説明

フロントエンドモジュール

【課題】複数の周波数帯域で共有される出力端子を備え、挿入損失が抑制されたフロントエンドモジュールを提供する。
【解決手段】フロントエンドモジュール10は、アンテナ端子12、出力端子30と、第1端子16を介してアンテナ端子12に接続され、第1端子16を第2端子18又は第3端子20に選択的に接続するスイッチ14と、第2端子18と出力端子30間の第1伝送路P1と、第3端子20と出力端子30間の第2伝送路P2と、第1伝送路P1上に設けられ、第1の通過帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ24と、第2伝送路P2上に設けられ、第1の通過帯域とは異なる第2の通過帯域の信号を通過させるバンドパスフィルタ26と、バンドパスフィルタ24、26と出力端子30との間に配置された整合回路28と、第2端子18とバンドパスフィルタ24との間に配置された移相器22と、を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はフロントエンドモジュールに関し、特に、マルチバンド対応の通信装置において用いられるフロントエンドモジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
複数の通信方式を利用して通話やデータ送受信を行うことができるマルチバンド対応の携帯電話機が普及している。このようなマルチバンド対応の携帯電話機は、高周波スイッチ、フィルタ、増幅素子等から成るRF回路を単一のパッケージに複合化したフロントエンドモジュールを備えることが一般的であり、このフロントエンドモジュールにより、複数の周波数帯域の信号が重畳されたマルチバンド受信信号を周波数帯域ごとに分離して後段の受信機に出力する。
【0003】
増幅素子を複数の周波数帯で共用してフロントエンドモジュールを小型化するために、出力端子を複数の周波数帯で共用化したフロントエンドモジュールの開示例がある。例えば、特開2005−64778号公報(特許文献1)には、互いに異なる周波数帯域を通過帯域とする一組のバンドパスフィルタを共通の入力端子と共通の出力端子との間に並列に配置し、この一組のバンドパスフィルタの入力側と出力側のそれぞれにスイッチを接続して構成されたフロントエンドモジュールが開示されている(特許文献1の図8−B参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2005−64778号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に記載されたフロントエンドモジュールは、フィルタの入力側と出力側のそれぞれにスイッチを設けているため、このフィルタを通過する受信信号がスイッチを通過するたびに減衰され、モジュールの挿入損失が増加する。そこで、本発明の様々な実施形態によって、複数の周波数帯域で共有される出力端子を備え、挿入損失が抑制されたフロントエンドモジュールを提供する。その他の課題は、下記の詳細な説明、添付図面等の記載から理解される。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の一実施態様に係るフロントエンドモジュールは、少なくともアンテナからの受信信号が入力されるアンテナ端子と、出力端子と、第1端子、第2端子、及び第3端子を有し、前記第1端子を介して前記アンテナ端子に接続され、前記第1端子を前記第2端子又は前記第3端子に選択的に接続するスイッチと、前記第2端子と前記出力端子との間で前記受信信号を伝送する第1伝送路と、前記第3端子と前記出力端子との間で前記受信信号を伝送する第2伝送路と、前記第1伝送路上に設けられ、前記受信信号のうち第1の通過帯域の信号を通過させる第1フィルタと、前記第2伝送路上に設けられ、前記受信信号のうち前記第1の通過帯域とは異なる第2の通過帯域の信号を通過させる第2フィルタと、前記第1及び第2フィルタと前記出力端子との間に配置された整合回路と、前記第2端子と前記第1フィルタとの間に配置された第1の移相器と、を備える。
【発明の効果】
【0007】
本発明の様々な実施態様によれば、複数の周波数帯域で共有される出力端子を備え、挿入損失が抑制されたフロントエンドモジュールを提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
【図1】本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュールを示す回路図
【図2】第2端子18から見たバンドパスフィルタ24側の回路の入力インピーダンスの周波数特性を示すスミスチャート
【図3】バンドパスフィルタ24の動作時における本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュールの減衰特性を表すグラフ
【図4】移相器を備えていないフロントエンドモジュールの減衰特性を表すグラフ
【図5】バンドパスフィルタ26の動作時における本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュールの減衰特性を表すグラフ
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の様々な実施形態について添付図面を参照して説明する。図1は、本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュール10を表す回路図である。図示のとおり、本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュール10は、アンテナ端子12に接続されたスイッチ14と、スイッチ14の後段にスイッチ用整合回路21を介して接続されたバンドパスフィルタ24、26と、バンドパスフィルタ24、26の出力側に接続された整合回路28と、出力端子30とを備える。不図示のアンテナからアンテナ端子12を介して入力されたマルチバンド信号は、スイッチ14のスイッチング動作に従ってバンドパスフィルタ24、26の一方に選択的に伝送される。各バンドパスフィルタ24、26は、スイッチ14からの信号のうちそれぞれの通過帯域の信号を通過させる。バンドパスフィルタ24、26を通過した信号は、出力端子30から後段の受信機に出力される。一実施形態において、バンドパスフィルタ24とスイッチ14との間には、後述の移相器22が配置される。一態様におけるスイッチ用整合回路21は、スイッチ14の端子に接続された複数のインダクタを含む。
【0010】
一実施形態におけるスイッチ14は、例えば、アンテナ端子12に接続された第1端子16と第2端子18と第3端子20とを備えるSPDT(Single Pole Dual Throw)型のスイッチである。スイッチ14は、電圧を供給するための電圧供給用端子(不図示)と、制御信号を入力するための制御用端子(不図示)をさらに備え、この制御用端子から入力される制御信号に基づいて、第1端子16が、第2端子18又は第3端子20の一方と選択的に接続されるように構成される。スイッチ14の端子数は、回路構成に応じて任意に設定することができる。例えば、スイッチ14は、SP3Tスイッチ、SP4Tスイッチ、SP8Tスイッチ、DPDTスイッチ、又はDP4Tスイッチとすることができる。スイッチ14を構成するスイッチ素子として、例えば、電界効果トランジスタを用いることができる。
【0011】
スイッチ14の第2端子18と出力端子30とを結ぶ第1の伝送路P1上にはバンドパスフィルタ24が配置される。また、スイッチ14の第3端子20と出力端子30とを結ぶ第2の伝送路P2上にはバンドパスフィルタ26が配置される。バンドパスフィルタ24、26は、例えば、表面弾性波フィルタ(SAWフィルタ)やバルク弾性波フィルタ(BAWフィルタ)から成る。バンドパスフィルタ24、26は、それぞれ固有の通過帯域を有しており、入力された信号のうち通過帯域の信号を後段の回路に伝送するとともに通過帯域以外の信号を抑圧する。バンドパスフィルタ24、26の通過帯域は、例えば、UMTS(Universal Mobile Telecommunication System)で規定されている様々なバンドの受信用帯域に設定される。バンドパスフィルタ24、26は、入力される不平衡信号を平衡信号に変換して出力するように構成してもよい。
【0012】
バンドパスフィルタ24、26と出力端子30との間には、整合回路28が配置されている。整合回路28は、例えば、キャパシタ及びインダクタ等の受動素子を組み合わせて構成することができる。整合回路28は、アンテナ側及び出力側から見たフロントエンドモジュール10の入力インピーダンスが、バンドパスフィルタ24、26の通過帯域において、出力端子30の後段に接続される外部回路に整合するように構成される。つまり、スイッチ14の第1端子16を第2端子18と接続してバンドパスフィルタ24を動作させる場合に、フロントエンドモジュール10の入力インピーダンスがバンドパスフィルタ24の通過帯域において基準インピーダンスに整合するとともに、スイッチ14の第1端子16を第3端子20と接続してバンドパスフィルタ26を動作させる場合に、フロントエンドモジュール10の入力インピーダンスがバンドパスフィルタ26の通過帯域において基準インピーダンスに整合するように構成される。このような整合条件を満たす整合回路28の具体的な構成方法は当業者に自明であるため、本明細書では詳しい説明は省略する。
【0013】
このように、バンドパスフィルタ24、26の後段に整合回路28を設け、バンドパスフィルタ24、26をこの整合回路28を介して共通の出力端子30に接続することにより、バンドパスフィルタ24、26の後段にスイッチを設けた従来のフロントエンドモジュール(特許文献1の図8−B参照)と比較して挿入損失を抑制することができる。
【0014】
一方、本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュール10においては、整合回路28によってバンドパスフィルタ24、26の出力側同士が常時接続されているため、バンドパスフィルタ24とバンドパスフィルタ26との間のアイソレーションが不十分となり、一方のフィルタを動作させる際に、他方のフィルタの影響により、その動作対象となるフィルタの減衰特性が劣化する恐れがある。例えば、スイッチ14の第1端子16を第2端子18と接続してバンドパスフィルタ24を動作させる場合に、第1端子16及び第2端子18から本来切断されている第3端子20にバンドパスフィルタ26の通過帯域の信号が若干漏洩し、この漏洩した信号がバンドパスフィルタ26を通過して出力端子30に到ることで、バンドパスフィルタ24の動作時におけるフロントエンドモジュール10の減衰特性が、本来切断されているバンドパスフィルタ26の通過帯域において劣化する恐れがある。
【0015】
そこで、本発明の一実施形態においては、移相器22をスイッチ14の第2端子18とバンドパスフィルタ24との間に配置することで、回路31と第2端子との接続点J1から見たスイッチ14の後方(出力側)に接続されている回路31単体の入力インピーダンスをバンドパスフィルタ26の通過帯域において実質的に0とする。これにより、バンドパスフィルタ26の通過帯域における減衰特性の劣化を抑制することができる。このように、接続点J1から見た回路31単体の入力インピーダンスをバンドパスフィルタ26の通過帯域において実質的に0とすることで、バンドパスフィルタ26の通過帯域の信号が第1端子16及び第2端子18から第3端子20へ漏洩することを抑制でき、その結果、バンドパスフィルタ26の通過帯域における減衰特性の劣化を抑制することができる。一態様において、入力インピーダンスの調整対象となる回路31には、スイッチ用整合回路21、移相器22、バンドパスフィルタ24、バンドパスフィルタ26、及び整合回路28が含まれるが、これら以外の様々な素子を回路31に含めることができる。ここで挙げた回路31の具体的構成はあくまでも例示であり、本明細書で具体的に説明したもの以外にも様々な素子を回路31に含めることができる。つまり、回路31は、スイッチ14と出力端子30との間に配置される任意の回路を示す。回路31の入力インピーダンスは、後述するように、回路31単体で、すなわちスイッチ14が回路31のインピーダンスに実質的に影響を与えない状態で評価される。
【0016】
図2を参照して、移相器22による入力インピーダンスの回転について説明する。図2(a)は、図1に示す構成から移相器22を除去した回路31(ここでは、移相器22が省略されているため、スイッチ用整合回路21、バンドパスフィルタ24、バンドパスフィルタ26、及び整合回路28から成る回路)単体の接続点J1から見た入力インピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートであり、図2(b)は、図1に示す回路31(スイッチ用整合回路21、移相器22、バンドパスフィルタ24、バンドパスフィルタ26、整合回路28から成る回路)単体の接続点J1から見た入力インピーダンスの周波数特性を示すスミスチャートである。つまり、図2(a)及び図2(b)のスミスチャートは、スイッチ14が回路31の入力インピーダンスに実質的に影響を与えないようにスイッチ14を回路31から切り離した状態における回路31の入力インピーダンスのシミュレーション結果を示す。ここでは、バンドパスフィルタ24の通過帯域をUMTSのバンドVIIIの受信用に割り当てられた925〜960MHzに設定し、バンドパスフィルタ26の通過帯域をUMTSのバンドVの受信用に割り当てられた869〜894MHzに設定してシミュレーションを行った。
【0017】
図2(a)及び図2(b)において、マーカm1は、バンドパスフィルタ26の通過帯域内の周波数を表す。図2(a)に示すとおり、移相器22を備えていない回路31においてはマーカm1が容量性の領域に存在しているため、回路31にスイッチ14を接続して使用する際に、受信信号のバンドVの成分が第1端子16及び第2端子18から第3端子20へ漏洩し、当該モジュールの減衰特性を劣化させる要因となる。この回路31に移相器22を設けることにより、図2(b)に示すように、マーカm1における回路31の入力インピーダンスが実質的に0となるように入力インピーダンスを反時計回りに回転させることができる。このようにマーカm1(バンドパスフィルタ26の通過帯域)における入力インピーダンスを実質的に0とすることにより、バンドパスフィルタ26の通過帯域の信号にとっては第2端子18が接地されていることと等価であり、バンドパスフィルタ26の通過帯域の信号が第1端子16又は第2端子18から第3端子20へ漏洩することを抑制できる。これにより、バンドパスフィルタ24とバンドパスフィルタ26とのアイソレーションを十分に確保することができ、バンドパスフィルタ24の動作時にバンドパスフィルタ26の通過帯域におけるフロントエンドモジュールの減衰特性の劣化を抑制することができる。
【0018】
一実施形態においては、移相器22を分布定数素子で構成することができる。この分布定数素子の電気長は、接続点J1から見た回路31単体の入力インピーダンスがバンドパスフィルタ26の通過帯域において実質的に0となるように定められる。移相器22を分布定数素子から構成することにより、バンドパスフィルタ24の整合状態に実質的に影響を与えることなく、容量性の領域に存在するバンドパスフィルタ26の通過帯域の周波数において入力インピーダンスを接地側へ回転させることができる。移相器22は、分布定数素子でなく集中定数素子を用いて構成することもできる。
【0019】
図3は、バンドパスフィルタ24の動作時における本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュールの減衰特性のシミュレーション結果を示すグラフであり、図4は、フロントエンドモジュール10から移相器22を除去したモジュールにおいてバンドパスフィルタ24を動作させた場合の減衰特性のシミュレーション結果を示すグラフである。このシミュレーションは、図1のフロントエンドモジュール10におけるスイッチ14としてSP8Tスイッチを用い、各フィルタとして100Ωのバランス出力に対応したSAWフィルタを用いた。これらの図において、横軸は周波数をGHz単位で表し、縦軸は、減衰特性をミックスドモードのSパラメータで評価した結果を表す。具体的には、縦軸においては、アンテナ端子側の反射特性を示すSss11パラメータ及び減衰特性を示すSds21パラメータの大きさをdB単位で表している。Sss11パラメータは参照符号32又は参照符号42で示され、Sds21パラメータは参照符号34又は参照符号44で示されている。図4に示されているとおり、移相器22を設けていない場合には、バンドパスフィルタ26の通過帯域である869〜894MHzの帯域の一部において減衰量が50dB以下となるなど、バンドパスフィルタ24単体の特性と比べて減衰特性が劣化していることがわかる。一方、図3に示すとおり、本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュール10においては、869〜894MHzの帯域における減衰量がすべて50dB以上となっており、移相器22を設けない場合と比較して減衰特性が顕著に改善している。
【0020】
図5は、本発明の一実施形態に係るフロントエンドモジュール10において第1端子16を第3端子20と接続してバンドパスフィルタ26を動作させた場合のフロントエンドモジュール10の減衰特性を表すグラフである。図5は、図3及び図4と同様に、横軸は周波数をGHz単位で表し、縦軸は、減衰特性をミックスドモードのSパラメータで評価した結果を表す。図示のとおり、バンドパスフィルタ26を動作させた場合には、このバンドパスフィルタ26の通過帯域である869〜894MHzを通過させ、帯域外が十分に抑圧されていることがわかる。このように、バンドパスフィルタ24の前方に移相器22を設けた場合でも、バンドパスフィルタ26の通過帯域を良好に維持することができる。図5においてはバンドバスフィルタ24の帯域である925〜960MHzの一部において減衰量の若干の劣化が見られるが、以下に示す方法で第3端子20とバンドパスフィルタ26との間に移相器を設けることにより、この減衰量の劣化を抑制することができる。
【0021】
本開示の一態様においては、第3端子20とバンドパスフィルタ26との間に移相器22と同様の移相器を設けることにより、第3端子20と回路31との接続点J2から見た回路31(フィルタ用整合回路21、移相器22、バンドパスフィルタ24、バンドパスフィルタ26、整合回路28、第3端子20とバンドパスフィルタ26との間の移相器から成る回路)単体の入力インピーダンスをバンドパスフィルタ24の通過帯域において実質的に0とすることができる。上述したように、回路31の入力インピーダンスの評価は、スイッチ14を回路31から切り離してスイッチ14の影響を排除した状態で行われることに留意されたい。これにより、第3端子20及び第1端子16から第2端子18へバンドパスフィルタ24の通過帯域の信号が漏洩することを防止でき、バンドパスフィルタ24とバンドパスフィルタ26とのアイソレーションをさらに改善することができる。この第3端子20とバンドパスフィルタ26との間の移相器は、図1の移相器22の代わりに設けることもできるし、移相器22に加えて設けることもできる。
【0022】
図1に示したフロントエンドモジュール10の回路構成は適宜変更することができる。例えば、本明細書において説明したバンドパスフィルタ24、26の通過帯域は一例であり、これらのフィルタに代えて様々な通過帯域を有するフィルタを用いることができる。また、本発明のフロントエンドモジュール10に設けることのできるバンドパスフィルタの数は任意であり、例えば、3つ以上のバンドパスフィルタをスイッチ14の後段に並列に配置することができる。
【0023】
本発明に係るフロントエンドモジュールは、携帯電話機以外の様々な無線通信装置に搭載され得る。本発明に係るフロントエンドモジュールは、LTCC(低温同時焼成セラミックス)多層回路基板に作りこむことで小型化することができる。
【0024】
本発明の実施形態は、以上明示的に述べた態様に限られず、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本明細書において説明した実施形態に対して様々な変更を行うことができる。
【符号の説明】
【0025】
10・・・フロントエンドモジュール、12・・・アンテナ端子、14・・・スイッチ、22・・・移相器、24、26・・・バンドパスフィルタ、28・・・整合回路、30・・・出力端子

【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくともアンテナからの受信信号が入力されるアンテナ端子と、
出力端子と、
第1端子、第2端子、及び第3端子を有し、前記第1端子を介して前記アンテナ端子に接続され、前記第1端子を前記第2端子又は前記第3端子に選択的に接続するスイッチと、
前記第2端子と前記出力端子との間で前記受信信号を伝送する第1伝送路と、
前記第3端子と前記出力端子との間で前記受信信号を伝送する第2伝送路と、
前記第1伝送路上に設けられ、前記受信信号のうち第1の通過帯域の信号を通過させる第1フィルタと、
前記第2伝送路上に設けられ、前記受信信号のうち前記第1の通過帯域とは異なる第2の通過帯域の信号を通過させる第2フィルタと、
前記第1及び第2フィルタと前記出力端子との間に配置された整合回路と、
前記第2端子と前記第1フィルタとの間に配置された第1の移相器と、
を備えるフロントエンドモジュール。
【請求項2】
前記第3端子と前記第2フィルタとの間に配置された第2の移相器をさらに備える請求項1に記載のフロントエンドモジュール。
【請求項3】
前記第1及び第2のフィルタ、前記整合回路、及び前記第1の移相器を含む回路の入力インピーダンスが、前記第2フィルタの通過帯域において実質的に0となるように前記第1の移相器の電気長が定められた請求項1に記載のフロントエンドモジュール。
【請求項4】
前記第1及び第2のフィルタ、前記整合回路、及び前記第1及び第2の移相器を含む回路の入力インピーダンスが、前記第2フィルタの通過帯域において実質的に0となるように前記第1の移相器の電気長が定められた請求項2に記載のフロントエンドモジュール。
【請求項5】
前記第1及び第2のフィルタ、前記整合回路、及び前記第1及び第2の移相器を含む回路の入力インピーダンスが、前記第1フィルタの通過帯域において実質的に0となるように前記第2の移相器の電気長が定められた請求項2に記載のフロントエンドモジュール。
【請求項6】
前記移相器が分布定数素子から成る請求項1ないし5のいずれか1項に記載のフロントエンドモジュール。
【請求項7】
前記移相器が集中定数素子から成る請求項1又は2に記載のフロントエンドモジュール。
【請求項8】
請求項1ないし7のいずれか1項に記載のフロントエンドモジュールを備える無線通信装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2013−106128(P2013−106128A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−247287(P2011−247287)
【出願日】平成23年11月11日(2011.11.11)
【出願人】(000204284)太陽誘電株式会社 (964)
【Fターム(参考)】