説明

ブレーキ液圧供給装置

【課題】補助液圧源から供給される高液圧をブレーキ操作に応じた値に調圧して出力する調圧装置を備えた液圧ブレーキ装置用の液圧供給装置について、キャビテーションとそれに起因した作動音を、構造の複雑化やコストアップを招かない方法で効果的に抑制可能となすことを課題としている。
【解決手段】調圧装置3のスプール弁体3bが調圧ピストン3aに押し動かされて3e弁部の開度が調整され、その開度調整により補助液圧源6から供給される液圧がブレーキ操作に比例した値に調圧されて調圧室R3に供給され、さらに、パワー室R1に導入された調圧室R3からの液圧で調圧ピストン3aの作動がアシストされるようにした液圧供給装置の調圧室R3からの液圧を出力する流路17に、その流路の通路面積を部分的に減少させる絞り部18を設け、ブレーキ操作の初期に調圧室R3に調圧ピストン3aの動きを鈍らせる背圧を発生させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、補助液圧源から供給される液圧を、調圧装置でブレーキ操作に応じた値に調圧して車両のホイールシリンダに供給するブレーキ液圧供給装置に関する。
【背景技術】
【0002】
車両用液圧ブレーキ装置の従来例として、例えば、下記特許文献1に開示されたものがある。同文献1に記載された液圧ブレーキ装置は、マスタシリンダと調圧装置を組み合わせたブレーキ液圧供給装置(以下では単に液圧供給装置と言う)を採用しており、マスタシリンダで発生させた液圧(マスタシリンダ圧)を一系統のホイールシリンダに供給し、補助液圧源から供給される液圧を液圧供給装置の調圧装置で調圧して他方の系統のホイールシリンダに供給する。
【0003】
この液圧ブレーキ装置に採用された液圧供給装置は、マスタシリンダで発生させた液圧を後面に受けて推進する調圧ピストンと、その調圧ピストンの前面が臨む調圧室と、スプールシリンダに摺動自在に挿入されたスプール弁体と、このスプール弁体の肩部と前記スプールシリンダとの間に形成される弁部とを備えた調圧装置を用いている。この調圧装置は、調圧ピストンが前記スプール弁体を押し動かし、そのスプール弁体の変位によって前記弁部の開度が調整され、その弁部により補助液圧源から供給される液圧がブレーキ操作量に比例した値に調圧されて前記調圧室に出力される。
【0004】
また、前記調圧室からの液圧を導入するパワー室を設けており、そのパワー室に導入された調圧室からの液圧でブレーキ操作力を増幅してマスタシリンダに加え、マスタシリンダで発生させた液圧で調圧ピストンを作動させる。そのために、調圧装置によって調圧された液圧はブレーキ操作量に応じたものになる。なお、マスタシリンダで発生させた液圧は一方の系統のホイールシリンダに供給され、前記調圧装置で調圧された液圧は他方の系統のホイールシリンダに供給される。
【特許文献1】特開2001−138894号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前掲の特許文献1が開示している液圧ブレーキ装置の液圧供給装置は、ブレーキ操作に応じてマスタシリンダ圧が発生し、その液圧に応じて調圧装置が作動し、補助液圧源から高圧のブレーキ液が導入される。このとき、強いブレーキブレーキ操作がなされると調圧装置の弁部が急激に大きく開き、多量のブレーキ液が調圧装置の内部を通過する。そのためにキャビテーションが発生し、それが作動音として聞こえて車の運転者に不快感を与える。
【0006】
この問題に対し、前掲の特許文献1は、スプール弁体の外周とスプールシリンダの内周面との間に形成される流路(補助液圧源と調圧室との間の流路)を急激な面積変化が起こらないものにしてキャビテーションを抑制することを提案しているが、この方法では、ブレーキが強く操作されたときのブレーキ液の多量導入を阻止できないため、キャビテーションに起因した作動音の抑制が不十分になる。
【0007】
この発明は、補助液圧源から供給される高液圧をブレーキ操作に応じた値に調圧して出力する調圧装置と、ブレーキ操作によって発生した力を増幅するためのパワー室を備えた液圧ブレーキ装置用の液圧供給装置について、キャビテーションに起因した作動音を、構造の複雑化やコストアップを招かない方法で効果的に抑制可能となすことを課題としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の課題を解決するため、この発明においては、ブレーキ操作によって発生した力を受けて作動する調圧ピストンと、その調圧ピストンの前面が臨む調圧室と、スプールシリンダに摺動自在に挿入されたスプール弁体と、このスプール弁体の肩部と前記スプールシリンダとの間に形成される弁部とを備えた調圧装置と、前記調圧室からの液圧を導入するパワー室とを有し、
前記スプール弁体が前記調圧ピストンに押し動かされて前記弁部の開度が調整され、その開度調整により補助液圧源から供給される液圧がブレーキ操作に比例した値に調圧されて前記調圧室に供給され、さらに、前記パワー室に導入された前記調圧室からの液圧で前記調圧ピストンの作動がアシストされるようにした液圧供給装置を改善の対象にして、この装置の前記調圧室からの液圧を出力する流路に、その流路の通路面積を部分的に減少させる絞り部を設けた。
【0009】
この液圧供給装置の具体的な態様と好ましい態様を以下に挙げる。
(1)前記流路が、前記調圧室から前記パワー室に至る流路であり、その流路に前記絞り部を設けたもの。
(2)前記絞り部を、前記調圧室に近接した位置に配置したもの。
(3)液圧による戻し力を発生させてその戻し力を弾性体の反力ディスクを介して前記スプール弁体の前端に加える反力室を設置し、その反力室経由で前記調圧室の液圧を前記パワー室に導入するように構成されており、前記調圧室から前記反力室に至るまでの流路に前記絞り部を設けたもの。
(4)前記調圧ピストンの外周面と該調圧ピストンが摺動自在に挿入されるシリンダ孔の内周面との間に環状隙間を設け、その環状隙間で前記絞り部を構成し、前記調圧ピストンの移動によって前記絞り部の大きさが変動するようにしたもの。
(5)前記絞り部を、前記流路の一部分の孔径を他部の孔径よりも細くして形成したもの。
(6)前記絞り部を、前記流路の一部分に絞り孔を有する部品を組み込んで形成したもの。
【発明の効果】
【0010】
この発明の液供給装置は、調圧室からの流路に設けた絞り部によって調圧室から出力されるブレーキ液の流量が絞られる。そのために、ブレーキ操作の初期に調圧室に背圧が発生し、補助液圧源から弁部経由で調圧室に導入される液圧の昇圧勾配も高まる。その調圧室の背圧が調圧ピストンに戻し力として働いて調圧ピストンの動き(前進)を鈍らせ、このために、調圧装置の弁部の開き量、つまりは、調圧室のブレーキ液導入量が規制され、ブレーキ操作の初期に補助液圧源から高液圧が急激に導入されることがなくなる。ブレーキが緩められる減圧作動時もブレーキ液が絞り部を通って戻るので、絞り部による絞り効果、それによる高液圧の急激な戻りが抑制され、これにより、キャビテーションが抑制され、絞り部の無い液圧供給装置に比べて作動音が抑制されて運転者に不快感を与えることが少なくなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、添付図面の図1〜図4に基づいてこの発明の実施の形態を説明する。図1に、この発明の液圧供給装置を採用した車両用液圧ブレーキ装置の一例を示す。図示の液圧ブレーキ装置は、ブレーキ操作部材(図のそれはブレーキペダル)1と、マスタシリンダ2、調圧装置3及び倍力機構4を組み合わせた液圧供給装置5と、高液圧を発生させる補助液圧源6と、液圧制御ユニット7と、車両の各車輪にそれぞれ付属させたホイールシリンダ8,9(図には前輪用と後輪用の各1個を示す)を組み合わせて構成されている。図示の補助液圧源6は、モータ駆動のポンプ6aと蓄圧器6bを組み合わせたものになっている。
【0012】
マスタシリンダ2は、シリンダボディ10のシリンダ孔10aにマスタピストン2aと、そのマスタピストンを復帰させるリターンスプリング2bを組み付けて構成されており、運転者のブレーキ操作量に応じた圧力を圧力室R2に発生させる。
【0013】
調圧装置3もシリンダ孔10aの内部に設けられている。この調圧装置3は、後面を圧力室R2に臨ませた調圧ピストン3aと、そのピストンの前方(図中左方)に配置して調圧ピストン3aで押し動かすスプール弁体3bと、このスプール弁体3bを復帰させるリターンスプリング3cとで構成されている。この調圧装置3は、スプール弁体3bが調圧ピストン3aに押されて図中左方に前進し、その動作でスプール弁体3bの外周の肩部とスプールシリンダ3dとの間に形成される弁部3eが開き、補助液圧源6から供給される高圧のブレーキ液が調圧されて調圧後の液圧(レギュレータ液圧)が調圧室R3に導入され、さらに、調圧室R3からの出力液圧を通す流路17を経由して反力室R4とパワー室R1に導入される。
【0014】
液圧供給装置4は、ブレーキ操作部材1に連結されるプッシュロッド11を備えており、ブレーキ操作部材(ブレーキペダル)1に加えられた運転者のブレーキ操作力がそのプッシュロッド11及びパワーピストン4a経由で伝わる。マスタピストン2aがその力を受けて前進して圧力室R2内のブレーキ液を加圧する。
【0015】
この液圧供給装置4は、ブレーキアシスト機能が要求されるときに利用されるものであって、補助液圧源6から供給される液圧を調圧装置3で運転者のブレーキ操作に応じた値に調圧して出力し(調圧後の液圧をレギュレータ液圧と言う)、そのレギュレータ液圧をパワー室R1に導入し、倍力機構4のパワーピストン4aに作用させてマスタピストン2aの前進を助勢する。これにより、運転者によるブレーキ操作力にパワーピストン4aの助勢力を加えた力がマスタシリンダ2に作用して圧力室R2に所望のブレーキ液圧が発生する。
【0016】
図1の12は、マスタピストン2aが原位置に復帰したときに圧力室R2をリザーバ13に通じた液室R5に連通させるセンタバルブ機構、14は必要に応じて設けられる入力部材、15はパワーピストン4aの前進推力をマスタピストン2aに伝える当接部材である。マスタピストン2aとパワーピストン4aは当接部材15を省いて一体に形成されることもある。
【0017】
また、例示の液圧供給装置には、調圧室R3からの液圧を反力室R4に導入し、弾性体の反力ディスク16を介してスプール弁体3bの前端に加える昇圧特性切替機構を設置している。調圧室R3からパワー室R1への液圧供給は、図示の装置においては反力室R4経由でなされるが、調圧室R3からの出力液圧を通す流路を2方に分岐させて分岐路の一方をパワー室R1に、他方を反力室R4のそれぞれ至らせることも可能である。
【0018】
ここで述べた昇圧特性切替機構は、調圧室R3から反力室R4に導入される液圧が所定値よりも大きいときにはその液圧が所定値よりも小さいときに比べてブレーキ操作のストロークに対する昇圧勾配が緩やかになる特性を持たせるための機構であるが、必須の要素ではない。その機構の無い装置では、反力室R4が省かれる。
【0019】
このように構成された液圧供給装置は、調圧ピストン3aが、前後の面に対向して受ける圧力(圧力室R2と調圧室R3の液圧)のバランス点に移動し、その動きにスプール弁体3bが追従して弁部3eの開度が調整される。このために、調圧室R3に導入されるレギュレータ液圧は運転者のブレーキ操作に応じたものになり、そのレギュレータ液圧でパワーピストン4aが前進し、その推力と運転者のブレーキ操作力を合算した力がマスタピストン2aに加わって圧力室R2に発生するブレーキ液圧が増幅される。従って、運転者の操作力で発生させ得る制動力以上の制動力を発生させることができる。
【0020】
上記構成の液圧供給装置を備えた液圧ブレーキ装置では、マスタシリンダ2で発生させた液圧と補助液圧源6から供給される液圧が制動に利用される。一般的に、車両のブレーキ系統は2系統に分けられており、圧力室R2に発生した液圧が液圧制御ユニット7を経由して一方の系統のホイールシリンダ8に向けて供給され、また、調圧装置3によって調圧されたレギュレータ液圧がパワー室R1と液圧制御ユニット7を経由して流れて他方の系統のホイールシリンダ9に向けて出力される。液圧制御ユニット7は、電子制御装置(図示せず)からの指令に基づいてホイールシリンダ8,9の液圧を制御する加減圧用電磁弁などを備えた周知の装置である。
【0021】
以上説明した部分は、周知である。すなわち、以下に述べる絞り部18がこの発明の特徴部である。図1の液圧供給装置では、図2に拡大して示すように、調圧ピストン3aの外周に環状隙間gを設け、流路17の始端(調圧室R3からの出口)となるその環状隙間gで絞り部18を構成している。絞り部18は、調圧ピストン3aのピストン径が例えば20mmあると仮定した場合、半径で0.2〜0.3mm前後の極めて小さな隙間で構成されている。環状隙間gは、調圧ピストン3aの移動によって流路17との重なりが変化し、従って、この環状隙間gによって構成される絞り部18は、絞り量が変動する可変絞りになっている。調圧室R3からの液圧は、その絞り部18を通って出力され、その絞り部18による絞り効果によってブレーキ操作の初期に調圧室R3に背圧が発生し、弁部3e経由で補助液圧源6から調圧室R3に導入される液圧の昇圧勾配も高まる。その調圧室R3の背圧が調圧ピストン3aの動きを鈍らせ、このために、調圧装置3の弁部3eの急激な開きが抑えられて調圧室R3のブレーキ液導入量が規制され、ブレーキ操作の初期に補助液圧源から高液圧が急激に導入されることがなくなる。また、ブレーキが緩められるときにも同様の作用効果が得られ、キャビテーションの抑制による作動音抑制の目的が達成される。
【0022】
図3、図4は、絞り部18の変形例を示している。図3は、流路17の一部分の孔径を他部の孔径よりも細くして絞り部18を形成したもの、図4は、流路17の一部分に絞り孔を有する部品19を組み込んで絞り部18を形成したものである。図3、図4の絞り部18は、絞りの度合いが一定した固定絞りである。図1、図2の可変絞りはブレーキ緩め時のブレーキ液の戻り規制が小さくて固定絞りよりも望ましいと考えられるが、固定絞りでもキャビテーションの抑制が図れる。この絞り部18は、調圧室R3液圧の立ち上がりを遅らせることになるので、ブレーキの良好な応答性確保とキャビテーション抑制のバランスを考えて絞り度合いが適切に設定されたものを設置する。
図3、図4の各絞り部18は、流路17に比べて面積比で1/9程度の小さな孔である。あくまでも一例であるが、流路17の径を例えば3mmとすると、絞り部18の孔径は1.0mm程度が適当である。
【0023】
絞り部18は、調圧室R3にできるだけ近接した位置に配置すると好ましい。調圧室R3から反力室R4に至る間の流路の終端側(反力室R4に近い部分)や反力室R4からパワー室R1に至る間の流路に設けることもできるが、調圧室R3から絞り部設置点までの距離が短くなるほど調圧室R3の昇圧勾配が高くなってブレーキ作動初期の調圧ピストンの動きの抑制効果が高まる。
【0024】
なお、調圧室R3からの出力液圧を通す流路17を2方に分岐させて分岐路の一方をパワー室R1に、他方を反力室R4のそれぞれ至らせる構造や、調圧室R3からの出力液圧をまずパワー室R1に導入し、その後、パワー室R1から反力室R4に圧力を供給する構造も採用できる。前者の構造では、調圧室R3から流路の分岐点までの間に絞り部を配置すると調圧室R3の背圧の立ち上が早くなるが、パワー室R1や反力室R4の消費液量が大きいときには、前記分岐点からパワー室R1に至る間の流路や前記分岐点から反力室R4に至る間の流路に絞り部を配置する構造でも発明の効果を期待することができる。
【0025】
後者の構造も、調圧室R3からパワー室R1に至る間の流路に絞り部を配置すると調圧室R3の背圧の立ち上が早くなるが、反力室R4側の消費液量が大きければ、パワー室R1から反力室R4に至る間の流路に絞り部を配置する構造でも発明の効果を期待することができる。
【0026】
なお、例示の液圧供給装置はマスタシリンダを有しているが、パワーピストン4aを調圧ピストン3aに直接当接させるなどしてマスタシリンダを用いない構造で補助液圧源からの液圧をブレーキ操作に応じた値に調圧して出力する液圧供給装置にもこの発明は適用される。
【図面の簡単な説明】
【0027】
【図1】この発明の液圧供給装置を採用した液圧ブレーキ装置の一例を示す断面図
【図2】図1の要部を示す拡大断面図
【図3】絞り部の他の例を示す断面図
【図4】絞り部のさらに他の例を示す断面図
【符号の説明】
【0028】
1 ブレーキ操作部材
2 マスタシリンダ
2a マスタピストン
2b リターンスプリング
3 調圧装置
3a 調圧ピストン
3b スプール弁体
3c リターンスプリング
3d スプールシリンダ
3e 弁部
4 倍力機構
4a パワーピストン
5 液圧供給装置
6 補助液圧源
6a ポンプ
6b 蓄圧器
7 液圧制御ユニット
8,9 ホイールシリンダ
10 シリンダボディ
10a シリンダ孔
11 プッシュロッド
12 センタバルブ機構
13 リザーバ
14 入力部材
15 当接部材
16 反力ディスク
17 流路
18 絞り部
19 絞り孔を有する部品
R1 パワー室
R2 圧力室
R3 調圧室
R4 反力室
R5 液室
g 環状隙間

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ブレーキ操作によって発生した力を受けて作動する調圧ピストン(3a)と、その調圧ピストン(3a)の前面が臨む調圧室(R3)と、スプールシリンダ(3d)に摺動自在に挿入されたスプール弁体(3b)と、このスプール弁体(3b)の肩部と前記スプールシリンダ(3d)との間に形成される弁部(3e)とを備えた調圧装置(3)と、前記調圧室(R3)からの液圧を導入するパワー室(R1)とを有し、
前記スプール弁体(3b)が前記調圧ピストン(3a)に押し動かされて前記弁部(3e)の開度が調整され、その開度調整により補助液圧源(6)から供給される液圧がブレーキ操作に比例した値に調圧されて前記調圧室(R3)に供給され、さらに、前記パワー室(R1)に導入された前記調圧室(R3)からの液圧で前記調圧ピストン(3a)の作動がアシストされるようにしたブレーキ液圧供給装置において、
前記調圧室(R3)からの液圧を出力する流路(17)に、その流路の通路面積を部分的に減少させる絞り部(18)を設けたことを特徴とするブレーキ液圧供給装置。
【請求項2】
前記流路(17)が、前記調圧室(R3)から前記パワー室(R1)に至る流路であり、その流路に前記絞り部(18)を設けたことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ液圧供給装置。
【請求項3】
前記絞り部(18)を、前記調圧室(R3)に近接した位置に配置したことを特徴とする請求項1又は2に記載のブレーキ液圧供給装置。
【請求項4】
液圧による戻し力を発生させてその戻し力を弾性体の反力ディスク(16)を介して前記スプール弁体(3b)の前端に加える反力室(R4)を設置し、その反力室(R4)経由で前記調圧室(R3)の液圧を前記パワー室(R1)に導入するように構成されており、前記調圧室(R3)から前記反力
室(R4)に至るまでの流路(17)に前記絞り部(18)を設けたことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のブレーキ液圧供給装置。
【請求項5】
前記調圧ピストン(3a)の外周面と該調圧ピストン(3a)が摺動自在に挿入されるシリンダ孔(10a)の内周面との間に環状隙間(g)を設け、その環状隙間(g)で前記絞り部(18)を構成し、前記調圧ピストン(3a)の移動によって前記絞り部(18)の大きさが変動するようにしたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブレーキ液圧供給装置。
【請求項6】
前記絞り部(18)を、前記流路(17)の一部分の孔径を他部の孔径よりも細くして形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブレーキ液圧供給装置。
【請求項7】
前記絞り部(18)を、前記流路(17)の一部分に絞り孔を有する部品(19)を組み込んで形成したことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のブレーキ液圧供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−241705(P2009−241705A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−89532(P2008−89532)
【出願日】平成20年3月31日(2008.3.31)
【出願人】(301065892)株式会社アドヴィックス (1,291)
【Fターム(参考)】