説明

プログラム、情報記憶媒体、写真印刷装置及び写真印刷方法

【課題】自由度の高い重ねどり機能を有するプログラム、情報記憶媒体、画像生成装置、写真印刷装置及び写真印刷方法を提供すること。
【解決手段】本写真印刷装置の重ね撮り処理手段は、抜き取り色を背景として撮像部で撮影中の被写体の画像を現在画像として取り込んで、現在画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像をリアルタイムに生成し、所与のタイミングにおける現在抜き取り画像を前回取り込み画像として記憶部に記憶し、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示する前後関係指示入力を受け付け、前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、リアルタイムに合成して表示部に出力するライブビュー画像を生成し、前記前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、所与のタイミングにおけるライブビュー画像に対応した重ね撮り画像を生成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体、写真印刷装置及び写真印刷方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、CCDカメラ等の撮影部で撮影されたユーザー被写体の画像を編集してプリントする写真シール製造機(写真印刷装置の一例)が知られている。
【0003】
写真シール製造機では、被写体の画像に編集処理を行い、通常の写真とは異なる自由度の高い写真シールを生成して楽しむことができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平10−308911号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記文献では最初に撮影した画像から人物のみを切り出して縮小し、これを適当な位置に配置して次に撮影した画像と合成するという編集処理が開示されている。
【0006】
しかし、単に複数の撮影画像を組み合わせるだけでは、ユーザーにあきられてしまうので、ユーザーの好みに応じて様々な重ね撮りを可能としよりおもしろい合成写真の提供をできることが好ましい。
【0007】
本発明は、以上のような課題を解決するためになされたものであり、その目的とするところは、自由度の高い重ねどり機能を有するプログラム、情報記憶媒体、画像生成装置、写真印刷装置及び写真印刷方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
(1)本発明は、
撮像部と表示部とを含み、撮像部によって撮影された被写体の画像を取り込み、編集してプリントする写真印刷装置であって、
被写体の重ね撮り画像を生成するための重ね撮り処理を行う重ね撮り処理手段と、
重ね撮り画像に基づきプリント画像を生成する手段とを含み、
重ね撮り処理手段は、
抜き取り色を背景として撮像部で撮影中の被写体の画像を現在画像として取り込んで、現在画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像をリアルタイムに生成する手段と、
所与のタイミングにおける現在抜き取り画像を前回取り込み画像として記憶部に記憶する手段と、
重ね撮り画像を生成する際の現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示するための前後関係指示入力を受け付ける手段と、
前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、現在抜き取り画像と前回取り込み画像とをリアルタイムに合成して表示部に出力するライブビュー画像を生成するライブビュー画像生成手段と、
前記前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、所与のタイミングにおけるライブビュー画像に対応した現在向き取り画像と前回取り込み画像の重ね撮り画像を生成する重ね撮り画像生成手段と、
を含む写真印刷装置に関係する。
【0009】
また本発明は、上記各手段としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各手段としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。また本発明は、上記各手段を実行するステップを含む写真印刷方法に関係する。
【0010】
重ね撮りとは、撮影する段階で前回の被写体の画像をみながら、現在の被写体の位置合わせを行い、前回の被写体画像に対して現在の被写体画像が前または後ろに重ねて表示される合成写真の撮影を意味する。
【0011】
重ね撮り画像とは、複数の被写体画像(例えば現在の被写体画像と、前回の被写体画像)を重ね撮り撮影により合成した画像である。
【0012】
抜き取り色の抜き取り処理は、例えばクロマキー処理で実現してもよいし、マスク処理で実現してもよい。クロマキーとは画像の中からある特定色(抜き取り色)をもつ領域を抜き出し、そこに他の画像を埋め込む手法である。
【0013】
なお他の画像を埋め込む手法としては、特定色をもつ領域のα値(透明度を表す値とする)を1にして、他の画像と半透明合成(例えばαブレンディング処理)を行うことにより実現することが出来る。
【0014】
マスク処理とは画像の特定の領域(本発明の場合には抜き取り色の領域)の画素値をすべて1にして、他の部分をすべて0したマスク画像を作成し、このマスク画像の0の部分には画像Aを、マスク画像の1の部分には画像Bを埋め込むことにより両画像を合成する手法である。
【0015】
ライブビュー画像とは前回の被写体画像から背景部分を抜き取った前回取り込み画像(被写体の部分のみの画像)と、現在撮影中の被写体画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像をリアルタイムに合成した画像である。
【0016】
より詳しく説明すると、前回取り込み画像とは静止画データを意味しており、シャッター(撮影ボタン)が押された時点に対応した画像である。一方、現在抜き取り画像とは、リアルタイムでカメラに向き合う被写体等を遂次画像として取り込み、表示部への表示を繰り返している、いわゆる動画のような画像データを意味している。なお、表示される現在の画像は背景部分含む画像であってもよい。
【0017】
撮影の間、動いている自分の現在抜き取り画像を見ながらシャッターを押すことで、その時点に対応した静止画データを取得することができる。これが前回取り込み画像として記憶部に記憶される。そうであるので、1枚目の撮影時には前回取り込み画像は存在しない。
【0018】
前回取込画像は、背景部分を抜き取った画像としている。これは、表示部にその前回取り込み画像を表示し、抜き取った背景部分の領域に新たに現在の画像を表示し、前回取込画像と現在の画像との両方を表示部で見ながら、次のシャッターを押すことができるようにするためである。詳しい重ね撮り処理については、後述する。
【0019】
前後関係指示入力は例えばタッチパネル式の表示部に表示された指示ボタンをタッチすることにより実現するようにしてもよい。
【0020】
前後関係指示入力により現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示することができる。たとえば「現在抜き取り画像が前回取り込み画像の前」が指示された場合には、奥行き方向に対して、現在抜き取り画像が前回取り込み画像の前に位置すると仮定して、ライブビュー画像を生成する。従って前回取り込み画像の上に現在抜き取り画像が重ねられた画像が生成される。またたとえば「現在抜き取り画像が前回取り込み画像の後ろ」が指示された場合には、奥行き方向に対して、現在抜き取り画像が前回取り込み画像の後ろに位置すると仮定して、ライブビュー画像を生成する。従って現在抜き取り画像の上に前回取り込み画像が重ねられた画像が生成される。
【0021】
本発明では、プレーヤがライブビュー画像を見ながら重ね撮り撮影のための位置あわせを行う際に、前後関係指示入力を行い、そのたびに現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を入れ替えた画像がリアルタイムにライブビュー画像に表示される。したがって、プレーヤの意思を反映した変化にとんで自由度の高い重ねとり撮影を行うことができるとともに、プレーヤはライブビュー画像でリアルタイムに合成結果を確認しながら所望の重ね撮り画像を生成することができる。
【0022】
なお重ね取り処理手段を構成する各手段はソフトウエアにより実現してもよいし、ハードウエアにより実現してもよいし、ソフトウエアとハードウエアの協働により実現してもよい。
【0023】
また本発明の写真印刷装置は、取り込んで編集された画像を写真シールとして使用できるようにシールプリントする写真印刷装置も含む。
【0024】
(2)本発明の写真印刷装置、プログラム、情報記憶媒体、写真印刷方法は、
前記重ね撮り処理手段は、
前回の撮影タイミングにおける現在抜き取り画像を前回取り込み画像として重ね撮り処理を行うことを特徴とする。
【0025】
このようにすると、時系列に撮影する画像の重ね取りを行うことができる。
【0026】
(3)本発明の写真印刷装置、プログラム、情報記憶媒体、写真印刷方法は、
前記重ね撮り処理手段は、
前記重ね撮り画像から背景部分を抜き取った画像を、前回取り込み画像として重ね撮り処理を行うことを特徴とする。
【0027】
このようにすると、先に生成された重ね取り画像に対して、さらなる重ね取り(複数の画像の重ね取り)をおこなうことができる。時系列に撮影する画像の重ね取りを行うことができる。
【0028】
(4)本発明の写真印刷装置、プログラム、情報記憶媒体、写真印刷方法は、
前記ライブビュー画像生成手段は、
前回取り込み画像とを記憶するための第1のバッファと、リアルタイムに生成される現在抜き取り画像を記憶するための第2のバッファと、第1のバッファの画像と第2のバッファの画像を合成したライブビュー画像を書き込む第3のバッファを含み、
前記前後関係指示入力に基づき、前回取り込み画像と現在抜き取り画像の第3のバッファへの書き込み順序を決定し、決定された書き込み順序に従って第3のバッファに順次重ね書きしてライブビュー画像を生成することを特徴とする。
【0029】
(5)本発明の写真印刷装置、プログラム、情報記憶媒体、写真印刷方法は、
現在画像と前回取り込み画像の重ね撮りタイミング確定後は、いずれかのバッファを、重ね撮り画像から背景部分を抜き取った画像で置き換えることを特徴とする。
【0030】
このようにすると、重ね撮り画像から背景部分を抜き取った画像について、新たにバッファを用意する場合にくらべて、バッファの使用数が少なくて済む。
【0031】
(6)本発明の写真印刷装置、プログラム、情報記憶媒体、写真印刷方法は、
前記重ね撮り画像生成手段は、
前記前後関係指示入力に基づき、前回取り込み画像と現在抜き取り画像の所与のバッファへの書き込み順序を決定し、決定された書き込み順序に従って所与のバッファに順次重ね書きして、背景部分に所与の色を設定して重ねとり画像を生成することを特徴とする。
【0032】
(7)本発明の写真印刷装置、プログラム、情報記憶媒体、写真印刷方法は、
記憶部に記憶されている最新の重ね撮り画像のプレビュー画像を生成して表示部に出力する手段と、
重ね撮りの終了または続行の指示入力を受け付ける手段と、
重ね撮りの終了の指示入力を受け付けた場合には、前記プレビュー画像に対応した重ね撮り画像に基づきプリント画像が生成され、
重ね撮り続行の指示入力を受け付けた場合には、前記プレビュー画像に対応した最新の重ね撮り画像を前回取り込み画像として、現在画像との重ね撮り処理を行うことを特徴とする。
【0033】
(8)本発明の写真印刷装置、プログラム、情報記憶媒体、写真印刷方法は、
記憶部に記憶されている最新の重ね撮り画像のプレビュー画像を生成して表示部に出力する手段と、
前記最新の重ね撮り画像を生成する際に使用された前回取り込み画像、又は前回取り込み画像、又は最新の重ね撮り画像の1つ前の重ね撮り画像のいずれかを前回状態保存画像として記憶する前回状態保存画像記憶手段と、
最新の重ね撮り画像のキャンセル入力を受け付ける手段と、
キャンセル入力を受け付けた場合には、前回状態保存画像記憶手段に記憶された前回状態保存画像を前回取り込み画像として、現在画像との重ね撮り処理を行うことを特徴とする。
【0034】
なおキャンセル入力が行われた場合には、前回取り込み画像記憶手段に記憶された前回取り込み画像に基づきプリント画像が生成が生成されるようにしてもよい。
【0035】
またキャンセル入力に引き続き、重ね撮りを終了の指示入力を受け付けた場合に、前回取り込み画像記憶手段に記憶された前回取り込み画像に基づきプリント画像が生成が生成されるようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0036】
【図1】本実施形態の写真印刷装置の全体を説明するための右側面図。
【図2】本実施形態の写真印刷装置の撮影ブロックの斜視図。
【図3】本実施形態の写真印刷装置の撮影ブロックの正面図。
【図4】本実施形態の写真印刷装置のブロック図の一例である。
【図5】本実施の形態の重ね撮りについて説明するための図である。
【図6】1枚目の画像を撮影する際の撮影画面を示している。
【図7】1枚目の画像の撮影終了後の撮影画面を示している。
【図8】2枚目の画像を撮影する際の撮影画面を示している。
【図9】2枚目の画像の撮影終了後の撮影画面を示している。
【図10】現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係について説明する図。
【図11】前後関係に応じて生成される重ね取り画像について説明する図。
【図12】重ね撮りの画像合成処理の具体例について説明するための図。
【図13】重ね撮りの画像合成処理の具体例について説明するための図。
【図14】本実施の形態の重ね撮り処理の一例(ライブビュー画像生成)を示すフローチャート。
【図15】本実施の形態の重ね撮り処理の一例(ライブビュー画像生成)を示すフローチャート。
【図16】本実施の形態の重ね撮り処理の一例(プレビュー画像表示時の重ね撮りの続行または終了処理)を示すフローチャート。
【図17】本実施の形態の重ね撮り処理の一例(プレビュー画像表示時のキャンセル処理)を示すフローチャート。
【発明を実施するための形態】
【0037】
以下、本発明の好適な実施の形態について図面を用いて説明する。
【0038】
1.写真印刷装置の構成
図1、図2、図3に本実施形態の写真印刷装置(狭義には写真自販装置、写真シール印刷装置)の外観図の一例を示す。なお図1は本実施形態の写真印刷装置の全体(撮影ブロックと編集部ブロックを含む)を説明するための右側面の一例であり、図2は本実施形態の写真印刷装置の撮影ブロックの斜視図であり、図3は本実施形態の写真印刷装置の撮影ブロックの正面図である。
【0039】
まずユーザー(図1のP1)は、筐体の撮影ブロック2の正面側(図3)において被写体(例えば自己)の撮影を行う。次にユーザー(図1のP2)は、筐体の例えば背面側に設けられた編集ブロック3において撮影した画像の編集操作を行う。
【0040】
図2の斜視図や図3の正面図に示すように、本実施形態の写真印刷装置1の撮影ブロック2は、被写体撮影用のカメラ10(撮像デバイス)を含む。カメラ10は、例えばCCDカメラ、C−MOSカメラ、又はビデオカメラなどにより実現できる。
【0041】
カメラ10は、被写体を正面方向から撮影するもので、撮像部として機能する。
【0042】
写真印刷装置1の撮影ブロック2はディスプレイ20を含む。このディスプレイ20は、ユーザーの視点からみおろす高さに、ユーザーに対してその表示画面がほぼ正対するように、筺体50に取り付けられている。カメラ10で撮影された映像はディスプレイ20に表示され、ユーザーはこのディスプレイ20に表示された映像を見て自身のポーズが適当か否かを確認することができる。
【0043】
また図1に示すように写真印刷装置の筺体50には、基台52、背面板54が設けられている。基台52は、撮影時に被写体(ユーザー)がその上に立つための台である。この基台52には、被写体(ユーザー)が立ち位置を決めるための目印を付けておくことが望ましい。この場合の目印は、例えば足の裏の形をした目印であってもよいし、被写体(ユーザー)がカメラ10に近づきすぎないようにするための線であってもよい。
【0044】
背面板54(背面部材)は撮影時に外部からの光を遮断するためのものである。この背面板54には、後述するように、付加表示物(背景又は文字等)の合成にクロマキー合成を行う場合には、ブルーバックとしての機能を持たせることもできる。
【0045】
なお背面板54として、カーテンなどを用いてもよい。
【0046】
写真印刷装置1は、図1に示すように写真の受け取り口40を含む。この受け取り口40には、撮影して編集された画像が印刷されたシール等が出力される。
【0047】
図4は、本実施形態の写真印刷装置のブロック図の一例である。なお、写真印刷装置は、図4の構成要素(各部)を全て含む必要はなく、その一部を省略した構成としてもよい。
【0048】
撮影部198は、被写体を撮影するためのもので、例えばCCDカメラ、C−MOSカメラ、又はビデオカメラなどにより実現でき、被写体画像取り込み手段として機能する。
【0049】
操作部160(ポインティングデバイス、レバー、ボタン等)は、ユーザが編集用コンテンツ選択メニューの選択操作や編集操作を行うためのものである。
【0050】
記憶部170(RAM)は、処理部100や通信部196などのワーク領域となるものである。情報記憶媒体180(CD、DVD、HDD、ROMなどのコンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものである。この情報記憶媒体180には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0051】
ディスプレイ190は画像を表示するものであり、例えば図2の撮影用のディスプレイ20や図示しない編集用ディスプレイ等である。
【0052】
撮影用のディスプレイ20は、例えばタッチパネル等が用いられ、ユーザーが指をディスプレイに表示された入力用のボタンに接触させることにより、各種指示入力(例えば前後関係指示入力や重ね撮り続行/終了の指示入力やキャンセル入力)を行うことができるように構成されている。
【0053】
編集用ディスプレイとしては、例えば液晶タブレットやタッチパネル等が用いられ、タッチペン(ポインティングデバイスの一例)等の先端をディスプレイ表面に接触させ、文字や図形を描くことにより手書き画像を入力できるようになっている。また予め用意された星マークやハートマーク等のスタンプ画像を選択して、タッチペンの先端をディスプレイ表面に接触させることによりスタンプ画像を入力出来るようになっている。
【0054】
音出力部192は音声、ゲーム音などの音を出力するものである。
【0055】
携帯型情報記憶装置194は、ユーザの個人データや編集用のセーブデータなどが記憶されるものである。
【0056】
印刷部195は、撮影された画像を印刷媒体(シール紙、印画紙、プラスチック板又は記録層)に画像を印刷する処理を行う。この場合の印刷方式としては昇華型、熱転写型、インクジェット方式、レーザプリント方式などの種々の方式がある。また印刷用のプリンタとしては、インクジェット式プリンタ、レーザープリンタ、昇華型プリンタ、熱転写型プリンタ、溶融型プリンタ、サーマルプリンタ、印画紙プリンタ、インスタントフィルムプリンタ等をもちいるようにしてもよい。
【0057】
通信部196は、インターネットなどのネットワークを介して通信を行うための各種の制御を行うものである。この通信部196を用いることで、生成された画像データをネットワークを介して送信することができる。
【0058】
処理部100(プロセッサ)は、操作部160からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの各種の処理を行う。この場合、処理部100は、記憶部170内の主記憶部172をワーク領域として使用して、各種の処理を行う。この処理部100の機能は、各種プロセッサ(CPU、DSP等)又はASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラム(ゲームプログラム)により実現できる。
【0059】
処理部100は、編集処理部110、画像生成部120、音生成部130、重ね撮り処理部140を含む。
【0060】
編集処理部110は、操作部160からの編集用の入力情報等に基づき、取り込まれた画像に対して編集処理を行う。
【0061】
画像生成部120は、撮影や編集の結果に基づいて画像を生成し、ディスプレイ190に出力する。
【0062】
音生成部130は、処理部100で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部192に出力する。
【0063】
重ね撮り処理部140は、抜き取り色を背景として撮像部で撮影中の被写体の画像を現在の画像として取り込んで、現在画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像をリアルタイムに生成する手段と、所与のタイミングにおける現在抜き取り画像を前回取り込み画像として記憶部に記憶する手段と、重ね撮り画像を生成する際の現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示するための前後関係指示入力を受け付ける手段と、前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、現在抜き取り画像と前回取り込み画像とをリアルタイムに合成して表示部に出力するライブビュー画像を生成するライブビュー画像生成手段と、前記前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、所与のタイミングにおけるライブビュー画像に対応した現在抜き取り画像と前回取り込み画像の重ね撮り画像を生成する重ね撮り画像生成手段として機能する。
【0064】
前回の撮影(シャッター)タイミングにおけるそのときの現在抜き取り画像を前回取り込み画像として重ね撮り処理を行うようにしてもよい。
【0065】
前記重ね撮り画像から背景部分を抜き取った画像を、前回取り込み画像として重ね撮り処理を行うようにしてもよい。
【0066】
前記ライブビュー画像生成手段は、前回取り込み画像とを記憶するための第1のバッファと、リアルタイムに生成される現在抜き取り画像を記憶するための第2のバッファと、第1のバッファの画像と第2のバッファの画像を合成したライブビュー画像を書き込む第3のバッファを含み、前記前後関係指示入力に基づき、前回取り込み画像と現在抜き取り画像の第3のバッファへの書き込み順序を決定し、決定された書き込み順序に従って第3のバッファに順次重ね書きしてライブビュー画像を生成するようにしてもよい。
【0067】
現在画像と前回取り込み画像の重ね撮りタイミング確定後は、いずれかのバッファを、重ね撮り画像から背景部分を抜き取った画像で置き換えるようにしてもよい。
【0068】
前記前後関係指示入力に基づき、前回取り込み画像と現在抜き取り画像の所与のバッファへの書き込み順序を決定し、決定された書き込み順序に従って所与のバッファに順次重ね書きして、背景部分に所与の色を設定して重ねとり画像を生成するようにしてもよい。
【0069】
記憶部に記憶されている最新の重ね撮り画像のプレビュー画像を生成して表示部に出力し、重ね撮りの終了または続行の指示入力を受け、重ね撮りの終了の指示入力を受け付けた場合には、前記プレビュー画像に対応した重ね撮り画像に基づきプリント画像が生成され、重ね撮り続行の指示入力を受け付けた場合には、前記プレビュー画像に対応した最新の重ね撮り画像を前回取り込み画像として、現在画像との重ね撮り処理を行うようにしてもよい。
【0070】
記憶部に記憶されている最新の重ね撮り画像のプレビュー画像を生成して表示部に出力し、前記最新の重ね撮り画像を生成する際に使用された前回取り込み画像、又は最新の重ね撮り画像の1つ前の重ね撮り画像のいずれかを前回状態保存画像として記憶させ、最新の重ね撮り画像のキャンセル入力を受け付け、キャンセル入力を受け付けた場合には、前回状態保存画像記憶手段に記憶された前回状態保存画像を前回取り込み画像として、現在画像との重ね撮り処理を行うようにしてもよい。
【0071】
通信部196は、インターネットなどのネットワークを介してデータを送信又は受信する処理を行う。より具体的には、通信部196は、カメラの撮影画像により生成されたデータを、ネットワークを介して外部のサーバなどに送信する。このようにすればユーザ(被写体)は、自身が被写体となっている画像のデータを、自分の家のパーソナルコンピュータにサーバからダウンロードすることが可能になる。そしてダウンロードした画像データに基づいて、自分の家のプリンタを用いて、紙やシールに画像を印刷して出力することが可能になる。またユーザーが撮影した画像をサーバに保存しておき、写真印刷装置にダウンロードして印刷して出力することも可能である。
【0072】
この通信部196の機能は、例えば通信用のデバイス(IC)などのハードウェアや、通信用のプログラムなどにより実現できる。なお印刷部195、通信部196のいずれか一方を設けない構成としてもよい。
【0073】
なお本実施形態の写真印刷装置は、被写体を全身撮影するものには限定されず、被写体の上半身だけを撮影するものであってもよい。
【0074】
また本実施形態の写真印刷装置で撮影される被写体は人間には限定されない。
例えばオークションなどに出品する商品の写真を撮影する装置にも本実施形態は適用できる。この場合には、通信部196を用いて行うインターネットを介したデータの送信と、オークションの出品とを連動させれば、出品者に便宜な写真印刷装置を提供できる。
【0075】
また本実施形態の写真印刷装置を、プレーヤの写真画像をゲームに使用するようなタイプのゲーム装置に利用することも可能である。即ち本実施形態の写真印刷装置を、ゲーム装置の画像取り込み装置として機能させることも可能である。
【0076】
2.重ね撮り処理
図5は本実施の形態の重ね撮りについて説明するための図である。
【0077】
本実施の形態では通常の撮影モードとは別に重ね撮り撮影モードが用意されており、重ね撮り撮影モードが選択されると最大で4枚の画像を重ね撮りできるようになっている。
【0078】
重ね撮りまたは重ね撮り撮影とは、撮影する段階で前回の被写体の画像をみながら、現在の被写体の位置合わせを行い、前回の被写体画像に対して現在の被写体画像が前または後ろに重ねて表示される合成写真の撮影を意味する。
【0079】
重ね撮り画像とは、複数の被写体画像(例えば現在の被写体画像と、前回の被写体画像)を重ね撮り撮影により合成した画像である。
【0080】
210は、1回目に撮影されたの被写体画像である。
【0081】
220は1回目の被写体画像212に2回目の被写体画像222を重ね撮りした重ね撮り画像である。
【0082】
2回めの画像を撮影する際には、ディスプレイ(図3の20)に1回めの撮影画像212が静止画データとして表示され、それに重ねて現在カメラ(図3の10)が撮影している被写体画像が動画のように前または後ろに重ねて表示されるライブビュー画像が表示されるので、プレーヤはライブビュー画像を見ながら2回目の撮影のための位置あわせ(立ち位置や姿勢の調整)を行う。そして所望のタイミングでディスプレイに表示された撮影ボタンを押すことで、その時点の現在の画像が静止画データとして決定され、静止画データである前回画像と合成される。これで2枚の画像の重ね撮り画像の撮影を行うことができる。
【0083】
重ね撮り撮影は、この手順を繰り返すことによって、複数回の静止画データを合成することができる。なお、ここで静止画データ同士を合成せずに、別々の静止画データとして記憶しておいてもよい。このようにすれば、後にそれぞれの静止画データについて編集等を加えることが可能である。
【0084】
ライブビュー画像とは前回の被写体画像から背景部分を抜き取った前回取り込み画像(被写体の部分のみの画像)と、現在撮影中の現在画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像をリアルタイムに合成した画像である。
【0085】
230は1回目の被写体画像212と2回目の被写体画像222に3回目の被写体画像232を重ね撮りした重ね撮り画像である。
【0086】
3回めの画像を撮影する際には、ディスプレイ(図3の20)に1回めの撮影画像212と2回目の画像222の合成画像(静止画データ)が表示され、それに重ねて現在カメラ(図3の10)が撮影している被写体画像が前または後ろに重ねて表示されるライブビュー画像が表示されるので、プレーヤはライブビュー画像を見ながら3回目の撮影のための位置あわせ(立ち位置や姿勢の調整)を行う。そして所望のタイミングでディスプレイに表示された撮影ボタンを押すことで、3枚の画像の重ね撮り画像の撮影を行うことができる。
【0087】
240は1回目の被写体画像212と2回目の被写体画像222と3回目の被写体画像232に4回目の被写体画像242を重ね撮りした重ね撮り画像である。
【0088】
4回めの画像を撮影する際には、ディスプレイ(図3の20)に1回めの撮影画像212と2回目の画像222と3回目の画像232の合成画像(静止画データ)が表示され、それに重ねて現在カメラ(図3の10)が撮影している被写体画像が前または後ろに重ねて表示されるライブビュー画像が表示されるので、プレーヤはライブビュー画像を見ながら4回目の撮影のための位置あわせ(立ち位置や姿勢の調整)を行う。そして所望のタイミングでディスプレイに表示された撮影ボタンを押すことで、同様に4枚の画像の重ね撮り画像の撮影を行うことができる。
【0089】
なお撮影ボタンを押さなくても、一定時間後に撮影が自動的に行われる(シャッターが切られる)こととしてもよい。
【0090】
図6から図9は本実施の形態の重ね撮り撮影モードにおける撮影画面(図3のディスプレイ20に表示される画像)について説明するための図である。
【0091】
図6は1枚目の画像を撮影する際の撮影画面を示している。
【0092】
310はライブビュー画像である。1枚目の画像を撮影する際のライブビュー画像310は、現在カメラ(図3の10)が撮影している被写体画像と所与の背景色とをリアルタイムクロマキー処理で合成した画像である。
【0093】
リアルタイムクロマキー処理では、現在カメラ(図3の10)が撮影している画像から背景部分が抜き取られた(例えば背景部分の画素のα値として透明がセットされる)現在抜き取り画像(被写体部分312が切り出された画像)が生成され、背景部分に所与の背景色が合成される。
【0094】
320は、撮影タイミングを指示するためのボタンである。本ディスプレイはタッチパネルで構成されているため、プレーヤが画面上の当該ボタンにふれることにより、撮影タイミングを指示することができる。
【0095】
本実施の形態ではプレーヤが画面上の当該ボタン320にふれてから所定時間経過後に、撮影(シャッター)タイミングが到来し、その時点の画像が取り込まれて、1回めの撮影画像となる。
【0096】
330は撮影までのカウントダウン表示である。340はかさねどりの枚数表示である。
【0097】
図7は1枚目の画像の撮影終了後の撮影画面を示している。
【0098】
350はプレビュー画像である。1枚目の画像の撮影終了後のプレビュー画像350は、1回目の撮影タイミングにおける撮影画像と所与の背景色とをクロマキー処理で合成した画像である。
【0099】
クロマキー処理では、1回目の撮影タイミングにおける撮影画像から背景部分が抜き取られた(例えば背景部分の画素のα値として透明がセットされる)抜き取り画像(被写体部分352が切り出された画像)が生成され、背景部分に所与の背景色が合成される。
【0100】
354、356は、重ね撮りの終了または続行の指示入力を受け付けるボタンである(354は重ね撮り終了の指示入力、356は重ね撮り続行の指示入力)。本ディスプレイはタッチパネルで構成されているため、プレーヤが画面上の当該ボタン354、356にふれることにより、重ね撮りの終了または続行を指示することができる。
【0101】
重ね撮りの終了ボタン354が押された場合には、プレビュー画像350に対応した重ね撮り画像に基づきプリント画像が生成される。また重ね撮り続行のボタン356が押された場合には、プレビュー画像350に対応した画像を前回取り込み画像として、現在画像との重ね撮り処理を行う。
【0102】
342はかさねどりの枚数表示である。
【0103】
図8は2枚目の画像を撮影する際の撮影画面を示している。
【0104】
360はライブビュー画像である。2枚目の画像を撮影する際のライブビュー画像360は、前回撮影画像362と現在カメラ(図3の10)が撮影している被写体画像364と所与の背景色とをリアルタイムクロマキー処理で合成した画像である。
【0105】
リアルタイムクロマキー処理では、背景部分を抜き取った前回取り込み画像と、現在カメラ(図3の10)が撮影している画像から背景部分が抜き取られた(例えば背景部分の画素のα値として透明がセットされる)現在抜き取り画像(被写体部分362が切り出された画像)が生成され、前回取り込み画像と現在抜き取り画像が合成され背景部分に所与の背景色が合成された画像(重ね撮り画像)が生成される。
【0106】
320は、撮影タイミングを指示するためのボタンである。本ディスプレイはタッチパネルで構成されているため、プレーヤが画面上の当該ボタン320にふれることにより、撮影タイミングを指示することができる。
【0107】
本実施の形態ではプレーヤが画面上の当該ボタン320にふれてから所定時間経過後に、現在に撮影タイミングが到来し、その時点の画像が取り込まれて、2回めの撮影画像となる。
【0108】
370は、重ね撮り画像を生成する際の現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示するためのボタンである。本ディスプレイはタッチパネルで構成されているため、プレーヤが画面上の当該ボタン370にふれることにより、重ね撮り画像を生成する際の現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示することができる。本実施の形態では「現在抜き取り画像を前回取り込み画像の前に重ねるモード」と「現在抜き取り画像を前回取り込み画像の後ろに重ねるモード」の2種類のモードが存在し、当該ボタンが押されるたびにモードがきりかわるように構成されている。
【0109】
「現在抜き取り画像を前回取り込み画像の前に重ねるモード」の場合には、前回取り込み画像と現在抜き取り画像が図10の410、412に示す前後関係(奥行き方向zに対して、現在抜き取り画像412が前回取り込み画像410の前に位置する)と仮定して、ライブビュー画像360及び重ね撮り画像を合成する。
【0110】
従って図11(B)に示すように、前回取り込み画像の被写体部分(前回取り込み画像)410の上に現在画像の被写体部分(現在抜き取り画像)412が重ね書きされた画像が生成される。
【0111】
また「現在抜き取り画像を前回取り込み画像の後ろに重ねるモード」の場合には、前回取り込み画像と現在抜き取り画像が図10の410、414に示す前後関係(奥行き方向zに対して、現在抜き取り画像414が前回取り込み画像410の後ろに位置する)と仮定して、ライブビュー画像360及び重ね撮り画像を合成する。
【0112】
従って図11(A)に示すように、現在画像の被写体部分(現在抜き取り画像)412の上に前回取り込み画像の被写体部分(前回取り込み画像)410が重ね書きされた画像が生成される。
【0113】
本実施の形態では、プレーヤがライブビュー画像を見ながら重ね撮り撮影のための位置あわせを行う際に、前後関係指示ボタン370を押下すると、そのたびに現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を入れ替えた画像がリアルタイムにライブビュー画像に表示される。したがって、プレーヤの意思を反映した変化にとんで自由度の高い重ねとり撮影を行うことができるとともに、プレーヤはライブビュー画像でリアルタイムに合成結果を確認しながら所望の重ね撮り画像を生成することができる。
【0114】
330は撮影までのカウントダウン表示である。340はかさねどりの枚数表示である。
【0115】
図9は2枚目の画像の撮影終了後の撮影画面を示している。
【0116】
380はプレビュー画像である。2枚目の画像の撮影終了後のプレビュー画像380は、2回目の撮影タイミングにおける重ね撮り画像(1回目の画像の被写体部分382と2回目の画像の被写体部分383)と所与の背景色とをクロマキー処理で合成した画像である。
【0117】
クロマキー処理では、2回目の撮影タイミングにおける撮影画像(重ね撮り画像)から背景部分が抜き取られた(例えば背景部分の画素のα値として透明がセットされる)抜き取り画像(被写体部分382,383が切り出された画像)が生成され、背景部分に所与の背景色が合成される。
【0118】
384、386は、重ね撮りの終了または続行の指示入力を受け付けるボタンである(384は重ね撮り終了の指示入力、386は重ね撮り続行の指示入力)。本ディスプレイはタッチパネルで構成されているため、プレーヤが画面上の当該ボタン384、386にふれることにより、重ね撮りの終了または続行を指示することができる。
【0119】
重ね撮りの終了ボタン384が押された場合には、プレビュー画像380に対応した重ね撮り画像に基づきプリント画像が生成される。また重ね撮り続行のボタン386が押された場合には、プレビュー画像380に対応した画像を前回取り込み画像として、現在画像との重ね撮り処理を行う。
【0120】
342は重ね撮りの枚数表示である。
【0121】
図12は、重ね撮りの画像合成処理の具体例について説明するための図である。
【0122】
510は現在画像530の撮影前に、抜き取り色を背景として撮像部で撮影された被写体の前回撮影画像である。512は前回撮影画像510の被写体部分であり、514は前回撮影画像510の背景部分である。背景部分は抜き取り色(例えばブルーバックの場合は青、グリーンバックの場合は緑)である。
【0123】
本実施の形態では前回撮影画像510から背景部分(抜き取り色の部分)514を抜き取った前回取り込み画像520を生成する(例えばクロマキー処理により背景部分の抜き取りを行うことができる)。前回取り込み画像520は被写体部分522が抽出され、背景部分524は透明となっている。
【0124】
530は撮像部で撮影された現在撮影画像である。532は現在撮影画像530の被写体部分であり、534は現在撮影画像530の背景部分である。背景部分は抜き取り色(例えばブルーバックの場合は青、グリーンバックの場合は緑)である。
【0125】
本実施の形態では現在撮影画像530から背景部分(抜き取り色の部分)534を抜き取った前回取り込み画像520を生成する(例えばクロマキー処理により背景部分の抜き取りを行うことができる)。現在抜き取り画像540は被写体部分542が抽出され、背景部分544は透明となっている。
【0126】
そして現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を前後関係指示入力に基づき決定して、現在抜き取り画像540と前回取り込み画像520とをリアルタイムに合成して表示部に出力するライブビュー画像(570または580)を生成する。
【0127】
現在抜き取り画像が前回取り込み画像の手前に配置されるという前後関係を有する場合には、前回取り込み画像520の上に現在抜き取り画像540を重ね書きすることにより560に示すような合成画像を生成することができる。合成画像560は、前回の被写体部分562の上に現在の被写体部分564が重ね書きされ、背景部分566が透明となっている。
【0128】
580は、合成画像560の背景部分566に所与の背景色586を合成した画像であり、ライブビュー画像として使用することができる。
【0129】
現在抜き取り画像が前回取り込み画像の奥に配置されるという前後関係を有する場合には、現在抜き取り画像540の上に前回取り込み画像520を重ね書きすることにより550に示すような合成画像を生成することができる。合成画像550は、現在の被写体部分554の上に前回の被写体部分552が重ね書きされ、背景部分556が透明となっている。
【0130】
570は、合成画像550の背景部分556に所与の背景色576を合成した画像であり、ライブビュー画像として使用することができる。
【0131】
なお撮影タイミングにおいて上記処理を行い生成された570または580は重ね撮り画像として使用することができる。
【0132】
図13は、重ね撮りの画像合成処理の具体例について説明するための図である。
【0133】
610は重ね撮り処理により生成された重ね撮り画像(例えば図12で説明した処理により生成された重ね撮り画像580)である。612は重ね撮り画像610の被写体部分であり、614は重ね撮り画像610の背景部分である。背景部分は所与の背景色または抜き取り色(例えばブルーバックの場合は青、グリーンバックの場合は緑)である。
【0134】
本実施の形態では重ね撮り画像610から背景部分(抜き取り色の部分)614を抜き取って、前回取り込み画像620を生成する(例えばクロマキー処理により背景部分の抜き取りを行うことができる)。前回取り込み画像620は被写体部分622が抽出され、背景部分624は透明となっている。
【0135】
なお、例えば過去の重ね撮り処理により生成された背景部分が透明の合成画像(例えば図12の560)を使用することにより、背景色の抜き取りの処理を省略することが可能である。
【0136】
630は撮像部で撮影された現在撮影画像(例えば3回目の撮影画像)である。632は現在撮影画像630の被写体部分であり、634は現在撮影画像630の背景部分である。背景部分は抜き取り色(例えばブルーバックの場合は青、グリーンバックの場合は緑)である。
【0137】
本実施の形態では現在撮影画像630から背景部分(抜き取り色の部分)634を抜き取った前回取り込み画像620を生成する(例えばクロマキー処理により背景部分の抜き取りを行うことができる)。現在抜き取り画像640は被写体部分642が抽出され、背景部分644は透明となっている。
【0138】
そして現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を前後関係指示入力に基づき決定して、現在抜き取り画像640と前回取り込み画像620とをリアルタイムに合成して表示部に出力するライブビュー画像(670または680)を生成する。
【0139】
現在抜き取り画像が前回取り込み画像の手前に配置されるという前後関係を有する場合には、前回取り込み画像620の上に現在抜き取り画像640を重ね書きすることにより660に示すような合成画像を生成することができる。合成画像660は、前回の重ね撮り画像の被写体部分662の上に現在の被写体部分664が重ね書きされ、背景部分666が透明となっている。
【0140】
680は、合成画像660の背景部分666に所与の背景色686を合成した画像であり、ライブビュー画像として使用することができる。
【0141】
現在抜き取り画像が前回取り込み画像の奥に配置されるという前後関係を有する場合には、現在抜き取り画像640の上に前回取り込み画像620を重ね書きすることにより650に示すような合成画像を生成することができる。合成画像650は、現在の被写体部分654の上に前回の重ね撮り画像の被写体部分652が重ね書きされ、背景部分656が透明となっている。
【0142】
670は、合成画像650の背景部分656に所与の背景色676を合成した画像であり、ライブビュー画像として使用することができる。
【0143】
なお撮影タイミングにおいて上記処理を行い生成された670または680は重ね撮り画像として使用することができる。
【0144】
図14は、本実施の形態の重ね撮り処理の一例(ライブビュー画像生成)を示すフローチャートである。
【0145】
表示部に表示する各フレームごとにまたは所定時間ごとに以下の処理を行う。
【0146】
まず抜き取り色を背景として撮像部で撮影された被写体の画像から背景部分を抜き取った画像を、前回取り込み画像として記憶部に記憶させる(ステップS10)。
【0147】
次に記憶部に記憶された前回取り込み画像を前回バッファ(レーヤ)に格納する(ステップS20)。
【0148】
次に抜き取り色を背景として撮像部で撮影中の被写体の画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像を現在バッファ(レーヤ)に格納(ステップS40)。
【0149】
次に前後関係指示入力に基づき前回取り込み画像と現在抜き取り画像の前後関係を決定して、前回取り込み画像と現在抜き取り画像を合成してライブビュー画像を生成(ステップS50)。
【0150】
次に前記前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、所与のタイミングにおける現在抜き取り画像と前回取り込み画像とを合成して、背景部分に所与の色をセットして重ね撮り画像を生成する(ステップS60)。
【0151】
図15は、本実施の形態の重ね撮り処理の一例(ライブビュー画像生成)を示すフローチャートである。
【0152】
表示部に表示する各フレームごとにまたは所定時間ごとに以下の処理を行う。
【0153】
所与のタイミングにおけるライブビューの被写体画像を前回取り込み画像とする(ステップS110)。
【0154】
次に抜き取り色を背景として撮像部で撮影中の被写体の画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像を現在バッファ(レーヤ)に格納する(ステップS130)。
【0155】
次に前後関係指示入力に基づき前回取り込み画像と現在抜き取り画像の前後関係を決定して、前回取り込み画像と現在抜き取り画像を合成してライブビュー画像を生成する(ステップS140)。
【0156】
次に前記前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、所与のタイミングにおける現在抜き取り画像と前回取り込み画像とを合成して、背景部分に所与の色をセットして重ね撮り画像を生成する(ステップS150)。
【0157】
図16は、本実施の形態の重ね撮り処理の一例(プレビュー画像表示時の重ね撮りの続行または終了処理)を示すフローチャートである。
【0158】
表示部に表示する各フレームごとにまたは所定時間ごとに以下の処理を行う。
【0159】
記憶部に記憶されている最新の重ね撮り画像のプレビュー画像を生成して表示部に出力する(ステップS210)。
【0160】
次に重ね撮りの終了または続行の指示入力を受け付ける(ステップS220)。
【0161】
次に重ね撮りの終了の指示入力を受け付けた場合には、前記プレビュー画像に対応した重ね撮り画像に基づきプリント画像が生成する(ステップS230)。
【0162】
次に重ね撮り続行の指示入力を受け付けた場合には、前記プレビュー画像に対応した最新の重ね撮り画像を前回取り込み画像として、現在画像との重ね撮り処理を行う(ステップS240)。
【0163】
図17は、本実施の形態の重ね撮り処理の一例(プレビュー画像表示時のキャンセル処理)を示すフローチャートである。
【0164】
表示部に表示する各フレームごとにまたは所定時間ごとに以下の処理を行う。
【0165】
まず最新の重ね撮り画像を生成する際に使用された前回取り込み画像、又は最新の重ね撮り画像の1つ前の重ね撮り画像のいずれかを前回状態保存画像として記憶部に記憶させる(ステップS310)。
【0166】
次に記憶部に記憶されている最新の重ね撮り画像のプレビュー画像を生成して表示部に出力する(ステップS320)最新の重ね撮り画像のキャンセル入力を受け付ける(ステップS330)。
【0167】
次にキャンセル入力を受け付けた場合には、前回状態保存画像記憶手段に記憶された前回状態保存画像を前回取り込み画像として、現在画像との重ね撮り処理を行う(ステップS340)。
【0168】
なお、本発明は、上記実施の形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。
【0169】
また、本発明のうち従属請求項に係る発明においては、従属先の請求項の構成要件の一部を省略する構成とすることもできる。また、本発明の1の独立請求項に係る発明の要部を、他の独立請求項に従属させることもできる。
【符号の説明】
【0170】
1 写真印刷装置
10 カメラ
20 ディスプレイ
40 写真の受け取り口
100 処理部
110 編集処理部
120 画像生成部
130 音生成部
140 重ね取り処理部
160 操作部
170 記憶部
174 描画バッファ
180 情報記憶媒体
190 ディスプレイ
192 音出力部、
194 携帯型情報記憶装置
195 印刷部
196 通信部
198 撮影部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
撮像部と表示部とを含み、撮像部によって撮影された被写体の画像を取り込み、編集してプリントする写真印刷装置であって、
被写体の重ね撮り画像を生成するための重ね撮り処理を行う重ね撮り処理手段と、
重ね撮り画像に基づきプリント画像を生成する手段とを含み、
重ね撮り処理手段は、
抜き取り色を背景として撮像部で撮影中の被写体の画像を現在画像として取り込んで、現在画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像をリアルタイムに生成する手段と、
所与のタイミングにおける現在抜き取り画像を前回取り込み画像として記憶部に記憶する手段と、
重ね撮り画像を生成する際の現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示するための前後関係指示入力を受け付ける手段と、
前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、現在抜き取り画像と前回取り込み画像とをリアルタイムに合成して表示部に出力するライブビュー画像を生成するライブビュー画像生成手段と、
前記前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、所与のタイミングにおけるライブビュー画像に対応した現在抜き取り画像と前回取り込み画像の重ね撮り画像を生成する重ね撮り画像生成手段と、
を含むことを特徴とする写真印刷装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記重ね撮り処理手段は、
前回の撮影タイミングにおける現在抜き取り画像を前回取り込み画像として重ね撮り処理を行うことを特徴とする写真印刷装置。
【請求項3】
請求項1乃至2のいずれかにおいて、
前記重ね撮り処理手段は、
前記重ね撮り画像から背景部分を抜き取った画像を、前回取り込み画像として重ね撮り処理を行うことを特徴とする写真印刷装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかにおいて、
前記ライブビュー画像生成手段は、
前回取り込み画像を記憶するための第1のバッファと、リアルタイムに生成される現在抜き取り画像を記憶するための第2のバッファと、第1のバッファの画像と第2のバッファの画像を合成したライブビュー画像を書き込む第3のバッファを含み、
前記前後関係指示入力に基づき、前回取り込み画像と現在抜き取り画像の第3のバッファへの書き込み順序を決定し、決定された書き込み順序に従って第3のバッファに順次重ね書きしてライブビュー画像を生成することを特徴とする写真印刷装置。
【請求項5】
請求項4において、
現在抜き取り画像と前回取り込み画像の重ね撮りタイミング確定後は、いずれかのバッファを、重ね撮り画像から背景部分を抜き取った画像で置き換えることを特徴とする写真印刷装置。
【請求項6】
請求項1乃至5のいずれかにおいて、
前記重ね撮り画像生成手段は、
前記前後関係指示入力に基づき、前回取り込み画像と現在抜き取り画像の所与のバッファへの書き込み順序を決定し、決定された書き込み順序に従って所与のバッファに順次重ね書きして、背景部分に所与の色を設定して重ねとり画像を生成することを特徴とする写真印刷装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかにおいて、
記憶部に記憶されている最新の重ね撮り画像のプレビュー画像を生成して表示部に出力する手段と、
重ね撮りの終了または続行の指示入力を受け付ける手段と、
重ね撮りの終了の指示入力を受け付けた場合には、前記プレビュー画像に対応した重ね撮り画像に基づきプリント画像が生成され、
重ね撮り続行の指示入力を受け付けた場合には、前記プレビュー画像に対応した最新の重ね撮り画像を前回取り込み画像として、現在抜き取り画像との重ね撮り処理を行うことを特徴とする写真印刷装置。
【請求項8】
請求項1乃至7いずれかにおいて、
記憶部に記憶されている最新の重ね撮り画像のプレビュー画像を生成して表示部に出力する手段と、
前記最新の重ね撮り画像を生成する際に使用された前回取り込み画像、又は最新の重ね撮り画像の1つ前の重ね撮り画像のいずれかを前回状態保存画像として記憶する前回状態保存画像記憶手段と、
最新の重ね撮り画像のキャンセル入力を受け付ける手段と、
キャンセル入力を受け付けた場合には、前回状態保存画像記憶手段に記憶された前回状態保存画像を前回取り込み画像として、現在抜き取り画像との重ね撮り処理を行うことを特徴とする写真印刷装置。
【請求項9】
撮像部と表示部とを含み、撮像部によって撮影された被写体の画像を取り込み、編集してプリントする写真印刷装置を制御するためのプログラムであって、
被写体の重ね撮り画像を生成するための重ね撮り処理を行う重ね撮り処理手段と、
重ね撮り画像に基づきプリント画像を生成する手段としてコンピュータを機能させ、
重ね撮り処理手段は、
抜き取り色を背景として撮像部で撮影中の被写体の画像を現在画像として取り込んで、現在画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像をリアルタイムに生成する手段と、
所与のタイミングにおける現在抜き取り画像を前回取り込み画像として記憶部に記憶する手段と、
重ね撮り画像を生成する際の現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示するための前後関係指示入力を受け付ける手段と、
前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、現在抜き取り画像と前回取り込み画像とをリアルタイムに合成して表示部に出力するライブビュー画像を生成するライブビュー画像生成手段と、
前記前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、所与のタイミングにおけるライブビュー画像に対応した現在向き取り画像と前回取り込み画像の重ね撮り画像を生成する重ね撮り画像生成手段と、
を含むことを特徴とするプログラム。
【請求項10】
コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項9のプログラムが記憶されていることを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項11】
撮像部と表示部とを含み、撮像部によって撮影された被写体の画像を取り込み、編集してプリントする写真印刷装置の写真印刷方法であって、
被写体の重ね撮り画像を生成するための重ね撮り処理を行う重ね撮り処理ステップと、
重ね撮り画像に基づきプリント画像を生成するステップとを含み、
重ね撮り処理ステップは、
抜き取り色を背景として撮像部で撮影中の被写体の画像を現在画像として取り込んで、現在画像から背景部分を抜き取った現在抜き取り画像をリアルタイムに生成するステップと、
所与のタイミングにおける現在抜き取り画像を前回取り込み画像として記憶部に記憶するステップと、
重ね撮り画像を生成する際の現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を指示するための前後関係指示入力を受け付けるステップと、
前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、現在抜き取り画像と前回取り込み画像とをリアルタイムに合成して表示部に出力するライブビュー画像を生成するライブビュー画像生成ステップと、
前記前後関係指示入力に基づき、現在抜き取り画像と前回取り込み画像の前後関係を決定して、所与のタイミングにおけるライブビュー画像に対応した現在向き取り画像と前回取り込み画像の重ね撮り画像を生成する重ね撮り画像生成ステップと、
を含むことを特徴とする写真印刷装置の写真印刷方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【公開番号】特開2010−63189(P2010−63189A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−285015(P2009−285015)
【出願日】平成21年12月16日(2009.12.16)
【分割の表示】特願2005−313459(P2005−313459)の分割
【原出願日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】