説明

フレキシブル配線構造、及び撮像装置

【課題】フレキシブル配線の反力を抑えることができ、フレキシブル配線の取り回しによる小型化を図ることができるフレキシブル配線構造及び撮像装置を提供する。
【解決手段】第1のフレキシブル配線部11及び第2のフレキシブル配線部12と中継部13を備え、中継部13から立上した第1の立上面11aと、第1の立上面11aから第1の屈曲部11dにおいて屈曲した第1の屈曲後立上面11bと、第2の中継側曲げ部12cを介し中継部13の平面から立上した第2の立上面12aと、第2の立上面12aからL字形状部の屈曲部であり第1の屈曲部11dよりも上方の第2の屈曲部12dにおいて屈曲した、第1の屈曲後立上面11bと平行な第2の屈曲後立上面12bと、を有し、第2の屈曲後立上面12bは、第2の立上面12aに設けられた立上面曲げ部12eで折り返されて第1の屈曲後立上面11bに重なる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特にフレキシブル配線の取り回しにおけるフレキシブル配線構造、並びにこのフレキシブル配線構造を備える撮像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
手振れ補正機能は、手振れによって発生した撮像モジュールの移動を打ち消す方向に、撮像素子又は光学部品が取付けられた可動部が移動することで、画像の振れを抑えている。可動部の移動には、ボイスコイルモータやステッピングモータなどのアクチュエータで行われる。
【0003】
ここで、可動部と制御回路基板とを電気的に接続させ、且つ可動部の移動の負荷を抑えるために、折曲部を設けたフレキシブル配線板が用いられている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
特許文献1記載のフレキシブル配線板は、反力を抑えるために折り曲げ部分が90°の角度のみで構成され、中継基板部を設けて分割された第1フレキシブル基板部と第2フレキシブル基板部とが中継基板部側が上になるようにそれぞれ立ち上がっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−128521号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1の技術では、特にフレキシブル配線の中継基板部においてフレキシブル配線の幅が大きくなり、小型化を図るのが困難であった。
【0007】
そこで本発明は、前述した課題に鑑みてなされたものであり、フレキシブル配線の反力を抑えることができると共に、フレキシブル配線の取り回しによる小型化を図ることができるフレキシブル配線構造及び撮像装置の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前述した目的を達成するために、本発明の態様のひとつであるフレキシブル配線構造は、L字形状部を有するフレキシブル配線のL字形状部の一端側に中継部を設けて分割された第1のフレキシブル配線部及び第2のフレキシブル配線部を備え、第1のフレキシブル配線部は、中継部側に設けられた第1の中継側曲げ部を介し中継部の平面から立上した第1の立上面と、第1の立上面からL字形状部の屈曲部である第1の屈曲部において屈曲した第1の屈曲後立上面と、を有し、第2のフレキシブル配線部は、中継部側に設けられた第2の中継側曲げ部を介し中継部の平面から立上した第2の立上面と、第2の立上面からL字形状部の屈曲部であり第1の屈曲部よりも上方の第2の屈曲部において屈曲した、第1の屈曲後立上面と平行な第2の屈曲後立上面と、を有し、第2の屈曲後立上面は、第2の立上面に設けられた立上面曲げ部で折り返されて第1の屈曲後立上面に重なることを特徴とする。
【0009】
また、本発明の別の態様のひとつである撮像装置は、本発明に係るフレキシブル配線構造と、フレキシブル配線構造に接続され、入射光を撮像して撮像信号を出力する撮像素子と、を備えることを特徴とする。
【0010】
また、本発明の別の態様のひとつである撮像装置は、本発明に係るフレキシブル配線構造と、フレキシブル配線構造に接続され、入射光を撮像して撮像信号を出力する撮像素子と、撮像素子の撮像面上に入射光を結像する光学要素と、撮像素子を撮像素子の撮像面と同一平面上に移動させる駆動部と、撮像素子の移動量を検出する検出部と、を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、フレキシブル配線の反力を抑えることができると共に、フレキシブル配線の取り回しによる小型化を図ることができるフレキシブル配線構造及び撮像装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】本発明の第1実施形態に係る撮像装置を示す斜視図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る撮像装置を示す正面図である。
【図3】本発明の第1実施形態に係る撮像装置を示す平面図である。
【図4】図3のIV−IV断面図である。
【図5A】本発明の第1実施形態に係るフレキシブル配線構造を示す要部斜視図(その1)である。
【図5B】本発明の第1実施形態に係るフレキシブル配線構造を示す要部斜視図(その2)である。
【図5C】本発明の第1実施形態に係るフレキシブル配線構造を示す要部背面図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係るフレキシブル配線構造を示す要部展開図である。
【図7A】本発明の第1実施形態に係るフレキシブル配線構造の折り曲げ方を説明するための説明図(その1)である。
【図7B】本発明の第1実施形態に係るフレキシブル配線構造の折り曲げ方を説明するための説明図(その2)である。
【図8】本発明の第2実施形態に係るフレキシブル配線構造を示す要部展開図である。
【図9A】本発明の第2実施形態に係るフレキシブル配線構造の折り曲げ方を説明するための説明図(その1)である。
【図9B】本発明の第2実施形態に係るフレキシブル配線構造の折り曲げ方を説明するための説明図(その2)である。
【図9C】本発明の第2実施形態に係るフレキシブル配線構造の折り曲げ方を説明するための説明図(その3)である。
【図10A】本発明の第3実施形態に係るフレキシブル配線構造を示す要部斜視図(その1)である。
【図10B】本発明の第3実施形態に係るフレキシブル配線構造を示す要部斜視図(その2)である。
【図11】本発明の第3実施形態に係るフレキシブル配線構造を示す要部展開図である。
【図12A】本発明の第3実施形態に係るフレキシブル配線構造の折り曲げ方を説明するための説明図(その1)である。
【図12B】本発明の第3実施形態に係るフレキシブル配線構造の折り曲げ方を説明するための説明図(その2)である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の一実施の形態に係るフレキシブル配線構造及び撮像装置について、図面を参照しながら説明する。
【0014】
<第1実施形態>
図1、図2、及び図3は、第1実施形態に係る撮像装置100を示す斜視図、正面図、及び平面図である。
図4は、図3のIV−IV断面図である。
【0015】
本実施形態では、まず、フレキシブル配線構造10を備える撮像装置100について説明する。
【0016】
図1〜図4に示すように、撮像装置100は、フレキシブル配線構造10と、撮像素子111を有する撮像素子ユニット110と、光学要素の一例であるレンズ121を有するレンズユニット120と、駆動部の一例であるY方向駆動部130及びX方向駆動部140と、検出部150と、ホルダ160と、Y方向スライダ170と、X方向スライダ180と、ベース部190と、を備える。撮像装置100は、例えば、携帯電話や小型DSCなどに配置される。
【0017】
図4に示すように、撮像素子ユニット110は、撮像素子111と、ベース基板112と、カバーガラス113と、カバーガラスホルダ114と、を有する。
撮像素子111は、ベース基板112に実装され、入射光を撮像して撮像信号を出力する。撮像素子111の上方には、光透過性カバーであるカバーガラス113が配置されている。このカバーガラス113は、カバーガラスホルダ114によって保持されている。
【0018】
詳しくは後述するが、フレキシブル配線構造10は、ベース基板112を介して撮像素子111に接続されている。
レンズユニット120は、撮像素子111の撮像面上に入射光を結像するレンズ121と、例えばボイスコイルモータである図示しないオートフォーカスアクチュエータとを有する。
【0019】
また、レンズユニット120は、ホルダ160の上面に例えば接着により固定されている。ホルダ160は、ベース部190に固定されている。そのため、レンズユニット120は、ホルダ160及びベース部190と同様に、撮像素子111の撮像面と同一平面上には移動しない。
【0020】
なお、レンズ121は、例えば前述のオートフォーカスアクチュエータによって、入射光軸方向には移動する。
【0021】
図2に示すように、Y方向駆動部130は、ボイスコイルモータであり、対向する磁石131,132と、コイル133と、ヨーク134とを有する。また、図4に示すように、X方向駆動部140は、Y方向駆動部130と同様に、対向する磁石141,142と、コイル143と、ヨーク144とを有する。
【0022】
Y方向駆動部130及びX方向駆動部140は、レンズユニット120の周囲に配置されている。
Y方向駆動部130及びX方向駆動部140のコイル133,143は、Y方向スライダ170の外周面に固定される。
【0023】
それに対して磁石131,132,141,142及びヨーク134,144は、ベース部190に対して直接的又は間接的に固定されている。
ヨーク134,144は、磁石131,132,141,142及びコイル133,143を取り囲みレンズユニット120側に開口する断面四角形状を呈する。
【0024】
図4に示すように、Y方向スライダ170は、上面及び底面に開口する直方体形状を呈し、内部には前述のレンズユニット120が配置される。Y方向スライダ170の下部には、撮像素子ユニット110がカバーガラスホルダ114の上部において例えば接着により固定される。このように、Y方向スライダ170には撮像素子111が間接的に配置されているため、撮像素子111はY方向スライダ170と一体に移動する。
【0025】
Y方向スライダ170は、図2に示すY方向駆動部130によって、X方向スライダ180に対してY方向に移動する。また、Y方向スライダ170は、図4に示すX方向駆動部140によってX方向スライダ180と共にX方向に移動する。このように、撮像素子111は、Y方向スライダ170と一体に、Y方向及びX方向、即ち、撮像素子111の撮像面と同一平面上に移動する。
【0026】
図1に示す検出部150は、例えばホール素子であり、Y方向駆動部130の近傍に配置されて、Y方向スライダ170の移動量を検出することで、撮像装置111の移動量を検出する。
【0027】
なお、図4において、断面等を表すハッチングが記載されているが、各部の材質はハッチングの種類によって限定されるものではない。例えば、ホルダ160、Y方向スライダ170、X方向スライダ180、ベース部190等は、プラスチックを一例とするが、それ以外の材質からなるようにしてもよい。
【0028】
図5A及び図5Bは、第1実施形態に係るフレキシブル配線構造10を示す要部斜視図である。
図5Cは、第1実施形態に係るフレキシブル配線構造10を示す要部背面図である。
【0029】
図6は、フレキシブル配線構造10を示す要部展開図である。
図7A及び図7Bは、フレキシブル配線構造10の折り曲げ方を説明するための説明図である。
【0030】
図5A〜図5Cに示すように、フレキシブル配線構造10は、第1のフレキシブル配線部11と、第2のフレキシブル配線部12と、中継部13と、を備える。
図6に示すように、第1のフレキシブル配線部11と、第2のフレキシブル配線部12とは、フレキシブル配線構造10の図5A〜図7Bに示すL字形状部の一端側に中継部13を設けて、それぞれがL字形状となるように分割されている。なお、第1のフレキシブル配線部11及び第2のフレキシブル配線部12は、例えば片面フレキシブル配線である。
【0031】
第1のフレキシブル配線部11は、中継部13側に設けられた第1の中継側曲げ部11cを介し(図7Aにおける谷折りC1で)中継部13の平面から立上した第1の立上面11aと、この第1の立上面11aからL字形状部の屈曲部である第1の屈曲部11dにおいて屈曲した第1の屈曲後立上面11bと、を有する。
【0032】
第2のフレキシブル配線部12は、中継部13側に設けられた第2の中継側曲げ部12cを介し(図7Aにおける谷折りC1で)中継部13の平面から立上した第2の立上面12aと、この第2の立上面12aからL字形状部の屈曲部であり第1の屈曲部11dよりも上方の第2の屈曲部12dにおいて屈曲した、第1の屈曲後立上面11bと平行な第2の屈曲後立上面12bと、を有する。
【0033】
なお、第1のフレキシブル配線部11及び第2のフレキシブル配線部12には、中継部13との境界部分において第1の中継側曲げ部11c及び第2の中継側曲げ部12cが設けられていてもよいが、第1の中継側曲げ部11c及び第2の中継側曲げ部12cにおける曲げやすさを考慮し、第1の中継側曲げ部11c及び第2の中継側曲げ部12cと中継部13との間に間隔があることが望ましい。第1のフレキシブル配線部11と第2のフレキシブル配線部12との間の間隔は、撮像装置100の構成等に応じて決定すればよい。
【0034】
第2の屈曲後立上面12bは、第2の立上面12aに設けられた立上面曲げ部12eで図7Bに示すように谷折りC2で折り返されて第1の屈曲後立上面11bに重なる。
中継部13は、図1等に示す撮像装置100が配置される例えば携帯電話や小型DSCなどの制御基板にコネクタを介して接続される。
【0035】
なお、図1に示すように、第1の屈曲後立上面11bの第1の立上面11aと反対側の端部には、撮像装置100の外周に沿うように屈曲する第3の屈曲部11eが設けられている。また、第2の屈曲後立上面12bの第2の立上面12aと反対側の端部には、撮像装置100の外周に沿うように屈曲する第4の屈曲部12fが設けられている。
【0036】
フレキシブル配線構造10は、図5A〜図7Bに示す前述のL字形状部と同様のL字形状部が第3の屈曲部11e及び第4の屈曲部12fを挟んで反対側にも形成され、この反対側において前述の撮像素子ユニット110のベース基板112を介して間接的に撮像素子111に接続されている。なお、フレキシブル配線構造10は、両側にL字形状部が形成されていなくとも、一方に形成されていればよい。
【0037】
以上説明した第1実施形態では、第1のフレキシブル配線部11,第2のフレキシブル基板12は、中継部13側に設けられた第1の中継側曲げ部11c,第2の中継部側曲げ部12cを介し中継部13の平面から立上した第1の立上面11a,第2の立上面12aを有する。また、第2のフレキシブル基板12の第2の屈曲後立上面12bは、第2の立上面12aに設けられた立上面曲げ部12eで折り返されて、第1のフレキシブル基板11の第1の屈曲後立上面11bに重なる。
【0038】
そのため、両面フレキシブル配線を用いずに片面フレキシブル配線でフレキシブル配線構造10を形成することで、反力に関して、曲がりやすさの指標となる断面2次モーメントI=(bt)/12を約1/4にすることができる。具体的には、フレキシブル配線の幅をb,厚みをtとすると、両面フレキシブル配線を片面フレキシブル配線に変更することで、厚みtが約1/2となり、断面2次モーメントIが約1/8になる。片面フレキシブル配線を第1のフレキシブル配線部11と第2のフレキシブル配線部12との計2つ用いて断面2次モーメントIが2倍になっても約1/4である。
【0039】
また、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとが重なるため、フレキシブル配線の取り回しによる小型化を図ることができる。
よって、本実施形態によれば、フレキシブル配線の反力を抑えることができると共に、フレキシブル配線の取り回しによる小型化を図ることができるフレキシブル配線構造10及び撮像装置100を提供できる。
【0040】
更には、両面フレキシブル配線を用いずに片面フレキシブル配線でフレキシブル配線構造10を形成することで、曲げRなどを小さくすることができるという効果、曲げの中立面が銅線上に位置するため断線しにくく耐久性を向上させることができるという効果、及びコストを低減することができるという効果を得ることもできる。また、フレキシブル配線構造10は、特にある高さ方向(入射方向)での制約が多い単焦点モジュールである撮像装置100に配置されることで、撮像装置100の小型化をより有効に図ることができる。
【0041】
また、本実施形態では、図1に示すように、第1の屈曲後立上面11bの第1の立上面11aと反対側の端部には、第3の屈曲部11eが設けられている。また、第1の屈曲後立上面12bの第2の立上面12aと反対側の端部には、第4の屈曲部12fが設けられている。そのため、撮像装置100等の形状に合わせてフレキシブル配線構造10を取り回して更なる小型化を図ることができる。
【0042】
<第2実施形態>
図8は、第2実施形態に係るフレキシブル配線構造20を示す要部展開図である。
図9A〜図9Cは、第2実施形態に係るフレキシブル配線構造20の折り曲げ方を説明するための説明図である。
【0043】
本実施形態のフレキシブル配線構造20は、前述の第1実施形態のフレキシブル配線構造10とは、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとが互いに固定されている点において相違し、その他は同様である。そのため、本実施形態では、第1実施形態と同様の点については、説明を省略して図面には第1実施形態と同一の符号を付す。
【0044】
図8〜図9Cに示すように、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとは、第1の屈曲後立上面11bに設けられた二点鎖線で示すハンダ部分21及び第2の屈曲後立上面12bの二点鎖線で示す絶縁部分22において互いに固定されている。
【0045】
ハンダ部分21は、第1の屈曲後立上面11bの表面に、例えば、固定時に溶融した状態で配置されることで形成される。絶縁部分22は、第2の屈曲後立上面12bの表面であり、例えばポリイミドである。
【0046】
なお、第1の屈曲後立上面11bに絶縁部分22が設けられ、第2の屈曲後立上面12bにハンダ部分21が設けられるようにしてもよい。また、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとを、接着等の他の固定方法により固定することも可能である。
【0047】
本実施形態によっても、前述の第1実施形態と同様の点については同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとは、互いに固定されている。そのため、第1のフレキシブル配線部11と第2のフレキシブル配線部12とを一体化させることで、強度が高まることなどにより、更なる小型化を図ることができる。
【0048】
また、本実施形態では、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとは、一方に設けられたハンダ部分21及び他方の絶縁部分22において互いに固定されている。そのため、第1のフレキシブル配線部11又は第2のフレキシブル配線部12の例えばポリイミドである表面を活用し、絶縁テープなどで貼り付ける場合の工数の低減を図ることができる。また、樹脂部品より薄くても強度がある金属を使用することで、更なる小型化を図ることもできる。
【0049】
<第3実施形態>
図10A及び図10Bは、第3実施形態に係るフレキシブル配線構造20を示す要部斜視図である。
【0050】
図11は、フレキシブル配線構造30を示す要部展開図である。
図12A及び図12Bは、フレキシブル配線構造30の折り曲げ方を説明するための説明図である。
【0051】
本実施形態のフレキシブル配線構造30は、前述の第1実施形態のフレキシブル配線構造10とは、第1の屈曲後立上面11b及び第2の屈曲後立上面12bに、長手方向に交差する方向に延出する延出部31,32が形成され、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとは、延出部31,32において互いに固定されている点において相違し、その他は同様である。そのため、本実施形態では、第1実施形態と同様の点については、説明を省略して図面には第1実施形態と同一の符号を付す。
【0052】
図10A〜図12Bに示すように、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bには、長手方向に交差する方向の一例として、折り曲げ後の下方に突出するように延出する延出部31,32が形成されている。この延出部31,32は、本実施形態では矩形であるが、その他の形状であってもよい。なお、延出部31,32は、撮像装置100等の装置構成によっては、折り曲げ後の上方などのその他の方向に突出するようにしてもよい。
【0053】
第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとは、延出部31,32において互いに固定されている。固定方法は限定されないが、例えば、前述の第2実施形態のように一方に設けられた二点鎖線で示すハンダ部分31a及び他方の二点鎖線で示す絶縁部分32aにおいて互いに固定されるようにするとよい。
【0054】
本実施形態によっても、前述の第1実施形態及び第2に実施形態と同様の点については同様の効果を得ることができる。
また、本実施形態では、第1の屈曲後立上面11b及び第2の屈曲後立上面12bには、長手方向に交差する方向に延出する延出部31,32が形成され、第1の屈曲後立上面11bと第2の屈曲後立上面12bとは、延出部31,32において互いに固定されている。そのため、ハンダ部分31a等の固定部分が配線領域のスペースをとるのを回避することができ、したがって、配線密度を高めることができる。
【0055】
なお、本実施形態では、フレキシブル配線構造10,20,30を撮像装置100に配置する例について説明したが、フレキシブル配線構造10,20,30は、その他の電子機器にも適用可能である。
【0056】
その他、本発明は、前述した実施の形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で種々の改良・変更が可能である。
【符号の説明】
【0057】
10 フレキシブル配線構造
11 第1のフレキシブル配線部
11a 第1の立上面
11b 第1の屈曲後立上面
11c 第1の中継側曲げ部
11d 第1の屈曲部
12 第2のフレキシブル配線部
12a 第2の立上面
12b 第2の屈曲後立上面
12c 第2の中継側曲げ部
12d 第2の屈曲部
12e 立上面曲げ部
13 中継部
20 フレキシブル配線構造
21 ハンダ部分
22 絶縁部分
30 フレキシブル配線構造
31,32 延出部
31a ハンダ部分
32a 絶縁部分
100 撮像装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
L字形状部を有するフレキシブル配線の当該L字形状部の一端側に中継部を設けて分割された第1のフレキシブル配線部及び第2のフレキシブル配線部を備え、
前記第1のフレキシブル配線部は、前記中継部側に設けられた第1の中継側曲げ部を介し前記中継部の平面から立上した第1の立上面と、当該第1の立上面から前記L字形状部の屈曲部である第1の屈曲部において屈曲した第1の屈曲後立上面と、を有し、
前記第2のフレキシブル配線部は、前記中継部側に設けられた第2の中継側曲げ部を介し前記中継部の平面から立上した第2の立上面と、当該第2の立上面から前記L字形状部の屈曲部であり前記第1の屈曲部よりも上方の第2の屈曲部において屈曲した、前記第1の屈曲後立上面と平行な第2の屈曲後立上面と、を有し、
前記第2の屈曲後立上面は、前記第2の立上面に設けられた立上面曲げ部で折り返されて前記第1の屈曲後立上面に重なることを特徴とするフレキシブル配線構造。
【請求項2】
前記第1の屈曲後立上面の前記第1の立上面と反対側の端部には、第3の屈曲部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線構造。
【請求項3】
前記第2の屈曲後立上面の前記第2の立上面と反対側の端部には、第4の屈曲部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線構造。
【請求項4】
前記第1の屈曲後立上面と前記第2の屈曲後立上面とは、互いに一体化されて固定されていることを特徴とする請求項1に記載のフレキシブル配線構造。
【請求項5】
前記第1の屈曲後立上面と前記第2の屈曲後立上面とは、一方に設けられたハンダ部分及び他方の絶縁部分において互いに固定されていることを特徴とする請求項4記載のフレキシブル配線構造。
【請求項6】
前記第1の屈曲後立上面及び前記第2の屈曲後立上面には、長手方向に交差する方向に延出する延出部が形成され、
前記第1の屈曲後立上面と前記第2の屈曲後立上面とは、前記延出部において互いに固定されていることを特徴とする請求項4に記載のフレキシブル配線構造。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフレキシブル配線構造と、
前記フレキシブル配線構造に接続され、入射光を撮像して撮像信号を出力する撮像素子と、を備えることを特徴とする撮像装置。
【請求項8】
請求項1乃至6のいずれか1項に記載のフレキシブル配線構造と、
前記フレキシブル配線構造に接続され、入射光を撮像して撮像信号を出力する撮像素子と、
前記撮像素子の撮像面上に入射光を結像する光学要素と、
前記撮像素子を当該撮像素子の前記撮像面と同一平面上に移動させる駆動部と、
前記撮像素子の移動量を検出する検出部と、を備えることを特徴とする撮像装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5A】
image rotate

【図5B】
image rotate

【図5C】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7A】
image rotate

【図7B】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9A】
image rotate

【図9B】
image rotate

【図9C】
image rotate

【図10A】
image rotate

【図10B】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12A】
image rotate

【図12B】
image rotate


【公開番号】特開2012−198336(P2012−198336A)
【公開日】平成24年10月18日(2012.10.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−61536(P2011−61536)
【出願日】平成23年3月18日(2011.3.18)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】