説明

フエンス用機器取り付け装置及びフエンス

【課題】 機器の設置や配線の設置が容易且つ整理して行うことが可能であり、外観的にも好ましい印象を与えることができるフエンス用機器取り付け装置及びフエンスを提供する。
【解決手段】支柱1には支柱ボックス3が装着され、支柱ボックス3の上に機器装着部4が設けられ、この機器装着部4にセンサや監視カメラなどの任意の機器を装着する。支柱ボックス3には配線ホルダ5が接続し、電源や信号などの配線を配置できる。機器のケーブル90等は機器装着部4内部に引き込み、更に支柱ボックス3を経由して配線ホルダ5に導くことにより外部に露出させずに敷設する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、フエンス用機器取り付け装置及びフエンスに関する。
【背景技術】
【0002】
近年安全性に対する意識が高まりつつあり、フエンスなどに人の侵入を検出するセンサや監視カメラ、防犯灯或いは防犯ブザーなどの機器を装着する需要が高まりつつある。
例えば、特開2005―339065号にはフエンスの支柱上にビームセンサユニット等の機器を装着したシステムが開示されている。また、特開2005−32224号にはフエンス近傍に監視カメラを装着した防犯システムが示されている。
【0003】
【特許文献1】特開2005―339065号公報
【特許文献2】特開2005−32224号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、従来の構成は、特許文献1に示すように支柱とセンサなどの機器を一体的に構成するか、或いは特許文献2に示すようにフエンスとカメラを全く別体として装着する構成しかなかった。
フエンス本体や支柱と機器を一体として構成する場合、フエンスの種類と機器の組み合わせに自由度がない上、敷設済みのフエンスに装着することが難しいなどの問題がある。また、フエンスと機器を別体に装着する場合、フエンスの他に別に支柱などの構造体が必要である上、このように新たな支柱を設置するスペースが必要であるなどの問題がある。
更に、上記した何れの場合にも、機器に伴う電源ケーブルや信号ケーブルの処理については、全く考慮がなされておらず、ケーブルを地中に埋めるなどの手間の掛かる処理が必要であった。
本発明は上記従来技術の問題を解決することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成するために、本発明においては、フエンスの支柱の頂部に装着され、配線を収納する空間を有する支柱ボックスと、前記支柱ボックスの上に装着され、所定の機器を装着する機器装着部と、前記支柱ボックスの前記空間に連通し、配線を収納する配線ホルダと、を有する。
該機器装着部にセンサやカメラ等の任意の機器を装着することでき、しかも支柱ボックスと配線ホルダにケーブル類を収納できるから、フエンスへの機器の設置が簡単に行える。
前記配線ホルダには、該ホルダを開放可能な開閉蓋を備えることが望ましく、この構成により配線の設置が容易になる。
また前記配線ホルダを、フエンス体の上端部に配設し、更に該ホルダの上面を開放可能な開閉蓋を設ければ、配線の設置が更に容易になる。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、フエンスにおける機器の設置や配線の設置が容易且つ整理して行うことが可能であり、外観的にも好ましい印象を与えることができる等の効果がある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1において、支柱1、1間にフエンス体2が取り付けられ、フエンスを構成している。
支柱1には支柱ボックス3が装着され、支柱ボックス3の上に機器装着部4が設けられ、この機器装着部4にセンサや監視カメラなどの任意の機器を装着できるようになっている。支柱ボックス3には配線ホルダ5が接続し、電源や信号などの配線であるケーブル90を配置できるようになっている。
【0008】
支柱ボックス3は、図2に示すように、上面に開口31を設け、下面に底面35を設けた円筒形の箱体であり、前記底面35が支柱1の頭部に接触するように支柱1上に載置されている。支柱ボックス3は支柱1よりも若干径大であって、支柱ボックス3の側壁の下端部が支柱1の外周を覆うように載置されている。支柱ボックス3の底面35と支柱1の頭部は図3に示すようにボルト・ナットなどにより固定される。
【0009】
支柱ボックス3の側周部には連通孔33が形成され、この連通孔33に配線ホルダ5が貫通して支柱ボックス3の内部に貫入するように構成されている。連通孔33の数及びその位置は、適宜の位置でよい。この実施形態では、支柱1の左右のフエンス体2、2がほぼ90度の角度で装着されているため、連通孔33を2個、約90度の角度で形成してある。
【0010】
支柱ボックス3の内部は空間30になっており、配線ホルダ5を通って導かれたケーブル90等が収納されるようになっている。
開口31の周囲にはフランジ32が設けられており、このフランジ32を介して支柱ボックス3の上に機器装着部4を装着するように構成されている。
【0011】
機器装着部4は長方形の空間40を有する箱であり、下面が開口41になっていて、開口31に対向し空間30に連通するように構成されている。開口41の周囲にはフランジ32と同形のフランジ42が形成されており、図3に示すようにフランジ32と密着してボルト・ナットなどにより締結されるように構成されている。
【0012】
機器装着部4の側面は装着面44になっており、ここにセンサや監視カメラなどの機器を取り付けるようになっている。
また機器装着部4の頭部は開閉可能な開閉蓋43になっており、空間40における機器の配線作業などを簡単に行えるようになっている。
【0013】
配線ホルダ5はこの実施形態ではフエンス体2の胴縁20の上に胴縁20に沿って設置されるように構成されており、長尺の筒体になっている。
図4に示すように配線ホルダ5の内部は空間50になっており、その上面は開口面51になっている。この開口面51に開閉蓋52を被せて筒状形を形成するように構成されている。開閉蓋52は図5に示すように配線ホルダ5の側壁の外側に被るように装着され、ボルト・ナットなどにより固定されるようになっている。
この開閉蓋52を開けて、開口面51からケーブル90等の敷設を簡単に行えるように構成されている。
【0014】
配線ホルダ5は、図5及び図3に示すように胴縁20上にバンド55を介して装着されるようになっている。
バンド55は胴縁20に巻き付いて固定されており、胴縁20の適宜箇所に必要数設けられている。このバンド55の頭部にボルト56などにより配線ホルダ5が固定されるようになっている。ボルト56は開閉蓋52を開けて、空間50内部から装着すればよい。
【0015】
上記説明した構成では、支柱ボックス3の上に機器装着部4を装着しているが、支柱ボックス3を単にケーブル90等の中継部として使用しても良い。図1の支柱ボックス3’は機器装着部4を装着せずに、中継部として使用している。
また、配線ホルダ5を支柱1の頭部を通過させて使用することも可能であり、図1の支柱1’においては、その頭部を配線ホルダ5が通過している。
【0016】
以上の構成において、支柱ボックス3を支柱1に装着し、更に支柱ボックス3の上に機器装着部4を装着して、機器装着部4の装着面44に所望の機器を装着することが可能である。
機器のケーブル90等は機器装着部4に穴を開けて、空間40に引き込むことが可能であり、このケーブル90を支柱ボックス3の空間30に導き、更に支柱ボックス3に配線ホルダ5を連結して配線ホルダ5に導くことができる。
そのため、ケーブル90の敷設が簡単であり、また外部に露出しないため、ケーブル90の保護や外観上も好ましい。
【0017】
また、配線ホルダ5は胴縁20上に装着され、しかも開閉蓋52により開口面51が露出し、空間50が開放されるからケーブル90の収納、固定などが極めて簡単に行える。またこの配線ホルダ5により、地中にケーブル90を埋める必要などがなくなり、更に作業効率向上する。
【0018】
また、支柱ボックス3をフエンスのコーナなどにおいて中継点として用いることにより、ケーブル90を簡単にコーナに沿って敷設することができる等の効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【図1】本発明の一実施形態を示す斜視図。
【図2】本発明の一実施形態を示す部分拡大斜視図。
【図3】本発明の一実施形態を示す部分拡大断面図。
【図4】本発明の配線ホルダ5の部分拡大斜視図。
【図5】本発明の配線ホルダ5の胴縁20への装着構造を示す断面図。
【符号の説明】
【0020】
1:支柱、2:フエンス体、3:支柱ボックス、4:機器装着部、5:配線ホルダ、20:胴縁、30:空間、31:開口、32:フランジ、33:連通孔、35:底面、40:空間、41:開口、42:フランジ、43:開閉蓋、44:装着面、50:空間、51:開口面、52:開閉蓋、55:バンド、56:ボルト、90:ケーブル。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
配線を備えた機器をフエンスに取り付けるためのフエンス用機器取り付け装置において、
フエンスの支柱の頂部に装着され、配線を収納する空間を有する支柱ボックスと、
前記支柱ボックスの上に装着され、所定の機器を装着する機器装着部と、
前記支柱ボックスの前記空間に連通し、配線を収納する配線ホルダと、
を有するフエンス用機器取り付け装置。
【請求項2】
前記配線ホルダが、該ホルダを開放可能な開閉蓋を備えた、
請求項1のフエンス用機器取り付け装置。
【請求項3】
支柱と該支柱間に装着されたフエンス体とを備えたフエンスにおいて、
フエンスの支柱の頂部に装着され、機器の配線を収納する空間を有する支柱ボックスと、
前記支柱ボックスの上に装着され、配線を備えた機器を装着する機器装着部と、
フエンスの適宜箇所に装着され、前記支柱ボックスの前記空間に連通し、配線を収納する配線ホルダと、
を有するフエンス。
【請求項4】
前記配線ホルダが、前記フエンス体の上端部に配設され、該ホルダの上面を開放可能な開閉蓋を備えた、
請求項3のフエンス。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−332630(P2007−332630A)
【公開日】平成19年12月27日(2007.12.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−164760(P2006−164760)
【出願日】平成18年6月14日(2006.6.14)
【出願人】(000213792)朝日スチール工業株式会社 (12)
【出願人】(594007445)株式会社ユー・エス・ケー (3)
【出願人】(598159333)伊藤忠丸紅テクノスチール株式会社 (3)
【出願人】(392036027)西川計測株式会社 (3)
【Fターム(参考)】