなわち、リポフェクトアミン0.48μL、pFA−PPAR/GAL4発現プラスミド0.030μg、pFR−SEAP0.13μgを含む225μLのトランスフェクション用培地(OPTI−MEM,Invitrogen社)中、5%CO2雰囲気下に37℃で、細胞を5時間インキュベートした。次に、10%ウシ胎仔血清、100単位/mLペニシリンGおよび100mg/mL硫酸ストレプトマイシンおよび指定の2倍濃度の被験化合物を含む新鮮な高グルコースDMEMを等容量添加し、細胞を約48時間インキュベートした。化合物をDMSO中で可溶化したことから、同等濃度のDMSOとともに対照細胞のインキュベーションを行った。なお、最終DMSO濃度は0.1%以下であり、その濃度はトランスアクチベーション活性には影響しないことが明らかになっている。インキュベーション終了後、培養上清を回収し、キット(Reporter assay kit−SEAP,TOYOBO社)を用いて製造業者の説明に従ってSEAP活性を測定した。すなわち、培養上清5μLに等量の内在性アルカリフォスファターゼ阻害液を加えて37℃で30分間インキュベートし、次に化学発光基質(Lumiphos PLUS,Lumigen)を100μL添加して37℃で15分間インキュベートした後、発光をマルチラベルカウンター(ARVOsx,PerkinElmer)を用いて測定した。上記操作により得られた値と被験化合物の濃度との関係をプロットし、EC50値を求めた。
【0194】
<試験結果>
下表に示すように、本発明の化合物は、強力なGAL4−hPPAR トランスアクチベーション活性を示した。
【0195】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
一般式(I)
【化1】

(上記式中、
1およびR2は各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカノイル基、低級アルキルカルバモイルオキシ基、低級アルキルスルホニル基、低級アルキルチオ基、低級アルキルスルフィニル基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、置換基を有していてもよいアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、置換基を有していてもよい低級アルキルスルホニルオキシ基、置換基を有していてもよいアリールスルホニルオキシ基、低級アルキル基を有していてもよいスルファモイル基、低級アルキル基を有していてもよいスルファイモイルオキシ基、置換基を有していてもよい5〜6員の飽和へテロ環基、置換基を有していてもよい5〜6員の芳香族ヘテロ環基、置換基を有していてもよいアリールオキシ基、または置換基を有していてもよいアリール基を示し、
3は、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、または置換基を有していてもよい5〜6員の芳香族ヘテロ環基を示し、
4およびR5は各々独立に、水素原子、水酸基、ハロゲン原子、低級アルケニル基、低級アルコキシ基、置換基を有していてもよい低級アルキル基、または置換基を有していてもよいアミノ基を示し、
6およびR7は各々独立に、水素原子または低級アルキル基を示し、あるいはR6と R7は、それらが置換している炭素原子と一緒になって3〜6員の脂肪族飽和環を形成してもよく、
8は水素原子または低級アルキル基を示し、
Wは−O−、−C(=O)−、または−NR9−(式中、R9は、水素原子または低級アルキル基を示す。)を示し、
Qは−(CH2n−(式中、nは、Wが−C(=O)−の場合は1〜5、Wが−O−または−NR9−の場合は2〜5の整数を示す。)を示し、
mは1〜3の整数(ただし、R3が低級アルコキシ基の場合には、mは2〜3の整数)を示す。)
で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項2】
Wが−O−または−C(=O)−である請求項1に記載の化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物。
【請求項3】
Qがメチレンまたはエチレンである請求項1〜2に記載の化合物、その塩、またはそれらの溶媒和物。
【請求項4】
1およびR2は各々独立に、水素原子、ハロゲン原子、置換されることもある低級アルキル基、低級アルコキシ基、シアノ基、低級アルカノイル基、低級アルキルスルホニル基、置換されることもある低級アルキルスルホニルオキシ基、置換されることもあるヘテロアリール基、または置換されることもあるアリールオキシ基である請求項1〜3に記載の化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項5】
3が、低級アルコキシ基である請求項1〜4に記載の化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項6】
3が、置換されることもあるカルバモイル基である請求項1〜4に記載の化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項7】
3が、フリル基、オキサゾリル基、チアゾリル基、またはオキサジアゾリル基であって、これらの基が水酸基、ハロゲン原子、低級アルコキシ基、置換されることもある低級アルキル基、置換されることもあるアミノ基、置換されることもあるフェニル基、および置換されることもある5〜6員の不飽和のヘテロ環基の中から選ばれる、同一または異なってもよい1〜2個の基で置換されることもある請求項1〜4に記載の化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項8】
4およびR5が各々独立に、水素原子、または置換されることもある低級アルキル基である請求項1〜7に記載の化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項9】
6およびR7が各々独立に、低級アルキル基である請求項1〜8に記載の化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項10】
8が水素原子である請求項1〜9に記載の化合物、その塩またはそれらの溶媒和物。
【請求項11】
請求項1記載の一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物からなる医薬。
【請求項12】
請求項1記載の一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物及び薬学的に許容し得る担体からなる医薬組成物。
【請求項13】
請求項1記載の一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物の、医薬製造のための使用。
【請求項14】
請求項1記載の一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とするインシュリン抵抗性に起因する疾患の治療剤。
【請求項15】
請求項1記載の一般式(I)で表される化合物、その塩またはそれらの溶媒和物を含有することを特徴とする糖尿病の治療剤。

【公開番号】特開2006−232703(P2006−232703A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47669(P2005−47669)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000002831)第一製薬株式会社 (129)
【Fターム(参考)】