説明

プリンタ

【課題】印字された用紙を手動で切断した後にプリンタを次のラベル等を発行する動作に移行させるために、前のラベル等の切断を正確に検知する。
【解決手段】このプリンタは、印字媒体を収納するための収納部が形成された筐体と、モータによって駆動されて印字媒体を搬送するプラテンローラと、印字媒体に印字を行うサーマルヘッドと、一定の位置を保つように配置された固定刃61、及び、固定刃61に対向して移動可能に保持された可動刃62を備え、印字媒体を手動で切断するために用いられるカッタユニットと、可動刃62が印字媒体を切断する位置にあるか否かを検出するセンサ80と、センサ80の出力信号に基づいて印字媒体の切断が完了したことを検出したときに、次の印字媒体の搬送及び印字を行うようにモータ及びサーマルヘッドを制御する制御部とを具備する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、印字媒体を手動で切断するために用いられるカッタユニットが装着されたプリンタに関する。
【背景技術】
【0002】
プリンタにおいては、印字媒体(以下、「用紙」ともいう)として、例えば、長尺帯状の台紙(セパレータ)上に所定長さのラベルが一定間隔で仮着されているラベル連続体や、タグ製造用の帯状のシート等が用いられる。用紙は、プラテンローラによって搬送され、用紙を介してプラテンローラに対向して設けられているサーマルヘッドを用いて、ラベル等に印字が行われる。
【0003】
さらに、手切り式カッタを用いて、印字された用紙を手動で切断することも行われている。従来は、手切り式カッタとして、先端部を鋭角にした樹脂部品又は金属板が用いられ、手切り式カッタの先端部に用紙を押し付けることにより、用紙が切断されていた。しかしながら、手切り式カッタを用いる場合には、用紙を切断した後に次のラベル等を発行するために、ハンディターミナル等を用いてデータを再度送信したり、又は、プリンタ本体側で発行キーを押下したりする等の面倒な操作が必要であった。
【0004】
また、台紙上に複数のラベルが一定間隔で仮着されているラベル連続体を用いる場合には、複数のラベルを次々と発行しても問題はないが、台紙がなく複数のラベルが連続しているラベル連続体を用いる場合には、複数のラベルが次々と発行されると、ラベルが詰まったりプリンタに貼り付いてしまうので、オペレータがラベルを切断して取り去ってから次のラベルを発行する必要がある。
【0005】
そのために、ラベルが切断されて取り去られたか否かを検出するための光センサを、切断されたラベルが排出される用紙排出口の搬送方向下流側の位置に設けることも考えられるが、外光等の影響によって光センサが誤認識してしまい、誤って次のラベルが発行されてラベル詰まりが生じてしまう等の問題が生じる。また、ラベルの厚みや材質によって光センサによる受光量が変化するので、ラベルの厚みや材質によってはラベルを検出できないという問題があった。
【0006】
関連する技術として、下記の特許文献1には、手切り式カッタを採用し、かつ、ロ−ル状用紙を使用する型式のプリンタにおいて、用紙の反り返りとカッタとの干渉による紙詰まり等の紙送りの障害を簡単な構造のもとに防止し、伝票用紙の繰り出しを円滑に行うようにしたロ−ル状用紙の紙詰まり防止装置が開示されている。この紙詰まり防止装置は、カッタの鋸歯状歯部の背方において用紙を歯部から離反させる方向に付勢された抑え片を搖動自在に設けたことを特徴とするものである。
【0007】
正常使用状態においては、抑え片が、その付勢された方向へ搖動して、カッタの背後における用紙をそれが静止中あるいは繰り出し中に拘らずカッタの歯部から離反した状態に保つので、用紙とカッタとの干渉が防止される。カッタによる用紙の切断時においては、開口部から突出した用紙を手により挟持した状態のもとにカッタの歯部に当接させつつまくり上げて切断するのであるが、用紙をまくり上げる際には、緊張状態の用紙により抑え片が後退し、切断作業が妨げられることはなく、切断後は、付勢により抑え片が復元して、用紙の端部がカッタから確実に離反する。
【0008】
特許文献1の紙詰まり防止装置によれば、用紙送りの障害を防止することはできるものの、手切り式カッタを用いて用紙を切断した後にプリンタを次のラベル等を発行する動作に移行させるために前のラベル等の切断を正確に検知することに関しては、特に開示されていない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】実開平6−54652号公報(第4頁、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、上記の点に鑑み、本発明は、印字された用紙を手動で切断した後にプリンタを次のラベル等を発行する動作に移行させるために、前のラベル等の切断を正確に検知することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
以上の課題を解決するため、本発明の1つの観点に係るプリンタは、印字媒体を搬送して印字を行うプリンタであって、ロール状に巻回された印字媒体を収納するための収納部が形成された筐体と、筐体内に設けられたモータによって駆動されて回転することにより、印字媒体を搬送するプラテンローラと、プラテンローラに対向して配置され、印字媒体に印字を行うサーマルヘッドと、筐体に装着されたカッタカバー内において一定の位置を保つように配置された固定刃、及び、カッタカバー内において固定刃に対向して移動可能に保持された可動刃を備え、印字媒体を手動で切断するために用いられるカッタユニットと、可動刃が印字媒体を切断する位置にあるか否かを検出するセンサと、センサの出力信号に基づいて印字媒体の切断が完了したことを検出したときに、次の印字媒体の搬送及び印字を行うようにモータ及びサーマルヘッドを制御する制御部とを具備する。
【発明の効果】
【0012】
本発明の1つの観点によれば、可動刃が印字媒体を切断する位置にあるか否かを検出するセンサを用いるので印字媒体の切断を正確に検知することが可能であり、カッタユニットを用いた印字媒体の切断が完了したことを検出したときに次の印字媒体の搬送及び印字を行うことにより、印字された用紙を手動で切断した後に次のラベル等を発行するための操作を簡略化したり、台紙がなく複数のラベルが連続しているラベル連続体を用いる場合にラベル詰まりを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの構造を示す側面断面図である。
【図2】カバーが開かれた状態のプリンタを示す側面断面図である。
【図3】図1に示すカッタユニットの外観を示す斜視図である。
【図4】図1に示すカッタユニットの内部構造を示す斜視図である。
【図5】図1に示すカッタユニットを用いて用紙を切断する手順を示す側面断面図である。
【図6】本発明の一実施形態におけるスリットセンサの動作を説明するための概略図である。
【図7】図1に示す制御部の構成例を示すブロック図である。
【図8】第1のラベル自動発行モードにおけるプリンタの動作を示すフローチャートである。
【図9】第2のラベル自動発行モードにおけるプリンタの動作を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施形態について、図面を参照しながら詳しく説明する。なお、同一の構成要素には同一の符号を付して、説明を省略する。
図1は、本発明の一実施形態に係るプリンタの構造を示す側面断面図である。このプリンタは、台紙に仮着されたラベル、又は、タグ製造用の帯状のシート等の印字媒体(用紙)に印字を行うためのプリンタであり、以下においては、携帯プリンタの場合を例にとって説明する。
【0015】
図1に示すように、プリンタの筐体は、本体側筐体10aと、カバー10bとによって構成され、カバー10bは、回動軸10cによって、本体側筐体10aに回動可能に取り付けられている。
【0016】
プリンタの筐体の内部に形成された収納部には、ロール状に巻回された用紙11が回転自在に保持されている。用紙11は、例えば、ラベルを剥離可能に台紙に仮着して構成したものである。ラベルとしては、例えば、ある温度領域に達すると特定の色(黒や赤等)を発色するサーマル紙が用いられる。
【0017】
また、プリンタの筐体の内部には、用紙11を搬送して印字を行うための印字手段として、サーマルヘッド12と、プラテンローラ13と、筐体の奥に設けられたギア等を介してプラテンローラ13を回転させるステッピングモータ14と、ラベルセンサ15とが設けられている。
【0018】
サーマルヘッド12は、電流を流すことによって発熱する微細な発熱体の集合を有しており、用紙11を介してプラテンローラ13に対向して配置されている。これらの発熱体に電圧を印加して電流を流すことにより発熱体を発熱させ、ラベルの表面に設けられたサーマル発色層を発色させることにより印字が行われる。
【0019】
さらに、プリンタには、入力部20と、制御部30と、表示部40と、電源部50とが設けられている。入力部20は、操作キーを含んでおり、プリンタに対する命令又は印字内容を入力するためにオペレータによって操作される。制御部30は、CPU及びソフトウェアを含んでおり、各部の動作を制御する。表示部40は、LCDパネルを含んでおり、制御部30から供給される画像信号に基づいて表示を行う。電源部50は、サーマルヘッド12やステッピングモータ14等を駆動するための電源を供給するバッテリーを含んでいる。
【0020】
ラベルに印字を行う際には、用紙11がサーマルヘッド12とプラテンローラ13との間に挿入された状態でプラテンローラ13がサーマルヘッド12に押圧され、ステッピングモータ14がプラテンローラ13を回転させることにより、用紙11が搬送方向上流側(図中左側)から搬送方向下流側(図中右側)に搬送される。ここで、用紙11の搬送は、ラベルセンサ15の検出結果に基づいて制御される。
【0021】
このようにして用紙11を搬送しながらサーマルヘッド12に印字信号を供給することにより、サーマルヘッド12の発熱体が発熱して、用紙11に印字が行われる。印字が行われた用紙11は、本体側筐体10aとカバー10bとの間に形成された用紙排出口から外部に排出される。カバー10bの用紙排出口付近には、用紙11を手動で切断するために用いられるカッタユニット60が装着されている。
【0022】
図2は、カバーが開かれた状態のプリンタを示す側面断面図である。図2に示すように、カバー10bは、回動軸10cを中心として回転することにより、本体側筐体10aから開かれる。その際に、カバー10bに取り付けられているプラテンローラ13、ラベルセンサ15、及び、カッタユニット60も、カバー10bと共に回動する。
【0023】
図3は、図1に示すカッタユニットの外観を示す斜視図である。カッタユニット60の周囲は、カッタカバー70で覆われており、カッタカバー70には、用紙を排出するための排出口70aが形成されている。排出口70aの一方の側(図中上側)においては、カッタカバー70に形成された孔から固定ノブ71が突出しており、排出口70aの他方の側(図中下側)においては、カッタカバー70に形成された長孔から可動ノブ72が突出している。
【0024】
図4は、図1に示すカッタユニットの内部構造を示す斜視図である。カッタユニット60は、カッタカバー70(図3)内において用紙に対して一定の位置を保つように配置された固定刃61と、カッタカバー70内において固定刃61に対向して移動可能に保持された可動刃62と、可動刃62を固定刃61と反対方向に付勢する少なくとも1つのばね(図4においては、2つのばね63a及び63bを示す)と、固定刃61に取り付けられた固定ノブ71と、可動刃62に取り付けられて可動刃62と連動する可動ノブ72とを有している。なお、固定ノブ71は、カッタカバー70に取り付けられても良いし、カッタカバー70と一体に形成されても良い。
【0025】
この例においては、固定刃61が、2つの固定刃支持部材64a及び64bによって支持されており、可動刃62が、2つの可動刃支持部材65a及び65bによって支持されている。さらに、固定刃支持部材64a及び64bに対して可動刃支持部材65a及び65bを平行移動可能に保持する2つのガイド軸66a及び66bが設けられており、ガイド軸66a及び66bは、対向する固定刃支持部材64a及び64bと可動刃支持部材65a及び65bとがそれぞれ離反するように付勢する2つのばね63a及び63bを保持している。ガイド軸66aの両端には、固定リング67a及び68aが取り付けられており、ガイド軸66bの両端には、固定リング67b及び68bが取り付けられている。
【0026】
カッタユニット60は、動力となるモータや、モータを駆動する回路基板が不要であり、コンパクトで軽量、かつ、安価であると共に、プリンタの筐体からの取り外しも容易である。特に、バッテリー駆動方式の携帯プリンタにおいては、電力を消費しないので、バッテリーの寿命を短縮させるおそれがないという特徴を有している。
【0027】
図5は、図1に示すカッタユニットを用いて用紙を切断する手順を示す側面断面図である。ラベル発行時に、プリンタの筐体に形成された用紙排出口から排出される用紙11は、図5の(a)に示すように、カッタカバー70に形成されている挿入口70bからカッタユニットの内部に挿入され、固定刃61と可動刃62との間を通過して、排出口70aからカッタユニットの外部に排出される。
【0028】
所望枚数のラベルの発行が完了すると、図5の(b)に示すように、発行されたラベルが、排出口70aからカッタユニットの外部に排出された状態となる。そのような状態において、オペレータが、片手(例えば、人差し指と親指)で固定ノブ71と可動ノブ72とを摘んで、固定ノブ71と可動ノブ72との間の距離を縮めることにより、ばねの付勢力に対抗して可動刃62を固定刃61に向けて移動させて、固定刃61と可動刃62とによって用紙11を切断することができる。
【0029】
その後、図5の(c)に示すように、オペレータが指をずらして用紙11を摘むことにより、ばねの付勢力によって可動刃62がホームポジションに移動する。一方、オペレータは、切断された用紙11をそのまま掴み取ることができる。
【0030】
ここで、固定ノブ71の上面と可動ノブ72の下面との間の距離は、オペレータが片手で摘めるように、10cm以下であることが望ましい。また、固定刃61のストロークを考慮すると、固定ノブ71の上面と可動ノブ72の下面との間の距離が2cm以上であることが望ましい。
【0031】
図6は、本発明の一実施形態におけるスリットセンサの動作を説明するための概略図である。カッタカバー70(図3)内には、可動刃62が印字媒体を切断する位置にあるか否かを検出するスリットセンサ80が設けられている。スリットセンサ80は、例えば、電流が流れることにより光を発生する発光ダイオードを含む発光部と、発光ダイオードから発生する光を検出するフォトトランジスタを含む受光部とを有しており、発光部と受光部とが、所定の間隔で向き合うように配置されている。
【0032】
図6の(a)は、ラベル発行時におけるカッタユニットとスリットセンサとの位置関係を示している。ラベル発行時においては、カッタユニットの可動刃62がスリットセンサ80の発光部と受光部との間に位置しているので、発光部から発生した光が可動刃62によって遮られて受光部に入射せず、スリットセンサ80の出力信号が非活性化される。これにより、可動刃62が切断位置にないことが検出される。
【0033】
図6の(b)は、ラベル切断時のカッタユニットとスリットセンサとの位置関係を示している。ラベル切断時においては、カッタユニットの可動刃62が切断位置に移動することにより、可動刃62がスリットセンサ80の発光部と受光部との間に位置しなくなるので、発光部から発生した光が受光部に入射し、スリットセンサ80の出力信号が活性化される。これにより、可動刃62が切断位置にあることが検出される。
【0034】
図6の(c)は、ラベル切断完了時のカッタユニットとスリットセンサとの位置関係を示している。ラベル切断完了時においては、ばねの付勢力によってカッタユニットの可動刃62がホームポジションに戻り、可動刃62がスリットセンサ80の発光部と受光部との間に位置しているので、発光部から発生した光が可動刃62によって遮られて受光部に入射せず、スリットセンサ80の出力信号が非活性化される。これにより、可動刃62が切断位置にないことが検出される。
【0035】
図7は、図1に示す制御部の構成例を示すブロック図である。制御部30は、CPU(central processing unit:中央演算装置)31と、ROM(read only memory)32と、RAM(random access memory)33と、搬送制御回路34と、印字制御回路35と、ラベル検出回路36と、用紙切断検出回路37と、内部インタフェース38と、通信インタフェース39とを含んでおり、これらはバスラインを介して相互に接続されている。CPU31は、内部インタフェース38を介して入力部20及び表示部40に接続されると共に、通信インタフェース39及び赤外線通信部90を介して、外部のハンディターミナル等の携帯端末と通信を行う。
【0036】
ROM32には、プリンタの動作を制御するためのソフトウェア(制御プログラム)が格納されている。RAM33には、入力部20又は外部の携帯端末から受信した印字データが一時的に格納される。CPU31は、ROM32に格納されている制御プログラムに従って、搬送制御回路34や印字制御回路35等を制御する。
【0037】
次に、本発明の一実施形態に係るプリンタの動作について、図7を参照しながら説明する。以下においては、用紙として、台紙(セパレータ)上に複数のラベルが一定間隔で仮着されているラベル連続体を用いる場合について説明する。
【0038】
CPU31の制御の下で、搬送制御回路34が、ステッピングモータ14を動作させ、印字制御回路35が、RAM33に格納されている印字データに基づいてサーマルヘッド12に印字信号を供給する。これにより、ラベルの搬送及び印字が行われて、ラベルが発行される。
【0039】
ラベルが発行されると、オペレータは、カッタユニット60(図1)を用いて、発行されたラベルが仮着されている台紙を切断する。用紙切断検出回路37は、スリットセンサ80の出力信号が一旦活性化されることに基づいて、台紙が切断されることを検出し、スリットセンサ80の出力信号が再び非活性化されることに基づいて、台紙の切断が完了したことを検出する。
【0040】
台紙の切断が完了したことが検出されると、CPU31の制御の下で、搬送制御回路34が、ステッピングモータ14を動作させ、印字制御回路35が、RAM33に格納されている印字データに基づいてサーマルヘッド12に印字信号を供給することにより、次のラベルの搬送及び印字が行われる。
【0041】
これにより、オペレータが、印字された用紙を手動で切断した後に、ハンディターミナル等を用いてデータを再度送信したり、又は、プリンタ本体側で発行キーを押下したりする等の面倒な操作をしなくても、次のラベルを自動的に発行することができる。また、台紙がなく複数のラベルが連続しているラベル連続体を用いる場合においても、オペレータがラベルを切断して取り去ってから次のラベルが発行されるので、複数のラベルが次々と発行されてラベル詰まりが生じてしまうおそれがない。また、ラベルの厚みや材質が変わっても、切断の検出には何ら影響を及ぼすことがない。
【0042】
このラベル自動発行動作は、入力部20を用いる設定によってオン/オフできるようにしても良い。さらに、自動的に発行するラベルの枚数を、入力部20を用いて予め設定できるようにしても良い。その場合に、次の2つのラベル自動発行モードを用いることができる。第1のラベル自動発行モードにおいては、印字するラベルの枚数が設定されている場合に、制御部30が、設定された枚数のラベルの各々について、印字媒体の切断が完了したことを検出したときに、1枚ずつラベルの搬送及び印字を行うようにステッピングモータ14及びサーマルヘッド12を制御する。
【0043】
図8は、第1のラベル自動発行モードにおけるプリンタの動作を示すフローチャートである。まず、オペレータが、ハンディターミナル等を用いて印字データと共に、自動的に発行するラベルの枚数情報(ここでは、3枚とする)をプリンタに向けて送信する。
【0044】
ステップS11において、ハンディターミナル等から送信された印字データ及びラベル枚数情報をプリンタが受信し、ステップS12において、制御部30が、1枚ずつラベルの搬送及び印字を行うようにステッピングモータ14及びサーマルヘッド12を制御することにより、プリンタが1枚目のラベルを自動的に発行する。
【0045】
ステップS13において、オペレータがカッタユニットを用いて台紙を切断すると、ステップS14において、プリンタが2枚目のラベルを自動的に発行する。また、ステップS15において、オペレータがカッタユニットを用いて台紙を切断すると、ステップS16において、プリンタが3枚目のラベルを自動的に発行する。さらに、ステップS17において、オペレータがカッタユニットを用いて台紙を切断すると、設定枚数である3枚のラベルが既に発行されているので、制御部30が処理を終了する。
【0046】
一方、第2のラベル自動発行モードにおいては、制御部30が、ハンディターミナル等から送信されたラベルの枚数情報に基づく枚数分だけラベルの搬送及び印字を行うようにステッピングモータ14及びサーマルヘッド12を制御する。
【0047】
図9は、第2のラベル自動発行モードにおけるプリンタの動作を示すフローチャートである。まず、オペレータが、ハンディターミナル等を用いて印字データと共に、自動的に発行するラベルの枚数情報(ここでは、3枚とする)をプリンタに向けて送信する。
【0048】
ステップS21において、ハンディターミナル等から送信された印字データ及びラベル枚数情報をプリンタが受信し、ステップS22において、制御部30が、台紙の切断が完了したことを検出し、3枚分だけラベルの搬送及び印字を行うようにステッピングモータ14及びサーマルヘッド12を制御することにより、プリンタが3枚のラベルを連続して自動的に発行する。なお、ステップS22において、既に発行されているラベルが存在しない場合であっても、オペレータがカッタユニットを同様に操作することによって、ステップS22におけるラベルの自動発行が行われる。ステップS23において、オペレータがカッタユニットを用いて台紙を切断すると、設定枚数である3枚のラベルが既に発行されているので、制御部30が処理を終了する。
【0049】
上記の第1及び第2のラベル自動発行モードの内のいずれか一方を制御プログラムに設定するようにしても良いし、オペレータが入力部20を用いて両者の内から一方を選択できるようにしても良い。
【0050】
以上においては、用紙として、台紙上に複数のラベルが一定間隔で仮着されているラベル連続体を用いる場合について説明したが、台紙がなく複数のラベルが連続しているラベル連続体を用いる場合においても、同様の処理を行うことができる。
【0051】
その場合には、図4に示す可動刃62及び/又は固定刃61の少なくとも先端部に、非粘着のコーティングが施されていることが望ましい。これにより、ラベルの裏面に形成されている粘着剤が可動刃62及び/又は固定刃61に付着し難くなり、刃先の耐久性を向上させることができる。
【符号の説明】
【0052】
10a 本体側筐体
10b カバー
10c 回動軸
11 用紙
12 サーマルヘッド
13 プラテンローラ
14 ステッピングモータ
15 ラベルセンサ
20 入力部
30 制御部
31 CPU
32 ROM
33 RAM
34 搬送制御回路
35 印字制御回路
36 ラベル検出回路
37 用紙切断検出回路
38 内部インタフェース
39 通信インタフェース
40 表示部
50 電源部
60 カッタユニット
61 固定刃
62 可動刃
63a、63b ばね
64a、64b 固定刃支持部材
65a、65b 可動刃支持部材
66a、66b ガイド軸
67a、67b、68a、68b 固定リング
70 カッタカバー
70a 排出口
70b 挿入口
71 固定ノブ
72 可動ノブ
80 スリットセンサ
90 赤外線通信部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
印字媒体を搬送して印字を行うプリンタであって、
ロール状に巻回された印字媒体を収納するための収納部が形成された筐体と、
前記筐体内に設けられたモータによって駆動されて回転することにより、印字媒体を搬送するプラテンローラと、
前記プラテンローラに対向して配置され、印字媒体に印字を行うサーマルヘッドと、
前記筐体に装着されたカッタカバー内において一定の位置を保つように配置された固定刃、及び、前記カッタカバー内において前記固定刃に対向して移動可能に保持された可動刃を備え、印字媒体を手動で切断するために用いられるカッタユニットと、
前記可動刃が印字媒体を切断する位置にあるか否かを検出するセンサと、
前記センサの出力信号に基づいて印字媒体の切断が完了したことを検出したときに、次の印字媒体の搬送及び印字を行うように前記モータ及び前記サーマルヘッドを制御する制御部と、
を具備するプリンタ。
【請求項2】
前記可動刃及び/又は前記固定刃の少なくとも先端部に、非粘着のコーティングが施されている、請求項1記載のプリンタ。
【請求項3】
少なくとも前記モータ及び前記サーマルヘッドを駆動するための電源を供給するバッテリーをさらに具備する、請求項1又は2記載のプリンタ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2010−179462(P2010−179462A)
【公開日】平成22年8月19日(2010.8.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−22185(P2009−22185)
【出願日】平成21年2月3日(2009.2.3)
【出願人】(307010993)株式会社サトー知識財産研究所 (588)
【出願人】(000130581)株式会社サトー (1,153)
【Fターム(参考)】