説明

フローセル検出装置及びフローセル検出方法

【課題】 1つの光源から複数のフローセルに測定光を照射させるようにして、複数のサンプルを測定できるようにしたフローセル検出装置、及びこれを利用した吸光光度計を提供する。
【解決手段】
フローセル検出装置は、平行に配列され且つサンプルが流れる流路で形成された複数のフローセルと、前記それぞれのフローセルの側面を挟んで対向する位置に配置され、所定の波長域の光線を透過させるウィンドウと、を備え、最初のフローセルの側面に設けたウィンドウに照射された光線が、前記複数のフローセルの側面に設けたウィンドウの全てを透過するように、前記フローセルと前記ウィンドウを配置したことを特徴とするフローセル検出装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、フローセル検出装置及びフローセル検出方法に関し、詳しくは近赤外線等の光をサンプルに照射し、その透過光の光度、ないしスペクトルを測定する吸光光度計において、サンプルが通過するフローセルの両面に透明な窓を持つ構成を隣り合う複数のフローセルに適用することで複数種類のサンプルの測定を可能にしたフローセル検出装置及びフローセル検出方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来技術における吸光光度計に使用されるフローセルの構成は、図3に示すように、光源111と、サンプルを通過させるためのフローセル112と、このフローセル112に対して直交する方向に光源111からの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第1ウインドウ113と、この第1ウィンドウ113にフローセル112を介して対向する位置に設けられ、フローセル112を通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウィンドウ114と、第2ウィンドウ114を介した延長線上に設けた検出器115と、光源111からの光線を第1ウィンドウ113方向に伝達する光ファイバ等で構成されている第1光伝達手段116と、第2ウィンドウ114から出た光線を検出器115に伝達する光ファイバ等で構成されている第2光伝達手段117と、から大略構成されている。
このような構成からなる吸光光度計において、光源111からで出た測定光を、第1光伝達手段116を通じて第1ウィンドウ113を介してフローセル112中のサンプルを透過させ、透過光を再び第2ウィンドウ114を介して第2光伝達手段117を通して検出器115に照射し、その光量を測定する。
【0003】
図4は、他の吸光光度計を示したものであり、多種のサンプルを測定する場合に使用されるもので、実施例においては同一構造のフローセルを2つ用意したものであり、一方のフローセルの構成は、第1光源111Aと、サンプルを通過させるための第1フローセル112Aと、この第1フローセル112Aに対して直交する方向に第1光源111Aからの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第1ウインドウ113Aと、この第1ウィンドウ113Aに第1フローセル112Aを介して対向する位置に設けられ、第1フローセル112Aを通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウィンドウ114Aと、第2ウィンドウ114Aを介した延長線上に設けた第1検出器115Aと、第1光源111Aからの光線を第1ウィンドウ113A方向に伝達する光ファイバ等で構成されている第1光伝達手段116Aと、第2ウィンドウ114Aから出た光線を第1検出器115Aに伝達する光ファイバ等で構成されている第2光伝達手段117Aと、から大略構成されてる。
他方のフローセルの構成は、第2光源111Bと、サンプルを通過させるための第2フローセル112Bと、この第2フローセル112Bに対して直交する方向に第2光源111Bからの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第1ウインドウ113Bと、この第1ウィンドウ113Bに第2フローセル112Bを介して対向する位置に設けられ、第2フローセル112Bを通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウィンドウ114Bと、第2ウィンドウ114Bを介した延長線上に設けた第2検出器115Bと、第2光源111Bからの光線を第1ウィンドウ113B方向に伝達する光ファイバ等で構成されている第1光伝達手段116Bと、第2ウィンドウ114Bから出た光線を第2検出器115Bに伝達する光ファイバ等で構成されている第2光伝達手段117Bと、から大略構成されている。
【0004】
このような構成からなる吸光光度計においては、一方のフローセルには、第1サンプルを流通させ、もう一方の他方のフローセルには第2サンプルを流通させるようにする。
即ち、第1サンプルを測定する場合には、第1光源111Aからで出た測定光を、第1光伝達手段116Aを通じて第1ウィンドウ113Aを介して第1フローセル112A中の第1サンプルを透過させ、透過光を再び第2ウィンドウ114Aを介して第2光伝達手段117Aを通して第1検出器115Aに照射し、その光量を測定する。第2サンプルを測定する場合には、第2光源111Bからで出た測定光を、第1光伝達手段116Bを通じて第1ウィンドウ113Bを介して第2フローセル112B中の第2サンプルを透過させ、透過光を再び第2ウィンドウ114Bを介して第2光伝達手段117Bを通して第2検出器115Bに照射し、その光量を測定する。
【0005】
図5は更に別の吸光光度計を示したもので、サンプル切替手段により、複数のサンプルから一つのサンプルを選択して、フローセルに導入して測定するというものであり、それは、光源111と、サンプルを通過させるためのフローセル112と、このフローセル112に対して直交する方向に光源111からの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第1ウインドウ113と、この第1ウィンドウ113にフローセル112を介して対向する位置に設けられ、フローセル112を通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウィンドウ114と、第2ウィンドウ114を介した延長線上に設けた検出器115と、光源111からの光線を第1ウィンドウ113方向に伝達する光ファイバ等で構成されている第1光伝達手段116と、第2ウィンドウ114から出た光線を検出器115に伝達する光ファイバ等で構成されている第2光伝達手段117と、フローセル112に流通させる第1サンプル或は第2サンプルを切り替えるサンプル切替手段118と、から大略構成されている。
【0006】
このような構成からなる吸光光度計においては、先ず、測定したいサンプル、実施例に於いてはサンプル切替手段118により第1サンプル或は第2サンプルを選択してフローセル112に流通させるようにする。そして、光源111からで出た測定光を、第1光伝達手段116を通じて第1ウィンドウ113を介してフローセル112中の第1サンプル或は第2サンプルを透過させ、透過光を再び第2ウィンドウ114を介して第2光伝達手段117を通して検出器115に照射し、その光量を測定する。
【0007】
図6は、フローセルを複数個用意し、フローセルへの照射光、及びフローセルからの透過光を測定光切替手段によってそれぞれ選択し、検出器に照射するというものであり、それは、光源111と、第1サンプルを通過させるための第1フローセル112Aと、この第1フローセル112Aに対して直交する方向に光源111からの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第1ウインドウ113Aと、この第1ウィンドウ113Aに第1フローセル112Aを介して対向する位置に設けられ、第1フローセル112Aを通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウィンドウ114Aと、第2サンプルを通過させるための第2フローセル112Bと、この第2フローセル112Bに対して直交する方向に光源111からの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第1ウインドウ113Bと、この第1ウィンドウ113Bに第2フローセル112Bを介して対向する位置に設けられ、第2フローセル112Bを通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウィンドウ114Bと、第2ウィンドウ114Bを介した延長線上に設けた検出器115と、光源111からの光線を第1フローセル112A或は第2フローセル112B方向に切り替えて伝達する第1測定光切替手段119と、第1フローセル112A或は第2フローセル112Bからの透過光を切り替えて検出器115に照射する第2測定光切替手段120と、から大略構成されている。
【0008】
このような構成からなる吸光光度計において、先ず、測定するサンプルを選択する。実施例の場合は第1サンプル或は第2サンプルを選択する。第1サンプルを選択した場合は、第1フローセル112Aに光線が入射できるように第1測定光切替手段119を第1フローセル112A側に切り替え、且つ第1フローセル112Aを透過した光線を検出器115に入射できるように第2測定光切替手段120を第1フローセル112A側に切り替える。
第2サンプルを選択した場合は、第2フローセル112Bに光線が入射できるように第1測定光切替手段119を第2フローセル112B側に切り替え、且つ第2フローセル112Bを透過した光線を検出器115に入射できるように第2測定光切替手段120を第2フローセル112B側に切り替える。
そして、第1サンプルを選択したときには、光源111からで出た測定光を、第1測定光切替手段手段119を通じて第1ウィンドウ113Aを介して第1フローセル112A中の第1サンプルを透過させ、透過光を再び第2ウィンドウ114Aを介して第2測定光切替手段120を通して検出器115に照射し、その光量を測定する。
同じく、第2サンプルを選択したときには、光源111からで出た測定光を、第1測定光切替手段手段119を通じて第1ウィンドウ113Bを介して第2フローセル112B中の第2サンプルを透過させ、透過光を再び第2ウィンドウ114Bを介して第2測定光切替手段120を通して検出器115に照射し、その光量を測定する。
【特許文献1】特開2002−296178号公報(第3頁 第1図)
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかし、従来技術で説明した図3に示す吸光光度計においては、一つのフローセルで単一のサンプルしか測定することができないという問題がある。
図4に示す吸光光度計においては、全く同じ構成のフローセルを複数用意するため、その分コストがかかり、又、設置場所も測定するサンプルの数だけ多くとるという問題がある。
図5に示す吸光光度計においては、サンプル切替手段が必要であり、サンプル切替手段と流路、フローセルのコンタミが発生する可能性がある。又、サンプルの切替に時間がかかり、測定値が低下する可能性がある。
図6に示す吸光光度計においては、測定光切替手段が必要であり、典型的には光伝達手段に光ファイバを用い、測定光切替手段にマルチプレクサを用いるが、マルチプレクサには可動部があり、光量が著しく低下するという問題がある。又、もとの測定サンプルに戻した際に、測定値の再現性が悪いといった問題もある。
【0010】
従って、簡便な構造のフローセルであっても、複数種類のサンプルが正確に測定できるようなフローセルの構造に解決しなければならない課題を有する。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本願発明のフローセル検出装置及びフローセル検出方法は、次に示す構成にしたことである。
【0012】
(1)フローセル検出装置は、平行に配列され且つサンプルが流れる流路で形成された複数のフローセルと、前記それぞれのフローセルの側面を挟んで対向する位置に配置され、所定の波長域の光線を透過させるウィンドウと、を備え、最初のフローセルの側面に設けたウィンドウに照射された光線が、前記複数のフローセルの側面に設けたウィンドウの全てを透過するように、前記フローセルと前記ウィンドウを配置したことである。
(2)前記複数のフローセルのうち、隣接するフローセルの間に設けたウィンドウは互いに共有することを特徴とする(1)に記載のフローセル検出装置。
(3)前記複数のフローセルは、2つのフローセルである(1)に記載のフローセル検出装置。
【0013】
(4)フローセル検出方法は、平行に配列した2つのフローセルの側面の対向する位置に光線を透過させるウィンドウを設け、一方のフローセルにサンプルを流したときに、他方のフローセルは空の状態にして吸光度を測定し、他方のフローセルに前記一方のフローセルに流したサンプルと異なるサンプルを流したときに、一方のフローセルを空の状態にして吸光度を測定するようにして複数種類のサンプルの吸光度を測定するようにしたことである。
【発明の効果】
【0014】
本発明のフローセル検出装置及びフローセル検出方法は、複数のフローセルを平行に配置し、その配置したフローセルの側面にウインドウを設け、そのウィンドウに光源からの光線を照射するようにしたことで、簡単な構造であっても複数種類のサンプルの測定をすることができる。
又、一つのフローセルには1種類のサンプルしか流さないので、サンプル間のコンタミの影響がない。更に、濃度や組成の著しく異なるサンプルや、混合すると危険なサンプルを流しても別々のフローセルに流すため、問題が発生しない。
更に、測定光切替手段が不要なので、光量が確保でき、測定流路を戻したときの再現性の問題がない。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
次に、本願発明に係るフローセル検出装置及びフローセル検出方法の実施例について、図面を参照して説明する。
【実施例1】
【0016】
本願発明の第1実施例のフローセル検出方法を具現化できるフローセル検出装置は、吸光光度計に採用されるもので、それは、図1に示すように、近赤外光線を発射する光源11と、平行に配列され且つサンプルが流れる流路で形成された複数のフローセル(実施例の場合2つの第1フローセル12及び第2フローセル13)と、この第1及び第2フローセル12、13の側面に対して直交する方向に光源11からの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第1ウインドウ14と、この第1ウィンドウ14と第1フローセル12を介して対向する位置に設けられ、第1フローセル12を通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウィンドウ15と、第2ウィンドウ15と第2フローセル13を介して対向する位置に設けられ、第2フローセル13を通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第3ウィンドウ16と、第3ウィンドウ16を介した延長線上に設けた検出器と17と、光源11からの光線を第1ウィンドウ14方向に伝達する第1測定光伝達手段18と、第3ウィンドウ16から出た光線を検出器17に伝達する第2測定光伝達手段19と、から大略構成されている。
第1及び第2測定光伝達手段18,19は、単なる空間のこともあれば、光ファイバや内面を鏡面にしたライトパイプを使うことができる構成になっている。
【0017】
このような構成からなるフローセル検出装置において、第1及び第2フローセル12、13は独立した2つの流路を持っており、各流路の両側には透明な第1及び第2及び第3ウィンドウ14、15、16が設置されている。第1フローセル12と第2フローセル13の間は一つの第2ウィンドウ15が各フローセルのウィンドウを互いに共有した構成になっている。
そして、光源11から照射された測定光は、第1測定光伝達手段18を通して第1フローセル12の第1ウィンドウ14を通り、第1サンプルが流れる第1フローセル12を通過し、更に第2ウィンドウ15を通過し、第2サンプルが流れる第2フローセル13を通過し、第3ウィンドウ16を通過した後に、第2測定光伝達手段19を通して検出器17に照射される。
今、第1フローセル12に第1サンプルを流し、第2フローセル13は空のまま(乾燥空気、窒素など、当該測定光の波長域で光吸収のないガスを流してパージしながら)にした状態で測定すると、光源11から検出器17に至る光路上で、第1フローセル12の部分だけで第1サンプルによる吸収が発生し、第1サンプルの吸光度、スペクトル、ないし濃度等を測定することができる。
次に、第1フローセル12を流す第1サンプルを止め、必要に応じて溶剤や純水等で第1フローセル12を洗浄した後に、第1フローセル12を乾燥空気等でパージして流路を乾燥させ、第2フローセル13に別のサンプルである第2サンプルを流す。この状態で測定すると、同様に第2サンプルだけを測定することができる。
【0018】
このように、従来技術で説明した図3に示すものと殆ど同じ構成で、複数(2種類)のサンプルの測定をすることができるのである。
そして、一つの第1フローセル12或は第2フローセル13には1種類のサンプル(第1サンプル或は第2サンプル)しか流さないので、サンプル間のコンタミの影響がない。濃度や組成の著しく違うサンプルや、混合すると危険なサンプルを流しても別個に流すため、問題は発生しない。
また、測定光切替手段が不要であるので、光量が確保でき、測定流路を戻した時に発生する再現性の不具合は発生しない。
【0019】
次に、変形例として、図1に示した複数のフローセルに同一のサンプルを流すようにして、光路長を最適なものに選択して測定するようにしてもよい。これは、例えば、第1フローセル12の光路長(光が通るサンプルの厚さ)を1mm、第2フローセル13の光路長を2mmとし、サンプルを(1)第1フローセル12だけ流す、(2)第2フローセル13だけ流す(3)第1フローセル12と第2フローセル13の両方に流す(これらの選択は図示しない電磁弁等の制御で行う)ことにより、セル全体の等価的な光路長を(1)1mm、(2)2mm、(3)3mmと変化させることができる。
一般に光路長が長いと吸光度(透過率逆数の常用対数)の変化が大きくなるので感度がよくなるが、長すぎると透過光量が極端に落ちて相対的にノイズの影響が大きくなるため、測定に使用する波長の吸光度が適当な範囲(例えば、0、3〜1)に入るようにするのが最もS/Nがよい測定が可能になる、図示しない外部の電磁弁等で上記の(1)、(2)、(3)のようにサンプルを流す流路を選択することにより、自動的にS/Nの高い光路長を選択して測定を行うことができるのである。
【0020】
次に、変形例として2つの測定流路が1つの透明ウィンドウで仕切られているのではなく、それぞれの流路に透明ウィンドウを持ち、透明ウィンドウの間を測定光伝達手段で結んだ構造でもよい。それは、図2に示すように、同一構造のフローセルを2つ用意し、一方のフローセルの構成は、第1サンプルを通過させるための第1フローセル12Aと、この第1フローセル12Aに対して直交する方向に光源11からの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第1ウインドウ14Aと、この第1ウィンドウ14Aに第1フローセル12Aを介して対向する位置に設けられ、第1フローセル12Aを通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウィンドウ15Aと、光源11からの光線を第1ウィンドウ14A方向に伝達する第1測定光伝達手段18と、第2ウィンドウ15Aから出た光線を第2フローセル13A方向に伝達する第2測定光伝達手段19Aと、からなる。
他方のフローセルの構成は、第2サンプルを通過させるための第2フローセル13Aと、この第2フローセル13Aに対して直交する方向に第1フローセル12Aの第2測定光伝達手段19Aからの光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第2ウインドウ15Bと、この第2ウィンドウ15Bに第2フローセル13Aを介して対向する位置に設けられ、第2フローセル13Aを通過した光線を通過させるための窓で石英ガラス等の透明な固体材料で構成されている第3ウィンドウ16Aと、第3ウィンドウ16Aを介した延長線上に設けた検出器17と、第3ウィンドウ16Aから出た光線を検出器17に伝達する第3測定光伝達手段19と、からなる。
【0021】
このように、2つの測定流路(第1及び第2フローセル12A、13A)が1つの透明ウィンドウで仕切られているのではなく、それぞれの流路に透明ウィンドウを持ち、透明ウィンドウの間を測定光伝達手段で結んだ構造となっている。
このようにすると、サンプルを取り入れる物理的な位置を自由に設定できるため、測定するサンプルの位置に合わせて設置することで、使い勝手のよい測定器を実現できる。
その他の使い方は、図1に示したものと同様であるので、その説明は省略する。
【0022】
ここで、実施例においてはフローセルに透明のウィンドウを取付ける構造となっているがこれに限定されることなく、フローセル全体が透明な材料(例えばガラス)の一体構造をしたセルでもよい。
【0023】
又、実施例においては2つのフローセルで流路を形成したがこれに限定されることなく、例えば測定流路が3以上の構成でもよい。この場合、同時にサンプルを流す流路(フローセル)は1つだけとなるが、上記変形例で示したように光路長を考慮した構成にすれば、その都度流す流路を選択できるようにしてもよい。
【産業上の利用可能性】
【0024】
平行に配列した複数のフローセルを備え、その複数のフローセルに光源を同じくした測定光を照射するようにして、複数種類のサンプルをそれぞれ異なったフローセルで測定できるフローセル検出装置、及びこれを利用した吸光光度計を提供する。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】本願発明の第1実施例のフローセル検出装置の構成を略示的に示した説明図である。
【図2】本願発明の第2実施例のフローセル検出装置の構成を略示的に示した説明図である。
【図3】従来技術におけるフローセル検出装置である吸光光度計の構成を略示的に示した説明図である。
【図4】従来技術におけるフローセル検出装置である吸光光度計のうち、複数のサンプルを測定できる構成例を略示的に示した説明図である。
【図5】従来技術におけるフローセル検出装置である吸光光度計のうち、複数のサンプルを測定できる他の構成例を略示的に示した説明図である。
【図6】従来技術におけるフローセル検出装置である吸光光度計のうち、複数のサンプルを測定できる更に他の構成例を略示的に示した説明図である。
【符号の説明】
【0026】
11 光源
12 第1フローセル
12A 第1フローセル
13 第2フローセル
13A 第2フローセル
14 第1ウィンドウ
14A 第1ウィンドウ
15 第2ウィンドウ
15A 第2ウィンドウ
15B 第2ウィンドウ
16 第3ウィンドウ
16A 第3ウィンドウ
17 検出器
18 第1測定光伝達手段
19 第2測定光伝達手段
19A 第2測定光伝達手段
20 第3測定光伝達手段。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
平行に配列され且つサンプルが流れる流路で形成された複数のフローセルと、
前記それぞれのフローセルの側面を挟んで対向する位置に配置され、所定の波長域の光線を透過させるウィンドウと、を備え、
最初のフローセルの側面に設けたウィンドウに照射された光線が、前記複数のフローセルの側面に設けたウィンドウの全てを透過するように、前記フローセルと前記ウィンドウを配置したことを特徴とするフローセル検出装置。
【請求項2】
前記複数のフローセルのうち、隣接するフローセルの間に設けたウィンドウは互いに共有することを特徴とする請求項1に記載のフローセル検出装置。
【請求項3】
前記複数のフローセルは、2つのフローセルである請求項1に記載のフローセル検出装置。
【請求項4】
平行に配列した2つのフローセルの側面の対向する位置に光線を透過させるウィンドウを設け、
一方のフローセルにサンプルを流したときに、他方のフローセルは空の状態にして吸光度を測定し、
他方のフローセルに前記一方のフローセルに流したサンプルと異なるサンプルを流したときに、一方のフローセルを空の状態にして吸光度を測定するようにして複数種類のサンプルの吸光度を測定するようにしたことを特徴とするフローセル検出方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2006−112882(P2006−112882A)
【公開日】平成18年4月27日(2006.4.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−299544(P2004−299544)
【出願日】平成16年10月14日(2004.10.14)
【出願人】(000006507)横河電機株式会社 (4,443)
【Fターム(参考)】