説明

プラスチック製のマルチコンパートメントハウジング内に複数のプラグを埋設するための方法及び製品

ハウジングの主要部分を構成する複数のキャビティを備えるマルチコンパートメントハウジングが提供される。マルチコンパートメントハウジングは、円滑な連続表面を有する側方部分と、マルチコンパートメントハウジングの中心軸に直交する複数の個別のキャビティとを有する。個別のキャビティは、相当する各キャビティと連通する状態で配置され得る複数のプラグを有する。マルチコンパートメントハウジングは、プラグを然るべく配置してプラグアレーから隣り合う各プラグを分離させた後、当該マルチコンパートメントハウジング上に固定されてマルチコンパートメントハウジングを閉鎖し且つ各プラグを隣り合うキャビティから分離させ得るシール用底部をも有する。

【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
医療診断試薬、薬物製品、服用単位の市販薬(OTC)は、コンシューマーユース又は投与装置で使用するべく個別にパッケージ化される場合が多い。これらの製品には感湿性のものもあり、製品保護のための乾燥剤又は乾燥材を使用する又はパッケージに入れる必要がある。経済性及びユーザーの利便性の両観点から、そうしたパッケージをできるだけコンパクト化することが望ましく、パッケージングフォーマットとしては、製品を使用フォーマット単位で並べたものが好ましい。
パッケージをコンパクト化して行くと、乾燥剤又は乾燥材用のスペースが小さくなる。乾燥剤又は乾燥材の必要量は代表的には少いが、それ故に、配置スペースが小さいと精密な取り扱いが難しくなる。相当する乾燥剤又は乾燥材を備える各画室を相互に分離させる必要がある。その方法の1つは、所望の乾燥剤又は乾燥材の各ピース用の注入ポイントを持たせることであるが、パッケージサイズが小型化して配置スペースが共に小さくなるに従い、注入ポイントを別に設けるのは、例えば、注入ポイント及びこの注入ポイントに流す材料の物理的な必要空間から見て、非実用的なものとなる。
【0002】
【特許文献1】米国特許第5,911,937号
【特許文献2】同6,214,255号
【特許文献3】同6,130,263号
【特許文献4】同6,080,350号
【特許文献5】同6,174,952号
【特許文献6】同6,124,006号
【特許文献7】同6,221,446号
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
プラスチック製のマルチコンパートメントハウジング内に複数のプラグを埋設するための方法及び製品を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の1実施例によれば、複数のキャビティを備える成形されたハウジングであって、ハウジングの主要部分を形成するマルチコンパートメントハウジング又はマルチコンポーネントハウジングにして、円滑な連続表面を有する側方部分と、このマルチコンパートメントハウジングの中心軸に直交する複数の個別のキャビティとを含み、各キャビティがマルチコンパートメントハウジングの開口面にして、前記中心軸から半径方向のライン上にあって開口の一部分が前記中心軸と平行なハウジングと、複数のプラグを含むプラグアレーにして、各プラグがマルチコンパートメントハウジングの個々の相当するキャビティと連通する状態下に配置され得る寸法とされ、複数のプラグを相互に連結して構成したプラグアレーと、プラグアレーを然るべく位置決めした後、マルチコンパートメントハウジングの底部分に固定され、かくしてマルチコンパートメントハウジングの底部分を閉鎖すると共に各プラグを隣り合うキャビティから分離するシール用底部と、を含む成形ハウジングが提供される。
【0005】
本発明の他の実施例によれば、複数のキャビティを備える成形されたハウジングの形成方法であって、ハウジングの主要部分を形成するマルチコンパートメントハウジングにして、円滑な連続表面を有する側方部分と、マルチコンパートメントハウジングの中心軸に直交する複数の個別のキャビティとを含み、各キャビティが、マルチコンパートメントハウジングの開口面にして、前記中心軸から半径方向のライン上にあって開口の一部分が前記中心軸と平行なハウジングを成形すること、複数のプラグを含むプラグアレーにして、各プラグがマルチコンパートメントハウジングの個々の相当するキャビティと連通する状態下に配置され得る寸法とされ、複数のプラグが相互に連結されたプラグアレーを成形すること、プラグアレーをマルチコンパートメントハウジング内に挿通すること、マルチコンパートメントハウジングの底部分にプラスチック製のシール用底部を固定してマルチコンパートメントハウジングの底部分を閉鎖すると共に各プラグを隣り合うキャビティから分離すること、を含む方法が提供される。
【発明の効果】
【0006】
プラスチック製のマルチコンパートメントハウジング内に複数のプラグを埋設するための方法及び製品が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0007】
本発明の1実施例によれば、複数のキャビティを備える成型されたハウジングが提供され、他の実施例では本発明は、プラスチックと混合して活性剤連行プラスチック(例えば乾燥材連行プラスチック)を形成するある活性剤(例えば乾燥剤又は乾燥材)の独立ピース(例えばプラグ)と共に製造される。乾燥材連行プラスチックのピースはハウジングの1つ以上のキャビティと連通される。活性剤連行プラスチックの一例は3成分組成物であり、その製造方法はここに開示することにより本明細書の一部とする以下の文献、即ち、米国特許第5,911,937号、同6,214,255号、同6,130,263号、同6,080,350号、同6,174,952号、同6,124,006号、同6,221,446号、の1つ以上に開示される。その他のには活性剤とプラスチックとの2成分混合物がある。
【0008】
本発明の1実施例において、本発明の製造方法がマルチステップ式射出成型法で実施される。例えば、本方法は2ショット成型法を採用し得、モールド内アセンブリ法を含み得る。他の実施例では本発明のハウジングの形状が任意の所望形状、例えば、円筒状又は実質的に円筒状であり得る。他の実施例では成形されたハウジングは非円筒状(即ち、矩形、四角形、長円形、楕円形)であり得る。キャビティと連通する活性剤の個別のピースが所望形状のハウジングに組み込まれる。
【0009】
図1〜4に示すような更に他の実施例では、本発明のハウジングは以下の要素、即ち、ハウジングの主要部分を形成するマルチコンパートメントハウジング2を1つ以上組み込んだもので有り得る。マルチコンパートメントハウジング2は、複数の個別のキャビティ又は画室2a〜2dを格納し、各キャビティ又は画室は、活性剤を加えたプラグアレー4を各キャビティ又は画室と連通状態で配置し得るような形状とされる。更に他の実施例ではプラグアレーの活性剤の各画室が連結用ランナと相互連結される。
図4に示すような別の実施例では、プラグアレー4を然るべく配置してマルチコンパートメントハウジングの一端を閉鎖した後、シール用底部6をマルチコンパートメントハウジング2に固定する(例えば成型する)。1特定例ではシール用底部をマルチコンパートメントハウジングに成型することで、各プラグ(例えば活性剤の個別の成分)が相互に分離され且つ各プラグが隣り合うキャビティに対してシールされ、かくして各プラグの相互の流体連通が実質的に防止される。
【0010】
更に他の実施例では、本発明は中心軸と直交する複数の画室を含む製品及びその形成方法に関する。画室は中心軸から半径方向に配置した開口面を有し、開口の一部が中心軸、即ち側壁と平行とされる。更に他の実施例では、これらの開口は個別の“サイド抜き出し”又はモールドの移動コンポーネントによっては形成されない。サイド抜き出しを用いないのでツールマークが付かず、かくして各画室間の表面は円滑で連続したものとなる。
他の実施例では、プラグアレーが任意の好適な熱可塑性プラスチック樹脂から構成される。例えば、好適なプラスチックはマルチコンパートメントハウジングのそれと同じものであり得る。別の実施例ではプラグを使用して包囲された画室を創出させ、これらの画室を、シール用底部の成型時にシールする。
【0011】
ある実施例ではマルチコンパートメントハウジングが製品、例えば、経口投与錠剤又は診断試薬ストリップ、乾燥材であろう活性試薬を周囲環境から保護する。他の実施例ではマルチコンパートメントハウジングは、製品全体における他のコンポーネントと組み合わせた状態で同様の機能を奏し得る。製品は各キャビティに位置付けられ、各キャビティは複数のチャンネル又は1つの開口を介して、製造プロセス中に組み合わせた活性剤位置に連結される。
図5に示すようなまた別の実施例ではマルチコンパートメントハウジング2は、プラグアレー4の各プラグを製造中に然るべく保持するウェルのような保持用機能構造部を有する。他の実施例では、キャビティの中身へのアクセスを可能とするべく、マルチコンパートメントハウジング2の一端が、取り外し自在の又は作動自在のコンポーネント、例えば、ヒートシール自在のホイルを使用して周囲環境からシールされ得る。マルチコンパートメントハウジングの他端はハウジングの製造中にシールされる。
【0012】
別の実施例ではプラグアレーが、ハウジング条件に基づく種々の活性剤を組み込んだ、例えば3相活性ポリマーのようなプラスチックから構成される。1つ以上の活性剤を含む他の実施例では、活性剤が、射出成型に好適なポリマーに加入され得る。例えば、ポリマー中の活性剤量はポリマーの重量パーセントで約30%〜約70%の範囲であり得る。活性剤の合計キャパシティは、(1)プラグサイズ及び又は(2)ポリマー中の活性剤配分を変化させることでカスタマイズされ得る。
【0013】
1実施例では、配合プロセスを使用して活性剤をポリマーに加入する。他の実施例では押出機(例えば、Leistriz Twin-Screw Extruder)を使用して活性ポリマーを混合させ得る。更に他の実施例では、混合材料がストランド状に形成され、射出成型プロセスに好適な標準型ペレットに切断される。
好適な活性剤には、これに限定しないが、乾燥材、例えば、モレキュラシーブ、シリカゲル、粘土、炭化カルシウム、脱酸素剤、脱臭剤、抗菌剤、が含まれる。
【0014】
図5及び図6に示すような1実施例では、プラグアレー4は複数のプラグのアレーから構成される。1実施例では、各プラグは成型により精密成型され、連結用ランナにより正確な位置に相互に保持され得る。連結用ランナは単一の射出ポイントから複数のピースを形成可能であり、かくしてプラグ間隔を容易に接近させ得る。更に他の実施例ではプラグアレーがもっと大型の材料射出をも可能とし、かくして複数のピースに対して分与するショットサイズが任意に変動される。
【0015】
他の実施例では、マルチコンパートメントハウジングと同じモールド内にプラグアレーを成型する方法が、プラグアレーの外側の底部表面上のアンダーカット機能構造部にして、モールド開放時にモールド内の内側コアから取り外されるアンダーカット機能構造部を格納し得る。この構成は、マルチコンパートメントハウジングへの移送時に有益であり得る。取り外したアンダーカット機能構造部はシール用底部形成時に塞がれる。
【0016】
図5及び図6に示すような更に他の実施例では、シール用底部6は射出成型されたコンポーネントである。シール用底部は、その射出時にプラグアレーの連結用ランナを破壊して各プラグを分離させ、各プラグをシール用底部の材料中に混入させ、かくして各プラグを分離させる。また別の実施例ではシール用底部が、アクティブ状態の各プラグを周囲環境及び隣り合うキャビティからシールするのに加え、ハウジングの全体設計形状の機能部分をも構成する。
マルチコンパートメントハウジング及びシール用底部は、ハウジングの特定条件により、バリヤ型及び非バリヤ型の各材料を含む種々のポリマーから作製され得る。好適な材料には、これに限定しないが、例えば、ポリプロピレンやポリエチレンが含まれ得る。好適な非バリヤー型熱可塑性プラスチック材料には、これに限定しないが、ポリスチレンやポリカーボネートが含まれ得る。
【0017】
ある実施例では、プラグアレーに含まれる各プラグは、シール用底部の射出時に支持される。支持体の好適な設計形状には、これに限定しないが、プラグのデザイン、例えば肩、又は成型プロセス中のモールドのデザインによるものが含まれる。
更に他の実施例では、本発明は、少なくとも3つの画室を含むマルチコンパートメントハウジングであって、第1画室が射出成型され、所望の形状を有し且つ少なくとも1つの壁と、直交する2つの面を開口させた内側のキャビティと、シール自在の開放端と閉鎖底端部とを有し、第2画室が、マルチコンパートメントハウジングの開放端位置に位置決めしたプラグアレーであるマルチコンパートメントハウジングが提供される。プラグアレーは第1画室と連通され、連結した複数のプラグとして形成され、アレーとして然るべき位置に組み合わされ、各キャビティ内で分離される。第3画室は、マルチコンパートメントハウジングの開放端をシールして各プラグを分離及び包囲する成型底部である。
【0018】
他の実施例には、これに限定しないが、a)円筒状又は非円筒状のような所望形状に構成したハウジングと、b)複数の活性剤プラスチック製のプラグから作製したプラグアレーと、を含み、c)プラグアレーがシール用底部の成型中に支持され、d)プラグ及び又は底部が射出成型され、e)各プラグがシール用底部の射出形成中に材料流れにより分離され、f)各プラグが組み立てプロセス中の機械的動作により分離され、g)ハウジングが両端位置で開放され、一方の開放端がプラグ及びシール用底部で閉鎖され、第2の開放端がその後、例えば製品で塞がれた後に閉鎖される構成が含まれる。
【0019】
本発明の1つ以上の利益は以下の通りである。即ち、側方に開口を備える画室が中心軸と平行に形成されること、保管及び使用寿命中の製品安定性が改善されること、ハウジングに乾燥材(乾燥剤)が埋設されること、乾燥材がエンドユーザーからは見えにくいこと、パッケージ内の乾燥材屑が無くなること、乾燥材が取れにくくなること、乾燥材誤飲(食)の恐れが小さくなること、乾燥材を、製品中の残留水分除去に使用し得るので、プロセス上の当該除去ステップが排除されること、である。
【0020】
以下に、本発明の一例を説明するが、本例は例示目的のみのものであってこれに限定しようとしたものではない。本実施例では、3ポジション型回転テーブルを使用する2ショット射出成型を使用する。第1モールドキャビティで、例えばポリマーに活性剤を加えてマルチコンパートメントハウジングを形成し、第2モールドキャビティではプラグアレーを形成する。マルチコンパートメントハウジングで使用するポリマーには、これに限定しないが、(1)HDPEと、(2)ポリプロピレン、とが含まれる。以下に、本発明の製造方法の各段階を説明する。
ポジション1ではモールドは閉じている。
ステップ1a/マルチコンパートメントハウジングキャビティA形成:モールドにポリエチレン樹脂を射出してマルチコンパートメントハウジング(以下、ハウジング)の外側壁及びキャビティAを形成する。ハウジングの外側底部はこの時点では形成されない。
ステップ1b/プラグアレーキャビティB形成:ステップ1aと同時にモールドに第2ポリマー材料を射出してプラグアレー形成用の別のキャビティBを形成する。
【0021】
ステップ2/モールド開放:キャビティA内にマルチコンパートメントハウジングを保持し、キャビティBのコア上にプラグアレーを保持する。
ステップ3/モールドのコア側部を90°回転させてポジション2とし、キャビティBのコア(プラグアレーを保持する)をキャビティA(マルチコンパートメントハウジングw/oベースを含む)の上方に位置決めする。
ステップ4/モールドをポジション2で閉じる:プラグアレーをマルチコンパートメントハウジングに機械的に移し、プラグを保持用機能構造部に保持させる。
ステップ5/モールドを開放する。
ステップ6/モールドのコア側部を90°回転させてポジション3とする。
ステップ7/モールドをポジション3で閉じ、モールド内にポリエチレン樹脂を射出してマルチコンパートメントハウジング上にシール用底部を形成する。この射出プロセス中に連結用ランナがプラグから破断されて樹脂中に混入するが、一様には混練されない。本ステップ中、各プラグは相互に分離される。
ステップ8/モールドを開放する。
ステップ9/完成部品をモールドからイジェクト:モールドのコア側部を180°回転させてポジション1に戻す。
【0022】
以下に本発明の他の実施例を説明するが、本例は例示目的のみのものであってこれに限定しようとしたものではない。本実施例では、2ポジション型スタックモールドを使用する。ハウジングは一連のステップを経て作製される。1実施例ではそうした各ステップをスタックモールド及び2ショット成型機を使用して実施する。一連のステップは以下のようなものである。
ステップ1/第1ポジションでキャビティAにマルチコンパートメントハウジング成形用のポリエチレン樹脂を射出する(ファーストショット)。同時に、乾燥材連行プラスチックをキャビティBに射出してスタックモールドの反対側にプラグアレーを成型する。
ステップ2/モールドを開き、プラグアレーをモールドの他方側の位置に移す。本ステップ中にモールドを第2位置に回転させる。
ステップ3/プラグアレーをマルチコンパートメントハウジングに挿入し且つ然るべく保持させる。
ステップ4/モールドを閉じ、ポリエチレン樹脂を射出(セカンドショット)する。セカンドショットによりシール用底部が形成され、プラグが連結用ランナから破断されて分離され、材料を吸収し且つマルチコンパートメントハウジングに接着して実質的な防湿性シールを形成し、各プラグをハウジング内に然るべく錠止する。ポリエチレンのセカンドショットの射出の第1部分中に、次のハウジングに対するファーストショットを行い、かくして各サイクルにより部品を完成させる。
ステップ5/完成したハウジングをモールドからイジェクトさせる。
【0023】
以下に本発明の更に他の実施例を説明するが、本例は例示目的のみのものであってこれに限定しようとしたものではない。本実施例では、ハウジング製造上の1方法及びステップシーケンスを説明する。ハウジングはこれらのステップの以下の如き変化例により作製され得る。
ポジション1ではモールドは閉じている。
ステップ1a/マルチコンパートメントハウジングキャビティA形成:モールドにポリエチレン樹脂を射出してマルチコンパートメントハウジング(以下、ハウジングとも称する)の外側壁外側壁及びキャビティAを形成する。ハウジングの外側底部はこの時点では形成されない。
ステップ1b/プラグアレーキャビティB形成:ステップ1aと同時にモールドに第2ポリマー材料を射出してプラグアレー形成用の別のキャビティBを形成する。
ステップ2/モールド開放:キャビティA内にマルチコンパートメントハウジングを保持し、キャビティBのコア上にプラグアレーを保持する。
ステップ3/モールドのコア側部をポジション2にシャトルで直線的に移動させて、キャビティBのコア(プラグアレーを保持する)をキャビティA(マルチコンパートメントハウジングw/oベースを含む)の上方に位置決めする。
ステップ4/モールドをポジション2で閉じる:プラグアレーをマルチコンパートメントハウジングに機械的に移し、プラグを保持用機能構造部に保持させる。各プラグをプラグアレーから機械的に分離させる。
ステップ5/モールドを開放する。シャトルを戻す。
ステップ6/プラグアレーと共にマルチコンパートメントハウジングをモールドのネスト位置に移動させる。
ステップ7/モールドを閉じ、モールド内にポリエチレン樹脂を射出してマルチコンパートメントハウジング上にシール用底部を形成する。
ステップ8/モールドを開いて完成部品をモールドからイジェクト又は取り出す。
【0024】
以下に、本発明の更に他の実施例を説明するが、本例は例示目的のみのものであってこれに限定しようとしたものではない。本実施例では、ハウジング製造上の1方法及びステップシーケンスを説明する。ハウジングはこれらのステップの以下の如き変化例により作製され得る。
ステップ1/プラグアレー及びマルチコンパートメントハウジングは同じ射出成型機上で同時に射出される必要はない。例えば、2つの成型機をタンデム動作状況で使用し、第1成型機でマルチコンパートメントハウジング及びシール用底部を作製し、第2成型機ではプラグアレーを作製してステップ3で挿通するべく第1成型機に移行させ得る。
更に別の変化例では、各ステップを別の成型機で実行し、各部品を適正シーケンス下に成型機間で移行させ得る。
更に別の変化例では、プラグアレーを先に成型してからモールドに挿入させ得る。
更に別の変化例では、プラグアレーを射出成型手段以外の、例えば、押し出し成型機、注型機又は加工により作製し得る。
本発明の更に他の実施例には以下の構成、例えば、所望の形状が円筒形又は非円筒形であり、プラグアレーが乾燥材連行プラスチック製であり、プラグアレー及び又はシール用底部が射出成型され、プラグアレーが酸素消去性プラスチックであり、プラグアレーがプラスチックに抗菌材を加えたものであり、プラグアレーが注型、押し出し又は加工によって作製されたものである、各構成の1つ以上が含まれる。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【図面の簡単な説明】
【0025】
【図1】マルチコンパートメントハウジングの斜視図である。
【図2】プラグアレーの斜視図である。
【図3】図2のプラグアレーの、図1のマルチコンパートメントハウジング上に配置した状態での斜視図である。
【図4】マルチコンパートメントハウジングにシールしたプラグアレーの斜視図である。
【図5】マルチコンパートメントハウジング内に挿通するプラグアレーをシール用底部と共に示す斜視図である。
【図6】マルチコンパートメントハウジング内に挿通するプラグアレーをシール用底部と共に示す上方側から見た斜視図である。
【符号の説明】
【0026】
2 マルチコンパートメントハウジング
2a〜2d 画室
4 プラグアレー
6 シール用底部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のキャビティを持つ成形されたハウジングであって、
ハウジングの主要部分を構成するマルチコンパートメントハウジングにして、円滑な連続表面を有する側部と、当該マルチコンパートメントハウジングの中心軸に直交する複数の個別のキャビティにして、前記側部位置に前記中心軸から半径方向に配置した開口面を有し、開口の一部が前記中心軸と平行であるキャビティとを有するマルチコンパートメントハウジングと、
複数のプラグを含むプラグアレーにして、マルチコンパートメントハウジングの相当する個別のキャビティと連通状態で配置され得るように夫々寸法付けされたプラグアレーと、
プラグアレーを然るべく配置してプラグアレーから隣り合う各プラグを分離させた後、マルチコンパートメントハウジング上に固定され得るシール用底部にして、マルチコンパートメントハウジングを閉鎖すると共に、各プラグを隣り合うキャビティから分離させるシール用底部と、
を含む成形されたハウジング。
【請求項2】
プラグが活性剤から構成される請求項1の成形されたハウジング。
【請求項3】
プラグアレーの各プラグがその作製時に相互に連結される請求項1の成形されたハウジング。
【請求項4】
プラグアレーの各プラグが個別に作製される請求項1の成形されたハウジング。
【請求項5】
プラグが、プラスチック組成中に連行した活性剤から構成される請求項2の成形されたハウジング。
【請求項6】
活性剤が乾燥材であり、乾燥材が、モレキュラシーブ、シリカゲル、粘土、炭化カルシウム、からなる乾燥材群から選択される請求項5の成形されたハウジング。
【請求項7】
乾燥材が、脱酸素材、脱臭剤、抗菌剤、からなる乾燥材群から選択される請求項5の成形されたハウジング。
【請求項8】
成形されたハウジングが円筒形又は実質的に円筒形である請求項2の成形されたハウジング。
【請求項9】
成形されたハウジングが非円筒形状である請求項2の成形されたハウジング。
【請求項10】
複数のプラグが連結用ランナにより相互に連結される請求項2の成形されたハウジング。
【請求項11】
マルチコンパートメントハウジングが、プラグアレーの各プラグを組み立て中に然るべく保持するような保持要素を有する請求項2の成形されたハウジング。
【請求項12】
マルチコンパートメントハウジングの上部が取り外し自在のコンポーネントによりシールされる請求項2の成形されたハウジング。
【請求項13】
複数のキャビティを備える成形されたハウジングの形成方法であって、
ハウジングの主要部分を形成するマルチコンパートメントハウジングにして、円滑な連続表面を有する側部と、当該マルチコンパートメントハウジングの中心軸に直交する複数の個別のキャビティを含み、該キャビティがマルチコンパートメントハウジングの前記中心軸から半径方向に配置した開口面を前記側部に有し、開口の一部が前記中心軸と平行であるマルチコンパートメントハウジングを成型すること、
複数のプラグを含むプラグアレーにして、マルチコンパートメントハウジングの相当する各キャビティと連通状態下に配置され得るように寸法付けしたプラグアレーを成型すること、
プラグアレーをマルチコンパートメントハウジングに挿通すること、
マルチコンパートメントハウジングの底部上にシール用底部を固定して当該マルチコンパートメントハウジングの底部を閉鎖すると共に、各プラグを隣り合うキャビティから分離させること、
を含む方法。
【請求項14】
プラグアレーの各プラグが相互に連結される請求項13の方法。
【請求項15】
プラグアレーの各プラグが個別に作製される請求項13の方法。
【請求項16】
各成型ステップにおける成型がマルチステップ射出成型プロセスで実施される請求項13の方法。
【請求項17】
シール用底部の固定が当該シール用底部を射出することにより実行される請求項13の方法。
【請求項18】
2ショット成型プロセスを含む請求項13の方法。
【請求項19】
モールド内アセンブリーをも含む請求項18の方法。
【請求項20】
射出時にシール用底部が連結用ランナを破壊してプラグアレーの各プラグを相互に分離させ、分離した各部ラグがシール用底部の材料中に熔解し、かくして各画室内の個別のプラグが分離される請求項17の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公表番号】特表2009−522182(P2009−522182A)
【公表日】平成21年6月11日(2009.6.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−549628(P2008−549628)
【出願日】平成19年1月3日(2007.1.3)
【国際出願番号】PCT/US2007/060061
【国際公開番号】WO2007/079483
【国際公開日】平成19年7月12日(2007.7.12)
【出願人】(501014005)シーエスピー テクノロジーズ,インコーポレイティド (21)
【Fターム(参考)】