説明

プレーヤ交代操作機能を有するゲーム装置

【課題】共通の実空間にあるモデル装置で複数のプレーヤが仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを共通の操作対象とするゲーム装置における複数のプレーヤ間の操作交代を実現する。
【解決手段】一のプレーヤをメインドライバーとして設定し、前記1つのオブジェクトのスタートポイントからの移動距離を演算し、前記1つのオブジェクトの移動を行なわす操作が前記メインドライバーによるものかを判定し、前記メインドライバーの操作による移動距離を累積し、前記1つのオブジェクトのスタートポイントからの移動距離に対する前記メインドライバーの操作に基づく移動距離の割合と、他のプレーヤの操作による移動距離の割合を求め、前記求められた前記メインドライバーの操作に基づく移動距離の割合と、他のプレーヤの操作による移動距離の割合を画像生成手段により生成される画像上に表示する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置に関し、共通の操作対象を複数の遊戯者(プレーヤ)が交代して操作可能とするプレーヤ交代操作機能を有するゲーム装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、インターネット等のネットワークを通して接続されたゲーム装置を用いて複数のプレーヤ間で対戦ゲームを行うネットワークゲームシステムが普及している。
【0003】
かかるネットワークゲームシステムにおいて、特定のゲーム機器間でグループを設定し、共通の操作対象であるゲーム上のキャラクタを操作することが提案されている(特許文献1)。特許文献1において、所定の交代する基準点に達したか否かにより、一のゲーム機器により操作信号を入力するプレーヤから他のゲーム機器により操作信号を入力する他のプレーヤに操作権を委譲する処理を行うことが示されている。
【0004】
また、別の特許文献2には、ネットワークを通して複数のコンピュータをサーバに接続し、それぞれのコンピュータを介して複数のプレーヤが共通のキャラクタを操作する信号をサーバに送り、共通のゲームを実行するゲームシステムが提案されている。
【0005】
かかる特許文献2には、ゲームシステムにおいて、交代条件が満たされるときに、一のプレーヤによる操作を禁止し、他のプレーヤの操作に交代させるということが示されている。
【0006】
さらに、上記特許文献1、特許文献2に記載の発明は、いずれもネットワークに接続された個々のプレーヤに属するゲーム機器を用いてゲームをする態様である。
【0007】
一方、レース競技を模擬したゲームを行うゲーム装置として、遊戯施設に置かれ、例えば、カーレースゲームを実行するゲーム装置がある。また、異なる遊戯施設がネットワークに接続され、従って、異なる遊戯施設間のゲーム装置がネットワークを介して接続される場合もある。
【0008】
いずれの場合にあっても、各遊戯施設におけるゲーム装置は、複数台のほぼ実車に近い大きさのレース車のモデル(車)装置を配置している。そして、遊戯者(プレーヤ)は、レース車の運転席に座り、プログラムによりモニターに表示される画像を見ながら、コースと前車に注意して備えられているハンドル(ステアリング)、シフトレバー、アクセル等の操作手段を操作して少ない衝突回数で、ゴールに到達する時間を競うゲームを実行する。
【0009】
さらに、このような遊戯施設に置かれるレース競技を行うゲーム装置であって、複数のプレーヤ、特にレース車のモデルに二人のプレーヤが座してカーレースゲームを実行するゲーム装置が知られている。
【0010】
このようなゲーム装置では、プログラムによりゲームの進行を制御する制御手段に操作信号を送る操作手段は、前記二人のプレーヤに共通のものであって、ゲーム処理上、プレーヤの交代という処理は行われていなかった。すなわち、二人のプレーヤに共通の操作手段が設けられているだけであって、共通の操作手段による操作を二人のプレーヤ間で交代することがゲームの進行とは無関係に任意に行われ得るものであった。
【0011】
したがって、上記の遊戯施設に置かれるレース競技を行うゲーム装置にあっては、共通の操作手段による操作を二人のプレーヤ間で交代することがゲームの進行とは無関係に任意に行われ得るものである場合、二人のプレーヤのそれぞれの技量によりゲームを継続しようとする効果、即ち、二人のプレーヤのそれぞれに、レースゲームにおいて、高い得点を得ようとする参加意識及び努力を高めさせることが困難であり、一方のプレーヤが補助的になりやすいものであった。
【0012】
一方、上記特許文献1、2に記載の発明では、ネットワークを介して接続される個々に使用される複数のゲーム装置間で仮想的なレースゲーム空間を成立させるものであり、かかる特許文献1、2に記載の発明を遊戯施設に置かれるレースゲーム装置に適用することはできない。
【特許文献1】特開2002−239246号公報
【特許文献2】国際公開特許WO2005/030355号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
かかる従来技術に鑑みて、本願発明者等は、先に共通の実空間にあるモデル装置で複数のプレーヤが仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを共通の操作対象とするゲーム装置における複数のプレーヤ間の操作交代を実現するゲーム装置を提供する発明を提案した(特願平2006-145842号)。
【0014】
すなわち、かかる特願平2006-145842号に係る発明(以降先願発明という)に従うゲーム装置は、基本的構成として、仮想空間内のオブジェクトを任意の視点から見た画像を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成される画像を表示する表示手段と、前記仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを複数のプレーヤが共通の操作対象とし、前記オブジェクトの移動操作を行う前記複数のプレーヤ毎に対応して設けられた複数の操作手段と、前記複数の操作手段からの操作信号に応答し、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトを移動させるゲームプログラムを実行する制御手段を有する。
【0015】
そして、前記制御手段は、前記複数の操作手段の内、有効とされる一のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトの前記仮想空間内における位置を変更させ、前記仮想空間において前記共通の操作対象とする前記オブジェクトと他のオブジェクトが衝突したかを判定する。
【0016】
さらに、前記制御手段は、前記オブジェクトが衝突したと判定した場合に交代条件を満たしたと判定して、前記一のプレーヤに対応する操作手段とは異なる他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトの前記仮想空間内における位置を変更可能とする交代処理を実行する。
【0017】
本願発明の目的は、更にかかる先願発明を前提として、1つのオブジェクトを共通の操作対象とするゲーム装置における複数のプレーヤ間の操作交代を利用して自己に有利なゲーム展開を可能とするゲーム装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0018】
かかる目的を達成する本願発明は、仮想空間内のオブジェクトを任意の視点から見た画像を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成される画像を表示する表示手段と、前記仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを複数のプレーヤが共通の操作対象とし、前記オブジェクトの移動操作を行う前記複数のプレーヤ毎に対応して設けられた複数の操作手段と、前記複数の操作手段からの操作信号に応答し、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトを移動させるゲームプログラムを実行する制御手段を有し、前記制御手段は、前記複数の操作手段の内、有効とされる一のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトの前記仮想空間内における位置を変更させ、前記仮想空間において前記共通の操作対象とする前記オブジェクトと他のオブジェクトが衝突したかを判定し、前記オブジェクトが衝突したと判定した場合に交代条件を満たしたと判定して、前記一のプレーヤに対応する操作手段とは異なる他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトの前記仮想空間内における位置を変更可能とする交代処理を実行するゲーム装置であって、前記制御手段は、更に前記一のプレーヤをメインドライバーとして設定し、前記1つのオブジェクトのスタートポイントからの移動距離を演算し、前記1つのオブジェクトの移動を行なわす操作が前記メインドライバーによるものかを判定し、前記メインドライバーの操作による移動距離を累積し、前記1つのオブジェクトのスタートポイントからの移動距離に対する前記メインドライバーの操作に基づく移動距離の割合と、他のプレーヤの操作による移動距離の割合を求め、前記求められた前記メインドライバーの操作に基づく移動距離の割合と、他のプレーヤの操作による移動距離の割合を前記画像生成手段により生成される画像上に表示することを特徴とする。
【0019】
前記ゲーム装置において、前記制御手段は、前記1つのオブジェクトのスタートポイントから移動するコース上に所定間隔で、それぞれ前記スタートポイントからの距離値が付与されている複数のチェックポイントを設定し、前記1つのオブジェクトの移動距離の演算は、前記通過した直近のチェックポイントからの移動距離を求め、前記直近のチェックポイントに付与されている前記スタートポイントからの距離の値を加算して、前記スタートポイントからの全移動距離を求めるように構成してもよい。
【発明の効果】
【0020】
上記特徴を有する本願発明により、共通の実空間にあるモデル装置における複数のプレーヤの操作の有効性を、適宜に交代させるように制御する。そして、かかる制御に基づく複数のプレーヤ間の操作交代を利用して自己に有利なゲーム展開を可能とするゲーム装置が提供される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0021】
以下に図面に従い、本願発明の実施の形態例を説明する。なお、実施の形態例は本願発明の理解のためのものであり、本願発明の技術的範囲が、これに限定されるものではない。
【0022】
特に以下に実施例として、カーレースゲームの例について説明するが、本願発明の適用は、かかるカーレースゲームに限定されるものではない。例えば、他の例としてボートレース等のレースに使用されるモデル装置に複数のプレーヤが座し、レースゲームに登場する一の対象を複数のプレーヤにより共通の操作対象とする場合、同様に本願発明の適用が可能である。
【0023】
図1は、先願発明を適用し、更に本願発明が実施されるカーレースを行う実施例としてのゲーム装置の外観正面を示す図である。又、図2は、同様のゲーム装置を上面から見た図である。
【0024】
複数の(実施例として4台)のレーシングカーのコックピットモデル11〜14が並列に備えられている。
【0025】
コックピットモデル11〜14のそれぞれの前面に、プログラムの進行に従って自車を視点において形成される仮想3次元空間のレーシングコースが表示されるプロジェクタスクリーン21〜24が配置される。さらに、コックピットモデル11〜14のそれぞれにゲームに参加するために必要なコインの投入口31〜34を備えている。
【0026】
システムの仕様に対応して適宜にゲームシステム上部に、パネル表示装置4と、これに隣接して遊戯者(プレーヤ)像あるいは、ゲーム画像を表示する画像ディスプレイ装置5が配置される。さらに、左右にスピーカ61、62が備えられる。
【0027】
図1、図2において、更にゲームシステム全体を総合制御するコントロール部7が示されている。
【0028】
4つのコックピットモデル11〜14は、それぞれ同じ形態であるので、図3に共通の一つのコックピットモデルの形態を示している。
【0029】
実施例として、二人の遊戯者(プレーヤ)が組として一つのコックピットモデルに座し、プレーヤに対応して備えられた操作手段としてのハンドル(ステアリング)100A、100B、アクセルペダル101A、101B、ブレーキペダル102A、102Bを操作する。なお、マニュアル車をモデルとする場合にシフトレバー110は、二人のプレーヤに対して共通に操作使用される。オートマ車をモデルとする場合にシフトレバー110に代え他の制御ボタン等を備えることが可能である。
【0030】
このような構成で、本願発明の前提とする先願発明の特徴として、所定の条件を満たすときに備えられた上記の操作手段の出力の有効性をプレーヤの交代として切り替えるように制御される。すなわち、交代する側のプレーヤのみの操作手段出力が有効とされるが、かかるプレーヤの交代の制御についての実施例は、後に説明する。
【0031】
さらに、図3において、コックピットモデルには、二人のプレーヤを同時に撮像可能な広角度のCCDカメラ120が備えられる。かかるCCDカメラ120により撮像されるビデオ信号が、図1に示す画像ディスプレイ装置5に表示される。
【0032】
また、画像ディスプレイ装置5に隣接して備えられているパネル表示装置4には、ゲームの進行に応じたゲーム情報、例えば、レース中における順位情報等の情報が表示される。さらに、パネル表示装置4には、画像ディスプレイ装置5に表示される画像とゲーム情報とを関係づける表示が同時に示される。かかる表示については、本願発明と直接関係しないので、更なる説明は省略する。
【0033】
図4は、図3に対応して示される一のコックピットモデルの機構を理解容易とするための斜視図である。なお、振動機構を示すために、後部カバーを外した状態を示している。
【0034】
図4において、二人のプレーヤが座すシート103A、103Bに、ゲームの進行に対応して傾斜あるいは振動を与えてプレーヤにカーレースを運転する際の仮想感覚を与えるための2本のシリンダー104A、104Bが備えられている。
【0035】
図5は、本願発明の適用が一つの遊戯施設に備えられるゲーム装置に限定されないことを示す図である。即ち、複数の遊戯施設GS1、GS2・・・GSnがネットワークNWを介して接続されている。
【0036】
図1に示したゲーム装置が、複数の遊戯施設GS1、GS2・・・GSnのそれぞれに配置される。そして、図1に示した4台のモデル装置に限られず、ネットワーNWで接続された複数のモデル装置間で、仮想のレーシング空間において、レースゲームを実行することが可能である。
【0037】
かかる場合、全体を制御するために、遊戯施設GS1〜GSnのいずれか一の遊戯施設におけるゲーム装置がゲームマスター機(サーバ)として機能し、他のクライアントであるゲーム装置が同期制御される。
【0038】
図6は、かかる遊戯施設GS2〜GSnに置かれる一のゲーム装置であって、図1の構成に対応する機能ブロック図である。なお、遊戯施設GS2〜GSn間の接続制御は本願発明における制御と直接関係しないので、図6において、他のゲーム装置との通信接続については図示省略している。
【0039】
コックピットモデル11〜14に対応して、それぞれ同様構成の制御回路機能部201〜204が備えられる。制御回路機能部201〜204は、HUB210によりLAN接続されている。制御回路機能部201〜204のそれぞれは、プログラムを格納し、これを実行するゲームボード212を有している。
【0040】
コックピットモデル11〜14におけるそれぞれのゲームボード212は、ハブ210でLAN接続されている。コックピットモデル11〜14における一のゲームボード212がマスターボードとなり、他のコックピットモデルのスレーブボードとなるゲームボード212からゲームデータを収集し、順位計算を行う。そして、計算結果は、スレーブボードとなるコックピットモデルのゲームボードに、マスターボードから計算結果が戻される。
【0041】
したがって、コックピットモデル11〜14におけるそれぞれのゲームボード212は、常にゲームシステムにおけるデータを共有することができる。これにより、マスターボードがダウンした場合にも他のスレーブボードであったコックピットモデルのゲームボード212が、マスターボードとなることが容易である。
【0042】
入力I/Oボード213は、アクセルペダル101A、101B、ブレーキペダル102A、102B及びシフトレバー110の動きを検知して、対応する信号を受信し、ゲームボード212に送る。
【0043】
さらに、アクチュエータコントロールボード214を有し、コックピットモデル11〜14のそれぞれのゲーム状態をメインコントロールボード200に通知し、メインコントロールボード200と連携して、ゲームの進行に対応して動的に動かし、遊戯者に実車を運転する感覚を与えるアクチュエータ(シリンダー104A、104B:図4)を制御する。
【0044】
メインコントロールボード200は、ビデオスイッチボード205と、パネル表示装置4のI/Oボード504を制御する。これらのメインコントロールボード200及び、ビデオスイッチボード205は、図1に示したコントロール部7に含まれる。
【0045】
ビデオスイッチボード205は、コックピットモデル11〜14のそれぞれに備えられるCCDカメラ120の撮像信号を入力し、メインコントロールボード200により、切り替え制御されて画像ディスプレイ装置5に表示信号を送る。したがって、画像ディスプレイ装置5に、ビデオスイッチボード205で切り替え選択された、コックピットモデル11〜14のいずれかにおけるCCDカメラ120で撮像された遊戯者の映像が表示される。
【0046】
さらに、画像ディスプレイ装置5にゲーム画像が表示される場合は、メインコントロールボード200で、アクチュエータコントロールボード214から送られるビデオ信号を選択してビデオスイッチボード205を通して画像ディスプレイ装置5に送り表示される。
【0047】
また、メインコントロールボード200は、画像ディスプレイ装置5に表示される画像に対する情報信号を表示するためにパネル表示装置4のI/Oボード500に送る。
【0048】
I/Oボード500は、メインコントロールボード200から送られる信号に基づき、対応するパネル表示装置4の光源501に点灯制御信号を送る。これにより、画像ディスプレイ装置5に表示される画像を対応づけた情報表示が、パネル表示装置4で行うことが可能である。
【0049】
図7は、図6におけるゲームボード212の構成例である。プログラム・データ記憶装置221には、プログラム、データ(映像・音声データも含む)が格納されている。これは、外付けのDVD−ROM等で構成してもよい。
【0050】
CPU222は、プログラムの実行、そして全体システムの制御および画像表示のための座標計算等を行う。
【0051】
システムメモリ223は、CPU222が処理を行うのに必要なプログラムやデータ等を格納する。さらに、後に説明するように本願発明に従い、仮想三次元空間内を移動する、プレーヤにより操縦操作されるレーシングカーのドライバの情報及び走行距離等のゲーム実行中のデータが生成され、一時的に格納される。
【0052】
ゲームボード212を起動するときに必要なプログラムやデータがブートROM224に格納されている。
【0053】
さらに、ゲームボード212の各ブロックや、I/Oインタフェース220を通して外部に接続される機器(I/Oボード213、アクチュエータコントロールボード201)とのプログラムやデータの流れを制御するバスアービタ225とを備え、これらはバスに接続されている。
【0054】
バスには更にレンダリングプロセッサ226が接続されている。プログラム・データ記憶装置221から読み出した映像(ムービ)データや、プレーヤによる操作やゲーム進行に応じて生成すべき画像は、レンダリングプロセッサ226によって生成され、モニター(プロジェクタスクリーン)21、22、23、24に表示される。
【0055】
レンダリングプロセッサ226が画像生成を行うのに必要なグラフィックデータ等はグラフィックメモリ227に格納されている。バスにはサウンドプロセッサ228が接続され、プログラム・データ記憶装置221から読み出した音楽データや、プレーヤの操作やゲーム進行に応じて生成すべき効果音や音声は、サウンドプロセッサ228に生成され、メインコントロールボード200により処理されてスピーカ61、62に音声表示される。
【0056】
サウンドプロセッサ228が効果音や音声を生成するために必要なサウンドデータ等はサウンドメモリ229に格納される。
【0057】
図8は、図7に構成例を示したゲームボード212と連携するI/Oボード213と、アクチュエータコントロールボード214の機能を説明する図である。
【0058】
アクセル101A(101B)と、ブレーキ102A(102B)は、それぞれ踏み込み量に対応する操作信号を出力するように構成されている。
【0059】
ハンドル100A(100B)は、その操作角に対応する量の操作信号を出力する様に構成されている。さらに、シフトレバーに相当するシフトキー110は、その切り替えポジションに対応する操作信号を出力する。
【0060】
これらの操作手段に対するプレーヤの操作に基づく操作信号がI/Oボード213に入力される。I/Oボード213は、ゲームボード212からの状態信号即ち、二人のプレーヤのいずれの側が有効とされているかの情報を取得し、有効な側の操作信号をゲームボード212に送る。かかる二人のプレーヤのいずれの側が有効とされているかの情報は、ゲーム実行中にシステムメモリ223に保持されている。
【0061】
さらに、ゲームボード212は、二人のプレーヤのいずれの側が有効とされているかの情報を、ハンドル100A(100B)に付随して備えられるハンドルコントロール切替ボード131と、アクチュエータコントロールボード214に送る。
【0062】
ハンドルコントロール切替ボード131は、ゲームボード212から送られた情報に基づき所定条件の時に、有効とされているハンドル側のモータ駆動ボード130A(130B)に駆動指令を送り、ハンドル100A(100B)にモータ回転駆動力を与え回転させる。これにより、プレーヤにゲーム走行中にハンドルに衝撃を受ける仮想的感覚を与えることができる。
【0063】
一方、アクチュエータコントロールボード214は、ゲームボード212から送られた情報に基づき所定条件の時に、所定のプログラムに従って、右、左のアクチュエータコントロールボード114A(114B)に駆動指令を送り、シリンダー104A(104B)の上下移動を制御する。これにより、図4に示したように、ドライバーシート103A(103B)にピッチングあるいはローリングの動きを与え、ゲーム走行中の車体に対する衝撃を受ける仮想的感覚を与えることができる。
【0064】
ここで、本発明の適用は、上記の説明において、図1に示した4台のレーシングカーモデルに座したプレーヤ間あるいは、図5のネットワークNWを通して、異なる遊戯施設GS1からGSnのゲーム装置間でのレーシング競技の対戦相手を、他のプレーヤが操作するレーシングカーを想定する場合に限定されない。
【0065】
すなわち、1台のレーシングモデルそれぞれにおいて、CPU222によりプログラムに従って移動が制御され、画像表示されるレーシングカーをレーシング競技の対戦相手としてゲームを進めることも可能である。
【0066】
次に、上記のゲーム装置の構成において実行される、本願発明の前提となる先願発明に従うプレーヤの交代制御について説明する。なお、かかる交代制御は、上記のとおり他のプレーヤが操作するレーシングカーあるいは、CPU222により制御されるレーシングカーを対戦相手とする場合にも共通に適用される。
【0067】
図9、図10は、本願発明の前提とする先願発明に従うプレーヤの交代制御フローを示す図である。特に図9は、ゲーム開始からゲーム終了までの流れ、図10は、図9におけるプレーヤ(ドライバ)交代イベント処理の動作フローである。
【0068】
かかる図9、図10の処理は、ゲームボード212のプログラム・データ記憶装置221に格納されたプログラムによりCPU222を制御して実行される。
【0069】
図9において、ゲームが開始すると、常に所定の時間間隔、例えば1フレーム(1/60・秒)に一回の処理間隔でイベント処理を実行する。
【0070】
イベント処理においては、操作手段(ハンドル、アクセル、ブレーキ)からの入力(ステップS0)をモニターし、プログラムに従うゲームにおける画像処理、更に、アクチュエータへの駆動処理を行う(ステップS1)。すなわち、操作対象のレーシングカーの速度の増減、走行方向等の制御に対応した画像処理を実行する。
【0071】
かかるイベント処理において、ドライバの交代条件を検知する。ドライバの交代条件の例が、図11に示される。図11において、●で表示した条件がドライバの交代条件である。
【0072】
その一つとして、分岐点(ポイント)位置に到達したか否かの判定を行う(ステップS2)。すなわち、レース途中に配置されるコース上の所定の分岐点内において、交代位置距離(交代位置調整用の距離)を過ぎている場合を、交代条件に合致していると判定する(ステップS2、YES)。
【0073】
また、別のドライバ交代条件として、他車、若しくは壁との衝突の瞬間を交代条件に合致していると判定する(ステップS5、YES)。
【0074】
ここで、本願発明は、後に実施例として詳述するように、かかる他車、若しくは壁との衝突の瞬間を交代条件することを利用して、強制的にドライバ交代条件を発生させ、自己に有利にゲームを展開する操作を可能とする点に特徴を有する。
【0075】
なお、ゲーム画像処理において、かかる衝突の判定は、操作対象とする車と、他車あるいは壁等の対向物の仮想三次元空間における座標位置が所定の関係(例えば一致すること)になった時を衝突と判定する。また、他の衝突判定方法として、例えば、特開平9-325684号公報段落(00027、0028)に示されるように、仮想空間内のオブジェクト(レース車)を覆うように設けられた衝突判定用の領域(例えば、球状ボールあるいは、箱状のエリア)を記憶手段に記憶しておく。そして、制御手段はこの領域が他のオブジェクトを覆う領域と重なるか否か(交点があるか否か)を演算することにより、オブジェクトの衝突を判定することも可能である。
【0076】
ドライバ交代条件に合致していると判定されると、それぞれ交代イベントが起動中か否かを判定し(ステップS3、ステップS6)、新たな交代イベントであるとき(ステップS3、ステップS6、NO)に、交代イベント処理を起動する(ステップS4、ステップS7)。
【0077】
また、図11のドライバの交代条件の例に示すように、単に衝突判定のみでなく、その時点の操作対象であるレースカーの衝突の衝撃状態(具体的にはオブジェクトの移動方向及び移動速度で示される)を条件として交代処理を行うようにしてもよい。
【0078】
かかるステップS4及びS7の交代イベント処理は共通であり、その交代イベント処理の内容が、図10の動作フローに示される。
【0079】
図10において、ゲームモード中かを判定し(ステップS20)、ゲームモード中でなければイベント処理を閉じる(ステップS21)。ここで、ゲームモード中とは、実際のゲーム中、即ちゴールやゲームオーバー以外の状態を意味する。
【0080】
ゲームモード中であると(ステップS20、YES)、告知工程か否かを判定する(ステップS22)。告知工程であれば、告知処理を行う(ステップS23)。告知処理によりプレーヤに対してドライバの交代を行うことを所定期間中、事前告知する。かかる事前告知により、交代する新たなプレーヤがスムースにレーシングカーの流れに乗って、操縦しやすいように、交代を有効とするまでに猶予時間を形成させるためである。
【0081】
告知期間が終了すると(ステップS24、YES)、プレーヤの交代処理工程即ち、交代処理の実行開始(ステップS26)に移行する。
【0082】
プレーヤの交代処理は、プレーヤに対応した操作手段からの操作信号の有効、無効の切替え(あるいは入力の切替え)を行う処理である。
【0083】
プレーヤの交代処理(ステップS26)が行われると、待機処理(ステップS27)に移行する。交代処理により交代した新たなプレーヤの操作信号が有効となるが、待機処理により交代した新たなプレーヤに対し所定の猶予時間が与えられる。すなわち、猶予時間内においては新たな交代イベントを生じさせない。
【0084】
これは、交代直後のプレーヤの対応処理が、必ずしもゲームの進行に追いつかないからである。かかる状態を保護するための処理である。
【0085】
したがって、猶予時間内に分岐点に達しても(ステップS28、YES)、ドライバ交代イベントを生じさせないで、プレーヤ交代イベント処理を終了する。
【0086】
待機時間が終了すると(ステップS29、YES)、イベントを閉じる(ステップS21)。
【0087】
さらに、上記告知工程でないと判定されるとき(ステップS22、NO)、交代工程であれば(ステップS25、YES)、交代処理(ステップS26)に移行し、交代工程でなければ(ステップS25、NO)、待機処理(ステップS27)に移行する。
【0088】
図12は、本発明に従うプレーヤにより、強制的な交代条件を発生させる処理を適用するゲーム画面の一例を示す図である。
【0089】
図12において、仮想3次元空間のレーシングコース上を走行するレーシングカーの位置を上方から見たマップ画像が、画面左上のポジション表示44として示されている。図13は、図12のポジション表示44の拡大図等を示す図である。
【0090】
ポジション表示44の拡大表示が、図13、Aに示される。仮想3次元空間のレーシングコース上をポジション44a〜44dの位置にある4台が走行している。
【0091】
図12のゲーム画像は、仮想空間において、該当のコックピットのプレーヤが操縦するレーシングカー40(ポジション44a)のやや後方にカメラ視点を設定し、そのカメラ視点から見える仮想空間内の様子を透視変換して生成される二次元画像である。従ってレーシングカー40を最も手前に表示し、更に当該レーシングカー40よりも先行する他のレーシングカー45A(ポジション44b)、45B(ポジション44c)が表示され、レーシングカー40の後を走行するポジション44dの位置にあるレーシングカーは画面上に表示されていない。なお、カメラ視点の設定は、これに限らずコックピット視点として設定してもよい。
【0092】
レーシングカー40の上部には、組となるプレーヤのうち、一方のメインドライバーと、他方のサブドライバーの走行操作した操縦割合が表示されている。図13、Bにその拡大図が示されている。バーインジケータにより、メインドライバーにより操縦されたスタートポイントからの走行距離の割合が85%、従ってペアを組む他方のプレーヤによる操縦距離の割合が15%であることを示している。メインドライバーがゲーム筐体のコックピットにおいて左座席に座っている場合であり、その座席に対応させるべく、バーインジケータの左側からゲージが伸びていることを示すものである。なお、図12には、他方のプレーヤによる操縦距離の割合が15%の表示がなされていないが、85%の表示に加えて15%の表示をしてもよい。
【0093】
ここで、図12を参照すると、レーシングカー40の左右にハンドル42A、42Bが表示され、高い明度表示された左側のハンドルのプレーヤが操縦していることを示している。
【0094】
図12の表示において、更にレーシングカー40の直前に走行するレーシングカー45Aの上部にも操縦割合の表示46がある。かかる操縦割合の表示46の拡大図が図13、Cに示される。操縦割合の表示46は、現在レースに参戦している対戦相手となるレーシングカー、すなわち他のゲーム装置において操縦されているレーシングカーを示すナンバーと、他のゲーム装置において現在レーシングカーを操縦しているプレーヤが左右座席のいずれの側に座って操縦しているかの表示部46aと、表示部46aに表示されるメインドライバーの操縦割合数値の表示部46bを有する。図に「4R」と表示されている。これは、「4」は4番目のゲーム装置において操作されるレーシングカーを示し、「R」は現在操縦しているドライバーが右座席に座っていることを示すものである。また、操縦割合数値「80%」の表示は、ドライバーが右座席に座っていることから、ゲージが右から左へ伸びた状態となり、そのドライバーがレーシングカーを80%占有して操作していることを示している。
【0095】
レーシングカー40を操縦するプレーヤは、前車の表示部46aの表示と表示部46bの表示から、現在前車を操縦しているプレーヤ(他のゲーム装置で操縦しているプレーヤ)がメインドライバーであるか否か(左右いずれの座席に座っているのか)と、メインドライバーの操縦割合数値から、他のゲーム装置で現在操縦しているプレーヤがどの程度の操縦技量を持っているかを予測判定することが可能である。従って、当該コックピットのドライバーが他のゲーム装置のドライバーの操縦技量を見て、自己のレーシングカーを対戦相手のレーシングカーに衝突させてドライバー交代条件を発生させるか否かの指標となる。
【0096】
かかる予測判定に基づき、レーシングカー40を操縦するプレーヤは、前車の追い越しを意図することができる。さらに、図12において、表示画面の左下にブースタインジケータ43が表示されている。操縦経過の所定条件で増加し、ブースタインジケータ43がMAXになると、レーシングカー40の加速度を大きくすることが可能とされる。
【0097】
したがって、レーシングカー40を操縦するプレーヤは、ブースタインジケータ4も参照して、強制的なドライバー交代を前車に行なわせて、追い越し走行を確実に行なうことが有利である。
【0098】
すなわち、ドライバー交代条件として、レーシングカーが衝突を生じたときであるとする場合に、レーシングカー40を操縦して前車に衝突させるか、あるいは、前車が、レーシングカー40の接近を回避する過程で、他の障害物等と衝突させるように仕向ける操縦を行なうことが可能である。
【0099】
具体的には、制御手段が、レーシングカー40と衝突した対戦相手のレーシングカー45Aに交代条件発生対象であることを示すフラグが予め設定されているか否かを判定し、フラグが設定されていれば交代条件を満たしたものとしてドライバーの交代処理を実行する。一方、対戦相手のレーシングカー45Aに交代条件発生対象のフラグが設定されていない場合であって、岩、壁やガードレールなどの他の障害物等に交代条件発生対象であるフラグが設定されていれば、制御手段は、レーシングカー40が対戦相手のレーシングカー45Aと衝突したことを検出しても交代条件を満たしたものと判定しないが、その衝突の影響により対戦相手のレーシングカー45Aが岩やガードレールなどに追突した場合には、交代条件が発生したものとして、レーシングカー45Aを操作するドライバーの交代処理を実行することも可能となる。
【0100】
次に上記したメインドライバーの操縦割合を求める方法について、以下に説明する。
【0101】
図14は、コックピットモデル11〜14のそれぞれにおけるゲームボード212のCPU222により行なわれるメインドライバーの操縦割合の演算処理フローである。画面表示を行なう毎フレームごとに更新実行される。
【0102】
ゲームボード212で演算されたメインドライバーの操縦割合のデータやレーシングカーの位置、速度等の情報は、先に図6において説明したように、コックピットモデル11〜14におけるマスターボードのゲームボード212が他のコックピットモデルのスレーブボードとなるゲームボード212からメインドライバーの操縦割合のデータやレーシングカーの位置、速度等の情報をゲームデータの一部として収集する。
【0103】
そして、マスターボードのゲームボード212は各スレーブボードとなるゲームボード212にから受信した各レーシングカーの位置、速度等の情報を用いて計算される順位計算結果が、スレーブボードとなるコックピットモデルのゲームボードに、マスターボードから戻される。
【0104】
したがって、コックピットモデル11〜14におけるそれぞれのゲームボード212は、常にゲームシステムにおけるデータを共有し、自コックピットモデルに対応するレースカーを基準にして、プログラムに従い対戦相手となるレースカーを含む表示画像を生成し、図12に示したよう表示を行なう。
【0105】
図14に戻り、ゲームが開始されると、該当のコックピットモデルに座す組となる2人の遊戯者(プレーヤ)の何れの側(L又はR)が、メインドライバーかを判定する(ステップS30)。メインドライバーの判定は、例えば、レース開始前にアクセルペダル101A、101B(図3参照)の何れが先に踏まれたかにより判定する。あるいは、コックピットモデルに組となる2人のプレーヤの何れの側(L又はR)をメインドライバーとするかを指定する操作ボタンを設けることでもよい。
【0106】
判定されたメインドライバーがL又はRの何れであるかをシステムメモリ223に設定する(ステップ31)する。
【0107】
レース継続中、自コックピットモデルに対応するレーシングカーの走行距離を演算する(ステップS32)。かかる走行距離は、後に説明するようにスタートポイントからのレーシングコースの道なりの距離として定義する。
【0108】
走行距離が演算されると、メインドライバーによる操縦か否かを判定する(ステップS33)。メインドライバーによる操縦か否かは、先に設定したシステムメモリ223の状態により判定される。
【0109】
メインドライバーによる操縦であれば、演算された走行距離をメインドライバーの累積操縦距離として累積加算し、メインドライバーの累積操縦距離を更新する(ステップS34)。かかるメインドライバーの累積操縦距離と、全走行距離のデータについてもシステムメモリ223に更新保持される。
【0110】
ついで、メインドライバーの走行割合を演算する(ステップS35)。メインドライバーの走行割合は、全走行距離に対する割合として求められる。
【0111】
さらに、サブドライバー(同一のコックピットモデルにおいてペアを組む他方のプレーヤ)による操縦距離の割合を求める(ステップS36)。これは、100%から先に求めたメインドライバーの走行割合を減算することにより求められる。
【0112】
図15は、図14の処理フローにおけるレーシングカーの走行距離演算処理(ステップS32)の詳細処理フローの例を示す図である。
【0113】
図15は、図14の処理フローとともに、画面表示の毎フレームごとに実行される。
【0114】
図15において、チェック(CH)ポイントの概念を使用する。チェックポイントの意義について以下に説明する。
【0115】
レーシングカーは、仮想3次元空間上にあるレーシングコース上を走行する。レーシングコース上に所定間隔で複数のチェックポイントが設けられる。例えば、スタートポイントから100mごとにチェックポイントを設ける。各チェックポイントは仮想3次元空間座標を有し、対応する3次元空間座標と、スタートポイントからの距離が設定される。
【0116】
図16は、一例として、スタートポイントから100m地点を第1のチェックポイントP10として、チェックポイントP0までのレーシングコース上の道なりの距離と、それぞれのチェックポイントの3次元空間座標点の対応関係を示し、システムメモリ223に保持されている。
【0117】
図15において、毎フレームごとにシステムメモリ223に保持されている走行経過している直近のチェックポイントが読み出される(ステップS320)。読み出される直近のチェックポイントについて、その仮想3次元空間座標と、スタートポイントからの距離が、図16の対応関係から容易に求められる。
【0118】
ついで、レーシングカーの座標位置を判定する(ステップS321)。
【0119】
判定されたレーシングカーの座標位置とステップS320で読み出した直近の走行通過したチェックポイントの座標位置からレーシングカーの直近の通過チェックポイントからの道なりの走行距離を演算する。
【0120】
図17は、一例として、チェックポイントP1からチェックポイントP0に向かい走行するレーシングカーの走行距離を求める説明図である。
【0121】
図15のステップS320の処理により経過(通過)している直近のチェックポイントP1が読み出される。チェックポイントP1について、図16のテーブルからスタートポイントからの距離が1000であり、仮想3次元空間座標が(x1、y1、z1)であることが求められる。
【0122】
ついで、レーシングカーの座標位置X(X,Y,Z)であることを判定する。
【0123】
したがって、チェックポイントP1(x1、y1、z1)からの道なりのレーシングカーの走行距離は、次の関係により表される。
【0124】
P1からXoに向かうベクトルは、V1=(Xo−P1)
P1から道なりにチェックポイントP0に向かう単位ベクトルnは、
【0125】
【数1】

となる。
【0126】
さらに、V1 dotn でスカラー量が求まる。これをnに乗算(n*nl)することによりP1からP0への向きでのおおよその距離が求められる。
【0127】
ついで、先に求めたチェックポイントP1までの距離を加算することにより、スタートポイントからの走行距離が求められる。
【0128】
図18は、上記のようにして求められたレーシングカー毎の通過チェックポイントと通過チェックポイント後の走行距離、メインドライバーによる走行割合、サブドライバーによる走行割合を纏めたテーブルであり、複数のコックピットモデルの制御回路機能部201〜204で共有される。
【0129】
そして、それぞれのコックピットモデルにおいて操縦の対象とする自車(レーシングカー)を図12に示した画面表示におけるレーシングカー41として、それより先行するレーシングカーを含めて画像を生成し表示する。その際、図18のテーブルを参照して、自車及のメインドライバーとサブドライバーの操縦割合41及び先行車のメインドライバーの操縦割合46も併せて表示する。
【0130】
これにより、上記したように本発明の効果として、プレイヤーは、自車に先行するする相手方の対象とするレーシングカーの追越し操作を行なうために、強制的にドライバーの交代条件を生成するように制御することが有利か否かの判断情報を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0131】
【図1】本発明を適用したカーレースを行うゲーム装置の外観正面を示す図である。
【図2】図1のゲーム装置を上面から見た図である。
【図3】一つのコックピットモデルの形態を示す図である。
【図4】図3に対応して示される一のコックピットモデルの機構を理解容易とするための斜視図である。
【図5】本発明の適用が一つの遊戯施設に備えられるゲーム装置に限定されないことを示す図である。
【図6】図1の構成に対応する機能ブロック図である。
【図7】図6におけるゲームボードの構成例である。
【図8】図7に構成例を示したゲームボードと連携するI/Oボードと、アクチュエータコントロールボードの機能を説明する図である。
【図9】ゲーム開始からゲーム終了までの流れを示すフロー図である。
【図10】図9におけるプレーヤ(ドライバ)交代イベント処理の動作フローである。
【図11】ドライバの交代条件の例を示す図である。
【図12】本発明に従うプレーヤにより、強制的な交代条件を発生させる処理を適用するゲーム画面の一例を示す図である。
【図13】図12のポジション表示44の拡大図等を示す図である。
【図14】コックピットモデル11〜14のそれぞれにおけるゲームボード212のCPU222により行なわれるメインドライバーの操縦割合の演算処理フローである。
【図15】図14の処理フローにおけるレーシングカーの走行距離演算処理(ステップS32)の詳細処理フローの例を示す図である。
【図16】レーシングコース上の道なりの距離と、それぞれのチェックポイントの3次元空間座標点の対応関係を示す図である。
【図17】一例として、チェックポイントP1からチェックポイントP0に向かい走行するレーシングカーの走行距離を求める説明図である。
【図18】レーシングカー毎の通過チェックポイントと通過チェックポイント後の走行距離、メインドライバーによる走行割合、サブドライバーによる走行割合を纏めたテーブルである。
【符号の説明】
【0132】
11〜14 コックピットモデル
21〜24 スクリーン
4 パネル表示装置
5 画像ディスプレイ装置
7 コントロール部
61、62 スピーカ
31〜34 コインの投入口
100A、100B ハンドル(ステアリング)
101A、101B アクセル
102A、102B ブレーキ
103A、103B シート
104A、104B シリンダー
110 シフトレバー
120 CCDカメラ
200 コントロールボード
212 ゲームボード
213 I/Oボード
214 アクチュエータコントロールボード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
仮想空間内のオブジェクトを任意の視点から見た画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成される画像を表示する表示手段と、
前記仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを複数のプレーヤが共通の操作対象とし、前記オブジェクトの移動操作を行う前記複数のプレーヤ毎に対応して設けられた複数の操作手段と、
操作手段からの操作信号に応答し、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトを移動させるゲームプログラムを実行する制御手段を有し、
前記制御手段は、
前記複数のプレーヤのいずれかをメインプレーヤとして設定し、前記複数の操作手段の内、前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトをスタートポイントからの移動を開始させ、
前記仮想空間において前記1つのオブジェクトと他のオブジェクトが衝突したかを判定し、
前記1つのオブジェクトが衝突したと判定した場合に交代条件を満たしたと判定して、前記メインプレーヤに対応する操作手段とは異なる他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトを前記仮想空間内において移動可能とする交代処理を実行するものであって、
更に前記制御手段は、
前記1つのオブジェクトの前記スタートポイントからの移動距離を演算し、
前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して前記1つのオブジェクトが移動した距離と、前記他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して前記1つのオブジェクトが移動した距離との割合から、前記メインプレーヤ及び/又は他のプレーヤの前記1つのオブジェクトの移動操作の占有値を求める処理を実行し、
前記画像生成手段は、
前記求められた前記メインプレーヤ及び/又は他のプレーヤの移動操作の占有値を示す画像を少なくとも含むゲーム画像を生成する、ゲーム装置。
【請求項2】
仮想空間内のオブジェクトを任意の視点から見た画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成される画像を表示する表示手段と、
前記仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを複数のプレーヤが共通の操作対象とし、前記オブジェクトの移動操作を行う前記複数のプレーヤ毎に対応して設けられた複数の操作手段と、
操作手段からの操作信号に応答し、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトを移動させるゲームプログラムを実行する制御手段を有し、
前記制御手段は、
前記複数のプレーヤのいずれかをメインプレーヤとして設定し、前記複数の操作手段の内、前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトをスタートポイントからの移動を開始させ、
前記仮想空間において前記1つのオブジェクトと他のオブジェクトが衝突したかを判定し、
前記1つのオブジェクトが衝突したと判定した場合に交代条件を満たしたと判定して、前記メインプレーヤに対応する操作手段とは異なる他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトを前記仮想空間内において移動可能とする交代処理を実行するものであって、
更に前記制御手段は、
前記1つのオブジェクトの前記スタートポイントからの移動距離を演算し、
前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して前記1つのオブジェクトが移動する場合に、前記メインプレーヤの操作による前記1つのオブジェクトの移動距離を累積し、
前記1つのオブジェクトのスタートポイントからの移動距離に対する前記メインプレーヤの操作に基づく移動距離の割合と、前記他のプレーヤの操作による移動距離の割合を求める処理を実行し、
前記画像生成手段は、
前記求められた前記メインプレーヤの操作に基づく移動距離の割合を示す画像、前記他のプレーヤの操作による移動距離の割合を示す画像の少なくとも1つ含むゲーム画像を生成する、ゲーム装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記1つのオブジェクト移動するコース上に前記スタートポイントから所定間隔で、複数のチェックポインを予め設定し、各チェックポインに対応して前記スタートポイントからの距離値を記憶する記憶手段を備え、
前記制御手段は、
前記1つのオブジェクトが通過した直近のチェックポイントからの移動距離を求め、
求めた前記直近のチェックポイントからの移動距離に、前記直近のチェックポイントに付与されている前記スタートポイントからの距離の値を加算して、前記1つのオブジェクトの全移動距離を求めることを特徴とするゲーム装置。
【請求項4】
仮想空間内のオブジェクトを任意の視点から見た画像を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成される画像を表示する表示手段と、前記仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを複数のプレーヤが共通の操作対象とし、前記オブジェクトの移動操作を行う前記複数のプレーヤ毎に対応して設けられた複数の操作手段と、前記操作手段からの操作信号に応答し、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトを移動させる制御を行う制御手段を有するゲーム装置において実行され、前記制御手段に前記複数のプレーヤ間の前記操作手段に対する操作の交代を制御させるプログラムであって、
前記制御手段を、
前記複数のプレーヤのいずれかをメインプレーヤとして設定し、前記複数の操作手段の内、前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトをスタートポイントからの移動を開始させ、
前記仮想空間において前記1つのオブジェクトと他のオブジェクトが衝突したかを判定し、
前記1つのオブジェクトが衝突したと判定した場合に交代条件を満たしたと判定して、前記メインプレーヤに対応する操作手段とは異なる他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトを前記仮想空間内において移動可能とする交代処理を実行する手段とし、
さらに、前記制御手段を、
前記1つのオブジェクトの前記スタートポイントからの移動距離を演算し、
前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して前記1つのオブジェクトが移動する場合に、前記メインプレーヤの操作による前記1つのオブジェクトの移動距離を累積し、
前記1つのオブジェクトのスタートポイントからの移動距離に対する前記メインプレーヤの操作に基づく移動距離の割合と、前記他のプレーヤの操作による移動距離の割合を求める処理を実行し、
前記求められた前記メインプレーヤの操作に基づく移動距離の割合を示す画像、前記他のプレーヤの操作による移動距離の割合を示す画像の少なくとも1つ含むゲーム画像を前記画像生成手段により生成する手段として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項5】
仮想空間内のオブジェクトを任意の視点から見た画像を生成する画像生成手段と、前記画像生成手段により生成される画像を表示する表示手段と、前記仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを複数のプレーヤが共通の操作対象とし、前記オブジェクトの移動操作を行う前記複数のプレーヤ毎に対応して設けられた複数の操作手段と、
操作手段からの操作信号に応答し、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトを移動させるゲームプログラムを実行する制御手段を有するゲーム装置において実行され、前記制御手段に前記複数のプレーヤ間の前記操作手段に対する操作の交代を制御させるプログラムであって、
前記制御手段を、
前記複数のプレーヤのいずれかをメインプレーヤとして設定し、前記複数の操作手段の内、前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトをスタートポイントからの移動を開始させ、
前記仮想空間において前記1つのオブジェクトと他のオブジェクトが衝突したかを判定し、
前記1つのオブジェクトが衝突したと判定した場合に交代条件を満たしたと判定して、前記メインプレーヤに対応する操作手段とは異なる他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトを前記仮想空間内において移動可能とする交代処理を実行する手段と、
更に前記制御手段は、
前記1つのオブジェクトの前記スタートポイントからの移動距離を演算し、
前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して前記1つのオブジェクトが移動した距離と、前記他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して前記1つのオブジェクトが移動した距離との割合から、前記メインプレーヤ及び/又は他のプレーヤの前記1つのオブジェクトの移動操作の占有値を求める処理を実行する手段と、
前記求められた前記メインプレーヤ及び/又は他のプレーヤの移動操作の占有値を示す画像を少なくとも含むゲーム画像を前記画像生成手段より生成する手段として機能させる、
ことを特徴とするプログラム。
【請求項6】
複数のゲーム装置を情報の通信可能に接続してなるゲームシステムであって、
各ゲーム装置は、
仮想空間内のオブジェクトを任意の視点から見た画像を生成する画像生成手段と、
前記画像生成手段により生成される画像を表示する表示手段と、
前記仮想空間内を移動する1つのオブジェクトを複数のプレーヤが共通の操作対象とし、前記オブジェクトの移動操作を行う前記複数のプレーヤ毎に対応して設けられた複数の操作手段と、
操作手段からの操作信号に応答し、前記共通の操作対象とする前記オブジェクトを移動させるゲームプログラムを実行する制御手段と、
自己のゲーム装置に関する情報を送信し、他のゲーム装置に関する情報を受信する情報通信手段とを有し、
前記制御手段は、
前記複数のプレーヤのいずれかをメインプレーヤとして設定し、前記複数の操作手段の内、前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトをスタートポイントからの移動を開始させ、
前記仮想空間において前記1つのオブジェクトと他のオブジェクトが衝突したかを判定し、
前記1つのオブジェクトが衝突したと判定した場合に交代条件を満たしたと判定して、前記メインプレーヤに対応する操作手段とは異なる他のプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して、前記1つのオブジェクトを前記仮想空間内において移動可能とする交代処理を実行するものであって、
更に前記制御手段は、
前記1つのオブジェクトの前記スタートポイントからの移動距離を演算し、
前記1つのオブジェクトの移動操作が前記メインプレーヤによるものかを判定し、前記メインプレーヤに対応する操作手段からの操作信号に応答して前記1つのオブジェクトが移動する場合に、前記メインプレーヤの操作による前記1つのオブジェクトの移動距離を累積し、
前記1つのオブジェクトのスタートポイントからの移動距離に対する前記メインプレーヤの操作に基づく移動距離の割合と、前記他のプレーヤの操作による移動距離の割合を求めるものであり、
前記情報通信手段は、
少なくとも前記1つのオブジェクトの移動操作を行っている現在のプレーヤ、各プレーヤの操作に基づく移動距離の割合を、他のゲーム装置へ送信し、
他のゲーム装置から、他のゲーム装置における、少なくとも前記1つのオブジェクトの移動操作を行っている現在のプレーヤ、各プレーヤの操作に基づく移動距離の割合を受信するよう構成され、
前記画像生成手段は、
前記他のゲーム装置における前記1つのオブジェクトに、前記他のゲーム装置における前記メインプレーヤの操作に基づく移動距離の割合を示す画像及び/又は前記他のプレーヤの操作による移動距離の割合とを示す画像を対応付けたゲーム画像を生成するよう構成された、ゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図12】
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