説明

フラットパネル表示基板製造装置、および、フラットパネル表示基板製造装置の画像処理方法

【課題】フラットパネル表示基板製造でアライメントマークを検索するときに、アライメントマークのマスク領域を自動生成し、高精度にアライメントマークを検索できるようにする。
【解決手段】表示パネルとTABの各々に位置合わせをおこなうためのアライメントマークにより、アライメントマークを認識するときに、撮像画像よりアライメントマーク教示画像を切り出し、そのアライメントマークを認識して、アライメントマークのエッジ点を抽出する。そして、エッジ点に囲まれたエッジ範囲を算出し、アライメントマーク教示画像のエッジ範囲に含まれない領域を、マスク領域として算出し、算出されたマスク領域により、アライメントマーク教示マスク画像を生成し、アライメントマーク教示マスク画像によりマスクしたアライメントマークを認識する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フラットパネル表示基板製造装置、および、フラットパネル表示基板製造装置の画像処理方法に係り、特に、TABなどにより、フラットパネルディスプレイにおける表示パネルに電子部品を実装する際に、精度よく位置決めをおこなうのに好適なフラットパネル表示基板製造装置、および、フラットパネル表示基板製造装置の画像処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
フラットパネルディスプレイとしては、例えば、液晶ディスプレイや有機EL(Electro−Luminescence)ディスプレイ、プラズマディスプレイなどがある。このフラットパネルディスプレイにおける表示基板の周縁部には、駆動ICの搭載や、COF(Chip on Film)、FPC(Flexible Printed Circuit)などのTAB(Tape Automated Bonding)接続が行われる。また、表示基板の周辺には、例えば、PCB(Printed Circuit Board)などの周辺基板が実装される。その結果、フラットパネルディスプレイモジュールが組み立てられる。
【0003】
以下の説明で「搭載部材」と称する電子部品は、その詳細形状や部材の厚さの差異など
で、TCP(Tape Carrier Package)と呼称されたり、TABと呼称されたり、COFと呼称されたりする。これらTCPやTABやCOFは、スプロケット穴を有する長尺のポリイミドフィルムに配線を施したFPCに、ICチップを搭載し、FPCを切り出して構成されたものであり、実装する上での差異はない。また、パネルの設計によっては、ICチップなしのFPCのみを実装する場合もある。フラットパネルディスプレイの実装組立工程においては、これらの部品に実質上の差異はない。
【0004】
フラットパネルディスプレイモジュール組立ラインは、複数の処理作業が行われる工程を順次行なうことにより、フラットパネルディスプレイの表示基板における周縁部及び周辺に、搭載部材を実装する装置であり、一例としては、図8に示されるようなものがある。
【0005】
図8は、フラットパネルディスプレイにおける表示パネルに駆動ICなどの搭載部材を実装する工程の概略図である。
【0006】
フラットパネルディスプレイの表示パネルの製造において、先ず、フラットパネルディスプレイの表示パネルの電極端子上の固着物などを除去するためクリーニングをおこなう(端子クリーニング工程901)。
【0007】
次に、表示パネルの電極端子にACFを貼付ける(ACF貼付工程902)。
【0008】
ACFは、接着剤の役割を果たすフィルムであり、熱硬化性樹脂に導電性を持つ微細な粒子を混ぜ合わせたものを、膜状に成型したフィルムである。
【0009】
次に、搭載部材を打ち抜き、表示パネルの電極端子側と搭載部材の電極のアライメントマークの位置合わせをおこなって、仮圧着をおこなう(TAB仮圧着工程903)。
【0010】
そして、圧着ヘッドにより本圧着をおこなう(本圧着工程904)。本圧着工程では、圧着ヘッドにより、フラットパネルディスプレイと搭載部材が、ACFを介して加熱下で、表示パネルの電極端子と搭載部材の電極は、ACFの導電性粒子により電気的に接続された状態で固定される。
【0011】
次に、表示パネルの電極端子と搭載部材の電極の圧着接続の良否、接続度合いをみるための検査をおこなう(検査工程905)。
【0012】
次に、表示パネルの電極端子と接続した電極と反対方向の搭載部材の電極とプリント基板の電極を接続する(PCB搭載工程906)。なお、この接続においても、ACFが使用される。
【0013】
このような処理装置群による一連の工程を経ることによって、表示基板上の電極と搭載部材に設けた電極との間を熱圧着し、ACF内部の導電性粒子を介して両電極の電気的な接続が行われる。なお、圧着工程を終えると、ACF基材樹脂が硬化するため、両電極の電気的な接続と同時に、表示基板と搭載部材が機械的にも接続される。
【0014】
なお、ACFは、接合する部材のどちらか一方に予め貼り付けられていればよい。例えば、上記ACF工程の別な例では、ACFを搭載部材の側に予め貼り付けている。また、表示基板モジュール組立ラインには、処理する表示基板の辺の数、処理する搭載部材の数、各処理装置の数などに応じて、表示基板を回転する処理装置などが必要となる。
【0015】
ここで、TAB(TCP)に形成される電極端子のピッチは、微細化の傾向にあり、極めて微細なピッチ間隔のものが用いられるようになってきている。
【0016】
したがって、上記のTAB仮圧着工程903において、表示パネルにTAB(TCP)を実装する際には、両者の電極端子を極めて厳格に位置合わせして接合しなければ、表示パネル側の電極と搭載部材側の出力端子を電気的に接続できなくなる。
【0017】
そのために、両者を厳格に位置合わせするために、アライメントマークと呼ばれる位置決めマークが各部材に設けられており、アライメントマークを光源や照明レンズ,対物レンズ等の光学系と、CCDカメラ等からなる撮像部と、認識部からなる認識システムにより、各アライメントマークを個別的に検出し、ずれ量を算出して各部材の位置決めをおこなっている。
【0018】
以下、図9ないし図11を用いてアライメントマークによる位置決めについて説明する。
図9は、表示パネルに付与されているアライメントマークの位置を説明する図である。
図10は、表示パネルの電極端子側のアライメントマークと、搭載部材側の電極端子側のアライメントマーク位置関係を説明する図である。
図11は、表示パネルとカメラの位置関係を示す図である。
【0019】
例えば、図9に示されるように、表示パネルの位置決めをおこなうために、表示パネル1000には、一つ以上の辺の左側に、アライメントマーク1001と、右側に、アライメントマーク1002があり、これらアライメントマークのそれぞれのマーク位置を検索し、所定の位置からのずれ量(X,Y,θ)を求めて、表示パネルを所定の位置に位置決め(位置補正)するような用途に用いるものである。
【0020】
表示パネルの電極端子と、搭載部材の入力電極端子の位置関係は、図10に示されるようになっており、表示パネルの電極端子1011と、搭載部材の入力電極端子1021を接続するために、表示パネルの電極端子1011の左側アライメントマーク1012と、搭載部材の入力電極端子1021の左側アライメントマーク1022、表示パネルのOLB電極端子1011の右側アライメントマーク1013と、搭載部材1024の入力電極端子1021の右側アライメントマーク1023を、それぞれ重ね合わせることにより、表示パネルの電極端子1011と、搭載部材の入力電極端子1021が電気的に厳格に接続できる。
【0021】
このときには、図11に示されるように、カメラ16によりアライメントマークを撮像して、その画像処理をおこなう。
【0022】
このようなアライメントマークの検出は、表示パネル基板の位置補正と、表示パネル基板の表示パネルの電極端子と、搭載部材の入力電極端子との位置決め、プリント基板の電極端子と搭載部材の出力電極端子との位置決めするために行われるものであって、図8に示された関連工程の全てで実施するものである。
【0023】
アライメントマークの検出は、予め記憶しているアライメントマーク教示画像と被検索画像との相関係数からパターンマッチング等の手法で被検索画像内に存在するアライメントマーク教示画像位置を検索し、最高相関率となるアライメントマーク教示画像位置を検出する。
【0024】
ここで、例えば、パターンマッチングによる画像認識の例として、特許文献1には、テンプレート画像(アライメントマーク教示画像に相当)とサーチ画像とを比較し、評価値が一定の閾値を超えたときに、類似度の評価を打ち切る技術が開示されている。
【0025】
また、特許文献2には、テンプレートマッチング手法によるもので、パターンを構成する部分ごとに評価する技術が開示されている。
【0026】
ところが、このようなアライメントマーク教示画像位置を用いた手法においては、表示パネルに搭載部材を実装した後のアライメントマーク画像は、貼り付けによる凸凹の影響によって画像にノイズが乗り、ノイズの影響により、相関率を低下させる問題点がある。
【0027】
これは、COFを用いた場合も同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0028】
【特許文献1】特開平10−187967号公報
【特許文献2】特開2007−012624号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0029】
上記のように、被検索ワークをカメラで撮影した被検索画像に対し、予め作成した教示画像に対するパターンマッチング等の手法によって画像位置を検索し、教示画像との相関率・位置情報等を取得し、複数の検索結果を得た場合は、最高相関率の検索結果を検索位置として識別するのような手法が知られているが、フラットパネルディスプレイの表示パネルに搭載部材を搭載する場合に用いるアライメントマーク画像では、貼り付けによる凸凹の影響によって画像にノイズが乗り、ノイズの影響により、相関率を低下させる問題がある。
【0030】
以下、この具体例を、図12ないし図14を用いて説明する。
図12は、被検索画像からアライメントマーク教示画像を作成することを説明する図である。
図13は、アライメントマーク教示画像により、ノイズの影響が無い被検索画像のアライメントマークを検索している様子を示す図である。
図14は、アライメントマーク教示画像により、ノイズの影響がある被検索画像のアライメントマークを検索している様子を示す図である。
【0031】
ここで、図12に示されるように、被検査画像200のアライメントマークから、アライメントマーク教示画像201を作成し、アライメントマーク教示画像201と、被検索画像のパターンが相関係数80%(0.8)以上で、被検索画像のアライメントマークを認識するものとする。
【0032】
図13に示すように、テスクチャー(Texture)の影響が無い被検索画像を検索した場合、以下の表1に示すように92.4%の高相関率となり相関係数80%(0.8)で、正常に位置301において、アライメントマークを認識することになる。
【0033】
【表1】

【0034】
ところが、図14に示すようにノイズの影響がある被検索画像を検索した場合、背景やアライメントマーク画像にノイズが乗り、アライメントマーク教示画像が存在する位置401において、以下の表2に示すように64.3%の低相関率となり、相関係数80%(0.8)では、相関係数>相関率となり、位置401においては、アライメントマークを正常に認識できない。
【0035】
【表2】

【0036】
したがって、ノイズの影響を受けず、相関率を上げるためには、矩形範囲の教示画像に相関認識から除外するマスク領域を設けて、図15に示されるように、アライメントマーク教示画像201からアライメントマーク教示マスク画像600を除いたパターンマッチングをおこなう手法が知られている。
【0037】
図15は、アライメントマーク教示画像とアライメントマーク教示マスク画像を用いて被検索画像のアライメントマークを検索している様子を示す図である。
【0038】
このようにすれば、以下の表3に示すように、89.2%の高相関率を得ることができ、相関係数80%(0.8)で、相関係数<相関率となり、位置501において、アライメントマークを正常に認識することが可能となる。
【0039】
【表3】

【0040】
しかしながら、従来においては、相関関係の認識ためにアライメントマーク教示画像から領域から除外するためのマスク領域を示すアライメントマーク教示マスク画像は、アライメントマーク教示画像を目視しながら手作業で設定するため、作業効率と精度が悪いという問題点があった。
【0041】
本発明は、上記従来技術の問題点を解決するためになされたもので、その目的は、フラットパネル表示基板製造のためのパターンマッチング手法により、アライメントマークを検索する画像処理方法において、アライメントマークのマスク領域を示すアライメントマーク教示マスク画像を自動生成することより、高速にアライメントマーク教示マスク画像を生成し、高精度にアライメントマークを検索するフラットパネル表示基板製造装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0042】
本発明のフラットパネル表示基板製造装置は、表示パネルと搭載部材の各々に位置合わせをおこなうためのアライメントマークが付加されており、アライメントマークにより、表示パネルに搭載部材を搭載する際に位置合わせをおこなうフラットパネル表示基板製造装置であって、制御部と、搭載部材の搭載ヘッドと、カメラと、メモリとを有している。
【0043】
制御部は、カメラにより撮像されて、メモリに格納される表示パネルと搭載部材の画像の各々のアライメントマークを認識し、各々の位置ずれ量を算出して、位置ずれ量に基づき、表示パネルの搬送位置と搭載部材の搭載ヘッドの位置を調節する。
【0044】
そして、アライメントマークを認識する際に、制御部は、前記カメラにより撮像された表示パネルと搭載部材の画像より、アライメントマーク教示画像を切り出し、アライメントマーク教示画像のアライメントマークを認識して、アライメントマークのエッジ点を抽出し、エッジ点に囲まれたエッジ範囲を算出し、アライメントマーク教示画像の前記エッジ範囲に含まれない領域を、マスク領域として算出し、算出されたマスク領域により、アライメントマーク教示マスク画像を生成し、アライメントマーク教示マスク画像によりマスクしたアライメントマークを認識する。
【0045】
本発明のフラットパネル表示基板製造装置では、このように、矩形範囲のアライメントマーク教示画像からアライメントマークのエッジ範囲を除いた画像部分を自動識別し、アライメントマークを認識するときに、認識領域から除外するマスク領域を自動生成する。
【0046】
これにより、アライメントマーク教示画像からアライメントマークのエッジ範囲とエッジ範囲に含まれない領域を自動認識し、エッジ範囲に含まれない領域を自動抽出し、アライメントマークを認識するときに、認識領域から除外するマスク領域として設定するため、高精度、かつ、高速にマスク領域を設定することが可能となる。
【発明の効果】
【0047】
本発明によれば、フラットパネル表示基板製造のためのパターンマッチング手法により、アライメントマークを検索する画像処理方法において、アライメントマークのマスク領域を示すアライメントマーク教示マスク画像を自動生成することより、高速にアライメントマーク教示マスク画像を生成し、高精度にアライメントマークを検索するフラットパネル表示基板製造装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明のフラットパネル表示基板製造装置の構成を示す図である。
【図2】本発明のフラットパネル表示基板製造装置の画像処理に関する機能とデータフローを説明する図である。
【図3】アライメントマークが円形であるアライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成する処理を説明する図である。
【図4】アライメントマークが円形であるアライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成する処理の手順を示すフローチャートである。
【図5】アライメントマークが十字形であるアライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成する処理を説明する図である。
【図6】アライメントマークが十字であるアライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成する処理の手順を示すフローチャートである。
【図7】アライメントマーク操作画面の一例を示す図である。
【図8】フラットパネルディスプレイにおける表示パネルに駆動ICなどの搭載部材を実装する工程の概略図である。
【図9】表示パネルに付与されているアライメントマークの位置を説明する図である。
【図10】表示パネルの電極端子側のアライメントマークと、搭載部材側の電極端子側のアライメントマーク位置関係を説明する図である。
【図11】表示パネルとカメラの位置関係を示す図である。
【図12】被検索画像からアライメントマーク教示画像を作成することを説明する図である。
【図13】アライメントマーク教示画像により、ノイズの影響が無い被検索画像のアライメントマークを検索している様子を示す図である。
【図14】アライメントマーク教示画像により、ノイズの影響がある被検索画像のアライメントマークを検索している様子を示す図である。
【図15】アライメントマーク教示画像とアライメントマーク教示マスク画像を用いて被検索画像のアライメントマークを検索している様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下、本発明に係る一実施形態を、図1ないし図7を用いて説明する。
【0050】
先ず、図1を用いてフラットパネル表示基板製造装置の構成と動作について説明する。
図1は、本発明のフラットパネル表示基板製造装置の構成を示す図である。
図2は、本発明のフラットパネル表示基板製造装置の画像処理に関する機能とデータフローを説明する図である。
【0051】
本発明のフラットパネル表示基板製造装置10は、例えば、図8に示したTAB仮圧着工程において、表示パネルに搭載部材を位置決めして、仮圧着をおこなうものである。
【0052】
その際に、図10に示したように、表示パネルのアライメントマークと、搭載部材のアライメントマークを位置合わせをおこなう。
【0053】
フラットパネル表示基板製造装置10の表示パネルと搭載部材の位置決めに関連するコンポーネントは、図1に示されるように、制御部11、搭載ヘッド駆動部12、搭載ヘッド部13、メモリ15、カメラ16、操作部17、ハードディスクドライブ18、表示部19、パネル搬送部20、搬送駆動部21である。
【0054】
制御部11は、フラットパネル表示基板製造装置10の各部を制御し、メモリ15上にロードされたプログラムを実行して、必要な演算をおこなって、動作の指示をおこなう部分である。
【0055】
搭載ヘッド部13は、TABより搭載部材を吸着保持して、表示パネル基板の側辺まで搬送する装置である。
【0056】
メモリ15には、画像処理プログラムなどのプログラムやカメラ16により撮像された画像、その他のワークデータが格納される。
【0057】
カメラ16は、表示パネル基板のアライメントマーク、および、搭載部材のアライメントマークを撮像して、メモリ15に画像データを転送する。
【0058】
操作部17は、キーボードやマウスなどのユーザがデータやコマンドを入力する入力装置である。
【0059】
ハードディスクドライブ18は、大容量の補助記憶装置であり、制御部11が実行するプログラムやその他のデータが格納される。本実施形態では、特に、プログラム領域181に画像処理プログラム30が、データ領域182に、教示情報が記憶される。
【0060】
表示部19は、液晶ディスプレイ装置などの情報表示装置であり、本実施形態では、撮像した画像データとその関連情報を表示する。
【0061】
パネル搬送部20は、プリント基板Pを上流工程の装置から搬送する機構である。
【0062】
搬送駆動部21は、パネル搬送部を駆動する部分である。
【0063】
ハードディスクドライブ18のプログラム領域181に格納された画像処理プログラム30は、アライメントマーク認識モジュール31、教示画像作成モジュール32、マスク画像作成モジュール33、マッチング演算モジュール34、位置ずれ量計算モジュール35、GUI制御モジュール36の各モジュールよりなる。
【0064】
アライメントマーク認識モジュール31は、撮像した画像から、表示パネルやTABにおけるアライメントマークを画像認識するモジュールである。
【0065】
教示画像作成モジュール32は、撮像した画像からアライメントマーク教示画像と、関連する教示情報を作成するモジュールである。
【0066】
マスク画像作成モジュール33は、アライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成するモジュールである。
【0067】
マッチング演算モジュール34は、被検索画像からアライメントマークを検索するときの検出相関率を計算するモジュールである。
【0068】
位置ずれ量計算モジュール35は、認識された表示パネル基板のアライメントマークと、TABにおけるアライメントマークを比較して、位置ずれ量を計算するモジュールである。
【0069】
GUI制御モジュール36は、後に説明するアライメントマーク教示マスク画像作成画面などのユーザインターフェースを画像から提供するモジュールである。
【0070】
次に、フラットパネル表示基板製造装置10の処理の概略について説明する。
【0071】
先ず、制御部11が、搬送駆動部21に指令して、パネル搬送部20を駆動し、パネル搬送部20上の保持手段(図示せず)により保持された基板Pが、所定位置に搬送される。
【0072】
カメラ16は、表示パネル基板のアライメントマーク(搬送位置決め、基板の隅)を撮像して、メモリ15に画像データを転送する。
【0073】
このとき、アライメントマーク認識モジュール31を実行することにより、メモリ15に格納された表示パネル基板のアライメントマーク(搬送位置決め、基板の隅)、および、アライメントマーク教示マスク画像(以下、単に「マスク画像」ともいう)を読み出して、アライメントマークにマスク画像を重ねることにより、アライメントマークの検出精度を上げて、各々のアライメントマークを認識処理する。
【0074】
そして、制御部11は、位置ずれ量計算モジュール35により、アライメントマークの位置ずれ量を計算し、一定の位置ずれ量以上のときには、それを補正するように、制御部11は、搬送駆動部21により、パネル搬送部20を駆動し、位置合わをおこなう。
【0075】
一方、図1には図示していないが、TAB供給部において、供給リールに巻かれて、供給されるTABテープから金型により打ち抜かれた搭載部材を、搭載ヘッド駆動部12により駆動される搭載ヘッド部13により表示パネル基板の側辺まで搬送する。
【0076】
カメラ16は、表示パネル基板のアライメントマーク(搭載部材との位置決め位置)、および、搭載部材のアライメントマークを撮像して、メモリ15に画像データを転送に転送する。
【0077】
そして、制御部11は、アライメントマーク認識モジュール31を実行することにより、メモリ15に格納された表示パネル基板のアライメントマーク(搭載部材との位置決め

位置)、搭載部材のアライメントマーク、および、アライメントマーク教示マスク画像を読み出して、アライメントマークにマスク画像を重ねることにより、アライメントマークの検出精度を上げて、各々のアライメントマークを認識処理する。
【0078】
そして、制御部11は、位置ずれ量計算モジュール35により、アライメントマーク相互の位置ずれ量を計算し、一定の位置ずれ量以上のときには、それを補正するように、制御部11は、搭載ヘッド駆動部12により、搭載ヘッド部13を駆動し、位置合わをおこなう。
【0079】
次に、図1には図示していないが、圧着ヘッドにより搭載部材と、表示パネル基板を加熱、加圧して、仮圧着をおこなう。
【0080】
次に、図2を用いてフラットパネル表示基板製造装置10の動作を説明すると以下のようになる。
【0081】
先ず、フラットパネル表示基板製造装置10は、カメラ16により撮像された被検索画像121を、メモリ111に取り込み、アライメントマーク認識処理モジュール31よりアライメントマークを認識処理する。
【0082】
次に、教示画像作成モジュール32により、被検索画像121により、教示情報を作成する(122)。
【0083】
これは、図12に示したように、被検索画像121のアライメントマーク画像位置200から、矩形領域を切り出して、アライメントマーク教示画像201と、その切り出し位置などの教示情報123を作成し、データ領域182に記憶する処理である。
【0084】
また、被検索画像121にアライメントマーク教示画像201が存在する位置を検索する場合には、被検索画像121と教示情報123を利用して、パターンマッチング等の手法によって、被検索画像121から切り出した画像とアライメントマーク教示画像201との画像比較をおこなう(125)。
【0085】
そして、マッチング演算モジュール34により、相関係数と相関率からマッチング判定をおこなって(126)、被検索画像内での画像位置とその相関率などの結果を出力する(127)。
【0086】
このとき、アライメントマークの位置は、図11に示したように、被検索画像の二ヶ所以上を検索して、位置ずれ量計算モジュール35により、出力した各アライメントマークの位置情報から、(X,Y,θ)の位置ずれ量を算出する。
【0087】
上記において、図13を用いて、テスクチャー(Texture)の影響が無い被検索画像を検索した場合、92.4%の高相関率となり相関係数80%(0.8)で、正常に位置301において、アライメントマークを認識することができる。
【0088】
例えば、図2における比較処理125で実施するパターンマッチング手法では、被検索画像をスキャンして順にアライメントマーク教示画像と同一サイズの部分画像を切り出し、部分画像とアライメントマーク教示画像の一致率を計算する。そして、この一致率を相関率と呼び、相関率が最も高い部分画像をマッチング位置とする。しかし、相関率が最も高い部分画像をマッチング位置とするだけでは、被検索画像内に、アライメントマーク画像が存在しない場合であっても、相関率が最も高い部分画像のマッチング位置をマッチング位置と判断してしまい誤検出となる。そのため、マッチング位置判定で、低い相関率の部分画像位置を排除するための閾値(「相関係数」と呼ぶ)を設ける必要があり、被検索画像に存在するアライメントマーク画像位置を検索する際に、この相関係数を用いることで正しいアライメントマーク画像を検索可能としている。
【0089】
ところが、図14に示したように、被検索画像400にノイズが存在した場合、アライメントマーク教示画像201を用いて、被検索画像400に存在するアライメントマーク画像位置401を検索した結果では、相関係数80%以上のアライメントマーク画像を検索した結果、64.3%の相関率となり、アライメントマーク画像位置401を検索できない。
【0090】
しかしながら、図14に示したように、被検索画像400にノイズが存在した場合に、図15に示されるように、アライメントマーク教示画像201とアライメントマーク教示マスク画像600を用いて、被検索画像500に存在するアライメントマーク画像位置501を検索した結果は、相関係数80%以上のアライメントマーク画像を検索した結果、89.2%の相関率となる。
【0091】
このように、アライメントマーク教示マスク画像600は、アライメントマーク教示画像201と同一画像サイズであって、通常は被検索画像をスキャンして順にアライメントマーク教示画像と同一サイズの部分画像を切り出し、部分画像とアライメントマーク教示画像の全体から一致率を計算するが、アライメントマーク教示マスク画像600を用いた場合は、マスク画像で教示するマスク画素位置を除いた画素から一致率を計算する。この結果、画像ノイズの影響による相関率の低減を最小限にすることが可能となる。
【0092】
本実施形態は、このようなアライメントマーク教示マスク画像を、アライメントマーク教示画像から自動的に作成するものである。
【0093】
以下、図3ないし図6を用いてこのようなアライメントマーク教示マスク画像を、アライメントマーク教示画像から作成する処理について説明する。
図3は、アライメントマークが円形であるアライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成する処理を説明する図である。
図4は、アライメントマークが円形であるアライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成する処理の手順を示すフローチャートである。
図5は、アライメントマークが十字形であるアライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成する処理を説明する図である。
図6は、アライメントマークが十字であるアライメントマーク教示画像からアライメントマーク教示マスク画像を作成する処理の手順を示すフローチャートである。
【0094】
以下の処理は、図1に示す制御部11が、マスク画像作成モジュールを実行することにより実行される。
【0095】
第一のケースとして、アライメントマークが円形である場合のアライメントマーク教示画像(以下では、「円形のアライメントマーク教示画像」と言う)から、それに応じたアライメント教示マスク画像を作成する処理について説明する。
【0096】
先ず、メモリ15上にアライメント教示画像を読み込む(図4のS01)。
【0097】
次に、基本図形タイプを取得する(S02)。ここでは、アライメントマーク教示画像のアライメントマークの形状は、円形である。これは、後に説明するアライメントマーク操作画面800により、アライメント教示画像のアライメントマークの形状を明示的にユーザが指定することができる。
【0098】
次に、図3に示されるように、円形のアライメントマーク教示画像201からエッジ点611を抽出し(図3(a)、S03)、全てのエッジ点の重心位置から仮中心613を算出し(図3(b)、S04)、その仮中心613を基準とした0度から10度毎に分割した36領域を作成し、各領域内の任意の1エッジ点を取得し、120度の位相差となる3領域の各領域内の任意の1エッジ点(この例では、エッジ点615、エッジ点616、エッジ点617の3点を通る円の中心位置618と半径を求める。円の中心位置618と半径は、36領域で120度の位相差で3点ずつ取るので、12通りの中心位置と半径が算出できる。ここで、算出した12通りの円の中心位置と半径における標準偏差内のそれぞれの中心位置と半径の平均を円の中心位置618と半径とする(図3(c)、S05)。
【0099】
なお、この説明では、10度毎に分割した36領域を使ったが、分割数は任意に設定し、多分割で高精度化する場合や少分割で処理の高速化する場合もある。
【0100】
次に、円の中心618から各エッジ点までの距離を求め、標準偏差内の各エッジ点の最大半径距離と最低半径距離を求める(図3(d)(e)、S06)。最大半径距離はエッジ範囲外側円の半径値となり、最低半径距離はエッジ範囲内側円の半径値となる。
【0101】
そして、円形のアライメントマーク教示画像のマスク領域は、円の中心を基準としたエッジ範囲外側円周620の外側623とエッジ範囲内側円周621の内側624に存在する円形アライメントマーク教示画像のピクセル位置をマスク設定ピクセルとすることでマスク画像を作成する(S07、S08)。
【0102】
なお、エッジ点が円周上付近以外に存在する場合は、有効エッジを識別するためにK−Meansアルゴリズムによるクラスタリング等によって、同一円周上のエッジ点をクラス化し、有効エッジ点とすることで誤差を最小にすることができる。
【0103】
また、マスク画像作成基準となる円の中心を基準としたエッジ範囲外側円周620の外側623とエッジ範囲内側円周621の内側624の値を任意の尤度値で加減算し、マスクをかける範囲を狭めることで相関率算出範囲を広げ、被検索画像内のアライメントマークが多少楕円形になってもエッジ点を認識しパターンマッチングに対応させることが可能になる。
【0104】
次に、第二のケースとして、アライメントマークが十字形である場合のアライメントマーク教示画像(以下では、「十字形のアライメントマーク教示画像」と言う)から、それに応じたアライメント教示マスク画像を作成する処理について説明する。
【0105】
先ず、メモリ15上にアライメント教示画像を読み込む(図6のS11)。
【0106】
次に、基本図形タイプを取得する(S12)。ここでは、アライメントマーク教示画像のアライメントマークの形状は、十字形である。これは、後に説明するアライメントマーク操作画面800により、アライメント教示画像のアライメントマークを明示的にユーザは指定することができる。
【0107】
次に、図5に示されるように、十字形のアライメントマーク教示画像700から、横方向エッジ点を求めクラスタリングによって分断線となるクラス分類をおこない、各クラスのエッジ点の近似直線を縦方向エッジ線711、712、713、714、715、716)として抽出する(図5(a)、S13)。この近似直線算出時に標準偏差値を同時に求め、縦方向エッジ幅とする。
【0108】
同様に、十字形アライメントマーク教示画像700から、縦方向エッジ点を求めクラスタリングによって分断線となるクラス分類をおこない、各クラスのエッジ点の近似直線を横方向エッジ線721、722、723、724、725、726として抽出する(図5(b)、S14)。この近似直線算出時に標準偏差値を同時に求め、横方向エッジ幅とする。
【0109】
そして、抽出した縦横エッジ線を延長して交点を求め、交点の位置から閉じた多角形を作成し、多角形の外周を図形のエッジ線731として抽出する(図5(c)、S15)。
【0110】
内側マスク範囲741は、エッジ線731を基準にエッジ幅の半分だけ内側となる多角形の内側領域とする(図5(d)、S16)。
【0111】
外側マスク範囲751は、エッジ線731を基準にエッジ幅の半分だけ外側となる多角形の外側領域とする(図5(e)、S17)。
【0112】
そして、エッジ範囲は、内側マスク範囲741と外側マスク範囲751を除いた範囲となり(S18)、マスク領域は、内側マスク領域762と外側マスク領域761を合成した領域となり(S19)、これにより、アライメントマーク教示マスク画像770を作成する(図5(f)、S20)。
【0113】
なお、エッジ幅は任意の尤度値で加算することによって、被検索画像内のアライメントマークが多少変形してもエッジ点を認識しパターンマッチングに対応させることが可能になる。
【0114】
ここでは、十字型のアライメントマークからマスク画像作成について述べたが、凸型のアライメントマーク等の多角形アライメントマーク(四角形、五角形、…など)は、ここで述べた十字型のアライメントマークからマスク画像を作成する手法の応用により、マスク画像作成を作成することが可能である。
【0115】
次に、図7を用いて本発明の一実施形態に係るフラットパネル表示基板製造装置の画像処理に関するユーザインタフェースについて説明する。
図7は、アライメントマーク操作画面の一例を示す図である。
【0116】
アライメントマーク操作画面800は、図1に示される表示部19に表示され、操作部17により、ユーザからコマンドの指示が入力される。アライメントマーク操作画面800は、被検索画像表示領域810と、教示画像表示領域820と、マスク画像表示領域830と、相関係数設定領域840と、教示レシピ設定領域850と、検索ボタン860とマスク画像作成領域870と検索結果表示領域880からなる。
【0117】
被検索画像表示領域810は、カメラ16により撮像されて、メモリ15に格納された被検索画像121を表示する領域である。
【0118】
教示画像表示領域820は、被検索画像121に関する教示画像を表示する領域であって、被検索画像121から切り取った教示画像、または、データ領域182に格納された教示情報から教示レシピ名欄851と教示レシピ読み込みボタン852の操作によって、ユーザが読み込んだ教示画像を表示する。
【0119】
マスク画像表示領域830は、マスク画像とマスク画像を用いた検索処理の実施切り替え指定ボタンを表示する領域であって、マスク画像作成領域870で作成したマスク画像、または、データ領域182に格納された教示情報から教示レシピ名851と教示レシピ読み込みボタン852の操作によって、ユーザが読み込んだマスク画像を表示し、マスク画像を用いた検索を実施するか否かを指定する有効と無効ボタンで指定状態を表示するとともにボタンをマウスでクリックすることで指定切り替えを実施する。
【0120】
相関係数設定領域840は、被検索画像121に存在する教示画像位置を検索する際の相関係数を設定する領域であって、キーボードから数値入力、または、データ領域182に格納された教示情報から教示レシピ名851と教示レシピ読み込みボタン852の操作によって、ユーザが読み込んだ相関係数を表示する。
【0121】
教示レシピ設定領域850は、データ領域182に格納された教示情報の読み込み、または、教示情報の保管操作をおこなうための領域である。教示レシピ設定領域850は、教示レシピ名設定領域851と、教示レシピ読み込みボタン852と、教示レシピ保管ボタン853からなる。
【0122】
教示レシピ名設定領域851は、データ領域182に格納された教示情報を読み込み、または、データ領域182に保管する教示情報レシピ名を設定する領域であって、キーボードから、教示レシピ名(文字列)を入力する。ここで、教示レシピ名は、教示情報を一意的に識別できる名称である。
【0123】
教示レシピ読み込みボタン852は、教示レシピ名設定領域851で指定したレシピ名の教示情報を、データ領域182から読み込むための操作ボタンであって、読み込みをおこなう際にマウスでクリックする。
【0124】
教示レシピ保管ボタン853は、教示情報を教示レシピ名設定領域851で指定した教示レシピ名で保管するための操作ボタンであって、保管する際にマウスでクリックする。
【0125】
検索ボタン860は、被検索画像領域810に表示されている被検索画像121と、教示画像領域820に表示されているアライメントマーク教示画像と、相関係数設定領域840に表示されている相関係数とに基き、マスク画像処理が有効な場合(マスク画像表示領域830で、有効を指定したとき)は、マスク画像表示領域830に表示されているマスク画像を使用して、被検索画像121上のアライメントマークの検索するための操作ボタンボタンであって、検索をおこなう際にマウスでクリックする。
【0126】
マスク画像作成領域870は、教示画像表示領域820に表示されているアライメントマーク教示画像からマスク画像を作成するための操作をおこなう領域であって、教示画像形状指定欄871と、自動処理ボタン872と、処理経過画像表示領域873と、個別処理実行ボタン874と、マスク領域補正部875からなる。
【0127】
教示画像形状指定欄871は、教示画像の形状を指定するコンボボックスであって、マウスで▼ボタンをクリックして表示する一覧表から教示画像の形状を指定する。教示画像の形状には、円形と十字形と凸形と四角形などがある。
【0128】
自動処理ボタン872は、自動処理を指定するときに操作するボタンであって、マウスでクリックする。
【0129】
処理経過画像表示領域873は、個別処理の結果を表示する領域であって、エッジ画像表示領域と、エッジ範囲表示領域と、エッジ領域表示領域と、マスク画像表示領域があり、自動処理と個別処理で指定した個別処理の各段階毎の結果画像を表示する。
【0130】
個別処理実行ボタン874は、自動処理を分割して個別処理を段階的に順次実行するボタン群であって、エッジボタンと、範囲ボタンと、領域ボタンと、マスクボタンがあり、それぞれの個別処理を実施する操作のためのボタンであって、マウスでクリックする。
【0131】
エッジボタンは、円形のアライメントマーク教示画像のときの処理の図4のS01〜S03、十字形のアライメントマーク教示画像のときの処理の図6のS11〜S15を進めるボタンであり、このボタンをクリックすることにより、アライメントマーク教示画像からエッジ点が抽出される。
【0132】
範囲ボタンは、円形のアライメントマーク教示画像のときの処理の図4のS04〜S06、十字形のアライメントマーク教示画像のときの処理の図6のS16〜S18を進めるボタンであり、このボタンをクリックすることにより、抽出されたエッジ点に囲まれたアライメントマーク教示画像のエッジ範囲が算出される。
【0133】
領域ボタンは、円形のアライメントマーク教示画像のときの処理の図4のS07、十字形のアライメントマーク教示画像のときの処理の図6のS19を進めるボタンであり、このボタンをクリックすることにより、エッジ範囲とポジとネガの関係にあるマスク領域が算出される。
【0134】
マスクボタンは、円形のアライメントマーク教示画像のときの処理の図4のS08、十字形のアライメントマーク教示画像のときの処理の図6のS20を進めるボタンであり、このボタンをクリックすることにより、算出されたマスク領域に基いて、アライメントマーク教示マスク画像が作成される。
【0135】
マスク領域補正部875は、マスク画像の内側および外側範囲を補正する値の入力値の表示と補正ボタンで構成する領域であって、図3で説明した円形のアライメントマーク教示画像では、内半径欄と外半径欄と補正ボタンで構成する。このとき、内半径欄と外半径欄に円中心からの距離(ピクセル数)をキーボードにより入力し、補正処理を指示する補正ボタンを、マウスでクリックする。補正ボタンをクリックした際は、マスク画像のマスク設定領域を設定したデータに基づく範囲に変更し、マスク画像を再作成する。
【0136】
検索結果表示領域880は、検索ボタン860のクリックによって検索を実施した結果を表示する領域であって、検索結果リスト881と、リスト内容を消去するクリアボタン882よりなる。
【0137】
検索結果リスト881には検索を実施した毎に結果を追加表示する。この例では、(10,20)のアライメントマーク教示画像に対して、検索タイプが「Normal」(マスクを使用しない)ときには、相関率が、64.3%であったのに対して、検索タイプが「Mask」(マスクを使用する)ときには、相関率が、89.2%であることを示している。
【0138】
なお、図7に示した例では、アライメントマーク操作画面800を一つの画面として構成しているが、画面内の機能毎に複数の画面を作成し、同時に表示して、操作することにより、ユーザは同じ機能を使用することができる。
【符号の説明】
【0139】
10…フラットパネル表示基板製造装置
11…制御部
12…搭載ヘッド駆動部
13…搭載ヘッド部
15…メモリ
16…カメラ
17…操作部
18…ハードディスクドライブ
181…プログラム領域
182…データ領域
19…表示部
20…パネル搬送部
21…搬送駆動部
30…画像処理プログラム
31…アライメントマーク認識モジュール
32…教示画像作成モジュール
33…マスク画像作成モジュール
34…マッチング演算モジュール
35…位置ずれ量計算モジュール
36…GUI制御モジュール
121…被検索画像
122…教示情報作成処理
123…教示情報
125…比較処理
126…マッチング判定処理
127…結果出力処理
200…被検索画像内のアライメントマーク位置
201…アライメントマーク教示画像
300…ノイズの影響が無い被検索画像
301…検索したアライメントマーク位置
400…ノイズの影響がある被検索画像
401…検索すべきアライメントマーク位置
500…ノイズの影響がある被検索画像
501…検索したアライメントマーク位置
600…円形のアライメントマーク教示マスク画像
611…エッジ点
613…仮中心
615…仮中心を基準とした120度位相差の1点目位置
616…仮中心を基準とした120度位相差の2点目位置
617…仮中心を基準とした120度位相差の3点目位置
618…円の中心位置
620…エッジ範囲外側円周
621…エッジ範囲内側円周
623…エッジ外側領域
624…エッジ内側領域
700…十字形のアライメントマーク教示画像
711…縦エッジ線1
712…縦エッジ線2
713…縦エッジ線3
714…縦エッジ線4
715…縦エッジ線5
716…縦エッジ線6
721…横エッジ線1
722…横エッジ線2
723…横エッジ線3
724…横エッジ線4
725…横エッジ線5
726…横エッジ線6
731…図形エッジ線
741…内側マスク範囲
751…外側マスク範囲
761…外側マスク領域
762…内側マスク領域
770…十字形のアライメントマーク教示マスク画像
800…アライメントマーク操作画面
810…被検索画像表示領域
820…教示画像表示領域
830…マスク画像表示領域
840…相関係数設定領域
850…教示レシピ設定領域
851…教示レシピ名欄
852…教示レシピ読み込みボタン
853…教示レシピ保管ボタン
860…検索ボタン
870…マスク画像作成領域
871…教示画像形状指定欄
872…自動処理ボタン
873…処理経過画像表示領域
874…個別処理実行ボタン
875…マスク領域補正部
880…検索結果表示領域
881…索結果表示リスト
882…クリアボタン
901…端子クリーニング工程
902…ACF貼付け工程
903…TAB仮圧着工程
904…本圧着工程
905…検査工程
906…PCB搭載工程
1000…表示パネル基板
1001…アライメントマーク
1002…アライメントマーク
1011…電極端子
1012…アライメントマーク
1013…アライメントマーク
1020…TAB(Tape…Automated…Bonding)
1021…TABの電極
1022…アライメントマーク
1023…アライメントマーク
1024…搭載部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ワークにアライメントマークが付加されており、前記アライメントマークにより、前記ワークの位置合わせをおこなうフラットパネル表示基板製造装置であって、
制御部と、
駆動部と、
カメラと、
メモリとを有し、
前記制御部は、前記カメラにより撮像され前記メモリに格納されたワークの画像から、前記ワークのアライメントマークを認識し、前記ワークの位置ずれ量を算出して、前記位置ずれ量に基づき、前記駆動部によりワークの位置を調節するフラットパネル表示基板製造装置において、
前記アライメントマークを認識する際に、
前記制御部は、前記カメラにより撮像されたワークの画像より、アライメントマーク教示画像を切り出し、
前記アライメントマーク教示画像のアライメントマークを認識して、アライメントマークのエッジ点を抽出し、
前記エッジ点に囲まれたエッジ範囲を算出し、
前記アライメントマーク教示画像の前記エッジ範囲に含まれない領域を、マスク領域として算出し、
前記算出されたマスク領域により、アライメントマーク教示マスク画像を生成し、
前記アライメントマーク教示マスク画像によりマスクしたアライメントマークを認識することを特徴とするフラットパネル表示基板製造装置。
【請求項2】
前記ワークは、フラットパネルディスプレイにおける表示パネル基板または前記表示パネル基板に搭載される搭載部材であり、
前記ワークに付加されたアライメントマークは、前記表示パネル基板の搬入位置を調節するためのアライメントマークであるか、または、前記表示パネルと前記搭載部材の各々を位置合わせをおこなうために、それぞれに付加されたアライメントマークであることを特徴とする請求項1記載のフラットパネル表示基板製造装置。
【請求項3】
前記アライメントマークは、円形であって、
前記エッジ範囲は、円形のアライメントマークの内側にとった円周と、外側にとった円周の範囲内であることを特徴とする請求項1記載のフラットパネル表示基板製造装置。
【請求項4】
前記アライメントマークは、多角形であって、
前記アライメントマークのエッジ点を抽出するときに、垂直方向の縦エッジ線を算出し、水平方向の横エッジ線を算出し、前記縦エッジ線と前記横エッジ線に囲まれた図形の線をエッジ点とし、
前記エッジ範囲は、前記エッジ点に所定幅分離れて内側にとった内側領域と、前記エッジ点に所定幅分離れて外側にとった外側領域とに囲まれた範囲であることを特徴とする請求項1記載のフラットパネル表示基板製造装置。
【請求項5】
ワークにアライメントマークが付加されており、前記アライメントマークにより、前記ワークの位置合わせをおこなうフラットパネル表示基板製造装置であって、
制御部と、
駆動部と、
カメラと、
メモリとを有し、
前記制御部は、前記カメラにより撮像され前記メモリに格納されたワークの画像から、前記ワークのアライメントマークを認識し、前記ワークの位置ずれ量を算出して、前記位置ずれ量に基づき、前記駆動部によりワークの位置を調節するフラットパネル表示基板製造装置の画像処理方法において、
前記アライメントマークを認識する際に、
前記制御部は、前記カメラにより撮像されたワークの画像より、アライメントマーク教示画像を切り出すステップと、
前記制御部が、前記アライメントマーク教示画像のアライメントマークを認識して、アライメントマークのエッジ点を抽出するステップと、
前記制御部が、前記エッジ点に囲まれたエッジ範囲を算出するステップと、
前記制御部が、前記アライメントマーク教示画像の前記エッジ範囲に含まれない領域を、マスク領域として算出するステップと、
前記制御部が、前記算出されたマスク領域により、アライメントマーク教示マスク画像を生成するステップとを実行し、
前記アライメントマーク教示マスク画像によりマスクしたアライメントマークを認識することを特徴とするフラットパネル表示基板製造装置の画像処理方法。
【請求項6】
前記ワークは、フラットパネルディスプレイにおける表示パネル基板または前記表示パネル基板に搭載される搭載部材であり、
前記ワークに付加されたアライメントマークは、前記表示パネル基板の搬入位置を調節するためのアライメントマークであるか、または、前記表示パネルと前記搭載部材の各々を位置合わせをおこなうために、それぞれに付加されたアライメントマークであることを特徴とする請求項5記載のフラットパネル表示基板製造装置の画像処理方法。
【請求項7】
前記アライメントマークは、円形であって、
前記エッジ点に囲まれたエッジ範囲を算出するステップにおいて、前記エッジ範囲を円形のアライメントマークの内側にとった円周と、外側にとった円周の範囲内とすることを特徴とする請求項5記載のフラットパネル表示基板製造装置の画像処理方法。
【請求項8】
前記アライメントマークは、多角形であって、
前記アライメントマークのエッジ点を抽出するステップにおいて、垂直方向の縦エッジ線を算出し、水平方向の横エッジ線を算出し、前記縦エッジ線と前記横エッジ線に囲まれた図形の線をエッジ点とし、
前記エッジ点に囲まれたエッジ範囲を算出するステップにおいて、前記エッジ範囲は、前記エッジ点に所定幅分離れて内側にとった内側領域と、前記エッジ点に所定幅分離れて外側にとった外側領域とに囲まれた範囲であることを特徴とする請求項5記載のフラットパネル表示基板製造装置の画像処理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−84050(P2013−84050A)
【公開日】平成25年5月9日(2013.5.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−222003(P2011−222003)
【出願日】平成23年10月6日(2011.10.6)
【出願人】(501387839)株式会社日立ハイテクノロジーズ (4,325)
【Fターム(参考)】