説明

フック

【課題】 フックの締付荷重の管理とユルミ止め振動吸収、シール性の効果の向上させることにある。
【解決手段】 フック1の締結面11には、ねじ穴の内周面と連通した切欠部7とさらに切欠部とねじ穴の切欠部側接点部に、球状に、切欠部があり、切欠部7には弾性部材8が装着される。このように構成されたフック1と被締結部材3,4の挿通穴3a,4aに挿通されたボルト2を弾性部材8の端面81を被締結部材3に接触させた状態で軸心を中心とした相対回転により互いにねじ結合させると軸方向に圧縮変形される弾性部材8がボルト2の外周面に圧接する。
これにより、フックの締付荷重の管理、ユルミ止め、振動吸収、シール性の効果を向上させることが出来る。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】

【技術分野】
【0001】
本発明は、フックの締付管理、振動の吸収、シール性向上に関する。
【背景技術】
【0002】
被締結部材を締結するためのフックとしては、ナットやボルトが多く用いられている。
ナットは内周面に雌ねじ部を設けられたねじ穴を有しており、ボルトにはこの雌ねじ部とねじ結合雄ねじ部が設けられている。
そして複数の被締結部材の挿通穴に挿通されたボルトにナットをねじ結合することにより、ボルト頭部とナットとの間で複数の被締結部材を締結するようになっている。
【0003】
しかしながら従来の技術は、ボルト、ナット、タッピングを主にした技術が多く、フックに関するものは少なく、特に被締結部材を締結した状態のフックに振動や衝撃が加わると締結状態に緩みが生じやすく、例えばフックを使用するキッチン等では、まな板や包丁を掛け、使用する場合も多く、非常に危険である。
【0004】
このようにフックは強度を無視した細いもの、曲がったものやデザインに主力をそそいだものが多く、ひとつ誤れば、フックが折れたり、曲がったりする場合が多く、危険極まりないものである。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明のフックは、ねじ穴が設けられたフックと前記フックと前記フックに対して軸心を中心とした相対回転により、ねじ結合されるボルトとを有し、被締結部材を締結するフックであって、前記フックの締結面に前記ねじ穴の内周面と連通させて形成された切欠部と端面が前記締結面よりも軸方面に突出した前記切欠部に装着される弾性部材とを有し、前記フックと前記ボルトとを締付けることにより軸方面に圧縮変形され、前記弾性部材が前記ボルトの外周面に圧接することを特徴とする。
【0006】
本発明のフック、前記ボルトを締結後に前記の被締結部材とフック締結面との隙間が無いときには締付荷重が所定の値となることを特徴とする。
【0007】
本発明のフックにあっては、締付荷重が所定の値とならない場合は、硬度、厚みの違った弾性部材と交換することにより、締付荷重が所定の値となることを特徴とする。
【0008】
本発明のフックは前記切欠部とねじ穴の切欠部側接点部を球状に大きく切欠いたことを特徴とする。このことは、フックねじ部を通して先端部からくる荷重をこの球状の切欠部により外側に分散させるため、フックの折れ、曲がりの防止となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下本発明の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。
【0010】
図1は本発明の一実施の形態である。
市販のフックを示す分解斜面図、図2は図1に示すフックの斜面図、図3は図2のA−A線に沿った断面である。
【0011】
図4に示すように、フック1とボルト2と2つの被締結部材3,4を締結するために用いられるフックである。
【0012】
フック1の締結面11にはねじ穴6を周方向の全周に亘って軸方向にT1および径方向にR1だけ切り欠いた円環状の切欠部7が設けられている。
【0013】
この切欠部7には軸方向の寸法T2径方向の厚み寸法R1の円環状の弾性部材8が嵌め合わされており、嵌め合わされた弾性部材8はその軸方向の端面81が締結面11よりδ1(=T2−T1)だけを突出する。ただし弾性部材8の伸縮を妨げないよう、嵌め合わせの際に接着剤は使用しない。
弾性部材8を構成する材料としては弾性を有する種々の樹脂またはゴムが用いられている。弾性部材8がゴムでなる場合は振動吸収とシール効果もある。
【0014】
本発明は、前記実施の形態に限定されるものでなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることは言うまでもない。
例えば、前記実施の形態においては、フック本体の材質はステンレス、鉄、陶器、真鍮、樹脂、いずれもよく、また、弾性部材8がフック1の締結面11の全周に亘って設けられているが、これに限らず弾性部材8がフックの締結面の一部だけに設けられていてもよい。
【0015】
また前記実施の形態ではフック1とねじ結合される部材として、ボルト2が用いられているが、これに限らず、フック1とねじ結合される雄ねじ部を有するものであれば、他の部材であってもよい。
【発明の効果】
【0016】
本発明によれば、フックの締付荷重の管理とユルミ止め、振動吸収、シール性の効果を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施の形態であるフックを示す分解斜視図である。
【図2】図1に示すフックを示す斜視図である。
【図3】図2のA−A線に沿った断面図である。
【図4】図2の示すフックの締付状態を示す断面図である。
【図5】図1に示すフックの変形例を示す斜視図である。
【図6】図5のB−B線に沿った断面図である。
【符号の説明】
【0018】
1、 フック
2、 ボルト
2a、 雄ねじ部
3,4、 被締結部材
3a、4a、挿通穴
5、 球状の切欠部
6、 ねじ穴
6a、 雌ねじ部
7、 切欠部
8、 弾性部材
11、 締結面
81、 端面

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ねじ穴が設けられたフックと前記のフックに対して軸心を中心として相対回転により、ねじ結合されるボルトを有し、被締結部材を締結するフックであって前記フックの締結面に前記ねじ穴の内周面と連通させて形成された切欠部と、端面が前記締結面よりも軸方向に突出して前記切欠部に装着される弾性部材とを有し、前記フックと前記ボルトとを締付けることにより、
軸方向に圧縮変形される前記弾性部材が前記ボルトの外周面に圧接することを特徴とするフック。
【請求項2】
請求項1記載のフックにおいて、ボルトを締結後に前記の被締結部材とフック締結面との隙間が無いときには締付荷重が所定の値になることを特徴とする。
【請求項3】
請求項1,2記載のフックにおいて締付荷重が所定の値とならない場合は、硬度、厚みの違った弾性部材と交換することにより、締付荷重が所定の値となることを特徴とするフック。
【請求項4】
請求項1,2,3記載のフックにおいて前記フック切欠部とねじ穴の切欠部側接点部を球状に大きく切欠いたことを特徴とするフック。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−101479(P2010−101479A)
【公開日】平成22年5月6日(2010.5.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−292770(P2008−292770)
【出願日】平成20年10月21日(2008.10.21)
【出願人】(508339297)有限会社大都工業 (2)
【Fターム(参考)】