説明

フルラインヘッドのメンテナンス方法及びインクジェットプリンタ

【課題】印字作業の邪魔にならずに不良ノズルの検出を実施でき、高品質の印字画像の生産性を高めることのできるフルラインヘッドのメンテナンス方法及びインクジェットプリンタの提供。
【解決手段】記録領域の全幅に亘って多数のノズルを配列したフルラインヘッド6を停止させた状態で、所定間隔をおいて連続して搬送される各記録媒体P上にノズルからインク滴を吐出して印字を行うインクジェットプリンタにおいて、フルラインヘッド6のノズルの配列方向に沿い且つノズルから吐出されるインク滴の飛翔経路と交叉するように、インク滴の通過の有無を検出する検出光を形成し、連続して搬送される各記録媒体Pに連続印字中に、各記録媒体Pの間の記録媒体Pが存在しないスペースがフルラインヘッド6に差し掛かるたびに、全ノズルのうちの一部ずつのノズルからインク滴を順次吐出し、複数のスペースがフルラインヘッド6を順次通過することで全ノズルを検出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフルラインヘッドのメンテナンス方法及びインクジェットプリンタに関し、詳しくは、印字作業の邪魔になることなくインク滴を正常に吐出しない不良ノズルの検出を実施することができるフルラインヘッドのメンテナンス方法及びインクジェットプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
記録媒体上の記録領域に向けてノズルから微小なインク滴を吐出させることにより印字を行うインクジェットプリンタでは、ノズルからインク滴が吐出されない不良ノズルを検出することは、画質向上のために不可欠な技術である。特に、記録領域の全幅に亘って多数のノズルを配列してなるフルラインヘッドを有し、該フルラインヘッドを固定し、記録媒体を一定速度で搬送することにより記録領域の幅一杯に印字を行うインクジェットプリンタにおいては、不良ノズルが印字画像に与える影響は大きく、1ノズルでもインク滴を吐出しない又は吐出曲がりが生じている不良ノズルが発生していると、その部分に白すじが発生して画質不良となってしまう。また、フルラインヘッドを有するインクジェットプリンタは一般に記録媒体が高速で搬送され、印字速度が速いので、不良ノズルが発生してからの対処が遅れると多量の損失となってしまう。
【0003】
このようなフルラインヘッドに不良ノズルが発生した場合、一般に、不良ノズルの検出、予備吐出、クリーニング等のメンテナンスを実行することにより不良ノズルの回復を図るようにしている。従来では、特許文献1に記載のように、印字を中断してフルラインヘッドを不良ノズルを検出するための検出器の位置まで移動させ、時間をかけて不良ノズルの検出を実行するものや、特許文献2に記載のように、記録媒体と記録媒体との間のスペースを利用して予備吐出を行い、不良ノズルの回復を図り得るようにしたものが知られている。
【特許文献1】特開2003−127430号公報
【特許文献2】特開2000−272110号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載の技術では、一定時間毎にヘッドを検出器まで移動させて不良ノズルの検出を実行するため、印字作業に支障が生じることは避けられない。しかも、連続印字作業の途中で不良ノズルが発生していても、すぐに対処することができない場合が多く、対処遅れによる多量の損失が発生する問題は解決されない。また、逐一ヘッドを検出器まで移動させる移動時間が必要となる等、不良ノズルの検出のために多大な時間がかかることから、あまり頻繁に不良ノズルの検出を実行することができない問題もある。さらに、フルラインヘッド自体が大きいため、検出器まで移動することが困難なことが多く、検出時間を更に助長させる要因ともなっている。
【0005】
一方、特許文献2に記載の技術によれば、記録媒体と記録媒体との間のスペースを利用するため、印字作業に大きな支障は生じないと考えられるが、不良ノズルの検出を行うことについては開示がないため、予備吐出でも回復できないような不良ノズルが発生している場合については、上記同様にすぐに対処することができず、対処遅れによる多量の損失が発生する問題は解決されない。
【0006】
一般に、不良ノズルの検出は、全ノズルから一斉にインク滴を吐出する予備吐出とは異なり、1ノズルずつインク滴を順次吐出することによって検出を行うため、予備吐出よりも時間がかかる。とりわけフルラインヘッドは記録領域の幅一杯に亘って多数のノズルが配列されていることから、全ノズルの検出が終了するまでの検出時間は予備吐出よりも遥かに長くかかってしまう。特にラージサイズの記録媒体に印字を行うものでは、1列のノズル数が千以上もの膨大な数に及ぶ場合がある。従って、仮に、特許文献2に記載の技術から、記録媒体と記録媒体との間のスペースを利用して不良ノズルの検出を実施する構成を想定しても、全ノズルの検出が終了するまでの時間を稼ぐために、記録媒体間のスペースを広くとるように各記録媒体の搬送を調整したり、検出中の搬送速度を落とす又は搬送を停止する必要があり、結果としてプリントの生産性を低下させてしまうことにつながる。
【0007】
そこで、本発明は、印字作業の邪魔になることなく不良ノズルの検出を実施することができ、高品質の印字画像の生産性を高めることのできるフルラインヘッドのメンテナンス方法及びインクジェットプリンタを提供することを課題とする。
【0008】
本発明の他の課題は、以下の記載により明らかとなる。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題は、以下の各発明によって解決される。
【0010】
請求項1記載の発明は、記録領域の全幅に亘って多数のノズルを配列してなるフルラインヘッドを停止させた状態で、所定間隔をおいて連続して搬送される各記録媒体上に前記ノズルからインク滴を吐出して印字を行うインクジェットプリンタにおけるフルラインヘッドのメンテナンス方法において、前記フルラインヘッドのノズルの配列方向に沿い且つ前記ノズルから吐出されるインク滴の飛翔経路と交叉するように、前記インク滴の通過の有無を検出するための検出光を形成し、前記連続して搬送される各記録媒体に連続印字中に、各記録媒体の間の記録媒体が存在しないスペースが前記フルラインヘッドに差し掛かるたびに、全ノズルのうちの一部ずつのノズルからインク滴を順次吐出し、複数のスペースが前記フルラインヘッドを順次通過することで、全ノズルを検出することを特徴とするフルラインヘッドのメンテナンス方法である。
【0011】
請求項2記載の発明は、少なくとも前記インク滴の検出動作の直後に、全ノズルからインク滴を吐出する予備吐出を実行することを特徴とする請求項1記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法である。
【0012】
請求項3記載の発明は、インク滴の検出動作によって不良ノズルが検出された時点で、前記各記録媒体の連続印字作業を中断し、ノズルの回復動作を実行することを特徴とする請求項1又は2記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法である。
【0013】
請求項4記載の発明は、前記回復動作の実行後に、再度、前記ノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行することを特徴とする請求項3記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法である。
【0014】
請求項5記載の発明は、前記フルラインヘッドは複数ヘッドであり、インク滴の検出動作によっていずれかのヘッドのノズルから不良ノズルが検出された時点で、前記各記録媒体の連続印字作業を中断し、全ヘッドの全ノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行することを特徴とする請求項1又は2記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法である。
【0015】
請求項6記載の発明は、全ヘッドの全ノズルからのインク滴の検出動作によって不良ノズルが検出されたヘッドについて、ノズルの回復動作を実行することを特徴とする請求項5記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法である。
【0016】
請求項7記載の発明は、前記回復動作の実行後に、再度、回復動作を実行したヘッドのノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行することを特徴とする請求項6記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法である。
【0017】
請求項8記載の発明は、前記インク滴の検出動作を実行することにより不良ノズルの回復を確認した後、前記各記録媒体の連続印字作業を再開することを特徴とする請求項4又は7記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法である。
【0018】
請求項9記載発明は、記録領域の全幅に亘って多数のノズルを配列してなるフルラインヘッドを停止させた状態で、所定間隔をおいて連続して搬送される各記録媒体上に前記ノズルからインク滴を吐出して印字を行うインクジェットプリンタにおいて、前記フルラインヘッドのノズルの配列方向に沿い且つ前記ノズルから吐出されるインク滴の飛翔経路と交叉するように検出光を形成し、前記インク滴の通過の有無を検出するためのインク滴検出手段と、前記記録媒体の搬送を制御すると共に前記フルラインヘッドの各ノズルからのインク滴の吐出を制御する制御手段とを有し、前記制御手段は、各記録媒体上に連続印字中に、各記録媒体の間の記録媒体が存在しないスペースが前記フルラインヘッドに差し掛かるたびに、全ノズルのうちの一部ずつのノズルからインク滴を順次吐出し、複数のスペースが前記フルラインヘッドを順次通過することで、全ノズルを検出するよう制御することを特徴とするインクジェットプリンタである。
【0019】
請求項10記載の発明は、前記制御手段は、少なくとも前記インク滴の検出動作の直後に、全ノズルからインク滴を吐出する予備吐出を実行するよう制御することを特徴とする請求項9記載のインクジェットプリンタである。
【0020】
請求項11記載の発明は、前記フルラインヘッドの各ノズルの回復を行うノズル回復手段と、該ノズル回復手段によって前記フルラインヘッドの各ノズルの回復動作を可能とするべく前記フルラインヘッドと前記ノズル回復手段との位置を相対的に移動させる移動手段とを有し、前記制御手段は、インク滴の検出動作によって不良ノズルが検出された時点で、前記各記録媒体の連続印字作業を中断し、前記移動手段を制御してノズルの回復動作を実行するよう制御することを特徴とする請求項9又は10記載のインクジェットプリンタである。
【0021】
請求項12記載の発明は、前記制御手段は、前記回復動作の実行後に、再度、前記ノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行するよう制御することを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリンタである。
【0022】
請求項13記載の発明は、前記フルラインヘッドは複数ヘッドであり、前記制御手段は、インク滴の検出動作によっていずれかのヘッドのノズルから不良ノズルが検出された時点で、前記各記録媒体の連続印字作業を中断し、全ヘッドの全ノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行することよう制御することを特徴とする請求項9又は10記載のインクジェットプリンタである。
【0023】
請求項14記載の発明は、前記フルラインヘッドの各ノズルの回復を行うノズル回復手段と、該ノズル回復手段によって前記フルラインヘッドの各ノズルの回復動作を可能とするべく前記フルラインヘッドと前記ノズル回復手段との位置を相対的に移動させる移動手段とを有し、前記制御手段は、全ヘッドの全ノズルからのインク滴の検出動作によって不良ノズルが検出されたヘッドについて、前記移動手段を制御してノズルの回復動作を実行するよう制御することを特徴とする請求項13記載のインクジェットプリンタである。
【0024】
請求項15記載の発明は、前記制御手段は、前記回復動作の実行後に、再度、回復動作を実行したヘッドのノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行するよう制御することを特徴とする請求項14記載のインクジェットプリンタである。
【0025】
請求項16記載の発明は、前記制御手段は、前記インク滴の検出動作を実行することにより不良ノズルの回復を確認した後、前記各記録媒体の連続印字作業を再開するよう制御することを特徴とする請求項12又は15記載のインクジェットプリンタである。
【発明の効果】
【0026】
請求項1及び9記載の発明によれば、連続印字作業中に、印字作業の邪魔になることなく不良ノズルの検出を実施することができ、高品質の印字画像の生産性を高めることができる。
【0027】
請求項2及び10記載の発明によれば、一度の不良ノズルの検出時にインク滴の吐出を行わなかったノズルについても予備吐出により安定化を図ることができるため、その後の印字作業の開始時に安定出射が可能となる。
【0028】
請求項3及び11記載の発明によれば、連続印字作業中でも不良ノズルが発見されると直ぐに対処でき、そのまま印字を続行させて印字品質を落とすようなことがなく、不良プリントの発生を最小限にすることができる。
【0029】
請求項4及び12記載の発明によれば、回復動作の後に不良ノズルの回復状況を確認できるため、印字品質の信頼性を高めることができる。
【0030】
請求項5及び13記載の発明によれば、複数のフルラインヘッドを有する場合でも、連続印字作業中に、印字作業の邪魔になることなく不良ノズルの検出を実施することができ、高品質の印字画像の生産性を高めることができる。また、いずれかのヘッドについて不良ノズルが検出された時点で全てのヘッドについて不良ノズルを検出することができる。
【0031】
請求項6及び14記載の発明によれば、複数のフルラインヘッドを有する場合でも、回復動作時に不良ノズルを含むヘッドに対して一括して回復動作を実行することができ、メンテナンスに無駄な時間をかけることがない。
【0032】
請求項7及び15記載の発明によれば、回復動作の後に不良ノズルの回復状況を確認できるため、印字品質の信頼性を高めることができる。
【0033】
請求項8及び16記載の発明によれば、不良ノズルの回復後に自動的に印字作業に戻るので、オペレータに余計な手間をかけることがない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて詳細に説明する。
【0035】
図1はインクジェットプリンタにおける記録部の構成を示す概略図、図2はフルラインヘッドをノズル面側から見た状態を示す図、図3はフルラインヘッドを記録媒体の搬送方向に沿う方向から見た状態を示す図である。
【0036】
このインクジェットプリンタは、記録媒体Pの搬送方向Aに沿って所定間隔をおいて配置された2本の搬送ローラ1、2とテンションローラ3との間に掛け渡された無端状の搬送ベルト4を有しており、搬送ローラ1が搬送モータ5からの駆動力を受けて回転することで、搬送ローラ1、2間の平坦面上に載置された記録媒体P(P1、P2…)を搬送方向Aに向けて一定速度で搬送するようになっている。
【0037】
搬送ローラ1、2間に位置する搬送ベルト4の上方には、搬送方向Aと直交する方向に沿って長尺状に形成されたフルラインヘッド6が配設されている。フルラインヘッド6は、記録媒体Pの幅方向(搬送方向Aと直交方向)の記録領域全幅に亘って多数のノズルが配列されており、印字作業時はその位置に停止したままで、印字データに応じて各ノズルからインク滴を吐出することにより、その直下を一定速度で搬送される記録媒体Pの記録領域全幅に亘って一度に印字可能に構成されている。
【0038】
図1において、7は搬送ベルト4の表面に接して回転可能に配設されたクリーニングローラであり、洗浄液を染み込ませたスポンジローラからなる。クリーニングローラ7は、搬送ベルト4の裏面に対向配置されたローラ8との間で搬送ベルト4を挟み付けることで、搬送ベルト4の表面に付着したインクをクリーニングする。
【0039】
また、9は搬送される記録媒体Pの端部を検出するための端部検出センサである。端部検出センサ9は、例えば反射型の光学式センサからなり、その下方をフルラインヘッド6の直下に向けて搬送される各記録媒体Pの先端と後端とを検出する。
【0040】
本発明においてフルラインヘッド6と搬送ベルト4との間の空隙の側方には、フルラインヘッド6の各ノズルから吐出されたインク滴を検出するためのインク滴検出センサ10が配設されている。
【0041】
インク滴検出センサ10は、図2及び図3に示すように、LEDやレーザ等の光ビームを出射する発光素子を有する発光部11と、該発光部11から出射された光ビームを受光するフォトダイオード等からなる受光素子を有する受光部12とからなり、それらがフルラインヘッド6の両側方で、フルラインヘッド6と搬送ベルト4との間の空隙を挟むように対向配置され、フルラインヘッド6と搬送ベルト4との間に発光部11から受光部12に向けて光ビームを出射することで検出光Lを形成する。このとき検出光Lは、搬送方向Aと直交するフルラインヘッド6のノズルの配列方向に沿い且つ該ノズルから吐出されるインク滴dの飛翔経路と交叉するように形成される。従って、ノズルからインク滴dが吐出されると、検出光Lを通過し、そのときの陰影が受光部12によって捉えられる。
【0042】
図4は本発明に係るインクジェットプリンタの主要構成を示すブロック図である。
【0043】
受光部12によって捉えられたインク滴dの陰影は電気的信号に変換され、信号出力の変化として検出部15に送られる。検出部15では、受光部12から送られた信号出力の変化を基準信号と比較することで、インク滴dが通過した場合の大きな信号変化を取り出し、大きな信号変化がある場合に制御部13に信号を出力する。
【0044】
制御部13は、フルラインヘッド6を駆動する駆動回路14を制御することでインク滴dの吐出を制御しており、この駆動回路14への吐出開始信号の出力からインク滴dが検出光Lを通過するであろう十分な設定時間内にこの検出部15からの信号出力が有るか否かによって、インク滴dの吐出の有無を判断している。
【0045】
また、制御部13は、搬送ベルト4の搬送を行う搬送モータ5の駆動を制御すると共に、その搬送ベルト4の移動量(搬送量)をベルト位置検出センサ16によって監視している。
【0046】
ベルト位置検出センサ16は、搬送ベルト4の移動量(搬送量)を検出することができるものであれば特に問わないが、例えば搬送ローラ1又は2の回転量を検出するロータリーエンコーダによって搬送ベルト4の移動量を検出する構成を採用することができる。端部検出センサ9とフルラインヘッド6との間の距離は一定であるため、搬送ベルト4の移動量をこのベルト位置検出センサ16で監視することで、端部検出センサ16によって検出された記録媒体の端部位置がフルラインヘッド6のノズル列の直下に差し掛かることを検出することができる。
【0047】
制御部13は、このベルト位置検出センサ16によって検出された搬送ベルト4の位置データと端部検出センサ9によって検出された記録媒体Pの端部位置データとに基づいて、搬送方向Aに沿って先に搬送される記録媒体P1の端部位置と次に搬送される記録媒体P2の端部位置及び各記録媒体P1とP2との間の記録媒体が存在しないスペースを認識し、印字データに応じた印字動作を制御している。
【0048】
次に、本発明にかかるインクジェットプリンタにおけるフルラインヘッド6のメンテナンス動作の一例について説明する。図5は連続して搬送される記録媒体P1、P2の位置を説明する図である。なお、図5においてインク滴検出センサ10は図示省略してある。
【0049】
また、メンテナンスとは、不良ノズルの検出、全ノズルから一斉にインク滴を吐出する予備吐出、ノズルからインクを強制的に吸引したり、ノズル面をワイピングしたりすることにより不良状態の回復を図るクリーニング等を含むが、本発明においてメンテナンスとは、これらのうちの少なくとも不良ノズルの検出動作を含むことをいう。
【0050】
更に、本発明において不良ノズルとは、ノズルからインク滴が吐出されないノズル欠状態の他、ノズルからインク滴が曲がって吐出する吐出曲がりの状態をも含む。
【0051】
制御部13は、印字データに応じて駆動回路14を駆動させ、フルラインヘッド6の各ノズルからインク滴dを吐出することで、搬送ベルト4により一定速度で連続して搬送される記録媒体P1、P2…の各記録領域に対して印字作業を実行する。図5(a)は先に搬送される記録媒体P1に対してフルラインヘッド6からインク滴dを吐出し、印字を行っている状態であり、やがて端部検出センサ9は、フルラインヘッド6の上流位置において記録媒体P1の後端P1bを検出する。
【0052】
制御部13は、この端部検出センサ9によって記録媒体P1の後端P1bを検出すると、その後端P1bの位置情報とベルト位置検出センサ16の検出情報とに基づいて、当該記録媒体P1の後端P1bがフルラインヘッド6のノズル列の直下に到達するまでの搬送ベルト4の移動量を算出し、これに基づいて、記録媒体P1の後端P1bがフルラインヘッド6のノズル列の直下に差し掛かったかどうかを監視する。端部検出センサ9によって記録媒体P1の後端P1bが検出されると、次に搬送される記録媒体P2の先端P2aまでは記録媒体が存在しないスペースSであるため、図5(b)に示すように、このスペースSがフルラインヘッド6のノズル列の直下に差し掛かると、制御部13は搬送ベルト4を停止させることなく不良ノズルの検出動作(欠検知ともいう。)を実行する。
【0053】
ここで、不良ノズルの検出動作の一例を図6に示すフローチャート及び図7に示すタイムチャートを用いて説明する。
【0054】
スペースSがフルラインヘッド6の直下に差し掛かると、制御部13は発光部11を点灯駆動させ、受光部12との間に検出光Lを形成する(S1)。その後、制御部13は駆動回路14を駆動させてフルラインヘッド6の全ノズルから複数滴のインク滴dを連続して吐出させる予備吐出を行う(S2)。ここでこの予備吐出を行うようにすれば、不良ノズルの検出に備えて全ノズルの安定化を図ることができる。なお、通常のフルラインヘッド6は多数のノズルを備えているが、ここでは全ノズル数が32ノズルである場合について説明する。
【0055】
予備吐出が終了すると、制御部13は駆動回路14を制御して、フルラインヘッド6のノズルから不良ノズル検出のためのインク滴dを順次吐出させる。
【0056】
本発明において不良ノズルの検出のためのインク滴dの吐出は、記録媒体間のスペースSがフルラインヘッド6のノズル列の直下に差し掛かるたびに全ノズルのうちの一部のノズルずつから順次に行うように制御される。図7では、全32ノズルをノズルNo.1から順に4ノズルずつを1組とする8つの組に分け、まず、そのうちの1組目のノズルNo.1〜No.4の4ノズルを検出対象ノズルとし、その4ノズルの各々から順次にインク滴dを吐出する例を示している。
【0057】
ノズルNo.1〜No.4からインク滴dが順次吐出されると、各インク滴dは検出光Lを通過し、そのときの陰影が受光部12によって捉えられる。受光部12の出力信号は順次検出部15に送られ、それぞれインク滴dが通過したことを示す信号を制御部13に出力する。これにより制御部13はノズルNo.1〜No.4はインク滴dを正常に吐出したノズルである(不良ノズルがない)ことを判断する(S4、Noの場合)。
【0058】
次いで制御部13は、再び駆動回路14を駆動させてフルラインヘッド6の全ノズルから複数滴のインク滴dを連続して吐出させる予備吐出を行い、再び全ノズルの安定化を図る(S5)。ここで、不良ノズルの検出動作は、全ノズルのうちの一部のノズルについて行っているため、この2回目の予備吐出は、不良ノズルの検出を実行していない(すなわち不良ノズルを含む可能性のある)ノズルについても実行されることになる。従って、ここでも予備吐出を行うようにすれば、万一、検出対象ノズルに含まれなかったノズル中に不良ノズルが含まれていたとしても、予備吐出によって回復する機会を与えることができ、次に搬送される記録媒体P2に対する印字作業時に安定出射を可能とすることができるようになる。
【0059】
予備吐出が終了すると、制御部13は発光部11を消灯させ(S6)、不良ノズルの検出動作を終了する。
【0060】
その後、制御部13は、図5(c)に示すように、端部検出センサ9によって検出された記録媒体P2の先端P2aがフルラインヘッド6のノズル列の直下に差し掛かった時点で、次の記録媒体P2に対する印字作業を開始する。
【0061】
次に、記録媒体P2に対する印字作業が終了して次に搬送される記録媒体P3(図示せず)との間のスペースSがフルラインヘッド6のノズル列の直下に差し掛かると、上記と同様にして不良ノズルの検出を実行するが、ここでの不良ノズルの検出は、上記とは別の一部のノズル(次の組のノズルNo.5〜No.8)について実行する。以後、記録媒体間のスペースSがフルラインヘッド6のノズル列の直下に差し掛かるたびに、不良ノズル検出のための検出対象ノズルの組を変更していき、複数回の検出動作でフルラインヘッド6の全ノズルに対する検出動作が終了するようにする。ここでは全ノズル数を32ノズルとし、一度の検出で4ノズルずつの検出を行うようにしているので、記録媒体間のスペースSがフルラインヘッド6のノズル列の直下を8回通過することで、全ノズルに対する不良ノズルの検出が実行されることになる。全ノズルの検出が終了したら、次から再び最初のノズルの組(ここではノズルNo.1〜No.4)からの検出を繰り返す。
【0062】
この不良ノズル検出のための動作は、各記録媒体P1、P2…に対する連続印字中に行われるが、フルラインヘッド6の一部のノズルについて実行されるため、一度の検出を極めて短時間に終了することができ、なんら印字作業の妨げとなることはない。また、ノズル数が少ないため極めて短時間で済むために、不良ノズルの検出のために記録媒体P1、P2間を広くとる必要はもちろん、搬送ベルト4を停止させたり記録媒体Pの搬送速度を落としたりする必要もないため、プリントの生産性を低下させるようなことはない。
【0063】
なお、図5(c)に示すように、記録媒体P1とP2の間のスペースSに位置する搬送ベルト4上に、予備吐出時及び不良ノズル検出時に吐出されたインク滴dによるインクDが付着するが、クリーニングローラ7を通過する際に洗浄され、記録媒体Pを汚染することはない。
【0064】
本発明において、一度の検出動作時のノズル数は全ノズル数のうちの一部であればよく、なんら限定されず、その数はスペースSの間隔やその通過時間並びに検出に掛かる時間等の諸条件よって適宜設定することができる。また、以上の説明のようにノズルNo.1から連続する複数ノズルである必要もなく、例えば1又は複数ノズルおきという具合に隣接していないノズルであってもよく、さらに、印字中の使用頻度が少なく、不良ノズルとなる可能性の高いノズルを優先的に含むように一部のノズルの組を逐次選択するようにしてもよい。
【0065】
ところで、上記の不良ノズルの検出時に、いずれかのノズルにインク詰まり等の原因によってインク滴dが吐出されない又は吐出曲がりによる不良ノズルが発生していた場合(S4、Yesの場合)、印字品質を維持できなくなるため、その時点で、制御部13は搬送モータ5の駆動を停止させて搬送ベルト4を停止させ(S7)、フルラインヘッド6の回復動作に移行する(S8)。
【0066】
この不良ノズルの回復動作を行うための構成について図8、図9を用いて説明する。図8はインクジェットプリンタの記録部の平面図、図9は搬送方向Aに沿う方向から見た側面図である。
【0067】
図8及び図9に示すように、フルラインヘッド6の側方には、不良ノズルの回復動作を行うためのメンテナンスユニット20が配設されている。メンテナンスユニット20は、フルラインヘッド6のノズル面に密着してノズルから強制的にインク吸引を行う吸引キャップ21、吸引キャップ21内を負圧にするための吸引ポンプ22、吸引キャップ21内と吸引ポンプ22とを連絡すると共に吸引されたインクを排出する吸引管23、吸引キャップ21をフルラインヘッド6のノズル面に密着する位置とノズル面から離れた位置との間で昇降動させる昇降モータ18(図4参照)を有している。吸引ポンプ22及び昇降モータ18は制御部13によって制御される。ここで、フルラインヘッド6は、制御部13によって制御されるヘッド移動モータ17(図4参照)の駆動力によって、搬送方向Aと直交する方向に延びるガイドレール19に沿って往復移動可能に設けられている。
【0068】
回復動作時、制御部13は、図9(a)に示すようにフルラインヘッド6をガイドレール19に沿って側方に移動させ、メンテナンスユニット20の吸引キャップ21の上方で待機させる。続いて、制御部13は、昇降モータ18を駆動させて図9(b)に示すように吸引キャップ21を上昇させ、フルラインヘッド6のノズル面に密着させた後、吸引ポンプ22を駆動させてノズルに詰まったインクかすやゴミ等を取り除いて不良ノズルの回復を図る。回復動作終了の後、制御部13は吸引キャップ21を下降させ、ヘッド移動モータ17を駆動させてフルラインヘッド6を記録位置まで復帰させる。
【0069】
このように、不良ノズルが検出された時点で回復動作に移行するため、各記録媒体P1、P2…に亘って連続した印字作業中でも直ぐに対処でき、そのまま印字を続行させて印字品質を落とすようなことがなく、不良プリントの発生を最小限にすることができる。
【0070】
回復動作が終了してフルラインヘッド6が記録位置まで復帰すると、制御部13は駆動回路14を制御して全ノズルから不良ノズル検出のためのインク滴dを順次吐出させ、確認のために再度不良ノズルの検出を行う(S9)。
【0071】
ここで、全ノズルについて正常ノズルである(不良ノズルがない)ことが確認されると(S10、Noの場合)、制御部13は搬送モータ5を駆動して搬送ベルト4の搬送を再開させ(S11)、以後、上記ステップS5の処理に戻り、印字作業を再開する。このためオペレータに手間をかけさせることはない。また、再度不良ノズルがあることが検出されると(S10、Yesの場合)、印字品質維持のため印字続行は不可としてエラー処理を行い、例えばモニター画面や警告ランプ等によってエラー表示を行ったり、ヘッド交換等の作業を促す情報を出力する(S12)。
【0072】
以上の説明では、フルラインヘッド6が1つだけ配設されたインクジェットプリンタを例示して説明したが、フルラインヘッド6の数はなんら限定されない。例えば図10に示すように、例えばYMCKの各色毎の複数のフルラインヘッド6a〜6dが、搬送方向Aに沿って並列的に配設されたものであってもよい。この場合は、各フルラインヘッド6a〜6dにそれぞれ対応させてインク滴検出センサ10a〜10dを配置させることで、各フルラインヘッド6a〜6dについて個別に不良ノズルの検出を可能とし、記録媒体間のスペースSが各フルラインヘッド6a〜6dの各ノズル列の直下に差し掛かるたびに、各フルラインヘッド6a〜6dについて上記同様にして不良ノズルの検出を行えばよい。
【0073】
この複数のフルラインヘッド6a〜6dを有するインクジェットプリンタにおける不良ノズルの検出動作の一例について、図11に示すフローチャートを用いて説明する。なお、図6と同一処理を行うステップについては、同一のステップ番号を付しているため、それらの説明は省略する。
【0074】
複数のフルラインヘッド6a〜6dのうち、いずれかに不良ノズルが含まれている場合、回復動作は全てのフルラインヘッド6a〜6dをメンテナンスユニットの配設位置まで移動させるため、ステップS4において不良ノズル有りが検出されると、搬送ベルト4の搬送を停止させた後(S7)、制御部13は駆動回路114を制御して全てのフルラインヘッド6a〜6dの全ノズルからインク滴dを吐出させ、全てのフルラインヘッド6a〜6dについて不良ノズルの検出を実行する(S13)。このとき、制御部13は搬送モータ5の駆動を制御することにより、記録媒体間のスペースSが各フルラインヘッド6a〜6dの各ノズル列の直下を順次通過するように搬送ベルト4の搬送動作を制御する。
【0075】
各フルラインヘッド6a〜6dについて不良ノズルの検出を実行することにより、不良ノズルを含むフルラインヘッド6a〜6dが特定されると、フルラインヘッド6a〜6dを図示しないメンテナンスユニットの配設位置まで移動させ、不良ノズルを含むフルラインヘッドについて回復動作を実施する(S14)。回復動作は、図8及び図9において説明したと同様の構成によって実現可能である。この場合、吸引キャップは各フルラインヘッド6a〜6dに対応して同数配設するようにしてもよいし、フルラインヘッド6a〜6dの数よりも少ない数の吸引キャップが各フルラインヘッド6a〜6d間を移動可能となるように構成してもよい。
【0076】
回復動作が終了してフルラインヘッド6が記録位置まで復帰すると、制御部13は駆動回路14を制御して、回復動作を実施したフルラインヘッドの全ノズルから不良ノズル検出のためのインク滴dを順次吐出させ、確認のために再度不良ノズルの検出を行う(S15)。
【0077】
ここで、全ノズルについて正常ノズルである(不良ノズルがない)ことが検出されると(S16、Noの場合)、制御部13は搬送モータ5を駆動して搬送ベルト4の搬送を再開させ(S11)、以後、上記ステップS5の処理に戻り、印字作業を再開する。また、再度不良ノズルがあることが検出されると(S16、Yesの場合)、印字品質維持のため印字続行は不可としてエラー処理を行い、例えばモニター画面や警告ランプ等によってエラー表示を行ったり、ヘッド交換等の作業を促す情報を出力する(S12)。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明に係るインクジェットプリンタにおける記録部の構成を示す概略図
【図2】フルラインヘッドをノズル面側から見た状態を示す図
【図3】フルラインヘッドを記録媒体の搬送方向に沿う方向から見た状態を示す図
【図4】本発明に係るインクジェットプリンタの主要構成を示すブロック図
【図5】連続して搬送される記録媒体の位置を説明する図
【図6】不良ノズルの検出動作の一例を示すフローチャート
【図7】不良ノズルの検出動作の一例を示すタイムチャート
【図8】インクジェットプリンタの記録部の平面図
【図9】記録部を搬送方向に沿う方向から見た側面図
【図10】インクジェットプリンタの他の例を示す概略図
【図11】不良ノズルの検出動作の他の例を示すフローチャート
【符号の説明】
【0079】
1、2:搬送ローラ
3:テンションローラ
4:搬送ベルト
5:搬送モータ
6、6a〜6d:フルラインヘッド
7:クリーニングローラ
8:ローラ
9:端部検出センサ
10:インク滴検出センサ
11:発光部
12:受光部
13:制御部
14:駆動回路
15:検出部
16:ベルト位置検出センサ
17:ヘッド移動モータ
18:昇降モータ
19:ガイドレール
20:メンテナンスユニット
21:吸引キャップ
22:吸引ポンプ
23:吸引管
P(P1、P2):記録媒体
S:記録媒体間のスペース
L:検出光

【特許請求の範囲】
【請求項1】
記録領域の全幅に亘って多数のノズルを配列してなるフルラインヘッドを停止させた状態で、所定間隔をおいて連続して搬送される各記録媒体上に前記ノズルからインク滴を吐出して印字を行うインクジェットプリンタにおけるフルラインヘッドのメンテナンス方法において、
前記フルラインヘッドのノズルの配列方向に沿い且つ前記ノズルから吐出されるインク滴の飛翔経路と交叉するように、前記インク滴の通過の有無を検出するための検出光を形成し、
前記連続して搬送される各記録媒体に連続印字中に、各記録媒体の間の記録媒体が存在しないスペースが前記フルラインヘッドに差し掛かるたびに、全ノズルのうちの一部ずつのノズルからインク滴を順次吐出し、複数のスペースが前記フルラインヘッドを順次通過することで、全ノズルを検出することを特徴とするフルラインヘッドのメンテナンス方法。
【請求項2】
少なくとも前記インク滴の検出動作の直後に、全ノズルからインク滴を吐出する予備吐出を実行することを特徴とする請求項1記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法。
【請求項3】
インク滴の検出動作によって不良ノズルが検出された時点で、前記各記録媒体の連続印字作業を中断し、ノズルの回復動作を実行することを特徴とする請求項1又は2記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法。
【請求項4】
前記回復動作の実行後に、再度、前記ノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行することを特徴とする請求項3記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法。
【請求項5】
前記フルラインヘッドは複数ヘッドであり、
インク滴の検出動作によっていずれかのヘッドのノズルから不良ノズルが検出された時点で、前記各記録媒体の連続印字作業を中断し、全ヘッドの全ノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行することを特徴とする請求項1又は2記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法。
【請求項6】
全ヘッドの全ノズルからのインク滴の検出動作によって不良ノズルが検出されたヘッドについて、ノズルの回復動作を実行することを特徴とする請求項5記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法。
【請求項7】
前記回復動作の実行後に、再度、回復動作を実行したヘッドのノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行することを特徴とする請求項6記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法。
【請求項8】
前記インク滴の検出動作を実行することにより不良ノズルの回復を確認した後、前記各記録媒体の連続印字作業を再開することを特徴とする請求項4又は7記載のフルラインヘッドのメンテナンス方法。
【請求項9】
記録領域の全幅に亘って多数のノズルを配列してなるフルラインヘッドを停止させた状態で、所定間隔をおいて連続して搬送される各記録媒体上に前記ノズルからインク滴を吐出して印字を行うインクジェットプリンタにおいて、
前記フルラインヘッドのノズルの配列方向に沿い且つ前記ノズルから吐出されるインク滴の飛翔経路と交叉するように検出光を形成し、前記インク滴の通過の有無を検出するためのインク滴検出手段と、
前記記録媒体の搬送を制御すると共に前記フルラインヘッドの各ノズルからのインク滴の吐出を制御する制御手段とを有し、
前記制御手段は、各記録媒体上に連続印字中に、各記録媒体の間の記録媒体が存在しないスペースが前記フルラインヘッドに差し掛かるたびに、全ノズルのうちの一部ずつのノズルからインク滴を順次吐出し、複数のスペースが前記フルラインヘッドを順次通過することで、全ノズルを検出するよう制御することを特徴とするインクジェットプリンタ。
【請求項10】
前記制御手段は、少なくともインク滴の検出動作の直後に、全ノズルからインク滴を吐出する予備吐出を実行するよう制御することを特徴とする請求項9記載のインクジェットプリンタ。
【請求項11】
前記フルラインヘッドの各ノズルの回復を行うノズル回復手段と、
該ノズル回復手段によって前記フルラインヘッドの各ノズルの回復動作を可能とするべく前記フルラインヘッドと前記ノズル回復手段との位置を相対的に移動させる移動手段とを有し、
前記制御手段は、インク滴の検出動作によって不良ノズルが検出された時点で、前記各記録媒体の連続印字作業を中断し、前記移動手段を制御してノズルの回復動作を実行するよう制御することを特徴とする請求項9又は10記載のインクジェットプリンタ。
【請求項12】
前記制御手段は、前記回復動作の実行後に、再度、前記ノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行するよう制御することを特徴とする請求項11記載のインクジェットプリンタ。
【請求項13】
前記フルラインヘッドは複数ヘッドであり、
前記制御手段は、インク滴の検出動作によっていずれかのヘッドのノズルから不良ノズルが検出された時点で、前記各記録媒体の連続印字作業を中断し、全ヘッドの全ノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行することよう制御することを特徴とする請求項9又は10記載のインクジェットプリンタ。
【請求項14】
前記フルラインヘッドの各ノズルの回復を行うノズル回復手段と、
該ノズル回復手段によって前記フルラインヘッドの各ノズルの回復動作を可能とするべく前記フルラインヘッドと前記ノズル回復手段との位置を相対的に移動させる移動手段とを有し、
前記制御手段は、全ヘッドの全ノズルからのインク滴の検出動作によって不良ノズルが検出されたヘッドについて、前記移動手段を制御してノズルの回復動作を実行するよう制御することを特徴とする請求項13記載のインクジェットプリンタ。
【請求項15】
前記制御手段は、前記回復動作の実行後に、再度、回復動作を実行したヘッドのノズルからインク滴を順次吐出してインク滴の検出動作を実行するよう制御することを特徴とする請求項14記載のインクジェットプリンタ。
【請求項16】
前記制御手段は、前記インク滴の検出動作を実行することにより不良ノズルの回復を確認した後、前記各記録媒体の連続印字作業を再開するよう制御することを特徴とする請求項12又は15記載のインクジェットプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【公開番号】特開2007−15193(P2007−15193A)
【公開日】平成19年1月25日(2007.1.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−198148(P2005−198148)
【出願日】平成17年7月6日(2005.7.6)
【出願人】(000001270)コニカミノルタホールディングス株式会社 (4,463)
【Fターム(参考)】