説明

プラットホームカテーテル

実質的に半径方向に外向きに延びるプラットホームを有する端部を備えるカテーテル(10)。動脈瘤を処置するためのカテーテル。このカテーテルは、挿入端部(14)および反対側の端部(16)を有する管腔(18)、ならびにこのカテーテルの挿入端部に取り付けられた半径方向に外向きに拡張可能な環(20)を備える。拡張可能な環は、カテーテルに取り付け可能である。処置が必要な動脈に上記カテーテルを挿入することによって動脈瘤を処置する方法。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(1.発明の分野)
本発明は、一般的に、医療デバイスに関する。より詳細には、本発明は、動脈瘤を処置する際に使用するためのカテーテルに関する。
【背景技術】
【0002】
(2.関連技術の説明)
大脳動脈瘤は、大脳脈管系の拡大であり、大脳動脈の壁からバルーン状に突出する。大脳動脈瘤は、親となる血管に導く首部および1〜30mmの直径で変動し得る本体または「ドーム部」を有する。
【0003】
動脈瘤の壁は、しばしば、弱く、破裂し得、出血を導く。動脈瘤の破裂は、患者を殺傷し得るか、あるいは、患者に永久的または一過性で精神的および身体的に障害を残す。
【0004】
動脈瘤は、しばしば、出血を導き得る破裂を妨げるため、または急性で破裂した動脈瘤の再出血を妨げるために、処置される。動脈瘤を処置するための従来の方法は、コイルで動脈瘤を充填することである。コイルは、動脈瘤が満たされるまで、送達カテーテルを通って一回で一個、動脈瘤内に導入される。動脈瘤は、結果として、コイルおよび血栓の固体の塊になる。
【0005】
動脈瘤を充填するためにコイルを使用する従来の方法の問題点は、動脈瘤が、中に含まれるコイルおよび血栓に起因して比較的固い塊になることである。コイルおよび血栓の塊は、脳の隣接する領域に圧力を及ぼし、これは、他の問題を導き得る。従来の方法の別の問題点は、動脈瘤内に一度に一個送達されなければならないことであり、これは、手順の時間および患者に対する危険を増加する。大きな動脈瘤の場合、動脈瘤をふさぐために、20個までのコイルが必要とされ得る。
【0006】
破裂したおよび破裂していない動脈瘤を有する患者を処置する従来の方法は、外科的クリッピングである。約15,000の外科的手順が、毎年米国において実行されている。以前に破裂した大脳動脈をクリッピングすることからの外科的死亡率は、外科手術のときの動脈瘤の部位および患者の神経学的状態に依存して、5%〜20%で変動する。破裂していない動脈瘤についての外科的死亡率は、2%〜10%である。
【0007】
高い外科的死亡率の結果として、大脳動脈瘤を処置するために、多くの血管内(endovascular)技術が開発されている。1974年に、Serbinenkoは、最初に、取り外し可能なバルーンを用いる頭蓋内動脈瘤の首尾良い処置を報告した。血管写像と同様の血管内アプローチを使用して、バルーンは、X線透視法の案内のもとで方向付けられる。バルーンは、動脈瘤の内側に配置され得、親の動脈をインタクトにする。動脈瘤の首部が、動脈瘤の内側で完全にバルーンを閉じ込めるには大きすぎる場合、親の静脈または動脈閉塞が実行されなければならない。大きな動脈瘤は、代表的に、複数のバルーンを必要とした。血管内アプローチは、代表的に、2つの主要な工程を包含する。第1の工程は、Engelsonの特許に示されるようなデバイスを使用して、動脈瘤の部位にカテーテルを導入することを包含する。第2の工程は、しばしば、ある様式または別の様式で動脈瘤をふさぐ工程を包含する。例えば、バルーンが、カテーテルの遠位部分から動脈瘤内に導入され得、ここで、このバルーンは、膨張され、取り外され、動脈瘤を閉塞するために残される。このようにして、親の動脈は、保護される。バルーンは、動脈瘤嚢内へのバルーンの導入の困難性、動脈瘤内でのバルーンの過剰膨張による動脈瘤破裂の可能性、およびバルーンを取り外す際に生じる引っ張りに関連する危険性に起因して、人気が低くなっている。
【0008】
1974年から、種々の材料(特に、シリコーンおよび生体適合性ポリマーラテックス)から作製された種々の取り外し可能および取り外し不可能なバルーンが、導入されている。しかし、大部分の動脈瘤は、バルーンの丸いまたは楕円の構成を有していない。結果として、大きな動脈瘤は、複数のバルーンでふさがれなければならず、継続した動脈瘤の充填および引き続く破裂のためのデッドスペースを残す。充填されていない容量は、動脈瘤の残りにおける血塊の発生を可能にし、脳卒中を生じる塞栓を可能にする。動脈瘤から親の動脈へまたは親の系のより遠位の分枝へバルーンが移動し、脳卒中を生じることがまた、文献において報告されている。従って、直接的な動脈瘤の閉塞のためのバルーンの使用は、もはや実施されていない。取り外し可能なバルーンを使用する親の動脈の閉塞は、依然として、現実的な手順ではあるが、半球への血流が、このような手順により損なわれ、脳卒中を生じる。
【0009】
マイクロコイルを用いる動脈瘤閉塞は、別の血管内技術である。最近、非常に軟らかい白金のマイクロコイルが開発された。このマイクロコイルは、血栓の形成を誘導する繊維を伴うものおよび伴わないものの両方で形成され得る。軟らかいマイクロコイルは、動脈瘤内に直接配置され、閉塞の程度は、コイルの塊を密に詰める能力に関連する。血管内配置手順を使用して動脈瘤内に導入され得る非常に望ましい塞栓形成デバイスは、Ritchartらに対する特許文献1に見出される。上記Engelsonに記載されるようなカテーテルを通して動脈瘤内に導入され得るデバイス(代表的には、非常に小さい直径を有する白金/タングステン合金コイル)が記載されている。これらのコイルは、しばしば、2〜6ミルの直径を有するワイヤから作製される。このコイルの直径は、10〜30ミルであり得る。これらの軟らかい可撓性のコイルは、閉塞されるべき部位に望ましく適切な任意の長さであり得る。例えば、このコイルは、漿果状動脈瘤を充填するために使用され得る。塞栓デバイスを用いて動脈瘤を充填した後の短い期間の間に、血栓が動脈瘤内に形成され、その後、すぐにコラーゲン状物質で補われて、動脈瘤破裂の可能性を有意に減少させる。
【0010】
Ritchartらに見られるようなコイルは、例えば、上に考察されるように、Palermo(特許文献2)に見られるような送達デバイスからの機械的取り外し、またはGuglielmiら(特許文献3)に見られるような電解的取り外しを含む種々の方法で、脈管系部位に送達され得る。
【0011】
Guglielmiらは、塞栓形成デバイスおよびこのデバイスを使用するための手順を示す。詳細には、Guglielmiらは、血管内に送達された白金コイルのような塞栓デバイスを用いて動脈瘤のような脈管腔をふさぐ。次いで、コイルは、小さな電流の適用によってその挿入ツールから切断される。望ましくは、挿入デバイスは、電解性の犠牲ジョイントによって塞栓デバイスに対してその遠位端で取り付けられるガイドワイヤを備える。Guglielmiらは、塞栓デバイスが白金コイルである場合、白金コイルは、必要に応じて、1〜50cm以上であり得ることを提案している。塞栓コイルの近位は、ガイドワイヤであり、しばしばステンレス鋼の構成である。ガイドワイヤは、白金塞栓コイルを、明らかに非常に優しく、閉塞されるべき脈管部位内に押すために使用される。この特許は、塞栓コイルをプッシャーガイドワイヤに連結する種々の方法を示す。例えば、ガイドワイヤは、その遠位端においてテーパー状であり得、そのガイドワイヤの遠位先端は、塞栓コイルの近位端内にハンダ付けされる。さらに、ステンレス鋼コイルは、ガイドワイヤの遠位テーパー状部分の周りで同軸的に巻かれて、ガイドワイヤに柱強度(column strength)を提供する。この同軸ステンレス鋼ワイヤは、ガイドワイヤと塞栓コイルとの両方に接続される。強度提供ステンレス鋼コイルの一部分を覆うために、絶縁体が使用され得る。この構成は、塞栓コイルがガイドワイヤから切断される前に、電解的に切断されなければならない2つの領域を提供する。
【0012】
Guglielmiの取り外し可能なコイルのさらなる改変は、ステンレス鋼ガイドワイヤの遠位先端が塞栓デバイスの近位端にハンダ付けされていないものである。単純な円錐形のステンレス鋼ワイヤは、ステンレス鋼ガイドワイヤから塞栓コイルへ含まれる。
【0013】
Guglielmiらに見出されるさらなる改変は、ガイドワイヤコアと塞栓コイルの近位端との間の薄いネジ様伸長部を含む。このように、ガイドワイヤは、塞栓コイルに延びないが、代わりに、別々に導入された伸長部に頼っている。
【0014】
上に考察されたGuglielmiらの特許文献3に対する一部継続出願。「Improvements in an Endovascular Electrolytically Detachable Wire and Tip for the Formation of Thrombus in Arteries,Veins,Aneurysms,Vascular Malformations and Arteriovenous Fistulas」という発明の名称の、1994年10月11日に発行された特許文献4は、機械的に取り外し可能な塞栓デバイスおよび電解的に取り外し可能な塞栓デバイスの使用を記載する。これらの塞栓デバイスは、取り付けられたフィラメントによって増強され得る。
【0015】
直径と比較して幅広い首部を有する動脈瘤は、この技術を用いてさえ処置可能でないことがあり得る。幅広い首部は、コイルが親の動脈内に脱出することを可能にし、これは、望まない親の動脈の閉塞および脳卒中を生じ得る。従って、幅広い首部を有する動脈瘤は、通常、外科的に処置されなければならず、血管内方法が利用可能である場合よりも罹患率/死亡率が高い。GDCはまた、MRスキャンにおいて望ましくないアーチファクトを生じ、動脈瘤の領域における動脈瘤の残りまたは組織の損傷を規定することが不可能になる。最後に、GDCの電解的取り外しは、頭蓋内循環内へのハンダの残りの移動を生じ得る。
【0016】
別の手順(特別な脈管内(extra−intravascular)アプローチ)は、動脈瘤を外科的曝露する工程、またはプローブを用いて定位的に動脈瘤に到達する工程を包含する。次いで、動脈瘤の壁は、外側から穿孔され、再出血を妨げるために、内部を閉塞するために、種々の技術が使用される。動脈瘤を閉塞するために使用される技術としては、電気的血栓形成(electrothrombosis)、接着塞栓形成、ホッグヘア(hog hair)塞栓形成、および強磁性塞栓形成が挙げられる。これらの手順は、Guglielmiらに対する特許文献3において考察されている。
【0017】
親の動脈の遠位部分における急性虚血を妨げるために、バルーンが周期的に膨張されることが必要である。現在、これは、幅広い首部の動脈瘤の血管内処置についての十分に受け入れられた方法である。しかし、これは、いつも簡単で安全であるわけではなく、術者の側に対してかなりの専門的技術および経験を必要とする。
【特許文献1】米国特許第4,994,069号明細書
【特許文献2】米国特許第5,250,071号明細書
【特許文献3】米国特許第5,122,136号明細書
【特許文献4】米国特許第5,354,295号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0018】
従って、動脈瘤を処置するための新たな方法およびデバイスを開発することが有用である。
【課題を解決するための手段】
【0019】
(発明の要旨)
本発明にしたがって、端部を備えるカテーテルが提供される。この端部は、そこから実質的に半径方向に外向きに延びるプラットホームを有する。動脈瘤を処置するためのカテーテルが提供される。このカテーテルは、挿入端部および反対側の端部を有する管腔ならびにこのカテーテルの挿入端部に取り付けられた半径方向に外向きに拡張可能な環を備える。カテーテルに取り付可能な拡張可能な環もまた提供される、処置が必要な動脈に上記カテーテルを挿入することによって動脈瘤を処置する方法もまた提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
(図面の説明)
本発明の利点は、以下の詳細な説明を、付随する図面とともに考慮して参照することによってよりよく理解されるように、容易に理解される。
【0021】
(詳細な説明)
一般的に、本発明は、10として一般的に示されたプラットホームカテーテル、およびこれを用いる方法を提供する。このカテーテル10は、改変された微小カテーテル先端12を備える。このカテーテル10の部品は、当業者に公知の、本発明の方法を実施するのに十分な材料から作製される。カテーテル10は、好ましくは、ポリマー材料または当業者に公知の他の同様な材料から形成される。
【0022】
本発明のカテーテル10は、当業者に公知の任意のカテーテルであり得る。カテーテル10は、挿入端部14、反対側の端部16、およびそれらの間に延びる管腔18を備える。改変された先端12は、環20を備える。この環は、親水性材料から形成され、カテーテル10の挿入端部14に取り付けられる。先端12は、カテーテル10から半径方向に外向きに延びて、プラットホーム構造を形成する。上記親水性材料は、元の寸法の3倍まで拡張可能であり、これによってプラットホームを拡張する。環20は、幅広い首部の動脈瘤の基部において、十分なプラットホームを作製する。カテーテル10の挿入端部14は、プラットホームを作製するのに十分であることが当業者に公知の材料から作製される。
【0023】
本発明のカテーテル10は、非常に単純であるが、極めて有用である。なぜなら、これは、第二のバルーンカテーテルの使用を排除するからである。親水性材料の環20は、微小カテーテル10の先端12に取り付けられる。これは、白金コイル22を、幅広い首部の動脈瘤26の嚢24中に送達することができる。この環材料は、最初の脱水状態と比較してより大きな直径へと膨張する。拡大した環20は、プラットホームを作製し、このプラットホームは、幅広い首部の動脈瘤26の嚢24中のコイル塊22に十分な支持を提供し、そしてコイルループ22の親動脈への移動を遮断/予防し、これによってさらなるバルーンカテーテルに対する必要性をなくす。
【0024】
現行のカテーテル10は、先端12において改変され得る。そうするため、親水性材料の環20は、微小カテーテル10の先端12に取り付けられる。環20は、インサイチュでその元の寸法の2倍〜3倍に拡張し得、これによって、幅広い首部の動脈瘤26の基部において十分なプラットホームを提供し、一方で最初に容易な挿入を可能にする。
【0025】
本発明は、患者の血管系における異常の処置を提供する。本発明のカテーテル10の特定の用途は、脳の動脈瘤を処置することであるが、以下に記載される本発明の種々の局面は、動静脈奇形(AVM)、血管過多の腫瘍、海綿状の頚動脈フィステル(cavernous carotid fistulas)、類線維腫、およびファローピウス閉鎖による非可逆性の不妊手術のような他の異常を処置することにもまた有用であり得る。
【0026】
血管内技術は、動脈瘤または患者の動脈内に配置された微小カテーテルを用いて動脈瘤を処置する。Guglielmiらに対する米国特許第5,122,136号は、公知の血管内技術を記載する。当業者に公知の他の技術が、本発明のデバイスを用いて動脈瘤を処置するために使用され得る。
【0027】
さらに、この処置は、動脈瘤の位置に白金コイル22を挿入する工程を包含する。軟らかい可撓性のコイル22が、ステンレス鋼コイルおよび押し込みワイヤに半田付けされた白金または白金合金から作製され得る。ステンレス鋼コイルおよび押し込みワイヤは、動脈瘤のドーム内に白金コイルを配置するため、および動脈瘤の首部近くに白金コイルとステンレス鋼との間の連結部を配置するために使用される。この押し込みワイヤ、ステンレス鋼コイルおよび白金コイルに直流(DC)が適用され、上記ドーム内にトロンボゲンの塊を形成し、これによって動脈瘤を閉鎖する。
【0028】
この白金コイルとその押し込みワイヤコイルとの間の連結部を血液に露出させ、押し込みワイヤに電流を適用し続けることによって、ステンレス鋼コイルの露出部は、電気分解によって溶解する。次いで、ステンレス鋼コイルおよび押し込みワイヤの残りの部分は、上記ドーム内に白金コイルを残して動脈から取り除かれ得る。動脈瘤の大きさに依存して、多くのこのようなコイル(代表的に5〜20個)が、動脈瘤が血液に侵入することを防ぐためにドーム内に配置するために必要であり得る。脆弱なドームへの圧力を減少させるため、破裂の危険は、排除されるか、または大きく減少される。
【0029】
血管内処置は、経皮導入を介して大腿動脈を通る、微小カテーテルの血管病変への接近を可能にし、したがって、開放性の外科的アプローチよりも患者の外傷が少なくなることに関与する。これは、多くの場合、より早い回復および罹患率および死亡率の減少をもたらす。
【0030】
図示された取り外し可能なコイルは、一つのコイルとして示されている。しかし、このコイルはまた、編組または編組とコイルとの組み合わせのような、他のいくつかの血管閉塞用形態であり得る。単一の点でより容易に電気分解によって切断されるので、一つのコイルが望ましい。複数繊維の編組の電気分解的溶解は、複数の電気分解性の点の存在によって、複雑化する。このような編組に使用されるワイヤの直径は、代表的に、コイルにおいて使用される直径よりもかなり小さいが、やはり、溶解のプロセスは、本質的により複雑である。さらに、血管閉塞用デバイスを包含すること、または血管閉塞用デバイスを繊維性材料に連結することは、本発明の範囲内である。繊維性材料は、より良好に血管閉塞を引き起こして、血栓を形成する材料であり得る。Dacronなどのような繊維性材料が利用可能である。繊維性アジュバントの例は、Cheeらに対する米国特許第5,226,911号に開示されている。
【0031】
血管閉塞用コイルは、カテーテルから動脈瘤首部を通って動脈瘤嚢内へと押し込まれ得る。好ましくは、取り外し可能な血管閉塞用デバイスは、コイル形態である場合、カテーテルの端部から離れた後に、第二のループを形成する。取り外し可能なコイルの最遠位端部はまた、動脈瘤嚢への導入される場合の動脈瘤の破裂を防ぐため、ある型の末端プラグまたは先端を有し得る。記載するように取り外し可能なコイルは、予め付勢されて、円筒状または円錐状の外被を形成し得る。このコイルは、加熱処理されるか、またはクリンプされるか、あるいは物理的に処理されて、カテーテルから排出された後、ランダムな形状を形成し得る。大きな体積の動脈瘤がこの血管閉塞用デバイスによって充填されることが所望される。結果として、このデバイスが極めて可撓性であり、破裂することなく動脈瘤の内壁へと適合することが、所望される。いずれにせよ、一旦コイルが動脈瘤内に適切に配置されて、担当医が、適切な量の取り外し可能なコイルを動脈瘤内に切り取るように電極を配置する場合、デバイスに適度の電圧が適用される。特に、0.1〜5.0ボルトでおよそ0.1〜2ミリアンペアの正電流が、コアワイヤに適用されて、動脈瘤嚢内に血栓を形成する。電源の陰極は、プッシャーを通ってか、またはそれに沿って、導体に取り付けられる。
【0032】
血栓が形成されて動脈瘤が閉塞された後、コアワイヤは、その電極と一緒に、カテーテル10の挿入端部と同様に取除かれる。この除去は、代表的に、3〜10分以内に行い、動脈瘤嚢を閉鎖した状態にする。
【0033】
本出願を通して、米国特許を含む種々の刊行物が著者および年度によって参照され、そして特許が番号によって参照される。刊行物についての完全な引用は、以下に列挙される。これらの刊行物および特許の開示は、その全体が、本発明が関連する分野の状態をより完全に記載するために、本明細書によって本出願への参考として引用される。
【0034】
本発明は、説明の様式で記載されている。そして、使用された用語が、限定ではなく、説明の語の性質を有することが意図されるということを、理解すべきである。
【0035】
明らかに、上記の教示を考慮して、本発明の多くの改変および変更が可能である。したがって、記載された発明の範囲内において、本発明が具体的に記載されたもの以外の状態で実施され得ることを、理解すべきである。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】図1は、インサイチュに挿入されたカテーテルを示す。
【図2】図2は、非拡張状態(図2A)および拡張状態(図2B)の本発明のカテーテルを示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
端部を備えるカテーテルであって、該端部は、そこから実質的に半径方向に外向きに延びるプラットホームを有する、カテーテル。
【請求項2】
前記プラットホームが、インサイチュで拡張するために、生体適合性の拡張可能な材料から形成されている、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項3】
前記拡張可能な材料が、元の大きさの2倍〜3倍に拡張し得る、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項4】
前記拡張可能な材料が親水性材料である、請求項2に記載のカテーテル。
【請求項5】
前記親水性材料がヒドロゲルである、請求項4に記載のカテーテル。
【請求項6】
前記プラットホームが環形である、請求項1に記載のカテーテル。
【請求項7】
動脈瘤を処置するためのカテーテルであって、該カテーテルは、以下:
挿入端部および反対側の端部を有する管腔;ならびに
該カテーテルの挿入端部に取り付けられた、半径方向に外向きに拡張可能な環
を備える、カテーテル。
【請求項8】
前記拡張可能な環が、生体適合性の拡張可能な材料から形成されている、請求項7に記載のカテーテル。
【請求項9】
前記拡張可能な材料が、元の大きさの2倍〜3倍に拡張し得る、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項10】
前記拡張可能な材料が親水性材料である、請求項8に記載のカテーテル。
【請求項11】
前記親水性材料がヒドロゲルである、請求項10に記載のカテーテル。
【請求項12】
カテーテルに取り付け可能である、拡張可能な環。
【請求項13】
前記拡張可能な環が、生体適合性の拡張可能な材料から形成されている、請求項12に記載の拡張可能な環。
【請求項14】
前記拡張可能な材料が、元の大きさの2倍〜3倍に拡張し得る、請求項13に記載の拡張可能な環。
【請求項15】
前記拡張可能な材料が親水性材料である、請求項13に記載の拡張可能な環。
【請求項16】
前記親水性材料がヒドロゲルである、請求項15に記載の拡張可能な環。
【請求項17】
動脈瘤を処置する方法であって、処置が必要な動脈に請求項1に記載のカテーテルを挿入することによって動脈瘤を処置する、方法。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2007−507313(P2007−507313A)
【公表日】平成19年3月29日(2007.3.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−534272(P2006−534272)
【出願日】平成16年10月7日(2004.10.7)
【国際出願番号】PCT/US2004/032866
【国際公開番号】WO2005/035020
【国際公開日】平成17年4月21日(2005.4.21)
【出願人】(501092667)ヘンリー フォード ヘルス システム (8)
【Fターム(参考)】