説明

ブロック製造用金型

【課題】ブロックにセンターベルトを装着したときに、両者の間に緩みのある関係や過剰な圧縮関係がなく、ちょうどよいサイズで嵌合することができるようなブロックを成形することができるブロック製造用金型を提供する。
【解決手段】高負荷伝動ベルト1に用いるブロック2を成形するのに用いるブロック製造用金型において、前記金型はブロック2の厚み方向で分割した第1金型30と第2金型31の少なくとも2つの金型からなっており、前記第2金型31のキャビティにおける前記嵌合溝を成形する部分の幅cを、第1金型30のキャビティにおける嵌合溝を成形する部分の幅aよりも広く設定するとともに、両者の幅の差は、ブロック成形時に両金型30、31を組み合わせた場合の位置ズレよりも大きく設定してなる。成形したブロック2の前記嵌合溝の幅が一定になるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はセンターベルトの長手方向に沿って所定ピッチでブロックを固定した高負荷伝動ベルトのブロックを射出成形するのに用いるブロック製造用金型に係り、詳しくはブロックにセンターベルトを装着したときに、両者の間に緩みのある関係や過剰な圧縮関係がなく、ちょうどよいサイズで嵌合することができるようなブロックを成形することができるブロック製造用金型に関する。
【背景技術】
【0002】
ベルト式無段変速装置に使用するベルトは、プーリのV溝幅を変えることによってプーリに巻きかかる有効径を変化させ変速比を調節する様な変速プーリに巻き掛けて使用するものであり、プーリからの側圧が大きくなるのでベルトは大きな側圧に耐えるものでなくてはならない。また、無段変速の用途以外にも通常のゴムベルトでは寿命が短くなりすぎるような高負荷伝動の用途には特別に高負荷に耐えうるようなベルトを用いる必要がある。
【0003】
そのようなベルトとして使用されるものの中に、センターベルトにブロックを固定してベルト幅方向の強度を高めた引張伝動式の高負荷伝動ベルトがあり、具体的な構成としては、心線をゴムなどのエラストマー中に埋設したセンターベルトにボルトやリベットなどの止着材を用いてセンターベルトに使用しているエラストマーよりも比較的硬質のエラストマーからなるブロックを止着固定したものがある。
【0004】
このような引張伝動式の高負荷伝動ベルトに用いられるブロックの要求品質としては、上記のように摩擦伝動において高負荷の伝動を目的としているために、曲げ疲労性、耐摩耗性、耐熱性、剛性、耐衝撃性等の性質をバランス良く保有する必要がある。さらにはセンターベルトとの嵌合関係において、センターベルトを摩耗させたり、嵌合箇所においてセンターベルトを疲労させたり、センターベルトとの間でズレが発生するといったことが起きないようにすることも大切な要素である。
【0005】
樹脂材料からなるブロックを成形する方法として、金型を使用して射出成形にて成形する方法が一般的である。使用する金型としては、ブロック厚み方向の略中央にて分割した第1金型と第2金型からなる2つの金型が挙げられ、成形後の脱型のしやすさからも一般的であるといえる。
【0006】
【特許文献1】特公平7−110900号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
ところが、ブロック厚み方向の中央で分割した第1金型と第2金型をあわせてブロックを成形するキャビティを形成するときに両者の間のガタツキにより、ずれた状態で組み合わさってしまう場合がある。両方の金型の間でズレが発生すると、ずれた状態で形成されたキャビティで成形したブロックでは、センターベルトを嵌合するためにブロックに形成されている嵌合溝の寸法が、図7に示すように前記のズレのために狭くなってしまう。
【0008】
センターベルトはブロックの嵌合溝に圧縮的に嵌め込まれてブロックとの間の固定力を保持しており、このように所定の寸法よりも狭くなった嵌合溝に、センターベルトを嵌合させると、センターベルトは所定量を超えて圧縮されることになるので、センターベルトが早期に疲労するか、または逆にブロックに所定量以上の応力がかかって、センターベルトの切断につながったり、ブロックの破損につながってしまったりする。しかし、金型をあわせるときに発生するズレは完全になくすことは困難であり、いかんともしがたい。
【0009】
そこで本発明はこのようなブロックを成形するための金型の分割面においてズレが発生した状態でブロックを成形した場合でも、ブロックのセンターベルトを装着する嵌合溝の寸法が狭くなってしまうことがなく、センターベルトの疲労やブロックの破損などの問題を発生させないようなブロック製造用金型の提供を目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記のような目的を達成するために本発明の請求項1では、エラストマー中に心体を埋設したセンターベルトと、該センターベルトの長手方向に沿って上ビームおよび下ビームと上下ビームの中央同士を連結するピラーからなりブロックの両側面に嵌合溝を形成した複数のブロックを嵌合装着することによって設けた高負荷伝動ベルトに用いるブロックを金型内に樹脂を成形するのに用いるブロック製造用金型において、前記金型はベルトの周方向に相当するブロックの厚み方向で分割した第1金型と第2金型の少なくとも2つの金型からなっており、前記第2金型のキャビティにおける前記嵌合溝を成形する部分の幅を、第1金型のキャビティにおける嵌合溝を成形する部分の幅よりも広く設定してなり、両者の幅の差は、ブロック成形時に両金型を組み合わせた場合に発生する位置ズレよりも大きく設定されてなり、成形したブロックの前記嵌合溝の幅が一定になるようにしたことを特徴とする。
【0011】
請求項2では、第1金型と第2金型とのキャビティにおける嵌合溝を成形する部分の幅の差が0.02〜0.08mmの範囲内である請求項1記載のブロック製造用金型としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1では、ブロックの厚み方向に少なくとも2分割した第1金型と第2金型のキャビティにおける嵌合溝を成形する部分の幅に差をつけることで、第1金型と第2金型をあわせてキャビティを形成する際にズレが生じたとしても、前記嵌合溝を成形する部分の幅の差の方が大きく、金型の加工精度を上げなくとも成形したブロックの前記嵌合溝の幅が狭くなってしまうことがない。
【0013】
請求項2では、第1金型のキャビティと第2金型のキャビティにおける嵌合溝を成形する部分の縁同士のズレ量を所定の範囲としているので、金型の加工精度に係るズレを許容することができ、尚且つブロックに生じる段差も小さく抑えることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
図1は、本発明に係る高負荷伝動ベルト1の一例を示す斜視概略図であり、図2は側面図である。高負荷伝動ベルト1は、エラストマー4内に心線5をスパイラル状に埋設してなる同じ幅の二本のセンターベルト3a、3bと、このセンターベルト3a、3bに係止固定されている複数のブロック2とから構成されている。このブロック2の両側面8、9は、プーリのV溝と係合する傾斜のついた面となっており、駆動されたプーリから動力を受け取って、係止固定されているセンターベルト3a、3bを引張り、駆動側プーリの動力を従動側プーリに伝動している。
【0015】
ブロック2は、図1、図2に示すように、上ビーム11および下ビーム12と、上下ビーム11、12の中央部同士を連結したピラー13からなっており、ブロック2の両側面2a、2bには一対のセンターベルト3a、3bの嵌合溝14、15が形成されている。また、嵌合溝14、15内の溝上面16および溝下面17にはセンターベルト3a、3bの上面に設けた凹条部18と下面に設けた凹条部19に係合する凸条部20、21に係合するようになっている。
【0016】
また、図2に示すようにブロック2の前後面6、7はベルトがプーリなどに巻きかかって屈曲できるようにブロック2の下へいくに従って厚みが減少するテーパ面が形成されている。このテーパ面はブロック2の高さ方向全域にわたるものでも、その他ブロック2の下半分においてテーパ面を形成したものであってもよく、更にはテーパ面を設けるのはブロックの前後面の両面であってもいずれか片面であっても構わない。とにかくこのようなテーパ面を有していることからブロック2は上ビーム11よりも下ビーム12のほうが体積的には小さなものとなっている。
【0017】
本発明における高負荷伝動ベルト1で用いられるブロック2の素材としては、熱可塑性樹脂40に短繊維41を配合した素材からなっており、場合によってはブロック2の強度を向上させるためにウィスカ状補強材やその他のものを配合してもよい。短繊維41は樹脂に対して1〜60質量%の割合で配合し、プーリと接する際に受ける側圧にも十分に耐えうる剛性、靭性等の強度を有するとともに、耐摩耗性に優れ、更には、摩擦時に発生する熱に対しても強いブロックとすることが可能となり、プーリから受ける動力を効率よくセンターベルト3に引張力として伝えることができ、引張伝動式の高負荷伝動ベルトを構成することができる。
【0018】
ブロック2に用いられる熱可塑性樹脂としては、4,6−ナイロン、9,T−ナイロン、ポリフェニレンサルファイド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルサルフォン、ポリアミドイミド等が挙げられる。なかでも、4,6−ナイロンを使用することが好ましい。4,6−ナイロンは、結晶性樹脂であり、これら熱可塑性樹脂の中でも高温での曲げ剛性及び耐疲労強度に優れ、後述する炭素繊維を補強材として添加することで、これらの特性が一層向上するものである。また、射出成形が可能となることから、ブロックの製作を容易に行うこともできるようになる。さらに、4,6−ナイロンによるブロックを用いたベルトはプーリに掛架して走行させたときに、プーリを摩耗させる量が少ないので、プーリ摩耗による走行不安定の原因となるのを回避することができ、プーリの交換も少なくて済む。
【0019】
また、この熱可塑性樹脂に配合される補強材としては、炭素繊維単独若しくは炭素繊維とアラミド繊維を組み合わせたものを用いることが好ましい。炭素繊維は、前述の熱可塑性樹脂に対し、1〜60質量%とすることが好ましい。炭素繊維が1質量%よりも少ない場合は補強性が不十分であり、ブロック2の強度が不足してしまう。また、60質量%を越えると、剛性は上がるが、靭性が低下し、曲げ疲労性や耐衝撃性が低下するとともにプーリとの接触時に発生するノイズも大きくなる等、騒音性も悪化する。この炭素繊維に後述するウィスカ状の補強材を添加すると、繊維状補強材として炭素繊維のみで十分な強度等を有したブロックとすることが可能であるが、これに、さらにアラミド繊維を前述の熱可塑性樹脂に対し5〜50質量%加えることで、ブロックの靭性が向上し、耐摩耗性や、耐衝撃性を一層向上させることができる。この場合、アラミド繊維の添加量が5質量%よりも少ない場合は、アラミド繊維を添加する効果が十分に発現しない。また、50質量%を越えると、混練することが困難となる。
【0020】
また、前記短繊維と共にウィスカ状補強材を配合してもよく、具体的には酸化亜鉛ウィスカを用いることが好ましい。酸化亜鉛ウィスカは、テトラポット状に四方に手が延びた立体的形状をしている。この酸化亜鉛ウィスカは、これ単独でも耐熱性、耐摩耗性に優れたものであるが、前述のようにテトラポット状の立体的形状をしているため、炭素繊維とともに配合すると、炭素繊維の配向が抑制され、成形時のそりや成形収縮の異方性が改良される。さらに、このように炭素繊維の配向を低減できるため、ブロック2の靭性、曲げ剛性等の強度についての異方性も低減することができ、かつ、摩擦係数が安定するため、耐摩耗性が向上する。また、酸化亜鉛ウィスカは、高比重、高剛性であるため、プーリとの接触時の振動を低減でき、ノイズの発生を小さくすることができる。なお、この酸化亜鉛ウィスカを、前述の熱可塑性樹脂に対して、その添加量が1質量%よりも少ない場合は、添加した効果が発現せず、30質量%を越えて添加した場合は、混練できず、成形することが困難となる。
【0021】
なお、これらの他に、二硫化モリブデン、グラファイト、フッ素系樹脂から選ばれてなる少なくとも一つを混入することによってもブロック2の潤滑性を向上させることができる。フッ素系樹脂としては、ポリ四フッ化エチレン(PTFE)、ポリフッ化エチレンプロピレンエーテル(PFPE)、4フッ化エチレン6フッ化プロピレン共重合体(PFEP)、ポリフッ化アルコキシエチレン(PFA)等が挙げられる。
【0022】
センターベルト3のエラストマー4として使用されるものは、クロロプレンゴム、天然ゴム、ニトリルゴム、スチレン−ブタジエンゴム、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、アルキル化クロロスルホン化ポリエチレンなどの単一材またはこれらを適宜ブレンドしたゴムあるいはポリウレタンゴム等が挙げられる。そして、心体5としてはポリエステル繊維、ポリアミド繊維、アラミド繊維、ガラス繊維、スチールワイヤ等から選ばれたロープが用いられる。また、心体5はロープをスパイラル状に埋設したもの以外にも、上記の繊維の織布、編布や金属薄板等を使用することもできる。
【0023】
また、図示はしないがセンターベルト3は上下両面にカバー帆布を配置してもよく、カバー帆布として用いられるのは、平織物、綾織物、朱子織物などを挙げることができ、素材としてはアラミド繊維、6−ナイロン、6,6−ナイロン、12−ナイロン等のポリアミド繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリエステル繊維等を挙げることができる。
【0024】
このような構成のカバー帆布をセンターベルトの表面に積層接着するために接着処理がなされる。接着処理としては例えばRFL液、イソシアネート溶液あるいはエポキシ溶液による処理が挙げられる。RFL液はレゾルシンとホルマリンとの初期縮合物をラテックスに混合したものであり、ここで使用するラテックスとしてはスチレン・ブタジエン・ピリジン三元共重合体、水素化ニトリルゴム、クロロスルホン化ポリエチレン、エピクロルヒドリンなどのラテックスである。また、ゴムを溶剤に溶かしてゴム糊状にしたものをカバー帆布の表面に付着させる糊引き処理も接着処理として挙げることができる。
【0025】
このようなベルトでは、プーリとの間の動力の伝達はブロックにて行い、ブロックに伝えられた動力を駆動軸側から従動軸側へ伝える際のベルトの張力はセンターベルトが担うことになる。ブロックとセンターベルトが強固に嵌合することによって、その伝達性能が確保されており、両者の嵌合状態は本ベルトにとって重要な要素であるといえる。両者の嵌合状態が緩すぎれば十分に伝達性能を発揮できないことにもなる。よって、嵌合溝の幅とセンターベルトの嵌合部における厚みの関係は、若干センターベルト側の厚みが大きくなるように設定され、両者は圧縮状態で嵌合されているのが通常である。
【0026】
しかし、その圧縮率が大きくなりすぎると、センターベルトの嵌合部において過剰に変形されて早期に疲労度が大きくなってベルトが切断してしまうなどの問題につながることにもなる。
【0027】
一方、以上のようなブロックは次のような方法にて成形を行っている。
【0028】
図3は金型の断面図である。金型はブロックの前後方向で分割された第1金型30と第2金型31からなり、その両者を組み合わせることによってブロックを成形するためのキャビティ32が形成される。キャビティ32が形成された状態で樹脂材料が射出されるが、射出ゲート33はブロックの上ビームの上面中央に相当する場所に設けられている。また、図中34は金型30、31の合わせ面となっている。
【0029】
このような金型を用いて樹脂材料を射出成形してブロック2を成形するが、第1金型30と第2金型31を組み合わせてキャビティ32を形成する際に、第1金型30と第2金型31がずれた状態で組み合わされる場合があり、図6のように嵌合溝を成形する部分35の両側の縁が同じ方向にずれた状態で成形すると、図7にも示すようにブロック2の嵌合溝の最小幅はbになってしまう。この最小幅bは、最初に嵌合溝の幅として想定したaと比べると小さな値となるので、この形状のブロック2における嵌合溝にセンターベルト3を嵌合装着すると、嵌合溝の幅を前記aとした時よりも大きな圧縮率で嵌合することになってしまう。このことによりセンターベルト3が過剰な圧縮を受けた部分で疲労してしまい、ブロックのガタツキが発生してブロック2が破損したり、センターベルト3が切断したりするといった故障につながる。
【0030】
そこで本発明では図4に示すように、第2金型31のキャビティ32における前記嵌合溝を成形する部分35のベルト高さ方向の幅cを、第1金型30のキャビティ32における嵌合溝を成形する部分35の幅aよりも広く設定してなり、両者の幅の差(c−a)は、ブロック成形時に両金型を組み合わせた場合に発生する位置ズレよりも大きく設定されているので、第1金型30と第2金型31を組み合わせた時に金型の加工精度等に起因する位置ズレが発生したとしても、嵌合溝を成形する部分の両側の縁が同じ側にずれるのを防止することができるので、図5に示すように、成形されたブロックの嵌合溝において金型のズレによって幅が狭くなることがない。そうするとセンターベルトの過剰な圧縮による早期疲労の問題も解消することができ、ベルトの寿命の延長にもつながることになる。上記の例では、2分割した金型のうち片方を第2金型として、嵌合溝の幅が広くなる側の金型としたが、この嵌合溝の幅が広くなる側がいずれの金型になるかは、特に限定されるものではなく、どちらの金型を第1、第2金型としても問題はない。
【0031】
第1金型30と第2金型31を組み合わせた時に金型の加工精度等に起因する位置ズレが発生したとしても、嵌合溝を成形する部分35の両側の縁が同じ側にずれるのを防止するために、第1金型30と第2金型31のキャビティ32における嵌合溝を成形する部分35の幅の差が0.02〜0.08mmの範囲内とすることが好ましい。
【0032】
0.02mm未満であると、金型の加工寸法精度による誤差を吸収することができない場合が多くなって、嵌合溝の幅が狭くなってセンターベルトを過剰に圧縮し疲労させることになり、0.08mmを超えると金型のズレを吸収することはできて、嵌合溝を成形する部分の両側の縁が同じ側にずれるのを防止することはできるが、第1金型で成形した部分と第2金型で成形した部分の段差が大きくなりすぎるので好ましくない。
【産業上の利用可能性】
【0033】
自動車や自動二輪車、農業機械の無段変速装置など、プーリの有効径が変化し大きなトルクを伝達するようなベルトに用いるブロックの製造に適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明の高負荷伝動ベルトの要部斜視図である。
【図2】本発明の高負荷伝動ベルトの側面図である。
【図3】ブロックの成型に用いる金型の断面図である。
【図4】嵌合溝を形成する部分の両側の縁が異なる側にずれている本発明の様子を示す断面図である。
【図5】図4に示す状態の金型で成形したブロックの側断面図である。
【図6】嵌合溝を形成する部分の両側の縁が同じ側にずれている様子を示す断面図である。
【図7】図6に示す状態の金型で成形したブロックの側断面図である。
【符号の説明】
【0035】
1 高負荷伝動ベルト
2 ブロック
3a センターベルト
3b センターベルト
4 エラストマー
5 心体
6 前面
7 後面
8 側面
9 側面
11 上ビーム部
12 下ビーム部
13 センターピラー
14 嵌合溝
15 嵌合溝
16 溝上面
17 溝下面
18 凹条部
19 凹条部
20 凸条部
21 凸条部
30 金型
31 金型
32 キャビティ
33 ゲート
34 合わせ面
35 嵌合溝を成形する部分
P パーティングライン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
エラストマー中に心体を埋設したセンターベルトと、上ビームおよび下ビームと上下ビームの中央同士を連結するピラーからなりブロックの両側面に嵌合溝を形成したブロックを、前記センターベルトの長手方向に沿って複数嵌合装着した高負荷伝動ベルトに用いるブロックを成形するブロック製造用金型において、前記金型はベルトの周方向に相当するブロックの厚み方向で分割した第1金型と第2金型の少なくとも2つの金型からなっており、前記第2金型のキャビティにおける前記嵌合溝を成形する部分の幅を、第1金型のキャビティにおける嵌合溝を成形する部分の幅よりも広く設定するとともに、両者の幅の差は、ブロック成形時に両金型を組み合わせた場合に発生する位置ズレよりも大きく設定されてなり、成形したブロックの前記嵌合溝の幅が一定になるようにしたことを特徴とするブロック製造用金型。
【請求項2】
第1金型と第2金型のキャビティにおける嵌合溝を成形する部分の幅の差が0.02〜0.08mmの範囲内である請求項1記載のブロック製造用金型。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2009−262390(P2009−262390A)
【公開日】平成21年11月12日(2009.11.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−113756(P2008−113756)
【出願日】平成20年4月24日(2008.4.24)
【出願人】(000006068)三ツ星ベルト株式会社 (730)
【Fターム(参考)】