プラント制御装置
【課題】プラントによる品種製造において、異なる原料の投入や投入配管ルートの変更および品種製造の改善といった修正を加える場合や、品種製造や原料の追加を行う場合において、迅速に適切な作業が行えるプラント制御装置を実現する。
【解決手段】製造の全体の流れの制御は親SFCで記述され、仕込弁等の制御機器の詳細な制御はタイムチャートにより記述され、タイムチャートは、縦方向に対象となる原料投入の仕込弁等の制御機器を示す出力信号リストが配置され、横方向には工程名称と原料投入の制御順番に当たるステップが合わせて配置される。現在ステップから次のステップへの移行は、移行する条件を論理式で表現し、条件式が真のときにステップが移行するように制御される。
【解決手段】製造の全体の流れの制御は親SFCで記述され、仕込弁等の制御機器の詳細な制御はタイムチャートにより記述され、タイムチャートは、縦方向に対象となる原料投入の仕込弁等の制御機器を示す出力信号リストが配置され、横方向には工程名称と原料投入の制御順番に当たるステップが合わせて配置される。現在ステップから次のステップへの移行は、移行する条件を論理式で表現し、条件式が真のときにステップが移行するように制御される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントを自動運転させるプラント制御装置及びプラント制御方法に係わり、特にシーケンス制御に従い、複数種類の品種を切り換えて製造するバッチプラントに対応したプラント制御装置及びプラント制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
反応缶等の装置に原料を投入し、反応、濃縮といった一連の処理を行い、処理内容・手順を変えることにより多様な製品を作ることができ、多品種少量生産に適するバッチプラントという技術が知られている。このバッチプラントを制御する手法として、SFC(シーケンシャル・ファンクション・チャート)による方法が知られている。
【0003】
従来のSFCによるプラント制御は、例えば、複数の品種毎に複数の仕込弁(原料種類に対応する)と反応工程との全体接続関係を示す親SFCと、例えば、複数の品種毎に複数の仕込弁の接続関係を定義した子SFCとを使用していた。SFCは選択分岐、同時(並行)分岐、分岐の合流、ループ(制御の流れを上流に戻す)等の手段を有しているため、シーケンス制御の流れを把握しやすいという特徴がある。
【0004】
このため、親SFCでは製造制御の流れ(工程)を適切に把握することができ、また、子SFCにおいても同時に原料を投入するような並列実行処理の制御シーケンスがある場合でも制御手順通りに記述することができるという利点がある。
【0005】
一方、特許文献1には、プラントや製造ラインのプログラム開発において、動作仕様の記述方式およびその表示方式に適用可能なSFCとタイムチャートを相互変換し、設計者の理解を助け人為的な誤りが混入する可能性を減少させる技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−234710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の親SFCから、子SFCを実行する方式によると、親SFCの製造制御の流れ(工程)を変えず、原料仕込みの子シーケンスに対して、異なる原料の投入を行う修正を行う場合や、原料仕込みの配管ルートを変更する修正を行う場合等に、修正個所は容易に特定の子SFCであると特定することはできるが、修正する個所における仕込弁の開閉等の製造機器の動作状態をオペレータ等は即座に把握することができなかった。
【0008】
このため、修正する個所の前後の制御シーケンスを全て確認することが必要となり、品種製造の改善といった頻繁に行われる少量の修正を行う場合であっても、動作確認も含めて多くの作業時間を必要としてしまう。
【0009】
また、品種製造の運転中においては、天候、気温または原料の質等の条件によりオペレータによる微調整を必要とする場合があり、このような場合にも、上記のシーケンスの修正の場合と同様に、仕込弁の開閉等の製造機器の動作状態を即座に把握することができないため、容易に調整作業を実施することができず、状況に応じた適切な品種製造を迅速に実行することが難しい。
【0010】
また、品種製造の運転中に異常が発生し、オペレータの対処が必要とされる場合には、オペレータの誤解、思い込みによる誤操作が発生する可能性が無いわけではなく、その場合には、現在製造している製品の破棄、または次製品の製造に影響を及ぼす等の生産効率の低下が問題となる。
【0011】
また、従来技術による手法を用いて品種毎に子SFCを作成した場合には、同一原料の投入を制御する仕込弁について、それぞれの子SFCにおいて定義することが多くなるため、各品種に共通な修正を加える場合には修正漏れが発生しやすくなる。同様に、仕込弁の仕様変更を行う場合にも対象の仕込弁を使用する全ての子SFCについて修正が必要になり、修正漏れが発生しやすくなる。
【0012】
一方、特許文献1には、設計者の理解を助け人為的な誤りの混入する可能性を減少させる目的で、SFCとタイムチャートを相互に変換する技術が開示されているが、プラントの品種製造における、修正、変更、及び追加の容易さについては記載されていない。
【0013】
本発明の目的は、プラントによる品種製造において、異なる原料の投入や投入配管ルートの変更および品種製造の改善といった修正を加える場合や、品種製造や原料の追加を行う場合において、迅速に適切な作業が行えるプラント制御装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のプラント制御装置は、SFCを親シーケンスに用い、タイムチャートを子シーケンスに用いて、これらを組み合わせることによりプラント制御を行う構成とする。
【0015】
親シーケンスであるSFCには、プラントの全体の工程の流れを定義する。子シーケンスは、複数の品種毎に、複数の仕込弁(原料種類に対応)の開閉状態を時間経過(工程)に従って定義し、その定義毎にステップNoを付与するタイムチャートを備える。さらに、子シーケンスは、このタイムチャートに示したステップNoにおける製造移行条件と、移行先ステップNoを定義したテーブルを備える。
【0016】
SFCは選択分岐、同時(並行)分岐、分岐の合流、ループ(制御の流れを上流に戻す)などの手段を有しているため、シーケンス制御の流れ(工程)を把握しやすいという特徴があり、親シーケンスに適している。
【0017】
一方、タイムチャートは、出力信号リストと、番号付けされたステップとで形作られるマス目状の部分に登録を行うことにより上記プラントの機器の動作が定義される構成をとる。シーケンスの制御順序は、実行するステップの順序で表現される。ステップの順序は連番である必要はなく、また、一度実行したステップを再度実行することも可能である。
ステップ順序の例(1) :1⇒2⇒3⇒8⇒10⇒
ステップ順序の例(2) :1⇒2⇒3⇒4⇒2⇒3⇒5⇒
また、現在ステップから次のステップへの移行は、移行する条件を論理式で表現し、条件式が真のときにステップが移行するように動作させる。
【0018】
SFCからタイムチャートを呼び出す場合に、指定タイムチャートの任意のステップ番号を実行開始位置として、また、タイムチャートの任意のステップ番号を終了位置として指定し、SFCとタイムチャートとの接続を行う。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、プラントによる多品種製造において、異なる原料の投入や投入配管ルートの変更および品種製造の改善といった修正を加える場合や、品種製造や原料の追加を行う場合において、迅速に適切な作業が行えるプラント制御装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態によるプラント制御装置と制御されるプラントとを共に示す概略構成図である。
図1において、プラント制御装置は、運転操作卓1と、制御LAN2と、制御装置3を備えている。運転操作卓1は、制御LAN2を介して制御装置3と接続され、制御LAN2を経由して、制御装置3との間で制御データ及びプラントデータ等の授受を行っている。なお、運転操作卓1には、表示部(図1には示さず)が備えられている。
【0022】
また、制御装置3は、プラント5に取り付けられた制御機器と工事配線4を介して接続され、工事配線4を経由して信号の授受を行うと共に、ループ制御、シーケンス制御演算を実行する。
【0023】
プラント5は、原料タンク51a〜51nと、原料切り替えヘッダ52と、仕込弁53a,53b,53cと、反応缶54とを備えている。原料タンク51a〜51nには、それぞれ原料1〜Nが貯蔵されており、原料切り替えヘッダ52および仕込弁53a,53b,53cにより選択され、反応缶54に仕込まれる。
【0024】
図2は、図1に示す制御装置3の制御機能ブロック図である。
図2において、制御装置3は、記憶部3Cと、入出力部3Aと、制御部3Bとを備えている。入出力部3Aは、図1に示す運転操作卓1及びプラント5との信号送受信部である。
【0025】
図3は、図1に示すプラントの原料仕込管理テーブルの一例を示す図である。
図3において、左端の欄は品種を示し、上端の欄は原料仕入ステップを示す。図3において、品種Xを製造する場合には、第1ステップで原料Aを100kg、原料Bを50kg、原料Cを20kg同時に仕込むことを示している。品種Yを製造する場合には、第1ステップにおいて原料Aを120kg仕込み、第2ステップにおいて原料Bを10kg仕込み、第3ステップにおいて原料Cを20kg仕込むことを示している。品種Zを製造する場合には、第1ステップにおいて原料Aを110kg、原料Bを50kg仕込んだ後に、第2ステップにおいて原料Cを30kg仕込むことを示している。
【0026】
図4は、図1に示すプラント制御装置の制御手順を示す図である。
図4において、本発明のプラント制御装置の制御手順は、製造の全体の流れの制御はSFCで記述され(親SFC)、仕込弁等の制御機器の詳細な制御はタイムチャートにより記述される。
【0027】
親SFCでは、初期工程が実行された後、原料仕込み工程が実行される。原料仕込み工程ではタイムチャートで記述された子シーケンスである原料仕込みシーケンスが起動され、この処理が終了した後、親SFCに戻り、次の反応工程が実行される。
【0028】
図5は、図4に示すプラント制御装置の制御手順のうちタイムチャートの部分の詳細を示す図である。このタイムチャートは、運転操作卓1の表示画面に表示させる。
図5において、タイムチャートには、縦方向に対象となる原料投入の仕込弁等の制御機器を示す出力信号リストが配置され、横方向には工程名称と原料品種毎の原料投入の制御順番に当たるステップが合わせて配置される。
【0029】
出力信号リストには、制御機器の名称、例えば図1に示した仕込弁53aに対応するTAG名称V101と、機器の操作用信号DO001(デジタル出力のNo.001を示す)が併記される。この出力信号リストとステップとで形作られるマス目状の各部分に制御機器の動作状態に当たる信号出力パターンが定義される。
【0030】
例えば、制御機器が仕込弁の場合には、マス目が塗りつぶされていれば、仕込弁が“開”であることを示し、塗りつぶされていなければ、仕込弁が“閉”であることを示す。尚、そのステップが運転実行中には、このマス目の部分を点滅又は色を変化させ、運転実行中である制御機器をオペレータが一目でわかるように表示される。
【0031】
図6は、図5に示すタイムチャートの移行条件定義の一例を示す図である。
図6において、1列目はステップ数を示し、2列目は各ステップにおける次ステップへの移行条件を示し、3列目は移行先ステップを示している。タイムチャートのそれぞれのステップでは、それぞれ定義された信号出力パターンにより出力信号を出力した後、図6に示す対応したステップの移行条件に従い次ステップへの移行を判定し、次ステップに移行する。
【0032】
図7は、図5に示すタイムチャートの各品種の原料の投入量の定義の一例を示す図である。
図7において、縦方向には原料の種類が示され、横方向には品種名称が示される。図5に示すタイムチャートのそれぞれのステップでは、この図7で定義された各品種の原料の量が投入される。
【0033】
次に、品種Zを製造する場合を例にとり、具体的な制御の手順を説明する。
図4に示すように、親SFCでは、初期工程が実行された後、原料仕込み工程において、タイムチャートで記載された原料仕込みシーケンスが呼び出され、実行される。このとき親SFCからは、タイムチャートの開始ステップ番号として6が指定・登録される。これにより原料仕込みシーケンスでは、指定されたステップ6が開始ステップとしてタイムチャートが起動される(処理−1)。
【0034】
原料仕込みシーケンスでは、まず起動されたタイムチャートのステップ6に指定された信号出力パターンに従い、タグ名称V101及びV102に“開”信号が制御装置3から工事配線4を経由して送信される。これにより、仕込弁53a及び53bは開放され、原料A,Bが反応管54に投入される。このとき、タイムチャートのステップ6には、図6に示すように、論理条件として“原料A投入完 and 原料B投入完”の条件が定義されている。
【0035】
また、品種Zの原料投入量として、図7に示すように、原料A及び原料Bの投入量として110kg及び50kgが定義されており、制御装置3により所定の投入量が投入されることが監視されている。制御装置3によりこの条件が満たされたことが確認されると、図6に示すように定義された移行先ステップ7へと移行する(処理−2)。
【0036】
ステップ7へ移行後、ステップ7に指定された信号出力パターンに従い、タグ名称V101及びV102に“閉”信号が送信される。これにより、仕込弁53a及び53bが閉止され、反応缶54への原料投入が中断される。
【0037】
同時に、ステップ7では、タグ名称V103に“開”信号が送信されるように定義されているため、タグ名称V103に“開”信号が送信される。これにより、仕込弁53cが開放され、原料Cが反応缶54に投入される。
【0038】
このときステップ7には、図6に示すように、論理条件として“原料C投入完”の条件が定義され、図7には、原料Cの投入量として30kgが定義され、制御装置によりこの投入量が監視されている。制御装置3によりこの論理条件を満たされたことが確認されると、図6に示すように定義された移行先ステップ8へと移行する(処理−3)。
【0039】
ステップ8へ移行後、ステップ8に指定された信号出力パターンに従い、タグ名称V101、V102及びV103に“閉”信号が送信される。これにより、仕込弁53a,53b及び53cが閉止される。
【0040】
上記したように終了ステップとしてステップ8が指定されているため、タイムチャートの処理がステップ8へ移行されたことにより、親SFCの原料仕込み工程は、タイムチャートの処理が終了したと判断し、原料仕込み工程を終了状態とし、次工程である反応工程へと移行する(処理−4)。
【0041】
以上のように品種Zの製造が行われる。なお、この品種Zの製造に関するタイムチャートには、品種X及び品種Yでの原料仕込みシーケンスを同時に記述することも可能である。
【0042】
図5に示すように、品種Xを製造する場合には、タイムチャートのステップ2とステップ8が使用され、親SFCから呼び出される場合には、開始ステップ番号として2、終了ステップ番号として8が指定される。同様に品種Yを製造する場合には、タイムチャートのステップ3,4,5及び8が使用され、開始ステップ番号として3、終了ステップ番号として8が指定される。このとき、各品種の製造に関連しない仕込弁に対しては、“閉”を示す信号出力パターンが定義される。
【0043】
このように、ステップ間に干渉を起こさないように、タイムチャートに各品種の工程を記述することにより、同一のタイムチャート上に複数の品種の原料仕込シーケンスを記述することが可能となる。
【0044】
次に、図4に示すタイムチャートを変更する場合について説明する。
図8は、図4に示すプラント制御装置の制御手順に変更を加える場合の例を示す図である。
【0045】
上記の複数品種に対応したタイムチャートでは、図8に示すように、メンテナンス時に仕込弁53aにつけられたタグ名V101をV104に変更するといった処理は、タイムチャートの出力信号リストのタグ名V101をV104に変更する一カ所の修正で完了することができる。
【0046】
本発明のタイムチャートによる制御を変更する場合と、従来技術による原料仕込みシーケンスを子SFCにより記述した制御を変更する場合とを比較する。
図9は、従来技術によるプラント制御装置の制御手順に変更を加える場合の例を示す図である。
図9に示すように、従来技術によるプラント制御装置の制御手順は、製造の全体の流れの制御は本発明と同様にSFCで記述され(親SFC)、仕込弁等の制御機器の詳細な制御は本発明と異なりSFCにより記述される(子SFC)。
【0047】
図9において、親SFCでは、初期工程に続いて、原料仕込み工程が実行される。この原料仕込み工程は、子SFCである各原料仕込みシーケンスを呼び出し、実行する工程で、品種Xを仕込むX仕込工程と、品種Yを仕込むY仕込工程と、品種Zを仕込むZ仕込工程が選択可能に記述される。各原料仕込みシーケンスが終了すると、親SFCに戻り、次の反応工程が実行される。
【0048】
子シーケンスである各原料仕込みシーケンスは、図4に示す本発明と同様の内容が図9に示すように、SFCにより記載されている。この場合、図9にはV101をV104に変更する場合が示されている。
【0049】
図9に示すように、子シーケンスである各原料仕込みシーケンスとして子SFCを使用した場合には、本発明と異なり、各品種毎の子SFCそれぞれに対して、タグV101をタグV104に変更する必要があり、最低3箇所の修正が必要になる。他の変更を行う場合にも同様に複数の子SFCを変更する必要があり、本発明に比較して、修正作業が増加し、修正漏れが発生しやすくなる。
【0050】
次に、図4に示すタイムチャートに新品種を加える場合を説明する。
【0051】
図10は、本発明の一実施形態によるプラント制御装置の制御手順に新品種Wの製造工程を追加する場合の例を示す図であり、図11は、図10に示すタイムチャートの移行条件の定義を示す図である。
【0052】
図10において、同一プラント5の各装置を変更することなく新品種Wを追加する場合には、タイムチャートにステップ9及び10を追加し、ステップ9にはV101を“開”とする出力信号パターンを定義し、ステップ10にはV103を“開”とする出力信号パターンを定義する。
【0053】
また、図11において、追加したステップの移行条件であるステップ9,10の定義を追加することにより対応することができる。また、上記のタイムチャートに追加品種を追加する修正は、タイムチャートの修正を行うことにより完了できるため、親SFCを変更する必要がなくなる。
【0054】
図12は、従来技術によるプラント制御装置の制御手順に新品種Wの製造工程を追加する場合の例を示す図である。
図12において、従来技術による子SFCを使用する手法においては、品種Wの原料仕込み用の子SFCを新規に作成、追加する必要がある。
【0055】
また、同時に親SFCに新たに追加した子SFCを呼び出すためのステップを追加する必要があり、本発明の場合と比較して、修正作業が増加し、修正漏れが発生しやすくなる。
【0056】
以上のように構成した本発明の一実施形態によれば、プラントによる品種製造において、異なる原料の投入や投入配管ルートの変更および品種製造の改善といった修正を加える場合や、品種製造の追加や原料の追加を行う場合において、迅速に適切な作業を行うことができるプラント制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態によるプラント制御装置と制御されるプラントとを共に示す概略構成図である。
【図2】図1に示す制御装置の制御機能ブロック図である。
【図3】図1に示すプラントの原料仕込管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるプラント制御装置における制御手順の一例を示す図である。
【図5】図4に示すプラント制御装置の制御手順のうちタイムチャートの部分を示す図である。
【図6】図5に示すタイムチャートの移行条件定義の一例を示す図である。
【図7】図5に示すタイムチャートの各品種の原料の投入量の定義の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によるプラント制御装置の制御手順に変更を加える場合の例を示す図である。
【図9】従来技術によるプラント制御装置の制御手順に変更を加える場合の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態によるプラント制御装置の制御手順に品種製造工程を追加する場合の例を示す図である。
【図11】図10に示すタイムチャートの移行条件を示す図である。
【図12】従来技術によるプラント制御装置の制御手順に品種製造工程を追加する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 運転操作卓
2 制御LAN
3 制御装置
3A 入出力部
3B 制御部
3C 記憶部
4 工事配線
5 プラント
51a〜51n 原料タンク
52 原料切り替えヘッダ
53a〜53c 仕込弁
54 反応缶
【技術分野】
【0001】
本発明は、プラントを自動運転させるプラント制御装置及びプラント制御方法に係わり、特にシーケンス制御に従い、複数種類の品種を切り換えて製造するバッチプラントに対応したプラント制御装置及びプラント制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
反応缶等の装置に原料を投入し、反応、濃縮といった一連の処理を行い、処理内容・手順を変えることにより多様な製品を作ることができ、多品種少量生産に適するバッチプラントという技術が知られている。このバッチプラントを制御する手法として、SFC(シーケンシャル・ファンクション・チャート)による方法が知られている。
【0003】
従来のSFCによるプラント制御は、例えば、複数の品種毎に複数の仕込弁(原料種類に対応する)と反応工程との全体接続関係を示す親SFCと、例えば、複数の品種毎に複数の仕込弁の接続関係を定義した子SFCとを使用していた。SFCは選択分岐、同時(並行)分岐、分岐の合流、ループ(制御の流れを上流に戻す)等の手段を有しているため、シーケンス制御の流れを把握しやすいという特徴がある。
【0004】
このため、親SFCでは製造制御の流れ(工程)を適切に把握することができ、また、子SFCにおいても同時に原料を投入するような並列実行処理の制御シーケンスがある場合でも制御手順通りに記述することができるという利点がある。
【0005】
一方、特許文献1には、プラントや製造ラインのプログラム開発において、動作仕様の記述方式およびその表示方式に適用可能なSFCとタイムチャートを相互変換し、設計者の理解を助け人為的な誤りが混入する可能性を減少させる技術が開示されている。
【0006】
【特許文献1】特開平7−234710号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、上記の親SFCから、子SFCを実行する方式によると、親SFCの製造制御の流れ(工程)を変えず、原料仕込みの子シーケンスに対して、異なる原料の投入を行う修正を行う場合や、原料仕込みの配管ルートを変更する修正を行う場合等に、修正個所は容易に特定の子SFCであると特定することはできるが、修正する個所における仕込弁の開閉等の製造機器の動作状態をオペレータ等は即座に把握することができなかった。
【0008】
このため、修正する個所の前後の制御シーケンスを全て確認することが必要となり、品種製造の改善といった頻繁に行われる少量の修正を行う場合であっても、動作確認も含めて多くの作業時間を必要としてしまう。
【0009】
また、品種製造の運転中においては、天候、気温または原料の質等の条件によりオペレータによる微調整を必要とする場合があり、このような場合にも、上記のシーケンスの修正の場合と同様に、仕込弁の開閉等の製造機器の動作状態を即座に把握することができないため、容易に調整作業を実施することができず、状況に応じた適切な品種製造を迅速に実行することが難しい。
【0010】
また、品種製造の運転中に異常が発生し、オペレータの対処が必要とされる場合には、オペレータの誤解、思い込みによる誤操作が発生する可能性が無いわけではなく、その場合には、現在製造している製品の破棄、または次製品の製造に影響を及ぼす等の生産効率の低下が問題となる。
【0011】
また、従来技術による手法を用いて品種毎に子SFCを作成した場合には、同一原料の投入を制御する仕込弁について、それぞれの子SFCにおいて定義することが多くなるため、各品種に共通な修正を加える場合には修正漏れが発生しやすくなる。同様に、仕込弁の仕様変更を行う場合にも対象の仕込弁を使用する全ての子SFCについて修正が必要になり、修正漏れが発生しやすくなる。
【0012】
一方、特許文献1には、設計者の理解を助け人為的な誤りの混入する可能性を減少させる目的で、SFCとタイムチャートを相互に変換する技術が開示されているが、プラントの品種製造における、修正、変更、及び追加の容易さについては記載されていない。
【0013】
本発明の目的は、プラントによる品種製造において、異なる原料の投入や投入配管ルートの変更および品種製造の改善といった修正を加える場合や、品種製造や原料の追加を行う場合において、迅速に適切な作業が行えるプラント制御装置を実現することである。
【課題を解決するための手段】
【0014】
上記目的を達成するために、本発明のプラント制御装置は、SFCを親シーケンスに用い、タイムチャートを子シーケンスに用いて、これらを組み合わせることによりプラント制御を行う構成とする。
【0015】
親シーケンスであるSFCには、プラントの全体の工程の流れを定義する。子シーケンスは、複数の品種毎に、複数の仕込弁(原料種類に対応)の開閉状態を時間経過(工程)に従って定義し、その定義毎にステップNoを付与するタイムチャートを備える。さらに、子シーケンスは、このタイムチャートに示したステップNoにおける製造移行条件と、移行先ステップNoを定義したテーブルを備える。
【0016】
SFCは選択分岐、同時(並行)分岐、分岐の合流、ループ(制御の流れを上流に戻す)などの手段を有しているため、シーケンス制御の流れ(工程)を把握しやすいという特徴があり、親シーケンスに適している。
【0017】
一方、タイムチャートは、出力信号リストと、番号付けされたステップとで形作られるマス目状の部分に登録を行うことにより上記プラントの機器の動作が定義される構成をとる。シーケンスの制御順序は、実行するステップの順序で表現される。ステップの順序は連番である必要はなく、また、一度実行したステップを再度実行することも可能である。
ステップ順序の例(1) :1⇒2⇒3⇒8⇒10⇒
ステップ順序の例(2) :1⇒2⇒3⇒4⇒2⇒3⇒5⇒
また、現在ステップから次のステップへの移行は、移行する条件を論理式で表現し、条件式が真のときにステップが移行するように動作させる。
【0018】
SFCからタイムチャートを呼び出す場合に、指定タイムチャートの任意のステップ番号を実行開始位置として、また、タイムチャートの任意のステップ番号を終了位置として指定し、SFCとタイムチャートとの接続を行う。
【発明の効果】
【0019】
本発明によれば、プラントによる多品種製造において、異なる原料の投入や投入配管ルートの変更および品種製造の改善といった修正を加える場合や、品種製造や原料の追加を行う場合において、迅速に適切な作業が行えるプラント制御装置を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
【0021】
図1は、本発明の一実施形態によるプラント制御装置と制御されるプラントとを共に示す概略構成図である。
図1において、プラント制御装置は、運転操作卓1と、制御LAN2と、制御装置3を備えている。運転操作卓1は、制御LAN2を介して制御装置3と接続され、制御LAN2を経由して、制御装置3との間で制御データ及びプラントデータ等の授受を行っている。なお、運転操作卓1には、表示部(図1には示さず)が備えられている。
【0022】
また、制御装置3は、プラント5に取り付けられた制御機器と工事配線4を介して接続され、工事配線4を経由して信号の授受を行うと共に、ループ制御、シーケンス制御演算を実行する。
【0023】
プラント5は、原料タンク51a〜51nと、原料切り替えヘッダ52と、仕込弁53a,53b,53cと、反応缶54とを備えている。原料タンク51a〜51nには、それぞれ原料1〜Nが貯蔵されており、原料切り替えヘッダ52および仕込弁53a,53b,53cにより選択され、反応缶54に仕込まれる。
【0024】
図2は、図1に示す制御装置3の制御機能ブロック図である。
図2において、制御装置3は、記憶部3Cと、入出力部3Aと、制御部3Bとを備えている。入出力部3Aは、図1に示す運転操作卓1及びプラント5との信号送受信部である。
【0025】
図3は、図1に示すプラントの原料仕込管理テーブルの一例を示す図である。
図3において、左端の欄は品種を示し、上端の欄は原料仕入ステップを示す。図3において、品種Xを製造する場合には、第1ステップで原料Aを100kg、原料Bを50kg、原料Cを20kg同時に仕込むことを示している。品種Yを製造する場合には、第1ステップにおいて原料Aを120kg仕込み、第2ステップにおいて原料Bを10kg仕込み、第3ステップにおいて原料Cを20kg仕込むことを示している。品種Zを製造する場合には、第1ステップにおいて原料Aを110kg、原料Bを50kg仕込んだ後に、第2ステップにおいて原料Cを30kg仕込むことを示している。
【0026】
図4は、図1に示すプラント制御装置の制御手順を示す図である。
図4において、本発明のプラント制御装置の制御手順は、製造の全体の流れの制御はSFCで記述され(親SFC)、仕込弁等の制御機器の詳細な制御はタイムチャートにより記述される。
【0027】
親SFCでは、初期工程が実行された後、原料仕込み工程が実行される。原料仕込み工程ではタイムチャートで記述された子シーケンスである原料仕込みシーケンスが起動され、この処理が終了した後、親SFCに戻り、次の反応工程が実行される。
【0028】
図5は、図4に示すプラント制御装置の制御手順のうちタイムチャートの部分の詳細を示す図である。このタイムチャートは、運転操作卓1の表示画面に表示させる。
図5において、タイムチャートには、縦方向に対象となる原料投入の仕込弁等の制御機器を示す出力信号リストが配置され、横方向には工程名称と原料品種毎の原料投入の制御順番に当たるステップが合わせて配置される。
【0029】
出力信号リストには、制御機器の名称、例えば図1に示した仕込弁53aに対応するTAG名称V101と、機器の操作用信号DO001(デジタル出力のNo.001を示す)が併記される。この出力信号リストとステップとで形作られるマス目状の各部分に制御機器の動作状態に当たる信号出力パターンが定義される。
【0030】
例えば、制御機器が仕込弁の場合には、マス目が塗りつぶされていれば、仕込弁が“開”であることを示し、塗りつぶされていなければ、仕込弁が“閉”であることを示す。尚、そのステップが運転実行中には、このマス目の部分を点滅又は色を変化させ、運転実行中である制御機器をオペレータが一目でわかるように表示される。
【0031】
図6は、図5に示すタイムチャートの移行条件定義の一例を示す図である。
図6において、1列目はステップ数を示し、2列目は各ステップにおける次ステップへの移行条件を示し、3列目は移行先ステップを示している。タイムチャートのそれぞれのステップでは、それぞれ定義された信号出力パターンにより出力信号を出力した後、図6に示す対応したステップの移行条件に従い次ステップへの移行を判定し、次ステップに移行する。
【0032】
図7は、図5に示すタイムチャートの各品種の原料の投入量の定義の一例を示す図である。
図7において、縦方向には原料の種類が示され、横方向には品種名称が示される。図5に示すタイムチャートのそれぞれのステップでは、この図7で定義された各品種の原料の量が投入される。
【0033】
次に、品種Zを製造する場合を例にとり、具体的な制御の手順を説明する。
図4に示すように、親SFCでは、初期工程が実行された後、原料仕込み工程において、タイムチャートで記載された原料仕込みシーケンスが呼び出され、実行される。このとき親SFCからは、タイムチャートの開始ステップ番号として6が指定・登録される。これにより原料仕込みシーケンスでは、指定されたステップ6が開始ステップとしてタイムチャートが起動される(処理−1)。
【0034】
原料仕込みシーケンスでは、まず起動されたタイムチャートのステップ6に指定された信号出力パターンに従い、タグ名称V101及びV102に“開”信号が制御装置3から工事配線4を経由して送信される。これにより、仕込弁53a及び53bは開放され、原料A,Bが反応管54に投入される。このとき、タイムチャートのステップ6には、図6に示すように、論理条件として“原料A投入完 and 原料B投入完”の条件が定義されている。
【0035】
また、品種Zの原料投入量として、図7に示すように、原料A及び原料Bの投入量として110kg及び50kgが定義されており、制御装置3により所定の投入量が投入されることが監視されている。制御装置3によりこの条件が満たされたことが確認されると、図6に示すように定義された移行先ステップ7へと移行する(処理−2)。
【0036】
ステップ7へ移行後、ステップ7に指定された信号出力パターンに従い、タグ名称V101及びV102に“閉”信号が送信される。これにより、仕込弁53a及び53bが閉止され、反応缶54への原料投入が中断される。
【0037】
同時に、ステップ7では、タグ名称V103に“開”信号が送信されるように定義されているため、タグ名称V103に“開”信号が送信される。これにより、仕込弁53cが開放され、原料Cが反応缶54に投入される。
【0038】
このときステップ7には、図6に示すように、論理条件として“原料C投入完”の条件が定義され、図7には、原料Cの投入量として30kgが定義され、制御装置によりこの投入量が監視されている。制御装置3によりこの論理条件を満たされたことが確認されると、図6に示すように定義された移行先ステップ8へと移行する(処理−3)。
【0039】
ステップ8へ移行後、ステップ8に指定された信号出力パターンに従い、タグ名称V101、V102及びV103に“閉”信号が送信される。これにより、仕込弁53a,53b及び53cが閉止される。
【0040】
上記したように終了ステップとしてステップ8が指定されているため、タイムチャートの処理がステップ8へ移行されたことにより、親SFCの原料仕込み工程は、タイムチャートの処理が終了したと判断し、原料仕込み工程を終了状態とし、次工程である反応工程へと移行する(処理−4)。
【0041】
以上のように品種Zの製造が行われる。なお、この品種Zの製造に関するタイムチャートには、品種X及び品種Yでの原料仕込みシーケンスを同時に記述することも可能である。
【0042】
図5に示すように、品種Xを製造する場合には、タイムチャートのステップ2とステップ8が使用され、親SFCから呼び出される場合には、開始ステップ番号として2、終了ステップ番号として8が指定される。同様に品種Yを製造する場合には、タイムチャートのステップ3,4,5及び8が使用され、開始ステップ番号として3、終了ステップ番号として8が指定される。このとき、各品種の製造に関連しない仕込弁に対しては、“閉”を示す信号出力パターンが定義される。
【0043】
このように、ステップ間に干渉を起こさないように、タイムチャートに各品種の工程を記述することにより、同一のタイムチャート上に複数の品種の原料仕込シーケンスを記述することが可能となる。
【0044】
次に、図4に示すタイムチャートを変更する場合について説明する。
図8は、図4に示すプラント制御装置の制御手順に変更を加える場合の例を示す図である。
【0045】
上記の複数品種に対応したタイムチャートでは、図8に示すように、メンテナンス時に仕込弁53aにつけられたタグ名V101をV104に変更するといった処理は、タイムチャートの出力信号リストのタグ名V101をV104に変更する一カ所の修正で完了することができる。
【0046】
本発明のタイムチャートによる制御を変更する場合と、従来技術による原料仕込みシーケンスを子SFCにより記述した制御を変更する場合とを比較する。
図9は、従来技術によるプラント制御装置の制御手順に変更を加える場合の例を示す図である。
図9に示すように、従来技術によるプラント制御装置の制御手順は、製造の全体の流れの制御は本発明と同様にSFCで記述され(親SFC)、仕込弁等の制御機器の詳細な制御は本発明と異なりSFCにより記述される(子SFC)。
【0047】
図9において、親SFCでは、初期工程に続いて、原料仕込み工程が実行される。この原料仕込み工程は、子SFCである各原料仕込みシーケンスを呼び出し、実行する工程で、品種Xを仕込むX仕込工程と、品種Yを仕込むY仕込工程と、品種Zを仕込むZ仕込工程が選択可能に記述される。各原料仕込みシーケンスが終了すると、親SFCに戻り、次の反応工程が実行される。
【0048】
子シーケンスである各原料仕込みシーケンスは、図4に示す本発明と同様の内容が図9に示すように、SFCにより記載されている。この場合、図9にはV101をV104に変更する場合が示されている。
【0049】
図9に示すように、子シーケンスである各原料仕込みシーケンスとして子SFCを使用した場合には、本発明と異なり、各品種毎の子SFCそれぞれに対して、タグV101をタグV104に変更する必要があり、最低3箇所の修正が必要になる。他の変更を行う場合にも同様に複数の子SFCを変更する必要があり、本発明に比較して、修正作業が増加し、修正漏れが発生しやすくなる。
【0050】
次に、図4に示すタイムチャートに新品種を加える場合を説明する。
【0051】
図10は、本発明の一実施形態によるプラント制御装置の制御手順に新品種Wの製造工程を追加する場合の例を示す図であり、図11は、図10に示すタイムチャートの移行条件の定義を示す図である。
【0052】
図10において、同一プラント5の各装置を変更することなく新品種Wを追加する場合には、タイムチャートにステップ9及び10を追加し、ステップ9にはV101を“開”とする出力信号パターンを定義し、ステップ10にはV103を“開”とする出力信号パターンを定義する。
【0053】
また、図11において、追加したステップの移行条件であるステップ9,10の定義を追加することにより対応することができる。また、上記のタイムチャートに追加品種を追加する修正は、タイムチャートの修正を行うことにより完了できるため、親SFCを変更する必要がなくなる。
【0054】
図12は、従来技術によるプラント制御装置の制御手順に新品種Wの製造工程を追加する場合の例を示す図である。
図12において、従来技術による子SFCを使用する手法においては、品種Wの原料仕込み用の子SFCを新規に作成、追加する必要がある。
【0055】
また、同時に親SFCに新たに追加した子SFCを呼び出すためのステップを追加する必要があり、本発明の場合と比較して、修正作業が増加し、修正漏れが発生しやすくなる。
【0056】
以上のように構成した本発明の一実施形態によれば、プラントによる品種製造において、異なる原料の投入や投入配管ルートの変更および品種製造の改善といった修正を加える場合や、品種製造の追加や原料の追加を行う場合において、迅速に適切な作業を行うことができるプラント制御装置を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】本発明の一実施形態によるプラント制御装置と制御されるプラントとを共に示す概略構成図である。
【図2】図1に示す制御装置の制御機能ブロック図である。
【図3】図1に示すプラントの原料仕込管理テーブルの一例を示す図である。
【図4】本発明の一実施形態によるプラント制御装置における制御手順の一例を示す図である。
【図5】図4に示すプラント制御装置の制御手順のうちタイムチャートの部分を示す図である。
【図6】図5に示すタイムチャートの移行条件定義の一例を示す図である。
【図7】図5に示すタイムチャートの各品種の原料の投入量の定義の一例を示す図である。
【図8】本発明の一実施形態によるプラント制御装置の制御手順に変更を加える場合の例を示す図である。
【図9】従来技術によるプラント制御装置の制御手順に変更を加える場合の例を示す図である。
【図10】本発明の一実施形態によるプラント制御装置の制御手順に品種製造工程を追加する場合の例を示す図である。
【図11】図10に示すタイムチャートの移行条件を示す図である。
【図12】従来技術によるプラント制御装置の制御手順に品種製造工程を追加する場合の例を示す図である。
【符号の説明】
【0058】
1 運転操作卓
2 制御LAN
3 制御装置
3A 入出力部
3B 制御部
3C 記憶部
4 工事配線
5 プラント
51a〜51n 原料タンク
52 原料切り替えヘッダ
53a〜53c 仕込弁
54 反応缶
【特許請求の範囲】
【請求項1】
記憶部に記憶された制御シーケンスに従って、プラントの動作制御を行う制御部と、上記制御シーケンスを表示すると共にこの制御シーケンスを修正可能な操作卓を有するプラント制御装置において、
上記制御シーケンスは、
プラント全体の製造工程の流れを定義するシーケンシャルファンクションチャートと、
複数の製造品種毎に複数の製造手段の運転状態が製造工程順に従って定義され、その定義毎にステップ番号が付与されたタイムチャートと、
上記タイムチャートに示されたステップ番号における製造工程移行条件と、移行先ステップ番号とが定義されたテーブルとを備えることを特徴とするプラント制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のプラント制御装置において、上記タイムチャートは、上記操作卓の表示部に表示され、そのときに運転実行中の製造手段が運転実行中であることを示す表示を行うことを特徴とするプラント制御装置。
【請求項3】
請求項1記載のプラント制御装置において、上記タイムチャートは、プラントの製造手段に対応する出力信号リストを示す項目と、ステップを示す項目によりマス目状の部分を形成し、このマス目状の部分に登録することにより、指定されたプラントの製造手段に定義された動作を行わせ、ステップからステップへの移行は、各ステップに対応して定義された論理式の真偽により判定され、論理式が真である場合には、各ステップに対応して定義された移行先ステップへ移行されることを特徴とするプラント制御装置。
【請求項4】
記憶部に記憶された制御シーケンスに従って、プラントの動作制御を行う制御部と、上記制御シーケンスを表示すると共にこの制御シーケンスを修正可能な操作卓を有するプラント制御装置のプラント制御方法において、
上記制御シーケンスは、プラント全体の製造工程の流れを定義するシーケンシャルファンクションチャートと、
複数の製造品種毎に複数の製造手段の運転状態が製造工程順に従って定義され、その定義毎にステップ番号が付与されたタイムチャートと、
上記タイムチャートに示されたステップ番号における製造工程移行条件と、移行先ステップ番号とが定義されたテーブルとを備え、
上記テーブルのステップ番号を指定することにより、制御シーケンスが特定されることを特徴とするプラント制御方法。
【請求項5】
請求項4記載のプラント制御方法において、上記タイムチャートは上記操作卓の表示部に表示され、そのときに運転実行中の製造手段が運転実行中であることを示す表示を行うことを特徴とするプラント制御方法。
【請求項6】
請求項4記載のプラント制御方法において、上記タイムチャートは、プラントの製造手段に対応する出力信号リストを示す項目と、ステップを示す項目によりマス目状の部分を形成し、このマス目状の部分に登録することにより、指定されたプラントの製造手段に定義された動作を行わせ、ステップからステップへの移行は、各ステップに対応して定義された論理式の真偽により判定され、論理式が真である場合には、各ステップに対応して定義された移行先ステップへ移行されることを特徴とするプラント制御方法。
【請求項1】
記憶部に記憶された制御シーケンスに従って、プラントの動作制御を行う制御部と、上記制御シーケンスを表示すると共にこの制御シーケンスを修正可能な操作卓を有するプラント制御装置において、
上記制御シーケンスは、
プラント全体の製造工程の流れを定義するシーケンシャルファンクションチャートと、
複数の製造品種毎に複数の製造手段の運転状態が製造工程順に従って定義され、その定義毎にステップ番号が付与されたタイムチャートと、
上記タイムチャートに示されたステップ番号における製造工程移行条件と、移行先ステップ番号とが定義されたテーブルとを備えることを特徴とするプラント制御装置。
【請求項2】
請求項1記載のプラント制御装置において、上記タイムチャートは、上記操作卓の表示部に表示され、そのときに運転実行中の製造手段が運転実行中であることを示す表示を行うことを特徴とするプラント制御装置。
【請求項3】
請求項1記載のプラント制御装置において、上記タイムチャートは、プラントの製造手段に対応する出力信号リストを示す項目と、ステップを示す項目によりマス目状の部分を形成し、このマス目状の部分に登録することにより、指定されたプラントの製造手段に定義された動作を行わせ、ステップからステップへの移行は、各ステップに対応して定義された論理式の真偽により判定され、論理式が真である場合には、各ステップに対応して定義された移行先ステップへ移行されることを特徴とするプラント制御装置。
【請求項4】
記憶部に記憶された制御シーケンスに従って、プラントの動作制御を行う制御部と、上記制御シーケンスを表示すると共にこの制御シーケンスを修正可能な操作卓を有するプラント制御装置のプラント制御方法において、
上記制御シーケンスは、プラント全体の製造工程の流れを定義するシーケンシャルファンクションチャートと、
複数の製造品種毎に複数の製造手段の運転状態が製造工程順に従って定義され、その定義毎にステップ番号が付与されたタイムチャートと、
上記タイムチャートに示されたステップ番号における製造工程移行条件と、移行先ステップ番号とが定義されたテーブルとを備え、
上記テーブルのステップ番号を指定することにより、制御シーケンスが特定されることを特徴とするプラント制御方法。
【請求項5】
請求項4記載のプラント制御方法において、上記タイムチャートは上記操作卓の表示部に表示され、そのときに運転実行中の製造手段が運転実行中であることを示す表示を行うことを特徴とするプラント制御方法。
【請求項6】
請求項4記載のプラント制御方法において、上記タイムチャートは、プラントの製造手段に対応する出力信号リストを示す項目と、ステップを示す項目によりマス目状の部分を形成し、このマス目状の部分に登録することにより、指定されたプラントの製造手段に定義された動作を行わせ、ステップからステップへの移行は、各ステップに対応して定義された論理式の真偽により判定され、論理式が真である場合には、各ステップに対応して定義された移行先ステップへ移行されることを特徴とするプラント制御方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2007−11854(P2007−11854A)
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−193703(P2005−193703)
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年1月18日(2007.1.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月1日(2005.7.1)
【出願人】(000233549)株式会社日立ハイテクコントロールシステムズ (130)
【Fターム(参考)】
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