説明

プラットホームスクリーンドア装置

【課題】 プラットホームスクリーンドア装置の両引き式ドアパネルを非常に簡易な構成でしかも施錠操作が単純で且つ確実にロックできるようにする。
【解決手段】 両ドアパネル12,13が閉じられた状態でこれら両ドアパネル12,13を一括してロックするためのロック機構30を設ける。ロック機構30は、各ドアパネル12,13の係合部32,33をドア開閉方向の両側から挟み込む形状を有し且つその挟み込みを行うロック位置と当該ロック位置から上方へ退避して挟み込みを解除するアンロック位置との間で移動可能なロック部材34と、このロック部材34を少なくともその自重に抗してアンロック位置に移動させる駆動部材35とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、駅のプラットホームに据え付けられ、両引き式に開閉するドアパネルを備えるプラットホームスクリーンドア装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、乗客の安全を確保する目的でプラットホームの軌道側縁部に据え付けられるプラットホームスクリーンドア装置が知られている。この種のプラットホームスクリーンドア装置では、下記特許文献1に開示されているように、両引き式の一対のドアパネルが設けられており、このドアパネルは、ヘッダボックス内に配置されるスプロケット間に張架されるタイミングベルトにドアハンガを介して吊下げられている。そして、プラットホームに到着した電車の側扉が開閉するのに合わせてスプロケットを回転させ、これにより両ドアパネルが左右に開閉するようになっている。このドアパネルは、安全上の観点から乗客の乗降時以外には開放されないようにロックしておくことが必要とされるが、両ドアパネルがタイミングベルトによって互いに逆向きで且つ同時に開閉動作する構成であることから、一方のドアパネルのみをロックすれば両ドアパネルともに開放できないようにすることができる。
【特許文献1】特開2001−311351号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、安全上の観点からはよりロックの確実性を上げるのが望ましく、そのためには一方のドアパネルのみならず両ドアパネルを直接ロックすることが望ましい。特に、プラットホームに設置されるドア装置においては、停電時、火災時等の非常時においても乗客が軌道側に出ることがないように確実にロックすることが要求されている。
【0004】
そこで、本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、プラットホームスクリーンドア装置の両引き式ドアパネルを非常に簡易な構成でしかも施錠操作が単純で且つ確実にロックできるようにすることにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
前記の目的を達成するため、本発明は、駅のプラットホームにこのプラットホームを軌道側とその内側のホーム側とに仕切るように据え付けられ、両引き式に開閉する一対のドアパネルを備えるプラットホームスクリーンドア装置を前提として、前記両ドアパネルが閉じられた状態でこれら両ドアパネルを一括してロックするためのロック機構が設けられ、前記ロック機構は、前記両ドアパネルの上端所定部分をドア開閉方向の両側から挟み込む形状を有し且つその挟み込みを行うロック位置と当該ロック位置から上方へ退避して挟み込みを解除するアンロック位置との間で移動可能なロック部材と、このロック部材を少なくともその自重に抗して前記アンロック位置に移動させる駆動部材とを備えている。
【0006】
このプラットホームスクリーンドア装置では、ロック機構のロック部材が両ドアパネルの上端所定部分をドア開閉方向に挟み込むことにより、両ドアパネルを一括してロックする。この結果、ドアパネルは閉止状態のまま開放不能となる。一方、駆動部材がロック部材を少なくともその自重に抗してロック位置からアンロック位置まで持ち上げることにより、ロック部材とドアパネルとの係合を解除する。この結果、ドアパネルを開放可能にすることができる。つまり、このロック機構では、ロック部材を持ち上げるだけで両ドアパネルのロックを解除することができるため、非常に簡単な構成でしかも単純な操作でドアパネルのロックを解除することができる。さらに、ロックする際にはロック部材を降下させるだけの構成であるので、駆動部材の構成を簡素化しつつ、ロック部材の自重を利用することができて確実なロックを行うことができる。したがって、非常に簡単な構成で且つ単純な操作で両ドアパネルの施錠及び解錠を行うことができ、しかも、なるべく部品点数が増加しない構成とすることができるので、長期間に亘って使用しても故障しにくくすることができる。なお、ロックをより確実なものとするためにはロック部材を下方へ付勢する付勢手段を用いてもよいが、この場合でもロック部材の自重を利用する分だけ付勢手段を簡素なものとすることができる。
【0007】
前記ドアパネルの上端部には、上方へ突出する係合部が設けられ、前記ロック部材は、前記ロック位置でドア開閉方向の両側から前記両係合部を挟み込むように構成されていてもよい。
【0008】
この構成では、ロック部材がドアパネルから上方へ突出する係合部を挟み込む構成であるので、デッドボルト方式に比べロック部材の形態設定に自由度を持たせることが可能であり、経年による位置ずれが生じたとしてもその影響を受け難くすることができる。この結果、長期間に亘って故障し難いプラットホームスクリーンドア装置とすることができる。
【0009】
前記係合部の上端部及び前記ロック部材の下端部の少なくとも一方には、前記ドアパネルの閉鎖方向への移動中に前記係合部と前記ロック部材とが当接すると前記ロック部材を上方へ移動させる方向に力を作用させる向きに傾いた傾斜面が形成されている構成としてもよい。
【0010】
この構成では、ドアパネルが開放された状態でロック部材がロック位置に降下した場合において、ドアパネルを閉鎖方向へ移動させたとしても、ドアパネルの係合部がロック部材と当接すると、ロック部材が傾斜面によって持ち上げられるため、係合部がロック部材の下方を通過でき、ドアパネルを閉鎖することができる。一方、ドアパネルが一旦閉止されると、ロック部材が降下してドアパネルをロックできるために、ドアパネルを開放できない状態に維持することができる。したがって、ドアパネルが開放しているときに常にロック部材を持ち上げておく必要がなくなるばかりでなく、ロック部材が降下していてドアパネルを閉鎖できないという事態が生ずるのを回避することができる。
【0011】
前記ロック部材は、一対の構成部材によって構成されており、前記各構成部材は、前記ドアパネルの上端所定部分に係合する挟み込み部と、この挟み込み部から相手方の前記ドアパネルに向かって延びる連結部とをそれぞれ有し、前記各連結部には、前記両挟み込み部を結ぶ方向と平行な方向に長い長孔がそれぞれ形成され、前記両連結部を重ね合わせた状態で前記駆動部材に締結するための締結部材が前記両長孔に挿通されている構成としてもよい。
【0012】
この構成では、両連結部の重なり具合を調整することで両挟み込み部間の間隔を自在に設定することができるので、戸先にゴムセンサ等が配設されていて両ドアパネルの閉止位置にばらつきが生ずるような場合にも容易に対応することが可能となる。しかも、駆動部材とロック部材とを締結する部材を挿通させるための長孔を利用することによって挟み込み部間の間隔を調整していることから、構造が複雑化するのを回避しつつ挟み込み部間の間隔調整をすることができる。
【0013】
前記ドアパネルのホーム側に設けられた鍵穴に鍵を差し込んで回動操作することによって前記ロック部材を上方へ移動させるように構成されたホーム側解錠機構が設けられていれば、ドアパネルのホーム側での操作によってドアパネルのロックを解除することが可能となる。このため、非常時等に駅員がドアパネルを開放し、軌道側の乗客等をホーム側に受け入れることが可能となる。したがって、必要な場合に限って駅員等の操作によってドアロックを解除できるので、ドアパネルをロックすることでホーム側の乗客等を軌道側へ出さないようにして安全を確保しつつ、ドアパネルを開放する必要が生じた場合に対処可能とすることができる。
【0014】
この場合において、前記ホーム側解錠機構は、前記回動操作によって鉛直軸回りに回動する回動部材と、この回動部材の回動に伴って鉛直軸方向に移動する昇降部材と、この昇降部材の上昇により前記ロック部材を上方へ移動させる押上げ部材とを備えている構成とすることができる。
【0015】
前記ドアパネルの軌道側に設けられたレバーを回動操作することによって前記ロック部材を上方へ移動させるように構成された軌道側解錠機構が設けられていれば、このレバー操作によってドアパネルのロックを解除することが可能となる。このため、ドアパネルがロックされている場合においてドアパネルの軌道側に人がいるような非常時等に、その人が自分でドアパネルを開放してホーム側に入ることができるようになる。したがって、ドアパネルをロックすることでホーム側の乗客等を軌道側へ出さないようにして安全を確保しつつ、ドアパネルを開放する必要が生じた場合に対処可能とすることができる。
【0016】
この場合において、前記レバーは前記ドアパネルの縦框に設けられるとともに水平軸回りに回動可能に構成され、前記軌道側解錠機構には、前記縦框内に配置され、前記レバーの回動に伴って上方へ移動することによって前記ロック部材を上方へ移動させる押上げ部材が設けられている構成とすることができる。
【0017】
この構成では、縦框内のスペースを有効に利用して、ドアパネルの外観を損なうことなく軌道側解錠機構を設けることができる。また、レバーの回動操作を行いながらドアパネルを開放することができるので、単純な操作でドアパネルの開放を行うことができる。
【0018】
前記駆動部材は、ソレノイドを備え、このソレノイドを励磁することにより前記ロック部材を上方へ移動させる構成とされていれば、簡易且つ確実にロック部材の持ち上げ及び落下を行うことができる。
【発明の効果】
【0019】
以上説明したように、本発明によれば、両ドアパネルの所定箇所をロック部材によって挟み込んで当該両ドアパネルをロックするロック機構を備え、このロック機構を少なくとも自重に抗して持ち上げるだけでドアパネルのロックを解除できる構成としていので、非常に簡易な構成でしかも単純な操作で確実にロックできる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明を実施するための最良の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明は以下の実施形態に限定されるものではない。
【0021】
図1は本発明の実施形態に係るプラットホームスクリーンドア装置(以下、単にスクリーンドア装置と称する)を示したものである。同図に示すように、スクリーンドア装置は、左右両側に配置されたスクリーンパネル11,11とそのスクリーンパネル11,11の間に配置された一対のドアパネル12,13とによってスクリーンドアユニット14が構成され、このスクリーンドアユニット14を多数連ねることによってプラットホームスクリーンドア(以下、単にスクリーンドアを称する)15が構成されている。このスクリーンドア15は、駅のプラットホーム(図示省略)の縁部に沿って据え付けられることで、プラットホームを軌道側とその内側のホーム側とに仕切っている。乗客はこのホーム側で電車が来るのを待つこととなり、電車が到着してドアパネル12,13が開放されたときのみ軌道側へ出られる。ドアパネル12,13は、左右に開閉する両引き式に構成されるものである。
【0022】
図2は図1のA部を拡大して示したものであり、スクリーンドアユニット14をホーム側から見たものである。天井構造物SCにはH形鋼からなる梁19が固定されていて、この梁19には吊り位置調整機構18を介して筒状のヘッダボックス17が結合されている。このヘッダボックス17に前記各パネルが吊り下げられている。
【0023】
ヘッダボックス17内には、筒軸方向に延びる走行レール20が配設されており、この走行レール20と平行してその上方には、駆動スプロケット21aと従動スプロケット21bとに張架され両スプロケット21a,21b間を周回するタイミングベルト21cが配置されている。駆動スプロケット21aはドアエンジン21dによって駆動されるようになっている。
【0024】
タイミングベルト21cの下段側における所定位置及び上段側における所定位置には、それぞれ連結金具12c,13cが固定されている。下段側に固定された連結金具12cは、図2における左側のドアパネル12の上框に設けられるドアハンガ12aが結合されている。一方、上段側に固定された連結金具13cは、図2における右側のドアパネル13の上框に設けられるドアハンガ13aが結合されている。ドアハンガ12a,13aは各ドアパネル12,13の両端にそれぞれ配設されている。この各ドアハンガ12a,13aには、その先端部に一対の戸車12b,13bが軸支されている。この戸車12b,13bは、前記走行レール20上を転動するようになっている。
【0025】
そして、ドアエンジン21dによって駆動スプロケット21aを正方向に回転させると、タイミングベルト21cが黒塗り矢印方向に周回する。これにより、戸車12b、13bが走行レール20上を転動しながらドアハンガ12a,13aは走行レール20に沿って移動する。これによりドアパネル12,13が白抜き矢印方向に開かれる。一方、駆動スプロケット21aを逆方向に回転させると、タイミングベルト21cが今度は逆方向に周回し、ドアパネル12,13が閉じられる。
【0026】
ドアエンジン21dの駆動動作は、ヘッダボックス17内に収容されたコントローラ22によって制御されるようになっている。そして、ドアパネル12,13はプラットホームに車両が到着したときにその車両の側扉の開閉に対応して開閉されるようになっている。
【0027】
各スクリーンドアユニット14には、図3及び図4に示すように、両ドアパネル12,13が閉じられた状態でこれら両ドアパネル12,13を一括してロックするためのロック機構30が設けられている。このロック機構30は、ドアパネル12,13の上端所定部分を挟み込むためのロック部材34と、このロック部材34を上下移動させるための駆動部材35とを備えている。尚、図4は、図3における矢印IV−IVで示す方向に見た図である。
【0028】
本実施形態では、ロック部材34は、各ドアパネル12,13の戸先上端部にそれぞれ設けられた係合部32,33をドア開閉方向の両側から挟み込むようになっている。以下、具体的に説明する。
【0029】
各係合部32,33は、それぞれドアパネル12,13の戸先側の縦框37,38における上端部から上方へ突出する突起状に形成されるものであり、これら各係合部32,33はドアパネル12,13の縦框37,38の幅全体に亘って設けられている。
【0030】
各係合部32,33の上端部にはそれぞれ傾斜面32a,33aが形成されている。この傾斜面32a,33aは、ドア閉鎖方向に降下するように傾斜している。つまり、この傾斜面32a,33aは、ドアパネル12,13が閉鎖方向へ移動してロック部材34と当接すると、ロック部材34を持ち上げる方向に力を作用させるような向きとなっている。
【0031】
各係合部32,33のドア開放側における側面は、それぞれ鉛直方向に延びる係合面として形成されている。つまり、この側面がロック部材34と係合することにより、ドアパネル12,13が開放するのを阻止するようになっている。
【0032】
駆動部材35は、ヘッダボックス17に締結固定されている本体部35aと、この本体部35aに対して進退移動可能に設けられた棒状のロッド部35bとを備えている。本体部35aは、両ドアパネル12,13が閉止したときの戸先位置の上方におけるヘッダボックス17内に配置されていて、本体部35aは、この本体部35aに対してロッド部35bが鉛直下向きに延出するような姿勢で設置されている。このロッド部35bは、本体部35a内に収容されたコイルばね(図示省略)によって本体部35aから突出する方向へ付勢されることで下方に位置付けられているが、このときロッド部35bが下向きに配置されることでロッド部35b等の自重によっても下方に位置付けられている。
【0033】
本体部35a内にはソレノイド(図示省略)が収容されていて、駆動部材35は、ソレノイドを励磁することによってロッド部35bを本体部35a内へ引き込むように構成されている。言い換えると、駆動部材35は、ソレノイドを励磁することによってロッド部35bを持ち上げるようになっている。そして、ソレノイドが消磁されたときには、ロッド部35bは本体部35aから突出する方向、即ち下方へ移動する。このとき、ロッド部35bは、コイルばねの弾発力とロッド部35b等の自重によって降下している。
【0034】
ソレノイドは前記コントローラ22と電気的に接続されていて、コントローラ22から送られてきた制御信号によって励磁及び消磁が切り換えられる。
【0035】
ロック部材34は、図5に示すように、一対の構成部材39,40からなる。各構成部材39,40はそれぞれ対称形に構成されるものであり、各構成部材39,40はそれぞれ連結部39a,40aと挟み込み部39b,40bとを備えている。
【0036】
連結部39a,40aは、矩形平板状に形成されるとともに、その一方の長辺に切り込みが入れられた形状となっている。連結部39a,40aはその長さ方向がドアパネル12,13の移動方向と平行な方向を向くように配置されるとともに水平に配置される。つまり、連結部39a,40aは、挟み込み部39b,40bから相手方のドアパネル13,12へ向かって延びる状態で配置される。
【0037】
連結部39a,40aには、その長さ方向に細長い断面形状を有する長孔39c,40cが貫通形成されている。この長孔39c,40cは構成部材39,40と前記ロッド部35bとのボルト締結に用いられるものである。
【0038】
挟み込み部39b,40bは、係合部32,33をドア開閉方向に挟み込むための部位であり、連結部39a,40aにおける長さ方向の一端部を幅方向に延出するとともにそれを下方に折り曲げることによって形成されたものである。挟み込み部39b,40bをこの方向に折り曲げて形成することで、ドアパネル上端の係合部32,33と当接しても係合部32,33から受けた力によって折り曲げ角度が変わらないようになっている。
【0039】
両連結部39a,40aを長孔39c,40cが連通するように重ね合わせ、この長孔39c,40cにボルト42(図4参照)を挿通してこのボルト42をロッド部35bの先端に設けられたネジ孔(図示省略)に螺合させることにより、ロック部材34は駆動部材35に固定される。このとき長孔39c,40cにボルト42を挿通できる限り、両連結部39a,40aの重なり具合を任意に設定できるので、両挟み込み部39b,40b間の間隔を任意に設定できる。つまり、長孔39c,40cとすることで締結位置を長孔39c,40cの長さ方向に自由度を持たせることができるようになっている。
【0040】
挟み込み部39b,40bは、ロッド部35bが降下した状態でドアパネル上端の係合部32,33と係合するような長さに設定されており、この挟み込み部39b,40bにおける互いに向かい合う端面が係合部32,33との係合面として形成されている。換言すると、ロッド部35bが降下した状態のときには、ロック部材34は両係合部32,33を挟み込むロック位置となっている。一方、ロッド部35bの上下移動ストロークは、係合部32,33の突出高さよりも長くなるように設定されている。これにより、ロッド部35bが引っ込むと挟み込み部39b,40bが係合部32,33よりも上方に上がるようになっている。この状態で、ロック部材34による係合部32,33の挟み込みが解除されるアンロック位置の状態となる。
【0041】
両ドアパネル12,13の戸先には、図3に示すように、それぞれゴム部材44,45が固着されている。両ゴム部材44,45はドアパネル12,13の閉止状態のときに互いに密着される。このゴム部材44,45は、その変形によって人等の挟み込みを検出するセンサとして構成されている。
【0042】
各スクリーンドアユニット14には、図4に示すように、ホーム側からの手動操作でロックを解除するためのホーム側解錠機構50が設けられている。このホーム側解錠機構50は、ヘッダボックス17の下面に設けられた鍵穴51と、この鍵穴51の回動操作に連動して回動する回動部材52と、筒形カム部材53と、押上げ部材の一例としての横ロッド54とを備えている。
【0043】
鍵穴51は、例えば駅員が持っている専用の鍵に対応したものとなっている。この鍵穴51はドア閉鎖状態における戸先位置の上方に配置される。つまり、解錠操作を行いながら、ドアパネル12,13を開放させる操作を行いやすい位置に配置されている。
【0044】
回動部材52はヘッダボックス17に締結固定された支持部材56に回動可能に支持されており、この回動部材52は鍵穴51の回動に連動して回動するようになっている。回動部材52は、円柱状に形成され且つ鍵穴51の回動軸と同軸状に配置されて鉛直軸回りに回動可能に構成された回動部52aを備えている。この回動部52aの側面には、径方向外側に突出する係合部52bが一体的に設けられている。
【0045】
筒形カム部材53は円筒状の部材によって構成されており、この筒形カム部材53には螺旋状に形成された螺旋孔53aが設けられている。この筒形カム部材53の内側に前記回動部材52の回動部52aが挿入されており、螺旋孔53aには回動部材52の係合部52bが挿入されている。この構成により、回動部材52が回動すると係合部52bが螺旋孔53a内を移動し、これにより筒形カム部材53は、回動部材52に対して軸方向に相対移動する。言い換えると、筒形カム部材53は、鉛直軸周りの回動を鉛直軸方向の移動へ変換するものであり、この筒形カム部材53は、回動部材52の回動に伴って鉛直軸方向に移動する本発明でいう昇降部材を構成する。
【0046】
横ロッド54は、その基端部が筒形カム部材53に締結される一方、ロック部材34の下方に向かって延びている。つまり、横ロッド54は筒形カム部材53と一緒に鉛直軸方向に移動するようになっている。この横ロッド54の先端部はロック部材34の連結部39a,40aの下方に配置されていて、筒形カム部材53が上方へ移動したときには、横ロッド54はロック部材34の連結部39a,40aと当接し、ロック部材34をロック位置からアンロック位置まで持ち上げるようになっている。
【0047】
前記支持部56材と回動部材52との間には捩りコイルばね58が介装されている。この捩りコイルばね58は、解錠操作によって回動された回動部材52を元の位置に戻すように回動付勢するものである。
【0048】
各スクリーンドアユニット14には、図6〜8に示すように、軌道側からの手動操作でロックを解除するための軌道側解錠機構60が設けられている。この軌道側解錠機構60は、レバー61と、押上げ部材の一例としての垂直ロッド62とを備えている。本実施形態では、軌道側解錠機構60は、図8における右側のドアパネル13に設けられている。
【0049】
レバー61は、図8に示すようにガラスパネル64よりも軌道側に配置されている。このレバー61は、戸先側の縦框38に設けられた水平方向に延びる回動軸65(図7(b)参照)によって軸支されていて、回動可能となっている。
【0050】
レバー61には、基端部において前記回動軸65に軸支され、レバー61と一体的に回動する回動部材66が設けられている。回動部材66は、解錠操作をしない通常時の状態で回動軸65よりも下方に先端部が位置する姿勢で取り付けられており、レバー61を正方向へ回動させる解錠操作に伴って先端部が上方に移動するようになっている。回動部材66の先端部には、水平方向に貫通する貫通孔66aが形成されている。なお、レバー61は、捩りコイルばね67(図7(a)参照)によって逆方向へ回動付勢されている。
【0051】
垂直ロッド62は、縦框38内を上下方向に延びている。垂直ロッド62の下端部は折り曲げられていて、この垂直ロッド62の下端部は回動部材66の貫通孔66aに挿入されている。そして、垂直ロッド62は、回動部材66の回動に連動して上下移動するようになっている。
【0052】
縦框38内には、図7(b)に示すように、垂直ロッド62を支持するともにこの垂直ロッド62が水平方向に移動するのを規制するためのガイド部材68が設けられている。
【0053】
垂直ロッド62の上端部62aは円板状に形成されていて、この上端部62aは縦框38の上端部とほぼ同じ高さに配置されている。この垂直ロッド62の上端部62aは、レバー61の回動操作に伴って縦框38から上方へ突出したときには、ロック部材34の挟み込み部40bと当接してロック部材34をロック位置からアンロック位置まで押し上げるようになっている。なお、図6において、符号72は、上框71に設けられたドアハンガ13aを固定するための支持台を示している。
【0054】
次に、本実施形態に係るスクリーンドア装置の動作について説明する。
【0055】
通常時において、ドアパネル12,13が閉鎖されているときには、ロック機構30の駆動部材35に設けられたソレノイドは消磁されている。このため、ロック部材34は降下されたロック位置となっていて、ロック部材34の挟み込み部39b,40bとドアパネル上端部の係合部32,33とが係合することで両ドアパネル12,13はロックされている。そして、プラットホームに車両が到着してその側扉が開放されるのに合わせ、コントローラ22はドアエンジン21dに制御信号を出力するとともに、ロック機構30のソレノイドを励磁させる。これにより、ロック部材34がその姿勢を保持しつつアンロック位置まで持ち上げられて退避し、このロック部材34とドアパネル12,13の係合部32,33との係合が解除される一方、駆動スプロケット21aが正方向に回転してタイミングベルト21cが走行し、ドアパネル12,13が開放される。このとき、ソレノイドは励磁された状態に維持される。
【0056】
そして、車両の側扉が閉鎖されるのに合わせ、コントローラ22からの制御信号がドアエンジン21dへ入力されると、駆動スプロケット21aが今度は逆方向に回転し、タイミングベルト21cが走行してドアパネル12,13が閉じられる。このとき、コントローラ22からの制御信号を受けてソレノイドが消磁される。これにより、ロック部材34がその姿勢を保持しつつ降下してこのロック部材34の挟み込み部39b,40bとドアパネル12,13の係合部32,33とが係合し、両ドアパネル12,13は一括してロックされる。つまり、ロック部材34はロック位置に戻っている。
【0057】
ここで、ロック部材34が降下するタイミングは、ドアパネル12,13の係合部32,33が挟み込み部39b,40bの下方を通過する前であってもよく、あるいは通過した後であってもよい。ドアパネル12,13の係合部32,33が通過する前にロック部材34が降下するときには、係合部32,33の傾斜面32a,33aとロック部材34の挟み込み部39b,40bとが当接するが、この当接によって挟み込み部39b,40bが係合部32,33を乗り超えることでドアパネル12,13はロックされる。一方、ドアパネル12,13の係合部32,33が通過した後でロック部材34が降下するときには、ロック部材34の降下によってそれままドアパネル12,13はロックされる。
【0058】
次に、停電時等の非常時においてドアパネル12,13が閉止されているときには、ソレノイドが励磁されない状態に維持されるために、両ドアパネル12,13はロックされた状態に維持される。したがって、ドアパネル12,13を開放することはできないので、非常時には、ホーム側の乗客等が軌道側に出ることはない。
【0059】
このような非常時においても、ドアパネル12,13を開放する必要が生ずる場合がある。この場合において、ホーム側にいる駅員等がドアパネル12,13を開放するときには、ホーム側解錠機構50が利用される。駅員等が所有している所定の鍵を戸先位置の上にある鍵穴51に入れて鍵を回動すると、回動部材52が鍵穴51と一緒に回動する。これに連動して、筒形カム部材53が上方へ移動し、横ロッド54がロック部材34の連結部39a,40aと当接し、ロック部材34をロック位置からアンロック位置まで押し上げる。これにより、ドアパネル12,12のロックが解除されるので、この状態で、ドアパネル12,13を手動で開放することができる。このとき、鍵穴51が戸先位置のすぐ近傍にあるので、駅員等が一方の手で鍵を回動しながら、もう一方の手でドアパネル12,13を開放することができる。
【0060】
一方、ドアパネル12,13が開放された後、鍵を抜くと、捩りコイルばね58の弾発力によって回動部材52が今度は逆方向に回動する。これに伴って、横ロッド54が下方へ移動し、ロック部材34から引き離され、ロック部材34は降下する。この状態でドアパネル12,13を閉鎖した場合には、ロック部材34の挟み込み部39b,40bがドアパネル12,13の係合部32,33と当接することによって押し上げられるので、ドアパネル12,13を閉鎖することができる。そして、この状態でロック部材34が再び降下するので、両ドアパネル12,13は一括してロックされる。
【0061】
停電時等の非常時において、軌道側に乗客等がいてドアパネル12,13を開放させる必要が生ずる場合もある。この場合には軌道側解錠機構60が利用される。軌道側にいる乗客等がドアパネル13のレバー61を正方向へ回動すると、それに連動して回動部材66が回動し、それに伴って垂直ロッド62が上方へ移動する。これにより、垂直ロッド62の上端部62aがロック部材34をロック位置からアンロック位置まで押上げ、ドアパネル12,13のロックが解除される。そして、そのままドアパネル12,13を開放することができる。一方、レバー61から手を離せば、レバー61は、今度は逆方向に回動するので垂直ロッド62は降下し、ロック部材34も降下する。したがって、ドアパネル12,13を閉じるとロックされる。
【0062】
ところで、ドアパネル12,13が開放された状態で停電が発生したときには、停電によってソレノイドが消磁されるために、ロック部材34が降下する。この場合には、ドアパネル12,13を手動で閉鎖すれば、ドアパネル12,13は閉止された状態でロックされる。
【0063】
以上説明したように、本実施形態によれば、ロック部材34を持ち上げるだけで両ドアパネル12,13のロックを解除することができるため、非常に簡単な構成でしかも単純な操作でドアパネル12,13のロックを解除することができる。さらに、ロックする際にはロック部材34を降下させるだけの構成であるので、駆動部材35の構成を簡素化しつつ、ロック部材34の自重を利用することができて確実なロックを行うことができる。したがって、非常に簡単な構成で且つ単純な操作で両ドアパネル12,13の施錠及び解錠を行うことができ、しかも、なるべく部品点数が増加しない構成とすることができるので、長期間に亘って使用しても故障しにくくすることができる。なお、本実施形態ではロック部材34を下方へ付勢するコイルばねが用いられているが、この場合でもロック部材34の自重を利用する分だけコイルばねを簡素なものとすることができる。
【0064】
また、本実施形態では、ロック部材34の挟み込み部39b,40bがドアパネル12,13から上方へ突出する係合部32,33を挟み込む構成であるので、デッドボルト方式に比べ挟み込み部39b,40bの形態設定に自由度を持たせることが可能であり、経年による位置ずれが生じたとしてもその影響を受け難くすることができる。この結果、長期間に亘って故障し難いスクリーンドア装置とすることができる。
【0065】
また、本実施形態では、ドアパネル12,13の係合部32,33の上端部に傾斜面32a,33aを形成しているので、ドアパネル12,13が開放された状態でロック部材34がロック位置に降下した場合において、ドアパネル12,13を閉鎖方向へ移動させたとしても、係合部32,33がロック部材34の挟み込み部39b,40bと当接すると、ロック部材34が傾斜面32a,33aによって持ち上げられるため、係合部32,33が挟み込み部39b,40bの下方を通過でき、ドアパネル12,13を閉鎖することができる。一方、ドアパネル12,13が一旦閉止されると、ロック部材34によってドアパネル12,13をロックできるために、ドアパネル12,13を開放できない状態に維持することができる。したがって、ドアパネル12,13が開放しているときに常にロック部材34を持ち上げておく必要がなくなるばかりでなく、ロック部材34が降下していてドアパネル12,13を閉鎖できないという事態が生ずるのを回避することができる。
【0066】
また、本実施形態では、ロック部材34を一対の構成部材39,40によって構成し、両構成部材39,40の連結部39a,40aの重なり具合を調整することで、両挟み込み部39b,40b間の間隔を自在に設定することができるようになっている。このため、戸先にゴムセンサ等が配設されていて両ドアパネル12,13の閉止位置にばらつきが生ずるような場合にも容易に対応することができ、しかも、駆動部材35とロック部材34とを締結するボルト42を挿通させるための長孔39c,40cを利用することによって挟み込み部39b,40b間の間隔を調整していることから、構造が複雑化するのを回避しつつ挟み込み部39b,40b間の間隔調整を容易にすることができる。
【0067】
また、本実施形態では、ホーム側解錠機構50を設けるようにしているので、ドアパネル12,13のホーム側での操作によってドアパネル12,13のロックを解除することが可能となっている。このため、非常時等に駅員がドアパネル12,13を開放し、軌道側の乗客等をホーム側に受け入れることが可能となる。したがって、必要な場合に限って駅員等の操作によってドアロックを解除できるので、ドアパネル12,13をロックすることでホーム側の乗客等を軌道側へ出さないようにして安全を確保しつつ、ホーム側からドアパネル12,13を開放する必要が生じた場合に対処可能とすることができる。
【0068】
また、本実施形態では、軌道側解錠機構60を設けるようにしているので、軌道側のレバー61操作によってもドアパネル12,13のロックを解除することが可能となる。このため、ドアパネル12,13がロックされている場合においてドアパネル12,13の軌道側に人がいるような非常時等に、その人が自分でドアパネル12,13を開放してホーム側に入ることができるようになる。したがって、ドアパネル12,13をロックすることでホーム側の乗客等を軌道側へ出さないようにして安全を確保しつつ、軌道側からドアパネル12,13を開放する必要が生じた場合に対処可能とすることができる。
【0069】
また、本実施形態では、レバー61に連動する垂直ロッド62を縦框38内に配設するようにしているので、縦框38内のスペースを有効に利用して、ドアパネル12,13の外観を損なうことなく解錠機構60を設けることができる。また、レバー61の回動操作を行いながらドアパネル12,13を開放することができるので、単純な操作でドアパネル12,13の開放を行うことができる。
【0070】
また、本実施形態では、ソレノイドを励磁又は消磁させることによってロック部材34が上下移動する構成としているので、簡易且つ確実にロック部材34を上下移動させることができる。
【0071】
尚、本実施形態では、各スクリーンドアユニット14にロック機構30、ホーム側解錠機構50及び軌道側解錠機構60を設ける構成としたが、これに限られるものではなく、例えば一部のスクリーンドアユニット14にだけ設ける構成としてもよい。
【0072】
また、本実施形態では、ドアパネル12,13が開放されるとソレノイドを励磁状態に維持するようにしたが、これに限られるものではなく、例えばドアパネル12,13が開放方向へ移動し始めるとすぐにソレノイドを消磁させる構成としてもよい。
【0073】
また、本実施形態では、ロック部材34を一対の構成部材39,40を互いに締結することによって構成したが、これに限られるものではなく、例えばロック部材を一体ものとしてもよい。
【0074】
また、本実施形態では、ドアパネル12,13の上端部に係合部32,33を設け、ロック部材34によってこの係合部32,33を挟み込む構成としたが、これに限られるものではなく、例えば各ドアパネル12,13の上端部に溝を形成し、ロック部材34の挟み込み部39b,40bがこの溝に入り込むことによって両ドアパネル12,13の上端所定部分を挟み込むようにしてもよい。
【0075】
また、本実施形態では、ホーム側解錠機構50は、回動部材52の回動に伴って筒形カム部材53が上下移動する構成としたが、これに代え、筒形カム部材を鍵穴51と一体的に回動するように構成するとともに、この筒形カム部材の内側に螺旋孔に係合する係合部を有する昇降部材を配置して、この昇降部材を横ロッドと結合するようにしてもよい。この構成では、鍵穴51の回動する回動操作を行うと、筒形カム部材が回動し、この回動に伴って昇降部材が上昇するので、横ロッドを上昇させることによりロック部材34を持ち上げることができる。つまりこの構成では筒形カム部材が本発明でいう回動部材となる。
【0076】
また、本実施形態では、ドアパネル12,13の係合部32,33の上端部に傾斜面32a,33aを形成したが、これに代え、ロック部材34の挟み込み部39b,40bにおける下端部に傾斜面を形成する構成としてもよい。
【0077】
また、本実施形態では、軌道側解錠機構60を図8における右側のドアパネル13に設ける構成としたが、これに代え又はこれとともに左側のドアパネル12に軌道側解錠機構60を設ける構成としてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0078】
【図1】本発明の実施形態に係るスクリーンドア装置が適用されたドアスクリーンを示す正面図である。
【図2】図1のA部を拡大して示す図である。
【図3】図における戸先上端部を拡大して詳細に示す図である。
【図4】図3のIV−IV線における断面図である。
【図5】ロック部材を示す斜視図である。
【図6】軌道側解錠機構が設けられたドアパネルを構成する縦框及び上框を示しており、(a)は上面一部断面図であり、(b)は正面図である。
【図7】軌道側解錠機構が設けられた縦框を示す断面図であり、(a)は上方から見たものであり、(b)は側方から見たものである。
【図8】両ドアパネルを上方から見た図である。
【符号の説明】
【0079】
12,13 ドアパネル
30 ロック機構
32,33 係合部
32a,33a 傾斜面
34 ロック部材
35 駆動部材
39,40 構成部材
39a,40a 連結部
39b,40b 挟み込み部
39c,40c 長孔
42 ボルト(締結部材の一例)
50 ホーム側解錠機構
51 鍵穴
53 筒形カム部材(昇降部材の一例)
54 横ロッド(押上げ部材の一例)
60 軌道側解錠機構
61 レバー
62 垂直ロッド(押上げ部材の一例)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
駅のプラットホームにこのプラットホームを軌道側とその内側のホーム側とに仕切るように据え付けられ、両引き式に開閉する一対のドアパネルを備えるプラットホームスクリーンドア装置であって、
前記両ドアパネルが閉じられた状態でこれら両ドアパネルを一括してロックするためのロック機構が設けられ、
前記ロック機構は、前記両ドアパネルの上端所定部分をドア開閉方向の両側から挟み込む形状を有し且つその挟み込みを行うロック位置と当該ロック位置から上方へ退避して挟み込みを解除するアンロック位置との間で移動可能なロック部材と、このロック部材を少なくともその自重に抗して前記アンロック位置に移動させる駆動部材とを備えているプラットホームスクリーンドア装置。
【請求項2】
前記ドアパネルの上端部には、上方へ突出する係合部が設けられ、
前記ロック部材は、前記ロック位置でドア開閉方向の両側から前記両係合部を挟み込むように構成されている請求項1に記載のプラットホームスクリーンドア装置。
【請求項3】
前記係合部の上端部及び前記ロック部材の下端部の少なくとも一方には、前記ドアパネルの閉鎖方向への移動中に前記係合部と前記ロック部材とが当接すると前記ロック部材を上方へ移動させる方向に力を作用させる向きに傾いた傾斜面が形成されている請求項2に記載のプラットホームスクリーンドア装置。
【請求項4】
前記ロック部材は、一対の構成部材によって構成されており、
前記各構成部材は、前記ドアパネルの上端所定部分と係合する挟み込み部と、この挟み込み部から相手方の前記ドアパネルに向かって延びる連結部とをそれぞれ有し、
前記各連結部には、前記両挟み込み部を結ぶ方向と平行な方向に長い長孔がそれぞれ形成され、
前記両連結部を重ね合わせた状態で前記駆動部材に締結するための締結部材が前記両長孔に挿通されている請求項1から3の何れか1項に記載のプラットホームスクリーンドア装置。
【請求項5】
前記ドアパネルのホーム側に設けられた鍵穴に鍵を差し込んで回動操作することによって前記ロック部材を上方へ移動させるように構成されたホーム側解錠機構が設けられている請求項1から4の何れか1項に記載のプラットホームスクリーンドア装置。
【請求項6】
前記ホーム側解錠機構は、前記回動操作によって鉛直軸回りに回動する回動部材と、この回動部材の回動に伴って鉛直軸方向に移動する昇降部材と、この昇降部材の上昇により前記ロック部材を上方へ移動させる押上げ部材とを備えている請求項5に記載のプラットホームスクリーンドア装置。
【請求項7】
前記ドアパネルの軌道側に設けられたレバーを回動操作することによって前記ロック部材を上方へ移動させるように構成された軌道側解錠機構が設けられている請求項1から6の何れか1項に記載のプラットホームスクリーンドア装置。
【請求項8】
前記レバーは前記ドアパネルの縦框に設けられるとともに水平軸回りに回動可能に構成され、
前記軌道側解錠機構には、前記縦框内に配置され、前記レバーの回動に伴って上方へ移動することによって前記ロック部材を上方へ移動させる押上げ部材が設けられている請求項7に記載のプラットホームスクリーンドア装置。
【請求項9】
前記駆動部材は、ソレノイドを備え、このソレノイドを励磁することにより前記ロック部材を上方へ移動させる構成とされている請求項1から8の何れか1項に記載のプラットホームスクリーンドア装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2006−2384(P2006−2384A)
【公開日】平成18年1月5日(2006.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−178004(P2004−178004)
【出願日】平成16年6月16日(2004.6.16)
【出願人】(503405689)ナブテスコ株式会社 (737)
【Fターム(参考)】