説明

プラズマディスプレイ装置及びその駆動方法

【課題】表示ラインの多い画像を表示することができるプラズマディスプレイ装置を提供することを課題とする。
【解決手段】複数のサステイン放電電極と、複数のスキャン電極と、複数のアドレス電極と、複数のスキャン電極に順次スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有し、スキャン電極駆動回路は、第1のノード及び第2のノード間に接続される第1の容量(C1)と、第1の電位のノード及び第1のノード間に接続される第1のダイオード(D1)と、複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバ(SC1)と、複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバ(SC2)と、第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路(SW3〜SW5,SW7)とを有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラズマディスプレイ装置及びその駆動方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プラズマディスプレイ装置は、アドレス期間において表示を行う表示セルを選択し、サステイン放電期間において選択された表示セルのサステイン放電を行うことにより、表示を行う。アドレス期間では、複数のスキャン電極に順次、スキャンパルスを供給する。
【0003】
近年、プラズマディスプレイ装置の表示ライン数が増加している。1フレーム期間を規定値にしつつ、表示ラインを増加させると、各スキャンパルスの期間が短くなる。高速で安定なアドレス選択を実施するためには、スキャンパルスの電圧を高くする必要がある。その場合、回路コストアップや消費電力の増大に繋がる。
【0004】
また、特開2005−301264号公報には、複数の走査電極,複数の維持電極及び複数のアドレス電極によって放電セルが形成され、リセット期間,アドレス期間,及び維持期間を有する駆動期間で前記放電セルを点灯させるプラズマ表示パネルの駆動方法において、点灯される前記放電セルに壁電荷の蓄積を行うアドレス期間で、前記複数の走査電極を第1グループ及び第2グループを含む複数のグループに分割し、前記第1グループの走査電極の中の少なくとも1つの走査電極に第1走査パルスを印加する段階と、前記第1走査パルスが印加された前記第1グループの走査電極に,前記第1走査パルスに連続して第2走査パルスを印加する段階と、前記第1グループの走査電極に前記第2走査パルスが印加される間に,前記第2グループの走査電極の中の少なくとも1つの走査電極に前記第1走査パルスを印加する段階と、前記第1走査パルスが印加された前記第2グループの走査電極に、前記第1走査パルスに連続して前記第2走査パルスを印加する段階と、を含むことを特徴とするプラズマ表示パネルの駆動方法が記載されている。
【0005】
【特許文献1】特開2005−301264号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、無効電力を防止しつつ、表示ラインの多い画像を表示することができるプラズマディスプレイ装置及びその駆動方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明のプラズマディスプレイ装置は、複数のサステイン放電電極と、前記複数のサステイン放電電極と並行して設けられ、前記複数のサステイン放電電極との間でサステイン放電を行う複数のスキャン電極と、前記サステイン放電電極及び前記スキャン電極に交差するように設けられる複数のアドレス電極と、前記複数のスキャン電極に順次、スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有し、前記スキャン電極駆動回路は、第1のノードと、第2のノードと、前記第1のノード及び前記第2のノード間に接続される第1の容量と、第1の電位のノード及び前記第1のノード間に接続される第1のダイオードと、前記複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバと、前記複数のスキャン電極のうちの前記第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバと、前記第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び前記第1のスキャンパルス電位よりも絶対値が小さくかつ前記第1の電位より絶対値が大きい第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路とを有し、前記第1のスキャンドライバは、前記第1のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第1のスイッチと、前記第1のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第2のスイッチとを有し、前記第2のスキャンドライバは、前記第2のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第3のスイッチと、前記第2のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第4のスイッチとを有し、前記スキャン電極駆動回路は、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1の電位から前記第1のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第1のスキャンパルス電位を出力し、前記第1のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第2のスイッチをオフからオンに切り換え、前記第3のスイッチをオンにし、前記第4のスイッチをオフにし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持し、前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位に到達後、前記第3のスイッチをオフし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持し、その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させ、その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させることを特徴とする。
【0008】
また、本発明のプラズマディスプレイ装置は、複数のサステイン放電電極と、前記複数のサステイン放電電極と並行して設けられ、前記複数のサステイン放電電極との間でサステイン放電を行う複数のスキャン電極と、前記サステイン放電電極及び前記スキャン電極に交差するように設けられる複数のアドレス電極と、前記複数のスキャン電極に順次スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有し、前記スキャン電極駆動回路は、第1のノードと、第2のノードと、前記複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバと、前記複数のスキャン電極のうちの前記第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバと、前記第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び前記第1のスキャンパルス電位よりも絶対値が小さい第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路と、前記第1のノード及び前記第2のノード間に接続され、第1の電位と前記第1のスキャンパルス電位との差電圧を有する第1の電源とを有し、前記第1のスキャンドライバは、前記第1のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第1のスイッチと、前記第1のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第2のスイッチとを有し、前記第2のスキャンドライバは、前記第2のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第3のスイッチと、前記第2のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第4のスイッチとを有し、前記スキャン電極駆動回路は、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1の電位から前記第1のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第1のスキャンパルス電位を出力し、前記第1のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第2のスイッチをオフからオンに切り換え、前記第3のスイッチをオンにし、前記第4のスイッチをオフにし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持し、前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位に到達後、前記第3のスイッチをオフし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持し、その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させ、その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させることを特徴とする。
【0009】
また、本発明のプラズマディスプレイ装置の駆動方法は、複数のサステイン放電電極と、前記複数のサステイン放電電極と並行して設けられ、前記複数のサステイン放電電極との間でサステイン放電を行う複数のスキャン電極と、前記サステイン放電電極及び前記スキャン電極に交差するように設けられる複数のアドレス電極と、前記複数のスキャン電極に順次、スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、前記スキャン電極駆動回路は、第1のノードと、第2のノードと、前記第1のノード及び前記第2のノード間に接続される第1の容量と、第1の電位のノード及び前記第1のノード間に接続される第1のダイオードと、前記複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバと、前記複数のスキャン電極のうちの前記第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバと、前記第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び前記第1のスキャンパルス電位よりも絶対値が小さくかつ前記第1の電位より絶対値が大きい第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路とを有し、前記第1のスキャンドライバは、前記第1のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第1のスイッチと、前記第1のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第2のスイッチとを有し、前記第2のスキャンドライバは、前記第2のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第3のスイッチと、前記第2のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第4のスイッチとを有し、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1の電位から前記第1のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第1のスキャンパルス電位を出力し、前記第1のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第2のスイッチをオフからオンに切り換え、前記第3のスイッチをオンにし、前記第4のスイッチをオフにし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持する第1のステップと、前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位に到達後、前記第3のスイッチをオフし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持する第2のステップと、その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させる第3のステップと、その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させる第4のステップとを有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明のプラズマディスプレイ装置の駆動方法は、複数のサステイン放電電極と、前記複数のサステイン放電電極と並行して設けられ、前記複数のサステイン放電電極との間でサステイン放電を行う複数のスキャン電極と、前記サステイン放電電極及び前記スキャン電極に交差するように設けられる複数のアドレス電極と、前記複数のスキャン電極に順次、スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、前記スキャン電極駆動回路は、第1のノードと、第2のノードと、前記複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバと、前記複数のスキャン電極のうちの前記第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバと、前記第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び前記第1のスキャンパルス電位よりも絶対値が小さくかつ前記第1の電位より絶対値が大きい第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路と、前記第1のノード及び前記第2のノード間に接続され、第1の電位と前記第1のスキャンパルス電位との差電圧を有する第1の電源とを有し、前記第1のスキャンドライバは、前記第1のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第1のスイッチと、前記第1のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第2のスイッチとを有し、前記第2のスキャンドライバは、前記第2のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第3のスイッチと、前記第2のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第4のスイッチとを有し、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1の電位から前記第1のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第1のスキャンパルス電位を出力し、前記第1のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第2のスイッチをオフからオンに切り換え、前記第3のスイッチをオンにし、前記第4のスイッチをオフにし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持する第1のステップと、前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位に到達後、前記第3のスイッチをオフし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持する第2のステップと、その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させる第3のステップと、その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させる第4のステップとを有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
スキャンパルスに第1のスキャンパルス電位及び第2のスキャンパルス電位を設けることにより、短期間のスキャンパルスでもスキャン電極は安定した放電を行うことができる。これにより、表示ラインの多い画像を表示することができる。また、第1のスキャン電極の電位が第1のスキャンパルス電位に到達後、第3のスイッチをオフし、第2のスキャン電極の電位を第1の電位に維持することにより、第2のスキャン電極の電位変動を防止、無効電力を防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
図2は、本発明の実施形態によるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。制御回路7は、X電極(サステイン放電電極)駆動回路4、Y電極(スキャン電極)駆動回路5及びアドレス電極駆動回路6を制御する。X電極駆動回路4は、複数のサステイン放電電極(以下、X電極という)X1,X2,・・・に所定の電圧を供給する。以下、X電極X1,X2,・・・の各々を又はそれらの総称を、X電極Xiといい、iは添え字を意味する。Y電極駆動回路5は、複数のスキャン電極(以下、Y電極という)Y1,Y2,・・・に所定の電圧を供給する。以下、Y電極Y1,Y2,・・・の各々を又はそれらの総称を、Y電極Yiといい、iは添え字を意味する。アドレス電極駆動回路6は、複数のアドレス電極A1,A2,・・・に所定の電圧を供給する。以下、アドレス電極A1,A2,・・・の各々を又はそれらの総称を、アドレス電極Ajといい、jは添え字を意味する。
【0013】
プラズマディスプレイパネル3では、Y電極Yi及びX電極Xiが水平方向に並行して延びる行を形成し、アドレス電極Ajが垂直方向に延びる列を形成する。アドレス電極Ajは、X電極Xi及びY電極Yiに交差するように設けられる。Y電極Yi及びX電極Xiは、垂直方向に交互に配置される。Y電極Yi及びアドレス電極Ajは、i行j列の2次元行列を形成する。表示セルCijは、Y電極Yi及びアドレス電極Ajの交点並びにそれに対応して隣接するX電極Xiにより形成される。この表示セルCijが画素に対応し、プラズマディスプレイパネル3は2次元画像を表示することができる。
【0014】
図3は、プラズマディスプレイパネル3の構造例を示す分解斜視図である。X電極Xi及びY電極Yiは、前面ガラス基板1上に形成されている。その上には、放電空間に対し絶縁するための誘電体層13が被着されている。さらにその上には、MgO(酸化マグネシウム)保護層14が被着されている。一方、アドレス電極Ajは、前面ガラス基板1と対向して配置された背面ガラス基板2上に形成される。その上には、誘電体層16が被着される。更にその上には、蛍光体18〜20が被着されている。隔壁17の内面には、赤、青、緑色の蛍光体18〜20がストライプ状に各色毎に配列、塗付されている。X電極Xi及びY電極Yiの間の放電によって蛍光体18〜20を励起して各色が発光する。前面ガラス基板1及び背面ガラス基板2との間の放電空間には、Ne+Xeペニングガス等が封入されている。
【0015】
図4は画像の1フレームFRにおけるプラズマディスプレイ装置の駆動方法例を示す図であり、図5は1サブフレームSF1におけるプラズマディスプレイ装置の駆動方法例を示す図である。
【0016】
1フレームFRは、第1のサブフレームSF1、第2のサブフレームSF2、・・・、第nのサブフレームSFnにより形成される。このnは、例えば10であり、階調ビット数に相当する。サブフレームSF1,SF2等の各々を又はそれらの総称を、以下、サブフレームSFという。各サブフレームSFは、リセット期間Tr、アドレス期間Ta及びサステイン放電期間Tsにより構成される。
【0017】
リセット期間Trでは、X電極Xi及びY電極Yiに所定の電圧を印加して、表示セルCijの初期化を行う。Y電極Yiには、正電圧Vwのリセット書き込みパルス502及び負電圧−Veのリセット消去パルス503が印加される。
【0018】
アドレス期間Taでは、Y電極駆動回路5は、サステイン放電期間Tsでサステイン放電を行うY電極Yiを選択するために複数のY電極Yiに順次、スキャンパルス504を出力する。具体的には、Y電極Y1,Y2,・・・に対してスキャンパルス504を順次スキャンして印加し、そのスキャンパルス504に対応してアドレスパルス501をアドレス電極Ajに印加することにより表示する表示セルCijを選択する。Y電極Yiのスキャンパルス504に対応してアドレス電極Ajのアドレスパルス501が生成されれば、そのY電極Yi及びX電極Xiの表示セルCijが選択される。Y電極Yiのスキャンパルス504に対応してアドレス電極Ajのアドレスパルス501が生成されなければ、そのY電極Yi及びX電極Xiの表示セルCijが選択されない。スキャンパルス504に対応してアドレスパルス501が生成されると、アドレス電極Aj及びY電極Yi間のアドレス放電が起こり、それを種火としてX電極Xi及びY電極Yi間で放電が起こり、X電極Xiに負電荷が蓄積され、Y電極Yiに正電荷が蓄積される。アドレス期間Taの動作の詳細は、後に図6を参照しながら説明する。
【0019】
サステイン期間Tsでは、X電極Xi及びY電極Yi間に互いに逆相のサステインパルス505及び506が印加され、選択された表示セルCijのX電極Xi及びY電極Yi間でサステイン放電を行い、発光を行う。各サブフレームSFでは、X電極Xi及びY電極Yiのサステインパルス505及び506による発光回数(サステイン放電期間Tsの長さ)が異なる。これにより、階調値を決めることができる。
【0020】
図1は本発明の実施形態によるY電極駆動回路5の構成例を示す回路図であり、図6はアドレス期間Taにおけるプラズマディスプレイ装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【0021】
第1のスキャンドライバSC1は、第1のY電極Y1に接続され、第1のスイッチSW1及び第2のスイッチSW2を有する。スイッチSW1は、第1のY電極Y1及び第1のノードVDH間に接続される。スイッチSW2は、第1のY電極Y1及び第2のノードFGND間に接続される。スイッチSW1は、ドレインが第1のノードVDHに接続され、ソースが第1のY電極Y1に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、アノードが第1のY電極Y1に接続され、カソードが第1のノードVDHに接続されるダイオードとを有する。スイッチSW2は、ソースが第2のノードFGNDに接続され、ドレインが第1のY電極Y1に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、カソードが第1のY電極Y1に接続され、アノードが第2のノードFGNDに接続されるダイオードとを有する。
【0022】
第2のスキャンドライバSC2は、第2のY電極Y2に接続され、第3のスイッチSW21及び第4のスイッチSW22を有する。スイッチSW21は、第2のY電極Y2及び第1のノードVDH間に接続される。スイッチSW22は、第2のY電極Y2及び第2のノードFGND間に接続される。スイッチSW21は、ドレインが第1のノードVDHに接続され、ソースが第2のY電極Y2に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、アノードが第2のY電極Y2に接続され、カソードが第1のノードVDHに接続されるダイオードとを有する。スイッチSW22は、ソースが第2のノードFGNDに接続され、ドレインが第2のY電極Y2に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、カソードが第2のY電極Y2に接続され、アノードが第2のノードFGNDに接続されるダイオードとを有する。
【0023】
第3のスキャンドライバSC3は、第3のY電極Y3に接続され、スイッチSW31及びスイッチSW32を有する。スイッチSW31は、第3のY電極Y3及び第1のノードVDH間に接続される。スイッチSW32は、第3のY電極Y3及び第2のノードFGND間に接続される。スイッチSW31は、ドレインが第1のノードVDHに接続され、ソースが第3のY電極Y3に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、アノードが第3のY電極Y3に接続され、カソードが第1のノードVDHに接続されるダイオードとを有する。スイッチSW32は、ソースが第2のノードFGNDに接続され、ドレインが第3のY電極Y3に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、カソードが第3のY電極Y3に接続され、アノードが第2のノードFGNDに接続されるダイオードとを有する。
【0024】
他のY電極についても、スキャンドライバSC1〜SC3と同様のスキャンドライバが接続される。
【0025】
第1の容量C1は、第1のノードVDH及び第2のノードFGND間に接続され、アドレス電極Ajにアドレスパルス501を印加した際の第1のノードVDH及び第2のノードFGNDのスパイク電圧を防止し、第1及び第2のスキャンパルスを供給しないときに印加する非選択電位(本実施形態での第1の電位Vsc)を安定に保持する作用を有する。
【0026】
第1のダイオードD1は、アノードが第1の電位Vscのノードに接続され、カソード第1のノードVDH間に接続される。第1の電位Vscは、例えば0Vである。
【0027】
スキャンパルス電位スイッチ回路は、スイッチSW3,SW4,SW5,SW7、容量C2,C3及びダイオードD2を有し、第2のノードFGNDに第1のスキャンパルス電位−Vy−Vys(図6)及び第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysよりも絶対値が小さくかつ第1の電位Vscより絶対値が大きい第2のスキャンパルス電位−Vy(図6)を選択的に出力する。
【0028】
第5のスイッチSW3は、基準電位(グランド電位)ノード及び第3のノードN3間に接続され、ドレインが第3のノードN3に接続され、ソースが基準電位ノードに接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、アノードが基準電位ノードに接続され、カソードが第3のノードN3に接続されるダイオードとを有する。
【0029】
第6のスイッチSW4は、第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysと第2のスキャンパルス電位−Vyとの電位差Vysの電圧ノード及び第3のノードN3間に接続され、ドレインが電位差Vysの電圧ノードに接続され、ソースが第3のノードN3に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、アノードが第3のノードN3に接続され、カソードが電位差Vysの電圧ノードに接続されるダイオードとを有する。
【0030】
第2の容量C2は、第3のノードN3及び第4のノードN4間に接続される。第3の容量C3は、第4のノードN4及び第5のノードN5間に接続される。
【0031】
第7のスイッチSW5は、基準電位ノード及び第4のノードN4間に接続され、ドレインが基準電位ノードに接続され、ソースが第4のノードN4に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、アノードが第4のノードN4に接続され、カソードが基準電位ノードに接続されるダイオードとを有する。
【0032】
第2のダイオードD2は、アノードが第5のノードN5に接続され、カソードが第2のスキャンパルス電位−Vyのノードに接続される。
【0033】
第8のスイッチSW7は、第5のノードN5及び第2のノードFGND間に接続され、ドレインが第2のノードFGNDに接続され、ソースが第5のノードN5に接続されるnチャネル電界効果トランジスタと、アノードが第5のノードN5に接続され、カソードが第2のノードFGNDに接続されるダイオードとを有する。
【0034】
スイッチSW6は、正電圧Vwのノード及び第2のノードFGND間に接続され、オンにすることにより図5のリセット書き込みパルス502を生成することができる。
【0035】
スイッチSW8は、ツェナーダイオードD5及び抵抗R1を介して、第2のノードFGND及び第5のノードN5間に接続され、オンにすることにより図5のリセット消去パルス503を生成することができる。
【0036】
スイッチSW9〜SW13、ダイオードD3,D4、容量C4、インダクタL1は、図5のサステインパルス506を生成するための回路である。スイッチSW13は、両方向スイッチであり、サステイン放電期間Tsにオンになる。スイッチSW11をオンにすることによりLC共振でサステインパルス506を電圧Vsに立ち上げることができる。その後、スイッチSW9をオンにすることにより、サステインパルス506を電圧Vsにクランプすることができる。その後、スイッチSW12をオンすることによりLC共振でサステインパルス506を0Vに立ち下げることができる。その後、スイッチSW10をオンにすることにより、サステインパルス506を0Vにクランプすることができる。
【0037】
次に、図6を参照しながら、アドレス期間Taのプラズマディスプレイ装置の駆動方法を説明する。本実施形態では、期間T2〜T6のY電極Y1のスキャンパルスは、2段構成になっている。スキャンパルスは、期間T2で第1の電位Vscから第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysに立ち下がり、期間T4で第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysから第2のスキャンパルス電位−Vyに立ち上がり、期間T7で第2のスキャンパルス電位−Vyから第1の電位Vscに立ち上がる。
【0038】
例えば、第1の電位Vscは0V、第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysは−180V、第2のスキャンパルス電位−Vyは−150である。また、アドレス電極A1,A2のアドレスパルスは、ローレベルが0V、ハイレベルが70Vである。
【0039】
仮に、スキャンパルスを第1の電位Vscとし及び第2のスキャンパルス電位−Vyの2値で構成すると、プラズマディスプレイ装置の表示ライン数が増加すると、アドレス期間TaにおいてY電極Yi及びアドレス電極Aj間で安定した放電を行うことができない。近年、表示ラインが1080本であるフルHD(high definition)の登場により、プラズマディスプレイ装置の表示ライン数が増加している。1フレームFRの期間を規定値にしつつ、表示ラインを増加させると、各スキャンパルスの期間が短くなる。各スキャンパルスの期間が短くなると、アドレス期間TaにおいてY電極Yi及びアドレス電極Aj間で安定した放電を行うことができない。
【0040】
そこで、スキャンパルスを第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysで構成することが考えられる。その場合、期間T2及びT3において、スキャン電極Y1及びアドレス電極A1間では適切な放電が起こるが、スキャン電極Y1及びアドレス電極A2間でも誤って放電してしまうことがある。
【0041】
本実施形態では、スキャンパルスを第1のスキャンパルス電位−Vy−Vys及び第2のスキャンパルス電位−Vyの2段階に設定することにより、期間T2及びT3において、スキャン電極Y1及びアドレス電極A1間では放電が起こり、スキャン電極Y1及びアドレス電極A2間では放電が起こらず、適切な動作を行うことができる。
【0042】
図7〜図11は、図1の回路の動作を説明するための図である。以下、図7〜図11を参照しながら、図6の駆動方法を説明する。図6において、スイッチSW1〜SW5,SW7,SW21,SW22,SW31,SW32は、それらのゲート電圧を示し、ゲート電圧がハイレベルになるとオンし、ゲート電圧がローレベルになるとオフする。
【0043】
期間T1の前では、期間T4及びT5と同様に、スイッチSW4及びSW5がオンする。図7に示すように、スイッチSW4がオンになると、電流701が流れ、容量C2に電圧Vysが充電される。スイッチSW5がオンになると、電流702が流れ、容量C3に電圧Vyが充電される。その後、期間T7〜T9と同様に、スイッチSW4及びSW5がオフになる。
【0044】
次に、期間T1では、スイッチSW3及びSW7がオフからオンになる。すると、図8に示すように、電流801が流れる。ノードN3はグランド電位になり、ノードN5は第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysになる。さらに、スイッチSW7がオンすることにより、第2のノードFGNDが第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysになる。容量C1にはVsc+Vy+Vysの電圧が充電される。期間T1の開始時では、スイッチSW1,SW21,SW31はオン、スイッチSW2,SW22,SW32はオフであり、Y電極Y1〜Y3は第1の電位Vscである。
【0045】
次に、スイッチSW1をオンからオフにし、その後、期間T2では、スイッチSW2をオフからオンにする。すると、図9に示すように、電流901〜903が流れる。第1のノードVDHは第1の電位Vscであり、第2のノードFGNDは第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysである。スイッチSW2がオンであるので、Y電極Y1は第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysになる。また、スイッチSW21がオンであるので、Y電極Y2は第1の電位Vscになる。また、スイッチSW31がオンであるので、Y電極Y3は第1の電位Vscになる。
【0046】
次に、期間T3では、スイッチSW21及びSW31をオフにする。すると、Y電極Y2及びY3は、オープン状態になり、第1の電位Vscを維持する。
【0047】
次に、スイッチSW3をオフにし、その後、期間T4では、スイッチSW4及びSW5をオンにする。すると、図10に示すように、電流1001が流れる。ノードN4はグランド電位になり、ノードN5及びFGNDは第2のスキャンパルス電位−Vyになる。第1のノードVDHは、容量C1により第2のノードFGNDに結合されているので、Vsc+Vysの電位になる。スイッチSW2がオンであるので、Y電極Y1は第2のスキャンパルス電位−Vyになる。Y電極Y2及びY3は、スイッチSW21,SW22,SW31,SW32がオフであるので、第1の電位Vscを維持する。
【0048】
ここで、仮に、スイッチSW21及びSW31を破線で示すように、期間T3〜T6でオン状態を維持する場合を説明する。その場合、上記のように、期間T4〜T6において、第2のノードFGNDが第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysになるので、Y電極Y2及びY3では破線で示すようにVsc+Vysのパルスが発生してしまう。このパルスは、C×V2×fで表わされる無効電力を生じる。ここで、Cは容量であり、Vは電圧Vysであり、fは周波数である。
【0049】
本実施形態では、期間T3〜T6において、スイッチSW21及びSW31をオフにすることにより、Y電極Y2及びY3は、オープン状態になり、第1の電位Vscを維持することができる。これにより、Y電極Y2及びY3の破線で示すパルスの発生を防止し、そのパルスによる無効電力を防止することができる。
【0050】
次に、期間T6では、スイッチSW2、SW4及びSW5をオフにする。その後、期間T7では、スイッチSW1,SW21,SW31,SW3をオンにする。すると、図11に示すように、電流1101〜1103が流れる。期間T1と同様に、図8に示すように、ノードN3がグランド電位、第2のノードFGNDが第1のスキャンパルス電位−Vy−Vys、第1のノードVDHが第1の電位Vscになる。そして、図11に示すように、スイッチSW2がオンであるのでY電極Y1は第1の電位Vscになり、スイッチSW21がオンであるのでY電極Y2は第1の電位Vscになり、スイッチSW31がオンであるのでY電極Y3は第1の電位Vscになる。
【0051】
以上は、Y電極Y1にスキャンパルスを出力する駆動方法を説明した。その後、期間T7において、スイッチSW21をオフし、上記と同様に、期間T8〜T13においてY電極Y2にスキャンパルスを出力し、期間T14〜T19においてY電極Y3にスキャンパルスを出力する駆動を行う。期間T8〜T13では、期間T1〜T7における第1のスキャンドライバSC1及び第2のスキャンドライバSC2の処理を入れ替えればよい。また、期間T14〜T19では、期間T1〜T7における第1のスキャンドライバSC1及び第3のスキャンドライバSC3の処理を入れ替えればよい。以後、同様にして、すべてのY電極に順次、スキャンパルスを出力する。
【0052】
期間T9〜T12においても、スイッチSW1及びSW31をオフにすることにより、Y電極Y1及びY3のパルス発生を防止し、無効電力を防止することができる。同様に、期間T15〜T18においても、スイッチSW1及びSW21をオフにすることにより、Y電極Y1及びY2のパルス発生を防止し、無効電力を防止することができる。
【0053】
以上のように、Y電極駆動回路5は、期間T2において、第1のY電極Y1の電位を第1の電位Vscから第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysに変化させる際に、スキャンパルス電位スイッチ回路SW3〜SW5,SW7により第2のノードFGNDに第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysを出力し、第1のスイッチSW1をオンからオフに切り換え、第2のスイッチSW2をオフからオンに切り換え、第3のスイッチSW21をオンにし、第4のスイッチSW22をオフにし、第2のY電極Y2の電位を第1の電位Vscに維持する。
【0054】
また、Y電極駆動回路5は、期間T3において、第1のY電極Y1の電位が第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysに到達後、第3のスイッチSW21をオフし、第2のY電極Y2の電位を第1の電位Vscに維持する。
【0055】
また、Y電極駆動回路5は、その後、期間T4において、第1のY電極Y1の電位を第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysから第2のスキャンパルス電位−Vyに変化させる際に、第2のスイッチSW2をオンにしたまま、スキャンパルス電位スイッチ回路SW3〜SW5,SW7により第2のノードFGNDに第2のスキャンパルス電位−Vyを出力する。
【0056】
また、Y電極駆動回路5は、その後、期間T7において、第1のY電極Y1の電位を第2のスキャンパルス電位−Vyから第1の電位Vscに変化させる際に、第2のスイッチSW2をオンからオフに切り換え、第1のスイッチSW1をオフからオンに切り換える。
【0057】
第1のY電極Y1の電位が第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysになっている期間T2〜T3は、100ns以上かつ300ns以下の期間であることが好ましい。例えば、スキャンパルスの期間T2〜T6は、1μsである。
【0058】
以上のように、本実施形態によれば、スキャンパルスに第1のスキャンパルス電位−Vy−Vys及び第2のスキャンパルス電位−Vyを設けることにより、短期間のスキャンパルスでもY電極は安定した放電を行うことができる。これにより、表示ラインの多い画像を表示することができる。また、第1のY電極Y1の電位が第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysに到達後、スイッチSW21及びSW31をオフし、Y電極Y2及びY3の電位を第1の電位Vscに維持することにより、Y電極Y2及びY3の電位変動を防止、無効電力を防止することができる。
【0059】
また、以上説明した実施形態では第1のノードVDHと第2のノードFGND間に容量C1を接続した場合について説明したが、本実施形態はこれに限るものではなく、図12に示すように第1のノードVDHと第2のノードFGND間に電源VBを接続した場合についても適用可能である。図12において電源VBは、図1での容量C1に充電される電圧値に対応する電圧値を有する電源であり、第2のノードFGNDに第1のスキャンパルス電位−Vy−Vysが供給されたときに、第1のノードVDHの電位がVscとなるように設定されている。従って、図1に示す実施形態と同様に動作し、同様の効果を得ることができる。
【0060】
なお、上記実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、又はその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【0061】
【図1】本発明の実施形態によるY電極駆動回路の構成例を示す回路図である。
【図2】本発明の実施形態によるプラズマディスプレイ装置の構成例を示す図である。
【図3】プラズマディスプレイパネルの構造例を示す分解斜視図である。
【図4】画像の1フレームにおけるプラズマディスプレイ装置の駆動方法例を示す図である。
【図5】1サブフレームにおけるプラズマディスプレイ装置の駆動方法例を示す図である。
【図6】アドレス期間におけるプラズマディスプレイ装置の駆動方法を示すタイミングチャートである。
【図7】図1の回路の動作を説明するための図である。
【図8】図1の回路の動作を説明するための図である。
【図9】図1の回路の動作を説明するための図である。
【図10】図1の回路の動作を説明するための図である。
【図11】図1の回路の動作を説明するための図である。
【図12】本発明の実施形態によるY電極駆動回路の別の構成例を示す回路図である。
【符号の説明】
【0062】
1 前面ガラス基板
2 背面ガラス基板
3 プラズマディスプレイパネル
4 X電極駆動回路
5 Y電極駆動回路
6 アドレス電極駆動回路
7 制御回路
13、16 誘電体層
14 保護層
17 隔壁
18〜20 蛍光体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のサステイン放電電極と、
前記複数のサステイン放電電極と並行して設けられ、前記複数のサステイン放電電極との間でサステイン放電を行う複数のスキャン電極と、
前記サステイン放電電極及び前記スキャン電極に交差するように設けられる複数のアドレス電極と、
前記複数のスキャン電極に順次、スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有し、
前記スキャン電極駆動回路は、
第1のノードと、
第2のノードと、
前記第1のノード及び前記第2のノード間に接続される第1の容量と、
第1の電位のノード及び前記第1のノード間に接続される第1のダイオードと、
前記複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバと、
前記複数のスキャン電極のうちの前記第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバと、
前記第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び前記第1のスキャンパルス電位よりも絶対値が小さくかつ前記第1の電位より絶対値が大きい第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路とを有し、
前記第1のスキャンドライバは、
前記第1のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第1のスイッチと、
前記第1のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第2のスイッチとを有し、
前記第2のスキャンドライバは、
前記第2のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第3のスイッチと、
前記第2のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第4のスイッチとを有し、
前記スキャン電極駆動回路は、
前記第1のスキャン電極の電位を前記第1の電位から前記第1のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第1のスキャンパルス電位を出力し、前記第1のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第2のスイッチをオフからオンに切り換え、前記第3のスイッチをオンにし、前記第4のスイッチをオフにし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持し、
前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位に到達後、前記第3のスイッチをオフし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持し、
その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させ、
その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項2】
前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位になっている期間は、100ns以上かつ300ns以下の期間であることを特徴とする請求項1記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項3】
前記スキャン電極駆動回路は、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記第2のスイッチをオンにしたまま、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第2のスキャンパルス電位を出力することを特徴とする請求項1又は2記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項4】
前記スキャン電極駆動回路は、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させる際に、前記第2のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第1のスイッチをオフからオンに切り換えることを特徴とする請求項3記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項5】
前記スキャンパルス電位スイッチ回路は、
基準電位ノード及び第3のノード間に接続される第5のスイッチと、
前記第1のスキャンパルス電位と前記第2のスキャンパルス電位との電位差の電圧ノード及び前記第3のノード間に接続される第6のスイッチと、
前記第3のノード及び第4のノード間に接続される第2の容量と、
前記基準電位ノード及び前記第4のノード間に接続される第7のスイッチと、
前記第4のノード及び第5のノード間に接続される第3の容量と、
前記第5のノード及び前記第2のスキャンパルス電位のノード間に接続される第2のダイオードと、
前記第5のノード及び前記第2のノード間に接続される第8のスイッチとを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載のプラズマディスプレイ装置。
【請求項6】
複数のサステイン放電電極と、
前記複数のサステイン放電電極と並行して設けられ、前記複数のサステイン放電電極との間でサステイン放電を行う複数のスキャン電極と、
前記サステイン放電電極及び前記スキャン電極に交差するように設けられる複数のアドレス電極と、
前記複数のスキャン電極に順次スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有し、
前記スキャン電極駆動回路は、
第1のノードと、
第2のノードと、
前記複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバと、
前記複数のスキャン電極のうちの前記第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバと、
前記第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び前記第1のスキャンパルス電位よりも絶対値が小さい第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路と、
前記第1のノード及び前記第2のノード間に接続され、第1の電位と前記第1のスキャンパルス電位との差電圧を有する第1の電源とを有し、
前記第1のスキャンドライバは、
前記第1のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第1のスイッチと、
前記第1のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第2のスイッチとを有し、
前記第2のスキャンドライバは、
前記第2のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第3のスイッチと、
前記第2のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第4のスイッチとを有し、
前記スキャン電極駆動回路は、
前記第1のスキャン電極の電位を前記第1の電位から前記第1のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第1のスキャンパルス電位を出力し、前記第1のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第2のスイッチをオフからオンに切り換え、前記第3のスイッチをオンにし、前記第4のスイッチをオフにし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持し、
前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位に到達後、前記第3のスイッチをオフし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持し、
その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させ、
その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させることを特徴とするプラズマディスプレイ装置。
【請求項7】
複数のサステイン放電電極と、
前記複数のサステイン放電電極と並行して設けられ、前記複数のサステイン放電電極との間でサステイン放電を行う複数のスキャン電極と、
前記サステイン放電電極及び前記スキャン電極に交差するように設けられる複数のアドレス電極と、
前記複数のスキャン電極に順次、スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記スキャン電極駆動回路は、
第1のノードと、
第2のノードと、
前記第1のノード及び前記第2のノード間に接続される第1の容量と、
第1の電位のノード及び前記第1のノード間に接続される第1のダイオードと、
前記複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバと、
前記複数のスキャン電極のうちの前記第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバと、
前記第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び前記第1のスキャンパルス電位よりも絶対値が小さくかつ前記第1の電位より絶対値が大きい第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路とを有し、
前記第1のスキャンドライバは、
前記第1のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第1のスイッチと、
前記第1のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第2のスイッチとを有し、
前記第2のスキャンドライバは、
前記第2のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第3のスイッチと、
前記第2のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第4のスイッチとを有し、
前記第1のスキャン電極の電位を前記第1の電位から前記第1のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第1のスキャンパルス電位を出力し、前記第1のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第2のスイッチをオフからオンに切り換え、前記第3のスイッチをオンにし、前記第4のスイッチをオフにし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持する第1のステップと、
前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位に到達後、前記第3のスイッチをオフし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持する第2のステップと、
その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させる第3のステップと、
その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させる第4のステップと
を有することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。
【請求項8】
複数のサステイン放電電極と、
前記複数のサステイン放電電極と並行して設けられ、前記複数のサステイン放電電極との間でサステイン放電を行う複数のスキャン電極と、
前記サステイン放電電極及び前記スキャン電極に交差するように設けられる複数のアドレス電極と、
前記複数のスキャン電極に順次、スキャンパルスを出力するスキャン電極駆動回路とを有するプラズマディスプレイ装置の駆動方法であって、
前記スキャン電極駆動回路は、
第1のノードと、
第2のノードと、
前記複数のスキャン電極のうちの第1のスキャン電極に接続される第1のスキャンドライバと、
前記複数のスキャン電極のうちの前記第1のスキャン電極とは異なる第2のスキャン電極に接続される第2のスキャンドライバと、
前記第2のノードに第1のスキャンパルス電位及び前記第1のスキャンパルス電位よりも絶対値が小さくかつ前記第1の電位より絶対値が大きい第2のスキャンパルス電位を選択的に出力するスキャンパルス電位スイッチ回路と、
前記第1のノード及び前記第2のノード間に接続され、第1の電位と前記第1のスキャンパルス電位との差電圧を有する第1の電源とを有し、
前記第1のスキャンドライバは、
前記第1のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第1のスイッチと、
前記第1のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第2のスイッチとを有し、
前記第2のスキャンドライバは、
前記第2のスキャン電極及び前記第1のノード間に接続される第3のスイッチと、
前記第2のスキャン電極及び前記第2のノード間に接続される第4のスイッチとを有し、
前記第1のスキャン電極の電位を前記第1の電位から前記第1のスキャンパルス電位に変化させる際に、前記スキャンパルス電位スイッチ回路により前記第2のノードに前記第1のスキャンパルス電位を出力し、前記第1のスイッチをオンからオフに切り換え、前記第2のスイッチをオフからオンに切り換え、前記第3のスイッチをオンにし、前記第4のスイッチをオフにし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持する第1のステップと、
前記第1のスキャン電極の電位が前記第1のスキャンパルス電位に到達後、前記第3のスイッチをオフし、前記第2のスキャン電極の電位を前記第1の電位に維持する第2のステップと、
その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第1のスキャンパルス電位から前記第2のスキャンパルス電位に変化させる第3のステップと、
その後、前記第1のスキャン電極の電位を前記第2のスキャンパルス電位から前記第1の電位に変化させる第4のステップと
を有することを特徴とするプラズマディスプレイ装置の駆動方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2010−44119(P2010−44119A)
【公開日】平成22年2月25日(2010.2.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−206264(P2008−206264)
【出願日】平成20年8月8日(2008.8.8)
【出願人】(599132708)日立プラズマディスプレイ株式会社 (328)
【Fターム(参考)】