説明

プラスチック表面の湿潤性及び/若しくは接着性の改善方法

【課題】 本願発明の目的は、特に印刷、塗装又は接着を容易にするために、プラスチック表面(たとえば、プラスチック材料又はプラスチック材料の表面)の湿潤性及び/若しくは接着性を改善することにある。
【解決手段】 本願発明に係る方法は、プラスチック表面、特にポリアミド表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善し、特に印刷、塗装又は染色される能力を改善するために、プラスチックに付加される前記潤滑剤として、少なくとも1つの金属せっけんフリーの潤滑剤を使用することであり、また、前記ポリアミドの末端基の数を増加させることである。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、プラスチック表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善する方法、特に印刷され、塗装され、又は接着されるそれらの能力を改善することを目的する方法、及びこれら方法の使用に関する。
【0002】
さらに、この発明は、特に印刷され、塗装され、又は接着されるそれらの能力を改善することを目的として、それらの表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善するためにプラスチック材料に金属せっけんフリーの潤滑剤を使用することに関する。
【背景技術】
【0003】
一般的に、加工の間プラスチック溶融液の流動学に直接的に影響を及ぼすいわゆる潤滑剤が、できる限り簡単に加工されるように、プラスチック、特に熱プラスチックに付加される。これらの潤滑剤は、お互いにプラスチックのポリマー鎖の改善されたスリップと、それらの表面活性による添加剤(補助剤)の良好な分散のために作用する。さらに、潤滑剤は、押出成形機の摩擦熱を減少させ、射出成形用具からの製品の形成において役立つ。
【0004】
本願発明に範囲内において、充填されるプラスチック、特にプレスされるプラスチック又は射出成形用プラスチックのための添加剤又は補助剤であって、より簡単に充填剤をスリップさせ且つプレスされる樹脂をより簡単に形成可能であるものが、潤滑剤と呼ばれる。この潤滑剤自体は、それらが付加されるプラスチックに不溶性である。潤滑剤という言葉に関してさらなる詳細については、ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1997年第2巻、第1553頁、キーワード「潤滑剤」及びそこに引用される文献を参照することが可能であり、これによってこれに関する内容は、参照することによってその全範囲において具体化される。
【0005】
疎水性金属せっけん、特にステアリン酸の金属せっけん(たとえば、ステアリン酸カルシウム)が、それらの優れた特性によって、プラスチックの場合、特に工業的ポリアミドの場合にいわゆる内部潤滑剤として使用される。
【0006】
本願発明の範囲において使用されるような「金属せっけん」という言葉は、特にアルミニウム、バリウム、カルシウム、カドミウム、コバルト、クロム、銅、鉄、リチウム、マグネシウム、マンガン、ニッケル、鉛、錫、ストロンチウム及び亜鉛の塩(ナトリウム及びカリウムは含まない)と共に、より高い脂肪性の樹脂、及びナフテン酸塩(たとえば、ステアリン酸塩、パルミチン酸塩、オレイン酸塩、リノール酸塩、樹脂酸塩、ラウリン酸塩、オクタン酸塩、リシノール酸塩、12−ヒドロキシステアリン酸塩、ナフテン酸塩、タル油酸塩等)を意味する。「金属せっけん」という言葉に関するさらなる詳細については、ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1998年第4巻、第2619頁、「金属せっけん」及びそこに引用される文献を参照することが可能であり、これに関するそれらの開示は、参照することによってその全範囲において具体化される。
【0007】
しかしながら、金属せっけんの元となるスリップ剤が、強いプレートアウト効果を有する傾向にあることが知られている。これは、加工の間、金属せっけんに基づく潤滑剤がプラスチック表面に拡散し、プラスチック表面とこのプラスチック表面が接触する治具の壁との間の分離効果を生じることを意味する。このいわゆるプレートアウト効果は、プラスチック混合物内の個々の混合物構成要素のいろいろなレベルの非融和性によるものである。
【0008】
これは、例えば接着、コーティング、印刷、及び塗装等の加工が施される前に、プラスチックが、一般的に表面の活性化が要求され、その活性化を介して液体接着剤、染料、ペンキ、インク等のためにプラスチック表面の湿潤化又は接着性が最初に可能となる理由である。上述したような前処理は、特にコロナ処理、火炎処理、化学的処理、プラズマ処理(たとえば、低圧プラズマによる)、フッ素処理等を有するものであり、酸化加工が施された結果としてプラスチック表面が極性化される。たとえばポリアミドを塗装する自動車産業において使用される前処理の別の形式は、次の塗装作業のための親和性を向上させるために行われる結合剤での基板またはプラスチック表面のいわゆる下塗りである。
【0009】
プラスチックは、長い間この方法で印刷されてきた。たとえば、長年、ポリイミドが、たとえばスクリーン印刷において、光硬化、特にUV硬化インキでイン印刷されるものであり、またUV硬化インキ系は、用紙及び厚紙印刷分野において長い歴史を有するものである。
【0010】
上述されたプラスチックの潤滑剤として使用される金属せっけんのプレートアウト効果は、たとえばUV硬化インキによるそれに続く印刷に関して有害である。たとえば金属ステアリン酸であるこれらの金属せっけんは、それがUVインク系の構成要素と反応し、且つ/又は、前記インキとプラスチック表面の間のバリヤ層を形成するという事実によって印刷加工を中断させ、これによって前記インキの機能性を減少させるものである。
【0011】
一般的に光硬化インキは、予め決められた短い光波長と整合する1つ以上の光開始剤を含んでいる。硬化の間に照射される光は、光開始剤が刺激され、インキが少なくとも部分的にポリマー化されるような波長において選択され、それからインキのポリマー化が粘度の上昇を生じ、且つインキの硬化を生じる。そこでの硬化レベルは、暴露時間に依存し且つ照射される放射電力に依存する。最新のUV硬化インキは、場合によってアクリラート(たとえばメチルメタクリル酸)のUV光定量誘発ラジカルポリマー化に基づいており、アクリラートは、存在するカルボキシ基による極性特性を有し、これによって、極性部分について約16mN/mとして文献において与えられる所定の表面張力を有する。極性プラスチック、たとえば極性ポリアミド(約18,1mN/mの極性部の表面張力)に関する所定の結合力が、これによって与えられるといわれている。しかしながら、潤滑剤(たとえば金属ステアリン酸)として使用される金属せっけんのいわゆるプレートアウト効果によって、プラスチック表面の表面張力が減少し、印刷は、著しく低下する。これは「通常」状態と条件付状態との間の品質の差の形で現れる。すでに品質的に不完全に作用する「標準」と比較すると、条件付ポリアミドは、まだより不完全な差異及びより低い耐摩耗性を示し、品質におけるこれらの差異は望ましいものではない。
【先行技術文献】
【非特許文献】
【0012】
【非特許文献1】ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1997年第2巻、第1553頁、キーワード「潤滑剤」
【非特許文献2】ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1998年第4巻、第2619頁、「金属せっけん」
【非特許文献3】ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1997年第2巻、1325頁〜1327頁、キーワード「脂肪酸」
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
そのため、本願発明は、上記に示されたような従来技術の不利益点を避け又は少なくとも少なくともそれらを減じるようにし、特に容易に印刷され、塗装され又は接着されることが可能なように、プラスチック表面(たとえばポリアミド表面)の湿潤性及び/若しくは接着性を改善する方法を使用可能にするという課題に基づくものである。
【0014】
本出願人は、プラスチック表面の湿潤性及び接着性、且つ、印刷され、塗装され又は接着されるそれらの能力が、通常の金属せっけんの代わりに金属せっけんフリーの潤滑剤を付加することによって著しく改善することを見いだした。
【課題を解決するための手段】
【0015】
本願発明の目的は、特に印刷、塗装又は接着を容易にするために、プラスチック表面(たとえば、プラスチック材料又はプラスチック材料の表面)の湿潤性及び/若しくは接着性を改善する方法であり、特にプラスチックの加工性(たとえば、押出、射出成形等)を改善するための方法であり、本願発明によれば、少なくとも1つの金属せっけんフリーの潤滑剤がプラスチックのための潤滑剤として使用される。
【0016】
この発明において使用される「金属せっけん」及び「潤滑剤」という言葉に関して、上述された内容を参照することができる。
【0017】
本願発明の範囲内において、金属せっけんフリーの潤滑剤をプラスチックに付加することに関して議論されるならば、「金属せっけんフリーの潤滑剤」という言葉は、一つの潤滑剤又はそのような潤滑剤の混合物のいずれかを意味するものと理解される。
【0018】
さらに、出願人は、金属せっけんフリーの潤滑剤及びこれによる金属せっけんに基づく従割愛の完全な回避を介して、いわゆるプレートアウト効果が、少なくとも十分に避けること又は最小化されることができ、それに続く印刷、塗装、染色又は接着を防止又は減少させる課題となるバリヤ層が、プラスチック表面に形成されることがないということを見いだした。
【0019】
また、特に脂肪酸エステルに基づく潤滑剤として、本願発明によって使用される金属せっけんフリーの潤滑剤が、非常に狭い範囲だけ又はほんの少しだけプレートアウト効果を生じる傾向にあるという効果の他に、たとえば他の利益的特性が金属せっけんフリーの潤滑剤の使用と関連して、たとえば金属せっけんフリーの潤滑剤として本願発明によって使用される脂肪酸エステルが両極性(amphipolar)であると共に、それらの疎水性特性が優れており、一般的にそれらが金属せっけんよりもより有極性であるという効果を有する。金属せっけんと比較して、それらはポリアミド表面の表面張力も減少させない。これに対して、金属せっけんは、表面張力を低下させ、これによってポリアミドが表面を介して水分を受容するので、それらはポリアミド表面の表面張力をさらに低下させる。その結果、結果として生じるプラスチック表面の付加的な好ましい特性は、本願発明によって選択された金属せっけんフリーの潤滑剤に関係している。
【0020】
特に、有機カルボン酸、好ましくは脂肪酸、特に好ましくは親水性脂肪酸のエステル又はグリセリン酸エステルが、本願発明の範囲内においてプラスチックの金属せっけんフリーの潤滑剤として使用されることが望ましい。
【0021】
本願発明の範囲内で使用される「脂肪酸」という言葉は、脂肪族、一般的にほとんど排他的に枝なし炭素鎖を有する飽和カルボン酸に関するグループ名である。この名前は、天然脂肪及び油が、長鎖カルボン酸のエステル、特にグリセロールを有するものからなることを容易にわかるようにするものである。結果として「脂肪酸」の属名称は、すべてのアルカン酸及びそれらの不飽和代表物(「オレイン酸」)に拡大解釈された。「脂肪酸」という言葉に関する詳細について、たとえば、ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1997年第2巻、1325頁〜1327頁、キーワード「脂肪酸」及びそこに引用されている文献を参照することができる。
【0022】
本願発明の範囲内において、特に脂肪酸が少なくとも10個の炭素原子、好ましくは12個の炭素原子を有するより高い脂肪酸である脂肪酸が、金属せっけんフリーの潤滑剤として使用される。特に。前記脂肪酸は、C10−C30脂肪酸、特にC12−C24脂肪酸、好ましくはC14−C20脂肪酸、特に好ましくはステアリン酸である。
【0023】
特に、本願発明の範囲内において、脂肪酸が、特に少なくとも10個の炭素原子を有し、好ましくは少なくとも12個の炭素原子を有する飽和非分岐脂肪酸である脂肪酸エステルが、金属せっけんフリーの潤滑剤として使用される。好ましくは、前記脂肪酸は、飽和非分岐脂肪酸、特に飽和非分岐C10−C30脂肪酸、好ましくは飽和非分岐C12−C24脂肪酸、特に好ましくは飽和非分岐C14−C20脂肪酸の脂肪酸エステルである。
【0024】
金属せっけんフリーの潤滑剤として使用される有機カルボン酸エステルのアルコール(エステル化アルコール)に関して、それは一価又は多価アルコール、特に多価アルコール、好ましくは二価から四価アルコールである。本願発明によれば、金属せっけんフリーの潤滑剤として本願発明において使用される有機カルボン酸エステルのエステル価アルコールは、C−C10アルコール、特にC−Cアルコールである。ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、グリセロール、ペンタエリトリトール又はトリメチロールプロパンが特に好ましい。
【0025】
本願発明の好ましい例によれば、使用される脂肪酸エステルは、ステアリン酸エステル、特にステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸へキシル、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸トリメチロールプロパン又はテトラステアリン酸ペンタエリトリトール、及びそれらの混合物である。
【0026】
本願発明の範囲内において使用される金属せっけんフリーの潤滑剤の量は、広い範囲で変化可能である。特に、前記潤滑剤は、それと加工されるプラスチック重量に対して、0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%の量において使用される。しかしながら、本願発明の範囲を超えることなしに、それぞれの場合において又は応用において上記量から外れるような場合もある。
【0027】
親水性脂肪酸エステル(たとえば、ステアリン酸へキシル、グリセリン酸エステル、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸ブチル等)による潤滑剤としての疎水性金属塩を置き換えることは、この発明の基礎をなす課題を解決し、且つそれはコストのかかる前処理工程を行うことなく実行することができるものである。それらの親水性特性及びより高い分子量によって、特にそれらがプラスチックとしてポリアミドにおいて使用される場合、金属せっけんフリーの潤滑剤が、たとえばステアリン酸カルシウムの金属せっけんと比較される時にプレートアウト効果に対してより小さい傾向を有する。このように、表面の極性における控えめな効果は、潤滑剤として金属塩を有する場合に比べて強くないので、プラスチック表面が「通常」の状態若しくは条件付状態(たとえばポリアミド表面)のいずれの場合にも、たとえばUVインク系での印刷加工において、品質の相違は認められない。
【0028】
これに対して、出願人が見いだしたように、本願発明の基礎をなす課題を解決する別の可能性、たとえば炭酸カルシウム、増加された二酸化チタン含有物(白顔料のような)等は、これに関しては全く成功を示さない。
【0029】
結果として、本願発明に係る方法は、プラスチック表面の湿潤性及び接着性の十分な改善を生じ、この方法において印刷され、塗装され、接着される等のそれらの能力を改善し、上述された種類の表面を前処理するコストのかかる加工なしにこれを達成することができるものである。
【0030】
本願発明に係る方法は、多くのプラスチックに適用することができる。特にサーモプラスチックに適している。本願発明の範囲内で使用されるように、この「サーモプラスチック」という言葉(同義語:「プラストマー」)は、それが使用される温度で硬質又は軟質であり、使用温度以上で流れ転移領域を有するポリマー材料を示している。一般的に、サーモプラスチックは、原則的に、非晶質サーモプラスチックの場合にはガラス転移温度以上で、結晶質及び部分的に結晶質サーモプラスチックの場合には融点以上で流動可能となる線形又は分枝ポリマーからなる。軟質状態において、それらは圧縮成形、押出成形、射出成形又は他の成形加工によって、成型品に加工される。「サーモプラスチック」という言葉に関するさらなる詳細に関しては、ロンプケミカルレクシコン、第10偏、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1999年、第6巻、4505頁〜4506頁、キーワード「サーモプラスチック」及びそこに引用される文献を参照することが可能である。これによって、これに関する開示は、これと共に参照によってそのすべての範囲において結合される。
【0031】
特に、本願発明に係るプレスチックは、ポリアミド、ポリオレフィン、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)及びPC(ポリカーボネート)からなる群から選択される。ポリアミドが好ましい。すなわち、本願発明に係る方法は、ポリアミド表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善するのに特に適している。それにも関わらず、それは、基本的に、他の指摘されたサーモプラスチックについても等しく適している。
【0032】
さらに、本出願人は、別の実施例によって、特にポリアミド表面について、特により簡単な印刷、塗装又は接着を目的として、上述された湿潤性及び/若しくは接着性の改善という課題及び本願発明の基礎を形成する課題が、ポリアミドの末端基の数を増加することによって軽減されることを見いだした。この別の例によって、特にポリアミド表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善し、特に印刷、塗装又は接着をより容易にするための方法は、ポリアミドの末端基の数を増加させることである。
【0033】
多くのポリマー物質は、末端基と呼ばれる鎖又は分枝分子の末端に特に反応性又は他の官能基を有する。たとえば、これに関しては、ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1997年、第2巻、1156頁、キーワード「端末基の測定」を参照することができる。
【0034】
本願発明の基礎となる課題の別の解決方法によって、特にポリアミド表面の湿潤性及び/若しくは接着性の改善は、潤滑剤を変えることなしに達成される。この別の例について、金属せっけんに基づく潤滑剤、いわゆるそれによって潤滑剤として金属せっけんを保持する潤滑剤を付加することも可能であり、また、本願発明に係る方法の上述された第1の例に示されるような金属せっけんフリーの潤滑剤を使用することも可能である。この別の方法において、潤滑剤として金属せっけんを使用する場合のプレートアウト効果の否定的な結果は、ポリアミドの末端基の数を多くすることによって補償することができるものである。特にポリアミドに関して発展されたこの別の方法の利点は、潤滑剤として金属せっけんを使用することができることであり、金属せっけんフリーの潤滑剤と比較して、より良い加工作用を有し、特により良い内部及び外部潤滑効果及びより良い分離剤としての特性を有することである。
【0035】
両方の場合において、本願発明によって、それに続くプラスチック表面、特にポリアミド表面の印刷、塗装、接着又は染色作業が、事前の前処理なしに、特に化学的前処理、フッ素化、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、酸化、下塗り等なしに実行することができることが達成された。
【0036】
特に、プラスチック表面の印刷適性は、本願発明に係る方法によって効果的に改善され、特にプラスチック表面の印刷適性は、光硬化、特にUV硬化インキを使用することによって効果的に改善される。
【0037】
さらに、プラスチック表面の塗装適性は、本願発明に係る方法によって効果的に改善される。特に、プラスチック表面の塗装、染色等の接着性、又は塗装、染色等によるプラスチック表面の湿潤性は、これによって改善される。
【0038】
さらにまた、本願発明の方法について、改善は、プラスチック表面の粘着適性において達成される。特にプラスチック表面への接着剤の接着性及び接着剤によるプラスチック表面の湿潤性が向上する。
【0039】
本願発明の第1及び第2の例による発明の方法は、光硬化、特にUV硬化インキで、プラスチック表面を印刷するための本願発明による方法を使用するものである。プラスチック表面の印刷はインクジェットプリンタで安価に実行することができ、且つこれはプラスチック表面のコストのかかる前処理なしに実行することができる。
【0040】
最後に、本願発明の別の目的は、プラスチック表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善するために、特に印刷、塗装、又は接着の能力を改善するために、プラスチックに金属せっけんフリーの潤滑剤を使用することである。本願発明に係る使用の詳細については、本願発明の使用に関して相応して有効である本願発明の方法に関する上記説明を参照することによって明確となる。
【0041】
本願発明の他の展開、ずれ及び変化は、本願発明の範囲を超えることなしに、上記記述を読むことによって当業者には容易に理解し、実現化することができるものである。
【発明を実施するための形態】
【0042】
本願発明の目的は、特に印刷、塗装又は接着を容易にするために、プラスチック表面(たとえば、プラスチック材料又はプラスチック材料の表面)の湿潤性及び/若しくは接着性を改善する方法であり、特にプラスチックの加工性(たとえば、押出、射出成形等)を改善するための方法であり、本願発明によれば、少なくとも1つの金属せっけんフリーの潤滑剤がプラスチックのための潤滑剤として使用される。
【0043】
この発明において使用される「金属せっけん」及び「潤滑剤」という言葉に関して、上述された内容を参照することができる。
【0044】
本願発明の範囲内において、金属せっけんフリーの潤滑剤をプラスチックに付加することに関して議論されるならば、「金属せっけんフリーの潤滑剤」という言葉は、一つの潤滑剤又はそのような潤滑剤の混合物のいずれかを意味するものと理解される。
【0045】
さらに、出願人は、金属せっけんフリーの潤滑剤及びこれによる金属せっけんに基づく従割愛の完全な回避を介して、いわゆるプレートアウト効果が、少なくとも十分に避けること又は最小化されることができ、それに続く印刷、塗装、染色又は接着を防止又は減少させる課題となるバリヤ層が、プラスチック表面に形成されることがないということを見いだした。
【0046】
また、特に脂肪酸エステルに基づく潤滑剤として、本願発明によって使用される金属せっけんフリーの潤滑剤が、非常に狭い範囲だけ又はほんの少しだけプレートアウト効果を生じる傾向にあるという効果の他に、たとえば他の利益的特性が金属せっけんフリーの潤滑剤の使用と関連して、たとえば金属せっけんフリーの潤滑剤として本願発明によって使用される脂肪酸エステルが両極性(amphipolar)であると共に、それらの疎水性特性が優れており、一般的にそれらが金属せっけんよりもより有極性であるという効果を有する。金属せっけんと比較して、それらはポリアミド表面の表面張力も減少させない。これに対して、金属せっけんは、表面張力を低下させ、これによってポリアミドが表面を介して水分を受容するので、それらはポリアミド表面の表面張力をさらに低下させる。その結果、結果として生じるプラスチック表面の付加的な好ましい特性は、本願発明によって選択された金属せっけんフリーの潤滑剤に関係している。
【0047】
特に、有機カルボン酸、好ましくは脂肪酸、特に好ましくは親水性脂肪酸のエステル又はグリセリン酸エステルが、本願発明の範囲内においてプラスチックの金属せっけんフリーの潤滑剤として使用されることが望ましい。
【0048】
本願発明の範囲内で使用される「脂肪酸」という言葉は、脂肪族、一般的にほとんど排他的に枝なし炭素鎖を有する飽和カルボン酸に関するグループ名である。この名前は、天然脂肪及び油が、長鎖カルボン酸のエステル、特にグリセロールを有するものからなることを容易にわかるようにするものである。結果として「脂肪酸」の属名称は、すべてのアルカン酸及びそれらの不飽和代表物(「オレイン酸」)に拡大解釈された。「脂肪酸」という言葉に関する詳細について、たとえば、ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1997年第2巻、1325頁〜1327頁、キーワード「脂肪酸」及びそこに引用されている文献を参照することができる。
【0049】
本願発明の範囲内において、特に脂肪酸が少なくとも10個の炭素原子、好ましくは12個の炭素原子を有するより高い脂肪酸である脂肪酸が、金属せっけんフリーの潤滑剤として使用される。特に。前記脂肪酸は、C10−C30脂肪酸、特にC12−C24脂肪酸、好ましくはC14−C20脂肪酸、特に好ましくはステアリン酸である。
【0050】
特に、本願発明の範囲内において、脂肪酸が、特に少なくとも10個の炭素原子を有し、好ましくは少なくとも12個の炭素原子を有する飽和非分岐脂肪酸である脂肪酸エステルが、金属せっけんフリーの潤滑剤として使用される。好ましくは、前記脂肪酸は、飽和非分岐脂肪酸、特に飽和非分岐C10−C30脂肪酸、好ましくは飽和非分岐C12−C24脂肪酸、特に好ましくは飽和非分岐C14−C20脂肪酸の脂肪酸エステルである。
【0051】
金属せっけんフリーの潤滑剤として使用される有機カルボン酸エステルのアルコール(エステル化アルコール)に関して、それは一価(一水酸基を有する)又は多価アルコール、特に多価アルコール、好ましくは二価から四価(4個の水酸基を有する)アルコールである。本願発明によれば、金属せっけんフリーの潤滑剤として本願発明において使用される有機カルボン酸エステルのエステル価アルコールは、C−C10アルコール、特にC−Cアルコールである。ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、グリセロール、ペンタエリトリトール又はトリメチロールプロパンが特に好ましい。
【0052】
本願発明の好ましい例によれば、使用される脂肪酸エステルは、ステアリン酸エステル、特にステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸へキシル、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸トリメチロールプロパン又はテトラステアリン酸ペンタエリトリトール、及びそれらの混合物である。
【0053】
本願発明の範囲内において使用される金属せっけんフリーの潤滑剤の量は、広い範囲で変化可能である。特に、前記潤滑剤は、それと加工されるプラスチック重量に対して、0.01〜10重量%、特に0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%の量において使用される。しかしながら、本願発明の範囲を超えることなしに、それぞれの場合において又は応用において上記量から外れるような場合もある。
【0054】
親水性脂肪酸エステル(たとえば、ステアリン酸へキシル、グリセリン酸エステル、モノステアリン酸グリセロール、ステアリン酸ブチル等)による潤滑剤として、疎水性金属塩を置き換えることは、この発明の基礎をなす課題を解決し、且つそれはコストのかかる前処理工程を行うことなく実行することができるものである。それらの親水性特性及びより高い分子量によって、特にそれらがプラスチックとしてのポリアミドにおいて使用される場合、金属せっけんフリーの潤滑剤が、たとえばステアリン酸カルシウムの金属せっけんと比較される時にプレートアウト効果に対してより小さい傾向を有する。このように、表面の極性における否定的な効果は、潤滑剤として金属塩を有する場合に比べて強くないので、プラスチック表面が「通常」の状態若しくは条件付状態(たとえばポリアミド表面)のいずれの場合にも、たとえばUVインク系での印刷加工において、品質の相違は認められない。
【0055】
これに対して、出願人が見いだしたように、本願発明の基礎をなす課題を解決する別の可能性、たとえば炭酸カルシウム、増加された二酸化チタン含有物(白顔料のような)等は、これに関しては全く成功を示さない。
【0056】
結果として、本願発明に係る方法は、プラスチック表面の湿潤性及び接着性の十分な改善を生じ、この方法において印刷され、塗装され、接着される等のそれらの能力を改善し、上述された種類の表面を前処理するコストのかかる加工なしにこれを達成することができるものである。
【0057】
本願発明に係る方法は、多くのプラスチックに適用することができる。特にサーモプラスチックに適している。本願発明の範囲内で使用されるように、この「サーモプラスチック」という言葉(同義語:「プラストマー」)は、それが使用される温度で硬質又は軟質であり、使用温度以上で流れ転移領域を有するポリマー材料を示している。一般的に、サーモプラスチックは、原則的に、非晶質サーモプラスチックの場合にはガラス転移温度以上で、結晶質及び部分的に結晶質サーモプラスチックの場合には融点以上で流動可能となる線形又は分枝ポリマーからなる。軟質状態において、それらは圧縮成形、押出成形、射出成形又は他の成形加工によって、成型品に加工される。「サーモプラスチック」という言葉に関するさらなる詳細に関しては、ロンプケミカルレクシコン、第10偏、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1999年、第6巻、4505頁〜4506頁、キーワード「サーモプラスチック」及びそこに引用される文献を参照することが可能である。これによって、これに関する開示は、これと共に参照によってそのすべての範囲において結合される。
【0058】
特に、本願発明に係るプレスチックは、ポリアミド、ポリオレフィン、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)及びPC(ポリカーボネート)からなる群から選択される。ポリアミドが好ましい。すなわち、本願発明に係る方法は、ポリアミド表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善するのに特に適している。それにも関わらず、それは、基本的に、他の指摘されたサーモプラスチックについても等しく適している。
【0059】
さらに、本出願人は、別の実施例によって、特にポリアミド表面について、特により簡単な印刷、塗装又は接着を目的として、上述された湿潤性及び/若しくは接着性の改善という課題及び本願発明の基礎を形成する課題が、ポリアミドの末端基の数を増加することによって軽減されることを見いだした。この別の例によって、特にポリアミド表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善し、特に印刷、塗装又は接着をより容易にするための方法は、ポリアミドの末端基の数を増加させることである。
【0060】
多くのポリマー物質は、末端基と呼ばれる鎖又は分枝分子の末端に特に反応性又は他の官能基を有する。たとえば、これに関しては、ロンプケミカルレクシコン、第10編、ゲオルグ論文出版、シュタットガルト/ニューヨーク、1997年、第2巻、1156頁、キーワード「端末基の測定」を参照することができる。
【0061】
本願発明の基礎となる課題の別の解決方法によって、特にポリアミド表面の湿潤性及び/若しくは接着性の改善は、潤滑剤を変えることなしに達成される。この別の例について、金属せっけんに基づく潤滑剤、いわゆるそれによって潤滑剤として金属せっけんを保持する潤滑剤を付加することも可能であり、また、本願発明に係る方法の上述された第1の例に示されるような金属せっけんフリーの潤滑剤を使用することも可能である。この別の方法において、潤滑剤として金属せっけんを使用する場合のプレートアウト効果の否定的な結果は、ポリアミドの末端基の数を多くすることによって補償することができるものである。特にポリアミドに関して発展されたこの別の方法の利点は、潤滑剤として金属せっけんを使用することができることであり、金属せっけんフリーの潤滑剤と比較して、より良い加工作用を有し、特により良い内部及び外部潤滑効果及びより良い分離剤としての特性を有することである。
【0062】
両方の場合において、本願発明によって、それに続くプラスチック表面、特にポリアミド表面の印刷、塗装、接着又は染色作業が、事前の前処理なしに、特に化学的前処理、フッ素化、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、酸化、下塗り等なしに実行することができることが達成された。
【0063】
特に、プラスチック表面の印刷適性は、本願発明に係る方法によって効果的に改善され、特にプラスチック表面の印刷適性は、光硬化、特にUV硬化インキを使用することによって効果的に改善される。
【0064】
さらに、プラスチック表面の塗装適性は、本願発明に係る方法によって効果的に改善される。特に、プラスチック表面の塗装、染色等の接着性、又は塗装、染色等によるプラスチック表面の湿潤性は、これによって改善される。
【0065】
さらにまた、本願発明の方法について、改善は、プラスチック表面の粘着適性において達成される。特にプラスチック表面への接着剤の接着性及び接着剤によるプラスチック表面の湿潤性が向上する。
【0066】
本願発明の第1及び第2の例による発明の方法は、光硬化、特にUV硬化インキで、プラスチック表面を印刷するための本願発明による方法を使用するものである。プラスチック表面の印刷はインクジェットプリンタで安価に実行することができ、且つこれはプラスチック表面のコストのかかる前処理なしに実行することができる。
【0067】
最後に、本願発明の別の目的は、プラスチック表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善するために、特に印刷、塗装、又は接着の能力を改善するために、プラスチックに金属せっけんフリーの潤滑剤を使用することである。本願発明に係る使用の詳細については、本願発明の使用に関して相応して有効である本願発明の方法に関する上記説明を参照することによって明確となる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
潤滑剤をプラスチックの付加することによって、加工能力の向上、且つ印刷、塗装、又は接着される能力を改善するために、プラスチック表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善する方法において、
プラスチックに付加される前記潤滑剤として、少なくとも1つの金属せっけんフリーの潤滑剤を使用することを特徴とする方法。
【請求項2】
有機カルボン酸のエステル、特に脂肪酸エステル、好ましくは親水性脂肪酸エステル又はグリセリン酸エステルが、プラスチックに付加される金属せっけんフリーの潤滑剤として使用されることを特徴とする請求項1記載の方法。
【請求項3】
前記脂肪酸エステルの脂肪酸は、少なくとも10個の炭素原子、好ましくは少なくとも12個の炭素原子を有するより高い脂肪酸であり、且つ/又は、脂肪酸エステルの脂肪酸は、C10−C30脂肪酸、特にC12−C24脂肪酸、好ましくはC14−C20脂肪酸、特に好ましくはステアリン酸であることを特徴とする請求項2記載の方法。
【請求項4】
前記脂肪酸エステルの脂肪酸は、飽和非分岐脂肪酸、特に少なくとも10個の炭素原子を有するもの、好ましくは少なくとも12個の炭素原子を有するものであり、且つ/又は、前記脂肪酸エステルの脂肪酸は、飽和非分岐脂肪酸、特に飽和非分岐C10−C30脂肪酸、好ましくは飽和非分岐C12−C24脂肪酸、特に好ましくは飽和非分岐C14−C20脂肪酸であることを特徴とする請求項2又は3記載の方法。
【請求項5】
前記有機カルボン酸エステルのアルコールは、一価又は多価、特に一価アルコール、二価〜四価アルコールであること、且つ/又は、前記有機カルボン酸エステルのアルコールが、C−C10アルコール、特にC−Cアルコールであり、特に好ましくは、ブタノール、イソブタノール、ペンタノール、ヘキサノール、グリセロール、ペンタエリトリトール又はトリメチロールプロパンであることを特徴とする請求項2〜4のいずれか1つに記載の方法。
【請求項6】
前記脂肪酸は、ステアリン酸エステル、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸イソブチル、ステアリン酸へキシル、モノステアリン酸グリセロール、ジステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸グリセロール、トリステアリン酸トリメチロールプロパン又はテトラステアリン酸ペンタエリトリトール、又はそれらの混合物であることを特徴とする請求項2〜5のいずれか1つに記載の方法。
【請求項7】
前記潤滑剤は、前記プラスチックに対して、0.01〜10重量%、特には0.1〜5重量%、好ましくは0.3〜3重量%の量において使用されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の方法。
【請求項8】
前記プラスチックは、サーモプラスチックであることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1つに記載の方法。
【請求項9】
前記プラスチックは、ポリアミド、ポリオレフィン、ポリウレタン、ABS(アクリロニトリル/ブタジエン/スチレン)、PBT(ポリブチレンテレフタラート)及びPC(ポリカルボネート)からなる群から選択されること、特に好ましくはポリアミドであることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の方法。
【請求項10】
ポリアミド表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善し、特に印刷、塗装又は染色される能力を改善する方法において、
前記ポリアミドの末端基の数を増加させることを特徴とする方法。
【請求項11】
金属せっけんに基づく潤滑剤が前記ポリアミドに付加されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項12】
請求項2〜6記載の金属せっけんフリーの潤滑剤が、前記ポリアミドに付加されることを特徴とする請求項10記載の方法。
【請求項13】
プラスチック表面、特にポリアミド表面が、押出、射出成形によって製造されることを特徴とする請求項1〜12のいずれか1つに記載の方法。
【請求項14】
プラスチック表面、特にポリアミド表面の印刷、塗装又は染色は、事前の前処理なしに、特に、化学的前処理、フッ素化処理、コロナ処理、火炎処理、プラズマ処理、酸化、下塗りなしに実行されることを特徴とする請求項1〜13のいずれか1つに記載の方法。
【請求項15】
プラスチック表面の印刷適性を改善すること、特に光硬化、特にUV硬化インクにより、プラスチック表面の印刷適性を改善することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項16】
プラスチック表面の塗装適性を改善すること、且つ/又は、プラスチック表面に対するペンキ、染料の接着性を改善すること、且つ/又は、ペンキ、染料によるプラスチック表面の湿潤性を改善することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項17】
プラスチック表面の接着適性を改善すること、且つ/又は、プラスチック表面への接着剤の接着性を改善すること、且つ/又は、接着剤によるプラスチック表面の湿潤性を改善することを特徴とする請求項1〜14のいずれか1つに記載の方法。
【請求項18】
光硬化、特にUV硬化インクによってプラスチック表面を印刷することを特徴とする請求項1〜17のいずれか1つに記載の方法の使用。
【請求項19】
プラスチック表面の印刷が、インクジェットプリンターで実行されることを特徴とする請求項18記載の使用。
【請求項20】
プラスチック表面の湿潤性及び/若しくは接着性を改善するための、特に印刷、塗装又は染色される能力を改善するためのプラスチック材料に金属せっけんフリーの潤滑剤の使用。


【公表番号】特表2010−510362(P2010−510362A)
【公表日】平成22年4月2日(2010.4.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−537531(P2009−537531)
【出願日】平成19年11月21日(2007.11.21)
【国際出願番号】PCT/EP2007/010075
【国際公開番号】WO2008/061723
【国際公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【出願人】(504019733)フェニックス コンタクト ゲーエムベーハー ウント コムパニー カーゲー (72)
【Fターム(参考)】