説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】 ゲーム空間内に設定される複数の音源それぞれの音量を仮想カメラの視線方向を基準とした当該仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて可変することで、複数の音源によるゲームの臨場感を高め、プレーヤのゲームに対する没入感を高めること。
【解決手段】 各音源の出力音量は、仮想カメラの視線方向を基準とした当該仮想カメラから音源への相対向きに基づいて可変される。すなわち、ゲーム空間中の仮想カメラCMを中心として、その視線方向Mと音源とがなす相対角度によって相対向きが求められ、この相対向きによって当該音源が仮想カメラCMの前方・側方・後方の各方向区分に区分けされる。そして、当該音源の出力音量が区分けされた方向区分に従って制御される。例えば、仮想カメラCMの後方である音源O17、側方である音源O15、前方である音源O11及びO13の順にその出力音量が大きく設定される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、仮想カメラから見たゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、ゲームの臨場感を高めるために聴覚的な演出を行うゲーム装置が知られている。例えば、視点(仮想カメラ)が切り替えられた場合に、生成される仮想画像に対応させて音響を変化させるものがある(特許文献1参照。)。
【特許文献1】特開平10−137445号公報
【0003】
一方で、例えば、ゲーム空間内の一部領域を可聴領域として設定し、この可聴領域内の音源から発生される音をスピーカから実際の音として出力させるものが知られている(特許文献2参照。)。また、この特許文献2によれば、例えば可聴領域に存在する音源とプレイヤーキャラクタとの位置関係に応じて、当該可聴領域内の各音源から発せられる音の出力レベルが決定される。
【特許文献2】特開2003−62327号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上記した特許文献1の技術のように仮想カメラの変化に対応して音響を変える等してゲームの臨場感を高めるための演出を行うものが種々知られているが、ゲーム空間内に設定される複数の音源から音が発生された場合に、当該複数の音源それぞれの音量を、仮想カメラの視線方向を基準とした当該仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて可変するものは知られていなかった。
【0005】
また特許文献2の技術を適用すれば、前述の通り、可聴領域内に存在する対象物から発せられる音声の出力レベルを、プレイヤーキャラクタと当該対象物との位置関係に応じて変更することが可能であるが、可聴領域外の音源が発している音は出力しないため、複数の音源による臨場感に乏しいという問題があった。
【0006】
そこで本発明は、ゲーム空間内に設定される複数の音源それぞれの音量を仮想カメラの視線方向を基準とした当該仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて可変することで、複数の音源によるゲームの臨場感を高め、プレーヤのゲームに対する没入感を高めることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
以上の課題を解決するための第1の発明のプログラムは、
コンピュータに、仮想カメラから見たゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間内に音源を複数設定する音源設定手段(例えば、図8に示す音源設定部223)、
現在のゲーム進行状況に応じて前記仮想カメラの位置、視線方向、及び画角のうち少なくとも1つを制御するカメラ制御手段(例えば、図8に示す仮想カメラ制御部221)、
前記設定された各音源それぞれについて、少なくとも、前記仮想カメラの視線方向を基準とした前記仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて当該音源の出力音量を可変して設定する音源音量設定手段(例えば、図8に示す音出力制御部225)、
前記音源音量設定手段により設定された各音源の出力音量に基づいて、当該各音源の音を重畳させて出力する制御を行う音出力制御手段(例えば、図8に示す音出力制御部225)、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、第13の発明のゲーム装置は、
仮想カメラから見たゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御するゲーム装置であって、
前記ゲーム空間内に音源を複数設定する音源設定手段(例えば、図8に示す音源設定部223)と、
現在のゲーム進行状況に応じて前記仮想カメラの位置、視線方向、及び画角のうち少なくとも1つを制御するカメラ制御手段(例えば、図8に示す仮想カメラ制御部221)と、
前記設定された各音源それぞれについて、少なくとも、前記仮想カメラの視線方向を基準とした前記仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて当該音源の出力音量を可変して設定する音源音量設定手段(例えば、図8に示す音出力制御部225)と、
前記音源音量設定手段により設定された各音源の出力音量に基づいて、当該各音源の音を重畳させて出力する制御を行う音出力制御手段(例えば、図8に示す音出力制御部225)と、
を備えたものである。
【0009】
この第1又は第13の発明によれば、ゲーム空間内に設定された複数の音源毎に、その出力音量を、それぞれ仮想カメラの視線方向を基準とした当該仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて可変して設定することができる。そして、設定された各音源の出力音量に基づいて、各音源の音を重畳させて出力する制御を行うことができる。したがって、聴覚的な演出によってゲームの臨場感を高め、プレーヤのゲームに対する没入感を向上させることができる。
【0010】
第2の発明は、第1の発明のプログラムにおいて、
前記音源音量設定手段が、前記相対向きが前記仮想カメラの前方である音源の出力音量を、前方以外である音源の出力音量に比べて大きく設定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0011】
この第2の発明によれば、仮想カメラから音源への相対向きが仮想カメラの前方である音源の出力音量を、前方以外である音源の出力音量に比べて大きく設定することができる。
【0012】
第3の発明は、第1又は第2の発明のプログラムにおいて、
前記音源音量設定手段が、前記相対向きが前記仮想カメラの後方、側方、前方である音源の順に、音源の出力音量を大きく設定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0013】
この第3の発明によれば、仮想カメラから音源への相対向きが仮想カメラの後方、側方、前方である音源の順にその出力音量を大きく設定することができる。
【0014】
第4の発明は、第1〜第3の何れかの発明のプログラムにおいて、
前記音源音量設定手段が、音源の位置が前記ゲーム空間中の前記仮想カメラの画角に含まれる範囲内か否かに基づいて、当該音源の出力音量を可変する画角内外音量可変手段(例えば、図8に示す音出力制御部225)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
この第4の発明によれば、音源がゲーム空間中の仮想カメラの画角内に含まれる範囲内か否かに基づいて、その出力音量を可変することができる。
【0016】
第5の発明は、第1〜第4の何れかの発明のプログラムにおいて、
前記音源音量設定手段が、
前記ゲーム空間中の前記仮想カメラの画角に含まれる範囲において、当該範囲内の他の部分より出力音量を大きく設定する特別区域を設定する特別区域設定手段(例えば、図8に示す音出力制御部225)と、
前記特別区域設定手段により設定された特別区域内に設定された音源の出力音量を、前記仮想カメラの画角内であって当該特別区域外に設定された音源の出力音量より大きく設定する特別区域内外音量可変手段(例えば、図8に示す音出力制御部225)と、
を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0017】
この第5の発明によれば、ゲーム空間中の仮想カメラの画角内に含まれる範囲において、当該範囲内の他の部分より出力音量を大きく設定する特別区域を設定することができる。そして、特別区域内に設定された音源の出力音量を、仮想カメラの画角内であって当該特別区域外に設定された音源の出力音量より大きく設定することができる。
【0018】
第6の発明は、第5の発明のプログラムにおいて、
前記特別区域設定手段が、前記仮想カメラの視線方向に基づいて特別区域を設定するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0019】
この第6の発明によれば、仮想カメラの視線方向に基づいて特別区域を設定することができる。
【0020】
第7の発明は、第5の発明のプログラムにおいて、
前記カメラ制御手段が、所定の移動体を前記仮想カメラの画角内に収めるように前記仮想カメラを制御するように前記コンピュータを制御せさ、
前記特別区域設定手段が、前記画角内の前記移動体の位置に基づいて特別区域を設定するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0021】
この第7の発明によれば、仮想カメラを、その画角内に所定の移動体を収めるように制御する場合に、当該画角内の移動体の位置に基づいて特別区域を設定することができる。
【0022】
第8の発明は、第1〜第7の何れかの発明のプログラムにおいて、
前記音源音量設定手段が、前記仮想カメラと音源間の距離に基づいて、当該音源の出力音量を可変する距離基準音量可変手段(例えば、図8に示す音出力制御部225)を有するように前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0023】
この第8の発明によれば、仮想カメラと音源間の距離に基づいて、当該音源の出力音量を可変することができる。
【0024】
第9の発明は、
コンピュータに、ゲーム空間内に配置された操作対象キャラクタの位置及び目線方向をプレーヤの操作入力に従って制御させ、仮想カメラから見た前記ゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間内に音源を複数設定する音源設定手段、
現在のゲーム進行状況に応じて、前記仮想カメラの位置を前記操作対象キャラクタの現在位置に基づいて制御するカメラ制御手段、
前記設定された各音源それぞれについて、前記操作対象キャラクタの目線方向を基準とした前記操作対象キャラクタから当該音源への相対向きに基づいて当該音源の出力音量を可変して設定する音源音量設定手段、
前記音源音量設定手段により設定された各音源の出力音量に基づいて、当該各音源の音を重畳させて出力する制御を行う音出力制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0025】
また第14の発明は、
ゲーム空間内に配置された操作対象キャラクタの位置及び目線方向をプレーヤの操作入力に従って制御させ、仮想カメラから見た前記ゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御するゲーム装置であって、
前記ゲーム空間内に音源を複数設定する音源設定手段と、
現在のゲーム進行状況に応じて、前記仮想カメラの位置を前記操作対象キャラクタの現在位置に基づいて制御するカメラ制御手段と、
前記設定された各音源それぞれについて、前記操作対象キャラクタの目線方向を基準とした前記操作対象キャラクタから当該音源への相対向きに基づいて当該音源の出力音量を可変して設定する音源音量設定手段と、
前記音源音量設定手段により設定された各音源の出力音量に基づいて、当該各音源の音を重畳させて出力する制御を行う音出力制御手段と、
を備えたものである。
【0026】
この第9又は第14の発明によれば、ゲーム空間内に設定された複数の音源毎に、その出力音量を、それぞれ操作対象キャラクタの目線の方向を基準とした当該操作対象キャラクタから当該音源への相対向きに基づいて可変して設定することができる。そして、設定された各音源の出力音量に基づいて、各音源の音を重畳させて出力する制御を行うことができる。したがって、聴覚的な演出によってゲームの臨場感を高め、プレーヤのゲームに対する没入感を向上させることができる。
【0027】
第10の発明は、第9の発明のプログラムにおいて、
前記音源音量設定手段が、音源の位置が前記ゲーム空間中の前記操作対象キャラクタの視界に入る範囲内か否かに基づいて、当該音源の出力音量を可変する視界内外音量可変手段を有するように前記コンピュータを機能させるためプログラムである。
【0028】
この第10の発明によれば、音源の位置がゲーム空間中の操作対象キャラクタの視界に入る範囲内か否かに基づいて、その出力音量を可変することができる。
【0029】
第11の発明は、第1〜第10の何れかの発明のプログラムにおいて、
前記ゲームは、攻守を交代して対戦するゲームであり、
前記音源設定手段が、攻撃側の音源と守備側の音源とを設定するように前記コンピュータを機能させ、
前記音源音量設定手段が、プレーヤ側の攻守に応じて、攻撃側の音源と守備側の音源の何れの出力音量を大きくするかを切り替えて当該音源の出力音量を設定するように前記コンピュータを機能させる、
ためのプログラムである。
【0030】
この第11の発明によれば、攻守を交代して対戦するゲームにおいてゲーム空間内に攻撃側の音源と守備側の音源とを設定し、プレーヤ側の攻守に応じて攻撃側の音源と守備側の音源の何れの出力音量を大きくするかを切り替えて、各音源の出力音量を設定することができる。
【0031】
第12の発明は、第1〜第11の何れかの発明のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。
【0032】
この第12の発明によれば、コンピュータに、情報記憶媒体からプログラムを読み出させて演算処理させることによって、第1〜第11の何れかの発明と同様の効果を奏する情報記憶媒体を実現することができる。
【発明の効果】
【0033】
本発明によれば、ゲーム空間内に設定された複数の音源毎に、その出力音量を、それぞれ仮想カメラの視線方向を基準とした当該仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて可変して設定することができる。そして、設定された各音源の出力音量に基づいて、各音源の音を重畳させて出力する制御を行うことができる。したがって、聴覚的な演出によってゲームの臨場感を高め、プレーヤのゲームに対する没入感を向上させることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0034】
以下、図面を参照し、本発明を適用したゲーム装置について詳細に説明する。尚、本実施形態は、本発明のゲームを野球ゲームに適用した場合の実施形態である。
【0035】
[ゲーム装置の構成]
図1は、本実施形態におけるゲーム装置を家庭用ゲーム機1200に適用した場合の装置構成の一例を示す図である。図1に示す家庭用ゲーム機1200は、ゲームコントローラ1210と、本体装置1220と、スピーカ1232を有するディスプレイ1230とを備える。ゲームコントローラ1210は本体装置1220に接続され、ディスプレイ1230は画像信号及び音信号等を伝送可能なケーブルによって本体装置1220に接続されている。
【0036】
ゲームコントローラ1210は、プレーヤがゲーム操作を入力するためのものであって、方向キー1212や操作ボタン1214等を有し、操作信号を本体装置1220に出力する。
【0037】
この家庭用ゲーム機1200では、ゲーム処理を実行するために必要なプログラムやデータ等を格納する情報記憶媒体として、本体装置1220に着脱自在な情報記憶媒体であるCD−ROMやDVD等の情報記憶媒体1240が用いられる。或いは、ゲームプログラムやゲームデータは、本体装置1220に具備された通信装置1224を介して通信回線Nに接続し、外部装置から取得することとしてもよい。ここで言う通信回線Nとは、データ授受が可能な通信路を意味する。すなわち、通信回線Nとは、直接接続のための専用線(専用ケーブル)やイーサネット(登録商標)等によるLANの他、電話通信網やケーブル網、インターネット等の通信網を含む意味であり、また通信方法については有線/無線を問わない意味である。
【0038】
一方、ゲーム中の所定のタイミングやプレーヤによるセーブ操作等に応じてゲームの進行状況に関する情報を含むデータが書き込まれる情報記憶媒体として、メモリカード1252やICカード1254等の情報記憶媒体が用いられる。
【0039】
本体装置1220は、CPUやICメモリ類を搭載した制御ユニット1222や、CD−ROM等の情報記憶媒体1240の読取装置等を備えて構成され、情報記憶媒体1240から読み出したプログラムやデータ、ゲームコントローラ1210から入力される操作信号等に基づいて種々のゲーム処理を実行し、ゲーム画面の画像信号及びゲーム音の音信号を生成する。そして、画像信号及び音信号をディスプレイ1230に出力し、ディスプレイ1230にゲーム画像を表示させるとともに、スピーカ1232からゲーム音を出力させる。本実施形態では、グラウンドやボール、選手(投手、捕手、野手、ランナー、打者)やコーチ等のキャラクタといったオブジェクトが配置されたゲーム空間の画像がゲーム画面としてディスプレイ1230に表示される。
【0040】
プレーヤは、ディスプレイ1230に表示されるゲーム画像を見ながらゲームコントローラ1210を操作し、対戦相手(コンピュータ又は他のプレーヤ)と対戦して野球ゲームを楽しむ。尚、以下では、プレーヤが操作するプレーヤチームと、コンピュータ制御のCOMチームとが対戦することとする。
【0041】
[原理]
本実施形態では、ゲーム空間内に各種の音源が設定され、ゲーム中において、各音源から発生される音がゲーム音として出力される。具体例としては、例えば選手やコーチ等のキャラクタ(移動体)に、当該キャラクタが発する声や足音を発生する音源が設定される。或いは、ボール(移動体)に、当該ボールがキャッチされた際の音(以下、「キャッチ音」と呼ぶ。)やバットで打撃された際の音(以下、「ヒッティング音」と呼ぶ。)、フェンスに衝突した際の音(以下、「フェンス衝突音」と呼ぶ。)等を発生する音源が設定される。
【0042】
ゲーム空間内に設定される各音源は、守備側音源、攻撃側音源、及びその他の音源の3種類の音源種別に大別される。守備側音源としては、例えば守備側のキャラクタに設定される音源等が用意される。攻撃側音源としては、例えば攻撃側のキャラクタに設定される音源等が用意される。そしてその他の音源としては、例えばボールに設定されるボール音源等が用意される。尚、詳細は後述するが、各音源から発生される音はそれぞれ発生条件と対応付けられて用意され、現在のゲーム進行状況が発生条件を満たす場面にある場合に、該当する音が当該音源の音として発生されるようになっている。
【0043】
図2は、ゲーム空間内に設定されるグラウンドを俯瞰した概略図である。図2の場面では、野手Cfに設定された音源から当該音源の音として野手の台詞である「オーライ、オーライ」が発生され、3塁コーチャーCcに設定された音源から当該音源の音として3塁コーチャーの台詞である「まわれ、まわれ!」が発生され、ランナーCrに設定された音源から当該音源の音として走塁音(足音)である「タタタタタッ」が発生されている。
【0044】
本実施形態では、このように複数の音源から発生された音を重畳させて出力制御する処理(音出力制御処理)が行われる。またこのとき、各音源の出力音量が、(1)仮想カメラCMの視線方向を基準とした当該仮想カメラCMから当該音源への相対向き、(2)仮想カメラCMと当該音源間の相対距離、及び(3)プレーヤチーム側の攻守に従って制御される。
【0045】
(1)相対向き
各音源の出力音量は、当該音源が仮想カメラCMの視線方向から離れるに従って小さくなるように、仮想カメラCMの視線方向を基準とした当該仮想カメラCMから当該音源への相対向きに基づいて可変される。
【0046】
図3は、相対向きに基づく出力音量制御の原理について説明するための図である。本実施形態では、ゲーム空間中の仮想カメラCMを中心として、その視線方向Mと音源とがなす相対角度によって相対向きが求められ、この相対向きに従って当該音源が仮想カメラCMの前方・側方・後方の各方向区分に区分けされる。そして、当該音源の出力音量が、区分けされた方向区分に従って3段階で制御される。
【0047】
方向区分は、例えばゲーム空間中の仮想カメラCMの画角によって定義される。特に、当該仮想カメラCMの画角に含まれる範囲内が前方とされる。図3は、仮想カメラCMの画角を仮想カメラCMの視線方向Mとの相対角度が0°〜±θwの範囲とした場合の図であり、該当する領域を前方としている。尚、区分けの仕方はこれに限定されるものではなく、より細かい方向区分に区分けすることとしても勿論構わない。
【0048】
さらに、本実施形態では、前方とされる仮想カメラCMの画角に含まれる範囲において、当該範囲内の他の部分より出力音量を大きく設定する図3中ハッチングで示した特別区域(例えば、仮想カメラCMの視線方向Mとの相対角度が0°〜±(θw/3)の範囲内)が定義される。
【0049】
すなわち、図3の例では、仮想カメラCMの後方に区分けされる音源O17、側方に区分けされる音源O15、前方に区分けされる音源O11及びO13の順にその出力音量が大きくなるように制御される。そして、仮想カメラCMの前方に区分けされる音源O11及びO13については、特別区域内の音源O11の出力音量が、当該特別区域外の音源O13の出力音量と比較して大きくなるように制御される。
【0050】
このように、ゲーム空間内に設定される音源の出力音量を、当該音源が仮想カメラCMの視線方向から離れるに従って小さくなるように、仮想カメラCMの視線方向を基準とした当該仮想カメラCMから当該音源への相対向きに基づいて可変することができる。詳細には、仮想カメラCMの後方である音源、側方である音源、前方である音源の順に出力音量を大きく設定することができる。またこの際、仮想カメラCMの画角に含まれる範囲を前方とするので、仮想カメラCMの視野内の音源の出力音量を、視野外の音源の出力音量と比較して大きく設定することができる。
【0051】
したがって、プレーヤにとっては、ゲーム空間内に設定された音源から発生される全ての音が聞こえるが、仮想カメラCMの前方にある音源の音が強く良く聞こえることとなる。さらに、仮想カメラCMの前方にある音源のうち、特別区域内の音源の音がより強く良く聞こえることとなる。
【0052】
(2)相対距離
各音源の出力音量は、当該音源が仮想カメラCMから遠くなるに従って小さくなるように、仮想カメラCMと音源間の相対距離に基づいて可変される。
【0053】
図4は、相対距離に基づく出力音量制御の原理について説明するための図である。本実施形態では、ゲーム空間中の仮想カメラCMから音源までの相対距離に基づいて、当該音源が仮想カメラCMを中心とした近距離・中距離・遠距離・圏外の各距離区分で区分けされる。そして、当該音源の出力音量が、区分けされた距離区分に従って4段階で制御される。
【0054】
すなわち、図4の例では、近距離に区分けされる音源O21の出力音量が、中距離に区分される音源O23の出力音量と比較して大きくなるように制御される。
【0055】
このように、ゲーム空間内に設定される音源の出力音量を、当該音源が仮想カメラCMから遠くなるに従って小さくなるように、仮想カメラCMと音源間の相対距離に基づいて可変することができる。詳細には、仮想カメラCMを中心とした圏外である音源、遠距離である音源、中距離である音源、近距離である音源の順に出力音量を大きく設定することができる。
【0056】
(3)プレーヤチーム側の攻守
各音源の出力音量は、プレーヤチーム側の攻守に従って可変される。具体的には、プレーヤチーム側の攻守が守備側の場合には、守備側音源の出力音量が攻撃側音源の出力音量と比較して大きく設定される。一方、プレーヤチーム側の攻守が攻撃側の場合には、攻撃側音源の出力音量が守備側音源の出力音量と比較して大きく設定される。
【0057】
例えば図2に示すゲーム場面において、プレーヤチーム側の攻守が守備側の場合には、野手Cfに設定された音源から発生される台詞が、3塁コーチャーCcに設定された音源から発生される台詞やランナーCrに設定された音源から発生される走塁音と比較して大きな音量で出力されることとなる。一方、プレーヤチーム側の攻守が攻撃側の場合には、3塁コーチャーCcに設定された音源から発生される台詞やランナーCrに設定された音源から発生される走塁音が、野手Cfに設定された音源から発生される台詞と比較して大きな音量で出力されることとなる。
【0058】
このように、プレーヤチーム側の攻守が攻撃側の場合には攻撃側音源の出力音量を大きく設定し、守備側の場合には守備側音源の出力音量を大きく設定することができる。
【0059】
ここで、出力音量の具体的な算出方法について説明する。以下に、出力音量の算出式(1)を示す。
出力音量=p×d×s×B・・・(1)
ここで、pは方向係数、dは距離係数、sは攻守係数、Bは基準音量である。
【0060】
<方向係数(p)>
方向係数(p)は、図3に示して説明したように仮想カメラCMの画角(仮想カメラCMの視線方向との相対角度が0°〜±θwの範囲)によって定義される前方・側方・後方の方向区分毎に予め設定されており、当該音源が何れの方向区分に属するかによって方向係数(p)が決定される。
【0061】
図5は、方向区分と方向係数(p)との対応関係の一例を示す図である。図5に示すように、方向係数(p)は、当該音源が仮想カメラCMの視線方向から離れるに従ってその値が小さくなるように、方向区分毎に段階的に設定される。また、前方に対する方向係数(p)の値については、仮想カメラCMの画角が狭い場合に広い場合と比較して大きくなるような関数で定義される。これにより、仮想カメラの画角が狭いときに前方に区分けされる音源の出力音量が、広いときに前方に区分けされる音源の出力音量と比較して大きくなるように可変される。
【0062】
<距離係数(d)>
距離係数(d)は、図4に示して説明した仮想カメラCMを中心とする近距離・中距離・遠距離・圏外の距離区分毎に予め設定されており、当該音源が何れの距離区分に属するかによって距離係数(d)が決定される。
【0063】
図6は、距離区分と距離係数(d)との対応関係の一例を示す図である。図6に示すように、距離係数(d)は、当該音源が仮想カメラCMから遠くなるに従ってその値が小さくなるように、距離区分毎に段階的に設定される。
【0064】
<攻守係数(s)>
本実施形態では、音源種別毎の攻守係数(s)が、プレーヤチーム側の攻守別に予め設定されており、プレーヤチーム側の攻守が攻撃側なのか守備側なのかによって攻守係数(s)が決定される。
【0065】
図7は、音源種別と攻守係数(s)との対応関係の一例を示す図である。図7に示すように、攻守係数(s)は、プレーヤチームが守備側の場合には、守備側音源、その他の音源、攻撃側音源の順にその値が小さくなるように設定され、プレーヤチームが攻撃側の場合には、攻撃側音源、その他の音源、守備側音源の順にその値が小さくなるように設定される。
【0066】
<基準音量(B)>
基準音量(B)は、当該音源の基準となる音量であって、予め設定される。尚、この基準音量(B)の値によって、当該音源そのものの音量が調整される。したがって、例えばキャッチ音等のボールに関する音の基準音量(B)に他の音源の基準音量(B)よりも大きい値を設定しておけば、仮想カメラCMの後方でボールがキャッチされた場合であっても、ボールのキャッチ音を比較的大きな音で出力するといったことが可能である。
【0067】
[機能構成]
図8は、本実施形態におけるゲーム装置1の機能構成の一例を示すブロック図である。図8に示すように、ゲーム装置1は、操作部100と、処理部200と、表示部300と、音出力部400と、通信部500と、記憶部600とを備えて構成されている。
【0068】
操作部100は、ゲーム装置1を操作するプレーヤが各種のゲーム操作を入力するための装置であり、操作部100から入力される操作信号は処理部200に出力される。この操作部100は、例えばボタンスイッチ、レバー、ダイヤル、マウス、キーボード、各種センサによって実現され、図1ではゲームコントローラ1210がこれに該当する。
【0069】
処理部200は、ゲーム装置1全体の制御、ゲーム装置1内の各機能部への指示、画像処理、音処理等の各種処理を行う。この処理部200の機能は、各種プロセッサ(CPU,DSP等)、ASIC(ゲートアレイ等)等のハードウェアや、所与のプログラムにより実現されるものである。
【0070】
この処理部200は、主な機能部として、ゲーム演算部220と、画像生成部240と、音生成部260とを含み、1フレーム時間(1/60秒)で1枚の画像を生成して表示部300に表示出力させるとともに、ゲーム空間内に設定される音源の音の他、適宜効果音、BGM等を音出力部400に音出力させる。
【0071】
ゲーム演算部220は、操作部100から入力される操作信号、記憶部600から読み出したプログラムやデータ等に基づいて、ゲーム空間の設定処理、ゲーム空間へのオブジェクトの配置処理、選手キャラクタの動作を制御する処理、投球や打球の軌道演算処理、オブジェクトの交差判定処理(ヒットチェック処理)、ゲーム結果の算出処理等を含む種々のゲーム処理を実行し、処理結果を画像生成部240や音生成部260に出力する。
【0072】
また、ゲーム演算部220は、現在のゲーム進行状況に応じて仮想カメラCMを制御する仮想カメラ制御部221と、記憶部600に格納される音源情報640に従ってゲーム空間内に音源を設定する音源設定部223と、前述の音源設定部223により設定された音源の音を出力する制御を行う音出力制御部225とを含む。
【0073】
画像生成部240は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。この画像生成部240は、ゲーム演算部220による処理結果に基づいて幾何変換処理やシェーディング処理を実行してゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を表示部300に出力する。
【0074】
音生成部260は、例えば、CPUやDSP等のハードウェアやその制御プログラムによって実現される。この音生成部260は、ゲーム演算部220による処理結果に基づいて、ゲーム空間内に設定された音源の音やゲーム中に使用される効果音、BGM等のゲーム音を生成し、生成したゲーム音の音信号を音出力部400に出力する。
【0075】
表示部300は、画像生成部240から入力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示するための装置であり、図1ではディスプレイ1230がこれに該当する。プレーヤは、表示部300に表示されるゲーム画像を見ながら操作部100を操作してゲームを楽しむ。
【0076】
音出力部400は、音生成部260から入力される音信号に基づいて音源の音や効果音、BGM等を音出力するための装置であり、図1ではスピーカ1232がこれに該当する。
【0077】
通信部500は、通信回線を介して外部とのデータ通信を行う。この通信部500の機能は、例えば無線通信モジュール、モデム、TA、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現される。
【0078】
記憶部600には、処理部200にゲーム装置1を統合的に制御させるためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なプログラム及びデータが格納される。この記憶部600の機能は、例えばICメモリやハードディスク、メモリカード等により実現されるものであり、図1では、情報記憶媒体1240、メモリカード1252やICカード1254、制御ユニット1222に搭載されるICメモリ等がこれに該当する。
【0079】
特に、本実施形態を実現するため、記憶部600にはゲームプログラム610が格納される。このゲームプログラム610は、処理部200を仮想カメラ制御部221として機能させるための仮想カメラ制御プログラム611と、音源設定部223として機能させるための音源設定プログラム613と、音出力制御部225として機能させるための音出力制御プログラム615とを含む。
【0080】
また、データとして、キャラクタ情報620と、台詞データ630と、音源情報640と、音出力制御係数情報650と、現仮想カメラデータ660とを含む。尚、図示しないが、その他のデータとして、回数や回の表/裏、ストライクやボールなどのカウント、打順の情報など野球ゲームの進行中に利用される情報や、グラウンド、得点盤、観客、ボール、バット等の野球ゲームのステージやアイテムを表示するためのオブジェクトに関する情報等が格納される。
【0081】
キャラクタ情報620は、当該野球ゲームに登場する選手やコーチ等のキャラクタに関する情報をチーム毎に記憶する。キャラクタに関する情報としては、当該キャラクタに設定される各種パラメータの値や、当該キャラクタを表示させるためのモデルデータ、テクスチャデータ、モーションデータといったオブジェクトデータの他、現在のグラウンド上の位置座標等が含まれる。また、当該キャラクタが選手の場合には、当該選手のポジションの情報がさらに含まれ、音源設定部223により音源が設定される際に参照される。
【0082】
台詞データ630は、当該野球ゲームに登場するキャラクタが発する台詞の音声データを記憶する。図9は、台詞データ630のデータ構成例を示す図である。図9に示すように、台詞データ630には、台詞識別番号と対応付けた台詞の音声データが例えばWAVファイルとして格納される。音出力制御部225は、後述する音源情報640に従い、音源の音として台詞識別番号を読み出した場合には、当該台詞データ630の中から該当する音声データを読み出して音出力部400に出力させる。
【0083】
音源情報640は、音源設定部223によってゲーム空間内に設定される音源のデータを複数記憶する。具体的には、音源種別毎に、それぞれ当該音源の設定位置、発生条件、音データ、及び基準音量(B)が設定される。
【0084】
図10は、音源情報640のデータ構成例を示す図である。本実施形態では、各音源の音源種別は、前述の通り守備側音源、攻撃側音源、及びその他の音源の3つに大別され、守備側音源として守備側のキャラクタに設定される音源等が、攻撃側音源として攻撃側のキャラクタに設定される音源等が、その他の音源としてボールに設定されるボール音源等が、それぞれ設定される。
【0085】
発生条件は、当該音源の音を発生させるゲーム場面である場面条件と、該当モーションとを含み、キャラクタに設定される音源については、発生条件として適宜該当モーションが設定される。この該当モーションが設定されている場合には、現在のゲーム進行状況が対応する場面条件を満たす場面にある場合であって、且つ当該音源位置のキャラクタが該当モーションを開始したことを条件として、該当する音が発生されることとなる。
【0086】
音データには、当該音源の音が設定される。対応する発生条件を満足した際に当該音源が設定されたキャラクタが台詞を発生する場合には、当該発生する台詞の台詞識別番号が設定される。台詞の音データ自体は、上記したように台詞データ630に格納されている。尚、図10において、台詞の内容を括弧書きで示した。
【0087】
例えば、野手によりフライがキャッチされる場面であって、且つ当該野手がフライをキャッチする構えのモーションを開始した場合に、当該野手に設定される音源の音として台詞「オーライ、オーライ」の音声出力が制御される(レコードL11)。或いは、ボールがキャッチされた場面では、ボールに設定される音源の音としてキャッチ音の音出力が制御される(レコードL13)。
【0088】
基準音量(B)は、当該音源の基準となる音量が設定される。上記したように、この基準音量(B)をもとに実際の出力音量が決定される。
【0089】
音源設定部223は、この音源情報640を参照し、設定位置に従ってゲーム空間内に各音源を設定する。
【0090】
また音出力制御部225は、この音源情報640を参照し、音出力制御処理を実行する。具体的には、音出力制御部225は、ゲーム場面が発生条件と合致する音源が有った場合に、先ず、当該合致する音源それぞれについて以下の処理を実行する。すなわち、音出力制御部225は、方向係数(p)を決定する処理、距離係数(d)を決定する処理、攻守係数(s)を決定する処理を実行し、該当する基準音量(B)をもとに、当該音源の出力音量を決定した各係数に従って設定する。そして、音出力制御部225は、当該合致すると判定した各音源の音を、それぞれ設定した出力音量に従って重畳させて出力する制御を行う。
【0091】
音出力制御係数情報650は、音源の出力音量を算出するための係数に関する情報を記憶する。この音出力制御係数情報650は、方向係数テーブル651と、距離係数テーブル653と、攻守係数テーブル655とを含む。
【0092】
方向係数テーブル651は、仮想カメラCMの視線方向を基準とした当該仮想カメラCMから音源への相対向きと方向係数(p)との対応関係を記憶する。詳細には、図5に示して説明したように、相対向きに基づく方向区分と対応付けて、それぞれ該当する方向係数(p)が設定される。
【0093】
距離係数テーブル653は、仮想カメラCMと音源間の相対距離と距離係数(d)との対応関係を記憶する。詳細には、図6に示して説明したように、相対距離に基づく距離区分と対応付けて、それぞれ該当する距離係数(d)が設定される。
【0094】
攻守係数テーブル655は、音源種別に応じた攻守係数(s)を記憶する。詳細には、図7に示して説明したように、音源種別毎の攻守係数(s)が、プレーヤチーム側の攻守別に設定される。
【0095】
現仮想カメラデータ660は、仮想カメラ制御部221によって制御される仮想カメラCMの位置座標、視線方向、及び画角の各設定値を随時更新・記憶する。
【0096】
[処理の流れ]
次に、図11及び図12を参照して、本実施形態におけるゲーム処理について説明する。尚、以下説明する処理は、処理部200が仮想カメラ制御プログラム611、音源設定プログラム613、及び音出力制御プログラム615を含むゲームプログラム610を読み出して実行することによって実現される。
【0097】
図11は、本実施形態におけるゲーム処理の流れを説明するためのフローチャートである。ゲーム処理では、先ず、ゲーム開始前の準備段階として、ゲーム演算部220が、ゲーム空間内にグラウンドやボール、選手キャラクタ等のオブジェクトや、仮想カメラCMを配置して初期設定を行う(ステップs10)。またこの際、配置された仮想カメラCMの位置座標、視線方向、及び画角の各設定値によって現仮想カメラデータ660が初期化される。
【0098】
続いて、ゲーム演算部220は、ゲーム進行処理を実行する(ステップs20)。このゲーム進行処理は野球ゲームの進行に係る処理であり、従来の野球ゲームと同様にして実行可能であるので、ここでの詳細な説明は省略する。
【0099】
次に、仮想カメラ制御部221が、現在のゲーム進行状況に応じて仮想カメラ制御処理を実行する(ステップs25)。具体的には、仮想カメラ制御部221は、例えばボールやプレーヤの操作対象キャラクタといった所定の移動体をその視野内に収めるように仮想カメラCMの位置、視線方向、及び画角のうち少なくとも1つを制御し、現仮想カメラデータ660を更新する。
【0100】
次に、音源設定部223が、音源情報640を参照して、ステップs20のゲーム進行処理の結果をもとにゲーム空間内に音源を設定する(ステップs30)。このとき、攻守交代や選手交代等を反映させて各音源を設定するキャラクタを変更する処理が行われる。
【0101】
続いて音出力制御部225が、音出力制御処理を実行する(ステップs40)。図12は、音出力制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。
【0102】
音出力制御処理では、音出力制御部225は、先ず、現在のゲーム進行状況に従い、ゲーム場面が発生条件と合致する音源の有無を判定する。そして、音出力制御部225は、有った場合には(ステップs401:YES)、当該合致すると判定した全ての音源について、それぞれループAの処理を実行する(ステップs403〜ステップs419)。以下、ループAで処理の対象とする音源を「当音源」という。
【0103】
ループAでは、音出力制御部225は、先ず、現在の仮想カメラCMの視線方向を基準とした当該仮想カメラCMから当音源への相対向きを算出する(ステップs405)。そして、音出力制御部225は、方向係数テーブル651を参照し、ステップs405で算出した相対向きをもとに方向係数(p)を決定する(ステップs407)。
【0104】
次に、音出力制御部225は、現在の仮想カメラCMと当音源間の相対距離を算出する(ステップs409)。そして、音出力制御部225は、距離係数テーブル653を参照し、ステップs409で算出した相対距離をもとに距離係数(d)を決定する(ステップs411)。
【0105】
次に、音出力制御部225は、プレーヤチームが守備側なのか攻撃側なのかを判別する(ステップs413)。そして、音出力制御部225は、攻守係数テーブル655を参照し、ステップs413で判別したプレーヤチーム側の攻守、及び当音源の音源種別をもとに攻守係数(s)を決定する(ステップs415)。
【0106】
そして、音出力制御部225は、当音源の基準音量(B)をもとに、当音源の出力音量をステップs407、s411、及びs415で決定した各係数に従って設定する(ステップs417)。すなわち、音出力制御部225は、上記した算出式(1)に決定した各係数及び当音源の基準音量(B)を代入して、出力音量を算出する。
【0107】
ループAを終了したならば、音出力制御部225は、ステップs401でゲーム場面が発生条件と合致すると判定した各音源の音を、ステップs417でそれぞれ設定した出力音量に従って重畳させて出力する制御を行う(ステップs421)。
【0108】
図11に戻り、音出力制御処理を終了したならば、ゲーム演算部220は、野球ゲームのゲーム終了条件を満足したか否かを判定する。そして、ゲーム演算部220は、ゲーム終了条件を満足しないと判定した場合には(ステップs50:NO)、上記したゲーム進行処理(ステップs20)に移行して上記した処理を繰り返す。
【0109】
また、ゲーム演算部220は、ゲーム終了条件を満足した場合には(ステップs50:YES)、ゲーム結果を表示して(ステップs60)、本処理を終了する。
【0110】
[ハードウェア構成]
次に、図13を参照して、本実施形態におけるゲーム装置1を実現するためのハードウェア構成の一例について説明する。図13に示す装置では、CPU1000、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006、画像生成IC1010、音生成IC1008、I/Oポート1012,1014がシステムバス1016により相互にデータ入出力可能に接続されている。また、I/Oポート1012にはコントロール装置1022が、I/Oポート1014には通信装置1024が、それぞれ接続されている。
【0111】
CPU1000は、情報記憶媒体1006に格納されるプログラム、ROM1002に格納されるシステムプログラム(装置本体の初期化情報等)、コントロール装置1022によって入力される信号等に従って、装置全体の制御や各種データ処理を行う。
【0112】
RAM1004は、CPU1000の作業領域等として用いられる記憶手段であり、情報記憶媒体1006やROM1002内の所与の内容、CPU1000の演算結果等が格納される。
【0113】
情報記憶媒体1006は、プログラム、画像データ、音データ、プレイデータ等が主に格納されるものであり、情報記憶媒体として、ROM等のメモリやハードディスク、CD−ROM、DVD、ICカード、磁気ディスク、光ディスク等が用いられる。尚、この情報記憶媒体1006は、図8に示す記憶部600に相当するものである。
【0114】
また、この装置に設けられている画像生成IC1010と音生成IC1008により、音や画像の好適な出力が行えるようになっている。
【0115】
画像生成IC1010は、CPU1000の命令によって、ROM1002、RAM1004、情報記憶媒体1006等から送られる情報に基づいて画素情報を生成する集積回路であり、生成される表示信号は、表示装置1018に出力される。表示装置1018は、CRTやLCD、TV、プラズマディスプレイ、或いはプロジェクター等により実現され、図8に示す表示部300に相当する。
【0116】
また、音生成IC1008は、CPU1000の命令によって、情報記憶媒体1006やROM1002に記憶される情報、RAM1004に格納される音データに応じた音信号を生成する集積回路であり、生成される音信号はスピーカ1020によって出力される。尚、スピーカ1020は、図8に示す音出力部400に相当するものである。
【0117】
コントロール装置1022は、プレーヤがゲームに係る操作を入力するための装置であり、その機能は、レバー、ボタン、筐体等のハードウェアにより実現される。尚、このコントロール装置1022は、図8に示す操作部100に相当するものである。
【0118】
通信装置1024は装置内部で利用される情報を外部とやりとりするものであり、プログラムに応じた所与の情報を他の装置と送受すること等に利用される。尚、この通信装置1024は、図8に示す通信部500に相当するものである。
【0119】
そして、ゲーム処理等の上記した処理は、図8に示して説明したゲームプログラム610等を格納した情報記憶媒体1006と、これらプログラムに従って動作するCPU1000、画像生成IC1010、音生成IC1008等によって実現される。CPU1000、画像生成IC1010、及び音生成IC1008は、図8に示す処理部200に相当するものであり、主にCPU1000が図8に示すゲーム演算部220に、画像生成IC1010が図8に示す画像生成部240に、音生成IC1008が図8に示す音生成部260に相当する。
【0120】
尚、画像生成IC1010、音生成IC1008等で行われる処理は、CPU1000或いは汎用のDSP等によりソフトウェア的に行ってもよい。この場合には、CPU1000が、図8に示す処理部200に相当することとなる。
【0121】
以上説明したように、本実施形態によれば、ゲーム空間内で音を発生する各音源について、それぞれ仮想カメラCMの視線方向を基準とした当該仮想カメラCMから当該音源への相対向き、仮想カメラCMと当該音源間の相対距離、及びプレーヤチーム側の攻守に基づいて、その出力音量を可変して設定することができる。そして、各音源の音を、それぞれ設定した出力音量に従って重畳させて出力する制御を行うことができる。したがって、聴覚的な演出によってゲームの臨場感を高め、プレーヤのゲームに対する没入感を向上させることができる。
【0122】
尚、本実施形態では、プレーヤが操作するプレーヤチームと、コンピュータ制御のCOMチームとが対戦する場合を例にとって説明したが、2名のプレーヤが攻守それぞれを操作して対戦することとしても良いのは勿論である。
【0123】
また、本発明は、図1に示した家庭用ゲーム機1200だけでなく、業務用ゲーム機や携帯型ゲーム機、パソコン等の汎用コンピュータ、多数のプレーヤが参加する大型アトラクション装置等の種々の装置にも同様に適用することができる。
【0124】
例えば、図14は、本発明を業務用ゲーム機1300に適用した場合の概観例を示す図である。図14に示すように、業務用ゲーム機1300はゲーム操作を入力する操作ボタン1302やスティック1304、ゲーム画像を表示するディスプレイ1306、音源の音、ゲームの効果音やBGM等を音出力するスピーカ1308等を備えて構成されている。
【0125】
また、業務用ゲーム機1300には、CPU、画像生成IC、音生成IC等が実装されたシステム基板1310が内蔵されており、システム基板1310上の情報記憶媒体であるメモリ1312から読み出したプログラムやデータ、或いは操作ボタン1302やスティック1304から入力される操作信号等に基づいて、各種のゲーム処理を実行する。尚、図8に示す操作部100は操作ボタン1302或いはスティック1304に、図8に示す表示部300はディスプレイ1306に、図8に示す音出力部400はスピーカ1308に、それぞれ相当するものである。
【0126】
この業務用ゲーム機1300のプレーヤは、スピーカ1308から出力されるゲーム音を聞きながら操作ボタン1302やスティック1304を操作し、ディスプレイ1306に表示されるゲーム画像を見ながらゲームを楽しむ。
【0127】
また、本発明は、スタンドアローンの装置によって実行されるゲームに限らず、ネットワークゲームと呼ばれているゲームに適用しても構わない。ネットワークゲームを実現するシステム構成としては、(1)家庭に設置してあるパソコンや家庭用ゲーム機等をゲーム端末とし、インターネット網や専用回線網等の有線/無線の通信回線を通じてサーバと接続する構成、(2)サーバを用いることなく複数のゲーム端末同士が通信回線で接続される構成、(3)複数のゲーム端末同士が通信回線で接続されるが、その内の1台がサーバ機能を有する構成、(4)複数のゲーム端末が物理的に結合し、全体として1台のシステム(例えば、業務用のゲームシステム)となっている構成、等があり、本発明は何れのシステム構成に対しても適用可能である。
【0128】
また、本発明を適用可能なゲームは野球ゲームに限定されるものではなく、各種のスポーツゲームやアクションゲーム、格闘ゲーム、ロールプレイングゲーム等、その他の各種ゲームにも適用可能である。
【0129】
[変形例]
以上、本発明についての好適な実施形態について説明したが、本発明は、上記したものに限らず、発明の趣旨を逸脱しない限りにおいて適宜変更可能である。
【0130】
例えば、上記した実施形態では、図3に示して説明したように、仮想カメラCMの画角に含まれる範囲において、当該範囲内の他の部分より出力音量を大きく設定する特別区域を、仮想カメラCMの視線方向Mとの相対角度が例えば0°〜±(θw/3)の範囲内としたが、以下のようにしてもよい。
【0131】
すなわち、仮想カメラCMの視野内に含まれる例えばボールやプレーヤの操作対象キャラクタといった所定の移動体の位置を基準として特別区域を設定することとしてもよい。具体例としては、例えば、ゲーム空間中の仮想カメラCMを中心として、当該仮想カメラCMと前記所定の移動体とを結ぶ線分との相対角度が所定の範囲内の領域を特別区域として設定することとしてもよい。
【0132】
或いは、仮想カメラCMの視野内に含まれる前記所定の移動体を中心とした所定範囲内の領域を特別区域として設定することとしてもよい。
【0133】
図15は、仮想カメラCMの画角に含まれる範囲内に定義される特別区域の変形例を説明するための図である。図15に示す例では、仮想カメラCMの画角に含まれる範囲内のボールBを中心とした領域E11や、操作対象キャラクタPCを中心とした領域E13が特別区域として設定される。これによれば、仮想カメラCMの視野内に含まれるボールBや操作対象キャラクタPCを中心とした領域E11,E13内にある音源の出力音量を、仮想カメラCMの画角に含まれる範囲内の他の部分にある音源の出力音量よりも大きくなるように可変して設定することができる。
【0134】
また、上記した実施形態では、仮想カメラCMの後方である音源、側方である音源、前方である音源の順に出力音量が大きくなるように方向係数(p)を設定する場合について説明したが、以下のようにしてもよい。すなわち、例えば仮想カメラCMの後方である音源の出力音量が、前方や側方である音源の出力音量と比較して大きくなるように方向係数(p)を設定しておくこととしてもよい。同様にして、仮想カメラCMの側方である音源の出力音量が、前方や後方である音源の出力音量と比較して大きくなるように方向係数(p)を設定しておくこととしてもよい。
【0135】
また、上記した実施形態では、仮想カメラCMの画角に含まれる範囲内を前方と定義することとしたが、仮想カメラCMの視線方向との相対角度がその画角よりも狭い範囲を前方と定義することとしてもよい。或いは、仮想カメラCMの視線方向との相対角度がその画角よりも広い範囲を前方と定義することとしてもよい。
【0136】
また、各キャラクタに音源を設定する場合に、各キャラクタそれぞれに、声の大きさを示すパラメータを予め設定しておき、このパラメータの値に応じて、当該キャラクタに設定される音源の出力音量をさらに可変して設定することとしてもよい。
【0137】
また、上記した実施形態では、予め仮想カメラCMの前方・側方・後方の方向区分毎に設定された方向係数(p)と、仮想カメラCMから近距離・中距離・遠距離・圏外の距離区分毎に設定された距離係数(d)とを決定してゲーム空間内の各音源の出力音量を可変することとしたが、以下のようにしてもよい。
【0138】
図16は、出力音量制御の変形例について説明するための図である。図16(a)は、本変形例において用いる音量制御係数を決定する際に参照される音量制御係数テーブルを模式的に示した図であり、5×5の桝目別にそれぞれ音量制御係数の値が設定されている。詳細には、中心の桝目M11に設定される音量制御係数の値:1.5を最大として、前方の桝目に設定される値、側方の桝目に設定される値、後方の桝目に設定される値の順に音量制御係数の値が小さくなるように、且つ中心の桝目M11から遠い桝目ほど設定される音量制御係数の値が小さくなるように、各桝目に音量制御係数の値が設定されている。
【0139】
一方、図16(b)に示すように、ゲームフィールドを予め複数のブロックに分割しておく。そして、ゲーム空間内に配置される仮想カメラCMが属するブロックを中心とした5×5のブロックの何れかに属する音源が音を発生した場合には、当該音源が属するブロックの音量制御係数を、前述の音量制御係数テーブルを参照して決定する。このとき、仮想カメラCMの視線方向が図16(b)に向かって上下左右の何れの方向に属するかが判断される。
【0140】
例えば、図16(b)に示すブロックB11に視線方向をM11として仮想カメラCMが配置されている場合であって、ブロックB13に出力音量制御の対象である音源が配置されている場合を考える。先ず、仮想カメラCMの視線方向M11が図16(b)における上方向に属すると判断される。続いて、図16(a)の音量制御係数テーブルが参照され、仮想カメラCMの視線方向M11が属する上方向を前方とし、仮想カメラCMが属するブロックB11を中心の桝目M11として、仮想カメラCMを基準とした音源が属するブロックB13の相対的な位置関係に合致する桝目M13が求められ、音量制御係数の値として桝目M13の値:0.9が決定される。
【0141】
また、ブロックB21に視線方向をM21として仮想カメラCMが配置されている場合であって、ブロックB23に出力音量制御の対象である音源が配置されている場合を考える。先ず、仮想カメラCMの視線方向M21が図16(b)における下方向に属すると判断される。続いて、図16(a)の音量制御係数テーブルが参照され、仮想カメラCMの視線方向M21が属する下方向を前方とし、仮想カメラCMが属するブロックB21を中心の桝目M11として、仮想カメラCMを基準とした音源が属するブロックB23の相対的な位置関係に合致する桝目M15が求められ、音量制御係数の値として桝目M15の値:0.5が決定される。
【0142】
またゲーム中に、その他の音源種別として、観客の声援や歓声、ヤジ等の観客音を所定音量で出力することとしてもよい。またその場合、観客音の出力音量は、観客音以外の音源の出力音量よりも小さくなるように可変して設定し、観客音以外の音源の音に観客音を重畳させて出力制御することとしてもよい。
【0143】
また、上記した実施形態では、仮想カメラ制御部221が、例えばボールやプレーヤキャラクタといった所定の移動体をその視野内に収めるように仮想カメラCMを制御する場合について説明したが、本発明は、操作対象キャラクタの視点でゲーム空間を見た1人称視点でのゲーム画面が生成されるように仮想カメラCMを制御する場合にも勿論適用可能である。
【0144】
或いは、仮想カメラ制御部221が、操作対象キャラクタの上後方からやや見下ろすようにして仮想カメラCMを配置し、操作対象キャラクタに追従するようにその配置位置を制御することとしてもよい。すなわち、プレーヤの操作入力に従って操作対象キャラクタが移動し、操作対象キャラクタの目線方向が制御される。
【0145】
またこの場合には、音出力制御部225が、操作対象キャラクタの目線に基づいて出力音量を可変することとしてもよい。例えば、音出力制御部225は、ゲーム空間内に設定される音源の出力音量を、当該音源が操作対象キャラクタの目線の方向から離れるに従って小さくなるように、操作対象キャラクタの目線方向を基準とした当該操作対象キャラクタから当該音源への相対向きに基づいて可変する。詳細には、上記した実施形態における仮想カメラCMの視線を操作対象キャラクタの目線に置き換えて、音出力制御処理を行う。このとき、音出力制御部225は、操作対象キャラクタの視界に入る範囲(例えば図5の前方として定義される範囲)を前方とし、操作対象キャラクタの視界に入る音源の出力音量を、視界に入らない音源の出力音量と比較して大きく設定する。
【0146】
この場合、プレーヤにとっては、ゲーム空間内に設定された音源から発生される全ての音が聞こえるが、自身が移動及び目線方向を操作する操作対象キャラクタの目線前方にある音源の音が強く良く聞こえることとなり、表示されるゲーム画面とは別に、操作対象キャラクタを操作しているという実感・没入間が与えられることとなる。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】ゲーム装置を家庭用ゲーム機に適用した場合の装置構成例を示す図。
【図2】ゲーム空間内に設定されるグラウンドを俯瞰した概略図。
【図3】相対向きに基づく出力音量制御の原理について説明するための図。
【図4】距離に基づく出力音量制御の原理について説明するための図。
【図5】方向係数(p)の一例を示す図。
【図6】距離係数(d)の一例を示す図。
【図7】攻守係数(s)の一例を示す図。
【図8】ゲーム装置の機能構成の一例を示すブロック図。
【図9】台詞データのデータ構成例を示す図。
【図10】音源情報のデータ構成例を示す図。
【図11】ゲーム処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図12】音出力制御処理の流れの一例を示すフローチャート。
【図13】ゲーム装置のハードウェア構成の一例を示す図。
【図14】ゲーム装置を業務用ゲーム機に適用した場合の装置構成の一例を示す図。
【図15】仮想カメラの画角に含まれる範囲内に定義される特別区域の変形例を説明するための図。
【図16】出力音量制御の変形例について説明するための図。
【符号の説明】
【0148】
1 ゲーム装置
100 操作部
200 処理部
220 ゲーム演算部
221 仮想カメラ制御部
223 音源設定部
225 音出力制御部
240 画像生成部
260 音生成部
300 表示部
400 音出力部
500 通信部
600 記憶部
610 ゲームプログラム
611 仮想カメラ制御プログラム
613 音源設定プログラム
615 音出力制御プログラム
620 キャラクタ情報
630 台詞データ
640 音源情報
650 音出力制御係数情報
651 方向係数テーブル
653 距離係数テーブル
655 攻守係数テーブル
660 現仮想カメラデータ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
コンピュータに、仮想カメラから見たゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間内に音源を複数設定する音源設定手段、
現在のゲーム進行状況に応じて前記仮想カメラの位置、視線方向、及び画角のうち少なくとも1つを制御するカメラ制御手段、
前記設定された各音源それぞれについて、少なくとも、前記仮想カメラの視線方向を基準とした前記仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて当該音源の出力音量を可変して設定する音源音量設定手段、
前記音源音量設定手段により設定された各音源の出力音量に基づいて、当該各音源の音を重畳させて出力する制御を行う音出力制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記音源音量設定手段が、前記相対向きが前記仮想カメラの前方である音源の出力音量を、前方以外である音源の出力音量に比べて大きく設定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記音源音量設定手段が、前記相対向きが前記仮想カメラの後方、側方、前方である音源の順に、音源の出力音量を大きく設定するように前記コンピュータを機能させるための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
前記音源音量設定手段が、音源の位置が前記ゲーム空間中の前記仮想カメラの画角に含まれる範囲内か否かに基づいて、当該音源の出力音量を可変する画角内外音量可変手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜3の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項5】
前記音源音量設定手段が、
前記ゲーム空間中の前記仮想カメラの画角に含まれる範囲において、当該範囲内の他の部分より出力音量を大きく設定する特別区域を設定する特別区域設定手段と、
前記特別区域設定手段により設定された特別区域内に設定された音源の出力音量を、前記仮想カメラの画角内であって当該特別区域外に設定された音源の出力音量より大きく設定する特別区域内外音量可変手段と、
を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記特別区域設定手段が、前記仮想カメラの視線方向に基づいて特別区域を設定するように前記コンピュータを機能させるための請求項5に記載のプログラム。
【請求項7】
前記カメラ制御手段が、所定の移動体を前記仮想カメラの画角内に収めるように前記仮想カメラを制御するように前記コンピュータを制御せさ、
前記特別区域設定手段が、前記画角内の前記移動体の位置に基づいて特別区域を設定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項5に記載のプログラム。
【請求項8】
前記音源音量設定手段が、前記仮想カメラと音源間の距離に基づいて、当該音源の出力音量を可変する距離基準音量可変手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
コンピュータに、ゲーム空間内に配置された操作対象キャラクタの位置及び目線方向をプレーヤの操作入力に従って制御させ、仮想カメラから見た前記ゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御させるためのプログラムであって、
前記ゲーム空間内に音源を複数設定する音源設定手段、
現在のゲーム進行状況に応じて、前記仮想カメラの位置を前記操作対象キャラクタの現在位置に基づいて制御するカメラ制御手段、
前記設定された各音源それぞれについて、前記操作対象キャラクタの目線方向を基準とした前記操作対象キャラクタから当該音源への相対向きに基づいて当該音源の出力音量を可変して設定する音源音量設定手段、
前記音源音量設定手段により設定された各音源の出力音量に基づいて、当該各音源の音を重畳させて出力する制御を行う音出力制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項10】
前記音源音量設定手段が、音源の位置が前記ゲーム空間中の前記操作対象キャラクタの視界に入る範囲内か否かに基づいて、当該音源の出力音量を可変する視界内外音量可変手段を有するように前記コンピュータを機能させるための請求項9に記載のプログラム。
【請求項11】
前記ゲームは、攻守を交代して対戦するゲームであり、
前記音源設定手段が、攻撃側の音源と守備側の音源とを設定するように前記コンピュータを機能させ、
前記音源音量設定手段が、プレーヤ側の攻守に応じて、攻撃側の音源と守備側の音源の何れの出力音量を大きくするかを切り替えて当該音源の出力音量を設定するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜10の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項12】
請求項1〜11の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体。
【請求項13】
仮想カメラから見たゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御するゲーム装置であって、
前記ゲーム空間内に音源を複数設定する音源設定手段と、
現在のゲーム進行状況に応じて前記仮想カメラの位置、視線方向、及び画角のうち少なくとも1つを制御するカメラ制御手段と、
前記設定された各音源それぞれについて、少なくとも、前記仮想カメラの視線方向を基準とした前記仮想カメラから当該音源への相対向きに基づいて当該音源の出力音量を可変して設定する音源音量設定手段と、
前記音源音量設定手段により設定された各音源の出力音量に基づいて、当該各音源の音を重畳させて出力する制御を行う音出力制御手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項14】
ゲーム空間内に配置された操作対象キャラクタの位置及び目線方向をプレーヤの操作入力に従って制御させ、仮想カメラから見た前記ゲーム空間の画像を生成してゲームを進行制御するゲーム装置であって、
前記ゲーム空間内に音源を複数設定する音源設定手段と、
現在のゲーム進行状況に応じて、前記仮想カメラの位置を前記操作対象キャラクタの現在位置に基づいて制御するカメラ制御手段と、
前記設定された各音源それぞれについて、前記操作対象キャラクタの目線方向を基準とした前記操作対象キャラクタから当該音源への相対向きに基づいて当該音源の出力音量を可変して設定する音源音量設定手段と、
前記音源音量設定手段により設定された各音源の出力音量に基づいて、当該各音源の音を重畳させて出力する制御を行う音出力制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2006−230578(P2006−230578A)
【公開日】平成18年9月7日(2006.9.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2005−47063(P2005−47063)
【出願日】平成17年2月23日(2005.2.23)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】