説明

プレキャスト床版の施工方法およびプレキャスト部材の搬送装置

【課題】大型クレーンを使用せずにプレキャスト部材を揚重、敷設することができる。
【解決手段】揚重工程では、プレキャスト部材3の敷設高さに達すると共にプレキャスト部材3が積載されるテーブル(積載面)23と、テーブル23と共に水平方向に走行可能な走行手段22と、テーブル23をプレキャスト部材3の敷設高さの上下に昇降可能な昇降手段24とを備えプレキャスト床版3の敷設階n階の直下階n−1階に設置されたリフト台車(搬送装置)21にプレキャスト部材3を積載し、搬送工程では、リフト台車21を水平方向に移動させてプレキャスト部材3を搬送して、敷設工程では、テーブル23でプレキャスト部材3をプレキャスト部材3の敷設高さよりも高い位置に保持し、テーブル23を下降させてプレキャスト部材3を敷設高さに設置して、さらにテーブル23を下降させてプレキャスト部材3とテーブル23とを離間させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレキャスト床版の施工方法およびプレキャスト部材の搬送装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、中小規模の事務所ビルをRC造で建設することが検討されている。そして、柱スパンを大きくとり、広い無柱空間を実現させて事務所ビルの価値を向上させるために、床スラブにPC鋼線入りのフルプレキャスト床版およびハーフプレキャスト床版(以下、プレキャスト床版とする)を採用することが多い。
このようなプレキャスト床版を構成するプレキャスト部材は、単材重量が約2〜5t前後となるため、大型クレーンを使用して揚重、敷設を行っている。
【0003】
また、特許文献1には、大型クレーンを使用せずに資機材を揚重する装置として、建築物の上部階に巻上機を設置し、建築物の各階に荷受構台を設けて、巻上機がワイヤーを介して資材を吊り上げて、所定階の荷受構台に資材を移動させる揚重装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特許第2833732号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1による揚重装置では、所定階の荷受構台に吊り上げられた資材を同一階の所定の位置に移動させる手段が開示されていないので、資材が重量のあるプレキャスト床版用のプレキャスト部材の場合は適用が難しかった。
このため、プレキャスト床版の施工には大型クレーンが必要となるが、大型クレーンを設置するには、コストがかかると共に、広い設置スペースを確保しなければならず、大型クレーンの組み立ておよび解体に工期がかかるという問題があった。
【0006】
本発明は、上述する問題に鑑みてなされたもので、大型クレーンを使用せずにプレキャスト部材を揚重、敷設することができるプレキャスト床版の施工方法およびプレキャスト部材の搬送装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記目的を達成するため、本発明に係るプレキャスト床版の施工方法は、複数のプレキャスト部材から構成されるプレキャスト床版の施工方法であって、前記プレキャスト部材を揚重する揚重工程と、前記プレキャスト部材を水平方向に搬送する搬送工程と、前記プレキャスト部材を所定の位置に敷設する敷設工程とを有し、前記揚重工程では、前記プレキャスト部材の敷設高さに達すると共に前記プレキャスト部材が積載される積載面と、前記積載面と共に水平方向に走行可能な走行手段と、前記積載面を前記プレキャスト部材の敷設高さの上下に昇降可能な昇降手段とを備え前記プレキャスト床版の敷設階の直下階に設置された搬送装置に前記プレキャスト部材を積載し、前記搬送工程では、前記搬送装置を水平方向に移動させて前記プレキャスト部材を搬送して、前記敷設工程では、前記積載面で前記プレキャスト部材を前記プレキャスト部材の敷設高さよりも高い位置に保持し、前記積載面を下降させて前記プレキャスト部材を敷設高さに設置して、さらに前記積載面を下降させて前記プレキャスト部材と前記積載面とを離間させることを特徴とする。
【0008】
本発明では、揚重工程で搬送装置の積載面にプレキャスト部材を積載し、搬送工程で搬送装置を水平方向に移動させて前記プレキャスト部材を所定の位置に搬送して、敷設工程で積載面を昇降させて所定の高さにプレキャスト部材を敷設していることにより、揚重工程を行う揚重装置には荷揚げが可能な小規模なクレーンを使用すればよく、揚重と水平移動を行う大型クレーンを設置する必要がないので、クレーンの設置スペースを縮小することができると共に、仮設工事にかかるコストを削減することができる。また、大型クレーンを設置する場合と比べ、クレーンの組立や解体にかかる日数を短縮させることができる。
【0009】
また、本発明に係るプレキャスト床版の施工方法では、前記プレキャスト床版は、前記プレキャスト部材と現場打ちコンクリートで構成されたハーフプレキャスト床版であって、前記搬送工程では、プレキャスト部材と共に前記現場打ちコンクリートの鉄筋を搬送し、前記敷設工程では、前記現場打ちコンクリートの配筋を行うことが好ましい。
【0010】
本発明では、搬送工程では、プレキャスト部材と共に現場打ちコンクリートの鉄筋を搬送し、敷設工程では、現場打ちコンクリートの配筋を行うことにより、鉄筋の搬送にかかる時間を短縮できると共に、プレキャスト部材の敷設と配筋とを同時に行えるので、工期を短縮することができる。
【0011】
本発明に係るプレキャスト部材の搬送装置は、プレキャスト床版を構成するプレキャスト部材を搬送する装置であって、前記プレキャスト床版の敷設階の直下階に設置されて、上端面に前記プレキャスト部材の敷設高さに達すると共に前記プレキャスト部材が積載される積載面と、前記積載面と共に水平方向に走行可能な走行手段と、前記積載面を前記プレキャスト部材の敷設高さの上下に昇降可能な昇降手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
本発明では、プレキャスト部材を水平方向に搬送し、上下方向に昇降させて所定の位置に敷設できるので、プレキャスト部材を揚重して敷設する際に、プレキャスト部材の揚重には、荷揚げが可能な小規模な揚重装置を使用すればよく、大型クレーンなどの揚重装置を使用する場合と比べて、揚重装置の設置スペースの縮小やコストの削減を図ることができる。
【0013】
また、本発明に係るプレキャスト部材の搬送装置では、前記積載面には、前記積載面を水平方向に移動可能な小台車が設けられていて、前記台車に前記プレキャスト部材が積載されることが好ましい。
本発明では、積載面に小台車が設けられていることにより、台車でプレキャスト部材を敷設する位置の微調整を行うことができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、プレキャスト部材の揚重は揚重装置で行い、揚重されたプレキャスト部材の水平方向の搬送および敷設を搬送装置で行うので、揚重装置には荷揚げが可能な小規模なクレーンを使用すればよく、揚重と水平移動を行う大型クレーンを設置する必要がないので、クレーンの設置スペースを縮小することができ、仮設工事にかかるコストの削減や、工期の短縮を実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の実施の形態による構造物の一例を示す図である。
【図2】(a)は図1のA−A線断面図、(b)は図1のB−B線断面図である。
【図3】(a)は先行床を説明する図、(b)は(a)のC−C線断面図、(c)は先行床にスラブ筋が仮置きされている様子を示す図である。
【図4】(a)はリフト台車の設置を示す図、(b)は(a)のD−D線断面図、(c)は、リフト台車にプレキャスト部材およびスラブ筋が積載された様子を示す図である。
【図5】(a)はプレキャスト部材とスラブ筋の搬送を説明する、(b)は(a)のE−E線断面図である。
【図6】(a)乃至(c)はプレキャスト部材の敷設の手順を説明する図である。
【図7】積載位置の上方にプレキャスト部材が敷設されていない様子を示す図である。
【図8】積載位置の上方にプレキャスト部材が敷設された様子を示す図である。
【図9】(a)は、プレキャスト部材とスラブ筋とが敷設された様子を示す図、(b)は(a)のF−F線断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施の形態によるプレキャスト床版について、図1乃至図4に基づいて説明する。
図1および図2(a)、(b)に示すように、本実施の形態による構造物1は、中小規模のRC造の事務所ビルで、床スラブにPC鋼線入りのハーフプレキャスト床版2が施工される。
ハーフプレキャスト床版2は、中央部に複数のプレキャスト部材3が配列されて、外縁部およびプレキャスト部材3の上部に現場打ちコンクリート4が打設される構成である。プレキャスト部材3は工場などで予め作成されたPC鋼線入りのロングスパンの部材である。
図中では、5は柱を示し、6は梁を示す。なお、梁6は現場打ちコンクリート4と一体に形成されてもよい。
【0017】
図1に示すように、構造物1が建設される敷地Gは、1面だけが道路Rに接し、間口Wが約20m、奥行きDが約30mで、道路R側の一部の領域G1には立体駐車場Pの建設が計画されている。
構造物1を建設する過程では、立体駐車場Pは建設されていなく、この領域G1に資材を荷揚げするクレーン(揚重手段)11が設置される。
クレーン11は、例えば、吊り上げ荷重が2.8t程度で旋回半径が12m程の比較的小型の固定式クレーンとする。図中の二点差線がクレーン11の旋回範囲11aを示す。
【0018】
次に、本実施の形態におけるハーフプレキャスト床版の施工方法について図3乃至図9に基づいて説明する。
本実施の形態では、n階のハーフプレキャスト床版2を施工する。このとき、n−1階のハーフプレキャスト床版2は完成している。
プレキャスト部材3や現場打ちコンクリート4のスラブ筋4aなどの資材は、クレーン11で揚重可能な位置に設けられた図示しない資材置き場に仮置きされている。本実施の形態では、クレーン11でプレキャスト部材3およびスラブ筋4aを揚重し、このプレキャスト部材3およびスラブ筋4aをn−1階に設置されて、水平方向に走行可能なリフト台車21(図5参照)に積載して、リフト台車21を移動させてプレキャスト部材3およびスラブ筋4aを所定の位置に敷設している。
【0019】
図4に示すように、リフト台車21は、n−1階のハーフプレキャスト床版2上を走行する走行手段22と、走行手段22の上方に設置されてプレキャスト部材3やスラブ筋4aなどの資材を積載するテーブル23と、テーブル23を昇降させる昇降手段24とから概略構成される。本実施の形態では、テーブル23の上部に水平方向に移動可能な小台車(台車)25が設けられていて、小台車25はプレキャスト部材3やスラブ筋4aなどの資材が積載される小台車テーブル25aを備えている。
【0020】
昇降手段24は、例えばシザースなどで、テーブル23を約1m昇降させることができる。昇降手段24によってテーブル23が上昇した際には小台車テーブル25aがn階のハーフプレキャスト床版2の敷設高さよりも上方に位置し、下降した際には小台車テーブル25aがn階のハーフプレキャスト床版2の敷設高さよりも下方に位置するようにする。
本実施の形態では、一対のリフト台車21が連結材26によって連結されている。リフト台車21は、自走式でもよく、また、ウインチなどによる牽引式であってもよい。
【0021】
次に、ハーフプレキャスト床版の施工方法を工程ごとに説明する。
まず、図3(a)、(b)に示す先行床12をn階に施工する工程を行う。
先行床12は、n階のプレキャスト部材3のうちの道路R側に設置される複数のプレキャスト部材3によって形成されている。先行床12のプレキャスト部材3は、n−1階のハーフプレキャスト床版2上に設置されたプレキャスト部材サポート13によって下側から支持されている。プレキャスト部材サポート13は、ハーフプレキャスト床版2の完成後に撤去される。
先行床12は、n階の現場打ちコンクリート4用のスラブ筋4aの仮置き場となるので、このスラブ筋4aを仮置きできる広さとなるように形成されていることが好ましい。
【0022】
先行床12の施工は、まず、プレキャスト部材サポート13を先行床12の下方のn−1回のハーフプレキャスト床版2上に設置する。そして、先行床12となるプレキャスト部材3をクレーン11で揚重して、プレキャスト部材サポート13上にプレキャスト部材3を敷設する。
また、先行床12の施工と前後して、ハーフプレキャスト床版2の現場打ちコンクリート4の型枠14を設置する。型枠14は、n−1階のハーフプレキャスト床版2上に設置された型枠サポート15によって下側から支持されている。
【0023】
次に、図3(c)に示すように、スラブ筋4aを先行床12上に搬入する。
スラブ筋4aをクレーン11で揚重し、先行床12上に仮置きする。
次に、リフト台車21をn−1階のハーフプレキャスト床版2上に搬入する。
リフト台車21をクレーン11で揚重し、n−1階のハーフプレキャスト床版2上に設置する。なお、リフト台車21の搬入は、先行床12の施工やスラブ筋4aの搬入より先に行ってもよい。
【0024】
次に、プレキャスト部材3を構造物1内に搬入する。
図4(a)、(b)に示すように、資材置き場からプレキャスト部材3をクレーン11で吊り上げて、リフト台車21の小台車テーブル25aに積載する。このとき、リフト台車21は先行床12と近い位置(以下、積載位置P1とする)に設置されている。
【0025】
次に、図4(c)に示すように、リフト台車21に積載されたプレキャスト部材3上に、先行床12に仮置きされているスラブ筋4aを積載する。
プレキャスト部材3は、1つずつリフト台車21に積載し、スラブ筋4aは1つのプレキャスト部材3に積載可能な量とする。
【0026】
次に、プレキャスト部材3の敷設を行う。
プレキャスト部材3の設置は、先行床12と離れている側から行う。
図5(a)、(b)に示すように、リフト台車21を積載されたプレキャスト部材3を敷設位置P2まで搬送する。そして、小台車25を移動させてプレキャスト部材3の位置を調整する。
また、プレキャスト部材3の敷設に先行してプレキャスト部材サポート13を設置しておく。
このとき、走行するリフト台車21およびリフト台車21で搬送されるプレキャスト部材3とプレキャスト部材サポート13が緩衝しないように、プレキャスト部材サポート13の位置や、プレキャスト部材3の高さを調整する。プレキャスト部材3の高さはプレキャスト部材サポート13の上側に位置させる。
【0027】
そして、図6(a)に示すように、昇降手段24によって小台車テーブル25a下降させてプレキャスト部材3をプレキャスト部材サポート13の上部と当接させる。更に、図6(b)に示すように、小台車テーブル25aを下降させて、小台車テーブル25aとプレキャスト部材3とを離間させる。その後、図6(c)に示すように、リフト台車21を積載位置P1へ移動させる。
このようにして、プレキャスト部材サポート13上にプレキャスト部材3が設置される。
【0028】
続いて、リフト台車21を図4に示す積載位置P1に戻し、上述したリフト台車21にプレキャスト部材3とスラブ筋4aとを積載し、搬送して敷設する工程を繰り返してプレキャスト部材3およびスラブ筋4aを所定の位置に敷設する。
また、プレキャスト部材3を敷設すると共にスラブ筋4aの配筋を行う。
そして、図7に示すように、リフト台車21の積載位置P1の上方を除いてプレキャスト部材3を設置する。
【0029】
次に、リフト台車21の撤去を行う。
積載位置P1の上方からリフト台車21をクレーン11で吊り上げて撤去する。
次に、図8に示すように、積載位置P1の上方のプレキャスト部材3を資材置き場からクレーン11で吊り上げて設置する。そして、積載位置P1の上方のプレキャスト部材3および先行床12の配筋を行う。
このようにして、図9(a)、(b)に示すように、プレキャスト部材3の敷設およびスラブ筋4aの配筋が終了する。
【0030】
次に、図1に示すプレキャスト部材3の外縁部および上部の現場打ちコンクリート4を打設し、この現場打ちコンクリート4が硬化してハーフプレキャスト床版2が完成する。
【0031】
次に、上述したハーフプレキャスト床版の施工方法の効果について図面を用いて説明する。
上述した本実施の形態によるハーフプレキャスト床版の施工方法では、プレキャスト部材3を設置する際に、プレキャスト部材3をクレーン11にて揚重し、リフト台車21で水平方向に移動させていることにより、クレーン11は主に揚重手段として使用するのでクレーン11の規模を大きくして旋回範囲を広くしなくてもハーフプレキャスト床版2の敷設を行うことができる効果を奏する。
また、クレーン11を大型のクレーンとしないでよいので、クレーン11の設置場所を縮小することができると共に、コストを削減することができる。
また、大型のクレーンを設置することに比べて、クレーン11の組み立てや解体にかかる日数を短縮でき、工期を短縮することができる。
また、中小規模のビルにハーフプレキャスト床版2を導入できるので、中小規模のビルのRC化を促進することができる。
【0032】
以上、本発明によるプレキャスト床版の施工方法の実施の形態について説明したが、本発明は上記の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更可能である。
例えば、上述した実施の形態では、ハーフプレキャスト床版2を施工しているが、フルプレキャスト床版の施工に適用してもよい。
また、上記の実施の形態では、搬送装置は小台車25が設置されたリフト台車21であるが、小台車25が設置されていないリフト台車21としてもよい。
また、上記の実施の形態では、一対のリフト台車21を連結して使用しているが、1台のリフト台車21としてもよく。3台以上のリフト台車21を連結してで資材を搬送してもよい。
また、上記の実施の形態では、クレーン11は、固定式クレーンで敷地G内の領域G1に設置されているが、揚重作業を行う時のみに道路Rに移動式クレーンを設置して作業を行ってもよい。
また、上記の実施の形態では、プレキャスト部材3をn−1回に設置されたプレキャスト部材サポート13で支持しているが、柱5や梁6などに支持された部材によってプレキャスト部材3を支持してもよい。
【符号の説明】
【0033】
1 構造物
2 ハーフプレキャスト床版(プレキャスト床版)
3 プレキャスト部材
4 現場打ちコンクリート
4a スラブ筋(鉄筋)
11 クレーン(揚重装置)
12 先行床
13 プレキャスト部材サポート(仮設支持部材)
21 リフト台車(搬送装置)
22 走行手段
23 テーブル(積載面)
24 昇降手段
25 小台車(台車)
25a 小台車テーブル(積載面)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数のプレキャスト部材から構成されるプレキャスト床版の施工方法であって、
前記プレキャスト部材を揚重する揚重工程と、
前記プレキャスト部材を水平方向に搬送する搬送工程と、
前記プレキャスト部材を所定の位置に敷設する敷設工程とを有し、
前記揚重工程では、前記プレキャスト部材の敷設高さに達すると共に前記プレキャスト部材が積載される積載面と、前記積載面と共に水平方向に走行可能な走行手段と、前記積載面を前記プレキャスト部材の敷設高さの上下に昇降可能な昇降手段とを備え前記プレキャスト床版の敷設階の直下階に設置された搬送装置に前記プレキャスト部材を積載し、前記搬送工程では、前記搬送装置を水平方向に移動させて前記プレキャスト部材を搬送して、前記敷設工程では、前記積載面で前記プレキャスト部材を前記プレキャスト部材の敷設高さよりも高い位置に保持し、前記積載面を下降させて前記プレキャスト部材を敷設高さに設置して、さらに前記積載面を下降させて前記プレキャスト部材と前記積載面とを離間させることを特徴とするプレキャスト床版の施工方法。
【請求項2】
前記プレキャスト床版は、前記プレキャスト部材と現場打ちコンクリートで構成されたハーフプレキャスト床版であって、
前記搬送工程では、プレキャスト部材と共に前記現場打ちコンクリートの鉄筋を搬送し、前記敷設工程では、前記現場打ちコンクリートの配筋を行うことを特徴とする請求項1に記載のプレキャスト床版の施工方法。
【請求項3】
プレキャスト床版を構成するプレキャスト部材を搬送する装置であって、
前記プレキャスト床版の敷設階の直下階に設置されて、上端面に前記プレキャスト部材の敷設高さに達すると共に前記プレキャスト部材が積載される積載面と、前記積載面と共に水平方向に走行可能な走行手段と、前記積載面を前記プレキャスト部材の敷設高さの上下に昇降可能な昇降手段とを備えることを特徴とするプレキャスト部材の搬送装置。
【請求項4】
前記積載面には、前記積載面を水平方向に移動可能な台車が設けられていて、前記小台車に前記プレキャスト部材が積載されることを特徴とする請求項3に記載のプレキャスト部材の搬送装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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