説明

プラズマディスプレイパネルの製造方法及び基板封着装置

【課題】本発明は、封着工程中にパネル内に発生する不純物ガスの発生を抑制し、不純ガスによる保護層の特性劣化の発生を防ぐプラズマディスプレイパネルの製造方法及び基板封着装置を提供することを目的とする。
【解決手段】一方の面に誘電体層13を被覆する保護膜14が形成された前面板10と、該前面板との対向面に隔壁22及び蛍光体23が形成された背面板20とを重ね合わせて所定の封着温度で加熱し、該前面板と該背面板とを封着する封着工程を含むプラズマディスプレイパネル40の製造方法であって、
前記封着工程より前に、前記背面板を単独で前記封着温度よりも高い温度で加熱する背面板加熱工程を有し、
前記背面板の温度を前記封着温度まで下げてから、前記前面板と前記背面板を重ね合わせて封着する前記封着工程を行うことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイパネルの製造方法及び基板封着装置に関し、特に、前面板と背面板とを重ね合わせて封着する封着工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法及び基板の封着工程に用いられる基板封着装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プラズマディスプレイはハイビジョンディスプレイとしての実績を持ち、大型・高精細ディスプレイとして期待されている。
【0003】
図1は、カラープラズマディスプレイパネルとして一般的である面放電型ACプラズマディスプレイパネル40の構成を示した分解斜視図である。図1を用いて、従来のプラズマディスプレイパネル40の製造方法について説明する。図1において、プラズマディスプレイパネル40は、前面板10と背面板20とから構成される。前面板10及び背面板20は、ともにガラス基板から構成される。前面板10は、走査電極11と維持電極12とが形成された後に、走査電極11と維持電極12を覆うように、20〜30〔μm〕の誘電体層13が形成される。誘電体層13の表面は、放電中のイオン衝撃から保護する目的と、放電空間に多くの2次電子を供給する目的で、酸化マグネシウム(MgO)等の保護層14で覆われる。なお、保護層14としては、MgOよりも放電電圧を低減する目的から、酸化ストロンチウムカルシウム(SrCaO)等の保護材料も提案されている。
【0004】
背面板20は、アドレス電極21と、誘電体層(図示せず)とが形成された後に、隔壁(リブ)22がサンドブラスト法等で形成され、その後、赤、緑、青色の蛍光体23R、23G、23Bからなる蛍光体23が充填される。これらの工程を経た前面板10と背面板20は、周縁部が、放電空間となる密閉空間を形成するために低融点のフリットガラスのシール材(図示せず)で封着され、その後、両基板間に形成された空間が真空排気され、ネオンとキセノンの混合ガス等が封入されてプラズマディスプレイパネル40の完成となる。低融点のフリットガラスは、PbO、SiO等を主体とした金属酸化物に、膨張率の調節のためにZnO等のフィラーを混合したものである。環境の面から、Pbを含まないフリットガラスとして、Biを主体とするものも使用されている。これらのフリットガラスは、PbOやBiの含有量を制御することにより、軟化点を制御している。
【0005】
従来の封着方法では、背面板20の周囲にシール材と有機バインダーの混合物を塗布して乾燥させた後、重ね合わせた前面板10と背面板20とをクリップ等で加圧した状態で、大気が充満された炉中でシール材の軟化点以上である400〜450〔℃〕に加熱して、シール材を溶融、凝固させて密閉空間を形成する。有機バインダーが分解される過程で生じる不純ガスを除去する目的で、シール材層を形成した片方の基板のみを、350〔℃〕で焼成した後に封着工程を行う場合もある。なお、この工程を、仮焼成と呼ぶ。
【0006】
しかしながら、このような従来の封着方法では、封着中にプラズマディスプレイパネル40内に発生する不純ガスが、保護層14に影響を与え、放電電圧が上昇する等の特性劣化を起こす。特に、ストロンチウムカルシウム等のアルカリ土類金属を原材料にした保護層14においては、特性劣化が顕著である。
【0007】
このような、プラズマディスプレイパネル40等を含むガス放電パネルの封着時において、不純ガスの影響を最小限にする手法が提案されている。例えば、前面板と背面板の封着前に、ガラスフリットが塗布された背面板上の蛍光体に付着した不純物ガスを、加熱又は放電により脱離させる不純ガス脱離工程を設け、パネル化後では除去しにくい不純物ガスを有効に排除するようにした技術が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【0008】
図2は、特許文献1で提案されている従来のプラズマディスプレイパネル40の製造方法の製造工程図である。図2の背面板の製造工程において、ステップ125のシール材形成工程でシール材と有機バインダーの混合物が塗布され、ステップ135のシール材仮焼成工程で有機バインダーが分解された後、直ちにステップ160の封着工程に進むのではなく、ステップ155のガス脱離工程が設けられている。ステップ155のガス脱離工程では、パネル化後では除去し難い不純物ガスを有効に排除している。
【0009】
また、特許文献1に記載の発明では、ステップ100〜135の基板単体での処理工程の後、ステップ145〜170の処理工程及びその搬送経路を、ドライ雰囲気又は真空雰囲気とすることにより、不純物ガスの再付着を防止する。これにより、不純物ガスの少ないパネルを実現することができ、異常発光が生じ難く、パネル信頼性も向上することとなる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0010】
【特許文献1】特開2003−132792号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
しかしながら、上述の特許文献1に記載の構成では、ガス脱離工程を行う背面板にシール材であるガラスフリットが塗布されているため、ガス脱離工程における加熱は、結晶質のシール材を用いた場合には、後の封着工程で溶融させるべきガラスフリットが溶融しない温度以下に制限されてしまう。よって、脱離工程を行っても、加熱不足から、不純物ガスが十分に脱離されず、完成したパネル内に不純物ガスが相当量含まれ、パネルの信頼性を高めることができないという問題があった。
【0012】
また、ガス脱離工程において、非晶質のシール材を用いた場合、環境の面から非鉛の材料として注目されている酸化ビスマス系のフリットガラスを主体とするシール材は、仮焼成後に軟化点が高くなる傾向がある。その上、焼成温度を高くすると、非晶質のシール材であっても、結晶化する特性も有するため、封着温度よりも高い温度にしてガス脱離することがやはり難しいという問題があった。よって、結晶質又は非晶質のいずれのシール材を使用しても、シール材層を形成した後の工程においては、最も高い温度が封着温度とならざるを得ないという問題があった。
【0013】
更に、ステップ155のガス脱離工程において、背面板20を放電に曝す処理を行う場合には、設備が複雑になるという問題があった。
【0014】
そこで、本発明は、封着工程中にパネル内に発生する不純物ガスの発生を抑制し、不純ガスによる保護層の特性劣化の発生を防ぐプラズマディスプレイパネルの製造方法及び基板封着装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0015】
上記目的を達成するため、第1の発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法は、一方の面に誘電体層を被覆する保護膜が形成された前面板と、該前面板との対向面に隔壁及び蛍光体が形成された背面板とを重ね合わせて所定の封着温度で加熱し、該前面板と該背面板とを封着する封着工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記封着工程より前に、前記背面板を単独で前記封着温度よりも高い温度で加熱する背面板加熱工程を行い、
前記背面板の温度を前記封着温度まで下げてから、前記封着工程を行うことを特徴とする。
【0016】
これにより、封着工程の前に十分に背面板を加熱し、背面板の隔壁や蛍光層から発生する不純物ガスを十分に除去することができる。
【0017】
第2の発明は、第1の発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
前記封着工程より前に、前記前面板に封着用のシール材層を形成する前面板シール材形成工程を有し、
前記封着工程は、前記シール材層が、前記封着温度で溶融することにより行われることを特徴とする。
【0018】
これにより、シール材層の形成されていない背面板は、温度制限無く加熱処理を行うことができる。
【0019】
第3の発明は、第2の発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
前記前面板シール材形成工程と前記封着工程との間に、前記前面板に前記保護膜を形成する保護膜形成工程を有し、
該保護膜形成工程は、前記前面板に形成された前記シール材層を接触せずに覆う蒸着マスクが設置された状態で行われることを特徴とする。
【0020】
これにより、前面基板に形成されたシール材層には悪影響を与えることなく、保護膜を形成することができる。
【0021】
第4の発明は、第3の発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
前記保護膜形成工程と前記封着工程との間に、前記前面板を単独で加熱する前面板加熱工程を有し、
該前面板加熱工程は、前記封着温度よりも低い温度で行われることを特徴とする。
【0022】
これにより、比較的不純ガスによる悪影響の少ない前面板は、シール材層を溶融しない範囲において加熱を行うことができ、後の封着工程に必要とされるシール材層を溶融させずに熱処理を行うことができる。
【0023】
第5の発明は、第4の発明に係るプラズマディスプレイパネルの製造方法において、
前記背面板加熱工程及び前記前面板加熱工程は、前記前面板及び前記背面板が、同一処理室内で異なる支持板に支持されて、各々単独で同時に加熱されて行われることを特徴とする。
【0024】
これにより、背面板と前面板の熱処理を、省スペースで独立に行うことができ、高品質のプラズマディスプレイパネルを製造することができる。
【0025】
第6の発明は、第5の発明に係るプラズマディスプレイの製造方法において、
前記前面板を支持する前記支持板と、前記背面板を支持する前記支持板とは、互いに対向して配置され、
前記封着工程は、前記支持板同士を接近させることにより、前記前面板と前記背面板が重ね合わせられて行われることを特徴とする。
【0026】
これにより、封着工程を自動的に、かつ簡素な機構及び制御で実行することができ、容易かつ高精度にプラズマディスプレイパネルを製造することができる。
【0027】
第7の発明に係る基板封着装置は、2枚の基板を対向させて重ね合わせ、封着を行う基板封着装置であって、
前記2枚の基板を収容する処理室と、
該処理室内に設けられ、前記2枚の基板を離間して対向支持可能な2つの支持板と、
該支持板の各々に設けられ、支持板毎に独立して前記基板を加熱する加熱手段と、
前記支持板を、前記2枚の基板が接触するように、前記2枚の基板の対向方向に移動させる移動機構と、を有することを特徴とする。
【0028】
これにより、封着工程の前に、各基板毎に離間して熱処理を行い、熱処理終了後に基板の受け渡し等無く速やかに封着工程に移行することができ、迅速な封着工程を行うことができる。
【0029】
第8の発明は、第7の発明に係る基板封着装置において、
前記支持板は、前記処理室内の上面と下面に支持されて設けられ、前記2枚の基板を上下に対向させて支持することを特徴とする。
【0030】
これにより、構成の異なる前面板と背面板とを封着する場合に、下面と上面を適切に配置することができ、例えば、プラズマディスプレイパネルの製造に利用する場合には、下面を背面板、上面を前面板とすることにより、封着を行い易くすることができる。
【発明の効果】
【0031】
本発明によれば、封着する基板内に発生する不純ガスの発生を抑制し、不純ガスによる基板の対向面の特性劣化を低減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】プラズマディスプレイパネル40の構成の一例を示した分解斜視図である
【図2】従来のプラズマディスプレイパネル40の製造方法の製造工程図である。
【図3】本発明の実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法の製造工程の一例を示した図である。
【図4】本実施例のシール材形成工程の一例を説明するための図である。図4(A)は、シール材形成工程における前面板10の一例を示した側面図である。図4(B)は、シール材形成工程におけるシール材層形成面側の平面構成の一例を示した図である。
【図5】本実施例の保護膜形成工程の一例を説明するための図である。図5(A)は、保護膜形成工程における前面板10の一例を示した側面図である。図5(B)は、保護膜形成工程における前面板10の保護膜蒸着面側の平面状態の一例を示した図である。
【図6】本実施例の加熱工程及び基板加熱装置150の一例を説明する図である。
【図7】本実施例の封着工程の一例を説明するための図である。
【図8】本実施例の加熱工程から封着工程までの温度プロファイル例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、図面を参照して、本発明を実施するための形態の説明を行う。
【0034】
図3は、本発明の実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法の製造工程の一例を示した図である。なお、図3において、図2において説明した製造工程と同様の工程については、同一の参照符号を付してある。また、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法により製造されるプラズマディスプレイパネル40の構成自体は、図1において説明したプラズマディスプレイパネル40と同様であるので、図1と同様のプラズマディスプレイパネル40の構成要素についても、同一の参照符号を用いるものとする。
【0035】
図3において、ステップ100では、前面板10の背面板20との対向面に、走査電極11、維持電極12及び誘電体層13が形成される。走査電極11と維持電極12は、互いに略平行に延在するとともに、延在方向と垂直な方向については交互に配置される。誘電体層13は、走査電極11及び維持電極12を覆うように、層状に形成される。この誘電体は、通常550〔℃〕〜600〔℃〕で焼成される。
【0036】
ステップ110では、背面板20に、アドレス電極21、隔壁22及び蛍光体23が形成される。アドレス電極21は、前面板10の走査電極11及び維持電極12と直交する方向に延在して配置される。そして、アドレス電極21の上を誘電体層(図示せず)で覆った後、隔壁22がサンドブラスト法等により形成され、更に隔壁21の壁部分と誘電体層の上に、蛍光体23が形成される。蛍光体23は、図1において説明したように、赤、緑、青色の蛍光体23R、23G、23Bが各々形成されてよい。よって、背面板20の前面板10との対向面には、隔壁22の頂部と、蛍光体23が露出した状態となる。
【0037】
ステップ100とステップ110は、前面板10と背面板20について、各々独立で実行されてよい。よって、ステップ100とステップ110は、同時に実行されてもよいし、異なるタイミングで実行されてもよい。なお、ステップ110で、背面板20の方は、前面板10との対向面におけるパネル構造の形成自体は終了することになる。
【0038】
ステップ120では、前面板シール材形成工程が実行される。前面板シール材形成工程においては、前面板10の周囲に、シール材でシール材層が形成される。シール材は、例えば、封着温度が約450〔℃〕のPbO、B、SiOを主体とするシール材が用いられてよい。従来、シール材層は、背面板20の周囲に形成されていたが、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法においては、前面板10の周囲にシール材層を形成する。これにより、前面板10の加熱温度は制約を受ける代わりに、背面板20の加熱温度は制約を受けることが無くなる。プラズマディスプレイパネル40の製造においては、背面板20の方が、アドレス電極21、隔壁22及び蛍光体23等の不純物ガスを発生させる部材が前面板10よりも多く、不純物ガスを発生させ易い。よって、背面板20の加熱温度の制約を無くすことにより、背面板20から発生する不純物ガスを効果的に抑制することができる。
【0039】
図4は、前面板シール材形成工程の一例を説明するための図である。図4(A)は、前面板シール材形成工程における前面板10の一例を示した側面図であり、図4(B)は、前面板シール材形成工程におけるシール材層形成面側の平面構成の一例を示した図である。
【0040】
図4(A)において、前面板10の下方の面に、シール材層30が形成されている。また、図4(B)において、前面板10の周囲を囲むように、シール材層30が形成されている。シール材層30は、ステップ100で、背面板20との対向面に形成された誘電体層13の周囲部分に塗布されて形成される。
【0041】
図3に戻る。ステップ130では、ステップ120において形成したシール材層30の樹脂成分を除去するシール材仮焼成工程が実行される。シール材仮焼成工程においては、前面板10が約350〔℃〕で大気雰囲気中において加熱され、シール材層30に含まれる樹脂成分が加熱除去される。なお、シール材仮焼成工程は、図4において示した状態で、シール材層30が形成された前面板10が加熱されることにより実行されてよい。
【0042】
ステップ140では、ステップ100で形成された前面板10の誘電体層13を被覆するように、保護膜14を形成する保護膜形成工程が実行される。保護膜14は、例えば、SrCaO保護膜が適用されてもよい。保護膜14は、例えば、電子ビーム(EB、Electron Beam)蒸着等により形成することができる。
【0043】
図5は、保護膜形成工程の一例を説明するための図である。図5(A)は、保護膜形成工程における前面板10の一例を示した側面図であり、図5(B)は、保護膜形成工程における前面板10の保護膜蒸着面側の平面状態の一例を示した図である。
【0044】
図5(A)に示すように、シール材層30が形成された前面板10が、基板治具70に、スペーサ50を用いてシール材層30と蒸着用マスク60が接触しないように設置される。図5(B)に示すように、蒸着用マスク60は、前面板10の周囲部分に形成されたシール材層30を下方から覆うように、枠型の形状をしている。そして、蒸着用マスク60の開口部分が前面板10の前面板蒸着領域15となり、前面板蒸着領域15に電子ビーム蒸着により、保護膜14が形成される。
【0045】
電子ビーム蒸着は、例えば、保護膜14としてSrCaO保護膜を形成する場合、ターゲットとして、SrO(50原子%)とCaO(50原子%)を混合したものを用い、ターゲットに電子ビームを照射して加熱蒸発させて蒸着を行うようにしてもよい。この場合、例えば、蒸着時の圧力を6.0×10−2〔Pa〕、基板温度Tを350〔℃〕まで上昇させた後250〔℃〕とし、蒸着速度を0.5〜15〔nm/sec〕とすることで、膜圧約700〔nm〕のSrとCaとSrの複合酸化物SrCaOの薄膜を形成するようにしてもよい。このとき、蒸着用マスク60は、蒸着による基板加熱により温度が上昇し、仮焼成済みのシール材層30と融着するおそれがあるので、図5(A)に示すように、スペーサ50を用いて、シール材層30から離間した状態でシール材層30を覆うようにする。これにより、シール材層30と蒸着用マスク60が融着することを防ぐことができる。
【0046】
なお、前面板10への保護膜14の形成方法は、EB蒸着に限定されず、スパッタリングや、プラズマガンを用いたイオンプレーティング等によって成膜を行うことも可能であり、EB蒸着の場合に劣らない効果を得ることができる。このように、保護膜14は、種々の方法により形成されてよい。また、保護膜14の材質も、SrCaOだけでなく、従来から用いられているMgO等を用いることも可能であり、用途に応じて種々の保護膜14を用いるようにしてよい。
【0047】
図3に戻る。ステップ150では、加熱工程が実行される。加熱工程は、基板からガスの脱離を行うために行われる工程であり、前面板10と背面板20とで各々独立して実行されてよい。
【0048】
上述のように、前面板10には、シール材層30が形成されているので、封着工程よりも前に実行される本加熱工程においては、シール材層30を溶融しない温度の範囲内で加熱が行われる。一方、背面板20には、加熱温度の制約となるシール材層30は形成されていないので、加熱温度の制約無く加熱によるガス脱離を行うことができる。また、加熱工程は、基板に異物が付着しないように、乾燥雰囲気下又は真空雰囲気下で実行されることが好ましい。乾燥雰囲気下の場合には、例えば、窒素ガスの雰囲気下で加熱工程が実行されてもよい。
【0049】
図6は、加熱工程及びこれに用いられる基板加熱装置150の一例を説明するための図である。図6において、加熱工程は、基板封着装置150を用いて実行される。基板封着装置150は、プラズマディスプレイ40等を構成する基板を封着するための装置である。本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法においては、基板封着装置150を用いて、前面板10と背面板20の封着を行うようにしてもよい。
【0050】
基板封着装置150は、基板支持板80と、支持柱90と、基板位置調整手段100と、処理室110と、気体供給口121と、気体排気口122とを備える。
【0051】
基板支持板80は、基板を支持する基板支持手段である。基板支持板80は、基板を固定支持するため、真空チャック85や、メカチャック86等の基板固定支持手段を備えてよい。例えば、処理室110内が、窒素ガスの雰囲気下である場合には、真空チャック85を用いてよく、処理室110内が真空雰囲気下の場合には、真空チャック85を用いることができないので、メカチャック86を用いるようにしてもよい。基板固定支持手段は、用途に応じて、静電チャック等も含めて、種々の機構のチャック手段等を用いることができる。なお、図6においては、真空チャック85は、基板支持板80の基板支持面に設けられた孔から基板を真空吸引し、メカチャック86は、基板を側方から支持するチャック手段が例として示されている。
【0052】
基板支持板80は、前面板10と背面板20用に個別に、前面板支持板81と背面板支持板82とを備える。図6において、前面板支持板81は、処理室110の上面の内壁(天井)から支持柱90を介して設けられ、背面板支持板82は、処理室110の下面の内壁(床)から基板位置調整手段100を介して設けられ、前面板10と背面板20が上下で対向するように支持している。このように、前面板10は前面板支持板81で支持し、背面板20は背面板支持板82で各々独立して支持することにより、前面板10と背面板20で、同一の処理室110内で独立した加熱処理を行うことが可能となる。
【0053】
基板支持板80は、加熱手段83、84を、前面板支持板81と背面板支持板82で各々別個に備える。よって、前面板支持板81は、加熱手段83により加熱温度を設定することができ、背面板支持板82は、加熱手段84により加熱温度を設定することができる。従って、本実施例に係る基板封着装置150は、前面板10と背面板20とを同一の処理室110内で異なる温度で加熱することができる。なお、加熱手段83、84は、基板支持板80を介して基板を加熱する手段であり、例えば、基板支持板80の内部に設けられた電熱ヒータ等が適用されてもよい。
【0054】
支持柱90は、前面板支持板81を処理室110内部の上面の内壁に固定する手段である。基板位置調整手段100は、背面板支持板82を処理室110内部の下面の内壁に固定するとともに、背面板20の位置を調整するための手段である。基板位置調整手段100は、背面板20をX、Y、Z、θ方向に移動させることができる移動手段として機能する。なお、基板位置調整手段100は、基板を移動させるステージ、基板を移動させるアクチュエータ等として構成されてよい。加熱工程においては、背面板20を移動させる必要は無いが、加熱工程が終了した後の封着工程においては、前面板10と背面板20を重ね合わせた状態で加熱を行うため、前面板10と背面板20を重ね合わせるときに、どちらか一方の基板を移動させる必要が生じる。そのようなときに、基板位置調整手段100が上昇して移動すると、背面板20を前面板10に接近させ、最終的に両者を重ね合わせることができる。基板位置調整手段100は、そのような基板の移動を行う。
【0055】
また、基板位置調整手段100は、前面板10と背面板20とを重ね合わせる際に、前面板10と背面板20が適切な位置に重ね合わされるように、アライメント(位置合わせ)を行う。よって、基板位置調整手段100は、前面板10と背面板20の重ね合わせ時におけるアライメントが可能なアライメント機構を備えていてよい。また、基板封着装置150は、基板位置調整手段100以外にも、必要に応じて、アライメントに必要な種々のアライメント機構を備えていてもよい。
【0056】
図6において、支持柱90と基板位置調整手段100は、支持柱90が処理室110内の上方に設けられ、基板位置調整手段100が下方に設けられている例が示されているが、両者の設置は逆であってもよく、例えば、基板位置調整手段100が処理室110内の天井に設けられ、支持柱90が処理室110内の床に設けられていてもよい。しかしながら、基板位置調整手段100は、基板を移動させる移動機構を備えるので、重量的に重くなることが考えられる。よって、例えば、図6で示したように、基板位置調整手段100を処理室100内の下面側に配置する構成としてもよい。
【0057】
また、前面板支持板81と背面板支持板82とは、上下に対向して配置されているが、対向して配置されている限り、用途に応じて種々の配置構成とされてよく、例えば、左右方向に対向する配置構成であってもよい。
【0058】
気体供給口121は、処理室110内に気体を供給するための手段である。加熱工程及び封着工程においては、前面板10及び背面板20を清浄に保ち、製造工程中に前面板10及び背面板20にゴミ等の異物が付着することを回避することが好ましいので、例えば、気体供給口121から、窒素ガスを供給した状態で加熱工程を行うようにしてもよい。そのような場合には、処理室110に設けられた気体供給口121を用いて、処理室110内に窒素ガスを供給する。なお、処理室110内を真空雰囲気にして加熱工程を行う場合には、気体供給口121は、バルブ等により閉じた状態で、処理室110内の真空排気を行うようにすればよい。このため、気体供給口121には、バルブ等の開閉手段が設けられていてもよい。
【0059】
気体排気口122は、処理室110内の排気を行うための手段である。気体供給口121から、窒素ガス等の清浄気体が供給されている場合には、気体排気口122から排気を行うようにする。また、処理室110内を真空雰囲気とする場合には、気体排気口122を用いて、処理室110内を真空排気する。よって、気体排気口122には、気体を排気する手段や、真空排気を行う真空ポンプ等が接続されていてよい。また、気体排気口122には、気体供給口121と同様に、流量調整のため、バルブ等の開閉手段(流量調整手段)が設けられていてもよい。
【0060】
例えば、このような構成の基板封着装置150を用いて、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法の加熱工程は実行されてもよい。つまり、処理室110の中に、前面板10及び背面板20が収容され、各々が前面板支持板81と背面板支持板82に個別に支持されて、接触しない状態で対向配置され、各基板支持板81、82に設けられた加熱手段83、84により個別に加熱される。前面板10の温度は、シール材層30が溶融する450〔℃〕よりも低い温度、例えば420〔℃〕で加熱され、背面板20の温度は、シール材層30が溶融する450〔℃〕よりも高い温度、例えば480〔℃〕で加熱されてよい。前面板10に関しては、温度の上限制約があり、シール材層30が溶融しない温度でしか加熱できないが、図3のステップ100の誘電低層13を形成する段階において、約600〔℃〕の高い温度に加熱されているので、不純物ガスの発生割合は背面板20と比較して小さい。
【0061】
一方、背面板20には、シール材層30は形成されていないので、温度上限が無く、不純物ガスを脱離するのに必要な十分高い温度で加熱工程を行うことができる。これにより、不純物ガスを発生させ易い隔壁22等を十分に加熱して、ガス脱離を十分に行うことができる。
【0062】
また、加熱工程の際には、気体供給口121から清浄な窒素ガスが供給され、窒素気体雰囲気下で加熱処理が行われたり、気体排気口122から真空排気が行われ、真空雰囲気下で加熱処理が行われたりしてよい。
【0063】
なお、図6においては、前面板10の加熱工程と、背面板20の加熱工程とが、同時に同じ処理室110内で行われる例を挙げて説明したが、前面板10の加熱工程と背面板20の加熱工程は、別の処理室や、別のタイミングで行われてもよい。前面板10と背面板20にとって適切な加熱処理が行われる限り、加熱工程を実行する処理室110やタイミングは、用途に応じて適宜変更することができる。
【0064】
また、図6においては、基板封着装置150を用いて、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法の加熱工程を行う例を挙げて説明したが、加熱工程自体は、前面板10と背面板20を独立に、各々に適した温度で加熱するという条件を満たせば、他の装置を用いて実行されてもよい。
【0065】
また、逆に、本実施例に係る基板封着装置150は、プラズマディスプレイパネル40のみでなく、封着工程を有する他の種類の基板の封着にも使用可能であるので、ガラス基板の前面板10及び背面板20以外の基板にも適用することができる。
【0066】
図3に戻る。図3において、ステップ150で加熱工程が行われ、ステップ151で前面板10の加熱工程が行われ、ステップ152で背面板20の加熱工程が行われた例が示されている。2つの加熱工程を、どのように行うかを適宜変更可能である点は、上述の通りである。
【0067】
ステップ160では、封着工程が行われる。封着工程は、前面板10と背面板20を重ね合わせ、シール材層30を溶融させて前面板10と背面板20を封着して一体化したプラズマディスプレイパネル40を形成する工程である。封着工程は、加熱工程と同様に、清浄なドライ雰囲気下又は真空雰囲気下で行うことが好ましい。よって、ステップ150の加熱工程と、ステップ160の封着工程は、連続的に行うことができる。
【0068】
図7は、本実施例に係るプラズマディスレプレイ40の製造方法の封着工程の一例を説明するための図である。図7においては、図6において説明した基板封着装置150を用いて、封着工程が実行された例が示されている。基板封着装置150の構成要素は、図6において説明したのと同様であるので、同一の参照符号を付してその説明は省略する。
【0069】
図7において、基板位置調整手段100の伸張により背面板支持板82が上昇し、背面板20が、対向する前面板10に接触して重ね合わせられている。背面板20は、ステップ152の加熱工程が行われた後は、シール材層30が溶融する封着温度まで下げられる。そして、背面板20の温度が封着温度まで低下したら、基板位置調整ステージ100が上昇し、前面板10に背面板20が重ね合わされる。前面板10と背面板20が重ね合わされた状態で、加熱手段83、84により前面板10及び背面板20を封着温度に保つようにすれば、前面板10と背面板20が封着される。この場合、加熱手段83、84は、同一の封着温度となるように温度調整がなされてよい。また、処理室110内は、加熱工程に引き続き、窒素等の清浄気体雰囲気下又は真空雰囲気下に保たれて封着工程が実行されてよい。
【0070】
図8は、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法の、加熱工程から封着工程までの前面板10と背面板20の温度プロファイルの一例を示した図である。図8に示すように、加熱工程では、シール材層30が形成されている前面板10は、封着温度である450〔℃〕よりも低温の420〔℃〕に保たれている。一方、加熱工程における背面板20は、封着温度450〔℃〕よりも高温の480〔℃〕に保たれている。従来、背面板20にシール材層30が形成されていたので、背面板20は封着温度以下に保つ必要があったが、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法においては、背面板20にシール材層30が形成されていないので、背面板20を封着温度よりも高温に加熱することができる。背面板20の対向面には、アドレス電極21、隔壁22及び蛍光体23等が形成され、不純物ガスを発生させる部材が前面板10よりも多いので、不純物ガスの発生を抑制する効果が大きい。図8においては、背面板20の温度は480〔℃〕とされているが、もっと高くすることもでき、例えば、500〔℃〕以上の蛍光体23の焼成温度まで高くすることもできる。
【0071】
その後、背面板20を封着温度の450〔℃〕まで低下させてから、背面板20を移動させて、前面板10と背面板20を重ね合わせるべく位置合わせを行う。図6及び図7に示した基板封着装置150を用いる場合には、基板位置調整手段100を駆動させて前面板10に背面板20を接近させつつ、水平方向(X−Y方向)にも位置合わせを行い、前面板10と背面板20を適切な位置で重ね合わせる。
【0072】
そして、封着工程においては、前面板10及び背面板20をともに封着温度である450〔℃〕に保ち、前面板10と背面板20の封着を行い、一体化されたプラズマディスプレイパネル40を形成する。
【0073】
このように、前面板10と背面板20とを接触させない状態で、不純物ガスの発生し易い背面板20を十分に高温で加熱してから前面板10と背面板20の封着を行うことにより、封着後のプラズマディスプレイパネル40内に残る不純ガスを減少させ、保護層14への影響を最小限とすることができる。この結果、プラズマディスプレイパネル40の放電電圧を低下させることができ、低消費電力のプラズマディスプレイパネル40を製造することができる。そして、保護膜14が本来有する特性を損なうことなくパネル化を行うことができる。
【0074】
【表1】

表1は、面放電型ACプラズマディスプレイパネルの保護膜14にSrCaOを用いたプラズマディスプレイパネル40において、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法によって製造されたプラズマディスプレイパネル40と、従来のプラズマディスプレイパネル40の製造方法によって製造されたプラズマディスプレイパネル40とのパネルの放電電圧を比較した例を示した表である。
【0075】
2つのプラズマディスプレイパネル40は、封着方法のみが異なり、セルピッチや電極ギャップ等の他の仕様は同じものである。なお、封入ガスは、Ne−Xeが66〔kPa〕でXeの分圧が5〔%〕、セルピッチが0.1〔mm〕である。また、表1において、従来の封着方法によるプラズマディスプレイパネル40は、ガス脱離温度が、前面板10と背面板20とが等しい450〔℃〕とされ、本実施例に係る封着方法によるプラズマディスプレイパネル40は、前面板10のガス脱離温度が450〔℃〕であるのに対し、背面板20のガス脱離温度は480〔℃〕となり高くなっている。表1中、Vf minは、印加電圧上昇時、プラズマディスプレイパネル40内で最も低い放電開始電圧であり、Vf maxは、印加電圧上昇時、プラズマディスプレイパネル40内で最も高い放電開始電圧である。また、Vs maxは、印加電圧減少時、プラズマディスプレイパネル40内で最も高い維持放電電圧であり、Vs minは、印加電圧減少時、プラズマディスプレイパネル40内で最も低い維持放電電圧である。
【0076】
表1において、Vf min、Vf max、Vs max、Vs minのいずれの放電電圧項目についても、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法によるプラズマディスプレイパネル40の方が、従来のプラズマディスプレイパネル40の製造方法によるプラズマディスプレイパネル40よりも放電電圧が低くなっている。つまり、従来の封着方法によるSrCaO保護膜14の放電電圧に対し、本実施例の封着方法によるSrCaO保護膜14を用いたプラズマディスプレイパネル40では、放電電圧を低減させることが可能となっている。なお、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法は、SrCaOのみならず、SrO、CaO、BaO等のアルカリ土類金属の酸化物のように、雰囲気ガスとの反応が活性な保護膜14を有するプラズマディスプレイパネル40において、より大きな効果を有する。
【0077】
また、本実施例に係るプラズマディスプレイパネル40の製造方法は、アルカリ土類金属の酸化物以外の保護膜14、例えば、MgO保護膜等にも適用可能である。
【0078】
以上、本発明の好ましい実施例について詳説したが、本発明は、上述した実施例に制限されることはなく、本発明の範囲を逸脱することなく、上述した実施例に種々の変形及び置換を加えることができる。
【産業上の利用可能性】
【0079】
本発明は、プラズマディスプレイパネル及びこれを用いた画像表示装置の製造工程や、基板を封着して製造する種々の画像表示パネル及びその製造工程や、基板を封着する工程を含む製造工程に用いられる基板封着装置等に利用することができる。
【符号の説明】
【0080】
10 前面板
11 走査電極
12 維持電極
13 誘電体層
14 保護膜
15 前面板蒸着領域
20 背面板
21 アドレス電極
22 隔壁(リブ)
23、23R、23G、23B 蛍光体
30 シール材層
40 プラズマディスプレイパネル
50 スペーサ
60 蒸着用マスク
70 基板治具
80、81、82 基板支持板
83、84 加熱手段
85、86 基板固定支持手段
90 支持柱
100 基板位置調整手段
110 処理室
121 気体供給口
122 気体排気口
150 基板封着装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一方の面に誘電体層を被覆する保護膜が形成された前面板と、該前面板との対向面に隔壁及び蛍光体が形成された背面板とを重ね合わせて所定の封着温度で加熱し、該前面板と該背面板とを封着する封着工程を含むプラズマディスプレイパネルの製造方法であって、
前記封着工程より前に、前記背面板を単独で前記封着温度よりも高い温度で加熱する背面板加熱工程を行い、
前記背面板の温度を前記封着温度まで下げてから、前記封着工程を行うことを特徴とするプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項2】
前記封着工程より前に、前記前面板に封着用のシール材層を形成する前面板シール材形成工程を有し、
前記封着工程は、前記シール材層が、前記封着温度で溶融することにより行われることを特徴とする請求項1に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項3】
前記前面板シール材形成工程と前記封着工程との間に、前記前面板に前記保護膜を形成する保護膜形成工程を有し、
該保護膜形成工程は、前記前面板に形成された前記シール材層を接触せずに覆う蒸着マスクが設置された状態で行われることを特徴とする請求項2に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項4】
前記保護膜形成工程と前記封着工程との間に、前記前面板を単独で加熱する前面板加熱工程を有し、
該前面板加熱工程は、前記封着温度よりも低い温度で行われることを特徴とする請求項3に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項5】
前記背面板加熱工程及び前記前面板加熱工程は、前記前面板及び前記背面板が、同一処理室内で異なる支持板に支持されて、各々単独で同時に加熱されて行われることを特徴とする請求項4に記載のプラズマディスプレイパネルの製造方法。
【請求項6】
前記前面板を支持する前記支持板と、前記背面板を支持する前記支持板とは、互いに対向して配置され、
前記封着工程は、前記支持板同士を接近させることにより、前記前面板と前記背面板が重ね合わせられて行われることを特徴とする請求項5に記載のプラズマディスプレイの製造方法。
【請求項7】
2枚の基板を対向させて重ね合わせ、封着を行う基板封着装置であって、
前記2枚の基板を収容する処理室と、
該処理室内に設けられ、前記2枚の基板を離間して対向支持可能な2つの支持板と、
該支持板の各々に設けられ、支持板毎に独立して前記基板を加熱する加熱手段と、
前記支持板を、前記2枚の基板が接触するように、前記2枚の基板の対向方向に移動させる移動機構と、を有することを特徴とする基板封着装置。
【請求項8】
前記支持板は、前記処理室内の上面と下面に支持されて設けられ、前記2枚の基板を上下に対向させて支持することを特徴とする請求項7に記載の基板封着装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2010−262814(P2010−262814A)
【公開日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−112242(P2009−112242)
【出願日】平成21年5月1日(2009.5.1)
【出願人】(000004352)日本放送協会 (2,206)
【Fターム(参考)】