説明

プレートコンテナ特性管理システム

プレート管理システム(10)は、撮像されるプレートを格納するよう構成されるプレートコンテナ(24)、それらプレートのプレート特性情報を記憶するよう構成されるリード・ライトメモリ要素(26)、及び、そのメモリ要素に取り付けられる通信インタフェースを用いてその特性情報を書き込み、更新し、且つ復元するよう構成される制御装置(34)を含む。


【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ときにはプレートパレット、トレイ、又は、CTP(Computer to Plate)画像装置と共に用いられるカセットと称されるプレートコンテナにおけるプレートの特性を保存し且つ読み出すための装置及び方法に関する。
【背景技術】
【0002】
種々のシステム及び応用が、金属、紙、プラスチック等でできたシート又はプレートの束を利用する。印刷プレート(以下では、単独で或いは集合的に“プレート”と称される。)は、典型的には、それらプレートを格納し且つそれらの保護、輸送、及び取り扱いを容易にするプレートコンテナ内に積み重ねられる。
【0003】
印刷プレートを取り扱うシステムは、一般的に、特有の寸法を有するプレートコンテナを利用する。プレートコンテナは、通常、様々なサイズのプレートを格納するよう設定され得るが、同じプレートコンテナにおける全てのプレートが同じサイズであってもよい。それらプレートは、搬送用コンテナから手動で取り出され、プレート撮像システムでの利用のためにプレートコンテナ内に挿入され得る。プレートコンテナ内に詰め込まれるプレートは、中間にある紙シート(以下、“仕切り紙”と称する。)によって仕切られる。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
印刷プレートを格納するプレートコンテナは、重くかさばっており、そのようなトレイを上下に移動させるには、複雑で高価な機構が必要となり、また、時間もかかる。プレート供給処理中のプレートの正確な配置を維持しながら、元のプレートコンテナから画像装置内に直接的にプレートを供給する自動的で且つ効率的な取り扱いシステムに対する広く認識されたニーズが存在する。
【課題を解決するための手段】
【0005】
つまり、本発明の一態様によると、プレート管理システムは、撮像されるプレートを格納するよう構成されるプレートコンテナ、それらプレートのプレート特性情報を記憶するよう構成されるメモリ要素、及び、そのメモリ要素に取り付けられる通信インタフェースを用いることによってその特性情報を書き込み、更新し、且つ復元するように構成される制御装置を含む。
【0006】
本発明におけるこれらの並びに他の目的、特徴、及び有利点は、本発明の実施例が示され且つ説明される図面と一緒に以下の詳細な説明を読むことで、当業者によって明らかとなる。
【図面の簡単な説明】
【0007】
【図1】プレート管理システムの斜視図である。
【図2】本発明にしたがったプレート管理システムを利用するプレートローディングシステムの斜視図である。
【図3】プレート画像装置に接続される、本発明にしたがった自動プレートローディングシステムの斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0008】
以下の詳細な説明では、本開示の完全な理解のために、複数の具体的詳細を説明する。しかしながら、本開示が教えるところは、それらの具体的詳細なしでも実施され得ることが当業者によって理解されるであろう。他の事例では、よく知られた方法、処理、構成要素、及び回路は、本開示の教えるところを曖昧にしてしまうことがないよう、詳細には説明されない。
【0009】
本発明は、印刷プレートの準備工程中に、印刷プレートの特性を保存し且つ読み出すための方法及びシステムを説明する。図1は、典型的な印刷プレート準備システム10を示す。印刷プレート準備システム10は、プレート画像装置16と、接続用プレートトレイ14を通じてプレートを画像装置16に供給するよう構成されるプレートパレットローダ12とを含む。或いは、プレートローダは、プレートを画像装置16に供給するよう構成される少なくとも1つのプレートトレイであってもよい。
【0010】
図2は、プレートローダ12を示す。プレートコンテナ24は、この例ではプレートパレットであり、プレートパレットアダプタ22上に配置される。リード・ライトメモリ要素26は、プレートパレットアダプタ22に取り付けられる。図3は、プレートパレットシステム30を表し、プレートパレットシステム30は、プレートパレットアダプタ22、そのプレートパレットアダプタ上に配置されるプレートコンテナ24、及び、リード・ライトメモリ要素26で構成される。制御装置34は、この例ではコンピュータであり、プレート準備処理を制御するよう構成される。
【0011】
リード・ライトメモリ要素26は、プレート特性情報を記憶する。それらのパラメータは、
1.プレートタイプ、プレートベンダ、又は他の固定プレート情報等の固定パラメータ。このタイプのパラメータは、プレート製造場所でリード・ライトメモリ要素26に書き込まれ、プレートコンテナの一部として印刷場所に配達され得る。
2.残りの未使用のプレートの数、パレットアダプタのパレット位置等の動的パラメータ。この情報は、プレート撮像処理中に更新され、リード・ライトメモリ要素26にライトバックされる。
3.固定プレートパラメータに従属するパラメータ。それらのパラメータは、プレート露光パラメータを含み得る。そのようなパラメータセットは、プレートタイプに特有なものとなり得、また、例えば、そのプレートタイプが使用されている場合にそのシステムに自動的にロードされる。それらの従属パラメータは、特定のプレートタイプを格納するプレートパレットの検出の際に、制御装置34によってリード・ライトメモリ要素26に書き込まれる。
【0012】
システム操作者は、制御装置34を操作する。その操作者は、プレート撮像処理に必須のプレート特性情報を表すパラメータを制御装置34に入力する。それらのパラメータは、少なくとも、プレート名、プレートタイプ、プレート数、プレートサイズ、プレート厚、プレートベンダ、プレート感度、プレート配置、及び露光情報を含む。
【0013】
それらのパラメータは、プレート準備処理中に、必要に応じて、リード・ライトメモリ要素26に保存され且つ更新される。制御装置34とリード・ライトメモリ要素26との間のデータ転送は、Bluetooth等の無線手段によって、或いは、例えばラジオ周波数によって実施され得る。リード・ライトメモリ要素26は、プレートパレット製造業者によって、プレートコンテナ24又はプレートアダプタ22に取り付けられ、また、リード・ライトメモリ要素26は、パレットにおけるプレートの数、プレートタイプ、プレートサイズ等の適切な情報で、そのプレート製造業者によって更新される。プレート撮像処理中に、追加的なパラメータが、リード・ライトメモリ要素26にロードされる。この情報は、例えば、画像装置16のドラム上のプレート位置を含んでいてもよい。プレートコンテナ24におけるプレートの数等の動的情報は、プレート撮像処理中に更新される。
【0014】
典型的なプレート撮像処理において、操作者は、新しいプレートコンテナ24を画像装置16に装着する。制御装置34は、リード・ライトメモリ要素26から、パレットにおけるプレートの数、プレートタイプ、プレートベンダ等のプレートパレット特性を自動的に読み出す。制御装置34は、プレートコンテナ24から取ってくるプレートの撮像段階で使用される、例えば、反射性、レーザ出力、ドラム速度である露光パラメータを自動的に指定する。それら露光パラメータは、リード・ライトメモリ要素26から読み出されるプレートパレット特性にしたがって選択される。
【0015】
別の例では、操作者は、第一プレートコンテナ24を第二プレートコンテナに交換してもよい。第二プレートコンテナは、異なるプレートタイプのプレートを持っている。プレートコンテナ24は、その交換に先立って、第一プレートコンテナ24のリード・ライトメモリ要素26における動的パラメータを更新する。第二プレートコンテナは、動作のためにシステム内に入れられる。第一プレートコンテナ24がシステムに再び入れられる段階で、プレートパレットにおけるプレートの位置及び傾き等の動的パラメータは、操作者の介入なしに、自動的に有効となる。
【符号の説明】
【0016】
10・・・印刷プレート準備システム
12・・・プレートパレットローダ
14・・・接続用プレートトレイ
16・・・画像装置
22・・・プレートパレットアダプタ
24・・・プレートコンテナ
26・・・リード・ライトメモリ要素
30・・・プレートパレットシステム
34・・・制御装置

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像プレートを格納するプレートコンテナ;
プレート特性を記憶する、プレートコンテナのメモリ要素;
プレート特性を書き込み、更新し、かつ、復元する制御装置;及び
前記制御装置と前記メモリ要素との間のやりとりのために前記メモリ要素に取り付けられる通信インタフェース;
を有するプレート管理システム。
【請求項2】
前記プレートコンテナは、トレイである、
請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記プレートコンテナは、プレートパレットである、
請求項1に記載の装置。
【請求項4】
前記メモリ要素は、RFID(無線自動識別装置)要素である、
請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記メモリ要素は、フラッシュメモリである、
請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記メモリ要素は、EPROM(消去可能プログラマブルROM)である、
請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記特定は、プレート名、プレートタイプ、プレート数、プレートサイズ、プレート厚、プレートベンダ、プレート感度、プレート位置、露光情報、又はそれらの組み合わせのうちの1又は複数を含むグループから選択される、
請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記インタフェースは、無線である、
請求項1に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公表番号】特表2012−530661(P2012−530661A)
【公表日】平成24年12月6日(2012.12.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2012−516060(P2012−516060)
【出願日】平成22年6月16日(2010.6.16)
【国際出願番号】PCT/US2010/001738
【国際公開番号】WO2010/151301
【国際公開日】平成22年12月29日(2010.12.29)
【公序良俗違反の表示】
(特許庁注:以下のものは登録商標)
1.BLUETOOTH
【出願人】(590000846)イーストマン コダック カンパニー (1,594)
【Fターム(参考)】