プレファブ管の接続構造
【課題】プレファブ工法やユニット工法等を用いて配管設備の形状・姿勢を保持しながら、その設置および取外し作業を効率的に行なうことが可能となるプレファブ管の接続構造を提供する。
【解決手段】筒状の第1プレファブ管本体11Aと該第1プレファブ管本体11Aの端部に設けられた拡径部13とを有する第1プレファブ管11と、一端部が拡径部13に挿入される第2プレファブ管12とを接続するプレファブ管の接続構造10であって、第1プレファブ管本体11Aと拡径部13との間に設けられたストッパー部14と、第2プレファブ管12の開口端部から離れた位置に形成された第1環状凹部15と、シール部材16と、拡径部13の外周面上に周方向に延びる第2環状凹部17と、第2環状凹部17内に形成される。
【解決手段】筒状の第1プレファブ管本体11Aと該第1プレファブ管本体11Aの端部に設けられた拡径部13とを有する第1プレファブ管11と、一端部が拡径部13に挿入される第2プレファブ管12とを接続するプレファブ管の接続構造10であって、第1プレファブ管本体11Aと拡径部13との間に設けられたストッパー部14と、第2プレファブ管12の開口端部から離れた位置に形成された第1環状凹部15と、シール部材16と、拡径部13の外周面上に周方向に延びる第2環状凹部17と、第2環状凹部17内に形成される。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、典型的には建築物内に配設される配管同士を接続する際に使用可能なプレファブ管の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物内には、一般に給水や給湯等を行なうべく水や湯等の流体を流通させることが可能な様々な配管設備が設置される。この配管設備の設計および設置工事は、建築工事の品質および工期を左右する大きな要因となる。ところが、建築物の基礎工事や、鉄骨の組立作業等に工期の大部分が費やされることが多いため、現実には、残された短い期間の中で配管設備の設置工事を行なうことを要求されることが多い。
【0003】
そこで、従来から、短い工期で配管設備の設置工事を行なうべく、プレファブ管やモジュール管と呼ばれる配管同士を接続可能な様々な形状の接続管を作製し、当該プレファブ管等を用いて効率的に配管設備を構築するプレファブ工法やユニット工法等の手法が提案されている。
【0004】
プレファブ工法は、上記のようなプレファブ管やモジュール管を予め工場等の工事現場以外の場所で作製しておき、これらを工事現場に搬入して配管の組立てを行ない、配管設備を設置するものである。他方、ユニット工法は、たとえば対象となる建築物の設計図から作成されたアイソメトリック図や配管製作図に基づいて、工場等の工事現場以外の場所でプレファブ管やモジュール管を用いて配管ユニットを作製し、この配管ユニットを工事現場に搬入して、他の機器と接続したり、配管ユニット同士を接続する等して配管設備を設置するものである。
【0005】
このように、短い工期内で、配管の取付けを行なう手法以外にも、単に配管同士を接続する手法として、特開2001−205367号公報および特開平9−229260号公報に記載された手法が提案されている。
【特許文献1】特開2001−205367号公報
【特許文献2】特開平9−229260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような従来のプレファブ工法やユニット工法等を採用して配管設備の設置を行なう際には、配管ユニットを他の機器等と接続したり、プレファブ管やモジュール管を取り付けたりする際に、管同士を正確に位置合わせした状態で保持し、この状態でフランジ等に形成された貫通孔にボルトを通してナットで固定する必要がある。このため、配管の取付けが完了するまでの間、管を保持する作業者と、ボルト締めを行なう作業者とを要し、多くの作業者が必要となるばかりでなく、管を保持しながらボルト締めを行なう必要があり作業効率も低下する。特に、管同士が正確に位置合せされていなければ、フランジ等に形成された貫通孔にボルトを通すことができない場合もあり、このような場合には管同士を固定するのに多大の時間を要することとなる。
【0007】
また、配管作業は、配管図面に従った管形状、管の姿勢を保持した状態での接続・取外しが必要とされる。従来の接続・取外し作業では、継手に管を差し込み、管側を回転して接続するため、異形管と異形管との接続・取外しでは管の姿勢と方向を保てない場合がある。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレファブ工法やユニット工法等を用いて配管設備の形状・姿勢を保持しながら、その設置および取外し作業を効率的に行なうことが可能となるプレファブ管の接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るプレファブ管の接続構造は、1つの局面では、筒状の第1プレファブ管本体と該第1プレファブ管本体の端部に設けられた拡径部とを有する第1プレファブ管と、一端部が拡径部に挿入される第2プレファブ管とを接続するプレファブ管の接続構造であって、第1プレファブ管本体と拡径部との間に設けられ、第1プレファブ管への第2プレファブ管の過度の進入を防止可能なストッパー部と、拡径部内に位置する第2プレファブ管の外周面上であって、第2プレファブ管の開口端部から離れた位置に形成され、第2プレファブ管の周方向に延在する第1環状凹部と、第1環状凹部と第2プレファブ管の開口端との間に位置する第2プレファブ管の外表面と拡径部との間に配置されたシール部材と、拡径部の外周面上に周方向に延びる第2環状凹部と、第2環状凹部内に形成され、拡径部の径方向に貫通する貫通孔と、第1環状凹部に達するように貫通孔に挿入され第2プレファブ管と係合可能な係合部を有し、第2環状凹部に装着され、拡径部と第2プレファブ管とをこれら軸方向に固定可能な固定部材とを備える。好ましくは、上記固定部材は、固定具を装着することで互いに連結される第1、第2連結部材を有し、固定部材を第2環状凹部内に装着した際に、連結部材の外周面の少なくとも一部が第2環状凹部内に位置するように連結部材の厚みを設定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレファブ工法やユニット工法等を用いて配管設備の形状・姿勢を保持しながら、その設置および取外し作業を効率的に行なうことが可能となるプレファブ管の接続構造を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る実施の形態を図1から図27を用いて、説明する。以下の各実施の形態において説明するプレファブ管の接続構造は、前述のプレファブ工法やユニット工法等に適用されるものであり、特に建築物内に設置され水や湯等の流体を移送する配管設備を設置する際に有用である。
【0012】
図1と図2は、本発明の実施の形態におけるプレファブ管の接続構造10を含む配管構造1の形状例を示す部分断面側面図である。
【0013】
図1に示す配管構造1は、プレファブ管11,12と、このプレファブ管11,12の接続構造10とを備える。プレファブ管11は、図1の例では、溶接部2を介して直管やエルボー管等の複数の配管を接合することにより作製されている。他方、プレファブ管12は、主に直管を用いて作製される。このように複数の管を接続することでプレファブ管を構成してもよいが、プレファブ管を単一の管で構成してもよい。図2の例では、プレファブ管11は複数の枝管3を有し、この枝管3にプレファブ管12を接続している。
【0014】
なお、図1や図2に示す配管構成以外の様々な形態の配管構成に対し下記の各実施の形態の接続構造を適用することができる。たとえば、複数のプレファブ管を接続してモジュール化し、プレファブ管を用いて当該配管モジュール同士、あるいは配管モジュールとプレファブ管とを接続する際に、各実施の形態のプレファブ管の接続構造を適用することが考えられる。また、複数のプレファブ管を接続して配管ユニットを作製し、モジュール管を用いて配管ユニット同士、配管ユニットと各種機器、または、配管ユニット化する上でモジュール管もしくはプレファブ管とを接続する場合にも各実施の形態のプレファブ管の接続構造を適用することができる。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態におけるプレファブ管11,12の接続構造10の側面図であり、図4は、プレファブ管11、12の接続構造10の部分断面側面図である。図3、図4に示すように、プレファブ管11は、一方の端部に拡径部13を有する。この拡径部13は、プレファブ管11の管本体11Aに管本体11Aよりも径方向の大きい管部材を溶接することで形成しているが、拡径部13を管本体と一体的に成形することも考えられる。
【0016】
拡径部13は、管本体11A側の端部に形成されたテーパ部(ストッパー部)14を有している。このテーパ部14は、管本体11A側からプレファブ管11の開口端部に向かうに従って、拡径するように形成されている。そして、テーパ部14の内径は、管本体11A側でプレファブ管12の外径より小さくなる。このため、プレファブ管12の開口端部とテーパ部14とが当接することにより、プレファブ管12がプレファブ管11内に過度に進入することを抑制することができる。すなわち、テーパ部14は、プレファブ管12の差し込み量の上限を規定するストッパーとしての機能を有する。
【0017】
拡径部13は、この拡径部13の外表面上に形成され、周方向に延びる環状凹部(第2環状凹部)17を有している。そして、この環状凹部17には、拡径部13の径方向に貫通し、拡径部13の外表面と拡径部13の内表面とを連通する貫通孔18が形成されている。図6は、図4において拡径部13をA矢視したときの正面図であり、図7は、拡径部13の側断面図である。この図6および図7に示されるように、貫通孔18は拡径部13の周方向に所定の間隔をあけて複数形成されており、各貫通孔18間には、支持壁部18Aが形成されている。
【0018】
さらに、拡径部13は、図4に示すシール部材16が嵌め込まれる収納部16Aを有している。収納部16Aは、拡径部13の内表面から外方に向けて突出し、拡径部13の内方に向けて開口する環状の凹部とされている。このような、収納部16Aは、拡径部13のうち、環状凹部17とテーパ部14との間に位置する部分に形成されている。
【0019】
このため、図4に示すように、プレファブ管12を拡径部13内に挿入した状態において、シール部材16は、プレファブ管12の開口端部と環状凹部15との間に位置するプレファブ管12の外表面と拡径部13との間に配置される。
【0020】
このため、シール部材16によって、管内を流通する流通液が、環状凹部17にまで達することが抑制されており、環状凹部17に形成された貫通孔18から流通物が外部に漏れ出すことを抑制することができる。
【0021】
図8は、シール部材16の側面図である。この図8に示されるように、シール部材16は、円環状に形成されており、円環状の本体16aと、舌部16bとを備えている。舌部16bは、本体16aの内表面に形成されており、本体16aの一方の開口端部側に接続されている。この舌部16bは、本体16a径方向に弾性変形可能とされている。
【0022】
このため、図4において、プレファブ管12とプレファブ管11とが接続された状態で、管路内を流れる流通物の圧力が大きくなり、流通物がシール部材16にまで達すると、流通物が舌部16bと本体16aとの間に入り込み、舌部16bが内径方向に変形する。そして、舌部16bがプレファブ管12の外表面に押圧され、プレファブ管12とシール部材16との間のシール面圧が向上する。さらに、本体16aは、流通物によって、収納部16Aの内壁面に押圧され、シール部材16とプレファブ管11との間のシール面圧も向上する。
【0023】
図5は、プレファブ管12の一部断面側面図である。この図5に示されるように、プレファブ管12は、円筒状に形成されており、その両端部側に、環状凹部15がそれぞれ形成されている。この環状凹部15は、プレファブ管12の周方向に延在している。なお、本実施の形態においては、環状凹部15は、各端部に1箇所づつ形成されているが、これに限られない。たとえば、プレファブ管12の端部ごとに、複数の環状凹部15を形成してもよい。
【0024】
このように環状凹部15を複数形成した場合には、図4に示す挟み込み部材20によって固定される位置を適宜変更することができ、プレファブ管12の差し込み量を調整することができる。図3および図4に示すように、拡径部13に形成された環状凹部17には、挟み込み部材(固定部材)20が装着されている。図3に示すように、挟み込み部材20は、ピン(固定具)30、31を装着することで互いに連結される半割れ挟み込み部材(連結部材)20A、20Bを有している。
【0025】
図9は、半割れ挟み込み部材20A,20Bの平面図である。この図9に示されるように、半割れ挟み込み部材20A、20Bは、半円状の平板とされている。この半割れ挟み込み部材20Aは、一方の端部に貫通孔20aが形成された平板部22と、他方の端部に貫通孔20bが形成された平板部21と、平板部22と平板部21との間に形成された複数の係合部19と、係合部19間に形成された凹部19Aとを備えている。
【0026】
また、半割れ挟み込み部材20Bも、同様に構成されておりその両端部に貫通孔20c、20dが形成された平板部23、24と、係合部19と、凹部19Aとを備えている。平板部21、24は、図3に示されるように、挟み込み部材20の厚み方向に、2つ間隔を隔てて設けられている。
【0027】
この平板部21間には、半割れ挟み込み部材20Bの平板部23が挿入される。そして、貫通孔20bおよび貫通孔20dが位置合わせされた状態で、ピン30が貫通孔20b、20dに挿入され半割れ挟み込み部材20Aと半割れ挟み込み部材20Bとが連結される。
【0028】
図10は、ピン30の詳細を示す側面図である。この図10に示されるように、ピン30は、円柱状の本体30aと、本体30aの一方の端部に形成され本体30aより大径のヘッド部30cと、本体30aの他方の端部に設けられたCリング30bとを備えている。このようなピン30で、半割れ挟み込み部材20Aと半割れ挟み込み部材20Bとを連結することにより、半割れ挟み込み部材20Aと半割れ挟み込み部材20Bとが互いに回動可能とされつつも、挟み込み部材20Aと挟み込み部材20Bとの連結状態を良好に維持することができる。すなわち、ピン30は、挟み込み部材20の支点としての機能を発揮することができる。
【0029】
ここで、図13から図17を用いて、プレファブ管11とプレファブ管12との接続方法について説明する。図13は、プレファブ管11とプレファブ管12の接続工程の第1工程を示す側面図である。この図13に示されるように、プレファブ管12をプレファブ管11の拡径部13内に向けて押し込む。
【0030】
ここで、貫通孔18から環状凹部15の位置を視認することができるので、作業者は、容易に環状凹部15と貫通孔18とを軸方向に位置合わせすることができる。
【0031】
このように、環状凹部15と貫通孔18とが軸方向に一致するようにプレファブ管12をプレファブ管11内に挿入することにより、管内に正圧が生じたとしても、プレファブ管12がプレファブ管11から脱落しない程度の、プレファブ管11の差し込み量を確保することができる。
【0032】
さらに、テーパ部14によって、プレファブ管12の差し込み量の上限が設定されているため、環状凹部15が拡径部13の奥に入り込み、貫通孔18から環状凹部15を視認できなくなったとしても、プレファブ管12を僅かに引き戻すことにより、環状凹部15を貫通孔18に一致させることができる。
【0033】
すなわち、このプレファブ管11、12の接続構造10によれば、短時間でプレファブ管11の適当な差し込み量を設定することができ、接続作業の効率化を図ることができる。
【0034】
なお、図7に示す貫通孔18のプレファブ管11の軸方向の幅L1を、図5に示す環状凹部15のプレファブ管12の軸方向の幅L2より僅かに大きく設定するのが好ましい。このように幅L1,L2を設定することより、プレファブ管12を拡径部13内に挿入する際に、環状凹部15の位置の視認性を向上させることができる。
【0035】
図14は、プレファブ管11とプレファブ管12との接続工程の第2工程を示す正面図である。この図14に示されるように、環状凹部15と貫通孔18とが位置合わせされた状態のプレファブ管11およびプレファブ管12とを、挟み込み部材20で固定する。図15は、挟み込み部材20で、プレファブ管11とプレファブ管12とを固定したときの断面図である。
【0036】
この図15および図4に示されるように、挟み込み部材20を環状凹部17内装着すると、係合部19が環状凹部15に達し、挟み込み部材20とプレファブ管12とが係合される。また、挟み込み部材20は、拡径部13の環状凹部17内に装着されているため、プレファブ管11とプレファブ管12とが挟み込み部材20を介して、軸方向に固定される。そして、図15において、ピン31を貫通孔20a、20c内に挿入して、挟み込み部材30を固定する。
【0037】
図11は、ピン31の側面図であり、図12は、図11とは異なる視点における側面図である。この図11および図12に示されるように、ピン31は、ピン本体31aと、このピン本体31aの一方の端部に形成され、ピン本体31aより大径に形成されたヘッド部31fとを備えている。また、ピン本体31aの他方の端部には、弾性部材31bが設けられる貫通孔31cが形成されている。この貫通孔31c内には、弾性変形可能な弾性部材31bが設けられている。
【0038】
弾性部材31bは、弾性変形可能な針金部材を屈曲させて、略台形形状または略三角形状とすることにより形成されている。そして、略三角形状または略台形形状とされた針金部材からなる弾性部材31bの頂点部または短辺部側は、ピン31の先端部(一方の端部)に向けて配置され、ヘッド部31f側に向かうに従って、裾部が広がるように配置されている。
【0039】
そして、弾性部材31bの底辺または長辺側は、ピン本体31から外方に突出しており、弾性部材31bを構成する針金部材の両端部は、弾性部材31bの底辺部または長辺部にて互いに対向するように配置されている。そして、弾性部材31bの裾部は、ピン31の先端部側からヘッド部31f側に向かうに従って、外方に広がるように傾斜している。
【0040】
このように構成されたピン31を図15に示す貫通孔20a、20c内に挿入すると、弾性部材31bの裾部は、貫通孔20a、20cの内壁面によって貫通孔31c内に押し縮められ、ピン31は、良好に貫通孔20a、20c内に入り込む。そして、弾性部材31bの裾部が、貫通孔20a、20cを通過すると、外方に張り出し、半割れ挟み込み部材20A,20Bと係合する。
【0041】
このようにして、図15に示されるように、半割れ挟み込み部材20Aと半割れ挟み込み部材20Bとの両端部が互いに連結され、挟み込み部材20が構成され、図4に示される環状凹部17内に装着される。
【0042】
挟み込み部材20が、環状凹部17内に装着されると、図4および図15に示すように、係合部19が環状凹部15内にまで達して、挟み込み部材20とプレファブ管12と蛾係合する。ここで、挟み込み部材20が、環状凹部15内に装着されているため、挟み込み部材20は、プレファブ管11と係合しており、プレファブ管11とプレファブ管12とは、挟み込み部材20を介して互いに係合して、軸方向に互いに固定されることになる。
【0043】
このように、プレファブ管11、12同士の接続は、プレファブ管12を拡径部13内に挿入した後、挟み込み部材20を環状凹部17内に装着し、ピン31で固定するという簡易な作業により完了することができる。このため、短い工期内でプレファブ管11、12の接続作業を完了することができる。さらに、挟み込み部材20を環状凹部17内に装着する際に、挟み込み部材20と拡径部13との間に大きな抵抗が生じることがなく、接続作業の労力低減が図られている。
【0044】
係合部19は、環状凹部15内を摺動可能とされており、プレファブ管12およびプレファブ管11は、互いに、周方向に回動可能とされている。このため、複数のプレファブ管11,12を接続した状態で、地震等の振動が図1および図2に示す配管構造に加えられたとしても、各プレファブ管11,12が相対的に回動することにより、振動により生じる歪みを吸収することができる。これにより、配管構造1に振動が生じたとしても、大きな応力集中が生じる箇所を低減することができ、配管構造1の耐震性の向上を図ることができる。
【0045】
図16は、挟み込み部材20で、プレファブ管11とプレファブ管12とを接続したときの正面図であり、図17は、挟み込み部材20でプレファブ管11とプレファブ管12とを接続したときの側面図である。
【0046】
この図16および図15に示すように、挟み込み部材20の係合部19が環状凹部15に達し、プレファブ管11、12同士の接続が完了すると、図16、図17に示されるように、挟み込み部材20のうち、半割れ挟み込み部材20A,20B同士の接続部21C1,21C2以外の部分が、環状凹部17内に収納される。すなわち、図9に示される凹部19Aにおける半割れ挟み込み部材20A,20Bの径方向の厚みと、環状凹部17の径方向の深さとが一致している。
【0047】
このように、挟み込み部材20が環状凹部17内に収納されることにより、プレファブ管11、12の接続部のコンパクト化を図ることができる。
【0048】
その一方で、たとえば、係合部19が支持壁部18Aと接触、当接等することにより、環状凹部15にまで達しない場合には、挟み込み部材20が環状凹部15からはみ出すこととになる。このため、プレファブ管11、12が挟み込み部材20によって良好に接続されているか否かを、容易に判断することができ、プレファブ管11、12の接続状態の確認作業を短時間で行なうことができる。
【0049】
挟み込み部材20が環状凹部17内に装着されると、係合部19が拡径部13の支持壁部18A間に位置し、挟み込み部材20が周方向に回動することが抑制される。このため、プレファブ管11、12同士を接続した後に、挟み込み部材20が回動し、他の部材と接触したり、破損させたりする等の弊害の発生が抑制されている。
【0050】
さらに、プレファブ管11、12同士の接続を解除する際には、図3および図11において、まず、ピン31の弾性部材31bの幅広部を貫通孔31c内に押し込み、その状態で挟み込み部材20から引き抜く。そして、挟み込み部材20を拡径部13から取り外し、プレファブ管11、12を引き離すことによりプレファブ管11、12の接続解除作業が完了する。このように、このプレファブ管11、12同士の接続構造10によれば、簡単にプレファブ管11,12の接続解除作業を行なうことができる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、半割れ挟み込み部材20A,20Bの一方の端部をピン30で接続した状態で、環状凹部17内に装着することとしているが、この接続方法に限られない。
【0052】
図18から図22を用いて、プレファブ管11、12同士の他の接続方法について説明する。
【0053】
図18および図19に示されるように、プレファブ管11を拡径部13内に挿入する。そして、半割れ挟み込み部材20A、20Bをそれぞれ図4に示す環状凹部17内に装着して、プレファブ管11、12同士を固定する。そして、図20に示すように、半割れ挟み込み部材20A、20B同士を、ピン30、31で連結する。このような連結方法によっても、図21および図22に示されるように、上記実施の形態の接続方法と同様に、挟み込み部材20が環状凹部17からはみ出すことを抑制することができ、簡単にプレファブ管11、12を接続することができる。
【0054】
上記実施の形態に係るプレファブ管の接続構造10の変形例について、図23から図27を用いて説明する。
【0055】
図23に示されるように、挟み込み部材20を、挟み込み部材20の連結部20c1にて、拡径部13に固定してもよい。なお、挟み込み部材20と拡径部13とを固定する固定部20c3は、図4に示す環状凹部17の両隣りに位置する拡径部13の表面から立ち上がるように設けられている。
【0056】
そして、図24に示されるように、プレファブ管12をプレファブ管11内に挿入する。その後、図25から図27に示されるように、拡径部13に固定された挟み込み部材20でプレファブ管11、12同士を固定し、挟み込み部材20をピン31で連結する。このようなプレファブ管11、12の接続構造においても、上記実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0057】
さらに、拡径部13に挟み込み部材20が設けられているので、挟み込み部材20を図7に示す環状凹部17に位置合わせしたり、挟み込み部材20の係合と拡径部13の貫通孔18とを位置合わせする必要がなく、さらに、作業効率の向上を図ることができる。
【0058】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、プレファブ管の接続構造に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態におけるプレファブ管の接続構造を含む配管構造の形状例を示す部分断面側面図である。
【図2】実施の形態におけるプレファブ管の接続構造を含む配管構造の形状例を示す部分断面側面図である。
【図3】発明の実施の形態におけるプレファブ管の接続構造の側面図である。
【図4】プレファブ管の接続構造の部分断面側面図である。
【図5】プレファブ管の一部断面側面図である。
【図6】図4において拡径部をA矢視したときの正面図である。
【図7】拡径部の側断面図である。
【図8】シール部材の側面図である。
【図9】半割れ挟み込み部材の平面図である。
【図10】ピンの詳細を示す側面図である。
【図11】ピンの側面図である。
【図12】図11とは異なる視点における側面図である。
【図13】プレファブ管とプレファブ管の接続工程の第1工程を示す側面図である。
【図14】プレファブ管とプレファブ管との接続工程の第2工程を示す正面図である。
【図15】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを固定したときの断面図である。
【図16】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの正面図である。
【図17】挟み込み部材でプレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【図18】プレファブ管とプレファブ管の接続工程の第1工程を示す側面図である。
【図19】プレファブ管とプレファブ管との接続工程の第2工程を示す正面図である。
【図20】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを固定したときの正面図である。
【図21】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【図22】図21とは異なる位置から見た、挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【図23】プレファブ管とプレファブ管の接続工程の第1工程を示す側面図である。
【図24】プレファブ管とプレファブ管との接続工程の第2工程を示す正面図である。
【図25】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを固定したときの正面図である。
【図26】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【図27】図26とは異なる位置から見た、挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 配管構造、2 溶接部、10 接続構造、11,12 プレファブ管、13
拡径部、14 テーパ部、15 環状凹部、16 シール部材、17 環状凹部、18 各貫通孔、19 係合部、20A,20B 挟み込み部材、30,31 ピン。
【技術分野】
【0001】
本発明は、典型的には建築物内に配設される配管同士を接続する際に使用可能なプレファブ管の接続構造に関する。
【背景技術】
【0002】
建築物内には、一般に給水や給湯等を行なうべく水や湯等の流体を流通させることが可能な様々な配管設備が設置される。この配管設備の設計および設置工事は、建築工事の品質および工期を左右する大きな要因となる。ところが、建築物の基礎工事や、鉄骨の組立作業等に工期の大部分が費やされることが多いため、現実には、残された短い期間の中で配管設備の設置工事を行なうことを要求されることが多い。
【0003】
そこで、従来から、短い工期で配管設備の設置工事を行なうべく、プレファブ管やモジュール管と呼ばれる配管同士を接続可能な様々な形状の接続管を作製し、当該プレファブ管等を用いて効率的に配管設備を構築するプレファブ工法やユニット工法等の手法が提案されている。
【0004】
プレファブ工法は、上記のようなプレファブ管やモジュール管を予め工場等の工事現場以外の場所で作製しておき、これらを工事現場に搬入して配管の組立てを行ない、配管設備を設置するものである。他方、ユニット工法は、たとえば対象となる建築物の設計図から作成されたアイソメトリック図や配管製作図に基づいて、工場等の工事現場以外の場所でプレファブ管やモジュール管を用いて配管ユニットを作製し、この配管ユニットを工事現場に搬入して、他の機器と接続したり、配管ユニット同士を接続する等して配管設備を設置するものである。
【0005】
このように、短い工期内で、配管の取付けを行なう手法以外にも、単に配管同士を接続する手法として、特開2001−205367号公報および特開平9−229260号公報に記載された手法が提案されている。
【特許文献1】特開2001−205367号公報
【特許文献2】特開平9−229260号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上述のような従来のプレファブ工法やユニット工法等を採用して配管設備の設置を行なう際には、配管ユニットを他の機器等と接続したり、プレファブ管やモジュール管を取り付けたりする際に、管同士を正確に位置合わせした状態で保持し、この状態でフランジ等に形成された貫通孔にボルトを通してナットで固定する必要がある。このため、配管の取付けが完了するまでの間、管を保持する作業者と、ボルト締めを行なう作業者とを要し、多くの作業者が必要となるばかりでなく、管を保持しながらボルト締めを行なう必要があり作業効率も低下する。特に、管同士が正確に位置合せされていなければ、フランジ等に形成された貫通孔にボルトを通すことができない場合もあり、このような場合には管同士を固定するのに多大の時間を要することとなる。
【0007】
また、配管作業は、配管図面に従った管形状、管の姿勢を保持した状態での接続・取外しが必要とされる。従来の接続・取外し作業では、継手に管を差し込み、管側を回転して接続するため、異形管と異形管との接続・取外しでは管の姿勢と方向を保てない場合がある。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレファブ工法やユニット工法等を用いて配管設備の形状・姿勢を保持しながら、その設置および取外し作業を効率的に行なうことが可能となるプレファブ管の接続構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係るプレファブ管の接続構造は、1つの局面では、筒状の第1プレファブ管本体と該第1プレファブ管本体の端部に設けられた拡径部とを有する第1プレファブ管と、一端部が拡径部に挿入される第2プレファブ管とを接続するプレファブ管の接続構造であって、第1プレファブ管本体と拡径部との間に設けられ、第1プレファブ管への第2プレファブ管の過度の進入を防止可能なストッパー部と、拡径部内に位置する第2プレファブ管の外周面上であって、第2プレファブ管の開口端部から離れた位置に形成され、第2プレファブ管の周方向に延在する第1環状凹部と、第1環状凹部と第2プレファブ管の開口端との間に位置する第2プレファブ管の外表面と拡径部との間に配置されたシール部材と、拡径部の外周面上に周方向に延びる第2環状凹部と、第2環状凹部内に形成され、拡径部の径方向に貫通する貫通孔と、第1環状凹部に達するように貫通孔に挿入され第2プレファブ管と係合可能な係合部を有し、第2環状凹部に装着され、拡径部と第2プレファブ管とをこれら軸方向に固定可能な固定部材とを備える。好ましくは、上記固定部材は、固定具を装着することで互いに連結される第1、第2連結部材を有し、固定部材を第2環状凹部内に装着した際に、連結部材の外周面の少なくとも一部が第2環状凹部内に位置するように連結部材の厚みを設定する。
【発明の効果】
【0010】
本発明は、上記のような課題に鑑みてなされたものであり、その目的は、プレファブ工法やユニット工法等を用いて配管設備の形状・姿勢を保持しながら、その設置および取外し作業を効率的に行なうことが可能となるプレファブ管の接続構造を提供することにある。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
本発明に係る実施の形態を図1から図27を用いて、説明する。以下の各実施の形態において説明するプレファブ管の接続構造は、前述のプレファブ工法やユニット工法等に適用されるものであり、特に建築物内に設置され水や湯等の流体を移送する配管設備を設置する際に有用である。
【0012】
図1と図2は、本発明の実施の形態におけるプレファブ管の接続構造10を含む配管構造1の形状例を示す部分断面側面図である。
【0013】
図1に示す配管構造1は、プレファブ管11,12と、このプレファブ管11,12の接続構造10とを備える。プレファブ管11は、図1の例では、溶接部2を介して直管やエルボー管等の複数の配管を接合することにより作製されている。他方、プレファブ管12は、主に直管を用いて作製される。このように複数の管を接続することでプレファブ管を構成してもよいが、プレファブ管を単一の管で構成してもよい。図2の例では、プレファブ管11は複数の枝管3を有し、この枝管3にプレファブ管12を接続している。
【0014】
なお、図1や図2に示す配管構成以外の様々な形態の配管構成に対し下記の各実施の形態の接続構造を適用することができる。たとえば、複数のプレファブ管を接続してモジュール化し、プレファブ管を用いて当該配管モジュール同士、あるいは配管モジュールとプレファブ管とを接続する際に、各実施の形態のプレファブ管の接続構造を適用することが考えられる。また、複数のプレファブ管を接続して配管ユニットを作製し、モジュール管を用いて配管ユニット同士、配管ユニットと各種機器、または、配管ユニット化する上でモジュール管もしくはプレファブ管とを接続する場合にも各実施の形態のプレファブ管の接続構造を適用することができる。
【0015】
図3は、本発明の実施の形態におけるプレファブ管11,12の接続構造10の側面図であり、図4は、プレファブ管11、12の接続構造10の部分断面側面図である。図3、図4に示すように、プレファブ管11は、一方の端部に拡径部13を有する。この拡径部13は、プレファブ管11の管本体11Aに管本体11Aよりも径方向の大きい管部材を溶接することで形成しているが、拡径部13を管本体と一体的に成形することも考えられる。
【0016】
拡径部13は、管本体11A側の端部に形成されたテーパ部(ストッパー部)14を有している。このテーパ部14は、管本体11A側からプレファブ管11の開口端部に向かうに従って、拡径するように形成されている。そして、テーパ部14の内径は、管本体11A側でプレファブ管12の外径より小さくなる。このため、プレファブ管12の開口端部とテーパ部14とが当接することにより、プレファブ管12がプレファブ管11内に過度に進入することを抑制することができる。すなわち、テーパ部14は、プレファブ管12の差し込み量の上限を規定するストッパーとしての機能を有する。
【0017】
拡径部13は、この拡径部13の外表面上に形成され、周方向に延びる環状凹部(第2環状凹部)17を有している。そして、この環状凹部17には、拡径部13の径方向に貫通し、拡径部13の外表面と拡径部13の内表面とを連通する貫通孔18が形成されている。図6は、図4において拡径部13をA矢視したときの正面図であり、図7は、拡径部13の側断面図である。この図6および図7に示されるように、貫通孔18は拡径部13の周方向に所定の間隔をあけて複数形成されており、各貫通孔18間には、支持壁部18Aが形成されている。
【0018】
さらに、拡径部13は、図4に示すシール部材16が嵌め込まれる収納部16Aを有している。収納部16Aは、拡径部13の内表面から外方に向けて突出し、拡径部13の内方に向けて開口する環状の凹部とされている。このような、収納部16Aは、拡径部13のうち、環状凹部17とテーパ部14との間に位置する部分に形成されている。
【0019】
このため、図4に示すように、プレファブ管12を拡径部13内に挿入した状態において、シール部材16は、プレファブ管12の開口端部と環状凹部15との間に位置するプレファブ管12の外表面と拡径部13との間に配置される。
【0020】
このため、シール部材16によって、管内を流通する流通液が、環状凹部17にまで達することが抑制されており、環状凹部17に形成された貫通孔18から流通物が外部に漏れ出すことを抑制することができる。
【0021】
図8は、シール部材16の側面図である。この図8に示されるように、シール部材16は、円環状に形成されており、円環状の本体16aと、舌部16bとを備えている。舌部16bは、本体16aの内表面に形成されており、本体16aの一方の開口端部側に接続されている。この舌部16bは、本体16a径方向に弾性変形可能とされている。
【0022】
このため、図4において、プレファブ管12とプレファブ管11とが接続された状態で、管路内を流れる流通物の圧力が大きくなり、流通物がシール部材16にまで達すると、流通物が舌部16bと本体16aとの間に入り込み、舌部16bが内径方向に変形する。そして、舌部16bがプレファブ管12の外表面に押圧され、プレファブ管12とシール部材16との間のシール面圧が向上する。さらに、本体16aは、流通物によって、収納部16Aの内壁面に押圧され、シール部材16とプレファブ管11との間のシール面圧も向上する。
【0023】
図5は、プレファブ管12の一部断面側面図である。この図5に示されるように、プレファブ管12は、円筒状に形成されており、その両端部側に、環状凹部15がそれぞれ形成されている。この環状凹部15は、プレファブ管12の周方向に延在している。なお、本実施の形態においては、環状凹部15は、各端部に1箇所づつ形成されているが、これに限られない。たとえば、プレファブ管12の端部ごとに、複数の環状凹部15を形成してもよい。
【0024】
このように環状凹部15を複数形成した場合には、図4に示す挟み込み部材20によって固定される位置を適宜変更することができ、プレファブ管12の差し込み量を調整することができる。図3および図4に示すように、拡径部13に形成された環状凹部17には、挟み込み部材(固定部材)20が装着されている。図3に示すように、挟み込み部材20は、ピン(固定具)30、31を装着することで互いに連結される半割れ挟み込み部材(連結部材)20A、20Bを有している。
【0025】
図9は、半割れ挟み込み部材20A,20Bの平面図である。この図9に示されるように、半割れ挟み込み部材20A、20Bは、半円状の平板とされている。この半割れ挟み込み部材20Aは、一方の端部に貫通孔20aが形成された平板部22と、他方の端部に貫通孔20bが形成された平板部21と、平板部22と平板部21との間に形成された複数の係合部19と、係合部19間に形成された凹部19Aとを備えている。
【0026】
また、半割れ挟み込み部材20Bも、同様に構成されておりその両端部に貫通孔20c、20dが形成された平板部23、24と、係合部19と、凹部19Aとを備えている。平板部21、24は、図3に示されるように、挟み込み部材20の厚み方向に、2つ間隔を隔てて設けられている。
【0027】
この平板部21間には、半割れ挟み込み部材20Bの平板部23が挿入される。そして、貫通孔20bおよび貫通孔20dが位置合わせされた状態で、ピン30が貫通孔20b、20dに挿入され半割れ挟み込み部材20Aと半割れ挟み込み部材20Bとが連結される。
【0028】
図10は、ピン30の詳細を示す側面図である。この図10に示されるように、ピン30は、円柱状の本体30aと、本体30aの一方の端部に形成され本体30aより大径のヘッド部30cと、本体30aの他方の端部に設けられたCリング30bとを備えている。このようなピン30で、半割れ挟み込み部材20Aと半割れ挟み込み部材20Bとを連結することにより、半割れ挟み込み部材20Aと半割れ挟み込み部材20Bとが互いに回動可能とされつつも、挟み込み部材20Aと挟み込み部材20Bとの連結状態を良好に維持することができる。すなわち、ピン30は、挟み込み部材20の支点としての機能を発揮することができる。
【0029】
ここで、図13から図17を用いて、プレファブ管11とプレファブ管12との接続方法について説明する。図13は、プレファブ管11とプレファブ管12の接続工程の第1工程を示す側面図である。この図13に示されるように、プレファブ管12をプレファブ管11の拡径部13内に向けて押し込む。
【0030】
ここで、貫通孔18から環状凹部15の位置を視認することができるので、作業者は、容易に環状凹部15と貫通孔18とを軸方向に位置合わせすることができる。
【0031】
このように、環状凹部15と貫通孔18とが軸方向に一致するようにプレファブ管12をプレファブ管11内に挿入することにより、管内に正圧が生じたとしても、プレファブ管12がプレファブ管11から脱落しない程度の、プレファブ管11の差し込み量を確保することができる。
【0032】
さらに、テーパ部14によって、プレファブ管12の差し込み量の上限が設定されているため、環状凹部15が拡径部13の奥に入り込み、貫通孔18から環状凹部15を視認できなくなったとしても、プレファブ管12を僅かに引き戻すことにより、環状凹部15を貫通孔18に一致させることができる。
【0033】
すなわち、このプレファブ管11、12の接続構造10によれば、短時間でプレファブ管11の適当な差し込み量を設定することができ、接続作業の効率化を図ることができる。
【0034】
なお、図7に示す貫通孔18のプレファブ管11の軸方向の幅L1を、図5に示す環状凹部15のプレファブ管12の軸方向の幅L2より僅かに大きく設定するのが好ましい。このように幅L1,L2を設定することより、プレファブ管12を拡径部13内に挿入する際に、環状凹部15の位置の視認性を向上させることができる。
【0035】
図14は、プレファブ管11とプレファブ管12との接続工程の第2工程を示す正面図である。この図14に示されるように、環状凹部15と貫通孔18とが位置合わせされた状態のプレファブ管11およびプレファブ管12とを、挟み込み部材20で固定する。図15は、挟み込み部材20で、プレファブ管11とプレファブ管12とを固定したときの断面図である。
【0036】
この図15および図4に示されるように、挟み込み部材20を環状凹部17内装着すると、係合部19が環状凹部15に達し、挟み込み部材20とプレファブ管12とが係合される。また、挟み込み部材20は、拡径部13の環状凹部17内に装着されているため、プレファブ管11とプレファブ管12とが挟み込み部材20を介して、軸方向に固定される。そして、図15において、ピン31を貫通孔20a、20c内に挿入して、挟み込み部材30を固定する。
【0037】
図11は、ピン31の側面図であり、図12は、図11とは異なる視点における側面図である。この図11および図12に示されるように、ピン31は、ピン本体31aと、このピン本体31aの一方の端部に形成され、ピン本体31aより大径に形成されたヘッド部31fとを備えている。また、ピン本体31aの他方の端部には、弾性部材31bが設けられる貫通孔31cが形成されている。この貫通孔31c内には、弾性変形可能な弾性部材31bが設けられている。
【0038】
弾性部材31bは、弾性変形可能な針金部材を屈曲させて、略台形形状または略三角形状とすることにより形成されている。そして、略三角形状または略台形形状とされた針金部材からなる弾性部材31bの頂点部または短辺部側は、ピン31の先端部(一方の端部)に向けて配置され、ヘッド部31f側に向かうに従って、裾部が広がるように配置されている。
【0039】
そして、弾性部材31bの底辺または長辺側は、ピン本体31から外方に突出しており、弾性部材31bを構成する針金部材の両端部は、弾性部材31bの底辺部または長辺部にて互いに対向するように配置されている。そして、弾性部材31bの裾部は、ピン31の先端部側からヘッド部31f側に向かうに従って、外方に広がるように傾斜している。
【0040】
このように構成されたピン31を図15に示す貫通孔20a、20c内に挿入すると、弾性部材31bの裾部は、貫通孔20a、20cの内壁面によって貫通孔31c内に押し縮められ、ピン31は、良好に貫通孔20a、20c内に入り込む。そして、弾性部材31bの裾部が、貫通孔20a、20cを通過すると、外方に張り出し、半割れ挟み込み部材20A,20Bと係合する。
【0041】
このようにして、図15に示されるように、半割れ挟み込み部材20Aと半割れ挟み込み部材20Bとの両端部が互いに連結され、挟み込み部材20が構成され、図4に示される環状凹部17内に装着される。
【0042】
挟み込み部材20が、環状凹部17内に装着されると、図4および図15に示すように、係合部19が環状凹部15内にまで達して、挟み込み部材20とプレファブ管12と蛾係合する。ここで、挟み込み部材20が、環状凹部15内に装着されているため、挟み込み部材20は、プレファブ管11と係合しており、プレファブ管11とプレファブ管12とは、挟み込み部材20を介して互いに係合して、軸方向に互いに固定されることになる。
【0043】
このように、プレファブ管11、12同士の接続は、プレファブ管12を拡径部13内に挿入した後、挟み込み部材20を環状凹部17内に装着し、ピン31で固定するという簡易な作業により完了することができる。このため、短い工期内でプレファブ管11、12の接続作業を完了することができる。さらに、挟み込み部材20を環状凹部17内に装着する際に、挟み込み部材20と拡径部13との間に大きな抵抗が生じることがなく、接続作業の労力低減が図られている。
【0044】
係合部19は、環状凹部15内を摺動可能とされており、プレファブ管12およびプレファブ管11は、互いに、周方向に回動可能とされている。このため、複数のプレファブ管11,12を接続した状態で、地震等の振動が図1および図2に示す配管構造に加えられたとしても、各プレファブ管11,12が相対的に回動することにより、振動により生じる歪みを吸収することができる。これにより、配管構造1に振動が生じたとしても、大きな応力集中が生じる箇所を低減することができ、配管構造1の耐震性の向上を図ることができる。
【0045】
図16は、挟み込み部材20で、プレファブ管11とプレファブ管12とを接続したときの正面図であり、図17は、挟み込み部材20でプレファブ管11とプレファブ管12とを接続したときの側面図である。
【0046】
この図16および図15に示すように、挟み込み部材20の係合部19が環状凹部15に達し、プレファブ管11、12同士の接続が完了すると、図16、図17に示されるように、挟み込み部材20のうち、半割れ挟み込み部材20A,20B同士の接続部21C1,21C2以外の部分が、環状凹部17内に収納される。すなわち、図9に示される凹部19Aにおける半割れ挟み込み部材20A,20Bの径方向の厚みと、環状凹部17の径方向の深さとが一致している。
【0047】
このように、挟み込み部材20が環状凹部17内に収納されることにより、プレファブ管11、12の接続部のコンパクト化を図ることができる。
【0048】
その一方で、たとえば、係合部19が支持壁部18Aと接触、当接等することにより、環状凹部15にまで達しない場合には、挟み込み部材20が環状凹部15からはみ出すこととになる。このため、プレファブ管11、12が挟み込み部材20によって良好に接続されているか否かを、容易に判断することができ、プレファブ管11、12の接続状態の確認作業を短時間で行なうことができる。
【0049】
挟み込み部材20が環状凹部17内に装着されると、係合部19が拡径部13の支持壁部18A間に位置し、挟み込み部材20が周方向に回動することが抑制される。このため、プレファブ管11、12同士を接続した後に、挟み込み部材20が回動し、他の部材と接触したり、破損させたりする等の弊害の発生が抑制されている。
【0050】
さらに、プレファブ管11、12同士の接続を解除する際には、図3および図11において、まず、ピン31の弾性部材31bの幅広部を貫通孔31c内に押し込み、その状態で挟み込み部材20から引き抜く。そして、挟み込み部材20を拡径部13から取り外し、プレファブ管11、12を引き離すことによりプレファブ管11、12の接続解除作業が完了する。このように、このプレファブ管11、12同士の接続構造10によれば、簡単にプレファブ管11,12の接続解除作業を行なうことができる。
【0051】
なお、本実施の形態においては、半割れ挟み込み部材20A,20Bの一方の端部をピン30で接続した状態で、環状凹部17内に装着することとしているが、この接続方法に限られない。
【0052】
図18から図22を用いて、プレファブ管11、12同士の他の接続方法について説明する。
【0053】
図18および図19に示されるように、プレファブ管11を拡径部13内に挿入する。そして、半割れ挟み込み部材20A、20Bをそれぞれ図4に示す環状凹部17内に装着して、プレファブ管11、12同士を固定する。そして、図20に示すように、半割れ挟み込み部材20A、20B同士を、ピン30、31で連結する。このような連結方法によっても、図21および図22に示されるように、上記実施の形態の接続方法と同様に、挟み込み部材20が環状凹部17からはみ出すことを抑制することができ、簡単にプレファブ管11、12を接続することができる。
【0054】
上記実施の形態に係るプレファブ管の接続構造10の変形例について、図23から図27を用いて説明する。
【0055】
図23に示されるように、挟み込み部材20を、挟み込み部材20の連結部20c1にて、拡径部13に固定してもよい。なお、挟み込み部材20と拡径部13とを固定する固定部20c3は、図4に示す環状凹部17の両隣りに位置する拡径部13の表面から立ち上がるように設けられている。
【0056】
そして、図24に示されるように、プレファブ管12をプレファブ管11内に挿入する。その後、図25から図27に示されるように、拡径部13に固定された挟み込み部材20でプレファブ管11、12同士を固定し、挟み込み部材20をピン31で連結する。このようなプレファブ管11、12の接続構造においても、上記実施の形態と同様の作用・効果を得ることができる。
【0057】
さらに、拡径部13に挟み込み部材20が設けられているので、挟み込み部材20を図7に示す環状凹部17に位置合わせしたり、挟み込み部材20の係合と拡径部13の貫通孔18とを位置合わせする必要がなく、さらに、作業効率の向上を図ることができる。
【0058】
以上のように本発明の実施の形態について説明を行なったが、今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は特許請求の範囲によって示され、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることが意図される。
【産業上の利用可能性】
【0059】
本発明は、プレファブ管の接続構造に好適である。
【図面の簡単な説明】
【0060】
【図1】実施の形態におけるプレファブ管の接続構造を含む配管構造の形状例を示す部分断面側面図である。
【図2】実施の形態におけるプレファブ管の接続構造を含む配管構造の形状例を示す部分断面側面図である。
【図3】発明の実施の形態におけるプレファブ管の接続構造の側面図である。
【図4】プレファブ管の接続構造の部分断面側面図である。
【図5】プレファブ管の一部断面側面図である。
【図6】図4において拡径部をA矢視したときの正面図である。
【図7】拡径部の側断面図である。
【図8】シール部材の側面図である。
【図9】半割れ挟み込み部材の平面図である。
【図10】ピンの詳細を示す側面図である。
【図11】ピンの側面図である。
【図12】図11とは異なる視点における側面図である。
【図13】プレファブ管とプレファブ管の接続工程の第1工程を示す側面図である。
【図14】プレファブ管とプレファブ管との接続工程の第2工程を示す正面図である。
【図15】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを固定したときの断面図である。
【図16】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの正面図である。
【図17】挟み込み部材でプレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【図18】プレファブ管とプレファブ管の接続工程の第1工程を示す側面図である。
【図19】プレファブ管とプレファブ管との接続工程の第2工程を示す正面図である。
【図20】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを固定したときの正面図である。
【図21】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【図22】図21とは異なる位置から見た、挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【図23】プレファブ管とプレファブ管の接続工程の第1工程を示す側面図である。
【図24】プレファブ管とプレファブ管との接続工程の第2工程を示す正面図である。
【図25】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを固定したときの正面図である。
【図26】挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【図27】図26とは異なる位置から見た、挟み込み部材で、プレファブ管とプレファブ管とを接続したときの側面図である。
【符号の説明】
【0061】
1 配管構造、2 溶接部、10 接続構造、11,12 プレファブ管、13
拡径部、14 テーパ部、15 環状凹部、16 シール部材、17 環状凹部、18 各貫通孔、19 係合部、20A,20B 挟み込み部材、30,31 ピン。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
筒状の第1プレファブ管本体と該第1プレファブ管本体の端部に設けられた拡径部とを有する第1プレファブ管と、一端が前記拡径部に挿入される第2プレファブ管とを接続するプレファブ管の接続構造であって、
前記第1プレファブ管本体と前記拡径部との間に設けられ、前記第1プレファブ管への前記第2プレファブ管の過度の進入を防止可能なストッパー部と、
前記拡径部内に位置する前記第2プレファブ管の外周面上であって、前記第2プレファブ管の開口端部から離れた位置に形成され、前記第2プレファブ管の周方向に延在する第1環状凹部と、
前記第1環状凹部と前記第2プレファブ管の開口端との間に位置する前記第2プレファブ管の外表面と前記拡径部との間に配置されたシール部材と、
前記拡径部の外周面上に周方向に延びる第2環状凹部と、
前記第2環状凹部内に形成され、前記拡径部の径方向に貫通する貫通孔と、
前記第1環状凹部に達するように前記貫通孔に挿入され前記第2プレファブ管と係合可能な係合部を有し、前記第2環状凹部に装着され、前記拡径部と前記第2プレファブ管とをこれら軸方向に固定可能な固定部材と、
を備えたプレファブ管の接続構造。
【請求項2】
前記固定部材は、固定具を装着することで互いに連結される第1、第2連結部材を有し、
前記固定部材を前記第2環状凹部内に装着した際に、前記連結部材の外周面の少なくとも一部が前記第2環状凹部内に位置するように前記連結部材の厚みを設定した、請求項1に記載のプレファブ管の接続構造。
【請求項3】
前記第1プレファブ管の前記拡径部に、前記第2プレファブ管の一端を挿入した状態で、前記第1プレファブ管に対して前記第2プレファブ管を回動させずに、前記固定部材を前記第2環状凹部内に装着して、前記係合部を前記第2プレファブ管に係合させて、前記第1プレファブ管と前記第2プレファブ管とを軸方向に固定する、請求項1または請求項2に記載のプレファブ管の接続構造。
【請求項1】
筒状の第1プレファブ管本体と該第1プレファブ管本体の端部に設けられた拡径部とを有する第1プレファブ管と、一端が前記拡径部に挿入される第2プレファブ管とを接続するプレファブ管の接続構造であって、
前記第1プレファブ管本体と前記拡径部との間に設けられ、前記第1プレファブ管への前記第2プレファブ管の過度の進入を防止可能なストッパー部と、
前記拡径部内に位置する前記第2プレファブ管の外周面上であって、前記第2プレファブ管の開口端部から離れた位置に形成され、前記第2プレファブ管の周方向に延在する第1環状凹部と、
前記第1環状凹部と前記第2プレファブ管の開口端との間に位置する前記第2プレファブ管の外表面と前記拡径部との間に配置されたシール部材と、
前記拡径部の外周面上に周方向に延びる第2環状凹部と、
前記第2環状凹部内に形成され、前記拡径部の径方向に貫通する貫通孔と、
前記第1環状凹部に達するように前記貫通孔に挿入され前記第2プレファブ管と係合可能な係合部を有し、前記第2環状凹部に装着され、前記拡径部と前記第2プレファブ管とをこれら軸方向に固定可能な固定部材と、
を備えたプレファブ管の接続構造。
【請求項2】
前記固定部材は、固定具を装着することで互いに連結される第1、第2連結部材を有し、
前記固定部材を前記第2環状凹部内に装着した際に、前記連結部材の外周面の少なくとも一部が前記第2環状凹部内に位置するように前記連結部材の厚みを設定した、請求項1に記載のプレファブ管の接続構造。
【請求項3】
前記第1プレファブ管の前記拡径部に、前記第2プレファブ管の一端を挿入した状態で、前記第1プレファブ管に対して前記第2プレファブ管を回動させずに、前記固定部材を前記第2環状凹部内に装着して、前記係合部を前記第2プレファブ管に係合させて、前記第1プレファブ管と前記第2プレファブ管とを軸方向に固定する、請求項1または請求項2に記載のプレファブ管の接続構造。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【公開番号】特開2007−285437(P2007−285437A)
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−114585(P2006−114585)
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【特許番号】特許第3917167号(P3917167)
【特許公報発行日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000148726)株式会社多久製作所 (8)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年11月1日(2007.11.1)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年4月18日(2006.4.18)
【特許番号】特許第3917167号(P3917167)
【特許公報発行日】平成19年5月23日(2007.5.23)
【出願人】(000148726)株式会社多久製作所 (8)
【Fターム(参考)】
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