説明

プリンタ

【課題】 受信タイムアウト時間を適正に設定することができユーザに対して操作性のよいプリンタを提供する。
【解決手段】 外部機器からの画像データをデータ受信部501で受信し、画像データのヘッダ情報をデータ解析部502で解析してそのヘッダ情報に含まれるデータサイズ情報を取得し、そのデータサイズ情報を基に全画像データの受信完了までのタイムアウト時間tをタイムアウト時間算出部504で算出してタイムアウト時間設定部505に設定し、タイムアウト時間tを超える通信が行なわれた場合はタイムアウト検出部506で通信タイムアウトエラーとして検出し、エラーが検出されない場合はデータ展開部503で画像データをビットイメージデータに展開する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像データに基づいて画像をプリント出力するプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、外部機器から画像データを受信し、受信した画像データに基づいて画像をプリント出力するプリンタが知られている。例えば、デジタルカメラやカメラ付き携帯電話で撮影された画像を表わす画像データを受信し、受信した画像データに基づいてインスタントフイルムシート上に画像をプリント出力する、薄型で軽量かつ小型の構造を有する可搬型のプリンタが知られている。一般に、このようなプリンタにおける、画像データの受信タイムアウト時間や受信した画像データをビットイメージデータに展開するために必要なビットイメージ展開処理のタイムアウト時間の監視は、画像データの容量や種類に関わらず、予め設定された一定の時間で行なわれる。このため、プリンタが正常に画像データを処理しているにもかかわらず、外部機器との間における通信時間やビットイメージ展開時間が事前に設定された時間を超えるような画像データが送信された場合には、タイムアウトとして誤検出されてしまい、画像データの処理が途中で中断されるという問題が発生する。
【0003】
また、通信中に何らかの障害が発生したり送信された画像データに異常があり、外部機器との通信や画像データの展開処理を正常に行なうことができない場合であっても、設定された時間が経過した後にタイムアウトが検出される。このため、ユーザは、画像データの処理に時間が掛かっているだけなのか、あるいは受信データに異常が発生しているのかを即座に判断することはできず、従って、ユーザの、エラーに対する復帰操作が遅れることとなり、快適な操作感を損なう要因となっている。
【0004】
ここで、画像データの受信時に各ページ毎のビットイメージデータへの展開に要する時間を算出し、その時間をビットイメージ展開処理のタイムアウト時間とすることにより、画像データの展開時におけるタイムアウト誤検出の防止およびシステム全体の運用効率を高める技術が提案されている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開平10−207651号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
この展開時のタイムアウト時間の考え方を受信時に適用して受信タイムアウト時間を調整することが一応考えられるが、この展開時のタイムアウト時間は画像データを受信して始めてタイムアウト時間を算出することができるものであり、この考え方を受信時に適用することは不可能である。従って、ユーザの、エラーに対する復帰操作は遅れることとなり、特に、前述したデジタルカメラやカメラ付き携帯電話で撮影された画像を表わす画像データを受信して画像をプリント出力する可搬型のプリンタは、簡易で快適な操作感を特長とするものであるため、このようなプリンタにおいて、快適な操作感が損なわれるのでは、ユーザが満足することができる機能に欠けているという問題がある。
【0006】
本発明は、上記事情に鑑み、受信タイムアウト時間を適正に設定することができユーザに対して操作性のよいプリンタを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成する本発明のプリンタは、画像データに基づいて画像をプリント出力するプリンタにおいて、
ヘッダにデータサイズ情報を含む画像データを受信する受信部と、
上記受信部で受信したヘッダ中のデータサイズ情報に基づいてその受信部での受信タイムアウト時間を設定する設定部とを備えたことを特徴とする。
【0008】
本発明のプリンタは、受信したヘッダ中のデータサイズ情報に基づいて受信タイムアウト時間を設定するものであるため、外部機器との間における通信時間に見合った適正な受信タイムアウト時間を設定することができる。即ち、外部機器から送信される画像データの容量や種類あるいは外部機器との通信速度等に応じた受信タイムアウト時間を設定することができる。従って、データ受信中のタイムアウトの誤検出が防止されるとともに、外部機器から送信される画像データに応じた適切なタイムアウト処理が実現されて無駄なタイムアウト処理の削減に寄与することができ、ユーザに対して快適な操作性を持つプリンタを提供することができる。
【0009】
ここで、画像データ受信終了前に上記受信タイムアウト時間が到来したときに受信タイムアウトが発生した旨を表示する表示部を備えたものであることが好ましい。
【0010】
このような表示部を備えると、ユーザは、送信される画像データに異常があったり通信状況が悪い等の旨を知ることができる。
【0011】
また、上記表示部は、上記データサイズ情報の取得が不能であったときにエラーを表示するものであることも好ましい態様である。
【0012】
このようにすると、ユーザは、受信タイムアウト時間を適正に設定することができなかった旨を知ることができる。
【0013】
さらに、このプリンタは、表示画面を持たないプリンタであってもよい。
【0014】
このようにすると、プリンタのコストを抑えることができる。
【発明の効果】
【0015】
本発明によれば、受信タイムアウト時間を適正に設定することができユーザに対して操作性のよいプリンタを提供することを目的とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について説明する。
【0017】
図1は、本発明の一実施形態のプリンタを、斜め前方から見た斜視図である。
【0018】
このプリンタ1は、デジタルカメラや携帯電話と組み合わされて使用されるものであって、露光により潜像が形成され送り出しの際に処理液が展開されて顕像化されるインスタントフイルムシートが複数枚(ここでは10枚として説明する)積層されたインスタントフイルムパックがパック室に装填され、そのインスタントフイルムシートを画像データに応じて露光して外部に送り出しながらそのインスタントフイルムシートに処理液を展開するものである。
【0019】
デジタルカメラや携帯電話にはIrDA(Infrared Data Association)に準拠した赤外線通信を行なえるものがあり、この赤外線通信を使用して自分の持つ情報を他の情報機器へ送信することができ、このようなデジタルカメラやカメラ付き携帯電話であれば、画像データをこのプリンタ1に送信することができる。このプリンタ1は、そのようなデジタルカメラやカメラ付き携帯電話で撮影された画像を表わす画像データまたは電子メールなどで携帯電話に送信されてきた画像データが赤外線通信を用いてこのプリンタ1に送信されてきたときに、その画像データに基づいてインスタントフイルムシート上に画像の印刷を行なうものであり、さらにその送信された画像データに基づく画像の再印刷を、デジタルカメラや携帯電話から再送信をわざわざ行なわなくても、後述するリピートスイッチを操作するという簡単な操作で別のインスタントフイルムシート上に行なえるものである。
【0020】
このプリンタ1は、図1に示すように薄型で軽量かつ小型の構造を有する可搬型のプリンタであり、3V用の一次電池が2個内蔵される。このプリンタ1の筐体1a内にインスタントフイルムパックが装填され、そのインスタントフイルムパック内の、積層された10枚のインスタントフイルムシート一枚一枚に画像の印刷が行なわれる。
【0021】
プリンタ1の筐体1aの上面には操作ボタンとして、このプリンタ1の電源の投入および遮断を指示する電源スイッチ(以下、電源SWと記述する)11と、送信された画像データに基づく画像の再印刷を行なうためのリピートスイッチ(以下、リピートSWと記述する)12が設けられている。また、筐体1aの上面には、インスタンフイルムシートの残り枚数を示すカウンタ13が設けられている。このカウンタ13は機械式のカウンタであり、未使用のインスタントフイルムパックが装填されると残り枚数が10枚であることを示す数値‘10’が表示される。以下、インスタントフイルムシートに画像の印刷が行なわれる度に枚数が減算された残り枚数を示す数値が表示され、10枚目のインスタントフイルムシートに画像の印刷が行なわれると残り枚数が0枚であることを示す数値‘0’が表示される。尚、インスタントフイルムパックが抜かれた場合は、何も表示されないブランク状態となる。
【0022】
また、このプリンタ1の端部には、送受信部14が備えられている。この送受信部14は、前述した赤外線通信により送信されてきた画像データを受信するとともに、受信された旨を相手側に知らせるための信号を送信する。
【0023】
さらに、このプリンタ1の筐体1aには、電源が投入されると点灯するとともに赤外線通信時に点滅する電源用LED15、詳細は後述するが赤外線通信においてエラーが発生すると点灯する通信エラー用LED16(本発明にいう表示部の一例に相当)、および内蔵された電池電圧が低下するとユーザに電池交換を促すために点灯するローバッテリ表示用のLED17が設けられている。
【0024】
また、プリンタ1の側面には、そのプリンタ1の下面側に設けられた後述するフイルムドアを開放するためのフイルムドア開放スイッチ18が備えられており、コーナー部にはストラップ取付部1bが備えられている。
【0025】
図2は、図1に示すプリンタにおいて、デジタルカメラからの画像データに基づいて画像が印刷されたインスタントフイルムシートが排出される様子を示す図である。
【0026】
デジタルカメラ2の赤外線通信部2aをプリンタ1の送受信部14に向けた状態で、そのデジタルカメラ2を操作して、デジタルカメラ2で撮影された画像を表わす画像データを赤外線通信を用いてこのプリンタ1に送信する。プリンタ1は、赤外線通信により送信されてきた画像データを受信し、その受信した画像データに基づく潜像の記録を露光によりインスタントフイルムシート1001上に行ないながら、そのインスタントフイルムシート1001を顕像しつつ、プリンタ1の送出口19から外部へ徐々に排出する。その後、リピートSW12が操作されたときにも、その画像と同じ画像の再印刷が別のインスタントフイルムシート上に行なわれる。
【0027】
図3は、図1に示すプリンタにおいて、カメラ付き携帯電話からの画像データに基づいて画像が印刷されたインスタントフイルムシートが排出される様子を示す図である。
【0028】
この場合も、前述したデジタルカメラ2の場合と同様にして、カメラ付き携帯電話3の赤外線通信部3aをプリンタ1の送受信部14に向けた状態で、そのカメラ付き携帯電話3を操作して、カメラ付き携帯電話3で撮影された画像を表わす画像データを赤外線通信を用いてこのプリンタ1に送信する。すると、プリンタ1は、赤外線通信により送信されてきた画像データを受信し、その受信した画像データに基づく潜像の記録を露光によりインスタントフイルムシート1001上に行ないながら、そのインスタントフイルムシート1001を顕像しつつ、プリンタ1の送出口19から外部へ徐々に排出する。
【0029】
図4は、図1に示すプリンタの下面側を斜め上方から見た斜視図である。
【0030】
このプリンタ1の下面側には、図1に示すフイルムドア開放スイッチ18の操作により開放されるフイルムドア20が設けられており、このフイルムドア20が開けられ、インスタントフイルムパックがパック室に装填される。また、フイルムドア20には、インスタントフイルムパックが装填されているか否かを確認するためのパック在否確認窓20aが設けられている。さらに、フイルムドア20に隣接して、このプリンタ1の電源となる電池を実装するために開放される電池蓋21も設けられている。
【0031】
図5は、プリンタ内部の制御系統を示す構成ブロック図である。
【0032】
この図5の右端側には、図1に示すプリンタ1の模式図が示されており、この右端部を除く全域に、このプリンタ1の制御系統を示す構成が示されている。尚、図5に示す矢印は、このプリンタ1における、制御系統を示す構成要素それぞれの配置関係を示す。
【0033】
このプリンタ1には、本実施形態の特徴部分である後述するプリンタ制御部500を備えたメイン基板部100と、サブ基板部200と、画像書込部300と、FPI部401と、ENCPI部402と、COUNTPI部403と、カムスイッチ404と、送受信部14に設けられたIrDA光電変換部405と、直流モータ406とが備えられている。
【0034】
サブ基板部200には、図1にも示す電源SW11,リピートSW12、および表示用LED部201が備えられている。表示用LED部201には、電源用LED15,通信エラー用LED16,ローバッテリ表示用のLED17、およびカウンタ13の裏側に設けられたカウンタバックライト用のLED(図示せず)が備えられている。
【0035】
画像書込部300には、光ガイドや液晶シャッタ(LCS)等を有する光ヘッド部301と、その光ヘッド部301とメイン基板部100とを接続するフレキシブルケーブル302,303と、フレキシブルケーブル303に実装されたレッド(R),グリーン(G),ブルー(B)の発光色を持つ発光素子(LED)304,305,306とが備えられている。この画像書込部300は、搬送途中のインスタントフイルムシートに、書込指示パルスに同期して送受信部14により受信した画像データに基づいて、LED304,305,306からのR,G,Bの3つの色光を循環的に照射することにより、そのインスタントフイルムシートに潜像を書き込む。また、プリンタ1には、3V用の一次電池407が2個内蔵される。
【0036】
以下、メイン基板部100について説明する。メイン基板部100には、直列接続された一次電池407からの6Vの電源電圧VBが印加される。このメイン基板部100には、MPU(Micro Processor Unit)101と、発振子102と、リセット回路103と、フラッシュメモリ(FLASH)104と、SDRAM105とが備えられている。
【0037】
MPU101は、このプリンタ1の動作を統括的に制御する。
【0038】
発振子102は、所定の周波数の発振信号を生成してMPU101に動作用のクロック信号として供給する。
【0039】
リセット回路103は、MPU101の初期化を行なうためのリセット信号を出力する。
【0040】
フラッシュメモリ104は、不揮発性のメモリであり、このフラッシュメモリ104には、プリンタ1固有の機構等に依存して定まる固体差調整用の調整値等が記憶される。
【0041】
SDRAM105は、揮発性のメモリであり、このSDRAM105には、デジタルカメラ2やカメラ付き携帯電話3からの画像データ等が記憶される。
【0042】
また、このメイン基板部100には、6Vの電源電圧VBを入力して、2.5Vの電圧を出力する電源部106、3.3Vの電圧を出力する電源部107、および15Vの電圧を出力するDC/DCコンバータ108が備えられている。さらに、MPU101からの指示を受けてこれら電源部106,107,DC/DCコンバータ108を制御する電源制御部109も備えられている。ここで、2.5Vの電圧はMPU101に供給されるとともに3.3Vの電圧はMPU101以外の周辺回路に供給される。また、15Vの電圧は、後述するLCD駆動用として用いられる。
【0043】
このプリンタ1では、一次電池407の長寿命化を図るために、低消費電力モードであるスタンバイモードを有するMPU101を備え、電源SW12が押された場合であっても、MPU101は、初期処理が終了した時点でスタンバイモードとなる。この状態で外部から赤外線通信が行なわれると、スタンバイモードから通常の動作モードに移行してインスタントフイルムシートに画像を印刷し、速やかに通常の動作モードからスタンバイモードに移行する。また、リピートSW12が押された場合もインスタントフイルムシートに画像を印刷した後はスタンバイモードになる。さらに、MPU101が、各部に対して必要な動作時のみ電力を供給するように、電源制御部109を介して電源部106,107,DC/DCコンバータ108を制御する。このようにすることにより、内蔵された一次電池407で長期に渡ってこのプリンタ1を使用することができる。
【0044】
さらに、メイン基板部100には、BC部110と、TPG部111と、温度検出部112と、発振子113と、IrDA/LCS制御部114と、ヘッドLED駆動部115と、プリンタ制御部500とが備えられている。
【0045】
BC部110は、一次電池407の電源電圧VBが所定の値よりも低下したか否かをチェックする。MPU101は、このチェック結果を参照して一次電池407の電源電圧VBが所定の値よりも低下していると判定した場合は、ユーザに電池交換を促すためにローバッテリ表示用のLED17を点灯する。
【0046】
TPG部111は、DC/DCコンバータ108から出力される15Vの電圧をオン,オフする。
【0047】
温度検出部112は、画像書込部300の温度を検出する。MPU101は、この温度検出部112からの検出信号に応じて光学ヘッド部301内の液晶シャッタの各シャッタ部のシャッタスピード等を制御する。
【0048】
発振子113は、所定の周波数の発振信号を生成してIrDA/LCS制御部114に供給する。
【0049】
IrDA/LCS制御部114は、発振子113からの発振信号に基づいてIrDA光電変換部405を制御する。また、IrDA/LCS制御部114は、MPU101からの指示に基づいて、フレキシブルケーブル302を介して光ヘッド部301に備えられた液晶シャッタを制御する。
【0050】
ヘッドLED駆動部115は、MPU101の指示に基づいた電流を、フレキシブルケーブル303を経由してLED304,305,306に流すことにより、それらLED304,305,306を駆動する。
【0051】
IrDA光電変換部405には赤外線通信を行なうための投光素子および受光素子が備えられており、プリンタ制御部500は、上記受光素子で光電変換されたデータを後述するようにして受信してMPU101に送ったり、MPU101からの情報を上記投光素子を経由して外部機器(デジタルカメラ2やカメラ付き携帯電話3)に送信したりする。尚、プリンタ制御部500の構成については後述する。
【0052】
さらに、メイン基板部100には、PI駆動部116が備えられている。このPI駆動部116は、FPI部401,ENCPI部402,COUNTPI部403を駆動する。ここで、FPI部401,ENCPI部402,COUNTPI部403について説明する。
【0053】
FPI部401は、インスタントフイルムシート1001の有無を検出するためのフォトインタラプタである。
【0054】
ENCPI部402は、直流モータ406の回転に同期したパルス列からなるエンコード信号を出力するためのフォトインタラプタである。
【0055】
COUNTPI部403は、カウンタ13がリセット状態(インスタントフイルムパックが抜かれた状態)を検知するためのフォトインタラプタである。
【0056】
また、メイン基板部100には、カムスイッチ404が接続されている。このカムスイッチ404は、このプリンタ1の搬送機構における初期位置をモニタするためのスイッチである。
【0057】
さらに、メイン基板部100には、モータ駆動部117が備えられている。このモータ駆動部117は、MPU101からの指示を受けて、ENCPI部402から出力されたエンコード信号のパルス列の時間間隔が所定の時間間隔となるように直流モータ406の回転速度を制御する。
【0058】
図6は、図5に示すプリンタ制御部の構成を示すブロック図である。
【0059】
図6に示すプリンタ制御部500には、データ受信部501と、データ解析部502と、データ展開部503と、タイムアウト時間算出部504と、タイムアウト時間設定部505と、タイムアウト検出部506とが備えられている。
【0060】
データ受信部501は、本発明にいう受信部の一例に相当し、デジタルカメラ2やカメラ付き携帯電話3である外部機器からIrDA光電変換部405を経由して送信される、ヘッダにデータサイズ情報を含む画像データを、所定の単位毎に受信し、外部機器に対してIrDA光電変換部405を経由して応答信号を送出する。
【0061】
データ解析部502は、データ受信部501がヘッダを受信した段階でそのヘッダを解析してデータサイズ情報を取得する。
【0062】
データ展開部503は、データ受信部501で受信した画像データをビットイメージデータに展開する。
【0063】
タイムアウト時間算出部504は、データ解析部502で取得したデータサイズ情報に基づいて全画像データの受信完了までのタイムアウト時間tを算出する。
【0064】
タイムアウト時間設定部505は、本発明にいう設定部の一例に相当し、このタイムアウト時間設定部505には、タイムアウト時間監視用のカウンタが備えられており、このカウンタにタイムアウト時間算出部504で算出されたタイムアウト時間tが設定される。
【0065】
タイムアウト検出部506には、タイムアウト時間監視用タイマが備えられており、このタイムアウト時間監視用タイマが起動して上記カウンタに設定されたタイムアウト時間tが減算される。減算後にカウンタの値(タイムアウト時間t)が‘0’か否かが判定され、‘0’であると判定された場合は通信タイムアウトエラーとして通信がキャンセルされる。この場合は、印刷処理へは移行せずに、通信が正常に行なわれなかった旨を示すために通信エラー用LED16(図1参照)が点灯する。即ち、画像データ受信終了前に受信タイムアウト時間が到来したときに受信タイムアウトが発生した旨の点灯が行なわれる。尚、データサイズ情報の取得が不能であったときにも、この通信エラー用LED16は点灯する。また、このプリンタ1に、画像データの通信状況や展開状況等の進捗を表示する表示部を備えてもよい。このようにすると、ユーザに対してさらに快適な情報を提供することができる。
【0066】
一方、通信状況や送信される画像データに異常がない場合には、外部機器から受信した画像データがデータ展開部503でビットイメージデータに展開され、インスタントフイルムシート1001上にカラー画像が印刷される。
【0067】
図7は、図6に示すプリンタ制御部で実行される処理ルーチンのフローチャートである。以下、このフローチャートを参照して本実施形態の特徴であるプリンタ制御部における動作の流れについて説明する。
【0068】
外部機器からIrDA光電変換部405を経由してプリンタ制御部500に画像データが送信されると、この処理ルーチンが実行される。
【0069】
先ず、ステップS1において、画像データを受信し、その画像データのヘッダの情報(ヘッダ情報)を取得してステップS2に進む。
【0070】
ステップS2では、ヘッダ情報を解析し、そのヘッダ情報に含まれるデータサイズ情報を取得する。次いで、ステップS3において、取得したデータサイズ情報を基に全画像データの受信完了までのタイムアウト時間tを算出し、さらにステップS4において、このタイムアウト時間tを通信タイムアウト時間として設定する。尚、ここでは、通信タイムアウト時間として、タイムアウト時間tを設定する例で説明するが、このタイムアウト時間tに一定の時間αを加えた時間(t+α)を通信タイムアウト時間としてもよい。
【0071】
次に、ステップS5において、ヘッダ以降のデータの受信を継続して行なう。さらに、ステップS6において、全画像データの受信が完了したか否かが判定される。最初の段階では全画像データの受信が未だ完了していないためステップS7に進む。ステップS7では、タイムアウト時間監視用のカウンタを減算してステップS8に進む。
【0072】
ステップS8では、カウンタの値が‘0’か否かが判定される。ここで、カウンタの値が‘0’であると判定された場合は、通信タイムアウトエラーとして通信をキャンセルし、その旨を通信エラー用LED16(図1参照)に表示する。一方、カウンタの値が‘0’でないと判定された場合は、引き続き、残りのデータ受信を行なうためにステップS5に戻る。
【0073】
一方、ステップS6において、全画像データの受信が完了したと判定された場合は外部機器との通信を終了する。
【0074】
以降、プリント処理が行なわれる。このプリント処理では、外部機器から受信した画像データをビットイメージデータに展開し、インスタントフイルムシート1001を直流モータ406で所定の副走査方向(インスタントフイルムシート1001が送り出される方向)に送りながら、そのインスタントフイルムシート1001上にその副走査方向に関しビットイメージデータで表わされるR,G,Bの3色の色について循環的に書き込むとともに、その副走査方向に交わる主走査方向については、その主走査方向に並ぶ全画素について、同時に同じ色の書き込みを行なうことにより、そのインスタントフイルムシート1001上にカラー画像を印刷する。
【0075】
カラー画像を印刷するにあたり、画像書込部300を構成する光学ヘッド部301には、フレキシブルケーブル302を介してIrDA/LCS制御部114から画像データに応じた制御信号が供給される。この制御信号は光学ヘッド部301内の液晶シャッタの各シャッタ部のシャッタスピードを制御するものである。この各シャッタ部のシャッタスピードが画像データに応じて制御され、フレキシブルケーブル303に備えられたLED304,305,306からのRGBそれぞれに対応する光がインスタントフイルムシート上に照射され、インスタントフイルムシート1001の幅方向に多数の光点(ドット)からなる潜像が記録される。この幅方向つまり一次元的に各シャッタ部が配列されている方向が、主走査方向である。従って、この各シャッタ部が主走査方向に電子的に走査されて1ライン分の光点(全画素)がインスタントフイルムシート1001上に印刷される。この光学ヘッド部301の電子走査によってインスタントフイルムシート1001の主走査方向に多数のドットからなる光点が記録される。また、上述したように、直流モータ406によりインスタントフイルムシート1001が副走査方向に送られるため、副走査方向についても画像書込部300によって多数のドット毎に光点が順次記録されていくこととなる。
【0076】
本実施形態のプリンタ1は、受信したヘッダ中のデータサイズ情報に基づいて受信タイムアウト時間を設定するものであるため、外部機器であるデジタルカメラ2や携帯電話3との間における通信時間に見合った適正な受信タイムアウト時間を設定することができる。即ち、外部機器から送信される画像データの容量や種類あるいは外部機器との通信速度等に応じた受信タイムアウト時間を設定することができる。従って、データ受信中のタイムアウトの誤検出が防止されるとともに、外部機器から送信される画像データに応じた適切なタイムアウト処理が実現されて無駄なタイムアウト処理の削減に寄与することができ、ユーザに対して快適な操作性を持つプリンタ1を提供することができる。
【0077】
尚、本実施形態では、プリンタと通信を行なう外部機器として、デジタルカメラや携帯電話の例で説明したが、一般にワークステーションまたはパーソナルコンピュータと呼ばれるホスト装置であってもよい。
【0078】
また、本実施形態では、IrDA規格に準拠した赤外線通信を適用した例で説明したが、これに限られるものではなく、ブルートゥース規格に準拠した電波送信等の無線通信を適用することもできる。さらに、USB(Universal Serial Bus)規格に代表される有線通信であってもよい。
【0079】
さらに、ホスト装置との通信に用いるインターフェースによって、タイムアウト時間を個別に算出/設定してもよい。例えば、同じサイズのデータがホスト装置から送られる場合にも、USB規格に準拠した有線通信で送信された場合にはタイムアウト時間をt1、IrDA規格に準拠した赤外線通信で送信された場合にはt2というように個別に設定することで、通信速度を考慮したタイムアウト処理を行なうことができる。
【0080】
また、本実施形態では、インスタントフイルムシート上に画像をプリント出力する可搬型のプリンタの例で説明したが、これに限られるものではなく、本発明にいうプリンタは、画像データに基づいて画像をプリント出力するプリンタであればよい。
【図面の簡単な説明】
【0081】
【図1】本発明の一実施形態のプリンタを、斜め前方から見た斜視図である。
【図2】図1に示すプリンタにおいて、デジタルカメラからの画像データに基づいて画像が印刷されたインスタントフイルムシートが排出される様子を示す図である。
【図3】図1に示すプリンタにおいて、カメラ付き携帯電話からの画像データに基づいて画像が印刷されたインスタントフイルムシートが排出される様子を示す図である。
【図4】図1に示すプリンタの下面側を斜め上方から見た斜視図である。
【図5】プリンタ内部の制御系統を示す構成ブロック図である。
【図6】図5に示すプリンタ制御部の構成を示すブロック図である。
【図7】図6に示すプリンタ制御部で実行される処理ルーチンのフローチャートである。
【符号の説明】
【0082】
1 プリンタ
1a 筐体
1b ストラップ取付部
2 デジタルカメラ
2a,3a 赤外線通信部
3 カメラ付き携帯電話
11 電源スイッチ(電源SW)
12 リピートスイッチ(リピートSW)
13 カウンタ
14 送受信部
15 電源用LED
16 通信エラー用LED
17 ローバッテリ表示用のLED
18 フイルムドア開放スイッチ
19 送出口
20 フイルムドア
20a パック在否確認窓
21 電池蓋
100 メイン基板部
101 MPU
102,113 発振子
103 リセット回路
104 フラッシュメモリ
105 SDRAM
106,107 電源部
108 DC/DCコンバータ
109 電源制御部
110 BC部
111 TPG部
112 温度検出部
114 IrDA/LCS制御部
115 ヘッドLED駆動部
116 PI駆動部
117 モータ駆動部
200 サブ基板部
201 表示用LED部
300 画像書込部
301 光ヘッド部
302,303 フレキシブルケーブル
304,305,306 発光素子(LED)
401 FPI部
402 ENCPI部
403 COUNTPI部
404 カムスイッチ
405 IrDA光電変換部
406 直流モータ
407 一次電池
500 プリンタ制御部
501 データ受信部
502 データ解析部
503 データ展開部
504 タイムアウト時間算出部
505 タイムアウト時間設定部
506 タイムアウト検出部
1001 インスタントフイルムシート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像データに基づいて画像をプリント出力するプリンタにおいて、
ヘッダにデータサイズ情報を含む画像データを受信する受信部と、
前記受信部で受信したヘッダ中のデータサイズ情報に基づいて該受信部での受信タイムアウト時間を設定する設定部とを備えたことを特徴とするプリンタ。
【請求項2】
画像データ受信終了前に前記受信タイムアウト時間が到来したときに受信タイムアウトが発生した旨を表示する表示部を備えたことを特徴とする請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
前記表示部は、前記データサイズ情報の取得が不能であったときにエラーを表示するものであることを特徴とする請求項2記載のプリンタ。
【請求項4】
このプリンタは、表示画面を持たないプリンタであることを特徴とする請求項1から3のうちのいずれか1項記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2007−130877(P2007−130877A)
【公開日】平成19年5月31日(2007.5.31)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−326077(P2005−326077)
【出願日】平成17年11月10日(2005.11.10)
【出願人】(306037311)富士フイルム株式会社 (25,513)
【Fターム(参考)】