説明

フェノフィブレートの改良された製剤

本発明は、界面活性剤混合物、好ましくはPEG6000及びポロキサマー407を含んで成る混合物と均質に結合される、治療的有効量のフィブレート薬物を含んで成る、高められたレベルのトリグリセリドの処理のための組成物に関する。本発明はまた、前記生成物を対象に投与することを含んで成る、対象における高められたレベルのトリグリセリドの処理方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
背景
フェノフィブレート、すなわち(2−[4−(4−クロロベンゾイル)フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸、1−メチルエチルエステル)は、フィブレートクラスの薬物の1つである。それは、カプセル及び錠剤として利用できる。アメリカ合衆国においては、フェノフィブレートは、48mg、145mg、54mg及び160mgの強度で、錠剤形での商標名Tricor(商標)として市販されている。フェノフィブレートは明らかに、プロドラッグである。活性成分はたぶん、エステラーゼにより身体において生成されることが報告されている代謝物フェノフィブリン酸(fenofibric acid)である。フェノフィブレートを投与する場合、明らかに損なわれていないフェノフィブレート血漿に見出されない(Physician’s Desk Reference 58th ed., 2004, pages 522-525 (PDR))。
【0002】
フェノフィブレートは非常に不良な溶解性薬物である。その不良な溶解性にもかかわらず、“供給される状態”で投与される場合、十分に吸収され、そして“絶食された状態”でそのようにされる場合、前記よりも低く吸収されることが報告されている。前全身性部位及び最初の通過部位の両者においてグルクロニドに代謝されることは理解されているが、フェノフィブリン酸の生物学的利用能が実際何であるかは不明である。フェノフィブレートの絶対的な生物学的利用能は、その化合物が静脈内注射のために適切な媒体に不溶性であるので、たぶん決定され得ない。
【0003】
健康なボランティアへの経口投与に続いて、放射性ラベルされたフェノフィブレートの1回の用量の約60%が、主にフェノフィブリン酸及びそのグルクロニド接合体として尿に出現し、そして25%が便に排泄された(PDR 2004)。Tricor(商標)54mg又はTricor(商標)160mg錠剤として投与されるフェノフィブレートの吸収は、食物と共に投与される場合、高められることが理解されている。Tricor(商標)54mg又はTricor(商標)160mg錠剤に関しては、フェノフィブレート吸収の程度は、食物と共に投与される場合、約35%高められる(PDR 2004 , Martindale 33rd ed. Page 889)。
【0004】
Tricor(商標)54mg又はTricor(商標)160mg錠剤は、フェノフィブレートの他に、コロイド状二酸化珪素、クロスポビドン、ラクトース・一水和物、レシチン、微晶性セルロース、ポリビニルアルコール、ポビドン、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリルフマル酸ナトリウム、タルク、二酸化チタン及びキサンタンガムを含む(PDR 2004)。さらに、Tricor(商標)54mg錠剤は、D&C Yellow No. 10, FD&C Yellow No. 6 及びFD&C Blue No. 2を含む(PDF 2004)。
【0005】
フェノフィブレートの他に、2004年11月アメリカ合衆国FDAからの商業的許可を受けたTricor(商標)48mg又はTricor(商標)145mg錠剤は、ヒプロメロース(hypromellose)2910(3cps)、ドキュセートナトリウム、スクロース、ラクトース・一水和物、珪化された微昌性セルロース、クロスポビドン、ステラリン酸ナトリウム、ポリビニルアルコール、二酸化チタン、タルク、大豆レシチン及びキサンタンガムを含む(Prescribing Information Document 04K- 030-F534-1, Revised November 2004, Abbott Laboratories, North Chicago, IL, U.S.A.)。Tricor(商標)48mg錠剤はまた、D&C Yellow 10 アルミニウムレーキ, FD&C Yellow No. 6/サンセットイェロウ FCF アルミニウムレーキ 及び FD&C Blue No. 2/インジゴカルミン アルミニウムレーキを含む。
【0006】
フェノフィブレートの製剤を改良するために多くの努力が費やされてきた。アメリカ特許第4,895,726号及び第5,880,148号は、界面活性剤と共にフェノフィブレートを同時微粉砕することを開示している。アメリカ特許第6,074,670、第6,277,405号及び他の特許は、任意の界面活性剤と共に水溶性キャリヤー上に被覆された、微粉砕されたフェノフィブレートを開示する。アメリカ特許第6,814,977号は、脂肪酸の中鎖グリセロールエステルに溶解されたフェノフィブレートを開示し、アメリカ特許第6,719,999号は、グリセリン、プロピレングリコール又はジメチルイソソルビドに溶解されたフェノフィブレートを開示し、そしてアメリカ特許第5,827,536号は、ジエチレングリコールモノエチルエーテルに溶解されたフェノフィブレートを開示する。
【0007】
いくつかの特許は、特定のポリマー又は界面活性剤添加物と共に微粉砕されたフェノフィブレートの特定の配合を開示しており、そしていくつかの他の特許はエマルジョン及び懸濁液を記載している。アメリカ特許出願公開番号2004/0087656号は、改良された生物学的利用能を有する、2000nm以下の粒度のフェノフィブレートを開示する。アメリカ特許出願公開番号2003/0224059号は、活性医薬成分の微粒子、それを含んで成る薬物供給ビークル、及びそれらの製造方法を開示する。US2003/0224059号の開示は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0008】
アメリカ特許出願公開番号2004/0198646号は、メンソール中、薬物、特に水に不良に溶解性である薬物の溶液を含んで成る組成物、及びそのような組成物の製造方法を開示する。US2004/0198646号の開示は、引用により本明細書に組み込まれる。
【0009】
薬物の超微粉砕及び界面活性剤の添加は、用量当たり100mgからの67mg及び続いて54mgへの投与される薬物の量の低下を可能にする、フェノフィブレートの生物学的利用能(すべて、供給される状態で同じ生物学的利用能を有する)を適度に高めた。薬物の超微粒子製剤はさらに、供給される状態に類似するとして報告されている“断食された状態”の生物学的利用能を伴って、用量当たり48mgへの前記用量の低下を可能にした。フェノフィブレートの真の生物学的利用能はまだ比較的低いことが推定されるので、より一層の改良が必要とされる。本発明者は驚くべきことには、メンソールに溶解され、そして界面活性剤を含んで成るフェノフィブレートの組成物が、これまで開示されているいずれよりも、より一層増強された生物学的利用能を付与することを見出した。本発明者はまた、驚くべきことには、メンソールを伴って又は伴わないで、フェノフィブレートの高められた溶解性及び薬物開放性の製剤を見出した。
【発明の開示】
【0010】
発明の要約
本発明は、メンソールと均質に結合される、治療的有効量のフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を含んで成る、高められたレベルのトリグリセリドの処理のための組成物を包含する。均質的結合は、メンソール中、フェノフィブレート又は他のフィブレートの溶液の形で存在することができ、そして薬物の少なくとも一部が、薬物の沈殿を誘発する工程、例えば飽和、例えば溶液の体積の低下又は冷却により、そのような溶液から放出される組成物を包含する。組成物は任意には、アメリカ特許2003−0224059号及び2004−0198646号における教授により開示される方法により、固体キャリヤーに吸収されるか、又はその上に吸着され得る。
【0011】
本発明は、メンソールに溶解される、治療的有効量のフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を含んで成り、そしてさらに、少なくとも1つの界面活性剤を含んで成る、高められたレベルのトリグリセリドの処理のための組成物を包含する。前記組成物は任意には、固体キャリヤー上に吸収され得る。
【0012】
本発明は、メンソールに溶解される、治療的有効量のフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を含んで成り、そしてさらに、少なくとも1つの界面活性剤を含んで成る、組成物を包含する。組成物は、37℃及び150rpmで0.1NのHCl50mlにおいて試験される場合、フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物の少なくとも約10%、30%又は80%が15分で溶解する溶解性質を有することができる。組成物はまた、37℃及び50rpmで0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)500mlにおいて試験される場合、フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物の少なくとも約70%が5分で溶解する溶解性質を有することができる。
【0013】
本発明は、メンソールに溶解される、治療的有効量のフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を含んで成り、そしてさらに、少なくとも1つの界面活性剤を含んで成る、組成物を包含し、前記組成物は、ビーグル犬に経口投与される場合、mg当たりの基準に基づく(等しい重量に標準化される場合)Tricor(商標)54mg製品の曲線下面積(AUC)の少なくとも3倍である、血漿における濃度−対−時間プロフィールのAUCに基づいてフェノフィブリン酸の生物学的利用能を示す。
【0014】
本発明はまた、
a)メンソールを、溶解するために約60℃に加熱し;
b)少なくとも1つの界面活性剤を、前記溶解物に添加し;
c)段階b)の生成物を、約50℃に冷却し;
d)段階c)の生成物にフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を撹拌しながら溶解し;
e)段階d)の生成物を室温に冷却し、本発明の組成物を得:そして
f)カプセルが所望される場合、(A)段階e)の生成物をカプセル中に分散し、又は(B)他方では、段階e)の生成物に、固体キャリヤー、例えば微晶性セルロース、ラクトース又はソルビトールを添加し、十分に混合し、室温に冷却し、そしてこのようにして得られた粉末をカプセル中に充填することを含んで成る、本発明の組成物の調製方法を包含する。
【0015】
本発明は、界面活性剤混合物、例えばポリエチレングリコール(PEG)及びポロキサマーを含んで成る界面活性剤混合物、例えばポリエチレングリコール1000及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物、又はPEG 6000及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物に溶解される、治療的有効量のフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を含んで成る組成物を包含する。組成物は任意には、固体キャリヤーに吸収されるか又はその上に吸着され得る。
【0016】
本発明は、界面活性剤混合物、例えばポリエチレングリコール(PEG)及びポロキサマーを含んで成る界面活性剤混合物、例えばポリエチレングリコール1000及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物、又はPEG 6000及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物と均質に結合される、治療的有効量のフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を含んで成る組成物を包含する。組成物は、37℃及び50rpmで水中、0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)900mlにおいて試験される場合、フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物の少なくとも約40%が15分で溶解し、そして/又は約80%が30分で溶解する溶解性質を有することができる。
【0017】
均質結合は、溶液の形で存在することができるが、しかし薬物の少なくとも一部がそのような溶液から開放されるか、又は飽和のために、十分には溶解されていない組成物を包含する。ビーグル犬に経口投与される場合、本発明のこの組成物は、mg当たりの基準に基づく(等しい重量に標準化される場合)Tricor(商標)54mg製品の曲線下面積(AUC)の少なくとも約2倍である、血漿における濃度−対−時間プロフィールのAUCに基づいてフェノフィブリン酸の生物学的利用能を示す。
【0018】
本発明は、メンソールに溶解された治療的有効量のフェノフィブレートを含んで成るフェノフィブレートの組成物を患者に投与することを含んで成る、高められたトリグリセリドレベルの患者の処理方法を包含する。
本発明は、メンソールに溶解された治療的有効量のフェノフィブレートを含んで成り、そしてさらに、少なくとも1つの界面活性剤を含んで成る、フェノフィブレートの組成物を患者に投与することを含んで成る、高められたトリグリセリドレベルの患者の処理方法を包含する。
【0019】
本発明は、PEG1000及びポロキサマー407に溶解された治療的有効量のフェノフィブレートを含んで成るフェノフィブレートの組成物を患者に投与することを含んで成る、高められたトリグリセリドレベルの患者の処理方法を包含する。
本発明はまた、PEG6000及びポロキサマー407を含んで成る混合物と均質結合下での治療的有効量のフェノフィブレート又は他のフィブレートを含んで成る組成物を、対象に投与することを含んで成る、高められたトリグリセリドレベルについて対象を処理するための方法も提供する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
発明の特定の記載
フェノフィブレート、すなわち高トリグリセリド血症の処理に使用される薬物の医薬組成物を改良する必要がある。用語“フェノフィブレート“は、2−[4−(4−クロロベンゾイル)−フェノキシ]−2−メチル−プロパン酸の1−メチルエチルエステル、及び医薬的に許容できるその塩を包含する。本発明の1つの観点は、メンソールに溶解されるフェノフィブレートの組成物に関する。フェノフィブレートは、60℃で溶解されたメンソールに約37%まで溶解する。すべてのフェノフィブレートがメンソールに溶解されているか、又はフェノフィブレートのいくらかが溶解され、そして残りは十分に飽和されたメンソール媒体に固体形で存在する製剤が製造され得る。
【0021】
本発明の好ましい態様においては、フェノフィブレートはメンソールに十分に溶解されている。本発明の1つの態様においては、メンソール溶解物が液体状態でカプセル中に満たされるか、又は固化され、任意には粉砕され、そしてカプセル中に充填され得る。1つの態様における液体充填のために使用されるカプセルは、ハードゼラチンカプセルであり得る。好ましい態様においては、ハードゼラチンカプセルは、漏れを妨げるために帯締される。より好ましい態様においては、液体製剤がソフトゲルカプセル中に満たされ得る。もう1つの態様においては、固化されたメンソール溶液が任意には、粉砕され、そしてハードゼラチンカプセル、又は他の材料、例えば植物起源の材料(例えば、HPMC)の同等のカプセル中に充填される。
【0022】
もう1つの好ましい態様においては、溶融されたメンソール製剤はさらに、固体キャリヤー上に吸着され得る。そのような固体キャリヤーは、水溶性キャリヤー、例えばスクロース、ラクトース、マンニトール又はソルビトール、又は水不溶性キャリヤー、例えばスターチ、セルロース、微晶性セルロース又はリン酸カルシウムであり得る。そのようにして形成された粉末は任意には、流動又は他の性質を助けるために、飽和医薬添加剤と共に混合され得、そしてハードゼラチンカプセル又はそれらの同等物中に充填され得る。もう1つの好ましい態様においては、それらの粉末は任意には、標準の医薬賦形剤と共に混合され、そして錠剤プレスにより錠剤形成のために配合され得る。
【0023】
本出願においては、用語“もう1つのフィブレート薬物”又は“他のフィブレート薬物”とは、フェノフィブリン酸、そのいずれかの塩、そのいずれかのエステルを包含するが、但し、上記に定義されるような用語“フェノフィブレート”により包含される1−メチルエチルエステル、すなわちベンザフィブレート、ビニフィブレート、クリノフィブレート、シプロフィブレート、クロフィブレート、クロフィブリド、エトフィブレート、エトフィリン、クロフィブレート、ゲムフィブロジル、ピリフィブレート、ノニフィブレート及びシムフィブレートを除く。
【0024】
フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物が、“メンソールと均質に結合され”、“メンソールと均質に結合して存在し”、“界面活性剤混合物と均質に結合され”、又は界面活性剤混合物と均質に結合して存在する“本出願においては、次のものを包含することが意図される:
a)メンソール、メンソール界面活性剤混合物、又は界面活性剤混合物中、フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物の溶液、ここでメンソール、メンソール混合物又は界面活性剤混合物は液体、溶融物又は固体(固体溶液)であり;
b)フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物の沈殿物、又は飽和又は過飽和溶液により被覆されるか、又はそれと接触して存在する、メンソール溶液、メンソール界面活性剤混合物溶液又は界面活性剤混合物溶液からのフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物及びいずれかの添加の同時沈殿物;及び/又は
c)メンソール、メンソール界面活性剤混合物又は界面活性剤混合物中、フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物の飽和溶液により被覆されるか、又はそれと接触して存在する、フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物、ここで残りのフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物は、存在するフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物の量は飽和以上であるので、溶解しない。
【0025】
表現、“均質に結合される”及び“均質結合して存在する”とは、フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を少なくとも部分的に溶解しない粒質代液体においてブレンドするか又は粒質化による、2種の固形物の単純な物理的混合物を排除する。
本特許出願においては、定量値の前に“約”がある場合、それは、その値±5%を包含することを意図する。例えば、“約50%”とは、47.5%〜52.5%を意味する。
【0026】
本発明のもう1つの観点は、メンソールに溶解される治療的有効量のフェノフィブレートを含んで成り、そしてさらに、少なくとも1つの界面活性剤を含んで成る、高レベルのトリグリセリドの処理のための組成物である。すべてのフェノフィブレートがメンソールに溶解されているか、又はフェノフィブレートのいくらかが溶解され、そして残りが十分に飽和されたメンソール媒体において固体形で存在する製剤が製造され得る。好ましい態様においては、フェノフィブレートは、メンソール及び界面活性剤媒体に溶解される。より好ましい態様においては、フェノフィブレートは、界面活性剤をまた含んで成るメンソールに十分に溶解される。
【0027】
この態様に関して使用され得る界面活性剤は、Tween、 最も好ましくはTween 80、 ナトリウムデューコセート、ラクリル硫酸ナトリウム、クレモフォー、ポリエチレングリコール(PEG)、最も好ましくはPEG1000、及びポロキサマー、最も好ましくはポロキシマー407を包含する。好ましい態様は、2〜40重量%、より好ましくは5〜25重量%のフェノフィブレート、10〜90重量%、より好ましくは15〜40重量%のメンソール、及び10〜80重量%、より好ましくは30〜70重量%の界面活性剤を含んで成る。もう1つの好ましい態様においては、溶融されたメンソール製剤はさらに、固体キャリー上に吸着されるか、又はそれに吸収され得る。
【0028】
そのような固体キャリヤーは、水溶性キャリヤー、例えばスクロース、ラクトース又はソルビトール、又は水不溶性キャリヤー、例えばスターチ、セルロース、微晶性セルロース、又はリン酸カルシウムであり得る。そのようにして形成された粉末は任意には、流動又は他の性質を助けるために標準の医薬添加剤と共に混合され得、そしてハードゼラチンカプセル又はそれらの同等物中に充填され得る。もう1つの好ましい態様においては、それらの粉末は任意には、標準の医薬賦形剤と共に混合され、そして錠剤プレスにより錠剤形成のために配合され、又は溶融錠剤に形成され得る。
【0029】
本発明の組成物の好ましい態様においては、製剤は、約25.2%のフェノフィブレート、約23.4%のメンソール、約11.7%のナトリウムデューコセート及び約39.7%のTween80を含んで成る。この製剤の薬物開放性が、37℃及び150rpmで0.1NのHCl50mlの小体積薬物開放試験において試験される場合、組成物における約11.9%のフェノフィブレートが15分で溶解された。
【0030】
本発明の組成物のもう1つの好ましい態様は、約20.5%のフェノフィブレート、約37.9%のメンソール、約9.5%のナトリウムデューコセート及び約32.2%のTween80を含んで成る。この製剤の薬物開放性が、37℃及び150rpmで0.1NのHCl50mlの小体積薬物開放試験において試験される場合、組成物における約31.7%のフェノフィブレートが15分で溶解された。
【0031】
本発明の組成物のもう1つの好ましい態様は、約12.4%のフェノフィブレート、約18.4%のメンソール、及び約69.1%のTween80を含んで成る。この製剤の薬物開放性が、37℃及び150rpmで0.1NのHCl50mlの小体積薬物開放試験において試験される場合、組成物における約12.5%のフェノフィブレートが15分で溶解された。
【0032】
本発明の組成物のもう1つの好ましい態様は、約12.4%のフェノフィブレート、約18.4%のメンソール、及び約69.1%のクレモフォーを含んで成る。この製剤の薬物開放性が、37℃及び150rpmで0.1NのHCl50mlの小体積薬物開放試験において試験される場合、組成物における約17.9%のフェノフィブレートが15分で溶解された。
【0033】
本発明の組成物のもう1つの好ましい態様は、約10.9%のフェノフィブレート、約16.2%のメンソール、約8.1%のナトリウムデューコセート、約60.7%のクレモフォー及び約4.0%のグリセリンを含んで成る。この製剤の薬物開放性が、37℃及び150rpmで0.1NのHCl50mlの小体積薬物開放試験において試験される場合、組成物における約15.6%のフェノフィブレートが15分で溶解された。
【0034】
本発明の組成物の最も好ましい態様は、約7.7%のフェノフィブレート、約19.2%のメンソール、約7.7%のナトリウムデューコセート及び約65.4%のTween80を含んで成る。この製剤の薬物開放性が、37℃及び150rpmで0.1NのHCl50mlの小体積薬物開放試験において試験される場合、組成物における約93.3%のフェノフィブレートが15分で溶解された。この最も好ましい態様はさらに、37℃及び50rpmで水中、0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)500mlにおいて試験され、ここでそれは、5分で78.7%が溶解し、そして10分で92.5%が溶解する開放プロフィールが得られた。
【0035】
比較によれば、アメリカ特許出願10/400,100号(US 2003/0224059号)の例2に教授されるように、フェノフィブレート組成物は、37℃及び100rpmで水中、0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)900mlにおいて、USP装置II溶解テスターにより、溶解のために助けとなる低い緊縮性の条件下で試験される場合、90%以上のフェノフィブレートが溶解するのに約90分を要するような溶解速度を示した。この最も好ましい態様はさらに、イヌ−対−市販のTricor(商標)54mgの微粉砕された製剤のその薬物動力学プロフィールについて試験され(例3を参照のこと)、そしてmg当たりの基準に基づいて4倍以上、改良された、活性代謝物フェノフィブリン酸の生物学的利用能を付与した。
【0036】
本発明のもう1つの観点は、フェノフィブレートメンソール組成物の調製方法を包含する。1つの好ましい態様においては、この方法は、メンソールの溶融をもたらすために、約50〜70℃、最も好ましくは約60℃へのメンソールの加熱を包含する。メンソール溶融物は便利な速度で撹拌される。前記方法はさらに、界面活性剤、又は1つよりも多くの剤を、溶融物に添加することを含んで成る。溶融物は、十分な溶液が得られるまで、軽く撹拌される。好ましい態様においては、界面活性剤は、Tween 80である。より好ましい態様においては、界面活性剤は、Tween 80及びナトリウムデューコセートを包含する。1つの態様においては、フェノフィブレートがこの点で、溶融物に添加される。より好ましい態様においては、溶融物は、フェノフィブレートの添加の前、45〜55℃、最も好ましくは約50℃に冷却される。溶融物は、すべてのフェノフィブレートが溶解するまで、ほぼ同じ温度で撹拌される。
【0037】
1つの好ましい態様においては、このようにして得られた溶液が、ハード又はソフトカプセル中に分散される。より好ましくは、溶液(又は溶融物)はまず、室温に冷却され、そして次に、ハード又はソフトカプセル中に分散される。ハードカプセルは好ましくは、漏れを妨げるために“バンデイング”により密封される。本発明のもう1つの好ましい態様においては、固体キャリヤー、例えば微晶性セルロース、ラクトース又はソルビトール、又はそれらの組合せが、室温に冷却する前又は後、溶融物に添加される。混合物が十分に混合され、必要なら室温に冷却され、そしてカプセル中に充填される。任意には、他の賦形剤が流動性を助けるために粉末に添加され得る。もう1つの好ましい態様においては、そのようにして得られた粉末はさらに、添加剤と共に融合され、錠剤プレスによる錠剤への圧縮を可能にされる。
【0038】
本発明のもう1つの観点は、メンソールを有さないが、しかしポリエチレングリコール(PEG)及びポロキサマーを含んで成る界面活性剤に溶解されるか、又はそれと均質結合下にある、治療的有効量のフェノフィブレート又は他のフィブレート薬物を含んで成る、フェノフィブレート又は他のフィブレート薬物の組成物に関する。この態様のために有用なPEGは、室温で液体であるか、又は約70℃までに溶融するすべてのPEGである。最も好ましいPEGはPEG1000又はPEG6000である。最も好ましいポリキサマーは、ポリキサマー407である。1つの態様においては、組成物は、約5〜約50重量%のフェノフィブレート、約5〜約50重量%のPEG1000及び約5〜約50重量%のポリキサマー407を含むことができる。
【0039】
もう1つの態様においては、組成物は、約15〜約25重量%のフィブレート薬物、好ましくはフェノフィブレート、約7〜約13重量%のPEG6000、及び約7〜約13重量%のポロキサマー407を含んで成り、ここで前記フィブレート薬物は好ましくは、フェノフィブレートである。さらにもう1つの好ましい態様においては、組成物はさらに、少なくとも1つの医薬的に許容できるキャリヤーを含んで成り、ここで前記少なくとも1つの医薬的に許容できるキャリヤーは固体であり得、そして前記フィブレート薬物は少なくとも1つの固体キャリヤー上に吸着されるか、又はそれに吸収され得る。
【0040】
そのような固体キャリヤーは、水溶性キャリヤー、例えばスクロース、ラクトース又はソルビトール、又は水不溶性キャリヤー、例えばスターチ、セルロース、微晶性セルロース、又はリン酸カルシウムであり得る。そのようにして形成された粉末は任意には、流動又は他の性質を助けるために標準の医薬添加剤と共に混合され得、そしてハードゼラチンカプセル又はそれらの同等物中に充填され得る。もう1つの好ましい態様においては、それらの粉末は任意には、標準の医薬賦形剤と共に混合され、そして錠剤プレスにより錠剤形成のために配合され得る。
【0041】
本発明はまた、約19重量のフェノフィブレート、約10.9重量%のポロキサマー 407、約10.9重量%のPEG6000、約15.3重量%の微晶性セルロース、約18重量のクロスポビドン、約12重量%の炭酸水素ナトリウム及び約12重量%のクエン酸を含んで成る組成物を提供し、ここでフェノフィブレートは、PEG6000及びポロキサマー407に溶解されているか、又はそれらと均質に結合されている。
【0042】
本発明はさらに、約19重量のフェノフィブレート、約10.9重量%のポロキサマー 407、約10.9重量%のPEG6000、約15.3重量%の微晶性セルロース、約18重量のクロスポビドン、約12重量%の炭酸水素ナトリウム及び約12重量%の酒石酸を含んで成る組成物を提供し、ここでフェノフィブレートは、PEG6000及びポロキサマー407に溶解されているか、又はそれらと均質に結合されている。
【0043】
界面活性剤混合物、例えばポリエチレングリコール及びポロキサマー、例えばPEG6000及びポロキサマー407と均質に結合される、治療的有効量のフィブレート薬物、好ましくはフェノフィブレートを含んで成る本発明の医薬組成物は任意には、固体キャリヤー上に吸着されるか又はそれに吸収され得る。医薬組成物は、37℃及び50rpmで、水中、0.5%ウラリル硫酸ナトリウム(w/v)1000mlにより充填されたUSPタイプII溶解テスターを用いて試験される場合、少なくとも約50%、好ましくは約50〜80%、例えば55〜76%(例えば、約68%)又は約70〜80%が10分で開放され;少なくとも約73%、好ましくは約73〜93%、例えば約77〜89%(例えば、約83%)又は約87〜93%が15分で開放され;そして少なくとも約85%、好ましくは約85〜99%、例えば87〜97%(例えば、約90%)又は約93〜100%が30分で開放されるような溶解性質を有することができる。
【0044】
PEG600及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物と均質に結合される、治療的有効量のフェノフィブレート又はもう1つのフィブレートを含んで成る本発明の医薬組成物は、製剤、例えば錠剤又はカプセルを製造するために使用され得る。供給状態でヒトに経口投与される約145mgのフェノフィブレートを含んで成る錠剤に関しては、フェノフィブリン酸の血漿濃度に基づいての薬物動力学が決定される場合、時間0〜約48での血漿濃度対時間曲線下の平均面積、すなわちAUC0-48hは、約91600h・ng/m〜約217500h・ng/gの範囲であり(好ましくは、平均AUC0-48hは約150500h・ng/g)、そして0〜無限大の平均AUCは、約97200h・ng/g〜約308100h・ng/gであり(好ましくは、平均AUCinfは約185200h・ng/gである)。
【0045】
供給ヒト対象グループに経口投与されるTricor(商標)145mg錠剤のAUCinfに対する、供給ヒト対象グループに経口投与される、本発明のPEG600及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物と均質に結合されるフェノフィブレートを含んで成る医薬組成物により調製される製剤についてのAUCinfの比率の幾何学的平均は、約0.80〜約1.25、好ましくは約1であり、ここでAUCinf比率は、ヒトに対象に基づいて計算され、そして幾何学的平均は、グループ中のヒト対象について個々のAUCinf比率を用いて計算される。
【0046】
同様に、供給ヒト対象グループに経口投与されるTricor(商標)145mg錠剤のAUC0-48hはに対する、供給ヒト対象グループに経口投与される、本発明のPEG600及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物と均質に結合されるフェノフィブレートを含んで成る医薬組成物により調製される製剤についてのAUC0-48hはの比率の幾何学的平均は、約0.80〜約1.25、好ましくは約1である。また同様に、供給ヒト対象グループに経口投与されるTricor(商標)145mg錠剤のCmaxに対する、供給ヒト対象グループに経口投与される、本発明のPEG600及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物と均質に結合されるフェノフィブレートを含んで成る医薬組成物により調製される製剤についてのCmaxはの比率の幾何学的平均は、約0.80〜約1.25、好ましくは約1である。
【0047】
PEG6000及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤を活性物と均質に結合される治療的有効量のフェノフィブレート又はもう1つのフィブレートを含んで成る本発明の医薬組成物が、約145mgのフェノフィブレートを含んで成る錠剤を製造するために使用される場合、及び前記錠剤が、決定されるフェノフィブレートを含んで成る錠剤を製造するために使用される場合、及び前記錠剤が、決定されるフェノフィブリン酸の血漿濃度に基づく薬物動力学を伴って、絶食された状態でヒトに経口投与される場合、時間0〜約48時間での平均AUC、すなわちAUC0-48hは、約121400h・ng/g〜約287500h・ng/gの範囲であり(好ましくは、平均AUC0-48hは約175300h・ng/gである);時間0〜無限大の平均AUC、すなわちAUCinfは、約134800h・ng/g〜約345400h・ng/gであり(好ましくは、平均AUCinfは約213700h・ng/gである)、そして血漿濃度対時間曲線における平均最大値、すなわちCmaxは、約6400ng/g〜約14600ng/gである(好ましくは、平均Cmaxは10600ng/gである)。
【0048】
絶食状態でのヒト対象グループに経口投与されるTricor(商標)145mg錠剤のAUCinfに対する、絶食状態でのヒト対象グループに経口投与される、本発明のPEG600及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物と均質に結合されるフェノフィブレートを含んで成る医薬組成物により調製される製剤についてのAUCinfの比率の幾何学的平均は、約0.80〜約1.25、好ましくは約1であり、ここでAUCinf比率は、ヒトに対象に基づいて計算され、そして幾何学的平均は、グループ中のヒト対象について個々のAUCinf比率を用いて計算される。
【0049】
同様に、絶食状態でのヒト対象グループに経口投与されるTricor(商標)145mg錠剤のAUC0-48hはに対する、絶食状態でのヒト対象グループに経口投与される、本発明のPEG600及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物と均質に結合されるフェノフィブレートを含んで成る医薬組成物により調製される製剤についてのAUC0-48hはの比率の幾何学的平均は、約0.80〜約1.25、好ましくは約1である。また同様に、絶食状態でのヒト対象グループに経口投与されるTricor(商標)145mg錠剤のCmaxに対する、絶食状態でのヒト対象グループに経口投与される、本発明のPEG600及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物と均質に結合されるフェノフィブレートを含んで成る医薬組成物により調製される製剤についてのCmaxはの比率の幾何学的平均は、約0.80〜約1.25、好ましくは約1である。
【0050】
本発明はまた、界面活性剤混合物と均質に結合される、治療的有効量のフェノフィブレート又はもう1つのフィブレート薬物、好ましくはフェノフィブレートを含んで成る本発明の医薬組成物の調製方法も提供し、ここで前記方法は、
(a)溶解されたメンソールを供給し;
(b)溶解されたメンソールと、フィブレート薬物、及びポリエチレングリコール及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物とを混合し、前記メンソールに、少なくとも1部の前記フィブレート薬物、及びポリエチレングリコール及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物を溶解し;そして
(c)前記メンソールを、昇華を通して除去し、混合物を医薬組成物として得ることを含んで成り、
ここで好ましくは、前記ポリエチレングリコールはPEG6000であり、そして前記ポロキサマーはポロキサマー407であり;
任意には、前記混合段階(b)は、少なくとも1つの他の医薬的に許容できるキャリヤー又は賦形剤、及び/又は医薬的に許容できる固体キャリヤーの添加を包含し;そして
段階(c)は好ましくは、段階(b)の生成物に、真空、例えば0.2mバールを適用することにより実施される。
【0051】
好ましい態様においては、製剤は、約12.4%のフェノフィブレート、約18.4%のPEG1000、及び約69.1%のポロキサマー407を含んで成る。この態様が37℃及び50rpmで水中、0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)900mlにおいて試験される場合、15分でフェノフィブレートの79.4%が15分で溶解され、30分で84.6%が溶解され、そして60分で85.2%が溶解された。同じ条件下で試験される、微粉砕されたフェノフィブレートは、15分で10.7%、30分で20.2%及び60分で31.6%の対応する結果を付与した。
【0052】
もう1つの好ましい態様は、約35.1%のフェノフィブレート、約32.5%のPEG1000、及び約32.5%のポロキサマー407を含んで成る。この態様が37℃及び50rpmで水中、0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)900mlにおいて試験される場合、15分でフェノフィブレートの41.8%が15分で溶解され、30分で84.9%が溶解され、そして60分で91.8%が溶解された。同じ条件下で試験される、微粉砕されたフェノフィブレートは、15分で10.7%、30分で20.2%及び60分で31.6%の対応する結果を付与した。
【0053】
最も好ましい態様は、約9.9重量%のフェノフィブレート、約6.6重量%のPEG1000、約9.9重量%のポリキサマー407、約1.0重量%のナトリウムデューコセート、約6.6重量%のゲルシレ(Gelucire)(33/01)、及び約66.0重量%のソルビトールを含んで成り、すべては、約66重量%である固体キャリヤーソルビトール上に吸着されている。この好ましい態様は、カプセルに供給されるか、又はより好ましくは、錠剤形に圧縮される。この態様が37℃及び50rpmで水中、0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)500mlにおいて試験される場合、フェノフィブレートの18.4%が5分で溶解され、47.2%が10分で溶解され、70.9%が20分で溶解され、そして78.0%が30分で溶解された。本発明のこの観点のこの最も好ましい態様はさらに、イヌ−対−市販のTricor(商標)54mgの微粉砕された製剤のその薬物動力学プロフィールについて試験され(例3を参照のこと)、そしてmg当たりの基準に基づいて2倍以上、改良された、活性代謝物フェノフィブリン酸の生物学的利用能を付与した。
【0054】
本発明のもう1つの観点は、メンソールに溶解された治療的有効量のフェノフィブレートを含んで成るフェノフィブレートの組成物を患者に投与することを含んで成る、高められたトリグリセリドレベルの患者の処理方法を包含する。1つの態様においては、薬物は、カプセルにおいて粘性溶液として投与される。1つの態様においては、このカプセルはハードゼラチン又は同様のものである。好ましい態様においては、“バンディング”により密封される。もう1つの好ましい態様においては、カプセルは、適切な材料のソフトゲルカプセルである。
【0055】
もう1つの好ましい態様においては、薬物溶液は、医薬的に許容できるキャリヤー上に吸着され、そして薬物はカプセルにおける粉末として投与され、そしてさらにもう1つの好ましい態様においては、粉末はさらに、錠剤形に配合される。この観点の態様においては、フェノフィブレートの組成物は、1日当たり約5mg〜50mgのフェノフィブレート、より好ましくは1日当たり約10mg〜約40mgのフェノフィブレート及び最も好ましくは、1日当たり約30mg〜約35mgのフェノフィブレートのレベルで投与される。
【0056】
本発明のもう1つの観点は、メンソールに溶解された治療的有効量のフェノフィブレートを含んで成り、そしてさらに少なくとも1つの界面活性剤を含んで成る、フェノフィブレートの組成物を患者に投与することを含んで成る、高められたトリグリセリドレベルの患者の処理方法を包含する。1つの態様においては、薬物は、カプセルにおいて粘性溶液として投与される。1つの態様においては、このカプセルはハードゼラチン又は同様のものである。好ましい態様においては、“バンディング”により密封される。
【0057】
もう1つの好ましい態様においては、カプセルは、適切な材料のソフトゲルカプセルである。もう1つの好ましい態様においては、薬物溶液は、医薬的に許容できるキャリヤー上に吸着され、そして薬物はカプセルにおける粉末として投与され、そしてさらにもう1つの好ましい態様においては、粉末はさらに、錠剤形に配合される。この観点の態様においては、フェノフィブレートの組成物は、1日当たり約5mg〜50mgのフェノフィブレート、より好ましくは1日当たり約10mg〜約40mgのフェノフィブレート及び最も好ましくは、1日当たり約30mg〜約35mgのフェノフィブレートのレベルで投与される。
【0058】
本発明のもう1つの観点は、PEG1000及びポロキサマー407に溶解された治療的有効量のフェノフィブレートを含んで成るフェノフィブレートの組成物を患者に投与することを含んで成る、高められたトリグリセリドレベルの患者の処理方法を包含する。1つの態様においては、薬物は、カプセルにおいて粘性溶液として投与される。1つの態様においては、このカプセルはハードゼラチン又は同様のものである。好ましい態様においては、“バンディング”により密封される。
【0059】
もう1つの好ましい態様においては、カプセルは、適切な材料のソフトゲルカプセルである。もう1つの好ましい態様においては、薬物溶液は、医薬的に許容できるキャリヤー上に吸着され、そして薬物はカプセルにおける粉末として投与され、そしてさらにもう1つの好ましい態様においては、粉末はさらに、錠剤形に配合される。この観点の態様においては、フェノフィブレートの組成物は、1日当たり約10mg〜100mgのフェノフィブレート、より好ましくは1日当たり約30mg〜約70mgのフェノフィブレート及び最も好ましくは、1日当たり約65mgのフェノフィブレートのレベルで投与される。
【実施例】
【0060】
例1.メンソールにおけるフェノフィブレート製剤
製剤を、メンソールを約60℃に、撹拌しながら加熱し、そして添加剤を添加することにより調製した。その混合物を、すべての成分が溶解し、溶融物を形成するまで、撹拌した。その後、溶融物を約50℃に冷却し、フェノフィブレートを添加し、そして溶解されるまで撹拌し、その混合物を室温に冷却し、そしてカプセル中に分散した。カプセル基準当たりに基づいて製造された製剤を、表1及び2に列挙する。
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
製剤を、次の方法を用いて、37℃及び150rpmで0.1NのHCl50mlにおけるそれらの小体積インビトロ開放特徴について試験した:
III. 計測器(又は同等物)
a.下記から成る自動溶解システム:
Hanson SR8 Plus Test Station
Hanson Auto Plus Maximiser System Controller
Hanson Auto Plus Multi Fill Fraction Collector
b. 下記から成るHPLCシステム:
ポンプ−Merck Hitachi L-7100
自動注入器−Merck Hitachi L-7200
カラムオーブン−Merck Hitachi L-7300
検出器−Merck Hitachi L-7400
インターフェース及びインテグレーションソフトウェア−Merck Hitachi D-7000
【0064】
開放試験方法:
装置: 6−容器アセンブリー、小体積容器及び櫂
媒体: 0.1NのHCl、30分間
体積: 50ml
撹拌速度: 150RPM
温度: 37℃±0.5℃
0.1NのHCl調製物:
37%HCl 8.5mlを精製水により1Lに希釈する。
【0065】
方法:
0.1NのHClを含む個々の容器に1つの計量されたカプセルを配置し、そしてすぐに、装置を30分間、操作する。特にことわらない限り、3mlのサンプルを、個々の容器から取り出し、そしてすぐに、PTFE膜を通して15及び30分で濾過する。
【0066】
IV. 分析パラメーター
カラム&充填: Hypersil ODS BDS, 150×4.6mm、5m
カラム温度: RT
注入器温度: RT
移動相: 40:60の希リン酸:アセトニトリル
流動速度: 2.0ml/分
検出器: 286nmでのUV
サンプル/注入体積: 10μl
注入器洗浄溶液: 50:50の精製水:アセトニトリル
小体積を、断食された胃における条件のモデルとして選択した。それらの試験の結果は表3に与えられる。
【0067】
【表3】

【0068】
それらの条件下で、微粉砕されたフェノフィブレートは、まったく溶解しなかった。製剤160.16は、このモデル条件下で最良の結果を与えた。6個の錠剤についての値の範囲は、15分で90.3%〜99.3%及び30分で74.9%〜94.6%であった。より長い時点での低い溶解性の時折の結果が、材料の溶解及びその材料のいくらかの続く沈殿を助けると思われる構造体のような、たぶん自発的に形成されるミセルから浸出するメンソールにより引き起こされ得る。
【0069】
例2.界面活性剤混合物におけるフェノフィブレート製剤
ポリエチレングリコール(PEG 1000)及びポロキサマー407を、撹拌しながら、60℃に加熱した。フェノフィブレートを添加し、そして撹拌を、すべてが溶解するまで、続けた。溶融物を、カプセル中に分散し、そして冷却した。
【0070】
【表4】

【0071】
それらの2種の製剤を、37℃及び50rpmで900ml の水含有の0.5%SLSを用いて、USP II型溶解テスターによりそれらのインビトロ開放性について、未処理の微粉砕されたフェノフィブレートと共に試験した。溶液中のフェノフィブレート含有率を、上記のようにしてHPLCにより決定した。結果が表5に示される。
【0072】
【表5】

【0073】
例3.イヌにおけるインビボ薬物動力学
2種の製剤を、表6に示されるようにして調製した。MAZ118は、例1における160.16と同じ製剤を有する。製剤107.69は、固体キャリヤーとして少量(1%)のナトリウムデューコセート及びソルビトールの添加と伴って、例2における製剤としてのPEG 1000、ポロキサマー407に基づかれる。両者の場合、フェノフィブレートは、製剤において溶液で存在する。
【0074】
【表6】

【0075】
MAZ118の生成
二重壁ガラス反応器を、65℃に加熱した。50gのメンソール(EP)、170gのTween 80 (Uniqema)及び20gのナトリウムデューコセート(USP)を、反応器に添加した。その混合物を、溶融物溶液が形成されるまで、200rpmで撹拌した。20gのフェノフィブレート(Chemagis Ltd.)を、上記溶融物に添加し、そして十分な溶解が起こるまで、200rpmで撹拌した。その溶液を30℃に冷却した。カプセルサイズ“0”を、130mg±7mgの溶融物溶液により充填した。溶液を粘性液体に冷却した。カプセルは、粘性液体に10.5mg±3.9%RSDのフェノフィブレートを有することが見出された。
【0076】
107.69の生成
ガラス反応器を65℃に添加した。1.0gのゲルシレ33/01(Gattefosse)、1.0gのPEG 1000 (NF)、1.5gのポロキサマー407(BASF)、及び1.0gのナトリウムデューコセート(USP)を反応器に添加した。その混合物を、溶融物溶液が形成されるまで、約200rpmで撹拌した。1.5gのフェノフィブレート(Chemagis Ltd.)を上記溶融物に添加し、そして十分な溶解が起こるまで、約200rpmで撹拌した。溶融物に、10.0gのソルビトール(NF)を添加し、その混合物を十分に混合し、そして冷却した。それぞれ7mmの直径及び100mgの重量の錠剤を、Manesty F3単一パンチ錠剤プレスにより手動的に圧縮した。個々の錠剤は、9.9mgのフェノフィブレートを有した。
【0077】
製剤160.16と共にそれらの2種の製剤のインビトロ溶解を、次の通りに行った:
装置: 6−容器アセンブリー、Apparatus 2/II(Paddle)
媒体: 0.5%SLS, 1時間
体積: 500ml
撹拌速度: 50RPM
温度: 37℃±0.5℃
サンプル中のフェノフィブレート含有率を上記のようにしてHPLCにより決定した。溶解試験の結果は、表7に示される。
【0078】
【表7】

【0079】
イヌにおけるPK試験
試験を、開放−ラベルのランダム化された、単一用量の3−方向クロスオーバー比較生物学的利用能研究として行った。研究を、個々の製剤についてAUCo-t、 AUCinf、 Cmax、 Tmax及びT1/2を決定するよう企画した。サンプルグループは、6匹のビーグル犬(5匹の雌及び1匹の雄、それぞれ約10kgの体重)から成った。個々のイヌに、3種の処理の1つを行った。第1処理、すなわち処理Aは、10mgフェノフィブレート製剤MAZ 118を含むハードゼラチンカプセルの投与から成り;第2処理、すなわち処理Bは、1×54mgのフェノフィブレート錠剤Tricor(商標)(Abbott Laboratories)の投与から成り;そして第3処理、すなわち処理Cは、10mgのフェノフィブレート製剤107.69を含むハードゼラチンカプセルの投与から成る。個々のイヌは、10mlの水の1回の経口用量を投与された。2週間の洗浄の後、イヌを、もう1つの処理に移した。
【0080】
血液サンプル(4ml)を、投与の前、及び投与の0.5, 1, 2, 3, 4, 6, 8及び24時間後、EDTAを含む管に集めた。サンプルを、5〜100ng/mlの範囲のために有効化されたLC/MS/MS方法を用いて、血漿におけるフェノフィブリン酸について分析した。
【0081】
結果
参照セッション(B)に比較して、2種の試験セッション(A及びC)の個々についての個々の及び平均薬物動力学パラメーターが、表8及び9に与えられる。
【0082】
【表8】

【0083】
【表9】

【0084】
表8は、MAZ 118についての平均AUCo-tがmg当たり4923(ng*h/ml)又は492(ng*h/ml)であり、そしてTricor(商標)54mg錠剤について平均AUCo-tがmg当たり5716(ng*h/ml)又は106(ng*h/ml)であることを示す。AUCにより表されるような10mgの製剤の生物学的利用能は、54mgのTricor(商標)のそれの86%であった。mgの当たりの基準に基づいて、MAZ 118試験製剤は、参照製剤よりも4.6倍以上利用可能であった。最終半減期(t1/2)が計算され得たサンプルについてのAUCinfについての対応する値は、mg当たりの基準に基づいてTricor(商標)の5.2倍効果的であるMAZ 118試験を示した(121(ng*h/ml)/mgに比較して、630(ng*h/ml)/mg)。
【0085】
個々のAUCinfの比率の平均は、54mgのTricor(商標)の生物学的利用能の90%を有する10mgの試験製剤MAZ 118を示す。MAZ 118についての平均Cmaxは、mg当たり1344.3(ng/ml)又は134(ng/ml)であり、そしてTricor(商標)54mg錠剤についての平均Cmaxはmg当たり1330.9(ng/ml)又は24.6(ng/ml)であった。平均Tmaxについての値は類似し、試験製剤については0.9時間、及び参照については0.8時間であった。最終排除半減期は個々の製剤に関して類似し、すなわち試験製剤に関して12.3時間、及びTricor(商標)参照製剤について13.4時間であった。%CVにより表されるような、試験製剤MAZ 118の変動性は、AUCパラメーター及びCmaxパラメーターの両者に関して、参照製剤においてよりも低かった。
【0086】
表9は、製剤107.69についての平均AUCo-tがmg当たり2603(ng*h/ml)又は260(ng*h/ml)であり、そしてTricor(商標)54mg錠剤について平均AUCo-tがmg当たり5716(ng*h/ml)又は106(ng*h/ml)であることを示す。AUCにより表されるような10mgの製剤の生物学的利用能は、54mgのTricor(商標)のそれの46%であった。mgの当たりの基準に基づいて、107.69試験製剤は、参照製剤よりも2.4倍以上利用可能であった。最終半減期(t1/2)が計算され得たサンプルについてのAUCinfについての対応する値は、mg当たりの基準に基づいてTricor(商標)54mg参照製剤の2.7倍効果的である107.69試験を示した(121(ng*h/ml)/mgに比較して、328(ng*h/ml)/mg)。
【0087】
個々のAUCinfの比率の平均は、Tricor(商標)54mg錠剤の生物学的利用能の47%を有する10mgの試験製剤107.69を示す。107.69についての平均Cmaxは、mg当たり616.2(ng/ml)又は62(ng/ml)であり、そしてTricor(商標)についての平均Cmaxはmg当たり1330.9(ng/ml)又は24.6(ng/ml)であった。平均Tmaxについての値は類似し、試験製剤については0.6時間、及び参照については0.8時間であった。最終排除半減期は個々の製剤に関して類似し、すなわち試験製剤に関して10.9時間、及びTricor(商標)54mg参照製剤について13.4時間であった。%CVにより表されるような、試験製剤107.69の変動性は、測定されたすべてのPKパラメーターに関して、参照製剤においてよりも低かった。
【0088】
結論
両試験製剤は、mg当たりの基準に基づいて参照製剤よりもより生物学的利用能を有することを示された。製剤107.69、すなわちフェノフィブレートの溶解された形は、参照製剤の約2.5倍生物学的利用能を有した。製剤MAZ 118、すなわちメンソール及び界面活性剤を含んで成るフェノビブレートの溶解された形は、mg当たりの基準に基づいて約5倍生物学的利用能を有した。
【0089】
例4:界面活性剤混合物における追加のフェノフィブレート製剤
生成方法
A. フェノフィブレート粒質物
メンソール(1.333kg)を、50℃で撹拌下で、ガラス反応器において溶融した。フェノフィブレート(133.3g)、ポロキサマー 407(Lutrol F127, 76g)及びPEG6000(76g)を添加した。そのメンソール溶融物を、すべての成分が溶解するまで、50℃で撹拌した。微晶性セルロース(Avicel PH101, 106.7g)を、前記溶融物に添加し、これを、均質懸濁液が得られるまで、撹拌した。
【0090】
前記メンソール溶融物を、3つの等しい部分に分け、そして3個のトレー(ステンレス鋼、それぞれ0.133m2)中に注ぎ、メンソール懸濁液のすばやい固化のために-40℃に冷却した。トレー上の固体材料を除去し、そしてErwekaミルを用いて、2.5mmのスクリーンを通して微粉砕した。得られる粉末を再び、3つの部分に分け、そしてトレーに戻した。メンソールをトレー上の材料から、高い真空トレー乾燥機における、0.2mバール、36℃で約53時間の昇華により除去した。粉末を、トレーから除き、そしてErwekaミルを用いて、1.6mmのスクリーンを通して微粉砕した。そのようにして得られた粉末の重量は、346.4g(88%の収率)であった。
【0091】
B. フェノフィブレート錠剤(145mg)
段階Aからのフェノフィブレート粒質物を、Erwekaミルを用いて、0.8mmのスクリーンを通して微粉砕した。微粉砕された粒質物(336g)を、ポリエチレンバッグ(50×70cm)に添加した。クロスポビドン(108g)、炭酸水素ナトリウム(72g)及び無水クエン酸(72g)を添加し、そしてそのブレンドを5分間、混合した。ステアリン酸マグネシウム(12g)を、前記バッグに添加し、そしてそのブレンドを、さらに0.5分間、混合した。そのようにして得られたブレンドの合計量は、600gであった。
【0092】
ブレンドを、長円形状(8.8mm×17.6mm)の通常の凹型パンチを用いて、Manesty F3単一パンチ錠剤化機械上で錠剤に圧縮した。錠剤の重量は、5〜7Kpの硬度で785mg±39.3mgであった。得られた錠剤は、792mgの平均重量及び6kpの硬度で有した。いくつかのバッチを製造し、そしてMAZ149B、MAZ149B1及びMAZ149B2として分離した。
【0093】
インビトロ開放性
錠剤からのフェノフィブレートの開放性を、37℃及び50回転/分(rpm)で、水中、0.5%ラウリル硫酸ナトリウム(SLS)(w/v)1000mlにより充填されたUSPタイプII溶解テスターを用いて試験した。個々のサンプルにおけるフェノフィブレートの量を、上記のようにしてHPLCにより決定した。結果は、3種のバッチについて、表10〜12に与えられる。
【0094】
【表10】

【0095】
【表11】

【0096】
【表12】

【0097】
ヒトにおける薬物動力試験
MAZ149B及びTricor(商標)145mgの薬物動力学試験:
4ウェイ−クロスオーバー生物同等薬物動力学試験を、12人の健康なボランティアにおいて、MAZ149B(用量=145mg)及びTricor(商標)145mg錠剤(用量=145mg)を2つのアームとして用いて実施した。他の2つのアームは、他の試験製剤であった。1週間の洗浄が個々のアーム間で取られた。血液サンプルを、0, 1, 2, 3, 3.5, 4, 4.5, 5, 5.5, 6, 6.5, 7, 8, 9, 10, 12, 16, 24 及び 48時間で採血し(試験当たり19のサンプル)、そして確かな方法によりフェノフィブリン酸について分析した。4アーム試験を、絶食された状態及び供給された状態の両者で実施した。
【0098】
結果
絶食された状態においては、データは、試験MAZ149B(N=11)においてボランティア1〜11、及び参照Tricor(商標)145mg錠剤(N=10)についてはボランティア2〜11から得られた。結果は表13及び表14に示されている。平均値は、AUC0-tに基づいて参照の97.4%(175334対180010h・ng/g)及びAUCinfに基づいて参照の97.7%(213653対218628h・ng/g)である試験の生物利用能を示した。対応する幾何学的平均値は、AUC0-tに基づいて97.5%(169481対173880h・ng/g)及びAUCinfに基づいて97.5%(205217対210558h・ng/g)を示した。参照AUCinfに対する試験AUCinfの個々の割合の幾何学的平均比は1.006であった。Cmaxについての平均値は、参照の99%(10570対0624ng/g)である試験を示し、そして幾何学的平均は、100.7%(10340対10270ng/g)である。
【0099】
個々のボランティアの参照に対する試験の割合の幾何学的平均は、1.021であった。その生物利用能の変動性は非常に類似し、すなわちAUC0-t値の%CVについては、28.95%対27.16%であった。%CVは、算術平均の%として表される標準偏差である分散率である。平均の最終半減期は、試験生成物について20.0時間、及び参照について19.9時間であり、そして平均Tmaxは、試験について2.5時間、及び参照について2.1時間であった。2種の製剤は、絶食状態において生物学的に同等である。2種の製剤は、それらがAUCinf及びCmaxに関して、お互い80〜125%の範囲内にあることにおいて、絶食状態において生物学的同等である。実際、2種の製剤は、それらの薬物動力学的パラメーターの両者において、お互い100%の非常に接近している。
【0100】
供給状態においては、データは、試験MAZ149B及びTricor(商標)145mg参照生成物の両者について、ボランティア1〜5、7〜10及び12から得た(N=10)。その結果は、表15及び表16に集められている。平均値は、AUC0-tに基づいて参照の107.1%(150511対140627h・ng/g)及びAUCinfに基づいて参照の112.0%(185149対165310h・ng/g)である試験の生物利用能を示した。対応する幾何学的平均値は、AUC0-tに基づいて106.8%(145402対136134h・ng/g)及びAUCinfに基づいて111.2%(174021対156459h・ng/g)を示した。参照AUCinfに対する試験AUCinfの個々の割合の幾何学的平均比は1.112であった。
【0101】
Cmaxについての平均値は、参照の79.0%(7557対9567ng/g)である試験を示し、そして幾何学的平均は、77.5%(7147対9217ng/g)である。個々のボランティアの参照に対する試験の割合の幾何学的平均は、0.775であった。その生物利用能の変動性は非常に類似し、すなわちAUC0-t値の%CVについては、27.16%対26.41%であった。平均の最終半減期は、試験生成物について17.4時間、及び参照について16.1時間であり、そして平均Tmaxは、試験について8.0時間、及び参照について3.6時間であった。低いCmax及び後のTmaxによりカップリングされる改良された生物利用能は、供給状態での改良された生成物を示す(高い効能;低い副作用;及び長い作用の持続期間)。
【0102】
【表13】

【0103】
【表14】

【0104】
【表15】

【0105】
【表16】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
PEG6000及びポロキサマー(Poloxamer)407を含んで成る界面活性剤混合物と密接に関連してフィブレート薬物を含んで成る医薬組成物。
【請求項2】
前記フィブレート薬物が、フェノフィブレート(fenofibrate)である請求項1記載の組成物。
【請求項3】
前記組成物が錠剤中に配合される場合、前記錠剤は、水及び0.5%ラウリル硫酸ナトリウムにより構成される解離媒体1000mlにおいて37℃で、50rpmでの回転羽方法を用いて測定される場合、少なくとも約51%が10分で開放されるような溶解速度を有する請求項1記載の組成物。
【請求項4】
前記溶解速度が、約51〜81%が10分で開放されるような速度である請求項3記載の組成物。
【請求項5】
前記溶解速度が、少なくとも約73%が15分で開放されるような速度である請求項3記載の組成物。
【請求項6】
前記溶解速度が、約73〜93%が15分で開放されるような速度である請求項4記載の組成物。
【請求項7】
前記溶解速度が、少なくとも約85%が30分で開放されるような速度である請求項5記載の組成物。
【請求項8】
前記溶解速度が、約85〜99%が30分で開放されるような速度である請求項6記載の組成物。
【請求項9】
前記溶解速度が、約71〜81%が10分で開放され、約86〜93%が15分で開放され、そして約93〜100%が30分で開放されるような速度である請求項4記載の組成物。
【請求項10】
前記組成物が、145mgのフェノフィブレートを含む錠剤中に配合され、そして前記錠剤が供給状態でヒト対象に経口投与される場合、AUC0-48hが約91600 h・ng/g〜約217500h・ng/gの範囲である請求項2記載の組成物。
【請求項11】
平均AUC0-48hが、約150500 h・ng/gである請求項10記載の組成物。
【請求項12】
前記組成物が、145mgのフェノフィブレートを含む錠剤中に配合され、そして前記錠剤が供給状態でヒト対象に経口投与される場合、AUCinfが約97200 h・ng/g〜約308100h・ng/gの範囲である請求項2記載の組成物。
【請求項13】
平均AUCinfが、約185200h・ng/gである請求項12記載の組成物。
【請求項14】
前記組成物が、145mgのフェノフィブレートを含む錠剤中に配合され、そして前記錠剤が供給状態でヒト対象に経口投与される場合、AUCinfが、供給状態で対象に投与されるTricor(商標)145mg錠剤により達成できるAUCinfの約80〜125%である請求項2記載の組成物。
【請求項15】
前記AUCinfが、供給状態で対象に投与されるTricor(商標)145mg製剤により達成できるAUCinfの約100%である請求項14記載の組成物。
【請求項16】
前記組成物が、145mgのフェノフィブレートを含む錠剤中に配合され、そして前記錠剤が供給状態でヒト対象に経口投与される場合、AUC0-48hが約121400 h・ng/g〜約287500h・ng/gの範囲である請求項2記載の組成物。
【請求項17】
平均AUC0-48hが、約175300 h・ng/gである請求項16記載の組成物。
【請求項18】
前記組成物が、145mgのフェノフィブレートを含む錠剤中に配合され、そして前記錠剤が供給状態でヒト対象に経口投与される場合、AUCinfが約134800 h・ng/g〜約345400h・ng/gの範囲である請求項2記載の組成物。
【請求項19】
平均AUCinfが、約213700h・ng/gである請求項18記載の組成物。
【請求項20】
前記組成物が、145mgのフェノフィブレートを含む錠剤中に配合され、そして前記錠剤が供給状態でヒト対象に経口投与される場合、AUCinfが、供給状態で対象に投与されるTricor(商標)145mg錠剤により達成できるAUCinfの約80〜125%である請求項2記載の組成物。
【請求項21】
前記AUCinfが、供給状態で対象に投与されるTricor(商標)145mg製剤により達成できるAUCinfの約100%である請求項20記載の組成物。
【請求項22】
前記組成物が、145mgのフェノフィブレートを含む錠剤中に配合され、そして前記錠剤が供給状態でヒト対象に経口投与される場合、Cmaxが約6300 ng/g〜約14700ng/gの範囲である請求項2記載の組成物。
【請求項23】
平均Cmaxが、約10600 ng/gである請求項22記載の組成物。
【請求項24】
前記組成物が、145mgのフェノフィブレートを含む錠剤中に配合され、そして前記錠剤が供給状態でヒト対象に経口投与される場合、Cmaxが、供給状態で対象に投与されるTricor(商標)145mg錠剤により達成できるCmaxの約80〜125%である請求項2記載の組成物。
【請求項25】
前記Cmaxが、供給状態で対象に投与されるTricor(商標)145mg錠剤により達成できるCmaxの約100%である請求項24記載の組成物。
【請求項26】
約15〜約25重量%のフェノフィブレート、
約7〜約13重量%のPEG6000、及び
約7〜約13重量%のポロキサマー407を含んで成る請求項2記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも1つの医薬的砕解剤をさらに含んで成る請求項26記載の組成物。
【請求項28】
前記少なくとも1つの砕解剤が、クロスポビドン、クロスカルメロース、炭酸水素塩、有機酸及びそれらの組合せから成る群から選択される請求項27記載の組成物。
【請求項29】
前記有機酸が、クエン酸及び酒石酸から成る群から選択される請求項28記載の組成物。
【請求項30】
約19重量%のフェノフィブレート、約10.9重量%のポロキサマー 407、約10.9重量%のPEG6000、約15.3重量%の微晶性セルロース、約18重量%のクロスポビドン、約12重量%の炭酸水素ナトリウム及び約12重量%のクエン酸を含んで成る請求項27記載の組成物。
【請求項31】
約19重量%のフェノフィブレート、約10.9重量%のポロキサマー 407、約10.9重量%のPEG6000、約15.3重量%の微晶性セルロース、約18重量%のクロスポビドン、約12重量%の炭酸水素ナトリウム及び約12重量%の酒石酸を含んで成る請求項27記載の組成物。
【請求項32】
少なくとも1つの医薬的に許容できるキャリヤーをさらに含んで成る請求項1記載の組成物。
【請求項33】
前記少なくとも1つの医薬的に許容できるキャリヤーが固体である請求項32記載の組成物。
【請求項34】
前記フィブレート薬物が、前記少なくとも1つの医薬的に許容できる固体キャリヤー上に吸着されるか、又は固体キャリヤーに吸収される請求項33記載の組成物。
【請求項35】
前記少なくとも1つの医薬的に許容できる固体キャリヤーが、少なくとも1つの水溶性キャリヤーである請求項34記載の組成物。
【請求項36】
前記少なくとも1つの水溶性キャリヤーが、スクロース、ラクトース及びソルビトールから成る群から選択される請求項35記載の組成物。
【請求項37】
前記少なくとも1つの医薬的に許容できる固体キャリヤーが、少なくとも1つの水不溶性キャリヤーである請求項34記載の組成物。
【請求項38】
前記少なくとも1つの医薬的に許容できる固体キャリヤーが、澱粉、セルロース、微晶性セルロース、及びリン酸カルシウムから成る群から選択される請求項37記載の組成物。
【請求項39】
(a)溶解されたメンソールを供給し;
(b)溶解されたメンソールと、フィブレート薬物、及びPEG6000及びポロキサマー407を含んで成る界面活性剤混合物とを混合し、前記メンソールに、少なくとも1部の前記フィブレート薬物及び界面活性剤混合物を溶解し;そして
(c)前記メンソールを、昇華を通して除去し、混合物を医薬組成物として得ることを含んで成る、請求項1記載の組成物の調製方法。
【請求項40】
治療的有効量の請求項1記載の組成物を対象に投与することを含んで成る、高められたトリグリセリドレベルについて対象を処理するための方法。

【公表番号】特表2008−534586(P2008−534586A)
【公表日】平成20年8月28日(2008.8.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−504040(P2008−504040)
【出願日】平成18年2月13日(2006.2.13)
【国際出願番号】PCT/US2006/005186
【国際公開番号】WO2006/107411
【国際公開日】平成18年10月12日(2006.10.12)
【出願人】(501079705)テバ ファーマシューティカル インダストリーズ リミティド (283)
【Fターム(参考)】