フレームを送信する方法、フレームを送信する装置、及び移動局
【課題】圧縮モードで符号分割多元接続(CDMA)技術を利用するシステム及び対応する方法。
【解決手段】アップリンク・データ・チャネル上の無線フレームは、圧縮モードで少なくとも1つの送信ギャップ(TG)を含むように形成されて送信される。これは拡散係数を低減(例えば、係数2で)することによって達成され得る。拡散係数の低減と組合せて、ビット反復(又はパンクチュアリングの減少)を用いることによって、TGは所望の長さ(TGL)に適合又は調整される。これは出力パワーを必要以上に増大させずにTGの長さを所望の長さに調整することを可能とする。他の実施形態では、アップリンク制御チャネルのフレームは、圧縮モードでその中のフォーマット・インジケータ(例えばTFCI)ビットを繰り返すように形成あるいはフォーマットされる。
【解決手段】アップリンク・データ・チャネル上の無線フレームは、圧縮モードで少なくとも1つの送信ギャップ(TG)を含むように形成されて送信される。これは拡散係数を低減(例えば、係数2で)することによって達成され得る。拡散係数の低減と組合せて、ビット反復(又はパンクチュアリングの減少)を用いることによって、TGは所望の長さ(TGL)に適合又は調整される。これは出力パワーを必要以上に増大させずにTGの長さを所望の長さに調整することを可能とする。他の実施形態では、アップリンク制御チャネルのフレームは、圧縮モードでその中のフォーマット・インジケータ(例えばTFCI)ビットを繰り返すように形成あるいはフォーマットされる。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本出願は、1999年9月28日に提出された米国仮出願60/156、431号の優先権を主張するものであり、参照によりその開示内容全部(全ての添付物を含む)は本願に組み込まれる。加えて、本願は同じ出願人が所有する米国特許5、533、011号及び5、883、899号と、1998年11月3日に出願された米国特許出願09/185、395号に関連しており、これらの全ては参照により全体が本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、例えば、符号分割多元接続(CDMA)などのスペクトル拡散技術のセルラ無線通信システムにおける利用に関する。より詳細には、本発明は、そのようなシステムにおいて移動局と基地局との間のアップリンク及びダウンリンクの少なくとも一方で圧縮モードが使用され得る方法及び装置/システムに関する。
【背景技術】
【0003】
図1(a)に示されているように、セルラ通信ネットワークは一般に、複数の基地局(BS)101を含んでおり、該基地局によってそれぞれの移動局(MS)103とのエア・インタフェースを介した移動体接続102が確立される。基地局101は地上回線によって無線ネットワーク・コントローラに接続されていてもよく、該無線ネットワーク・コントローラは地上回線によって移動交換局(MSC)107あるいは他の交換ノードに接続されていてもよい。MSC107は通常は、例えばゲートウェイを介して、公衆交換電話網(PSTN)などの他の電気通信ネットワークに接続されている。
【0004】
RNC109の拡張端末(ET)109は、地上回線又はリンク111によって基地局101へのATM(非同期転送モード)接続を形成するのに使用される。各基地局101は、例えば、基地局コントローラ113、同期を提供するためのスレーブ・タイミング・ユニット115、及びATM交換ユニット117を含み、各RNCは当該技術において知られているように、マスター・タイミング・ユニット119、ダイバーシティ・ハンドオーバ・ユニット121、及びATMスイッチ117を含むであろう。
【0005】
過去には、そのようなネットワークのMSとBSとの間の通信は、周波数分割多元接続(FDMA)及び時分割多元接続(TDMA)方式の少なくともいずれかを用いて達成された。FDMAでは、通信チャネルは単一の無線周波数帯域であり、その中に信号の送信パワーが集められる。隣接チャネルとの干渉は、ほぼ指定された周波数帯域内にある信号だけを通過させる帯域通過フィルタによって制限される。各チャネルには異なった周波数帯域が割り当てられているので、FDMAシステムの容量は、利用できる周波数の数並びに周波数の再利用に課せられた制限によって限定される。周波数ホッピングを用いないTDMAシステムでは、チャネルは同じ周波数帯域上の時間間隔の周期的な列内のタイムスロットから構成されるであろう。FDMA及びTDMAシステムでは、干渉する可能性のある2つの信号に、同時に同じ周波数を利用させるのは望ましくない。対照的に、CDMAは、周波数及び時間において信号がオーバーラップするのを許容するスペクトル拡散変調を使用する接続技術である。
【0006】
各BSは「セル」を画定し、セル内では該BSとセル内に位置する複数の様々なMSユニット(例えば、セルラ電話、ページャ等)との間で通信が行われ得る。隣接するセルは、しばしば互いにオーバーラップすることがある。「アップリンク」通信はMSからBSへの通信であり、「ダウンリンク」通信はBSからMSへの通信である。CDMAシステムにおいても、異なった周波数で異なったタイプのセルが動作することがある。MSのユーザが動き回るとMSユニットはあるセルから別のセルへと比較的頻繁に移動することとなるので、異なったセル間、従って異なった周波数間でハンドオーバ手順がサポートされる必要があり、これによりセル間を移動するMSユニットはネットワーク内での連続したサポートを受けられる。
【0007】
複数のハンドオーバの候補から、どの新たな周波数及びセルの少なくともいずれかを選択すべきかを決定するための、従来の技術がいくつかある。ある場合には、MSユニットが最良のハンドオーバ候補(及び関連する新たな基地局)を決定するのを補助するであろう。このような補助には、MSが周期的にあるいは要求に応じていくつかの候補周波数それぞれについての測定を行い、いくつかの基準(例えば、最も強いRSSI、最良のBERなど)に基づいて最良のハンドオーバ候補を決定するのを補助することが含まれるであろう。
【0008】
そのために、MSユニットがアップリンク送信周波数に近い周波数を(例えば、ハンドオーバのために)効率的にモニタできるようにする必要がある。1つの方法は、「圧縮モード」タイプの送信を用いることである。圧縮モードでは、送信されるフレームにスペースあるいは送信ギャップ(TG)を作るために、符号化レートの増大又は拡散係数(SF)の低減のいずれかが使用されることがある。符号化レートは送信された各情報ビット毎の冗長ビットの数で表わされ、SFは当業者には理解されるであろうが、拡散符号の長さで表わされる。TGを画定するアイドル・スロットは、合計が送信ギャップ長(TGL)となる。代表的な圧縮モードのフレームが、図3−5に示されている。無線フレーム・スロットのTGは、ユニットがアイドル時間を、例えば、他の周波数のモニタや他のタスクを実行するのに使用できるので有用である。
【0009】
SFを低減することによる圧縮モードは、物理チャネルのビットレートを増大させることとなるが、情報レートはほぼ一定のままである。SFが係数2で低減されたとき、物理チャネル(PhCH)のビットレートは2倍となる。フレーム内の全てのスロットが情報レートでの情報をその中に有する、通常の送信における通常のSFと比べて、SFは係数2で低減される。しかしながら、SFが低減されるとき、パワーは増大させる必要がある。例えば、SFが係数2で低減されたとき、図3に示したようにエネルギーを一定にするために、パワーを係数2で増大させることが必要となる。
【0010】
15のスロットを有するフレームの例を想定すると、SFを係数2で単純に低減すると7.5スロットのTGLとなる。このようなTGLは必要以上に長くなることが多く、ある種のアプリケーションでは所望するよりもピーク出力パワーが大きく、例えばパワーが2倍となる。そのようなパワーの増大をより低いレベルに保つのが好ましい。
【0011】
拡散係数(SF)を低減するのに加えて、例えば、付加的なパンクチュアリング(puncturing;すなわち、一定の冗長ビットの削除)によってトランスポート・チャネル(TrCH)の符号化レートを上昇させる、レート・マッチングによっても圧縮モードは達成され得る。これは送信されたビットの冗長度を減少すること(すなわち、ビットがパンクチュアリングされる)によって達成されるであろう。レート・マッチングによる圧縮モードは一般に冗長度が減少される、すなわち、ビットがパンクチュアリングされることを意味するが、物理チャネルのビットレートは変更されない。そして減少された冗長度を補償するためにパワーが増大される。例えば、通常モードでは、フレーム毎に15のスロットが送信され、圧縮モード送信では11のスロットだけが存在するかもしれない。この圧縮モードでは、TGLは4スロットである。このようにパワーはエネルギーを一定に保つため、15/11の係数で増大される。残念ながら、このレート・マッチング技術は短いTGを得るには最も適しているが、1/2のレートで符号化されたTrCHに過度のパンクチュアリングを適用すると性能が劣化することとなる。
【0012】
本発明の目的は、CDMAのアプリケーションにおける改良した圧縮モードのシステム/方法を提供することである。フレーム送信にスペース/ギャップを作ることによって圧縮モードは達成され得る。本発明の別の目的は、CDMAベースのネットワークにおいて、送信のスペース/ギャップの間に移動局が他の周波数をモニタしたり他のタスクを実行することを可能とすることである。
【0013】
本発明の別の目的は、セルラ通信ネットワークにおいて、移動局から基地局へのアップリンクで圧縮モードを利用する効率的な方法を提供することである。アップリンクの圧縮モードのフレームにおけるTGは、様々な実施形態においてレート・マッチング及びSF低減の少なくともいずれかによって達成され得る。
【0014】
本発明のある実施形態では、アップリンクの圧縮モードは、SF低減及びレート・マッチングの両方(すなわち、この2つの組合せ)を使用して達成される。例えば、チャネルのビットレートを2倍にするためにSFが係数2で低減され得、所望のTGLを得るためにレート・マッチングによって情報ビット・ストリーム内のビットの冗長度が増大され得る。このように、パワーを係数2で増大させる必要はなく、可変長のTGL、例えばタイムスロット1〜7個の長さのTGLが達成可能である。
【0015】
ある実施形態の例では、アップリンクのデータ・チャネルで(例えば、専用物理データチャネル、又はDPDCHで)、係数2での拡散係数の低減のみで7.5スロットのTGLが作成され得る。しかしながら、スロット5個の実際のTGLを達成するためにビット冗長度の増大が使用されてもよい。7.5個のスロットについてはパワーを増大させる(15/7.5=2/1の係数でパワーを増大する)必要があるが、スロット5個のTGLに相当するだけ出力パワーを増大させる(15/10又は3/2の係数でパワーを増大させる)必要はない。
【0016】
他の実施形態の例では、アップリンク制御チャネルのフレームが、TGを有する圧縮モードで形成されて送信される(例えば、専用物理制御チャネル又はDPCCHで)。制御チャネルのビット(例えば、TFCIビットのようなフォーマット・インジケータ・ビットの)のビット冗長度が、満足出来る性能を維持するために圧縮モードでは増大され得る。1つの代表的実施形態では、TGのすぐ後又は直後に続くTFCIビットがフレームの別のスロット内で後で繰り返されてもよいが、それはこれらのビットがそのフレーム内の他のTFCIビットに関してわずかに悪化する出力制御の影響を受けることがあるからである。そのような実施形態では、TGは様々な実施形態においてレート・マッチング及びSF低減の少なくとも一方を使用して形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1(a)】セルラ通信ネットワークの構成要素のブロック図である。
【図1(b)】アップリンクのDPDCH及びDPCCDのフレームを示す図である。
【図2】ダウンリンクのDPCHフレームを示す図である。
【図3】アップリンク又はダウンリンクのいずれかに適用できる、圧縮モード送信のフレームを示す図である。
【図4】圧縮モード送信のアップリンクのDHDCP及びDHCCPのフレームを示す図である。
【図5(a)】圧縮モード送信の第1のタイプのダウンリンク・フレームを示す図である。
【図5(b)】圧縮モード送信の第2のタイプのダウンリンク・フレームを示す図である。
【図6】所望のTGLを得るための拡散係数の低減を含み情報ビットの冗長度の増大(すなわち、反復)を使用する、圧縮モードでその中に少なくとも1つの送信ギャップを含むように、アップリンク用の無線フレームを形成するのに行われるステップを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態による例で定義されたTGを有する、アップリンクDPCCHフレーム構造を示す図である。
【図8(a)】、
【図8(b)】本発明の実施形態による別の例で定義されたTGを有する、アップリンクDPCCHフレーム構造を示す図である。
【図9】本発明の実施形態による別の例で定義されたTGを有する、アップリンクDPCCHフレーム構造を示す図である。
【図10】本発明の実施形態による別の例で定義されたTGを有する、アップリンクDPCCHフレーム構造を示す図である。
【図11】図示されたギャップ内に付加されたDTXビットを有する、ダウンリンクフレーム構造を示す図である。
【図12】DPCCHフィールドの表を示す図である。
【図13(a)】移動局(MS)から送信されるべきアップリンク・フレームがどのように形成されるのかをを示すフローチャート/ブロック図である。
【図13(b)】圧縮モードにおける様々なダウンリンクTGLに対するパラメータを含む表を示す図である。
【図14】DPCCH及びDPDCHのようなアップリンク専用物理チャネルに対する拡散を示すブロック図である。
【図15】図14の拡散処理から複素値のチップ・シーケンスのアップリンク変調を示すブロック図である。
【図16】ダウンリンク・フレームがどのように形成されるのかをを示すフローチャート/ブロック図である。
【図17】BSからMSへのダウンリンク・チャネルに対する拡散を示すブロック図である。
【図18】図17のSCH及びP−CCPCH出力に対する拡散及び変調を示すブロック図である。
【図19】CDMA信号を受信して逆拡散する受信器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の記載においては、限定のためではなく説明のため、本発明をより良く理解してもらうために、特定のアーキテクチャ、インタフェース、技術、その他などの特定の詳細事項を記載する。しかしながら、本発明がこれらの詳細事項とは異なる他の実施形態で実現できることは当業者には理解されよう。他の観点からは、周知の装置、回路、アルゴリズム、及び方法の詳細な記載は、不必要な詳細事項によって本発明の説明を解りずらくしないように、省略した。
【0019】
特定の用語/略称の解説
BS 基地局
Cch,SF,n: 拡散係数SFのn番目のチャネリゼーション・コード
CCTrCH 符号化複合トランスポート・チャネル
CDMA 符号分割多元接続
DCH 専用チャネル
DPCH 専用物理チャネル
DPCCH 専用物理制御チャネル
DPDCH 専用物理データ・チャネル
DTX 間欠伝送
FBI フィードバック情報
FDMA 周波数分割多元接続
MS 移動局
Mcps メガチップ毎秒
Nfirst TG内の最初のスロット
Nlast TG内の最後のスロット
OVSF 直交可変拡散係数(コード)
P−CCPSH 主共通制御物理チャネル
PDSCH 物理専用共用チャネル
PhCH 物理チャネル
PL パイロット
SCH 同期チャネル
SF 拡散係数
Slong,n n番目のロング・アップリンク・スクランブル・コード
Sshort,n n番目のショート・アップリンク・スクランブル・コード
TDMA 時分割多元接続
TFCI トランスポート・フォーマット組合せインジケータ
TG 送信ギャップ
TGL 送信ギャップ長(スロット単位)
TPC 送信出力制御
TrCH トランスポート・チャネル。
【0020】
本発明のある実施形態の例は、圧縮モードのCDMA環境におけるアップリンク及びダウンリンクの少なくともいずれかの通信をより効率的にするためのシステム及び対応する方法に関する。例えば、図3を参照すると、アップリンク圧縮モードでフレームF4において送信ギャップ(TG)が画定され、フレームF11において別のTGが画定されている。各TGは、それぞれのフレームにおけるギャップ又はスペースを規定している。図3に図示されたように、フレームF1からF3、F5からF11及びF12は、その中にTGがない「通常の」フレームである。以下でより詳細に説明する本発明のある実施形態では、単純なSFの低減で要求されるだけパワーを増大させることなしに、結果として得られるTGLが所望の長さに調整されるように、TGがSF低減及びレート・マッチングの組合せによって定義されてもよい。他の実施形態では、アップリンク(又はダウンリンク)制御チャネルのビット(例えば、TFCIビット又はTPCビット)が圧縮モードフレームで反復され、反復されるべきビットはTGの位置及び長さの少なくともいずれかに基づいて選択される。
【0021】
セルラ通信システム/ネットワークでは、異なったタイプのチャネルが利用される。トランスポート・チャネル(TrCH)は通信プロトコルのサービスと見なされ得、エア・インタフェースを介してどのように及びどんな特性データと共に転送されるかによって規定される。2つの代表的なトランスポート・チャネルは、「専用チャネル」と「共通チャネル」である。本発明のある実施形態の例は、CDMAベースの通信ネットワークの圧縮モードにおける、アップリンク及びダウンリンクの少なくともいずれかの専用チャネルの利用に関する。
【0022】
全ての物理チャネルについて正しいわけではないが、専用物理チャネルは通常、無線フレーム及びタイムスロットのレイヤ構造を含んでいる。物理チャネルのシンボルレートに応じて、無線フレーム又はタイムスロットの構造は変化する。本発明のある実施形態における基本的物理通信チャネルのリソースは、拡散コード及び無線周波数によって識別される。加えて、アップリンクで、実数(I)及び虚数(Q)のブランチで異なった情報ストリームが送信されてもよい。結果として、物理チャネルは、特定のキャリア周波数、拡散コード、及び(アップリンクでは)相対位相(0−実数又はπ/2−虚数)に対応し得る。
【0023】
図1(b)は、2つのタイプのアップリンク専用物理チャネル、すなわち、専用物理データ・チャネル(DPDCH)及び専用物理制御チャネル(DPCCH)を示している。図1(b)の各無線フレームは、15のタイムスロット、すなわち、スロット#0からスロット#14を含んでいる。各タイムスロットはビットを収容しているフィールドを含んでいる。タイムスロット当たりのビット数は、物理チャネルによって決定される。ある実施形態におけるDPDCH及びDPCCHは、各無線フレーム内でI/Q符号が多重化されたものでもよい。
【0024】
一般に、アップリンクDPDCH(データ・チャネル)は、レイヤ2及びその上、すなわち専用伝送チャネル(DCH)で生成された専用データを運ぶのに使用される。各レイヤ1接続には、0、1つまたはいくつかのアップリンクDPDCHが存在し得る。
【0025】
アップリンクDPCCH(制御チャネル)は、一般にレイヤ1で生成された制御情報を運ぶのに使用される。レイヤ1の制御情報には、例えば、コヒーレント検出についてのチャネル推定をサポートするパイロット・ビット、送信出力制御(TPC)コマンド、フィードバック情報(FBI)、及びオプションのトランスポート・フォーマット組合せインジケータ(TFCI)の少なくともいずれかを含み得る。アップリンクでは、TFCIビットはBS受信機に、アップリンクで多重化された異なったトランスポート・チャネルの瞬間的パラメータに関して送信された信号を知らせる。
【0026】
図1(b)の各フレームは、例えば、長さ10msで15のタイムスロットに分割されており、各タイムスロットは長さTslot=2560チップであり、1出力制御期間に対応している。図1(b)のパラメータ「k」は、アップリンクDPDCH/DPCCH毎の情報ビット数を決定し、物理チャネルの拡散係数(SF)と、SF=256/2k、のように関係している。DPDCHの拡散係数は、例えば、本発明の様々な実施形態において、256から4までの範囲を取り得る。本発明のある実施形態では、同じレイヤ1接続のアップリンクDPDCH及びアップリンクDPCCHは、異なったレートを使用し得、すなわち、異なったSF及び異なった値のkを取り得る。異なったアップリンクDPCCHフィールド内のビット数(Npilot、NTFCI、NFBI及びNTPC)も接続の間に変化し得る。
【0027】
代表的DPDCHフィールドを以下の表1に記載する。見てわかるように、SFが係数2で低減されたとき、スロット当たりのビット数は2倍になる。フレームの全てのスロットが送信されるとき(すなわち、通常又は非圧縮モードで)も、SFが係数2で削減されるとフレーム当たりのビット数は表1に示されているように2倍になる。しかしながら、後でより詳細に説明するが、TGが設けられる(すなわち、いくつかのアイドル・スロットがある)圧縮モードでは、SFが係数2で低減されると、送信されるスロット当たりのビット数は依然として2倍となるが、TGのためにスロットの全ては送信されないので、フレーム当たりのビット数は2倍にはならない。
【0028】
【表1】
【0029】
アップリンク制御チャネルを参照すると、DPCCHのあるタイプはTFCIビットを含んでおり(例えば、いくつかの同時サービスのため)、他は含んでいない(例えば、固定レートのサービスのため)。このため、後でより詳細に説明する図12に示す表2では、あるフォーマットはTFCIを含んでおり、他は含んでいない。TFCIを使用するスロット・フォーマットでは、各フレームのTFCI値は、現在使用中の複数のTrCHのビットレートの特定の組合せに対応している。この対応は、各TrCHの追加/削除の際に(再度)ネゴシエートされ得る。
【0030】
後でより詳細に説明する本発明のある実施形態は、TFCIビットを含む圧縮モードDPCCHフィールドのフォーマット化(例えば、図12の0A、0B、2A、2B、5A及び5B)に関連している。DPCCHについては、通常のスロット・フォーマットそれぞれについて、2つの圧縮スロット・フォーマットが考えられる。図12ではそれらをA及びBで表わしており、それらの間の選択は、後でより詳細に説明するように、圧縮モードにおいて各フレームで送信されるスロットの数によって決定される(すなわち、TG及びTGLの少なくともいずれかによって決定される)。図12でチャネル・ビット及びシンボルレートは、拡散直後のレートであることに注意されたい。
【0031】
「ダウンリンク」の専用物理チャネルを簡単に説明すると、図2を参照するとダウンリンク専用物理チャネル(ダウンリンクDPCH)として知られている代表的なダウンリンクチャネルが示されている。1つのダウンリンクDPCHの中に、レイヤ2及びその上、すなわち、専用トランスポート・チャネル(DCH)で生成された専用データが、レイヤ1で生成された制御情報(例えば、パイロット・ビット、TPCコマンド、及びオプションのTFCI)と時間多重で送信される。図2に示されたように、ダウンリンクDPCHは、DPDCH及びDPCCHを時間多重したものと見なされ得る。図示されたように、各フレームは長さがTf=10msであり、15のスロットに分割されており、各スロットの長さはTslot=2560チップであり、この実施形態では1出力制御期間に対応している。再度述べるが、あるダウンリンク物理チャネルはTFCIを含んでおり(例えば、いくつかの同時サービスのため)、他は含んでいない(例えば、固定レートのサービスのため)。
【0032】
アップリンク又はダウンリンクの無線フレームはここでは、「通常」又は「圧縮」のいずれかのモードで送信され得る。通常モードでは(例えば、図1(b)及び図2参照)、先に説明したように情報はフレームの全てのスロットで送信される。しかしながら、圧縮モードでは(例えば図3参照)、TGが存在するので情報の送信にスロットの全ては使用されない。例えば、送信用に符号化されたデータ・ストリームを受信したら、そのストリームからのデータの第1の部分は通常モードのフレーム送信によってある時点に送信され得、そのストリームからのデータの第2の部分はTGを含む圧縮モードのフレーム送信によって第2の時点で送信され得る。圧縮モードのTGは、隣接する周波数の測定、制御チャネルの取得、及びハンドオーバ手順の少なくともいずれかなどを実行するために、MSによって利用され得る。
【0033】
図3は(アップリンク又はダウンリンクの)4つのフレームを示しており、各フレームは長さが10msである。4つのフレームのうち3つは通常のパワーの通常モードで送信されており、左から2番目のフレームはパワーが2倍の圧縮モードで送信されている。見てわかるように、送信ギャップ(TG)は圧縮モードのフレーム内に定義されており、該フレームはまた図示されたようにそのフレーム内でパワーが増大される必要がある。図3において、「y」又は垂直軸は図示されたようにパワーを表わし、「x」又は水平軸は時間を表わす。
【0034】
圧縮モードであるとき、通常は10msの間に送信される情報は時間において圧縮される。これを達成するメカニズムは、例えば、ビット冗長度を減少させること(パンクチュアリング)によるレート・マッチング、及び拡散係数SFの低減(例えば、係数2によって)の少なくともいずれかである。このように、圧縮モードでは、圧縮モードのフレームのTG内のスロットNfirstからNlastは、データの送信には使用されない。単一のフレーム内に位置する送信ギャップ(ギャップは固定でも、調整可能でも、他のあらゆるタイプでもよい)の例である図3に示したように、低減された処理ゲインによって影響されない品質(BER、FER、等)を保つために、圧縮モードのフレームでは瞬間的送信パワーが増大される。パワーの増大量は、送信時間短縮方法(すなわち、SF低減又はレート・マッチング)と送信ギャップ長(TGL)によって決定される。
【0035】
図4は、それぞれの中央部分に画定されたTGを有する、圧縮モードにおけるアップリンクDPDCHとアップリンクDPCCHとを示している。見てわかるように、TGの間にはスロットは何も送信されない。
【0036】
図5(a)及び図5(b)は、ダウンリンクの圧縮モード用の2つの異なったタイプのフレーム構造を示している。図5(a)のフレーム構造は送信ギャップ長を最大にしたものであり、図5(b)のフレーム構造は送信制御を最適化したものである。図5(a)のフレーム構造では、送信ギャップ内の最後のスロット(Nlast)のパイロット・フィールドが送信される。送信ギャップの残りの間には送信は何も行われない。図5(b)のフレーム構造では、送信ギャップ内の最初のスロット(Nfirst)のTPCフィールドが送信され、送信ギャップ内の最後のスロット(Nlast)のパイロット・フィールドが送信される。送信ギャップの残りの間には送信はオフにされる。
【0037】
上述のように、(TGが7.5スロットの)圧縮モードを達成するためにSFを単純に係数2で低減することの欠点は、そのためにパワーを係数2で増大させる(すなわち、2倍にする)必要があることである。これはTGが7.5であり、15.0/7.5=2であることによる。その上、圧縮モードを達成するためにレート・マッチングを使用することは、上述のように短いTGに対してのみ有用である。
【0038】
このため、本発明の一実施形態によれば、例えば、アップリンク専用チャネル(例えば、DPDCG)における圧縮モードは、SFの低減(例えば、係数2による)とレート・マッチング(例えば、ビット冗長度を増加させることによる)との組合せによって達成される。係数2でのSFの低減(すなわち、256から128へ)だけでは、物理チャネルのビットレートが2倍で7.5スロットのTGLが得られる。しかしながら、情報ビット・ストリームの冗長度の増大(例えば、レート・マッチングによる)をSFの低減と組合せたとき、TGLは合わされ又は調整され、その結果所望のTGLが達成される。例えば、係数2でのSFの単純な低減は7.5スロットのTGLとなるが、例えば5スロットのより短いTGLを達成するために、増大された冗長度を用いることができる。5スロットのTGL(係数2でのSFの低減と増大された冗長度の組合せ)に対しては、パワー増大の要件は、7.5スロットのTGL(係数2の単純なSFの低減で冗長度を増大させない)よりも小さい。この技術は、DPDCH、DPCCH及び他のあらゆる適切なタイプの物理チャネルの少なくともいずれかに適用できる。DPHCHだけに適用してもよいが、DPCCHに別の圧縮モード技術(おそらくSF低減のない、図7−10及び12に係る技術)を適用してもよい。
【0039】
換言すれば、SF低減は、所望のTGの外部の全てのスロットを充填するための反復(レート・マッチング)と組合せることができる。アップリンクでは、移動体のパワー増幅器はピークのパワーが制限されており、その結果、一定の状況ではパワーをできるだけ低く保つためにできるだけ長い時間に渡って一定のエネルギーを送信し、それによりアップリンクのカバレージを最大にするのが良いであろう。本発明のある実施形態はこれらの目的を達成する。
【0040】
図6は、アップリンク・フレーム内にTGを画定するために、SF低減とレート・マッチングとの両方を共に使用する実施形態のフローチャートを示している。フレームの細分化に続き、81でフレームを圧縮モードのフレームとすべきであると判定された場合、83でレート・マッチング(例えば、ビットの反復)が実行される。SFが所定の係数(例えば2)で低減される予定であることを考慮した上で、TGLを所望の長さに調整するために83でビットの反復が実行される。その後、85のチャネル・マッピングが行われ、87で符号化データが低減された拡散係数を有するシグネチャ・シーケンス又は拡散コードで拡散される(例えば、DS−CDMAによって)。89で所望のTGLを有する圧縮モードのフレームが出力される。
【0041】
ステップ83における増大された冗長度の計算方法は、例えば、図6のレート・マッチングの範囲に関して、以下で説明する本発明のある実施形態に従って実行される。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、圧縮モードのアップリンク制御チャネル(例えば、DPCCH)において、TFCIビットの冗長度も増大されてもよい。圧縮モードでは、TGの間にDPDCH及びDPCCHはオフにされ、このため特にレート・マッチングが使用されるときには、TFCIビットの数が低減され得る。例えば、図4を参照すると、圧縮モードではTGの間にTFCIビットは何も送信されない。TFCIビットは受信機(BS)での検出に重要であり、TFCIビットの広範囲に渡るパンクチュアリングは望ましくない。ダウンリンクのアプリケーションでは、この問題はフレーム形式を圧縮モードに変更することによって対処され得、この結果、TFCIビットはDPCCHの代わりにDPDCHで送信され得る。しかしながら、SFはDPDCH上で変化している(すなわち、SFはDPCCHに対するよりもDPDCHに対して変化する)ので、これはアップリンクのアプリケーションでは現実的でない。TFCIビットが復号されるまでSFは未知である。
【0043】
このため、アップリンクDPDCHの圧縮モードについて考えられる2つの解決策は、(1)係数2によるSFの低減、又は(2)TFCIビットを繰り返すようにDPCCHのフレーム形式を変更することを含んでいる。代案(2)を最初に説明し、その後になぜこれが代案(1)より好ましいのかをいくつかのアプリケーションで説明する。
【0044】
DPCCHについては、圧縮モードでは余分なビットの空きが、例えば、付加的ビット・パンクチュアリングによって生成され得る。本発明の一実施形態では、この余分なビットの空きあるいはスペースが、アップリンクDPCCHの圧縮モード送信でTFCIの冗長度を増大させるのに使用される。冗長なビットが余分なあるいは利用可能なスペースが位置するスロットで送信される。このTFCIビットの増大は、パイロット・ビットなどの他のビットを犠牲にして行われ得る。
【0045】
代表的DPCCHの圧縮モードのフォーマットが図12に示されている。圧縮モードのフォーマットは、例えば、0A、0B、2A、2B、5A及び5Bのフォーマットである。TFCIビットを含むフォーマットだけが、いくつかの実施形態(すなわち、0、2及び5のフォーマット)において圧縮モードで変更される必要があることに注意されたい。
【0046】
一般的に言うと、1つの圧縮モードのフレーム内のアイドル・スロットの数は1から7スロットである。アイドル・スロットは、各フレームにおいてTG内のスロットの数を意味する。ほとんどのアプリケーションでは送信されるスロット当たり所与の数のTFCIビットが必要であり、そのため、例えば、少なくともフレーム当たり30が送信され得る。例えば、フレーム当たり送信されるスロットが15であると、フレーム当たり合計で30のTFCIビットとなるには、スロット当たり2つのTFCIビットが必要であり、フレーム当たり送信されるスロットが13であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり3つのTFCIビットが必要であり(この場合39となる)、フレーム当たり送信されるスロットが11であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり3つのTFCIビットが必要であり(この場合33となる)、フレーム当たり送信されるスロットが10であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり3つのTFCIビットが必要であり(この場合30となる)、フレーム当たり送信されるスロットが9であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり4つのTFCIビットが必要であり(この場合36となる)、フレーム当たり送信されるスロットが8であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり4つのTFCIビットが必要であり(この場合32となる)、以下同様となる。ここでTFCIコードワードは適切な長さのいずれでもよいが、好適な実施形態では30又は32ビットの長さであろう。
【0047】
フレーム当たり13及び14スロットでの送信は一般に、TGが2つの連続するフレームに渡るときだけに行われ、そのため頻繁に起こるとは想定されない。送信されるスロットが13及び14の場合を無視すると、必要とされるより最大で6ビットの余裕がある(フレーム当たり9ビット又は12ビットが送信されると、36ビットが利用可能であり、そのため、36−30=6が利用可能ビットである)。本発明の実施形態によれば、フレーム内の先行するスロットからのTFCIビットがこれら「余分な」ビット領域で繰り返されて送信される。ほとんどの場合、余分なビットの数は制限され(例えば、6以下)、単純な反復方式が効果的に使用され得る。ある実施形態では、TGの直後のスロットはわずかに悪化する出力制御の影響を受け、そのため本発明の好適な実施形態では、これらのスロットのTFCIビットは後のスロット内の余分なビット領域で反復による恩恵を受けると見なされる。
【0048】
図7から10を参照して、広帯域CDMAセルラ電話通信網におけるDPCCHに関して、4つの異なったTFCIビットの反復の例を以下で説明する。TFCIビットはc29、c28、c27、…c0、で表わされ、余分なビットはdD-31、dD-32、dD-33、…d0、で表わされ、「D」は圧縮モードのフレームにおいて利用可能なTFCIビットの数である。TGに続くフレーム内の最初のTFCIビットをcEと称し、E=29−(NfirstNTFCI)mod30、である。このため反復されるビットは、dD-31=cEmod30、dD-32=c(E-1)mod30、dD-33=c(E-2)mod30、K、d0=c(E-(D-30-1))mod30、である。そしてビットckがTFCIフィールドに降順でマッピングされ、続いてdkが降順で、すなわち、c29がフレームの最初のスロットで送信され、d0がフレームの最後のスロットで送信される。従って、以下のように図7から10を参照するとわかるように、TGの直後に続くスロットのTFCIビットcがフレームの後のスロット内で反復される。
【0049】
図7は、スロット0−3(すなわち、フレームの最初の4つのスロット)を占めるTGで、DPCCHが送信される例を示している。このため、約11のスロットがフレーム内で送信される(すなわち、スロット4−15)。先に述べたように、フレーム当たり11のスロットが送信されるとき、スロット当たり3つのTFCIビットが提供され、その結果、そのフレームで利用可能なTFCIビットの合計数は33である(すなわち、D=33)。従って、33−30=3であるので、3つのTFCIビットが反復され得る。図7の例では、E=29−0=29であり、d2=c29,d1=c28,そしてd0=c27である。換言すれば、3つのTFCIビットが図7のフレームの最後のスロットで反復されるが、これら3つの反復されるTFCIビットc29,c28及びc27はフレームの最初に送信されたスロット、すなわち、スロット番号4の最初の3つのTFCIビットである。先に述べたように、フレームの最後の1つ又は複数のスロットで反復されるTFCIビットが、TGの直後に続くTFCIビットとなるように、計算が設定されるが、これはこれらが出力制御の問題の影響を最も受けやすいからである。
【0050】
図8(a)及び8(b)は、DPCCHフレームが、スロット6−9を占めるTGで送信される別の例を示している。このため、約11のスロットがフレーム内で送信される(すなわち、スロット0−5と10−14)。再度述べるが、フレーム当たり11のスロットが送信されるとき、スロット当たり3つのTFCIビットが利用可能であり、その結果、そのフレームで利用可能なTFCIビットの合計数は33である(すなわち、D=33)。従って、図8の例では、E=29−18=11であり、d2=c11、d1=c10、そしてd0=c9である。換言すれば、図8(b)のスロット14で示されるように、3つのTFCIビットが図8のフレームの最後のスロットで反復されるが、これら3つの反復されるTFCIビットc11、c10及びc9はTGに続いて最初に送信されたスロットS10の最初の3つのTFCIビットである。
【0051】
図9は、DPCCHフレームが、スロット10−13を占めるTGで送信される別の例を示している。このため、約11のスロットがフレーム内で送信される(すなわち、スロット0−9と14)。再度述べるが、フレーム当たり11のスロットが送信されるとき、スロット当たり3つのTFCIビットが利用可能であり、その結果、そのフレームで利用可能なTFCIビットの合計数は33である(すなわち、D=33)。従って、図9の例では、E=29−30mod30=29であり、d2=c29、d1=c28、そしてd0=c27である。換言すれば、3つのTFCIビットが図9のフレームの最後のスロットで反復されるが、これら3つの反復されるTFCIビットc29,c28及びc27はフレーム内で最初に送信されたスロットの最初の3つのTFCIビットである。この特定の例では、TGの後のスロットで反復されるべきTFCIビットがないが、これはこのスロットが余分なTFCIビットが利用できる位置にあるからである。換言すれば、本来のTFCIビット全部はスロット1−9で送信され、TGの後に位置するのはない。
【0052】
図10は、DPCCHフレームが、スロット11−14を占めるTGで送信される別の例を示している。このため、約11のスロットがフレーム内で送信される(すなわち、スロット0−10)。再度述べるが、フレーム当たり11のスロットが送信されるとき、スロット当たり3つのTFCIビットが利用可能であり、その結果、そのフレームで利用可能なTFCIビットの合計数は33である(すなわち、D=33)。従って、図10の例では、E=29−33mod30=26であり、d2=c26、d1=c25、そしてd0=c24である。換言すれば、3つのTFCIビットが図10のフレームの最後のスロットで反復されるが、これら3つの反復されるTFCIビットはc26、c25及びc24である。
【0053】
図12は、本発明の様々な実施形態による様々なDPCCHスロットのフォーマットの例を示している。TFCIを含む0、2及び5のフォーマットを見るとわかるように、フレーム当たりのTFCIビットの数は、上記で説明した計算方法に従って、フレーム当たりに送信されるスロットの数で決定される。例えば、フレーム当たり10−13のスロットが送信されるフォーマット0Aでは、フレーム当たり3つのTFCIビットが送信され、フレーム当たり8−9のスロットが送信されるフォーマット0Bでは、受信機に常にフレーム当たり少なくとも30(あるいはTFCIコードワードの実質的部分を満たすのに十分なあらゆる数)のTFCIビットが送信されるように、フレーム当たり4つのTFCIビットが送信される。図7−10及び12では、好ましくはTGがレート・マッチングで(SFの低減ではなく)達成されることに注意されたい。
【0054】
DPCCHにおいて圧縮モードを達成する、上記で代案(2)として示した別の考えられる方法は、SF低減によるものである。これはTFCIフィールドを含む全てのDPCCHフィールドで、ビットの数が2倍となる。SFが係数2で低減されるとき、少なくともTFCIフィールドではパワーも2倍とされる必要があるが、これは半分の数のスロット(TGL=7.5)で同じ量の情報を送信する必要があるからである。対照的に、所望の長さのTGL(すなわち、7.5スロット未満)を画定するためにレート・マッチングを使用するとき、上記のように余分なTFCIビットのための空きがあり、パワーは同じだけ増大される必要がない。
【0055】
代案(1)のようにDPCCHのSFが係数2で低減された場合、TFCIを含む各フレームのフォーマットに追加フレーム・フォーマット1つだけが必要である。この追加のフレーム・フォーマットは、各フィールド内のビット数を2で乗算することによって元のものから求められる。その代わり、TFCIフィールドを有する各フレームのフォーマットに2つの追加フレーム・フォーマットが追加される場合、記憶のためにより多くのメモリが必要となるが、出力パワーの増大は小さくなる。SF低減に対してはDPCCHのパワーは2倍にする必要があるが、これは各スロットで2倍の量のTFCIビットが送信されるからである。
【0056】
図7−10及び12の代案(2)によって、TFCIフィールドは、例えば、パイロット・フィールドを犠牲にして拡張され、パイロット・パワーの合計が略一定となるように必要なパワーだけが増大される。非圧縮(通常)モードのパワーがPであると、上記の図12のフォーマット0Aに対してパワーを6/5Pまで増大させる必要がある(フォーマット0に対するフォーマット0Aのパイロット・ビットの比較)。これをSF低減方法のパワーの2倍の増大と比較する。DPCCHのパワーは、よりビットレートの低いCCTrCHに対するDPDCHのパワーより3dB小さい程度となるよう要求されている。3つのアイドル・スロットを有する図12のフォーマット0Aについての2つの方法での合計パワーの差(DPCCHについてのSF低減に対する、DPCCHについての図12のタイプのフォーマット変更)は、本願に参照によって組み込む仮出願に記載されているように、0.85dBと計算されるであろう。この値は最大利得に対応する。アイドル・スロットの数が多く、パイロットが短いフォーマットについては、この差は小さくなるであろう。4つのアイドル・スロットを有する図12のフォーマット2Bでは0.3dBとなる。
【0057】
圧縮モードにおけるDPDCHとDPCCHとの間のパワーの関係は、フレーム・フォーマットの変更がパワーで補償されるので、3dBではない。TPCビットの増大されたパワーは、ある意味でいくつかのTFCコマンドの損失を補償し得る。ビットレートの高いCCTrCH(DPDCHとDPCCHとの間に大きなパワーの差がある)に対して計算されるパワーの節約は小さくなることに注意されたい。しかしながら、ビットレートの低いCCTrCHに対する利得は、大きく有益であり、そのためSFが低減される必要のない、図7−10及び12に示したDPCCHのフォーマット変更(代案(2))の利点が明らかとなる。上述のように、同じ送信においてDPDCHに対してSFは低減されるがDPCCHに対しては低減されない。すなわち、SFは両方のチャネルで同じではない。
【0058】
本発明の代表的かつ非限定的な実施形態によって、MSからBSへのアップリンク圧縮モード通信がどのように行われるのかを以下の本発明の実施形態で説明する。
【0059】
図13(a)は、アップリンク通信に対する多重化及びチャネル符号化を示す、ブロック図/フローチャートである。転送ブロックの情報ビットaim1、aim2、aim3、…、aimAiがレイヤ1に送られるが、ここでAiはTrCHiの転送ブロックの長さであり、mは転送ブロック番号である。巡回冗長検査によって転送ブロックについての誤り検出が提供される。このため、巡回冗長コード(CRC)が21で添付される。CRCは24、16、12、8又は0ビットでよく、各TrCHに対する所望の長さがより高位から信号送信される。
【0060】
転送ブロックの連結23に入力されるビットは、bim1、bim2、bim3、…、bimBiであり、ここでiはTrCH番号、mは転送ブロック番号、Biは各ブロック内のビット数である。転送ブロック連結からのビット・シーケンスの細分化が実行され、その結果、細分化後の符号ブロックは同じサイズになる。
【0061】
符号ブロックはチャネル符号化ブロック25に送出される。これらはoir1、oir2、oir3、…、oirKiと表示され、ここでiはTrCH番号、rは符号ブロック番号、そしてKiは各符号ブロック内のビット数である。符号化されたブロックは連続して多重化され、その結果、添え字rが最も小さいブロックがチャネル符号化ブロックから最初に出力される。出力ビットは、ci1、ci2、ci3、…、ciEiであり、ここでiはTrCH番号でEiはビット数である。本発明の異なった実施形態では25で、畳み込み符号化(例えば、レート1/2又は1/3)、ターボ符号化(例えば、レート1/3)が実行されるか、チャネル符号化が何も実行されなくてもよい。
【0062】
無線フレームサイズ等化器27は、出力が同じサイズのデータ・セグメントに細分化され得ることを保証するため、入力ビット・シーケンスに詰め物をする。等化ブロック27からの出力ビット・シーケンスは、ti1、ti2、ti3、…、tiTiであり、ここでiはTrCH番号でTiはビット数である。
【0063】
第1インターリービング29は、カラム間置換(inter-column permutations)を伴うブロック・インターリーバを利用できる。第1インターリービングからのビット出力は、di1、di2、di3、…、diTiで表わされる。
【0064】
送信時間間隔が10msより長いとき、31への入力ビットのストリームあるいはシーケンスは、細分化され連続した無線フレームにマップされる。ni番目のセグメントは送信時間間隔(TTI)におけるni番目の無線フレームにマップされる。無線フレームniに対応する出力ビット・シーケンスは、ei1、ei2、ei3、…、eiNiであり、ここでiはTrCH番号でNiはビット数である。
【0065】
レート・マッチング・ブロック33では、トランスポート・チャネル上のビットが反復あるいはパンクチュアされる。アップリンクでビット冗長度の増大又は減少が実行されるのがここである。高位のレイヤが各トランスポート・チャネルTrCHに対してレート・マッチングの属性を割り当てる。この属性は半固定であり、高位レイヤのシグナリングによって変更可能である。レート・マッチングの属性は、反復される又はパンクチュアされるべきビット数を計算するときに使用される。TrCH上のビット数は、異なった送信時間間隔の間で変化し得る。アップリンクにおける異なった送信時間間隔の間でのビット数が変更されたとき、TRCH多重化後のビットレートの合計が、専用物理チャネルに割り当てられたチャネルのビットレートの合計と等しくなるのを保証するために、ビットは繰り返される(すなわち、反復)かパンクチュアされる。レート・マッチング・ブロック33はレート・マッチング・アルゴリズム35によって制御される。ある実施形態では、レート・マッチング・パラメータを計算するときに、以下の関係が利用され得る。
【0066】
【数1】
【0067】
ここでアップリンクについてのNijは、トランスポート・フォーマットの組合せjでのTrCH上iのレート・マッチング前のフレーム内のビット数であり、Zijは中間計算変数であり、ΔNijがアップリンクで正であると、トランスポート・フォーマットの組合せjでのTrCHi上の各無線フレームで繰り返されるべき(すなわち、反復)ビット数を表わし、アップリンクで負であると、トランスポート・フォーマットの組合せjでのTrCHi上の各フレームでパンクチュアされるべきビット数を表わし、Ndata,jはトランスポート・フォーマットの組合せjでのフレーム内でCCTrCHに利用できるビット数の合計であり、RMiは高位レイヤから信号送信されたトランスポート・チャネルiに対する半固定のレート・マッチングの属性であり、IはCCTrCH内のTrCHの数である。
【0068】
アップリンク通常モードでは、CCTrCHのビットレートをPhCHのビットレートと合わせるために、パンクチュアリングが適用されてもよい。しかしながら圧縮モードでは、上述のように、係数2でのSF低減だけが使用されたと仮定すると、TGLを7.5スロットの値から短くするように、冗長性(又はパンクチュアリングの減少)がもたらされる。これが、TGLを特定のデータ・アップリンク・チャネルで調整するために、SFの低減と組み合わされるレート・マッチングが実行される理由である。
【0069】
各TrCHiに対して1つの無線フレーム内で繰り返されるあるいはパンクチュアされるビット数ΔNijは、あり得る全てのトランスポート・フォーマットの組合せj及び選択された無線フレームそれぞれについて式(1)で計算される。DPDCHに対する圧縮モードはSFの低減とレート・マッチングの組合せによって達成され得るが、DPCCHに対する圧縮モードはレート・マッチング(パンクチュアリング)だけを用いて達成され得るので、DPDCHとDPCCHとに対して異なったレート・マッチングが実行されてもよいことに注意されたい。
【0070】
圧縮モードでは、チャネル(例えば、DPDCH)に対してSF低減がレート・マッチングと組み合わされる本発明の上述の実施形態では、式(1)でNdata,jはNcm data,jで置き換えられる。この式の変更により、所望される実際のTGLはSF低減(例えば、係数2による)とレート・マッチング・ブロック33の組合せによって達成され得る。値Ncm data,jは、少なくとも拡散係数を低減する圧縮モードについて式、Ncm data,j=2Ndata,j−2NTGL、から求められ、NTGLは、以下の式で計算される。
【0071】
【数2】
【0072】
ここで、Nfirstは送信ギャップ(TG)内の最初のスロットであり、NlastはTG内の最後のスロットであり(NlastはNfirstと同じフレーム内のスロット又はNfirstを含むスロットの直後に続くフレーム内のスロットのいずれかである)、TGLは連続する空のスロットの数で表わされる送信ギャップ(TG)の長さである(0<=TGL<=14)。
【0073】
代わりに、式(2)−(4)が以下の通りであっても同様の効果が得られる。
【0074】
【数3】
【0075】
なお、参照によって本明細書に組み込む親の仮出願で説明しているように、Ncmdata,j=2Ndata,j−NTGL、である。
【0076】
いずれの場合にも、所望のTGLが得られるように冗長度を調整するために、Ndata,jをNcm data,jに変更する。先に示したように、SFを係数2で低減することによりビットレートが2倍になっているので、Ndata,jを2倍にする。そしてそこからTGの書も追うのTGLに対応するビット数を減算する。得られた値Ncm data,jが式(1)に代入され、その結果、冗長度が増大され(下記参照)、所望のTGLが達成される。
【0077】
ΔNijが0である場合(圧縮モード又は通常モードのいずれかで)、レート・マッチングの出力データは入力データと同じになり、レート・マッチング・アルゴリズム35を実行する必要がない。ΔNij≠0である場合、無線フレームが圧縮されているかどうかに関係なく、eini、eplus及びeminusの少なくともいずれかが求められ、ここでeiniはレート・マッチング・パターン決定アルゴリズム35における変数eの初期値であり、eplus及びeminusはそれぞれeの増分値及び減分値を表わしている。そのため、ΔNij≠0であるとき、それに応じて変数eが増加又は減じて調整され、レートが所望のレートに合わされ得る。そして圧縮モードではその結果TGLが所望の長さに調整され得る。例えば、ΔNij<0であればパンクチュアリングが、それ以外では反復が実行され得る。反復が実行される特定の実施形態では、繰り返されるビットは元のビットの直後又は他の好適な位置に配置され得る。
【0078】
特定の実施形態では、レート・マッチング・パターンを決定するのに以下のようなレート・マッチング機能が実施され得る。
【0079】
if puncturing is to be performed
e=eini --現在及び所望のパンクチュアリング・レシオとの間の初期エラー
m=1 --現在のビットのインデックス
do while m<=Xi
e=e−eminus --エラー更新
if e<=0 then --ビット番号mをパンクチュアすべきかチェック
set bit xi,m to δ where δ∈{0、1}
e=e+eplus --エラー更新
end if
m=m+1 --次のビット
end do
else
e=eini --現在及び所望のパンクチュアリング・レシオの間の初期エラー
m=1 --現在のビットのインデックス
do while m<=Xi
e=e−eminus --エラー更新
do while e<=0 --ビット番号mを繰り返すべきかチェック
repeat bit xi,m
e=e+eplus --エラー更新
end do
m=m+1 --次のビット
end do
end if
レート・マッチング・アルゴリズムの更なる詳細については、例えば、参照によりその全体を本明細書に組み込む、3GPP Organization Partners, 650 Route des Lucioles-Sophia Antipolis, Valbonne, France から入手可能な、Technical Specification 3G TS 25.212 V3.1.0(1999-21), 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Multiplexing and channel coding (FDD) からわかるであろう。また、www.3gpp.org も参照されたい。
【0080】
10ms毎に各TrCHから1つの無線フレームがTrCH多重化37に送出される。これらのフレームは、符号化複合トランスポート・チャネル(CCTrCH)にシリアルに多重化される。TrCH多重化へのビット入力は、fi1、fi2、fi3、…、fiViであり、ここでiはTrCH番号でViはTrCHiの無線フレーム内のビット数である。TrCH多重化からのビット出力は、s1、s2、s3、…、ssであり、ここでsはビット数である。
【0081】
1つより多いPhCHが使用されるとき、物理チャネル細分化39は異なったPhCH内のビットを分割する。物理チャネル細分化へのビット入力は、s1、s2、s3、…、ssである。物理チャネル細分化後のビットは、up1、up2、up3、…、upUであり、ここでpはTrCH番号でUは各TrCHの1つの無線フレーム内のビット数である。
【0082】
第2インターリービング41は、カラム間置換を伴うブロック・インターリーバである。第2インターリーバへのビット入力は、up1、up2、up3、…、upUであり、ここでpはTrCH番号でUは1つのTrCHの1つの無線フレーム内のビット数である。
【0083】
第2のインターリービング41に続き、ビット、vp1、vp2、vp3、…、vpUが物理チャネル・マッピング43に入力され、ここでここでpはTrCH番号でUは1つのTrCHの1つの無線フレーム内のビット数である。ビットvpkは、各PhCHに対してビットがk(ビット番号)に関して昇順で空気を介して送信されるように、複数のPhCHにマップされる。
【0084】
圧縮モードでは、PhCHの特定のスロットにマップされるビットはない。Nfirst+TGL≦15の場合、スロットNfirstからNlastにマップされるビットはない。Nfirst+TGL>15、すなわち、送信ギャップが2つの連続する無線フレームに渡る場合、マッピングは以下のようになる。
【0085】
−最初の無線フレームでは、スロットNfirst、Nfirst+1、Nfirst+2、…、14にマップされるビットはない。
【0086】
−2番目の無線フレームでは、スロット0、1、2、…、Nlastにマップされるビットはない。
【0087】
上述のように、トランスポート・フォーマットの検出が、トランスポート・フォーマット組合せインジケータ(TFCI)有無の両方で実行され得る。TFCIが送信される場合、受信機はTFCIからトランスポート・フォーマットの組合せを検出する。しかしながら、TFCIが何も送信されないとき、受信機は例えば、DPDCHに対するDPCCHの受信パワー・レシオなどの何らかの情報を用いて、トランスポート・フォーマットの組合せを検出してもよい。
【0088】
好ましくは、TFCIビットは受信機にCCTrCHのトランスポート・フォーマットの組合せを通知する。TFCIが検出されるとすぐに、トランスポート・フォーマットの組合せ、そして個々のトランスポート・チャネルのトランスポート・フォーマットがわかり、トランスポート・チャネルの符号化が実行され得る。
【0089】
ある実施形態では、TFCIビットは2次のリード−ミュラー符号(Reed-Muller code)のサブセット(32,10)を用いて符号化される。TFCIが10ビット未満で構成される場合、最上位のビットを0に設定して、10ビットまで0が詰め込まれてもよい。ある実施形態ではTFCIコードワードの長さは32ビットである。
【0090】
非圧縮モードでは、TFCIのコードワードは無線フレームのスロットに直接マップされる。符号化ビットbkは式、dk=bk mod32、に従って送信されるTFCIビットdkにマップされる。アップリンク物理チャネルについては、SF及びダウンリンク物理チャネルに関係なしに、SF≧128であれば、k=0、1、2、…、29である。これはビットb30及びb31が送信されないことを意味することに注意されたい。SF<128のダウンリンク物理チャネルについては、k=1、2、…、129である。これはビットb0からb23が4回送信され、ビットb24からb31が3回送信されることを意味することに注意されたい。
【0091】
圧縮モードでのTFCIビットのマッピングは、アップリンク、SF≧128のダウンリンク及びSF<128のダウンリンクで異なる。アップリンクの圧縮モードについては、上述のようにDPCCHに関してTFCIビットが何も損失されないようにスロット・フォーマットが変更される。圧縮モードでの異なったスロット・フォーマットは、あり得る全てのTGLに対するTFCIビットの実際の数とは一致しない。そのため、図7−10及び12に関して先に説明したように、TFCIビットの反復が使用される。1つの圧縮無線フレームのTFCIフィールドで利用可能なビット数はDであり、スロット内のTFCIフィールドのビット数はNTFCIである。ビットEは繰り返されるべき最初のビットであり、E=NfirstNTFCIである。Nlast≠14の場合、EはTGの直後のスロット内の最初のTFCIビットの数に対応する。そして以下の関係でマッピングを定義する。すなわち、
dk=bk mod32ただし、k=0、1、2、…、min(31、D−1)である。
【0092】
D>32であれば、残りの位置は反復によって充填され(逆の順番で)、
dD-k-1=b(E+k) mod32ただし、k=0、…、D−33である。また、図7−10及び12に関して先に示した式を、どのTFCIビットがフレーム内で繰り返されるのかを決定するのに用いることができる。
【0093】
送信ギャップ(TG)は、中間周波数パワーの測定、他のシステム/キャリアの制御チャネルの取得、及び実際のハンドオーバ動作などのために、固定位置と調整位置の両方に配置され得る。単一フレーム方式(すなわち、図13(b)の「S」)を用いるとき、固定送信ギャップは送信ギャップ長(TGL)に応じて(例えば、図3−5参照)、圧縮フレーム内に配置される。ダブルフレーム方式(すなわち、(x、y)の「x」が第1フレーム内のアイドル・スロットの数を示し、「y」が第2のフレーム内のアイドル・スロットの数を示している、図13(b)の「D」)を用いるとき、固定送信ギャップは2つの接続されたフレームの中央に位置する。送信ギャップが2つの連続する無線フレームに渡るようなとき、各無線フレーム内の少なくとも8つのスロットが送信されるように、NfirstとTGLが選択される。代替的に、送信ギャップの位置を、例えば、データ取得などのある目的のために調整可能/再配置可能にできる。
【0094】
図14を参照すると、アップリンクの物理チャネルに拡散が適用される。ある好適な実施形態では、情報を5MHzの帯域幅に渡って拡散するのに直接拡散の符号分割多元接続(DS−CDMA)技術が使用され得るが、本発明の他の実施形態では他のタイプの拡散が使用されてもよい。
【0095】
信号の帯域幅を増大させるようにデータ・シンボルがいくつかのチップに変換される、チャネリゼーション演算が実行される。データ・シンボル当たりのチップの数が拡散係数(SF)である。その後、拡散された信号にスクランブル・コードが適用される、スクランブル化演算が実行される。チャネリゼーションでは、いわゆるI及びQブランチのデータ・シンボルは、OVSFコードで独立に多重化される。スクランブル化演算により、I及びQブランチで得られた信号が、複素値のスクランブル・コードで更に多重化される。ここでI及びQは実数部及び虚数部をそれぞれ表わしている。
【0096】
図14をより詳細に参照すると、DPDCH及びDPCCHのアップリンクの拡散が示されている。拡散されるべき2値のDPDCH及びDPCCHが実数値のシーケンスによって表わされており、すなわち、2値の「0」は実数値+1にマップされ、2値の「1」は実数値−1にマップされている。DPCCHは51でチャネリゼーション・コードccによってチップレートに拡散され、DPDCHnで表わされるn番目のDPDCHは53で、例えば拡散回路によってチャネリゼーション・コードcd,nによってチップレートに拡散される。各コードは異なっている。1つのDPCCHと最大6つの並列なDPDCHとは同時に送信され得、すなわち、本発明の様々な実施形態において、0≦n≦6である。上述のように、本発明の様々な実施形態において、DPDCH及びDPCCHは、同じ又は異なった拡散係数を用いて拡散されるであろう。
【0097】
チャネリゼーションの後、実数値で拡散された信号は55で、DPCCHについてはβc、全てのDPDCHについてはβdである、利得係数によって重み付けされる。それぞれの所与の時点において、βc及びβdの少なくとも1つは1.0の大きさである。βの値は4ビットワードに量子化されてもよい。
【0098】
55の重み付けの後、I及びQブランチの実数値のチップのストリームは57で加算され、チップの複素値のストリームとして処理される。そしてこの複素値の信号は、ロング又はショートのスクランブル・コードのどちらが使用されるかに応じて、59で複素値のスクランブル・コードSlong,n又はSshort,nでスクランブルがかけられる。スクランブル・コードはフレームと合わせられ、すなわち、第1のスクランブル・チップはフレームの開始に対応している。アップリンクでは、図14の拡散処理で生成された複素値のチップ・シーケンスは、例えば、3.84Mcpsの変調チップレートで、図15に示したように、QPSK又はそれ以外で変調される。
【0099】
拡散されて変調された後、アップリンクのDPDCH及びDPCCHは、本発明のある実施形態では、MSからBSへなどのように送信される。上記から明らかなように、本発明のある実施形態では、MSは圧縮モードの複合信号をBSへ送信し、先に説明したように、DPDCHにおけるTGはSF低減及びレート・マッチングの組合せによって達成され、図7−10及び12に関して説明したように、DPCCHにおけるTGはレート・マッチングだけによって達成される。本発明の他の実施形態では、DPDCH及びDPCCHの両方は、両方におけるTGがSF低減及びレート・マッチングの組合せによって達成され、複合信号によって圧縮モードでMSからBSへ送信され得る。更に他の実施形態では、DPDCH及びDPCCHの両方は、両方におけるTGがレート・マッチングによって達成され、複合信号によって圧縮モードでMSからBSへ送信され得、この場合、図7−10及び12のいずれかのように、制御チャネル内でTFCIビットが繰り返される。
【0100】
図19は、ここでのCDMA信号のいずれかを受信する代表的受信機を示している。例えば、信号がMSからBSへ送信されるアップリンクでは、受信機はBSに位置している。受信機は、受信したCDMA信号を逆拡散するのに、局所的に生成されたコード・シーケンス203を用いてコヒーレント復調201を使用してもよい。受信した信号のコードと局所的に生成したコード203とは、トラッキング/同期装置205によって、信号受信の開始のときに同期が達成され信号全体が受信されるまで同期が維持されて同期させられる。復調器201による逆拡散の後、データ変調された信号207が得られ、データ復調器209によるデータの復調の後、元のデータが再現され得る。
【0101】
ダウンリンクについて、図16は行われる特定のステップを示しており、図17−18は特定のダウンリンク物理チャネルに対する拡散演算を示している。図17−18をより詳細に参照すると、2つの連続するシンボルの対それぞれは、最初にシリアルからパラレルに変換され、71でI及びQブランチにマップされる。マッピングは、偶数及び奇数の番号のシンボルが、I及びQブランチにそれぞれマップされるようなものである。そしてI及びQのブランチは、73で実数値のチャネリゼーション・コードによってチップレートに拡散される。チャネリゼーション・コードはアップリンクで使用されるものと同じ、すなわち、直交可変拡散係数(OVSF)コードである。そしてI及びQのブランチの実数値のチップのシーケンスは、単一の複素値のチップのシーケンスとして処理される。チップのシーケンスには複素値スクランブル・コードによってスクランブルがかけられる(例えば、複素チップ型の乗算;complex chip-wise multiplication)。
【0102】
図18は、異なったダウンリンク・チャネルがどのように組み合わされるのかを示している。図17の点Sに対応する複素値で拡散されたチャネルそれぞれは、重み付け係数Giで別々に重み付けされる。オプションで、P−SCH及びS−SCHなどの特定の複素値チャネルが、重み付け係数Gp及びGsで別々に重み付けされてもよい。そして全てのダウンリンク物理チャネルは、77で複合加算を用いて組み合わされる。
【0103】
ダウンリンク圧縮モードでは、TGを形成するのに単純なSF低減が使用されると、TGLが必要以上に長くなることが多い。TGの間にはパイロット及びTPCコマンドは何も送信されず、性能の損失となり得る。このため、本発明のある実施形態では、測定に使用されない全てのスロットでパイロット及びTPCコマンドを送信することによって、このような損失の可能性が最小とされる。換言すれば、TPC、PL及びTFCIの少なくともいずれかの送信は、出力制御能力の低下による損失を最小とするために、できるだけ多くの部分で行われるようにすべきである。このように、TPC、TFCI及びパイロットの少なくともいずれかは、送信ギャップ内にない全てのスロットで送信されてもよい(アップリンク及びダウンリンクの両方について)。
【0104】
以下の例は、どのようにして情報がフレームの一部で送信され、制御情報がそのフレームの大部分で送信されるのかを示している(すなわち、制御情報は送信されている情報又はデータのビット内に送信ギャップがあるときにも積極的に送信され得る)。例えば、要求された送信ギャップが4スロットだけであると想定する。係数2での拡散係数の低減を想定すると、情報/データのビットは7.5(8と同様)スロットで送信されるであろう。しかしながら、制御(例えば、TFCI、TPC)情報はフレームの11スロット(15−4=11)で送信され得る。
【0105】
その上、ダウンリンクの圧縮モードでは(SF低減又はパンクチュアリングのいずれかによって)、スロット・フォーマットは変更され、その結果TFCIビットは全く失われない。圧縮モードにおける様々なスロット・フォーマットは、考えられる全てのTGLに対するTFCIビットの正確な数には適合しない。そのため、TFCIフィールドの数がTFCIビットの数を越えると、DTX(間欠伝送インジケータ)が使用される。DTXが使用されるフィールドのブロックは、ギャップの後の最初のフィールドから始まる。ダウンリンクでは、無線フレームをビットで充填するためにこのようなDTXが使用される。これはアップリンク及びダウンリンクに適用できる。
【0106】
例えば、最後のTFCIフィールドの半分(図11のスロット14を参照)が、図11に示すようにDTXビットで充填される(空のフィールドはDTXビットを表わしている)。SFを係数2で低減するとき、このようなDTXは得られるスロットの半分に相当する。
【0107】
ギャップの後のTFCIフィールドがDTXビットよりも少なければ、ギャップの前の最後のフィールドもまたDTXで充填される。1つの圧縮無線フレームで利用できるTFCIフィールドの数はDであり、スロット内のTFCIフィールドのビット数はNTFCIである。また、ビットEは繰り返される最初のビットであり、E=NfirstNTFCIである。Nlast≠14であれば、EはTGの直後のスロット内の最初のTFCIビットの数に相当する。送信されるべきTFCIビットの合計数はNtotである。SF≧128であれば、Ntot=32であり、そうでなければNtot=128である。そして、以下の関係でマッピングを定義する。すなわち、
dk=b(k mod32)、ただし、k=0、1、2、…、min(E,Ntot)−1であり、E<Ntotであれば、
dk+D-Ntot=b(k mod32)、ただし、k=E、…、Ntot−1、である。
【0108】
DTXビットは、dkで送信され、k=min(E,Ntot)、…、min(E,Ntot)+D−Ntot−1、である。
【0109】
本発明を現在最も実用的で好適と考えられる実施形態に関して説明したが、本発明は開示された実施形態に限定されるものと解釈すべきではなく、特許請求の範囲に包含される様々な変形及び等価な構成、並びに実施形態をカバーするものと理解されたい。
【技術分野】
【0001】
本出願は、1999年9月28日に提出された米国仮出願60/156、431号の優先権を主張するものであり、参照によりその開示内容全部(全ての添付物を含む)は本願に組み込まれる。加えて、本願は同じ出願人が所有する米国特許5、533、011号及び5、883、899号と、1998年11月3日に出願された米国特許出願09/185、395号に関連しており、これらの全ては参照により全体が本願に組み込まれる。
【0002】
本発明は、例えば、符号分割多元接続(CDMA)などのスペクトル拡散技術のセルラ無線通信システムにおける利用に関する。より詳細には、本発明は、そのようなシステムにおいて移動局と基地局との間のアップリンク及びダウンリンクの少なくとも一方で圧縮モードが使用され得る方法及び装置/システムに関する。
【背景技術】
【0003】
図1(a)に示されているように、セルラ通信ネットワークは一般に、複数の基地局(BS)101を含んでおり、該基地局によってそれぞれの移動局(MS)103とのエア・インタフェースを介した移動体接続102が確立される。基地局101は地上回線によって無線ネットワーク・コントローラに接続されていてもよく、該無線ネットワーク・コントローラは地上回線によって移動交換局(MSC)107あるいは他の交換ノードに接続されていてもよい。MSC107は通常は、例えばゲートウェイを介して、公衆交換電話網(PSTN)などの他の電気通信ネットワークに接続されている。
【0004】
RNC109の拡張端末(ET)109は、地上回線又はリンク111によって基地局101へのATM(非同期転送モード)接続を形成するのに使用される。各基地局101は、例えば、基地局コントローラ113、同期を提供するためのスレーブ・タイミング・ユニット115、及びATM交換ユニット117を含み、各RNCは当該技術において知られているように、マスター・タイミング・ユニット119、ダイバーシティ・ハンドオーバ・ユニット121、及びATMスイッチ117を含むであろう。
【0005】
過去には、そのようなネットワークのMSとBSとの間の通信は、周波数分割多元接続(FDMA)及び時分割多元接続(TDMA)方式の少なくともいずれかを用いて達成された。FDMAでは、通信チャネルは単一の無線周波数帯域であり、その中に信号の送信パワーが集められる。隣接チャネルとの干渉は、ほぼ指定された周波数帯域内にある信号だけを通過させる帯域通過フィルタによって制限される。各チャネルには異なった周波数帯域が割り当てられているので、FDMAシステムの容量は、利用できる周波数の数並びに周波数の再利用に課せられた制限によって限定される。周波数ホッピングを用いないTDMAシステムでは、チャネルは同じ周波数帯域上の時間間隔の周期的な列内のタイムスロットから構成されるであろう。FDMA及びTDMAシステムでは、干渉する可能性のある2つの信号に、同時に同じ周波数を利用させるのは望ましくない。対照的に、CDMAは、周波数及び時間において信号がオーバーラップするのを許容するスペクトル拡散変調を使用する接続技術である。
【0006】
各BSは「セル」を画定し、セル内では該BSとセル内に位置する複数の様々なMSユニット(例えば、セルラ電話、ページャ等)との間で通信が行われ得る。隣接するセルは、しばしば互いにオーバーラップすることがある。「アップリンク」通信はMSからBSへの通信であり、「ダウンリンク」通信はBSからMSへの通信である。CDMAシステムにおいても、異なった周波数で異なったタイプのセルが動作することがある。MSのユーザが動き回るとMSユニットはあるセルから別のセルへと比較的頻繁に移動することとなるので、異なったセル間、従って異なった周波数間でハンドオーバ手順がサポートされる必要があり、これによりセル間を移動するMSユニットはネットワーク内での連続したサポートを受けられる。
【0007】
複数のハンドオーバの候補から、どの新たな周波数及びセルの少なくともいずれかを選択すべきかを決定するための、従来の技術がいくつかある。ある場合には、MSユニットが最良のハンドオーバ候補(及び関連する新たな基地局)を決定するのを補助するであろう。このような補助には、MSが周期的にあるいは要求に応じていくつかの候補周波数それぞれについての測定を行い、いくつかの基準(例えば、最も強いRSSI、最良のBERなど)に基づいて最良のハンドオーバ候補を決定するのを補助することが含まれるであろう。
【0008】
そのために、MSユニットがアップリンク送信周波数に近い周波数を(例えば、ハンドオーバのために)効率的にモニタできるようにする必要がある。1つの方法は、「圧縮モード」タイプの送信を用いることである。圧縮モードでは、送信されるフレームにスペースあるいは送信ギャップ(TG)を作るために、符号化レートの増大又は拡散係数(SF)の低減のいずれかが使用されることがある。符号化レートは送信された各情報ビット毎の冗長ビットの数で表わされ、SFは当業者には理解されるであろうが、拡散符号の長さで表わされる。TGを画定するアイドル・スロットは、合計が送信ギャップ長(TGL)となる。代表的な圧縮モードのフレームが、図3−5に示されている。無線フレーム・スロットのTGは、ユニットがアイドル時間を、例えば、他の周波数のモニタや他のタスクを実行するのに使用できるので有用である。
【0009】
SFを低減することによる圧縮モードは、物理チャネルのビットレートを増大させることとなるが、情報レートはほぼ一定のままである。SFが係数2で低減されたとき、物理チャネル(PhCH)のビットレートは2倍となる。フレーム内の全てのスロットが情報レートでの情報をその中に有する、通常の送信における通常のSFと比べて、SFは係数2で低減される。しかしながら、SFが低減されるとき、パワーは増大させる必要がある。例えば、SFが係数2で低減されたとき、図3に示したようにエネルギーを一定にするために、パワーを係数2で増大させることが必要となる。
【0010】
15のスロットを有するフレームの例を想定すると、SFを係数2で単純に低減すると7.5スロットのTGLとなる。このようなTGLは必要以上に長くなることが多く、ある種のアプリケーションでは所望するよりもピーク出力パワーが大きく、例えばパワーが2倍となる。そのようなパワーの増大をより低いレベルに保つのが好ましい。
【0011】
拡散係数(SF)を低減するのに加えて、例えば、付加的なパンクチュアリング(puncturing;すなわち、一定の冗長ビットの削除)によってトランスポート・チャネル(TrCH)の符号化レートを上昇させる、レート・マッチングによっても圧縮モードは達成され得る。これは送信されたビットの冗長度を減少すること(すなわち、ビットがパンクチュアリングされる)によって達成されるであろう。レート・マッチングによる圧縮モードは一般に冗長度が減少される、すなわち、ビットがパンクチュアリングされることを意味するが、物理チャネルのビットレートは変更されない。そして減少された冗長度を補償するためにパワーが増大される。例えば、通常モードでは、フレーム毎に15のスロットが送信され、圧縮モード送信では11のスロットだけが存在するかもしれない。この圧縮モードでは、TGLは4スロットである。このようにパワーはエネルギーを一定に保つため、15/11の係数で増大される。残念ながら、このレート・マッチング技術は短いTGを得るには最も適しているが、1/2のレートで符号化されたTrCHに過度のパンクチュアリングを適用すると性能が劣化することとなる。
【0012】
本発明の目的は、CDMAのアプリケーションにおける改良した圧縮モードのシステム/方法を提供することである。フレーム送信にスペース/ギャップを作ることによって圧縮モードは達成され得る。本発明の別の目的は、CDMAベースのネットワークにおいて、送信のスペース/ギャップの間に移動局が他の周波数をモニタしたり他のタスクを実行することを可能とすることである。
【0013】
本発明の別の目的は、セルラ通信ネットワークにおいて、移動局から基地局へのアップリンクで圧縮モードを利用する効率的な方法を提供することである。アップリンクの圧縮モードのフレームにおけるTGは、様々な実施形態においてレート・マッチング及びSF低減の少なくともいずれかによって達成され得る。
【0014】
本発明のある実施形態では、アップリンクの圧縮モードは、SF低減及びレート・マッチングの両方(すなわち、この2つの組合せ)を使用して達成される。例えば、チャネルのビットレートを2倍にするためにSFが係数2で低減され得、所望のTGLを得るためにレート・マッチングによって情報ビット・ストリーム内のビットの冗長度が増大され得る。このように、パワーを係数2で増大させる必要はなく、可変長のTGL、例えばタイムスロット1〜7個の長さのTGLが達成可能である。
【0015】
ある実施形態の例では、アップリンクのデータ・チャネルで(例えば、専用物理データチャネル、又はDPDCHで)、係数2での拡散係数の低減のみで7.5スロットのTGLが作成され得る。しかしながら、スロット5個の実際のTGLを達成するためにビット冗長度の増大が使用されてもよい。7.5個のスロットについてはパワーを増大させる(15/7.5=2/1の係数でパワーを増大する)必要があるが、スロット5個のTGLに相当するだけ出力パワーを増大させる(15/10又は3/2の係数でパワーを増大させる)必要はない。
【0016】
他の実施形態の例では、アップリンク制御チャネルのフレームが、TGを有する圧縮モードで形成されて送信される(例えば、専用物理制御チャネル又はDPCCHで)。制御チャネルのビット(例えば、TFCIビットのようなフォーマット・インジケータ・ビットの)のビット冗長度が、満足出来る性能を維持するために圧縮モードでは増大され得る。1つの代表的実施形態では、TGのすぐ後又は直後に続くTFCIビットがフレームの別のスロット内で後で繰り返されてもよいが、それはこれらのビットがそのフレーム内の他のTFCIビットに関してわずかに悪化する出力制御の影響を受けることがあるからである。そのような実施形態では、TGは様々な実施形態においてレート・マッチング及びSF低減の少なくとも一方を使用して形成されてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1(a)】セルラ通信ネットワークの構成要素のブロック図である。
【図1(b)】アップリンクのDPDCH及びDPCCDのフレームを示す図である。
【図2】ダウンリンクのDPCHフレームを示す図である。
【図3】アップリンク又はダウンリンクのいずれかに適用できる、圧縮モード送信のフレームを示す図である。
【図4】圧縮モード送信のアップリンクのDHDCP及びDHCCPのフレームを示す図である。
【図5(a)】圧縮モード送信の第1のタイプのダウンリンク・フレームを示す図である。
【図5(b)】圧縮モード送信の第2のタイプのダウンリンク・フレームを示す図である。
【図6】所望のTGLを得るための拡散係数の低減を含み情報ビットの冗長度の増大(すなわち、反復)を使用する、圧縮モードでその中に少なくとも1つの送信ギャップを含むように、アップリンク用の無線フレームを形成するのに行われるステップを示すフローチャートである。
【図7】本発明の実施形態による例で定義されたTGを有する、アップリンクDPCCHフレーム構造を示す図である。
【図8(a)】、
【図8(b)】本発明の実施形態による別の例で定義されたTGを有する、アップリンクDPCCHフレーム構造を示す図である。
【図9】本発明の実施形態による別の例で定義されたTGを有する、アップリンクDPCCHフレーム構造を示す図である。
【図10】本発明の実施形態による別の例で定義されたTGを有する、アップリンクDPCCHフレーム構造を示す図である。
【図11】図示されたギャップ内に付加されたDTXビットを有する、ダウンリンクフレーム構造を示す図である。
【図12】DPCCHフィールドの表を示す図である。
【図13(a)】移動局(MS)から送信されるべきアップリンク・フレームがどのように形成されるのかをを示すフローチャート/ブロック図である。
【図13(b)】圧縮モードにおける様々なダウンリンクTGLに対するパラメータを含む表を示す図である。
【図14】DPCCH及びDPDCHのようなアップリンク専用物理チャネルに対する拡散を示すブロック図である。
【図15】図14の拡散処理から複素値のチップ・シーケンスのアップリンク変調を示すブロック図である。
【図16】ダウンリンク・フレームがどのように形成されるのかをを示すフローチャート/ブロック図である。
【図17】BSからMSへのダウンリンク・チャネルに対する拡散を示すブロック図である。
【図18】図17のSCH及びP−CCPCH出力に対する拡散及び変調を示すブロック図である。
【図19】CDMA信号を受信して逆拡散する受信器のブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下の記載においては、限定のためではなく説明のため、本発明をより良く理解してもらうために、特定のアーキテクチャ、インタフェース、技術、その他などの特定の詳細事項を記載する。しかしながら、本発明がこれらの詳細事項とは異なる他の実施形態で実現できることは当業者には理解されよう。他の観点からは、周知の装置、回路、アルゴリズム、及び方法の詳細な記載は、不必要な詳細事項によって本発明の説明を解りずらくしないように、省略した。
【0019】
特定の用語/略称の解説
BS 基地局
Cch,SF,n: 拡散係数SFのn番目のチャネリゼーション・コード
CCTrCH 符号化複合トランスポート・チャネル
CDMA 符号分割多元接続
DCH 専用チャネル
DPCH 専用物理チャネル
DPCCH 専用物理制御チャネル
DPDCH 専用物理データ・チャネル
DTX 間欠伝送
FBI フィードバック情報
FDMA 周波数分割多元接続
MS 移動局
Mcps メガチップ毎秒
Nfirst TG内の最初のスロット
Nlast TG内の最後のスロット
OVSF 直交可変拡散係数(コード)
P−CCPSH 主共通制御物理チャネル
PDSCH 物理専用共用チャネル
PhCH 物理チャネル
PL パイロット
SCH 同期チャネル
SF 拡散係数
Slong,n n番目のロング・アップリンク・スクランブル・コード
Sshort,n n番目のショート・アップリンク・スクランブル・コード
TDMA 時分割多元接続
TFCI トランスポート・フォーマット組合せインジケータ
TG 送信ギャップ
TGL 送信ギャップ長(スロット単位)
TPC 送信出力制御
TrCH トランスポート・チャネル。
【0020】
本発明のある実施形態の例は、圧縮モードのCDMA環境におけるアップリンク及びダウンリンクの少なくともいずれかの通信をより効率的にするためのシステム及び対応する方法に関する。例えば、図3を参照すると、アップリンク圧縮モードでフレームF4において送信ギャップ(TG)が画定され、フレームF11において別のTGが画定されている。各TGは、それぞれのフレームにおけるギャップ又はスペースを規定している。図3に図示されたように、フレームF1からF3、F5からF11及びF12は、その中にTGがない「通常の」フレームである。以下でより詳細に説明する本発明のある実施形態では、単純なSFの低減で要求されるだけパワーを増大させることなしに、結果として得られるTGLが所望の長さに調整されるように、TGがSF低減及びレート・マッチングの組合せによって定義されてもよい。他の実施形態では、アップリンク(又はダウンリンク)制御チャネルのビット(例えば、TFCIビット又はTPCビット)が圧縮モードフレームで反復され、反復されるべきビットはTGの位置及び長さの少なくともいずれかに基づいて選択される。
【0021】
セルラ通信システム/ネットワークでは、異なったタイプのチャネルが利用される。トランスポート・チャネル(TrCH)は通信プロトコルのサービスと見なされ得、エア・インタフェースを介してどのように及びどんな特性データと共に転送されるかによって規定される。2つの代表的なトランスポート・チャネルは、「専用チャネル」と「共通チャネル」である。本発明のある実施形態の例は、CDMAベースの通信ネットワークの圧縮モードにおける、アップリンク及びダウンリンクの少なくともいずれかの専用チャネルの利用に関する。
【0022】
全ての物理チャネルについて正しいわけではないが、専用物理チャネルは通常、無線フレーム及びタイムスロットのレイヤ構造を含んでいる。物理チャネルのシンボルレートに応じて、無線フレーム又はタイムスロットの構造は変化する。本発明のある実施形態における基本的物理通信チャネルのリソースは、拡散コード及び無線周波数によって識別される。加えて、アップリンクで、実数(I)及び虚数(Q)のブランチで異なった情報ストリームが送信されてもよい。結果として、物理チャネルは、特定のキャリア周波数、拡散コード、及び(アップリンクでは)相対位相(0−実数又はπ/2−虚数)に対応し得る。
【0023】
図1(b)は、2つのタイプのアップリンク専用物理チャネル、すなわち、専用物理データ・チャネル(DPDCH)及び専用物理制御チャネル(DPCCH)を示している。図1(b)の各無線フレームは、15のタイムスロット、すなわち、スロット#0からスロット#14を含んでいる。各タイムスロットはビットを収容しているフィールドを含んでいる。タイムスロット当たりのビット数は、物理チャネルによって決定される。ある実施形態におけるDPDCH及びDPCCHは、各無線フレーム内でI/Q符号が多重化されたものでもよい。
【0024】
一般に、アップリンクDPDCH(データ・チャネル)は、レイヤ2及びその上、すなわち専用伝送チャネル(DCH)で生成された専用データを運ぶのに使用される。各レイヤ1接続には、0、1つまたはいくつかのアップリンクDPDCHが存在し得る。
【0025】
アップリンクDPCCH(制御チャネル)は、一般にレイヤ1で生成された制御情報を運ぶのに使用される。レイヤ1の制御情報には、例えば、コヒーレント検出についてのチャネル推定をサポートするパイロット・ビット、送信出力制御(TPC)コマンド、フィードバック情報(FBI)、及びオプションのトランスポート・フォーマット組合せインジケータ(TFCI)の少なくともいずれかを含み得る。アップリンクでは、TFCIビットはBS受信機に、アップリンクで多重化された異なったトランスポート・チャネルの瞬間的パラメータに関して送信された信号を知らせる。
【0026】
図1(b)の各フレームは、例えば、長さ10msで15のタイムスロットに分割されており、各タイムスロットは長さTslot=2560チップであり、1出力制御期間に対応している。図1(b)のパラメータ「k」は、アップリンクDPDCH/DPCCH毎の情報ビット数を決定し、物理チャネルの拡散係数(SF)と、SF=256/2k、のように関係している。DPDCHの拡散係数は、例えば、本発明の様々な実施形態において、256から4までの範囲を取り得る。本発明のある実施形態では、同じレイヤ1接続のアップリンクDPDCH及びアップリンクDPCCHは、異なったレートを使用し得、すなわち、異なったSF及び異なった値のkを取り得る。異なったアップリンクDPCCHフィールド内のビット数(Npilot、NTFCI、NFBI及びNTPC)も接続の間に変化し得る。
【0027】
代表的DPDCHフィールドを以下の表1に記載する。見てわかるように、SFが係数2で低減されたとき、スロット当たりのビット数は2倍になる。フレームの全てのスロットが送信されるとき(すなわち、通常又は非圧縮モードで)も、SFが係数2で削減されるとフレーム当たりのビット数は表1に示されているように2倍になる。しかしながら、後でより詳細に説明するが、TGが設けられる(すなわち、いくつかのアイドル・スロットがある)圧縮モードでは、SFが係数2で低減されると、送信されるスロット当たりのビット数は依然として2倍となるが、TGのためにスロットの全ては送信されないので、フレーム当たりのビット数は2倍にはならない。
【0028】
【表1】
【0029】
アップリンク制御チャネルを参照すると、DPCCHのあるタイプはTFCIビットを含んでおり(例えば、いくつかの同時サービスのため)、他は含んでいない(例えば、固定レートのサービスのため)。このため、後でより詳細に説明する図12に示す表2では、あるフォーマットはTFCIを含んでおり、他は含んでいない。TFCIを使用するスロット・フォーマットでは、各フレームのTFCI値は、現在使用中の複数のTrCHのビットレートの特定の組合せに対応している。この対応は、各TrCHの追加/削除の際に(再度)ネゴシエートされ得る。
【0030】
後でより詳細に説明する本発明のある実施形態は、TFCIビットを含む圧縮モードDPCCHフィールドのフォーマット化(例えば、図12の0A、0B、2A、2B、5A及び5B)に関連している。DPCCHについては、通常のスロット・フォーマットそれぞれについて、2つの圧縮スロット・フォーマットが考えられる。図12ではそれらをA及びBで表わしており、それらの間の選択は、後でより詳細に説明するように、圧縮モードにおいて各フレームで送信されるスロットの数によって決定される(すなわち、TG及びTGLの少なくともいずれかによって決定される)。図12でチャネル・ビット及びシンボルレートは、拡散直後のレートであることに注意されたい。
【0031】
「ダウンリンク」の専用物理チャネルを簡単に説明すると、図2を参照するとダウンリンク専用物理チャネル(ダウンリンクDPCH)として知られている代表的なダウンリンクチャネルが示されている。1つのダウンリンクDPCHの中に、レイヤ2及びその上、すなわち、専用トランスポート・チャネル(DCH)で生成された専用データが、レイヤ1で生成された制御情報(例えば、パイロット・ビット、TPCコマンド、及びオプションのTFCI)と時間多重で送信される。図2に示されたように、ダウンリンクDPCHは、DPDCH及びDPCCHを時間多重したものと見なされ得る。図示されたように、各フレームは長さがTf=10msであり、15のスロットに分割されており、各スロットの長さはTslot=2560チップであり、この実施形態では1出力制御期間に対応している。再度述べるが、あるダウンリンク物理チャネルはTFCIを含んでおり(例えば、いくつかの同時サービスのため)、他は含んでいない(例えば、固定レートのサービスのため)。
【0032】
アップリンク又はダウンリンクの無線フレームはここでは、「通常」又は「圧縮」のいずれかのモードで送信され得る。通常モードでは(例えば、図1(b)及び図2参照)、先に説明したように情報はフレームの全てのスロットで送信される。しかしながら、圧縮モードでは(例えば図3参照)、TGが存在するので情報の送信にスロットの全ては使用されない。例えば、送信用に符号化されたデータ・ストリームを受信したら、そのストリームからのデータの第1の部分は通常モードのフレーム送信によってある時点に送信され得、そのストリームからのデータの第2の部分はTGを含む圧縮モードのフレーム送信によって第2の時点で送信され得る。圧縮モードのTGは、隣接する周波数の測定、制御チャネルの取得、及びハンドオーバ手順の少なくともいずれかなどを実行するために、MSによって利用され得る。
【0033】
図3は(アップリンク又はダウンリンクの)4つのフレームを示しており、各フレームは長さが10msである。4つのフレームのうち3つは通常のパワーの通常モードで送信されており、左から2番目のフレームはパワーが2倍の圧縮モードで送信されている。見てわかるように、送信ギャップ(TG)は圧縮モードのフレーム内に定義されており、該フレームはまた図示されたようにそのフレーム内でパワーが増大される必要がある。図3において、「y」又は垂直軸は図示されたようにパワーを表わし、「x」又は水平軸は時間を表わす。
【0034】
圧縮モードであるとき、通常は10msの間に送信される情報は時間において圧縮される。これを達成するメカニズムは、例えば、ビット冗長度を減少させること(パンクチュアリング)によるレート・マッチング、及び拡散係数SFの低減(例えば、係数2によって)の少なくともいずれかである。このように、圧縮モードでは、圧縮モードのフレームのTG内のスロットNfirstからNlastは、データの送信には使用されない。単一のフレーム内に位置する送信ギャップ(ギャップは固定でも、調整可能でも、他のあらゆるタイプでもよい)の例である図3に示したように、低減された処理ゲインによって影響されない品質(BER、FER、等)を保つために、圧縮モードのフレームでは瞬間的送信パワーが増大される。パワーの増大量は、送信時間短縮方法(すなわち、SF低減又はレート・マッチング)と送信ギャップ長(TGL)によって決定される。
【0035】
図4は、それぞれの中央部分に画定されたTGを有する、圧縮モードにおけるアップリンクDPDCHとアップリンクDPCCHとを示している。見てわかるように、TGの間にはスロットは何も送信されない。
【0036】
図5(a)及び図5(b)は、ダウンリンクの圧縮モード用の2つの異なったタイプのフレーム構造を示している。図5(a)のフレーム構造は送信ギャップ長を最大にしたものであり、図5(b)のフレーム構造は送信制御を最適化したものである。図5(a)のフレーム構造では、送信ギャップ内の最後のスロット(Nlast)のパイロット・フィールドが送信される。送信ギャップの残りの間には送信は何も行われない。図5(b)のフレーム構造では、送信ギャップ内の最初のスロット(Nfirst)のTPCフィールドが送信され、送信ギャップ内の最後のスロット(Nlast)のパイロット・フィールドが送信される。送信ギャップの残りの間には送信はオフにされる。
【0037】
上述のように、(TGが7.5スロットの)圧縮モードを達成するためにSFを単純に係数2で低減することの欠点は、そのためにパワーを係数2で増大させる(すなわち、2倍にする)必要があることである。これはTGが7.5であり、15.0/7.5=2であることによる。その上、圧縮モードを達成するためにレート・マッチングを使用することは、上述のように短いTGに対してのみ有用である。
【0038】
このため、本発明の一実施形態によれば、例えば、アップリンク専用チャネル(例えば、DPDCG)における圧縮モードは、SFの低減(例えば、係数2による)とレート・マッチング(例えば、ビット冗長度を増加させることによる)との組合せによって達成される。係数2でのSFの低減(すなわち、256から128へ)だけでは、物理チャネルのビットレートが2倍で7.5スロットのTGLが得られる。しかしながら、情報ビット・ストリームの冗長度の増大(例えば、レート・マッチングによる)をSFの低減と組合せたとき、TGLは合わされ又は調整され、その結果所望のTGLが達成される。例えば、係数2でのSFの単純な低減は7.5スロットのTGLとなるが、例えば5スロットのより短いTGLを達成するために、増大された冗長度を用いることができる。5スロットのTGL(係数2でのSFの低減と増大された冗長度の組合せ)に対しては、パワー増大の要件は、7.5スロットのTGL(係数2の単純なSFの低減で冗長度を増大させない)よりも小さい。この技術は、DPDCH、DPCCH及び他のあらゆる適切なタイプの物理チャネルの少なくともいずれかに適用できる。DPHCHだけに適用してもよいが、DPCCHに別の圧縮モード技術(おそらくSF低減のない、図7−10及び12に係る技術)を適用してもよい。
【0039】
換言すれば、SF低減は、所望のTGの外部の全てのスロットを充填するための反復(レート・マッチング)と組合せることができる。アップリンクでは、移動体のパワー増幅器はピークのパワーが制限されており、その結果、一定の状況ではパワーをできるだけ低く保つためにできるだけ長い時間に渡って一定のエネルギーを送信し、それによりアップリンクのカバレージを最大にするのが良いであろう。本発明のある実施形態はこれらの目的を達成する。
【0040】
図6は、アップリンク・フレーム内にTGを画定するために、SF低減とレート・マッチングとの両方を共に使用する実施形態のフローチャートを示している。フレームの細分化に続き、81でフレームを圧縮モードのフレームとすべきであると判定された場合、83でレート・マッチング(例えば、ビットの反復)が実行される。SFが所定の係数(例えば2)で低減される予定であることを考慮した上で、TGLを所望の長さに調整するために83でビットの反復が実行される。その後、85のチャネル・マッピングが行われ、87で符号化データが低減された拡散係数を有するシグネチャ・シーケンス又は拡散コードで拡散される(例えば、DS−CDMAによって)。89で所望のTGLを有する圧縮モードのフレームが出力される。
【0041】
ステップ83における増大された冗長度の計算方法は、例えば、図6のレート・マッチングの範囲に関して、以下で説明する本発明のある実施形態に従って実行される。
【0042】
本発明の別の実施形態によれば、圧縮モードのアップリンク制御チャネル(例えば、DPCCH)において、TFCIビットの冗長度も増大されてもよい。圧縮モードでは、TGの間にDPDCH及びDPCCHはオフにされ、このため特にレート・マッチングが使用されるときには、TFCIビットの数が低減され得る。例えば、図4を参照すると、圧縮モードではTGの間にTFCIビットは何も送信されない。TFCIビットは受信機(BS)での検出に重要であり、TFCIビットの広範囲に渡るパンクチュアリングは望ましくない。ダウンリンクのアプリケーションでは、この問題はフレーム形式を圧縮モードに変更することによって対処され得、この結果、TFCIビットはDPCCHの代わりにDPDCHで送信され得る。しかしながら、SFはDPDCH上で変化している(すなわち、SFはDPCCHに対するよりもDPDCHに対して変化する)ので、これはアップリンクのアプリケーションでは現実的でない。TFCIビットが復号されるまでSFは未知である。
【0043】
このため、アップリンクDPDCHの圧縮モードについて考えられる2つの解決策は、(1)係数2によるSFの低減、又は(2)TFCIビットを繰り返すようにDPCCHのフレーム形式を変更することを含んでいる。代案(2)を最初に説明し、その後になぜこれが代案(1)より好ましいのかをいくつかのアプリケーションで説明する。
【0044】
DPCCHについては、圧縮モードでは余分なビットの空きが、例えば、付加的ビット・パンクチュアリングによって生成され得る。本発明の一実施形態では、この余分なビットの空きあるいはスペースが、アップリンクDPCCHの圧縮モード送信でTFCIの冗長度を増大させるのに使用される。冗長なビットが余分なあるいは利用可能なスペースが位置するスロットで送信される。このTFCIビットの増大は、パイロット・ビットなどの他のビットを犠牲にして行われ得る。
【0045】
代表的DPCCHの圧縮モードのフォーマットが図12に示されている。圧縮モードのフォーマットは、例えば、0A、0B、2A、2B、5A及び5Bのフォーマットである。TFCIビットを含むフォーマットだけが、いくつかの実施形態(すなわち、0、2及び5のフォーマット)において圧縮モードで変更される必要があることに注意されたい。
【0046】
一般的に言うと、1つの圧縮モードのフレーム内のアイドル・スロットの数は1から7スロットである。アイドル・スロットは、各フレームにおいてTG内のスロットの数を意味する。ほとんどのアプリケーションでは送信されるスロット当たり所与の数のTFCIビットが必要であり、そのため、例えば、少なくともフレーム当たり30が送信され得る。例えば、フレーム当たり送信されるスロットが15であると、フレーム当たり合計で30のTFCIビットとなるには、スロット当たり2つのTFCIビットが必要であり、フレーム当たり送信されるスロットが13であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり3つのTFCIビットが必要であり(この場合39となる)、フレーム当たり送信されるスロットが11であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり3つのTFCIビットが必要であり(この場合33となる)、フレーム当たり送信されるスロットが10であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり3つのTFCIビットが必要であり(この場合30となる)、フレーム当たり送信されるスロットが9であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり4つのTFCIビットが必要であり(この場合36となる)、フレーム当たり送信されるスロットが8であると、フレーム当たりのTFCIビットの合計が少なくとも30となるには、フレーム当たり4つのTFCIビットが必要であり(この場合32となる)、以下同様となる。ここでTFCIコードワードは適切な長さのいずれでもよいが、好適な実施形態では30又は32ビットの長さであろう。
【0047】
フレーム当たり13及び14スロットでの送信は一般に、TGが2つの連続するフレームに渡るときだけに行われ、そのため頻繁に起こるとは想定されない。送信されるスロットが13及び14の場合を無視すると、必要とされるより最大で6ビットの余裕がある(フレーム当たり9ビット又は12ビットが送信されると、36ビットが利用可能であり、そのため、36−30=6が利用可能ビットである)。本発明の実施形態によれば、フレーム内の先行するスロットからのTFCIビットがこれら「余分な」ビット領域で繰り返されて送信される。ほとんどの場合、余分なビットの数は制限され(例えば、6以下)、単純な反復方式が効果的に使用され得る。ある実施形態では、TGの直後のスロットはわずかに悪化する出力制御の影響を受け、そのため本発明の好適な実施形態では、これらのスロットのTFCIビットは後のスロット内の余分なビット領域で反復による恩恵を受けると見なされる。
【0048】
図7から10を参照して、広帯域CDMAセルラ電話通信網におけるDPCCHに関して、4つの異なったTFCIビットの反復の例を以下で説明する。TFCIビットはc29、c28、c27、…c0、で表わされ、余分なビットはdD-31、dD-32、dD-33、…d0、で表わされ、「D」は圧縮モードのフレームにおいて利用可能なTFCIビットの数である。TGに続くフレーム内の最初のTFCIビットをcEと称し、E=29−(NfirstNTFCI)mod30、である。このため反復されるビットは、dD-31=cEmod30、dD-32=c(E-1)mod30、dD-33=c(E-2)mod30、K、d0=c(E-(D-30-1))mod30、である。そしてビットckがTFCIフィールドに降順でマッピングされ、続いてdkが降順で、すなわち、c29がフレームの最初のスロットで送信され、d0がフレームの最後のスロットで送信される。従って、以下のように図7から10を参照するとわかるように、TGの直後に続くスロットのTFCIビットcがフレームの後のスロット内で反復される。
【0049】
図7は、スロット0−3(すなわち、フレームの最初の4つのスロット)を占めるTGで、DPCCHが送信される例を示している。このため、約11のスロットがフレーム内で送信される(すなわち、スロット4−15)。先に述べたように、フレーム当たり11のスロットが送信されるとき、スロット当たり3つのTFCIビットが提供され、その結果、そのフレームで利用可能なTFCIビットの合計数は33である(すなわち、D=33)。従って、33−30=3であるので、3つのTFCIビットが反復され得る。図7の例では、E=29−0=29であり、d2=c29,d1=c28,そしてd0=c27である。換言すれば、3つのTFCIビットが図7のフレームの最後のスロットで反復されるが、これら3つの反復されるTFCIビットc29,c28及びc27はフレームの最初に送信されたスロット、すなわち、スロット番号4の最初の3つのTFCIビットである。先に述べたように、フレームの最後の1つ又は複数のスロットで反復されるTFCIビットが、TGの直後に続くTFCIビットとなるように、計算が設定されるが、これはこれらが出力制御の問題の影響を最も受けやすいからである。
【0050】
図8(a)及び8(b)は、DPCCHフレームが、スロット6−9を占めるTGで送信される別の例を示している。このため、約11のスロットがフレーム内で送信される(すなわち、スロット0−5と10−14)。再度述べるが、フレーム当たり11のスロットが送信されるとき、スロット当たり3つのTFCIビットが利用可能であり、その結果、そのフレームで利用可能なTFCIビットの合計数は33である(すなわち、D=33)。従って、図8の例では、E=29−18=11であり、d2=c11、d1=c10、そしてd0=c9である。換言すれば、図8(b)のスロット14で示されるように、3つのTFCIビットが図8のフレームの最後のスロットで反復されるが、これら3つの反復されるTFCIビットc11、c10及びc9はTGに続いて最初に送信されたスロットS10の最初の3つのTFCIビットである。
【0051】
図9は、DPCCHフレームが、スロット10−13を占めるTGで送信される別の例を示している。このため、約11のスロットがフレーム内で送信される(すなわち、スロット0−9と14)。再度述べるが、フレーム当たり11のスロットが送信されるとき、スロット当たり3つのTFCIビットが利用可能であり、その結果、そのフレームで利用可能なTFCIビットの合計数は33である(すなわち、D=33)。従って、図9の例では、E=29−30mod30=29であり、d2=c29、d1=c28、そしてd0=c27である。換言すれば、3つのTFCIビットが図9のフレームの最後のスロットで反復されるが、これら3つの反復されるTFCIビットc29,c28及びc27はフレーム内で最初に送信されたスロットの最初の3つのTFCIビットである。この特定の例では、TGの後のスロットで反復されるべきTFCIビットがないが、これはこのスロットが余分なTFCIビットが利用できる位置にあるからである。換言すれば、本来のTFCIビット全部はスロット1−9で送信され、TGの後に位置するのはない。
【0052】
図10は、DPCCHフレームが、スロット11−14を占めるTGで送信される別の例を示している。このため、約11のスロットがフレーム内で送信される(すなわち、スロット0−10)。再度述べるが、フレーム当たり11のスロットが送信されるとき、スロット当たり3つのTFCIビットが利用可能であり、その結果、そのフレームで利用可能なTFCIビットの合計数は33である(すなわち、D=33)。従って、図10の例では、E=29−33mod30=26であり、d2=c26、d1=c25、そしてd0=c24である。換言すれば、3つのTFCIビットが図10のフレームの最後のスロットで反復されるが、これら3つの反復されるTFCIビットはc26、c25及びc24である。
【0053】
図12は、本発明の様々な実施形態による様々なDPCCHスロットのフォーマットの例を示している。TFCIを含む0、2及び5のフォーマットを見るとわかるように、フレーム当たりのTFCIビットの数は、上記で説明した計算方法に従って、フレーム当たりに送信されるスロットの数で決定される。例えば、フレーム当たり10−13のスロットが送信されるフォーマット0Aでは、フレーム当たり3つのTFCIビットが送信され、フレーム当たり8−9のスロットが送信されるフォーマット0Bでは、受信機に常にフレーム当たり少なくとも30(あるいはTFCIコードワードの実質的部分を満たすのに十分なあらゆる数)のTFCIビットが送信されるように、フレーム当たり4つのTFCIビットが送信される。図7−10及び12では、好ましくはTGがレート・マッチングで(SFの低減ではなく)達成されることに注意されたい。
【0054】
DPCCHにおいて圧縮モードを達成する、上記で代案(2)として示した別の考えられる方法は、SF低減によるものである。これはTFCIフィールドを含む全てのDPCCHフィールドで、ビットの数が2倍となる。SFが係数2で低減されるとき、少なくともTFCIフィールドではパワーも2倍とされる必要があるが、これは半分の数のスロット(TGL=7.5)で同じ量の情報を送信する必要があるからである。対照的に、所望の長さのTGL(すなわち、7.5スロット未満)を画定するためにレート・マッチングを使用するとき、上記のように余分なTFCIビットのための空きがあり、パワーは同じだけ増大される必要がない。
【0055】
代案(1)のようにDPCCHのSFが係数2で低減された場合、TFCIを含む各フレームのフォーマットに追加フレーム・フォーマット1つだけが必要である。この追加のフレーム・フォーマットは、各フィールド内のビット数を2で乗算することによって元のものから求められる。その代わり、TFCIフィールドを有する各フレームのフォーマットに2つの追加フレーム・フォーマットが追加される場合、記憶のためにより多くのメモリが必要となるが、出力パワーの増大は小さくなる。SF低減に対してはDPCCHのパワーは2倍にする必要があるが、これは各スロットで2倍の量のTFCIビットが送信されるからである。
【0056】
図7−10及び12の代案(2)によって、TFCIフィールドは、例えば、パイロット・フィールドを犠牲にして拡張され、パイロット・パワーの合計が略一定となるように必要なパワーだけが増大される。非圧縮(通常)モードのパワーがPであると、上記の図12のフォーマット0Aに対してパワーを6/5Pまで増大させる必要がある(フォーマット0に対するフォーマット0Aのパイロット・ビットの比較)。これをSF低減方法のパワーの2倍の増大と比較する。DPCCHのパワーは、よりビットレートの低いCCTrCHに対するDPDCHのパワーより3dB小さい程度となるよう要求されている。3つのアイドル・スロットを有する図12のフォーマット0Aについての2つの方法での合計パワーの差(DPCCHについてのSF低減に対する、DPCCHについての図12のタイプのフォーマット変更)は、本願に参照によって組み込む仮出願に記載されているように、0.85dBと計算されるであろう。この値は最大利得に対応する。アイドル・スロットの数が多く、パイロットが短いフォーマットについては、この差は小さくなるであろう。4つのアイドル・スロットを有する図12のフォーマット2Bでは0.3dBとなる。
【0057】
圧縮モードにおけるDPDCHとDPCCHとの間のパワーの関係は、フレーム・フォーマットの変更がパワーで補償されるので、3dBではない。TPCビットの増大されたパワーは、ある意味でいくつかのTFCコマンドの損失を補償し得る。ビットレートの高いCCTrCH(DPDCHとDPCCHとの間に大きなパワーの差がある)に対して計算されるパワーの節約は小さくなることに注意されたい。しかしながら、ビットレートの低いCCTrCHに対する利得は、大きく有益であり、そのためSFが低減される必要のない、図7−10及び12に示したDPCCHのフォーマット変更(代案(2))の利点が明らかとなる。上述のように、同じ送信においてDPDCHに対してSFは低減されるがDPCCHに対しては低減されない。すなわち、SFは両方のチャネルで同じではない。
【0058】
本発明の代表的かつ非限定的な実施形態によって、MSからBSへのアップリンク圧縮モード通信がどのように行われるのかを以下の本発明の実施形態で説明する。
【0059】
図13(a)は、アップリンク通信に対する多重化及びチャネル符号化を示す、ブロック図/フローチャートである。転送ブロックの情報ビットaim1、aim2、aim3、…、aimAiがレイヤ1に送られるが、ここでAiはTrCHiの転送ブロックの長さであり、mは転送ブロック番号である。巡回冗長検査によって転送ブロックについての誤り検出が提供される。このため、巡回冗長コード(CRC)が21で添付される。CRCは24、16、12、8又は0ビットでよく、各TrCHに対する所望の長さがより高位から信号送信される。
【0060】
転送ブロックの連結23に入力されるビットは、bim1、bim2、bim3、…、bimBiであり、ここでiはTrCH番号、mは転送ブロック番号、Biは各ブロック内のビット数である。転送ブロック連結からのビット・シーケンスの細分化が実行され、その結果、細分化後の符号ブロックは同じサイズになる。
【0061】
符号ブロックはチャネル符号化ブロック25に送出される。これらはoir1、oir2、oir3、…、oirKiと表示され、ここでiはTrCH番号、rは符号ブロック番号、そしてKiは各符号ブロック内のビット数である。符号化されたブロックは連続して多重化され、その結果、添え字rが最も小さいブロックがチャネル符号化ブロックから最初に出力される。出力ビットは、ci1、ci2、ci3、…、ciEiであり、ここでiはTrCH番号でEiはビット数である。本発明の異なった実施形態では25で、畳み込み符号化(例えば、レート1/2又は1/3)、ターボ符号化(例えば、レート1/3)が実行されるか、チャネル符号化が何も実行されなくてもよい。
【0062】
無線フレームサイズ等化器27は、出力が同じサイズのデータ・セグメントに細分化され得ることを保証するため、入力ビット・シーケンスに詰め物をする。等化ブロック27からの出力ビット・シーケンスは、ti1、ti2、ti3、…、tiTiであり、ここでiはTrCH番号でTiはビット数である。
【0063】
第1インターリービング29は、カラム間置換(inter-column permutations)を伴うブロック・インターリーバを利用できる。第1インターリービングからのビット出力は、di1、di2、di3、…、diTiで表わされる。
【0064】
送信時間間隔が10msより長いとき、31への入力ビットのストリームあるいはシーケンスは、細分化され連続した無線フレームにマップされる。ni番目のセグメントは送信時間間隔(TTI)におけるni番目の無線フレームにマップされる。無線フレームniに対応する出力ビット・シーケンスは、ei1、ei2、ei3、…、eiNiであり、ここでiはTrCH番号でNiはビット数である。
【0065】
レート・マッチング・ブロック33では、トランスポート・チャネル上のビットが反復あるいはパンクチュアされる。アップリンクでビット冗長度の増大又は減少が実行されるのがここである。高位のレイヤが各トランスポート・チャネルTrCHに対してレート・マッチングの属性を割り当てる。この属性は半固定であり、高位レイヤのシグナリングによって変更可能である。レート・マッチングの属性は、反復される又はパンクチュアされるべきビット数を計算するときに使用される。TrCH上のビット数は、異なった送信時間間隔の間で変化し得る。アップリンクにおける異なった送信時間間隔の間でのビット数が変更されたとき、TRCH多重化後のビットレートの合計が、専用物理チャネルに割り当てられたチャネルのビットレートの合計と等しくなるのを保証するために、ビットは繰り返される(すなわち、反復)かパンクチュアされる。レート・マッチング・ブロック33はレート・マッチング・アルゴリズム35によって制御される。ある実施形態では、レート・マッチング・パラメータを計算するときに、以下の関係が利用され得る。
【0066】
【数1】
【0067】
ここでアップリンクについてのNijは、トランスポート・フォーマットの組合せjでのTrCH上iのレート・マッチング前のフレーム内のビット数であり、Zijは中間計算変数であり、ΔNijがアップリンクで正であると、トランスポート・フォーマットの組合せjでのTrCHi上の各無線フレームで繰り返されるべき(すなわち、反復)ビット数を表わし、アップリンクで負であると、トランスポート・フォーマットの組合せjでのTrCHi上の各フレームでパンクチュアされるべきビット数を表わし、Ndata,jはトランスポート・フォーマットの組合せjでのフレーム内でCCTrCHに利用できるビット数の合計であり、RMiは高位レイヤから信号送信されたトランスポート・チャネルiに対する半固定のレート・マッチングの属性であり、IはCCTrCH内のTrCHの数である。
【0068】
アップリンク通常モードでは、CCTrCHのビットレートをPhCHのビットレートと合わせるために、パンクチュアリングが適用されてもよい。しかしながら圧縮モードでは、上述のように、係数2でのSF低減だけが使用されたと仮定すると、TGLを7.5スロットの値から短くするように、冗長性(又はパンクチュアリングの減少)がもたらされる。これが、TGLを特定のデータ・アップリンク・チャネルで調整するために、SFの低減と組み合わされるレート・マッチングが実行される理由である。
【0069】
各TrCHiに対して1つの無線フレーム内で繰り返されるあるいはパンクチュアされるビット数ΔNijは、あり得る全てのトランスポート・フォーマットの組合せj及び選択された無線フレームそれぞれについて式(1)で計算される。DPDCHに対する圧縮モードはSFの低減とレート・マッチングの組合せによって達成され得るが、DPCCHに対する圧縮モードはレート・マッチング(パンクチュアリング)だけを用いて達成され得るので、DPDCHとDPCCHとに対して異なったレート・マッチングが実行されてもよいことに注意されたい。
【0070】
圧縮モードでは、チャネル(例えば、DPDCH)に対してSF低減がレート・マッチングと組み合わされる本発明の上述の実施形態では、式(1)でNdata,jはNcm data,jで置き換えられる。この式の変更により、所望される実際のTGLはSF低減(例えば、係数2による)とレート・マッチング・ブロック33の組合せによって達成され得る。値Ncm data,jは、少なくとも拡散係数を低減する圧縮モードについて式、Ncm data,j=2Ndata,j−2NTGL、から求められ、NTGLは、以下の式で計算される。
【0071】
【数2】
【0072】
ここで、Nfirstは送信ギャップ(TG)内の最初のスロットであり、NlastはTG内の最後のスロットであり(NlastはNfirstと同じフレーム内のスロット又はNfirstを含むスロットの直後に続くフレーム内のスロットのいずれかである)、TGLは連続する空のスロットの数で表わされる送信ギャップ(TG)の長さである(0<=TGL<=14)。
【0073】
代わりに、式(2)−(4)が以下の通りであっても同様の効果が得られる。
【0074】
【数3】
【0075】
なお、参照によって本明細書に組み込む親の仮出願で説明しているように、Ncmdata,j=2Ndata,j−NTGL、である。
【0076】
いずれの場合にも、所望のTGLが得られるように冗長度を調整するために、Ndata,jをNcm data,jに変更する。先に示したように、SFを係数2で低減することによりビットレートが2倍になっているので、Ndata,jを2倍にする。そしてそこからTGの書も追うのTGLに対応するビット数を減算する。得られた値Ncm data,jが式(1)に代入され、その結果、冗長度が増大され(下記参照)、所望のTGLが達成される。
【0077】
ΔNijが0である場合(圧縮モード又は通常モードのいずれかで)、レート・マッチングの出力データは入力データと同じになり、レート・マッチング・アルゴリズム35を実行する必要がない。ΔNij≠0である場合、無線フレームが圧縮されているかどうかに関係なく、eini、eplus及びeminusの少なくともいずれかが求められ、ここでeiniはレート・マッチング・パターン決定アルゴリズム35における変数eの初期値であり、eplus及びeminusはそれぞれeの増分値及び減分値を表わしている。そのため、ΔNij≠0であるとき、それに応じて変数eが増加又は減じて調整され、レートが所望のレートに合わされ得る。そして圧縮モードではその結果TGLが所望の長さに調整され得る。例えば、ΔNij<0であればパンクチュアリングが、それ以外では反復が実行され得る。反復が実行される特定の実施形態では、繰り返されるビットは元のビットの直後又は他の好適な位置に配置され得る。
【0078】
特定の実施形態では、レート・マッチング・パターンを決定するのに以下のようなレート・マッチング機能が実施され得る。
【0079】
if puncturing is to be performed
e=eini --現在及び所望のパンクチュアリング・レシオとの間の初期エラー
m=1 --現在のビットのインデックス
do while m<=Xi
e=e−eminus --エラー更新
if e<=0 then --ビット番号mをパンクチュアすべきかチェック
set bit xi,m to δ where δ∈{0、1}
e=e+eplus --エラー更新
end if
m=m+1 --次のビット
end do
else
e=eini --現在及び所望のパンクチュアリング・レシオの間の初期エラー
m=1 --現在のビットのインデックス
do while m<=Xi
e=e−eminus --エラー更新
do while e<=0 --ビット番号mを繰り返すべきかチェック
repeat bit xi,m
e=e+eplus --エラー更新
end do
m=m+1 --次のビット
end do
end if
レート・マッチング・アルゴリズムの更なる詳細については、例えば、参照によりその全体を本明細書に組み込む、3GPP Organization Partners, 650 Route des Lucioles-Sophia Antipolis, Valbonne, France から入手可能な、Technical Specification 3G TS 25.212 V3.1.0(1999-21), 3rd Generation Partnership Project; Technical Specification Group Radio Access Network; Multiplexing and channel coding (FDD) からわかるであろう。また、www.3gpp.org も参照されたい。
【0080】
10ms毎に各TrCHから1つの無線フレームがTrCH多重化37に送出される。これらのフレームは、符号化複合トランスポート・チャネル(CCTrCH)にシリアルに多重化される。TrCH多重化へのビット入力は、fi1、fi2、fi3、…、fiViであり、ここでiはTrCH番号でViはTrCHiの無線フレーム内のビット数である。TrCH多重化からのビット出力は、s1、s2、s3、…、ssであり、ここでsはビット数である。
【0081】
1つより多いPhCHが使用されるとき、物理チャネル細分化39は異なったPhCH内のビットを分割する。物理チャネル細分化へのビット入力は、s1、s2、s3、…、ssである。物理チャネル細分化後のビットは、up1、up2、up3、…、upUであり、ここでpはTrCH番号でUは各TrCHの1つの無線フレーム内のビット数である。
【0082】
第2インターリービング41は、カラム間置換を伴うブロック・インターリーバである。第2インターリーバへのビット入力は、up1、up2、up3、…、upUであり、ここでpはTrCH番号でUは1つのTrCHの1つの無線フレーム内のビット数である。
【0083】
第2のインターリービング41に続き、ビット、vp1、vp2、vp3、…、vpUが物理チャネル・マッピング43に入力され、ここでここでpはTrCH番号でUは1つのTrCHの1つの無線フレーム内のビット数である。ビットvpkは、各PhCHに対してビットがk(ビット番号)に関して昇順で空気を介して送信されるように、複数のPhCHにマップされる。
【0084】
圧縮モードでは、PhCHの特定のスロットにマップされるビットはない。Nfirst+TGL≦15の場合、スロットNfirstからNlastにマップされるビットはない。Nfirst+TGL>15、すなわち、送信ギャップが2つの連続する無線フレームに渡る場合、マッピングは以下のようになる。
【0085】
−最初の無線フレームでは、スロットNfirst、Nfirst+1、Nfirst+2、…、14にマップされるビットはない。
【0086】
−2番目の無線フレームでは、スロット0、1、2、…、Nlastにマップされるビットはない。
【0087】
上述のように、トランスポート・フォーマットの検出が、トランスポート・フォーマット組合せインジケータ(TFCI)有無の両方で実行され得る。TFCIが送信される場合、受信機はTFCIからトランスポート・フォーマットの組合せを検出する。しかしながら、TFCIが何も送信されないとき、受信機は例えば、DPDCHに対するDPCCHの受信パワー・レシオなどの何らかの情報を用いて、トランスポート・フォーマットの組合せを検出してもよい。
【0088】
好ましくは、TFCIビットは受信機にCCTrCHのトランスポート・フォーマットの組合せを通知する。TFCIが検出されるとすぐに、トランスポート・フォーマットの組合せ、そして個々のトランスポート・チャネルのトランスポート・フォーマットがわかり、トランスポート・チャネルの符号化が実行され得る。
【0089】
ある実施形態では、TFCIビットは2次のリード−ミュラー符号(Reed-Muller code)のサブセット(32,10)を用いて符号化される。TFCIが10ビット未満で構成される場合、最上位のビットを0に設定して、10ビットまで0が詰め込まれてもよい。ある実施形態ではTFCIコードワードの長さは32ビットである。
【0090】
非圧縮モードでは、TFCIのコードワードは無線フレームのスロットに直接マップされる。符号化ビットbkは式、dk=bk mod32、に従って送信されるTFCIビットdkにマップされる。アップリンク物理チャネルについては、SF及びダウンリンク物理チャネルに関係なしに、SF≧128であれば、k=0、1、2、…、29である。これはビットb30及びb31が送信されないことを意味することに注意されたい。SF<128のダウンリンク物理チャネルについては、k=1、2、…、129である。これはビットb0からb23が4回送信され、ビットb24からb31が3回送信されることを意味することに注意されたい。
【0091】
圧縮モードでのTFCIビットのマッピングは、アップリンク、SF≧128のダウンリンク及びSF<128のダウンリンクで異なる。アップリンクの圧縮モードについては、上述のようにDPCCHに関してTFCIビットが何も損失されないようにスロット・フォーマットが変更される。圧縮モードでの異なったスロット・フォーマットは、あり得る全てのTGLに対するTFCIビットの実際の数とは一致しない。そのため、図7−10及び12に関して先に説明したように、TFCIビットの反復が使用される。1つの圧縮無線フレームのTFCIフィールドで利用可能なビット数はDであり、スロット内のTFCIフィールドのビット数はNTFCIである。ビットEは繰り返されるべき最初のビットであり、E=NfirstNTFCIである。Nlast≠14の場合、EはTGの直後のスロット内の最初のTFCIビットの数に対応する。そして以下の関係でマッピングを定義する。すなわち、
dk=bk mod32ただし、k=0、1、2、…、min(31、D−1)である。
【0092】
D>32であれば、残りの位置は反復によって充填され(逆の順番で)、
dD-k-1=b(E+k) mod32ただし、k=0、…、D−33である。また、図7−10及び12に関して先に示した式を、どのTFCIビットがフレーム内で繰り返されるのかを決定するのに用いることができる。
【0093】
送信ギャップ(TG)は、中間周波数パワーの測定、他のシステム/キャリアの制御チャネルの取得、及び実際のハンドオーバ動作などのために、固定位置と調整位置の両方に配置され得る。単一フレーム方式(すなわち、図13(b)の「S」)を用いるとき、固定送信ギャップは送信ギャップ長(TGL)に応じて(例えば、図3−5参照)、圧縮フレーム内に配置される。ダブルフレーム方式(すなわち、(x、y)の「x」が第1フレーム内のアイドル・スロットの数を示し、「y」が第2のフレーム内のアイドル・スロットの数を示している、図13(b)の「D」)を用いるとき、固定送信ギャップは2つの接続されたフレームの中央に位置する。送信ギャップが2つの連続する無線フレームに渡るようなとき、各無線フレーム内の少なくとも8つのスロットが送信されるように、NfirstとTGLが選択される。代替的に、送信ギャップの位置を、例えば、データ取得などのある目的のために調整可能/再配置可能にできる。
【0094】
図14を参照すると、アップリンクの物理チャネルに拡散が適用される。ある好適な実施形態では、情報を5MHzの帯域幅に渡って拡散するのに直接拡散の符号分割多元接続(DS−CDMA)技術が使用され得るが、本発明の他の実施形態では他のタイプの拡散が使用されてもよい。
【0095】
信号の帯域幅を増大させるようにデータ・シンボルがいくつかのチップに変換される、チャネリゼーション演算が実行される。データ・シンボル当たりのチップの数が拡散係数(SF)である。その後、拡散された信号にスクランブル・コードが適用される、スクランブル化演算が実行される。チャネリゼーションでは、いわゆるI及びQブランチのデータ・シンボルは、OVSFコードで独立に多重化される。スクランブル化演算により、I及びQブランチで得られた信号が、複素値のスクランブル・コードで更に多重化される。ここでI及びQは実数部及び虚数部をそれぞれ表わしている。
【0096】
図14をより詳細に参照すると、DPDCH及びDPCCHのアップリンクの拡散が示されている。拡散されるべき2値のDPDCH及びDPCCHが実数値のシーケンスによって表わされており、すなわち、2値の「0」は実数値+1にマップされ、2値の「1」は実数値−1にマップされている。DPCCHは51でチャネリゼーション・コードccによってチップレートに拡散され、DPDCHnで表わされるn番目のDPDCHは53で、例えば拡散回路によってチャネリゼーション・コードcd,nによってチップレートに拡散される。各コードは異なっている。1つのDPCCHと最大6つの並列なDPDCHとは同時に送信され得、すなわち、本発明の様々な実施形態において、0≦n≦6である。上述のように、本発明の様々な実施形態において、DPDCH及びDPCCHは、同じ又は異なった拡散係数を用いて拡散されるであろう。
【0097】
チャネリゼーションの後、実数値で拡散された信号は55で、DPCCHについてはβc、全てのDPDCHについてはβdである、利得係数によって重み付けされる。それぞれの所与の時点において、βc及びβdの少なくとも1つは1.0の大きさである。βの値は4ビットワードに量子化されてもよい。
【0098】
55の重み付けの後、I及びQブランチの実数値のチップのストリームは57で加算され、チップの複素値のストリームとして処理される。そしてこの複素値の信号は、ロング又はショートのスクランブル・コードのどちらが使用されるかに応じて、59で複素値のスクランブル・コードSlong,n又はSshort,nでスクランブルがかけられる。スクランブル・コードはフレームと合わせられ、すなわち、第1のスクランブル・チップはフレームの開始に対応している。アップリンクでは、図14の拡散処理で生成された複素値のチップ・シーケンスは、例えば、3.84Mcpsの変調チップレートで、図15に示したように、QPSK又はそれ以外で変調される。
【0099】
拡散されて変調された後、アップリンクのDPDCH及びDPCCHは、本発明のある実施形態では、MSからBSへなどのように送信される。上記から明らかなように、本発明のある実施形態では、MSは圧縮モードの複合信号をBSへ送信し、先に説明したように、DPDCHにおけるTGはSF低減及びレート・マッチングの組合せによって達成され、図7−10及び12に関して説明したように、DPCCHにおけるTGはレート・マッチングだけによって達成される。本発明の他の実施形態では、DPDCH及びDPCCHの両方は、両方におけるTGがSF低減及びレート・マッチングの組合せによって達成され、複合信号によって圧縮モードでMSからBSへ送信され得る。更に他の実施形態では、DPDCH及びDPCCHの両方は、両方におけるTGがレート・マッチングによって達成され、複合信号によって圧縮モードでMSからBSへ送信され得、この場合、図7−10及び12のいずれかのように、制御チャネル内でTFCIビットが繰り返される。
【0100】
図19は、ここでのCDMA信号のいずれかを受信する代表的受信機を示している。例えば、信号がMSからBSへ送信されるアップリンクでは、受信機はBSに位置している。受信機は、受信したCDMA信号を逆拡散するのに、局所的に生成されたコード・シーケンス203を用いてコヒーレント復調201を使用してもよい。受信した信号のコードと局所的に生成したコード203とは、トラッキング/同期装置205によって、信号受信の開始のときに同期が達成され信号全体が受信されるまで同期が維持されて同期させられる。復調器201による逆拡散の後、データ変調された信号207が得られ、データ復調器209によるデータの復調の後、元のデータが再現され得る。
【0101】
ダウンリンクについて、図16は行われる特定のステップを示しており、図17−18は特定のダウンリンク物理チャネルに対する拡散演算を示している。図17−18をより詳細に参照すると、2つの連続するシンボルの対それぞれは、最初にシリアルからパラレルに変換され、71でI及びQブランチにマップされる。マッピングは、偶数及び奇数の番号のシンボルが、I及びQブランチにそれぞれマップされるようなものである。そしてI及びQのブランチは、73で実数値のチャネリゼーション・コードによってチップレートに拡散される。チャネリゼーション・コードはアップリンクで使用されるものと同じ、すなわち、直交可変拡散係数(OVSF)コードである。そしてI及びQのブランチの実数値のチップのシーケンスは、単一の複素値のチップのシーケンスとして処理される。チップのシーケンスには複素値スクランブル・コードによってスクランブルがかけられる(例えば、複素チップ型の乗算;complex chip-wise multiplication)。
【0102】
図18は、異なったダウンリンク・チャネルがどのように組み合わされるのかを示している。図17の点Sに対応する複素値で拡散されたチャネルそれぞれは、重み付け係数Giで別々に重み付けされる。オプションで、P−SCH及びS−SCHなどの特定の複素値チャネルが、重み付け係数Gp及びGsで別々に重み付けされてもよい。そして全てのダウンリンク物理チャネルは、77で複合加算を用いて組み合わされる。
【0103】
ダウンリンク圧縮モードでは、TGを形成するのに単純なSF低減が使用されると、TGLが必要以上に長くなることが多い。TGの間にはパイロット及びTPCコマンドは何も送信されず、性能の損失となり得る。このため、本発明のある実施形態では、測定に使用されない全てのスロットでパイロット及びTPCコマンドを送信することによって、このような損失の可能性が最小とされる。換言すれば、TPC、PL及びTFCIの少なくともいずれかの送信は、出力制御能力の低下による損失を最小とするために、できるだけ多くの部分で行われるようにすべきである。このように、TPC、TFCI及びパイロットの少なくともいずれかは、送信ギャップ内にない全てのスロットで送信されてもよい(アップリンク及びダウンリンクの両方について)。
【0104】
以下の例は、どのようにして情報がフレームの一部で送信され、制御情報がそのフレームの大部分で送信されるのかを示している(すなわち、制御情報は送信されている情報又はデータのビット内に送信ギャップがあるときにも積極的に送信され得る)。例えば、要求された送信ギャップが4スロットだけであると想定する。係数2での拡散係数の低減を想定すると、情報/データのビットは7.5(8と同様)スロットで送信されるであろう。しかしながら、制御(例えば、TFCI、TPC)情報はフレームの11スロット(15−4=11)で送信され得る。
【0105】
その上、ダウンリンクの圧縮モードでは(SF低減又はパンクチュアリングのいずれかによって)、スロット・フォーマットは変更され、その結果TFCIビットは全く失われない。圧縮モードにおける様々なスロット・フォーマットは、考えられる全てのTGLに対するTFCIビットの正確な数には適合しない。そのため、TFCIフィールドの数がTFCIビットの数を越えると、DTX(間欠伝送インジケータ)が使用される。DTXが使用されるフィールドのブロックは、ギャップの後の最初のフィールドから始まる。ダウンリンクでは、無線フレームをビットで充填するためにこのようなDTXが使用される。これはアップリンク及びダウンリンクに適用できる。
【0106】
例えば、最後のTFCIフィールドの半分(図11のスロット14を参照)が、図11に示すようにDTXビットで充填される(空のフィールドはDTXビットを表わしている)。SFを係数2で低減するとき、このようなDTXは得られるスロットの半分に相当する。
【0107】
ギャップの後のTFCIフィールドがDTXビットよりも少なければ、ギャップの前の最後のフィールドもまたDTXで充填される。1つの圧縮無線フレームで利用できるTFCIフィールドの数はDであり、スロット内のTFCIフィールドのビット数はNTFCIである。また、ビットEは繰り返される最初のビットであり、E=NfirstNTFCIである。Nlast≠14であれば、EはTGの直後のスロット内の最初のTFCIビットの数に相当する。送信されるべきTFCIビットの合計数はNtotである。SF≧128であれば、Ntot=32であり、そうでなければNtot=128である。そして、以下の関係でマッピングを定義する。すなわち、
dk=b(k mod32)、ただし、k=0、1、2、…、min(E,Ntot)−1であり、E<Ntotであれば、
dk+D-Ntot=b(k mod32)、ただし、k=E、…、Ntot−1、である。
【0108】
DTXビットは、dkで送信され、k=min(E,Ntot)、…、min(E,Ntot)+D−Ntot−1、である。
【0109】
本発明を現在最も実用的で好適と考えられる実施形態に関して説明したが、本発明は開示された実施形態に限定されるものと解釈すべきではなく、特許請求の範囲に包含される様々な変形及び等価な構成、並びに実施形態をカバーするものと理解されたい。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
セルラ通信ネットワークにおいて、複数のスロットを含む符号分割多元接続(CDMA)のアップリンク・フレームを、移動局から前記ネットワークの基地局へのチャネルで送信する方法であって、
拡散係数(SF)及び送信されるべき情報ビットの冗長度のいずれかによって、前記フレーム内の送信ギャップ(TG)の少なくとも一部を定義するステップを含み、
前記送信ギャップの少なくとも一部を定義するステップは、低減された拡散係数と送信されるべき情報ビットの増大された冗長度とを用いるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
通信ネットワークにおいて、複数のスロットを含む圧縮モードのフレームであって、情報データ及び制御ビットが送信される前記フレームを送信する方法であって、
前記フレーム内に長さTGLの送信ギャップを形成するステップと、
前記フレーム内で情報ビットよりも多くの制御ビットが送信されるように、前記情報データを前記フレーム内の第1の数のスロットで送信し、前記制御ビットを、前記フレーム内の、前記第1の数よりも大きい第2の数のスロットで送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
前記制御ビットのいくつかは、前記情報ビットの送信ギャップを形成するスロット内で送信されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【請求項1】
セルラ通信ネットワークにおいて、複数のスロットを含む符号分割多元接続(CDMA)のアップリンク・フレームを、移動局から前記ネットワークの基地局へのチャネルで送信する方法であって、
拡散係数(SF)及び送信されるべき情報ビットの冗長度のいずれかによって、前記フレーム内の送信ギャップ(TG)の少なくとも一部を定義するステップを含み、
前記送信ギャップの少なくとも一部を定義するステップは、低減された拡散係数と送信されるべき情報ビットの増大された冗長度とを用いるステップを含むことを特徴とする方法。
【請求項2】
通信ネットワークにおいて、複数のスロットを含む圧縮モードのフレームであって、情報データ及び制御ビットが送信される前記フレームを送信する方法であって、
前記フレーム内に長さTGLの送信ギャップを形成するステップと、
前記フレーム内で情報ビットよりも多くの制御ビットが送信されるように、前記情報データを前記フレーム内の第1の数のスロットで送信し、前記制御ビットを、前記フレーム内の、前記第1の数よりも大きい第2の数のスロットで送信するステップと、
を含むことを特徴とする方法。
【請求項3】
前記制御ビットのいくつかは、前記情報ビットの送信ギャップを形成するスロット内で送信されることを特徴とする請求項2に記載の方法。
【図1(a)】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図1(b)】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5(a)】
【図5(b)】
【図6】
【図7】
【図8(a)】
【図8(b)】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13(a)】
【図13(b)】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2011−205656(P2011−205656A)
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−100043(P2011−100043)
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【分割の表示】特願2010−165321(P2010−165321)の分割
【原出願日】平成12年9月15日(2000.9.15)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成23年10月13日(2011.10.13)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年4月27日(2011.4.27)
【分割の表示】特願2010−165321(P2010−165321)の分割
【原出願日】平成12年9月15日(2000.9.15)
【出願人】(598036300)テレフオンアクチーボラゲット エル エム エリクソン(パブル) (2,266)
【Fターム(参考)】
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