説明

ブレーキペダル装置

【課題】リターンスプリングと運転者の足の接触を抑制できるブレーキペダル装置を提供することを課題とする。
【解決手段】運転者によって踏み込み操作されるときに踏力が入力される踏面2b1を設けるペダルパッド2b、およびペダルブラケット3に揺動可能に吊り下げ支持されるペダルアーム2aを含んで構成されるペダル本体2と、ペダルアーム2aにおけるペダル側係止部9に係止されてペダル本体2を所定の待機位置の方向に付勢するリターンスプリング7と、を備えたブレーキペダル装置1とする。そして、ペダルパッド2bの踏面2b1を臨む方向からリターンスプリング7の少なくとも一部を遮蔽する遮蔽部9aを備えることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、運転者が踏み込み操作するブレーキペダル装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両の運転者がフットブレーキの操作時に踏み込むペダル本体が、リターンスプリングの付勢力によって所定の位置に戻されるペダル装置(ブレーキペダル装置)が、例えば、特許文献1に開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2010−247578号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば、特許文献1に開示されるブレーキペダル装置では、ペダルアームの上部に延出するストッパアームと、ペダルブラケットから延出するステーと、の間にリターンスプリングが張設されている。そして、リターンスプリングは、運転者がペダル装置を踏み込み操作する空間に露出して備わっている。
【0005】
リターンスプリングはペダルアームの近傍に配置されるため、運転者がブレーキペダル装置を踏み込み操作するとき、リターンスプリングに足(つま先)が接触する場合がある。そして、リターンスプリングと運転者の足が過度に接触するとリターンスプリングが変形したり破損したりする虞がある。
【0006】
そこで、本発明は、リターンスプリングと運転者の足の接触を抑制できるブレーキペダル装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するため、本願に係る発明は、運転者によって踏み込み操作されるときに踏力が入力される踏面が設けられるペダル本体と、前記ペダル本体を所定の待機位置の方向に付勢する付勢部材と、を備えたブレーキペダル装置とする。そして、前記付勢部材の少なくとも一部を、前記踏面を臨む方向から遮蔽する遮蔽部を設けたことを特徴とする。
この発明によると、付勢部材の少なくとも一部が、踏面を臨む方向から遮蔽されるため、運転者が踏面に踏力を入力して踏み込み操作するときに、付勢部材と足の接触を抑制できる。
【0008】
また、本願の発明に係るブレーキペダル装置は、前記ペダル本体は車体側に、揺動可能に支持され、前記遮蔽部は、上方から下方に向かって、前記踏み込み操作時に前記ペダル本体が動作する方向に傾斜していることを特徴とする。
この発明によると、遮蔽部が上方から下方に向かってペダル本体が動作する方向に傾斜しているため、運転者の足がペダル本体の動作にともなって移動するときに、遮蔽部によって足の移動が妨げられない。
【0009】
また、本願の発明に係るブレーキペダル装置は、前記遮蔽部は、前記ペダル本体の動作方向に対する側方から、前記付勢部材の少なくとも一部を遮蔽することを特徴とする。
この発明によると、付勢部材の少なくとも一部が、ペダル本体の動作方向に対する側方から遮蔽されるため、ペダル本体の動作方向に対する側方から運転者の足が移動するときに、付勢部材と足の接触を抑制できる。
【0010】
また、本願の発明に係るブレーキペダル装置は、前記遮蔽部は、前記ペダル本体のペダルアームにおける前記付勢部材の係止部となるブラケット部材に形成されていることを特徴とする。
この発明によると、ペダルアームにおける付勢部材の係止部と一体に遮蔽部を形成できる。
【0011】
また、本願の発明に係るブレーキペダル装置は、前記ペダルアームにおける前記付勢部材の係止部は、前記ペダル本体の動作方向に対して前記ペダルアームの側方に位置することを特徴とする。
この発明によると、付勢部材をペダルアームの側方で係止できる。
【発明の効果】
【0012】
本発明によると、リターンスプリングと運転者の足の接触を抑制できるブレーキペダル装置を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】ブレーキペダル装置の斜視図である。
【図2】ブレーキペダル装置の側面図である。
【図3】(a)はスプリングブラケットの斜視図、(b)はスプリングブラケットが取り付けられたブレーキペダル装置の正面図である。
【図4】踏み込み操作されたときの運転者の足とペダル本体の状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明を実施するための形態について、適宜図を参照して詳細に説明する。
本実施形態に係るブレーキペダル装置1は、図示しない車両のフットブレーキ操作部として備わるものであり、図1、2に示すように、運転者によって踏み込み操作されるペダル本体2が車両の車体側(本実施形態ではペダルブラケット3)に、揺動可能に吊り下げ支持されて構成される。具体的に、運転者の踏力が入力される踏面2b1が設けられるペダルパッド2bが取り付けられるペダルアーム2aが、回転軸3cの回りに回動可能にペダルブラケット3に吊り下げ支持されて構成される。
【0015】
ペダルブラケット3は、図示しない車両にブレーキペダル装置1を取り付けるための取付部材であり、例えば車両のダッシュボードロア4に重なるように形成されるフランジ状の固定部3aを、ねじ部材SCで車両のダッシュボードロア4に締結固定可能に構成される。
ダッシュボードロア4は、車両のエンジンルーム6と居住空間5を区切る車体であり、居住空間5の前部を構成する。以下、エンジンルーム6の側を前方、居住空間5の側を後方とする。また、後方から見た左(右)を左側(右側)として左右方向を設定し、さらに、ペダルブラケット3の側を上方、ペダルパッド2bの側を下方とする。
【0016】
そしてブレーキペダル装置1は、ペダルパッド2bの踏面2b1が後方を臨むように、ペダル本体2がペダルブラケット3に取り付けられる。
また、運転者がペダル本体2の後方からペダルパッド2bの踏面2b1に踏力を入力し、ペダル本体2を前方に向かって踏み込み操作するように構成される。
【0017】
ペダルブラケット3は、略平行に形成される2つの側面部3b,3bの間に回転軸3cが架設され、ペダルアーム2aが回転軸3cに回動可能に取り付けられる。この構成によって、ペダルアーム2aは回転軸3cを支点としてペダルブラケット3に揺動可能に吊り下げ支持される。
なお、ペダルアーム2aは、前後方向(ダッシュボードロア4に近接および離反する方向)に揺動するようにペダルブラケット3に備わっている。したがって、ペダル本体2の動作方向は車両(図示せず)の前後方向となる。
【0018】
また、ブレーキペダル装置1には、運転者の踏み込み操作によって前方に動作したペダル本体2を後方の、ペダル本体2が運転者によって踏み込まれていないときの所定位置(以下、待機位置と称する)に引き戻すリターンスプリング7が備わっている。
本実施形態において、リターンスプリング7は引張りばね(コイルばね)であり、ペダル本体2の一方の側面に配置され、ペダルブラケット3における係止部(ブラケット側係止部8)とペダル本体2のペダルアーム2aにおける係止部(ペダル側係止部9)の間に張設される。
この構成によると、リターンスプリング7は、上方(ペダルブラケット3の側)から下方(ペダルパッド2bの側)に向かって上下方向に延設される。
【0019】
そして、運転者がペダル本体2を踏み込んだときにリターンスプリング7が伸長し、運転者が踏み込みを止めてペダル本体2を解放したときにリターンスプリング7が縮退してペダル本体2を後方の待機位置まで引き戻すように構成される。つまり、リターンスプリング7は、ペダル本体2を所定の待機位置の方向に付勢する付勢部材である。
【0020】
なお、例えばペダルブラケット3の後方には、リターンスプリング7によって待機位置まで後方に引き戻されたペダルアーム2aに当接して、ペダル本体2の更なる後方への動作を規制するストッパ部3dが形成されていることが好ましい。
この構成によって、ペダル本体2はリターンスプリング7の付勢力で待機位置まで引き戻され、さらに、ペダル本体2は、リターンスプリング7の付勢力で待機位置に停止した状態が保持される。
【0021】
ブラケット側係止部8は、少なくとも回転軸3cより後方に形成されることが好ましい。この構成によって、コイルばねの引張りばねからなるリターンスプリング7は、ペダル本体2を後方に付勢する付勢力を発生できる。
図1,2には、ブレーキペダル装置1に備わるペダルスイッチ10の保持部材(スイッチ保持部材3e)にブラケット側係止部8が形成される構成が図示されている。
【0022】
ペダルスイッチ10は、例えばペダル本体2の後方に配設され、図2に示すように、ペダル本体2の側(本実施形態では前方)に向かって延出する接触部10aを備える。さらに、ペダルアーム2aには、ペダル本体2が待機位置まで引き戻されたときに接触部10aと接触する接点2cが形成される。
そして、運転者の踏み込み操作によってペダル本体2が前方に動作したときに接触部10aと接点2cが離反して、ペダル本体2が踏み込まれたことをペダルスイッチ10が検出する構成とする。さらに、ペダルスイッチ10は、ペダル本体2が踏み込まれたことを検出したときに、図示しない制御回路に所定の信号を送信する構成とすれば、図示しない制御回路は、ペダル本体2が踏み込み操作されたことを電気的に検出できる。
【0023】
本実施形態に係るペダルスイッチ10は、例えばペダル本体2に備わる接点2cと相対するように配置されるスイッチ保持部材3eに保持される。さらに、スイッチ保持部材3eはアーム部3e1によってペダルブラケット3の側面部3bに固定されるように構成される。
スイッチ保持部材3eは、ペダルブラケット3の側面部3bから後下方に向かって延出するように側面部3bに固定されるアーム部3e1によって、ペダル本体2の接点2cと相対し、ペダルスイッチ10を保持するように構成される。
【0024】
そこで本実施形態においては、スイッチ保持部材3eのアーム部3e1をブラケット側係止部8としてリターンスプリング7の一端を係止する。
例えば、スイッチ保持部材3eのアーム部3e1に貫通孔80を形成し、リターンスプリング7を形成する鋼線のフック状に曲がった端部が貫通孔80に挿入される構成のブラケット側係止部8とする。
なお、この構成は限定されるものではなく、例えばスイッチ保持部材3eと別体に形成されるブラケット側係止部8が備わる構成であってもよい。また、ブラケット側係止部8も、リターンスプリング7の形状に応じて適宜形成されればよい。
【0025】
また、リターンスプリング7がペダルアーム2aより後方に配置されると、ペダル本体2を後方から踏み込み操作する運転者の足(つま先)とリターンスプリング7が接触しやすくなるため、リターンスプリング7の一端を係止するペダル側係止部9がペダルアーム2aの側方に位置するように構成し、リターンスプリング7がブラケット側係止部8の側からペダル側係止部9の側に向かって前方に傾斜するように構成することが好適である。
【0026】
ペダル本体2(ペダルアーム2a)は前後方向に揺動可能にペダルブラケット3に吊り下げ支持され、運転者の踏み込み操作によってペダル本体2は前方に向かって動作する。そして、ここでいうペダルアーム2aの側方は、ペダル本体2の動作方向(前後方向)に対する側方(左右方向)を示す。
【0027】
この構成によると、リターンスプリング7においてペダルアーム2aより後方に配置される部分を減らすことができ、ペダル本体2を後方から踏み込み操作する運転者の足(つま先)と、リターンスプリング7と、の接触を抑制できる。
【0028】
さらに、本実施形態に係るブレーキペダル装置1は、運転者がペダル本体2を踏み込む側、つまり、ペダルパッド2bの踏面2b1を臨む方向(後方)からリターンスプリング7を遮蔽する遮蔽部9aを備える。遮蔽部9aは、例えば、リターンスプリング7を後方から遮蔽ようにリターンスプリング7の伸縮方向に沿ってペダルアーム2aに備わる平板状の部材で構成される。
【0029】
遮蔽部9aの構造は限定するものではないが、本実施形態では、図3の(a)に示すように、遮蔽部9aとペダル側係止部9とを一体に形成するブラケット部材(スプリングブラケット11)をペダルアーム2aに固定する構成とする。この構成によると、スプリングブラケット11は、ペダルアーム2a(図1参照)におけるリターンスプリング7(図1参照)の係止部(ペダル側係止部9)となり、リターンスプリング7はスプリングブラケット11を介してペダルアーム2aに係止される。また、遮蔽部9aはペダル側係止部9となるスプリングブラケット11に形成される。
【0030】
図3の(a)に示すように、スプリングブラケット11は、コイルばねからなるリターンスプリング7(図2参照)の長手方向(伸縮方向)に沿う形状を呈する平面部(遮蔽部9a)において、リターンスプリング7の端部の位置に相当する部分がリターンスプリング7の側に屈曲して係止部(ペダル側係止部9)が形成される。符号90はリターンスプリング7を形成する鋼線のフック状に曲がった端部が挿入する貫通孔である。
なお、図3の(a)には、遮蔽部9aの長辺の一部が屈曲した形状のペダル側係止部9が図示されているが、この形状に限定されない。つまり、ペダル側係止部9は、リターンスプリング7の形状に応じて適宜形成されればよい。
また、遮蔽部9aは平面形状であってもよいが、図3の(a)に示すように、1箇所(または、それ以上の箇所)でリターンスプリング7の長手方向に沿うように適宜屈折して傾斜する構成であってもよいし、図示はしないが、遮蔽部9aがリターンスプリング7の長手方向に沿うように適宜湾曲する構成であってもよい。
【0031】
また、スプリングブラケット11には、例えば端部がペダルアーム2aの側に折れ曲がるペダル取付部9bが形成される。このように形成されるペダル取付部9bは、図3の(b)に示すようにペダルアーム2aの側面に重ねられて、溶接等でペダルアーム2に固定される。または、図示しないねじ部材等で締結固定される構成であってもよい。
なお、符号9cは後記する側方遮蔽部である。
【0032】
図3の(b)に示すようにスプリングブラケット11がペダル本体2に取り付けられ、ペダル側係止部9にリターンスプリング7の一端が係止されると、遮蔽部9aはリターンスプリング7の延設方向と一致するように上方から下方に延設され、リターンスプリング7を後方(ペダルパッド2bの踏面2b1を臨む方向)から遮蔽する。
なお、遮蔽部9aはリターンスプリング7の全てを遮蔽する構成であってもよいし、一部を遮蔽する構成であってもよい。
また、図2、図3の(b)に示すように、ペダル本体2が待機位置にあるときにスプリングブラケット11とスイッチ保持部材3eとの間にギャップGが形成される構成であることが好ましい。このギャップGによって、スプリングブラケット11とスイッチ保持部材3eの干渉を回避することができ、ペダル本体2の動作が妨げられない。
【0033】
また、図2に示すように、リターンスプリング7が上方(ブラケット側係止部8の側)から下方(ペダルパッド2bの側)に向かって前方に傾斜するように、遮蔽部9aが上方から下方に向かって前方に傾斜して備わることが好ましい。
【0034】
前記したように、ペダル本体2は運転者の踏み込み操作によって前方に向かって動作する。したがって、遮蔽部9aは、上方(ブラケット側係止部8の側)から下方(ペダルパッド2bの側)に向かって、踏み込み操作によってペダル本体2が動作する方向(前方)に傾斜する構成となる。
【0035】
この構成によって、前記したように、リターンスプリング7においてペダルアーム2aより後方に配置される部分を減らすことができるとともに、遮蔽部9aにおいてもペダルアーム2aより後方に配置される部分を減らすことができる。そして、ペダル本体2を踏み込み操作する運転者の足と、リターンスプリング7および遮蔽部9bと、の接触を抑制できる。
【0036】
なお、図3の(b)には、リターンスプリング7が配設される側とペダルアーム2aにおける反対側で、ペダル取付部9bがペダルアーム2aに取り付けられる構成が記載されているが、この構成は限定されない。図示はしないが、リターンスプリング7が配設される側で、ペダル取付部9bがペダルアーム2aに取り付けられる構成であってもよい。
その他、ペダル取付部9bの構造は限定されない。
【0037】
例えば図4に示すように、運転者がペダルパッド2bの踏面2b1に足を置いて踏み込み操作する場合、足(つま先)が遮蔽部9aに当たることはあってもリターンスプリング7には直接当たらない。したがって、運転者の足(つま先)とリターンスプリング7との接触を抑制でき、つま先との過度の接触によってリターンスプリング7が変形したり傷ついたりすることを防止できる。
また、例えば運転者が履いている靴が汚れているときにその靴とリターンスプリング7が接触するとリターンスプリング7が汚れる原因となるが、このような不具合も回避できる。
【0038】
また、例えば、運転者がかかとを床部に置いたまま、かかとを支点としてペダル本体2を踏み込み操作するとき運転者のつま先は前方に進行するが、図4に示すように遮蔽部9aも上方から下方に向かって前方に傾斜しているため、遮蔽部9aによってつま先の進行が妨げられない。したがって、運転者によるペダル本体2の踏み込み操作が遮蔽部9aによって妨げられることがない。
【0039】
また、図示しない車両に取り付けられるブレーキペダル装置1(図1参照)は、図示しないアクセルペダル装置と横並びに配置される場合がある。この場合にリターンスプリング7(図1参照)がアクセルペダル装置側に配設されていると、運転者がアクセルペダル装置からブレーキペダル装置1に踏みかえるとき、足がリターンスプリング7と接触することがある。
【0040】
そこで、図3の(a)、(b)に示すように、遮蔽部9aの、例えばアクセルペダル装置が設けられる側の端辺を、コイルばねであるリターンスプリング7の周方向に沿うように湾曲させて、側方遮蔽部9cとする構成としてもよい。
つまり、ペダル本体2の動作方向(前後方向)に対する側方(左右方向)からもリターンスプリング7の少なくとも一部を側方遮蔽部9cによって遮蔽するように、遮蔽部9aを構成してもよい。
この構成によると、リターンスプリング7の、例えばアクセルペダル装置側の少なくとも一部を、遮蔽部9aの側方遮蔽部9cでアクセルペダル装置側から遮蔽できる。したがって、運転者がアクセルペダル装置からブレーキペダル装置1に踏みかえるために足を移動させたときに、側方遮蔽部9cのみに足を接触させる構成とすることができ、リターンスプリング7と、運転者の足と、の接触を抑制できる。
【0041】
以上のように本実施形態に係るブレーキペダル装置1(図1参照)は、リターンスプリング7(図1参照)を、ペダルパッド2bの踏面2b1(図1参照)を臨む方向から遮蔽する遮蔽部9aを備え、リターンスプリング7と、運転者の足と、の接触を抑制可能な構成とした。そして、リターンスプリング7のペダル側係止部9と遮蔽部9aを同じスプリングブラケット11に形成した。このことによって、遮蔽部9aを別部材で形成する必要がなくなり、部品点数の低減を図ることができ、ブレーキペダル装置1(図1参照)のコスト削減を図ることができる。
また、リターンスプリング7と、運転者の足(つま先)と、の接触を抑制できるため、足との過度の接触によるリターンスプリング7の変形や破損を防止できる。
【0042】
なお、遮蔽部9aは、ペダルアーム2aと別部材(スプリングブラケット11)に形成される構成に限定されず、ペダルアーム2aと一体に形成されていてもよい。
また、遮蔽部9aには、例えば軽量化のために、運転者の足(つま先)が通り抜けない程度の貫通孔が形成されていてもよい。また、遮蔽部9aは平面形状に限定されず、例えば、運転者のつま先が通り抜けない程度の枠組みや、格子状の部材からなる形状であってもよい。
【0043】
また、リターンスプリング7(図1参照)を、ペダルパッド2bの踏面2b1(図1参照)を臨む方向から遮蔽部9a(図1参照)で遮蔽するという本実施形態に係る構成は、ブレーキペダル装置1(図1参照)に限定されず、例えば、図示しないクラッチペダル装置など、その他のペダル装置に広く適用できる。
【符号の説明】
【0044】
1 ブレーキペダル装置
2 ペダル本体
2a ペダルアーム
2b ペダルパッド
2b1 踏面
3 ペダルブラケット(車体側)
4 ダッシュボードロア
7 リターンスプリング(付勢部材)
8 ブラケット側係止部
9 ペダル側係止部
9a 遮蔽部
9c 側方遮蔽部
11 スプリングブラケット(ブラケット部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
運転者によって踏み込み操作されるときに踏力が入力される踏面が設けられるペダル本体と、
前記ペダル本体を所定の待機位置の方向に付勢する付勢部材と、を備えたブレーキペダル装置において、
前記付勢部材の少なくとも一部を、前記踏面を臨む方向から遮蔽する遮蔽部を設けたことを特徴とするブレーキペダル装置。
【請求項2】
前記ペダル本体は車体側に、揺動可能に支持され、
前記遮蔽部は、上方から下方に向かって、前記踏み込み操作時に前記ペダル本体が動作する方向に傾斜していることを特徴とする請求項1に記載のブレーキペダル装置。
【請求項3】
前記遮蔽部は、
前記ペダル本体の動作方向に対する側方から、前記付勢部材の少なくとも一部を遮蔽することを特徴とする請求項1または請求項2に記載のブレーキペダル装置。
【請求項4】
前記遮蔽部は、
前記ペダル本体のペダルアームにおける前記付勢部材の係止部となるブラケット部材に形成されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載のブレーキペダル装置。
【請求項5】
前記ペダルアームにおける前記付勢部材の係止部は、
前記ペダル本体の動作方向に対して前記ペダルアームの側方に位置することを特徴とする請求項4に記載のブレーキペダル装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2013−6484(P2013−6484A)
【公開日】平成25年1月10日(2013.1.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−139739(P2011−139739)
【出願日】平成23年6月23日(2011.6.23)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】