ブロー成形品用芯材
【課題】大きな外的衝撃力が作用しても、シート材が芯材から剥がれることのないブロー成形品を提供する。
【解決手段】芯材と、芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材(100)であって、外周面には、樹脂製シート材を構成する樹脂が局部的に貯留される樹脂溜まり部(110)が形成されている。
【解決手段】芯材と、芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材(100)であって、外周面には、樹脂製シート材を構成する樹脂が局部的に貯留される樹脂溜まり部(110)が形成されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はブロー成形品に使用する芯材に関する。
【背景技術】
【0002】
芯材と、この芯材の外周面に密着させたシート材(例えば、樹脂製シート材)とからなるブロー成形品は、床、壁、天井その他の建設用資材として、あるいは、車両、船舶、飛行機その他の移動用手段の壁体として、多用されている。
【0003】
例えば、特開平8−323842号公報(特許文献1)、特許第2651650号公報(特許文献2)には、ブロー成形品の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−323842号公報
【特許文献2】特許第2651650号公報(特開平6−238783号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでのブロー成形品においては、芯材の周囲のシート材は単に芯材に対して密着させているだけであるので、外的衝撃力に対する耐久性に難点があった。
【0006】
特に、芯材の材質とシート材の材質とが相違する場合(例えば、芯材がアルミ製、シート材が熱可塑性樹脂であるような場合)には、大きな外的衝撃力がブロー成形品に作用すると、シート材が芯材から剥がれてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような従来のブロー成形品における問題点に鑑みてなされたものであり、大きな外的衝撃力が作用しても、シート材が芯材から剥がれることのないブロー成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、芯材と、前記芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材であって、前記外周面には、前記樹脂製シート材を構成する樹脂が局部的に貯留される樹脂溜まり部が形成されていることを特徴とするブロー成形品用芯材を提供する。
【0009】
前記樹脂溜まり部は、例えば、前記外周面の外縁において形成された凹部からなるものとすることができる。
【0010】
さらに、本発明は、芯材と、前記芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材であって、前記芯材は、上面と、前記上面と平行に対向する下面と、前記上面と前記下面とをそれらの両端において結合する一対の側面と、前記一対の側面の間の位置において、前記上面と前記下面との間に前記一対の側面と平行に延びる少なくとも一つの第一中間面と、前記一対の側面の間において、前記上面及び前記下面と平行に配置されている少なくとも一つの第二中間面と、から形成されており、前記上面、前記下面、前記一対の側面、前記第一中間面及び前記第二中間面のうちの少なくとも一つの縁部には凹部が形成されていることを特徴とするブロー成形品用芯材を提供する。
【0011】
前記芯材は相互に対向する一対の面を有しており、前記一対の面の一方には、前記芯材の外側に突出する凸状体が形成されており、前記一対の面の他方には、前記凸状体が嵌合可能な凹状体が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る芯材を用いてブロー成形品を製造する場合、芯材の周囲に密着する樹脂製シート材は外周面(あるいは、上面、下面、第一中間面、第二中間面及び一対の側面)の面に密着するとともに、それらの外縁に形成された各樹脂溜まり部(または、凹部)に対しても潜り込むようにして密着する。各樹脂溜まり部(または、凹部)は各面の外縁に対して凹んだ形状をなしているため、各樹脂溜まり部(または、凹部)に樹脂製シート材が密着することにより、樹脂溜まり部(または、凹部)が形成されていない場合と比較して、各面に対する樹脂製シート材の密着力を高めることができる。このため、本発明に係る芯材によれば、従来のブロー成形品とは異なり、大きな外的衝撃力が作用しても、樹脂製シート材が芯材から剥がれることを防止することができる。
【0013】
また、一対の面の一方に凸状体を、一対の面の他方に凹状体をそれぞれ形成し、凸状体を凹状体に嵌合させることにより、複数個の芯材を相互に連結させることが可能になる。このため、一つの芯材のサイズの整数倍のサイズの芯材を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(A)は本発明の第一の実施形態に係る芯材を上方から見た場合の平面図、図1(B)は同芯材の正面図、図1(C)は同芯材の側面図である。
【図2】図2は、図1(B)のA−A線における断面図である。
【図3】図3(A)は本発明の第二の実施形態に係る芯材を上方から見た場合の平面図、図3(B)は同芯材の正面図、図3(C)は同芯材の側面図である。
【図4】図4は、本発明の第二の実施形態に係る芯材の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第一の実施形態)
図1(A)は本発明の第一の実施形態に係る芯材100を上方から見た場合の平面図、図1(B)は芯材100の正面図、図1(C)は芯材100の側面図である。また、図2は、図1(B)のA−A線における断面図である。
【0016】
本実施形態に係る芯材100はアルミ製である。芯材100の外周面に樹脂製シート材を密着させることにより、ブロー成形品が完成する。
【0017】
芯材100の外周面に密着させるシート材としては、ブロー成形品の用途に応じて、種々のものを選択することができる。シート材としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主成分とする共重合体その他の塩化ビニル系樹脂、ポリメチルメタクリレート及びその共重合体その他のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ABS、MBSまたはASその他のスチレン系樹脂、ポリプロピレンその他のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートその他のポリエステル系樹脂などからなるシート材を用いることができる。
【0018】
芯材100は、上面101と、上面101と平行に対向する下面102と、上面101と下面102とをそれらの両端において結合する一対の側面103、104と、側面103及び104の中間位置において、上面101と下面102との間に側面103、104と平行に延びる第一中間面105と、側面103、104の間において、上面101及び下面102と平行に、かつ、等間隔に配置されている複数の第二中間面106(本実施形態に係る芯材100においては5個)と、から形成されている。
【0019】
芯材100は、全体として、立方体形状をなしている。
【0020】
また、図2に示すように、第二中間面106の各々には、ブロー成形時に使用する空気流路107が形成されている。同様に、上面101及び下面102にも空気流路107が形成されている。
【0021】
図2に示すように、空気流路107は矩形状の切欠きからなる。
【0022】
空気流路107は、上面101、下面102及び各第二中間面106において、両縁にそれぞれ2個ずつ形成されており、各空気流路107は上下方向に一直線上に配列されている。
【0023】
本実施形態に係る芯材100の外周面には、樹脂製シート材を構成する樹脂を局部的に貯留するための樹脂溜まり部が形成されている。
【0024】
具体的には、樹脂溜まり部は、上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の両外縁に形成された凹部110として形成されている。
【0025】
例えば、上面101に形成された凹部110は、図1(A)に示すように、上面101の両外縁101A、101Bの各々から反対側の外縁に向かって延びる直線状の第一凹部111と、第一凹部111と連続して形成され、長方形状をなす第二凹部112と、から形成されている。
【0026】
第二凹部112の長辺(図1(A)の左右方向に延びる辺)の長さは、第一凹部111の幅(図1(A)の左右方向における長さ)よりも大きい。
【0027】
図1(A)に示すように、上面101、下面102及び各第二中間面106には、両外縁の各々に、凹部110が4個ずつ形成されている。
【0028】
また、図1(B)または図1(C)に示すように、側面103、104及び第一中間面105の各々には、両外縁の各々に、凹部110が12個ずつ形成されている。
【0029】
以上のような構造を有する芯材100を用いてブロー成形品を製造する場合、芯材100の周囲に密着する樹脂製シート材は上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の面に密着するとともに、それらの両外縁に形成された各凹部110に対しても潜り込むようにして密着する。各凹部110は各面の外縁に対して凹んだ形状をなしているため、各凹部110に樹脂製シート材が密着することにより、凹部110が形成されていない場合と比較して、各面に対する樹脂製シート材の密着力を高めることができる。
【0030】
このため、本実施形態に係る芯材100によれば、従来のブロー成形品とは異なり、大きな外的衝撃力が作用しても、樹脂製シート材が芯材100から剥がれることを防止することができる。
【0031】
なお、本実施形態に係る芯材100は上記の構造に限定されるものではなく、以下のように、種々の改変が可能である。
【0032】
本実施形態に係る芯材100は1個の第一中間面105を有するものとして構成されているが、第一中間面105の数は1には限定されない。本実施形態に係る芯材100は2個以上の第一中間面105を有するように構成することも可能である。
【0033】
また、本実施形態に係る芯材100においては、第二中間面106の数は5に限定されるものではなく、任意の数を選択することができる。
【0034】
本実施形態に係る芯材100においては、凹部110は、上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の全部に形成されているが、凹部110を上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の全部に形成することは必ずしも必要ではない。必要に応じて、上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の何れか一つまたは二つ以上に凹部110を形成することが可能である。
【0035】
また、凹部110は上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の両外縁に形成することは必ずしも必要ではなく、何れか一方の外縁にのみ形成することも可能である。
【0036】
さらに、凹部110は少なくとも一つ形成されていればよく、凹部110の数としては、任意の数を選択することができる。
【0037】
また、本実施形態に係る芯材100においては、凹部110は第一凹部111と第二凹部112とからなるものとして構成されているが、凹部110の形状はこれには限定されない。
【0038】
樹脂製シート材を構成する樹脂を局部的に貯留することができる形状である限りにおいて、凹部110の形状として、任意の形状を選択することができる。
【0039】
(第二の実施形態)
図3(A)は本発明の第二の実施形態に係る芯材200を上方から見た場合の平面図、図3(B)は芯材200の正面図、図3(C)は芯材200の側面図である。また、図4は、芯材200の斜視図である。
【0040】
本実施形態に係る芯材200は、第一の実施形態に係る芯材100と比較して、凸状体210及び凹状体220を追加的に備えている。この点を除いて、本実施形態に係る芯材200は第一の実施形態に係る芯材100と同一の構造を有している。このため、第一の実施形態に係る芯材100と同一の構成要素に対しては同一の参照符号を用いる。
【0041】
本実施形態に係る芯材200においては、上面101及び側面103にそれぞれ2個の凸状体210が形成されており、下面102及び側面104にはそれぞれ2個の凹状体220が形成されている。
【0042】
凸状体210は上面101及び側面103から外側に突出しており、先端はほぼ球状をなしている。凸状体210は上面101の幅(図3(A)の上下方向の長さ)の全体にわたって、また、側面103の幅(図3(C)の左右方向の長さ)の全体にわたって、それぞれ形成されている。
【0043】
下面102及び側面104に形成されている凹状体220は凸状体210が嵌合可能な形状をなしている。
【0044】
上面101に形成されている2個の凸状体210と、下面102に形成されている2個の凹状体220とは、相対的に同一位置にある。このため、二つの芯材200のうちの一方の芯材200の上面101に形成されている凸状体210を、他方の芯材200の下面102に形成されている凹状体220に嵌合させることにより、これら二つの芯材200を上下方向において連結させることが可能である。
【0045】
また、側面103に形成されている2個の凸状体210と、側面104に形成されている2個の凹状体220とは、相対的に同一位置にある。このため、二つの芯材200のうちの一方の芯材200の側面103に形成されている凸状体210を、他方の芯材200の側面104に形成されている凹状体220に嵌合させることにより、これら二つの芯材200を左右方向において連結させることが可能である。
【0046】
以上のように、本実施形態に係る芯材200によれば、2個以上の任意の数の芯材200を相互に連結させることが可能であり、一つの芯材200のサイズの整数倍のサイズの芯材を形成することが可能になる。
【0047】
例えば、上面101に形成されている凸状体210は上面101の幅(図3(A)の上下方向の長さ)の全体にわたって形成されているが、凸状体210をこのようなライン状ではなく、上面101の幅方向において、複数個のスポット状の凸状体210として形成することも可能である。
【0048】
また、凸状体210の先端を球状にすることは必ずしも必要ではなく、凸状体210と凹状体220とが相互に嵌合可能である限りにおいて、凸状体210の形状としては任意の形状を選択することができる。
【符号の説明】
【0049】
100 本発明の第一の実施形態に係る芯材
101 上面
102 下面
103、104 側面
105 第一中間面
106 第二中間面
107 空気流路
110 凹部
111 第一凹部
112 第二凹部
200 本発明の第二の実施形態に係る芯材
210 凸状体
220 凹状体
【技術分野】
【0001】
本発明はブロー成形品に使用する芯材に関する。
【背景技術】
【0002】
芯材と、この芯材の外周面に密着させたシート材(例えば、樹脂製シート材)とからなるブロー成形品は、床、壁、天井その他の建設用資材として、あるいは、車両、船舶、飛行機その他の移動用手段の壁体として、多用されている。
【0003】
例えば、特開平8−323842号公報(特許文献1)、特許第2651650号公報(特許文献2)には、ブロー成形品の一例が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−323842号公報
【特許文献2】特許第2651650号公報(特開平6−238783号公報)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
これまでのブロー成形品においては、芯材の周囲のシート材は単に芯材に対して密着させているだけであるので、外的衝撃力に対する耐久性に難点があった。
【0006】
特に、芯材の材質とシート材の材質とが相違する場合(例えば、芯材がアルミ製、シート材が熱可塑性樹脂であるような場合)には、大きな外的衝撃力がブロー成形品に作用すると、シート材が芯材から剥がれてしまうという問題点があった。
【0007】
本発明は、このような従来のブロー成形品における問題点に鑑みてなされたものであり、大きな外的衝撃力が作用しても、シート材が芯材から剥がれることのないブロー成形品を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記の目的を達成するため、本発明は、芯材と、前記芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材であって、前記外周面には、前記樹脂製シート材を構成する樹脂が局部的に貯留される樹脂溜まり部が形成されていることを特徴とするブロー成形品用芯材を提供する。
【0009】
前記樹脂溜まり部は、例えば、前記外周面の外縁において形成された凹部からなるものとすることができる。
【0010】
さらに、本発明は、芯材と、前記芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材であって、前記芯材は、上面と、前記上面と平行に対向する下面と、前記上面と前記下面とをそれらの両端において結合する一対の側面と、前記一対の側面の間の位置において、前記上面と前記下面との間に前記一対の側面と平行に延びる少なくとも一つの第一中間面と、前記一対の側面の間において、前記上面及び前記下面と平行に配置されている少なくとも一つの第二中間面と、から形成されており、前記上面、前記下面、前記一対の側面、前記第一中間面及び前記第二中間面のうちの少なくとも一つの縁部には凹部が形成されていることを特徴とするブロー成形品用芯材を提供する。
【0011】
前記芯材は相互に対向する一対の面を有しており、前記一対の面の一方には、前記芯材の外側に突出する凸状体が形成されており、前記一対の面の他方には、前記凸状体が嵌合可能な凹状体が形成されていることが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る芯材を用いてブロー成形品を製造する場合、芯材の周囲に密着する樹脂製シート材は外周面(あるいは、上面、下面、第一中間面、第二中間面及び一対の側面)の面に密着するとともに、それらの外縁に形成された各樹脂溜まり部(または、凹部)に対しても潜り込むようにして密着する。各樹脂溜まり部(または、凹部)は各面の外縁に対して凹んだ形状をなしているため、各樹脂溜まり部(または、凹部)に樹脂製シート材が密着することにより、樹脂溜まり部(または、凹部)が形成されていない場合と比較して、各面に対する樹脂製シート材の密着力を高めることができる。このため、本発明に係る芯材によれば、従来のブロー成形品とは異なり、大きな外的衝撃力が作用しても、樹脂製シート材が芯材から剥がれることを防止することができる。
【0013】
また、一対の面の一方に凸状体を、一対の面の他方に凹状体をそれぞれ形成し、凸状体を凹状体に嵌合させることにより、複数個の芯材を相互に連結させることが可能になる。このため、一つの芯材のサイズの整数倍のサイズの芯材を形成することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】図1(A)は本発明の第一の実施形態に係る芯材を上方から見た場合の平面図、図1(B)は同芯材の正面図、図1(C)は同芯材の側面図である。
【図2】図2は、図1(B)のA−A線における断面図である。
【図3】図3(A)は本発明の第二の実施形態に係る芯材を上方から見た場合の平面図、図3(B)は同芯材の正面図、図3(C)は同芯材の側面図である。
【図4】図4は、本発明の第二の実施形態に係る芯材の斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
(第一の実施形態)
図1(A)は本発明の第一の実施形態に係る芯材100を上方から見た場合の平面図、図1(B)は芯材100の正面図、図1(C)は芯材100の側面図である。また、図2は、図1(B)のA−A線における断面図である。
【0016】
本実施形態に係る芯材100はアルミ製である。芯材100の外周面に樹脂製シート材を密着させることにより、ブロー成形品が完成する。
【0017】
芯材100の外周面に密着させるシート材としては、ブロー成形品の用途に応じて、種々のものを選択することができる。シート材としては、例えば、ポリ塩化ビニル、塩化ビニルを主成分とする共重合体その他の塩化ビニル系樹脂、ポリメチルメタクリレート及びその共重合体その他のアクリル系樹脂、ポリスチレン、ABS、MBSまたはASその他のスチレン系樹脂、ポリプロピレンその他のオレフィン系樹脂、ポリエチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートその他のポリエステル系樹脂などからなるシート材を用いることができる。
【0018】
芯材100は、上面101と、上面101と平行に対向する下面102と、上面101と下面102とをそれらの両端において結合する一対の側面103、104と、側面103及び104の中間位置において、上面101と下面102との間に側面103、104と平行に延びる第一中間面105と、側面103、104の間において、上面101及び下面102と平行に、かつ、等間隔に配置されている複数の第二中間面106(本実施形態に係る芯材100においては5個)と、から形成されている。
【0019】
芯材100は、全体として、立方体形状をなしている。
【0020】
また、図2に示すように、第二中間面106の各々には、ブロー成形時に使用する空気流路107が形成されている。同様に、上面101及び下面102にも空気流路107が形成されている。
【0021】
図2に示すように、空気流路107は矩形状の切欠きからなる。
【0022】
空気流路107は、上面101、下面102及び各第二中間面106において、両縁にそれぞれ2個ずつ形成されており、各空気流路107は上下方向に一直線上に配列されている。
【0023】
本実施形態に係る芯材100の外周面には、樹脂製シート材を構成する樹脂を局部的に貯留するための樹脂溜まり部が形成されている。
【0024】
具体的には、樹脂溜まり部は、上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の両外縁に形成された凹部110として形成されている。
【0025】
例えば、上面101に形成された凹部110は、図1(A)に示すように、上面101の両外縁101A、101Bの各々から反対側の外縁に向かって延びる直線状の第一凹部111と、第一凹部111と連続して形成され、長方形状をなす第二凹部112と、から形成されている。
【0026】
第二凹部112の長辺(図1(A)の左右方向に延びる辺)の長さは、第一凹部111の幅(図1(A)の左右方向における長さ)よりも大きい。
【0027】
図1(A)に示すように、上面101、下面102及び各第二中間面106には、両外縁の各々に、凹部110が4個ずつ形成されている。
【0028】
また、図1(B)または図1(C)に示すように、側面103、104及び第一中間面105の各々には、両外縁の各々に、凹部110が12個ずつ形成されている。
【0029】
以上のような構造を有する芯材100を用いてブロー成形品を製造する場合、芯材100の周囲に密着する樹脂製シート材は上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の面に密着するとともに、それらの両外縁に形成された各凹部110に対しても潜り込むようにして密着する。各凹部110は各面の外縁に対して凹んだ形状をなしているため、各凹部110に樹脂製シート材が密着することにより、凹部110が形成されていない場合と比較して、各面に対する樹脂製シート材の密着力を高めることができる。
【0030】
このため、本実施形態に係る芯材100によれば、従来のブロー成形品とは異なり、大きな外的衝撃力が作用しても、樹脂製シート材が芯材100から剥がれることを防止することができる。
【0031】
なお、本実施形態に係る芯材100は上記の構造に限定されるものではなく、以下のように、種々の改変が可能である。
【0032】
本実施形態に係る芯材100は1個の第一中間面105を有するものとして構成されているが、第一中間面105の数は1には限定されない。本実施形態に係る芯材100は2個以上の第一中間面105を有するように構成することも可能である。
【0033】
また、本実施形態に係る芯材100においては、第二中間面106の数は5に限定されるものではなく、任意の数を選択することができる。
【0034】
本実施形態に係る芯材100においては、凹部110は、上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の全部に形成されているが、凹部110を上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の全部に形成することは必ずしも必要ではない。必要に応じて、上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の何れか一つまたは二つ以上に凹部110を形成することが可能である。
【0035】
また、凹部110は上面101、下面102、第一中間面105、各第二中間面106及び一対の側面103、104の両外縁に形成することは必ずしも必要ではなく、何れか一方の外縁にのみ形成することも可能である。
【0036】
さらに、凹部110は少なくとも一つ形成されていればよく、凹部110の数としては、任意の数を選択することができる。
【0037】
また、本実施形態に係る芯材100においては、凹部110は第一凹部111と第二凹部112とからなるものとして構成されているが、凹部110の形状はこれには限定されない。
【0038】
樹脂製シート材を構成する樹脂を局部的に貯留することができる形状である限りにおいて、凹部110の形状として、任意の形状を選択することができる。
【0039】
(第二の実施形態)
図3(A)は本発明の第二の実施形態に係る芯材200を上方から見た場合の平面図、図3(B)は芯材200の正面図、図3(C)は芯材200の側面図である。また、図4は、芯材200の斜視図である。
【0040】
本実施形態に係る芯材200は、第一の実施形態に係る芯材100と比較して、凸状体210及び凹状体220を追加的に備えている。この点を除いて、本実施形態に係る芯材200は第一の実施形態に係る芯材100と同一の構造を有している。このため、第一の実施形態に係る芯材100と同一の構成要素に対しては同一の参照符号を用いる。
【0041】
本実施形態に係る芯材200においては、上面101及び側面103にそれぞれ2個の凸状体210が形成されており、下面102及び側面104にはそれぞれ2個の凹状体220が形成されている。
【0042】
凸状体210は上面101及び側面103から外側に突出しており、先端はほぼ球状をなしている。凸状体210は上面101の幅(図3(A)の上下方向の長さ)の全体にわたって、また、側面103の幅(図3(C)の左右方向の長さ)の全体にわたって、それぞれ形成されている。
【0043】
下面102及び側面104に形成されている凹状体220は凸状体210が嵌合可能な形状をなしている。
【0044】
上面101に形成されている2個の凸状体210と、下面102に形成されている2個の凹状体220とは、相対的に同一位置にある。このため、二つの芯材200のうちの一方の芯材200の上面101に形成されている凸状体210を、他方の芯材200の下面102に形成されている凹状体220に嵌合させることにより、これら二つの芯材200を上下方向において連結させることが可能である。
【0045】
また、側面103に形成されている2個の凸状体210と、側面104に形成されている2個の凹状体220とは、相対的に同一位置にある。このため、二つの芯材200のうちの一方の芯材200の側面103に形成されている凸状体210を、他方の芯材200の側面104に形成されている凹状体220に嵌合させることにより、これら二つの芯材200を左右方向において連結させることが可能である。
【0046】
以上のように、本実施形態に係る芯材200によれば、2個以上の任意の数の芯材200を相互に連結させることが可能であり、一つの芯材200のサイズの整数倍のサイズの芯材を形成することが可能になる。
【0047】
例えば、上面101に形成されている凸状体210は上面101の幅(図3(A)の上下方向の長さ)の全体にわたって形成されているが、凸状体210をこのようなライン状ではなく、上面101の幅方向において、複数個のスポット状の凸状体210として形成することも可能である。
【0048】
また、凸状体210の先端を球状にすることは必ずしも必要ではなく、凸状体210と凹状体220とが相互に嵌合可能である限りにおいて、凸状体210の形状としては任意の形状を選択することができる。
【符号の説明】
【0049】
100 本発明の第一の実施形態に係る芯材
101 上面
102 下面
103、104 側面
105 第一中間面
106 第二中間面
107 空気流路
110 凹部
111 第一凹部
112 第二凹部
200 本発明の第二の実施形態に係る芯材
210 凸状体
220 凹状体
【特許請求の範囲】
【請求項1】
芯材と、前記芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材であって、
前記外周面には、前記樹脂製シート材を構成する樹脂が局部的に貯留される樹脂溜まり部が形成されていることを特徴とするブロー成形品用芯材。
【請求項2】
前記樹脂溜まり部は、前記外周面の外縁において形成された凹部からなるものであることを特徴とするブロー成形品用芯材。
【請求項3】
芯材と、前記芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材であって、
前記芯材は、上面と、前記上面と平行に対向する下面と、前記上面と前記下面とをそれらの両端において結合する一対の側面と、前記一対の側面の間の位置において、前記上面と前記下面との間に前記一対の側面と平行に延びる少なくとも一つの第一中間面と、前記一対の側面の間において、前記上面及び前記下面と平行に配置されている少なくとも一つの第二中間面と、から形成されており、
前記上面、前記下面、前記一対の側面、前記第一中間面及び前記第二中間面のうちの少なくとも一つの縁部には凹部が形成されていることを特徴とするブロー成形品用芯材。
【請求項4】
前記芯材は相互に対向する一対の面を有しており、前記一対の面の一方には、前記芯材の外側に突出する凸状体が形成されており、前記一対の面の他方には、前記凸状体が嵌合可能な凹状体が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のブロー成形品用芯材。
【請求項1】
芯材と、前記芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材であって、
前記外周面には、前記樹脂製シート材を構成する樹脂が局部的に貯留される樹脂溜まり部が形成されていることを特徴とするブロー成形品用芯材。
【請求項2】
前記樹脂溜まり部は、前記外周面の外縁において形成された凹部からなるものであることを特徴とするブロー成形品用芯材。
【請求項3】
芯材と、前記芯材の外周面に密着させた樹脂製シート材と、からなるブロー成形品における前記芯材であって、
前記芯材は、上面と、前記上面と平行に対向する下面と、前記上面と前記下面とをそれらの両端において結合する一対の側面と、前記一対の側面の間の位置において、前記上面と前記下面との間に前記一対の側面と平行に延びる少なくとも一つの第一中間面と、前記一対の側面の間において、前記上面及び前記下面と平行に配置されている少なくとも一つの第二中間面と、から形成されており、
前記上面、前記下面、前記一対の側面、前記第一中間面及び前記第二中間面のうちの少なくとも一つの縁部には凹部が形成されていることを特徴とするブロー成形品用芯材。
【請求項4】
前記芯材は相互に対向する一対の面を有しており、前記一対の面の一方には、前記芯材の外側に突出する凸状体が形成されており、前記一対の面の他方には、前記凸状体が嵌合可能な凹状体が形成されていることを特徴とする請求項1乃至3の何れか一項に記載のブロー成形品用芯材。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図2】
【図3】
【図4】
【公開番号】特開2012−40825(P2012−40825A)
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−185929(P2010−185929)
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(593209286)マリンブルーブロー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年3月1日(2012.3.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月23日(2010.8.23)
【出願人】(593209286)マリンブルーブロー株式会社 (1)
【Fターム(参考)】
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