説明

プラスチック中空板の連結構造、及びプラスチック中空板システム

【課題】軽量性及び剛性に優れたプラスチック中空板同士の連結作業を、別途専用の連結部材を用いることなく容易に行うことが可能なプラスチック中空板の連結構造を提供する。
【解決手段】各プラスチック中空板A、Bが、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体Pと、プラスチック板本体Pの開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体A1、B1とを備えたものであり、これら各プラスチック中空板A、Bの第1の線状封止体A1、B1に設けた凸部Tと凹部Uとを相互に係合させることによって、プラスチック中空板A、B同士を連結させるようにした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複数のプラスチック中空板を相互に連結する際に適用されるプラスチック中空板の連結構造、及び当該プラスチック中空板の連結構造を利用して複数の複数のプラスチック中空板を相互に連結してなるプラスチック中空板システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来より、軽量性や剛性に優れたプラスチック中空板は、建築材料や自動車の内装材など、種々の用途で活用されている。
【0003】
そして、このような特性を有するプラスチック中空板を複数枚連結して、所定の用途に用いることも考えられており、その一例として、出願人は、下記特許文献1に示すように、「合成樹脂製コンクリート型枠」を発明している。
【0004】
特許文献1に示す合成樹脂製コンクリート型枠は、略方形状をなすプラスチック板本体の各辺に補強用の枠部を一体に形成し、隣り合うプラスチック中空板の枠部同士を直接又は弾性部材を介して相互に押し付けた状態で、これら枠部同士を専用のクランプで固定することによって、隣り合うプラスチック中空板同士を連結させたものである。
【特許文献1】特開2005―350946号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に開示した態様は、プラスチック中空板同士を連結させるために、別途専用のクランプを用意しなければならず、連結作業が面倒であり、作業性に劣るという問題があった。
【0006】
本発明は、このような課題に着目してなされたものであって、主たる目的は、軽量性及び剛性に優れたプラスチック中空板同士の連結を別途専用の連結部材を用いることなく好適に行うことが可能なプラスチック中空板の連結構造、及びプラスチック中空板の連結構造を利用して複数のプラスチック中空板を連結してなるプラスチック中空板システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
すなわち、本発明のプラスチック中空板の連結構造は、複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるものであって、前記各プラスチック中空板が、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしていることを特徴とする。
【0008】
ここで、本発明、及び本明細書における「プラスチック板本体」とは、「プラスチック気泡ボード」、「プラスチック段ボール」、及び「プラスチック折り畳みハニカムボード」、これら全てを包含する概念である。
【0009】
「プラスチック気泡ボード」とは、例えばポリプロピレン等の樹脂をダイから溶融した状態で押し出したシートに、多数のキャップ状の突起を真空成形し、このキャップシートの底面と頂面にそれぞれ平坦なバックシート及びライナーシートを融着させて中空構造の板としてなる成形品をいう。また、「プラスチック段ボール」とは、プラスチックの溶融押し出しにより形成された2枚のシートとそれらを連結して平行に走る多数のリブとからなる成形品をいう。また、「プラスチック折り畳みハニカムボード」とは、プラスチックシートに所定ピッチで垂直方向の部分を与え、長手方向に順次折り重ねることによって形作られるハニカム構造を有する成形品をいう。
【0010】
このようなものであれば、別途専用の固定部材を要することなく、プラスチック板本体の端部を封止する第1の線状封止体に設けた係合部同士の係合によってプラスチック中空板同士を連結するため、従来のものと比較して、連結作業性に優れたものとなる。
【0011】
簡単な構造でありながら隣り合う前記プラスチック中空板同士を確実に連結させるための好適な実施態様としては、隣り合う前記プラスチック中空板のうち、一方のプラスチック中空板が、前記第1の線状封止体の前記係合部として凸部を適用したものであり、他方の前記プラスチック中空板が、前記第1の線状封止体の前記係合部として前記凸部に係合可能な凹部を適用したものである態様が挙げられる。
【0012】
また、本発明のプラスチック中空板の連結構造は、連結態様や連結方向に応じて複数種類のプラスチック中空板から適宜のプラスチック中空板を選択して連結することが可能であり、バリエーションに富む連結態様を簡単に実現できる。
【0013】
なお、プラスチック中空板の他の態様については、〈発明を実施するための最良の形態〉にて詳述する。
【0014】
前記係合部が前記線状封止体の長手方向全域に形成されたものであれば、係合部同士の係合領域を有効に稼ぐことができ、係合部同士の組付強度の向上を図ることができる。
【0015】
加えて、隣り合うプラスチック中空板のうち一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、プラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を介して、これらプラスチック中空板同士を連結可能にすれば、プラスチック中空板同士を所望の相対角度で連結することが可能となる。
【0016】
角度調整部材の好適な実施態様としては、一方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第1連結部を有する第1連結体と、他方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第2連結部を有する第2連結体と、これら第1連結体と第2連結体とを相対回転可能に連結するヒンジ軸とを備えたものが挙げられる。
【0017】
また、角度調整部材の他の好適な実施態様としては、一方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第1連結部を有する第1連結体と、他方プラスチック中空板の係合部に連結可能な第2連結部を有する第2連結体とを備え、これら第1連結体と第2連結体とを相対角度変更不能に固定したものが挙げられる。この場合、前記第1連結体と前記第2連結体との相対角度がそれぞれ異なる複数の前記角度調整部材から選択した一又は複数の角度調整部材を、隣り合う前記プラスチック中空板の係合部間に介在可能にしていることが好ましい。
【0018】
一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、前記角度調整部材を複数介在させるようにすれば、連結強度の向上に資する。
【0019】
また、前記各プラスチック中空板が、隣り合う前記各線状封止体の端部間に、これら端部同士を接続し得る状態で配されるコーナー接続体を備えたものであれば、隣り合う線状封止体の端部間に形成される隙間をコーナー接続体によって詰めることができ、良好な外観を呈するとともに、プラスチック中空板をモジュール化することが可能である。
【0020】
線状封止体とコーナー接続体とを一体的に接続する態様としては、前記各線状封止体にコーナー接続用第1係合部を設け、前記各コーナー接続体に前記コーナー接続用第1係合部に係合可能なコーナー接続用第2係合部を設け、これら係合部同士を係合させるようにすればよい。
【0021】
また、本発明に係るプラスチック中空板システムは、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えた複数のプラスチック中空板を、上述したプラスチック中空板の連結構造により相互に連結してなることを特徴とする。
【0022】
このようなものであれば、プラスチック中空板同士を簡単に連結することができ、種々の用途に応用可能な実用性に富むプラスチック中空板システムとなる。
【0023】
また、本発明のプラスチック中空板の連結構造は、複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるものであって、前記各プラスチック中空板が、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、各プラスチック中空板の係合部が、各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体の長手方向略全域に形成されたものであり、隣り合うプラスチック中空板のうち一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、プラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を介して、これらプラスチック中空板同士を連結可能にし、前記角度調整部材が、各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体の長手寸法と略同一寸法を有する長尺のものであることを特徴とする。
【0024】
このようなものであれば、単一の角度調整部材によって、隣り合うプラスチック中空板同士を所定の相対角度で連結することができ、隣り合うプラスチック中空板同士を複数の角度調整部材で連結する態様と比較して、部品点数の削減を図ることができる。
【0025】
また、本発明のプラスチック中空板の連結構造は、複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるものであって、前記各プラスチック中空板が、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、隣り合うプラスチック中空板のうち一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、プラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を介して、これらプラスチック中空板同士を連結可能にし、前記角度調整部材が、一方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第1連結部を有する第1連結体と、他方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第2連結部を有する第2連結体とを備えたものであり、前記角度調整部材の前記第1連結部又は前記第2連結部の少なくとも何れか一方が、前記係合部に連結した状態において、当該連結部位を軸とするプラスチック中空板の首振動作を許容するものであることを特徴とする。
【0026】
このようなものであれば、連結部位を軸としてプラスチック中空板を首振動作させることにより、角度調整部材とプラスチック中空板との連結角度を変更することができ、角度調整部材を介して隣り合うプラスチック中空板同士の相対角度を使用態様や設置場所等に応じて容易に変更することが可能となり、応用性に優れたものとなる。
【0027】
特に、前記連結部又は前記係合部の何れか一方が、断面視略部分円弧状の凹部であり、他方が前記凹部に引っ掛け可能な断面視略円弧状の引っ掛け部を突出端部に有する凸部であり、前記引っ掛け部を前記凹部に引っ掛けた状態で当該引っ掛け部を前記凹部内において相対回動可能にすれば、簡単な構造でプラスチック中空板の首振動作を実現することができる。
【0028】
この場合の好適な実施態様としては、前記凹部のうち前記凸部側に開口する開口部の開口巾寸法を、前記凸部の基端部の厚み寸法よりも大きく設定することにより引っ掛け部の相対回動を許容している態様が挙げられる。このような態様であれば、凹部の開口巾寸法を調節することによって、凹部内における引っ掛け部の相対回動可能な範囲、ひいてはプラスチック中空板の首振動作可能な可動領域を簡単に規定することができる。
【0029】
また、本発明のプラスチック中空板の連結構造は、複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるものであって、前記各プラスチック中空板が、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、前記各係合部同士を相互に係合させた状態において、当該係合部位を軸とするプラスチック中空板の首振動作を許容していることを特徴とする。
【0030】
このようなものであれば、係合部位を軸としてプラスチック中空板を首振動作させることにより、上述した角度調整部材を要さずとも使用態様や設置場所等に応じてプラスチック中空板同士の相対角度を容易に変更することが可能となり、応用性に優れたものとなる。
【0031】
また、本発明のプラスチック中空板の連結構造は、複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるものであって、前記各プラスチック中空板が、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、前記各係合部が、各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体の長手方向略全域に形成されたものであり、且つ係合部同士を係合させた状態において相互に係わり合う係合部本体と、他方の係合部の係合部本体が通過可能な逃げ部とをその長手方向に沿って同一ピッチで交互に有するものであることを特徴とする。
【0032】
長尺な係合部同士を係合させる際に、一方の係合部を他方の係合部の長手方向に沿った端部から挿入して係合させる態様であれば、プラスチック中空板のサイズが大きくなればなるほど各係合部の長手寸法も大きくなり、それら係合部同士を係合させる作業自体が大掛かりなものとなり、スムーズに行うことができないという問題がある。また、このことは、一旦係合させた係合部同士の係合状態を解除する作業も大掛かりなものになることを意味する。これに対し、本発明は、各係合部がその長手方向に沿って係合部本体と逃げ部とを交互に備えたものであるため、係合部同士を係合させる際には、一方の係合部の係合部本体と、他方の係合部の逃げ部とが対面するように位置付け、係合部本体を逃げ部から挿入し、この状態で各係合部の係合部本体同士が係合する位置までプラスチック中空板同士を係合部の長手方向に沿って相対移動させることによって、係合部同士を係合させることができるとともに、一旦係合させた係合部同士の係合状態を解除する場合には、上記とは逆の手順、すなわち、各係合部の係合部本体同士が係合している位置から、一方の係合部の係合部本体と、他方の係合部の逃げ部とが対面する位置までプラスチック中空板同士を係合部の長手方向に沿って相対移動させ、この状態で係合部本体を逃げ部から逃がすことによって簡単に行うことができる。
【0033】
また、本発明のプラスチック中空板の連結構造は、前記各プラスチック中空板が、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、さらに、これら各プラスチック中空板同士の間に配され、且つプラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を備え、各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部を、前記角度調整部材に設けた連結部にそれぞれ係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものである。そして、前記各プラスチック中空板が、前記係合部として凸部を適用したものであり、前記角度調整部材が、前記連結部として前記凸部に係合可能な凹部を適用したものであり、前記凸部が、外方端部に向かって相寄る方向に漸次傾斜する一対の第1テーパ面と、各第1テーパ面の内方端部同士を結ぶ位置に設けられた引っ掛け部とを一体に有するものであり、前記凹部が、前記一対の第1テーパ面に対応する第2テーパ面と、前記引っ掛け部が引っ掛かり得る開口部とを一体に有する弾性変形可能なものであり、前記凸部を前記凹部に圧入して前記開口部の開口寸法を拡開させる方向に凹部を弾性変形させ、前記引っ掛け部が前記開口部を通過し終えた時点で凹部が弾性復帰することにより、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ前記引っ掛け部が前記開口部に引っ掛かるように構成していることを特徴とする。
【0034】
このようなものであれば、角度調整部材とプラスチック中空板とを連結する際に、角度調整部材とプラスチック中空板とを連結方向に相互に近付けて、凸部を凹部に圧入することにより、凹部に対する凸部の挿入程度に応じて第1テーパ面が開口部の開口寸法を順次拡開する方向へ押圧することになり、その結果、凹部が弾性変形して、凸部の凹部内への挿入を許容しつつ、引っ掛け部が前記開口部を通過し終えた時点で凹部が弾性復帰することにより、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ前記引っ掛け部が前記開口部に引っ掛かるようになり、凸部が反挿入方向へ抜け外れることを規制した良好な係合状態を実現できる。
【0035】
このように、本発明に係るプラスチック中空板の連結構造であれば、係合部及び連結部がともに長尺なものであっても、係合部を連結部に連結する際に、係合部と連結部とが対面するように位置付け、係合部を構成する凸部の外方端部(換言すれば凸部の先端部)から、連結部を構成する凹部に連結方向に沿って挿入することによって、係合部を連結部に係合させて連結することができる。したがって、係合部及び連結部がともに長尺なものである場合に、係合部を連結部の長手方向に沿った端部から挿入して係合させる態様であれば、プラスチック中空板のサイズが大きくなればなるほど係合部の長手寸法も大きくなり、係合部を連結部に連結する作業自体が大掛かりなものとなり、スムーズに行うことができないが、本発明のプラスチック中空板連結構造であれば、係合部を連結部に連結させる作業を第1のテーパ面を利用してスムーズに行うことができるとともに、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ前記引っ掛け部が前記開口部に引っ掛かる係合状態において、凸部が反挿入方向へ抜け外れることを規制し、不意に解除できない良好な係合状態を実現できる。さらに、プラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を介して、これらプラスチック中空板同士を連結可能にしているため、プラスチック中空板同士を所望の相対角度で連結することが可能となる。
【0036】
特に、前記角度調整部材が、それぞれ異なる方向に開口する前記凹部を複数備えたものであれば、単一の角度調整部材に、複数枚の前記プラスチック中空板を所望の方向に連結することが可能となり、連結態様の巾が広がり、種々のニーズに柔軟に応えることができるものとなる。好適な実施態様としては、角度調整部材が、それぞれ異なる方向に開口する前記凹部を3つ備え、3枚の前記プラスチック中空板を略T字状又は略Y字状に連結可能なものである態様や、角度調整部材が、それぞれ異なる方向に開口する前記凹部を4つ備え、4枚の前記プラスチック中空板を略十字状又は略X字状に連結可能なものである態様が挙げられる。
【0037】
また、本発明に係るプラスチック中空板システムは、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えた複数のプラスチック中空板を、上述したプラスチック中空板の連結構造により相互に連結してなることを特徴とする。
【0038】
このようなものであれば、プラスチック中空板同士を角度調整部材を介して簡単に連結することができ、種々の用途に応用可能な実用性に富むプラスチック中空板システムとなる。
【0039】
好適なプラスチック中空板システムとしては、前記各プラスチック中空板が、前記プラスチック板本体のうち前記第1の線状封止体を配した一辺と対向する一辺に、第1の線状封止体と略同一の第2の線状封止体を配したものであり、複数の前記プラスチック中空板を連結した状態において、前記角度調整部材の連結部に連結されずに露出している前記凸部を被覆し得るキャップ部材を備え、当該キャップ部材に、前記連結部の凹部と略同一の凹部を設けている態様が挙げられる。このようなものであれば、対向する両辺にそれぞれ線状封止体を設けた複数のプラスチック中空板を、角度調整部材を介して連結して壁構造体を構築した場合に、壁構造体の端部に露出する凸部をキャップ部材で被覆することにより、良好な外観を呈する壁構造体となる。さらに、キャップ部材に、角度調整部材の連結部の凹部と略同一の凹部を設けているため、プラスチック中空板と角度調整部材とを相互に連結する作業と同じ作業によって、プラスチック中空板とキャップ部材とを相互に組み付けることができ、作業の効率化及び良好な被覆状態(組付状態)を実現することができる。
【0040】
さらに、前記第1の線状封止体及び前記第2の線状封止体が、又は何れか一方の線状封止体が、略角パイプ状の封止体本体を備え、当該封止体本体の外方端部から前記凸部を外方に向かって突出させているものであれば、略角パイプ状の封止体本体により線状封止体の剛性を高めることができ、耐衝撃性も向上する。
【0041】
また、本発明に係るプラスチック中空板の連結構造は、複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるプラスチック中空板の連結構造であって、前記各プラスチック中空板が、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、隣り合う前記プラスチック中空板のうち、一方のプラスチック中空板が、前記第1の線状封止体の前記係合部として凸部を適用したものであり、他方の前記プラスチック中空板が、前記第1の線状封止体の前記係合部として、前記凸部に係合可能な凹部を適用したものであり、前記凸部が、外方端部に向かって相寄る方向に漸次傾斜する一対の第1テーパ面と、各第1テーパ面の内方端部同士を結ぶ位置に設けられた引っ掛け部とを一体に有するものであり、前記凹部が、前記一対の第1テーパ面に対応する第2テーパ面と、前記引っ掛け部が引っ掛かり得る開口部とを一体に有する弾性変形可能なものであり、前記凸部を前記凹部に圧入して前記開口部の開口寸法を拡開させる方向に凹部を弾性変形させ、前記引っ掛け部が前記開口部を通過し終えた時点で凹部が弾性復帰することにより、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ前記引っ掛け部が前記開口部に引っ掛かるように構成していることを特徴とする。
【0042】
このようなものであれば、連結するプラスチック中空板同士を連結方向に相互に近付けて、凸部を凹部に圧入することにより、凹部に対する凸部の挿入程度に応じて第1テーパ面が開口部の開口寸法を順次拡開する方向へ押圧することになり、その結果、凹部が弾性変形して、凸部の凹部内への挿入を許容しつつ、引っ掛け部が前記開口部を通過し終えた時点で凹部が弾性復帰することにより、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ前記引っ掛け部が前記開口部に引っ掛かるようになり、凸部が反挿入方向へ抜け外れることを規制した良好な係合状態を実現できる。
【0043】
このように、本発明に係るプラスチック中空板の連結構造であれば、各プラスチック中空板の係合部がともに長尺なものであっても、係合部同士を係合させる際に、係合部同士が対面するように位置付け、一方の係合部である凸部の外方端部(換言すれば凸部の先端部)から、他方の係合部である凹部に連結方向に沿って挿入することによって、係合部同士が係合し、プラスチック中空板同士を連結することができる。したがって、各プラスチック中空板の係合部がともに長尺なものである場合に、一方の係合部を他方の係合部の長手方向に沿った端部から挿入して係合させる態様であれば、プラスチック中空板のサイズが大きくなればなるほど係合部の長手寸法も大きくなり、係合部同士を係合させる作業自体が大掛かりなものとなり、スムーズに行うことができないが、本発明のプラスチック中空板連結構造であれば、係合部同士を連結させる作業を第1のテーパ面を利用してスムーズに行うことができるとともに、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ前記引っ掛け部が前記開口部に引っ掛かる係合状態において、凸部が反挿入方向へ抜け外れることを規制し、不意に解除できない良好な係合状態を実現できる。
【0044】
また、本発明に係るプラスチック中空板システムは、端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えた複数のプラスチック中空板を、上述したプラスチック中空板の連結構造により相互に連結してなることを特徴とする。
【0045】
このようなものであれば、プラスチック中空板同士を簡単に連結することができ、種々の用途に応用可能な実用性に富むプラスチック中空板システムとなる。
【発明の効果】
【0046】
以上説明したように本発明によれば、軽量性及び剛性に優れたプラスチック中空板同士の連結作業を、別途専用の連結部材を用いることなく容易に行うことができ、様々な用途に応用可能なものとなる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下、本発明の一実施形態を、図面を参照して説明する。
【0048】
本実施形態に係るプラスチック中空板の連結構造は、図1及び図2に示すように、複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるものであり、この連結構造を利用して、複数のプラスチック中空板を相互に連結してなるプラスチック中空板システムXを構成している。
【0049】
本実施形態に用いられる各プラスチック中空板は、図1及び図2に示すように、概略正方形状のプラスチック板本体Pを主体としてなり、当該プラスチック板本体Pの開放された端部を封止可能な後述する線状封止体の数や、各線状封止体に設ける係合部の形状にバリエーションを持たせることによって、種々の連結態様を実現し得るものである。
【0050】
本実施形態では、プラスチック板本体Pとして、「プラスチック気泡ボード」を適用している。このプラスチック板本体Pは、図3に示すように、多数のキャップ状の突起を有するキャップシートP1と、キャップシートP1を挟むように底面側及び頂面側に配される平坦なバックシートP2及びライナーシートP3とを一体的に備えた3層状のものである。プラスチック板本体Pは、製造工程において適宜の寸法に裁断され、端部は開放されている。
【0051】
相互に連結可能なプラスチック中空板のうち、一方のプラスチック中空板Aは、プラスチック板本体Pの端部を形成する四辺のうち一辺を封止可能な第1の線状封止体A1を備えたものである。なお、線状封止体を説明するにあたって以下に用いる「内方端」とは「相対的にプラスチック板本体Pの端部(辺)に近い方の端」を指し、「外方端」とは「相対的にプラスチック板本体Pの端部(辺)から遠い方の端」を指す。
【0052】
第1の線状封止体A1は、プラスチック板本体Pの一辺の全域又は略全域を封止可能な略直線状をなす樹脂製のものである。本実施形態の線状封止体は、図4に示すように、中空状をなし、プラスチック板本体Pの端部に接合した状態においてプラスチック板本体Pの表面(ライナーシートP3)と略面一をなす表面部A11と、プラスチック板本体Pの裏面(バックシートP2)と略面一をなす裏面部A12と、表面部A11及び裏面部A12の外方端部近傍領域同士を接続し、且つ他の部位よりも肉厚な外面部A13とを備えたものである。第1の線状封止体A1は、内方端部をプラスチック板本体Pの端部に突き当てた状態で接合可能なものであり、外方端部(具体的には前記外面部A13)に、他の部位より外方に突出させ、且つ係合部として機能する凸部Tを設けている。凸部Tは、第1の線状封止体A1の長手方向全域に設けられている。本実施形態では、凸部Tとして、単純な直線体状のものを適用している。なお、図1では、便宜上、凸部Tにパターン付している。また、第1の線状封止体A1は、外面部A13のうち、表面部A11との境界近傍領域、及び裏面部A12との境界近傍領域に、それぞれ厚み方向に広がりを有する部分円弧状のアール部A14を形成している。
【0053】
他方のプラスチック中空板Bは、プラスチック板本体Pの端部を形成する四辺のうち一辺を封止可能な第1の線状封止体B1を備えたものである。
【0054】
第1の線状封止体B1は、図4に示すように、中空状をなし、プラスチック板本体Pの端部に接合した状態においてプラスチック板本体Pの表面(ライナーシートP3)と略面一をなす表面部B11と、プラスチック板本体Pの裏面(バックシートP2)と略面一をなす裏面部B12と、表面部B11及び裏面部B12の外方端部近傍領域同士を接続し、且つ他の部位よりも肉厚な外面部B13とを備えたものである。第1の線状封止体B1は、内方端部をプラスチック板本体Pの端部に突き当てた状態で接合可能なものであり、外方端部(具体的には前記外面部B13)に、他の部位より外方に突出させ、且つ係合部として機能し、前記凸部Tに係合可能な凹部Uを設けている。凹部Uは、第1の線状封止体B1の長手方向全域に設けられている。本実施形態では、凹部Uとして、単純な凹溝を適用している。また、第1の線状封止体B1は、前記第1の線状封止体A1同様に、外面部A13のうち、表面部B11との境界近傍領域、及び裏面部B12との境界近傍領域に、それぞれ厚み方向に広がりを有する部分円弧状のアール部B14を形成している。
【0055】
これら各線状封止体A1、B1は、それぞれプラスチック板本体Pの一辺に適宜の接合手段、例えば熱融着によって一体的に接合されている。
【0056】
そして、一方のプラスチック中空板Aの凸部Tと、他方のプラスチック中空板Bの凹部Uとを相互に凹凸係合させることによって、これらプラスチック中空板A、B同士が相互に連結してなるプラスチック中空板システムXとなる。
【0057】
なお、本実施形態に係るプラスチック中空板の連結構造、及びプラスチック中空板システムは、このような基本形を有するプラスチック中空板A、Bの他、以下に述べる種々のプラスチック中空板を適用することが可能である。
【0058】
〈プラスチック中空板の第1変形例:請求項3に対応〉
第1変形例に係る各プラスチック中空板A、Bは、図5に示すように、上述した基本形の各プラスチック中空板A、Bと比較して、プラスチック板本体Pの前記一辺と対向する一辺を封止可能な第2の線状封止体A2、B2を備えたものである点で構成上の差異を有している。
【0059】
一方のプラスチック中空板Aに設けた第2の線状封止体A2は、他方のプラスチック中空板Bに設けた前記第1の線状封止体B1と略同一構造・同一形状のものである。すなわち、この第2の線状封止体A2は、係合部として凹部Uを備えたものである。
【0060】
他方のプラスチック中空板Bに設けた第2の線状封止体B2は、一方のプラスチック中空板Aに設けた前記第1の線状封止体A1と略同一構造・同一形状のものである。すなわち、この第2の線状封止体B2は、係合部として凸部Tを備えたものである。
【0061】
〈プラスチック中空板の第2変形例:請求項4に対応〉
第2変形例に係るプラスチック中空板A、Bは、図6に示すように、上述した基本形の各プラスチック中空板A、Bと比較して、各プラスチック中空板A、Bが、プラスチック板本体Pの残りの二辺のうち一方の辺を封止可能な第3の線状封止体A3、B3と、他方の辺を封止可能な第4の線状封止体A4、B4と、隣り合う線状封止体の端部間に、これら端部同士を接続し得る状態で配されるコーナー接続体Cとを備えたものである点で構成上の差異を有している。
【0062】
本変形例では、各第3の線状封止体A3、B3として、一方のプラスチック中空板Aに設けた前記第1の線状封止体A1と略同一構造・同一形状のものを適用するとともに、各第4の線状封止体A4、B4として、他方のプラスチック中空板Bに設けた前記第1の線状封止体B1と略同一構造・同一形状のものを適用している。
【0063】
したがって、第2変形例に係る各プラスチック中空板A、Bは、隣り合う二辺の組み合わせのうち、一方の組の二辺に凸部Tを有するものとなり、他方の組の二辺に凹部Uを有するものとなり、向きを合わせて厚み方向に重ねた場合に形状が一致する。このことは、すなわち、本変形例に係るプラスチック中空板A、Bが、相互に略同一構造・同一形状のものであることを意味する。
【0064】
コーナー接続体Cは、図7及び図8に示すように、面方向に広がりを有する部分円弧状の第2コーナーアール部C6を備えた概略扇状をなすものである。このコーナー接続体Cは、中空状をなし、線状封止体の端部に連結した状態において線状封止体の表面部と略面一をなすコーナー表面部C1と、線状封止体の裏面部と略面一をなすコーナー裏面部C2と、コーナー表面部C1及びコーナー裏面部C2の縁部のうち円弧状部分同士を接続するコーナー外面部C3と、コーナー表面部C1及びコーナー裏面部C2の縁部のうち辺部分同士を接続し、各線状封止体の端部と対面し得る一対の対面部C4とを備えたものである。そして、コーナー外面部C3のうち、コーナー表面部C1との境界近傍領域、及びコーナー裏面部C2との境界近傍領域に、各線状封止体のアール部と同形状の第1コーナーアール部C5を形成している(図8参照)。さらに、各対面部C4に、線状封止体の端部に設けたコーナ接続用第1係合部(図示省略)に係合可能なコーナー接続用第2係合部C7を設けている。本実施形態では、コーナー接続用第1係合部を第1凸部と第1凹部とから構成し、コーナー接続用第2係合部C7を、前記第1凸部に係合可能な第2凹部C7aと、前記第1凹部に係合可能な第2凸部C7bとによって構成している。本実施形態では、コーナー接続体Cとして、射出成形による一体品を適用している。
【0065】
〈プラスチック中空板の第3変形例:請求項5及び6に対応〉
第3変形例に係るプラスチック中空板A、Bは、図9に示すように、上述した基本形の各プラスチック中空板A、Bと比較して、各プラスチック中空板A、Bが、プラスチック板本体Pの前記一辺と対向する一辺を封止可能な第2の線状封止体A2x、B2xを備えたものである点で構成上の差異を有し、第1変形例と比較して、一方のプラスチック中空板Aに設けた第2の線状封止体A2xが、対向する第1の線状封止体A1と略同一構造・同一形状のものである点、及び他方のプラスチック中空板Bに設けた第2の線状封止体B2xが対向する第1の線状封止体B1と略同一構造・同一形状のものである点で構成上の差異を有している。
【0066】
すなわち、第3変形例に係る一方のプラスチック中空板Aは、対向する二辺に凸部Tを有するものであり、他方のプラスチック中空板Bは、対向する二辺に凹部Uを有するものである。
【0067】
〈プラスチック中空板の第4変形例:請求項7及び8に対応〉
第4変形例に係るプラスチック中空板A、Bは、図10に示すように、第3変形例と比較して、各プラスチック中空板A、Bが、プラスチック板本体Pの残りの二辺のうち一方の辺を封止可能な第3の線状封止体A3x、B3xと、他方の辺を封止可能な第4の線状封止体A4x、B4xと、隣り合う線状封止体の端部間に、これら端部同士を接続し得る状態で配されるコーナー接続体Cとを備えたものである点で構成上の差異を有している。コーナー接続体Cは、前述のものと同一のものであるため詳細な説明は省略する。
【0068】
本変形例では、一方のプラスチック中空板Aの第3の線状封止体A3x、及び第4の線状封止体A4xとして、前記第1の線状封止体A1と略同一構造・同一形状のものを適用するとともに、他方のプラスチック中空板Bの第3の線状封止体B3x、及び第4の線状封止体B4xとして、前記第1の線状封止体B1と略同一構造・同一形状のものを適用している。
【0069】
すなわち、第4変形例に係る一方のプラスチック中空板Aは、四辺全てに凸部Tを有するものであり、他方のプラスチック中空板Bが、四辺全てに凹部Uを有するものである。
【0070】
〈プラスチック中空板の第5変形例:請求項9及び10に対応〉
第5変形例に係るプラスチック中空板A、Bは、図11に示すように、第4変形例と比較して、一方のプラスチック中空板Aの第3の線状封止体A3y、及び第4の線状封止体A4yとして、前記第1の線状封止体B1と略同一構造・同一形状のものを適用するとともに、他方のプラスチック中空板Bの第3の線状封止体B3y、及び第4の線状封止体B4yとして、前記第1の線状封止体A1と略同一構造・同一形状のものを適用している点で構成上の差異を有している。
【0071】
したがって、各プラスチック中空板A、Bは、対向する二辺の組み合わせのうち、一方の組の二辺に凸部Tを有するものとなり、他方の組の二辺に凹部Uを有するものとなり、向きを合わせて厚み方向に重ねた場合に形状が一致する。このことは、すなわち、本変形例に係るプラスチック中空板A、Bが、相互に略同一構造・同一形状のものであることを意味する。
【0072】
しかして、本実施形態に係るプラスチック中空板の連結構造は、連結枚数や連結方向に応じて、上述した種々のプラスチック中空板から選択したプラスチック中空板A、B同士を、凸部Tと凹部Uとの凹凸係合により簡単且つスムーズに連結させることができ、連結態様のバリエーションも増大する。また、連結したプラスチック中空板を共通のバックアップ部材(図示省略)で補強することにより、複数のプラスチック中空板を連結してなるプラスチック中空板の連結システムX全体の強度を有効に高めることができる。バックアップ部材としては、例えば長尺の棒部材が挙げられる。
【0073】
このように、本実施形態に係るプラスチック中空板の連結構造は、プラスチック中空板A、B同士の連結作業を簡単に行うことができ、作業性に優れ、汎用的利用が可能となり、このようなプラスチック中空板の連結構造を利用して、用途に応じたサイズに設定したプラスチック中空板システムXは、例えば、コンクリート型枠や、作業箇所の周囲を保護するいわゆる養生材、或いはパーティション等の用途に適したものとなる。この場合、各プラスチック中空板A、B同士の連結作業、及び連結状態を解除する作業を現場で行うことができ、搬入・搬出時の便にも資する。
【0074】
加えて、係合部として機能する凸部T及び凹部Uをそれぞれ線状封止体の長手方向全域に形成しているため、係合部同士の係合領域を有効に稼ぐことができ、これら凸部Tと凹部Uとの係合強度を有効に向上させることができる。
【0075】
さらに、本実施形態では、凹部Uの窪み寸法を、線状封止体の短手寸法(内方端から外方端までの寸法)の略半分に設定するとともに、凸部Tの突出寸法を凹部Uの窪み寸法と略同一又は若干小さく設定しているため、線状封止体に対する凸部Tの挿入量(呑み込み量)も大きくなり、良好な係合状態を実現できる。
【0076】
また、四辺全てを線状封止体によって封止した各プラスチック中空板A、B(変形例2、4及び5)が、隣り合う前記各線状封止体の端部間に、これら端部同士を接続し得る状態で配されるコーナー接続体Cを備えたものであるため、隣り合う線状封止体の端部間に形成される隙間をコーナー接続体Cによって詰めることができ、良好な外観を呈するとともに、各プラスチック中空板ごとにモジュール化するも可能となる。殊に、本実施形態では、コーナー接続体Cが第1コーナーアール部C5、及び第2コーナーアール部C6を有し、3次元的に丸みを帯びたものとなり、各プラスチック中空板A、Bの取り扱い性及び安全性を有効に高めることができる。
【0077】
加えて、各線状封止体にコーナー接続用第1係合部を設け、各コーナー接続体Cにコーナー接続用第1係合部に係合可能なコーナー接続用第2係合部C7を設けているため、これらコーナー接続用係合部同士を相互に係合させるという簡単な作業によって線状封止体とコーナー接続体Cとを一体的に組み付けることができる。
【0078】
なお、本発明は、以上に詳述した実施形態に限られるものではない。
【0079】
例えば、隣り合うプラスチック中空板のうち一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、プラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を介して、これらプラスチック中空板同士を連結させてもよい。
【0080】
角度調整部材の具体的な実施形態としては、図12に示すように、一方の係合部に連結可能な第1連結部J11を有する第1連結体J1と、他方の係合部に連結可能な第2連結部J21を有する第2連結体J2と、これら第1連結体J1と第2連結体J2とを相対回転可能に連結するヒンジ軸J3とを備えたもの(角度調整部材J)が挙げられる。この角度調整部材Jは、第1連結部J11として前記凹部Uと同一形状のものを適用し、第2連結部J21として前記凸部Tと同一形状のものを適用している。
【0081】
そして、図13に示すように、第1連結部J11と一方のプラスチック中空板Aの係合部(凸部T)とを係合させるとともに、第2連結部J21と他方のプラスチック中空板Bの係合部(凹部U)とを係合させて、一方のプラスチック中空板Aと他方のプラスチック中空板Bとを連結した場合には、第1連結体J1と第2連結体J2との相対角度変化に応じて隣り合うプラスチック中空板A、B同士の相対角度変化を変化させることができる。本実施形態では、第1連結体J1と第2連結体J2との相対角度を無段階に角度調整できるようにしている。なお、図13では、複数の角度調整部材Jを、第1の線状封止体A1、第1の線状封止体B1の長手方向に沿って所定距離離間させて取り付けている。
【0082】
このように、角度調整部材Jを介してプラスチック中空板A、B同士を連結することにより、用途や設置スペースに応じてこれらプラスチック中空板A、Bの相対角度変化を簡単に変化させることができるとともに、何れか一方のプラスチック中空板を、回転扉として機能させることも可能となる。
【0083】
また、六面体を展開した状態にプラスチック中空板を配置し、この展開状態で隣り合うプラスチック中空板同士を角度調整部材Jを介して連結した場合、各角度調整部材Jを利用して隣り合うプラスチック中空板の相対角度をそれぞれ略90度にすることにより、六面体を形作ることができる。プラスチック中空板の数を減らすことにより、一方向又は二方向に開口した箱状のものを形作ることも可能である。
【0084】
角度調整部材として、図14に示すように、一方の係合部に連結可能な第1連結部J11xを有する第1連結体J1xと、他方の係合部に連結可能な第2連結部J21xを有する第2連結体J2xとを備え、これら第1連結体J1xと第2連結体J2xとを相対角度変更不能に固定したもの(角度調整部材Jx)を適用してもよい。この場合、角度調整部材Jxが例えば樹脂製の一体品であることが好ましい。図14に示す角度調整部材Jxは、第1連結体J1xと前記第2連結体J2xとの相対角度を略90度に設定したものであり、このような角度調整部材Jxを隣り合うプラスチック中空板の係合部間に介在させることによって、隣り合うプラスチック中空板同士の相対角度が、第1連結体J1と前記第2連結体J2との相対角度と略同一、すなわち略90度となる。
【0085】
さらに、第1連結体と第2連結体との相対角度がそれぞれ異なる複数の角度調整部材を用意しておき、これらの中から選択した一又は複数の角度調整部材を隣り合うプラスチック中空板の係合部間に介在させることにより、プラスチック中空板同士の相対角度を変更するようにしても構わない。このような角度調整部材の一例として、図15に示す、第1連結体J1yと第2連結体J2yとの相対角度を略120度に設定した角度調整部材Jyや、図16に示す、第1連結体J1zと第2連結体J2zとの相対角度を略180度に設定した角度調整部材Jzが挙げられる。なお、第1連結体と第2連結体との相対角度を他の値に設定した角度調整部材を適用しても勿論構わない。
【0086】
図12、図14〜図16に示す各角度調整部材J、Jx、Jy、Jzは、第1連結部J11、J11x、J11y、J11zとして凹部を適用し、第2連結部J21、J12x、J12y、J12zとして凸部を適用したものであるが、角度調整部材として、第1連結部及び第2連結部の何れもが凹部、又は何れもが凸部であるものを適用してもよい。このような角度調整部材を適用することにより、隣り合うプラスチック中空板の係合部が凸同士、又は凹同士であっても、これら係合部間に角度調整部材を介在させることによってプラスチック中空板同士を連結することができる。
【0087】
各連結部の形状は、プラスチック中空板の係合部の形状に対応させたものであればよく、例えば、連結部が凸部である場合、凸部の突出端部に、断面視略円弧状又は台形状等の引っ掛け部を有するものであってもよい。
【0088】
さらに、角度調整部材が、隣り合うプラスチック中空板を両面(表面、及び裏面)から挟持し得る一対の挟持部を備えたものであってもよい。このような角度調整部材であれば、一対の挟持部によって隣り合うプラスチック中空板を両面(表面、裏面)から挟み込むことにより、連結部位の耐久性を向上させることができる。
【0089】
また、前記実施形態及び変形例では、係合部として機能する凸部及び凹部を、それぞれ単純な直方体状の突起及びこの突起が係合可能な凹溝によって形成したが、係合部同士の確実な係合を期すべく、凸部として、突出端部に断面視円弧状又は台形状、或いは爪状の引っ掛け部を備えたものを適用するとともに、凹部として、凹溝の奥方端部に前記引っ掛け部が引っ掛け可能な引っ掛け用凹部を備えたものを適用してもよい。
【0090】
さらに、図17に示すように、凸部として、突出端に向かって漸次広がるテーパ面を有する断面視略逆三角形状の突起Txを適用するとともに、凹部として、奥方端に向かって漸次広がるテーパ面を有する断面視略三角形状のいわゆる蟻溝Uxを適用してもよい。
【0091】
或いは、図18に示すように、凸部として、断面視略部分円弧状のアール部を有する突起Tyものを適用するとともに、凹部として、断面視略部分円弧状のアール部を有する凹溝Uyを適用しても構わない。
【0092】
さらに、図19に示すように、プラスチック中空板Aが、プラスチック板本体Pのうち直交する二辺にそれぞれ線状封止体(第1の線状封止体A1、第2の線状封止体A2)を備えたものであってもよい。なお、図19では、各線状封止体(第1の線状封止体A1、第2の線状封止体A2)の係合部が何れも凹部Uである態様を例示しているが、これに限らず、各線状封止体(第1の線状封止体、第2の線状封止体)の係合部が何れも凸部である態様、又は一方の線状封止体が凸部であり、他方の線状封止体が凹部である態様であっても勿論構わない。なお、このようなプラスチック中空板Aを適用する場合、直交し得る線状封止体A1、A2の端部間に、これら端部同士を接続し得るコーナー接続体Cを配していることが好ましい。
【0093】
また、線状封止体の係合部として、面ファスナを適用してもよい。
【0094】
線状封止体の係合部の形状等に応じて、角度調整部材の各連結部の形状も適宜変更して構わない。
【0095】
また、図20に示すように、角度調整部材Jaが、各プラスチック中空板A、Bの線状封止体A1、B1の長手寸法と略同一寸法を有する長尺のものであってもよい。
【0096】
このような態様であれば、単一の角度調整部材Jaによって、隣り合うプラスチック中空板A、B同士を所定の相対角度で連結することができ、隣り合うプラスチック中空板A、B同士を複数の角度調整部材で連結する態様と比較して、部品点数の削減を有効に図ることができる。
【0097】
図20に示す角度調整部材Jaは、図21(同図は図20の矢印I方向から見た状態を示す図である)に示すように、一方のプラスチック中空板Aの係合部Taに連結可能な第1連結部Ja11を有する第1連結体Ja1と、他方のプラスチック中空板Bの係合部Taに連結可能な第2連結部Ja21を有する第2連結体Ja2とを備えものである。同図では、第1連結部Ja11及び第2連結部Ja21としてそれぞれ横断面視略部分円弧状の凹部Ja11、Ja21をそれぞれ適用し、各プラスチック中空板A、Bの係合部Taとして、凹部Ja11、Ja21に係合可能な横断面視略円弧状の引っ掛け部Ta1を突出端部に有する凸部Taを適用している。
【0098】
また、図22に示す角度調整部材Jbは、図21に示すものと略同一の構成であるが、第1連結部及び第2連結部として機能する各凹部Jb11、Jb21の開口方向を、図21に示す各凹部Ja11、Ja21の開口方向とは異ならせたものである。したがって、当該角度調整部材Jbに介して連結したプラスチック中空板A、B同士の相対角度も図21に示すものとは異なる。なお、図21に示す角度調整部材Jaは、隣り合うプラスチック中空板A、Bを略180度に連結するためのものであり、図22に示す角度調整部材Jbは、隣り合うプラスチック中空板A、Bを略90度に連結するためのものである。
【0099】
図20〜図22では、一方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第1連結部を有する第1連結体と、他方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第2連結部を有する第2連結体とを相対角度変更不能に一体に備えた角度調整部材を例示したが、第1連結体と第2連結体とをヒンジ軸を介して相対回転可能に連結した角度調整部材を、各プラスチック中空板の線状封止体の長手寸法と略同一寸法を有する長尺のものとしても構わない。
【0100】
また、図23に示すように、角度調整部材Jcが、一方のプラスチック中空板Aの係合部Taに連結可能な第1連結部Jc11を有する第1連結体Jc1と、他方のプラスチック中空板Bの係合部Taに連結可能な第2連結部Jc21を有する第2連結体Jc2とを備え、第1連結部Jc11及び第2連結部Jc21にそれぞれプラスチック中空板A、Bの各係合部Taを連結した状態において、連結部位を軸とする各プラスチック中空板A、Bの首振動作を許容する態様を採用してもよい。
【0101】
図23に示す角度調整部材Jcは、第1連結部Jc11及び第2連結部Jc21としてそれぞれ横断面視略部分円弧状の凹部Jc11、Jc21をそれぞれ適用したものである。一方、各プラスチック中空板A、Bの係合部Taとして、凹部Jc11、Jc21に係合可能な横断面視略円弧状の引っ掛け部Ta1を突出端部に有する凸部Taを適用している。そして、それぞれの引っ掛け部Ta1を各凹部Jc11、Jc21に引っ掛けた状態で、引っ掛け部Ta1が凹部内Jc11、Jc21において相対回動し得るようにしている。
【0102】
具体的には、各凹部Jc11、Jc21のうち、凸部Ta側に開口する開口部の開口巾寸法を、凸部Taの基端部Ta2の厚み寸法よりも大きく設定し、凸部Taの基端部Ta2が開口部の両開口縁部に当接する範囲内で引っ掛け部Ta1が凹部Jc11、Jc21内で相対回動し得るようにしている。本実施形態では、開口部の開口角度(開口部の両開口縁部と凹部の中心とを結ぶ仮想直線同士の相対角度)を略45度に設定し、引っ掛け部Ta1が各凹部Jc11、Jc21内で45度回動し得るようにしている。その結果、各プラスチック中空板A、Bは、引っ掛け部Ta1を軸としてそれぞれ角度調整部材Jcに対して45度の範囲内で回動可能なものとなり、当該角度調整部材Jcを介して隣り合うプラスチック中空板A、B同士の相対角度を最大90度変更することが可能である。図21に示す態様は、角度調整部材Jcを介して隣り合うプラスチック中空板A、B同士の相対角度を180度(同図(a)参照)〜90度(同図(b)参照)の範囲内で変更可能な態様である。
【0103】
また、図23に示す構成と略同一の構成を採用しつつ、角度調整部材の各凹部の開口方向を、図23に示す各凹部の開口方向とは異なる方向に設定することにより、角度調整部材を介して隣り合うプラスチック中空板同士の変更可能な相対角度も変わる。図24に示す態様は、角度調整部材Jdを介して隣り合うプラスチック中空板A、B同士の相対角度を90度(同図(a)参照)〜相互に略平行をなす角度(同図(b)参照)の範囲内で変更可能に設定した態様である。なお、図24に示す角度調整部材Jdのうち、図23に示す角度調整部材Jcの各部と対応する箇所には、「Jc」を「Jd」に変更して付している。
【0104】
なお、図22及び図24に示すように、角度調整部材が、その外面部に、凹部の形状に対応させたアール部を有するものであっても構わない。
【0105】
また、図25に示すように、各プラスチック中空板A、Bの係合部として横断面視略部分円弧状の凹部Uaをそれぞれ適用するとともに、角度調整部材Jeの第1連結部及び第2連結部として、各凹部Uaに係合可能な横断面視略円弧状の引っ掛け部Je11、Je21を突出端部に有する凸部Je1、Je2を適用し、それぞれの引っ掛け部Je11、Je21を各凹部Uaに引っ掛けた状態で、各プラスチック中空板A、Bがそれぞれ角度調整部材Jeに対して相対回動し得るようにしてもよい。このようなものであっても、各プラスチック中空板A、Bの首振動作が許容されるものとなり、隣り合うプラスチック中空板A、B同士の相対角度を容易に変更することができる。なお、図示しないが、角度調整部材の第1連結部及び第2連結部として機能する各凸部の突出方向を、図25に示す各凸部Je1、Je2の突出方向とは異なる方向に設定することにより、角度調整部材を介して隣り合うプラスチック中空板同士の変更可能な相対角度を適宜調節することができる。
【0106】
なお、図23〜図25では、角度調整部材の第1連結部及び第2連結部の何れもが、係合部に連結した状態において、連結部位を軸とするプラスチック中空板の首振動作を許容する態様を示したが、第1連結部又は第2連結部の何れか一方のみが、係合部に連結した状態において、連結部位を軸とするプラスチック中空板の首振動作を許容する態様であっても構わない。
【0107】
また、図26に示すように、各プラスチック中空板A、Bの係合部同士を直接係合させた状態において、当該係合部位を軸とするプラスチック中空板A、Bの首振動作を許容する態様を採用してもよい。図26に示す態様は、一方の係合部として、横断面視略部分円弧状の凹部Uaを適用するとともに、他方の係合部として、凹部Uaに係合可能な横断面視略円弧状の引っ掛け部Ta1を突出端部に有する凸部Taを適用し、引っ掛け部Ta1を凹部Uaに引っ掛けた状態で、引っ掛け部Ta1が凹部Ua内において相対回動し得るようにした態様である。この場合も、凹部Uaのうち、凸部Ta側に開口する開口部の開口巾寸法を、凸部Taの基端部Ta2の厚み寸法よりも大きく設定し、凸部Taの基端部Ta2が開口部の両開口縁部に当接する範囲内で引っ掛け部Ta1が凹部Ua内で相対回動し得るようにすればよい。また、開口部の開口巾寸法(開口角度)や開口方向を適宜変更することによりプラスチック中空板A、B同士の変更可能な相対角度範囲を変えることが可能である。このような態様であれば、角度調整部材を用いずとも隣り合うプラスチック中空板A、B同士の相対角度を変更するこができ、部品点数の点では有利である。
【0108】
また、図27に示すように、隣り合うプラスチック中空板A、Bの各係合部Kを長尺のものとした態様、具体的には線状封止体A1、B1の長手方向略全域に亘って各係合部Kを形成した態様である場合、各係合部Kとして、線状封止体A1、B1からそれぞれ突出させた係合部本体K1と、他方の係合部Kの係合部本体K1が通過可能な逃げ部K2とをその長手方向に沿って等間隔で交互に有する同一形状のものを適用すればよい。
【0109】
具体的には、図28(同図(a)、(b)はそれぞれ図27の矢印I方向、矢印II方向から見た状態を示す図である)に示すように、各係合部本体K1として、線状封止体A1、B1から略直線状に延び、その突出端部を線状封止体A1、B1に向かって屈曲又は湾曲させた形状(断面視略鉤状)のものを適用し、逃げ部K2として、係合部本体K1の長手寸法と略同一寸法の開口巾を有する開口部を適用した態様が挙げられる。各係合部本体K1は、各線状封止体A1、B1から突出させた凸部であると同時に、各線状封止体A1、B1との間に他の係合部本体K1が係合可能な係合溝(凹部)を形成したものである。
【0110】
そして、このような係合部Kをそれぞれの線状封止体A1、B1に設けたプラスチック中空板A、B同士を係合させる際には、予めプラスチック中空板A、B同士を各係合部Kの係合部本体K1同士が相互に係合し得る姿勢に設定しておき、一方の係合部Kの係合部本体K1と、他方の係合部Kの逃げ部K2とが対面するようにプラスチック板A、B同士を係合部Kの長手方向に沿って所定ピッチ(つまり各係合部本体K1の長手寸法)分だけずらし(図29(a)参照)、この状態で一方の係合部Kの各係合部本体K1を他方の係合部Kの逃げ部K2から挿入し(図29(b)参照)、引き続き、各係合部Kの係合部本体K同士が係合する位置までプラスチック中空板A、B同士を係合部Kの長手方向に沿って相対移動させる(つまりプラスチック板A、B同士を各係合部本体Kの長手寸法分だけずらす:図29(a)参照)ことによって、係合部K同士を係合させることができ、その結果、隣り合うプラスチック中空板A、B同士が連結される。一旦係合させた係合部K同士の係合状態を解除する場合には、上記とは逆の手順、すなわち、各係合部Kの係合部本体K1同士が係合している位置から、一方の係合部Kの係合部本体K1と、他方の係合部Kの逃げ部K2とが対面する位置までプラスチック中空板A、B同士を係合部Kの長手方向に沿って相対移動させ、この状態で係合部本体K1を逃げ部K2から逃がすことによって簡単に行うことができる。説明の便宜上、他方のプラスチック中空板Bの係合部Kのうち係合部本体K1にのみパターンを付している。
【0111】
なお、図29(c)の矢印III方向から見た状態を示す同図(d)に示すように、図27〜図29に示す態様は、各プラスチック中空板A、Bの係合部K同士を係合させた状態において、プラスチック中空板A、B同士が段差無く略面一になる態様であるが、図30に示すように、各プラスチック中空板A、Bの係合部Ka同士を係合させた状態において、プラスチック中空板A、B同士の間に段差が生じる態様であっても構わない。図30に示す各係合部Kaは、線状封止体A1、B1からそれぞれ突出させた係合部本体Ka1と、他方の係合部Kaの係合部本体Ka1が通過可能な逃げ部(図示省略)とをその長手方向に沿って等間隔で交互に有するものである。また、図29に示す線状封止体A1、B1は、平板状をなす中実のものであるが、図30に示す線状封止体A1、B1は、中空状のものである。
【0112】
係合部が、線状封止体の長手方向全域のうち所定領域にのみ形成されたものであってもよい。また、単一の線状封止体に、その長手方向に沿って所定ピッチで複数の係合部を形成した態様としても構わない。
【0113】
また、四辺全てを線状封止体によって封止してなる各プラスチック中空板(変形例2、4及び5)が、コーナー接続体Cの対をなす対面部C4のうち、一方の対面部C4にのみコーナー接続用第2係合部C6を設け、このコーナー接続用第2係合部C6と線状封止体の端部に設けたコーナー接続用第1係合部とを凹凸係合させるとともに、他方の対面部C4を線状封止体の端部に他の手段、例えば熱融着によって一体的に接合したものであっても構わない。この場合、線状封止体のうち、他方の対面部C4に対面する端部にはコーナー接続用第1係合部を設けなくてもよい。さらに、線状封止体とコーナー接続体との接合を熱融着のみによって行う態様であれば、線状封止体及びコーナー接続体として、コーナー接続用第1係合部及びコーナー接続用第2係合部をそれぞれ備えていないものを適用すればよい。
【0114】
また、中空状の線状封止体が、表面部及び裏面部の内方端近傍部位同士を接続する内方起立部を備えたものであってもよい。これにより、中空状の線状封止体でありながら、長手方向全域に亘る内方端部側の強度を有効に高めることができる。
【0115】
線状封止体及びコーナー接続体として、それぞれ中実のブロック状のものを適用してもよい。
【0116】
また、略長方形状等、他の四角形状のプラスチック板本体を適用しても構わない。この場合、各線状封止体の長手寸法を、プラスチック板本体の各辺に対応する長さに設定すればよい。
【0117】
複数のプラスチック中空板を連結してなるプラスチック中空板システムの外周縁部を形成し得る線状封止体の係合部が凹部である場合、この凹部に係合可能な凸部を有するキャップ部材を用いて、凹部を蓋封するようにしても構わない。また、複数のプラスチック中空板を連結してなるプラスチック中空板システムの外周縁部を形成し得る線状封止体の係合部が凸部である場合、この凸部に係合可能な凹部を有するキャップ部材を用いて、凸部を被覆し得るようにしてもよい。
【0118】
また、角度調整部材を介してプラスチック中空板同士を連結するプラスチック中空板の連結構造、及び当該連結構造を利用してプラスチック中空板同士を連結してなるプラスチック中空板システムとして、図31〜図41に示す態様が挙げられる。
【0119】
概略方形状をなすプラスチック中空板A’は、前述のプラスチック中空板A、Bのプラスチック板本体Pと略同様のプラスチック板本体P’を備え、このプラスチック板本体P’のうち対向する2辺に第1の線状封止体A’1、第2の線状封止体A’2をそれぞれ接合して一体的に設けたものである。
【0120】
第1の線状封止体A’1は、図32に示すように、プラスチック板本体Pの一辺の全域又は略全域を封止可能な略直線状をなす樹脂製のものであり、概略角パイプ状をなす封止体本体A’11と、封止体本体A’11の外方端部から外方に向かって突出させた係合部たる凸部T’とを一体に備えたものである。なお、線状封止体A’1、A’2を説明するにあたって以下に用いる「内方端」とは「相対的にプラスチック板本体P’の端部(辺)に近い方の端」を指し、「外方端」とは「相対的にプラスチック板本体P’の端部(辺)から遠い方の端」を指す。
【0121】
封止体本体A’11は、剛性も持たせるために中空状の四角パイプ状をなし、内方端部をプラスチック板本体Pの一辺に熱溶着によって接合可能なものである。封止体本体A’11のうち内方端部近傍部位を、内方端に向かって漸次巾広に設定したテーパ状の巾広部A’11aを設け、プラスチック板本体Pの厚み寸法に応じて巾広部A’11aを適宜カットすることによって、プラスチック板本体Pと線状封止体A’1、A’2とが滑らかに連続する面を形成できるようにしている。
【0122】
凸部T’は、外方端部(先端部T’3)に向かって漸次相寄る方向に傾斜させた一対の第1テーパ面T’1と、各第1テーパ面T’1の内方端部同士を結ぶ位置に設けられた引っ掛け部T’2とを一体に有するものである。本実施形態では凸部T’の先端部T’3を、各第1テーパ面T’1の外方端部同士を結ぶ円弧形状に設定している。凸部T’の基端部T’4は、封止体本体A’11の外方端部から略直線上に延出し、線状封止体A’1全体から見れば凸部T’の基端部T’4を括れ部として捉えることができる。
【0123】
第2線状封止体A’2は、第1の線状封止体A’1と略同一形状・同一構造のものである。すなわち、この第2の線状封止体A’2は、係合部として凸部T’を備えたものであり、細部の詳細な説明は重複するため、省略する。
【0124】
一方、角度調整部材J’は、図33に示すように、第1の線状封止体A’1や第2の線状封止体A’2の長手寸法と略同一寸法を有する長尺のものであり、係合部が係合可能な連結部として、プラスチック中空板A’の凸部T’が係合可能な凹部U’を適用した樹脂製のものである。好適な樹脂としては、ポリプロピレンやポリカーボネート、或いはポリアセタール、ABS樹脂等が挙げられる。
【0125】
図31及び図33に示す角度調整部材J’は、2枚のプラスチック中空板A’を略180度に連結するためのものであり、一対の凹部U’の開口方向を180度異ならせている。
【0126】
各凹部U’は、凸部T’の第1テーパ面T’1に対応する一対の第2テーパ面U’1と、凸部T’の引っ掛け部T’2が引っ掛かり得る開口部U’2とを一体に有する弾性変形可能なものである。通常状態(換言すれば弾性変形していない状態)における開口部U’2の開口寸法を、凸部T’の基端部T’4の厚み寸法と略同一又は若干大きく設定している。第2テーパ面U’1は、開口部U’2よりも奥方に設けられ、本実施形態では、凹部U’の奥方端面を、第1テーパ面T’1の外方端部同士を結ぶ円弧形状に対応させた円弧面に設定している。
【0127】
次にこのような角度調整部材J’を介して複数のプラスチック中空板A’を連結する手順及び作用を、図34を参照しながら説明する。
【0128】
先ず、角度調整部材J’とプラスチック中空板A’とを連結方向に相互に近付けて(同図(a)参照)、凸部T’を先端部T’3側から凹部U’に圧入する。この圧入操作に伴い、凸部T’の第1テーパ面T’1が凹部U’の開口部U’2を押圧し、凸部T’の挿入度合いに応じて開口部U’2が順次拡開する方向へ押圧され、凹部U’が一時的に弾性変形する(同図(b)参照)。そして、凸部T’の引っ掛け部T’2が開口部U’2を通過し終えた時点で凹部U’が弾性復帰し、第1テーパ面T’1と第2テーパ面U’1とが面接触するとともに、引っ掛け部T’2が開口部U’2に引っ掛かった係合状態となる(同図(c)参照)。この係合状態において、第1テーパ面T’1と第2テーパ面U’1とが相互に面接触し、さらに、開口部U’2が凸部T’の基端部T’4を挟み込んだ状態となり、凸部T’と凹部U’との接触面積を有効に稼ぐことができ、このように、凸部T’と凹部U’とが相互に略隙間無く嵌合することによって係合部位における不要なぐらつきを抑制することができる。また、凸部T’を凹部U’から反挿入へ引き抜く力が作用しても、引っ掛け部T’2が開口部U’2に引っ掛かり、凸部T’が凹部U’から抜け外れない構造となり、良好な係合状態を維持することができる。また、凸部T’の第1テーパ面T’1を開口部U’2に押し当てながら凸部T’を凹部U’に圧入して係合させる態様であるため、当該係合作業(連結作業)をスムーズ且つ的確に行うことができる。なお、開口部U’2にも第1テーパ面T’1に対応したテーパ面を設ければ、凸部T’の第1テーパ面T’1を開口部U’2のテーパ面に接触させた状態で押し当てながら凸部T’を凹部U’に圧入する態様となり、係合作業(連結作業)をさらにスムーズ且つ的確に行うことができる。
【0129】
同様の手順で各プラスチック中空板A’を角度調整部材J’に順次連結することにより、図31に示すような略直線状をなす壁構造体を組み立てることができる。
【0130】
また、壁構造体の両側縁部に露出し得る線状封止体A’1、A’2の凸部T’をキャップ部材CP’によって被覆している。
【0131】
キャップ部材CP’は、図31及び図35に示すように、第1の線状封止体A’1や第2の線状封止体A’2の長手寸法と略同一寸法を有する長尺のものであり、凸部T’が係合可能な係合部たる凹部CU’を備えた樹脂製のものである。好適な樹脂としては、ポリプロピレンやポリカーボネート、或いはポリアセタール、ABS樹脂等が挙げられる。
【0132】
キャップ部材CP’の凹部CU’は、前記角度調整部材J’の凹部U’と略同一形状・同一構造のものである。すなわち、凸部T’の第1テーパ面T’1に対応する一対の第2テーパ面CU’1と、凸部T’の引っ掛け部T’2が引っ掛かり得る開口部CU’2とを一体に有する弾性変形可能なものである。通常状態(換言すれば弾性変形していない状態)における開口部CU’2の開口寸法を、凸部T’の基端部T’4の厚み寸法と略同一又は若干大きく設定している。第2テーパ面CU’1は、開口部CU’2よりも奥方に設けられ、本実施形態では、凹部CU’の奥方端面を、第1テーパ面T’1の外方端部同士を結ぶ円弧形状に対応させた円弧面に設定している。
【0133】
このようなキャップ部材CP’は、プラスチック中空板A’と角度調整部材J’とを連結する上述した手順と同様の手順でプラスチック中空板A’に組み付けることができる。つまり、キャップ部材CP’とプラスチック中空板A’とを連結方向に相互に近付けて、凸部T’を先端部T’3側から凹部CU’に圧入し、この圧入操作に伴い、凸部T’の第1テーパ面T’1が凹部CU’の開口部CU’2を押圧し、凸部T’の挿入度合いに応じて開口部CU’2が順次拡開する方向へ押圧され、凹部CU’が一時的に弾性変形する。そして、凸部T’の引っ掛け部T’2が開口部CU’2を通過し終えた時点で凹部CU’が弾性復帰し、第1テーパ面T’1と第2テーパ面CU’1とが面接触するとともに、引っ掛け部T’2が開口部CU’2に引っ掛かった係合状態となる。この係合状態において、第1テーパ面T’1と第2テーパ面CU’1とが面接触し、さらに、開口部CU’2が凸部T’の基端部T’4を挟み込んだ状態となる。凸部T’と凹部CU’との接触面積を有効に稼ぐことができ、このように、凸部T’と凹部CU’とが相互に略隙間無く嵌合することによって係合部位における不要なぐらつきを抑制することができる。また、凸部T’を凹部CU’から反挿入へ引き抜く力が作用しても、引っ掛け部T’2が開口部CU’2に引っ掛かり、凸部T’が凹部CU’から抜け外れない構造となる。
【0134】
図31では、隣り合うプラスチック中空板A’を略直線上(180度)に連結する際に用いる角度調整部材J’を示したが、連結部として機能する凹部U’の開口方向を変更することにより、隣り合うプラスチック中空板A’の連結角度を変更することができる。その一例として、図36及び図37に示すように、相互に略90度異なる方向に開口する凹部U’を備えた角度調整部材Ja’を用いて、各凹部U’にそれぞれプラスチック中空板A’の凸部T’を圧入して係合させることにより、隣り合うプラスチック中空板A’を略90度に連結することが可能となる。
【0135】
さらに、図38及び図39に示すように、それぞれ異なる方向に開口する前記凹部U’を3つ備えた角度調整部材Jb’を用いれば、単一の角度調整部材Jb’を介して3枚のプラスチック中空板A’を連結することが可能となる。図38及び図39に示す角度調整部材Jb’は、2つの凹部U’が開口方向を相互に180度異ならせ、残り1つの凹部U’の開口方向を前記2つの凹部U’何れの開口方向に対しても90度異ならせたものである。よって、この角度調整部材Jb’を用いて3枚のプラスチック中空板A’を連結した場合、これら3枚のプラスチック中空板A’は平面視略T字状に連結される。なお、各凹部U’の開口方向を相互に略120度異ならせた角度調整部材(図示省略)を用いて、3枚のプラスチック中空板A’を平面視略Y字状に連結可能に構成しても勿論構わない。
【0136】
また、図40及び図41に示すように、それぞれ異なる方向に開口する前記凹部U’を4つ備えた角度調整部材Jc’を用いれば、単一の角度調整部材Jc’を介して4枚のプラスチック中空板A’を連結することが可能となる。図40及び図41に示す角度調整部材Jc’は、隣り合う凹部U’の開口方向を相互に90度異ならせたものである。よって、この角度調整部材Jc’を用いて4枚のプラスチック中空板A’を連結した場合、これら4枚のプラスチック中空板A’は平面視略十字状に連結される。なお、相互に背向する凹部U’同士を結ぶ第1仮想直線と、相互に背向する残りの凹部U’同士を結ぶ第2仮想直線とが90度以外の角度で交わるように設定した角度調整部材(図示省略)を用いて、4枚のプラスチック中空板A’を平面視略X字状に連結可能に構成しても勿論構わない。
【0137】
このように、それぞれ異なる方向に開口する凹部U’を複数備えた角度調整部材J’、Ja’、Jb’、Jc’を用いることによって、単一の角度調整部材に、複数枚のプラスチック中空板A’を所望の方向に連結することが可能となり、連結態様のバリエーションが増え、種々のニーズに柔軟に応えることが可能なプラスチック中空板A’システムを実現できる。
【0138】
また、角度調整部材を介さずにプラスチック中空板同士を直接連結するプラスチック中空板の連結構造として、以下のような態様が挙げられる。
【0139】
概略方形状をなすプラスチック中空板同士を連結するにあたって、一対のプラスチック中空板のうち、一方のプラスチック中空板が、線状封止体の係合部として凸部を適用したものであり、他方の前記プラスチック中空板が、線状封止体の係合部として、凸部に係合可能な凹部を適用したものである。凸部及び凹部は、それぞれ図31〜図41に示す凸部T’及び凹部U’と略同一構造・同一形状のものである。つまり、凸部は、外方端部に向かって相寄る方向に漸次傾斜する一対の第1テーパ面と、各第1テーパ面の内方端部同士を結ぶ位置に設けられた引っ掛け部とを一体に有するものであり、凹部が、一対の第1テーパ面に対応する第2テーパ面と、引っ掛け部が引っ掛かり得る開口部とを一体に有する弾性変形可能なものである。そして、図34に示す作業手順と略同様の手順で凸部を凹部に圧入して開口部の開口寸法を拡開させる方向に凹部を弾性変形させ、引っ掛け部が開口部を通過し終えた時点で凹部が弾性復帰することにより、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ引っ掛け部が開口部に引っ掛かるように構成している。
【0140】
このようなものであれば、連結するプラスチック中空板同士を連結方向に相互に近付けて、凸部を凹部に圧入することにより、凹部に対する凸部の挿入程度に応じて第1テーパ面が開口部の開口寸法を順次拡開する方向へ押圧することになり、その結果、凹部が弾性変形して、凸部の凹部内への挿入を許容しつつ、引っ掛け部が開口部を通過し終えた時点で凹部が弾性復帰することにより、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ引っ掛け部が開口部に引っ掛かるようになり、凸部が反挿入方向へ抜け外れることを規制した良好な係合状態を実現できる。
【0141】
プラスチック板本体として、「プラスチック気泡ボード」に替えて、前述の「プラスチック段ボール」、又は「プラスチック折り畳みハニカムボード」を適用しても勿論構わない。
【0142】
その他、各部の具体的構成についても上記実施形態に限られるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々変形が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0143】
【図1】本発明の一実施形態に係るプラスチック中空板の連結構造を適用してなるプラスチック中空板システムの全体概略図。
【図2】同実施形態に係る基本形のプラスチック中空板を模式的に示す図。
【図3】同実施形態におけるプラスチック板本体の一部を模式的に示す図
【図4】同実施形態における線状封止体の横断面図を模式的に示す図。
【図5】同実施形態の係るプラスチック中空板の一変形例を図2に対応して示す図。
【図6】同実施形態の係るプラスチック中空板の一変形例を図2に対応して示す図。
【図7】同実施形態におけるコーナー接続体を模式的に示す図。
【図8】図7とは異なる角度から見たコーナー接続体を模式的に示す図。
【図9】同実施形態の係るプラスチック中空板の一変形例を図2に対応して示す図。
【図10】同実施形態の係るプラスチック中空板の一変形例を図2に対応して示す図。
【図11】同実施形態の係るプラスチック中空板の一変形例を図2に対応して示す図。
【図12】同実施形態に係るプラスチック中空板システムに適用可能な角度調整部材の全体概略図。
【図13】角度調整部材を適用したプラスチック中空板システムを図1に対応して示す図。
【図14】角度調整部材の一変形例を図12に対応して示す図。
【図15】角度調整部材の一変形例を図12に対応して示す図。
【図16】角度調整部材の一変形例を図12に対応して示す図。
【図17】係合部として機能する凸部及び凹部の一変形例を図4に対応して示す図。
【図18】係合部として機能する凸部及び凹部の一変形例を図4に対応して示す図。
【図19】同実施形態に係るプラスチック中空板の一変形例を図2に対応して示す図。
【図20】他の角度調整部材を利用したプラスチック中空板の連結構造を適用してなるプラスチック中空板システムを図13に対応して示す図。
【図21】図20の矢印I方向から見た状態を示す図。
【図22】他の角度調整部材を利用したプラスチック中空板の連結構造を図21に対応して示す図。
【図23】他の角度調整部材を利用したプラスチック中空板の連結構造を図21に対応して示す図。
【図24】他の角度調整部材を利用したプラスチック中空板の連結構造を図23に対応して示す図。
【図25】他の角度調整部材を利用したプラスチック中空板の連結構造を図23に対応して示す図。
【図26】係合部同士を係合させることによって相互に連結可能なプラスチック中空板の連結構造を図23に対応して示す図。
【図27】係合部同士を係合させることによって相互に連結可能な他のプラスチック中空板の連結構造を模式的に示す図。
【図28】図27に示す係合部の全体図。
【図29】作用説明図。
【図30】係合部同士を係合させることによって相互に連結可能な他のプラスチック中空板の連結構造を模式的に示す図。
【図31】本発明の他の一実施形態に係るプラスチック中空板の連結構造を適用してなるプラスチック中空板システムの全体概略図。
【図32】同実施形態に係る線状封止体の平面図。
【図33】同実施形態に係る角度調整部材の平面図。
【図34】作用説明図。
【図35】同実施形態に係るキャップ部材の平面図。
【図36】他の角度調整部材を利用したプラスチック中空板システムを図31に対応させて示す図。
【図37】同角度調整部材の平面図。
【図38】他の角度調整部材を利用したプラスチック中空板システムを図31に対応させて示す図。
【図39】同角度調整部材の平面図。
【図40】他の角度調整部材を利用したプラスチック中空板システムを図31に対応させて示す図。
【図41】同角度調整部材の平面図。
【符号の説明】
【0144】
A…一方のプラスチック中空板
A1…第1の線状封止体
A2、A2x…第2の線状封止体
A3、A3x、A3y…第3の線状封止体
A4、A4x、A4y…第4の線状封止体
B1…他方のプラスチック中空板
B1…第1の線状封止体
B2、B2x…第2の線状封止体
B3、B3x、B3y…第3の線状封止体
B4、B4x、B4y…第4の線状封止体
C…コーナー接続体
J…角度調整部材
J1…第1連結体
J11…第1連結部
J2…第2連結体
J21…第2連結部
J3…ヒンジ軸
P…プラスチック板本体
T…凸部
U…凹部
X…プラスチック中空板システム
A’…プラスチック中空板
A’1…第1の線状封止体
A’2…第2の線状封止体
CP’…キャップ部材
J’、Ja’、Jb’、Jc’…角度調整部材
P’…プラスチック板本体
T’…凸部
T’1…第1テーパ面
T’2…引っ掛け部
U’、CU’…凹部
U’1、CU’1…第2テーパ面
U’2、CU’2…開口部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるプラスチック中空板の連結構造であって、
前記各プラスチック中空板が、
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、
当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、
これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしていることを特徴とするプラスチック中空板の連結構造。
【請求項2】
隣り合う前記プラスチック中空板のうち、一方のプラスチック中空板が、前記第1の線状封止体の前記係合部として凸部を適用したものであり、
他方の前記プラスチック中空板が、前記第1の線状封止体の前記係合部として前記凸部に係合可能な凹部を適用したものである請求項1記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項3】
前記各プラスチック中空板が、前記プラスチック板本体の前記一辺と対向する一辺を封止可能な第2の線状封止体を備えたものであり、
前記一方のプラスチック中空板が、前記第2の線状封止体の前記係合部として前記凹部を適用したものであり、
前記他方のプラスチック中空板が、前記第2の線状封止体の前記係合部として前記凸部を適用したものである請求項2記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項4】
前記各プラスチック中空板が、前記プラスチック板本体の他の二辺をそれぞれ封止可能な第3の線状封止体及び第4の線状封止体を備え、これら第3の線状封止体又は第4の線状封止体の何れか一方の前記係合部として前記凸部を適用するとともに、他方の前記係合部として前記凹部を適用したものである請求項3記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項5】
前記一方のプラスチック中空板が、前記プラスチック板本体の前記一辺と対向する一辺を封止可能な第2の線状封止体を備え、当該第2の線状封止体の係合部として凸部を適用したものである請求項2記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項6】
前記他方のプラスチック中空板が、前記プラスチック板本体の前記一辺と対向する一辺を封止可能な第2の線状封止体を備え、当該第2の線状封止体の係合部として前記凸部に係合可能な凹部を適用したものである請求項2又は5記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項7】
前記一方のプラスチック中空板が、前記プラスチック板本体の他の二辺をそれぞれ封止可能な第3の線状封止体及び第4の線状封止体を備え、これら第3の線状封止体及び第4の線状封止体の各係合部として凸部を適用したものである請求項2、5又は6記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項8】
前記他方のプラスチック中空板が、前記プラスチック板本体の他の二辺をそれぞれ封止可能な第3の線状封止体及び第4の線状封止体を備え、これら第3の線状封止体及び第4の線状封止体の各係合部として前記凸部に係合可能な凹部を適用したものである請求項2、5、6又は7記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項9】
前記一方のプラスチック中空板が、前記プラスチック板本体の他の二辺をそれぞれ封止可能な第3の線状封止体及び第4の線状封止体を備え、これら第3の線状封止体及び前記第4の線状封止体の各係合部として凹部を適用したものである請求項5記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項10】
前記他方のプラスチック中空板が、前記プラスチック板本体の他の二辺をそれぞれ封止可能な第3の線状封止体及び第4の線状封止体を備え、これら第3の線状封止体及び第4の線状封止体の各係合部として前記凹部に係合可能な凸部を適用したものである請求項6又は9記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項11】
前記係合部が前記線状封止体の長手方向全域に形成されたものである請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9又は10記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項12】
隣り合うプラスチック中空板のうち一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、プラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を介して、これらプラスチック中空板同士を連結可能にしている請求項1、2、3、4、5、6、7、8、9、10又は11記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項13】
前記角度調整部材が、一方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第1連結部を有する第1連結体と、他方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第2連結部を有する第2連結体と、これら第1連結体と第2連結体とを相対回転可能に連結するヒンジ軸とを備えたものである請求項12記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項14】
前記角度調整部材が、一方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第1連結部を有する第1連結体と、他方プラスチック中空板の係合部に連結可能な第2連結部を有する第2連結体とを備え、これら第1連結体と第2連結体とを相対角度変更不能に固定したものである請求項12記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項15】
前記第1連結体と前記第2連結体との相対角度がそれぞれ異なる複数の前記角度調整部材から選択した一又は複数の角度調整部材を、隣り合う前記プラスチック中空板の係合部間に介在可能にしている請求項14記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項16】
一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、前記角度調整部材を複数介在させている請求項12、13、14又は15記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項17】
前記各プラスチック中空板が、隣り合う前記各線状封止体の端部間に、これら端部同士を接続し得る状態で配されるコーナー接続体を備えたものである請求項4、7、8、9又は10記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項18】
前記各線状封止体にコーナー接続用第1係合部を設け、前記各コーナー接続体に前記コーナー接続用第1係合部に係合可能なコーナー接続用第2係合部を設けている請求項17記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項19】
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えた複数のプラスチック中空板を、請求項1〜18何れか記載のプラスチック中空板の連結構造により相互に連結してなることを特徴とするプラスチック中空板システム。
【請求項20】
複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるプラスチック中空板の連結構造であって、
前記各プラスチック中空板が、
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、
当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、
これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、
各プラスチック中空板の係合部が、各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体の長手方向略全域に形成されたものであり、
隣り合うプラスチック中空板のうち一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、プラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を介して、これらプラスチック中空板同士を連結可能にし、
前記角度調整部材が、各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体の長手寸法と略同一寸法を有する長尺のものであることを特徴とするプラスチック中空板の連結構造。
【請求項21】
複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるプラスチック中空板の連結構造であって、
前記各プラスチック中空板が、
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、
当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、
これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、
隣り合うプラスチック中空板のうち一方のプラスチック中空板の係合部と、他方のプラスチック中空板の係合部との間に、プラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を介して、これらプラスチック中空板同士を連結可能にし、
前記角度調整部材が、一方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第1連結部を有する第1連結体と、他方のプラスチック中空板の係合部に連結可能な第2連結部を有する第2連結体とを備えたものであり、
前記角度調整部材の前記第1連結部又は前記第2連結部の少なくとも何れか一方が、前記係合部に連結した状態において、当該連結部位を軸とするプラスチック中空板の首振動作を許容するものであることを特徴とするプラスチック中空板の連結構造。
【請求項22】
前記連結部又は前記係合部の何れか一方が、断面視略部分円弧状の凹部であり、他方が前記凹部に引っ掛け可能な断面視略円弧状の引っ掛け部を突出端部に有する凸部であり、前記引っ掛け部を前記凹部に引っ掛けた状態で当該引っ掛け部を前記凹部内において相対回動可能にしている請求項21記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項23】
前記凹部のうち前記凸部側に開口する開口部の開口巾寸法を、前記凸部の基端部の厚み寸法よりも大きく設定することにより引っ掛け部の相対回動を許容している請求項22記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項24】
複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるプラスチック中空板の連結構造であって、
前記各プラスチック中空板が、
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、
当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、
これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、
前記各係合部同士を相互に係合させた状態において、当該係合部位を軸とするプラスチック中空板の首振動作を許容していることを特徴とするプラスチック中空板の連結構造。
【請求項25】
複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるプラスチック中空板の連結構造であって、
前記各プラスチック中空板が、
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、
当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、
これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、
前記各係合部が、各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体の長手方向略全域に形成されたものであり、且つ係合部同士を係合させた状態において相互に係わり合う係合部本体と、他方の係合部の係合部本体が通過可能な逃げ部とをその長手方向に沿って同一ピッチで交互に有するものであることを特徴とするプラスチック中空板の連結構造。
【請求項26】
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えた複数のプラスチック中空板を、請求項20〜25何れか記載のプラスチック中空板の連結構造により相互に連結してなることを特徴とするプラスチック中空板システム。
【請求項27】
複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるプラスチック中空板の連結構造であって、
前記各プラスチック中空板が、
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、
当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、
さらに、これら各プラスチック中空板同士の間に配され、且つプラスチック中空板同士の相対角度を調整するための角度調整部材を備え、
各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部を、前記角度調整部材に設けた連結部にそれぞれ係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであり、
前記各プラスチック中空板が、前記係合部として凸部を適用したものであり、
前記角度調整部材が、前記連結部として前記凸部に係合可能な凹部を適用したものであり、
前記凸部が、外方端部に向かって相寄る方向に漸次傾斜する一対の第1テーパ面と、各第1テーパ面の内方端部同士を結ぶ位置に設けられた引っ掛け部とを一体に有するものであり、
前記凹部が、前記一対の第1テーパ面に対応する第2テーパ面と、前記引っ掛け部が引っ掛かり得る開口部とを一体に有する弾性変形可能なものであり、
前記凸部を前記凹部に圧入して前記開口部の開口寸法を拡開させる方向に凹部を弾性変形させ、前記引っ掛け部が前記開口部を通過し終えた時点で凹部が弾性復帰することにより、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ前記引っ掛け部が前記開口部に引っ掛かるように構成していることを特徴とするプラスチック中空板の連結構造。
【請求項28】
前記角度調整部材が、それぞれ異なる方向に開口する前記凹部を複数備えたものである請求項27記載のプラスチック中空板の連結構造。
【請求項29】
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えた複数のプラスチック中空板を、請求項27又は28何れか記載のプラスチック中空板の連結構造により相互に連結してなることを特徴とするプラスチック中空板システム。
【請求項30】
前記各プラスチック中空板が、前記プラスチック板本体のうち前記第1の線状封止体を配した一辺と対向する一辺に、第1の線状封止体と略同一の第2の線状封止体を配したものであり、
複数の前記プラスチック中空板を連結した状態において、前記角度調整部材の連結部に連結されずに露出している前記凸部を被覆し得るキャップ部材を備え、
当該キャップ部材に、前記連結部の凹部と略同一の凹部を設けている請求項29記載のプラスチック中空板システム。
【請求項31】
前記第1の線状封止体及び/又は前記第2の線状封止体が、略角パイプ状の封止体本体を備え、当該封止体本体の外方端部から前記凸部を外方に向かって突出させている請求項29又は30記載のプラスチック中空板システム。
【請求項32】
複数のプラスチック中空板を相互に連結させる際に適用されるプラスチック中空板の連結構造であって、
前記各プラスチック中空板が、
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、
当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えたものであり、
これら各プラスチック中空板の前記第1の線状封止体に設けた係合部同士を相互に係合させることによって、プラスチック中空板同士を連結させるようにしたものであって、
隣り合う前記プラスチック中空板のうち、一方のプラスチック中空板が、前記第1の線状封止体の前記係合部として凸部を適用したものであり、
他方の前記プラスチック中空板が、前記第1の線状封止体の前記係合部として、前記凸部に係合可能な凹部を適用したものであり、
前記凸部が、外方端部に向かって相寄る方向に漸次傾斜する一対の第1テーパ面と、各第1テーパ面の内方端部同士を結ぶ位置に設けられた引っ掛け部とを一体に有するものであり、
前記凹部が、前記一対の第1テーパ面に対応する第2テーパ面と、前記引っ掛け部が引っ掛かり得る開口部とを一体に有する弾性変形可能なものであり、
前記凸部を前記凹部に圧入して前記開口部の開口寸法を拡開させる方向に凹部を弾性変形させ、前記引っ掛け部が前記開口部を通過し終えた時点で凹部が弾性復帰することにより、第1テーパ面と第2テーパ面とが面接触し、且つ前記引っ掛け部が前記開口部に引っ掛かるように構成していることを特徴とするプラスチック中空板の連結構造。
【請求項33】
端部が開放された中空構造をなす略方形状のプラスチック板本体と、当該プラスチック板本体の開放された端部を形成する四辺のうち少なくとも一辺を封止可能な第1の線状封止体とを備えた複数のプラスチック中空板を、請求項32記載のプラスチック中空板の連結構造により相互に連結してなることを特徴とするプラスチック中空板システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2009−197994(P2009−197994A)
【公開日】平成21年9月3日(2009.9.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−182644(P2008−182644)
【出願日】平成20年7月14日(2008.7.14)
【出願人】(000199979)川上産業株式会社 (203)
【Fターム(参考)】