説明

プレナムケーブル−エージング特性に優れた難燃層/部品

本発明は、難燃性およびエージング特性に優れたプレナムケーブル部品である。本発明のプレナムケーブル部品は、オレフィンポリマーおよび表面処理された金属水酸化物を含むポリオレフィン系組成物から製造される。表面処理によって異なるが、組成物は他の成分を含んでもよい。本発明はまた、セパレータとしてのプレナムケーブル部品製造用の組成物の選択方法、および、それらから通信ケーブルを製造する方法でもある。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、全国防火協会262、空調空間で用いる電線・ケーブルの炎伝播および煙の標準試験法、2002年度版(National Fire Protection Association 262: Standard Method of Test for Flame Travel and Smoke of Wires and Cables for Use in Air-Handling Spaces, 2002 Edition、「NFPA-262」)の要求条件を満たすよう設計され、良好なエージング特性を示すプレナムケーブル(a plenum cable)に関する。詳細には、本発明は、卓越したエージング、電気特性を有する、難燃層/部品の製造に有用なポリオレフィン系組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
プレナムケーブルは高程度の難燃性能を発揮する。これらは、過剰な煙または火の拡散が著しい危険を引き起こす密閉空間内、例えばオフィスビル内のつり天井より上のプレナムエアスペース(plenum air space)において用いるために開発された。例えば、プレナムケーブルが「ツイストペア」タイプの通信ケーブルの場合には、その難燃性能はケーブル全体の設計、特に被覆、絶縁された導体のツイストペア、および、いずれかのコアテープまたはセパレータ部品の材質によって左右される。
【0003】
建物設計において、プレナムケーブルは、火災が発生した場合に、建物全体への炎の拡散、ならびに、煙の発生および拡散を防止することが必要である。建物の空調スペース内への設置を目的とするケーブル類は特に、アンダーライターズ・ラボラトリーズ・インク(Underwriters Laboratories Inc、UL)規定の燃焼試験、UL−910、またはそれと同等のカナダ規格協会(Canadian Standards Association、CSA)の試験、FT6に合格することが要求される。このUL−910およびFT6は、NECおよびCECがそれぞれ確立した、火炎評価ヒエラルキーの頂点を示す。UL−910はNFPA−262と同等である。
【0004】
プレナムチャンバー内に設置されるデータ規格電気通信ケーブルの一般的設計では、煙および火炎の拡散が低い被覆材料を用いる。被覆材料の例としては、充填PVC配合物およびフルオロポリマー材料が挙げられる。
【0005】
被覆は、各導体が個別に低い誘電率および低い誘電正接(dissipation factor)を有する材料で絶縁された、撚り合わされた導体対の芯材を取り巻く。(低誘電率および低誘電正接は、良好な高周波信号「データ規格」伝送に望ましい。)良好な材料電気性能と良好な材料燃焼特性を兼ね備えるため、ペルフルオロエチレン−プロピレンコポリマー(FEP)材料は絶縁材料として広く用いられている。
【0006】
しかし、FEPは高価な材料である。従って、全体的に許容可能な性能を備える低廉な代替品を発見することに、大きな関心が寄せられてきた。
【0007】
ハロゲン難燃添加剤システムを含有する難燃ポリオレフィン組成物が、プレナム絶縁用途において限定的に使用されているのは、既に見受けられる。ハロゲン難燃ポリオレフィンは、場合により単層絶縁、または、FEPが導電体の一部(混合ペア設計(mixed pair design)におけるFEP絶縁電線を含む)または全部を絶縁する多層設計の構成要素として用いられる。FEPと比べ材料の費用が低く、高湿エージング後電気特性が良好であるにもかかわらず、ハロゲン難燃ポリオレフィン組成物をプレナムケーブルに用いることは、プレナムケーブル燃焼試験における性能が不十分なため、著しく限定されてきた。特に、これらのハロゲン難燃ポリオレフィン組成物をプレナムケーブルに組み込んだ場合には、低燃焼拡散および低発煙特性の望ましい組み合わせが得られず、UL−910ケーブル燃焼試験の失敗につながる。
【0008】
芯材はまた、導体対間の間隔を与え信号伝送性能を強化する、テープまたは押出プロファイルのセパレータを含んでもよい。これらのテープまたはセパレータ部品の電気的要求条件は、絶縁用途に適用されるものと類似しており、すなわち、誘電率および誘電正接電気特性が良好なことである。これらの材料は、煙および火炎の拡散が少ない、良好なケーブル燃焼特性にも貢献するはずである。FEPはセパレータ用途において従来用いられてきた材料であった。
【0009】
米国特許第6,639,152号は、固体難燃/発煙抑制ポリオレフィンをフッ素化ポリマーと共に用いてもよいことを主張するが、しかしこの’152特許は、市販の固体難燃/発煙抑制ポリオレフィン化合物は耐燃焼性に劣り、燃焼条件下では一般的にFEPよりも多く煙を発生する旨記載する。同様に、米国特許第5,789,711号および第6,222,130号、ならびに、特許出願公開US2001/0001426は、セパレータの製造にコポリマーを用い望ましい特性が達成可能である旨仮定しているが、コポリマーの候補、または、これらコポリマーの選択方法は開示されていない。
【0010】
さらに、米国特許第5,969,295号および欧州特許出願EP1162632は、セパレータに好適な材料はポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニルアロイ、ポリエチレン、ポリプロピレン、および、フッ素化ポリマーのような難燃材料である旨を示すが、依然として、前述の開示と同様に、これらはどのポリオレフィン材料が望ましい難燃および発煙抑制特性を与えるかの教示はしていない。
【0011】
米国特許第6,150,612号は、周波数範囲1.0MHzから400MHzにおける誘電率が3.5より大きいセパレータは望ましくない旨示し、そして、誘電率が2.5であり損失率が0.001である難燃ポリエチレン(FRPE)を含むセパレータを記載する。さらにこの’612特許は、ポリフルオロアルコキシ(PFA)、TFE/ペルフルオロメチルビニルエーテル(MFA)、エチレンクロロトリフルオロエチレン(CTFE)、ポリ塩化ビニル(PVC)、FEP、および、難燃ポリピロピレン(FRPP)が、セパレータの電気特性を達成するために好適な材料であり得る旨開示する。
【0012】
セパレータに適当な電気特性が強調されているが、’612特許はセパレータに適当な難燃または発煙抑制特性を記載しておらず、または、もしあるとしても、どのポリオレフィン材料が望ましい難燃特性を達成可能なのかを教示していない。かわりに’612特許では、被覆が望ましい電気特性を確実に達成することが中心となっている。
【0013】
興味深いことに、米国特許第6,074,503号は、プレナム用途における耐火性要求条件を達成するポリオレフィンを発見することの困難さを認識している。この’503特許は、プレナム用途における芯材は、固体の低誘電率フルオロポリマー、例えばエチレンクロロトリフルオロエチレン(E−CTFE)またはフッ素化エチレンプロピレン(FEP)、発泡フルオロポリマー、例えば発泡FEP、または、固体、低誘電率形態もしくは発泡体のいずれかであるポリ塩化ビニル(PVC)で形成されるべきことを開示する。’503特許は、固体または発泡難燃ポリオレフィンまたは類似の材料が、プレナム用途以外で好適である旨述べる。
【0014】
米国特許仮出願シリアル番号第60/603,588号は、NFPA−262の要求条件に合格するポリオレフィンを主成分とするセパレータを含む通信ケーブルを教示しているが、優れたエージング電気特性を示すポリオレフィン系セパレータを選択する方法の特定はしていない。その上、上記記載の文献のいずれも、所望される難燃特性、初期電気特性、および、エージング後電気特性を達成する方法を教示していない。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
プレナムケーブルの電気および難燃要求条件を容易に充足するのみでなく、所望の初期およびエージング後(経時)電気特性を維持する、ポリオレフィン系組成物の需要が存在する。特にこれらの組成物は、絶縁、テープおよびセパレータ用途において高価なFEPを代替して実質的な費用節約を提供するだろう。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明は、難燃性およびエージング特性に優れたプレナムケーブル部品である。このプレナムケーブル部品は、ポリオレフィン系組成物から製造される。本明細書に記載の態様では、ポリオレフィン系組成物はオレフィンポリマーおよび表面処理された金属水酸化物を含む。表面処理によって異なるが、組成物は他の成分を含んでもよい。本発明はまた、セパレータとしてのプレナムケーブル部品の製造向け組成物の選択方法、および、それらから通信ケーブルを製造する方法でもある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
本明細書で用いる「ポリマー」は、同一または異なる種類のモノマーを重合して製造された高分子化合物を意味する。「ポリマー」としては、ホモポリマー、コポリマー、ターポリマー、インターポリマー、その他が挙げられる。「インターポリマー」の語は、2種類以上のモノマーまたはコモノマーを重合して製造されるポリマーを意味する。これは、コポリマー(一般的に2つの異なる種類のモノマーまたはコモノマーから製造されるポリマーを指すが、多くの場合3つ以上の異なる種類のモノマーまたはコモノマーから製造されるポリマーを指す「インターポリマー」と区別無く用いられる)、ターポリマー(一般的に3つの異なる種類のモノマーまたはコモノマーから製造されるポリマーを指す)、テトラポリマー(一般的に4つの異なる種類のモノマーまたはコモノマーから製造されるポリマーを指す)、その他を含むが、これらに限定されない。「モノマー」または「コモノマー」の語は区別無く用いられ、ポリマーを製造するために反応器に加えられる、重合性原子団を有する任意の化合物を指す。ポリマーが1つ以上のモノマーを含むと記述される場合、例えばプロピレンおよびエチレンを含むポリマー、においては、ポリマーはもちろんモノマーから由来する単位、例えば−CH2CH2−を含み、モノマーそのもの、例えばCH2=CH2を含むわけではない。
【0018】
本発明は、難燃性およびエージング特性に優れたプレナムケーブル部品である。本発明のプレナムケーブル部品は、ポリオレフィン系組成物から製造される。プレナムケーブル部品はセパレータ、絶縁層、多層絶縁における構成材、テープラップ、または、ケーブル被覆であることが可能である。
【0019】
ポリオレフィン系組成物から作成した試験片は、非エージング誘電正接が約0.006以下であり、エージング後誘電正接が約0.009未満である。前記誘電正接は1.0MHzで測定する。エージング条件は、試験片を温度華氏90度および相対湿度90パーセントに2週間供することを含む。
【0020】
好適には、非エージング誘電正接およびエージング後誘電正接は、約0.003未満である。
【0021】
好適には、この試験片はまた、1.0MHzで測定された非エージング誘電正接が約3.3以下を示す。
【0022】
好適には、そして、非エージング誘電正接が約0.006以下であることに加え、エージング後誘電正接は、非エージング誘電正接の約150パーセント以下であるべきである。例えば、非エージング誘電正接が0.004の場合、エージング後誘電正接は約0.006以下であるべきである。
【0023】
第1の態様において、ポリオレフィン系組成物はオレフィンポリマーおよびリン系組成物で表面処理された金属水酸化物を含む。
【0024】
本明細書で用いる「オレフィンポリマー」は、1種類以上のオレフィンモノマーを含む任意のポリマーとして規定される。好適なオレフィンポリマーの例は、エチレンポリマー、エチレンポリマーのブレンド、プロピレンポリマー、プロピレンポリマーのブレンド、および、エチレンポリマーとプロピレンポリマーのブレンドである。好適には、オレフィンポリマーは実質的にハロゲンを含まない。また、好適にはオレフィンポリマーは非極性である。
【0025】
エチレンポリマーは、本明細書でその語を用いる場合、エチレンのホモポリマー、または、エチレンと、少量の1つ以上の3から12の炭素原子、および好適には4から8の炭素原子を有するアルファ−オレフィン、ならびに、場合によってジエン、とのコポリマー、または、そのようなホモポリマーおよびコポリマーの混合物もしくはブレンドである。混合物は、機械的ブレンドでもよいし、またはリアクター内ブレンド(in situ blend)でもよい。アルファ−オレフィンの例は、プロピレン、1−ブテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン、および、1−オクテンである。ポリエチレンはまた、エチレンとビニルエステル(例えば、酢酸ビニル、または、アクリル酸もしくはメタクリル酸エステル)のような不飽和エステルとのコポリマー、エチレンとアクリル酸のような不飽和酸とのコポリマー、または、エチレンとビニルシラン(例えば、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシラン)とのコポリマーでもよい。
【0026】
ポリエチレンは均一性でも不均一性でもよい。均一性ポリエチレンは通常、多分散性(Mw/Mn)が1.5から3.5の範囲内であり、本質的に均一なコモノマー分布を有する。不均一性ポリエチレンは通常、多分散性(Mw/Mn)が3.5より大きく、均一なコモノマー分布を有さない。Mwは重量平均分子量と定義され、Mnは数平均分子量と定義される。
【0027】
ポリエチレンは、密度が0.860から0.960グラム/立方センチメートルの範囲内、好適には密度が0.870から約0.955グラム/立方センチメートルの範囲内であってもよい。これらのメルトインデックスは、0.1グラム/10分から50グラム/10分の範囲内であってもよい。前記ポリエチレンがホモポリマーの場合、そのメルトインデックスは好適には0.3から3グラム/10分の範囲内である。メルトインデックスは、ASTM D−1238、条件Eに基づき、190℃および2160グラムの条件で測定する。
【0028】
ポリエチレンは低圧または高圧プロセスで製造可能である。これらは気相法、または、液相法(すなわち溶液法またはスラリー法)で、一般的な技術によって製造可能である。低圧プロセスは一般的に1000ポンド/平方インチ(psi)未満の圧力で操作されるのに対して、高圧法は一般的に15,000psiを超える圧力で操作される。
【0029】
これらのポリエチレンの製造に用いる一般的な触媒系としては、マグネシウム/チタニウム系触媒系、バナジウム系触媒系、クロム系触媒系、メタロセン触媒系、および、他の遷移金属触媒系が挙げられる。これらの触媒系の多くは、多くの場合チーグラー・ナッタ触媒系またはフィリップス触媒系と呼ばれる 有用な触媒系としては、シリカ−アルミナ支持体上のクロムまたはモリブデン酸化物を用いる触媒が挙げられる。
【0030】
有用なポリエチレン類としては、高圧法で製造された低密度エチレンホモポリマー(HP−LDPE)、直鎖状低密度ポリエチレン(LLDPE)、超低密度ポリエチレン(VLDPE)、超超低密度ポリエチレン(ULDPE)、中密度ポリエチレン(MDPE)、高密度ポリエチレン(HDPE)、およびメタロセンコポリマーが挙げられる。
【0031】
高圧法は、一般的にはフリーラジカルが開始する重合であり、管型反応器または撹拌付オートクレーブ中で行われる。管型反応器においては、圧力は25,000から45,000psiの範囲内であり、温度は200から350℃の範囲内である。撹拌付オートクレーブにおいては、圧力は10,000から30,000psiの範囲内であり、温度は175から250℃の範囲内である。
【0032】
エチレンと不飽和エステルまたは酸を含むコポリマーは周知であり、一般的な高圧法技術で製造可能である。不飽和エステルは、アクリル酸アルキル、メタクリル酸アルキル、または、カルボン酸ビニルであってもよい。アルキル基は1から8の炭素原子を有していてもよく、好適には1から4の炭素原子を有する。カルボン酸エステル基は2から8の炭素原子を有していてもよく、好適には2から5の炭素原子を有する。エステルコモノマーに由来するポリマー部分は、コポリマーの重量を基準として1から50重量パーセントの範囲内である。アクリル酸エステルおよびメタクリル酸エステルの例は、アクリル酸エチル、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸n−ブチル、メタクリル酸n−ブチル、および、アクリル酸2−エチルヘキシルである。カルボン酸ビニルの例は、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、および、ブタン酸ビニルである。不飽和酸の例は、アクリル酸またはマレイン酸である。
【0033】
エチレン/不飽和エステルポリマーまたはエチレン/不飽和酸ポリマーのメルトインデックスは、0.5から50グラム/10分の範囲内であってもよく、好適には1から20グラム/10分の範囲内である。
【0034】
また、エチレンとビニルシランのポリマーを用いてもよい。適切なシランの例は、ビニルトリメトキシシランおよびビニルトリエトキシシランである。このようなポリマーは、一般的には高圧法を用いて製造する。水分架橋型組成物を所望の場合は、このようなエチレンビニルシランポリマーを用いることが望ましい。場合により、フリーラジカル開始剤の存在下でビニルシランによってグラフトされたポリエチレンを用いて、水分架橋型組成物を得ることも可能である。シラン含有ポリエチレンを用いる場合はまた、配合中に架橋触媒(例えば、ジブチルスズジラウラートまたはドデシルベンゼンスルホン酸)、または、他のルイスもしくはブレンステッド酸もしくは塩基触媒を含むことが望ましい場合もある。
【0035】
VLDPEまたはULDPEは、エチレンと、3から12の炭素原子、好適には3から8の炭素原子を有する1つ以上のアルファ−オレフィンとのポリマーであってもよい。VLDPEまたはULDPEの密度は、0.870から0.915グラム/立方センチメートルの範囲内であってもよい。VLDPEまたはULDPEのメルトインデックスは、0.1から20グラム/10分の範囲内であってもよく、好適には0.3から5グラム/10分の範囲内である。エチレン以外のコモノマーに由来するVLDPEまたはULDPEの割合は、ポリマーの重量を基準として1から49重量パーセントの範囲内であってよく、好適には15から40重量パーセントの範囲内である
【0036】
第3のコモノマー、例えば、他のアルファ−オレフィン、または、エチリデン、ノルボルネン、ブタジエン、1,4−ヘキサジエンもしくはジシクロペンタジエンのようなジエンが含まれていてもよい。エチレン/プロピレンポリマーは一般的にEPRとよばれ、エチレン/プロピレン/ジエンターポリマーは一般的にEPDMとよばれる。第3のコモノマーは、コポリマーの重量を基準として1から15重量パーセントの量で存在していてもよく、好適には1から10重量パーセントの量で存在する。ポリマーは、エチレンをいれて2または3つのコモノマーを含むことが望ましい。
【0037】
LLDPEは、VLDPE、ULDPEおよびMDPEを含んでもよく、それらもまた直鎖状であるが、しかし、一般的に0.916から0.925グラム/立方センチの範囲内の密度を有する。それは、エチレンと、3から12の炭素原子、好適には3から8の炭素原子を有する1つ以上のアルファ−オレフィンとのポリマーであってもよい。そのメルトインデックスは0.5から20グラム/10分の範囲内であってもよく、好適には0.7から8グラム/10分の範囲内である。
【0038】
任意のポリプロピレンをこれらの組成物に用いてもよい。例としては、プロピレンのホモポリマー、プロピレンと他のオレフィンとのポリマー、ならびに、プロピレン、エチレンおよびジエン(例えばノルボルナジエンおよびデカジエン)のターポリマーが挙げられる。さらに、ポリプロピレンをEPRまたはEPDMのような他のポリマーに分散し、または、ブレンドしてもよい。ポリプロピレンの例は、POLYPROPYLENE HANDBOOK: POLYMERIZATION, CHARACTERIZATION, PROPERTIES, PROCESSING, APPLICATIONS 3-14,113-176 (E. Moore, Jr. ed. , 1996)に記載されている。好適なポリプロピレンはTPE、TPOおよびTPVの成分であり得る。
【0039】
これらのポリプロピレン含有TPE、TPOおよびTPVを、本出願において用いることができる。
【0040】
場合によって、オレフィンポリマーは無水マレイン酸グラフトを有してもよく、または、無水マレイン酸との共重合によって製造されていてもよい。グラフト化または共重合されたオレフィンポリマーは、任意の一般的方法によって製造可能である。本明細書において、無水マレイン酸グラフトは、共重合されたオレフィンポリマーもまた含むと定義される。
【0041】
無水マレイン酸化合物は、先行技術において、酸原子団に共役するオレフィン不飽和サイトを有するとして知られる。やはり共役するマレイン酸の異性体、すなわちフマル酸は、加熱時には水を放出し転位して無水マレイン酸を生成し、そして、ゆえに本発明において実施可能である。グラフト化は、酸素、空気、ヒドロペルオキシドもしくは他のフリーラジカル開始剤の存在下で、または、これらの材料の本質的不存在下では高剪断および高熱条件下にモノマーとポリマーの混合物が維持されている場合に引き起こされ得る。グラフトポリマーを製造するために便利な方法は押出機であるが、ブラベンダーミキサーまたはバンバリーミキサー、ロールミルなどもまた、グラフトポリマーの製造に用いることができる。2軸脱揮発分押出機(例えば、Werner-Pfleiderer2軸押出機)を用いるのが好適であり、ここで、無水マレイン酸はオレフィンポリマーと溶融温度で混合および反応し、グラフトポリマーが製造および押出しされる。
【0042】
グラフト化ポリマーの無水物原子団は一般的に、グラフト化ポリマーの約0.001から約10重量パーセント、好適には約0.01から約5重量パーセント、および、特に0.1から約1重量パーセントを構成する。グラフト化ポリマーは、ポリマー鎖に沿ってペンダント無水物原子団が存在することにより特徴づけられる。
【0043】
好適な金属水酸化物はリン系組成物で表面処理されており、三水酸化アルミニウム(ATHまたはアルミニウム三水和物ともよばれる)および水酸化マグネシウム(二水酸化マグネシウムともよばれる)が挙げられる。他の金属水酸化物は当業者に公知である。これらの金属水酸化物を用いることは、本発明の範囲内であると考えられる。好適には、金属水酸化物は水酸化マグネシウムである。
【0044】
金属水酸化物の平均粒径は、0.1マイクロメートル未満から、50マイクロメートルまでの範囲をとることができる。場合によって、ナノスケール粒径を有する金属水酸化物を用いることが望ましいことがある。金属水酸化物は、天然物でも合成物でもよい。
【0045】
ポリオレフィン系組成物は、他の難燃剤を含んでいてもよい。他の好適な非ハロゲン系難燃剤添加剤としては、赤リン、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンナノチューブ、タルク、クレー、有機改質クレー、シリコーンポリマー、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、ケイ灰石、マイカ、ヒンダードアミン安定剤、八モリブデン酸アンモニウム、八モリブデン酸メラミン、フリット、中空ガラスマイクロスフェア、膨張性化合物、発泡性グラファイト、エチレンジアミンホスファート、メラミンホスファート、メラミンピロフォスファート、メラミンポリフォスファート、および、アンモニウムポリフォスファートが挙げられる。好適なハロゲン系難燃添加剤としては、デカブロモジフェニルオキシド、デカブロモジフェニルエタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、および、デクロランプラスが挙げられる。
【0046】
さらに、ポリオレフィン系組成物はナノクレー(a nanoclay)を含んでもよい。ナノクレーが存在する場合には、長さ、幅、厚さの最低でもどれか1つの寸法範囲が0.9から200ナノメートル、より好適には0.9から150ナノメートル、さらにより好適には0.9から100ナノメートル、および、最も好適には0.9から30ナノメートルである。
【0047】
前記ナノクレーが存在する場合、好適には層状であり、モンモリロナイト、マガディアイト、フッ化合成マイカ、サポナイト、フラーヘクトライト(fluorhectorite)、ラポナイト、セピオライト、アタパルジャイト、ヘクトライト、ベイデライト、バーミキュライト、カオリナイト、ノントロナイト、ボルコンスコアイト、ステベンサイト、パイロサイト(pyrosite)、ソーコナイト、および、ケニヤアイトのようなナノクレーが挙げられる。層状ナノクレーは天然物でも合成物でもよい。
【0048】
ナノクレーを有機カチオン含有化合物で処理することにより、ナノクレーのカチオンの一部(例えばナトリウムイオン)を有機カチオンと交換してもよい。あるいは、カチオンは水素イオン(プロトン)を含んでもよく、または、水素イオンと置換されてもよい。好適な交換カチオンは、イミダゾリウム、ホスホニウム、アンモニウム、アルキルアンモニウム、および、ポリアルキルアンモニウムである。好適なアンモニウム化合物の例は、ジメチルジ(水素化タロー)アンモニウムである。カチオン性コーティングは一般的に、層状ナノクレーとカチオン性コーティングの総重量を基準として、15から50重量パーセント存在するであろう。他のアンモニウムコーティングは、オクタデシルアンモニウムである。
【0049】
組成物はカップリング剤を含有し、オレフィンポリマーとナノクレーの間の相溶性を改良してもよい。カップリング剤の例としては、シラン、チタネート、ジルコネート、および、無水マレイン酸でグラフトされた種々のポリマーが挙げられる。他のカップリング手法は当業者には容易に明白となるであろうし、本発明の範囲内と考えられる。
【0050】
加えて、ポリオレフィン系組成物は、酸化防止剤、安定剤、発泡剤、カーボンブラック、顔料、加工助剤、過酸化物、硬化促進剤、ならびに、組成物中に存在しうる充填剤を処理する表面活性剤のような、他の添加剤を含んでもよい。その上、ポリオレフィン系組成物は熱可塑性であっても、架橋されていてもよい。
【0051】
他の態様においては、ポリオレフィン系組成物は、無水マレイン酸グラフトを有するオレフィンポリマー、および、表面処理された金属酸化物を含む。好適なオレフィンポリマーとしては、第1の態様に関して記載のポリマーをグラフト化したものが挙げられる。
【0052】
好適な金属水酸化物は表面処理されており、三水酸化アルミニウム(ATHまたはアルミニウム三水和物ともよばれる)および水酸化マグネシウム(二水酸化マグネシウムともよばれる)が挙げられる。他の金属水酸化物は当業者に公知である。これらの金属水酸化物を用いることは、本発明の範囲内であると考えられる。好適には、金属水酸化物は水酸化マグネシウムである。
【0053】
金属水酸化物の表面は、1つ以上の材料でコーティングされていてもよく、前記材料としてはシラン、チタネート、ジルコネート、カルボン酸、および、無水マレイン酸グラフト化ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な処理剤としては、米国特許第6,500,882号に開示のものが挙げられる。好適には、処理剤はシラン系またはカルボン酸系である。
【0054】
平均粒径は、0.1マイクロメートル未満から、50マイクロメートルの範囲をとることができる。場合によって、ナノスケール粒径を有する金属水酸化物を用いることが望ましいことがある。金属水酸化物は、天然物でも合成物でもよい。
【0055】
ポリオレフィン系組成物は、他の難燃剤を含んでいてもよい。他の好適な非ハロゲン系難燃剤添加物としては、赤リン、シリカ、アルミナ、酸化チタン、カーボンナノチューブ、タルク、クレー、有機改質クレー、シリコーンポリマー、炭酸カルシウム、ホウ酸亜鉛、三酸化アンチモン、ケイ灰石、マイカ、ヒンダードアミン安定剤、八モリブデン酸アンモニウム、八モリブデン酸メラミン、フリット、中空ガラスマイクロスフェア、膨張性化合物、発泡性グラファイト、エチレンジアミンホスファート、メラミンホスファート、メラミンピロフォスファート、メラミンポリフォスファート、および、アンモニウムポリフォスファートが挙げられる。適切なハロゲン系難燃剤としては、デカブロモジフェニルオキシド、デカブロモジフェニルエタン、エチレン−ビス(テトラブロモフタルイミド)、およびデクロランプラスが挙げられる。
【0056】
好適には、本態様のポリオレフィン系組成物は、ナノクレーを実質的に含まない。より好適には、組成物中にナノクレーは存在しない。
【0057】
さらに別の態様においては、ポリオレフィン系組成物はオレフィンポリマー、無水マレイン酸グラフトを有するオレフィンポリマー、および、表面処理された金属水酸化物を含む。オレフィンポリマー、無水マレイン酸グラフトを有するオレフィンポリマー、および、表面処理された金属水酸化物として、上記記載の材料を用いることが可能である。
【0058】
さらに他の態様においては、ポリオレフィン系組成物はオレフィンポリマーと表面処理された金属水酸化物とを含む。オレフィンポリマーとして、前述の材料を用いることが可能である。
【0059】
好適な金属水酸化物は表面処理されており、三水酸化アルミニウム(ATHまたはアルミニウム三水和物ともよばれる)および水酸化マグネシウム(二水酸化マグネシウムともよばれる)が挙げられる。他の金属水酸化物は当業者に公知である。これらの金属水酸化物を用いることは、本発明の範囲内であると考えられる。好適には、金属水酸化物は水酸化マグネシウムである。
【0060】
金属水酸化物の表面は、1つ以上の材料でコーティングされていてもよく、前記材料としてはシラン、チタネート、ジルコネート、カルボン酸、リン系化合物、および、無水マレイン酸グラフト化ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な処理としては、米国特許第6,500,882号に開示のものが挙げられる。好適には、処理はリン系のものである。
【0061】
さらに他の態様において、本発明はプレナムケーブルに用いるポリオレフィン系組成物の選択方法である。前記方法は、(a)オレフィンポリマーを選択し、(b)表面処理された金属水酸化物を選択し、(c)前記オレフィンポリマーと前記表面処理された金属水酸化物を混合して、ポリオレフィン系組成物を製造し、(d)前記ポリオレフィン系組成物から作成した試験片について、1.0MHzにおける非エージング誘電正接およびエージング後誘電正接を測定し、(e)前記ポリオレフィン系組成物を難燃成分として用いプレナムケーブルを製造し、ただし、前記試験片は非エージング誘電正接が約0.006以下であり、エージング後誘電正接が約0.009未満であり、ならびに、(f)前記プレナムケーブルの難燃性能をUL−910、FT6、または、NFPA−262に従って測定する段階を含む。
【0062】
オレフィンポリマーとして、前述の材料を用いることが可能である。
【0063】
好適な金属水酸化物は表面処理されており、三水酸化アルミニウム(ATHまたはアルミニウム三水和物ともよばれる)および水酸化マグネシウム(二水酸化マグネシウムともよばれる)が挙げられる。他の金属水酸化物は当業者に公知である。これらの金属水酸化物を用いることは、本発明の範囲内であると考えられる。好適には、金属水酸化物は水酸化マグネシウムである。
【0064】
金属水酸化物の表面は、1つ以上の材料でコーティングされていてもよく、前記材料としてはシラン、チタネート、ジルコネート、カルボン酸、リン系化合物、および、無水マレイン酸グラフト化ポリマーが挙げられるが、これらに限定されるものではない。好適な処理としては、米国特許第6,500,882号に開示のものが挙げられる。好適には、処理はリン系のものである。
【0065】
他の態様において、本発明は複数のツイストペア導体、セパレータ、および、前記ツイストペア導体および前記セパレータを取り巻く通信ケーブル被覆を含む、新規な通信ケーブルである。前記通信ケーブルは、NFPA−262の要求条件に合格する。
【0066】
各ツイストペア導体は、一対の個別に絶縁された金属導体を含み、前記金属導体は一緒に撚り合わされて前記複数のツイストペア導体の1つを形成する。金属導体は一般的には単線のファインゲージ銅線だが、銅撚線または他の金属のような他の導体を、電気通信および他用途の要求条件を充足する必要に応じて用いてもよい。厚みが均一な絶縁材料を、絶縁材料の厚みが一般的に20ミル、好適には約10ミル未満となるよう、導体上に適用する。
【0067】
セパレータは、任意の前述のポリオレフィン系組成物から製造されるプレナムケーブル部品である。物理的には、セパレータは、芯材から角度的に間を開けられた複数の外側に突出する突起部を有するように構成される。複数の外側に突出する突起部は、芯材から放射状に突出し、そして、隣接する前記外側に突出した突起間の、そのそれぞれの内に前記複数のツイストペア導体のうち一つが含まれる領域を決定する。
【0068】
被覆は柔軟なポリマー材料から製造され、好適には溶融押出によって成形される。好適なポリマーとしては、ポリ塩化ビニル、フッ素化ポリマー、および、難燃ポリオレフィンが挙げられる。好適には、被覆は厚み15から25ミルの間で押出し、絶縁された導体のツイストペアから被覆を容易に剥離できるようにする。
【0069】
他の態様において本発明は、(a)ポリオレフィン系組成物を選択し、(b)複数のツイストペア導体を形成し、(c)前記ポリオレフィン系組成物から複数の外側に突出する突起部を有するセパレータを形成し、(d)前記セパレータの複数の外側に突出する突起部によって、前記複数のツイストペア導体を分離し、および、(e)前記セパレータの前記複数の外側に突出する突起部によって分離された前記複数のツイストペア導体を、通信ケーブル被覆によって取り巻く段階を含む、NFPA−262通信ケーブルの製造方法である。
【実施例】
【0070】
以下の非制限的な実施例によって本発明を説明する。
【0071】
比較実施例1〜4ならびに実施例5および13
初期およびエージング後(経時)の電気特性を測定するため、13のポリオレフィン系組成物を製造した。組成物の製造に用いた成分およびそれらの量を、表1に示す。
【0072】
誘電正接(DF)を、ASTM D150に基づき1.0MHzで測定した。試験片を1インチ水銀を超える減圧下において60℃で乾燥させた後、初期電気特性を測定した。エージング時には、試験片を温度華氏90度および相対湿度90パーセントに2週間供し、周囲湿度への長期暴露をシミュレートした。電気特性を表1に報告する。
【0073】
アフィニティ(商標)EG−8200ポリエチレン(PE1)は、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーから市販されており、メルトインデックスが5.0グラム/10分、密度が0.87グラム/立方センチメートル、および、多分散性指数が3未満である。アンプリファイ(商標)GR−208(PE2)は、無水マレイン酸グラフトが0.3重量パーセント、密度が0.899グラム/立方センチメートル、および、メルトインデックスが3.3グラム/10分の超低密度エチレン/ブテンコポリマーであり、ザ・ダウ・ケミカル・カンパニーより市販されている。
【0074】
キスマ5B−1G水酸化マグネシウム(MGH1)およびキスマ5J水酸化マグネシウム(MGH3)は両方とも共和化学工業株式会社から入手可能である。キスマ5B−1G水酸化マグネシウムは、表面積が6.1m2/g(BET法で測定)、平均粒径が0.8ミクロン(800ナノメートル)であり、オレイン酸表面処理を含む。キスマ5J水酸化マグネシウムは、表面積が3m2/g(BET法で測定)、平均粒径が0.8ミクロン(800ナノメートル)であり、アルコールホスファートエステル表面処理を含む。Albemarle社製のMagnifin H10A水酸化マグネシウム(MGH2)は、表面積が約10m2/g(BET法で測定)、平均粒径が0.8ミクロン(800ナノメートル)であり、シラン系表面処理を含む。
【0075】
Nanoblend 3100ナノクレーマスターバッチ(Nano1)は、ナノクレーのエチレン−アクリル酸メチルポリマーへの40%分散物であり、Nanoblend 2001ナノクレーマスターバッチ(Nano2)は、ナノクレーの低密度ポリエチレンへの40%分散物である。ナノクレーマスターバッチは両方ともPolyOne社より入手可能である。
【0076】
Minstron ZSCグレードタルクは、平均粒径が1.5ミクロン、表面積が約16m2/g(BET法で測定)であり、ステアリン酸亜鉛表面処理を含み、および、Luzenac社から入手可能である。MB 50−002(商標)シリコーンポリマーマスターバッチ(SilMB)は、超高分子量ポリジメチルシロキサン/低密度ポリエチレンが50:50のマスターバッチであり、ダウ・コーニング社から入手可能である。イルガノックス1010テトラキスメチレン(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシルヒドロシンナマート)メタン(AO)は、ヒンダードフェノール系酸化防止剤であり、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ・インクより入手可能である。
【0077】
【表1】


【特許請求の範囲】
【請求項1】
a.オレフィンポリマー、および、
b.リン系組成物で表面処理された金属水酸化物、
を含むポリオレフィン系組成物から製造されるプレナムケーブル部品(a plenum cable component)であり、
ここで、前記ポリオレフィン系組成物から作成された試験片は、非エ−ジング誘電正接が約0.006以下であり、および、エージング後誘電正接が約0.009未満であり、
ここで、前記誘電正接(dissipation factor)は1.0MHzで測定され、および、
ここで、前記エージング後誘電正接は、華氏90度の温度および90パーセントの相対湿度に2週間供してエージングした試験片より測定されたものである、プレナムケーブル部品。
【請求項2】
前記オレフィンポリマーが無水マレイン酸グラフトを有する、請求項1に基づき製造されたプレナムケーブル部品
【請求項3】
ナノクレー(a nanoclay)をさらに含む、請求項1に基づき製造されたプレナムケーブル部品。
【請求項4】
a.無水マレイン酸グラフトを有するオレフィンポリマー、および、
b.表面処理された金属水酸化物、
を含むポリオレフィン系組成物から製造されるプレナムケーブル部品であり、
ここで、前記ポリオレフィン系組成物から作成された試験片は、非エ−ジング誘電正接が、約0.006以下であり、および、エージング後誘電正接は約0.009未満であり、
ここで、前記誘電正接は1.0MHzで測定され、および、
ここで、前記エージング後誘電正接は、華氏90度の温度および90パーセントの相対湿度に2週間供してエージングした試験片より測定された、プレナムケーブル部品。
【請求項5】
前記ポリオレフィン系組成物が実質的にナノクレー類を含まない、請求項4に基づき製造された前記プレナムケーブル部品
【請求項6】
前記ポリオレフィン系組成物がナノクレー類を含まない、請求項4に基づき製造されたプレナムケーブル部品
【請求項7】
前記表面処理がシラン系およびオレイン酸系処理剤からなる群より選択される、請求項4に基づき製造されたプレナムケーブル部品。
【請求項8】
a.オレフィンポリマー、
b.無水マレイン酸グラフトを有するオレフィンポリマー、および、
c.表面処理された金属水酸化物
を含むポリオレフィン系組成物から製造されるプレナムケーブル部品であり、
ここで、前記ポリオレフィン系組成物から作成された試験片は非エ−ジング誘電正接が約0.006以下であり、および、エージング後誘電正接が約0.009未満であり、
ここで、前記誘電正接は1.0MHzで測定され、および、
ここで、前記エージング後誘電正接は、華氏90度の温度および90パーセントの相対湿度に2週間供してエージングした試験片より測定された、プレナムケーブル部品。
【請求項9】
前記非エージング誘電正接および前記エージング後誘電正接が約0.003より低い、請求項1、4、または8に基づき製造されたプレナムケーブル部品。
【請求項10】
前記エージング後誘電正接≦(1.50×前記非エージング誘電正接)である、請求項1、4、または8に基づき製造されたプレナムケーブル部品。
【請求項11】
前記ポリオレフィン系組成物の前記オレフィンポリマーが実質的にハロゲンを含まない、請求項1、4または8に基づき製造されたプレナムケーブル部品。
【請求項12】
前記ポリオレフィン系組成物がシリコンポリマーをさらに含む、請求項1、4または8に基づき製造されたプレナムケーブル部品
【請求項13】
a.複数のツイストペア導体であり、個別の前記ツイストペア導体は、一緒に撚り合わされ前記複数のツイストペア導体の1つを構成する一組のそれぞれ絶縁された金属導体を含み、
b.
(i)請求項1〜12のいずれかに基づき製造され、および、
(ii)芯材から角度的に間を開けられた複数の外側に突出する突起部、芯材から放射状に突出する複数の外側に突出する突出部、および、そのそれぞれの内に前記複数のツイストペア導体のうち一つが含まれる、隣接する前記外側に突出した突起の間の決定領域、
を含むセパレータ、ならびに、
c.前記セパレータの前記複数の外側に突出した突起により分離された、前記複数のツイストペア導体を取り巻く通信ケーブル被覆を含む通信ケーブルであり、
ここで、前記通信ケーブルがNFPA−262の要求条件を満たす通信ケーブル。

【公表番号】特表2008−531833(P2008−531833A)
【公表日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−558302(P2007−558302)
【出願日】平成18年3月3日(2006.3.3)
【国際出願番号】PCT/US2006/007781
【国際公開番号】WO2006/094250
【国際公開日】平成18年9月8日(2006.9.8)
【出願人】(591123001)ユニオン カーバイド ケミカルズ アンド プラスティックス テクノロジー エルエルシー (85)
【Fターム(参考)】