説明

プレミックスされた自硬性の骨移植ペースト

ペースト状の骨移植材質または歯移植材質は、リン酸カルシウムおよび/またはカルシウム含有粉末、液状グリセロール、有機酸およびゲル化剤の混合物を含む。前記ペーストは安定性、すなわちウオッシュアウト耐久性があり、水に曝されると硬化する。稠度、多孔性、および硬化時間を含むペーストの物理的特徴は、構成成分の選択および割合によって制御される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連する出願の参照)
本国際出願は、2001年1月24日に出願された米国特許仮出願第60/263,894号の利益を主張する2002年1月23日に出願された米国特許出願第10/057,554号に基づく。本出願はまた同時係属の2003年4月8日に出願された米国特許仮出願60/461,338号に基づき、かつその利益を主張し、参照により本明細書に組み込まれる。
【0002】
(連邦政府による資金提供を受けた研究開発の記載)
本開発は、NIDCRからのアメリカンデンタルアソシエーションヘルスファウンデーションへのUSPHS研究助成DE11789による部分的な援助をうけた。米国またはその機関は、この主張した発明に一定の権利を有する。
【0003】
(本発明の背景)
本発明の多様な態様は、一般に自硬性のリン酸カルシウム含有組成物および/またはカルシウム含有接着剤組成物を対象とする。前記組成物を用いて、骨および歯の修復、ならびに同様な適用に関するペーストを形成する。そのペーストは、治療部位に送達した後、所望の時間内で硬化する。
【0004】
大部分の従来のリン酸カルシウム接着剤は、適用する前に早急に水溶液に混合される。臨床的症状において、外科医が接着剤を適切に混合して規定時間内に欠陥へその接着剤ペーストを送達する能力は、最適な結果を成し得るための臨床的要因である。
【0005】
第四リン酸カルシウム(Ca(POO、また「TTCP」ともいう)、および第二リン酸カルシウム無水(CaHPO、また「DCPA」ともいう)からなる自硬性リン酸カルシウム接着剤(calcium phosphate cement)(「CPC」)が臨床的研究において骨の欠陥の治療に有効であることが示されてきた。従来の接着剤などの硬化時間は、水を用いて約30分ほどもかかる。しかし、リン酸溶液を接着剤液として使用した場合、硬化時間は短縮できる。ヒドロキシアパタイト(Ca(POOH、また「HA」ともいう)は、その産物として形成される。最近になって、TTCPを含まないさらなるCPC、例えばα−第三リン酸カルシウム(α−Ca(PO、また「α−TCP」ともいう)およびCaCOまたはDCPAおよびCa(OH)などがまた、開発された。これらの接着剤は、リン酸溶液を接着剤液として使用する場合、約10分間で硬化する。これらもまた、最終産物としてヒドロキシアパタイト(「HA」)を形成する。
【0006】
接着剤液としてTTCP粉末およびDCPA粉末を含むプレミックスされたCPCペーストを、注入技術により、根管の補充やシーリングのために用いられてきた。接着剤ペーストは、注射器内で安定であるが、周辺組織由来の水に曝された根管内に送達した後のみ硬化することが分かっている。接着剤ペーストを限定された領域に注入するので、ウオッシュアウトによるペーストの分解の心配はほとんどかった。プレミックスされたCPCは、従来の複数の根管補充またはシーリング材質に比べて歯根尖端周囲の骨組織との生体適合性を改善することが示されたが、プレミックスされたCPC−グリセロールペーストは、開かれた湿った領域に適用する場合、良好なウオッシュアウト耐久性を示さなかった。
【0007】
パッケージ内で安定で、ウオッシュアウトに耐久性もつが、いったん欠陥部位へ堆積した後のみ硬化し、ひいては規定時間内で硬化する、プレミックスされた接着剤ペーストの必要性が依然必要とされる。
【0008】
(本発明の概要)
本発明の多様な態様は、プレミックスされたカルシウムおよび/またはリン酸カルシウムならびに有機酸の接着剤ペーストを形成するための、組成物および方法を含み、前記ペーストはパッケージ中で安定であり、ウオッシュアウト耐久性であり、欠陥部位または移植部位に送達後に所望の時間内で硬化する。カルシウム複合体およびHAを形成するための接着剤ペーストの硬化反応は無水の環境では起こらないので、プレミックス内では、無毒性、難水溶性であるグリセロールなどの水混和可能液が、液体として好ましい。有機酸は、接着剤の所望の治療部位に送達される際の硬化を、促進させるために使用される。好ましい有機酸は、カルボン酸を含む。ゲル化剤はまた、ペーストの凝集性を良くするするために添加してもよい。
【0009】
骨組織および歯組織を治療し修復する方法は、当業者が周知の任意の適切な方法によりペーストを欠陥部位に送達することを含む。ペーストを水溶性液体(aqueous fluid)に曝すことで、比較的急速な速さでペーストを硬化して接着剤へと促す。
【0010】
グリセロール、NaHPO、およびヒドロキシプロピルメチルセルロース(「HMC」)をCPC粉末と混合することにより接着剤の硬化および調製を促すようにリン酸ナトリウムを用いてプレミックスされた自硬性接着剤を作製する場合、その接着剤は所望の部位に送達された後のみ硬化する。NaHPOは接着剤の硬化を促す役目を有するが、これらの接着剤の硬化時間(「HT」)は60分かそれ以上である。より短い硬化時間を望む場合、接着剤の硬化を速める有機酸を含む本発明の組成物は、自硬性のリン酸カルシウム含有および/またはカルシウム含有接着剤ペーストを備え、これらのペーストは約35分またはそれ以下の時間で硬化する。
【0011】
したがって、ウオッシュアウトへの耐久性ならびに所望の硬化時間を示すリン酸カルシウム含有および/またはカルシウム含有接着剤物質のプレミックスされた組成物を提供することが、本発明の目的である。
【0012】
さらに本発明の目的は、歯材質または骨の修復に関し、水に曝した後にカルシウム複合体およびHAを形成可能な、本質的に無水の、接着剤形成ペーストを提供することである。
【0013】
本発明の別の目的は、HA形成接着剤ペーストの硬化時間を制御する方法を提供することである。
【0014】
本発明の別の目的は、水環境に曝されるまで注入可能なペースト形態のままであり得るHA形成接着剤の形成を提供することである。
【0015】
これらおよび他の目的、すなわち本発明の利点および特徴を以下の詳細な説明にて説明する。
【0016】
(本発明の詳細な説明)
骨移植の使用および同様な医学的治療の適用に関する、プレミックスされたカルシウム接着剤ペーストを提供する。前記ペーストは、骨または歯の欠陥部位への送達に関し、注入可能であってよい。前記ペーストは無毒性のカルシウム含有および/またはリン酸カルシウム含有粉末、カルシウム複合体を形成可能な無毒性の有機酸、および無毒性、難水溶性の水混和可能液を含む。難水溶性液は、水環境で固まるペーストの早まる硬化を制限するのに好ましい。好ましい液体はグリセリンである(また「グリセロール」ということもある)。有機酸はペーストの送達の際の硬化時間を速めるために用いられる。ゲル化剤、例えばHMC、カルボキシメチルセルロース(「CMC」)、アルギン酸塩、キトサンなどもまた、ペーストの凝集性およびウオッシュアウト耐久性を増強するために、前記粉末と混合してもよい。
【0017】
カルシウム複合体の形成により接着剤が硬化するので、自硬性接着剤はまた、リン酸カルシウム化合物の代わりに、またはそれと組合わせてカルシウム含有化合物を使用して形成してよいことを意図する。リン酸カルシウムおよび/またはカルシウム含有化合物の粉末は、第一リン酸カルシウム1水和物(「MCPM」)、第一リン酸カルシウム無水(「MCPA」)、第二リン酸カルシウム無水(「DCPA」)、第二リン酸カルシウム脱水物(「DCPD」)、第八リン酸カルシウム(「OCP」)、α−TCP、β−第三リン酸カルシウム(「β−TCP」)、アモルファスリン酸カルシウム(「ACP」)、カルシウム欠損HA、非化学量論的HA、TTCP、CaSO、CaSO・0.5HO、CaSO・2HO、CaO、Ca(OH)、CaCOおよびその混合物を含んでよい。TTCPのCa/Pモル比は好ましくは約1.67〜約2であり、α−TCPに関しては約1.5〜約1.67、およびβ−TCPに関しては約1.50〜約1.67である。リン酸カルシウムおよび/またはカルシウム含有化合物の粒径は、約1〜約200μmであり、より好ましくは約2〜約50μmである。
【0018】
任意に適当な、無毒性で難水溶性の水混和可能液を、前記ペーストを調製する際に使用してもよい。見込まれる液体は、グリセリン、ならびに関連する液体例えばグリセリン化合物、誘導体、置換体などが含まれ、これらは無毒性、難水溶性、および水混和可能である。特定のアルコールもまた、無毒性、難水溶性、水混和可能液として使用するのに適している。好ましくは前記液は、グリセリン、プロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)、およびその組合わせから選択される。
【0019】
好ましい有機酸は、無毒性、有機カルボン酸である。複数のカルボン酸が溶解性がそれほど高くないカルシウム複合体を形成する。有機酸はグリコール酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、およびマレイン酸を含む。1以上のリン酸カルシウム化合物および/またはカルシウム含有化合物を含む粉末と、これらの有機酸のいくつかを混合した場合、比較的速く硬化する接着剤を形成する。したがって、これらの有機酸を使用すると、より速くプレミックスした接着剤を形成することが可能となる。1以上の有機酸を、水溶性液体に接触させる時のみ硬化する安定なペーストを提供するため、前記粉末と混合する。いずれの理論にもとらわれたくないが、リン酸カルシウム化合物および/またはカルシウム含有化合物は、水の存在下で有機酸と反応し、直接ヒドロキシアパタイトを形成するよりもむしろ溶解性がそれほど高くないカルシウム複合体を初めに形成すると考えられている。したがってこれは結果的に前記ペーストのより迅速な硬化をもたらす。
【0020】
前記組成物はまた、ペーストの凝集性およびウオッシュアウト耐久性を増強する、無毒性のゲル化剤を含んでよい。前記ゲル化剤は、HMC、CMC、キトサン、コラーゲン、ガム、ゼラチン、およびアルギン酸塩、およびその組合わせを含む。
【0021】
本質的に無水状態下で前記組成物を調製して保存することで、その接着剤ペーストの早すぎる硬化を制限する。欠落または欠損した骨や歯の組織を治療または修復するために、前記組成物を、種々の医療処置や歯科処置において自硬性接着剤ペーストとして使用してよい。前記接着剤ペーストを、注射器での注入またはスパチュラによる堆積を含むいずれの適当な方法を用いて欠陥部位に適用してもよく、また所望によりin vivoでこねて作製したり彫って作製してもよい。前記接着剤ペーストを、欠陥部位での水を含む生理液または別の水環境に曝した場合、比較的迅速に硬化する。前記接着剤ペーストの硬化速度を速めるために欠陥部位に接着剤ペーストを適用する前、または後どちらかに、水溶性液体を前記組成物に接触させてよい。例えば、欠陥部位に送達した後に、前記接着剤ペーストの外面の硬化を促すリン酸ナトリウムまたは食塩水を吹き付けてもよく、これらはまた、適用してこねて形作られたような前記接着剤ペーストの形状維持を助ける。別の例として、欠陥部位に前記ペーストを適用する前に、水を前記接着剤ペーストと混合して、硬化を開始してもよい。
【0022】
ほとんどの臨床治療に適用するためには、60分以上の接着剤硬化時間は長すぎる。本発明の多様な態様に従ってプレミックスされたペーストまたは自硬性骨移植ペースト(「BGP」)は、HTがたった約35分であり、好ましくはたった約20分、さらに好ましくは約5〜約15分である。
【実施例】
【0023】
以下の実施例はさらに本発明の好ましい態様を例証しているが、付随するクレームに記載の本発明の範囲を制限するものとして解釈されない。
【0024】
多様なプレミックスされた自硬性ペーストを調製した。ペーストの硬化時間および他の特徴を評価した。
【0025】
プレミックスされたペーストの固形成分の調製
市販で入手したDCPA(Baker Analytical Reagents、J.T.Baker Chemical Co.,Phillipsburg,NJ)およびCaCO(J.T.Baker Chemical Co.)の等モルの混合物を1500℃で6時間加熱して室温で急冷し、TTCPを調製した。ペースト組成物であるTTCP粉末およびDCPA粉末を、シクロヘキサン、エタノール中で、または液体のない状態で、遊星ボールミルにて個々に粉砕し、所望の平均粒径を得た。その粒径は典型的には約15μmで、CPC粉末の作製に関する先行技術に記載されている。TTCPおよびDCPAの平均粒径は、各々約17.1μm、および約1.7μmであった。
【0026】
2molのDCPAおよび1molのCaCOを含む混合物を1500℃で6時間加熱した後空気中で急冷して、α―TCPを調製した。前記粉末をシクロヘキサン、エタノール中で、または液体のない状態で、遊星ボールミルにて個々に粉砕し、前述の研究からのデータに基づき所望の平均粒径を得た。α−TCPおよびCaCOの平均粒径は各々4.6μmおよび3.9μmであった。Ca(OH)の平均粒径は2.2μmであった。本発明に従って調製した前記ペーストの組成物粒径は、1〜50μmの範囲であってよい。
【0027】
対照およびプレミックスされたペーストの液体成分:
全ての成分は市販にて入手した。カルボン酸、HMCまたはCMC、およびグリセリンの均一な混合物をボールミルにて混合することにより作製した。
【0028】
プレミックスされたペーストの調製
プレミックスされたペースト組成物を、滑らかで均質なペーストが得られるまで、ミキシングブロック(mixing block)で粉末および液体を所望の粉末の液体に対する質量比(P/L)で混合することにより調製した。成分を質量分率(%)で示した前記組成物を表1にて示す。
【表1】

【0029】
ウオッシュアウト耐久性試験
プレミックスされた前記ペーストのウオッシュアウト耐久性を以下のように試験した。プレミックスされたペースト試料を手で小さな球体に成形し、次にすぐに37℃の5mlの生理様溶液(physiologic−like solution)(「PLS」)(1.15mM Ca、1.2mM P、133mM NaCl、50mM HEPES、pH=7.4)に配置した。その試料はPLS中であきらかに分解しない場合、ウオッシュアウト耐久性にパスしたとみなした。全ての試料が優れたウオッシュアウト耐久性を示した。
【0030】
直径引張り強さ(diametral tensile strength)(「DTS」)測定
モールド(3mmの高さによる6mmの直径)の中にプレミックスされたペーストをおよそ2MPaの適用圧力で配置することによって、DTS試料を調製した。そのモールド(mold)をフリットしたスライドグラス(孔径約40〜約60μm、厚さ約3.5mm)2枚で覆い、PLS中に37℃で浸した。グリセロール−PLS交換が、フリットしたガラスを通して生じ、これによりペーストが硬化した。試料を約4時間後にモールドから取り外し、次に各試料を30mlのPLS中にさらに20時間浸した。場合によっては、さらなる試料を調製し、毎日交換したPLS(30ml/試料、37℃)を用いて試料をさらに6日間PLS中に浸し、物理化学的性質におけるPLS浸漬の効果を調べた。DTS値(標準不確かさは5%)は、万能材料試験機(United Calibration Corp、Garden Grove、CA)にて10mm/分の負荷速度を用いて測定した。
【0031】
硬化速度の測定
DTS測定で上記に記載の調製した試料での硬化時間を測定するのに、ギルモアニードル法(Gilmore needle method)(標準不確かさは5%)を用いた。全ての試料で硬化時間が短いことが示された。硬化時間を表2にて示した。
【0032】
(表2)
プレミックスされたペースト HT(時間、平均±標準偏差、n=3)
P1 10±1
P2 15±1
P3 20±1
P4 20±1
P5 35±1
P6 15±1
P7 25±1
P8 35±1
P9 20±1
【0033】
ヒドロキシアパタイト形成の評価
粉末のX線回析(「XRD」)を用いて、ペーストのHAへの変換量を予測した。0.01°である2θ測定、およびXRDで検出できるリン酸カルシウム相の最小質量分率での、推定できる標準不確かさは約3%であった。
【0034】
直径引張り強さ(DTS)
いくつかのプレミックスされたペースト試料のDTSは、表3に記載されているように明らかにされた。
【0035】
(表3)
ペースト 1日目のDTS(MPa) 7日目のDTS(MPa)
P1 4.3±0.3(n=5) 3.8±0.3
P2 3.1±0.5 3.0±0.3
P3 2.3±0.4 2.7±0.3
【0036】
ヒドロキシアパタイト(「HA」)形成
初めに形成される接着剤組成物のHAへの変換は、1日目の試料では不完全であった。プレミックスされたペーストの7日目の全試料において、初めの接着剤組成物のHAへの変換は、完全であるか完全に近いことが、XRDの使用で確証された。
【0037】
つまり、骨の代替ペーストおよび歯の代替ペーストは、乾燥した粉末成分の結合の結果形成され、カルボン酸および水の存在下でカルシウム複合体へと変換する特徴をもつ。ヒドロキシプロピルメチルセルロースなどのゲル化剤は、前記粉末と混合してペーストの凝集性を向上させる。結合する成分の比率は広範であり、結果的に形成されたペーストを、注入可能性、有孔性、および硬化時間を含むペーストの性質をかなり正確に制御するように考案できる。
【0038】
本発明の特定の態様を記載し例示したがいっぽうで、当業者によりなされ得る改変のように、本発明がそれに限定されないことは理解すべきである。本出願は、本明細書に記載の基礎をなす本発明の精神および範囲内に含まれる任意のおよび全ての改変を意図する。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
歯の修復および骨移植および以下を組合わせて含む修復、すなわち
無毒性で難水溶性の水混和可能液;
第一リン酸カルシウム1水和物、第一リン酸カルシウム無水、第二リン酸カルシウム無水、第二リン酸カルシウム脱水物、第八リン酸カルシウム、α−第三リン酸カルシウム、β−第三リン酸カルシウム、アモルファスリン酸カルシウム、カルシウム欠損ヒドロキシアパタイト、非化学量論的ヒドロキシアパタイト、第四リン酸カルシウム、CaSO、CaSO・0.5HO、CaSO・2HO、CaO、Ca(OH)、CaCOおよびその混合物からなる群から選択される粉末化したカルシウム化合物;および
水の存在下でカルシウム化合物と反応した場合のカルシウム複合体を形成するための有機酸、
に関する物質の組成物。
【請求項2】
ゲル化剤を含む、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
ゲル化剤がヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、キトサン、コラーゲン、ガム、ゼラチン、およびアルギン酸塩、およびその組合わせからなる群から選択される、請求項2に記載の組成物。
【請求項4】
前記有機酸がカルボン酸である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
前記カルボン酸は、グリコール酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、およびマレイン酸およびその組合わせからなる群から選択される、請求項4に記載の組成物。
【請求項6】
前記水混和可能液が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)およびその混合物からなる群から選択される、請求項1に記載の組成物。
【請求項7】
カルシウム化合物粉末の本質的に無水の混合物、無毒性で難水溶性の水混和可能液およびカルボン酸を組合わせて含む、骨修復および歯の修復に関するペースト。
【請求項8】
カルシウム化合物粉末が第四リン酸カルシウムを含む、請求項7に記載のペースト。
【請求項9】
第四リン酸カルシウムは、カルシウムのリン酸塩に対するモル比が約1.67〜約2である、請求項8に記載のペースト。
【請求項10】
カルシウム化合物粉末が第三リン酸カルシウムを含む、請求項7に記載のペースト。
【請求項11】
第三リン酸カルシウムは、カルシウムのリン酸塩に対するモル比が約1.5〜約1.67である、請求項10に記載のペースト。
【請求項12】
カルシウム化合物粉末は第四リン酸カルシウムおよび第二リン酸カルシウム無水を含む、請求項7に記載のペースト。
【請求項13】
前記粉末は、粒径が約1〜約200μmである、請求項7に記載のペースト。
【請求項14】
前記粉末は、粒径が約2〜約50μmである、請求項13に記載のペースト。
【請求項15】
無毒性で難水溶性の水混和可能液が、グリセリン、プロピレングリコール、ポリ(プロピレングリコール)、ポリ(エチレングリコール)およびその混合物からなる群から選択される、請求項7に記載のペースト。
【請求項16】
前記カルボン酸がグリコール酸、クエン酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、およびマレイン酸およびその組合わせからなる群から選択される、請求項7に記載のペースト。
【請求項17】
粉末の液体に対する質量比が1.5対1〜3対1の範囲である、請求項7に記載のペースト。
【請求項18】
骨修復および歯の修復のためのペーストを調製する方法であって、前記方法は:
(a)無毒性で難水溶性の水混和可能液;
第一リン酸カルシウム1水和物、第一リン酸カルシウム無水、第二リン酸カルシウム無水、第二リン酸カルシウム脱水物、第八リン酸カルシウム、α−第三リン酸カルシウム、β−第三リン酸カルシウム、アモルファスリン酸カルシウム、カルシウム欠損ヒドロキシアパタイト、非化学量論的ヒドロキシアパタイト、第四リン酸カルシウム、CaSO、CaSO・0.5HO、CaSO・2HO、CaO、Ca(OH)、CaCOおよびその混合物からなる群から選択される粉末;および
カルシウム粉末とカルシウム複合体を形成するための有機酸を含む組成物、すなわち実質的に無水状態下で形成される前記組成物を形成すること;および
(b)前記組成物を実質的に無水条件下で保存することを含む、方法。
【請求項19】
さらに、ペーストの凝集性を高めるのに効果的である前記ゲル化剤と前記組成物とを混合することをコンプロマイズする、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
骨および歯の欠陥を治療する方法であって:すなわち
(a)請求項1〜6のいずれかの組成物を用いて前記欠陥を補充すること;および
(b)前記組成物を水溶性液体に接触させて組成物の硬化を促進することを含む、方法。
【請求項21】
前記組成物を前記欠陥に補充する前に、前記組成物を前記水溶性液体に混合する、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記組成物を前記欠陥に補充した後で、前記組成物を前記水溶性液体に接触させる、請求項20に記載の方法。
【請求項23】
骨および歯の欠陥を治療する方法であって:すなわち
(a)請求項7〜17のいずれかのペーストを用いて前記欠陥を補充すること;および
(b)前記組成物を水溶性液体に接触させて前記組成物の硬化を促進することを含む、方法。
【請求項24】
前記組成物で前記欠陥を補充する前に、前記ペーストを前記水溶性液体に混合する、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記混合物を前記欠陥に補充した後で、前記ペーストを前記水溶性液体に接触させる、請求項24に記載の方法。

【公表番号】特表2006−522641(P2006−522641A)
【公表日】平成18年10月5日(2006.10.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−507076(P2006−507076)
【出願日】平成16年3月11日(2004.3.11)
【国際出願番号】PCT/US2004/007422
【国際公開番号】WO2004/093734
【国際公開日】平成16年11月4日(2004.11.4)
【出願人】(505377212)エイディーエイ ファウンデーション (5)
【Fターム(参考)】