説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲームシステム

【課題】 プレーヤがゲームを計画的にプレイするのを補助し、プレーヤがゲームをプレイすることを躊躇してしまうのを防ぐ。
【解決手段】 ゲームシステムは、操作部100からの操作情報に基づいてゲーム区分の進行状況を演算するゲーム演算部172、ゲーム区分の終了条件が満たされたか否かを判定する判定部174、ゲームをプレイするプレーヤ及びプレーヤが操作するキャラクタの少なくとも一方に関する情報である個別情報を記憶する個別情報記憶部162、ゲーム区分に関するゲーム区分情報、及び個別情報に基づいて、ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算する予測時間演算部176、予測時間をプレーヤに報知する予測時間報知部178を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プログラム、情報記憶媒体およびゲームシステムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、ゲームのプレイに予想以上に時間がかかってしまい、プレイを途中で中断せざるを得ない事態が発生するという問題があった。また、そのような事態が発生する可能性があるため、プレーヤがゲームをプレイすることを躊躇してしまうという問題があった。このような問題を解決するため、プレーヤが予め設定したゲームのプレイ時間と現在のプレイ時間から、ゲームの残りプレイ時間を算出し表示するゲーム装置が提案されている(特許文献1)。特許文献1に記載のゲーム装置によれば、プレーヤは、残りプレイ時間が少ない場合はクリアに時間のかかるイベントをプレイするのを避ける等の計画的なプレイをすることができる。
【特許文献1】特開2002−273050号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、上記特許文献1のゲーム装置では、イベントをクリアするのにかかる時間を予測することができない場合には、プレーヤはどのようなイベントを避けたらよいのか判断することができなかった。特に、イベントをクリアするためにかかる時間が、プレーヤあるいはプレーヤが操作するキャラクタの状況(熟練度、レベル等)によって変化するようなゲームにおいては、イベントをクリアするためにかかる時間を予測するのは困難であり、計画的にプレイをすることができなかった。
【0004】
本発明は上記課題に鑑みて行われたもので、その目的は、プレーヤがゲームを計画的にプレイするのを補助し、プレーヤがゲームをプレイすることを躊躇してしまうのを防ぐことのできるプログラム、情報記憶媒体およびゲームシステムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0005】
(1)本発明は、操作部からの操作情報に基づいてゲーム区分の進行状況を演算するゲーム演算部、前記ゲーム区分の終了条件が満たされたか否かを判定する判定部、ゲームをプレイするプレーヤ及びプレーヤが操作するキャラクタの少なくとも一方に関する個別情報を記憶する個別情報記憶部、前記ゲーム区分に関するゲーム区分情報、及び前記個別情報に基づいて、前記ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算する予測時間演算部、前記予測時間をプレーヤに報知する予測時間報知部、を有することを特徴とするゲームシステムに関係する。また、本発明は、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムに関係する。また、本発明は、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体であって、上記各部としてコンピュータを機能させるプログラムを記憶(記録)した情報記憶媒体に関係する。
【0006】
本発明によれば、プレーヤあるいはキャラクタの状況によってゲーム区分終了までの時間が変化するようなゲームにおいて、ゲーム区分の終了条件が満たされるまでの予測時間をプレーヤに報知することができる。これにより、プレーヤは予測時間に基づいて計画的にゲームをプレイすることができる。また、計画的にゲームをプレイできるのでゲームをプレイすることを躊躇せずに済み、プレイの機会を増やすことができる。
【0007】
(2)また、本発明にかかるゲームシステム、プログラム、および情報記憶媒体では、前記予測時間演算部は、前記ゲーム区分の進行状況に基づいて前記ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算するようにしてもよい。
【0008】
このようにすれば、ゲーム区分の現在の進行状況に基づいて、リアルタイムに予測時間を演算することができる。
【0009】
(3)また、本発明にかかるゲームシステム、プログラム、および情報記憶媒体は、プレーヤのゲーム履歴及びプレーヤが操作するキャラクタのゲーム履歴の少なくとも一方に基づいて、前記個別情報を更新する更新部をさらに有するようにしてもよい。
【0010】
このようにすれば、ゲーム履歴が反映された個別情報に基づいて予測時間の演算を行うことができ、より正確な予測時間をプレーヤに報知することができる。
【0011】
(4)また、本発明にかかるゲームシステム、プログラム、および情報記憶媒体では、前記予測時間演算部は、異なる終了条件が設定された複数のゲーム区分のそれぞれについて、ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算し、前記予測時間報知部は、前記複数のゲーム区分のそれぞれについて、前記予測時間をプレーヤに報知するようにしてもよい。
【0012】
このようにすれば、プレーヤは終了条件を満たすのに必要な予測時間を見て、複数のゲーム区分の中からプレイするゲーム区分を選ぶことができる。
【0013】
(5)また、本発明にかかるゲームシステム、プログラム、および情報記憶媒体では、前記予測時間演算部は、第一のゲーム区分に設定された第一の終了条件が満たされるまでにかかる第一の予測時間、及び前記第一の終了条件が満たされた後にプレイが可能になる第二のゲーム区分に設定された第二の終了条件が満たされるまでにかかる第二の予測時間を演算し、前記予測時間報知部は、前記第一の予測時間及び前記第二の予測時間をプレーヤに報知するようにしてもよい。
【0014】
このようにすれば、プレーヤは第一のゲーム区分の終了条件が満たされるまでの予測時間に加えてその次にプレイするゲーム区分の終了条件が満たされるまでの予測時間を知ることができる。これにより、プレーヤは第一のゲーム区分の終了までプレイするか、その次のゲーム区分の終了までプレイするかを判断することができ、計画的にゲームをプレイすることができる。
【0015】
(6)また、本発明にかかるゲームシステム、プログラム、および情報記憶媒体では、前記ゲーム演算部は、戦闘の発生頻度に関する情報に基づいて敵キャラクタとの戦闘を発生させ、操作部からの操作情報に基づいて当該戦闘を演算し、前記予測時間演算部は、前記戦闘の発生頻度に関する情報に基づいて前記予測時間を演算するようにしてもよい。
【0016】
このようにすれば、例えばロールプレイングゲームのように所定の頻度で敵との戦闘が発生するゲームにおいて、ゲーム区分の終了条件が満たされるまでの予測時間を演算することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0017】
1.構成
図1に本実施形態のゲームシステムの機能ブロック図の例を示す。なお本実施形態のゲームシステムは図1の構成要素(各部)の一部を省略した構成としてもよい。
【0018】
操作部100は、プレーヤがゲームの操作データを入力するためのものであり、その機能は、レバー、ボタン、ステアリング、マイク、タッチパネル型ディスプレイ、或いは筺体などにより実現できる。
【0019】
表示部110は、本実施形態により生成された画像を出力するものであり、その機能は、CRT、LCD、タッチパネル型ディスプレイ、或いはHMD(ヘッドマウントディスプレイ)などにより実現できる。
【0020】
音出力部120は、本実施形態により生成された音を出力するものであり、その機能は、スピーカ、或いはヘッドフォンなどにより実現できる。
【0021】
通信部130は外部(例えばホスト装置や他の画像生成システム)との間で通信を行うための各種制御を行うものであり、その機能は、各種プロセッサ又は通信用ASICなどのハードウェアや、プログラムなどにより実現できる。なお本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(データ)は、ホスト装置(サーバー)が有する情報記憶媒体からネットワーク及び通信部130を介して情報記憶媒体140(あるいは記憶部160のメインメモリ)に配信してもよい。このようなホスト装置(サーバー)の情報記憶媒体の使用も本発明の範囲内に含めることができる。
【0022】
情報記憶媒体140(コンピュータにより読み取り可能な媒体)は、プログラムやデータなどを格納するものであり、その機能は、光ディスク(CD、DVD)、光磁気ディスク(MO)、磁気ディスク、ハードディスク、磁気テープ、或いはメモリ(ROM)などにより実現できる。処理部170は、情報記憶媒体140に格納されるプログラム(データ)に基づいて本実施形態の種々の処理を行う。即ち情報記憶媒体140には、本実施形態の各部としてコンピュータを機能させるためのプログラム(各部の処理をコンピュータに実行させるためのプログラム)が記憶される。
【0023】
携帯型情報記憶装置150は、プレーヤの個人データやゲームのセーブデータなどが記憶されるものであり、この携帯型情報記憶装置150としては、メモリカードや携帯型ゲーム装置などがある。
【0024】
記憶部160は、処理部170や通信部130などのワーク領域となるもので、その機能はRAM(メインメモリ)、VRAM(ビデオメモリ)などにより実現できる。
【0025】
記憶部160は、個別情報記憶部162、ゲーム区分情報記憶部164を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0026】
個別情報記憶部162は、プレーヤ及びプレーヤの操作するキャラクタ(プレーヤキャラクタ)の少なくとも一方に関する個別情報が記憶される。プレーヤに関する個別情報とは、例えばゲームの熟練度、成績、ランキング、プレイ回数、総プレイ時間、操作の傾向などの情報である。また、プレーヤキャラクタに関する個別情報とは、例えばレベル、強さ、装備、所持アイテム、移動速度などの情報である。
【0027】
ゲーム区分情報記憶部164には、ゲーム区分に関するゲーム区分情報が記憶される。ゲーム区分情報とは、例えばゲーム区分の終了条件、ゲーム区分のスタートからゴールまでの距離、ゲーム区分におけるイベント(ロールプレイングゲームにおける戦闘など)の発生率や平均所要時間、ゲーム区分において出現する敵キャラクタの強さなどの情報である。
【0028】
処理部170(プロセッサ)は、操作部100からの操作データやプログラムなどに基づいて、ゲーム処理、画像生成処理、或いは音生成処理などの処理を行う。この処理部170は記憶部160内のメインメモリをワーク領域として各種処理を行う。処理部170の機能は各種プロセッサ(CPU(メインプロセッサ)、GPU(描画プロセッサ)、DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)などのハードウェアや、プログラムにより実現できる。
【0029】
処理部170は、ゲーム演算部172、判定部174、予測時間演算部176、予測時間報知部178、更新部180、画像生成部182、音制御部184を含む。なおこれらの一部を省略する構成としてもよい。
【0030】
ゲーム演算部172は、開始条件が満たされた場合にゲーム区分の進行を開始する処理、ゲーム区分の進行状況を演算する処理、ゲーム空間にキャラクタやマップなどのオブジェクトを配置する処理、ゲームキャラクタの行動を演算する処理、ゲーム結果を演算する処理などを行う。
【0031】
ゲーム区分の進行状況を演算する処理としては、例えばオブジェクト空間設定処理や、オブジェクトの移動・動作処理などがある。オブジェクト空間設定処理としては、ゲーム演算部172は、キャラクタ、移動体、コース、建物、樹木、柱、壁、マップ、背景などの表示物を表す各種オブジェクト(ポリゴン、自由曲面又はサブディビジョンサーフェスなどのプリミティブで構成されるオブジェクト)をオブジェクト空間に配置設定する処理を行う。即ちワールド座標系でのオブジェクトの位置や回転角度(向き、方向と同義)を決定し、その位置(X、Y、Z)にその回転角度(X、Y、Z軸回りでの回転角度)でオブジェクトを配置する。オブジェクト移動・動作処理としては、ゲーム演算部172は、キャラクタの移動動作演算(移動動作シミュレーション)を行う。すなわち操作部40、音入力部42などからの操作情報や、プログラム(移動・動作アルゴリズム)や、各種データ(モーションデータ)などに基づいて、キャラクタをオブジェクト空間内で移動させたり、キャラクタを動作(モーション、アニメーション)させたりする処理を行う。具体的には、キャラクタの移動情報(位置、回転角度、速度、或いは加速度)や動作情報(移動体を構成する各パーツの位置、或いは回転角度)を、1フレーム(1/60秒)毎に順次求めるシミュレーション処理を行う。なおフレームは、キャラクタの移動動作処理(シミュレーション処理)や描画処理を行う時間の単位である。
【0032】
特に、プレーヤキャラクタがマップ上を目的地に向かって移動するロールプレイングゲームなどにおいては、ゲーム演算部172は、マップ上のプレーヤキャラクタの位置(二次元座標あるいは三次元座標)を更新することによって、ゲームの進行状況を演算する。また、操作部100からの入力情報によりキャラクタをステージ内で移動させ、キャラクタの移動に基づいて表示画面が一方向にスクロールするアクションゲームやシューティングゲームなどにおいては、ゲーム演算部172は、プレーヤキャラクタのスクロール方向の位置を更新することによって、ゲームの進行状況を演算する。また、プレーヤとCPU(ゲーム演算部172)がそれぞれキャラクタを行動させて対戦するシミュレーションゲームなどにおいては、ゲーム演算部172は、プレーヤとCPUにキャラクタの行動の演算を繰り返させることによってゲームの進行状況を演算する。
【0033】
判定部174はゲーム区分の終了条件が満たされたか否かを判定する処理を行う。判定部174が、ゲーム区分の終了条件が満たされたと判定すると、ゲーム演算部172はゲーム区分の進行状況の演算を終了する。
【0034】
予測時間演算部176は、ゲーム区分情報、及び個別情報に基づいてゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算する。例えば、予測時間演算部176は、プレーヤキャラクタに関する個別情報(レベル、強さ、人数、属性などのパラメータ)とゲーム区分に設定された敵キャラクタに関するゲーム区分情報に基づいて、ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算する。また、予測時間演算部176は、操作を行うプレーヤに関する個別情報(プレイ時間、ステージクリア数、ステージクリアにかかった平均時間、得点、ゲームオーバー回数など)とゲーム区分に設定されたステージに関するゲーム区分情報(難易度、距離など)に基づいてゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算する。また、予測時間演算部176は、プレーヤに関する個別情報(プレーヤがプレーヤキャラクタを操作するのにかかる時間など)とゲーム区分に設定されたステージに関するゲーム区分情報(プレーヤキャラクタの数など)に基づいてプレーヤの操作にかかる時間を演算し、ゲーム区分に設定されたステージに関するゲーム区分情報(敵キャラクタの数など)に基づいてCPUの操作にかかる時間を演算することによって、ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算する。
【0035】
予測時間報知部178は、予測時間演算部176が演算した予測時間をプレーヤに報知する。具体的には、予測時間報知部178は、画像生成部182に予測時間を表示するための画像を生成させる。または予測時間報知部178は、音生成部184に予測時間を出力するための音を生成させる。
【0036】
更新部180は、プレーヤのゲーム履歴及びプレーヤキャラクタのゲーム履歴の少なくとも一方に基づいて個別情報を更新する。更新部180は、所定の条件が満たされたときに、個別情報記憶部162に記憶された個別情報(例えばプレーヤの成績、プレーヤキャラクタのレベルなど)を更新する。例えば、更新部180は、プレーヤのゲーム履歴(プレーヤの操作の履歴など)に基づいてプレーヤに関する個別情報を更新する。また、更新部180は、プレーヤキャラクタのゲーム履歴(経験値など)に基づいてプレーヤキャラクタに関する個別情報を更新する。さらに、更新部180は、プレーヤのゲーム履歴に基づいてプレーヤキャラクタに関する個別情報を更新することもできる。例えば、更新部180は、プレーヤがゲームプレイ全体で特定の操作コマンドを一定回数成功させると、特定のキャラクタのレベルを更新する。また、更新部180は、プレーヤキャラクタのゲーム履歴に基づいてプレーヤに関する個別情報を更新することもできる。例えば、更新部180は、複数のプレーヤキャラクタの経験値の合計が一定値に達すると、プレーヤのランキングを更新する。また、更新部180は、プレーヤのゲーム履歴とプレーヤキャラクタのゲーム履歴の双方に基づいて個別情報を更新することもできる。例えば、更新部180は、プレーヤがゲーム全体で特定の操作コマンドを一定回数成功させたときに、経験値が所定値に達しているプレーヤキャラクタのレベルを更新する。
【0037】
画像生成部182は、処理部170で行われる種々の処理の結果に基づいて画像生成を行い、表示部110に出力する。例えば、画像生成部182は、予測時間報知部178からの指示に基づいて予測時間をプレーヤに報知するための画像を生成し、表示部110に出力する。
【0038】
音生成部184は、処理部170で行われる種々の処理の結果に基づいて音処理を行い、BGM、効果音、又は音声などのゲーム音を生成し、音出力部120に出力する。例えば、音生成部184は、予測時間報知部178からの指示に基づいて予測時間をプレーヤに報知するための音を生成し、音出力部120に出力する。
【0039】
なお、本実施形態の画像生成システムは、1人のプレーヤのみがプレイできるシングルプレーヤモード専用のシステムにしてもよいし、複数のプレーヤがプレイできるマルチプレーヤモードも備えるシステムにしてもよい。また複数のプレーヤがプレイする場合に、これらの複数のプレーヤに提供するゲーム画像やゲーム音を、1つの端末を用いて生成してもよいし、ネットワーク(伝送ライン、通信回線)などで接続された複数の端末(ゲーム機、携帯電話)を用いて分散処理により生成してもよい。
【0040】
2.本実施形態の手法
2−1.ロールプレイングゲームに適用した例
次に、本実施形態の手法について説明する。図2〜7を用いて、本実施形態のゲームシステムをロールプレイングゲームに適用した例について説明する。
【0041】
図2は本実施形態のロールプレイングゲームの流れを示す図である。本実施形態のロールプレイグゲームでは、ゲーム空間中にフィールドとダンジョンという2種類の領域が存在する。フィールドは、町や草原などの領域であり、プレーヤキャラクタがフィールド上にいるときはいつでもゲームの進行状況を記録してゲームを中断することができる。ダンジョンは、洞窟や塔などの領域であり、プレーヤキャラクタがダンジョン内にいるときはゲームの進行状況を記録してゲームを中断することはできない。ダンジョンの奥にはボスキャラクタがおり、ボスキャラとの戦闘に勝利するとダンジョンクリアとなる。プレーヤはプレーヤキャラクタを操作してフィールドからダンジョンに入り、ダンジョンをクリアしてまたフィールドに戻るということを繰り返してゲームを進行させる。
【0042】
図3はダンジョンの一例を示す図である。図3に示すダンジョンは5階建の塔であり、1階に入口ENがあり、5階にボスキャラクタBCが配置されている。プレーヤは入口ENからボスキャラクタBCのところまでプレーヤキャラクタPCを移動させる。ここで、ダンジョン移動中には所定の頻度で敵キャラクタとの戦闘が発生するため、プレーヤは戦闘を行って敵キャラクタを倒しながらプレーヤキャラクタPCを移動させることになる。そしてボスキャラクタBCとの戦闘に勝利するとダンジョンクリアとなる。本実施形態では、ボスキャラクタBCとの戦闘に勝利すると所定時間のムービーが再生され、ムービー再生が終了するとプレーヤキャラクタPCはフィールドに戻る。
【0043】
上記の通り、本実施形態ではダンジョンに入ってからボスキャラクタBCとの戦闘に勝利した後のムービー再生終了までが一つのゲーム区分となっており、ムービー再生が終了することによってゲーム区分の終了条件が満たされるまではゲームの進行状況を記録してゲームを中断することができない。従って、プレーヤはダンジョンの途中で何らかの理由でゲームを止めなければならなくなった場合はゲームをリセットするしかなく、悔しい思いをすることになる。この問題を解決するため、本実施形態ではプレーヤが予測時間を表示する旨の操作入力を行った場合に、ゲーム区分終了までの予測時間を演算し報知する手法を採用している。このようにすれば、プレーヤは予測時間に基づいて、ダンジョンを進んでボスキャラBCとの戦闘を行うか、あるいは引き返して一旦ダンジョンを出てフィールド上でゲームの進行状況を記録してゲームを中断するかを判断することができる。
【0044】
図4は、本実施形態の予測時間演算処理の一例を示すフローチャートである。ゲームシステムはまず、操作部100から予測時間を表示する旨の入力があったか否かを判定する(ステップS400)。そして、操作部100から予測時間を表示する旨の入力があった場合(ステップ400:Y)、ゲームシステムはプレーヤキャラクタPCの現在位置からボスキャラBCの配置された位置までの距離Dを求める(ステップS402)。本実施形態では、ダンジョンの入口ENからボスキャラクタBCの位置までの最短ルートが予め記憶されており、プレーヤキャラクタPCが当該最短ルート上にいる場合は、ゲームシステムはプレーヤキャラクタPCの現在位置に基づいて距離Dを求めることができる。プレーヤキャラクタPCが最短ルート上から外れた位置にいる場合は、ゲームシステムは、プレーヤキャラクタPCが現在位置から最短ルートに復帰するまでの距離と、復帰した最短ルート上の位置からボスキャラBCまでの距離を合わせたものを距離Dとして求める。
【0045】
そして、ゲームシステムは、距離DとプレーヤキャラクタPCに設定された移動速度Vに基づいて、プレーヤキャラクタPCの現在位置からボスキャラクタBCの位置までの移動時間T1を求める(ステップS403)。
【0046】
ゲームシステムはまた、距離Dとダンジョンに設定された戦闘の発生頻度に基づいて、プレーヤキャラクタPCが現在位置からボスキャラBCの配置された位置に辿り着くまでに発生すると予想される戦闘回数Nを求める(ステップS404)。例えばプレーヤキャラクタPCが距離1進んだときに戦闘が発生する確率が10%に設定されている場合、距離Dを進む間に発生する戦闘回数は、N=0.1Dとなる。
【0047】
次にゲームシステムは、ダンジョンに設定された敵のレベルとプレーヤキャラクタPCのレベルに基づいて、1回の戦闘にかかる時間T2を求める(ステップS406)。ゲームシステムは、例えば図5(A)に示すようなテーブルに基づいて1回の戦闘にかかる時間T2を求める。図5(A)に示すテーブルは、プレーヤキャラクタPCのレベルが高くなるほど1回の戦闘にかかる平均時間が短くなり、ダンジョンに設定された敵キャラクタのレベルが高くなるほど1回の戦闘にかかる平均時間が長くなるように設定されている。同様に、ゲームシステムはプレーヤキャラクタPCのレベルに基づいて、ボスキャラクタBCとの戦闘にかかる時間T3を求める(ステップS408)。この場合、ゲームシステムは例えば図5(B)に示すようなテーブルを用いてT3を求める。尚、本実施形態ではプレーヤキャラクタPCが一体である場合を説明するが、プレーヤキャラクタPCが複数のキャラクタから構成されるパーティでもよい。その場合、ゲームシステムは複数のプレーヤキャラクタPCの平均レベルに基づいて、1回の戦闘にかかる予測時間を求める。尚、T2、T3を求める際に、敵キャラクタのレベルに加えて敵キャラクタの種類が考慮されるようにしてもよい。例えば、プレーヤキャラクタPCと相性の良い敵キャラクタのが配置されている場合はT2が短くなるように計算されるようにしてもよい。
【0048】
次に、ゲームシステムは式(1)によって、ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間TEを求める(ステップS410)。
【0049】
TE=T1+N×T2+T3+ムービーの再生時間 (1)
そして、ゲームシステムはTEを表示部110に表示する(ステップS412)。
【0050】
図6は、本実施形態のゲーム画面の一例を示す図である。図6に示す通り、操作部100から予測時間を表示する旨の入力があると、上記演算処理によって求められたゲーム区分の終了条件を満たすまでにかかる予測時間が画面右下に表示される。
【0051】
上記の通り、本実施形態では、操作部100から予測時間を表示する旨の入力があったときに、プレーヤキャラクタPCの現在位置からボスキャラクタBCの位置までの距離Dが求められる。従って、プレーヤキャラクタPCの現在位置に応じた正確な予測時間が演算される。例えばプレーヤキャラクタPCがボスキャラクタBCから遠ざかる方向に移動した場合、予測時間が増えることもある。
【0052】
また、本実施形態では、操作部100から予測時間を表示する旨の入力があったときのプレーヤキャラクタPCのレベルに基づいて、戦闘にかかる時間T2とT3が求められる。従って、ダンジョンの途中でプレーヤキャラクタPCのレベルが上昇した場合でも、上昇後のレベルに基づいて予測時間が演算される。
【0053】
また、本実施形態では、ダンジョンに入ってからボスキャラクタBCとの戦闘に勝利した後のムービー再生終了までを一つのゲーム区分とする例について説明したが、ゲーム区分はこれに限られない。例えば、ダンジョン内にセーブポイント(ゲームの進行状況を記録できる場所)を配置し、入口ENから最初のセーブポイントまで、セーブポイントから次のセーブポイントまで、最後のセーブポイントからダンジョンクリアまでをそれぞれゲーム区分としてもよい。例えば入口ENから最初のセーブポイントまでのゲーム区分をプレイする場合、予測時間の演算はプレーヤキャラクタPCの現在位置と最初のセーブポイントの位置に基づいて行われる。このようにすれば、プレーヤはセーブポイントに到達するまでにかかる予測時間を知ることができ、計画的なプレイをすることができる。
【0054】
また、複数のセーブポイントが配置されている場合は、複数のセーブポイントそれぞれに到達するのにかかる予測時間を表示してもよい。図7は、プレーヤの現在位置に最も近い第1のセーブポイントに到達するのにかかる予測時間と、第1のセーブポイントの次にプレーヤの現在位置に近い第2のセーブポイントに到達するのにかかる予測時間をそれぞれ表示したゲーム画面の例を示す図である。このようにすれば、プレーヤはどのセーブポイントまでプレイするのかを予測時間を見て判断することができ、計画的なプレイをすることができる。
【0055】
2−2.アクションゲームに適用した例
図8〜11を用いて、本実施形態のゲームシステムをアクションゲームに適用した例について説明する。
【0056】
図8は、本実施形態のアクションゲームの流れを示す図である。本実施形態のアクションゲームには複数のステージがあり、プレーヤは一つのステージをクリアすると次のステージをプレイできるようになる。一つのステージが一つのゲーム区分となる。
【0057】
図9は、ステージの一例を示す図である。図9に示すように、このステージは16の区間からなる横長の空間である。プレーヤは、プレーヤキャラクタPCを操作し、敵キャラクタECの攻撃をかわしながらSTART地点からGOAL地点に向かって移動させる。プレーヤキャラクタPCが敵キャラクタECの攻撃に当ったり、穴Hに落ちたりするとゲームオーバーとなる。また、ステージには制限時間が設けられており、制限時間内にGOALに辿り着けない場合もゲームオーバーとなる。プレーヤキャラクタPCが敵キャラクタECの攻撃に当たることなく、制限時間内にGOALまで辿り着くとステージクリアとなる。また、ステージ上にはアイテムITが配置されており、プレーヤキャラクタPCをアイテムITの位置に移動させるとこれを取得することができる。アイテムITを取得すると、得点を得ることができる。
【0058】
本実施形態のアクションゲームでは、プレーヤは、ステージをプレイ中はゲームの進行状況を記録してゲームを中断することはできず、一つのステージをクリアした後、次のステージを開始するまでの間に、ゲームの進行状況を記録してゲームを中断することができる。従って、プレーヤはステージの途中で何らかの理由でゲームを止めなければならなくなった場合はゲームをリセットするしかなく、悔しい思いをすることになる。
【0059】
また、上述の通り、本実施形態ではステージに制限時間が設定されており、制限時間以内にGOALに辿り着けない場合はゲームオーバーとなる。ここで、例えばプレーヤがアイテムITを取得するために回り道をしたところ、制限時間にGOALに辿り着くことができなくなってしまい、悔しい思いをするということがある。
【0060】
これらの問題を解決するため、本実施形態ではプレーヤキャラクタPCがGOALに辿り着くまでにかかる予測時間を表示する手法を採用した。このようにすれば、プレーヤは予測時間を見て、最短距離でGOALに向かうのか、それともアイテムITを取得するなどの回り道をするのかを判断することができる。これにより、ステージの途中でゲームを止めなければならなくなったり、制限時間に間に合わなかったりして悔しい思いをするのを防ぎ、計画的なプレイをすることができる。
【0061】
図10は、本実施形態の予測時間演算処理の一例を示すフローチャートである。ゲームシステムはまず、プレーヤキャラクタPCの現在位置からGOALまでの区間数Mを取得する(ステップS1000)。
【0062】
次にゲームシステムは、個別情報記憶部162に記憶されたプレーヤの熟練度情報を取得する(ステップS1020)。ここで熟練度情報とは、プレーヤのゲーム操作スキルの上昇に伴って上昇する値であり、プレーヤのゲーム履歴(ゲームのプレイ時間、ステージクリア数、ステージクリアにかかった平均時間、得点、ゲームオーバー回数など)に基づいて算出される。
【0063】
そしてゲームシステムは、取得した熟練度情報に基づいて、プレーヤがプレーヤキャラクタPCにステージの一区間を移動させるのにかかる時間T4を求める(ステップS1040)。ここで、ゲームシステムは、例えば熟練度とプレーヤがプレーヤキャラクタPCにステージの一区間を移動させるのにかかる時間を対応付けたテーブルに基づいてT4を求める。
【0064】
次に、ゲームシステムは式(2)によって、ステージクリアにかかる予測時間TE2を求める(ステップS1060)。
【0065】
TE2=M×T4 (2)
そして、ゲームシステムはTE2およびステージに設定された制限時間までの残り時間を表示部110に表示する(ステップS1080)。
【0066】
図11は本実施形態のゲーム画面の一例を示す図である。図11に示すように、本実施形態のアクションゲームでは、画面右上にステージクリアまでの予測時間が表示される。これにより、プレーヤはゲームクリアにかかる時間を考えて計画的にプレイすることができる。また、本実施形態では、予測時間と並んでステージに設定された制限時間までの残り時間が表示される。プレーヤは残り時間と予測時間を比べることによって、どのようなゲームプレイをするかを判断することができる。例えば、予測時間が残り時間を上回っている場合は急いで進まないと制限時間内にGOALに到達できないと判断して、アイテムITの取得は諦めて最短ルートでGOALを目指すといったプレイができる。
【0067】
2−3.対戦シミュレーションゲームに適用した例
図12、図13を用いて、本実施形態のゲームシステムを対戦シミュレーションゲームに適用した例について説明する。
【0068】
本実施形態の対戦シミュレーションゲームは、プレーヤとCPUがそれぞれ複数のキャラクタによって編成される軍を操作して、相手の軍を撃破することを目的とするゲームである。図12は、本実施形態のゲーム画面の一例を示す図である。図12に示すように、複数のプレーヤキャラクタPCと敵キャラクタECがゲームフィールド上に配置され、プレーヤはプレーヤキャラクタPCに、CPUは敵キャラクタECにそれぞれ命令を出して移動、行動を行わせる。
【0069】
本実施形態のシミュレーションゲームではターン制が採用されている。すなわち、プレーヤがプレーヤキャラクタPCを操作することのできるプレーヤターンと、CPUが敵キャラクタを操作するエネミーターンが交互に実行される。ここで、プレーヤターンにおいてプレーヤが全てのプレーヤキャラクタPCの操作を終えるかターン終了操作を行うとエネミーターンに切り替わり、エネミーターンにおいてCPUが全ての敵キャラクタECの操作を終えるとプレーヤターンに切り替わる。そして、所定のターン数が経過したときに対戦終了となる。本実施形態ではこの所定ターン数が一つのゲーム区分となっている。
【0070】
本実施形態では、対戦開始から対戦終了までの間は、対戦ゲームの進行状況を記録してゲームを中断することができない。従って、プレーヤは対戦の途中で何らかの理由でゲームを止めなければならなくなった場合はゲームをリセットするしかなく、悔しい思いをすることになる。
【0071】
この問題を解決するため、本実施形態ではターンの切り替えがあったときに、対戦終了までにかかる予測時間を表示する手法を採用した。これにより、プレーヤはターンの開始時に予測時間を見ることができるようになり、予測時間に基づいてプレイの方法を変えるなどの計画的なプレイが可能となる。例えば、予測時間がプレーヤのゲームプレイ可能時間よりも長く、このままでは対戦終了までプレイすることができない場合、プレーヤは全てのプレーヤキャラクタPCの操作を終了させる前にターン終了操作を行って、対戦時間を短縮するなどのプレイをすることができる。
【0072】
図13は、本実施形態の予測時間演算処理の一例を示すフローチャートである。ゲームシステムはまず、ターン切り替えがあったか否かを判定する(ステップS1300)。
【0073】
ターン切り替えがあったと判定した場合(ステップS1300:Y)、ゲームシステムは対戦終了までの残りターン数Lを取得する(ステップS1302)。尚、本実施形態ではプレーヤターン1回とエネミーターン1回を合わせたものを1ターンとして残りターン数Lを計算しているが、残りターン数の計算はこの方法に限られるものではなく、プレーヤターン1回を1ターン、エネミーターン1回を1ターンとして計算してもよい。
【0074】
次に、ゲームシステムは個別情報記憶部162に記憶された、プレーヤが過去の対戦ゲームでプレーヤキャラクタPC一体を操作するのにかかった平均思考時間T5を取得する(ステップS1304)。この平均思考時間T5は、プレーヤの過去の操作履歴に基づいて算出された値である。ゲームシステムはプレーヤがプレーヤキャラクタPC一体を操作する毎に操作にかかった時間を計時し、その平均値を求めることによってT5を算出し記憶部160に記憶する。
【0075】
また、ゲームシステムはCPUが敵キャラクタEC一体を操作するのにかかる平均思考時間T6を取得する(ステップS1306)。この平均思考時間T6は予め設定された固定値でもよいし、CPUの過去の思考履歴に基づいて算出された値としてもよい。過去の思考履歴に基づいて思考時間T6を算出する場合、ゲームシステムはCPUが敵キャラクタEC一体を操作する毎に操作にかかった時間を計時し、その平均値を記憶部160に記憶する。
【0076】
そして、ゲームシステムは、式(3)によって、対戦終了までにかかる予測時間TE3を求める(ステップS1308)。
【0077】
TE3=L×(T5×プレーヤキャラクタPCの総数+T6×敵キャラクタECの総数) (3)
そして、ゲームシステムはTE3及びLを表示部110に表示する(ステップS1310)。このような処理によって、本実施形態では図12に示すように、ターン切り替え時に画面右上に対戦終了までの予測時間と残りターン数が表示される。
【0078】
尚、本実施形態では予測時間と残りターン数が表示画面110に表示される例について説明したが、予測時間と残りターン数の少なくとも一方が音出力部120から音声で出力されるようにしてもよい。
【0079】
2−4.ゲーム区分プレイ前の予測時間表示
図14を用いて、ゲーム区分プレイ前に予測時間表示が行われる実施例を説明する。上記2−1から2−3では、ゲーム区分のプレイ中にゲーム区分終了までの予測時間の報知が行われる実施例について説明したが、図14に示す実施例ではゲーム区分のプレイ前にゲーム区分終了までの予測時間の報知が行われる。
【0080】
図14は、本実施形態のゲームのメニュー画面の一例を示す図である。本実施形態のゲームは複数のステージの中からプレーヤが1つのステージを選んでプレイするアクションゲームである。図14に示すように、メニュー画面の上部にはI〜IIIの3つのステージのアイコンが配置されている。プレーヤはこの3つのステージの中からプレイするステージを1つ選択する。尚、I〜IIIの各ステージは、図9に示したようなSTARTとGOALを有する横長の空間とすることができる。
【0081】
本実施形態のゲームではさらに、プレーヤは操作するプレーヤキャラクタを複数のキャラクタの中から選択することができる。図14に示すように、メニュー画面の下部には1〜5の5つのキャラクタのアイコンが表示されている。プレーヤが操作したいキャラクタのアイコン上にキャラクタ選択用のカーソルを移動させ選択入力を行うことによって、この5つのキャラクタから操作するキャラクタが1つ選択される。
【0082】
図14(A)は、プレーヤがキャラクタ1のアイコン上にカーソルを移動させたときの画面である。この時、図14(A)に示すように、ステージI〜IIIのアイコン上にそれぞれ時間が表示される。この時間は、キャラクタ1を操作して各ステージをプレイした場合にステージクリアまでにかかる予測時間である。
【0083】
一方、図14(B)は、プレーヤがキャラクタ3のアイコン上にカーソルを移動させたときの画面である。この時、図14(B)に示すように、ステージI〜IIIのアイコン上には図14(A)とは異なる時間がそれぞれ表示される。この時間は、キャラクタ3を操作して各ステージをプレイした場合にステージクリアまでにかかる予測時間である。
【0084】
このように、本実施形態では、プレーヤが選択するキャラクタによってステージクリアまでにかかる予測時間が異なる。これは、各キャラクタにはそれぞれ異なるパラメータ(キャラクタ情報)が設定されており、このパラメータを用いて予測時間が演算されるためである。
【0085】
各キャラクタには、例えば移動速度、攻撃力などのパラメータが設定されている。そして、ステージの距離と移動速度、敵キャラクタの耐久力と攻撃力などに基づいて、ステージクリアまでにかかる時間が演算される。
【0086】
このように、本実施形態によれば、プレーヤはステージ開始前にステージクリアまでにかかる予測時間を知ることができる。従って、プレーヤは自分がプレイしたい時間に近い予測時間のステージを選ぶことができる。また、操作するキャラクタによって変化する予測時間が正確に表示されるので、計画的にプレイをすることができる。
【0087】
尚、本実施形態においてプレーヤが自分がプレイしたい時間に近い予測時間のステージを選んだとしても、結果として予測時間内にステージクリアすることができない場合も想定される。その場合、予測時間が経過した時点でゲーム内容が自動的にセーブされるようにしてもよい。このようにすれば、プレーヤがゲームを途中で中断せざるを得ず、悔しい思いをするのを防ぐことができる。
【0088】
3.変形例
なお本発明は、上記実施形態で説明したものに限らず、種々の変形実施が可能である。例えば、操作部100の振動によって予測時間が報知されるようにしてもよい。この場合、例えば所与のタイミングで操作部100が予測時間に応じた回数振動されるようにしてもよい。具体的には、予測時間が1分だったら1回、予測時間が5分だったら5回、操作部100が振動されるようにしてもよい。
【0089】
また、明細書又は図面中の記載において広義や同義な用語として引用された用語は、明細書又は図面中の他の記載においても広義や同義な用語に置き換えることができる。また本発明の手法は、上記実施形態で説明したものに限定されず、本発明の手法と均等な手法も本発明の範囲に含まれる。
【0090】
また本発明は、業務用ゲームシステム、据え置き型の家庭用ゲームシステム、携帯型ゲームシステム、多数のプレーヤが参加する大型アトラクションシステム、シミュレータ、マルチメディア端末、ゲーム画像を生成するシステムボード、携帯電話等の種々のゲームシステムに適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0091】
【図1】本実施形態のゲームシステムの機能ブロック図。
【図2】第1実施形態のゲームの流れを示す図。
【図3】第1実施形態のゲーム区分の一例を示す図。
【図4】第1実施形態の処理の流れを示すフローチャート。
【図5】第1実施形態のデータの一例を示す図。
【図6】第1実施形態のゲーム画面の一例を示す図。
【図7】第1実施形態のゲーム画面の一例を示す図。
【図8】第2実施形態のゲームの流れを示す図。
【図9】第2実施形態のゲーム区分の一例を示す図。
【図10】第2実施形態の処理の流れを示すフローチャート。
【図11】第2実施形態のゲーム画面の一例を示す図。
【図12】第3実施形態のゲーム画面の一例を示す図。
【図13】第3実施形態の処理の流れを示すフローチャート。
【図14】第4実施形態のゲーム画面の一例を示す図。
【符号の説明】
【0092】
100 操作部、110 表示部、120 音出力部、130 通信部、
140 情報記憶媒体、150 携帯型情報記憶媒体、160 記憶部、
162 個別情報記憶部、164 ゲーム区分情報記憶部、
170 処理部、172 ゲーム演算部、174 判定部、176 予測時間演算部、
178 予測時間報知部、180 更新部、182 画像生成部、184 音生成部、

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータを、
操作部からの操作情報に基づいてゲーム区分の進行状況を演算するゲーム演算部、
前記ゲーム区分の終了条件が満たされたか否かを判定する判定部、
ゲームをプレイするプレーヤ及びプレーヤが操作するキャラクタの少なくとも一方に関する個別情報を記憶する個別情報記憶部、
前記ゲーム区分に関するゲーム区分情報、及び前記個別情報に基づいて、前記ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算する予測時間演算部、
前記予測時間をプレーヤに報知する予測時間報知部、
として機能させることを特徴とするプログラム。
【請求項2】
前記予測時間演算部は、前記ゲーム区分の進行状況に基づいて前記ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算することを特徴とする請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
コンピュータを、
プレーヤのゲーム履歴及びプレーヤが操作するキャラクタのゲーム履歴の少なくとも一方に基づいて、前記個別情報を更新する更新部としてさらに機能させることを特徴とする請求項1または2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記予測時間演算部は、異なる終了条件が設定された複数のゲーム区分のそれぞれについて、ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算し、
前記予測時間報知部は、前記複数のゲーム区分のそれぞれについて、前記予測時間をプレーヤに報知することを特徴とする請求項1−3のいずれかに記載のプログラム。
【請求項5】
前記予測時間演算部は、第一のゲーム区分に設定された第一の終了条件が満たされるまでにかかる第一の予測時間、及び前記第一の終了条件が満たされた後にプレイが可能になる第二のゲーム区分に設定された第二の終了条件が満たされるまでにかかる第二の予測時間を演算し、
前記予測時間報知部は、前記第一の予測時間及び前記第二の予測時間をプレーヤに報知することを特徴とする請求項4に記載のプログラム。
【請求項6】
前記ゲーム演算部は、敵キャラクタとの戦闘を発生させ、操作部からの操作情報に基づいて当該戦闘を演算し、
前記予測時間演算部は、前記戦闘の発生頻度に関する情報及び前記戦闘にかかる時間の少なくとも一方に基づいて前記予測時間を演算することを特徴とする請求項1−5のいずれかに記載のプログラム。
【請求項7】
コンピュータにより読み取り可能な情報記憶媒体であって、請求項1−6のいずれかに記載のプログラムを記憶していることを特徴とする情報記憶媒体。
【請求項8】
操作部からの操作情報に基づいてゲーム区分の進行状況を演算するゲーム演算部、
前記ゲーム区分の終了条件が満たされたか否かを判定する判定部、
ゲームをプレイするプレーヤ及びプレーヤが操作するキャラクタの少なくとも一方に関する個別情報を記憶する個別情報記憶部、
前記ゲーム区分に関するゲーム区分情報、及び前記個別情報に基づいて、前記ゲーム区分の終了条件が満たされるまでにかかる予測時間を演算する予測時間演算部、
前記予測時間をプレーヤに報知する予測時間報知部、
を有することを特徴とするゲームシステム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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