説明

プラグ付電源装置

【課題】商用電力系統と連系運転するためにコンセントに差込み可能で、コンセントに非挿入状態ではプラグに触れても感電する恐れのないプラグ付電源装置を提供する。
【解決手段】 プラグ付電源装置のプラグ10として、コンセントに挿入される接続端子11と、電源装置の出力が印加される中継端子12と、接続端子11と中継端子12との接続、切断を行う接続手段15,16a,16と、上記プラグ10が非挿入状態から挿入状態に移行すると元位置から所定位置に移動し、挿入状態から非挿入状態に移行すると所定位置から元位置に戻る挿入動作検知手段13と、を備えていると共に、接続手段15,16a,16は、挿入動作検知手段13の移動に連動して、該挿入動作検知手段13が所定位置に移動すると接続を行い、該挿入動作検知手段13が元位置に戻ると切断を行うような上記プラグ10を用いて、プラグ付電源装置を構成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、商用電力系統等の交流電力発生源を備える電力系統と連系運転するために、該電力系統に接続された配電用のコンセントに挿入されるプラグを備えた電源装置に関する。
【背景技術】
【0002】
太陽電池や風力発電機等は、自然エネルギーを利用して発電を行うことから、有害な物質を排出しないクリーンなエネルギーとして知られている。このようなクリーンなエネルギーとしては、特に太陽電池が注目されており、太陽電池を住宅の屋根や敷地内に設置することにより、太陽電池を備えた電源装置として使用される例が増えている。この太陽電池を備えた電源装置の場合、得られた直流電力を交流電力に変換した上で、例えば、住宅で使用されている商用電力系統に接続して、この商用電力系統と連系運転させることができる。この商用電力系統との連系運転により、太陽電池で発電した電力を、住宅の電気的負荷に供給したり、住宅外の商用電力系統に交流電力を供給したりすることができ、電力料金の節約を図ることができるというメリットがある。
【0003】
上記の電源装置を商用電力系統と連系運転する方法としては、住宅の交流分電盤と電源装置とを配線ケーブルで接続する方法と、電源装置の配線ケーブルにプラグを備えて、このプラグを住宅のコンセントに差し込む方法とがある。前者の方法は、住宅の交流分電盤に電源装置の配線ケーブルを接続する接続工事を行うのに、工事をする人に電気工事の資格が必要であり、家庭で容易に行える方法とはいえない。これに対して、後者の方法は、単に、電源装置に備えられているケーブルのプラグを、住宅のコンセントに差し込むだけであるので、家庭で容易に行える方法である。そのため、上記の太陽電池を備えた電源装置では、商用電力系統と連系運転するために、住宅のコンセントに差し込み可能なプラグを備えたケーブルが多く用いられており、このようなプラグに関する技術的提案も種々なされている(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
図5は、住宅のコンセントに差し込み可能なプラグを備えた従来例の太陽電池を備えた電源装置の外観図である。図5において、従来例の太陽電池を備えた電源装置101は、太陽電池モジュール102、電力変換装置103、及び、プラグ104を備えた配線ケーブル105で構成されている。電力変換装置103は、太陽電池モジュール102が発電する直流電力をインバータにより交流電力に変換するものである。尚、図5において、106は住宅の壁等に備えられたコンセント、107は交流電力発生源として、例えば、商用電力系統を表している。
【0005】
この太陽電池を備えた従来例の電源装置101では、太陽電池モジュール102に太陽光が当たっている間にプラグ104をコンセント106に差し込むと、まず、電力変換装置103に備えられた制御部が、コンセント106を介して商用電力系統107の交流電圧が検出されるか否かをチェックする。商用電力系統107が停電していない限り、交流電圧が検出されるので、この場合は、この交流電圧の位相に同期して電力変換装置103が太陽電池モジュール102で発電された直流を交流に変換する。そして、電力変換装置103に備えられた制御部が、電力変換装置103とプラグ104との間に挿入されているリレー等をONすることにより、電力変換装置103で変換された交流電力を、コンセント106を介して交流電力発生源である商用電力系統107へ供給して、商用電力系統107との連系運転を行う。
【特許文献1】特開2002−110283号公報の図3
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、上記の従来例の太陽電池を備えた電源装置101において、プラグ104をコンセント106に差し込んでいないにもかかわらず、太陽電池モジュール102に太陽光が当っている間に、もし誤って電力変換装置103の制御部がプラグ104の導電部に発電した交流電力を印加すると、プラグ104をコンセント106に差し込む際に、誤ってプラグ104の導電部に触れて感電する可能性があった。又、特許文献1の図3に記載されているプラグは、コンセントに差し込まれる導電部にカバーが付いているものの、このカバーは手で触るとプラグの本体内部に押し込まれて導電部が露出する構造であり、上記の従来例の電源装置におけるプラグと同様、感電する可能性があった。
【0007】
そこでこの発明は、上記のような状況を解決するためになされたものであって、交流電力発生源と連系運転するために、住宅のコンセントに差し込み可能なプラグを用いており、このプラグがコンセントに差し込まれていない状態では、プラグの導電部に電圧は印加されず、従って、プラグに触れても感電する恐れのないプラグ付電源装置を、提供しようとするものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明のプラグ付電源装置は、電源装置とプラグとを備えており、該プラグが、商用電力系統等の交流電力発生源を備える電力系統に接続された配電用のコンセントに挿入されると共に、該プラグを介して、電源装置が電力系統に接続されて連系運転されるプラグ付電源装置である。
【0009】
上記のプラグ付電源装置のプラグは、接続端子、中継端子、接続手段、及び、挿入動作検知手段を備えている。接続端子は、上記プラグに固定されていると共に先端部が該プラグの前端面から前方に向かって突出しており、該突出した先端部がコンセントに挿入される。中継端子は、該プラグに固定されており電源装置の出力が印加される。接続手段は、接続端子と中継端子との接続、切断を行う。そして、挿入動作検知手段は、接続端子の先端部がコンセントに挿入されていない非挿入状態から挿入されている挿入状態に移行すると、元位置から所定位置に移動し、挿入状態から非挿入状態に移行すると、所定位置から元位置に戻る。
【0010】
上記のプラグ付電源装置は、接続手段が、挿入動作検知手段の移動に連動して、該挿入動作検知手段が所定位置に移動すると接続を行い、該挿入動作検知手段が元位置に戻ると切断を行うことを特徴としている。
【0011】
上記のプラグ付電源装置によれば、挿入動作検知手段が、接続端子の先端部がコンセントに挿入されていない非挿入状態から挿入されている挿入状態に移行すると、元位置から所定位置に移動し、挿入状態から非挿入状態に移行すると、所定位置から元位置に戻る。そしてこの挿入動作検知手段の移動に連動して、接続手段は、挿入動作検知手段が所定位置に移動すると接続を行い、該挿入動作検知手段が元位置に戻ると切断を行う。
【0012】
そのため、プラグがコンセントに挿入された挿入状態では、挿入動作検知手段が所定位置に存在しており、接続端子と中継端子とは接続された状態であるが、プラグがコンセントに挿入されていない非挿入状態では、挿入動作検知手段が元位置に存在しており、接続端子と中継端子とは接続されていない状態である。従って、プラグがコンセントに差し込まれていない状態では、プラグの導電部である接続端子に電圧が印加されず、プラグに触れても感電する恐れはない。
【0013】
上記のプラグ付電源装置のプラグにおける上記挿入動作検知手段は、具体的には、次のように構成するのが望ましい。即ち、挿入動作検知手段は、前方に向かって付勢された挿入検出ロッドを用いて構成する。そして、挿入検出ロッドが元位置に存在している状態として、挿入検出ロッドの先端部がプラグの前端面から前方に向かって突出していると共に、挿入検出ロッドの後端部がプラグの内部に没入した状態とする。又、所定位置に存在している状態として、挿入検出ロッドの全体がプラグの内部に没入した状態とする。
【0014】
そして、プラグがコンセントに挿入されると、挿入検出ロッドの先端部の先端がコンセントの前面と接して後方に向かって押圧され、挿入検出ロッドは、上記の付勢に逆らって後方に向かって押込まれてプラグの内部に没入して、元位置から所定位置に移動するようにする。又、プラグがコンセントから引き出されると、挿入検出ロッドは、付勢により前方に向かって移動し前端面から前方に向かって突出して、所定位置から元位置に戻るようにするのである。
【0015】
上記のプラグ付電源装置のプラグでは、挿入検出ロッドの構造が非常にシンプルである。従って、上記のようにすることにより、上記のプラグ付電源装置におけるプラグの挿入動作検知手段と接続手段をシンプルに構成することができ、上記のプラグ付電源装置におけるプラグの構造をシンプルに構成することができる。
【0016】
上記のプラグ付電源装置において、電源装置として、直流電源と、該直流電源の直流出力を交流出力に変換する電力変換部とで構成するようにすることができる。又、この構成のプラグ付電源装置において、直流電源を太陽電池とすることができる。このような直流電源と電力変換部とで構成されるプラグ付電源装置、或いは太陽電池と電力変換部とで構成されるプラグ付電源装置は、上述したプラグを用いているので、安全性を向上することができる。
【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、プラグ付電源装置のプラグがコンセントに挿入された挿入状態では、プラグの挿入動作検知手段が所定位置に存在しており、接続端子と中継端子とが接続された状態であるが、プラグがコンセントに挿入されていない非挿入状態では、挿入動作検知手段が元位置に存在しており、接続端子と中継端子とが接続されていない状態である。従って、プラグがコンセントに差し込まれていない状態では、プラグの導電部である接続端子に電圧が印加されず、プラグに触れても感電する恐れをなくすることができる。
【0018】
又、プラグ付電源装置の挿入動作検知手段として挿入検出ロッドを用いており、挿入検出ロッドはシンプルな構造であるので、挿入動作検知手段と接続手段の構造をシンプルにすることができる。従って、上記のプラグ付電源装置におけるプラグの構造をシンプルに構成することができる。
【0019】
又、プラグ付電源装置の電源装置を直流電源と電力変換部とで構成すると共に、直流電源を太陽電池とすることにより、太陽電池を備えたプラグ付電源装置の安全性を向上することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本実施の形態におけるプラグ付電源装置について、図面を参照しながら詳しく説明する。
【0021】
図1は、本実施の形態におけるプラグ付電源装置1の構成を示したブロック図である。図1において、このプラグ付電源装置1は、太陽電池モジュール2、電力変換部3、ケーブル4、及び、プラグ10で構成されている。尚、図1において、5は住宅の壁等に備えられたコンセント、6は商用電力系統を表している。このプラグ付電源装置1は、交流電力発生源を備える商用電力系統6に接続された配電用のコンセント5にプラグ10を挿入することにより、商用電力系統6に接続されて、その電力系統と連系運転される。又、このプラグ付電源装置1は、後述するように、プラグ10に特徴がある。
【0022】
図1において、太陽電池モジュール2は、太陽エネルギーを直流電力に変換して出力する装置である。太陽電池モジュール2の出力を受ける電力変換部3は、インバータ部31、制御部32、及び、リレー33で構成されている。インバータ部31は、太陽電池モジュール2の出力する直流電力を、交流電力に変換する。リレー33は、ONするとインバータ部31により変換された交流電力を、ケーブル4を介してプラグ10に出力し、さらに、プラグ10を介して商用電力系統6に出力する。又、リレー33をOFFすると交流電力は出力されない。
【0023】
制御部32は、太陽電池モジュール2が発電した電力を出力すると、その一部の電力を用いて動作する。この制御部32は、リレー33の接点33aとプラグ10間に印加される電圧、即ち、プラグ10がコンセント5に差し込まれたときの、コンセント5を介して印加される商用電力系統6の電圧を検出する。この商用電力系統6の電圧が検出されると、制御部32は、インバータ部31が電力変換を行うように制御すると共に、リレー33をONしてリレー33のリレー接点33aを閉じて、変換された交流電力を、ケーブル4を介してプラグ10に出力する。又、太陽電池モジュール2が出力しなくなると、制御部32はインバータ部31の電力変換を停止させると共に、リレー33をOFFしてリレー接点33aを開放して、電力変換部とプラグ10との間を切断する。商用電力系統6に接続されたコンセント5にプラグ10が接続されている状態下では、この切断により、上記のプラグ付電源装置1は、商用電力系統6との連系運転を停止することができる。
【0024】
又、制御部32は、プラグ10に印加される電圧の状態により商用電力系統6の停電を常に監視しており、この停電を検出すると、上記と同様に、リレー33をOFFしてリレー33のリレー接点33aを開放して、電力変換部3とプラグ10との間を切断する。この切断により、プラグ付電源装置1は商用電力系統6との連系運転を停止する。
【0025】
図2は、プラグ付電源装置1に使用されているプラグ10の外観を示しており、図2(a)は正面図、図2(b)は平面図、図2(c)は左側面図(前端面図)である。又、図3は、プラグ10がコンセント5に挿入されていない状態を示しており、図3(a)は図2(c)におけるA−A断面図、図3(b)は図2(c)におけるB−B断面図である。又、図4は、プラグ10がコンセント5に挿入されている状態を示しており、図4(a)は図2(c)におけるA−A断面図、図4(b)は図2(c)におけるB−B断面図である。
【0026】
図2、図3において、プラグ付電源装置1のプラグ10は、主として、プラグ本体19内に設けられた、2個の接続端子11,11、2個の中継端子12,12、2個の挿入検出ロッド13,13、2個の付勢バネ14,14、ロッド連結杆15、及び、2個のスライド接続片16,16で構成されている。この内、接続端子11,11、中継端子12,12、及び、スライド接続片16,16は、銅合金等の導電性の材料で形成されている。
【0027】
2個の接続端子11,11は、プラグ本体19に固定されており、その接続端子先端部11a,11aが、プラグ前端面17に垂直でプラグ前端面17から前方に突出していると共に、この接続端子先端部11a,11aがコンセント5に挿入される。又、接続端子後端部11b,11bは、プラグ本体19内に存在している。この2個の接続端子後端部11b,11bの後方で、接続端子後端部11b,11bと同一線上に、2個の中継端子12,12が配設されている。この中継端子12,12は、接続端子11,11と離間してプラグ本体19に固定されていると共に、その後端部にケーブル4がケーブル取付ネジ12a,12aで接続されている。上記の接続端子11,11は、プラグ10がコンセント5に挿入されない状態では、中継端子12,12と接続されないが、後述するように、プラグ10がコンセント5に挿入された状態では、接続端子11,11は、スライド接続片16,16を介して、中継端子12,12と接続される。
【0028】
接続端子11,11の外側方向下方には、接続端子11,11と平行に、角材状の2個の挿入検出ロッド13,13が、前後方向に移動可能に配設されており、挿入検出ロッド13,13の大部分は、プラグ本体19内に内蔵されている。挿入検出ロッド後端部13bは、プラグ本体19内に接続端子11,11と平行に設けられた2個の溝18,18内に、この溝18,18に対して前後にスライド可能に挿入されている。この溝18,18の後端面と挿入検出ロッド後端部13b,13bの後端面との間には、付勢バネ14,14が挿入されており、この付勢バネ14,14により挿入検出ロッド13,13は、前方へ付勢されている。このため、挿入検出ロッド先端部13a,13aは、接続端子11,11と同様に、プラグ前端面17から前方に突出しているが、この突出している部分の長さは、接続端子11,11よりも短い。
【0029】
前述した「挿入検出ロッドが元位置に存在している状態」とは、この挿入検出ロッド13,13が付勢バネ14,14により前方へ突出している状態をいう。即ち、挿入検出ロッド13,13の先端部13a,13aがプラグ10の前端面17から前方に向かって突出していると共に、挿入検出ロッド13,13の後端部13b,13bがプラグ10の内部に没入した状態である。又、挿入検出ロッド先端部13a,13aの前端面は、プラグ前端面17に平行な平面状であり、プラグ10がコンセント5に挿入されると、この前端面は、コンセント5の表面に当接する。
【0030】
上記の2個の挿入検出ロッド13,13は、プラグ本体19内で、相互に、ロッド連結杆15により連結されている。このロッド連結杆15の中央部分には、2個のスライド接続片固定部材16a,16aが上方に向かって垂設されており、このスライド接続片固定部材16a,16aの上端部には、スライド接続片16,16が固着されている。前述した「接続手段」は、これらの、ロッド連結杆15、2個のスライド接続片固定部材16a,16a、及び、2個のスライド接続片16,16で構成される部分に該当する。
【0031】
上記のスライド接続片16,16は、プラグ10がコンセント5に挿入されない状態では、スライド接続片16,16の前端部が、接続端子後端部11b,11bに接触しているが、スライド接続片16,16の後端部は、どこにも接触せず、従って、中継端子12,12にも接触していない。そこで、電力変換部3内の制御部32が、誤ってリレー33をONさせてプラグ10に交流電圧を印加させた場合に、接続端子11,11に人が触れても、感電することはない。
【0032】
プラグ10がコンセント5に挿入されると、最初に、接続端子先端部11a,11aの先端がコンセント5へ挿入される。この接続端子先端部11a,11aの長さの半分程度がコンセント5に挿入された時点で、挿入検出ロッド先端部13a,13aの前端面が、コンセント5の表面に当接して後方に向かって押圧される。そのため、挿入検出ロッド13,13は、後方に向かって押されて、挿入検出ロッド後端部13b,13bが、付勢バネ14,14の付勢に逆らって溝18,18内に押込まれ、最終的に、図4(a),(b)に示すように、挿入検出ロッド13,13全体が、プラグ本体19内に没入する。
【0033】
前述した「挿入検出ロッドが所定位置に存在している状態」とは、この挿入検出ロッド13,13が付勢バネ14,14の付勢に逆らって後方に向かって押されて、挿入検出ロッド後端部13b,13bが、溝18,18内に押込まれた状態を言う。即ち、挿入検出ロッド13,13の全体が、プラグ10の内部に没入した状態である。
【0034】
挿入検出ロッド13,13が、後方に向かって押されると、図4(a),(b)に示すように、この挿入検出ロッド13,13を連結しているロッド連結杆15、このロッド連結杆15に垂設されているスライド接続片固定部材16a,16a、及び、このスライド接続片固定部材16a,16aに固着されているスライド接続片16,16が、一体となって、挿入検出ロッド13,13に連動して後方に移動する。即ち、スライド接続片16,16は、その前端部が、接続端子後端部11b,11bと接触しながら、後方に移動し、接続端子後端部11b,11bとの接触状態を保ちつつ、スライド接続片16,16の後端部が、中継端子12,12の前端部と接触した状態となる。
【0035】
従って接続端子11,11は、スライド接続片16,16を介して中継端子12,12と接続されることになる。そのため、インバータ部31から出力され、中継端子12,12に接続されたケーブル4を介して中継端子12,12に印加される交流電力が、接続端子11,11に流れて、プラグ付電源装置1は商用電力系統6との連系運転が開始される。
【0036】
プラグ10がコンセント5に挿入された状態で、コンセント5から引き抜かれると、挿入検出ロッド先端部13a、13aの先端面が当接しているコンセント5の表面から、プラグ前端面17が離れると共に、プラグ前端面17が後退する。このプラグ前端面17の後退に対して、挿入検出ロッド先端部13a,13aの先端面は、付勢バネ14,14の付勢によりコンセント5の表面に当接し続けるので、相対的に、接続端子先端部11a,11aは、徐々にプラグ前端面17から突出し、接続端子先端部11a,11aが、その長さの半分程度コンセント5から引き抜かれた時点で、「挿入検出ロッド13,13が元位置に存在している状態」になる。
【0037】
すると、挿入検出ロッド13,13を連結しているロッド連結杆15、このロッド連結杆15に垂設されているスライド接続片固定部材16a,16a、及び、このスライド接続片固定部材16a,16aに固着されているスライド接続片16,16は、一体となって、挿入検出ロッド13,13に連動して前方に移動し、スライド接続片16,16の後端部が、中継端子12,12の前端部から瞬時に離れる。その結果、スライド接続片16,16の前端部は接続端子後端部11b,11bと接触しているが、スライド接続片16,16の後端部は中継端子12,12の前端部に接触していない状態となる。即ち、接続端子11,11は、中継端子12,12と切断されることになる。この切断された状態は、プラグ10がコンセント5から完全に引き抜かれた状態でも変わらず維持される。従って、プラグ10がコンセント5から引き抜かれて、電力変換部3内の制御部32が、系統電圧を検出していないにもかかわらず、誤ってリレー33をONさせたままでプラグ10に交流電圧を印加させている場合に、接続端子11,11に人が触れても、感電することはない。
【0038】
上記のプラグ付電源装置1によれば、プラグ10がコンセント5に挿入された挿入状態では、プラグ10の挿入検出ロッド13,13が所定位置に存在しており、接続端子11,11と中継端子12,12とが接続された状態であるが、プラグ10がコンセント5に挿入されていない非挿入状態では、挿入検出ロッド13,13が元位置に存在しており、接続端子11,11と中継端子12,12とが切断された状態である。従って、プラグ10がコンセント5に差し込まれていない状態では、プラグ10の導電部である接続端子11,11に電圧が印加されず、プラグ10に触れても感電する恐れをなくすることができる。即ち、このようなプラグ10を用いることにより、上記のプラグ付電源装置1の安全性を向上することができる。
【0039】
又、上記のプラグ付電源装置1の挿入検出ロッド13,13はシンプルな構造であるので、上記のプラグ付電源装置1におけるプラグ10の構造をシンプルに構成することができる。
【0040】
上記の実施の形態では、交流電力発生源としては、その例として、商用電力系統を想定して説明したが、独立した交流電力発生源でも構わなく、例えば、太陽電池や風力発電機等の自然エネルギーを利用した直流電源、若しくは、燃料電池やタービン発電機の直流出力を交流出力に変換した交流電力発生源でも構わない。
【図面の簡単な説明】
【0041】
【図1】本実施の形態におけるプラグ付電源装置の構成を示したブロック図である。
【図2】本実施の形態におけるプラグ付電源装置に使用されているプラグの外観を示しており、(a)は正面図、(b)は平面図、(c)は左側面図(前端面図)である。
【図3】本実施の形態におけるプラグ付電源装置に使用されているプラグがコンセントに挿入されていない状態を示しており、(a)は図2(c)におけるA−A断面図、(b)は図2(c)におけるB−B断面図である。
【図4】本実施の形態におけるプラグ付電源装置に使用されているプラグがコンセントに挿入されている状態を示しており、(a)は図2(c)におけるA−A断面図、(b)は図2(c)におけるB−B断面図である。
【図5】従来例の太陽電池を備えた電源装置の外観図である。
【符号の説明】
【0042】
1 プラグ付電源装置
10 プラグ
11 接続端子
11a 接続端子先端部
11b 接続端子後端部
12 中継端子
12a ケーブル取付ネジ
13 挿入検出ロッド
13a 挿入検出ロッド先端部
13b 挿入検出ロッド後端部
14 付勢バネ
15 ロッド連結杆
16 スライド接続片
16a スライド接続片固定部材
17 プラグ前端面
18 溝
19 プラグ本体
2 太陽電池モジュール
3 電力変換部
31 インバータ部
32 制御部
33 リレー
33a リレー接点
4 ケーブル
5 コンセント
5a コンセント表面
6 商用電力系統
101 電源装置
102 太陽電池モジュール
103 電力変換装置
104 プラグ
105 配線ケーブル
106 コンセント
107 商用電力系統

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電源装置とプラグとを備えており、該プラグは、交流電力発生源を備える電力系統に接続された配電用のコンセントに挿入されると共に、該プラグを介して、前記電源装置が前記電力系統に接続されて連系運転されるプラグ付電源装置であって、
前記プラグは、
該プラグに固定されていると共に先端部が該プラグの前端面から前方に向かって突出しており、該突出した先端部が前記コンセントに挿入される接続端子と、
該プラグに固定されており前記電源装置の出力が印加される中継端子と、
前記接続端子と前記中継端子との接続、切断を行う接続手段と、
前記接続端子の先端部がコンセントに挿入されていない非挿入状態から挿入されている挿入状態に移行すると、元位置から所定位置に移動し、前記挿入状態から前記非挿入状態に移行すると、前記所定位置から前記元位置に戻る挿入動作検知手段と、を備えており、
前記接続手段は、前記挿入動作検知手段の移動に連動して、該挿入動作検知手段が前記所定位置に移動すると前記接続を行い、該挿入動作検知手段が前記元位置に戻ると前記切断を行うことを特徴とするプラグ付電源装置。
【請求項2】
前記挿入動作検知手段は前方に向かって付勢された挿入検出ロッドで構成されており、
該挿入検出ロッドが前記元位置に存在している状態は、該挿入検出ロッドの先端部が前記プラグの前端面から前方に向かって突出していると共に、該挿入検出ロッドの後端部が前記プラグの内部に没入した状態であり、前記所定位置に存在している状態は、該挿入検出ロッドの全体が前記プラグの内部に没入した状態であり、
前記プラグが前記コンセントに挿入されると、該挿入検出ロッドの先端部の先端が前記コンセントの前面と接して後方に向かって押圧され、該挿入検出ロッドは、前記付勢に逆らって後方に向かって押込まれて前記プラグの内部に没入して、前記元位置から前記所定位置に移動し、
前記プラグが前記コンセントから引き出されると、該挿入検出ロッドは、前記付勢により前方に向かって移動し前端面から前方に向かって突出して、前記所定位置から前記元位置に戻る請求項1記載のプラグ付電源装置。
【請求項3】
前記電源装置は、直流電源と、該直流電源の直流出力を交流出力に変換する電力変換部とで構成されている請求項1又は2記載のプラグ付電源装置。
【請求項4】
前記直流電源は太陽電池である請求項3記載のプラグ付電源装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2007−59334(P2007−59334A)
【公開日】平成19年3月8日(2007.3.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−246307(P2005−246307)
【出願日】平成17年8月26日(2005.8.26)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】