説明

フラボノイドの使用

本発明は、匂いの改善および/または匂いの安定化のための、少なくとも1種のフラボノイドの使用と、対応する組成物、およびその調製に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、匂いの改善または匂いの安定化のための、少なくとも1種のフラボノイドの使用と、対応する組成物、およびその調製に関する。
【背景技術】
【0002】
毎日の人の生活は、香り、芳香物質、一般には香油、フレグランス、または芳香化学物質なしではもはや考えられない。太古の昔から、これらの香り等は人の文化において、最初は儀式的な用途で、少したってからは美しさのケアのためにも、重要な役割を演じてきた。現代においても、これらの香り等には、例えば製品の香り付けの領域において、ボディケア製品の領域において、特に実際の「香水として」も、または洗剤および洗浄製品の領域において、突出しかつ絶え間なく増大し続ける重要性がある。
【0003】
香りを知覚可能にするための重大な要素は、その揮発性であり、官能基の性質および化合物の構造に加えて分子量も重要な役割を果たす。このように、ほとんどの香りは、約200ダルトンまでの分子量を有するが、300ダルトンおよびそれ以上の分子量は、例外を示す傾向がある。香りの種々の揮発性により、複数の香りからなる香水の匂いは、蒸発中に変化し、その匂いの印象は、「トップノート」、「ミドルノート」または「ボディ」、および「エンドノート」または「ドライアウト」に分けられる。人の場合に非常に個人的な匂いの知覚も、かなりの程度まで匂いの強さに基づいているので、香水のトップノートは非常に揮発性の高い化合物により必然的に決定されるが、エンドノートは、その大部分がそれほど揮発性の高くない物質、即ち粘り強い香りからなる。香水の組成物中では、例えば、より容易に揮発し易い香りを、ある特定の固定剤に結合させることができ、その香りの過度に素早い蒸発を防止する。
【0004】
化学用語において、香油は、しばしばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、および炭化水素タイプの反応性化合物である。特に、保存中またはその他の化合物の存在下、特に生成物に香りを付ける一般的な分野では、その他の成分との反応が原因で、フレグランスが反応する可能性があり、または二次的な匂いが形成される可能性がある。
【0005】
芳香化学物質は、フレグランスおよびフレーバーを含む。
【発明の開示】
【0006】
したがって本発明の目的は、組成物またはプレミックスのフレグランスまたは匂いを、安定化しまたは改善する方法を見出すことである。
【0007】
驚くべきことに、この目的は、少なくとも1種のフラボノイドを使用することによって達成されることを、ついに見出した。
【0008】
したがって本発明は、まず、匂いの改善、および/または匂いの安定化のための、少なくとも1種のフラボノイドの使用に関する。
【0009】
本明細書においてフラボノイドは、香油または活性化合物、例えばセルフタンニング物質の安定剤として働き、かつ/あるいはフレグランスまたは活性化合物の保存依存性の悪臭を減少させまたは抑制する。さらに、フラボノイドは、活性化合物、特に化粧品原材料に固有の不愉快な匂いを隠す。
【0010】
本発明によれば、匂いの改善は、化粧品組成物、皮膚科用組成物または医薬品組成物で、また化粧品組成物、皮膚科用組成物または医薬品組成物のプレミックスで、あるいは食品または栄養補助食品で行われることが好ましい。
【0011】
別の、同様の好ましい本発明の変形例において、匂いの改善または匂いの安定化は、香水で行われる。
【0012】
本発明はさらに、香油に加えて少なくとも1種のフラボノイドを含む、対応する香水組成物に関する。
【0013】
特に、化粧品または薬剤でのフラボノイドの使用は、それ自体が知られている。したがって例えば、DE−A−19739349は、化粧品組成物および皮膚科用組成物における抗酸化剤またはフリーラジカル捕捉剤としてのトロキセルチンの使用について述べている。
【0014】
本発明の目的では、「フラボノイド」という用語は、特に、その基本構造により下記の群に割り当てることができる化合物を包含する:
・カルコン
・クロモン
・オーロン
・フラバノン
・フラバン−3−オール(カテコール)
・フラボン
・イソフラボン
・フラバン−3,4−ジオール(ロイコアントシアニジン)
・フラボノール(3−ヒドロキシフラバン−4−オン)
・フラバノノール
「フラボノイド」という名称は、ラテン語のフラバス(flavus)=黄色から得られ、したがって、これら物質のほとんどは、その純粋な形が黄色がかった色を有することが考慮される。
【0015】
下記のフラボノイドが、例として挙げられるべきである:5−ヒドロキシ−7,4’−ジメトキシフラボン8−スルフェート、7,8−ジヒドロキシフラボン、ルテオリン(フラボン);カテコール、エピカテコール、エピガロカテコールガレート(EGCG、TEAVIGO(登録商標)DSM)(フラバン−3−オールまたはフラバン−3−オール誘導体);ケンフェロール(フラボノール);タキシフォリン(フラバノノール)、イソフラボン、ダイゼイン、ゲニステイン、プルネチン、ビオカニンA、オロボール、サンタール、またはプラテンセインの群からのイソフラボン、ならびにナリンゲニン(フラバノン)、およびナリンゲニンのグリコシド、例えばナリンギン7−ネオヘスペリドシド。
【0016】
好ましいフラボノイドは、下記の群から得られる:
・フラボノール
・フラボノールo−グリコシド
・フラボノールo−グリコシド含有抽出物
フラボノイドは、通常、植物の細胞液に水溶性のグリコシドとして生ずる。
【0017】
好ましいフラボノイドは、アグリコン(糖を含まない構造)およびアグリコン結合体も含む。可能なアグリコン結合体は、ヒドロキシル基の全てまたは一部がアルキル化され、メチル化され、グリシル化され、硫酸化され、またはエステル化されているヒドロキシル誘導体である。ヒドロキシル誘導体の他に、C誘導体も、アグリコン結合体として適切である。
【0018】
フラボノールの群では、アグリコンケルセチンが特に好ましい。
【0019】
フラボノールo−グリコシドの群において、ルチン、α−グルコシルルチン、チリロシド、イソケルセチン、硫酸ルチン、トリスヒドロキシエチルルチン(トロキセルチン)、ならびにこれらの硫酸化合物およびリン酸化合物などのフラボノール−3−グリコシドが特に好ましい。
【0020】
フラボノール7−および8−グリコシドも使用することができる。
【0021】
「硫酸ルチン」という用語は、ルチンのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、またはポリ硫酸化合物、およびこれらルチン硫酸化合物の混合物を包含する。「トロキセルチン」という用語は、ルチンのモノ−、ジ−、トリ−、テトラ−、またはポリエトキシレート化合物、およびこれらのルチンエトキシレート化合物の混合物を包含する。
【0022】
本発明によれば、ケルセチン、ルチン、硫酸ルチン、α−グルコシルルチン、チリロシド、トロキセルチン、および/またはイソケルセチンの群から選択されたフラボノイドの使用が好ましい。
【0023】
フラボノールまたはフラボノールo−グリコシド含有抽出物の群では、活性化合物の組合せ、エンブリカ、カンゾウ、および/またはセイヨウトチノキ抽出物が好ましい。エンブリカは、例えばインド、中国、パキスタン、またはネパールの落葉樹、ユカン(Phyllanthus emblica)(アマラキ(Emblica officinalis)とも言う)の実から得られる。エンブリカの主成分は、錯体の形で皮膚に生ずる鉄と結合する低分子量タンニン酸、エンブリカニンAおよびBである。好ましいエンブリカ溶液は、例えばEMBLICA(登録商標)(MERCK)またはCAPROS(登録商標)として市販されている(例えば、米国特許第6235721号または米国特許第6124268号参照)。原理的には、全てのエンブリカ混合物は、単独でまたは少なくとも1種のフラボノイドと組み合わせたものが、本発明による使用に適している。
【0024】
カンゾウ抽出物は、フラボノイドグラブリジン(グリシルレチン酸ステアリル)および/またはリコカルコンAを含有する。
【0025】
セイヨウトチノキ抽出物は、例えば、エスクリンおよびその他のフラボノール、および/またはフラボノールグリコシド成分を含有する。
【0026】
このタイプの植物性物質混合物は、当業者によく知られている手法、例えば対応する植物に圧力をかけ、または対応する植物を抽出することによって得ることができる。
【0027】
本発明による使用を、対応する配合物で用いる場合、少なくとも1種のフラボノイドを0.01から10重量%の総量で用いることが好ましく、より好ましくは0.1から5重量%の量である。本発明による使用を、対応する配合物用のプレミックスで用いる場合、少なくとも1種のフラボノイドは、好ましくは1から95重量%の総量で用いることが好ましく、10から50重量%または1から10重量%の量が好ましく、特に好ましくは15から33重量%または1.5から5重量%の量である。好ましいパラメータ範囲のどれをプレミックスに用いるかは、プレミックスの使用、またはプレミックスを含む配合物の使用に左右される。対応する選択は、対応する当業者が、その専門知識の助けを借りて行うことができる。
【0028】
本発明の目的では、調製物および配合物という用語は、組成物という用語と共に同義に使用することもできる。
【0029】
本発明の目的では、フレグランスという用語は、香油という用語と共に同義に使用することもできる。
【0030】
組成物または配合物用のプレミックスは、少なくとも1種の適切なビヒクルおよび組成物をもたらす任意選択のその他の成分等の、それ自体粉末混合物として混合される、例えば粉状成分である固形分のブレンドを意味すると解釈される。
【0031】
しかし、少なくとも1種のフラボノイドは、室温での物理的状態が固体または粉状ではないプレミックス、例えば液体成分を含むプレミックスであって、しかしその他の成分とのプレミックスはそれ自体がやはり固体でも液体でもよいものを、本発明に従って用いることができる。
【0032】
組成物は、匂いが改善されかつ/または安定化される成分と、化粧品用、皮膚科用、または医薬品用であることが知られている少なくとも1種のビヒクルと共に、本発明に従って使用される、少なくとも1種のフラボノイドの混合物を意味すると解釈される。
【0033】
本発明によれば、少なくとも1種のフラボノイドは、1個または複数のフェノール性ヒドロキシル基がエーテル化またはエステル化によって遮断されているフラボノイドであることが、本明細書では好ましいと考えられる。例えば、好ましくはトロキセルチン、トロキセケルセチン、トロキセイソケルセチン、またはトロキセルテオリンなどのヒドロキシエチル置換フラボノイドと、好ましくは硫酸ルチンなどの硫酸フラボノイドまたはリン酸フラボノイドは、本発明の目的に特に適したフラボノイドであることが証明されている。
【0034】
本発明による使用を目的とした場合、硫酸ルチンおよびトロキセルチンが特に好ましい。トロキセルチンの使用が、非常に特に好ましい。
【0035】
本発明による好ましいフラボノイドは、さらに、正に帯電していないフラバン骨格を有する。これらのフラボノイドは、例えばFe2+/Cu2+などの錯体金属イオンと錯体を形成し、したがって、その分解が悪臭をもたらすフレグランスまたは化合物の、自動酸化プロセスを防止しまたは低減させると考えられる。
【0036】
実施形態の、さらに好ましい組合せは、特許請求の範囲に開示されている。
【0037】
本発明の目的では、香油という用語は、本明細書では、人における匂いの知覚、好ましくは心地良い匂いの知覚を引き起こし、したがって、例えば工業および衛生用品、石鹸、化粧品(ボディケア組成物)、医薬品、食品、または栄養補助食品などの物品の香り付けに適切で広く使用される、全ての個々の物質または物質の混合物を包含するので、非常に広く用いられる。その結果、本発明の目的では、香油という用語は、本質的に、全ての精油、香り、および芳香物質を個々に、また特に2種以上の異なる成分との混合物中に包含する。しかし、エッセンスおよび芳香または芳香物質、またはこれらの混合物は、本明細書では香油という用語に明らかに分類される。さらに、香油という用語は、フェロモンも明らかに包含するが、これは文字通りの意味での香りではない。特に、香油という用語は当然ながら、古典的な香油を意味すると解釈され、即ち例えば、果皮の圧搾、樹脂、バルサム、地衣、およびコケからの樹脂状物質の抽出、超臨界ガスを用いまたは事前に調製された細かくすり潰された植物部分の水蒸気蒸留による、(花びらの)フレグランスの破壊から得られるもの、例えばローズ油を意味すると解釈される。
【0038】
使用することができる香油は、例えば、個々の香り化合物、例えばエステル、エーテル、アルデヒド、ケトン、アルコール、および炭化水素タイプの合成生成物である。エステルタイプの香り化合物は、例えば、酢酸ベンジル、イソ酪酸フェノキシエチル、酢酸p−t−ブチルシクロヘキシル、酢酸リナリル、酢酸ジメチルベンジルカルビニル、酢酸フェニルエチル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、グリシン酸エチルメチルフェニル、プロピオン酸アリルシクロヘキシル、プロピオン酸スチラリル、およびサリチル酸ベンジルである。エーテルには、例えばベンジルエチルエーエルが含まれ、アルデヒドには、例えば、8〜18個のC原子を有する直鎖アルカナール、バニリン、シトラールa、シトラールb、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、リリアル、およびブルジオナールが含まれ、ケトンには、例えばジョノン、α−イソメチルイオノン、およびメチルセドリルケトンが含まれ、アルコールには、アネトール、シトロネロール、オイゲノール、ゲラニオール、リナロール、フェニルエチルアルコール、およびテルピネオールが含まれ、炭化水素には、主にテルペンおよびバルサムが含まれる。しかし、魅力的なフレグランスを共に生成する様々な香りの混合物の使用が好ましい。
【0039】
香油は、当然ながら、例えばマツ、シトラス、ジャスミン、ユリ、パチョリ、バラ、またはイランイラン油など、植物または動物源から得ることのできる自然の香りの混合物も含むことができる。ほとんどが芳香成分として使用される揮発性の低い精油は、香油としても適しており、例えばセージ油、カモミール油、クローブ油、メリッサ油、ハッカ油、シナモンリーフ油、ライムブロッサム油、ジェニパーベリー油、ベチベル油、オリバナム油、ガルバナム油、およびラダナム油も適している。
【0040】
したがって、下記の「比較的揮発性のある」香りおよび「粘り強い」香りへの香りの分類では、匂いの印象に関して、および対応する香りがトップノートまたはボディノートとして知覚されるか否かに関して、何も述べられていない。本発明の目的で用いることができる粘り強い香りは、例えば、アンゲリカ根油、アニス油、アルニカブロッサム油、バジル油、ベイ油、ベルガモット油、チャンパカフラワー油、エゾマツ油、エゾマツ球果油、エレミ油、ユーカリ油、ウイキョウ油、スプルースニードル油、ガルバナム油、ゼラニウム油、ジンジャーグラス油、ユソウボク油、ガージャンバルサム油、ヘリクリサム油、ホウ油、ジンジャー油、アイリス油、カヤプト油、ショウブ油、カモミール油、カンフル油、カナンガ油、カルダモン油、カッシア油、マツバ油、コパイババルサム油、コリアンダー油、スペアミント油、キャラウェイ油、クミン油、ラベンダー油、レモングラス油、ライム油、マンダリン油、メリッサ油、ムスクシード油、ミルラ油、クローブ油、橙花油、ニアオウリ油、オリバナム油、オレンジ油、オレガノ油、パルマローザ油、パチョリ油、ペルーバルサム油、プチグレン油、コショウ油、ペパーミント油、ピメント油、松根油、ローズ油、ローズマリー油、ビャクダン油、セロリ油、スパイクラベンダー油、八角油、テレピン油、スーヤ油、タイム油、バーベナ油、ベチベル油、ジュニパーベリー油、ヨモギ油、ウィンターグリーン油、イランイラン油、ヒソップ油、シナモン油、シナモンリーフ油、レモン油、およびひのき油などの精油である。
【0041】
しかし、強い香りや香りの混合物、即ちフレグランスとして、天然または合成由来のより高い沸点または固体の香りも、本発明の目的で用いることができる。これらの化合物には、以下に述べる化合物およびそれらの混合物:即ち、アンブレトリド、α−アミルシンナムアルデヒド、アネトール、アニスアルデヒド、アニスアルコール、アニソール、メチルアントラニレート、アセトフェノン、ベンジルアセトン、ベンズアルデヒド、安息香酸エチル、ベンゾフェノン、ベンジルアルコール、酢酸ベンジル、安息香酸ベンジル、ギ酸ベンジル、吉草酸ベンジル、ボルネオール、酢酸ボルニル、α−ブロモスチレン、n−デシルアルデヒド、n−ドデシルアルデヒド、オイゲノール、オイゲノールメチルエーテル、ユーカリプトール、ファルネゾール、フェンコン、酢酸フェンシル、酢酸ゲラニル、ギ酸ゲラニル、ヘリオトロピン、ヘプチンカルボン酸メチル、ヘプトアルデヒド、ヒドロキノンジ−メチルエーテル、ヒドロキシシンナムアルデヒド、ヒドロキシ桂皮アルコール、インドール、鉄、イソオイゲノール、イソオイゲノールメチルエーテル、イソサフロール、ジャスモン、ショウノウ、カルバクロール、カルボン、p−クレゾールメチルエーテル、クマリン、p−メトキシアセトフェノン、メチルn−アミルケトン、メチルメチルアントラニレート、p−メチルアセトフェノン、メチルチャビコール、p−メチルキノリン、メチルβ−ナフチルケトン、メチル−n−ノニルアセトアルデヒド、メチルn−ノニルケトン、ムスコン、β−ナフトールエチルエーテル、β−ナフトールメチルエーテル、ネロール、ニトロベンゼン、n−ノニルアルデヒド、ノニルアルコール、n−オクチルアルデヒド、p−オキシアセトフェノン、ペンタデカノリド、β−フェニルエチルアルコール、フェニルアセトアルデヒド、ジメチルアセタール、フェニル酢酸、プレゴン、サフロール、サリチル酸イソアミル、サリチル酸メチル、サリチル酸ヘキシル、サリチル酸シクロヘキシル、サンタロール、スカトール、テルピネオール、チメン、チモール、γ−ウンデラクトン、バニリン、ベラトラムアルデヒド、シンナムアルデヒド、桂皮アルコール、桂皮酸、桂皮酸エチル、桂皮酸ベンジルが含まれる。
【0042】
比較的揮発性のある香りには、特に、単独でまたは混合物中に用いることができる、天然または合成由来の比較的低沸点の香りが含まれる。比較的揮発性のある香りの例は、アルキルイソチオシアネート(アルキルマスタード油)、ブタンジオン、リモネン、リナロール、酢酸およびプロピオン酸リナイル、メントール、メントン、メチル−n−ヘプテノン、フェランドレン、フェニルアセトアルデヒド、酢酸テルピニル、シトラール、シトロネラールである。
【0043】
本発明によれば、組成物は、アルデヒドまたはケトンタイプの少なくとも1種の香りまたは活性化合物を含むことが特に好ましいが、それはフラボノイドによって、そのような化合物を特定の手法で安定化させることができることが観察されたからである。ジヒドロキシアセトンまたはバニリンを含む組成物の匂いの改善が、特に著しい。
【0044】
匂いの改善は、非荷電フラバン骨格を有する少なくとも1種のフラボノイドと、フラボノイドの存在下で安定化する少なくとも1種の活性物質とを含む、組成物または組成物用のプレミックスで、本発明に従って行われる。対応する分解性活性物質またはその分解生成物は、しばしば組成物に悪臭をもたらす。本明細書で好ましい活性物質は、やはりアルデヒドまたはケトン官能基を有する。本発明の変形例で用いられる活性物質または活性化合物は、少なくとも1種のセルフタンニング物質であることが好ましい。
【0045】
用いることができるセルフタンニング物質は、とりわけ:
【0046】
【化1】


【0047】
である。
【0048】
さらに、新鮮なクルミの殻から抽出される5−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ジュグロン)、
【0049】
【化2】


【0050】
およびヘンナの葉で生ずる2−ヒドロキシ−1,4−ナフトキノン(ラウソン)
【0051】
【化3】


【0052】
を挙げるべきである。
【0053】
下記のトリオースおよびテトロース、即ち1,3−ジヒドロキシアセトン(DHAまたはジヒドロキシアセトンとも言う)およびその誘導体、グリセルアルデヒド、ジヒドロキシアセトンホスフェート、グリセルアルデヒドホスフェート、エリトロース、および1,3,4−トリヒドロキシ−2−ブタノン(エリトルロース)の使用が好ましい。プレミックスまたは組成物中で安定化されたエリトルロースおよび/または1,3−ジヒドロキシアセトン(DHA)が、特に非常に好ましい。DHAは、人体で生ずる3官能性ケト糖である。
【0054】
本発明の目的で、本発明により少なくとも1種のフラボノイドと本明細書に記述されるセルフタンニング物質の1種または複数とを含む組成物用のプレミックスを用いることも、特に好ましいと考えられる。そのようなプレミックスでは、セルフタンニング物質とフラボノイドとの比は、5:1から1:2が好ましい。対応するプレミックスは、その内容がこの点において本出願の開示内容にも明らかに属している、出願ファイル参照番号DE102005035683.4の独国特許出願と、ファイル参照番号60/702983および60/748588の米国特許出願とに記載されている。
【0055】
その他の対応するプレミックスは、例えば、少なくとも1種のセルフタンニング物質、例えばDHAおよび/またはエリトルロース、ホルムアルデヒド捕捉剤、および本発明によるフラボノイドを含む、固体ブレンドでもある。適切なホルムアルデヒド捕捉剤は、例えば、D−グルシトール、グリセロール、1,2−プロパンジオール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、レゾルシノール、ピロガロール、フロログルシン、亜硫酸水素塩、亜硫酸塩、亜硫酸塩と硫化物との混合物、亜硫酸水素塩、トランス−レスベラトロール、尿素、ベンゾトリアゾール、または小麦グルテン、特に亜硫酸水素塩である。この意味で知られている固体ブレンドは、匂いの改善のために本発明によりフラボノイドを添加することができる、ジヒドロキシアセトン、亜硫酸水素ナトリウム、およびステアリン酸マグネシウムからなるMerck、Darmstadtから販売されているDHA Plus、セルフタンニングプレミックスである。
【0056】
本発明によれば、フラボノイドは、少なくとも1種のセルフタンニング物質およびジメチルイソソルビドを含むプレミックスまたは組成物に添加することもできる。
【0057】
本発明により少なくとも1種のフラボノイドをさらに含む、記述されるプレミックスでは、顔料をさらに存在させてもよく、その場合、顔料の層構造は限定されない。
【0058】
有利な着色顔料は、例えば、二酸化チタン、マイカ、酸化鉄(例えばFe23、Fe34、FeO(OH))、および/または酸化スズである。有利な染料は、例えば、カルミン、ベルリンブルー、酸化クロムグリーン、ウルトラマリンブルー、および/またはマンガンバイオレットである。下記のリストから染料および/または着色顔料を選択することが、特に有利である。色指数番号(CIN)は、Rowe Colour Index、第3版、Society of Dyers and Colourists、Bradford、英国、1971から得られる。
【0059】
【表1−1】

【0060】
【表1−2】

【0061】
【表1−3】

【0062】
【表1−4】

【0063】
【表1−5】

【0064】
以下に列挙する真珠光沢のある顔料タイプが、特に好ましい。
1.例えば、
・「パールエッセンス」(魚の鱗からのグアニン/ヒポキサンチン混合型結晶)や
・「真珠層」(二枚貝の殻)
などの、天然の真珠光沢のある顔料。
2.例えば、オキシ塩化ビスマス(BiOCl)などの単結晶質の真珠光沢のある顔料。
3.層状基質顔料:例えばマイカ/金属酸化物。
【0065】
真珠光沢のある顔料の基礎は、例えば、オキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタンの粉状顔料またはヒマシ油分散体、ならびにマイカ上にあるオキシ塩化ビスマスおよび/または二酸化チタンによって形成される。例えば、CIN 77163の基で列挙される光沢顔料が、特に有利である。
【0066】
また、マイカ/金属酸化物をベースにした、下記の真珠光沢のある顔料タイプも有利である。
【0067】
【表2】

【0068】
例えば、Timiron(登録商標)、Colorona(登録商標)、Dichrona(登録商標)、Xirona(登録商標)、またはRonastar(登録商標)という商標でMerckから入手可能な真珠光沢のある顔料が、特に好ましい。
【0069】
前記真珠光沢のある顔料は、当然ながら、限定を意図するものではない。本発明の目的で有利な真珠光沢のある顔料は、それ自体が知られている非常に数多くの経路によって得ることができる。例えば、マイカを別としたその他の基質は、例えばシリカなどのその他の金属酸化物で被覆することもできる。例えば、Merckから販売されておりかつ細かい皺の光学的減少に特に適したTiO2およびFe23で被覆されたSiO2粒子(「Ronasphere」級)が、有利である。
【0070】
さらに、マイカなどの基質を完全に省略することが有利と考えられる。SiO2を使用して調製された真珠光沢のある顔料が、特に好ましい。そのような顔料は、ゴニオクロマティック効果をさらに発揮してもよく、例えばSicopearl Fantasticoという商標でBASFから入手可能である。
【0071】
二酸化チタンで被覆されたホウケイ酸カルシウムナトリウムをベースにした、Engelhard/Mearl顔料を用いることも有利と考えられる。これらは、Reflecks(登録商標)という名称で入手可能である。その粒度が40〜80μmであるので、この顔料は、色に加えて光沢をもたらす効果も発揮する。
【0072】
また、様々な色(黄、赤、緑、青)の、Metasomes(登録商標)Standard/Glitterという商標でFlora Techから入手可能な効果的な顔料も、特に有利である。本明細書の光沢粒子は、様々な補助剤および染料(例えば、色指数(CI)番号19140、77007、77289、77491を有する染料など)との混合物の形をとる。
【0073】
プレミックス中で特に適切な顔料は、例えば、Ronastar(登録商標)SilverまたはColorona(登録商標)Bronzeである。
【0074】
人の皮膚で使用される場合、セルフタンナー組成物、特にジヒドロキシアセトンを含む組成物は、場合によっては使用者に不愉快だと知覚される、おそらくは副反応の生成物によって引き起こされる悪臭をもたらす傾向がある。これらの悪臭は、本発明により用いられるフラボノイドの使用によって、回避されることが見い出されている。したがって、本発明はさらに、皮膚上における、少なくとも1種のセルフタンナー物質を含むセルフタンナー組成物の匂いを安定化させかつ/または改善するための、少なくとも1種のフラボノイドの使用に関する。
【0075】
さらに用いることが好ましい追加の活性物質には、例えば、UVフィルタ、クロモン誘導体、アリールオキシム、およびパラベンが含まれる。
【0076】
パラベンは、食品、化粧品、および薬物の分野で組成物を保存するために、遊離した形でまたはナトリウム塩として使用される、4−ヒドロキシ安息香酸エステルである。エステルの作用は、アルキル基の鎖長に正比例するが、その一方で溶解度は、鎖長が延びるにつれて減少する。非解離化合物として、エステルは、その大部分がpH依存性であり、3.0〜8.0のpH範囲で作用する。抗菌作用のメカニズムは、PHBエステルの表面活性による微生物膜の損傷と、タンパク質の変性とに依存する。さらに、補酵素との間に相互作用が生ずる。この動作は、真菌、酵母、および細菌を対象とする。保存剤として最も重要なパラベンは、4−ヒドロキシ安息香酸メチル、4−ヒドロキシ安息香酸エチル、4−ヒドロキシ安息香酸プロピル、および4−ヒドロキシ安息香酸ブチルである。
【0077】
アリールオキシムの中で、HMLO、LPO、またはF15としても知られる2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムの使用が、好ましく選択される。これを化粧品組成物中に使用する適切性は、例えばDE4116123に開示されている。したがって、2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む組成物は、炎症を伴う皮膚疾患の治療に適している。このタイプの組成物は、例えば、乾癬、様々な形の湿疹、刺激性および毒性皮膚炎、UV皮膚炎、皮膚および皮膚付属器のその他のアレルギーおよび/または炎症性疾患の治療に使用できることが知られている。前記化合物に加え、アリールオキシム、好ましくは2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムをさらに含む、本発明による組成物は、驚くべき抗炎症適合性を示す。本明細書の組成物は、アリールオキシムを0.01から10重量%含むことが好ましく、組成物は、アリールオキシムを0.05から5重量%含むことが特に好ましい。
【0078】
本発明の目的で、フラボン誘導体は、フラボノイドおよびクマラノンを意味すると解釈される。クマラノンの中で、4,6,3’,4’−テトラヒドロキシベンジルクマラノン−3が好ましい。
【0079】
クロモン誘導体は、加齢プロセスおよび有害な環境影響に対して人の皮膚および人の髪を予防的治療するための活性化合物として適切な、あるクロメン−2−オン誘導体を意味すると解釈されることが好ましい。これらは同時に、皮膚に対する低刺激性を示し、皮膚における水結合への好ましい効果を発揮し、皮膚の弾力性を維持または増大し、したがって、皮膚の滑らかさを促進させる。これらの化合物は、下式に一致することが好ましい
【0080】
【化4】


【0081】
(式中、
1およびR2は、同一でも異なってもよく、
−H、−C(=O)−R7、−C(=O)−OR7
−直鎖または分枝状C1−からC20−アルキル基、
−直鎖または分枝状C3−からC20−アルケニル基、直鎖または分枝状C1−からC20−ヒドロキシアルキル基であって、ヒドロキシル基が、鎖の第1級または第2級炭素原子に結合されていてもよく、さらにアルキル鎖には、酸素が割り込まれていてもよいもの、および/または
−C3−からC10−シクロアルキル基、および/またはC3−からC12−シクロアルケニル基であって、環は、それぞれが−(CH2n−基(但し、n=1から3)によって架橋されていてもよいもの
から選択され、
3は、H、または直鎖もしくは分枝状C1−からC20−アルキル基を表し、
4は、HまたはOR8を表し、
5およびR6は、同一でも異なってもよく、
−−H、−OH、
−直鎖または分枝状C1−からC20−アルキル基、
−直鎖または分枝状C3−からC20−アルケニル基、
−直鎖または分枝状C1−からC20−ヒドロキシアルキル基であって、ヒドロキシル基が、鎖の第1級または第2級炭素原子に結合されていてもよく、さらにアルキル鎖には、酸素が割り込まれていてもよいもの
から選択され、
7は、H、直鎖または分枝状C1−からC20−アルキル基、ポリヒドロキシル化合物、例えば好ましくは、アスコルビン酸基またはグリコシド基などを表し、
8は、H、または直鎖もしくは分枝状C1−からC20−アルキル基を表し、
但し、置換基R1、R2、R4〜R6の少なくとも2個は、Hとは異なり、またはR1およびR2からの少なくとも1個の置換基は、−C(=O)−R7もしくは−C(=O)−OR7を表す)。
【0082】
組成物中のクロモン誘導体およびクマラノンから選択された1種または複数の化合物の割合は、全組成物に対して好ましくは0.001から5重量%であり、特に好ましくは0.01から2重量%である。
【0083】
組成物に使用することができる全ての化合物または成分は、知られておりかつ市販されており、または知られているプロセスによって合成することができる。
【0084】
組成物が香水の場合、本発明の変形例においては、フレグランスまたは香油、および少なくとも1種のフラボノイドおよび典型的なビヒクル、例えば水や溶媒、例えばアルコール、油、および任意選択の乳化剤などの他に、その他の補助剤が存在しないことが好ましい。
【0085】
組成物が、例えば化粧品や皮膚科用配合物などの、局所的に施用できる組成物である場合、この場合の組成物は、化粧品としてまたは皮膚科用として適切なビヒクルを含み、所望の特性プロファイルに応じて、任意選択でその他の適切な成分を含む。医薬品組成物の場合、この場合の組成物は、医薬品として許容されるビヒクルと、任意選択でその他の医薬品活性化合物とを含む。栄養補助食品の場合、この目的に適したビヒクルが選択されるべきである。
【0086】
酸化的ストレス、またはフリーラジカルの作用に対する組成物の保護作用は、この組成物が1種または複数の抗酸化剤を含む場合に改善することができ、その場合、当業者は、適切に素早くまたは遅延して作用する抗酸化剤を選択するに当たり、全く支障がない。
【0087】
したがって、好ましい実施形態において、組成物は、特に皮膚の老化を低減させるために、酸化的ストレスから体細胞を保護するための組成物であって、少なくとも1種のフラボノイドおよび少なくとも1種のセルフタンニング物質および任意選択のその他の成分に加え、1種または複数の抗酸化剤を含むことを特徴とする組成物である。
【0088】
抗酸化剤として使用することのできる、専門家の文献により知られている多くの実証済みの物質があり、それは例えば、アミノ酸(例えばグリシン、ヒスチジン、チロシン、トリプトファン)およびその誘導体、イミダゾール(例えばウロカニン酸)およびその誘導体、ペプチド、例えばD,L−カルノシン、D−カルノシン、L−カルノシン、およびその誘導体など(例えばアンセリン)、カロテノイド、カロテン(例えばα−カロテン、β−カロテン、リコペン)およびその誘導体、クロロゲン酸およびその誘導体、リポ酸およびその誘導体(例えばジヒドロリポ酸)、アウロチオグルコース、プロピルチオウラシルおよびその他のチオール(例えばチオレドキシン、グルタチオン、システイン、シスチン、シスタミン、およびそのグリコシル、N−アセチル、メチル、エチル、プロピル、アミル、ブチル、およびラウリル、パルミトイル、オレイル、γ−リノレイル、コレステリル、およびそのグリセリルエステル)およびその塩、チオジプロピオン酸ジラウリル、チオジプロピオン酸ジステアリル、チオジプロピオン酸およびその誘導体(エステル、エーテル、ペプチド、脂質、ヌクレオチド、ヌクレオシド、および塩)、およびスルホキシイミン化合物(例えば、ブチオニンスルホキシイミン、ホモシステインスルホキシイミン、ブチオニンスルホン、ペンタ−、ヘキサ−、およびヘプタチオニンスルホキシイミン)の非常に低耐量のもの(例えば、pmolからμmol/kg)、さらに(金属)キレート剤(例えば、α−ヒドロキシ−脂肪酸、パルミチン酸、フィチン酸、ラクトフェリン)、α−ヒドロキシ酸(例えばクエン酸、乳酸、リンゴ酸)、フミン酸、胆汁酸、胆汁抽出物、ビリルビン、ビリベルジン、EDTA、EGTA、およびその誘導体、不飽和脂肪酸およびその誘導体、ビタミンCおよび誘導体(例えばパルミチン酸アスコルビル、リン酸アスコルビルマグネシウム、酢酸アスコルビル)、トコフェロールおよび誘導体(例えばビタミンEアセテート)、ビタミンAおよび誘導体(例えばビタミンAパルミテート)、ならびにベンゾイン樹脂の安息香酸コニフェリル、ルチン酸およびその誘導体、α−グリコシルルチン、フェルラ酸、フルフリリデングルシトール、カルノシン、ブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、ノルジヒドログアヤレチック酸、トリヒドロキシブチロフェノン、ケルセチン、尿酸およびその誘導体、マンノースおよびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えばZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えばセレノメチオニン)、スチルベンおよびその誘導体(例えばスチルベンオキシド、トランス−スチルベンオキシド)である。
【0089】
適切な抗酸化剤は、一般式AまたはBの化合物でもある
【0090】
【化5】


【0091】
(式中、
1は、基−C(O)CH3、−CO23、−C(O)NH2、および−C(O)N(R42から選択することができ、
Xは、OまたはNHを示し、
2は、1から30個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキルを示し、
3は、1から20個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキルを示し、
4は、それぞれの場合において、互いに独立に、Hまたは1から8個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキルを示し、
5は、1から8個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキル、あるいは1から8個のC原子を有する直鎖または分枝状アルコキシを示し、
6は、1から8個のC原子を有する直鎖または分枝状アルキルを示し、好ましくは、2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロン酸および/または2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)マロン酸の誘導体であり、特に好ましくは、ビス(2−エチルヘキシル)2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジリデン)マロネート(例えば、Oxynex(登録商標)St Liquid)および/またはビス(2−エチルヘキシル)2−(4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンジル)マロネート(例えば、RonaCare(登録商標)AP)である)。
【0092】
抗酸化剤の混合物は、本発明による化粧品組成物での使用に同様に適している。知られている商用の混合物は、例えば、活性化合物として、レシチン、L−(+)−アルコルビルパルミテートおよびクエン酸(例えばOxynex(登録商標)AP)、天然トコフェロール、L−(+)−アスコルビルパルミテート、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)K LIQUID)、自然源からのトコフェロール抽出物、L−(+)−アスコルビルパルミテート、L−(+)−アスコルビン酸およびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)L LIQUID)、DL−α−トコフェロール、L−(+)−アスコルビルパルミテート、クエン酸およびレシチン(例えば、Oxynex(登録商標)LM)またはブチルヒドロキシトルエン(BHT)、L−(+)−アスコルビルパルミテートおよびクエン酸(例えば、Oxynex(登録商標)2004)を含む混合物である。このタイプの抗酸化剤は、通常、本発明による化合物と共に、1000:1から1:1000の範囲の比、好ましくは100:1から1:100の量で、そのような組成物中に用いられる。
【0093】
本発明により使用することができるフェノールの中で、一部が天然に生ずるポリフェノールは、医薬品、化粧品、または栄養の分野で利用されることが特に興味深い。例えば、主に植物染料として知られているフラボノイドまたはバイオフラボノイドは、しばしば抗酸化能を有する。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、I.M.C.M.Rietjens;Current Topics in Biophysics 2000、24(2)、101〜108は、モノ−およびジヒドロキシフラボンの置換パターンの影響に関して述べている。その中では、ケト官能基に隣接するOH基、または3’,4’−もしくは6,7−もしくは7,8−位にあるOH基を含有するジヒドロキシフラボンは、抗酸化性を有するが、その他のモノ−ジヒドロキシフラボンは、ある場合には抗酸化性を持たないことが観察される。
【0094】
ケルセチン(シアニダノール、シアニデノロン1522、メレチン、ソフォレチン、エリシン、3,3’,4’,5,7−ペンタヒドロキシフラボン)は、特に効果的な抗酸化剤として頻繁に挙げられる(例えば、C.A.Rice−Evans、N.J.Miller、G.Paganga、Trends in Plant Science 1997、2(4)、152〜159)。K.Lemanska、H.Szymusiak、B.Tyrakowska、R.Zielinski、A.E.M.F.Soffers、およびI.M.C.M.Rietjens(Free Radical Biology & Medicine 2001、31(7)、869〜881)は、ヒドロキシフラボンの抗酸化作用のpH依存性について調査している。ケルセチンは、全pH範囲にわたって調査された構造の中でも。最大の活性を示す。
【0095】
適切な抗酸化剤は、独国特許出願DE−A−10244282に記載されるように、さらに式(III)の化合物でもある
【0096】
【化6】


【0097】
(式中、R1からR10は、同一でも異なってもよく、
−H
−OR11
−直鎖または分枝状C1−からC20−アルキル基、
−直鎖または分枝状C3−からC20−アルケニル基、
−直鎖または分枝状C1−からC20−ヒドロキシアルキル基(但し、ヒドロキシル基は、鎖の第1級または第2級炭素原子に結合されていてもよく、さらにアルキル鎖には、酸素が割り込まれていてもよい。)、ならびに/または
−C3−からC10−シクロアルキル基、および/またはC3−からC12−シクロアルケニル基(但し、環はそれぞれ、−(CH2n−基によって架橋されていてもよく、n=1から3である。)
から選択され、
ここで全てのOR11は、互いに独立に、
−OH
−直鎖または分枝状C1−からC20−アルコキシ基、
−直鎖または分枝状C3−からC20−アルケニルオキシ基、
−直鎖または分枝状C1−からC20−ヒドロキシアルコキシ基(但し、ヒドロキシル基は、鎖の第1級または第2級炭素原子に結合されていてもよく、さらにアルキル鎖には、酸素が割り込まれていてもよい。)、ならびに/または
−C3−からC10−シクロアルコキシ基、および/またはC3−からC12−シクロアルケニルオキシ基(但し、環はそれぞれ、−(CH2n−基によって架橋されていてもよく、n=1から3である。)、ならびに/または
−モノ−および/またはオリゴグリコシル基
を表し、
但し、R1からR7の少なくとも4個の基はOHを表し、隣接する−OH基の少なくとも2対は分子内に存在し、
またはR2、R5、およびR6は、OHを表し、基R1、R3、R4、およびR710はHを表すことを条件とする)。
【0098】
用いられる組成物は、その他の成分としてビタミンを含んでもよい。ビタミンA、ビタミンAプロピオネート、ビタミンAパルミテート、ビタミンAアセテート、レチノール、ビタミンB、塩酸塩化チアミン(ビタミンB1)、リボフラビン(ビタミンB2)、ニコチンアミド、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンD、エルゴカルシフェロール(ビタミンD2)、ビタミンE、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、コハク酸水素トコフェロール、ビタミンK1、エスクリン(ビタミンP活性化合物)、チアミン(ビタミンB1)、ニコチン酸(ナイアシン)、ピリドキシン、ピリドキサール、ピリドキサミン(ビタミンB6)、パントテン酸、ビオチン、葉酸、およびコバラミン(ビタミンB12)から選択されたビタミンおよびビタミン誘導体が、好ましく、ビタミンAパルミテート、ビタミンCおよびその誘導体、DL−α−トコフェロール、トコフェロールEアセテート、ニコチン酸、パントテン酸、およびビオチンが、特に好ましい。化粧品の用途では、ビタミンは、通常、フラボノイド含有プレミックスまたは組成物と共に、全重量に対して0.01から5.0重量%の範囲で添加される。栄養−生理学的な用途は、それぞれ推奨されるビタミン需要に左右される。
【0099】
好ましい組成物は、日焼け防止に役立ててもよく、したがって、少なくとも1種のフラボノイドおよび少なくとも1種のセルフタンニング物質および任意選択のその他の成分に加え、UVフィルタを含んでもよい。
【0100】
原則として、全てのUVフィルタは組合せに適している。その生理学的許容性が既に実証されているUVフィルタが、特に好ましく選択される。UVAおよびUVBフィルイタに関しては共に、専門家の文献によって知られる多くの実証済みの物質があり、例えば、
3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファー(例えば、Eusolex(登録商標)6300)や3−ベンジリデンカンファー(例えば、Mexoryl(登録商標)SD)、N−{(2および4)−[(2−オキソボルン−3−イリデン)メチル]ベンジル}アクリルアミド(例えば、Mexoryl(登録商標)SW)、N,N,N−トリメチル−4−(2−オキソボルン−3−イリデンメチル)アルミニウムメチルスルフェート(例えば、Mexoryl(登録商標)SK)、または(2−オキソボルン−3−イリデン)トルエン−4−スルホン酸(例えば、Mexoryl(登録商標)SL)のポリマーなどのベンジリデンカンファー誘導体、
1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン(例えば、Eusolex(登録商標)9020)または4−イソプロピルジベンゾイルメタン(例えば、Eusolex(登録商標)8020)などのベンゾイル−またはジベンゾイルメタン、
2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えば、Eusolex(登録商標)4360)または2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸、およびそのナトリウム塩(例えば、Uvinul(登録商標)MS−40)などのベンゾフェンノン、
メトキシ桂皮酸オクチル(例えば、Eusolex(登録商標)2292)、4−メトキシ桂皮酸イソペンチルなどのメトキシ桂皮酸エステル、例えば異性体の混合物として(例えば、Neo Heliopan(登録商標)E 1000)、
サリチル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OS)、サリチル酸4−イソプロピルベンジル(例えば、Megasol(登録商標))、またはサリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)HMS)などのサリチル酸誘導体、
4−アミノ安息香酸、4−(ジメチルアミノ)安息香酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)6007)、エトキシル化4−アミノ安息香酸エチル(例えば、Uvinul(登録商標)P25)などの4−アミノ安息香酸および誘導体、
2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸と、そのカリウム、ナトリウム、およびトリエタノールアミン塩(例えば、Eusolex(登録商標)232)、2,2−(1,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸およびその塩(例えば、Neohelipan(登録商標)AP)、または2,2−(2,4−フェニレン)ビスベンズイミダゾール−6−スルホン酸などのフェニルベンズイミダゾールスルホン酸、
およびその他の物質、例えば、
− 2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル(例えば、Eusolex(登録商標)OCR)、
−3,3’−(1,4−フェニレンジメチレン)ビス(7,7−ジメチル−2−オキソビシクロ[2.2.1]ヘプト−1−イル−メタンスルホン酸、およびその塩(例えば、Mexoryl(登録商標)SX)、
− 2,4,6−トリアニリノ−(p−カルボ−2’−エチルヘキシル−1’−オキシ)−1,3,5−トリアジン(例えば、Uvinul(登録商標)T150)、
− 2−(4−ジエチルアミノ−2−ヒドロキシベンゾイル)安息香酸ヘキシル(例えば、Uvinul(登録商標)UVA Plus、BASF)などである。
【0101】
リストに挙げられている化合物は、単なる例と見なすべきである。当然ながら、その他のUVフィルタを使用することも可能である。
【0102】
その他の適切な有機UVフィルタは、例えば、
− 2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−メチル−6−(2−メチル−3−(1,3,3,3−テトラメチル−1−(トリメチルシリルオキシ)ジシロキサニル)プロピル)フェノール(例えば、Silatriazole(登録商標)、ドロメトリゾール、トリシロキサン、Mexoryl(登録商標)XL)、
− 2−エチルヘキシル4,4’−[(6−[4−((1,1−ジメチルエチル)アミノカルボニル)フェニルアミノ]−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル)ジイミノ]ビス(ベンゾエート)(例えば、Uvasorb(登録商標)HEB)、
− α−(トリメチルシリル)−ω−[トリメチルシリルオキシ]ポリ[オキシ(ジメチル)[および約6%のメチル[2−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル]ビニル]フェノキシ]−1−メチレンエチル]および約1.5%のメチル[3−[p−[2,2−ビス(エトキシカルボニル)ビニル)フェノキシ)プロペニル)および0.1から0.4%の(メチル水素)シリレン]](nは約60)(CAS No.207 574−74−1)、
− 2,2’−メチレンビス(6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール)(CAS No.103 597−45−1)、
− 2,2’−(1,4−フェニレン)ビス(1H−ベンズイミダゾール−4,6−ジスルホン酸、一ナトリウム塩)(CAS No.180 898−37−7)、および
− 2,4−ビス{[4−(2−エチルヘキシルオキシ)−2−ヒドロキシ]フェニル}−6−(4−メトキシフェニル)−1,3,5−トリアジン(CAS No.103 597−45−、187 393−00−6)である。
【0103】
その他の適切なUVフィルタは、独国特許出願DE−A−10232595に一致したメトキシフラボンでもある。
【0104】
有機UVフィルタは、一般に、0.5から20重量%の量で、好ましくは1〜15%の量で配合物中に組み込まれる。
【0105】
最適化されたUV保護を確実にするために、光保護特性を有する組成物は、無機UVフィルタも含むことがさらに好ましい。考えられる無機UVフィルタは、例えば被覆付き二酸化チタンなどの二酸化チタン(例えば、Eusolex(登録商標)T−2000、Eusolex(登録商標)T−AQUA、Eusolex(登録商標)T−AVO)、酸化亜鉛(例えば、Sachtotec(登録商標))、酸化鉄、またはさらに酸化セリウムの群からのものである。これらの無機UV保護フィルタは、一般に、化粧品組成物中に、0.5から20重量%の量で、好ましくは2〜10%の量で組み込まれる。
【0106】
UVフィルタリング特性を有する好ましい化合物は、3−(4’−メチルベンジリデン)−dl−カンファー、1−(4−t−ブチルフェニル)−3−(4−メトキシフェニル)プロパン−1,3−ジオン、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、メトキシ桂皮酸オクチル、サリチル酸3,3,5−トリメチルシクロヘキシル、4−(ジメチル−アミノ)安息香酸2−エチルヘキシル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸2−エチルヘキシル、2−フェニルベンズイミダゾール−5−スルホン酸とそのカリウム、ナトリウム、およびトリエタノールアミン塩である。
【0107】
UV放射線の損傷作用に対する保護動作は、UVフィルタの作用を有する前記化合物の1種または複数を組み合わせることによって、最適化することができる。
【0108】
前記UVフィルタの全ては、カプセル封入された形で用いることもできる。特に、カプセル封入された形の有機UVフィルタを用いることが有利である。詳細には、下記の利点が生ずる:
−カプセル壁の親水性は、UVフィルタの溶解性とは独立に設定することができる。したがって例えば、純粋に水性の組成物に、疎水性UVフィルタを組み込むことも可能である。さらに、しばしば不愉快であるとされる、疎水性UVフィルイタを含む組成物を施用したときの油状の印象が、抑制される。
−あるUVフィルタ、特にジベンゾイルメタン誘導体は、化粧品組成物中では低い光安定性しか示さない。これらのフィルタまたはこれらのフィルタの光安定性を与える化合物、例えば桂皮酸誘導体をカプセル封入することによって、組成物全体の光安定性を増大させることが可能である。
−有機UVフィルタによる皮膚浸透性、および人の皮膚に直接施用したときに刺激が生ずる関連ある可能性は、文献で繰り返し論じられている。本明細書に提示される対応する物質のカプセル封入は、この作用を抑制する。
−一般に、個々のUVフィルタまたはその他の成分をカプセル封入すると、相互作用が抑制されるので、結晶化プロセスや沈殿および凝集の形成など、個々の組成物の構成成分の互いの相互作用によって引き起こされる配合に関する問題が回避される。
【0109】
したがって、上述のUVフィルタの1種または複数は、カプセル封入された形であることが好ましい。カプセルは、非常に小さくて裸眼で見ることはできないことが、本明細書では有利である。上述の作用を実現するために、カプセルは十分に安定であること、およびカプセル封入された活性化合物(UVフィルタ)は、環境内に狭い範囲でしか放出されずまたは全く放出されないことが、さらに必要である。
【0110】
適切なカプセルは、無機または有機ポリマーの壁を有することができる。例えば、US6242099B1は、キチン、キチン誘導体、またはポリヒドロキシル化ポリアミンの壁を有する適切なカプセルの生成について述べている。用いられることが特に好ましいカプセルは、出願WO00/09652、WO00/72806、およびWO00/71084に記載されるように、ゾルゲル法によって得ることができる壁を有する。本明細書では、壁がシリカゲルから構築されるカプセルがまた好ましい(シリカ;定義されていないケイ素酸化水酸化物)。対応するカプセルの生成は、例えば、その内容が本出願の対象にも明らかに属している、引用される特許出願によって当業者に知られている。
【0111】
本発明により用いられる組成物中のカプセルは、カプセル封入されたUVフィルタが上述の量で組成物中に存在することが確実な量で、存在することが好ましい。
【0112】
特にスキンケア用組成物に関して、特に好ましい活性化合物は、例えば、いわゆる適合溶質である。これらは、植物または微生物の浸透度調節に関わる物質であり、これらの生物から単離することができる。本明細書における適合溶質という一般的名称は、独国特許出願DE−A−10133202に記載されている浸透分解質も包含する。適切な浸透分解質は、例えば、ポリオール、メチルアミン化合物、およびアミノ酸と、これらのそれぞれの前駆体である。独国特許出願DE−A−10133202の目的では、浸透分解質は、特に、ポリオール、例えばミオイノシトール、マンニトール、またはソルビトールなど、および/または以下に示す浸透分解的に活性な物質、即ちタウリン、コリン、ベタイン、ホスホリルコリン、グリセロホスホリルコリン、グルタミン、グリシン、α−アラニン、グルタメート、アスパルテート、プロリン、およびタウリンの1種もしくは複数の群からの物質を意味すると解釈される。これらの物質の前駆体は、例えば、グルコース、グルコースポリマー、ホスファチジルコリン、ホスファチジルイノシトール、無機ホスフェート、タンパク質、ペプチド、およびポリアミノ酸である。前駆体は、例えば、代謝ステップによって浸透分解質に変換される化合物である。
【0113】
記述されるセルフタンニング組成物において、用いられる適合溶質は、ピリミジンカルボン酸(エクトインやヒドロキシエクトインなど)、プロリン、ベタイン、グルタミン、環状ジホスホグリセレート、N−アセチルオルニチン、トリメチルアミンN−オキシド、ジ−ミオ−イノシトールホスフェート(DIP)、環状2,3−ジホスホグリセレート(cDPG)、1,1−ジグリセロールホスフェート(DGP)、β−マンノシルグリセレート(フィロイン)、β−マンノシルグリセラミド(フィロインA)、および/またはジマンノシルジイノシトールホスフェート(DMIP)、あるいはこれらの化合物の光学異性体、誘導体、例えば酸、塩、またはエステル、あるいはこれらの組合せからなる群から選択された物質であることが好ましい。
【0114】
ピリミジンカルボン酸の中で、本明細書では特に、エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)と、これらの誘導体を挙げるべきである。これらの化合物は、水溶液および有機溶媒中で、酵素およびその他の生体分子を安定化させる。さらに、これらの化合物は、特に、塩や極pH値、界面活性剤、尿素、塩化グアニジニウム、その他の化合物などの変性状態に対して酵素を安定化させる。
【0115】
ヒドロキシエクトインなどのエクトインおよびエクトイン誘導体は、薬剤に使用できることが好ましい。特に、ヒドロキシエクトインは、皮膚疾患の治療用薬剤を調製するのに用いることができる。ヒドロキシエクトインおよびその他のエクトイン誘導体の、その他の適用領域は、典型的には、例えばトレハロースが添加剤として使用される領域にある。このように、ヒドロキシエクトインなどのエクトイン誘導体は、ドライイーストおよび細菌細胞の保護剤として使用することができる。グリコシル化されていない、医薬品として許容される活性ペプチドおよびタンパク質などの医薬品生成物、例えばt−PAも、エクトインまたはその誘導体で保護することができる。
【0116】
化粧品の適用例の中で、特に、加齢、乾燥、または炎症を起こした皮膚のケアには、エクトインおよびエクトイン誘導体の使用を挙げるべきである。このように、欧州特許出願EP−A−0671161は、特に、エクトインおよびヒドロキシエクトインが、パウダーや石鹸、界面活性剤含有クレンジング生成物、口紅、ルージュ、メークアップ、ケアクリーム、サンスクリーン調製物などの化粧品組成物に用いられることを述べている。
【0117】
本明細書では、下式のピリミジンカルボン酸の使用が好ましく選択される
【0118】
【化7】


【0119】
(式中、R1は、基HまたはC1〜8−アルキルであり、R2は、基HまたはC1〜4−アルキルであり、R3、R4、R5、およびR6は、それぞれ互いに独立に、H、OH、NH2、およびC1〜4−アルキルの群からの基である)。R2がメチルまたはエチル基であり、R1またはR5およびR6がHであるピリミジンカルボン酸の使用が好ましい。ピリミジンカルボン酸エクトイン((S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)およびヒドロキシエクトイン((S,S)−1,4,5,6−テトラヒドロ−5−ヒドロキシ−2−メチル−4−ピリミジンカルボン酸)の使用が、特に好ましい。本発明により用いられる組成物は、このタイプのピリミジンカルボン酸を15重量%までの量含むことが好ましい。
【0120】
本明細書では、適合溶質は、ジ−ミオ−イノシトールホスフェート(DIP)、環状2,3−ジホスホグリセレート(cDPG)、1,1−ジグリセロールホスフェート(DGP)、β−マンノシルグリセレート(フィロイン)、β−マンノシルグリセラミド(フィロインA)、または/およびジマンノシルジイノシトールホスフェート(DMIP)、エクトイン、ヒドロキシエクトイン、またはこれらの混合物から選択されることが特に好ましい。
【0121】
同様に好ましく用いられるアリールオキシムの中で、HMLO、LPO、またはF5としても知られる2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムの使用が好ましい。化粧品組成物に使用されるその適切さは、例えばDE−A−4116123に開示されている。したがって2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムを含む組成物は、炎症を伴う皮膚疾患の治療に適している。このタイプの組成物は、例えば、乾癬、様々な形の湿疹、刺激性および毒性皮膚炎、UV皮膚炎、その他のアレルギー性および/または炎症性の皮膚および皮膚付属器の疾患の治療に使用できることが知られている。アリールオキシム、好ましくは2−ヒドロキシ−5−メチルラウロフェノンオキシムをさらに含む、本発明による組成物は、抗炎症適合性を示す。本明細書の組成物は、アリールオキシムを0.01から10重量%含むことが好ましく、この組成物は、アリールオキシムを0.05から5重量%含むことが特に好ましい。
【0122】
少なくとも1種のフラボノイドは、従来の手法、例えば混合によって、組成物中に組み込むことができる。本発明はさらに、対応する調製プロセスに関する。
【0123】
用いられる組成物の使用形態として、例えば、溶液、懸濁液、エマルジョン、PITエマルジョン、ペースト、軟膏、ゲル、クリーム、ローション、粉末、石鹸、界面活性剤含有クレンジング調製物、油、エアロゾル、およびスプレーを挙げてもよい。好ましい使用形態は、シャンプー、日光浴、およびスプレータンニング、エアブラシタンニング、または商用セルフタンニングスタジオからのサンシャワーとしても知られるシャワーバスでもある。
【0124】
好ましい補助剤は、保存剤、抗酸化剤、安定化剤、可溶化剤、ビタミン、着色剤、および匂い改質剤から得られる。
【0125】
軟膏、ペースト、クリーム、およびゲルは、通常のビヒクル、例えば動物性および植物性脂肪、ワックス、パラフィン、デンプン、トラガカント、セルロース誘導体、ポリエチレングリコール、シリコーン、ベントナイト、シリカ、タルク、および酸化亜鉛、またはこれらの物質の混合物を含んでもよい。
【0126】
粉末およびスプレーは、通常のビヒクル、例えばラクトース、タルク、シリカ、水酸化アルミニウム、ケイ酸カルシウム、およびポリアミド粉末、またはこれらの物質の混合物を含んでもよい。スプレーは、さらに、通常の容易に揮発可能な液化噴射剤、例えば、クロロフルオロカーボン、プロパン/ブタン、またはジメチルエーテルを含んでもよい。圧縮空気も、有利に使用することができる。
【0127】
溶液およびエマルジョンは、溶媒や可溶化剤、乳化剤などの通常のビヒクル、例えば水、エタノール、イソプロパノール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチルグリコール、油、特に綿実油、落花生油、小麦胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油、およびゴマ油、グリセロール脂肪酸エステル、ポリエチレングリコール、およびソルビタンの脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物を含んでもよい。
【0128】
懸濁液は、液体希釈剤などの通常のビヒクル、例えば水、エタノール、またはプロピレングリコール、懸濁媒体、例えばエトキシル化イソステアリルアルコール、ポリオキシエチレンソルビトールエステル、およびポリオキシエチレンソルビタンエステル、微結晶質セルロース、メタ水酸化アルミニウム、ベントナイト、寒天、およびトラガカント、またはこれらの物質の混合物を含んでもよい。
【0129】
石鹸は、脂肪酸のアルカリ金属塩、脂肪酸モノエステルの塩、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオネート、ラノリン、脂肪アルコール、植物油、植物抽出物、グリセロール、糖、またはこれらの物質の混合物など、通常のビヒクルを含んでもよい。
【0130】
界面活性剤含有クレンジング生成物は、脂肪アルコールスルフェートの塩、脂肪アルコールエーテルスルフェート、スルホコハク酸モノエステル、脂肪酸タンパク質加水分解物、イソチオネート、イミダゾリニウム誘導体、メチルタウレート、サルコシネート、脂肪酸アミドエーテルスルフェート、アルキルアミドベタイン、脂肪アルコール、脂肪酸グリセリド、脂肪酸ジエタノールアミド、植物性および合成油、ラノリン誘導体、エトキシル化グリセロール脂肪酸エステル、またはこれらの物質の混合物など、通常のビヒクルを含んでもよい。
【0131】
フェースおよびボディーオイルは、脂肪酸エステル、脂肪アルコール、シリコーン油などの合成油、植物油および油状植物抽出物、パラフィン油、ラノリン油などの天然油、またはこれらの物質の混合物など、通常のビヒクルを含んでもよい。
【0132】
さらに典型的な化粧品使用形態は、リップケアスティク、パウダー、エマルジョンおよびワックスメークアップ、およびサンスクリーン、プレサンおよびアフターサン調製物でもある。
【0133】
好ましい組成物形態は、特に、エマルジョンも含む。
【0134】
エマルジョンは有利であり、例えば前記脂肪、油、ワックス、およびその他の脂質、ならびに通常このタイプの組成物に使用される水および乳化剤を含む。
【0135】
脂質相は、下記の物質群から有利に選択することができる:
−鉱油、鉱蝋;
−カプリン酸またはカプリル酸のトリグリセリドなどの油、さらに、例えばヒマシ油などの天然油;
−脂肪、ワックス、その他の天然および合成脂質、好ましくは脂肪酸と、炭素数の少ないアルコール、例えばイソプロパノール、プロピレングリコール、またはグリセロールとのエステル、あるいは脂肪アルコールと、炭素数が少ないアルカノン酸または脂肪酸とのエステル;
−ジメチルポリシロキサン、ジエチルポリシロキサン、ジフェニルポリシロキサン、およびこれらの混合形態などのシリコーン油。
【0136】
本発明において、エマルジョン、オレオゲル、またはヒドロ分散体もしくはリポ分散体の油相は、飽和および/または不飽和分枝状および/または非分枝状の、鎖長が3から30C原子であるアルカンカルボン酸と、飽和および/または不飽和分枝状および/または非分枝状の、鎖長が3から30C原子のアルコールとのエステルの群から、芳香族カルボン酸と、飽和および/または不飽和分枝状および/または非分枝状の、鎖長が3から30C原子のアルコールとのエステルの群から有利に選択される。次いでこのタイプのエステル油は、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、オレイン酸イソプロピル、ステアリン酸n−ブチル、ラウリン酸n−ヘキシル、オレイン酸n−デシル、ステアリン酸イソオクチル、ステアリン酸イソノニル、イソノナン酸イソノニル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、ラウリン酸2−エチルヘキシル、ステアリン酸2−ヘキシルデシル、パルミチン酸2−オクチルドデシル、オレイン酸オレイル、エルカ酸オレイル、オレイン酸エルシル、エルカ酸エルシル、このタイプのエステルの合成、半合成、および天然の混合物、例えばホホバ油の群から選択することが有利である。
【0137】
油相は、さらに、有利に分枝状および非分枝状炭化水素およびワックス、シリコーン油、ジアルキルエーテルの群、飽和または不飽和分枝状または非分枝状アルコール、および脂肪酸トリグリセリド、特に、飽和および/または不飽和分枝状および/または非分枝状の、鎖長が8から24C原子、特に12〜18C原子であるアルカンカルボン酸のトリグリセロールエステルの群から選択してもよい。脂肪酸トリグリセリドは、例えば、合成、半合成、および天然油、例えばオリーブ油、ヒマワリ油、大豆油、落花生油、菜種油、アーモンド油、パーム油、ココナツ油、およびパーム核油などの群から有利に選択してもよい。
【0138】
このタイプの油およびワックス成分の、任意の所望の混合物は、本発明のために有利に用いてもよい。油相の唯一の脂質成分として、ワックス、例えばパルミチン酸セチルを用いることも有利と考えられる。
【0139】
任意選択で用いられる組成物の水相は、アルコール、炭素数が少ないジオールまたはポリオール、およびそのエーテル、好ましくはエタノール、イソプロパノール、プロピレングリコール、グリセロール、エチレングリコール、エチレングリコールモノエチルまたはモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチル、モノエチルまたはモノブチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルまたはモノエチルエーテル、および類似生成物、さらに、炭素数の少ないアルコール、例えばエタノール、イソプロパノール、1,2−プロパンジオール、グリセロールと、特に、二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、多糖およびその誘導体、例えばヒアルロン酸、キサンタンガム、ヒドロキシプロピルメチルセルロースの群から有利に選択してもよい1種または複数の増粘剤、特にポリアクリレート、の群から有利に選択され、好ましくはいわゆるCarbopol、例えばCarbopol級980、981、1382、2984、5984の群から得られるポリアクリレートを、それぞれの場合において個々にまたは組み合わせて含むことが有利である。
【0140】
特に、上述の溶媒の混合物が使用される。アルコール溶媒の場合、水はさらなる構成成分でよい。
【0141】
エマルジョンは、有利であり、例えば前記脂肪、油、ワックス、およびその他の脂質、ならびにこのタイプの配合物に通常使用される水および乳化剤を含む。
【0142】
好ましい実施形態では、用いられる組成物は、親水性界面活性剤を含む。親水性界面活性剤は、アルキルグリコシド、アシルラクチレート、ベタイン、およびココナツアンホアセテートの群から選択することが好ましい。
【0143】
同様に、天然または合成原材料、および補助剤または混合物であって、本発明により使用される活性化合物の有効含量によって区別されるもの、例えばPlantaren(登録商標)1200(Henkel KGaA)、Oramix(登録商標)NS 10(Seppic)を用いることが有利である。
【0144】
組成物は、さらに、このタイプの組成物に通常使用される補助薬、例えば増粘剤、軟化剤、湿潤剤、界面活性剤、乳化剤、保存剤、消泡剤、ワックス、ラノリン、噴射剤、組成物そのものまたは皮膚を着色する染料および/または顔料、および化粧品に通常使用されるその他の成分などを含んでよい。
【0145】
組成物は、エタノール、プロピレングリコール、またはグリセロールなどの1種または複数の低級アルコールまたはポリオールと、ケイ質土などの増粘剤とを含む、アルコールゲルの形をとってもよい。油状/アルコールゲルは、さらに、天然または合成の油またはワックスを含む。
【0146】
固体スティックは、天然または合成のワックスおよび油、脂肪アルコール、脂肪酸、脂肪酸エステル、ラノリン、およびその他の脂質からなる。
【0147】
組成物がエアロゾルとして配合される場合、アルカン、フルオロアルカン、およびクロロフルオロアルカンなどの通常の噴射剤、好ましくはアルカンが、一般に使用される。
【0148】
用いられる組成物は、当業者に周知の技法の助けを借りて調製することができる。
【0149】
さらなる補足説明がなくても、当業者なら、上記説明を最も広い範囲で利用できることが想定される。したがって、好ましい実施形態は、いかなる方法によっても全く限定するものではない単なる説明的開示と見なすべきである。上記および下記の全ての出願および刊行物の完全な開示内容は、参照として本出願に組み込まれる。
【0150】
以下に示される、本発明による対象の実施例は、単なる説明として役立ち、いかなる方法によっても本発明を全く限定するものではない。さらに、記述される本発明は、特許請求の範囲で請求される範囲全体を通して実施することができる。組成物に使用することができる全ての化合物または成分は、知られておりかつ市販されており、または知られている方法によって合成することができる。使用される原材料のINCI名が示される(INCI名は、英語で示された定義による)。
【0151】
(実施例1):トロキセルチンによるバニリンの安定化(エマルジョン系の水/エタノール相に関するモデル)
手順:バニリン10mgを、トロキセルチン100mgと共に(実験A)または無しで(実験B)、10mlの容量フラスコに入れた水/エタノール(50/50)中に溶解し、正確に10mlにする。混合物を、その後、20mlのスクリューキャップガラス瓶に移し(HPLCサンプル:100mlを1000mlにする)、開けたまま96時間、激しく撹拌する。サンプルを、濯いで容量フラスコ内に戻し、エタノールで濯ぎ、正確に10mlにする。HPLC評価を、ピーク面積に従って実施する(再び100mlサンプル)。
【0152】
【表3】

【0153】
実験を行った後、当初用いられたバニリンの77重量%が、安定化せずに回収され、一方、97重量%は、トロキセルチンの存在下で回収される。
組成物
フラボノイド、例えばルチンまたはトロキセルチンと、セルフタンニング物質、例えばDHAとを含む、化粧品組成物の例示的な配合物を、以下に示す。さらに、市販されている化合物のINCI名を示す。DHAシャワー溶液は、全ての原材料を計量し、均質になるまで撹拌することによって調製される。
【0154】
(実施例2):DHAシャワー溶液
【0155】
【表4】

【0156】
(実施例3):DHAシャワー溶液
ルチンの代わりにトロキセルチン0.75%を用いただけの、実施例2と同様の組成物。
【0157】
(実施例4):フラボノイドを含むセルフタンニングクリーム(O/W)
セルフタンニングクリームは、相A(ステアリン酸グリセリル、ステアリルアルコール、セテアリルアルコール、エチルヘキサン酸セテアリル、カプリル酸トリグリセリド、ステアロキシジメチコン、ジメチコン、酢酸トコフェリル、およびプロピルパラベンからなる)および相B(プロピレングリコール、メチルパラベン、および水からなる)を加熱することによって調製される。相Bを、ゆっくり撹拌して相Aに入れ、この混合物を均質化させる。混合物を撹拌しながら冷却する。ルチンを水に溶解し、その後DHAを溶解する。相C(DHA、ルチン、および水からなる)を、40℃で添加する。
【0158】
【表5】

【0159】
(実施例5):フラボノイドを含むセルフタンニングクリーム(O/W)
ルチンの代わりにトロキセルチン1%を用いただけの、実施例4と同様の組成物。
【0160】
(実施例6):フラボノイドを含むセルフタンニングクリーム(O/W)
【0161】
【表6】

【0162】
(比較例6C):トロキセルチンを含まない実施例6によるクリーム
(実施例7):貯蔵による匂いの変化
実施例6または6Cによるクリームを、密封した坩堝内に、室温で1年間貯蔵する。1年後、2種の配合物を、さらに新しく調製する。官能検査では、新鮮な組成物に比べて6Cの匂いが著しく変化し、当初の匂いが著しく失われ、その一方で、実施例6の匂いは1年を通してほとんど変化しなかったことが示される。
【0163】
(実施例8):皮膚上の匂い
実施例6または6Cによるクリームを、新しく調製し、人の皮膚に塗布し、塗布の直後および塗布から数時間後の匂いを感覚的に評価する。
【0164】
塗布の直後、クリームで処理された皮膚領域の匂いは、どちらのクリームの場合も心地良いことがわかる。数時間後、実施例6で処理した皮膚領域の匂いだけが、被験者によって、微かに花のようなまたはバニラのように心地良いとされ、それに対して比較例6Cで処理した皮膚領域の匂いは、被験者によって、不愉快でありまたはロベージの匂いに類似しているとされる。
【0165】
(実施例9):DHAシャワーローション
【0166】
【表7−1】

【0167】
【表7−2】

【0168】
プロセス:全ての原材料が均質になるまで撹拌する
【0169】
【表8】

【0170】
プロセス:全ての原材料が均質になるまで撹拌する
(実施例10):DHAシャワーローション
【0171】
【表9】

【0172】
プロセス:全ての原材料が均質になるまで撹拌する
【0173】
【表10】

【0174】
プロセス:全ての原材料が均質になるまで撹拌する
【0175】
【表11】

【0176】
プロセス:全ての原材料が均質になるまで撹拌する
(実施例11):DHAを含むヒドロゲル
【0177】
【表12−1】

【0178】
【表12−2】

【0179】
【表12−3】

【0180】
プロセス:
ヒドロキシエチルセルロースを、激しく撹拌しながら相Bの水に添加する。添加は、粒子を分離させかつその表面を濡らす速度で実施しなければならないが、粘度が最小限に抑えられるように確実にしなければならない。
【0181】
室温での貯蔵が推奨される。
【0182】
(実施例12):トロキセルチンを含むW/Oローション
【0183】
【表13−1】

【0184】
【表13−2】

【0185】
【表13−3】

【0186】
【表13−4】

【0187】
プロセス:
まず、硫酸マグネシウムを、相Bの水に入れて撹拌し、相Bのその他の成分を次いで添加する。相Bを、次いで撹拌しながらゆっくりと相Aに添加し、混合物を均質化する。
【0188】
(実施例13):トロキセルチンを含むO/Wクリーム
【0189】
【表14−1】

【0190】
【表14−2】

【0191】
【表14−3】

【0192】
【表14−4】

【0193】
プロセス:
相AおよびBを、別々に80℃に加熱する。次いで相Bを、撹拌しながらゆっくりと相Aに添加し、均質化させる。混合物を撹拌しながら冷却し、相Cを40℃で添加し、次いで相Dを添加する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
匂いの改善、および/または匂いの安定化のための、少なくとも1種のフラボノイドの使用。
【請求項2】
匂いの改善が、化粧品組成物、皮膚科用組成物、または医薬品組成物で、あるいは化粧品組成物、皮膚科用組成物、または医薬品組成物のプレミックスで、あるいは食品または栄養補助食品で行われることを特徴とする、請求項1に記載の使用。
【請求項3】
フラボノイドが、フラボノール、フラボノールo−グリコシド、フラボノールまたはフラボノールo−グリコシド含有抽出物の群から選択されることを特徴とする、請求項1または2に記載の使用。
【請求項4】
少なくとも1種のフラボノイドが、ケルセチン、ルチン、硫酸ルチン、α−グルコシルルチン、チリロシド、トロキセルチン、および/またはイソケルセチンであることを特徴とする、請求項1から3の一項または複数項に記載の使用。
【請求項5】
フラボノイドが、エーテル化またはエステル化によって1個または複数のフェノール性ヒドロキシル基が遮断されているフラボノイドであることを特徴とする、請求項1から4の一項または複数項に記載の使用。
【請求項6】
フラボノイドが、ヒドロキシエチル置換フラボノイド、好ましくはトロキセルチン、トロキセケルセチン、トロキセイソケルセチン、またはトロキセルテオリンであることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
【請求項7】
フラボノイドが、硫酸フラボノイドまたはリン酸フラボノイド、好ましくは硫酸ルチンであることを特徴とする、請求項5に記載の使用。
【請求項8】
匂いの改善が、特にジヒドロキシアセトンまたはバニリンなどの、アルデヒドまたはケトンを含む組成物で行われることを特徴とする、請求項1から7の一項または複数項に記載の使用。
【請求項9】
少なくとも1種のフラボノイドが、匂いが安定した組成物に対して0.01から10重量%の総量で用いられることを特徴とする、請求項1から8の一項または複数項に記載の使用。
【請求項10】
少なくとも1種のフラボノイドが、組成物用の匂い安定化プレミックスに対して1から95重量%の総量で用いられることを特徴とする、請求項1から9の一項または複数項に記載の使用。
【請求項11】
少なくとも1種のフラボノイドが、皮膚上の少なくとも1種のセルフタンニング物質を含む組成物の匂いを安定化させ、かつ/または改善することを特徴とする、請求項1から10の一項または複数項に記載の使用。
【請求項12】
少なくとも1種のセルフタンニング物質が、ジヒドロキシアセトンおよび/またはエリトルロースから選択されることを特徴とする、請求項11に記載の使用。
【請求項13】
フレグランスの他に少なくとも1種のフラボノイドを含むことを特徴とする香水組成物。
【請求項14】
少なくとも1種のフラボノイドが、0.01から10重量%の総量で組成物中に存在することを特徴とする、請求項13に記載の組成物。
【請求項15】
フラボノイドが、エーテル化またはエステル化によって1個または複数のフェノール性ヒドロキシル基が遮断されているフラボノイドであることを特徴とする、請求項13または14に記載の組成物。
【請求項16】
少なくとも1種のフラボノイドをフレグランスと混合することを特徴とする、香水組成物の調製方法。

【公表番号】特表2009−533361(P2009−533361A)
【公表日】平成21年9月17日(2009.9.17)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−504590(P2009−504590)
【出願日】平成19年3月16日(2007.3.16)
【国際出願番号】PCT/EP2007/002340
【国際公開番号】WO2007/118565
【国際公開日】平成19年10月25日(2007.10.25)
【出願人】(591032596)メルク パテント ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング (1,043)
【氏名又は名称原語表記】Merck Patent Gesellschaft mit beschraenkter Haftung
【住所又は居所原語表記】Frankfurter Str. 250,D−64293 Darmstadt,Federal Republic of Germany
【Fターム(参考)】