説明

フラットケーブルの留め具及びその前駆体

【課題】従来の留め具より小型の、フラットケーブルの留め具を高い生産性を以って製造するとともに、得られた留め具を被取り付け部に迅速かつ低背に固定できる留め具を提供する。
【解決手段】フラットケーブルを電子回路基板等の被取付け部60に固定する留め具を次のステップを経て製作する。合成樹脂製のシート2の一部分である薄板状横長部材Mを切り欠いて、その基端部M1から先端部M2に向かって延びる舌片部3を形成する。舌片部を切り欠いて残った被切欠き部4の基端部4aと舌片部の基端部との間にフラットケーブルが横幅方向にずれるのを防止する第一ずれ防止手段31を設ける。舌片部の先端部3bと被切欠き部の先端部4bとの間にも同じように第二ずれ防止手段32,32a,32bを設ける。被切欠き部裏面側に両面接着積層体9を設けて留め具を完成し、それを被取付け部に押し付けて固着する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子・電気機器の筐体又は電子回路基板等に対して配線するフラットケーブル、すなわち、複数本の導電線が絶縁物質を介して又は介することなく同一方向に平行かつ平らに配置された導電線集合体を固定するための留め具及びその前駆体に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来から前記筐体又は電子回路基板等に対して配線するフラットケーブルを固定するための留め具は、特開2006−212969号公報で公知である。この公知技術に係る留め具は、合成樹脂製の薄板状帯状部材をその途中の2箇所で屈曲させて二つ折りにすることにより、第一、第二及び第三板部を形成し、第一板部と第三板部との間でフラットケーブルを挟持させるとともに、第二板部と、第一、第二板部の先端部との間に設けた結合用板部とによって第一板部と第三板部の先端部同志を係止させている。この構造の留め具は、合成樹脂からなる帯状部材を展開して形成できるので、低コストで製造できるという利点を有し、複写機内に配線されるフラットケーブルの固定に有利に使用できる。
【先行技術文献】
【特許文献1】
【0003】
【特許文献1】 特開2006−212969号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、近年、電子・電気機器の小型化に伴い、それらの筺体や電子回路基板等の留め具が取り付けられる被取付け部に対して、フラットケーブルを高密度かつ嵩張らないように高さ空間が8mm以下、いわゆる低背型部品にする必要性が高まり、これまでより一層小型の留め具が必要なるとともに、その小型の留め具を被取り付け部に対していかに迅速かつコンパクト、特に低背に固定するかが問題になってきた。
【0005】
そこで本発明者は、前記の問題を軽減できる留め具を提案するために、鋭意、研究したところ、特定の合成樹脂素材を使用して特定の成形方法を採用することより、まずフラットケーブルの留め具となる前駆体の製造過程で特定の接着層とその保護層とを使用するとともに、留め具を被取り付け部に固定する操作過程で、その前駆体から留め具を現出させればよいという事実を見出して、本発明を完成した。
【0006】
従って本発明の課題は、これまでの留め具より小型の、フラットケーブルの留め具を高い生産性を以って製造するとともに、得られた留め具を被取り付け部に対して迅速かつ低背に固定できる留め具を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は前記の課題を解決するために、合成樹脂製の薄板状横長部材の一部分を切り欠いて基端部側から先端部側に向かって横方向に延びる舌片部を形成して、その舌片部とそれが切り欠かれずに残った被切欠き部との間にフラットケーブルを挟持可能にするとともに、前記舌片部の基端部と被切欠き部の基端部との間及び舌片部の先端部と被切欠き部の先端部との間に、被切欠き部と舌片部との間に挟持させたフラットケーブルがその横幅方向にずれるのを防止する第一、第二ずれ防止手段を備えたフラットケーブルの留め具において、前記被切欠き部の裏面側に感圧接着層を設けるという手段を採用する。なお、ここでフラットケーブルとは、複数本の導電線が互い導電しないように同一の向きに平行に配列された導電線の集合体を意味し、各導電線が絶縁物質により一体化されていてもよいし、一体化されていなくてもよい。以下においても同じ。
【0008】
前記被切欠き部裏面側に感圧接着層を設けることにより、フラットケーブル留め具を前記被取り付け部に位置決めして押し付けるだけで、フラットケーブルの被切欠き部を被取り付け部に迅速に固定できる。この場合、前記舌片部又は被切欠き部の少なくともいずれかに、舌片部を被切欠き部の中に進入するのを防止するストッパーを設けておけば前記舌片部と被切欠き部との間にフラットケーブルを通すことが可能になるとともに、前記舌片部の基端部と被切欠き部の基端部との間及び舌片部の先端部と被切欠き部の先端部との間に設けた第一、第二ずれ防止手段が、フラットケーブルが横幅方向にずれるのを防止するので、フラットケーブルは、前記被取り付け部に固定可能になる。
【0009】
なお、この態様において、第一ずれ防止手段を、前記舌片部を被切欠き部から切り欠いて起した、切り起し部を以って構成するとともに、第二ずれ防止手段を前記薄板状横長部材の他の一部分を切り欠いて先端部側から基端部側に向かって横方向に延びる舌片部を以って構成する態様及び前記薄板状横長部材の先端部側に上方に突出させた突起部と、前記被切欠き部の先端部側をさらに水平かつ外方に延ばした延長部を屈曲させて、その延長部に設けた係止孔とによって構成する態様が採用される。後者の態様においては、前記突起の根元寄りの部位に切り欠いた横溝部と、その溝部に嵌合する前記係止孔の内周縁部とから構成することにより、その係止作用をより確実にできる。
【0010】
上記構造の留め具を得る場合、合成樹脂製の薄板状横長部材の一部分を切り欠いて基端部から先端部に向かって横方向に延びる舌片部と、その舌片部とそれを切り欠いて残った被切欠き部と、前記舌片部の基端部と被切欠き部の基端部との間に設けたフラットケーブルがその横幅方向にずれるのを防止する第一ずれ防止手段と、前記舌片部の先端部と被切欠き部と先端部との間に同様に設けられた第二ずれ防止手段とからなるフラットケーブルを留める留め具の本体部を複数個、縦方向に連接させたフラットケーブル留め具の前駆体であって、その裏面に対して、該前駆体を屈曲させてそれから本体部を分割するとき、本体部とともに前駆体から分割可能に付着させた両面接着積層体を設けるとともに、その両面接着積層体の裏面に対して、同様に本体部を分割するとき、前駆体から分割不可能に付着させた保護層を設けてなるフラットケーブル留め具の前駆体を使用する。
【0011】
このような構造の前駆体を製造すると、留め具の生産性が飛躍的に向上するだけでなく、前述した構造の留め具を被取り付け部に固定するとき、前駆体から留め具を一つずつ切り離すと、留め具は被取り付け部に迅速に固定可能になり、他の留め具は保護層によりそのまま前駆体に維持され、続いて次の留め具の固定体制に移ることが可能になる。
【発明の効果】
【0012】
本発明は、より小型のフラットケーブルの留め具を高い生産性を以って製造可能にするとともに、得られた留め具を被取り付け部に対して迅速かつ低背に固定可能にするという優れた効果を発揮する。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明に係る実施例1に係る留め具乃至はその前駆体の要部斜視図である。
【図2】前記前駆体を分解して示す分解正面図である。
【図3】前駆体から留め具を分割しようとする状態を示す正面図である。
【図4】前駆体から留め具を分割した状態を示す正面図である。
【図5】前駆体から分割した留め具を被取り付け部に固定した状態を示す正面である。
【図6】前記留め具にフラットケーブルを固定した状態を示す斜視図である。
【図7】本発明に係る実施例2に係る留め具の要部斜視図である。
【図8】前記実施例2に係る第二ずれ防止手段の係止突起の斜視図である。
【図9】図8におけるA−A矢視断面図である。
【図10】前記実施例2において第二ずれ防止手段が機能している状態を示す斜視図である。
【図11】第二ずれ防止手段の他の実施形態を示す斜視図である。
【発明の実施するための形態】
【0014】
【実施例1】
【0015】
次に、本発明の一実施形態である実施例1について説明すると、図1に示すように、本発明に係る留め具1は、比較的可撓性と剛性とを備えた合成樹脂、特にポリエチレンテレフタレート、ボリカーボネートからなる薄板状横長部材Mを、いわゆるシート成形して得られる。
【0016】
すなわち、長さL、幅W1のシート2を上下金型(図示なし)間に移送して停止させ、その間にそのシート2の先端部に相当する横長部材Mを上下金型によりプレス成形して、中央部をほぼ凸字形に切り欠き、基端部M1側から先端部M2側に向かって横方向に延びる舌片部3を形成する。なお、このとき同時に又は別の工程、特に次工程で、前記舌片部3又は被切欠き部4の少なくともいずれかに、舌片部3が横長部材Mから切り欠かれて被切欠き部4の内方に形成された跡空間に進入するのを防止するストッパー34を形成する。なお、図1には、紙面の都合上、シート2は長く描かれていないし、横長部材Mも2個しか描かれていないが、本発明はこの図に限定されないことは、次の図2を見れば明白である。
【0017】
また、前記舌片部3の基端部3aを僅かに垂直に立て起して、後述するようにフラットケーブルがずれるのを防止する第一ずれ防止手段31を形成してから、舌片部3を再び水平に屈曲させて、基端部3a以外の先端部3bと二つの側縁部3c、3dが前記横長部材Mの上面から所定の高さを有するように変形加工する。前記高さは、前記舌片部3の下面と、舌片部3が切り欠かれずに残った被切欠き部4の上面との間に、後述するフラットケーブルを挿通可能な程度とする。同時に前記舌片部3の内方寄りの部位がほぼ凸字形をなして上方に上昇させてリブ5を形成して、舌片部3を補強する。なお、前記先端部3bにおいてその中央部が幅狭になって前記横長部材Mの先端部M2側に延びている突出部3eは、前記舌片部3の先端部3bを持ち上げて、フラットケーブルを舌片部3の下面側に案内する機能を保持させるために設けられたものであるので、本発明ではその部位を舌片部3の先端部3aの範疇に入れないで舌片部3を解釈する。
【0018】
さらに、前記舌片部3の先端部3bと被切欠き部4の先端部4bとの間に、被切欠き部4と舌片部3との間に挟持させたフラットケーブルがその横幅方向にずれるのを防止するための第二ずれ防止手段として、切欠き部32a、32bを前記舌片部3と逆の向きに切欠き形成する。
【0019】
さらに加えて、前記被切欠き部4の裏面側に、引き裂き強度の低い、又は引き裂きが容易に生ずる易引き裂き部若しくは予め破断した部位を有する紙又は合成樹脂シート等からなる芯材6と、その芯材6の両面に感圧接着剤7、8を有する感圧接着剤層9を積層する。続いて、その感圧接着剤層9の裏面側には比較的引き裂き強度の大きい紙又は合成樹脂、例えばポリエチレンテレフタレートやポリエレンからなる保護フィルム10を積層する。なお、この保護フィルム10は、本発明に係る留め具1を現出させるとき、感圧接着剤層9から剥離される。また、前記感圧接着剤層7、8としては、後述するように留め具1が接合される電子回路基板等の使用環境に耐える合成樹脂を主成分とする接着剤が使用される。
【0020】
上記構造の留め具1は、次のようにして製作される。比較的可撓性と剛性とを備えた帯状の合成樹脂製シート2を上下型の間に間欠的に給送して、それが停止している間に上下金型を作動させて、図1に示したように上下金型間に位置する薄板状横長部材Mをシート成形して、図2に示すように、留め具1となる本体部11を作る。
【0021】
次に、上下金型(図示なし)を元の状態に戻した後、シート2を前記本体部11の縦幅L1、すなわち、図1に示すように前記薄板状横長部材Mの横幅W1より短い長さL1に相当する一駒分、前進させて停止させる。そして、上下金型を前記と同様の動作をさせて、前記本体部11に後続する本体部12を形成する。なお、この間に、好ましくは、二つの本体部11と本体部12との間に、両者を屈曲させたとき、容易に両者が分割するような易分割部21も形成されるようにする。
【0022】
このように、多数個の本体部11、12,13・・1xが易分割部21、22、23・・2xを介して連結した本体部連結体30を製造する。そして、この本体部連結体30と、別途、準備した感圧接着剤層9と保護層10とからなる両面接着積層体40とを積層して、本発明に係る留め具前駆体(以下、「前駆体」という。)50を製造する。なお、紙製の芯体6として、その両面に積層される感圧接着剤7、8とからなる両面接着体9には、好ましくは、予め所定間隔をおいて切断部9a,9b,9c・・9xの設けておくとともに、両面接着積層体40として、前記両面接着体9と、引き裂き強度の比較的大きい紙からなる保護層10とを以って構成する。
【0023】
最後に前記前駆体50から本発明に係る留め具1を現出させるには、図3に示すように、前駆体50の最先端にある本体部11を、易分割部21を基点として、屈曲させ、続いて、図4に示すように、本体部11を前駆体50から引き離す。すると、前駆体50の一部分は易分割部21で破断を起して、本体部11が前駆体50引き離される。
【0024】
このとき、両面接着体9も破断するので、両面接着体9は本体部11に接合したまま前駆体50から分離して、本発明に係る留め具1となって現出し、両面接着体9の感圧接着剤8は、被切欠き部4の下面において外部に露出する。しかしながら、保護体10は、引き裂き強度の比較的大きいので、前駆体50側に残る。
【0025】
そこで、前駆体50から現出した留め具1をその上から、図6に示すように、電子機器の筺体や電子回路基板等の被取付け部60においてフラットケーブルを固定しようとする部位に押し付けると、留め具1の裏面にある両面接着体9を介して、留め具1は被取付け部60に固定される。
【0026】
このように被取付け部60に固定された留め具1に対して、フラットケーブルを把持させるには、図6に示すように、舌片部3の突出部3eを上方に少し持ち上げて、フラットケーブル70を、まずその横幅が矢印Y1の向くように、舌片部3の下に潜らせながら変位させると、フラットケーブル70の第一側縁部70aが第一ずれ防止手段31に衝突する。この段階ではフラットケーブル70の第二側縁部70bは、第二ずれ防止手段32a、32bの先端側まで変位する。
【0027】
次に、フラットケーブル70を矢印Y2の向きに変位させると、フラットケーブル70の第二側縁部70bは、第二ずれ防止手段32a、32bの下に潜って、やがてそれ以上に変位することなくずれ防止される。この間、舌片部3の突出部3eは、絶えずフラットケーブル70の第二側縁部70bを押さえているので、フラットケーブル70は、留め具1から浮き上がることはない。このようにして、フラットケーブル70は、留め具1が固着された被取付け部60において、留め具1の舌片部3と被切欠き部4との間に挟持される。なお、フラットケーブル70の横幅W2が、第一ずれ防止手段31と第二ずれ防止手段32a、32bの先端との間の幅W3より若干大きくても、フラットケーブル70自体はある程度撓ませることができるので、第一ずれ防止手段31と第二ずれ防止手段32a,32b間に収納可能である。
【0028】
本発明に係る留め具1は、合成樹脂のシートを原材料として半連続的に一度に多数個生産されるので、高い生産性をもって低コストで製造できる。また、得られた留め具1は、その高さが比較的低く、長さL1が必要最小限に短く、その横幅W1もフラットケーブル70より僅かに長い程度にコンパクトなので、小型化された電子機器の電子回路基板等の被取付け部60にフラットケーブル70を固定するのに要する空間内に低背に固定できるという効果を発揮する。
【0029】
さらに本発明に係る留め具1を被取付け部60に取り付ける際、前駆体50から本体部11、12・・1xを分離して留め具1を現出させて、それを被取付け部60に押し付けるという簡単な操作により、留め具1を被取付け部60に取り付けることがでる。そのため、被取付け部60が狭い空間であっても手際よく固定作業を進めることができる。
【0030】
【実施例2】
【0031】
次に、本発明の実施例2について説明する。この実施例に係る留め具においては、第二ずれ防止手段以外の構成要素が実施例1のそれらと実質的に同一であるので、第二ずれ防止手段についてのみ説明すると、図7に示すように、第二ずれ防止手段32は、留め具1の舌片部3の先端部3に突設されている先端がドーム状をなす円柱状の係止突起80と、その係止突起80の外方側に延びる被切欠き部4の突出部90と、その突出部90の途中に透設されている長穴91とから構成されている。
【0032】
本発明に係る前記係止突起80は、シート成形法により形成されているので、図8及び図9に示すように、その内部に空間部83が存在する。さらに係止突起80の側壁部には前記舌片部3の長手方向に向かって延びる横溝81a、81bが二つ形成されているとともに、横溝81a、81bを形成したことによる機械的強度低下を補うリブ84が内方に向かって形成されている。
【0033】
上記の要素から構成される第二ずれ防止手段32は、図10に示すように、前記突出部90をヘアピン状に屈曲させて、そこにある長穴91を、係止突起80のドーム状頭部82に当接してから、下方に強制的に降下させると、長穴91は一時的に変形して、その内周縁部91a、91bと係止突起80の横溝81a、81bとが嵌合し、フラットケーブルに対するずれ防止機能を発揮する。
【0034】
この実施例に係る発明においては、前記突出部90の成形とその嵩張り程度に関して実施例1に係るそれらと相違するが、第二ずれ防止手段32はそれらを凌駕する位に確実にずれ防止機能を発揮するので、フラットケーブルの外形及びその被取付け部等を考慮して、実施例1の留め具と異なる分野の留め具として使用することもできる。
【0035】
本発明は、その根本的技術思想を踏襲し発明の効果を著しく損なわない限度において、前記実施形態の一部分を変更して実施することは当然許容される。例えば、実施例2における第二ずれ防止手段32の係止突起80と長穴91を、図11に示すように、変更できる。すなわち、係止突起80を二つ設けるとともに、それら二つの係止突起80のそれぞれに設けた一つの横溝81を横長の一つの長穴91に係止させる構造にすることもできる。また、フラットケーブルとして、それを構成する複数本の導線72を帯状の絶縁体に埋設することなく独立させて互いに平行かつ平らに配置する態様のケーブル集合体の固定にも利用でかる。
【産業上の利用可能性】
【0036】
本発明は、フラットケーブルを固定する電子・電気機器分野において広く有用される。
【符号の説明】
【0037】
1:留め具、2:シート、3:舌片部、3a:基端部、3b:先端部、3c、3d:側縁部、3e:突出部、31:第一ずれ防止手段、32、32a、32b:第二ずれ防止手段、4:被切欠き部、5:リブ、6:芯材、7、8:感圧接着剤、9:両面接着体、10:保護フィルム、11、12、1x:本体部、21、22、23:易分割部、30:本体部連結体、34:ストッパー、40:両面接着積層体、50:留め具前駆体、60:被取付け部、70:フラットケーブル、71a:第一側縁部、71b:第二側縁部、80:係止突起、81a:横溝、81b:横溝、82:頭部、90:突出部、91:長孔、M:横長部材、M1:基端部、M2:先端部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
合成樹脂製の薄板状横長部材(M)の一部分を切り欠いて基端部(M1)から先端部(M2)に向かって横方向に延びる舌片部(3)を形成して、その舌片部とそれを切り欠いて残った被切欠き部(4)との間にフラットケーブル(70)を挟持可能にするとともに、前記舌片部の基端部(3a)と被切欠き部の基端部(4a)との間、及び舌片部の先端部(3b)と被切欠き部の先端部(4b)との間のそれぞれに、被切欠き部と舌片部との間に挟持させたフラットケーブルがその横幅方向にずれるのを防止する第一、第二ずれ防止手段(31,32,32a,32b)を備えたフラットケーブルの留め具(1)において、前記被切欠き部裏面側に両面接着積層体(9)を設けたことを特徴とするフラットケーブルの留め具。
【請求項2】
前記舌片部(3)及び/又は被切欠き部(4)が、舌片部を被切欠き部の中に進入させるのを防止するストッパー(34)を備えている請求項1記載のフラットケーブル留め具。
【請求項3】
前記第一ずれ防止手段(31)が、前記舌片部(3)を被切欠き部(4)から切り欠いて起された切起し部から構成される請求項1記載のフラットケーブル留め具。
【請求項4】
前記第二ずれ防止手段(31)が、前記薄板状横長部材(M)の他の一部分を切り欠いて先端部(M2)から基端部(M1)に向かって横方向に延びる舌片部(32a,32b)から構成される請求項1記載のフラットケーブル留め具。
【請求項5】
前記第二ずれ防止手段(31)が、前記舌片部(3)の先端部(3b)に上方に突出させた突起部(80)と、前記被切欠き部(4)先端部をさらに水平方向外方に向かって延ばして屈曲可能にした延長部(90)に設けた係止孔(91)とからなる係止機構である請求項1記載のフラットケーブル留め具。
【請求項6】
前記係止機構が、前記突起部(80)の根元寄りの部位に切り欠かれた横溝部(81a,81b)と、それらの溝部に嵌合する前記係止孔(91)とから構成されている請求項5記載のフラットケーブル留め具。
【請求項7】
前記横溝部(81a,81b)が、前記舌片部(3)の長手方向に向かって延びている請求項6記載のフラットケーブル留め具。
【請求項8】
合成樹脂製の薄板状横長部材(M)の一部分を切り欠いて基端部(M1)から先端部(M2)に向かって横方向に延びる舌片部(3)と、その舌片部とそれを切り欠いて残った被切欠き部(4)と、前記舌片部の基端部(3a)と被切欠き部の基端部(4a)との間に設けたフラットケーブルがその横幅方向にずれるのを防止する第一ずれ防止手段(31)と、前記舌片部の先端部(3b)と被切欠き部と先端部(4b)との間に同様に設けられた第二ずれ防止手段(32,32a,32b)とからなるフラットケーブル(70)を留める留め具(1)の本体部(11,12・・1x)を複数個、縦方向に連接させたフラットケーブル留め具の前駆体(50)において、その裏面に対して、該前駆体を屈曲させてそれから本体部を分割するとき、本体部とともに前駆体から分割可能に付着させた両面接着積層体(9)を設けるとともに、その両面接着積層体の裏面に対して、同様に本体部を分割するとき、前駆体から分割不可能に付着させた保護層(10)を設けたことを特徴とするフラットケーブル留め具の前駆体。

【図1】
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【図6】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2012−49482(P2012−49482A)
【公開日】平成24年3月8日(2012.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−203697(P2010−203697)
【出願日】平成22年8月25日(2010.8.25)
【出願人】(592256140)兼子電機株式会社 (15)
【Fターム(参考)】