説明

フォトクロミック光学キー制御ディスペンサ

【課題】フォトクロミック光学キー制御ディスペンサの提供。
【解決手段】ある機構の作動に必要な、離脱可能でかつ交換可能なキーイングコンポーネントであって、フォトクロミック部位を有する導波管を備えるキーイングコンポーネント。離脱可能なコンポーネントを有するある機構、好ましくはディスペンサ、の作動を制御する方法であって、離脱可能なコンポーネント上に少なくとも部分的に担持された導波管を通過する電磁放射線を測定し、測定された電磁放射線が一以上の予め選択されたパラメータに合致する場合にのみ上記機構を作動させる方法。好ましくは、上記方法は、複数の入力パラメータから選択される、予め選択された入力パラメータを有する放射電磁波を当てることを含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、機構、好ましくは流体ディスペンサ等のディスペンサの交換可能なコンポーネントの適合性の条件を判定するためのキーシステムに関し、より詳しくは、導波管を透過する電磁波を感知し、導波管がフォトクロミック部位を有しているか否かを判断する光学キーシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
キーシステム、即ち、ある作動を制御するために、ある特定のキーをそのキーシステムにおいて受け取ることが求められるシステムは公知である。例えばドアの鍵を開けたり、自動車等の機器類を操作したりするためのキーのような、様々な種類のキーが用いられている。
【0003】
分配システムに関して、レイノルズらの特許文献1(本開示は参照により本願明細書に援用する)においては、詰替容器が流体ディスペンサと適合するか否かを判定するために、詰替容器上に設けられた電子駆動型キーデバイスが教示されている。この詰替容器は、いくつかのコンデンサのうちの1つによって終端しているコイルを備え、該容器は、この備え付けの取替型コイルと空間的に少し離れた関係にある1対のコイルを備えるハウジングに収容される。このハウジングのコイルに電圧を印加することによって、他方のコイルが特有の電子署名を検知し、この電子署名が受理可能なものであれば、分配システムは物質を吐出できる。このように、このシステムでは近接場周波数応答を利用して、詰替え容器が分配システムと適合しているか否かを判断する。
【0004】
近接場周波数応答を使用するこのような従来公知のキーデバイスは比較的複雑で、多くの金属コイルを必要とするという欠点を有する。そのため、このキーデバイスの実質的に全部をプラスチック材料で作成することができず、リサイクルの際に問題となる、という点で不利である。
【0005】
フォトクロミック(光互変性の)という語、及びその関連の語であるフォトクロミズム(光互変)という語は、厳密な技術的定義を有しない語である。
【0006】
「フォトクロミックである」とは、電磁波を吸収して2つの形態の間で化学種の変換がおこる化合物であって、その2つの形態が異なる吸収スペクトルを有すること、言い換えれば、2つの形態の、「試験波長」の領域内における電磁波の吸収能力が、例えば波長や強度の面で異なる化合物を説明するのにしばしば定義される。フォトクロミックという語は、電磁波のスペクトルの吸収帯の強度又は波長が、典型的には電磁波スペクトルの可視光領域部分において、劇的に変化する「可逆」反応を説明するのに用いられることが多い。典型的には、その可逆反応は、「励起波長」の領域内の「励起電磁波」の吸収によって起こる光化学反応である。
【0007】
しかしながら、フォトクロミック化合物は、可逆的なものもあれば不可逆的なものもある。従ってフォトクロミズムを可逆的なものとして技術的に定義した例は多くみられるものの、本願明細書及び請求の範囲においては以下のとおりとする。
1.「不可逆性フォトクロミック」という語は、電磁波の吸収によって恒久的な変化を生み出す光化学的反応をいうのに用いる。
2.「可逆性フォトクロミック」という語は、電磁波の吸収によっておこる可逆的な光化学的反応をいうのに用いる。
3.「フォトクロミック」という語をそのまま使用する場合は、その語には、上記(2)で定義する可逆性フォトクロミックな反応と、上記(1)で定義する不可逆性フォトクロミックな反応の両方が含まれる。
【0008】
フォトクロミックな反応において吸収される励起電磁波は、励起波長の領域内の波長を有するものであると考えられる。上記励起電磁波は、どの波長の電磁波であってもよいが、好ましくは光、より好ましくは近可視光、紫外光、及び可視光である。
【0009】
フォトクロミック化合物の2つの形態をもつ化学種の電磁波吸収能の差とは、任意の試験波長領域内(どの波長の電磁波であってもよいが、好ましくは光、より好ましくは近可視光、紫外光、赤外光、及び可視光である)の電磁波を吸収する能力の差であってもよい。
【0010】
可逆的フォトクロミック化合物の上記2つの形態は、化合物又は色素が励起されていない状態にある未励起形態と、化合物又は色素が励起されている状態にある励起形態の2つであると考えられる。
【0011】
可逆性フォトクロミック化合物であるための条件として、厳密ではないものの他の条件を付け加えるとすれば、周囲条件下において、2つの形態は合理的な時間の間、安定である、ということである。基底状態への復帰にかかる時間は、本願において考慮した本発明の実施形態の多くにおいて重要であり、フォトクロミック化合物は、基底状態への復帰にかかる時間が所望の値となるよう選択される、あるいは分子工学的に作成されてもよい。例えば、未励起状態の、ある可逆性フォトクロミック化合物は、適切な「線量」の励起電磁波を受け取ることにより未励起状態から励起状態に変化し、励起状態において励起電磁波を受けなければ、固有の性質として自然に未励起状態に戻る。別の例としては、励起状態の可逆性フォトクロミック色素は、適切な「線量」の不活性化電磁波を受け取ることにより励起状態から未励起状態に変化する。基底状態に復帰するまでの時間が、不可逆性フォトクロミック化合物とされるものと可逆性フォトクロミック化合物とされるものとの唯一の大きな違いであるとも言える。
【0012】
可逆性フォトクロミック化合物の基底状態への復帰は、ある波長範囲の電磁波の有無、特に光の有無によっても影響されうる。従って、暗闇(光がないことを意味する)によっても影響される場合がある。
【0013】
可逆性フォトクロミック化合物の基底状態への復帰にかかる時間は高温条件下で短くなったり、加熱によって復帰が促進される場合が多い。フォトクロミック化合物とサーモクロミック化合物の間には密接な関係がある。
【0014】
フォトクロミック化合物が周囲条件において安定と考えられる範囲、特に周囲温度によって熱的に安定と考えられる範囲は重要な場合があり、フォトクロミック化合物は熱的安定性等の安定性が所望のレベルとなるように選択する、あるいは分子工学的に作成することができる。
【0015】
通常の周囲室温において可逆性フォトクロミック化合物が励起状態から未励起状態へと復帰すると考えられる時間は、「復帰時間」とも呼ばれる。通常の周囲室温において可逆性フォトクロミック化合物が未励起状態から励起状態へと変化すると考えられる時間は、「励起時間」とも呼ばれる。
【0016】
未励起状態の可逆性フォトクロミック化合物を含有する導波管が、試験波長領域内の電磁波を透過させる能力は、「固有の透過特性」または「未励起状態透過特性」と呼ばれる。励起状態の可逆性フォトクロミック化合物を含有する導波管が験波長領域内の電磁波を透過させる能力は、「励起状態透過特性」と呼ばれる。
【0017】
公知の化合物であって、可逆性フォトクロミック色素として使用できる化合物の例としては、スピロピラン類、スピロオキサジン類、ジアリールエテン類、アゾベンゼン類、フォトクロミックキノン類、並びにハロゲン化銀やハロゲン化亜鉛、塩化銀等の無機フォトクロミック物質が挙げられる。特許文献2及び特許文献3は、公知のフォトクロミック化合物や色素を例示している。上記フォトクロミック化合物及び色素は、プラスチックやガラス等の種々の材料において使用できることが知られている。例えば、リバーサコル(REVERSACOL)という商品名でJames Robertson社から市販されているフォトクロミック色素は、好ましくは350〜410nmの光で励起され、低密度ポリエチレン等の種々の材料に、例えば0.05%といった濃度で容易に組み込むことができる色素である。そのようなフォトクロミック色素は、励起時間に差がでるように、かつ励起された色素が、試験波長の光の吸収が最大である励起状態から、試験波長の光の吸収がより少ない未励起状態へと緩和するのにかかる復帰時間に差がでるよう選択することができる。そのようなリバーサコル(REVERSACOL)フォトクロミック色素はポリオレフィン、ビニル系樹脂、アクリル系樹脂、スチレン系樹脂等の種々のポリマーマトリクスにおいて使用することができる。好ましい使用方法としては、0.1〜2重量%の割合で、比較的安価な低密度ポリエチレンに加える方法が挙げられる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0018】
【特許文献1】米国特許出願公開第2006/0124662号明細書
【特許文献2】米国特許第4,913,544号明細書
【特許文献3】米国特許第4,851,530号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0019】
以前より知られている装置のこのような短所を、少なくとも部分的にでも解消するために、本発明は、(a)フォトクロミック導波管を備えた交換可能なキーコンポーネント、(b)フォトクロミック導波管を備えたキーコンポーネントと共に使用するための機構、好ましくはディスペンサ、及び(c)そのような機構の作動方法のそれぞれを提供する。
【0020】
以前より知られている装置の他の短所を、少なくとも部分的にでも解消するために、本発明は、導波管を備えた離脱可能なコンポーネントを有する機構、好ましくはディスペンサの作動を、電磁波を選択的に導波管内に通し、導波管を透過した電磁波を感知して、導波管が適合するフォトクロミック部位を含んでいるか否かを判定することにより、制御する方法を提供する。
【0021】
本発明の目的は、導波管を通る電磁波を測定し、あるコンポーネントがフォトクロミックか否かを調べることによって該コンポーネントの適合性が検査される、光学キーシステムを提供することにある。
【0022】
別の目的は、詰替え容器が分配システム(ディスペンシングシステム)と適合するか否かを判定するための、安価なシステムを提供することにある。
【0023】
別の目的は、離脱可能なコンポーネントを有する機構の作動を制御する改良された方法を提供することにある。
【0024】
本発明によれば、導波管がフォトクロミック色素を含有するか否かに応じて機構の作動が制御される方法が提供される。
【課題を解決するための手段】
【0025】
本発明は、電磁波を導波管内に選択的に入射させ、導波管を透過した電磁波を感知し、感知された電磁波が、導波管がフォトクロミック色素(可逆性フォトクロミック部位及び不可逆性フォトクロミック部位のうちの1つ以上を含む)を有している可能性のあることを示しているか否かに基づいて作動を制御することにより、機構、好ましくは分配(ディスペンシング)機構の作動を制御する方法を提供する。本発明はさらに、上記方法を実行するのに不可欠な上記コンポーネントを有するディスペンサを提供する。本発明はさらに、具体的には、ある機構において使用するための、(1)可逆性フォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位、及び(2)不可逆性フォトクロミック部位の1つ以上を含有するフォトクロミック部位を、少なくとも1つ含有する導波管を備えた離脱可能なコンポーネントを包含する。この点に関し、本発明は、フォトクロミック部位を含む新規な導波管を備えた新規な離脱可能なコンポーネント、好ましくはディスペンサ、好ましくは流体ディスペンサで使用するための新規な離脱可能なコンポーネントを提供する。
【0026】
本発明は、ある特定の導波管が、該導波管と連結される機構と適合するか否かを判定するための光導波管、電磁波エミッタ及び電磁波センサの特徴の種々の組み合わせを提供する。上記導波管は、(1)不変色を有していることにより、電磁波である光の特定の吸収能及び透過能が永続的に変わらないという性質、及び(2)可逆性及び/又は不可逆性のフォトクロミック色素を用いることにより、光の吸収能及び透過能が変動するという性質、といった特徴を種々組み合わせて有していてもよい。これらの特徴の1つ、又は2以上の組み合わせをそのまま単独で適用してもよく、他の特徴と組み合わせてもよい。例えばそのような他の特徴としては、導波管の大きさ、位置及び配置様式、及び導波管上での易壊性エレメントの使用などがある。このように特徴を種々組み合わせることで、導波管を含むコンポーネントのうち、その機構特有の基準に合致するものがあるか否かを判定する特定の機構及び方法において使用される、独自の暗号化やキーイング(キー制御)を行う導波管を含むコンポーネントの有利な構成を提供することができる。
【0027】
第1の態様において、本発明は、
機構の作動に必要な、離脱可能でかつ交換可能なキーイング(keying)コンポーネント(キー制御用コンポーネント)であって、
上記キーイングコンポーネントは、電磁波の導波管を備え、
上記導波管は電磁波の入口と電磁波の出口とを有し、
上記導波管は、上記入口から上記出口まで電磁波を透過させるための経路となり、
上記導波管は、固有の未励起状態と励起状態とを有するフォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位を備え、
励起波長領域内の励起電磁波を放射すると、フォトクロミック色素が上記未励起状態から上記励起状態へと変化し、
フォトクロミック色素が未励起状態では、上記フォトクロミック部位は試験波長領域内の電磁波に対し固有の第1の透過特性を有し、
フォトクロミック色素が励起状態では、フォトクロミック部位は、試験波長領域内の電磁波に対し、第1の透過特性とは異なる第2の透過特性を有し、
上記キーイングコンポーネントは、導波管として機能するのに加え、上記機構を作動させるよう機能する
キーイングコンポーネントを提供する。好ましくは、上記キーイングコンポーネントは、物質を分配するための装置用の交換可能なコンポーネントを含み、
上記交換可能なコンポーネントは、下記からなる群から選択される。
(a)上記物質を分配するための装置が、流動可能な物質用のディスペンサである場合は、
(i)物質を移動させる可動エレメントを収容するためのチャンバを有する、ポンプ用のチャンバ形成体、
(ii)ポンプ用のチャンバ形成体のチャンバ内に収容される、物質を移動させる可動エレメント、
(iii)流体を移動させる回転可能なエレメントを収容するためのチャンバを有する、流体ロータリーポンプ用のチャンバ形成体、
(iv)ポンプインペラ、
(v)ピストンエレメントを同軸方向に摺動可能に収容するためのチャンバを有する、流体ピストンポンプ用のピストンチャンバ形成体、
(vi)流体ピストンポンプ用のピストンエレメント、
(vii)分配される流動可能な物質を収容するためのリザーバ、
(viii)分配される流動可能な物質を収容するためのリザーバの出口の周囲に係合して、上記リザーバを、上記流動可能な物質を分配する管に固定するための接続カラー、
(ix)流体ディスペンサ用のポンプアセンブリ、及び
(x)分配される物質を収容するリザーバを含むリザーバアセンブリ、ここで上記リザーバは出口とその出口を横断するバルブ機構とを有する、並びに
(b)上記物質を分配するための装置が、ロール状に巻かれたシート状物質用のディスペンサである場合は、
(i)分配されるシート状物質が巻かれているロール、及び
(ii)分配されるシート状物質が巻かれているロール上の係合部材であって、上記ロールと上記シート状物質用のディスペンサとを作動的に連結するための係合部材。
【0028】
第2の態様においては、本発明は、その機構に離脱可能に連結された離脱可能なコンポーネントを有する機構の作動を制御する方法であって、
入射電磁波を、離脱可能でかつ交換可能なコンポーネント上に担持された導波管に選択的に入射させて導波管を通過させるステップと、
導波管を透過した透過電磁波を感知するステップと、
電磁波を感知するステップにおいて、上記導波管が、第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を照射することにより励起される第1のフォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位を備える、と判定された場合にのみ、分配機構を作動させるステップとを含む方法を提供する。
【0029】
第3の態様においては、本発明は、その機構に離脱可能に連結された離脱可能なコンポーネントを有する機構の作動を制御する方法であって、
入射電磁波を、離脱可能でかつ交換可能なコンポーネント上に担持された第1の導波管に選択的に入射させて第1の導波管を透過させるステップと、
第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップと、
第1の導波管を透過して感知された透過電磁波から、第1の導波管が、光反応性の第1の色素を含有する1次光反応性部位を含んでいるか否かを判定するステップとを含み、
ここで第1の色素は、未励起のときに、第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を照射することによって励起され、
上記第1の色素が励起されていない場合には、上記1次光反応性部位は、第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して固有の透過特性を有し、
上記第1の色素が励起されている場合には、上記1次光反応性部位は、第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して、1次フォトクロミック部位の上記固有の透過特性とは異なる、励起状態での第1の透過特性を有し、
上記方法は、好ましくは、さらに以下のステップ:
第1の導波路に、第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を入射させて、入射電磁波として第1の導波管を透過させるステップと、
第1の導波路に、第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を入射させた後に、
(i)第1の導波路に、第1の試験波長領域内の試験電磁波をさらに入射させて、入射電磁波として第1の導波管を透過させるステップ、
(ii)第1の試験波長領域内の電磁波に対して、第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップ、
(iii)ステップ(ii)で感知された第1の試験波長領域内の電磁波から、第1の導波管が1次光反応性部位の第1の透過特性を有しているか否かを判定するステップ、並びに
(iv)ステップ(iii)において第1の導波管が第1の透過特性を有していると判定された場合には、第1の導波管が1次フォトクロミック部位を含んでいると想定し、第1の導波管が1次フォトクロミック部位の固有の透過特性を有していると判定された場合には、第1の導波管が1次フォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップと、
第1の導波管が1次フォトクロミック部位を含んでいると想定されるか否かに応じて上記機構の作動を制御するステップとを含む方法を提供する。
【0030】
好ましくは、本発明の第3の態様によれば、上記方法は、感知された透過電磁波から、第1の導波管が、第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を照射することにより励起されている第2のフォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位を含んでいるか否かを判定するステップを含み、
ここで第2の色素は、未励起のときに、第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を照射することにより励起され、最後に第2の励起電磁波を照射してから第2の期間が経過した後に、固有の性質として未励起の状態に戻るものであり、
第1の色素が励起されておらず、かつ第2の色素も励起されていない場合には、フォトクロミック部位は、第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して固有の透過特性を有し、
第1の色素が励起されていないが、第2の色素が励起されている場合には、フォトクロミック部位は、第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して、上記固有の透過特性とは異なる、励起状態での第2の透過特性を有し、
さらに上記方法は、第1の導波路に、第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を入射させて、入射電磁波として第1の導波管を透過させるステップと、
第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を入射させてから第2の期間内に、
(i)第1の導波路に第2の試験波長領域内の試験電磁波をさらに入射させて、入射電磁波として第1の導波管を透過させるステップ、
(ii)第2の試験波長領域内の電磁波に対して、第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップ、
(iii)ステップ(ii)で感知された第2の試験波長領域内の電磁波から、第1の導波管が固有の透過特性及び第2の透過特性のうち1つを有しているか否かを判定するステップ、並びに
(iv)ステップ(iii)において第1の導波管が第2の透過特性を有すると判定された場合には、第1の導波管がフォトクロミック部位を含んでいると想定し、第1の導波管が固有の透過特性を有すると判定された場合には、第1の導波管がフォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップと、
第1の導波管がフォトクロミック部位を含んでいると想定されるか否かに応じて上記機構の作動を制御するステップとを含む方法である。
【0031】
好ましくは、本発明の第3の態様によれば、本発明は、入射電磁波を、離脱可能でかつ交換可能なコンポーネント上に担持された第2の導波管に選択的に入射させて第2の導波管を透過させるステップと、
第2の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップと、
第2の導波管を透過して感知された透過電磁波から、第2の導波管が、2次励起波長領域内の2次励起電磁波を照射することにより励起されている2次フォトクロミック色素を含有する2次フォトクロミック部位を含んでいるか否かを判定するステップとを含み、
ここで2次フォトクロミック色素は、未励起のときに、2次励起波長領域内の2次励起電磁波を照射することによって励起され、最後に2次励起電磁波を照射してから2次期間が経過した後に、固有の性質として未励起状態に戻り、
2次色素が励起されていない場合には、2次フォトクロミック部位は、第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して固有の透過特性を有し、
2次色素が励起されている場合には、2次フォトクロミック部位は、2次試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して、2次フォトクロミック部位の固有の透過特性とは異なる、励起状態での2次透過特性を有し、
さらに上記方法は、第2の導波路に、2次励起波長領域内の2次励起電磁波を入射させて、入射電磁波として第2の導波管を透過させるステップと、
第2の導波路に、2次励起波長領域内の2次励起電磁波を入射させてから2次期間内に、
(i)第2の導波路に2次試験波長領域内の試験電磁波をさらに入射させて、入射電磁波として第2の導波管を透過させるステップ、
(ii)2次試験波長領域内の電磁波に対して、第2の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップ、
(iii)ステップ(ii)で感知された2次試験波長領域内の電磁波から、第2の導波管が2次透過特性を有しているか否かを判定するステップ、並びに
(iv)ステップ(iii)において第2の導波管が2次フォトクロミック部位の固有の透過特性を有していると判定された場合には、2次導波管が2次フォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップと、
第2の導波管が2次フォトクロミック部位を含んでいると想定されるか否かに応じて上記機構の作動を制御するステップとを含む方法である。
【0032】
第4の態様によれば、本発明は、離脱可能なコンポーネントを有する機構、好ましくはディスペンサ、の作動を制御する方法であって、離脱可能なコンポーネント上に少なくとも1部が担持されている導波管を通過する電磁波を測定し、導波管を透過した感知された電磁波に基づいて上記機構の作動を制御する方法を提供する。好ましくは、上記方法は、複数の入射パラメータから選択される、予め選択された入射パラメータを有する放射電磁波を導波管に向けることを含む。上記導波管は、好ましくは、複数の電磁波透過特性から選択される、予め選択された電磁波透過特性を備えている。上記導波管は、好ましくは、可変性の透過特性を有するフォトクロミック部位を備えている。上記入射パラメータ及び電磁波透過特性は、波長、強度、持続時間、及び時間配置(placement in time)から選択することができる。好ましくは、上記方法は、ディスペンサの作動によって分配される物質を収容する交換可能なリザーバを、離脱可能なコンポーネントとして有する分配機構の作動を制御するのに使用される。好ましくは、上記導波管は、リザーバによって少なくとも部分的に担持されており、脱離しないようにリザーバと連結されているか、あるいは導波管とリザーバを分離すると、導波管及び/又はリザーバが破壊されるようにリザーバと連結されている。離脱可能なコンポーネントを連結した状態と、未連結の状態とで導波管の透過特性が変わる、例えば、離脱可能なコンポーネントを離脱しようとした際に破壊される易壊性部材を含むような導波管によってその透過特性が変わるような状態で、導波管の少なくとも1部が離脱可能なコンポーネント上に担持されているのが好ましい。好ましくは、上記離脱可能なコンポーネントは複数の導波管を有するものであり、上記方法は2つ以上の導波管を通過する電磁波を測定するステップ、好ましくは、2つの導波管のうち第1の導波管の測定された電磁波が予め選択された出力パラメータに適合せず、かつ2つの導波管のうち第2の導波管の測定された電磁波が予め選択された出力パラメータに適合しない場合には、ディスペンサの作動を抑止するステップを含む。
【0033】
本発明は、第5の態様において、作動ユニット内に、分配される物質を収容するリザーバを備えるリザーバアセンブリを含む分配システムを提供する。上記リザーバアセンブリは、同様のリザーバアセンブリによって交換できるように作動ユニットと離脱可能に連結されている。入口と出口を備え、入口から出口まで電磁波を透過させる経路となる電磁波の導波管が設けられている。電磁波センサが作動ユニット上に担持されており、導波管の出口から放射された電磁波を感知する。導波管の少なくとも一部分はリザーバによって担持されており、リザーバと離脱可能である。センサによって感知された電磁波が、リザーバ上に担持された導波管のある部分がフォトクロミックであることを示しているか否かに応じてディスペンサの作動を制御する制御機構が設けられている。
【0034】
第6の態様において、本発明は、その機構に離脱可能に連結されている離脱可能なコンポーネントを有する機構、好ましくはディスペンサ、の作動を制御する方法であって、
離脱可能でかつ交換可能なコンポーネント上に担持された導波管を通過する電磁波を測定するステップと、
測定された電磁波が、予め選択された出力パラメータの1以上に適合する場合にのみ分配機構を作動させるステップとを含む方法を提供する。
【0035】
第7の態様において、本発明は、分配システムであって、
分配される物質を収容するリザーバを含むリザーバアセンブリ、及び作動ユニット、ここで該リザーバアセンブリは、同様のリザーバアセンブリによって交換できるように作動ユニットと離脱可能に連結されるものである、と、
入口と出口を有し、該入口から該出口まで電磁波を透過させる経路となる電磁波の導波管と、
作動ユニットに担持され、導波管から出口を介して放出される電磁波を感知する電磁波センサとを備え、
ここで上記導波管の少なくとも一部分はリザーバアセンブリに離脱可能に担持されており、
さらに、センサによって感知された電磁波が、予め選択された電磁波プロファイルと適切に対応しているか否かに基づき、ディスペンサの作動を制御する制御機構とを備えた分配システムを提供する。
【0036】
さらに別の態様において、本発明は分配システムにおいて使用するための、フォトクロミック導波管を有する交換可能なリザーバアセンブリを提供する。
【0037】
本発明のさらに詳しい態様及び利点は、下記の発明の詳細な説明と、添付の図面により明らかになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】本発明の第1の好ましい実施形態によるディスペンサアセンブリの絵画図である。
【図2】図1に示したディスペンサアセンブリの絵画的表現による分解図である。
【図3】図2に示すリザーバアセンブリと背板アセンブリを組み立てた状態を示す絵画図である。
【図4】図1及び3の、組み立てた状態でのディスペンサにおけるリザーバアセンブリと作動ユニットの相対的な位置関係を示す概略的な絵画的表現による側面図である。
【図5】図2及び3に示すリザーバアセンブリの絵画的表現による分解図である。
【図6】図5に示すボトルと、バルブ部材と、ピストンチャンバ形成部材と、ピストンとを組み立てた状態を示す絵画図である。
【図7】図5に示すカラーの絵画的表現による上背面図である。
【図8】図1に示すディスペンサアセンブリ10の概略的な断面側面図である。
【図9】第2の実施形態のカラーの絵画的表現による分解図であり、組み立てた場合、外部の特徴は図7に示したものと同じになる。
【図10】図7に示したカラーと類似のカラーであって、背板アセンブリ上に担持される4つのキーエミッタ/キーセンサが並列に並んでいる第3の実施形態のカラーの絵画的表現による概略図である。
【図11】図10と似ているが、第4の実施形態のカラーを示した絵画的表現による概略図である。
【図12】図10と似ているが、交互に並ぶ3つの導波管インサートを有し、それらと一緒に使用される第5の実施形態のカラーを示した絵画的表現による概略的分解図である。
【図13】背板アセンブリ上に担持されるキーエミッタ及びキーセンサも概略的に示した第6の実施形態のカラーの絵画的表現による概略図である。
【図14】背板アセンブリ上に担持される4つのキーエミッタ/キーセンサも概略的に示した第7の実施形態のカラーの絵画的表現による概略図である。
【図15】本発明の選択的光学結合(カップリング)デバイスの絵画的表現による概略図である。
【図16】図7に示すカラーの壁のある一側面を、切断線A−A’に沿って切断した半径方向の断面である
【図17】図16と似ているが、図7の切断線B−B’に沿って切断した断面図である。
【図18】図16又は17と類似の概略的断面図であるが、カラーの壁のうち、断面積が小さい易壊性部分の図である。
【図19】3つのモジュール型導波管部材からなる導波管の断面の絵画的表現による概略的な簡略図である。
【図20】図19の導波管部材の絵画的表現による概略的分解図である。
【図21】図7に示したものと類似の第7の実施形態のカラーを、センサとエミッタを担持するボードと共に示した図である。
【図22】図21のカラー及びボードの上面図である。
【図23】図22の切断線C−C’に沿って切断した断面側面図を概略的に示したものであり、この図ではカラーの断面と、概略的なキャッチ装置の断面とが示されている。
【図24】図21に示したものと類似の、第8の実施形態のカラーと、センサとエミッタを担持するボードとを示した図である。
【図25】図5に示したものと類似のリザーバボトルの絵画的表現による概略図である。
【図26】図25のリザーバボトル上に担持された易壊性部材を通過するよう切断した概略的断面図であって、センサとエミッタの位置関係を示した図である。
【図27】図25の切断線A−A1に沿った概略的断面図であって、リザーバが、本発明によるさらに別の実施形態のエミッタ及びスキャナと連結していることを断面図で示した図である。
【図28】図5に示したものと類似したリザーバボトルの絵画的表現による背面図である。
【図29】図28に示したリザーバのネックを通過する断面図であって、本発明によるさらに別の実施形態のエミッタ及びセンサを示した図である。
【図30】図5に示したピストンを通過する垂直方向の断面を含んだ図であるが、プレッサ部材と係合した状態のピストンと、本発明の別の実施形態に係るエミッタ及びセンサの配置とを示した図である。
【図31】図1〜26のディスペンサと類似した、本発明の別の実施形態に係る流体ディスペンサの鉛直方向の断面図である。
【図32】本発明に係る他の実施形態の流体ディスペンサの分解透視図である。
【図33】図32の流体ディスペンサの組み立てた状態での部分的な断面側面図である。
【図34】図32に示すディスペンサのポンプアセンブリの絵画的表現による背面分解図である。
【図35】図32の流体ディスペンサの部分的な断面正面図である。
【図36】本発明の別の態様に係る自動ペーパーディスペンサの絵画的表現による概略図である。
【図37】図36のペーパーディスペンサに収容されたロール紙の軸を通過する鉛直方向の概略的な断面正面図である。
【図38】図38は図37と同一の断面正面図であるが、別の実施形態に係るものの図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
(図面の詳細な説明)
図1について説明する。図1は本発明の第1の好ましい実施形態に係るディスペンサアセンブリ10を図示したものである。ディスペンサアセンブリ10は、図2で最も良く分かるように、背板アセンブリ14、プレッサ部材15、及び囲い枠16の組み合わせによって形成されるハウジングに固定されるように適合された離脱可能なリザーバアセンブリ12を備えている。背板アセンブリ14は、ほぼ正面を向いた面板17を有しており、その面板から水平方向に配置された支持板18が前方に延びており、その支持板18は2つの側面板19によって支持されている。プレッサ部材15は、上記2つの側面板19の間に、突出軸(スタブアクスル)20により、背板アセンブリ14に対し回転可能に軸支されており、このとき突出軸20は、側面板19のそれぞれに設けられた軸受穴(ジャーナリングボア)21に収容されている。囲い枠16と背板アセンブリ14とを連結して、実質的に支持板18とプレッサ部材15を閉じ込めることによりハウジングが完成する。リザーバアセンブリ12は、組み立てたハウジングに対し離脱可能に連結できるよう適合されている。
【0040】
図5で最もよく分かるように、リザーバアセンブリ12は、リザーバボトル22と、ポンプアセンブリ25と、キーカラー26とを含む。ボトル22は、出口28の周囲に、ねじ山付きネック27を有している。固定タブ29は、ねじ山付きネック27に対して前方でかつ軸方向に延在しており、水平方向の軸断面は概長方形で、該長方形は平面状の平行な側面とそれらに直交する端面とを有している。ポンプアセンブリ25は、外側フランジ31を有するピストンチャンバ形成部材30を備えている。外側フランジ31は内側にねじ山が設けられており、ねじ山付きネック27と螺合できるようになっている。ポンプアセンブリ25は、さらに、ピストン32とバルブ部材33とを含んでいる。ピストン32はピストンチャンバ形成部材30内に形成される円筒状チャンバ内で、同軸方向に往復運動可能で、それにより液体はボトル22の内部から出口28を出てピストン32の内部を通り、ピストン32の外側端にある排出口34の外へと分配される。
【0041】
ボトル22及びポンプアセンブリ25を組み立てたものを図6に示す。図6に示す組立体に対し、キーカラー26を軸方向上方にスライドさせて、キーカラー26を外側フランジ31にスナップ嵌めの状態で係合させることにより外側フランジ31から脱離しないようにし、また固定タブ29をキーカラー26上の嵌込溝46の中に係合させて、ボトル22に対しキーカラー26が回転しないようにして、キーカラー26を使用する。図7から分かるように、キーカラー26は、軸方向上方端35と、軸方向下方端36と、その上方端と下方端を通過して延在する中央にある概円筒状の開口部37とを有する。開口部37の周囲に位置する概円筒状の側壁38は、下側端36の近くに、半径方向内側に延在する下側肩部材39を3つ有し、その肩部材39には、上方端35の方へ軸方向に向いている掛止肩部80が設けてある。上方端35の近くにおいて、側壁38は、半径方向内側に向いている上側肩部材40を3つ備えている。上側肩部材40は、下方端36の方を向いたキャッチ面81と、上方端35の方を向いた勾配付きカム表面82を有している。カラー26を同軸方向上方へと外側フランジ31上までスライドさせる際、上側肩部材40に半径方向外側への応力を与えて歪ませて、外側フランジ31を、下側端36の方へとカラー26に対して軸方向に動かし、カラー26の開口部37へと至らせることにより、上側肩部材40のカム表面82は、外側フランジ31の外側下面83に係合する。外側フランジ31の上端84が上側肩部材40の下側に位置したあとは、上側肩部材40は、元来のひずみのかかっていない状態へと戻る。この時、キャッチ面81は、外側フランジ31の上端84の上方に、その半径方向内側に延在した状態で位置し、これにより外側フランジ31を、下側肩部材39の掛止肩部80と、上側肩部材40のキャッチ面81の間に掛止させる。
【0042】
カラー26は、その上方端35に、上方に延出した一対の掛止タブ45を担持し、その一対の掛止タブによってその間に嵌込溝46が形成されている。嵌込溝46は、ボトル22の固定タブ29を、その間にちょうど収容できるような大きさに設計されている。カラー26を、ボトル22とポンプアセンブリ25とを組み立てたものに連結するとき、嵌込溝46はボトル22上の固定タブ29と同一円周上に整列し、リザーバアセンブリ12は、図2に示すように完全に組み立てられたとき、ボトル22上の固定タブ29を嵌込溝46内に収容させて、カラー26がボトル12に対して相対的に回転しないようにする。図2に示すリザーバアセンブリ12において、ピストンチャンバ形成部材30及びカラー26は脱離しないようにボトル22に固定される。すなわち、キーカラー26及びピストンチャンバ形成部材30は、ボトル22又はキーカラー26が著しく破壊されるか、変形する場合を除いて、実質的に脱離しないようにボトル22上に固定されるのが好ましい。
【0043】
カラー26及び/又はポンプアセンブリ25の取り外し、又は取り外そうとする試みがどの程度可能か否か、あるいはそのためにボトル22、キーカラー26又はピストンチャンバ形成部材30のうち1つ以上を壊す必要がどの程度あるか否かは、好みに応じて選択することができる。例えば、組み立てるときに、ボトル22、ピストンチャンバ形成部材30及びカラー26は、接着剤などを用いて、又は超音波溶接によって恒久的に固着させることができる。
【0044】
好ましい実施形態においては、カラー26の内部の側壁38には、170として図7に一部のみ示されているだけだが、軸方向に延在する交互に並んだうねと嵌込溝(スロットウェイ)とを刻みつけてもよい。これにより、軸方向に延在する交互に並んだうねと嵌込溝(スロットウェイ)とを有している外側フランジ31の相補的に刻みの付いた外側表面と、側壁38のうねとを噛み合わせることで、一旦カラー26がはめ込まれた後は、カラー26に対してピストンチャンバ形成部材30が相対的に回転しないようにすることができる。
【0045】
背板アセンブリ14とプレッサ部材15と囲い枠16とを組み立てた後、例えば壁に固定した状態で、組み立てたリザーバアセンブリ12をそれらと連結させることができるが、これは、リザーバアセンブリ12を背板アセンブリ14に対して鉛直方向下方に動かすことによって可能である。この時にカラー部材26とポンプアセンブリ25が支持板18の開口部190を垂直方向下方に通過するようにさせ、次にリザーバアセンブリ12全体を背面側方向に押し付けて、カラー26の上方でかつボトルの下側肩部192の下方において支持板18の背面支持部191と係合させ、ピストン32をプレッサ部材15と連結させるための位置にセットするか、あるいはプレッサ部材15と連結させた状態とする。リザーバアセンブリ12を取り外すには、逆に前方に動かした後、上方へと動かせばよい。
【0046】
背板アセンブリ14は、作動ユニット48を備え、担持している。作動ユニットは図4に最も良く分かるように示されている。図8において概略的にしか示していないが、作動ユニット48は、一連のギア50を介して回転する電動モータ49と、駆動輪51とを備えている。駆動輪51は、図4に示すように、偏心的に設けられた、軸方向に延出しているカムポスト52を担持している。カムポスト52は、プレッサ部材15の内側端と連結し、駆動輪15が一回転すると、プレッサ部材15は突出軸20を中心に下方へと、次に上方へと旋回し、同じ位置に戻るようになっている。プレッサ部材15は、プレッサ部材15に担持されているキャッチ部材(図には示していない)と、ピストン32上の係合フランジ54との間で係合が起こることにより、ピストン32に連結される。そのようなキャッチ部材及び係合は1994年12月20日付のOphardtの米国特許第5,373,970号において説明されているものと同様なものでもよい。その開示は、本願明細書に参照により援用する。また、リザーバアセンブリ12と背板アセンブリ14の連結時には、そのような係合が必ずなされることとなる。
【0047】
作動の1つのサイクルの中で、モータ49は、駆動輪51を360度回転させ、それによりピストン32を内側方向及び外側方向へと1ストローク動かして、ボトル22から所定量の流体を分配するように作動する。モータ49は、電動モータであり、種々の入力信号を受け取る制御機構によってその作動を制御することができる。図に示す作動ユニット48は、手感知システムによって、使用者の手が、プレッサ部材15の下方で排出口34の真下にあることを感知する、タッチレスディスペンサとして使用することができるようになっている。上記手感知システムは、作動ユニット48の底部前方に、使用者の手が置かれる位置に向けて下方かつ前方へと電磁波を放射する電磁波エミッタ53と、やはり作動ユニット48の底部前方近くにあり、使用者の手によって反射された電磁波を感知するように適合された電磁波センサ54とを備えている。手感知システムは、手から反射された電磁波を適切に受光した場合、手が存在することを示す適切な信号、例えば、モータが作動するのに必要な条件を少なくとも1つ満たすような信号を制御機構に送る。
【0048】
電磁波エミッタ53と電磁波センサ54を含む手感知機構の使用について例示したが、他にも、流体を分配せよとの1次指示を送るシステムは多々存在する。例えば、手動で作動させる単純なオン/オフスイッチや、例えば、2001年3月27日付で発行されたOphardtの米国特許第6,206,238号明細書に開示されているような指紋認証方式等の識別に必要な装置などが挙げられる。
【0049】
作動ユニット48は、リザーバアセンブリ12が作動ユニット48と適合するかどうか、即ち、リザーバアセンブリ12が、作動ユニット48と共に使用することを許可するために予め選択された基準を満たすか否かを判定するための光学キーシステム部分も備えている。作動ユニット48は、電磁波キーエミッタ55及び電磁波キーセンサ56を備えている。それらはそれぞれ、作動ユニット48の前面で、その上側部分に備え付けられており、前方を向いている。図2で最も良く分かるように、キーエミッタ55は、そのランプの周囲を囲む概円筒状の囲い枠57を備えており、またキーセンサ56は、そのセンサの周囲に類似の囲み枠58を備えている。囲み枠57と58は、他の方向から入り込む電磁波を実質的に防ぎ、キーエミッタ55とキーセンサ56の指向性を効果的に高め、囲み枠57と58の外側端を通る光のみを放出、あるいは受光するように制限する。図4及び7から最も良く分かるように、カラー26は、カラー26からキーエミッタ55又はキーセンサ57に向かって後方に延出した2つのアーム60及び61を有している。カラー26は、アーム60の末端にある端面62から、カラー26を通ってアーム61の末端にある端面63(導波管の出口となる)へと至る電磁波の導波管を備えている。導波管は図7中に破線64として概略的に図示されており、カラー26の上方端35の近傍で、外周に沿うように配置された材料からなるU字型縁(U字型リム)65の内部に、略U字型で延在している。
【0050】
図4を参照すると、キーエミッタ55によって放射された電磁波は、入口端面62から導波管64に入り、導波管64を介してカラー26の中を伝導され、出口端面63を介して導波管64から放出され、この出口端面63を介して導波管から放出された電磁波がキーセンサ56によって感知される。作動ユニット48は、キーコントロールシステムを備えている。このキーコントロールシステムの下では、分配が行われるための必要条件として、キーエミッタ55によって放射された電磁波を考慮しつつ、キーセンサ56によって感知された電磁波が、予め選択されたパラメータのうち1つ以上に合致しなければならない。特に限定されないが、例えば、キーエミッタ55は選択された波長領域内の電磁波を放射し、キーセンサ56が放射された電磁波の波長領域内にある電磁波を感知しない場合には、モータ49を作動させないようにすることができる。従って、ボトル22とポンプアセンブリ25とを有するもののカラー26を有さない不適合のリザーバアセンブリ12が背板アセンブリ14に連結され、導波管を有さないような最も単純なケースでは、キーエミッタ55によって放射される選択された波長の電磁波がキーセンサ56の方向を向かないか、あるいはキーセンサ56によって感知されず、作動ユニットの制御機構が分配を許可しない。
【0051】
好ましい実施形態においては、カラー26は、好ましくは、電磁波透過性を有するプラスチック材料から射出成形等によって形成することができる。当業者には知られている通り、ポリカーボネート樹脂のような、電磁波透過性を有するような最終製品をもたらす種々のプラスチック材料を用いることができる。入口端面62に対して垂直方向に向けられることで光透過性のカラー26に入射する電磁波は、導波管の側面を実質的に形成するカラーの外側表面に比較的低い角度で衝突することから、ある程度、内側へと反射される。カラー26に向けられた電磁波の一部は、U字型外縁65に沿うようにカラー26の内部を通過し、ある程度の電磁波が、出口端面63に対して実質的に垂直方向に導波管から放出され、キーセンサ56によって感知される。
【0052】
カラー26は、同一の電磁波透過性を有する、全てが一体化されたエレメントとして形成されていてもよく、また異なるいくつかの材料から形成されていてもよい。例えば、内部での反射を増加させるために、入口端面62及び出口端面63を除くカラー26の外側表面、特にU字型縁65周辺の外側表面を反射性材料により被覆することができる。カラー26は、カラーのU字型部分のみ、例えば実質的にU字型縁65に相当する部分のみが光透過性材料から形成され、カラーの残りの部分は他のプラスチック材料から形成されていてもよい。
【0053】
カラー26は、既存の光ファイバの1つ以上を含むように形成されていてもよい。例えば、入口端面62のところに光ファイバの入口端が、出口端面63のところに光ファイバの出口端が設けられるように、カラー内部にU字型縁内に延在するように光ファイバを配置することができる。
【0054】
図9を参照する。図9は本発明のカラー26の第2の実施形態を示している。組み立てると図7に示すカラー26と外見上同じものになる。図9に示すカラー26は3つのピース、即ち、基部66、上部67、及び光ファイバ部材68から形成されている。基部66及び上部67はプラスチックから射出成形され、分離しない様にスナップ嵌めできるようになっている。基部66は、その基部内に形成された上向きのU字型ハーフチャネル69を有しており、上部67は、よく似た下向きのU字型ハーフチャネル96を有している。光ファイバ68は基部66と上部67の間に挟まれるように配置されており、該基部66が担持するハーフチャネル部材69と、上部67が担持するハーフチャネル部材96との間に収容される。光ファイバ68は、光ファイバ部材68がカラー26を通る導波管となるように、アーム60の端面62で開放されている第1の端部97と、アーム61の端面63で開放されている第2の端部98を有している。組み立て後のカラー26においては、光ファイバ部材68は脱離できないようにカラー26内に固定されている。光ファイバ部材68は短い長さの従来の光ファイバであってもよく、また好ましくは、柔軟性を有するポリカーボネートやその他のプラスチックの円筒状の押出成形体といった適切な光透過性を有するプラスチック材料の押出成形体であってもよい。
【0055】
ハーフチャネル69と96を組み合わせて形成されたチャネルウェイは、入口端面62と出口端面63のそれぞれの近傍に、光ファイバ部材68の各端部を緊密に保持するよう、断面の大きさが精密に決められたポート部位と、該ポート部位から内側に、光ファイバ部材68の内側部位を容易に挿入できるように直径を大きくしたチャネルウェイの内側部位を有するのが好ましい。
【0056】
図10を参照する。図10はカラー26の第3の実施形態を示したものである。図10に示すように、カラー26の背面端には内部コンパートメント102が設けられ、この内部コンパートメント102は、4つのポート部位111、112、113及び114を有する背面壁110によってその背面側が閉鎖されている。2つの光ファイバ部材105と106が図示されている。光ファイバは、それぞれ、ポート部位の1つに固定された第1の端部と、別のポート部位に固定された第2の端部を有し、光ファイバ部材はそれぞれ、1つのポート部位から別のポート部位までの1つの導波管となっている。各ポート部位に対向して、4つのエレメント211、212、213、及び214が概略的に示されている。これらのエレメントはそれぞれ、例えば図4に示されているような作動ユニットに担持されるキーエミッタ又はキーセンサのいずれかを概略的に図示することを目的としたものであり、ポート部位のそれぞれの前面に適切に位置するものである。4つのエレメントのうち、少なくとも1つがエミッタを備え、かつ少なくとも1つがセンサを備えるのが好ましい。ある好ましい実施形態においては、これらのエレメントはそれぞれ、エミッタかセンサのいずれかを有する、又は、好ましくは両方を有する。エレメント211、212、213、及び214はそれぞれ、各エレメントにエミッタ又はセンサのいずれかとして選択された作動を許可するか、あるいは作動させないようにするコンピュータ化された制御回路上に担持されているのが好ましい。そのような作動ユニットは、特定の構成のセンサ及びエミッタとなるように電気的にキー制御することができる。
【0057】
図10に図示された実施形態においては、2つの光ファイバ部材105及び106が示されているが、当然のことながら、光ファイバ部材を1つのみ必要としてもよい。例えば、単一の光ファイバ部材はいずれか2つのポート部位に接続されるように設けることができる。例えば、光ファイバは、ポート部位111に接続された第1の端部と、ポート部位112、113、又は114のうちいずれか1つに接続された第2の端部を有することができる。単純な構成においては、単一の光ファイバ部材の端部を接続することができる対応のポート部位を考慮しつつ、エレメント211はキーエミッタとして設計することができ、またエレメント212、213、及び214のうち選択した1つはセンサとして選択することができる。このように、上記カラー部材は、光ファイバ部材を適切に配置することにより、適合する位置に導波管が設けられるよう構成することができる。必要に応じて、図10に示すように、第2の光ファイバ部材を、第1の光ファイバ部材に連結していない残り2つのポート部位を連結するのに用いてもよい。
【0058】
使用する光ファイバはそれぞれ異なる電磁波透過特性を有していてもよい。例えば、光ファイバ部材のうち1つを青に着色して、光ファイバを、相当する青の波長領域外の光の通過を防ぐためのフィルターとして機能させることができる。同様に、他の光ファイバを赤や黄色に着色して、赤や黄色の波長の光のみしか通過できないようにするフィルターとして作用させることもできる。
【0059】
図11を参照する。図11は本発明の導波管の第4の実施形態を図示しており、図10と似ているが、3つの異なる光ファイバ105、106、及び107を含んでいる。さらに、ポート部位111、112、113、及び114はそれぞれ、ポート部位を貫通する3つの開口部を有するように示されており、開口部はそれぞれ、1つの光ファイバ部材の端部を収容できるようになっている。従って、各ポート部には光ファイバ部材を3つまで収容することができる。図11に示す特定の構成においては、3つの光ファイバそれぞれの第1の端部はポート部位111に接続されているが、3つの光ファイバの他方の端部はポート112、113及び114のそれぞれに1つずつしか接続されていない。図11に示す実施形態(但し、この実施形態は一例であって、本発明はこの実施形態に限定されない)においては、光ファイバ105を青に着色してフィルターとして機能させ、相当する青の波長領域外の光の通過を防ぐのが好ましい。光ファイバ106は赤に着色してフィルターとして機能させ、相当する赤の波長領域外の光の通過を防ぐものとする。光ファイバ107は黄色に着色してフィルターとして機能させ、相当する黄色の波長領域外の光の通過を防ぐものとする。エレメント211は、青、赤、及び黄色の光を全て含む光を選択的に放射するように適合されていてもよく、また青、赤、又は黄色の光のうち1つ以上の光のみを異なる回数放射するように適合されていてもよい。センサ212、213及び214はそれぞれ、適切な回数にわたって光の有無を調べたり、どの波長の光も存在しないことを調べたり、又は選択した青、赤、及び/又は黄色の波長の光の有無を調べたりする。
【0060】
図12を参照する。図12はカラー部材26の第5の実施形態を図示したものであり、図10に示したものと似ている。しかしながら、光ファイバ部材はなく、その代わりに図12の概略的な分解透視図に171、172、及び173として示されている3つの導波管インサートのうち1つが用いられる。導波管インサートはそれぞれ、ポリカーボネート等の光透過性材料から射出成形されたものであるのが好ましい。インサート171は、ポート部位111からポート部位114へと光を透過できるようになっている。インサート172は挿入すれば、図示したように、ポート部位111とポート部位113の間を連通するように、また180度ひっくり返すとポート部位112とポート部位114の間を連通するようになっている。インサート173は、ポート部位112とポート部位113の間を連通するようになっている。比較的簡素な射出成形プラスチック製インサート171、172又は173を適宜選択することによって、カラー部材26は、その内部に所望の導波管を有するように構成することができる。導波管インサートはそれぞれ、異なる電磁波透過特性を有していてもよく、例えば、カラーフィルターとして作用してもよい。インサート171、172又は173は、コンパートメント102内に厳密に適合する大きさに設計されており、インサート172及び173においては、その端から端までの寸法を延長するための横位置調整タブ174を備えている。いずれのインサートも、その導波管の入口/出口として機能する2つの面176及び177を有しており、それら2つの面は対応するそれぞれのポート部位と連関している。導波管インサートの壁の、面176及び177とは反対側にある湾曲部178及び179は、電磁波を一方の面から他方の面へと内部に向けるのを助ける。
【0061】
図13を参照する。図13は、本発明によるカラー及びキー感知システムの第6の実施形態を概略的に図示したものである。図13に示すように、カラー26は、アーム60及び61がなく、キー部材70は後方に延出するように設けられている点を除けば、図7の第1の実施形態におけるカラーと同じである。作動ユニット48は改変され、キーエミッタ71がキー部材70の一方の側面に位置し、横方向にキー部材70を通過するように電磁波を向け、キーセンサ72がキー部材70のもう一方の側面にあり、横方向を向いている。このようにして、キーエミッタ71は、キー部材70の一方の側面上にある入口面74に電磁波を向け、キーセンサ72は、キー部材70のもう一方の側面上にある出口面75から外側に通過する電磁波を感知する。キー部材70は、電磁波を透過させるための導波管となることが好ましい。限定するわけではないが、一例として、この導波管は、第1の特定の特性又は波長を有する光が透過することを実質的に防ぎつつ、第2の特性又は波長を有する光は通過させるフィルターのように作用する導波管であってもよく、この場合、第1と第2の双方の特定の特性又は波長の光がキーエミッタ71によって放射されるときは、キーセンサ72は、第1の特性又は波長の光がなく、第2の特性又は波長の光があると感知する。
【0062】
キー部材70が、キーエミッタ71とキーセンサ72の間の垂直なスロットウェイ内にある場合、これらが係合することにより、背板アセンブリ14に対してリザーバアセンブリ12が相対的に回転することを防ぐことができる。
【0063】
図13に示す実施形態では、単にキー部材のみを備えたカラーが示されているが、当然のことながら、第1の導波管となるアーム64及び65と、第2の導波管となる上記キーブロックの双方を有する変形されたカラーとしてもよく、また独立した2つのキーエミッタが備えられていてもよく、独立した2つのキーセンサが備えられていてもよい。
【0064】
図14を参照する。図14には、本発明によるキー部材の第7の実施形態が図示されている。このキー部材は、図7及び図13に示すものと同様の特徴を有する。図14では、側面から電磁波を通過させるための導波管として機能する中央キー部材70が設けられている。キー部材70のいずれかの側面には、背板アセンブリ上に固持できるように適合された1対の導波管延長部151及び152が設けられている。該導波管延長部はそれぞれ、キー部材70のそれぞれの面74又は75に相対するように横方向を向いた外表面153又は154と、後方を向いており、背板アセンブリ上に担持されたキーエミッタ/センサエレメント71又は72と光学的に結合するよう適合されている内側端155又は156とを含んでいる。図7の実施形態のように、カラー26は、アーム60及び61のそれぞれの端部に、作動ユニット上に担持された2つのキーエミッタ/センサ56及び57と光学的に結合されるように機能する端面62及び63を含む。
【0065】
図13に示す実施形態においては、導波管の一部が作動ユニット上に導波管延長部151及び152として設けられており、導波管の別の一部は、カラー部材26上にキー部材40として設けられている。
【0066】
図15を参照する。図15は、結合ユニット165の中に担持された光学的な第1の窓(ウィンドウ)163及び164に相対するように配置された1対のキーエミッタ又はセンサエレメント56及び57を示す選択的な光学的結合機構を示す。結合ユニット165は、1対のキャビティ166及び167を有する概長方形の部材であり、このキャビティは、第1のウィンドウ163、164で開放された狭端部168、及び第2のウィンドウ181、182、183で開放された広端部169を有する。キャビティごとに該第2のウィンドウは2つずつ設けられている。概平行四辺形状の導波管部材184は、キャビティ166又は167のいずれかの内部に、第2のウィンドウのうちの1つを第1のウィンドウと接続する位置にて収容されるようになっている。この導波管部材184は、180度回転させてキャビティ内に置くことにより、第1の端部にある第1のウィンドウと、第2の端部にある別の第2のウィンドウとの間の導波管となることができる。カラー部材26中のキャビティ内においても、あるいは作動ユニットのキャビティの一部内においても、上述のような配置が可能であり、このようにして、カラー26又は作動部材48のいずれかに担持された導波管の一部の相対経路を機械的に選択するための他の方法を構成することもできる。
【0067】
当然のことながら、各種導波管部材184は、それを通過する電磁波の透過能、フィルタリング能、遮蔽能、偏光能などの特性が異なるものとしてもよい。例えば、複数の上記部材に対して、青、赤、黄色、緑などの異なる着色を施してもよく、またカスタマイズされた作動部材又はカラー部材に容易に手動で挿入して特定の所望の構成にできるように簡素な部材にしてもよい。
【0068】
本発明によれば、電磁波は、予め選択したパラメータを考慮して選択してもよい。上記パラメータとしては、1又は2以上の波長領域内の電磁波、1又は2以上の強度範囲内の電磁波、偏光電磁波、1又は2以上の持続時間範囲内の電磁波、1又は2以上の異なる時点(points in time)での電磁波等が挙げられる。
【0069】
設けられた導波管は、複数の特性から選択される電磁波透過特性を有していてもよい。例えば、1又は2以上の波長を透過させる能力や、1又は2以上の波長を遮蔽する能力、導波管を通って透過する電磁波の強度を制限する能力を、好ましくは導波管の大部分の機能として、備えていることが好ましい。上記透過特性は、第1の波長領域を有する電磁波の透過は制限するものの、一方、第2の波長領域を有する電磁波の透過は許可するものであってもよい。
【0070】
図16及び図17を参照する。図16及び図17では、図7に示すカラー26を切断線A及びBに沿ってそれぞれ切断した断面図を示す。切断線A及びBは、カラーの中心から、中央にある開口部37を通って半径方向に延在する線であり、上記断面図は、軸方向に延びる面の断面である。図16及び図17のそれぞれにおいて、半径方向に延出するリム65は、断面図内で長方形として示されており、リム65の内側の長方形断面領域全体が導波管64を含んでおり、実質的に導波管64を形成している。
【0071】
図18は、図16及び図17に示したものに類似する概略的な断面図を示す。但し、図18は、切断線AとBの間の点で、かつ肩部材40の円周状端部と掛止肩部80の手前との間の点に沿って切断した断面の図である。図18に示す断面領域に、図17の断面図の外縁を示す破線を重ねてある。図18の断面図は、図16又は図17に示すどちらのものと比較しても、かなり小さな断面積を有する。図18の断面図によって表わされるカラー26の周辺部分は、実質的に、易壊性部分を含む。リザーバアセンブリに係合した状態からカラー26を取り外そうとすると、周辺に作用する力が図18に示す小断面のセグメントへと伝わり、結果的に該小断面領域を通じてカラーは破壊かつ破断され、従って導波管64が破壊及び破断される。図18においては、導波管64の断面領域は、図16及び図17に示される長方形の領域と比較して寸法の小さい三角形の部分である。この易壊性部分を通る導波管の断面領域は、通常の使用時には電磁波が導波管を通過できるように適切なものを選択する。図18の小断面部分を通じて周辺部分が切断されることによりカラー部材26が破壊される場合には、導波管64は破壊されるが、破壊された導波管により、電磁波に破壊点を通過させる導波管の能力が妨げられたり損なわれたりすることが好ましい。図18に示す実施形態において、最初の破損は、三角形の導波管より下方の下側部分に生じることが想定され、それによって、三角形の導波管の下側の頂点から、上部のより広い部分に向かって上方へ導波管が割れやすくなる。
【0072】
易壊性の導波管、又はカラーを物理的に取り外そうとすれば破壊されるような導波管については、種々の改変物及び変形物が想定できるであろう。例えば、図9に示すような、光ファイバー部材を内蔵する導波管の例では、カラーを取り外す必要があるときには光ファイバー部材が切断されるような機構を構築することができる。
【0073】
図19について説明する。図19は、3つのモジュール型導波管エレメント201、202及び203から形成される導波管200の一部の絵画図法による図を概略的に示したものである。導波管エレメント201は、第1の端面210及び第2の端面211を有する。部材201は、2つの端面間において一定の断面形状を有する。平行線212によって概略的に図示するように、導波管部材201は偏光子になっており、端面210と211の間を通過する光のみに制限して、光がある方向に互いに平行に透過するようになっている。導波管部材212は導波管部材210と同一であるが、但し、導波管部材202の模式的な平行線212が、導波管部材201上の平行線212に対して垂直になるように、90度回転させた状態で、本実施形態には示してある。図19及び図20に示すようなこの構成で配置する場合、導波管部材201及び202は通過しようとする光線の透過をすべて実質的に遮断する。導波管部材203は、同様の大きさを有する導波管部材として示されており、例えば、青色等の特定の色を有するものを選択してもよい。これらの導波管部材201、202及び203は、それぞれ他の部材と入れ替えたり、取り替えたりすることができるモジュール型の部材であり、従って、単に別のモジュール型部材を挿入したり又は取り外したりするだけで、得られる導波管に異なる光透過特性を付与することができる。導波管部材203が特定の色を有すると示しているが、当然のことではあるが、導波管201及び202についても、それぞれ、複数の異なる色に着色されたモジュール型エレメントとして使用することもできる。
【0074】
導波管部材201、202及び203はそれぞれ、互いに直接密着するように重ねて、例えば、図15に示すような、入替可能な導波管184の中央の部分を形成してもよい。当然のことではあるが、図15に示すものと同じように、一列に整列した3つの導波管部材201、202及び203がそれぞれ収容されるように、矩形凹部等を有する、165と同様の結合ユニットを準備してもよい。
【0075】
導波管部材201、202及び203のうちの1つ以上が、作動ユニット上の導波管の一部となっていてもよく、また導波管部材201、202又は203の任意の1つ以上、又は他の同様のモジュール型導波管部材をカラー26上に設けてもよい。さらに、通過する光を偏光させる導波管の能力が異なる場合に限っては、そのような導波管を、偏光エミッタや、偏光を感知できるセンサのいずれかと共に使用してもよい。
【0076】
導波管を形成する201、202及び203等の複数の異なるモジュール型導波管部材を使用すると、選択したキー特性を有するよう導波管をカスタマイズできる単純化された機構の導波管を提供することができる。
【0077】
例えば、図4に図示する好ましい実施形態においては、適切な導波管と共に、キーエミッタ55とキーセンサ56の両方が示されている。本発明によれば、キーエミッタ55を設けることは必須ではない。導波管を通過し、かつキーセンサによって感知されることとなる電磁波は、外部光源、例えば、あらゆる環境光、例としては洗面所の照明による周辺光や自然の太陽光等の外部光源由来のものであってもよい。例えば、図1に示すように、図1に220として示す囲い枠16の前方部を、電磁波を透過させ、該前方部を透過した電磁波を、図2に示すカラー26の最前面221に当てる構造としてもよい。この際、最前面221を平坦で、かつ前方を向いた構造にして、カラー内の導波管へと光が入る入射点とすることもできる。この場合は、電磁波センサ56を設けるのみでよいことになる。
【0078】
別の形態としては、導波管の側面又は底部の適切な面に導波管への外気の入口を設け、外部源から電磁波が導波管へと入射することができるように配置することができる。図2の概念の他の例として、ボトル及びボトル22内の流体は、光をボトル22内下方へと通過させ、下側肩部192を通し、カラー26の上方へ向いた面上へと届かせる、電磁波透過体としてもよい。このとき、導波管は、ボトル22の壁及び肩部、ボトル中の流体、並びにカラー26を含んでもよい。したがって、予め選択されるキー特性を設定する上で、ボトルの壁及び底部、並びに分配される流体の電磁波透過特性を適切に選択することができる。
【0079】
ボトル22の肩部192を通ってカラー26へと下方へ光が通過させる場合においては、ピストンチャンバ形成部材30の半径方向外側に延出するフランジ等のポンプアセンブリの構成部品を、導波管の一部として組み込むことが可能であろうし、このような場合には、ボトルの肩部192、又は支持板18を下方に通過し、ピストンチャンバ形成部材30の外側フランジ31を軸方向に通過して伸びる経路を、外側フランジ31の軸方向下方に配置されたセンサに対する導波管の一部として、導波管に組み込んでもよいであろう。導波管は、例えば軸方向にカラーを貫通するか、あるいはカラー26の一部を半径方向外向きに貫通する、などして、カラー26の或る部分において少なくとも部分的にカラーを通過するものが好ましい。このようにすることで、外側フランジ31から、作動ユニット12上に担持されたセンサまで光を結合する導波管として機能する。
【0080】
周辺光を用いてボトル及び/又はボトル中の流体の一部を通過させるだけでなく、例えば、電磁波を下方へ、又は側方へ、又はそれ以外の方向へ通過させる別のエミッタを設けて、電磁波をボトル及び/又はボトル中の流体の一部を通過させてセンサに受光させてもよい。
【0081】
用いられる電磁波の性質に関して、従来利用可能なセンサ及び/又はエミッタの多くを、可視光スペクトル中の電磁波を放射し、感知するのに使用できる。しかしながら、これは必須ではなく、可視スペクトル外の電磁波を使用することもできる。これは、例えば導波管の一部を含んでいてもよい任意のモジュール型コンポーネントの性能をマスクすることなどに有利である。例えば、非可視光の電磁波を透過させるよう適合されている限り、モジュール型の導波管エレメントが青、赤、又は黄色などの可視色を有しているように見えようが見えまいが、モジュール型ユニットの色の有無は模倣者を欺くための一助となり得る。
【0082】
図21について説明する。図21は、ある程度の差異はあるものの、図7に示すものと類似するキーカラー26を示している。第1に、図7のカラー26の掛止タブ45は、図を単純にするために省略してある。このような掛止タブを設けることは好ましいが、図7のように、カラーの前面に外向きに掛止タブを設ける必要はないが、例えば図7に示す位置とは正反対側のカラー後側などの別の位置に設けてもよい。第2に、図21に示すように、アーム60とアーム61の間に橋を架けるように薄い易壊性部材220が設けられている。
【0083】
図21には、キーカラー26に加えて、キーエミッタ55及びキーセンサ56を担持する別個のボード218が示されている。アーム60は、キーエミッタ55に垂直な端面62を含み、該端面62は、キーエミッタ55に略垂直な状態でキーエミッタにより固定されている。アーム61は、キーセンサ56に垂直となるように示され、かつキーセンサによって固定される端面63を含む。アーム60は、端面62に対して45度の角度をなして配置された、反射用外側ショルダー側面222を含む。アーム61は、同様に、端面63に対して45度の角度をなす反射用外側ショルダー側面223を含む。アーム60及び61は、突出部224によって形成されたブリッジ部材221、易壊性部材220及び突出部225によって連結されている。アーム60は、端面62に対し垂直に配置されている端面226に対して横向きかつ内方に延出する突出部224を有している。アーム61は、端面63に対し垂直に配置された端面227に対して横向きかつ内方に延出する突出部225を同様に有している。該端面227は、端面226とは逆の側に、端面226と間隔をおいて配置されている。易壊性部材220は、端面226と端面227のそれぞれに対して垂直方向に、該端面226と227の間に延出している。端面226及び227に対して平行に測定した場合、該易壊性部材220の断面積は、突出部224又は突出部225のいずれかの断面積と比べてかなり小さい。
【0084】
易壊性部材220は、プラスチックから射出成形することなどによって、キーカラー26と共に一体化したものとして形成するのが好ましい。
【0085】
図22は、キーエミッタ55からキーカラー26を通ってキーセンサ56へと透過する際に電磁波が取ることができる2つの経路を概略的に示した上面図である。一方の破線は、短い方の光路64を示すが、ここでは、端面62に垂直なキーエミッタ55からの電磁波は、ショルダー面222で反射され、突出部224を通って進み、易壊性部材220を通り、突出部225を通ったあと、ショルダー面223で反射され、端面63に対し垂直方向へアーム61を通過して、キーセンサ56によって感知される。別の長い方の光路264を、図22に破線で示してある。該光路264は、アーム60の内部を通過し、キーカラー26の円周部分を周回し、アーム61を経て、キーセンサ55に至る。
【0086】
図23を参照する。ここでは、図22における易壊性部材220を通る切断面C−C’に沿う断面の側面図を示しており、したがって、この断面図においては突出部224が示されていない。断面図で見られるように、図23では、図2に示すタイプに類似している作動ユニット48に固定された1対の弾性キャッチ部材230及び231を概略的に示している。作動ユニット48に対してキーカラー26を連結するには、キーカラー26を作動ユニット48へ向けて後方に、矢印239によって示す方向に、スライドさせることにより行うのが好ましい。
【0087】
2つの弾性キャッチ部材230及び231は、作動ユニット48に固定されているものとして、その断面図を概略的に示す。このキャッチ部材230と231は、前方を向くカム面232及び233をそれぞれ有する。カム面232及び233は、キーカラー26を相対的に後方へ移動させることで易壊性部材220と係合し、易壊性部材220の経路の外側へと、弾性キャッチ部材230及び231を上方へ又は下方へと歪曲させて、易壊性部材220が、キャッチ部材230及び231それぞれに設けられているキャッチショルダー234及び235のそれぞれの後方へ収容されるようにする。そこで、キャッチ部材230及び231は、その固有の偏向(バイアス)によって、図23に示すような掛止位置にまで動く。その掛止位置では、易壊性部材220の前方表面の前側にキャッチショルダー234及び235が配置されている。
【0088】
キーカラーを前方にスライドさせ作動ユニット48から離して、キーカラー26を取り外そうとしても、キャッチ部材230及び231が易壊性部材220に係合し、前方には移動できないようになっている。易壊性部材220は、キーカラー26を前方にスライドさせる際に容易に加えることができる手の力によって破壊され、切断されるような物質であって、かつそのようになる構造を有することが好ましい。その結果、作動ユニット48に連結している状態から、キーカラー26を前方へ移動させ、キーカラー26を取り外したりすると、この易壊性部材220は破壊され、好ましくはキーカラー26から切り離される。
【0089】
その結果、易壊性部材220が破壊されているか、あるいは取り除かれているキーカラー26がディスペンサへ再挿入されても、電磁波に易壊性部材220を透過させるための光路64はもはや存在しない。このように、キーカラー26を取り外す際に易壊性部材220が切断されることにより、キーカラー26内に形成された導波管の電磁波透過特性は変化することとなる。キーセンサ26が感知する電磁波の性質が変わり、ディスペンサ制御機構は、この変化にどのように対処するかについての適切な命令、例えばディスペンサの作動を許可しない命令などを与えることができる。
【0090】
図24を参照する。図24は、いくつか違いがあるものの図7に示したものに類似しているキーカラー26の第8の実施形態を示す。まず、図24においては、アーム60とアーム61とはブリッジ部材221によって連結されている。ブリッジ部材221は、端面62及び63に対し垂直に切断したときの断面積が、2つのアーム60と61の間で実質的に一定である。
【0091】
次に、アーム61の外側面238から横向きに延出するように、片持ち梁状に突出した易壊性部材220が設けられている。該易壊性部材220は、アーム60に一方の端部だけが固定されている。易壊性部材220は、アーム61の端面62に対して垂直に切った場合、その断面積がアーム60の断面積と比較して著しく小さい。
【0092】
図21の実施形態と対照的に、図24では、第1のキーエミッタ55と、並列の第2のキーエミッタ255という2つのキーエミッタが設けられている。第1のキーエミッタ55は、アーム60の端面62中へと電磁波を向けるように配置されている。第2のキーエミッタ255は、易壊性部材220上の表面262と係合し、かつ易壊性部材220中へと電磁波を向けるような位置に設けられている。キーセンサ56は、アーム61の端面63に係合する。図24の実施形態において、易壊性部材220は、ディスペンサからキーカラー26を離脱させると、キーカラー26から切断されるか、又はキーカラーから脱離するように適合されている。
【0093】
図24に示すように、易壊性部材220がキーカラー26に結合していれば、第2のキーエミッタ255からの電磁波は、易壊性部材220を介して導波管に入射し、キーセンサ56によって受光されることになる。しかしながら、易壊性部材220がキーカラーから切断されているキーカラーが連結されている場合には、キーセンサ56は第2のエミッタ255からの電磁波を受光しない。2つのキーエミッタ55及び255を設けているものの、易壊性部材220が取り除かれたことを感知するためには、キーエミッタ255があれば充分である。
【0094】
図24の易壊性部材220はキーカラー26から切断される必要はない。代わりに、例えば、第2のキーエミッタ255から離れる方向へと屈曲した位置に、例えば45度方向の位置になるよう、前方に屈曲させることで、導波管透過特性を著しく変化させて、第2のキーエミッタ255からの電磁波が、なんとか導波管に入射してキーセンサ56によって感知される程度にまで著しく減少させてもよい。
【0095】
図24では、アーム60の端面62と同一平面上にある表面262を介して易壊性部材の中へと電磁波が向けられている。別の形態として、キーエミッタ255は、他の位置、例えば易壊性部材220の横側面264において易壊性部材220へと電磁波を向けるものであってもよい。この場合、センサ255も適切な位置に再配置すればよい。
【0096】
図24に、複数のキーエミッタ55、255及び1つのキーセンサ56の使用状態を示す。当然ながら、同様の配置で、易壊性部材220に連結された少なくとも1つのキーセンサ、及びアーム61へ電磁波を入射する1つのキーエミッタとして、キーセンサを1つ以上使用することができる。
【0097】
図25を参照する。図25には、図1〜図5に示したリザーバボトル22に類似するリザーバボトル22が示されている。但し、着目すべき差異として、図25のリザーバボトル22は、その下端から下方へ延出する易壊性部材220を備えている。この易壊性部材220は、比較的薄い板状部材の形態であり、プラスチック材料などからリザーバボトル22と共に一体的に形成されており、導波管の一部として機能するようになっている。図26に水平面で切った断面図を概略的に示しているように、上記易壊性部材220は、ボトル22を後方にスライドさせて挿入する際に、後方にスライドすることでキーエミッタ355とキーセンサ356の間に収容されるようになっている。易壊性部材220は、リザーバボトル22を取り外すと、切断されるか脱離するようになっている。リザーバボトル22の該易壊性エレメント220は、導波管の一部として機能する。ボトル22の該易壊性エレメント220は、他の実施形態として、又は実施形態の組み合わせにおいて、キーカラー26及びその導波管の代替物としてもよい。
【0098】
易壊性部材220は、図25のリザーバボトル22や、図21及び図24のキーカラー26に結合するように示されている。導波管の一部を構成する同様の易壊性部材は、ポンプアセンブリに結合していてもよく、この場合、例えばピストンチャンバ形成部材30に対して結合しているのが好ましい。
【0099】
易壊性部材220の特性としては多種多様なものが考えられる。その目的は、離脱可能なコンポーネント(好ましい実施形態においてはリザーバアセンブリ12を含む)を挿入又は離脱すると、離脱可能なリザーバアセンブリ12に担持されている導波管の一部が変化して、その結果、制御システムが、リザーバアセンブリ12が2度以上連結又は分離されたことを認識し、ディスペンサを制御してこの変化にどのように対処するか、適切な選択を行う、といった構成を提供することである。上記ディスペンサの制御の一例としては、リザーバアセンブリが2度以上連結又は分離されたことを該制御システムが認識すると、制御システムが物質の分配を抑止する例が挙げられる。
【0100】
他の例として、リザーバアセンブリが2度以上連結又は分離されたことを制御システムが認識すると、制御システムがその後、所定回数のみピストンポンプの作動を許可し、その後は分配できないようにする例が挙げられる。図24の実施形態においては、2つの別個の光路、すなわちキーエミッタ55とキーセンサ56の間の第1の光路、及びキーエミッタ255とキーセンサ56の間の第2の光路が存在する。考えられる制御システムの感知の仕方は以下の通りである。
A:2つとも肯定(ダブルポジティブ)
第1の光路を通過した電磁波を感知し、かつ第2の光路を通過した電磁波も感知する、との意味。
B:2つとも否定(ダブルネガティブ)
第1の光路を通過した電磁波を感知せず、かつ第2の光路を通過した電磁波も感知しない、との意味。
C:第1が肯定/第2が否定(ファーストポジティブ/セカンドネガティブ)
第1の光路を通過した電磁波を感知するが、第2の光路を通過した電磁波は感知しない、との意味。
D:第1が否定/第2が肯定(ファーストネガティブ/セカンドポジティブ)
第1の光路を通過した電磁波を感知しないが、第2の光路を通過した電磁波は感知する、との意味。
【0101】
制御システムが作動を認める第1の規則は、好ましくは、制御システムが第1の光路を通過した電磁波を感知した場合、即ち(A)ダブルポジティブか、(C)ファーストポジティブ/セカンドネガティブの場合のみ作動を認める、というものである。
【0102】
制御システム用のカウンタ機構は、電磁波が第1の光路を通過したとき、従って条件(A)のダブルポジティブか、条件(C)のファーストポジティブ/セカンドネガティブのいずれかの条件下でピストン32の作動回数をカウントする。作動の第2の規則は、好ましくは、カウンタ機構を最後にリセットしてからのカウント数が最大作動回数に達した後は、ポンプを作動させないようにする、というものである。最大作動回数は、使用されている任意のリザーバアセンブリ内の流体の体積と、典型的な作動においてピストン32によって分配される液体の量である一回の分配体積を考慮して選択できる。例えば、リザーバアセンブリが1リットルで、1回の分配体積が1mlであれば、最大作動回数は、例えば1000回と選択できる。但し、好ましくはストロークの誤差を考慮し、幾分余裕をみて、例えばさらに5〜25パーセント追加し、従って、好ましくは1050回〜1250回の作動回数を最大作動回数と選択することができる。
【0103】
カウントは、制御システムが第1の光路を通過した電磁波を感知しなくなった後、即ち、条件(B)のダブルネガティブか、条件(D)のファーストネガティブ/セカンドポジティブの後、引き続き(A)ダブルポジティブを感知する時点でゼロにリセットされるのが好ましい。この状態は、(B)ダブルネガティブが感知されるようにリザーバアセンブリが離脱され、次に無傷の易壊性部材220を有する新品のリザーバアセンブリが装着された状態に相当する。この状態では、リザーバアセンブリは、流体で満たされているリザーバを有していると予想されるため、カウンタをゼロにリセットし、通常通り、リザーバから全ての流体を分配するためのディスペンサの作動を許可するのが合理的である。但し、好ましくは、合理的な必要に応じて最大作動回数を超える作動を行ってリザーバが空になった場合には、作動を停止する。ダブルポジティブが継続している際に、作動を停止するために用いられる最大作動回数を設定することは、必須ではないものの好ましい。
【0104】
リザーバアセンブリがその後離脱された場合には、カウンタ機構がカウントしている条件から、条件Bのダブルネガティブが感知される。リザーバアセンブリが離脱された後に同リザーバアセンブリが再連結された場合、そのリザーバアセンブリには易壊性部材220が付属していない。再連結の際、条件Cのファーストポジティブ/セカンドネガティブが感知される。そのような感知の際には、制御システムはカウンタを0にして再スタートすることはなく、同一のカウントを継続することになる。これにより、離脱された後に再連結されたリザーバアセンブリは、分配を引き続き行えるが、但しこれは最大作動回数に至るまでに限られる。このように、同じリザーバアセンブリを数回離脱し、再連結してもよく、この場合、カウンタ機構によりカウントが引き続き行われ、最大作動回数に至る時までは作動が許可される。
【0105】
リザーバアセンブリが離脱された後、第1の光路か第2の光路のいずれかを含まないリザーバアセンブリが連結された場合には、条件(B)のダブルネガティブとなり、分配は行われない。同様に、条件(D)のファーストネガティブ/セカンドポジティブとなるリザーバアセンブリが装着された場合にも、分配は行われない。
【0106】
条件(A)のダブルポジティブが継続している状態で最大作動回数に到達した際に分配を停止するように、カウンタ機構が作動可能か否かに関わらず、ファーストポジティブ/セカンドネガティブの条件(C)になれば、最大作動回数に達した際にカウンタ機構が分配を停止するのが好ましい。
【0107】
上記カウンタ機構は、条件A、B、C又はDのうちいずれかが存在するか否かに関わらず、ピストンの作動回数をカウントし、例えば、ディスペンサの寿命と総使用回数を示すような別の累積回数カウント機能を有していてもよい。当然ながら、カウンタ機構と各カウンタ機構の上述の最大作動回数は、リザーバの体積や、分配される流体の性質、ピストンのサイズ又はストローク等に応じて適宜変更することができる。同様にカウンタ機構の該最大作動回数は、流体が全て確実に分配されるように、あるいはリザーバから全ての流体が分配される前に確実に作動が停止するように選択される。
【0108】
本発明は、2つのキーシステムを感知してディスペンサの作動を制御する、二重鍵(デュアルキー)システムの使用を教示するものである。好ましい実施形態では、両方のキーシステムが光学式システムである。但し、これは不可欠ではなく、本発明は、キーシステムの一方又は両方が光学式ではなく、他のタイプのキーイングシステムである二重鍵システムをも含む。そのような他のタイプのキーシステムとしては、機械式キーシステム、磁力式キーシステム、電波式キーシステム、光学スキャナ式キーシステム、電気的キーシステム及びコンデンサ型キーシステム、並びに、1以上の上記キーシステムを互いに組み合わせるか、あるいは1以上の上記キーシステムと光学式キーシステムとを組み合わせたものが挙げられる。例えば、図26および24において、255及び355で示されたエレメントは易壊性エレメント220の有無を感知するコンデンサのみを含んでいてもよい。別の変形物としては、易壊性エレメント220はマグネット片の形態のような磁石を担持していてもよく、またエレメント255と355は磁気検出器を有していてもよい。易壊性エレメント220はバーコードやユニバーサルプロダクトコード等の機械可読な光学式表示を有していてもよく、エレメント255と355はバーコードリーダー等の光学式読み取り機を有していてもよい。易壊性エレメント220は、相補的なセンサであるエレメント255及び355によって受動的、能動的、又は半能動的に感知される電波式識別(RFID)タグ又はトランスポンダを有していてもよい。
【0109】
離脱可能なリザーバアセンブリを連結又は分離する際に変化する2次キーイングシステムを離脱可能なリザーバアセンブリ上に備えていると、図24を参照して説明される作動の範囲内において、ディスペンサの作動の制御を改善することができる。この場合、上述のように制御が行われるが、とりわけ、同じリザーバアセンブリをディスペンサに連結及び再連結して、上述のようにポンプの作動回数が最大作動回数に達するまで分配が行われるようにできる。光学的易壊性部材、磁気的易壊性部材、またはRFIDタグやバーコードを有する易壊性部材、又はその他の易壊性部材は、本出願において光学的なものとして開示した1次キーイングシステムのみならず、Reynoldsらの米国特許出願公開第2006/0124662号明細書に記述した、電気コイル/コンデンサタイプシステムを使用するもの等の他のキーイングシステムとも一緒に使用できるであろう。離脱可能なリザーバアセンブリ上の光学的なキーシステムの構成部品がすべて射出成形等によってプラスチックから簡便に作成できるという点で、ここに提案する好ましい実施形態で述べたような光学的なキーシステムが好ましい。
【0110】
離脱可能なリザーバアセンブリ12をディスペンサに連結する際の導波管特性の変化に関し、リザーバアセンブリ12の選択された易壊部は、該リザーバアセンブリを離脱するときではなく、連結又は挿入するときに、脱離するものとすることができる。易壊性部材の脱離又は切断により導波管が変化する必要はない。導波管の一部を含む離脱可能なリザーバアセンブリ12の一部分を、連結する際にはキーエミッタ又はキーセンサに対して適位置に配置にされるように、離脱したり再挿入したりする際には同一の物理的配置にはならないように、曲げたり、反らしたり、それ以外の他の処理をすることができる。
【0111】
リザーバアセンブリ12が再使用できるように、図23に示すキャッチ部材230及び231等のキャッチ機構を取り外して易壊性部材220の切断を防ぐことなどにより、本発明のデバイスが無許可で不正に改造される可能性がある。また、リザーバアセンブリ12から易壊性部材220が切断された後に、電磁波の経路が変更されていないように見えるように適当な位置に易壊性部材を固定するような試みが行われる可能性もある。このような不正な改造の問題を克服する方法としては、作動回数をカウントして、リザーバアセンブリ12のリザーバボトルが空の状態になると考えられる作動回数を算出する制御機構を準備し、リザーバボトル22が空であると認識された後は、例えば易壊性部材がないことを感知した後で易壊性部材が存在することを感知するなどという手順で、キー部材が取り外されて交換されたことを制御機構が認識するまでは使用させない、などといったことにより作動を抑止する方法などが挙げられる。この方法では、例えばキーエミッタ、キーセンサ及び光路を感知する部材がさらに必要となる場合もある。キャッチ部材230又は231は、その物理的位置によって、及び/又は、実際に該キャッチ部材が確実に無傷であるかを確認する制御システムにより何らかのテストを課すことによって、取り外しを防止できるであろう。
【0112】
図1に示した好ましい実施形態においては、リザーバアセンブリ12は、鉛直方向に下方へ移動させ、次いで、後方へスライドさせることなどにより離脱することができる。当然ながら、種々の構成において、リザーバアセンブリ12は、鉛直方向下向きに動かすか、又は例えば水平方向へと若しくは下方後方へと角度をつけてなど、一方向にスライドさせるだけで、ディスペンサの残りの部分に連結することができる。当然ながら図に示されている好ましい実施形態においては、支持板18を貫通する垂直の開口部は、キーカラー26を含むリザーバアセンブリ12の下端を下方に通過させることが可能な大きさにすべきである。この場合、リザーバアセンブリは下方に通過させた後で後方へスライドさせる。
【0113】
例示された好ましい実施形態では、光学センサ又はエミッタは、電磁波が透過することになる導波管に実質的に接触しているように示してある。このことは好ましいことではあるが必須でない。なぜなら光は空気中でも伝達され、それによりセンサやエミッタ、及び導波管の入口や出口の相対的な位置関係のバリエーションが増えるからである。
【0114】
本発明によれば、その中を電磁波が透過する種々の導波管はフォトクロミックであってもよく、またフォトクロミック部位を有していてもよい。図7をもう一度参照すると、カラー26は、可逆性フォトクロミック色素を少なくとも1種含むプラスチック材料から射出成形等により形成されていてもよい。可逆性フォトクロミック色素とは、固有の性質として未励起状態である色素である。励起されていない、即ち未励起状態の色素は、「励起波長」領域内にある励起電磁波をある「線量(dose)」で、その色素に照射して、励起状態にすることによって励起できる。上記線量の励起電磁波を最後に照射してからある期間経過した後に、可逆性フォトクロミック色素は未励起状態に戻る、好ましくは固有の性質として未励起状態に戻る。色素が励起されていない、即ち未励起状態において、色素は、「試験波長」領域内の電磁波を吸収する能力が、該色素が励起されている、即ち励起状態にある場合とは異なる。典型的には、未励起状態にある色素は、試験波長領域内の電磁波を吸収する能力が相対的に低く、その結果、第1の色素が励起されていない状態においては、フォトクロミック導波管64は、試験領域内の電磁波の相対透過率が比較的高いという「固有の透過特性」を有する。上記色素が励起されている、即ち励起状態においては、典型的には、色素は、色素が励起されていない場合における試験波長領域内の電磁波を吸収する能力よりもかなり高い能力で試験波長領域内の電磁波を吸収する。その結果、色素が励起されると、フォトクロミック導波管64は、試験波長領域内の電磁波の相対透過率について、色素が励起されていないときのフォトクロミック導波管の固有の透過特性とは異なる「励起状態透過特性」を有することになる。フォトクロミック導波管の励起状態透過特性は、典型的には、上記透過特性に比べ、試験波長領域内の電磁波の導波管中の透過率がかなり低くなる。但し、より大きな透過率とすることもできる。
【0115】
簡単な例として、カラー26は、好適な線量の紫外光、好ましくは350〜410nmの領域の光の照射で完全に励起されるオックスフォード・ブルー・リバーサコル(Oxford Blue REVERSACOL TM)可逆性フォトクロミック色素を含有する低密度ポリエチレンから射出成形によって形成できる。励起されていない色素を含んで導波管を形成するプラスチックは、好ましくはほぼ無色透明で、比較的高い光透過性を有する。オックスフォード・ブルー・リバーサコル色素が紫外波長の励起電磁波をある線量、照射することによって完全に励起されると、該色素は試験波長領域内の青の光を吸収し、可視光スペクトルにおいてオックスフォード・ブルーを呈する。色素が励起されると、導波管64を形成するプラスチックは、オックスフォード・ブルーの色を呈する。色素が励起されると、試験波長領域内のオックスフォード・ブルー光は励起された色素によって吸収されることから、オックスフォード・ブルー色を表す試験波長領域内の可視光の導波管64中の透過は著しく阻害される。従って、励起された場合に、第1の色素が励起されていないときの導波管64の固有の透過特性(この導波管において、オックスフォード・ブルー色を表す試験波長領域内の可視光の透過率はかなり高い)に比べて、オックスフォード・ブルー色を表す試験波長を有する可視光の透過率が相対的に低いという励起状態透過特性を有する導波管64が上記色素により提供される。
【0116】
オックスフォード・ブルー・リバーサコル色素を用いるこの例における、励起波長領域内の励起電磁波の線量は、紫外光、好ましくは350〜410nmの波長領域内の光のある線量である。電磁波の上記線量は、色素を完全に励起するのに必要な量の適切なエネルギーを供給するものであり、簡単な実験によって決定できる。導波管の色素が最後に完全に励起されてから、導波管の色素が励起されていない状態に戻るまでに必要な復帰時間は、色素の退色速度とプラスチック中の色素の濃度によって左右される。オックスフォード・ブルー・リバーサコル色素に関しては、プラスチック中の色素の濃度は、ある復帰時間、例えば5分となるように選択し、例えば1分後には、導波管を形成するプラスチックがほんの僅かに青色を呈し、例えば5分後には、色素が未励起状態となり、導波管を形成するプラスチックがほぼ無色透明の固有の外観に戻るようにすることができる。
【0117】
上述の例、及び図1〜8に図示した実施形態における可逆性フォトクロミック色素の導波管64を用いる実施形態の範囲内において、キーエミッタ55としては、(a)上記色素の励起波長領域内の電磁波、即ち、350〜410nmの領域内の紫外波長の電磁波、及び(b)オックスフォード・ブルー色によって表される波長の可視光を表す試験波長領域内の電磁波の両方を選択的に放射できるエミッタが選択される。作動ユニットの制御機構は、制御された回数分キーエミッタ55を作動させて、導波管64内の色素を励起させるのに適切な線量の紫外励起波長領域内の励起電磁波を放射できる。制御機構はオックスフォード・ブルー色を表す試験波長領域内の電磁波が所望の回数分放射されるようにキーエミッタ55を制御する。制御機構は、励起波長領域内の励起電磁波及び試験波長領域内の試験電磁波のそれぞれの放射のタイミング、強度、エネルギー、及び持続時間を制御するのが好ましい。
【0118】
キーセンサ56は、導波管64を通過した電磁波を感知するように構成されている。具体的には、試験波長領域内の電磁波、即ち、オックスフォード・ブルー色の波長領域内の電磁波の放射のタイミング、強度、エネルギー、及び持続時間を、とりわけ経時的に、感知するように構成されている。
【0119】
フォトクロミック導波管64を用いた図1〜8の装置の好ましい作動方法としては、導波管へと励起電磁波を選択的に入射させることにより、導波管中のフォトクロミック色素の励起状態と未励起状態とを経時的に選択的に制御する制御された方法が挙げられる。フォトクロミック導波管がオックスフォード・ブルー試験波長領域内の電磁波に対して所定の相異なる複数の透過特性を有する場合に回数を制御する制御機構を用いると、該制御機構は、選択した回数分、オックスフォード・ブルー色の試験波長の試験電磁波をキーエミッタ55を介して入射させて、導波管64を透過した試験電磁波のオックスフォード・ブルー色の試験波長の相対量をキーセンサ56を介して感知できる。
【0120】
この方法により、ディスペンサを制御することで、特定のオックスフォード・ブルー・リバーサコル可逆性フォトクロミック色素を含む導波管のうち、ディスペンサに連結されたものがあるか否かを判定することができる。ディスペンサに連結された導波管64がオックスフォード・ブルー・フォトクロミック色素を含むか否かの判定は、フォトクロミック色素が導波管中に存在していれば励起されるはずである時点で、導波管を透過した試験電磁波を感知することによって行うことができる。この方法は、色素を励起するのに適切な線量の紫外励起電磁波である入射電磁波をキーエミッタ55から導波管64へと入射させて導波管64内を透過させ、色素を励起するのに充分な上記線量の紫外励起電磁波を入射させて色素が存在すれば励起状態となっているようにした後、さらにオックスフォード・ブルーに呈色した試験電磁波をキーエミッタ55から導波路64へと入射させて、入射電磁波としてその導波路を透過させた後に、キーセンサ56で、導波管64を透過したオックスフォード・ブルー波長の電磁波の相対量を感知し、感知されたオックスフォード・ブルー波長の電磁波から、導波管64を透過したオックスフォード・ブルー波長の電磁波の相対透過率がしきい値の上か下かを判定することにより行うことができる。透過したオックスフォード・ブルー波長の電磁波がしきい値を上回ると感知された場合は、第1の導波管が励起状態透過特性を有さず、導波管64がオックスフォード・ブルーフォトクロミック色素を含んでいないことを示している。キーセンサ56によって感知された、透過したオックスフォード・ブルー波長の電磁波がしきい値を下回ると判定された場合には、導波管が励起状態透過特性を有しており、導波管64がオックスフォード・ブルー・フォトクロミック色素を含んでいることを示している。導波管がオックスフォード・ブルー・フォトクロミック色素を含んでいると示されたか否かに応じて、制御機構はディスペンサの作動を制御してもよい。
【0121】
上述の、導波管64がオックスフォード・ブルー波長のフォトクロミック色素を有しているか否かを判定するためのテスト方法では、励起されたオックスフォード・ブルーフォトクロミック色素を含んでいる導波管64と、恒久的にオックスフォード・ブルー波長の色を有している導波管64とを判別することができない。上記方法は、励起されていないと予想される導波管の能力をテストして、試験波長領域内の試験電磁波の透過性が、固有の透過特性に適合するか否かを調べるステップをさらに含むのが好ましい。導波管64が励起状態となっているはずの時点で、未励起のオックスフォード・ブルーフォトクロミック色素を含む導波管64と合致するような、オックスフォード・ブルー試験電磁波の透過能力を導波管64が有するか否かを判定する方法においてディスペンサを作動させてもよい。作動ユニット48のための制御機構は制御を行い、導波管64がオックスフォード・ブルー・フォトクロミック色素を含んでいる場合に、導波管64が励起状態であるか未励起状態であるかを認識する。制御機構は、(a)紫外励起電磁波が少しでもキーエミッタ55から放射される前、又は(b)色素を励起するための紫外電磁波を最後に入射させてから復帰時間が経過した後には、オックスフォード・ブルー色素を含む導波管64が励起状態ではないと想定する。オックスフォード・ブルー・フォトクロミック色素が導波管64中に存在している場合に、その色素が励起されていないと制御機構が判定する時点で、以下のテスト手順が行われる。キーエミッタ55から、オックスフォード・ブルー波長の試験電磁波を含む入射電磁波を導波管64に入射させる。同時に、キーセンサ56を用いて、導波管64を透過したオックスフォード・ブルー色の試験波長領域内の透過電磁波を感知する。次に制御機構は、感知されたオックスフォード・ブルーの透過電磁波から、オックスフォード・ブルー波長の電磁波の相対透過率に関する判定を行う。感知されたオックスフォード・ブルー波長の電磁波が設定したしきい値を下回る場合には、導波管はオックスフォード・ブルー可逆性フォトクロミック色素を含んでいないことを示している。感知されたオックスフォード・ブルー波長の電磁波が相対透過率のしきい値を上回る場合には、導波管がオックスフォード・ブルー可逆性フォトクロミック色素を含んでいることを示している。
【0122】
キーエミッタ55からキーセンサ56へと導波管を通過するオックスフォード・ブルー波長の試験電磁波の相対透過率(比透過率)の判定に関し、制御機構は、キーエミッタ55によって放射されたオックスフォード・ブルー波長の試験電磁波を、センサ56によって感知されたオックスフォード・ブルー波長の試験電磁波と比較することができる。あるいは、例えば、キーエミッタ55によって放射されたオックスフォード・ブルー試験電磁波の最初に設定した強度を知った上で、キーセンサ56によって感知されたオックスフォード・ブルー試験電磁波の相対強度(比強度)そのものを、導波管がオックスフォード・ブルー試験電磁波を透過する相対的能力を示すものとすることができる。
【0123】
可逆性フォトクロミック色素が励起状態から未励起状態へと変化するために、ある波長領域内の電磁波が必要とされる場合には、制御機構は、例えば、キーエミッタを制御して該電磁波を入射させるなどして、該電磁波の導波管への適用を制御することができる。
【0124】
図7に示すようなカラー26の使用は上述したが、ここでは導波管64はプラスチック材料から単一のユニットとして射出成形により形成されている。この導波管64は電磁波を透過させるものであって、オックスフォード・ブルー・リバーサコルフォトクロミック色素をフォトクロミック色素の1つとして含んでいる。しかしながら、そのようなカラー26は、2以上のフォトクロミック色素、例えば、2、3、4、又は5以上の異なるフォトクロミック色素を含んでいてもよい。異なるフォトクロミック色素の特性は適宜選択することができる。例えば、異なるフォトクロミック色素はそれぞれ、同じ励起波長領域を有する励起電磁波によって励起されるものであってもよく、例えば、全部の色素が紫外光によって励起されるものであってもよい。異なる各フォトクロミック色素を励起するための上記紫外光の励起電磁波線量は同じであっても異なっていてもよく、例えば、1つの色素を励起するのに必要なエネルギー量が、他の色素を励起するのに必要なエネルギー量と異なる場合には、照射する励起電磁波のエネルギー量を変えることで、どのフォトクロミック色素を励起するか、制御することができる。
【0125】
好ましい実施形態の1つにおいては、それぞれ同じ励起波長、例えば同じ紫外光で励起され、かついかなる線量の該紫外光によってもほぼ同じ程度に励起されるフォトクロミック色素を2つ以上用いることもできる。フォトクロミック色素はそれぞれ、励起される際に選択的に吸収する試験波長領域を有し、例えば、励起されると別の色となるようなものであってもよい。またそれぞれ、未励起状態においては可視光を透過させるほぼ透明なものであって、導波管が実質的に無色となるものが好ましい。活性化されると着色するようなフォトクロミック色素を参照することで、至極簡単に、フォトクロミック色素が励起された場合に、特定の試験波長の電磁波、このケースでは特定の色の可視光に相当する電磁波を吸収する能力が高くなることを示すことができる。
【0126】
導波管が、可逆性のフォトクロミックな第1の色素を含むか否かを判定する方法を用いてディスペンサを制御するものとして、上では述べてきた。類似の方法においては、さらに可逆性のフォトクロミックな第2の色素、可逆性のフォトクロミックな第3の色素、又は他の異なる可逆性フォトクロミック色素をも上記導波管が有しているか否かを判定するようにしてディスペンサを作動させてもよい。もし2つ以上の異なる可逆性フォトクロミック色素が同一の励起波長領域内の励起電磁波によって励起されるのであれば、これらの色素は同時に励起される。従って、フォトクロミック色素それぞれに対する試験電磁波を放射し、そのフォトクロミック色素それぞれに対する試験電磁波の透過を感知することができ、その際各フォトクロミック色素は励起される。
【0127】
複数のフォトクロミック色素が同じ導波管64に含まれている場合、異なる励起波長を有する励起電磁波によって励起されるフォトクロミック色素を利用することができる。例えば、上記導波管中の第1のフォトクロミック色素は、紫外光、可視光、又は赤外光のうち1種(これらの光の波長領域を第1励起波長領域とする)の電磁波によって励起させ、さらに第2のフォトクロミック色素は、第1励起波長領域外の異なる第2励起波長領域の電磁波の照射によって励起させることができる。異なる所望の励起波長領域の励起電磁波を選択的に放射できるキーエミッタ55を用いることにより、2つの異なるフォトクロミック色素を、制御機構によって選択的に励起できる。
【0128】
同一の導波管中の2つ以上のフォトクロミック色素は、励起されると同一の試験電磁波を選択的に吸収する能力を有していてもよい。例えば、異なる励起電磁波を用いて、2つの異なるフォトクロミック色素を選択的に励起させてもよいが、フォトクロミック色素はそれぞれ、オックスフォード・ブルー波長の光を吸収してもよい。また、以下の種々の条件:
(1)フォトクロミック色素のいずれもが励起されていない;
(2)フォトクロミック色素の1つが励起されており、フォトクロミック色素のもう一方は励起されていない;又は
(3)フォトクロミック色素の両方が励起されている
の下で、オックスフォード・ブルー波長の試験電磁波の透過率を調べるための選択性に関するテストを行ってもよい。さらに、励起された場合にオックスフォード・ブルー波長を吸収する程度が異なる、即ち、オックスフォード・ブルー波長の透過率が異なる各フォトクロミック色素をどのようなものとするかは、フォトクロミック色素の両方が未励起か、1つのみが励起されているか、又は両方が励起されているかによって決定できる。
【0129】
本発明は、不可逆性フォトクロミック色素の使用も提供する。不可逆性フォトクロミック色素とは、励起波長領域内の励起電磁波に曝露した際に、試験波長領域内の電磁波を吸収する能力が比較的永続的な変化を起こす色素をいう。不可逆性フォトクロミック色素は、未励起の状態では固有の透過特性を有する導波管を提供する。この特性は励起された際の励起状態透過特性とは異なる。例えば、励起されていない時は、不可逆性フォトクロミック色素は、特定の試験波長の電磁波を有意には吸収しないが、励起された時には、特定の試験波長の電磁波を有意に吸収する。あるいは、不可逆性フォトクロミック色素は、励起されていない時には試験波長領域内の電磁波を有意に吸収するが、励起された時には、試験波長領域内の電磁波を吸収しない。
【0130】
本発明によれば、図7に示すように、カラー26は、不可逆性フォトクロミック色素を含むプラスチック材料からその全体を射出成形することができる。例えば、不可逆性フォトクロミック色素は、ある線量で、ある時間、紫外電磁波等の励起電磁波で励起した場合に、その色素を実質的に不可逆に励起させて、ある試験波長領域内の電磁波、例えば、赤色の可視光の電磁波を永続的に有意に吸収し、従って赤色を呈するように変化する色素であってもよい。
【0131】
本発明によれば、ディスペンサを制御して、作動サイクルのある時点で、不可逆性フォトクロミック色素を励起して、色素が永続的に赤色を有するようにし、導波管が赤色の波長の光を吸収できるようにしてもよい。
【0132】
例えば、図1〜8の実施形態において、例えば、離脱可能なリザーバアセンブリ12の挿入等による初期化の後や、その最初の使用の後に、制御機構は、導波管64中の不可逆性フォトクロミック色素を、例えば紫外光で励起するなどして励起して、その後の導波管が、赤色の光の波長領域内にある電磁波を選択的に吸収するという励起状態透過特性を永続的に有するようにしてもよい。初期化プロセスにおいて、ディスペンサ中での離脱可能なリザーバアセンブリ12の使用が許可される前に、制御機構は、導波管が赤色波長の電磁波を透過するかどうかを判定する好適な初期化テストを行うのが好ましい。導波管が不活性であるはずの時点において赤色の波長の電磁波が透過しないときは、そのリザーバを作動させないようにディスペンサを制御することができる。このように、特定の離脱可能なリザーバアセンブリ12及びそのカラー26がディスペンサアセンブリにおいて使用された後はいかなるものであっても、不可逆性フォトクロミック色素を励起させることにより、そのカラー26とその導波管には、リザーバアセンブリ12が離脱させた後でもう一度再使用するためにディスペンサに挿入し再初期化することができないものであるという永続的なしるしが付けられる。
【0133】
不可逆性フォトクロミック色素が、例えば赤色といった励起状態を永続的に採るよう励起される時点は、初期化後又は最初の分配後以外の時点とすることができる。例えば、離脱可能なリザーバアセンブリについて、挿入後でかつ離脱前であるが、好ましくは導波管64が認容可能な導波管であるとチェックした後であるいずれかの時点で、離脱後に再使用させないように導波管が有する不可逆性フォトクロミック色素を励起させてもよい。不可逆性フォトクロミック色素の励起は、最初の挿入後の設定された時点、例えば、挿入後に数時間、数日、又は数ヶ月の予め選択された期間が経過した時点、あるいは予め選択された量の流体がリザーバから分配されたと判断された時点、あるいは計算、見積り、又は予想上、予め選択された量の流体がリザーバから分配されたとされる時点で行うことができる。例えば、制御機構は、カウンタ機構が最後にリセットされてから最大作動回数がカウントされた後で不可逆性フォトクロミック色素が励起されるように、ピストン32の作動回数をカウントしてもよい。
【0134】
不可逆性フォトクロミック色素は、例えば、未励起時には試験波長の電磁波、例えば赤色の波長の光を吸収するように、かつ励起時には赤色の試験電磁波を吸収せずに従って透過するように選択することができる。そのような不可逆性フォトクロミック色素を用いることで、カラー26と導波管が励起されていない離脱可能なリザーバ12の初期挿入の際に、制御機構は、カラー26が固有の透過特性を有していること、即ち、赤色の波長の光を吸収することを確かめるためのテストを行ってもよい。その後、カラーに励起電磁波を照射することにより、フォトクロミック色素を励起し、赤色光の透過を増加させる透過特性を有するようにしてもよい。次に、導波管が赤色光の透過を許可するかどうかを確かめ、赤色光が適切に透過されない場合には作動させないようにするテストを行うこともできる。
【0135】
本発明によれば、1以上の不可逆性フォトクロミック色素を使用することができる。不可逆性フォトクロミック色素はそれぞれ、同一の又は異なる励起波長を有する励起電磁波によって励起することができる。不可逆性フォトクロミック色素はそれぞれ、その選択的吸収波長が同一の又は異なる試験波長の電磁波であってもよい。
【0136】
本発明によれば、図7の導波管26のような任意の特定の導波管は、それぞれが別個の励起波長領域内にある励起電磁波を有し、かつそれぞれが別個の試験波長領域内の電磁波を選択的に吸収できるように適合された1種以上の不可逆性フォトクロミック色素を含んでいてもよい。励起電磁波の種々の励起波長は同一でも異なっていてもよく、吸収される電磁波の種々の試験波長は異なっていても同じでもよい。
【0137】
不可逆性フォトクロミック色素は、受け取った励起電磁波の累計量によって、例えば徐々に、フォトクロミック色素が未励起状態から励起状態へと連続的に移る色素を含んでいてもよい。この場合、上記色素は、例えば、受け取った励起電磁波のエネルギーに比例して、試験波長領域内の電磁波を吸収する能力を増大させるような色素であってもよい。ある実施形態において、導波管26は、それぞれの励起波長が同じ(例えば紫外波長光)である可逆性フォトクロミック色素と不可逆性フォトクロミック色素の両方を含んでいてもよい。通常の使用中に、紫外電磁波を連続的に照射して、可逆性フォトクロミック色素を連続的に励起すると、不可逆性フォトクロミック色素はだんだんと励起されていき、最終的には、不可逆性フォトクロミック色素は完全に励起され、連結されるディスペンサ内でさらに使用することを許可するしきい値の最小値が満たされなくなるか、又はディスペンサから離脱され、再挿入される場合に、取替え用導波管として認容される必要が生じることとなる。
【0138】
本発明のある態様によれば、例えば図7に示すカラー26は、特定の色を有しているか、または着色がないかを人間の取扱者が目視で判別できるものが有利である。例えば最初の製造時点において、カラーは無色透明であってもよい。適当な入射電磁波の適用、及び適当な放射電磁波の感知がない場合、導波管がどのような固有の光透過特性を生じるかが使用者にとって明確でなく、従って、充分なテストや調査がなければ、その透過特性についての知見のない第三者が、導波管内でどのような具体的特性が示されるのか、またはどのような具体的特性を、用いようとするコンポーネントと適合させる必要があるのかを判断することは困難である。
【0139】
図9に示す実施形態は、導波管を形成する光ファイバ部材68を示している。当然ながら、光ファイバ部材68は、フォトクロミック色素を1つ以上含んでいるプラスチックを含んでいてもよい。図9に示す実施形態において、基部66は、第1のフォトクロミック色素を含むプラスチックから形成されていてもよく、上部67は、第2のフォトクロミック色素を含むプラスチックから形成されていてもよく、光ファイバ部材68は、第3のフォトクロミック色素を含むプラスチックから形成されていてもよい。キーエミッタ55から放射された電磁波は、基部66、上部67及び光ファイバ部材68のそれぞれに同時に入射し、それぞれを透過した電磁波が、キーセンサ56によって感知されてもよい。基部66、上部67又は光ファイバ部材68のうち、1つのみ、または2つのみがフォトクロミック色素を有していてもよい。
【0140】
図10及び11は、エレメント211、212、213及び214が選択的に電磁波のエミッタ、又は電磁波のセンサのいずれかである種々の実施形態を示す。同様に、図10及び11は、3つの光ファイバ部材105、106及び107のうちの1以上を導波管とする構成を示している。図10及び11において、少なくとも1つの導波管がフォトクロミック色素を含んでいるのが好ましいが、しかしながら導波管105、106及び107のそれぞれがフォトクロミック色素を1種以上含んでいてもよい。導波管105、106及び107はそれぞれ、異なるフォトクロミック色素を含有していてもよい。選択的に励起電磁波を入射させてかつ選択的に試験電磁波を入射させることで、上記種々の導波管のいずれかが、期待されるフォトクロミック色素を含んでいるか否かを判定する簡単な比較テストを行うことは、この分野の通常の知識を有するものの知識の範囲内である。
【0141】
図12の実施形態において、独立した個々の導波管インサート171、172及び173は、それぞれ、フォトクロミック色素を1種以上含んでいてもよい。同様に、図14に示された実施形態において、離脱可能であってもよい導波管延長部151及び152は、フォトクロミック色素を1種以上含んでいてもよい。図15及び20のそれぞれの実施形態において、導波管部材184、及び導波管部材201、202及び203は、それぞれ、フォトクロミック色素を1種以上含んでいてもよい。
【0142】
図13、14、21、22及び24の実施形態において、カラー26は、図7に示すカラーの場合、その全体を、フォトクロミック色素を1種以上含むプラスチック材料から射出成形により形成してもよい。あるいは、カラー26の種々のコンポーネントは、異なる部分には異なる別のプラスチックを選択的に用いて射出成形し、ある部分と別の部分とに含まれるフォトクロミック色素が別のものとなるようにしてもよい。例えば、図22に示す実施形態において、導波管264の円弧部分を含む環状部位が、図22に示す導波管64を形成するカラー26の一部分とは異なる量のフォトクロミック色素を有するプラスチックとなるように射出成形してもよい。
【0143】
図24の実施形態は、2つのキーエミッタ、即ち第1のキーエミッタ55及び第2のキーエミッタ255の使用を示している。異なる波長の励起電磁波又は試験電磁波のいずれかを導波管内へと選択的に入射させるよう、2つ以上のキーエミッタを備えるのが有利である。異なる波長の電磁波を放射するように適合可能な単一のエミッタを有することが好ましい。例えば図4に示すキーエミッタ55は、それぞれが所望の波長の電磁波を放射することができる種々の独立した放射デバイスの組み合わせであってもよく、この場合、全ての独立したエミッタから放射された電磁波が、最終的にはキーエミッタ55から放射されてもよい。
【0144】
図示された好ましい実施形態は、典型的にはプラスチック製のものとして説明される種々の導波管を示している。しかしながら他の光透過性材料も使用することができる。例えば、導波管は、ガラス製の導波管、特に、図9のガラス製の光ファイバや、図10及び11において105、106、107として、または図15において184として示した、独立した交換可能な導波管などのガラス製のものも使用できる。
【0145】
キーエミッタ55から導波管内へと放射され、導波管を透過して、キーセンサ56によって感知される電磁波は、好ましくは紫外光、可視光、及び近可視光である。ほぼどの波長の光でも好ましい。
【0146】
図1〜24に示す実施形態において、導波管は離脱可能なリザーバアセンブリ12の一部を形成するカラー26の一部としての特徴を実質的に有している。図25の実施形態においては、導波管はボトル22の一部、特に易壊性部材220として設けられている。しかしながら、当然のことだが、本発明の範囲内において、易壊性を有さず、単に導波管のみを提供する、220に類似の部材をボトル上に設けるのも好ましい。なおこの導波管はフォトクロミック色素を含むのが好ましい。
【0147】
本発明によれば、機構の作動に必要で、電磁波導波管、好ましくはフォトクロミック部位を含有する電磁波導波管を備えた、離脱可能でかつ交換可能なキーコンポーネントが開示される。キーイング部位は、導波管を提供するという機能に加え、機構を作動させる際にある機能を果たすものであるのが好ましい。この点において、最初の実施形態におけるカラー26は、ポンプアセンブリ24をボトル22に脱離しないように固定するという目的を果たすものである。図25に示すボトル22のケースにおいては、ボトル22は流体のリザーバとしての機能を果たす。これらの機能は、導波管として働く機能に付加されたものと理解されるものであってもよく、導波管を提供するという機能とは別個独立したものと捉えられてもよい。
【0148】
キーイングコンポーネントが機構の作動に必要なコンポーネントである場合において、本発明は、その目的が物質を分配することである機構のためのキーイングコンポーネントに限定されない。しかし、これは好ましい適用例である。機構が物質を分配するための装置である場合、交換可能なキーイングコンポーネントは、例えば、図1〜25に示すような固定カラー26と、図25に示すようなボトル22を含むものとして示されている。但し、キーイングコンポーネントは、このようなコンポーネントに限定されるものではない。
【0149】
図27〜29を参照する。図27〜29は、導波管、好ましくはフォトクロミック部位を含む導波管を備えたキーイングコンポーネントがボトル22を含んでいる、2つの代替の実施形態を示したものである。図25に示すボトル22の背面図において見られるように、一対の凹部250は背面方向に延在するように設けられており、ボトルのウェブ251によって仕切られている。図27で最もよく分かるように、ウェブ251は一対の側壁252と背面壁253を備えている。図27は分配装置中で固定されたボトル22を概略的に示したものである。ここで上記分配装置はキーエミッタ55及びキーセンサ56を担持する実装板254を備えており、該キーエミッタ55及びキーセンサ56は、電磁波をウェブ251の方に向けて、電磁波がウェブ251の中を透過するような向きに設けられている。ウェブ251は、電磁波が側壁252の内部を通過し、次に背面壁253を通ってもう一方の側壁252へと至り、キーセンサ56によって感知されるように構成されている。あるいは、電磁波はどちらかの側壁252を垂直に通過し、ボトル22内の各側壁252の間の空間を通り、他方の側壁252を通り抜けて、キーセンサ56に届いてもよい。さらに別の実施形態において、ウェブ251は、2つの側壁が実質的に1つの側壁をなしていて、その間に隙間が無いように設けることもできる。
【0150】
図28を参照する。図28は、図5及び図25に示されているものと類似のボトル22のさらに他の実施形態を示したものである。図28において、タブ29がネック27上に設けられている。図28のタブ29は、図5に示された固定タブ29と実質的に同じであるが、図28においては、タブ29はボトルの背面に設けられている。図29は、流体ディスペンサに固定されたボトル22を含んで、タブ29を通るネック27に垂直な面で切断した断面を概略的に示したものである。ここで上記流体ディスペンサは、キーエミッタ55とキーセンサ56を有する、図27に示されたものと類似の実装板を備えており、キーエミッタ55とキーセンサ56は、タブ29の対向する各側面25bに係合するように配置されている。このように、タブ29は電磁波を通す導波管として働き、タブ29は、好ましくはフォトクロミック色素を含有している。
【0151】
図30を参照する。図30は、交換可能なキーイングコンポーネントが、図5に示したものと実質的に同じポンプアセンブリ25のピストン32である構成を図示したものである。ピストン32は係合フランジ54を備えている。係合フランジ54は、図30の鉛直方向の断面図において示す通り、プレッサ部材が動くと、ピストン32が、図30の矢印257によって示される上下方向に運動できるように、プレッサ部材15と係合できるようになっている。プレッサ部材15は、その中を貫く嵌込溝257と、キャッチ部材258とを有するように示されており、これにより、係合フランジ54と係合して、係合フランジ54とプレッサ部材15を連結できる。プレッサ部材15は2つのキーエミッタ55と2つのキーセンサ56を有するように示されている。第1のキーエミッタ55は、係合フランジ54中へ、半径方向に、軸258に対し垂直方向に電磁波を向けるよう配置されており、半径方向及び円周方向に係合フランジ54を通って正反対側のキーセンサ56へと電磁波が届くようになっている。加えて、第2のキーエミッタ55はプレッサ部材15によって担持され、電磁波を、軸方向に、ピストンの軸258と平行な方向に向けており、電磁波が上記係合フランジを軸方向に通過して、対向するように配置されたキーセンサ56によって電磁波が感知されるようになっている。このように係合フランジ54は導波管として機能する。図示されている各実施形態のうち、各キーエミッタが各導波管と係合している、又は各キーエミッタが各導波管に電磁波を向けている実施形態において、導波管上には電磁波の入口が形成されており、同様に、各導波管上の各キーセンサと対向する位置に電磁波の出口を備えている。入口又は出口として機能する係合フランジ54の円周上表面の種々の部位の機能を高めるために、円周上表面を切り子面としてもよく、エミッタ及びセンサと実質的に垂直な表面を設けてもよい。
【0152】
図30において、プレッサ部材15は、突出軸(スタブアクスル)20を中心に旋回する、図8に示したようなプレッサ15等のプレッサを有していてもよい。しかしながら、図30の実施形態によれば、プレッサ部材15は、軸258に対して平行な方向に直線的に動くようにハウジングに載置されており、例えば、プレッサ部材15を、突出軸21を中心に旋回する代わりに、図2に示された背板アセンブリ14の側面板19に対して垂直方向に摺動するように載置することなどにより配置する。別の配置において、好ましくは、係合フランジ54は、プレッサ部材15によって形成された、前方が開放されたスロット内へと水平方向後ろ側にスライドできるようになっている。これは、例えば、手動の流体ディスペンサを開示しているものではあるが、1995年7月11日に発行されたOphardtの米国特許第5,431,309号明細書によって教示されている装置において公知である。
【0153】
図27〜30に示された各実施形態はそれぞれ、個々の導波管、キーエミッタ、及びキーセンサを、例えば図1〜26などに示された他の導波管をいずれも必要としないような構成で備えている。但し、開示された導波管を2つ以上組み合わせて使用することもできる。
【0154】
図31を参照する。図31は、図1〜26の実施形態に示されたものと実質的に同一である、本発明の流体ディスペンサの代替の実施形態の断面図を示している。但し、カラー26がなく、キーエミッタ55によって電磁波が外側フランジ31へと入射され、外側フランジ31の周囲を円周状に通過し、透過した電磁波がキーセンサ56によって感知されるような導波管となるようにピストンチャンバ形成部材30が用いられていることは着目すべき違いである。図に示されたように、キーセンサ56及びキーエミッタ55は背板アセンブリ14の支持板18に固定されている。この実施形態において、ディスペンサの構造は、それ以外の点は図1〜26の実施形態と同じである。
【0155】
図32を参照する。図32は、1998年11月17日付で発行されたOphardtの米国特許第5,836,482号明細書において開示されたポンプと類似する、本発明の流体ディスペンサの別の実施形態の分解図を示す。ディスペンサ10は、ハウジング14と、交換可能なリザーバアセンブリ12と、カバー13とを備えている。ハウジング14は、壁に対して鉛直方向に設置できるようになっている。カバー13は、リザーバアセンブリ12の挿入及び離脱ができるようにハウジングと連結するよう適合させるが、カバー13をハウジング14にヒンジ止めするような公知の方法によって行うのが好ましい。交換可能なリザーバアセンブリ12は、折りたためる流体容器22と、ポンプアセンブリ25とを含んでいる。
【0156】
図33を参照する。図33は、液体が充填された容器22の断面図を示す。容器22は円筒状の出口ネック27を有しており、出口ネック27の末端には、外側に向けてねじ山が設けられ、螺合するようにカラー26を収容することができる。ネック27は、容器の壁328の半径方向外側に延出した肩部192の直ぐ下側に、半径方向外側に延出したフランジ326が設けられ、肩部192とフランジ326の間に、半径方向に延在するサポートスロット330が形成されている。ハウジング14は、水平方向に延在する支持板332を有しており、その支持板332は、サポートスロット330に対し相補的になるような大きさに設計された、前方が開放されたU字型スロット334を備えている。このようにして、支持板332はスロット330内に収容でき、容器22の重量を支え、容器を所望の位置に位置させることができる。
【0157】
カラー26は、漏斗状プレート325を支持する。漏斗状プレート325は、それを貫通する中央開口部338を有し、供給管340中へと開放されている。フラッパバルブ部材336は、開口部338内に位置し、供給管340から上方に容器内部に向かう流れをせき止める一方向弁を形成している。
【0158】
部材336によって形成される一方向弁を通過する流体は、供給管340を通ってポンプアセンブリ25に至り、次にポンプアセンブリ25から出口管342を通って排出口34から外に出る。
【0159】
ポンプアセンブリ25の構造は、図34を参照することにより最も良く理解できる。ポンプアセンブリ25は、2つの噛合ギア状インペラ、すなわち駆動インペラ346と従動インペラ348とを備えたギア型ロータリーポンプである。上記2つのインペラは、ポンプケーシング内の空洞に収容されている。ケーシング352は、離脱可能なケーシングプラグ356を備える1次ケーシング部材354を有しており、1次ケーシング部材354とケーシングプラグ356とによって空洞の境界が画定される。
【0160】
インペラ346と348は同じもので、それぞれがそれぞれの軸を中心に回転できるようになっている。インペラはそれぞれ、半径方向かつ軸方向に延出した歯60を有する、軸の周囲に同軸方向に配置されたギア部358を有している。インペラはそれぞれ、ギア部358から軸方向に延出し、かつ空洞内にインペラを(ジャーナル)軸受けする際の一助となる軸部材364を有している。
【0161】
空洞は、インペラ346と348が(ジャーナル)軸受けされ、インペラの軸に平行に回転できるようになっている。インペラは、互いに並んで配置され、インペラ間のニップにおいて、一方のインペラの歯がもう一方のインペラの歯と噛合するように配置されている。
【0162】
空洞は、平坦で、半径方向に延出した前壁と後壁を備え、これによりギア部358の平坦で、半径方向に延出した前面及び後面と相対的に密に係合できる。空洞の前壁は、1次ケーシング部材354上に形成されており、前方に延在している2つの穴365を有する。穴365は、インペラが(ジャーナル)軸受けされるように、インペラの軸部材364を収容して(ジャーナル)軸受けするような大きさに設計されている。空洞は、駆動インペラ346の軸から一定の半径距離に配置された、部分的な円筒を形成する表面と、従動インペラ348の軸から一定の半径距離に配置された、部分的に円筒を形成する表面とによって画定された環状の側壁を有している。
【0163】
入口ポート374は、空洞内へとケーシングを貫通し、ニップの上方の空洞の上部で開放されている。供給管340は、容器内の流体が空洞に連通するように、入口ポート374に接続されている。
【0164】
出口ポート376は、空洞内へとケーシング352を貫通し、ニップの下方のケーシングの下部で開放されている。出口管342は、摩擦嵌めの関係により出口ポート376に収容され、空洞から排出口34の外へと流体を流出させるようになっている。
【0165】
駆動インペラ346は、インペラ346の後面から後ろ側に延出し、かつプラグ356の軸受穴386を貫通してポンプケーシング352の外へと伸びることで、モータ382に作動的接続(operative connection)される軸部材64を有している。プラグ356の軸受穴386、及びケーシング352の356の軸受穴は、Oリングシール(図示はしていない)の使用などにより密封された状態で軸64に係合するのが好ましい。
【0166】
駆動インペラ346は、モータ382によって担持されるギア歯付駆動装置380と係合するギア歯379を内部末端に担持するように示されている。モータ382が駆動インペラ346を回転させると、駆動インペラ346は従動インペラ348に係合し、従動インペラを回転させ、排出口34から流体を分配させる。
【0167】
モータケーシング392は前方に延出した壁406により仕切られた、前方が開口したソケット408を担持している。ソケット408は、ケーシングの断面形状、大きさ、及び深さに対し相補的な断面形状、大きさ、及び深さを有している。好ましい実施形態において示されているように、ソケット408及びケーシングは、相補的な楕円形の断面形状を有している。ケーシングは、インペラの軸に対して半径方向に延出したストップフランジ353をケーシングの前方端に担持している。ストップフランジは、ケーシング352がソケット408に完全に挿入されたときに、壁406の前方端に係合するようになっている。インペラの軸と平行に、リザーバアセンブリ12をハウジング14に対し前方及び後方にスライドさせることによって、リザーバアセンブリ12を挿入及び離脱することができる。この場合、支持板332はサポートスロット330に収容され、ケーシングはソケット408に収容される。そのように前後にスライドさせることにより、ポンプアセンブリ25はモータ382と係合したり、その係合が解けたりする。
【0168】
制御機構は、出口管342の下方で使用者の手の存在を感知し、センサと電動モータを連結している制御回路に、モータを作動させるための信号を送る近距離センサを備えている。制御機構は、モータ382の動力の供給を制御して、流体の分配が望まれるときにはいつでも、予め選択された時間モータを作動させて、おおよそ決められた量である1回の分量の流体を分配させるものであるのが好ましい。
【0169】
リザーバアセンブリ12は、使い捨てタイプでリサイクル可能なものが好ましい。この点に関し、リザーバアセンブリ12の各エレメントは、リサイクル可能なプラスチック材料から形成されるのが好ましい。図33に示す容器22は、リサイクル可能なプラスチック材料でできた折りたたみ式容器の形態である。同様に、カラー326及びその一方向弁336は、全てリサイクル可能なプラスチック材料から作ることができる。供給管340、出口管342、1次ケーシング部材354、及びケーシングプラグ356、並びに2つのインペラ346及び348は、それぞれ、リサイクル可能なプラスチック材料から形成されるのが好ましい。このように、リザーバアセンブリ12は、その全体が、使用後に容易にリサイクルできるリサイクル可能なプラスチック材料から形成されているのが好ましい。
【0170】
図32〜35に図示された実施形態において、ディスペンサの種々の異なるコンポーネントは、導波管、好ましくはフォトクロミック部位を備えた導波管を担持する、離脱可能でかつ交換可能なキーイングコンポーネントとして使用することができる。
【0171】
図33は、ポンプインペラ346、及び特にその軸364が、電磁波透過性プラスチックから製造された導波管を形成している構成を示している。この構成では、電磁波はカバー13上に担持されたキーエミッタ55から放射され、キーセンサ56はハウジング14上に担持され、軸部材364の相対する端部が導波管の入口及び出口を形成している。インペラ346は、ポンプアセンブリ25用のチャンバ内に収容される、物質を移動させる可動エレメントとしての特徴を有していてもよい。
【0172】
図34を参照する。図34は、ケーシング352が導波管として使用されている構成において、キーセンサ56とキーエミッタ55を概略的に示している。上記導波管の出口及び入口は、ケーシング352の正反対の両端に設けられている。ケーシング352を導波管として使用することに関し、当然ながら、電磁波は、ケーシングの穴365の下の部分を通過して実質的に直線に進むものであってもよい。図示はしていない代替の構成においては、キーエミッタをケーシングの上部に、キーセンサをケーシングの底部に、例えば2つの穴365の間などに設けて、電磁波を空洞の前方で鉛直方向に透過させることができる。図34にのみ示すキーエミッタ55とキーセンサ56はそれぞれ、ソケット408の壁406に適切に設けられた開口部(図示していない)に固定することもできる。
【0173】
図34は、物質を移動させる可動エレメント、即ち、ポンプインペラを収容するためのチャンバを有する、ポンプ用のチャンバ形成体として、離脱可能なキーイングコンポーネントを示している。
【0174】
図35を参照する。図35は、容器22の出口ネック27の周囲に係合した、ねじ山の設けられたカラー326が導波管として機能する構成を示している。電磁波は、キーエミッタ55からカラー326の第1の側に入射し、カラー326の周りを環状に通過して、ハウジング14の反対側に担持されたキーセンサ56へと至る。カラー326は、溶接、接着、及び、脱理を防ぐ追加の機械的構造等の種々の手段によって、脱離しないように容器22に固定されているのが好ましい。
【0175】
図31に示されたピストンチャンバ形成部材30の、ねじ山の設けられた外側フランジ31などのような、ねじ山の設けられたカラー326は、ボトル22のネック27に固定されている。
【0176】
図35の外側フランジ31及び図35のカラー326は、ボトルのネック上にねじ山が設けられているように示されているが、脱離を防ぐための他の種々の機械的連結構造、例えば一方向スナップ嵌め構造を設けることもできる。
【0177】
図5に示す外側フランジ部材31、及び図35に示すカラー326などのようなフランジ部材は、出口管を有する単純なキャップを形成していてもよく、これにより、管を絞ったり開放したりすることで物質の排出を制御する単純な構成でありさえすればよい分配制御機構が得られる。容器22を閉鎖するためのキャップは、実質的あらゆる形態や様式のものを、導波管を有するキーイングコンポーネントとして簡便に使用することができる。
【0178】
図32〜35に示す実施形態によれば、制御機構は、キーエミッタ55からキーセンサ56へと導波管を通過する電磁波が、期待される電磁波プロファイルに整合するか否かを判定する機構を備えているのが好ましく、該制御機構は、導波管が期待されるフォトクロミック部位を備えているか否かを判定するように作動してもよい。
【0179】
図36〜38を参照する。図36〜38は、ロール状に巻かれたシート状物質用、特に、例えば2000年5月30日付で発行されたAlfanoの米国特許第6,069,354号明細書などに開示されているタイプのペーパータオル用のディスペンサを図示したものである。
【0180】
図36及び37において最もよく分かるように、ディスペンサ610は、典型的には、手洗所等において壁に対し鉛直方向に設置される、背板621を有するハウジング(概して614と示した)と、背板621から鉛直方向かつ前方に延出する2つの側壁623を備えている。側壁623のそれぞれの内側には、末端プラグ600が備えられている。末端プラグは、円筒状の外側表面を有する(ジャーナル)軸受部661を担持している。この(ジャーナル)軸受部661は、紙ロール672の中空コア670内に収容されるが、該紙ロールは、分配される層状に巻かれた紙シート674を担持している。このように、中空コア670は、軸700を中心に回転できるよう、軸受部上に回転可能に軸受けされている。末端プラグ600は、半径方向に延出する内側を向いた位置決めショルダー663を担持し、中空コア670の左右の動きを制限している。中空コア670は、中空コアの一方の末端が入口に、中空コアのもう一方の末端が出口になる導波管となるような材料、例えばプラスチック等から形成されるのが好ましい。キーエミッタ55は、末端プラグ600の一方に、キーセンサ56は、もう一方の末端プラグ600に設けられ、これらはそれぞれ中空コア670の円周状の壁と軸方向に一列に並べられている。これにより電磁波は、中空コア670の円周状の壁によって形成された導波管を軸方向に選択的に通過することができる。
【0181】
また図37は、中空コア670内部に固着された円形ディスク702として設けられた第2の導波管を示している。ディスク702は、電磁波を透過し、好ましくは他の導波管と同様にフォトクロミック部位を含む材料でできている。軸上かつ中心に配置されたキーエミッタ55は、電磁波が中空コア670の中空の中心を通過し、導波管形成ディスク702内へと向くように、一方の末端プラグ600上に設けられている。相補的なキーセンサ56は、もう一方の末端プラグ600に設けられている。
【0182】
図37は2つの異なる導波管の使用を示している。当然のことだが、これらの導波管のうちのどちらかのみしか備えていなくてもよい。各導波管は、必須ではないが、フォトクロミック部位を備えているのが好ましい。
【0183】
図37の実施形態において、中空コア670は、好ましくは導波管を形成するプラスチック材料を含むように示されている。中空コア67全体がプラスチック材料であるのではなく、例えば、導波管を形成するプラスチック材料の肉薄の円筒管などの周りに、例えば厚紙(ボール紙)や他の紙様物質などの追加の管を備える、などといった複合材料にすることもできる。同様に、中空コア上の導波管が連続的な円筒状ではなく、ボール紙のような物質の円筒管上に光ファイバのストランドが担持されている導波管であってもよい。
【0184】
図38を参照する。図38は中空コア670上に担持された同様のロール紙672を示している。但し、中空コア670は、ロール紙の中空コア670に固着された一対の末端プラグ600を担持しており、末端プラグ600がそれぞれ、側壁623に固着されたキャッチ部材800に離脱可能に固定されている。2つの末端プラグ600は中空コア670と共に、1つのユニットとして回転可能であり、この際、末端プラグ600がそれぞれ有する円筒状末端フランジ702は、キャッチ部材800内の円筒状の軸受穴に収容されている。図を見れば分かるように、キーエミッタ55は一方のキャッチ部材800に設けられており、同キャッチ部材は正反対側の位置にキーセンサ56を有している。このように、末端プラグ600の円筒状ディスク702は、導波管の機能を果たし、好ましくはフォトクロミック部位を含む。
【0185】
本発明を好ましい実施形態を参照しながら説明したが、これをもとに、当業者によって多くの改変や変形が行われるであろう。本発明の外縁を決めるために、添付の特許請求の範囲が参照される。
【符号の説明】
【0186】
10 ディスペンサアセンブリ
12 リザーバアセンブリ
13 カバー
14 背板アセンブリ、又はハウジング
15 プレッサ部材
16 囲い枠
17 面板
18 支持板
19 側面板
20 突出軸(スタブアクスル)
21 軸受穴(ジャーナリングボア)
22 リザーバボトル
25 ポンプアセンブリ
25b 側面
26 キーカラー
27 ねじ山付きネック
28 出口
29 固定タブ
30 ピストンチャンバ形成部材
31 外側フランジ
32 ピストン
33 バルブ部材
34 排出口
35 軸方向上方端
36 軸方向下方端
37 開口部
38 概円筒状の側壁
39 下側肩部材
40 上側肩部材
45 掛止タブ
46 嵌込溝(スロットウェイ)
48 作動ユニット
49 電動モータ
50 ギア
51 駆動輪
52 カムポスト
53 電磁波エミッタ
54 電磁波センサ、又は係合フランジ
55 電磁波キーエミッタ
56 電磁波キーセンサ
57 概円筒状囲い枠
58 囲い枠
60 アーム、又は歯
61 アーム
62 入口端面
63 出口端面
64 アーム、又は導波管、又は軸部材
65 U字型縁(U字型リム)、又はアーム
66 基部
67 上部
68 光ファイバ部材
69 U字型ハーフチャネル
70 キー部材
71 キーエミッタ
72 キーセンサ
74 入口面
75 出口面
80 掛止肩部
81 キャッチ面
82 カム表面
83 外側下面
84 上端
96 U字型ハーフチャネル
97 第1の端部
98 第2の端部
102 内部コンパートメント
105 光ファイバ部材
106 光ファイバ部材
107 光ファイバ部材
110 背面壁
111 ポート部位
112 ポート部位
113 ポート部位
114 ポート部位
151 導波管延長部
152 導波管延長部
153 外表面
154 外表面
155 内側端
156 内側端
163 第1の窓(ウィンドウ)
164 第1の窓(ウィンドウ)
165 結合ユニット
166 キャビティ
167 キャビティ
168 狭端部
169 広端部
170 うねと嵌込溝(スロットウェイ)
171 導波管インサート
172 導波管インサート
173 導波管インサート
174 横位置調整タブ
176 入口/出口として機能する面
177 入口/出口として機能する面
178 湾曲部
179 湾曲部
181 第2のウィンドウ
182 第2のウィンドウ
183 第2のウィンドウ
184 導波管部材
192 下側肩部
200 導波管
201 導波管部材
202 導波管部材
203 導波管部材
210 第1の端面
211 エレメント、又は第2の端面
212 エレメント
213 エレメント
214 エレメント
218 別個のボード
220 囲い枠16の前方部、又は易壊性部材
221 最前面、又は図21ではブリッジ部材
222 反射用外側ショルダー側面
223 反射用外側ショルダー側面
224 突出部
225 突出部
226 端面
227 端面
230 弾性キャッチ部材
231 弾性キャッチ部材
232 カム面
233 カム面
234 キャッチショルダー
235 キャッチショルダー
238 アーム61の外側面
239 矢印(キーカラー26を連結するためにスライドさせる方向)
250 凹部
251 ウェブ
252 側壁
253 背面壁
254 実装板
255 キーエミッタ
257 矢印、又は嵌込溝
258 軸、又はキャッチ部材
262 表面
264 光路、又は横側面、又は導波管
325 漏斗状プレート
326 フランジ、又はカラー
328 容器の壁
330 サポートスロット
332 支持板
334 U字型スロット
336 フラッパバルブ部材
338 中央開口部
340 供給管
342 出口管
346 駆動インペラ
348 従動インペラ
352 ポンプケーシング
353 ストップフランジ
354 1次ケーシング部材
355 キーエミッタ
356 キーセンサ、又はケーシングプラグ
358 ギア部
364 軸部材
365 穴
374 入口ポート
376 出口ポート
379 ギア歯
380 ギア歯付駆動装置
382 モータ
386 軸受穴
392 モータケーシング
406 壁
408 ソケット
600 末端プラグ
610 ディスペンサ
614 ハウジング
621 背板
623 側壁
661 (ジャーナル)軸受部
663 位置決めショルダー
670 中空コア
672 ロール紙
674 紙シート
700 軸
702 円筒状末端フランジ、又は円筒状ディスク
800 キャッチ部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
機構の作動に必要な、離脱可能でかつ交換可能なキーイングコンポーネントであって、
前記キーイングコンポーネントは、電磁波の導波管を備え、
前記導波管は電磁波の入口と電磁波の出口とを有し、
前記導波管は、前記入口から前記出口まで電磁波を透過させる経路となり、
前記導波管は、固有の未励起状態と励起状態とを有するフォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位を備え、
励起波長領域内の励起電磁波を放射すると、前記フォトクロミック色素が前記未励起状態から前記励起状態へと変化し、
前記フォトクロミック色素が前記未励起状態では、前記フォトクロミック部位は試験波長領域内の電磁波に対し固有の第1の透過特性を有し、
前記フォトクロミック色素が前記励起状態では、前記フォトクロミック部位は、試験波長領域内の電磁波に対し、前記第1の透過特性とは異なる第2の透過特性を有し、
前記キーイングコンポーネントは、前記導波管として機能するのに加え、前記機構を作動させるよう機能する
キーイングコンポーネント。
【請求項2】
前記フォトクロミック色素は、可逆性フォトクロミック色素及び不可逆性フォトクロミック色素からなる群から選択される、請求項1に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項3】
前記フォトクロミック色素は、以下の性質からなる群から選択される1以上の性質を備えたフォトクロミック色素を2以上含む、請求項2に記載のキーイングコンポーネント:
(a)含まれる各フォトクロミック色素に対する励起波長領域は、含まれる他の各フォトクロミック色素に対する励起波長領域と同じ、又は異なる;
(b)含まれる各フォトクロミック色素に対する試験波長領域は、含まれる他の各フォトクロミック色素に対する試験波長領域と同じ、又は異なる。
【請求項4】
前記フォトクロミック部位中の、含まれる各フォトクロミック色素の濃度は以下の性質からなる群から選択される1以上の性質を付与するために選択される、請求項3に記載のキーイングコンポーネント:
(a)含まれる各フォトクロミック色素を、前記未励起状態から前記励起状態へと変化させるのに必要な励起波長領域内の励起電磁波の線量は、含まれる他の各フォトクロミック色素を変化させるのに必要な励起波長領域内の励起電磁波の線量と同じ、又は異なる;
(b)前記励起状態において前記フォトクロミック部位に含まれる各フォトクロミック色素が試験波長領域内の電磁波を吸収する能力は、前記励起状態において前記フォトクロミック部位に含まれる他の各フォトクロミック色素が試験波長領域内の電磁波を吸収する能力と同じ、又は異なる;
(c)前記未励起状態において前記フォトクロミック部位に含まれる各フォトクロミック色素が試験波長領域内の電磁波を吸収する能力は、前記未励起状態において前記フォトクロミック部位に含まれる他の各フォトクロミック色素が試験波長領域内の電磁波を吸収する能力と同じ、又は異なる。
【請求項5】
前記フォトクロミック部位が可逆性フォトクロミック色素を含有している、請求項1に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項6】
前記可逆性フォトクロミック色素は、
(a)前記導波管に最後に前記励起波長領域内の励起電磁波を照射してから復帰時間が経過した後、又は(b)復帰波長領域内の復帰電磁波を照射した後、
のいずれかで、前記励起状態から前記未励起状態へと変化する、請求項5に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項7】
前記コンポーネントは、2以上の前記導波管を備え、各導波管は、備えられている他の導波管と以下の1以上の性質に関し同一又は異なる、請求項1に記載のキーイングコンポーネント:
(a)前記フォトクロミック色素;
(b)含まれる各フォトクロミック色素の濃度;
(c)前記入口から前記出口まで電磁波を透過させるための経路の長さ。
【請求項8】
導波管となることの他に前記キーイングコンポーネントが果たす機能は、前記導波管となる機能とは独立したものである、請求項1に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項9】
請求項1に記載のキーイングコンポーネントであって、
物質を分配するための装置用の交換可能なコンポーネントを含み、
前記交換可能なコンポーネントは、下記からなる群から選択される、キーイングコンポーネント:
(a)前記物質を分配するための装置が、流動可能な物質用のディスペンサである場合は、
(i)物質を移動させる可動エレメントを収容するためのチャンバを有する、ポンプ用のチャンバ形成体、
(ii)ポンプ用のチャンバ形成体のチャンバ内に収容される、物質を移動させる可動エレメント、
(iii)流体を移動させる回転可能なエレメントを収容するためのチャンバを有する、流体ロータリーポンプ用のチャンバ形成体、
(iv)ポンプインペラ、
(v)ピストンエレメントを同軸方向に摺動可能に収容するためのチャンバを有する、流体ピストンポンプ用のピストンチャンバ形成体、
(vi)流体ピストンポンプ用のピストンエレメント、
(vii)分配される流動可能な物質を収容するためのリザーバ、
(viii)分配される流動可能な物質を収容するためのリザーバの出口の周囲に係合して、前記リザーバを、前記流動可能な物質を分配する管に固定するための接続カラー、
(ix)流体ディスペンサ用のポンプアセンブリ、及び
(x)分配される物質を収容するリザーバを含むリザーバアセンブリ、ここで前記リザーバは、出口と、その出口を横断するバルブ機構とを有する、並びに
(b)前記物質を分配するための装置が、ロール状に巻かれたシート状物質用のディスペンサである場合は、
(i)分配される前記シート状物質が巻かれているロール、及び
(ii)分配される前記シート状物質が巻かれているロール上の係合部材であって、前記ロールと前記シート状物質用のディスペンサとを作動的に連結するための係合部材。
【請求項10】
前記物質を分配するための装置と組み合わせた、請求項9に記載のキーイングコンポーネントであって、
前記キーイングコンポーネントは、同様のキーイングコンポーネントによって交換できるように前記装置と離脱可能に連結されており、
前記導波管の入口へと電磁波を入射させて、前記導波管を透過し前記導波管の出口から放出される電磁波を感知することにより、前記キーイングコンポーネントが前記フォトクロミック部位を有しているか否かを判定し、この判定ステップが、前記導波管が前記フォトクロミック部位を有する、又は有しない、のいずれを示すかに応じて前記ディスペンサの作動を制御する制御機構を含む、キーイングコンポーネント。
【請求項11】
前記分配装置は、さらに
前記入口を介して前記導波管内へと電磁波を向ける電磁波エミッタと、
作動ユニットに担持されており、前記出口を介して前記導波管から放出される電磁波を感知する電磁波センサとを含み、
前記エミッタは、励起波長領域内の励起電磁波、及び試験波長領域内の電磁波を放射することができ、
前記センサは試験波長領域内の電磁波を感知することができ、
前記制御機構は、励起波長領域内の励起電磁波、及び試験波長領域内の電磁波の前記エミッタによる放射を選択的に制御する、
請求項10に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項12】
前記制御機構は、前記センサによって感知された電磁波が、予め選択された1つ以上の電磁波プロファイルと適切に対応しているか否かに応じて前記分配装置の作動を制御する、請求項11に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項13】
前記予め選択された1つ以上の電磁波プロファイルは、前記エミッタによって放射される電磁波に応じて前記制御機構により選択される、
請求項12に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項14】
前記キーイングコンポーネントを離脱すると、前記導波管の一部が破壊され、前記入口から前記出口までの前記経路内における電磁波の透過特性が変化する、請求項13に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項15】
前記導波管は易壊性部分を含み、
前記易壊性部分は前記経路の一部を含み、
前記易壊性部分は、破壊されると、前記センサによって感知された電磁波が前記予め選択された電磁波プロファイルと適切に対応しなくなるように、前記導波管の透過特性を変化させ、
前記分配装置から前記キーイングコンポーネントを離脱すると前記易壊性部分が破壊される、
請求項13に記載のキーイングコンポーネント。
【請求項16】
離脱可能に連結された離脱可能なコンポーネントを有する機構の作動を制御する方法であって、
入射電磁波を、前記離脱可能でかつ交換可能なコンポーネント上に担持された第1の導波管に選択的に入射させて前記第1の導波管を透過させるステップと、
前記第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップと、
前記第1の導波管を透過して感知された透過電磁波から、前記第1の導波管が、第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を照射することにより励起されている可逆性光反応性の第1の色素を含有する1次光反応性部位を含んでいるか否かを判定するステップとを含み、
ここで前記第1の色素は、未励起のときに、前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を照射することによって励起され、
前記第1の色素が励起されていない場合には、前記1次光反応性部位は、第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して固有の透過特性を有し、
前記第1の色素が励起されている場合には、前記1次光反応性部位は、前記第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して、前記1次フォトクロミック部位の前記固有の透過特性とは異なる、励起状態での第1の透過特性を有し、
さらに前記方法は、前記第1の導波路に前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を入射させて、入射電磁波として前記第1の導波管を透過させるステップと、
前記第1の導波路に前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を入射させた後に、
(i)前記第1の導波路に前記第1の試験波長領域内の試験電磁波をさらに入射させて、入射電磁波として前記第1の導波管を透過させるステップ、
(ii)前記第1の試験波長領域内の電磁波に対して、前記第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップ、
(iii)ステップ(ii)で感知された前記第1の試験波長領域内の電磁波から、前記第1の導波管が前記1次光反応性部位の前記第1の透過特性を有しているか否かを判定するステップ、並びに
(iv)ステップ(iii)において前記第1の導波管が前記第1の透過特性を有していると判定された場合には、前記第1の導波管が前記1次フォトクロミック部位を含んでいると想定し、前記第1の導波管が前記1次フォトクロミック部位の前記固有の透過特性を有していると判定された場合には、前記第1の導波管が前記1次フォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップと、
前記第1の導波管が前記1次フォトクロミック部位を含んでいると想定されるか否かに応じて前記機構の作動を制御するステップとを含む方法。
【請求項17】
前記判定ステップ(iii)は、ステップ(i)で入射された前記第1の試験波長領域内の試験電磁波と、ステップ(ii)で感知された前記第1の試験波長領域内の電磁波とを比較する工程を含む、請求項16に記載の方法。
【請求項18】
前記試験電磁波は、前記第1の色素を励起するのに充分な前記第1の励起波長領域内の電磁波を含んでいない、請求項16に記載の方法。
【請求項19】
前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を入射する前か、前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を最後に入射させてから第1の期間が経過した後のいずれかで、
(a)前記導波路に前記第1の試験波長領域内の試験電磁波を入射させて、入射電磁波として前記第1の導波管を透過させるステップと、
(b)前記第1の試験波長領域内の電磁波に対して、前記第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップと、
(c)ステップ(b)で感知された前記第1の試験波長領域内の電磁波から、前記導波管が前記第1の透過特性を有しているか否かを判定するステップと、
(d)ステップ(c)において前記第1の導波管が前記第1の透過特性を有すると判定された場合には、前記第1の導波管は前記フォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップとを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項20】
前記判定ステップ(c)は、ステップ(a)で入射された前記第1の試験波長領域内の試験電磁波と、ステップ(b)で感知された前記第1の試験波長領域内の電磁波とを比較する工程を含む、請求項19に記載の方法。
【請求項21】
請求項16に記載の方法であって、
前記感知された透過電磁波から、前記第1の導波管が、第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を照射することにより励起されている第2の可逆性フォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位を含んでいるか否かを判定するステップを含み、
ここで前記第2の色素は、未励起のときに、前記第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を照射することにより励起され、最後に前記第2の励起電磁波を照射してから第2の期間が経過した後に、固有の性質として未励起の状態に戻るものであり、
前記第1の色素が励起されておらず、かつ前記第2の色素も励起されていない場合には、前記フォトクロミック部位は、第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して前記固有の透過特性を有し、
前記第1の色素が励起されていないが、前記第2の色素が励起されている場合には、前記フォトクロミック部位は、前記第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して、前記固有の透過特性とは異なる、励起状態での第2の透過特性を有し、
さらに前記方法は、前記第1の導波路に前記第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を入射させて、入射電磁波として前記第1の導波管を透過させるステップと、
前記第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を入射させてから前記第2の期間内に、
(i)前記第1の導波路に前記第2の試験波長領域内の試験電磁波をさらに入射させて、入射電磁波として前記第1の導波管を透過させるステップ、
(ii)前記第2の試験波長領域内の電磁波に対して、前記第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップ、
(iii)ステップ(ii)で感知された前記第2の試験波長領域内の電磁波から、前記第1の導波管が前記固有の透過特性及び前記第2の透過特性のうち1つを有しているか否かを判定するステップ、並びに
(iv)ステップ(iii)において前記第1の導波管が前記第2の透過特性を有すると判定された場合には、前記第1の導波管が前記フォトクロミック部位を含んでいると想定し、前記第1の導波管が前記固有の透過特性を有すると判定された場合には、前記第1の導波管が前記フォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップと、
前記第1の導波管が前記フォトクロミック部位を含んでいると想定されるか否かに応じて前記機構の作動を制御するステップとを含む方法。
【請求項22】
前記第2の励起波長領域及び前記第2の試験波長領域は、
(a)前記第2の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域と同じであり、前記第2の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域外である;
(b)前記第2の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域外であり、前記第2の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域外である;及び
(c)前記第2の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域外であり、前記第2の試験波長領域は前記第1の試験波長領域と同じである、
からなる群から選択される、請求項21に記載の方法。
【請求項23】
請求項21に記載の方法であって、
前記感知された透過電磁波から、前記導波管が、第3の励起波長領域内の第3の励起電磁波を照射することにより励起されている第3の可逆性フォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位を含んでいるか否かを判定するステップを含み、
ここで前記第3の色素は、未励起のときに、前記第3の励起波長領域内の第3の励起電磁波を照射することにより励起され、最後に前記第3の励起電磁波を照射してから第3の期間が経過した後に、固有の性質として未励起の状態に戻るものであり、
前記第1の色素が励起されておらず、前記第2の色素も励起されておらず、かつ前記第3の色素も励起されていない場合には、前記フォトクロミック部位は、第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して前記固有の透過特性を有し、
前記第1の色素が励起されておらず、前記第2の色素も励起されていないが、前記第3の色素は励起されている場合には、前記フォトクロミック部位は、前記第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して、前記固有の透過特性とは異なる、励起状態での第3の透過特性を有し、
さらに前記方法は、前記第1の導波路に前記第3の励起波長領域内の第3の励起電磁波を入射させて、入射電磁波として前記第1の導波管を透過させるステップと、
前記第3の励起波長領域内の第3の励起電磁波を入射させてから前記第3の期間内に、
(i)前記第1の導波路に前記第3の試験波長領域内の試験電磁波をさらに入射させて、入射電磁波として前記第1の導波管を透過させるステップ、
(ii)前記第3の試験波長領域内の電磁波に対して、前記第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップ、
(iii)ステップ(ii)で感知された前記第3の試験波長領域内の電磁波から、前記第1の導波管が前記固有の透過特性及び前記第3の透過特性のうち1つを有しているか否かを判定するステップ、並びに
(iv)ステップ(iii)において前記第1の導波管が前記第3の透過特性を有すると判定された場合には、前記第1の導波管が前記フォトクロミック部位を含んでいると想定し、前記第1の導波管が前記固有の透過特性を有すると判定された場合には、前記第1の導波管が前記フォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップと、
前記第1の導波管が前記フォトクロミック部位を含んでいると想定されるか否かに応じて前記機構の作動を制御するステップとを含む方法。
【請求項24】
前記第3の励起波長領域及び前記第3の試験波長領域は、
(a)前記第3の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域と同じであり、前記第3の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域外であり、
前記第3の励起波長領域は、前記第2の励起波長領域と同じであり、前記第3の試験波長領域は、前記第2の試験波長領域外であり、かつ
前記第2の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域と同じであり、前記第2の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域外である;及び
(b)前記第3の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域外であり、前記第3の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域と同じであり、
前記第3の励起波長領域は、前記第2の励起波長領域外であり、前記第3の試験波長領域は、前記第2の試験波長領域と同じであり、かつ
前記第2の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域外であり、前記第2の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域と同じである、
からなる群から選択される、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記第3の励起波長領域及び前記第3の試験波長領域は、下記(a)から(c)のうち1つ、(d)から(f)のうち1つ、及び(g)から(i)のうち1つを含む群から選択される、請求項23に記載の方法であって、(a)から(i)は下記のように定められる方法:
(a)前記第3の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域と同じであり、前記第3の試験波長領域は前記第1の試験波長領域外である;
(b)前記第3の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域外であり、前記第3の試験波長領域は前記第1の試験波長領域外である;
(c)前記第3の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域外であり、前記第3の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域と同じである;
(d)前記第3の励起波長領域は、前記第2の励起波長領域と同じであり、前記第3の試験波長領域は、前記第2の試験波長領域外である;
(e)前記第3の励起波長領域は、前記第2の励起波長領域外であり、前記第3の試験波長領域は、前記第2の試験波長領域外である;
(f)前記第3の励起波長領域は、前記第2の励起波長領域外であり、前記第3の試験波長領域は、前記第3の試験波長領域と同じである;
(g)前記第2の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域と同じであり、前記第2の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域外である;
(h)前記第2の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域外であり、前記第2の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域外である;
(i)前記第2の励起波長領域は、前記第1の励起波長領域外であり、前記第2の試験波長領域は、前記第1の試験波長領域と同じである。
【請求項26】
前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波、及び前記第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を入射させる前か、前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を最後に入射させてから前記第1の期間が経過した後、及び前記第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波を最後に入射させてから前記第2の期間が経過した後のいずれかで、
(a)第1の導波路に前記第1の試験波長領域内の試験電磁波、及び前記第2の試験波長領域内の試験電磁波を入射させて、入射電磁波として前記第1の導波管を透過させるステップ、
(b)前記第1の試験波長領域内の電磁波、及び前記第2の試験波長領域内の電磁波に対して、前記第1の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップ、
(c)ステップ(b)で感知された前記第1の試験波長領域内の電磁波、及び前記第2の試験波長領域内の電磁波から、前記第1の導波管が前記第1の透過特性及び前記第2の透過特性を有しているか否かを判定するステップ、並びに
(d)ステップ(c)において前記第1の導波管が前記第1の透過特性及び前記第2の透過特性を有すると判定された場合には、前記第1の導波管が前記フォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項27】
第1の試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対する前記固有の透過特性は、前記第1の波長領域内の電磁波を透過する能力が、透過能のしきい値よりも高いことを含み、
第1の試験波長領域内の電磁波の相対的透過率に対する前記第1の透過特性は、前記第1の波長領域内の電磁波を透過する能力が、透過能のしきい値よりも低いことを含む、
請求項16に記載の方法。
【請求項28】
前記第1の色素は、紫外光に曝露した際に可逆的に変色するフォトクロミック色素であり、
前記第1の励起電磁波は、紫外光である、
請求項16に記載の方法。
【請求項29】
前記第1の導波管は、前記第1の色素を有機フォトクロミック化合物として含有するプラスチックから射出成形されたものである、請求項16に記載の方法。
【請求項30】
前記有機フォトクロミック化合物は、スピロ−ナフトキサジン化合物及びナフトピラン化合物から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項31】
前記プラスチックは、低密度ポリエチレン、ポリオレフィン、及びアクリル系樹脂からなる群から選択される、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
前記第1の試験波長領域は可視光領域である、請求項16に記載の方法。
【請求項33】
前記機構は分配機構であり、前記離脱可能なコンポーネントは、分配される物質を収容するリザーバ、及び分配される物質を分配するのに必要なポンプ機構のエレメントのうち1以上から選択される、請求項16に記載の方法。
【請求項34】
請求項16に記載の方法であって、
入射電磁波を、前記離脱可能でかつ交換可能なコンポーネント上に担持された第2の導波管に選択的に入射させて前記第2の導波管を透過させるステップと、
前記第2の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップと、
前記第2の導波管を透過して感知された透過電磁波から、前記第2の導波管が、2次励起波長領域内の2次励起電磁波を照射することにより励起されている2次可逆性フォトクロミック色素を含有する2次フォトクロミック部位を含んでいるか否かを判定するステップとを含み、
ここで前記2次色素は、未励起のときに、前記2次励起波長領域内の2次励起電磁波を照射することにより励起され、最後に前記2次励起電磁波を照射してから2次期間が経過した後に、固有の性質として未励起の状態に戻るものであり、
前記2次色素が励起されていない場合には、前記2次フォトクロミック部位は、2次試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して固有の透過特性を有し、
前記2次色素が励起されている場合には、前記2次フォトクロミック部位は、前記2次試験波長領域内の電磁波の相対透過率に対して、前記2次フォトクロミック部位の前記固有の透過特性とは異なる、励起状態での2次透過特性を有し、
さらに前記方法は、前記第2の導波路に前記2次励起波長領域内の2次励起電磁波を入射させて、入射電磁波として前記第2の導波管を透過させるステップと、
前記第2の導波路に前記2次励起波長領域内の2次励起電磁波を入射させてから前記2次期間内に、
(i)前記第2の導波路に前記2次試験波長領域内の試験電磁波をさらに入射させて、入射電磁波として前記第2の導波管を透過させるステップ、
(ii)前記2次試験波長領域内の電磁波に対して、前記第2の導波管を透過した透過電磁波を感知するステップ、
(iii)ステップ(ii)で感知された前記2次試験波長領域内の電磁波から、前記第2の導波管が前記2次透過特性を有しているか否かを判定するステップ、及び
(iv)ステップ(iii)において前記第2の導波管が前記2次フォトクロミック部位の前記固有の透過特性を有していると判定された場合には、前記第2の導波管が前記2次フォトクロミック部位を含んでいないと想定するステップと、
前記第2の導波管が前記2次フォトクロミック部位を含んでいると想定されるか否かに応じて前記機構の作動を制御するステップとを含む方法。
【請求項35】
離脱可能に連結された離脱可能なコンポーネントを有する機構の作動を制御する方法であって、
入射電磁波を、離脱可能でかつ交換可能なコンポーネント上に担持された導波管に選択的に入射させて該導波管を透過させるステップと、
該導波管を透過した透過電磁波を感知するステップと、
前記電磁波を感知するステップにおいて、前記導波管が、第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を照射することにより励起される第1の可逆性フォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位を備える、と判定された場合にのみ、前記分配機構を作動させるステップとを含む方法。
【請求項36】
前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を前記導波路に照射することによって前記色素を励起するステップを含む、請求項35に記載の方法であって、
前記導波管を透過した電磁波を感知する前記ステップが、
(a)前記フォトクロミック部位が前記導波管に存在するならばそのフォトクロミック色素が励起されていないはずの時点で、前記導波管を透過した電磁波を感知するステップを含む、方法。
【請求項37】
(b)前記フォトクロミック部位が前記導波管に存在するならばそのフォトクロミック色素が励起されていないはずの時点で、前記導波管を透過した電磁波を感知するステップを含む、請求項16に記載の方法。
【請求項38】
ステップ(a)で感知された電磁波と、ステップ(b)で感知された電磁波とを比較して、予め設定した差異よりも大きい差異があるかどうかを判定し、その差異が該予め設定した差異より大きい場合のみ前記分配機構を作動させるステップを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項39】
前記第1の可逆性フォトクロミック色素は、未励起のときに、前記第1の励起波長領域内の第1の励起電磁波を照射することにより励起され、最後に前記第1の励起電磁波を照射してから第1の期間が経過した後に、固有の性質として未励起の状態に戻るものである、請求項37に記載の方法。
【請求項40】
前記フォトクロミック部位は、前記フォトクロミック色素が励起されていない場合には固有の透過特性を有し、
前記フォトクロミック部位は、前記フォトクロミック色素が励起されている場合には、前記固有の透過特性とは異なる、励起状態での第1の透過特性を有し、
前記ステップ(a)は、前記第1の励起電磁波を前記導波管に照射してから前記第1の期間内に行われる、請求項39に記載の方法。
【請求項41】
前記ステップ(b)は、
(a)前記導波管に前記第1の励起電磁波を照射する前、又は、
(b)前記導波管に最後に前記第1の励起電磁波を照射してから前記第1の期間が経過した時点、のいずれかで行われる、請求項40に記載の方法。
【請求項42】
測定された電磁波から、前記導波管が、第2の励起波長領域内の第2の励起電磁波により励起される第2のフォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位をも含むと判定された場合にのみ、前記分配機構を作動させるステップを含む、請求項39に記載の方法であって、
前記フォトクロミック部位は、前記フォトクロミック色素が最後に前記第2の励起電磁波によって励起されてから第2の期間の間、前記固有の透過特性及び前記第1の透過特性のいずれとも異なる、励起状態での第2の透過特性を可逆的に呈し、
前記方法は、さらに
前記フォトクロミック部位を励起して前記第2の透過特性とするのに充分な線量の前記第2の励起電磁波を前記導波管に照射するステップと、
前記導波管に前記第2の励起電磁波を照射してから前記第2の期間内に、前記導波管を通過した電磁波を測定して、前記導波管が前記第2の透過特性を有しているか否かを検出するステップと、
前記第2の透過特性が検出されなければ作動を抑止するステップとを含む方法。
【請求項43】
(a)前記導波管に前記第1の励起電磁波及び前記第2の励起電磁波のうち1つを照射する前、又は、
(b)前記導波管に最後に前記第1の励起電磁波を照射してから前記第1の期間が経過した後、及び前記導波管に最後に前記第2の励起電磁波を照射してから前記第2の期間が経過した後の時点、
のいずれかで、前記導波管を透過した電磁波を測定して、前記導波管が前記固有の透過特性を有しているか否かを検出するステップと、
前記固有の透過特性が検出されなければ作動を抑止するステップとを含む、請求項42に記載の方法。
【請求項44】
測定された電磁波から、前記導波管が、第3の励起波長領域内の第3の励起電磁波により励起される第3のフォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位をも含むと判定された場合にのみ、前記分配機構を作動させるステップを含む、請求項42に記載の方法であって、
前記フォトクロミック部位は、前記フォトクロミック色素が最後に前記第3の励起電磁波によって励起されてから第3の期間の間、前記固有の透過特性、前記第1の透過特性、及び前記第2の透過特性のいずれとも異なる、励起状態での第3の透過特性を可逆的に呈し、
前記方法は、さらに
前記フォトクロミック部位を励起して前記第3の透過特性とするのに充分な線量の前記第3の励起電磁波を前記導波管に照射するステップと、
前記導波管に前記第3の励起電磁波を照射してから前記第3の期間内に、前記導波管を透過した電磁波を測定して、前記導波管が前記第3の透過特性を有しているか否かを検出するステップとを含む方法。
【請求項45】
(a)前記導波管に前記第1の励起電磁波、前記第2の励起電磁波、及び前記第3の励起電磁波のうち1つを照射する前、又は
(b)前記導波管に最後に前記第1の励起電磁波を照射してから前記第1の期間が経過した後、及び前記導波管に最後に前記第2の励起電磁波を照射してから前記第2の期間が経過した後、及び前記導波管に最後に前記第3の励起電磁波を照射してから前記第3の期間が経過した後の時点、
のいずれかで、前記導波管を透過した電磁波を測定して前記導波管が前記固有の透過特性を有しているか否かを検出するステップと、
前記固有の透過特性が検出されなければ作動を抑止するステップとを含む、請求項44に記載の方法。
【請求項46】
離脱可能に連結された離脱可能なコンポーネントを有する機構の作動を制御する方法であって、
離脱可能でかつ交換可能なコンポーネント上に担持された導波管を通過する電磁波を測定するステップと、
測定された電磁波から、前記導波管が、予め選択された波長領域内の励起電磁波を照射することにより励起されるフォトクロミック色素を含有するフォトクロミック部位を含むと判定された場合にのみ、前記分配機構を作動させるステップとを含み、
ここで前記フォトクロミック色素が励起されていない場合には、前記フォトクロミック部位は第1の透過特性を有し、
前記フォトクロミック部位は、前記フォトクロミック色素が最後に励起されてからある期間の間、異なる第2の透過特性を可逆的に呈し、
前記フォトクロミック部位は、前記第2の透過特性を有しているときには、最後に励起されてから前記期間が経過した後で、前記第2の透過特性を有している状態から、前記第1の透過特性を有している状態に戻るものであり、
さらに前記方法は、
前記フォトクロミック部位を励起して前記第2の透過特性とするのに充分な線量の前記励起電磁波を前記導波管に照射するステップと、
前記波長の電磁波をそのように照射してから前記期間内に、前記導波管を通過する電磁波を測定して、前記導波管が前記第2の透過特性を有しているか否かを検出するステップとを含む方法。
【請求項47】
分配システムであって、
分配される物質を収容するリザーバを含むリザーバアセンブリ、及び作動ユニット、ここで前記リザーバアセンブリは、同様のリザーバアセンブリによって交換できるように前記作動ユニットと離脱可能に連結されるものである、と、
入口と出口を有し、該入口から該出口まで電磁波を透過させる経路となる電磁波導波管と、
前記作動ユニットに担持され、前記導波管から前記出口を介して放出される電磁波を感知する電磁波センサとを備え、
ここで前記導波管の少なくとも一部分は前記リザーバアセンブリに離脱可能に担持されており、
さらに、前記センサによって感知された電磁波が、予め選択された電磁波プロファイルと適切に対応する場合にのみ前記ディスペンサの作動を許可する制御機構と
を備えた分配システム。
【請求項48】
さらに、前記作動ユニットに担持され、前記入口を介して前記導波管内へと電磁波を向ける電磁波エミッタを備え、
前記予め選択された電磁波プロファイルが、前記エミッタによって放射された電磁波と対応する、請求項25に記載の分配システム。
【請求項49】
前記リザーバは、物質を分配するための出口開口部と、
前記リザーバから実質的に脱離しないように前記出口に固定された出口部材とを含み、
ここで前記出口部材が前記リザーバに固定されているときには、該リザーバにおいて前記出口から物質を再充填するのが困難となっており、
前記リザーバは、前記出口開口部を除き、該リザーバに物質を再充填するのに難なく物質が通過できる別の開口部を有しておらず、
前記出口部材を離脱すると、前記導波管の一部が破壊され、前記入口から前記出口までの前記経路内における電磁波の透過特性が変化する、
請求項25又は26に記載の分配システム。
【請求項50】
前記出口部材は、物質を前記リザーバから前記出口開口部の外へと分配する、前記作動ユニットにより作動可能なポンプ機構を含む、請求項27に記載の分配システム。
【請求項51】
前記経路の一部を構成する易壊性部分を含み、該易壊性部分は、破壊されると、前記センサによって感知された電磁波が前記予め選択された電磁波プロファイルと適切に対応しなくなるように、前記導波管の透過特性を変化させるものであり、
前記リザーバアセンブリを前記作動ユニットから離脱すると、前記易壊性部分が破壊される、請求項25〜28のいずれか1項に記載の分配システム。
【請求項52】
離脱可能に連結された離脱可能なコンポーネントを有する分配機構の作動を制御する方法であって、
前記離脱可能なコンポーネントは、分配される物質を収容するリザーバを備えており、
前記方法は、
離脱可能でかつ交換可能なコンポーネントが、第1の予め選択された属性に従う第1のキーイング属性を有しているか否か、及び第2の予め選択された属性に従う第2のキーイング属性を有しているか否かを判定するステップと、
前記第1の予め選択された属性に従う第1のキーイング属性を有しておらず、かつ前記第2の予め選択された属性に従う第2のキーイング属性を有していない、離脱可能でかつ交換可能なコンポーネントを備えた前記分配機構の作動を抑止するステップと、
前記分配される物質を分配するポンプ機構の作動回数をカウントすることによって、分配された物質の体積を見積もるステップと、
前記離脱可能なコンポーネントを離脱し、前記第1の予め選択された属性に従う第1のキーイング属性を有し、かつ前記第2の予め選択された属性に従う第2のキーイング属性を有する離脱可能なディスペンサで交換した後、前記カウント値をゼロにリセットするステップと、
離脱可能なコンポーネントを離脱し、前記第1の予め選択された属性に従う第1のキーイング属性を有しているが、前記第2の予め選択された属性に従う第2のキーイング属性を有していない離脱可能なディスペンサで交換した後、カウントによる、分配された物質の体積の見積もり値が、前記リザーバの体積に相当する体積に近接するまでの間だけ、前記ディスペンサを作動させるステップとを含む方法。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate

【図16】
image rotate

【図17】
image rotate

【図18】
image rotate

【図19】
image rotate

【図20】
image rotate

【図21】
image rotate

【図22】
image rotate

【図23】
image rotate

【図24】
image rotate

【図25】
image rotate

【図26】
image rotate

【図27】
image rotate

【図28】
image rotate

【図29】
image rotate

【図30】
image rotate

【図31】
image rotate

【図32】
image rotate

【図33】
image rotate

【図34】
image rotate

【図35】
image rotate

【図36】
image rotate

【図37】
image rotate

【図38】
image rotate


【公開番号】特開2011−157808(P2011−157808A)
【公開日】平成23年8月18日(2011.8.18)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−276813(P2010−276813)
【出願日】平成22年12月13日(2010.12.13)
【出願人】(504245664)ゴトーチ. コム インク. (11)
【Fターム(参考)】