説明

ブロック部材

【課題】歯科分野において美観的に大幅に改善されたセラミック材料製のブロック部材を提供する。
【解決手段】予め設定された第1の光学特性を有する少なくとも1つのセラミック材料(15)と、予め設定された第2の光学特性を有する少なくとも1つの第2のセラミック材料(17)と、前記の両方のセラミック材料の間に延在し前記少なくとも2つのセラミック材料の混合比が変化していてその混合比の変化階調が実質的に一定である移行領域とからなる、特に歯科用材料等のセラミック材料から形成されたブロック部材(10)である。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、特に請求項1前段に記載のブロック部材、ならびに請求項16前段に記載のブロック部材の製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
歯、歯の部材あるいは歯科補綴材(以下においては歯と称する)を製造するために通常ブロック部材が予備加工され、例えば900℃ないし1100℃の温度で焼結される。この状態においてそのように製造されたブロック部材を例えば切削等機械的に加工する。この切削加工によって成形体が作成され、それをその後所要の寸法および最終的な硬度を得るために仕上げ焼結する必要がある。ここで成形体の製造に際して圧縮焼結によって発生する収縮に留意する必要がある。この収縮および硬度は、ブロック部材を製造する際の焼結条件(特に温度、時間、周囲の空気)によって決定される。
【0003】
補綴を可能な限り自然の外観に仕上げるために、異なった色で着色した異なった層によってセラミック材料を組み合わせて歯に仕上げることが提案されている。この提案によれば例えば最大10枚のセラミック材料からなる極めて薄い層を組み合わせて予備焼結することができ、それによって成形体が適宜な色階調を備えるものとなる。しかしながら、異なった色で着色された各層がそれぞれ異なった化学的特性を有する場合、予備焼結温度も異なったものとなる危険性がある。従って、より高い温度で焼結する材料は、粒子境界領域における溶融がより低い温度で焼結する材料と比べて少なくなる。収縮および結合強度も異なったものとなる可能性があり、それによって仕上げ加工が困難となり得る。
【0004】
この種のブロック部材は例えばZrOに基づいたセラミックから形成することができる。しかしながら、ガラスあるいはガラスセラミックを原料として使用することも勿論可能である。ガラスセラミックにおいては通常ガラス顆粒からなる原粒子を破砕によって形成し、その粒子大は0.5ないし50μmとなる。本発明の枠内において粒子大およびその他の寸法表記は常にISO13320に従って計測されたd50値(平均粒子径)によって示され、これは粒子の度数分布合計曲線において50%の位置の直径に相当するものである。ここで着色は通常粒子を形成するための溶融材料あるいは破砕された粒子に多様な着色酸化物を添加することによって実施される。それらの酸化物は分離して保持されている。
【0005】
改良されたブロック部材を提供するために、色階調を現存する断面化した歯の色階調に近似させることも提案されている。自然歯は通常明色あるいは白色の切端領域とより濃色の頚部領域を備えている。その間に色が変化している中央領域が延在している。頚部領域と中央領域の間ならびに中央領域と切端領域の間に色変化の終末部が存在し、従って変化は通常一種の極めて平坦なガウス曲線を示すものとなる。しかしながら、セラミック材料を適宜に注入することによって色階調を疑似する試みによっては美観的に不充分な結果しか得られず、またそれは生産性の低いものであった。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
従って、本発明の目的は、特に請求項1前段に記載の歯科分野において美観的に大幅に改善されたセラミック材料製のブロック部材を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記の課題は本発明に従って請求項1によって解決される。従属請求項には好適な追加構成が示されている。
【0008】
意外なことに、実質的に一定な変化階調を有する本発明に係るブロック部材によって視覚的に“軽快”な歯の印象が達成される。接近して観察しても従来典型的であった人工歯の特徴をもたらすことなく、切端領域の半透明性が極めて良好に達成される。
【0009】
所要の美観特性に極めて近似した変化階調のために、混合比が直線的に変化する場合に比べて、混合比を切端領域から見てまずいくらか緩やかに濃色方向に増加させることが必要となる。その理由は、人間の目から見て色調は純粋な明度の差に比べてより強烈に認識され従って光学的に重要な意味を成すためである。本発明によれば、変化階調の一定化は例えば明度あるいは色調の変化階調の固定に限定されないことが好適である。さらに、結果として生じる変化階調が一定であればより好適である。例えば、再び切端領域から見て、まず色調をより大きく明度はより小さく変化させ、その後、すなわち頚部領域に近づくに従って色調をより小さく明度をより大きく変化させることができる。
【0010】
本発明によれば、物理パラメータを漸進的に変化させることによって第1および第2のセラミック材料の間の移行領域に生じる応力を最小化できることが極めて好適である。例えば両方のセラミック材料が異なった収縮および/または結合強度を有している場合、それによって形成される応力はブロック部材内においてより大きな範囲に分散され、従って局部的な応力の極大化が最小化される。
【0011】
実質的に一定した光学的特性の変化階調を有する移行領域を実現するために、例えばそれに隣接する領域において光学的特性が実質的に一定であることが除外されるものではない。ここで例えば最も外側の切端領域、あるいは通常患者の口内において歯肉に被包されており従って美観的な処置を施す必要がない最も外側の頚部領域について考慮することが必要である。
【0012】
また、門歯に関しては切端領域において材料厚が大きく縮小することについて考慮する必要がある。このため半透明性が切端領域に向かって増加し、従ってその部分で一定した光学特性を有することができる。
【0013】
この種の解決方式において一定した変化階調を有する移行領域と一定の光学特性を有する領域との間に変化階調が変化する追加的な過渡領域を設けることが好適である。
【0014】
本発明に係るブロック部材は略その全高にわたって延在する移行領域を有することが極めて好適である。その高さは人間の歯の高さよりも大きくなることが好適であり、それによって本発明の効果である調和的な色移行部を失うことなく歯の着色を1つの色の方向あるいは別の色の方向にずらす可能性が開かれる。
【0015】
別の好適な構成形態によれば色移行部は平坦ではなく、暗い色は中央でより下方に到達し、通常切端領域に配色されている明るい色が外側より上方に到達するように、緩やかに湾曲する。この上下の関係は、上顎の歯を形成するためのブロック部材の位置に関するものである。この色移行領域の湾曲構成によって自然歯の外観をより詳細に疑似することが可能になり、それは自然歯において象牙質がエナメル質によって包囲されているためである。
【0016】
本発明によれば、結果として生じる移行領域の光学特性の変化階調は実質的に一定となる。この種の一定性(測定精度の範囲内)が維持されるよう努力されているが、ここで例えば2.5あるいは10%程度の相異は一定とみなされる。
【0017】
別の変更された構成形態によれば、結果として得られる特性の変化階調が実質的に一定に保持される。ここにおいても、前述した一定性の定義が重要である。この種の物理特性には例えば硬度が含まれ、ここでこの構成は、同種のセラミック材料、例えば2つのガラスセラミックあるいは2つの酸化物セラミックを使用する場合にのみ可能となる。この構成においては、少なくとも実質的に同じ焼結条件を有するセラミックの使用が前提条件となることが理解される。
【0018】
酸化ジルコンセラミックを使用しながら本発明に係るブロック部材を実現するために、セラミックを顆粒状態で配量して成層することが好適である。圧砕によって顆粒が分解され、その際好適には50ないし400μmの粒子大から0.1ないし約1μmの粒子を形成することができる。
【0019】
それに対して、ガラスセラミックを使用する場合はガラス顆粒が一次粒子に相当する粒子大、すなわち例えば1ないし25μmの領域で存在する。
【0020】
ここでこの粉末をまず流体状の下流に処理することが好適である。
【0021】
本発明においては結果として得られる2つのセラミック材料の特性に従って混合比を制御するが、本発明によればこれを第3の、あるいはさらにそれ以上のセラミック材料と混合することも除外されない。
【0022】
ここでは、本発明について重点的なものとしてZrOに関して説明する。しかしながら、これによって本発明に係る処理方式にガラス、ガラスセラミック、ならびにその他のセラミックを使用することが除外されるものではない。
【0023】
本発明によれば、光学特性の変化階調が0ではない移行領域に加えて実質的に一定の光学特性を有する領域を設けることが好適である。
【0024】
本発明によれば、一定の光学特性(=変化階調が0に等しい)を有する領域と実質的に一定の変化階調を有する移行領域の間に、実質的に0から0とは異なった値の変化階調まで階調が変化する過渡領域を設けることが極めて好適である。
【0025】
本発明によれば、ブロック部材を実質的に立方体あるいは錠剤型とし、その長さあるいは幅がいずれも高さよりも小さいものであることが極めて好適である。
【0026】
他方、本発明によれば、ブロック部材が立方体形状でありその長さあるいは幅が高さよりも大きいものとすることも極めて好適である。
【0027】
本発明によれば、ブロック部材を実質的に立方体形状としその高さの中央が移行領域によって形成されることが極めて好適である。
【0028】
本発明によれば、10μmより大きく2mmよりも小さい、特に50ないし250μmの粒子大からなる顆粒からブロック部材を形成することが極めて好適である。少なくとも95重量%の粒子が0.1μmないし2mmの範囲、少なくとも90重量%の粒子が1μmないし700μmの範囲、少なくとも85重量%の粒子が50μmないし400μmの範囲のd50粒子大を有していれば好適である。このことは例えば既知の篩方式によって達成することができ、ここで特にガラスセラミックの場合に、まず存在している粉末を顆粒化補助剤、結合剤等によって顆粒に改変することが好適である。
【0029】
本発明によれば、ブロック部材をその初期粒子大が10μmより小さくまた特に10nmよりも大きいセラミック材料から形成すれば極めて好適である。
【0030】
本発明によれば、ブロック部材は実質的に立方体あるいは錠剤形状を形成するために少なくとも1つの押出ダイ、特に互いに対向している2つの押出ダイが作用する型内で成形することが極めて好適である。1つあるいは2つの押出ダイを使用した(多軸式の)ブロック部材の圧縮成形に加えて、静水圧圧縮成形を実施することも可能である。
【0031】
本発明によれば、ブロック部材はセラミック材料を配量して成層させて形成し、その境界部を請求項1の特徴に従って設定することが極めて好適である。
【0032】
本発明によれば、第1および第1のセラミック材料の間の移行領域内において、ブロック部材の基底面に平行な断面に関してブロック部材の内側部、特に中央部の混合比の変化率がブロック部材の縁部のものと異なったものであれば極めて好適である。
【0033】
本発明によれば、両方のセラミック材料の間の同じ混合比を有する部分が平坦面ではない面、特に湾曲した1つの面内に存在すれば極めて好適である。
【0034】
本発明によれば、前記の面は実質的に錐形面であり、その錐形角が0よりも大きく、特に0.5°よりも大きく約30°より小さいものであれば極めて好適である。
【0035】
本発明によれば、第1のセラミック材料と第2のセラミック材料の間の移行領域内においてブロック部材の内部とは異なった外側の一面内に等しい光学特性を有する点群が存在すれば極めて好適である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0036】
本発明のその他の詳細、特徴ならびに利点は、添付図面を参照しながら以下に記述する実施例の説明によって明らかにされる。
【実施例】
【0037】
図1に示されたブロック部材10は例えばZrO等の酸化物セラミックからなる。図示された実施例においてブロック部材10は、特殊な方式で混合された第1のセラミック材料15と第2のセラミック材料17からなる。ブロック部材はそれを形成するセラミック材料15または17を配量して混合することによって製造される。ブロック部材10は配量を行った後既知の方式で圧縮成形し予備焼結される。この状態においてブロック部材は、歯の補綴材を製造するために例えばフライス盤によって良好に切削加工することができる。
【0038】
加工を容易にするために実質的なブロック部材10上に延長部12が取り付けられ、セラミックブロック部材10と固定的に結合される。延長部12によってブロック部材10をフライス盤に固定することができる。
【0039】
図1においてブロック部材10は濃色の歯色が上部、明色の歯色が下部に配置されるように示されている。この配置は患者の上顎歯に相当し、それは切端領域18において歯が頚部領域16内に比べてより高い明度および半透明性を有しているためである。
【0040】
本発明によれば、頚部領域16と切端領域18の間に中央領域19が延在しており、これは以下に説明するように特殊な方式で形成されている。
【0041】
自然の外観に最も効果的に近似させるために、頚部領域16から出発して頚部、中央、および切端の3つの領域において急激な段差は存在せず、殆どあるいは完全に無色な骨格の切端領域18に向かって漸進的に色変化するものとなる。1つの基本色によって着色された頚部領域16はブロック部材10内において少なくともブロック部材の高さの20%を占めるものとすべきである。その部分から出発して漸進的な変化が形成される。特に好適には、頚部領域16が歯の全高の約50%を占めるものとされる。
【0042】
ここで、頚部領域16から切端領域18への方向を歯の高さと称する。図示された実施例において、本発明に係るブロック部材10は立方体形状であり、ここでその幅は高さよりも著しく大きくなり、他方その奥行きは高さに略相当するものとなる。この実施例においては実質的に互いに同等な2本の歯がブロック部材10から製造され、ここでそれらの歯はそれぞれ図上の平面において左右に並んで位置しているブロック部材10の領域から形成される。
【0043】
ブロック部材10の高さは歯の高さに比べて例えば50%大きくなる。このことによって、歯科技工士がブロック部材10内における歯の位置を患者の歯型状態に従って任意に設定することを可能にする。その位置を大きく下方に選定した場合自動的に明色の歯が形成され、その位置を大きく上方に選定すると自動的に濃色の歯が形成される。
【0044】
本発明に係るブロック部材10の形状は立方体に限定されるものでないことは勿論である。むしろそれに代えて錠剤形状、あるいは個別の歯の形成に適するように幅に対して大幅に大きな高さを有する立方体形状とすることもできる。
【0045】
さらに、歯の色変化もブロック部材10の高さの設定によって広範囲に調節することができる。例えば歯の高さの100%の超過に相当するようなより大きな高さによって色変化率を低くすることができ、他方高さの超過が10%程度である場合は色変化率がより大きなものとなる。
【0046】
図2にはセラミック材料の混合比の変化が示されており、これはブロック部材10の高さに対して示されている。頚部領域16(Ze部分)においては頚部材料Zが略100%存在しており、一方切端材料Iはほとんど存在しておらず最大でも数%の割合となっている。
【0047】
一方切端領域18内(In部分)において切端材料Zは殆ど存在しておらず、他方切端材料Iが略100%の割合を占めている。これら両方の領域間において頚部材料の割合は頚部領域16側から見て連続的に縮小し、他方切端材料の割合は連続的に増加している。図示された実施例において、いずれも頚部領域16側から見て、頚部材料の割合は線形よりも大きく縮小し、それに応じて切端材料の割合が線形よりも大きく増加している。
【0048】
従って、頚部材料ならびに切端材料の曲線の交点には、頚部領域16と切端領域18の中間点よりも手前で到達する。これは図2において50%ラインとして示されている。その理由は、本発明に従って図3に示されるように一定の光学特性の変化階調を達成するためである。該当する光学特性の選択に従って50%ラインを幾何学的中間点に対して別の方向に移動させ得ることが理解される。人間の目によれば強い色をより強力に認識するが、このことは本発明に従って補償されて光学特性としてのクロミナンスの選択に際して適宜な分配が達成される。
【0049】
図3にはブロック部材の高さに対しての光学特性の変化が示されている。図4に示されているように、頚部領域16と切端領域18の間において光学特性の変化階調は一定となり、従って光学特性は実質的に一定の傾きを有する直線によって示すことができる。この領域は移行領域20として示されている。技術的な理由から、頚部領域16と移行領域20の間と移行領域20と切端領域18の間にはそれぞれ過渡領域22あるいは24が設けられており、その中において曲線の傾きが一定値へ増加しまた一定値から低減している。
【0050】
図示された実施例において、明瞭化のためその数値が頚部領域(すなわち実質的に頚部材料)内ならびに切端領域18(すなわち実質的に切端材料)内において等しいものとなる光学特性が示されている。これは簡略化した表示であって実用上においては少なくともいくつかの光学特性について標準化された数値に関するものとなることが理解される。例えば、頚部領域16内の色飽和度は切端領域内に比べて顕著に大きくなる。明確化のため図3の表示は標準化された数値に関するものであるが、例えば反射率等のその他の光学特性との組み合わせを使用する場合は標準化が不要となることが理解される。
【0051】
図4には、光学特性が移行領域20全体にわたって均等な変化階調によって変化することが示されている。移行領域20は過渡領域22と24によって仕切られており、それらに対して頚部領域16と切端領域18がそれぞれ接続している。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明に係るブロック部材を示した透視側面図である。
【図2】図1の実施例のブロック部材の高さに関して示したセラミック材料の混合比をグラフ表示した説明図である。
【図3】図1のブロック部材の実施例の光学特性をグラフ表示した説明図である。
【図4】図1の実施例のブロック部材の高さに関して示した光学特性の変化階調をグラフ表示した説明図である。
【符号の説明】
【0053】
10 ブロック部材
12 延長部
15,17 セラミック材料
16 頚部領域
18 切端領域
19 中央領域
20 移行領域
22,24 過渡領域

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の半透明度、第1の明度、第1の反射率、ならびに特に歯科産業によって一般的な色キーに従った第1の色彩等の予め設定された第1の光学特性を有する少なくとも1つの第1のセラミック材料と、第2の半透明度、第2の明度、第2の反射率、ならびに第2の色彩等の予め設定された第2の光学特性を有する少なくとも1つの第2のセラミック材料とからなる、特に歯科用材料等のセラミック材料から形成されたブロック部材であり、前記第1のセラミック材料(15)と第2のセラミック材料(17)の間の移行領域内において結果として得られる移行領域内の光学特性の変化階調が実質的に一定となるように少なくとも前記の両方のセラミック材料(15あるいは17)の混合比の階調を設定することを特徴とするブロック部材。
【請求項2】
光学特性の変化階調が0ではない移行領域に加えて実質的に一定の光学特性を有する少なくとも1つの領域を設けること特徴とする請求項1記載のブロック部材。
【請求項3】
一定の光学特性(=変化階調が0に等しい)を有する領域と実質的に一定の変化階調を有する移行領域の間に、実質的に0から0とは異なった値の変化階調まで階調が変化する過渡領域(22あるいは24)を設けることを特徴とする請求項1または2記載のブロック部材。
【請求項4】
ブロック部材(10)を実質的に立方体形状とし、その長さあるいは幅がいずれも高さよりも小さいものとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項5】
ブロック部材(10)を立方体形状とし、その長さあるいは幅が高さよりも大きいものとすることを特徴とする請求項1ないし3のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項6】
ブロック部材(10)を実質的に立方体形状とし、その高さの中央が移行領域によって形成されるものとすることを特徴とする請求項1ないし5のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項7】
ブロック部材(10)を少なくとも95重量%の粒子が0.1μmないし2mmの範囲、少なくとも90重量%の粒子が1μmないし700μmの範囲、少なくとも85重量%の粒子が50μmないし400μmの範囲のd50粒子大を有する顆粒から形成することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項8】
ブロック部材(10)をその初期粒子大が10μmより小さくまた特に10nmよりも大きいセラミック材料(15または17)から形成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項9】
ブロック部材(10)は実質的に立方体あるいは錠剤形状を形成するために少なくとも1つの押出ダイ、特に互いに対向している2つの押出ダイが作用する型内で成形することを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項10】
ブロック部材(10)はセラミック材料(15または17)を配量して成層させて形成し、その境界部を請求項1の特徴に従って設定することを特徴とする請求項1ないし9のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項11】
予め設定された光学特性を有する少なくとも1つの第1のセラミック材料(15)と、第2の半透明度、第2の明度、第2の反射率、ならびに第2の色彩等の予め設定された光学特性を有する少なくとも1つの第2のセラミック材料(17)とからなる、特に歯科用材料等のセラミック材料から形成されたブロック部材であり、前記第1のセラミック材料(15)と第2のセラミック材料(17)の間の移行領域内において、ブロック部材(10)の基底面に平行な断面に関して、ブロック部材(10)の内側部、特に中央部の混合比の変化率をブロック部材(10)の縁部のものと異なったものとすることを特徴とするブロック部材。
【請求項12】
両方のセラミック材料(15または17)の間の同じ混合比を有する部分が平坦面ではない面、特に湾曲した1つの面内に存在することを特徴とする請求項1ないし11のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項13】
面は実質的に錐形面であり、その錐形角が0よりも大きく、特に0.5°よりも大きく約30°より小さいものであることを特徴とする請求項11記載のブロック部材。
【請求項14】
特に第1の曲げ強度、第1の耐圧強度、第1の耐摩耗強度、第1の硬度ならびに第1の弾性係数等の予め設定された第1の物理特性を有する少なくとも1つの第1のセラミック材料(15)と、特に第2の曲げ強度、第2の耐圧強度、第2の耐摩耗強度、第2の硬度ならびに第2の弾性係数等の予め設定された第2の物理特性を有する少なくとも1つの第2のセラミック材料(17)とからなる、特に歯科用材料等のセラミック材料から形成されたブロック部材であり、前記第1のセラミック材料(15)と第2のセラミック材料(17)の間の移行領域内において前記少なくとも2つのセラミック材料(15あるいは17)を混合して形成され、これらの少なくとも2つのセラミック材料の混合比(15あるいは17)は、結果として生じる曲げ強度、耐圧強度、硬度ならびに弾性係数等の機械的特性の変化階調が常にブロック部材上で計測して移行領域内において実質的に一定となるような変化率をもって設定されることを特徴とするブロック部材。
【請求項15】
熱処理されたブロック部材上で測定した特に第1の半透明度、第1の明度、第1の反射率、第1の色彩、第1の曲げ強度、第1の耐圧強度、第1の耐摩耗強度、第1の硬度ならびに第1の弾性係数等の予め設定された光学特性および機械的特性を有する少なくとも1つの第1のセラミック材料と、特に第2の半透明度、第2の明度、第2の反射率、第2の色彩、第2の曲げ強度、第2の耐圧強度、第2の耐摩耗強度、第2の硬度ならびに第2の弾性係数等を有する少なくとも1つの第2のセラミック材料から形成されたブロック部材であり、第1のセラミック材料(15)と第2のセラミック材料(17)の間の移行領域内において、外側において同等な光学特性を有する点群がブロック部材(10)の内部とは異なった面内に存在することを特徴とする請求項1ないし14のいずれかに記載のブロック部材。
【請求項16】
少なくとも2つの粉末状材料から特に歯科用のブロック部材を製造する方法であり、充填空間内への充填の最中に配量が変更されるとともに材料が特殊および/または多様な機械的特性を有し、また充填空間内への充填の最中にセラミック材料の配量および/または混合比が変更されるとともに特に材料は多様な光学および/または機械的特性を有することを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2007−314539(P2007−314539A)
【公開日】平成19年12月6日(2007.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−137294(P2007−137294)
【出願日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(596032878)イボクラール ビバデント アクチェンゲゼルシャフト (63)
【Fターム(参考)】