説明

プラスチック成形機の洗浄剤

【課題】 新規なプラスチック成形機の洗浄剤を提供すること。
【解決手段】 天然ガラス焼成発泡体を含む洗浄剤を使用することによって、簡単な操作でしかも短時間で十分に洗浄でき、プラスチック成形機の洗浄作業効率を著しく向上させることができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明はプラスチック成形機の洗浄剤に関するものである。更に詳細には天然ガラス焼成発泡体を含むプラスチック成形機の洗浄剤に関するものである。
【背景技術】
【0002】
一般にプラスチックは成形機が高価なこともあって同一の成形機を用いていろいろのプラスチックを成形したり、着色するような場合がある。このように同一の成形機を使用して各種のプラスチックを成形または着色するような場合には、前の作業で成形機内に残留するプラスチックや着色剤を綺麗に洗浄して除去しておかないと残留プラスチックや着色剤が次の成形品に混入して品質不良を起こすのでプラスチックの成形では成形機の洗浄は必須の作業である。このため従来から成形機の洗浄を目的としてすでにいろいろの洗浄剤が提案されている。例えば特許文献1には成形機の効率的な洗浄剤として、MI値0.01〜5の熱可塑性樹脂100重量部、平均粒径1〜30μの無機多孔性物質5〜30重量部、及び滑剤1〜20重量部からなることを特徴とするプラスチック成形機用洗浄剤が開示されており、特に無機多孔性物質として珪藻土を使用した場合に優れた洗浄効果が発揮されるとされている。また特許文献2には洗浄効果を高めた安価な洗浄剤として高粘度樹脂である高密度ポリエチレン97〜99重量%および無機発泡剤を含有した低粘度樹脂である低密度ポリエチレン1〜3重量%からなる混合物であることを特徴とする洗浄剤が開示されている。更に特許文献3には熱可塑性超高分子を用いた場合の粉末化を防止し、優れた洗浄力と優れた易置換性を有する洗浄剤として熱可塑性樹脂100重量部に対し、熱可塑性超高分子2〜50重量部、スチレン系飽和型熱可塑性エラストマー0.2〜10重量部を含有することを特徴とする成形機用洗浄剤が開示されている。また市販品も多数あり、例えば(株)星プラスチック製のプラクリン(商品名)、三晶MEC(株)製のTADAZO(商品名)や旭化成ケミカルズ(株)製アサクリン(商品名)など多数の洗浄剤が知られている。しかしながらこれらの洗浄剤は洗浄剤に必要な高洗浄性、低残渣性、簡便性、無毒性、短時間作業性、低価格などの諸要件のうち洗浄力は大きくても残留物、例えばガラスチョップや炭酸カルシウムなどの残留物が多かったり、また残留物は少ないが洗浄力も弱いなどの問題点があり特に高洗浄性、低残渣性、短時間作業性について十分に満足できるような洗浄剤は未だ見出されていないのが現状である。
【特許文献1】特開平5−269755
【特許文献2】特開平10−81898
【特許文献3】特開2001−150456
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
本発明者らは前記洗浄剤の諸要件のうち特に高洗浄性、低残渣性、短時間作業性に優れると同時に他の諸要件をも十分に満足せしめるようなプラスチック成形機の洗浄剤の開発を進めた結果、従来公知の洗浄剤とは全く異なる天然ガラス焼成発泡体を含む洗浄剤がこれらの要件を満たす極めて優れた洗浄剤であることを見出したものである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明において使用される天然ガラス焼成発泡体とはガラス質火山岩またはガラス質火山砕屑物の焼成発泡体であって、このうちガラス質火山岩とは、黒曜石(obsidian)、真珠岩(perlite)、松脂岩(pitchstone)などを総称する火山ガラスを主とする岩石である。本発明ではこのようなガラス質火山岩を焼成発泡させたものが用いられるが、このうち真珠岩、黒曜石またはこれに準ずる石質を有する岩石を粉砕、焼成、膨張させたパーライトが好ましく使用される。パーライトは平均粒径が数μm〜20mm程度のものが知られている。
【0005】
次に本発明で使用されるガラス質火山砕屑物とは、火山活動により地表に放出された破片状の固体物質の総称であり、火山灰、軽石、シラス、白土などが含まれる。本発明ではこれらのガラス質火山砕屑物の焼成発泡体が使用されるが、特に火山灰を焼成発泡させたシラスバルーンが好ましく使用される。シラスバルーンはいろいろの品種のものが知られているが通常平均粒径が40μm〜1mm程度のものが知られており、また平均粒径が20μm以下の微粒シラスバルーンも知られている。なお本発明ではこれらの焼成発泡体の表面がシランカップリング剤やシリコンレジンなどで表面処理されたものも使用し得る。
【0006】
また本発明ではこのようなガラス質火山岩やガラス質火山砕屑物の焼成発泡体の混合物も使用できる。本発明の天然ガラス焼成発泡体は内部に多孔質構造を有し、また破断され易く自己発刃効果に優れ、かつ発泡体であるために嵩比重が樹脂に近くそのため樹脂に良く分散して練り込むことができる利点がある。なお天然ガラス焼成発泡体の代わりに珪藻土を使用することが知られているが、珪藻土はその仕様はシラスバルーンと似ているが、洗浄剤の添加剤としてはその効果は好ましくない。ゼオライトは発泡体でなく、嵩比重が大きいので好ましくない。
【0007】
本発明の洗浄剤に使用される焼成発泡体はどのような種類のものも使用できるが、平均粒径が2μm〜180μmのものが好ましく使用される。パーライトやシラスバルーンはいろいろの品種のものが市販されており、それらを使用することができる。本発明の洗浄剤は、天然ガラス焼成発泡体を熱可塑性プラスチックに練り込む方法で製造されたものが好適に使用されるが、これに更に酸化防止剤、発泡剤、界面活性剤、滑剤を併用した場合に優れた洗浄効果が発揮される。そして本発明の洗浄剤に使用される熱可塑性プラスチックは特に限定はないが成形機内に残留しているプラスチックと同じ成形温度領域のプラスチックを使用することが洗浄する際の温度を上下させる必要がなく洗浄効果が発揮されるので好ましい。また特に好ましい熱可塑性プラスチックとしては他の樹脂との相溶性があまりないポリプロピレン樹脂やポリスチレン樹脂の他にポリカーボネート樹脂やABS樹脂などを挙げることができる。併用される酸化防止剤、発泡剤、界面活性剤や滑剤も特に限定はなくいろいろのものが使用し得るが、酸化防止剤としてはトリス(2,4−ジーtert―ブチルフェニル)ホスファイトやビス(2,6−ジーtert―ブチルー4−メチルフェニル)ペンタエリスリトールジホスファイトなどが好ましい。また発泡剤はアゾジカルボン酸アミドのような有機アゾ系の発泡剤が好ましい。無機系の発泡剤は熱反応を起こして塩を生成しその塩が次材が半透明または透明な製品の場合、製品の外観不良を起こすから好ましくない。次に界面活性剤は特にステアリン酸亜鉛が好ましい。しかも高温で使用する洗浄剤にはステアリン酸マグネシウムとの併用が好ましい。しかし熱可塑性樹脂がポリカーボネート樹脂の場合には金属体がポリカーボネート樹脂の再重合を促進し分子量低下を起こすためにこの場合はエチレンビスステアリン酸アミドが好ましい。次に本発明で使用される滑剤としては、アルカ酸アミドが特に好ましい。併用される酸化防止剤、発泡剤、界面活性剤や滑剤はこれらを熱可塑性樹脂に固着{メルトカラーリング(MC)法による}、混合または溶融混練して使用するのが好ましい。また適切な酸化防止剤を使用することにより、界面活性剤の添加量を増加することができ、このことは洗浄効果を高めるだけでなく、洗浄剤が形成機内に残留しにくくするので、大変好ましい。そしてこれらの各成分の使用割合は熱可塑性樹脂100重量部に対して天然ガラス焼成発泡体5〜30重量部、酸化防止剤0.1〜5重量部、界面活性剤0.1〜5重量部、有機系発泡剤0.1〜5重量部、滑剤0〜1、好ましくは0.05〜1重量部を混合したものが好ましく使用される。なお発泡剤は本発明の洗浄剤に最初から混合してもよいが、プラスチック成形機の洗浄の際に別に使用したほうが好ましい場合がある。その場合の発泡剤の使用量は洗浄剤と同量使用することが好ましい。
【0008】
次に本発明で成形に使用されるプラスチックは特に限定はなく汎用熱可塑性プラスチック、例えばポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン樹脂、塩化ビニール樹脂、メタクリル樹脂、ポリスチレン樹脂、などやエンジニアリングプラスチック、例えばポリアミド、ポリアセタール、飽和ポリエステル、ポリカーボネート、変性PPEなど、またスーパーエンプラ、例えばポリフェニレンスルフィド、ポリスルフォン系樹脂、ポリエーテルエーテルケトンなど、また特殊プラスチック、例えば液晶ポリマーやふっ素樹脂などを挙げることができる。
【0009】
また本発明で使用されるプラスチック成形機は特に限定はなく例えば押出成形機、射出成形機、ブロー成形機や回転成形機などの各種の成形機を挙げることができる。次に本発明の洗浄剤による洗浄方法について述べると、例えば押出成形機の場合には、まずシリンダー内に残っているプラスチックを完全に排出した後、シリンダー容量の2〜3倍の洗浄剤をホッパーに投入し所定の温度でスクリュウを回転させて洗浄剤を排出する方法で行われる。また射出成形機の場合には成形品重量の3〜10倍の洗浄剤を使用することが好ましい。洗浄の条件は使用する成形機の種類や、使用するプラスチックの種類などによって異なるが当業者であれば最適洗浄条件を容易に見出すことができる。
【0010】
本発明の洗浄剤はプラスチック成形機の洗浄性に極めて優れており、簡単な操作で残渣がなく、しかも短時間で十分に洗浄することができるが、このように優れた洗浄効果は天然ガラス焼成発泡体それ自身が極めて優れた洗浄性を有し、また多孔質状であり汚れや異物の吸着性に優れ、更に天然ガラス焼成発泡体が成形機内で破壊されるときのキャビテーション効果によって成形機内に付着している汚れや着色剤などの異物を剥離させることによるものと考えられる。このように本発明の洗浄剤を使用することによって成形品への異物などの混入による不良率を低減させて作業効率を著しく向上せしめることができる。
【発明の効果】
【0011】
本発明の洗浄剤はプラスチック成形機の洗浄性に極めて優れており、簡単な操作でしかも短時間で十分に洗浄でき、プラスチック成形機の洗浄作業効率を著しく向上させることができる。
【0012】
[実施例]
次に実施例によって本発明を更に詳細に説明する。
【実施例1】
【0013】
本発明の洗浄剤と市販の洗浄剤との性能比較実験
型締め圧20トンの横型射出成形機(日本製鋼所(株)製、N20C)を使用して本発明の洗浄剤と市販の洗浄剤との性能比較実験を次のように行った。なお本発明の洗浄剤はシラスバルーン(豊和直(株)製品、SKB9000,粒径150μm以下)10重量%、ポリエチレン(日本ポリプロ(株)製品、ノバテックLJ603)90重量%の混合物を溶融混合してペレット化したものを用いた。
(1)ポリエチレン(日本ポリプロ(株)製品、ノバテックLJ603)をベース材に濃
い青色に着色した材料200gをホッパーに投入し、製品(サイドゲート2個取り
、製品重量およびランナー込みで12g)を6ショット成形し、終了後計量、射出
を繰り返して成形機内の樹脂材料をすべて排出する。
(2)次いで洗浄剤の所定の重量をホッパーから投入する。このとき洗浄剤は比較のため
成形機の洗浄が完了しない量を投入する。
(3)射出成形機を手動にして計量、計量完了後射出を繰り返して成形機内の洗浄剤をす
べて排出する。計量時にかける背圧は15〜30%が望ましい。
(4)その後ポリプロピレンのナチュラル材(透明)(サンアロマ(株)製品、サンアロ
マPM940M)をホッパーに投入して成形し、成形品が透明になるまでのポリプ
ロピレン(PP)の量およびそれまでの所要時間を測定する。
【0014】
実験結果を下表にまとめて示した。
【0015】

本発明の洗浄剤 市販品A 市販品B PP
のみで洗浄
洗浄剤の投入量 50g 50g 50g
透明になるまでの 102.5g 247.5g 363g 497g
PPの量
同所要時間 8分 18分 24分 30分
(註)市販品A : アサクリン、タイプU (旭化成ケミカルズ株式会社製品)
市販品B : TADAZO、200S (三晶 MEC株式会社製品)
【実施例2】
【0016】
押出成形機(中方製作所(株)製、TS65)の洗浄
濃青色に着色されたポリエチレン(実施例1で使用されたものと同じもの)を用いて押出成形を行った後、成形機内に残留する着色されたポリエチレンをすべて排出する。次いでシリンダー容量の2倍の本発明の洗浄剤(これはシラスバルーン(実施例1で使用されたものと同じもの)10重量%、ポリエチレン(実施例1で使用されたものと同じもの)90重量%の混合物を溶融混合してペレット化したものである)をホッパーに投入し、ポリエチレンの成形温度で押出成形機のスクリュウを50〜100rpmで回転させ洗浄剤をすべて排出させる。次いで発泡剤(涛和化学(株)製品、スーパークリーナー)3重量%とポリエチレン(実施例1で使用されたものと同じもの)97重量%からなる発泡剤をポリエチレンに固着させたものを洗浄剤と同量ホッパーに投入し、ポリエチレンの成形温度で押出成形機のスクリュウを50〜100rpmで回転させて発泡剤をすべて排出させる。その後、ポリプロピレン{ナチュラル材(透明)、実施例1で使用されたものと同じもの}をホッパー内に投入し、ポリプロピレンの成形温度でスクリュウを50〜100rpmで回転させ排出されるポリプロピレン中に顔料、コゲ、異物が混入していないか、または残っていた洗浄剤が排出されないかを確認したところ、これらの顔料、コゲ、異物、残留洗浄剤などの排出は殆ど認められず押出成形機の洗浄が完了していたことを示した。なお洗浄時間は約15〜16分であった。
【実施例3】
【0017】
実施例2で本発明の洗浄剤のシラスバルーンの代わりにパーライト(フヨーライト(株)製品、フヨーライト1号)を使用した以外は実施例2と同様に操作したところ残留物の排出は殆ど認められず押出成形機の洗浄が完了していたことを示した。洗浄時間は約22〜23分であった。
【実施例4】
【0018】
射出成形機(実施例1で使用されたと同じもの)の洗浄
濃青色に着色されたポリエチレン(実施例2で使用されたものと同じもの)を使用して射出成形を行った後、成形機内に残留する着色されたポリエチレンをすべて排出した。次いで成形品重量の5倍の量の実施例2で使用されたと同じ本発明の洗浄剤および発泡剤を用いて実施例2と同様の方法で計量、射出を繰り返して成形機の洗浄および洗浄剤と発泡剤の排出を行った。計量時にかける背圧は15〜30%が望ましい。その後実施例2で使用されたと同じポリプロピレンのナチュラル材(透明)をホッパーに投入し、成形を行って成形品中に顔料、コゲ、異物または残留洗浄剤が混入していないか確認したところ、これらの混入は殆どなく射出成形機の洗浄が完了していたことを示した。なお洗浄時間は約7〜8分であった。
【実施例5】
【0019】
実施例4で発泡剤による洗浄を行わなかった以外は実施例4と同様に射出成形機の洗浄を行ったところ洗浄時間は13〜14分が必要であった。
【実施例6】
【0020】
実施例4で発泡剤の代わりに発泡剤(実施例4と同じもの)3重量%、界面活性剤(旭電化(株)製品、アデカソール)0.5重量%、実施例2で使用されたと同じポリエチレン96.5重量%からなる発泡剤と界面活性剤をポリエチレンに固着させたものを使用した以外は実施例4と同様にして射出成形機の洗浄を行ったところ、洗浄時間は約7分であった。
【実施例7】
【0021】
濃青色に着色されたポリアミド(ナイロン樹脂、宇部興産(株)製品 1013NW8)を使用して、実施例4と同じ射出成形機を使って射出成形を行った後、成形機内に残留するポリアミドをすべて排出した。次いで実施例4の洗浄剤および発泡剤のポリエチレンの代わりにポリアミド(ナイロン樹脂、宇部興産(株)製品 1013NW8)を使用した洗浄剤および発泡剤を使用して実施例4と同様にして計量、射出を繰り返して成形機の洗浄および洗浄剤と発泡剤の排出を行った。その後ポリアミド(ナイロン樹脂)のナチュラル材(乳白色)(宇部興産(株)製品 1013NW8)をホッパーに投入し、成形を行って成形品中に顔料、コゲ、異物または残留洗浄剤が混入していないかを確認したところ、これらの混入はなく射出成形機の洗浄は完了していた。このときの洗浄時間は約8〜9分であった。
【実施例8】
【0022】
濃青色に着色されたポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品、7120)を使用して、実施例4と同じ射出成形機を使って射出成形を行った後、成形機内に残留するポリカーボネートをすべて排出した。次いで実施例4の洗浄剤および発泡剤のポリエチレンの代わりにポリカーボネート樹脂(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品、7120)を使用した洗浄剤および発泡剤を使用して実施例4と同様にして計量、射出を繰り返して成形機の洗浄および洗浄剤と発泡剤の排出を行った。その後ポリカーボネート樹脂のナチュラル材(透明)(三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製品、7120)をホッパーに投入し、成形を行って成形品中に顔料、コゲ、異物または残留洗浄剤が混入していないかを確認したところ、これらの混入はなく射出成形機の洗浄は完了していた。このときの洗浄時間は約8〜9分であった。
【実施例9】
【0023】
次のA〜Gの各洗浄剤を調製して、形成機の洗浄を行った。実験条件は下記のとおりである。
(A)トーヨースチロール(株)製ポリスチレン樹脂(MT−2−301)100重量部
に豊和直(株)製シラスバルーン(SKB−9000)15重量部と城北化学(株
)製酸化防止剤(JP−650)2重量部と旭電化工業(株)製界面活性剤(エフ
コケム ZNS−P)5重量部を加えてタンブラーでブレンドし、ルーダー加工機
で練り込んだ製品。
(B)Aの製品に更に永和化学(株)製発泡剤(有機系ポリスレンEE−206)5重量
部を配合してブレンドした製品。
(C)トーヨースチロール(株)製ポリスチレン樹脂(MT−2−301)100重量部
に対して豊和直(株)製シラスバルーン(SKB−9000)15重量部、城北化
学(株)製酸化防止剤(JP−650)0.2重量部、旭電化工業(株)製界面活
性剤(エフコケム ZNS−P)0.15重量部、日本精化(株)製滑剤(ニュー
トロンS)0.2重量部をブレンドしてルーダー加工機で練り込んだ製品。
(D)デンカ(株)製ABS樹脂(GR−3000)100重量部に旭電化工業(株)製
酸化防止剤(アデカスタグPEP−36)2重量部、豊和直(株)製シラスバルー
ン(SKB−9000)15重量部、旭電化工業(株)製界面活性剤(エフコケム
ZNS−P)5重量部を加えてタンブラーでブレンドし、ルーダー加工機で練り
込んだ製品。
(E)Dの製品に更に永和化成工業(株)製ポリスチレン(EB201)5重量部を加え
てタンブラーでブレンドした製品。
(F)三菱エンジニアリングプラスチックス(株)製ポリカーボネート樹脂(ノバレック
ス7030R)100重量部に対して旭電化工業(株)製酸化防止剤(アデカスタ
グPEP−36)2重量部、豊和直(株)製シラスバルーン(SKB−9000)
15重量部、大日化学工業(株)製界面活性剤(ダイワックスBA)5重量部を加
えてタンブラーでブレンドし、ルーダー加工機で練り込んだ製品。
(G)Fの製品に更に永和化成工業(株)製ポリスチレン(EB201)5重量部を加え
てタンブラーでブレンドした製品。
(H)サンアロマー(株)製ポリプロピレン樹脂(PB222A)100重量部に対して
豊和直(株)製シラスバルーン(SKB9000)15重量部と城北化学(株)製
酸化防止剤(JP−650)2重量部と旭電化工業(株)製界面活性剤(エフコケ
ム ZNS−P)5重量部を加えてタンブラーでブレンドし、ルーダー加工機で練
り込んだ製品。
(I)Hの製品に更に永和化学(株)製発泡剤(有機系ポリスレンEE−206)5重量
部を加えてタンブラーでブレンドした製品。
【実施例10】
【0024】
本発明の洗浄剤と市販の洗浄剤との性能比較実験
型締め圧20トンの横型射出成形機(日本製鋼所(株)製、N20C)を使用して本発明の洗浄剤と市販の洗浄剤との性能比較実験を次のように行った。なお本発明の洗浄剤は実施例9の(I)を使用した。
(1)ポリエチレン(日本ポリプロ(株)製品、ノバテックLJ603)をベース材に濃
い赤色に着色した材料100gをホッパーに投入し、製品(サイドゲート2個取り
、製品重量およびランナー込みで12g)を3ショット成形し、終了後計量、射出
を繰り返して成形機内の樹脂材料をすべて排出する。
(2)次いで洗浄剤の所定の重量をホッパーから投入する。このとき洗浄剤は比較のため
成形機の洗浄が完了しない量を投入する。
(3)射出成形機を手動にして計量、計量完了後射出を繰り返して成形機内の洗浄剤をす
べて排出する。計量時にかける背圧は15〜30%が望ましい。
(4)その後ポリプロピレンのナチュラル材(透明)(サンアロマ(株)製品、サンアロ
マPM940M)をホッパーに投入して成形し、成形品が透明になるまでのポリプ
ロピレン(PP)の量およびそれまでの所要時間を測定する。
【0025】
実験結果を下表にまとめて示した。
【0026】
本発明の洗浄剤 市販品A
洗浄剤の投入量 50g 50g
透明になるまでのPPの量 187g 459g
同所要時間 7分 21分
(註)市販品A : アサクリン、タイプU(旭化成ケミカルズ(株)製品)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
天然ガラス焼成発泡体を含むプラスチック成形機用洗浄剤。
【請求項2】
天然ガラス焼成発泡体と熱可塑性プラスチックを含む請求項1記載のプラスチック成形機の洗浄剤。
【請求項3】
更に酸化防止剤と界面活性剤を含む請求項2記載のプラスチック成形機の洗浄剤。
【請求項4】
更に有機系発泡剤を含む請求項3記載のプラスチック成形機の洗浄剤。
【請求項5】
更に滑剤を含む請求項3記載のプラスチック成形機の洗浄剤。
【請求項6】
天然ガラス焼成発泡体がガラス質火山岩またはガラス質火山砕屑物の焼成発泡体である請求項1または2記載の洗浄剤。
【請求項7】
ガラス質火山岩の焼成発泡体がパーライトである請求項6記載の洗浄剤。
【請求項8】
ガラス質火山砕屑物の焼成発泡体がシラスバルーンである請求項6記載の洗浄剤。
【請求項9】
熱可塑性プラスチックがポリオレフィン系樹脂または芳香族系樹脂である請求項2記載の洗浄剤。
【請求項10】
ポリオレフィン系樹脂がポリエチレン樹脂またはポリプロピレン樹脂である請求項9記載の洗浄剤。
【請求項11】
芳香族系樹脂がポリカーボネート樹脂、ポリスチレン樹脂またはポリアミド樹脂である請求項9記載の洗浄剤。
【請求項12】
熱可塑性プラスチック100重量部に対して天然ガラス焼成発泡体5〜30重量部、酸化防止剤0.1〜5重量部、界面活性剤0.1〜5重量部を混合した請求項2記載のプラスチック成形機の洗浄剤。
【請求項13】
更に有機系発泡剤0.1〜5重量部を混合した請求項12記載のプラスチック成形機の洗浄剤。
【請求項14】
更に滑剤0.05〜1重量部を混合した請求項12記載のプラスチック成形機の洗浄剤。
【請求項15】
プラスチック成形機が押出成形機、射出成形機またはブロー成形機である請求項1または2記載の洗浄剤。
【請求項16】
請求項1または2記載の洗浄剤で発泡剤を含まないもので洗浄後、更に発泡剤で洗浄するプラスチック成形機の洗浄方法。

【公開番号】特開2006−341598(P2006−341598A)
【公開日】平成18年12月21日(2006.12.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−134294(P2006−134294)
【出願日】平成18年5月12日(2006.5.12)
【出願人】(305014881)富山カラーリング株式会社 (1)
【Fターム(参考)】