説明

フラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造及びフラットケーブル

【課題】 電気電子部品との固定強度を高くすることができるフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造を提供すること
【解決手段】 複数本の導体11を有するフラットケーブル1aをコネクタハウジング2aなどの電気電子部材に固定する取り付け構造において、フラットケーブル1aは複数本の導体11とコネクタハウジング1aへの固定用の補強材12とが間隔を開けて平行に配列され、かつその両面に絶縁フィルム13が貼り合わされてなり、該フラットケーブル1aの前記補強部材12の部位にコネクタハウジング2aの取り付け用孔14を形成し、この取り付け用孔14にコネクタハウジング2aが固定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造及びフラットケーブルに関し、さらに詳しくは、電気信号などを伝送する薄板帯状の導体が絶縁被覆層に被覆されたフラットケーブルと、コネクタなどの電気電子部品との間の取り付けに好適に適用できるフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造と、この構造に適用されるフラットケーブルに関する。
【背景技術】
【0002】
フラットケーブルにコネクタなどの電気電子部材を装着する構成としては、フラットケーブルの絶縁被覆層にボス挿通孔や切り欠きを形成し、このボス挿通孔や切り欠きを介してフラットケーブルに電気電子部材を装着する構成が用いられている。
【0003】
具体的にはたとえば、コネクタハウジングのキャビティ間の隔壁に切り込みを形成し、この切り込みにフラットケーブルの絶縁被覆層を挟持させる構成が提案されている(特許文献1参照)。また、フラットケーブルの端部の絶縁被覆層に張り出し部を形成し、この張り出し部にボス挿通孔を形成し、このボス挿通孔にコネクタに形成される位置決めボスを嵌合して固定するという方法も提案されている(特許文献2参照)。
【0004】
【特許文献1】特開2004−206992号公報
【特許文献2】特開2003−31269号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、フラットケーブルの絶縁被覆層は、合成樹脂材料など、一般に柔らかい材料により形成される。このため、コネクタハウジングからフラットケーブルを引き抜くような負荷がかかるなどすると、フラットケーブルの絶縁被覆層の破断や位置ずれが生じやすい。このように、絶縁被覆層による固定では、フラットケーブルとコネクタとの結合強度が大きくできないという問題点がある。
【0006】
上記実情に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、コネクタなどの電気電子部品との固定強度を高くすることができるフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造、あるいはこの取り付け構造に好適なフラットケーブルを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、請求項1に記載の発明は、複数本の導体を有するフラットケーブルをコネクタ部材や回路基板などの電気電子部材に固定する取り付け構造において、前記フラットケーブルは複数本の導体と前記電気電子部材への固定用の補強材とが間隔を開けて平行に配列され、かつその両面に絶縁フィルムが貼り合わされてなり、該フラットケーブルの前記補強部材の部位に前記電気電子部材の取り付け用孔を形成し、該取り付け用孔に電気電子部材が固定されてなることを要旨とするものである。
【0008】
ここで請求項2に記載の発明のように、前記フラットケーブルの補強材に形成される取り付け用孔は、両面の絶縁フィルムまで貫通される貫通孔であって、前記電気電子部材には、該フラットケーブルを受止するケーブル支持部材と、該ケーブル支持部材上にフラットケーブルを挟着するカバー部材のいずれか一方の部材には、前記フラットケーブルの補強材に形成される取り付け用孔に貫挿されるピン部材が設けられ、他方の部材には該ピン部材を係止する係合部材が設けられることが好ましい。
【0009】
そして、請求項3に記載の発明のように、前記フラットケーブルが有する補強材は平角ステンレス線であって、該平角ステンレス線は該フラットケーブルの有する複数本の導体の外側両サイドまたは片側サイドに該導体と間隔を開けて平行に配列されることが好ましい。
【0010】
また、請求項4に記載の発明のように、前記フラットケーブルが有する補強材は平角ステンレス線であって、該平角ステンレス線は、該フラットケーブルの有する複数本の導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列されるものであってもよい。
【0011】
請求項5に記載の発明は、複数本の導体を有するフラットケーブルをコネクタ部材や回路基板などの電気電子部材に固定する取り付け構造において、前記フラットケーブルは複数本の導体が間隔を開けて平行に配列され、かつその両面に絶縁フィルムが貼り合わされてなり、該フラットケーブルの前記複数本の導体のうち少なくとも1本の導体の部位に前記電気電子部材の取り付け用孔を形成するとともに、該取り付け用孔が形成される導体の幅が該取り付け用孔が形成されない導体より大きく形成され、該取り付け用孔に電気電子部材が固定されてなることを要旨とするものである。
【0012】
ここで、請求項6に記載の発明のように、前記フラットケーブルの導体に形成される取り付け用孔は、両面の絶縁フィルムまで貫通される貫通孔であって、前記電気電子部材には、該フラットケーブルを受止するケーブル支持部材と、該ケーブル支持部材上にフラットケーブルを挟着するカバー部材のいずれか一方の部材には、前記フラットケーブルの導体に形成される取り付け用孔に貫挿されるピン部材が設けられ、他方の部材には該ピン部材を係止する係合部材が設けられることが好ましい。
【0013】
そして、請求項7に記載の発明のように、前記フラットケーブルの前記電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の外側両サイドまたは片側サイドに該導体と間隔を開けて平行に配列されることが好ましい。
【0014】
また、請求項8に記載の発明のように、前記フラットケーブルの前記電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列されるものであってもよい。
【0015】
また、請求項9に記載の発明のように、前記フラットケーブルは絶縁フィルムの部分が屈曲性を有するフレキシブルタイプのもので、前記電気電子部材は自動車用ワイヤーハーネスのコネクタハウジング、プリント回路基板、またはフレキシブルプリント回路基板に好適に用いることができる。
【0016】
請求項10に記載の発明は、複数本の導体と前記電気電子部材への固定用の補強材とが間隔を開けて平行に配列され、かつその両面に絶縁フィルムが貼り合わされてなることを要旨とするものである。
【0017】
ここで、請求項11に記載の発明のように、前記補強材は平角ステンレス線であって、該平角ステンレス線は前記複数本の導体の外側両サイドまたは片側サイドに該導体と間隔を開けて平行に配列されることが好ましい。
【0018】
そして、請求項12に記載の発明のように、前記補強材は平角ステンレス線であって、該平角ステンレス線は、前記複数本の導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列されるものであってもよい。
【0019】
請求項13に記載の発明は、複数本の導体が間隔を開けて平行に配列され、該フラットケーブルの前記複数本の導体のうち少なくとも1本の導体の部位に前記電気電子部材の取り付け用孔を形成するとともに、該取り付け用孔が形成される導体の幅が該取り付け用孔が形成されない導体より大きく形成され、かつその両面に絶縁フィルムが貼り合わされてなることを要旨とするものである。
【0020】
ここで、請求項14に記載の発明のように、前記フラットケーブルの前記電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の外側両サイドまたは片側サイドに間隔を開けて平行に配列されることが好ましい。
【0021】
また、請求項15に記載の発明のように、前記フラットケーブルの前記電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の間に間隔を開けて平行に配列されるものであってもよい。
【0022】
そして請求項16に記載の発明のように、前記請求項10ないし15に記載されるフラットケーブルは、絶縁フィルムの部分が屈曲性を有するフレキシブルタイプのものであることが好ましい。
【発明の効果】
【0023】
請求項1または請求項2に記載の発明によれば、電気電子部材に形成されるピン部材が、フラットケーブルの補強材に形成される取り付け用孔に嵌合することにより固定されるから、フラットケーブルの絶縁被覆層に形成されるボス挿通孔や切り欠きを介して固定する構成に比較して強固に固定することができる。このため、フラットケーブルの位置ずれや、破断などを防止することができる。
【0024】
請求項3または請求項4に記載の発明によれば、補強材として強度の高い平角ステンレス線が適用されることから、より電気電子部材をより強固にフラットケーブルに固定することができる。また、補強材を導体の外側両サイドまたは片側サイドあるいは導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列されるから、電気電子部材とフラットケーブルの固定部の設計の自由度を上げることができる。
【0025】
請求項5または請求項6に記載の発明によれば、電気電子部材のピン部材がフラットケーブルの導体に形成される取り付け用孔に嵌合することにより固定されるから、絶縁被覆層にのみボス挿通孔や切り欠きを形成して固定する構成に比較して、電気電子部材の固定強度を向上させることができる。ここで、取り付け用孔が形成される導体は、取り付け用孔が形成されない導体に比較して幅広に形成されるから、電気電子部材の固定がより強固になるとともに、取り付け用孔が形成される部分での導体の抵抗の増加を抑制することができる。
【0026】
請求項7または請求項8に記載発明によれば、電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、取り付け用孔が形成されない導体の外側両サイドまたは片側サイドあるいは、取り付け用孔が形成されない導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列される構成とすれば、電気電子部材とフラットケーブルの固定部分の設計の自由度を上げることができる。
【0027】
請求項9に記載の発明によれば、取り付け部分の厚さ方向の寸法増加を抑制しつつ電気電子部材とフラットケーブルとの固定強度を向上させることができる。このため、ワイヤーハーネス、プリント回路基板、またはフレキシブル回路基板に適用することにより、これらの電気電子部材との取り付け構造を小型化することができる。
【0028】
請求項10に記載の発明によれば、電気電子部材の取り付け用孔は補強材に形成されるから、絶縁被覆層にのみボス挿通孔や切り欠きを形成する構成に比較して、電気電子部材との固定強度を向上させることができる。
【0029】
そして、請求項11または請求項12に記載の発明のように、補強材を平角ステンレス線により形成する構成とすれば、電気電子部材との結合強度をより向上させることができる。また、請求項11に記載の発明のように補強材を前記複数本の導体の外側両サイドまたは片側サイドに該導体と間隔を開けて平行に配列したり、請求項12に記載の発明のように前記複数本の導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列することができるから、フラットケーブルの設計の自由度を高くすることができる。
【0030】
請求項13に記載の発明によれば、電気電子部材の取り付け用孔は導体に形成されるから、絶縁被覆層にのみボス挿通孔や切り欠きを形成する構成に比較して、電気電子部材との固定強度の向上を図ることができる。この場合において、電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、取り付け用孔が形成されない導体に比較して幅広に形成されるから、固定強度をより向上させることができる。また、断面積が大きくなるから、取り付け用孔が形成される箇所における電気抵抗の増加を抑制することができる。
【0031】
請求項14に記載の発明のように、電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の外側両サイドまたは片側サイドに間隔を開けて平行に配列したり、請求項15に記載の発明のように、電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の間に間隔を開けて配列したりできるから、電気電子部材とフラットケーブルとの固定部分の設計の自由度を向上させることができる。
【0032】
請求項16に記載の発明のように、絶縁フィルムの部分が屈曲性を有するものであれば、電気電子部材との固定部分の屈曲性や薄型構造を維持しつつ、固定強度の向上を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0033】
以下に、本発明の実施形態について、図面を参照して詳細に説明する。
【0034】
図1は、本発明の第1の実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の要部を模式的に示した分解斜視図である。この図1に示す構成は、電気信号などを伝送する導体を備えるフラットケーブルと、このフラットケーブルに取り付けられるコネクタハウジングと、フラットケーブルの導体と接合する端子とを備え、これらの組立に適用されるものである。なお、電気電子部材として、自動車用ワイヤーハーネスの雄側コネクタを適用する構成を示す。。
【0035】
図1に示すようにコネクタハウジング2aは、ハウジング本体21とカバー体23とを備え、たとえば合成樹脂材料などにより一体に成形される。ハウジング本体21の一側には、平板状のケーブル固定部22が形成され、他の一側には相手方のコネクタ(図示せず、この例において雌側コネクタが適用される)と結合するため、たとえば周縁部がフード状に張り出した形状を有する。そして、ケーブル固定部22とフード状に形成される他の一側の間を貫通する端子孔211が形成される。
【0036】
カバー体23は板状に形成され、その一側は、可撓性を有するヒンジ24によりハウジング本体21のケーブル固定部22の一側に連結される。このような構成により、ハウジング本体21とカバー体23とは、ヒンジ24を中心に相対的に揺動可能となる。そして、カバー体23を矢印aの向きに倒すことによって、カバー体23をハウジング本体21のケーブル固定部22に重ね合わせるように装着できる。
【0037】
このカバー体23にはピン231が突設され、ハウジング本体21のケーブル固定部22にはピン孔221が形成される。図1においては、略円柱形状のピン231が、カバー体23の四隅に1個ずつの計4箇所に形成され、断面略円形のピン孔221が、ハウジング本体21のケーブル固定部22の四隅に1個ずつの計4カ所に形成される構成を示す。そして、カバー体23をハウジング本体21のケーブル固定部22に装着すると、カバー体23の各ピン231がケーブル固定部22の各ピン孔221に嵌合するように構成される。なお、各ピン231の形状は特に限定されるものではなく、図に示すような円柱形のほか、角柱であってもよい。また、ピン孔221は、これら各ピン231が嵌合できる形状であればよい。
【0038】
フラットケーブル1aは、図1に示すように、信号や電力などを伝送する複数の導体11と、ハウジング本体21との結合強度を得るための単数または複数の補強材12と、これら導体11及び補強材12を被覆する絶縁被覆層13とを備える。この図1においては、3本の導体11と2本の補強材12を備える構成の例を示す。
【0039】
導体11は、電気導通性の良い材料、たとえば銅や銅合金などにより形成される。補強材12は、少なくとも導体11よりも強度が高い材料、具体的にはたとえばステンレス綱などにより形成される。これら導体11及び補強材12は、それぞれ薄肉扁平の帯板状に形成される。そして、導体11が所定の間隔をおいて互いに平行に配置され、その両側には補強材12が、導体11から所定の距離をおいて平行に配置される。図1においては、3本の導体11が所定の間隔をおいて平行に配置され、その両側に1本ずつの補強材12が、導体11から所定の距離をおいて平行に配置される構成を示す。そしてこれら導体11及び補強材12の両面から、合成樹脂材料などにより形成されるシート状の絶縁被覆材が貼り合わされて一体化することにより、導体11及び補強材12が、合成樹脂材料などからなる絶縁被覆層13の中に埋め込まれる構成となる。このため、フラットケーブル1aは、全体として屈曲性、可撓性を有し所定の形状に弾性変形させることができる。
【0040】
そして、このフラットケーブル1aの補強材12及び絶縁被覆層13を貫通する貫通孔であるピン孔14が形成される。このピン孔14の形状寸法、数、位置については後述する。
【0041】
また、各導体11と端子3とを接合する箇所は絶縁被覆層13が除去された接合窓15が形成され、導体11がこの接合窓15から露出する。なお、この接合窓15は、端子3と接合する側(図においては上側)の面のみならず、反対側の面にも同じ位置に形成される。絶縁被覆層13に接合窓15を形成する手段は特に限定されるものではなく、さまざまな手段をとることができる。たとえば、絶縁被覆層13にレーザを照射し、接合窓15にあたる領域の絶縁被覆層13を蒸発させて除去する手段が適用できる。また、接合窓15の形状の輪郭に沿ってレーザを照射して絶縁被覆層13に切り込みを入れ、その後切り込みに囲まれた領域に存在する絶縁被覆層13を物理的に除去するものであっても良い。ここで、使用するレーザの種類は問わず、COレーザ、YAGレーザ、エキシマレーザなどの適用が可能である。このほか、絶縁被覆層13に切り込みを形成する手段としてレーザを用いるものではなくともよく、カッターなどの刃物を用いるものであっても良い。
【0042】
端子3は、金属材料などにより棒状に形成される部材である。図においては3本の端子3を備える構成を示すが、その数や形状は限定されるものではない。
【0043】
次に、このフラットケーブル1、コネクタハウジング2及び端子3の組み付け手順について説明する。図2は、これらコネクタハウジング2a、フラットケーブル1a、端子3の組み付け状態を示した外観斜視図であり、(a)は、組み付け途中の状態を示した図、(b)は組み付け完了後の状態を示した図である。
【0044】
まず、端子3をハウジング本体21の端子孔221に挿入し、その一端をケーブル固定部22の面上に位置するように配置する。そして、フラットケーブル1aを、ハウジング本体21のケーブル固定部22と、このケーブル固定部22の面上に位置する端子3との間に差し込む。
【0045】
ここで、フラットケーブル1aのピン孔14と、コネクタハウジング2aのケーブル固定部22に形成されるピン孔211の位置関係は、図2(a)に示すフラットケーブル1aを端子3とケーブル固定部22の間に差し込んだ状態において、フラットケーブル1aに形成されるピン孔14と、ケーブル固定部22に形成されるピン孔221と位置が一致するように設定される。なお、フラットケーブル1aのピン孔14は、カバー体23に形成されるピン231が挿通できる寸法形状であればよい。また、フラットケーブル1aの接合窓15の位置と、コネクタハウジング2aの端子孔211の位置の関係は、同じく図2(a)に示す状態において、端子孔211から突出する端子3が、接合相手となる導体11が露出する接合窓15上に各端子3が位置するように設定される。また、ケーブル固定部22に形成される貫通孔222は、フラットケーブル1aを載置した際に、導体11の位置に一致する、すなわち、図において、導体11の下方に貫通孔222が位置するように形成される。
【0046】
この図2(a)に示す状態で、各端子3と、フラットケーブル1aの接合窓15から露出する導体11とを接合する。この接合手段としては、たとえば抵抗スポット溶接などが適用できる。具体的に説明すると、端子3に図2(a)の上方から電極を押しあてるとともに、この電極と対をなす電極を、ケーブル固定部22に形成される貫通孔222を通して図2の下方から導体11に押しあてる。そして、これらの電極の間に端子3と導体11とを挟持して加圧するとともに電流を流し、端子3と導体11との接触部を接触抵抗により発熱させて局所的に溶融し接合するものである。
【0047】
このような方法により各端子3と各導体11とをそれぞれ導通可能に接合した後、カバー体23を矢印aの向きに倒し、ハウジング本体21のケーブル固定部22に装着する。この際、カバー体23のピン231は、フラットケーブル1aの補強材12及び絶縁被覆層13のピン孔14を貫通し、ケーブル固定部22のピン孔221に係合する。これにより、図2(b)に示すように、コネクタハウジング2aはフラットケーブル1aに固定される。なお、組み付け順序は、前記順序に限定されるものではない。たとえば、あらかじめフラットケーブル1aの導体11と端子3とを接合しておき、その後にコネクタハウジング2aに組み付けるものであってもよい。
【0048】
このような構成によれば、フラットケーブル1aに引っ張り力などの外力が加わった場合、この引っ張り力は、強度の高い補強材12と、カバー体23に形成されるピン231が負担する。このため、従来のような絶縁被覆層にのみボス孔を形成して固定する構成に比較して、フラットケーブル1aとコネクタハウジング2aの取り付け強度が向上し、フラットケーブルの位置ずれや破断を防止できる。
【0049】
次いで、本発明の第2の実施形態について説明する。図3は、本発明の第2の実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の要部を模式的に示した分解斜視図であり、電気電子部材として、雄側コネクタに適用する構成を示す。なお以下においては、主に第1実施形態と異なる構成を有する部分について説明し、第1実施形態と同じ構成を有する部分については説明を省略する。
【0050】
図3に示すように、第2の実施形態に係るコネクタハウジング2bは、カバー体23に形成されるピン231の数及び位置、ハウジング本体21に形成される貫通孔222、ピン孔221の数及び位置を除いては、第1の実施形態に係るコネクタハウジング2aと略同一の構成を有する。
【0051】
カバー体23にはピン231が突設され、ハウジング本体21のケーブル固定部22には、このピン231が嵌合するピン孔221が形成される。図3においては、ケーブル固定部22及びカバー体23の対向する辺の略中間に1カ所ずつ形成される構成を示す。
【0052】
図3に示すように、フラットケーブル1bは、第1の実施形態におけるフラットケーブル1aと同様に、信号や電力などを電送する導体11と、ハウジング21との結合強度を得るための補強材12を備え、これら導体11及び補強材12が絶縁被覆層13により被覆される構成を備える。ただし、第2の実施形態におけるフラットケーブル1bは、複数の導体11が複数平行に配置され、補強材12はこれら導体11の間に配置される構成を備える。図3に示す例では、1本の補強材12の両側に、所定の間隔をおいてそれぞれ2本ずつの導体11が配置される構成を示す。そして、第1の実施形態と同様に、このフラットケーブル1bの補強材12と絶縁被覆層13とを貫通するピン孔14が所定の位置に形成される。
【0053】
このフラットケーブル1bに形成されるピン孔14、コネクタハウジング2bのカバー体23に形成されるピン231及びケーブル固定部22に形成されるピン孔221の位置関係は、第1の実施形態と同一である。また、フラットケーブル1bの導体11と、ケーブル固定部22の貫通孔222との位置関係も第1の実施形態と同一である。
【0054】
このフラットケーブル1b、コネクタハウジング2b、及び端子3の組み付け手順は、第1の実施形態とほぼ同一である。図4は、第2の実施形態に係るコネクタハウジング2b、フラットケーブル1b、端子3の組み付け状態を示した外観斜視図であり、(a)は、組み付け途中の状態を示した図、(b)は組み付け後の状態を示した図である。この図4(a)、(b)は、それぞれ第1の実施形態の説明で参照した図2(a)、(b)に相当するものである。なお、組み付け手順は第1の実施形態と略同一であることから説明は省略する。
【0055】
このような構成によれば、第1の実施形態と同様の作用効果を奏することができる。すなわち、フラットケーブル1bに加わった引張り力などの外力は、強度の高い補強材12と、カバー体23に形成されるピン231が負担する。このため、フラットケーブルの絶縁被覆層にのみボス孔を形成して固定する従来の構成に比較して、フラットケーブル1bとコネクタハウジング2bの組立強度が向上し、フラットケーブルの位置ずれや破断を防止できる。
【0056】
次いで、第3の実施形態について説明する。図5は、本発明の第3の実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の要部を模式的に示した分解斜視図であり、電気電子部材として、雄側コネクタを適用する構成を示す。なお以下においては、第1の実施形態または第2の実施形態と相違する部分を主に説明し、第1の実施形態または第2の実施形態と同一の部分については同一の符号を付し、説明を省略する。
【0057】
図5に示すように、本実施形態に係るフラットケーブル1cは、信号や電力などを電送する複数の導体11、11’と、これら複数の導体11,11’を被覆する絶縁被覆層13とを備える。この図5においては、5本の導体11,11’を備える構成を示す。導体11,11’は、電気導通性の良い材料、たとえば銅や銅合金などによりそれぞれ薄肉扁平の帯板状に形成される。そして、これら導体11,11’が所定の間隔をおいて平行に配置され、これら導体11,11’の両面から、合成樹脂材料などにより形成されるシート状の絶縁被覆材が貼り合わされて一体化することにより、導体11,11’が絶縁被覆層13の中に埋め込まれる構成となる。
【0058】
これら複数ある導体11,11’のうち、特定の単数あるいは複数の導体にはピン孔14が形成される(ピン孔14が形成される導体には、符号「11’」を付して区別する)。そして、ピン孔14が形成される導体11’の幅方向寸法(導体11’の長手方向に直角な寸法)は、ピン孔14が形成されない導体11に比較して大きく形成される。図5においては、平行に配置される5本の導体11、11’のうち、ピン孔14が形成される幅広の導体11’がもっとも外側に1本ずつ配置される構成を示す。
【0059】
また、各導体11、11’と端子3とを接合する位置には、絶縁被覆層13が除去されて接合窓15が形成され、この接合窓15から導体11、11’が露出する。この接合窓15は、端子3と接合する側(図においては上側)の面のみならず、反対側の面にも同じ位置に形成される。この接合窓15の形成手段は、第1の実施形態で示した手段と同一の手段が適用できるので説明は省略する。
【0060】
コネクタハウジング2cは、図5に示すように、ハウジング本体21とカバー体23とを備え、たとえば合成樹脂材料により一体に成形される。なお、カバー体23に形成されるピン231と、ハウジング本体21のケーブル固定部22に形成される貫通孔222及びピン孔221の数及び位置を除いては、第1または第2の実施形態におけるコネクタハウジング2a、2bと略同一の構成を有することから、説明は省略する。
【0061】
カバー体23にはピン231が突設され、ケーブル固定部22にはカバー体23が装着された際にピン231が嵌合するピン孔221が形成される。図5においては、カバー体23の四隅にそれぞれ1個ずつのピン231が形成され、ケーブル固定部22の四隅近傍にそれぞれ1個ずつのピン孔221が形成される構成を示す。
【0062】
端子3は、金属材料などにより棒状あるいは針状に形成される部材で、第1ないし第2の実施形態における端子と同一のものが適用できる。
【0063】
図6は、これらコネクタハウジング2c、フラットケーブル1c、端子3の組み付け状態を示した外観斜視図であり、(a)は、組み付け途中の状態を示した図、(b)は組み付け後の状態を示した図である。これら図6(a)、(b)は、それぞれ第1の実施形態の説明で参照した図2(a)、(b)に相当する状態を示したものである。そして、このようなフラットケーブル1c、コネクタハウジング2c、端子3の組み付け手順は、第1または第2の実施形態で示した手順と略同一であることから説明は省略する。
【0064】
このような構成によれば、フラットケーブルに引っ張り力などの外力が加わった場合、この引っ張り力は、ピン孔14が形成される導体11’と、カバー体23に形成されるピン231が負担することになる。このため、フラットケーブルの絶縁被覆層にのみボス挿通孔を形成して結合する従来の構成に比較して、コネクタハウジング2cをフラットケーブル1cに強固に固定することができる。ここで、ピン孔14が形成される導体11’は、形成されない導体11に比較して幅方向寸法が大きく形成されて強度が高いから、フラットケーブル1cとコネクタハウジング2cとの結合がより強固となる。
【0065】
さらに、この導体11、11’により電力や電気信号を伝送する場合、ピン孔14が形成される導体11’は、形成されない導体11に比較して幅が大きいから、ピン孔14が形成されても、電力や電気信号を伝送するのに十分な断面積を確保することができ、また、抵抗の増加による発熱を抑制することができる。
【0066】
次いで、第4の実施形態について説明する。図7は、本発明の第4の実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の要部を模式的に示した分解斜視図であり、電気電子部材として、雄側コネクタを適用する構成を示す。なお以下においては、第1ないし第3の実施形態と相違する部分を主に説明し、第1ないし第3の実施形態と同一の部分については説明を省略する。
【0067】
第4の実施形態に係るフラットケーブル1dは、複数の導体11、11’と、これら複数の導体11、11’を被覆する絶縁被覆層13を備える。そして第3の実施形態と同様に、これら導体のうち、特定の単数あるいは複数の導体11’にピン孔14が形成され、このピン孔14が形成される導体11’が、ピン孔14が形成されない導体11に比較して幅方向寸法が大きく形成される。ただし、第3の実施形態におけるフラットケーブル1cは、ピン孔14が形成される導体11’が、ピン孔14が形成されない導体11の両側あるいは片側に配置される構成であるのに対し、第4の実施形態におけるフラットケーブル1dは、ピン孔14が形成されない導体11の間にピン孔14が形成される導体11’が配置される構成を備える。図7においては、ピン孔14が形成される1本の導体11’と、ピン孔14が形成されない4本の導体11とを備え、ピン孔14が形成される導体11’の両側にピン孔14が形成されない2本ずつの導体11が配置される構成を示す。
【0068】
また、各導体11、11’と端子3とを接合する位置には、絶縁被覆層13が除去されて接合窓15が形成され、これら接合窓15から導体11、11’が露出する。この接合窓15は、端子3と接合する側(図においては上側)の面のみならず、反対側の面にも同じ位置に形成される。この接合窓15の形成手段は、第1の実施形態で示した手段と同一の手段が適用できるので説明は省略する。
【0069】
コネクタハウジング2dは、図7に示すように、ハウジング本体21とカバー体23とを備え、たとえば合成樹脂材料により一体に成形される。なお、カバー体23に形成されるピン231の数及び位置と、ハウジング本体21のケーブル固定部22に形成される貫通孔222及びピン孔221の数及び位置を除いては、第1ないし第3の実施形態におけるコネクタハウジング2a,2b,2cと略同一の構成を有することから、説明は省略する。
【0070】
カバー体23には、ケーブル固定部22に被着する側の面にピン231が突設され、ケーブル固定部22には、カバー体23が被着された際にピン231が嵌合するピン孔221が形成される。図7においては、カバー体23の対向する辺の中間にそれぞれ1個ずつのピン231が形成され、ケーブル固定部22の対向する辺の略中央にそれぞれ1個ずつのピン孔221が形成される構成を示す。
【0071】
図8は、これらコネクタハウジング2d、フラットケーブル1d、端子3の組み付け状態を示した外観斜視図であり、(a)は、組み付け途中の状態を示した図、(b)は組み付け完了後の状態を示した図である。これらの図8(a)、(b)は、それぞれ第1の実施形態の説明で参照した図2(a)、(b)に相当するものであり、このようなフラットケーブル1c、コネクタハウジング2c、端子3の組み付け手順は、第1ないし第3の実施形態で示した手順と略同一であることから説明は省略する。
【0072】
このような構成によれば、フラットケーブルに引張り力などの外力が加わった場合、この引張り力は、ピン孔14が形成された導体11’と、カバー体23に形成されるピン231が負担することになる。このため、フラットケーブルの絶縁被覆層13にのみピン孔14を形成して結合する構成に比較して、フラットケーブル1dとコネクタハウジング2dとを強固に結合することができる。ここで、ピン孔14が形成される導体11’は、形成されない導体11に比較して幅方向寸法が大きく形成されて強度が高いから、フラットケーブル1dとコネクタハウジング2dとの結合がより強固となる。
【0073】
さらに、この導体11により実際に電力や電気信号を伝送する場合、ピン孔14が形成される導体11’は、形成されない導体11に比較して幅が大きいから、導体11’にピン孔14が形成されるものであっても、電力や電気信号を伝送するのに十分な断面積を確保することができ、また、抵抗の増加による発熱を抑制することができる。
【0074】
なお、前記各実施形態においては、自動車用ワイヤーハーネスのコネクタハウジングに適用する例を用いて説明したが、コネクタハウジングであれば用途が限定されることなく適用できる。また、電気電子部材としては、コネクタハウジングに限らず、プリント回路基板、フレキシブル回路基板にも適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0075】
【図1】本発明の第1の実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の要部を模式的に示した分解斜視図である。
【図2】前記実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の組み付け状態を示した図であり、(a)は組み付け途中の状態を、(b)は組み付け後の状態を示す。
【図3】本発明の第2の実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の要部を模式的に示した分解斜視図である。
【図4】前記実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の組み付け状態を示した図であり、(a)は組み付け途中の状態を、(b)は組み付け後の状態を示す。
【図5】本発明の第3の実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の要部を模式的に示した分解斜視図である。
【図6】前記実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の組み付け状態を示した図であり、(a)は組み付け途中の状態を、(b)は組み付け後の状態を示す。
【図7】本発明の第4の実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の要部を模式的に示した分解斜視図である。
【図8】前記実施形態に係るフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造の組み付け状態を示した図であり、(a)は組み付け途中の状態を、(b)は組み付け後の状態を示す。
【符号の説明】
【0076】
1 フラットケーブル
2a コネクタハウジング
3 端子
11 導体
12 補強材
13 絶縁層
14 ピン孔
15 接合窓
21 ハウジング本体
22 ケーブル固定部
23 カバー体
24 ヒンジ
211 端子孔
212 結合部
221 ピン孔
222 貫通孔
231 ピン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数本の導体を有するフラットケーブルをコネクタ部材や回路基板などの電気電子部材に固定する取り付け構造において、前記フラットケーブルは複数本の導体と前記電気電子部材への固定用の補強材とが間隔を開けて平行に配列され、かつその両面に絶縁フィルムが貼り合わされてなり、該フラットケーブルの前記補強部材の部位に前記電気電子部材の取り付け用孔を形成し、該取り付け用孔に電気電子部材が固定されてなることを特徴とするフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項2】
前記フラットケーブルの補強材に形成される取り付け用孔は、両面の絶縁フィルムまで貫通される貫通孔であって、前記電気電子部材には、該フラットケーブルを受止するケーブル支持部材と、該ケーブル支持部材上にフラットケーブルを挟着するカバー部材のいずれか一方の部材には、前記フラットケーブルの補強材に形成される取り付け用孔に貫挿されるピン部材が設けられ、他方の部材には該ピン部材を係止する係合部材が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項3】
前記フラットケーブルが有する補強材は平角ステンレス線であって、該平角ステンレス線は該フラットケーブルの有する複数本の導体の外側両サイドまたは片側サイドに該導体と間隔を開けて平行に配列されていることを特徴する請求項1または2に記載のフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項4】
前記フラットケーブルが有する補強材は平角ステンレス線であって、該平角ステンレス線は、該フラットケーブルの有する複数本の導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列されていることを特徴とする請求項1または2に記載のフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項5】
複数本の導体を有するフラットケーブルをコネクタ部材や回路基板などの電気電子部材に固定する取り付け構造において、前記フラットケーブルは複数本の導体が間隔を開けて平行に配列され、該フラットケーブルの前記複数本の導体のうち少なくとも1本の導体の部位に前記電気電子部材の取り付け用孔を形成するとともに、該取り付け用孔が形成される導体の幅が該取り付け用孔が形成されない導体より大きく形成し、かつその両面に絶縁フィルムが貼り合わされてなり、該取り付け用孔に電気電子部材が固定されてなることを特徴とするフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項6】
前記フラットケーブルの導体に形成される取り付け用孔は、両面の絶縁フィルムまで貫通される貫通孔であって、前記電気電子部材には、該フラットケーブルを受止するケーブル支持部材と、該ケーブル支持部材上にフラットケーブルを挟着するカバー部材のいずれか一方の部材には、前記フラットケーブルの導体に形成される取り付け用孔に貫挿されるピン部材が設けられ、他方の部材には該ピン部材を係止する係合部材が設けられていることを特徴とする請求項5に記載のフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項7】
前記フラットケーブルの前記電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の外側両サイドまたは片側サイドに該導体と間隔を開けて平行に配列されていることを特徴する請求項5または6に記載のフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項8】
前記フラットケーブルの前記電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列されていることを特徴とする請求項5または6に記載のフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項9】
前記請求項1ないし請求項8に記載されるフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造において、前記フラットケーブルは絶縁フィルムの部分が屈曲性を有するフレキシブルタイプのもので、前記電気電子部材は自動車用ワイヤーハーネスのコネクタハウジング、プリント回路基板、またはフレキシブルプリント回路基板であることを特徴とするフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造。
【請求項10】
前記請求項1から5または請求項9のいずれかに記載のフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造に適用されるフラットケーブルであって、複数本の導体と前記電気電子部材への固定用の補強材とが間隔を開けて平行に配列され、かつその両面に絶縁フィルムが貼り合わされてなることを特徴とするフラットケーブル。
【請求項11】
前記補強材は平角ステンレス線であって、該平角ステンレス線は前記複数本の導体の外側両サイドまたは片側サイドに該導体と間隔を開けて平行に配列されていることを特徴する請求項10に記載のフラットケーブル。
【請求項12】
前記補強材は平角ステンレス線であって、該平角ステンレス線は、前記複数本の導体の間に該導体と間隔を開けて平行に配列されていることを特徴とする請求項10に記載のフラットケーブル。
【請求項13】
前記請求項6ないし9のフラットケーブル−電気電子部材間の取り付け構造に適用されるフラットケーブルであって、複数本の導体が間隔を開けて平行に配列され、該フラットケーブルの前記複数本の導体のうち少なくとも1本の導体の部位に前記電気電子部材の取り付け用孔を形成するとともに、該取り付け用孔が形成される導体の幅が該取り付け用孔が形成されない導体より大きく形成され、かつその両面に絶縁フィルムが貼り合わされてなることを特徴とするフラットケーブル。
【請求項14】
前記フラットケーブルの前記電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の外側両サイドまたは片側サイドに間隔を開けて平行に配列されていることを特徴する請求項13に記載のフラットケーブル。
【請求項15】
前記フラットケーブルの前記電気電子部材の取り付け用孔が形成される導体は、該フラットケーブルの有する複数本の前記電気電子部材の取り付け用孔が形成されない導体の間に間隔を開けて平行に配列されていることを特徴とする請求項13に記載のフラットケーブル。
【請求項16】
前記請求項10ないし15に記載されるフラットケーブルは、絶縁フィルムの部分が屈曲性を有するフレキシブルタイプのものであることを特徴とする請求項10ないし15に記載のフラットケーブル。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−164726(P2006−164726A)
【公開日】平成18年6月22日(2006.6.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−353991(P2004−353991)
【出願日】平成16年12月7日(2004.12.7)
【出願人】(395011665)株式会社オートネットワーク技術研究所 (2,668)
【出願人】(000183406)住友電装株式会社 (6,135)
【出願人】(000002130)住友電気工業株式会社 (12,747)
【Fターム(参考)】