説明

ブローカーとトレーダーの間の関係を管理するシステム及び方法

【課題】トレーディングネットワークにおけるブローカーとトレーダーとの間の関係を管理するシステム及び方法を提供する。
【解決手段】クライアントアプリケーションから、第1ユーザに対する第1ネットワークログインリクエストを受け付ける。第1ネットワークログインリクエストは、第1認証情報を含む。少なくとも第1認証情報に基づき、第1ネットワークログインリクエストが承認され、第1ユーザがトレーディングネットワークにアクセスすることを認める。第1ユーザが代理人として認められている1以上の関連付けされたユーザが特定される。関連付けされたユーザのユーザプロファイル情報が、取得され、クライアントアプリケーションに送信される。ユーザプロファイル情報は、第2ユーザのためにトレーディングネットワークを介し第1ユーザが取引活動に従事することを可能にするために利用可能な第2ユーザに関する情報を含む。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般にトレーディングマーケットに関し、より詳細には、トレーディングネットワークにおけるブローカーとトレーダーとの間の関係を管理するシステム及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
株式取引などの取引による取引活動に従事するため、トレーダーは、従来は取引所における取引の支援にブローカーを利用していた。ブローカーは、取引所にアクセスし、トレーダーと取引所との間の仲介者として働き、これにより、各種取引可能な商品に対する各種取引注文を行い、変更し、モニタし、又はキャンセルするためなど、トレーダーのために取引所とやりとりする。従って、トレーダーは、取引所に直接アクセスする必要なく、特に自らの既存の取引注文と取引をモニタするのに時間を費やす必要はない。
【0003】
近年、投資家は、コンピュータにより自己完結性及び快適性が向上するに従って、オンライン取引が取引について広範に認められるようになってきている。例えば、株式、債券、通貨、先物又は他の適切な金融商品などの金融商品の取引を容易にするオンライン取引システムが、創出されてきた。このようなシステムを利用して、投資家は、自分の口座情報に直接アクセスし、ほとんど瞬時に、そして一部のケースでは1日中取引を開始することが可能であるかもしれない。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の課題は、トレーディングネットワークにおけるブローカーとトレーダーとの間の関係を管理するシステム及び方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明によると、トレーディングネットワークにおけるブローカーとトレーダーとの間の関係を管理するシステム及び方法が提供される。一実施例によると、トレーディングネットワークへのアクセスを管理する方法が提供される。第1ユーザに対する第1のネットワークログインリクエストが、クライアントアプリケーションから受け取られる。第1ネットワークログインリクエストは、第1の認証情報を含む。少なくとも第1認証情報に基づき、第1ネットワークログインリクエストが承認され、第1ユーザがトレーディングネットワークにアクセスすることが認証される。第1ユーザがプロキシとして機能することが認証される1以上の関連するユーザが、複数のユーザから特定される。関連するユーザの1人に対するユーザプロファイル情報が取得され、クライアントアプリケーションに通信される。このユーザプロファイル情報は、第2ユーザのため、トレーディングネットワークを介し取引活動に第1ユーザが従事することを可能にするため利用可能な第2ユーザに関する情報を含む。
【0006】
他の実施例によると、トレーディングネットワークへのアクセスを管理する他の方法が提供される。第1ユーザに関するクライアントアプリケーションからのアタッチメントリクエスト(attachment request)が、ブローカープロキシサーバにおいて受信される。アタッチメントリクエストは、第1ユーザを第2ユーザに設定するリクエストを有し、第2ユーザがパッシブトレーダーか、又はアクティブトレーダーであるか示す。第1ユーザと第2ユーザとの間のユーザ関係が、確立及び格納される。アタッチメントリクエストが第2ユーザがパッシブトレーダーであることを示す場合、ユーザ関係とブローカープロキシサーバと取引システムとの間の第1接続との間の関連付けが確立される。確立されたユーザ関係と第1接続は、第1ユーザが第1接続を介し第2ユーザのために取引システムにおける取引活動に従事することを可能にする。あるいは、アタッチメントリクエストが第2ユーザがアクティブトレーダーであるということを示す場合、第2ユーザが取引システムにログインしているか判断される。第2ユーザが取引システムにログインしていると判断される場合、ブローカープロキシサーバと取引システムとの間の第2接続とユーザ関係との間の第2の関連付けが確立される。確立されたユーザ関係と第2関連付けは、第1ユーザが第2接続を介し第2ユーザのために取引システムにおける取引活動に従事することを可能にする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の様々な実施例は、多数の効果から恩恵を受けるかもしれない。1以上の実施例は、後述される効果の一部又はすべてから恩恵を受け、あるいはそれらの何れもから恩恵を受けないかもしれないということに留意すべきである。
【0008】
本発明の1つの効果は、あるトレーダーのため特定のタイプの商品の取引などの取引システムにおける取引活動に1以上のブローカーが従事可能な電子トレーディングネットワークが提供されるということである。例えば、特定のトレーダーのために活動することが許されたブローカーが、当該トレーダーのために取引システムに取引注文を発注すると仮定すると、当該トレーダーのために活動することが許されているさらなる他のブローカーが、例えば、当該取引注文の変更又はキャンセルを含む取引注文の管理を行うようにしてもよい。このようにして、複数のブローカーが、電子ネットワークを介して1人のトレーダーを管理するようにしてもよい。
【0009】
本発明の他の効果は、ブローカープロキシサーバがユーザ(ブローカーとトレーダー)と取引システムとの間のメッセージのやりとりを行うのに利用されるブローカーとトレーダーとの間の関係を確立及び管理するということである。この結果、あるトレーダーに関する取引注文に関して取引システムから送信されるメッセージは、当該トレーダーと共に利害関係を有する各ブローカー(例えば、当該トレーダーのために活動することが許されている各ブローカーなど)を含む適切なユーザに配信されるかもしれない。
【0010】
他の効果は、以下の図面、説明及び請求項から当業者により容易に明らかとなるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】図1は、本発明の実施例による管理されているトレーダーのためにブローカーが取引活動に従事することが認められている一例となるトレーディングネットワークを示す。
【図2】図2は、本発明の実施例によるブローカーが図1のネットワークログインする一例となる方法を示す。
【図3A】図3Aは、本発明の実施例による第1ブローカーが管理されているトレーダーに「アタッチ」する一例となる方法を示す。
【図3B】図3Bは、本発明の実施例による第1ブローカーが管理されているトレーダーに「アタッチ」する一例となる方法を示す。
【図4】図4は、本発明の実施例による第2ブローカーが同一の管理されているトレーダーに「アタッチ」する一例となる方法を示す。
【図5】図5は、本発明の実施例によるブローカーがログオフし、その後に、再びログインし、管理されているトレーダーに「リアタッチ」する一例なる方法を示す。
【図6】図6は、本発明の一実施例による図1のネットワークの認証マネージャに関連付けされ格納されている一例となるテーブルを示す。
【図7】図7は、本発明の一実施例による図1のネットワークのブローカープロキシサーバに関連付けされ格納されている一例となるテーブルを示す。
【図8A】図8Aは、本発明の実施例による図1のシステム内におけるメッセージ処理方法を示す。
【図8B】図8Bは、本発明の実施例による図1のシステム内におけるメッセージ処理方法を示す。
【図9】図9は、本発明の実施例による図1のトレーディングネットワークを介したメッセージ処理に利用される一例となるキャリアメッセージを示す。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明及びそれらの効果の実施例は、図1〜9を参照することにより最も良好に理解されるであろう。図面では、同様の番号は同様の部分を参照している。
【0013】
一般に、1以上のブローカーが管理されたトレーダーのために取引注文をまとめて又は同時に管理することを可能にする電子トレーディングネットワークが提供される。例えば、管理されているトレーダーのため活動することが許されている第1ブローカーが、当該トレーダーのため取引システム(株式市場など)において取引注文を発注する場合、管理されているトレーダーのために同様に活動することが許されている第2ブローカーは、取引注文(例えば、取引注文を変更又はキャンセルすることを含むものであってもよい)を管理すると共に、取引システムにおいて他の取引注文を発注するかもしれない。従って、複数のブローカーが、電子ネットワークを介し1人のトレーダーを管理することが可能となる。
【0014】
図1は、本発明の実施例に従って、ブローカーが管理されたトレーダーによる取引活動に従事することが許されている一例となるトレーディングネットワーク10を示す。図示されるように、ネットワーク10は、1以上の管理されていない端末12と、管理されているトレーダー端末14と、ブローカー端末16と、セッションマネージャ18と、認証マネージャ20と、ゲートウェイ22と、ブローカープロキシサーバ24と、取引システム26とを含む。ネットワーク10の各コンポーネントは、ここで説明されるコンポーネントの機能を実行するのに適した任意のハードウェア、ソフトウェア又はそれらの組み合わせを有するかもしれない。トレーディングネットワーク10の各コンポーネントは、各種通信リンク30a〜30gにより接続されている。リンク30a〜30gは、まとめて通信ネットワーク30と呼ばれるかもしれない。通信ネットワーク30、すなわち、各種通信リンク30a〜30gは、1以上のローカルエリアネットワーク(LAN)、メトロポリタンエリアネットワーク(MAN)、ワイドエリアネットワーク(WAN)、ワイヤレスローカルエリアネットワーク(WLAN)、バーチャルプライベートネットワーク(VPN)、イントラネット、インターネットの一部、又は他の何れか適切なワイヤライン、ネットワーク環境においてデータ通信を容易にするのに適した光、無線又は他のリンクを含むものであってもよい。トレーディングネットワーク10の各種コンポーネントの何れかは、トレーディングネットワーク10の他の任意のコンポーネントと共存又は物理的及び/又は地理的に分散されていてもよい。さらに、トレーディングネットワークの各種コンポーネントは、互いに完全に又は部分的に一体化されていてもよい。
【0015】
管理されていない各トレーダー端末12は、トレーディングネットワーク10の1以上の取引システム26を介し取引活動に従事するため、管理されていないトレーダー34にアクセスを提供する管理されていないトレーダーアプリケーション32を受け入れる。管理されていない各トレーダー端末12とアプリケーション32は、管理されていないトレーダー34がトレーディングネットワーク10を介し取引活動に従事することを可能にするコンピュータシステム及び適切なソフトウェアを有するものであってもよい。本明細書において使用される「コンピュータ」という用語は、入力を受け付け、所定のルールに従って入力を処理し、出力を生成するよう動作可能な、パーソナルコンピュータ、ワークステーション、ネットワークコンピュータ、ワイヤレスデータポート、ワイヤレス電話、携帯情報端末、上記又は他の装置内の1以上のプロセッサ又は他の何れか適切な処理装置などの任意の適切な装置を表す。管理されていないトレーダー端末12はまた、マウス、キーボード、ポインタなどの1以上のヒューマンインタフェースを含むものであってもよい。
【0016】
管理されていないトレーダー34は、自らのためにトレーディングネットワーク10を介し取引活動に従事するトレーダー(個人又は個人のグループなど)である。例えば、管理されていないトレーダー34は、自らのために(言い換えると、ブローカーを利用することなく)1以上の取引システム26を介し取引注文を管理するかもしれない。このように、管理されていないトレーダー34は、1以上の取引システム26を介し他のトレーダー34及び/又は38と取引するかもしれない。
【0017】
本明細書において使用される取引注文の「管理」とは、新規の取引注文のパラメータ(注文の商品、価格、サイズ及びタイプなど)を決定し、新規な取引注文を提出し、既存の取引注文をモニタし、既存の取引注文を変更し(例えば、注文の価格、サイズ又はタイプの変更など)、既存の取引注文をキャンセルし、及び/又は取引システムにおける新規又は既存の取引注文に関する他の何れか適切な機能を含む。さらに、本明細書を通じて使用される「取引活動における従事」とは、少なくとも取引注文の管理を含む。
【0018】
管理されていないトレーダー端末12と同様に、管理されている各トレーダー端末14は、トレーディングネットワーク10の1以上の取引システム26を介し取引活動に従事するため、管理されているトレーダー38にアクセスを提供する管理されているトレーダーアプリケーション36を受け入れる。管理されている各トレーダー端末14とアプリケーション36は、トレーディングネットワーク10を介し取引活動に管理されているトレーダー38が従事することを可能にするコンピュータシステム及び適切なソフトウェアを有するものであってもよい。
【0019】
管理されているトレーダー38は、自らのためにトレーディングネットワーク10を介し取引活動に従事すると共に、管理されているトレーダー38のために取引活動に1以上のブローカー40が従事することを許可するトレーダー(個人又は個人のグループなど)である。例えば、管理されているトレーダー38は、自分のために1以上の取引システム26を介し取引注文を管理すると共に、管理されているトレーダー38のためにこのような取引システム26を介し取引注文を管理するよう1以上のブローカー40を許可するものであってもよい。このようにして、管理されたトレーダー38は、1以上の取引システム26を介し他のトレーダー34及び/又は38と取引するかもしれない。
【0020】
各ブローカー端末16は、トレーディングネットワーク10を介し1以上の管理されているトレーダー38のために取引活動に従事するためのアクセスをブローカー40に提供するブローカーアプリケーション42を受け入れる。ブローカー端末16とブローカーアプリケーション42は、トレーディングネットワーク10を介し取引活動にブローカー40が従事することを可能にするコンピュータシステム及び適切なソフトウェアを有するものであってもよい。
【0021】
一部の実施例では、ブローカー40は、自分のためではなく、1以上の管理されているトレーダー38のため、トレーディングネットワーク10を介し取引活動に従事することが認められている個人、個人グループ又は他のエンティティである。例えば、ブローカー40は、自分のためではなく、いくつかの管理されているトレーダー38のため、1以上の取引システム26を介し取引注文を管理するようにしてもよい。従ってこのような実施例では、ブローカー40は、自分のためには他のブローカー40又はトレーダー34又は38と取引システム26を介し取引しないかもしれない。他の実施例では、ブローカー40は、ブローカーとしてだけでなくトレーダーとしても機能することが認められているかもしれない。そのような実施例では、ブローカー40は、管理されているトレーダー38のためだけでなく自らのためにも1以上の取引システム26を介し取引注文を管理するかもしれない。
【0022】
管理されているトレーダー38のために活動することが認められているブローカー40について、トレーディングネットワーク10は、一般には、管理されているトレーダー38と共に管理されているトレーダー38のために活動することが認められている他のブローカー40と一緒にまとめて又は同時に取引注文をブローカー40が管理することを可能にする。従って、ブローカー40と管理されているトレーダー38が取引システム26にログインしている場合、ブローカー40と管理されているトレーダー38は共に、異なる取引注文だけでなく同一の取引注文を管理することを含めて、管理されているトレーダー38のために取引システム26において取引注文を管理するかもしれない。例えば、ブローカー40が管理されているトレーダー38のために取引システム26に取引注文を発注する場合、管理されているトレーダー38は、取引注文を管理するだけでなく(例えば、取引注文の変更又はキャンセルなど)、取引システムに他の取引注文を発注するかもしれない。従って、ブローカー40と管理されているトレーダー38は、管理されているトレーダー38のために取引注文を共同管理するかもしれない。
【0023】
同様に、各々が管理されているトレーダー38のために活動することが認められている複数のブローカーが取引システム26にログインする場合、各ブローカー40は、異なる取引注文と共に同一の取引注文の管理を含めて、管理されているトレーダー38のために取引システム26において取引注文を管理するかもしれない。例えば、管理されているトレーダー38のために活動することが認められている第1ブローカー40が、当該管理されているトレーダー38のために取引システム26に取引注文を発注する場合、管理されているトレーダー38のために活動することが認められている第2ブローカー40は、取引注文を管理すると共に(例えば、取引注文の変更又はキャンセルなど)、管理されているトレーダー38のために取引システムに他の取引注文を発注するかもしれない。このように、複数のブローカーが、管理されているトレーダー38のために取引注文を共同管理するかもしれない。
【0024】
各管理されているトレーダー38は、アクティブトレーダー又はパッシブトレーダーであるかもしれない。ブローカー40は、パッシブトレーダーがトレーディングネットワーク10に実際にログインしているか否かに関係なく、パッシブトレーダーのために取引活動に従事してもよく、ブローカー40は、アクティブトレーダーがトレーディングネットワーク10に実際にログインしている場合のみ、アクティブトレーダーのための取引活動に従事するようにしてもよい。
【0025】
ブローカー40、管理されているトレーダー38及び管理されていないトレーダー36は、まとめてトレーディングネットワーク10のユーザ44と呼ばれるかもしれない。他の実施例では、ブローカー40、管理されているトレーダー38及び管理されていないトレーダー36の間のここで説明される関係は、トレーディングネットワーク10の他のタイプのユーザの間に同様に適用されるかもしれないということが理解されるべきである。例えば、他の実施例では、1人のトレーダー34又は38は、他のトレーダー34又は38とブローカー・トレーダー関係を有するかもしれない。
【0026】
アプリケーション32、36及び42は、クライアントアプリケーションと呼ばれるかもしれず、トレーディングネットワーク10にアクセスするため、セッションマネージャと接続可能なフロントエンドアプリケーションを含むかもしれない。セッションマネージャ18は、一般に、アプリケーション32、36又は42とトレーディングネットワーク10の他の部分との間の通信セッションを管理する。図1に示される実施例では、セッションマネージャ18は、ユーザ44に取引システム26へのアクセスを提供するため、少なくともアプリケーション32、36又は42、認証マネージャ20及びゲートウェイと協調する。例えば、セッションマネージャ18は、アプリケーション32、36又は42と特定の取引システム26との間の通信を可能にするあるゲートウェイ22との接続を確立及び/又は管理するかもしれない。一部の実施例では、あるセッションマネージャ18は、いくつかのユーザ44が当該セッションマネージャ18を介しトレーディングネットワーク10にアクセス可能となるように、いくつかのアプリケーション32、36又は42に接続するかもしれない。
【0027】
認証マネージャ20は、一般に、トレーディングネットワーク10にログインしようとするユーザ44の認証を管理する。認証マネージャ20は、ネットワーク10の各ユーザについて、ユーザログイン又は認証データ52、ユーザプロファイルデータ54、及びユーザ関係データ56を格納可能なメモリ50を有するものであってもよい。ユーザログインデータ52は、ユーザ44のネットワーク10へのアクセスを認証することに関するログインID及びパスワードなどの各種情報を含む。ユーザプロファイルデータ54は、ユーザが取引することが認められている何れの取引システム26、ユーザ44が提供することが認められている何れのタイプの注文、及び管理されているトレーダー38について、当該トレーダー38がアクティブ又はパッシブトレーダーであるかなど、各ユーザに関する各種情報を含む。ユーザ関係データ56は、各ブローカー40について、当該ブローカー40がネットワーク10介し取引活動に従事することが認められている管理されているトレーダー38を特定し、各管理されているトレーダー38について、当該管理されているトレーダー38のために活動することが認められている1以上のブローカー40を特定する。従って、ユーザ関係データ56は、ブローカー40と管理されているトレーダー38との間のいくつかのブローカー・トレーダー関係を規定する。
【0028】
メモリ50は、例えば、1以上のSYBASETMデータベース、INGRESSTMデータベース、ORACLETMデータベース、RAM(Random Access Memory)、ROM(Read−Only Memory)、DRAM(Dynamic RAM)、FCRAM(Fast Cycle RAM)、SRAM(Static RAM)、FPGA(Field−Programmable Gate Array)、EPROM(Erasable Programmable ROM)、EEPROM(Electrically EPROM)など、1以上の適切なデータベース又は記憶装置を有するものであってもよい。
【0029】
認証マネージャ20は、少なくともアプリケーション32、36又は40から受け取ったログイン情報とメモリ50に格納されている適切なユーザログインデータ52とを比較することによって、トレーディングネットワーク10にログインしようとするユーザ44の認証を管理する。認証マネージャ20はまた、ブローカー40がそれに関する管理されているトレーダー38のために活動するためアクセスを管理することを含めて、ブローカー・トレーダー関係を管理する機能を提供する。例えば、図2を参照してより詳細に説明されるように、ブローカー40のログイン中又はログイン後、認証マネージャ20は、ユーザプロファイルデータ54及びユーザ関係データ56に基づき、各管理されているトレーダー38が取引するよう認められている各取引システム26のリストと共に、ブローカー40が活動することが認められている管理されているトレーダー38のリストをブローカー40(又はブローカーアプリケーション42若しくは当該ブローカー40に関するセッションマネージャ18)に提供するようにしてもよい。一部の実施例では、認証マネージャ20はまた、ブローカー40に係るセッションマネージャ18について、取引システム26がアクセス可能な適切なゲートウェイ22を特定するようにしてもよい。
【0030】
ゲートウェイ22は、セッションマネージャ18から取引システム26(例えば、通信リンク30fを参照されたい)、又は取引システム26に接続されるブローカープロキシサーバ24(例えば、通信リンク30e及び30gを参照されたい)との接続を提供することが可能なトレーディングネットワーク10の内部の中間ノードである。
【0031】
ブローカープロキシサーバ24は、ブローカー40と管理されたトレーダー38との間のユーザ関係を管理し、そのようなユーザ関係に従って取引システム26との間のメッセージのやりとりを行う。ブローカープロキシサーバ24は、「アタッチされた(attached)」管理されているトレーダー38のために1以上の取引システム26との取引活動にブローカー40が従事することを可能にする管理されているトレーダー38にブローカー40の「アタッチメント(attachment)」を管理する。図3を参照して以下で詳細に説明されるように、アタッチメントは、ブローカーアプリケーション42を用いたブローカー40が管理されているトレーダー38のために取引システム26を介し取引活動に従事することができるように、ブローカーアプリケーション42と取引システム26との間の通信を可能にする取引システム26とゲートウェイ22との間の適切な接続を確立することを含む。
【0032】
各ブローカープロキシサーバ24は、ユーザ関係データ62、接続データ64及びユーザステータスデータ66を各格納可能なメモリ60を有する。ユーザ関係データ62は、管理されているトレーダー38と当該トレーダー38に現在「アタッチ」されているブローカー40との間の任意数のユーザ関係を含むものであってもよい。接続データ64は、ブローカープロキシサーバ24と取引システム26との間の接続と共に、確立されたユーザ関係とそのような接続との間の関連付けを特定するデータを有するものであってもよい。ユーザステータスデータ66は、各ユーザ44がネットワーク10にログインしているか、さらに各ユーザ44が取引システム26にログインしているかなど、トレーディングネットワーク44の様々なユーザ44の現在のステータスに関するデータを含むものであってもよい。メモリ60は、メモリ50を参照して上述されたような1以上の適切なデータベース又は記憶装置を含むものであってもよい。
【0033】
一部の実施例では、通信リンク30a〜30gは、ネットワーク10を介した各種通信チャネルを提供するかもしれない。例えば、一実施例では、このような通信チャネルは、マーケットデータ及び取引注文などのデータを通信するマーケットデータチャネルと、管理又は制御データを通信する管理チャネルとを含む。本実施例では、ブローカープロキシサーバ24は、管理チャネル専用の取引システム26とゲートウェイ22との間のプロキシを提供し、ゲートウェイ22は、取引システム26のマーケットデータチャネル又は取引システム26により提供されるマーケットデータチャネルのプロキシに直接接続し続ける。
【0034】
取引システム26は、ネットワーク10のユーザ44間の取引を管理するかもしれない。例えば、取引システム26は、トレーダー34及び/又は38から取引注文(ある商品を売り買いするための注文など)を受け付け、トレーダー34及び/又は38との間の金融取引が実行されるように、上記取引注文を管理又は処理するかもしれない。取引システム26は、1以上のマーケットセンターを有するか、又はそれと通信するかもしれず、当該マーケットセンターは、取引、電子通信ネットワーク(ECN)、ATF及びマーケットメーカーを含むあらゆるタイプの注文実行の場を構成するかもしれない。マーケットセンターは、公開値付けされた価格による売り買いの準備完了、意図及び可能性により与えられた取引プロダクトにおいてビッドとオファー価格を維持する。
【0035】
一部の実施例では、各取引システム26は、異なるマーケットを表す。例えば、トレーディングネットワーク10内の各取引システム26が、NTSE株式、米国国債又は日本国国債などの異なるタイプの商品を取引するのに設けられるかもしれない。一部の実施例は、各ブローカー40と各トレーダー34及び38は、様々なファクタに基づきトレーディングネットワーク10内の取引システム26の一部(又はすべて)を取引することが認められている。
[ブローカーログイン]
図2は、本発明の実施例によるネットワーク10にログインしたブローカーの一例となる方法を示す。ステップ100において、ブローカーXと呼ばれるブローカー40は、ブローカー端末16を使用して、ブローカー端末16により収容されるブローカーアプリケーション42を起動する。ステップ102において、ブローカーXは、ユーザIDやパスワードなどの各種認証情報をブローカーアプリケーション42により与えられるグラフィカルユーザインタフェース(GUI)などのインタフェースに入力する。ステップ104において、ブローカーアプリケーション42は、認証情報を含むネットワークログインリクエストを認証マネージャ20に転送する。ネットワークログインリクエストは、ブローカーXがトレーディングネットワーク10にアクセスできるように、トレーディングネットワーク10にブローカーXをログインさせるためのリクエストである。
【0036】
ステップ106において、認証マネージャ20は、ネットワークログインリクエストに含まれる認証情報(例えば、ユーザIDとパスワードなど)に少なくとも基づき、ネットワークログインリクエストを許可するか判断する。この決定を行うため、認証マネージャ20は、メモリ50に格納されるユーザログインデータ52とネットワークログインリクエストにおいて受信される認証情報とを比較するようにしてもよい。認証マネージャ20がネットワークログインリクエストを拒絶する場合、ネットワークログインリクエストが拒絶されたという通知が、ブローカーXに通知するため、ステップ108においてブローカーアプリケーション42に通信される。しかしながら、認証マネージャ20がネットワークログインリクエストを認める場合、実行はステップ110に移行し、認証マネージャ20はブローカーXをネットワーク10にログインさせる。
【0037】
ステップ112において、認証マネージャ20は、例えば、ブローカーのネットワークログインリクエストに含まれる認証情報に基づくなどにより、ネットワークログインリクエストがブローカー40(すなわち、ブローカーX)により提出されたことを特定する。ステップ114において、ネットワークログインリクエストがブローカー40から受信されたことを特定した結果として、認証マネージャ20は、メモリ50に格納されているユーザ関係データ56に基づき、ブローカーXが取引活動に従事することが認められている各管理されているトレーダー38を特定する。これらの管理されているトレーダー38は、関連付けされているトレーダー38とここで呼ばれる。認証マネージャ20は、ステップ116において、ログイン通知と共に特定された関連付けされているトレーダー38のリストをブローカーアプリケーション42に通信する。ログイン通知は、ブローカーXのネットワークログインリクエストが認められ、ブローカーXがトレーディングネットワーク10にログインしたことを示す。ブローカーアプリケーション42に通信される特定された関連付けされているトレーダー38のリストは、各関連付けされているトレーダー38がアクティブ又はパッシブトレーダーであるか否かの表示を含む。
【0038】
さらに、ステップ118において、認証マネージャ20は、ブローカーXに関するユーザプロファイルデータ54に基づき、ブローカーXがアクセスすることが認められている各取引システム26を特定する(例えば、関連付けされているトレーダー38のために取引活動に従事するためなど)。ステップ120において、各特定された取引システム26について、認証マネージャ20は、ブローカーアプリケーション42が当該取引システム26にアクセス可能なゲートウェイ22を決定する。ステップ122において、認証マネージャ20は、ブローカーXがアクセススことを認められている取引システム26のリストをブローカーアプリケーション42と通信する。ステップ124において、認証マネージャ20は、ブローカーアプリケーション42に係るセッションマネージャ18と、ブローカーXがアクセスすることを認められている各取引システム26について決定されたゲートウェイ22を通信する。
【0039】
ステップ126において、ブローカーアプリケーション42は、各特定された関連付けされているトレーダー38のネットワークログインリクエストを生成し、認証マネージャ20と通信する。各関連付けされているトレーダー38のネットワークログインリクエストは、関連付けされているトレーダー38の1人を認証するリクエストを含む。本実施例では、各関連付けされているトレーダー38のネットワークログインリクエストが、自動的に生成され、認証のため認証マネージャ20に提出される。他の実施例では、各関連付けされているトレーダー38のネットワークログインリクエストは、認証マネージャ20gは関連付けされているトレーダー38の認証を実行可能となるように、関連付けされているトレーダー38に関連する認証情報を含むようにしてもよい。このような認証情報は、ブローカーXのログイン処理中に、認証マネージャ20からブローカーアプリケーション42により受信されていたかもしれない。あるいは、各関連付けされているトレーダー38に対するネットワークログインリクエストに含まれている必要な認証情報の少なくとも一部が、さらなるセキュリティレベルを提供するブローカーXにより手動により入力される。
【0040】
ステップ128において、認証マネージャ20は、各関連付けされているトレーダー38に対するネットワークログインリクエストを認証し、当該関連付けされているトレーダー38のバーチャルログインセッションを生成する。関連付けされているトレーダー38のバーチャルログインセッションは、当該関連付けされているトレーダー38が、自らのためにネットワーク10に実際にログインしているか否か明確である。各関連付けされているトレーダー38に対するネットワークログインリクエストを認証した結果、認証マネージャ20は、ステップ130において、メモリ50から各関連付けされているトレーダー38に関するユーザログインデータ52とユーザプロファイルデータ54とを抽出し、抽出したユーザプロファイルデータ54をブローカーアプリケーション42に通信する。各関連付けされているトレーダー38のユーザログインデータ52は、このような関連付けされているトレーダー38のネットワーク10へのアクセスを認証することに関するログインIDやパスワードなどの各種情報を含む。各関連付けされているトレーダー38についてブローカーアプリケーション42に通信されるユーザプロファイルデータ54は、当該トレーダー38のためにトレーディングネットワーク10を介し取引活動にブローカーXが従事することを可能にするのに利用可能なトレーダー38に関する情報を含む。例えば、各関連付けされているトレーダー38に対するブローカーアプリケーション42に通信されるユーザプロファイルデータ54は、(1)トレーダー38が取引活動のためアクセスすることが許可されている各取引システム26、(2)このような各取引システム26においてトレーダー38に対する許可されている取引活動を規定する1以上のパラメータ、及び/又は(3)トレーダー38がパッシブトレーダー又はアクティブトレーダーであるか否かを特定するものであるかもしれない。
[アタッチメント]
図3は、本発明の実施例による管理されたトレーダー38に「アタッチ」するブローカーXの一例となる方法を示す。図3に示される方法は、図2に示される方法の後に続き、又は行われてもよい。
【0041】
ステップ150において、ブローカーXは、ブローカーアプリケーション42により提供されるGUIを介し、ブローカーXがある取引システム26のために取引又は活動することを所望する関連付けされているトレーダー38の1人を選択する。選択されたトレーダー38は、トレーダーYと呼ばれる。ステップ152において、ブローカーアプリケーション42は、当該取引システム26についてトレーダーYに「アタッチ」するためのアタッチメントリクエストを生成し、ブローカープロキシサーバ24に通信する。このアタッチメントリクエストは、ブローカーXとトレーダーYとの間の関係を確立及び格納するためのリクエストから構成される。アタッチメントリクエストは、トレーダーYがアクティブトレーダー又はパッシブトレーダーであるか否かの表示を含む。
【0042】
ステップ154において、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーXがトレーダーYにアタッチするよう認証されているか判断する(言い換えると、ブローカーXがトレーダーYのためにブローカーとして活動することが許可されているか否かなど)。これは、ブローカープロキシサーバ24が、ブローカーXとトレーダーYを特定するアタッチメント認証クエリを認証マネージャ20に通信し、ブローカーXがトレーダーYのために取引活動に従事することが許可されているか否かの決定(ユーザ関係データ56に基づき)を認証マネージャ20から受け取ることに関する。ブローカープロキシサーバ24が、ブローカーXがトレーダーYにアタッチすることが許可されていない場合、ステップ156において、ブローカープロキシサーバ24は、アタッチメントリクエストを拒絶し、これに対応してブローカーアプリケーション42に通知する。しかしながら、ブローカープロキシサーバ24が、ブローカーXがトレーダーYにアタッチすることが許可されていると判断する場合、ブローカープロキシサーバ24は、本方法はステップ158に続く。一部の実施例では、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーアプリケーション38から受信されるすべてのアタッチメントリクエストが有効であると仮定し、このようなリクエストを自動的に承認する。このような実施例では、ステップ154は実行されない。
【0043】
ステップ158において、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係を確立することによって、ブローカーXをトレーダーYにアタッチする。この確立されたユーザ関係は、ステップ160において、ユーザ関係データ62としてテーブル60に格納される。ユーザ関係データ62はまた、トレーダーYとトレーダーYに現在アタッチされている他の各ブローカー40との間のユーザ関係を含むものであってもよい。さらに、ユーザ関係データ62はまた、ブローカーXとブローカーXがすでにアタッチした他の選択されたトレーダー38との間のユーザ関係を含むものであってもよい。ステップ162において、ブローカープロキシサーバ24は、(1)ブローカーXに係るブローカーアプリケーション42、(2)トレーダーYに係るトレーダーアプリケーション36、及び(3)存在する場合には、トレーダーYのステータスをモニタする他のブローカー40に係るブローカーアプリケーション42を含む利害関係を有するすべてのユーザ44とアタッチメント通知を通信し、それは、トレーダーYに現在アタッチされている他のすべてのブローカー40又はトレーダーYのために活動することが許可されているネットワーク10にログインする他のすべてのブローカー40を含むかもしれない。アタッチメント通知は、ブローカーXがトレーダーYにアタッチしたことを示す。ステップ164において、関連するブローカーアプリケーション42とトレーダーアプリケーション36が、各ブローカー40とトレーダーYについて、例えば、GUIディスプレイを更新することにより、ブローカーXがトレーダーYにアタッチしたことを示すよう更新される。
【0044】
ブローカーXがトレーダーYのためある取引システム26を介し取引活動に従事するため、ブローカープロキシサーバ24との間の接続が、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係に割り当てられる。このような接続が割り当てられる方法は、トレーダーYがアクティブトレーダー又はパッシブトレーダーであるかに依存する。従ってステップ166において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYがアタッチメントリクエストに含まれる情報に基づき、アクティブトレーダー又はパッシブトレーダーであるか判断する。
【0045】
トレーダーYがパッシブトレーダーである場合、本方法はステップ168に続く。ステップ168において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYが、メモリ60に格納されている現在のユーザステータスデータ66に基づくなど、当該取引システム26にすでにログインしているか判断する。トレーダーYが当該取引システム26に現在ログインしている場合、ステップ170において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYが当該取引システム26に接続されている特定の接続30gを特定する。ステップ172において、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係(ステップ158において確立された)と、ステップ170において特定された接続30gとの間の関連付けを接続データ64として確立及び格納する。従って、ブローカーXがその後にトレーダーYのために当該取引システム26にメッセージを送信すると、ブローカープロキシサーバ24は、メッセージを受信し、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係を特定し、ステップ170において、ユーザ関係に係る適切な接続30gを特定し、当該メッセージを特定された接続30gを介し取引システムに転送する。
【0046】
ステップ174において、ブローカープロキシサーバ24は、(1)ブローカーXに係るブローカーアプリケーション42、(2)トレーダーYに係るトレーダーアプリケーション36、及び(3)存在する場合には、トレーダーYのステータスをモニタする他のブローカー40に係るブローカーアプリケーション42を含む利害関係を有するすべてのユーザ44と接続通知を通信し、それは、トレーダーYに現在アタッチされている他のすべてのブローカー40又はトレーダーYのために活動することが許可されているネットワーク10にログインする他のすべてのブローカー40を含むかもしれない。この接続通知は、ブローカーXがトレーダーYのために取引システム26に接続されていることを示す。ステップ176において、関連するブローカーアプリケーション42とトレーダーアプリケーション36が、各ブローカー40とトレーダーYについて、例えば、GUIディスプレイを更新することによってなど、ブローカーXがトレーダーYのために取引システム26に接続されることを示すよう更新される。特に、ブローカーXに係るブローカーアプリケーション42は、トレーダーYのために取引システム26において取引活動にブローカーXが従事することを可能にするGUIを提供するかもしれない。
【0047】
従ってステップ178において、ブローカーXは、ステップ170において関連付けされる接続30gとブローカーアプリケーション42を介しトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するかもしれない。存在する場合、トレーダーYに現在アタッチされている他のブローカー40は、トレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事し続けるかもしれない。従ってステップ178において、トレーダーY、ブローカーX及びトレーダーYに現在アタッチされている他のブローカー40は、取引システム26における取引注文をまとめて管理することを含めて、トレーダーYのために取引システム26において取引活動にまとまって従事するかもしれない。例えば、トレーダーY、ブローカーX及びトレーダーYに現在アタッチされている他のブローカー40の1人が、トレーダーYのために取引システム26において取引注文を発注すると仮定すると、トレーダーY、ブローカーX及びトレーダーYに現在アタッチされている他のブローカー40の何れか又はすべてが、トレーダーYのために取引注文をキャンセル又は管理するかもしれない。
【0048】
あるいは、トレーダーYが当該特定の取引システム26に現在ログインしていないと判断される場合、ステップ180において、ブローカープロキシサーバ24は、取引システム26と通信するための接続30gを決定する。ステップ182において、ブローカープロキシサーバ24は、当該接続30gを介しトレーダーYのために取引システムログインリクエストを取引システム26に送信する。この取引システムログインリクエストは、ブローカーXのため取引システム26にトレーダーYをログインするためのリクエストである。取引システムログインリクエストは、あたかもそれがトレーダーY自体から受信されたかのように取引システム26にはみえる。ステップ184において、取引システム26は、トレーダーYをログインし、ステップ182において用いられた接続30gを介しブローカープロキシサーバ24とログイン通知を通信する。
【0049】
ステップ185において、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係(ステップ158において確立された)と、ステップ182において用いられた接続30gとの間の関連付けを接続データ64として確立及び格納する。ステップ186において、ブローカープロキシサーバ24は、ステップ174を参照して上述されたようなすべての利害関係のあるユーザ44に接続通知を通信する。この接続通知は、ブローカーXがトレーダーYのために取引システム26に接続されることを示す。ステップ188において、ステップ176を参照して上述されたように、関連するブローカーアプリケーション42とトレーダーアプリケーション36が更新される。従って、ステップ190において、ブローカーXは、このとき、ステップ182及び184において用いられる接続30gを介しトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するかもしれない。従って、トレーダーY、ブローカーX及びトレーダーYに現在アタッチされている他のブローカー40は、ステップ178を参照して上述されたように、取引システム26における取引注文をまとめて管理することを含めて、トレーダーYのために取引システム26における取引活動にまとまって従事するかもしれない。
【0050】
あるいは、ステップ166において、トレーダーYがアクティブトレーダーであると判断される場合、本方法はステップ192に続く。ステップ192において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYが、メモリ60に格納されている現在のユーザステータスデータ66に基づき、特定の取引システム26にすでにログインしているか判断する。トレーダーYが当該取引システム26に現在ログインしている場合、ブローカープロキシサーバ24は、ステップ194において取引システム26にトレーダーYが接続されている接続30gを特定する。ステップ196において、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係(ステップ158において確立された)と、ステップ194において特定された接続30gとの間の関連付けを接続データ64として確立及び格納する。従って、その後、ブローカーXがトレーダーYのために取引システム26にメッセージを送信すると、ブローカープロキシサーバ24は、メッセージを受信し、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係を特定し、ステップ194におけるユーザ関係に係る適切な接続30gを特定し、特定された接続30gを介しメッセージを取引システムに転送する。
【0051】
ステップ198において、ブローカープロキシサーバ24は、ステップ174を参照して上述されるように、利害関係を有するユーザ44に接続通知を通信する。ステップ200において、関連あるブローカーアプリケーション42とトレーダーアプリケーション36が、ステップ176を参照して上述されるように更新される。これに応答して、ステップ202において、ブローカーXはここでステップ194において特定された接続30gを介しトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するかもしれない。これにより、トレーダーY、ブローカーX及びトレーダーYに現在アタッチされている他のブローカー40は、ステップ178を参照して上述されるように、取引システム26において取引注文をまとめて管理することを含めて、トレーダーYのために取引システム26において取引活動に一緒になって従事するかもしれない。
【0052】
しかしながら、ステップ192において、トレーダーYが当該取引システム26に現在ログインしていないと判断された場合、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係(ステップ158において確立された)と接続30gとを関連付けしない。この結果、ブローカーXは、少なくともトレーダーYが後述されるように取引システム26にログインするまで、トレーダーYのために取引システム26との間でメッセージを送受信することはできない。従ってステップ204において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYが取引システム26にログインすることを待機する。その後、ステップ206において、トレーダーY(トレーダーYに係るトレーダーアプリケーション36を介し)は、取引システム26にログインするため取引システムログインリクエストを提出し、当該取引システムログインリクエストは、ブローカープロキシサーバ24によって受信される。ステップ208において、ブローカープロキシサーバ24は、取引システムログインリクエストを取引システム26に転送するため、ある接続30gを割当て又は使用する。ステップ210において、ブローカープロキシサーバ24は、接続データ64として当該接続30gを格納し、当該接続30gをステップ158において確立されたブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係と関連付けする。ステップ212において、取引システム26は、トレーダーYを取引システム26にログインし、ステップ208において利用された接続30gを介しログイン通知をブローカープロキシサーバ24に通信する。
【0053】
ステップ214において、ブローカープロキシサーバ24は、ステップ174を参照して上述されるように、すべての利害関係のあるユーザに接続通知を通信する。この接続通知は、トレーダーYが取引システム26に接続していることを示す。ステップ216において、関連するブローカーアプリケーション42とトレーダーアプリケーション36が、ステップ176を参照して上述されるように更新される。これに応じて、ステップ218において、ブローカーXはここで、ステップ208及び212において用いられた接続30gを介しトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するようにしてもよい。従って、トレーダーY、ブローカーX及びトレーダーYに現在アタッチされている他のブローカー40は、ステップ178を参照して上述されるように、取引システム26において取引注文をまとめて管理することを含めて、トレーダーYのために取引システム26において取引活動に一緒になって従事するかもしれない。
【0054】
図4は、本発明の実施例によるトレーダーYに「アタッチ」する他のブローカー40の一例となる方法を示す。図4に示される方法は、図3に示される方法に後続、すなわち、引き続き行われるかもしれない。いくつかの状況では、ブローカーXがトレーダーYにアタッチされた後、トレーダーYのために活動することが認められている他のブローカー40が、ステップ230〜248として示されるように、トレーダーYにアタッチしてもよい。
【0055】
ステップ230において、ブローカーZとここで呼ばれる第2のブローカー40が、リクエストされた接続を確立するためのリクエストを含めて、トレーダーYに「アタッチ」するためのアタッチメントリクエストを提出する。ステップ232において、ブローカープロキシサーバ24は、図3のステップ154及び156を参照して上述されるように、ブローカーZがトレーダーYにアタッチすることが認められているか判断する。ブローカーZがトレーダーYにアタッチすることが認められていると仮定すると、ブローカープロキシサーバ24は、アタッチメント処理に移行する。ステップ234において、ブローカープロキシサーバ24は、図3のステップ158及び160を参照して上述されるように、ブローカーZとトレーダーYとの間のユーザ関係をユーザ関係データ62として確立及び格納することによって、ブローカーZをトレーダーYにアタッチする。ステップ236において、ブローカープロキシサーバ24は、図3のステップ162を参照して上述されるように、ブローカーZ、ブローカーX、トレーダーY及び他の利害関係のあるブローカー40を含む利害関係のあるユーザ44にアタッチメント通知を送信する。このアタッチメント通知は、ブローカーZがトレーダーYにアタッチしたことを示す。ステップ238において、関連するユーザアプリケーション36と42が、図3のステップ164を参照して上述されるように更新される。
【0056】
ステップ240において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYのためのブローカープロキシサーバ24と取引システム26との間の通信のため、ある接続30gが現在割り当てられているか、あるいは使用されているか特定する。すなわち、特定された接続30gは、図3の方法のステップ172、185、196又は208においてブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係に係る接続30gである。ステップ242において、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーZとトレーダーYとの間のユーザ関係(ステップ234において確立される)と、ステップ240において特定された接続30gとの間の関連付けを接続データ64として確立及び格納する。ブローカーZがその後にトレーダーYのために特定の取引システム26にメッセージを送信すると、ブローカープロキシサーバ24は、メッセージを受信し、ブローカーZとトレーダーYとの間のユーザ関係を特定し、ステップ242においてユーザ関係に係る適切な接続30gを特定し、特定された接続30gを介し取引システムにメッセージを転送する。
【0057】
ステップ244において、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーZに係るブローカーアプリケーション42に接続通知を通信する。この接続通知は、トレーダーYのために取引システム26と通信するための接続30gが存在することを示す。ステップ246において、ブローカーZに係るブローカーアプリケーション42は、ブローカーZがここでトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するか、又は取引注文を発注可能であることを示すため更新される。特に、ブローカーZに係るブローカーアプリケーション42は、トレーダーYのために取引システム26において取引活動にブローカーZが従事することを可能にするGUIを提供するかもしれない。これに応じてステップ248において、ブローカーZはここで、ステップ242におけるユーザ関係に係る接続30gを介し、トレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するかもしれない。従って、ブローカーZ、ブローカーX、トレーダーY及びトレーダーYと現在アタッチされている他のブローカー40が、ステップ178を参照して上述されるように、取引システム26において取引注文をまとめて管理することを含めて、トレーダーYのために取引システム26において取引活動に一緒になって従事するかもしれない。
[デタッチメント及びリアタッチメント]
図5は、本発明の実施例によるブローカーXがログオフし、その後、ネットワーク10に戻ってログインし、トレーダー38に「リアタッチ(re−attach)」する一例となる方法を示す。図5に示される方法は、図3又は図4に示される方法に後続し、すなわち、その後に行われるかもしれない。
【0058】
ステップ260において、ブローカーXは、ブローカープリケーション42によりブローカーXに提示されるGUIディスプレイ上の「ログオフ」アイコンを選択するなどによって、ネットワーク10からログオフする。ステップ262において、ブローカーアプリケーション42は、ブローカーXがネットワーク10からログオフしている、又はログオフしたことを示すログオフ通知をブローカープロキシサーバ24に通信する。ログオフ通知を受信すると、ブローカープロキシサーバ24は、ステップ264においてトレーダーYからブローカーXを「デタッチ(detach)」し、それは、図3に示される方法のステップ158及び160においてメモリに確立及び格納されるブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係を削除又は上書きすることを含む。
【0059】
ステップ266において、ブローカーXはネットワーク10にログバックし、それは、図2の方法を参照して上述されるようなステップ100〜130の何れか又はすべてのパフォーマンスを含むかもしれない。ステップ268において、ブローカーアプリケーション42は、ブローカーXがトレーディングネットワーク10にログオン又はログオンしたことを示すログイン通知をブローカープロキシサーバ24に通信する。ログイン通知を受信すると、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーXがネットワーク10から以前にログオフした際にアタッチされていた各管理されているトレーダー38にブローカーXを自動的にリアタッチする。ブローカーXを以前のトレーダーYにリアタッチするプロセスは、ステップ270〜278を参照して後述される。
【0060】
ステップ270において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYのために取引システム26と通信するため、存在する場合には、ブローカープロキシサーバ24と取引システム26との間の接続30gの現在ステータスを決定する。ブローカープロキシサーバ24が、同じ接続30gがトレーダーYのための通信用にまだ割り当てられている、又は使用されていると判断する場合、ブローカープロ式サーバ24は、ステップ272において、(1)ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係をユーザ関係データ62として生成及び格納することによって、ブローカーXをトレーダーYにリアタッチし、(2)ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係と接続30gとの間の関連付けを接続データ64として再確立及び格納する。これに応じて、ステップ274において、ブローカーXはここで、ブローカーXがステップ260においてログオフする前に使用されていたものと同一の接続30gを介しトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するかもしれない。
【0061】
あるいは、ブローカープロキシサーバ24が、ステップ270においてトレーダーYのための通信用に、新たな接続30gが割り当てられ、又は使用されていると判断する場合、ブローカープロキシサーバ24は、ステップ276において、(1)ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係をユーザ関係データ62として生成及び格納することによって、ブローカーXをトレーダーYにリアタッチし、(2)ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係と新たな接続30gとの間の関連付けを接続データ64として確立及び格納する。これに応じて、本方法はステップ274に移行し、当該ステップにおいて、ブローカーXはここで新たな接続30gを介してトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するかもしれない。
【0062】
あるいは、ブローカープロキシサーバ24が、ステップ270において、トレーダーYのための通信用に、接続30gが現在割り当てられず、又は使用されていない、言い換えると、トレーダーYが取引システム26にログインしていないと判断する場合、ブローカープロキシサーバ24は、ステップ278において、(1)ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係をユーザ関係データ62として生成及び格納することによって、ブローカーXをトレーダーYにリアタッチし、(2)ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係と接続30gとの間の関連付けを確立する(又は確立しようとする)。このような接続が割り当てられる方法は、トレーダーYがアクティブトレーダー又はパッシブトレーダーであるか否かに依存する。トレーダーYがパッシブトレーダーである場合、当該関連付けを確立するための処理は、図3の方法を参照して上述されるステップ180〜190と同一又は類似の1以上のステップを含むかもしれない。あるいは、トレーダーYがアクティブトレーダーである場合、図3の方法を参照して上述されたステップ204〜218と同一又は類似の1以上のステップを含むかもしれない。当該関連付けが確立されると(アクティブの場合、図3のステップ204を参照して上述されるように、トレーダーYが取引システム26にログインするまで延期されるかもしれない)。本方法はステップ274に移行し、当該ステップにおいて、ブローカーXはここで新たな接続30gを介しトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事するかもしれない。
【0063】
図6は、本発明の一実施例によるネットワーク10の各ユーザ44(ブローカー40とトレーダー34及び38)のためにメモリ50に格納されているログインデータ52と、ユーザプロファイルデータ54とユーザ関係データ56を含む一例となるテーブル300を示す。各ユーザ44について、カラム302はユーザのユーザIDを示し、カラム304はユーザのパスワードを示し、カラム306はユーザがブローカー又はトレーダーであるか示し、カラム308はユーザが管理されているか、そうでないか示し(ブローカー40ではなくトレーダー34と38にのみ適用される)、カラム310はユーザの認証されたユーザ関係を示し(管理されていないトレーダー34ではなく、ブローカー40と管理されているトレーダー38のみに適用される)、カラム312はユーザがアクティブ又はパッシブであるか否か示し(ブローカー40又は管理されていないトレーダー34ではなく、管理されているトレーダー38のみに適用される)、カラム314はユーザがアクセスすることが認められている取引システム26を示し、カラム316はユーザがネットワーク10に現在ログインしているか示す。ログインデータ52は、カラム302、304及び316に格納されている情報を含むかもしれない。ユーザプロファイルデータ54は、カラム306、308、312及び314に格納されている情報を含むかもしれない。ユーザ関係データ56は、カラム310に格納されている情報を含むかもしれない。
【0064】
図7は、本発明の一実施例によるネットワーク10の各ユーザ44(ブローカー40とトレーダー34及び38)についてメモリ60に格納されているユーザ関係データ62と、接続データ64と、ユーザステータスデータ66とを含む一例となるテーブル330を示す。各トレーダー34と38について、カラム332はトレーダーのユーザIDを示し、カラム334はトレーダーが管理されているか否か示し、カラム336はトレーダーがアクティブ又はパッシブトレーダーであるか示し、カラム338はトレーダーがトレーディングネットワーク10にログインしているか示し、カラム340はトレーダーが取引システム26に現在接続しているか、又はログインしているか示し(トレーダーからのリクエストに応答して、又はトレーダーのために取引活動に従事しようとするブローカー40からのリクエストに応答して)、カラム342は、存在する場合には、ブローカープロキシサーバ24と取引システム26との間でトレーダーに係るメッセージを通信するために割り当てられた、又は使用されているブローカープロキシサーバ24と取引システム26との間の接続を特定し、カラム344は、存在する場合には、トレーダーに現在アタッチされているブローカー40を示し、カラム346はカラム344に特定される各ブローカー40に係るゲートウェイ22を示す。ユーザ関係データ62は、カラム344に格納されている情報を含み、接続データ64は、カラム340、342及び244に格納されている情報を含み、ユーザステータスデータ66はカラム334、336、338及び340に格納されている情報を含むかもしれない。
【0065】
テーブル330に格納されているデータは、経時的に動的なものである。例えば、カラム344にリストされているブローカー40は、ブローカー40が各管理されているトレーダー38にアタッチ又はデタッチするに従って、経時的に変動する。さらに、カラム342にリストされている接続は、ブローカープロキシサーバ24により接続が割り当て、再割当て又は管理されるとき、経時的に変動するかもしれない。
【0066】
図8A及び8Bは、本発明の実施例によるシステム10の内部のメッセージ処理の一例となる方法を示す。図8Aに示されるように、ステップ400において、ブローカーアプリケーション42を用いたブローカーXは、図2に示される方法によりネットワーク10にログインする。ログイン処理の一部として、認証マネージャ20は、ブローカーXが取引することが認められている取引システム26を特定し、図2の方法のステップ118〜124を参照して上述されるように、ブローカーアプリケーション42が取引システム26と通信可能なゲートウェイ22の識別情報をブローカーアプリケーション42に係るセッションマネージャ18に送信する。ステップ402において、ブローカーXは、トレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事することを所望し、このため、図3に示される方法に従ってトレーダーYにアタッチする。特に、ブローカープロキシサーバ24は、図3のステップ158と160を参照して上述されるように、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係を確立及び格納する。この一例となる状況では、トレーダーYは、取引システム26に現在ログインされているアクティブトレーダーである。
【0067】
ステップ404において、ブローカープロキシサーバ24は、(1)取引システム26とトレーダーYの取引活動に関するメッセージを通信するのに使用されている接続30gを特定し、(2)ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係(ステップ402において確立される)と特定された接続30gとの間の関連付けを確立及び格納し、(3)図3の方法のステップ194〜198を参照して上述されるように、利害関係のあるすべてのユーザ44に接続通知を送信する。ステップ406において、ブローカーXに係るブローカーアプリケーション42は、ブローカーXがステップ404において特定された接続30gを介しトレーダーYのために取引システム26において取引活動に従事可能となるように、ブローカーXに提示されたGUIを更新する。
【0068】
ステップ408において、他のブローカーであるブローカーZが、ネットワーク10にログインし、図4に示される方法に従ってトレーダーYにアタッチする。特に、ブローカープロキシサーバ24は、図4のステップ234を参照して上述されるように、ブローカーZとトレーダーYとの間のユーザ関係を確立及び格納する。さらに、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーZとトレーダーYとの間のユーザ関係(ステップ402において確立された)と、ステップ404において特定された接続30gとの間の関連付けを確立及び格納する。これにより、ブローカーXとブローカーZは共にアタッチし、これにより、トレーダーYのために取引活動に従事するかもしれない。
【0069】
そして、ブローカーXは、トレーダーYのために取引システム26に取引注文を発注することを所望する。ステップ410において、ブローカーXは、ブローカーアプリケーション42により与えられるGUIを介し、トレーダーYのために取引システム26に取引注文を発注するリクエストを提出する。ステップ412において、ブローカーアプリケーション42は、トレーダーYと共に、注文の注文タイプ、金融商品、価格及びサイズなどのリクエストされた取引注文の他の各種詳細を指定する取引メッセージ500を生成する。ステップ412において生成される取引メッセージ500は、ブローカーXではなくトレーダーYが取引注文リクエストを行った場合、トレーダーYに係るトレーダーアプリケーション36により生成された取引メッセージを表す(又は同一又は類似している)。
【0070】
ステップ414において、ブローカーアプリケーション42は、取引メッセージ500についてキャリアメッセージ502を生成する。ステップ416において、ブローカーアプリケーション42は、キャリアメッセージ502を組み合わせるか、又はそれを取引メッセージ500と関連付ける。一実施例では、ブローカーアプリケーション42は、図9に示されるように、キャリアメッセージ502の内部に取引メッセージ500をカプセル化する。
【0071】
図9は、本発明の実施例による一例となるキャリアメッセージ502を示す。キャリアメッセージ502は、プロトコル及びルーティング情報を含むヘッダ504と、いくつかのフィールド508を含むペイロード506とを有するデータパケットである。あるフィールド508は、取引メッセージ500がキャリアメッセージ502内でカプセル化されていると言われるように、取引メッセージ502を含む。ヘッダ504は、取引メッセージ500の目的先となる取引システム26と、ステップ400において特定されたゲートウェイを特定するルーティング情報を含むかもしれない。1以上のフィールド508が、取引メッセージ500のメッセージタイプを示すデータなどの他の様々なデータを含むかもしれない。
【0072】
図8Aに戻って、ステップ418において、ブローカーアプリケーション42は、ヘッダ504に含まれているルーティング情報に基づき、取引システム26に対してキャリアメッセージを通信する。ステップ420において、キャリアメッセージ502は、mゲートウェイ22により受信され、取引システム26にルーティングされる。
【0073】
ステップ422において、キャリアメッセージ502は、ブローカープロキシサーバ24により受信される。ステップ424において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYを特定する情報など、取引メッセージ500内の情報に基づき、ブローカーXとトレーダーYとの間のユーザ関係に関連付けされた(ステップ404において)接続30gを用いて、取引メッセージ500を取引システム26に提供する。取引メッセージ500は、取引システム26が取引メッセージ500を適切に処理するように、取引メッセージ500を取引システム26の適切な部分又はモジュールにルーティングするのに利用可能なルーティング情報を含むものであってもよい。ステップ428において、取引システム26は、取引メッセージ500を受信及び処理し、取引システム26により維持される取引所にリクエストされた取引注文を発注する。取引メッセージ500は、あたかもそれがトレーダーYによって提供されたかのように、取引システム26にはみえる。
【0074】
図8に示されるように、ステップ430において、取引システム26は、リクエストされた取引注文が取引所に発注されたことを示す取引メッセージ500’を生成する。ステップ432において、取引システム26は、図8Aの方法のステップ426において用いられた接続30gを介し、トレーダーYに取引メッセージ500’を通信する。ステップ434において、ブローカープロキシサーバ24は、取引メッセージ500’を受信する。ステップ436において、ブローカープロキシサーバ24は、トレーダーYに係る取引アプリケーションに取引メッセージを転送する。
【0075】
ステップ438において、ブローカープロキシサーバ24は、メモリ60に格納されているユーザ関係データ62に基づき、ブローカーXとブローカーZを含むトレーダーYに現在アタッチする各ブローカー40を特定する。ステップ440において、ブローカープロキシサーバ24は、ブローカーXとブローカーZを含むステップ438において特定された各ブローカー40についてキャリアメッセージ502’を生成する。図9に示されるように、キャリアメッセージ502’は、キャリアメッセージ502と類似するものであってもよい。各キャリアメッセージ502’のヘッダ504’は、取引メッセージ500’の目的先となるブローカーアプリケーション42と適切なゲートウェイ22を特定するルーティング情報を含むかもしれない。1以上のフィールド508’は、取引メッセージ500’のメッセージタイプを示すデータなどの他の各種データを含むかもしれない。
【0076】
ステップ442において、ブローカーアプリケーション42は、取引メッセージ500’のコピー又はインスタンスを各キャリアメッセージ502’と組み合わせ、又は関連付ける。一実施例では、ブローカーアプリケーション42は、各キャリアメッセージ502’内に取引メッセージ500’のコピー又はインスタンスをカプセル化する。ステップ444において、キャリアメッセージ502’は、各キャリアメッセージ502’に含まれるルーティング情報に従って、ブローカーXとブローカーZを含む各ブローカー40に通信される。ステップ446において、キャリアメッセージ502’の1つを受信する各ブローカー40に係るブローカーアプリケーション42(ブローカーXとブローカーZのブローカーアプリケーション42を含む)は、キャリアメッセージ502’から取引メッセージ500’をカプセル解除し、取引メッセージ502’を処理する。従って、どのブローカー40が管理されているトレーダー38に現在アタッチされていることを示すユーザ関係データ62を管理することによって、ブローカープロキシサーバ24は、取引メッセージ500’の適切なユーザ44へのルーティングを管理するかもしれない。
【0077】
本発明の実施例及びそれの効果が詳細に説明されたが、当業者は、添付された請求項により規定されるような本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な変更、追加及び省略が可能であろう。
【符号の説明】
【0078】
10 トレーディングネットワーク
12,14,16 端末
20 認証マネージャ
34,38 トレーダー
40 ブローカー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トレーディングネットワークへのアクセスを管理する方法であって、
クライアントアプリケーションから、第1認証情報を含む第1ユーザに対する第1ネットワークログインリクエストを受け付けるステップと、
少なくとも前記第1認証情報に基づき、前記第1ユーザが前記トレーディングネットワークにアクセスすることを許可するため、前記第1ネットワークログインリクエストを承認するステップと、
複数のユーザから、前記第1ユーザが代理人として活動することが認められ、第2ユーザを含む1以上の関連付けされたユーザを特定するステップと、
前記第2ユーザのため前記トレーディングネットワークを介し取引活動に前記第1ユーザが従事することを可能にするのに利用可能な前記第2ユーザに関する情報を含む前記第2ユーザのユーザプロファイル情報を取得するステップと、
前記ユーザプロファイル情報を前記クライアントアプリケーションに通信するステップと、
から構成されることを特徴とする方法。

【図1】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8A】
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【図8B】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−53884(P2012−53884A)
【公開日】平成24年3月15日(2012.3.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−217630(P2011−217630)
【出願日】平成23年9月30日(2011.9.30)
【分割の表示】特願2006−541206(P2006−541206)の分割
【原出願日】平成16年10月28日(2004.10.28)
【出願人】(506244755)ビージーシー パートナーズ,インコーポレイテッド (17)
【Fターム(参考)】