説明

プレートフィン熱交換器

【課題】性能低下や大型化若しくは重量の増加を抑制しつつ熱交換を行う流体の外部への漏洩を防止することができるプレートフィン熱交換器を提供することを課題とする。
【解決手段】本発明は、多数の流路30が層状に並ぶ熱交換部本体31と熱交換部本体31の各流路30内に配置され当該流路30を挟んで対向する仕切り壁33に当該流路30内を流れる流体F1の熱をそれぞれ伝熱する伝熱部材32とを有する熱交換部3と、熱交換部3の両外側に接続され、熱交換部3の各仕切り壁33よりも流路30を流れる流体F1の熱に基づく熱応力により損傷し易い被検知用壁36を有する検知部35と、被検知用壁36の損傷を検知する検知手段50とを備え、検知部35は、複数の密閉空間30cを有し、最も外側の密閉空間30cとその内側の密閉空間30cとの間を仕切るように被検知用壁36が配置されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、内部にフィンプレートが内装された、いわゆるプレートフィン熱交換器に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、プレートフィン熱交換器(以下、単に「熱交換器」とも称する。)として特許文献1に記載のものが知られている。この熱交換器は、ケーシング内に第1の流体が流れる流路と第2の流体が流れる流路とが交互に配置されることにより多数の流路が並ぶ熱交換部を備える。具体的に、熱交換部100は、図4(a)及び図4(b)に示されるように、間隔をおいて平行に配置される複数の仕切りプレート102と、各仕切りプレート102間に配置される波板状のフィンプレート104と、このフィンプレート104を幅方向から挟むようにその両側にそれぞれ配置され、その間に仕切りプレート102と共に流路rを形成するために当該フィンプレート104に沿って仕切りプレート102間を密閉する密閉部材106とを備える。フィンプレート104は、当該フィンプレート104が配置された流路r内を流れる流体の熱を当該フィンプレート104を挟むように配置される一対の仕切りプレート102に伝熱するために、一方の密閉部材106から他方の密閉部材106まで間隔をおいて並ぶ特定の位置で前記一対の仕切りプレート102間を接続する(図4(b)参照)。このように構成された熱交換部100では多数の流路rが層状に並んでいる。
【0003】
この熱交換器では、熱交換部100に並ぶ多数の層状の流路rに対して二種類の流体(例えば、高温の流体と低温の流体と)を交互に流すことにより、隣り合う流路を流れる二種類の流体間で仕切りプレート102を介した熱交換が行われるように構成されている。このとき、フィンプレート104は、当該フィンプレート104が挟まれた一対の仕切りプレート102間を流れる流体の熱を前記一対の仕切りプレート102にそれぞれ伝熱し、これにより前記の熱交換の効率を向上させる。このように構成される熱交換器は、比較的構造が簡単で、しかも総括伝熱係数が大きいため、コンパクト性が求められる空気分離装置等の各種用途の熱交換器に用いられる。
【0004】
前記の熱交換部100には、通常、熱交換部100の流路rの並び方向(図4(b)においては上下方向)の両外側に、内部空間r1を有する保護部110が設けられている。保護部110は、熱交換器の設置や移動等の際に、熱交換部100と他の部材との接触等に起因する損傷から流体の流れる流路rを保護するために設けられた部位である。即ち、保護部110は、熱交換部100が他の部材と接触することにより当該熱交換部100の外面が凹んでも、この凹みが保護部110で止まり、この保護部110よりも内側の流路rを構成する仕切りプレート102等に前記凹みに起因する変形等が生じないようにするための部位である。この保護部110は、熱交換部100の各流路rと同様の構成を有する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平7−167580号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記の熱交換部100では、通常、密閉部材106の方がフィンプレート104よりも剛性が高く、且つフィンプレート104の方が密閉部材106よりも伝熱性能に優れるため、熱変化への追従性はフィンプレート104の方が密閉部材106よりも高い。そのため、熱交換部100において各流路rを流れる流体の温度が急激に変化すると、この温度変化に基づき、各流路rでは密閉部材106よりもフィンプレート104の方が大きく変形する。このように密閉部材106とフィンプレート104とで前記温度変化に基づく変形量に違いが生じると、この変形量の違いに基づく応力(熱応力)が熱交換部100の特定の部位に生じる。具体記に、前記流体の急激な温度変化(例えば、50℃/min等)によって密閉部材106はあまり膨張しないがフィンプレート104は密閉部材106よりも大きく膨張しようとする。このとき、図5に示すように、流路rを挟む一対の仕切りプレート102の間隔は剛性の高い密閉部材106の配置された部位近傍ではあまり変化しないが、密閉部材106から離れた部位、即ち、流路rの幅方向の中心部位ではフィンプレート104の膨張によって広げられる。このように仕切りプレート102が変形すると、当該仕切りプレート102の特定の部位に前記変形に起因する応力(熱応力)が生じる。尚、この熱応力は、一般に、熱交換部100において急激な流量変動や温度変化が発生したときに、各部材の前記温度変化等に基づく変形量の違いにより発生するものであり、高温の流体のみではなく低温の流体の温度変化等によっても前記同様に特定の部位に各部材の変形量の違いに起因する熱応力が発生する。
【0007】
通常、熱交換部100では多数(例えば数百)の流路rが層状に並んでいるため、流路rの並び方向において、中心部から外側(図5においては上側及び下側)に向って離れるほど流路r間を仕切る仕切りプレート102の初期位置からの変形量が大きくなる。これは、図5に示すように、中心部から外側に向かって各層(各流路)での前記変形量が加算されるためである。
【0008】
そのため、例えば、化学プラントで前記の熱交換器が用いられた場合のように、熱交換が行われる流体の急激な温度変化や、全使用期間中の起動停止回数が重ねられるごとに前記の変形が繰り返され、その結果、変形量の最も大きくなる保護部110とその内側の流路rとを仕切る仕切りプレート102の特定の位置に、前記熱応力に基づく疲労が最も蓄積され、これにより当該仕切りプレート102に孔や亀裂等の損傷が発生する確率が高くなる。
【0009】
この位置の仕切りプレート102に孔等の損傷が生じると、流路rを流れる流体が保護部110の内部空間r1に流入する。運転中の熱交換部100の流路r内では高圧状態の流体が流れているため、当該流路rから保護部110の内部空間r1内に流体が流出し続けることで当該保護部110内の圧力も徐々に高くなり、保護部110の内部空間r1から熱交換器の外部に流体が漏れ出る場合がある。
【0010】
そこで、このような流体の熱交換器の外部への漏洩を防止するために、前記仕切りプレート102の前記の変形量を抑えて疲労の蓄積を抑制するために、フィンプレート104の剛性を高くしたり、各流路r内に補強部材を挿入して各流路r間の仕切りプレート102の変形量を抑制することが考えられた。
【0011】
しかし、このようにフィンプレート104の剛性を高くするとフィンプレート104の熱伝導率が小さくなり、これにより熱交換部100の熱交換効率が低下して熱交換器の性能が低下する。また、補強部材を用いると装置が大型化若しくは重量が増加するといった問題が生じる。
【0012】
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、性能低下や大型化若しくは重量の増加を抑制しつつ熱交換を行う流体の外部への漏洩を防止することができるプレートフィン熱交換器を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
そこで、上記課題を解消すべく、本発明は、第1の流体と第2の流体との両流体間で熱交換が行われるプレートフィン熱交換器であって、前記第1の流体が流れる流路と前記第2の流体が流れる流路とを有しこれら流路が仕切り壁を介して交互に配置されることにより多数の流路が層状に並ぶ熱交換部本体とこの熱交換部本体の各流路内に配置され当該流路を挟んで対向する前記仕切り壁同士を接続して当該流路内を流れる流体の熱を前記対向する仕切り壁にそれぞれ伝熱する伝熱部材とを有する熱交換部と、この熱交換部の前記流路の並び方向の両外側にそれぞれ接続され、前記熱交換部の各仕切り壁よりも前記流路を流れる流体の熱に基づく熱応力により損傷し易い被検知用壁を有する検知部と、この検知部の被検知用壁の損傷を検知するための検知手段とを備え、各検知部は、前記流路の並び方向に並ぶ複数の密閉空間を内部に有し、この複数の密閉空間のうち最も外側の密閉空間とその内側の密閉空間との間を仕切るように前記被検知用壁が配置されることを特徴とする。
【0014】
かかる構成によれば、前記熱交換部の仕切り壁よりも前記流路を流れる流体の熱に基づく熱応力により損傷し易い被検知用壁を有する検知部を熱交換部に設け、この被検知用壁の損傷を検知するための検知手段を備えることにより、流体の外部への漏洩なく各仕切り壁に蓄積される前記流体の熱に基づく熱応力による疲労を検知することができる。
【0015】
即ち、孔や亀裂等の損傷が生じても流体の外部への漏洩の無い被検知用壁を熱交換部の各仕切り壁よりも流体の熱に基づく熱応力による疲労の蓄積が多くなる位置に配置することにより、各仕切り壁よりもこの被検知用壁を先に前記熱応力により損傷させてこれを検知することで、各仕切り壁に前記熱応力に基づく疲労が蓄積していることを検知し、実際に各仕切り壁が前記疲労の蓄積により損傷して流体が外部へ漏洩する前に修理等を行うことが可能となる。
【0016】
具体的に、流体の急激な温度変化や流量変化が生じたときに伝熱部材の熱膨張によって各流路を挟んで対向する仕切り壁同士の間隔が拡げられ、各仕切り壁に変形が生じる。初期位置からの変形量は、流路の並び方向において、中心部の仕切り壁に比べて外側の仕切り壁ほど大きくなる。これは、中心側の仕切り壁が変形し、この変形した状態の仕切り壁から更に外側の仕切り壁が当該仕切り壁と前記中心側の仕切り壁との間に配置された伝熱部材の熱膨張によりさらに変形し、これが繰り返されるためである。従って、前記流路の並び方向の最も外側の流路の更に外側に検知部を設け、この検知部に前記流路と同じ方向に並ぶ密閉空間を複数設け、この密閉空間同士の間を仕切る位置に被検知用壁を設けることで、当該被検知用壁が最も熱応力に基づく変形が大きくなる。そのため、流体の急激な温度変化等や熱交換器の起動停止が繰り返され、前記流体の熱に基づく変形と初期位置への復帰とが繰り返される結果、前記被検知用壁に蓄積される前記熱応力に基づく疲労が最も大きくなる。このように、最も前記熱応力に基づく疲労が蓄積される位置に被検知用壁を配置し且つ被検知用壁に損傷が生じても流体の外部への漏洩が無い状態となるように当該被検知用壁を配置し、この被検知用壁に生じる孔等の損傷を検知することにより、各仕切り壁が損傷する前に当該仕切り壁に前記熱応力に基づく疲労が蓄積しているのを検知することが可能となる。
【0017】
本発明に係るプレートフィン熱交換器においては、前記検知手段は、前記被検知用壁を挟む2つの密閉空間のうち一方の密閉空間内を加圧する加圧手段と、他方の密閉空間内の圧力を測定する圧力測定手段とを有するのが好ましい。
【0018】
かかる構成によれば、一方の密閉空間内の圧力を加圧手段によって保持しつつ他方の密閉空間内の圧力を圧力測定手段によって測定することにより、被検知用壁に生じた初期の損傷、即ち、小さな孔や亀裂等でも、その有無を精度よく検知することが可能となる。
【0019】
具体的に、加圧手段によって一方の密閉空間内の圧力を一定に保つことにより、被検知用壁に孔等の損傷が生じているとこの孔等を通じて一方の密閉空間から他方の密閉空間へ一方の密閉空間内の流体(例えば、窒素ガス等)が漏れ出る。そうすると、他方の密閉空間内の圧力が上昇するため、この圧力を圧力測定手段によって測定することにより、被検知用壁の損傷の有無を検知することができる。
【0020】
前記熱交換部は、前記流路の並び方向の最も外側の流路と外部とを仕切る外側仕切り壁を有し、前記検知部は、前記流路の並び方向の最も内側の密閉空間が前記外側仕切り壁を介して前記熱交換部の最も外側の流路と隣り合うように当該熱交換部に接続され、各密閉空間内が前記熱交換部の前記流体が流れているときの各流路内の圧力と同じ圧力になっても耐える強度を有するのが好ましい。
【0021】
かかる構成によれば、熱交換器の運転時に熱交換部と検知部との間の外側仕切り壁に損傷が生じ、この損傷した部位から検知部の密閉空間内に流体が流出しても、この流体の圧力による検知部の損壊を防止することができる。しかも、密閉空間内に漏れ出た流体は当該密閉空間内に閉じ込められた状態となるため、外部に流体が漏洩するのを阻止することができる。
【0022】
また、前記密閉空間のうち前記流路の並び方向の最も内側の密閉空間内の前記流体の有無を検知するための流体検知手段を備えるのが好ましい。
【0023】
かかる構成によれば、熱交換器の運転時に熱交換部の前記流路の並び方向の最も外側の流路から検知部の前記最も内側の密閉空間内に流体が流出しても、流体検出手段がこれを検知することにより、流体の流路からの流出を容易且つ確実に検知することができる。しかも、前記最も内側の密閉空間内に漏れ出た流体は当該密閉空間内に閉じ込められた状態となるため、外部に流体が漏洩するのを阻止することができる。
【0024】
前記各検知部は、2つの密閉空間を有するのが好ましい。このように検知部に設けられる密閉空間を2つにすることで、熱交換器の大型化及び重量の増加を抑制しつつ、流体の外部への漏洩なく各仕切り壁に蓄積される前記流体の熱に基づく熱応力による疲労を検知することが可能となる。
【発明の効果】
【0025】
以上より、本発明によれば、性能低下や大型化若しくは重量の増加を抑制しつつ熱交換を行う流体の外部への漏洩を防止することができるプレートフィン熱交換器を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
【図1】本実施形態に係るプレートフィン熱交換器の概略構成図である。
【図2】前記プレートフィン熱交換器における熱交換部の一部を切欠いた部分拡大斜視図である。
【図3】前記熱交換部及び検知部の横断面の概略図である。
【図4】従来の熱交換器における熱交換部の(a)は分解斜視図であり、(b)は正面図である。
【図5】前記従来の熱交換部の熱膨張状態を示す模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、本発明の一実施形態について、添付図面を参照しつつ説明する。
【0028】
本実施形態に係るプレートフィン熱交換器(以下、単に「熱交換器」とも称する。)は、内部を流れる第1の流体と第2の流体との両流体間で熱交換が行われる熱交換器である。具体的に、熱交換器1は、図1乃至図3に示されるように、縦型の箱型形状のケーシング2と、このケーシング2の中央部に内装され、第1の流体F1が流れる第1流路30aと第2の流体F2が流れる第2流路30bとが交互に配置される熱交換部3とを備える。
【0029】
ケーシング2は、下端部及び上端部に第1の流体用の下部ヘッダ21及び上部ヘッダ22を有する。また、ケーシング2は、上側部及び下側部に第2の流体用の上側部ヘッダ23及び下側部ヘッダ24を有する。下部ヘッダ21には第1の流体F1を熱交換器1内に導入するための第1流体導入配管21aが接続され、上部ヘッダ22には第1の流体F1を熱交換器1から導出するための第1流体導出配管22aが接続されている。また、上側部ヘッダ23には第2の流体F2を熱交換器1内に導入するための第2流体導入配管23aが接続され、下側部ヘッダ24には第2の流体F2を熱交換器1から導出するための第2流体導出配管24aが接続されている。
【0030】
このケーシング2の内部には、上下方向の中央部に熱交換部3が配設され、熱交換器の上部に上部分配部25が配設され、熱交換部3の下部に下部分配部26が配設される。上部分配部25は、第2流体導入配管23aから上側部ヘッダ23に導入された第2の流体F2を熱交換部3の各第2流路30bに案内すると共に熱交換部3の各第1流路30aを通過した第1の流体F1を上部ヘッダ22に案内する部位である。一方、下部分配部26は、第1流体導入配管21aから下部ヘッダ21に導入された第1の流体F1を熱交換部3の各第1流路30aへ案内すると共に、熱交換部3の各第2流路30bを通過した第2の流体F2を下側部ヘッダ24に案内する部位である。
【0031】
このように構成されることにより、熱交換器1に供給される第1の流体F1は、第1流体導入配管21aから下部ヘッダ21及び下部分配部26を順に通過して熱交換部3の各第1流路30a内に導入され、これら各第1流路30aを通過した後、上部分配部25及び上部ヘッダ22を順に通過して第1流体導出配管22aに導出される。一方、熱交換器1に供給される第2の流体F2は、第2流体導入配管23aから上側部ヘッダ23及び上部分配部25を順に通過して熱交換部3の各第2流路30b内に導入され、これら各第2流路30bを通過した後、下部分配部26及び下側部ヘッダ24を順に通過して第2流体導出配管24aに導出される。
【0032】
熱交換部3は、第1流路30aと第2流路30bとが交互に配置されることにより多数の流路30(第1流路30aと第2流路30bと)が層状に並ぶ熱交換部本体31と、各流路30内に配置されるフィンプレート(伝熱部材)32とにより構成される。熱交換部本体31は、複数の仕切りプレート(仕切り壁)33と、仕切りプレート33同士を接続するサイドバー34とを有する。仕切りプレート33は、一方の面と他方の面との間で熱伝導可能な板状の部材であり、本実施形態では、A3003等のアルミニウム合金で形成された矩形の板状部材である。複数の仕切りプレート33は、立設された状態で隣り合う仕切りプレート33同士が互いに平行となるように間隔をおいて並んでいる。尚、仕切りプレート33の具体的な材質は限定されず、例えば、本実施形態ではA3003等のアルミニウム合金であるが、チタン、銅、ステンレス鋼等であってもよい。
【0033】
サイドバー34は、間隔をおいて並ぶ複数の仕切りプレート33の各仕切りプレート33間を塞ぐことにより、対向する仕切りプレート33同士を接続すると共に当該仕切りプレート33間に流路30を形成する部材である。サイドバー34は、各仕切りプレート33間の両側部にそれぞれ配置され、この仕切りプレート33の側部に沿って上下に延びると共に一方の仕切りプレート33から他方の仕切りプレート33までを塞ぐ。尚、サイドバー34の具体的な材質は限定されず、例えば、本実施形態ではA3003等のアルミニウム合金であるが、チタン、銅、ステンレス鋼等であってもよい。
【0034】
以上のように仕切りプレート33とサイドバー34とが配置されることにより、各仕切りプレート33間に一対の仕切りプレート33とこの仕切りプレート33間に配設された一対のサイドバー34とに囲まれた流路30が形成される。これにより、熱交換部3では多数の流路30が層状に並ぶ(図3参照)。この流路30は、第1の流体F1が流れる第1流路30aと第2の流体F2が流れる第2流路30bとを有する。第1流路30aと第2流路30bとは互いに同一の構成を有する。本実施形態では、層状に並ぶ多数の流路30に対し、その並び順に交互に第1の流体F1と第2の流体F2とが流されるため、熱交換部3には第1流路30aと第2流路30bとが交互に並ぶ。
【0035】
フィンプレート32は、各流路30内に配置され、当該流路30を挟んで対向する仕切りプレート33同士を接続して当該流路30内を流れる流体F1又はF2の熱を前記対向する仕切りプレート33にそれぞれ伝熱するための部材である。即ち、フィンプレート32は、各流路30内において当該流路30内を流れる流体との接触面積を確保して熱交換部3の熱交換効率を向上させるための部材である。具体的には、フィンプレート32は、流路30の幅方向(図2における矢印αの方向)において、当該フィンプレート32を挟むように対向する仕切りプレート33に交互に接するように凹凸を繰り返す板部材、換言すると波板状の部材である。このように構成されるフィンプレート32は、サイドバー34に比べて熱膨張率が大きい。この熱膨張率の違いは、形状や大さ等に基づく各部材の熱容量や剛性の違いにより生じている。尚、フィンプレート32の具体的な材質は限定されず、例えば、本実施形態ではA3003等のアルミニウム合金であるが、チタン、銅、ステンレス鋼等であってもよい。
【0036】
このように構成される熱交換部3には、流路30の並び方向(図3における上下方向)の両外側にそれぞれ検知部35が接続されている。言い換えると、検知部35は、熱交換部3を流路30の並び方向の外側から挟むように当該熱交換部3に接続されている。この検知部35は、熱交換部3の各仕切りプレート33よりも流路30を流れる流体の熱に基づく熱応力により損傷し易い被検知用プレート(被検知用壁)36を有する。具体的に、各検知部35は、流路30の並び方向に並ぶ複数(本実施形態では、2つ)の密閉空間30cを内部に有し、この複数の密閉空間30cのうち前記並び方向の最も外側の密閉空間30cとその内側の密閉空間30cとの間を仕切るように被検知用プレート36が配置される。
【0037】
本実施形態では、検知部35は、熱交換部3と一体に形成されている。具体的に、検知部35は、流路30の並び方向において、熱交換部3の両外側にさらに複数(本実施形態では2枚)の仕切りプレート33が間隔をおいて平行に配置され、各仕切りプレート33間に熱交換部3と同様のフィンプレート32aが配置された状態でその周縁部を全周に亘ってサイドバー34aにより密閉することで形成されている。このように、検知部35では一対の仕切りプレート33の周縁部が全周に亘ってサイドバー34aにより密閉されることにより、当該一対の仕切りプレート33間には密閉空間30cが形成される。また、流路30の並び方向の外側から2枚目の仕切りプレート33が被検知用プレート36を構成する。即ち、平行に並ぶ複数の仕切りプレート33においては、その配置される位置により仕切りプレート33毎に流体F1又はF2の熱に基づく熱応力による疲労の蓄積の大小が生じ、本実施形態では前記外側から2枚目の仕切りプレート33の前記疲労の蓄積が最も多くなるため、当該位置の仕切りプレート33を被検知用プレート36とする。これは、流路30の並び方向の外側ほどフィンプレート32とサイドバー34との熱膨張率の違いに基づく仕切りプレート33の初期位置からの変形量が大きくなるためである。
【0038】
尚、本実施形態では、検知部35の仕切りプレート33と熱交換部3の仕切りプレート33とに同じプレートが用いられ、検知部35のフィンプレート32aと熱交換部3のフィンプレート32とに同じプレートが用いられている。また、検知部35のサイドバー34aと熱交換部3のサイドバー34とには、同じ素材が用いられている。これにより、検知部35は、その密閉空間30c内の圧力が熱交換部3における高圧の流体F1又はF2が流れている状態の流路30内と同じ圧力になっても耐える強度を有する。
【0039】
この検知部35のさらに外側には、熱交換部3及び検知部35を保護するためのアウトサイドシート37が設けられている。
【0040】
以上のように構成される各検知部35には、被検知用プレート36の損傷を検知するための検知手段50がそれぞれ設けられている。この検知手段50は、圧力測定手段51と、加圧手段52と、ガスリークチェック手段(流体検知手段)53とを有する。圧力測定手段51は、密閉空間30c内の圧力を測定するためのものであり、本実施形態では圧力計が用いられる。加圧手段52は、密閉空間30c内を加圧するためのものであり、本実施形態では密閉空間30c内に窒素ガスを送り込むことにより当該密閉空間30c内を加圧する。ガスリークチェック手段53は、密閉空間30c内の流体F1又はF2の有無を検知するためのものである。
【0041】
具体的に、検知部35には各密閉空間30cと連通する配管55がそれぞれ接続され、各配管55は、3つの支管(第1支管55a、第2支管55b及び第3支管55c)に分岐する。各支管55a乃至55cにはバルブ56a乃至56cが設けられ、第1支管55aには圧力測定手段51が接続され、第2支管55bにはガスリークチェック手段53が接続され、第3支管55cには加圧手段52が接続されている。また、流路30の並び方向の外側の密閉空間30cに連通する配管55とその内側の密閉空間30cに連通する配管55とは接続管57を介して連通し、この接続管にはバルブ58が設けられている。
【0042】
以上のように構成される熱交換器1では、当該熱交換器1が起動し、第1流体導入配管21aから第1の流体(本実施形態では40℃のメタンを中心とする天然ガス)F1が熱交換器1内に導入されると共に第2流体導入配管23aから第2の流体(本実施形態では−40℃のメタンを中心とする天然ガス)F2が熱交換器1内に導入されることにより、第1の流体F1と第2の流体F2との間で熱交換が行われる。尚、熱交換器1により熱交換が行われる具体的な流体や各流体の具体的な温度は前記のガスや温度に限定されない。
【0043】
具体的に、熱交換器1の起動により、第1流体導入配管21aから下部ヘッダ21及び下部分配部26を通じて熱交換部3内に案内された第1の流体F1と、第2流体導入配管23aから上側部ヘッダ23及び上部分配部25を通じて熱交換部3内に案内された第2の流体F2とは、熱交換部3において仕切りプレート33を介して互いに対向する向き(図1において、第1の流体F1が上向き、第2の流体F2が下向き)に流れる。このように熱交換部3の各流路30を第1の流体F1と第2の流体F2とが流れることにより、第1の流体F1と第2の流体F2とが仕切りプレート33及び各流路30内に配置され仕切りプレート33に接するフィンプレート32を介して互いに熱交換を行う。
【0044】
このようにして熱交換器1が所定時間可動すると、第1の流体F1及び第2の流体F2の供給が停止され、熱交換器1も停止する。熱交換器1は、このように起動と停止とを繰り返す。
【0045】
熱交換器1の運転中に、熱交換部3の各流路30を流れる第1の流体F1や第2の流体F2に急激な温度変化や流量変化が生じる場合がある。この急激な温度変化や流量変化は、前記の熱交換器1の起動や停止のとき以外にも生じる。このような場合、この急激に温度や流量が変化した第1の流体F1又は第2の流体F2に接する仕切りプレート33、フィンプレート32、サイドバー34には、それぞれ熱膨張が生じる。このとき仕切りプレート33、フィンプレート32、サイドバー34は、それぞれ熱膨張率が異なるため部材33,32,34毎に前記熱膨張に基づく変形量が異なる。具体的には、前記のようにサイドバー34よりもフィンプレート32の方が熱膨張率が大きいため、各流路30を挟む仕切りプレート33がその間に配置されるフィンプレート32によって変形する。詳細には、流体F1又はF2の熱によってサイドバー34はあまり膨張しないが、フィンプレート32はサイドバー34よりも大きく膨張しようとする。そのため、流路30を挟む一対の仕切りプレート33の間隔がサイドバー34の配置された側部ではあまり変化しないがサイドバー34から離れた部位、即ち、流路30の幅方向の中心部位ではフィンプレート32の熱膨張により仕切りプレート33間の間隔が広げられる。このように仕切りプレート33が変形すると、当該仕切りプレート33の特定の部位(具体的にはサイドバー34近傍)に前記変形に起因する応力(熱応力)が生じる。
【0046】
本実施形態では熱交換部3に多数(例えば数百)の流路30が層状に並んでいるため、流路30の並び方向において、中心部から外側(図3においては上側又は下側)に向って離れるほど流路30間を仕切る仕切りプレート33の初期位置からの変形量が大きくなる(例えば図5参照)。これは、中心部から外側に向かって各流路30での前記変形量が加算されるためである。即ち、中心側の仕切りプレート33が変形し、この変形した状態の仕切りプレート33から更に外側の仕切りプレート33が当該仕切りプレート33と前記中心側の仕切りプレート33との間に配置されたフィンプレート32の熱膨張によりさらに変形し、これが繰り返されるためである。従って、流路30の並び方向の外側の仕切りプレート33ほど前記の変形量が大きくなる。
【0047】
この仕切りプレート33は、例えば、熱交換器1が停止して流路30内の流体F1及びF2の流通が止まると、熱膨張していたフィンプレート32が元の状態に収縮するため、変形していた状態から平らな状態(初期位置)に戻る。
【0048】
このように、熱交換器1の全使用期間中の起動停止回数が重ねられる等、熱交換部3内を流通する流体F1又はF2の急激な温度変化や流量変化が生じるごとに前記の膨張と収縮とが繰り返され、その結果、前記の変形量の最も大きくなる前記外側の仕切りプレート33ほど、前記特定の位置に前記応力に基づく疲労が多く蓄積され、これにより当該仕切りプレート33に孔や亀裂等の損傷が発生する確率が高くなる。
【0049】
そこで本実施形態に係る熱交換器1では、熱交換部3の前記外側に被検知用プレート36を備える検知部35を設け、この被検知用プレート36の損傷を検知するための検知手段50を備えて前記損傷を検知することにより、流体F1又はF2の外部への漏洩なく各仕切りプレート33に蓄積される前記流体の熱に基づく熱応力による疲労を検知することができる。
【0050】
即ち、孔や亀裂等の損傷が生じても流体F1又はF2の外部への漏洩の無い被検知用プレート36を熱交換部3の各仕切りプレート33よりも第1の流体F1の熱に基づく熱応力による疲労の蓄積が多くなる位置(即ち、前記並び方向外側の位置)に配置することによって、各仕切りプレート33よりもこの被検知用プレート36を先に前記熱応力により損傷させてこれを検知することで、各仕切りプレート33に前記熱応力に基づく疲労が蓄積していることを検知し、実際に各仕切りプレート33が前記疲労の蓄積により損傷して流体F1又はF2が外部へ漏洩する前に修理等を行うことが可能となる。
【0051】
前記の被検知用プレート36の損傷の検知は、以下のようにして行われる。
【0052】
流路30の並び方向の外側の密閉空間30cと連通する配管55の第1支管55aのバルブ56aを開放すると共に、前記密閉空間30cの内側の密閉空間30cと連通する配管55の第3支管55cのバルブ56cを開放する。この状態で前記内側の密閉空間30c内にこの密閉空間30cに接続された加圧手段52により窒素ガスを注入して加圧すると共に前記外側の密閉空間30c内の圧力をこの密閉空間30cに接続された圧力測定手段51により測定する。前記外側の密閉空間30cと内側の密閉空間30cとの間を仕切る被検知用プレート36に孔や亀裂等の損傷が生じていると、前記外側の密閉空間30c内の圧力が上昇するため、前記損傷を検知することができる。即ち、被検知用プレート36に孔等の損傷が生じると、この孔等を通じて前記内側の密閉空間30cから前記外側の密閉空間30cへ前記内側の密閉空間30c内に充填された窒素ガスが漏れ出るため、前記外側の密閉空間30c内の圧力が上昇し、これを前記外側の密閉空間30cに接続された圧力測定手段51によって測定することにより被検知用プレート36の損傷の有無を検知することができる。
【0053】
尚、このような被検知用プレート36の損傷の検知は、常に行ってもよく、また、定期的に行うようにしてもよい。また、被検知用プレート36の損傷の検知は、前記外側の密閉空間30c内を加圧して圧力を保持しつつ前記内側の密閉空間30c内の圧力を測定するようにしてもよい。
【0054】
熱交換器1の運転時に、流路30の並び方向内側の密閉空間30cと連通する第2支管55bのバルブ56bを開放することにより、熱交換部3の流路30と前記内側の密閉空間30cとの間を仕切る仕切りプレート33の損傷を検知することが可能となる。具体的に、前記仕切りプレート33に孔等の損傷が生じると、この孔等を通じて流路30から前記内側の密閉空間30cに流体F1又はF2が流入する。そのため、この内側の密閉空間30c内のガスの成分を当該密閉空間30cに接続されたガスリークチェック手段53により分析して前記ガス内に流体F1又はF2の成分が含まれている場合には、流体F1又はF2の漏れがあることになり、前記仕切りプレート33の損傷を検知することができる。
【0055】
さらに、外側の密閉空間30cに連通する第2支管55bのバルブ56bを開放すれば、流路30と前記内側の密閉空間30cとの間を仕切る仕切りプレート33に加え、前記内側の密閉空間30cと前記外側の密閉空間30cとの間を仕切る仕切りプレート33(被検知用プレート36)も損傷している場合にその検知が可能になる。即ち、前記両仕切りプレート33に損傷が生じている場合にだけ、熱交換部3から前記外側の密閉空間30cまで流体F1又はF2が到達するため、この外側の密閉空間30cのガスチェックを行い、これに流体F1又はF2の成分が含まれていた場合には、前記両仕切りプレート33にそれぞれ損傷が生じていることがわかる。
【0056】
また、前記内側の密閉空間30cと連通する第1支管55aのバルブ56aを熱交換器1の運転時に開放しておくことによっても、熱交換部3の流路30と検知部35の前記内側の密閉空間30cとの間を仕切る仕切りプレート33の損傷の有無を検知することが可能となる。具体的に、前記仕切りプレート33に損傷が生じると、前記内側の密閉空間30c内に流体F1又はF2が流入する。そうするとこの内側の密閉空間30c内の圧力が上昇するため、この圧力上昇を当該密閉空間30cに接続された圧力測定手段51により検出することで、前記仕切りプレート33に損傷が生じたことを検知することが可能となる。
【0057】
尚、本発明のプレートフィン熱交換器1は、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々変更を加え得ることは勿論である。
【0058】
前記の実施形態では、各検知部35の内部に密閉空間30cが2つずつ設けられているが、これに限定されず3以上設けられてもよい。しかし、各検知部35に設けられる密閉空間30cを2つずつとすることにより、熱交換器1の大型化及び重量の増加を抑制しつつ、流体F1又はF2の外部への漏洩なく各仕切りプレート33に蓄積される流体F1の熱に基づく熱応力による疲労を検知することが可能となる。
【0059】
また、前記の実施形態の検知手段50は、検知部35の各密閉空間30cに対しそれぞれ圧力測定手段51と加圧手段52とガスリークチェック手段53とが配管55を介して接続されているがこれに限定されない。検知手段50は、少なくとも、被検知用プレート36を挟む2つの密閉空間30cのうち一方の密閉空間30cに当該密閉空間30c内を加圧する加圧手段52が接続され、他方の密閉空間30cに当該密閉空間30c内の圧力を測定する圧力測定手段51が接続されるように構成されていればよい。
【0060】
また、検知手段50に、ガスリークチェック手段53が含まれなくてもよい。即ち、検知手段50とは独立に設けられてもよい。この場合、ガスリークチェック手段53は、流路30の並び方向の最も内側の密閉空間30cに接続されていればよい。このようにガスリークチェック手段53が接続されると、熱交換器1の起動時(運転時)に熱交換部3と検知部35との間の仕切りプレート33に孔等の損傷が生じ、この損傷した部位から検知部35の密閉空間30c内に流体F1又はF2が流出しても、ガスリークチェック手段53がこれを検知することができ、これにより流体F1又はF2の流路30からの流出を容易且つ確実に検知することができる。しかも、密閉空間30c内に漏れ出た流体は当該密閉空間30c内に閉じ込められた状態となるため、外部に流体が漏洩するのを阻止することができる。また、検知部35が熱交換部3と同様の強度を有しているため、熱交換部3の流路30から検知部35の密閉空間30cに漏れ出た流体F1又はF2の圧力による検知部35の損壊等を防止することができる。
【0061】
本実施形態の熱交換部3は、2種類の流体F1及びF2が互いに逆方向に流れつつ熱交換を行うように構成されるが、2種類の流体F1及びF2が同じ方向に流れるように構成されてもよく、互いに交差する方向に流れるように構成されてもよい。このような熱交換部3でも、多数の流路30が層状に並び、各流路30にフィンプレート32が配置されると、熱膨張により流路30の並び方向の外側の仕切りプレート33ほど熱応力に基づく疲労が蓄積し易くなるため、検知部35及び検知手段50を設けることで、前記の実施形態同様の効果、即ち、流体の外部への漏洩なく各仕切り壁に蓄積される前記流体の熱に基づく熱応力による疲労を検知することができる。
【符号の説明】
【0062】
1 熱交換器(プレートフィン熱交換器)
3 熱交換部
30 流路
30a 第1流路
30b 第2流路
30c 密閉空間
31 熱交換部本体
32 フィンプレート(伝熱部材)
32a フィンプレート
33 仕切りプレート(仕切り壁)
34 サイドバー
35 検知部
36 被検知用プレート(被検知用壁)
50 検知手段


【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の流体と第2の流体との両流体間で熱交換が行われるプレートフィン熱交換器であって、
前記第1の流体が流れる流路と前記第2の流体が流れる流路とを有しこれら流路が仕切り壁を介して交互に配置されることにより多数の流路が層状に並ぶ熱交換部本体とこの熱交換部本体の各流路内に配置され当該流路を挟んで対向する前記仕切り壁同士を接続して当該流路内を流れる流体の熱を前記対向する仕切り壁にそれぞれ伝熱する伝熱部材とを有する熱交換部と、
この熱交換部の前記流路の並び方向の両外側にそれぞれ接続され、前記熱交換部の各仕切り壁よりも前記流路を流れる流体の熱に基づく熱応力により損傷し易い被検知用壁を有する検知部と、
この検知部の被検知用壁の損傷を検知するための検知手段とを備え、
各検知部は、前記流路の並び方向に並ぶ複数の密閉空間を内部に有し、この複数の密閉空間のうち最も外側の密閉空間とその内側の密閉空間との間を仕切るように前記被検知用壁が配置されることを特徴とするプレートフィン熱交換器。
【請求項2】
請求項1に記載のプレートフィン熱交換器において、
前記検知手段は、前記被検知用壁を挟む2つの密閉空間のうち一方の密閉空間内を加圧する加圧手段と、他方の密閉空間内の圧力を測定する圧力測定手段とを有することを特徴とするプレートフィン熱交換器。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプレートフィン熱交換器において、
前記熱交換部は、前記流路の並び方向の最も外側の流路と外部とを仕切る外側仕切り壁を有し、
前記検知部は、前記流路の並び方向の最も内側の密閉空間が前記外側仕切り壁を介して前記熱交換部の最も外側の流路と隣り合うように当該熱交換部に接続され、各密閉空間内が前記熱交換部の前記流体が流れているときの各流路内の圧力と同じ圧力になっても耐える強度を有することを特徴とするプレートフィン熱交換器。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載のプレートフィン熱交換器において、
前記密閉空間のうち前記流路の並び方向の最も内側の密閉空間内の前記流体の有無を検知するための流体検知手段を備えることを特徴とするプレートフィン熱交換器。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載のプレートフィン熱交換器において、
前記各検知部は、2つの密閉空間を有することを特徴とするプレートフィン熱交換器。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2010−249475(P2010−249475A)
【公開日】平成22年11月4日(2010.11.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−101964(P2009−101964)
【出願日】平成21年4月20日(2009.4.20)
【出願人】(000001199)株式会社神戸製鋼所 (5,860)
【Fターム(参考)】