説明

プログラム、情報記憶媒体及びゲーム装置

【課題】 ゲーム操作の中断が少ないチャットを実現し、望ましくはボイスチャットのように豊富な情報量を確保したチャットを実現する。更なる課題として、誹謗中傷といった発言を制限可能にする。
【解決手段】プレーヤの発声を音声認識して入力音声テキストを得る。入力音声テキストを発言識別キーワードと照合し、合致したキーワードに対応する発言IDを他ゲーム装置に送信する。一方、ゲームに参加する各ゲーム装置には、予め発言IDと対応づけて、当該発言を声優が読み上げた発言音声データを記憶しておき、他ゲーム装置から発言IDを受信したならば、対応する発言音声データを抽出してこれを再生処理する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ゲーム装置を構成するコンピュータに、他ゲーム装置と相互にデータ通信を行わせて、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実現させるためのプログラム等に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、複数のゲーム装置の間でデータ通信を実現し、複数のプレーヤが同一のゲーム空間で同時にゲームを楽しむことができる所謂「マルチプレイオンラインゲーム」や「マルチプレイ通信対戦ゲーム」などが知られる。
【0003】
マルチプレイオンラインゲームでは、プレーヤ間のコミュニケーションを実現するため、テキスト情報を互いに送受信してゲーム画面内にテキスト表示するテキストチャット(例えば、特許文献1参照)や、プレーヤの発声をマイクで入力してその音声情報を送信し、相手先のゲーム装置のスピーカで再生させるといったボイスチャット(例えば、特許文献2参照)の技術が実装されるのが一般的である。
【特許文献1】特開2007−183811号公報
【特許文献2】特開2004−336292号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
テキストチャットとボイスチャットとを比較すると、前者はキーボードからテキストを入力するために、チャットの発言中はゲーム操作そのものができない不便さがあった。また、いくつかのテキストチャットでは予め用意された定型文から選択することで操作を簡易にするものもあるが、ゲーム画面を占める選択肢の表示面積には限りがあるため、表示される選択肢(つまりは、使用できる発言の種類)が限られてしまい、コミュニケーションとしては情報量の不足感が否めなかった。
【0005】
その点、ボイスチャットは、マイクとヘッドホンが一体となったヘッドセットなどを利用することでほとんどゲーム操作したままチャットができる上、互いに交わせる情報量がテキストチャットに比べて圧倒的に多いことから、特にリアルタイムシミュレーション型のネットワークゲームで好まれている。ただ、ボイスチャットの場合、データ通信量が多くなるため参加できるプレーヤの数に制限が生じたり、通信回線の混雑によって遅延やスムーズな画像の生成・再生ができないといった問題が生じやすい。また、初心者はゲームのキャラクタになりきって話すことに恥ずかしさを覚えたり、また、どのように話せば良いのか分からないために上手く利用できないといった欠点がある。また、肉声がそのまま送られるため誹謗中傷といった発言に対する制限が難しい問題がある。
【0006】
本発明は、こうした事情を鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、ゲーム操作の中断が少ないチャットを実現することであり、望ましくはボイスチャットのように豊富な情報量を確保したチャットを実現することである。更なる目的としては、誹謗中傷といった発言を制限可能にすることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の課題を解決する第1の発明は、ゲーム装置を構成するコンピュータに、他ゲーム装置と相互にデータ通信を行わせて、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実現させるためのプログラムであって、
自プレーヤの発声した音声を認識する音声認識手段(例えば、図7の音声入力部110、処理部200、音声認識部232、図20のステップS14〜S16)、
前記音声認識手段による認識結果から、対応する発言種類を特定する発言種類特定手段(例えば、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、図20のステップS20、図21のステップS74、S76)、
前記発言種類特定手段によって特定された発言種類の情報を前記他ゲーム装置に送信する送信手段(例えば、図7の処理部200,発言選択送信制御部216、通信制御部270、通信部370、図22のステップS90)、
前記他ゲーム装置から送出された発言種類の情報を受信する受信手段(例えば、図7の処理部200、通信制御部270、通信部370、図20のステップS22)、
予め定められた音声データの中から、前記受信手段が受信した発言種類の情報に対応した発言内容を読み上げる音声データを抽出する音声データ抽出手段(例えば、図7の処理部200、音声データ抽出部230、図21のステップS76)、
前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づいて音出力制御する音出力制御手段(例えば、図7の処理部200、音生成部250、音出力部350、図23のステップS120、S122)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0008】
また、第18の発明は、他ゲーム装置と相互にデータ通信を行い、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実行するゲーム装置であって、
自プレーヤの発声した音声を認識する音声認識手段(例えば、図2の制御ユニット1310、ヘッドセット1370、マイク1372、図7の音声入力部110、処理部200、音声認識部232、図20のステップS14〜S16)、と、
前記音声認識手段による認識結果から、対応する発言種類を特定する発言種類特定手段(例えば、図2の制御ユニット1310、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、図20のステップS20、図21のステップS74、S76)と、
前記発言種類特定手段によって特定された発言種類の情報を前記他ゲーム装置に送信する送信手段(例えば、図2の通信装置1312、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、通信制御部270、通信部370、図22のステップS90)と、
前記他ゲーム装置から送出された発言種類の情報を受信する受信手段(例えば、図2の通信装置1312、図7の処理部200、通信制御部270、通信部370、図20のステップS22)と、
予め定められた音声データの中から、前記受信手段が受信した発言種類の情報に対応した発言内容を読み上げる音声データを抽出する音声データ抽出手段(例えば、図2の制御ユニット1310、図7の処理部200、音声データ抽出部230、図21のステップS76)と、
前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づいて音出力制御する音出力制御手段(例えば、図2の制御ユニット1310、ヘッドセット1370、ヘッドホン1374、図7の処理部200、音生成部250、音出力部350、図23のステップS120、S122)とを備えたゲーム装置である。
【0009】
第1又は第18の発明によれば、プレーヤの音声を音声認識して発言種類を特定し、特定された発言種類の情報を他ゲーム装置に送信することができる。反対に、他ゲーム装置から発言種類の情報を受信した場合には、受信した当該情報に対応する発言内容を読み上げる音声データを抽出し、これを再生することができる。
従って、プレーヤが発音するだけでチャットが可能になるので、音声チャットのように発言に伴うプレーヤキャラクタの操作中断を低減できる。
また、発言の内容や文言の多少に係わらず、データ通信は発言種類の情報に置換されて行われるので、テキストチャットのような低データ通信量を実現できる。
また、音声チャットのように発言をベースにしつつも、受信した側で発言を再生する際には、予め発言種類別に収録されている音声データを抽出・再生する。よって、仮に発言者が誹謗・中傷といった発言をしたとしてもそれが受信側では再生されることなく発言の趣旨だけが伝わるので、プレーヤは気持ちよくゲームを楽しむことができる。
【0010】
第2の発明は、前記発言種類特定手段によって特定された発言種類が自ゲーム装置のプレーヤキャラクタのゲーム空間中の位置(例えば、図18の付加情報ID527h)を通知内容に含む発言種類であるか否かを判定する位置通知発言判定手段(例えば、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、図22のステップS86)として前記コンピュータを機能させ、
前記送信手段が、前記位置通知発言判定手段によって肯定判定された場合に、前記発言種類特定手段によって特定された発言種類の情報とともに自ゲーム装置のプレーヤキャラクタのゲーム空間中の位置の情報(例えば、図7の付加情報552c)を前記他ゲーム装置に送信し、
前記受信手段が、前記他ゲーム装置から送出された位置の情報を受信し、
前記音出力制御手段が、前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データを、前記受信した位置の情報を用いて音出力させる、ように前記コンピュータを機能させるための第1の発明のプログラムである。
【0011】
第2の発明によれば、第1の発明と同様の効果を奏するとともに、自プレーヤキャラクタのゲーム空間中の位置を他ゲーム装置に送信し、受信した他ゲーム装置でその位置情報を音出力させることができる。従って、発言に位置情報を含めるべき場合(例えば、救援を求める発言では、今自分がどこにいるかという位置情報を含めるべきである。)、自動的にこれを発言の一部として送信し、送信先で音出力させることができる。受信側での位置情報の音出力は予め声優によって読み上げられているので、送出元(送信元)のプレーヤが正しく位置情報を発音できなくとも、ゲーム世界の設定に適した名称で正しく相手に伝えられるので、初心者プレーヤでも簡単に必要な情報を伝えることができる。
【0012】
第3の発明は、前記音声認識手段が、プレーヤの発声したキーワード及びそのキーワードの発声順を識別するキーワード順次識別手段(例えば、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、図21のステップS74、S78)を有するように前記コンピュータを機能させ、
前記識別されたキーワードのうち、特定順位のキーワードに基づいて送信先の他ゲーム装置を判定する送信先判定手段(例えば、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、図21のステップS74〜S76、図27のステップS93、S95a〜S95c)として前記コンピュータを機能させ、
前記送信手段が、前記送信先判定手段によって判定された送信先に、前記発言種類特定手段によって特定された発言種類の情報を送信するように前記コンピュータを機能させるための第1又は第2の発明のプログラムである。
【0013】
ここで言う発声順とは、1番目、2番目、…という自然数順番に限らず、2番目以降といった順位も含まれる。
第3の発明によれば、第1又は第2の発明と同様の効果を奏するとともに、プレーヤは規定された発声順に発言の送信先を含めて発音すれば、その発言を特定の他プレーヤに伝えることができる。
【0014】
第4の発明は、ゲーム装置を構成するコンピュータに、他ゲーム装置と相互にデータ通信を行わせて、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実現させるためのプログラムであって、
自プレーヤが発声した音声のデータでなる発声データ(例えば、図35の発声データ552d)を前記他ゲーム装置に送信する送信手段(例えば、図35の処理部200、発言送信データ生成部215、通信制御部270、通信部370、図37のステップS18、図38のステップS66)、
前記他ゲーム装置から送信された当該他ゲーム装置の他プレーヤの発声データを受信する受信手段(例えば、図35の処理部200、通信制御部270、通信部370、図37のステップS21a)、
前記受信手段により受信された発声データに含まれる音声を認識する音声認識手段(例えば、図35の処理部200、音声認識部232、図40のステップS150)、
前記音声認識手段による認識結果から、対応する発言種類を特定する発言種類特定手段(例えば、図35の処理部200、ゲーム演算部210、発言種類特定部217、図40のステップS152〜S162)
予め定められた音声データの中から、前記発言種類特定手段が特定した前記発言種類の情報に対応した発言内容を読み上げる音声データを抽出する音声データ抽出手段(例えば、図35の処理部200、ゲーム演算部210、音声データ抽出部230、図37のS21c、図41のステップS102〜S112)、
前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づいて音出力制御する音出力制御手段(例えば、図35の処理部200、音生成部250、音出力部350、図41のステップS120,S122)、として前記コンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0015】
また、第19の発明は、他ゲーム装置と相互にデータ通信を行い、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実現するゲーム装置であって、
自プレーヤが発声した音声のデータでなる発声データを前記他ゲーム装置に送信する送信手段(例えば、図2の制御ユニット1310、通信装置1312、マイク1372、図35の処理部200、発言送信データ生成部215、通信制御部270、通信部370、図37のステップS18、図38のステップS66)と、
前記他ゲーム装置から送信された当該他ゲーム装置の他プレーヤの発声データを受信する受信手段(例えば、図2の制御ユニット1310、通信装置1312、図35の処理部200、通信制御部270、通信部370、図37のステップS21a)と、
前記受信手段により受信された発声データに含まれる音声を認識する音声認識手段(例えば、図2の制御ユニット1310、図35の処理部200、音声認識部232、図40のステップS150)と、
前記音声認識手段による認識結果から、対応する発言種類を特定する発言種類特定手段(例えば、図2の制御ユニット1310、図35の処理部200、ゲーム演算部210、発言種類特定部217、図40のステップS152〜S162)と、
予め定められた音声データの中から、前記発言種類特定手段が特定した前記発言種類の情報に対応した発言内容を読み上げる音声データを抽出する音声データ抽出手段と、
前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づいて音出力制御する音出力制御手段(例えば、図2の制御ユニット1310、ヘッドホン1374、図35の処理部200、音生成部250、音出力部350、図41のステップS120,S122)と、を備えたゲーム装置である。
【0016】
第4及び第19の発明によれば、プレーヤの音声をデータ化した発声データを他ゲーム装置に送信することができる。反対に、他ゲーム装置から発声データを受信した場合には、受信した当該データを音声認識によって解析し、対応する発言内容を読み上げる音声データを抽出し、これを再生することができる。
従って、プレーヤが発音するだけでチャットが可能になるので、音声チャットのように発言に伴うプレーヤキャラクタの操作中断を低減できる。
また、音声チャットのように発言をベースにしつつも、受信した側で発言を再生する際には、予め発言種類別に収録されている音声データを抽出・再生する。よって、仮に発言者が誹謗・中傷といった発言をしたとしてもそれが受信側では再生されることなく発言の趣旨だけが伝わるので、プレーヤは気持ちよくゲームを楽しむことができる。
【0017】
第5の発明は、前記ゲームが複数のプレーヤが通信対戦するゲームであり、前記音声データには、同種の発言内容であるが親密度合いが異なる読み上げ方で読み上げられる音声データ(例えば、図16〜図17の発言セット527、詳細選択条件527c、発言ID527d、発言音声データ527e、ログ表示用テキスト527g)が用意されており、自プレーヤと各他プレーヤとのプレイ履歴を取得するプレイ履歴取得手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、通信制御部270、通信部370、情報記憶媒体リーダライター部130、携帯型情報記憶媒体140、マッチングデータ530、図19の通算プレイ回数530g、通算対戦回数530h)として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記音声データ抽出手段が、前記受信手段が受信した発言種類の情報の送出元ゲーム装置のプレーヤと自ゲーム装置のプレーヤとの前記プレイ履歴取得手段により取得されたプレイ履歴に基づいて、対応する親密度合いの読み上げ方の音声データを抽出するように前記コンピュータを機能させる、ための第1〜第4の何れかの発明のプログラムである。
【0018】
第5の発明によれば、第1〜第4の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、自ゲーム装置のプレーヤ(自プレーヤ)と他ゲーム装置のプレーヤ(他プレーヤ)とが一緒にプレイした履歴で両者の親密度を判定することができる。履歴としては、単純にプレイした回数としても良いし、勝敗の比率(例えば、一方に勝利数が偏っている場合には親密度が高くないと判定するなどしても良い)から親密度合いを判定するとしても良い。
【0019】
第6の発明は、前記音声認識手段が、プレーヤの発声したキーワード及びそのキーワードの発声順を識別するキーワード順次識別手段(例えば、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、図21のステップS74)を有し、
前記発言種類特定手段が、前記キーワード順次識別手段により識別されたキーワード及びそのキーワードの発声順を用いて発言種類を特定するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第5の何れかの発明のプログラムである。
【0020】
第6の発明によれば、第1〜第5の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、複数のキーワードの識別順を用いて発言種類を特定することができる。よって、発言種類に多様性を持たせることができる。
【0021】
第7の発明は、各プレーヤに対応付けて予め定められた効果音データの中から、前記受信手段が受信した発言種類の情報の送出元ゲーム装置のプレーヤに応じた効果音データを抽出する効果音データ抽出手段(例えば、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、図23のステップS112)として前記コンピュータを機能させ、
前記音出力制御手段が、前記効果音データ抽出手段によって抽出された効果音データに基づく音と、前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づく音との再生順番及び合成再生を制御するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第6の何れかの発明のプログラムである。
【0022】
第7の発明によれは、第1〜第6の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、発言の送出元ゲーム装置のプレーヤ、つまりはプレーヤが使用するキャラクタ種類に応じた効果音を選択し、発言の音声データを再生する際に合成することができる。例えば、合成に際しては再生対象の複数の音声データを相互にオーバーラップさせるようにする事も可能であり、その場合には音声データの順次再生のタイムラグに生じる無音状態を解消して、発言音声の途切れによる違和感を緩和することができる。
【0023】
第8の発明は、前記ゲームは複数のプレーヤでグループを編成してグループ間で対戦ゲームであって、前記音出力制御手段が、前記受信手段が受信した情報の送出元ゲーム装置のプレーヤが属するグループと自ゲーム装置のプレーヤが属するグループとの異同に基づいて音を加工して出力するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第7の何れかの発明のプログラムである。
【0024】
音の加工としては、例えば無線通信に混じるノイズ、音声の圧縮や解凍処理に含まれる音の変調やノイズ、エコー、とぎれなどが適宜設定可能である。
第8の発明によれば、第1〜第7の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、同じグループ間で交わされるチャットなのか、異なるグループ間で交わされるチャットなのかによって、加工された音の様子に変化がつけられるため、これをプレーヤに認識させることができる。
また、特に無線通信に混じるノイズや途切れの種類を違えて音加工すると、戦場での味方同士の通信と、敵無線の傍受といったシチュエーションの違いをリアルに再現できるので、グループを編成しての対戦ゲームに好適である。
【0025】
第9の発明は、前記音出力制御手段が、ゲーム進行状況に応じて予め定められた状況対応音声データ(例えば、図26の状況対応語ライブラリ556、状況対応音声データ557d)を、前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データとともに音出力制御するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第8の何れかの発明のプログラムである。
【0026】
状況対応音声データとしては、例えば、ゲーム成績の良し悪しの度合い、グループ間での対戦ゲームならば戦況の良し悪し度合い、発言者が使用するプレーヤキャラクタの耐力値と言った状態、同キャラクタを囲む敵の数などによって発言に付与される言葉である。例えば、上官が部隊の兵士に指令を出すシチュエーションにおいて、自軍の戦況が有利或いは想定通りに進んでいる場合には、「右の建物に向かえ」という命令(発言)の前後に「いいぞ」を付け、「いいぞ。右の建物に向かえ。」と言うであろう。反対に戦況が不利、或いは想定が覆されているような場合には「ぼさっとするな」を付け、「ぼさっとするな!右の建物に向かえ。」と言うであろう。このシチュエーションでは「いいぞ」や「ぼさっとするな」が状況対応語となり、これを読み上げた音声データが状況対応音声データとなる。
【0027】
第9の発明によれば、第1〜第8の何れかの発明と同様の効果を奏するとともに、こうした状況に応じて発言者の心境や感情が変化している単語を実際にプレーヤが発声しなくとも、自動的に発言に付与し再生することができるので、予め用意されている音声を再生するだけでも、より人間的でリアルなチャットを実現することができる。
【0028】
第10の発明は、ゲーム進行状況に基づいて複数の発言種類の中から前記発言種類特定手段が特定し得る発言種類の候補を選択する状況対応発言種類候補選択手段(例えば、図7の処理部200、発言選択送信制御部216、発言セット選択条件TBL524、図21のステップS68〜S70)、
前記状況対応発言種類候補選択手段によって選択された発言種類の候補を画像表示させるように制御する発言種類画像表示制御手段(例えば、図7の処理部200、画像生成部260、図21のステップS72)、として前記コンピュータを機能させ、
前記発言種類特定手段が、前記状況対応発言種類候補選択手段によって選択された発言種類の候補の中から発言種類を特定するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第9の何れかの発明のプログラムである。
【0029】
第10の発明によれば、第1〜第9の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、多数存在する発言種類の中から候補を選択するとともに、ゲーム画面に表示させることができる。従って、プレーヤは今現在自分が発言できる内容或いはするべき内容、その発言の表現の仕方などをゲームをプレイしながら学習することができる。
よって、徐々にゲーム内容に適切な発言内容や表現の仕方に慣れることで、ゲームの世界観をより強く体験できる。また、特に他プレーヤとの共同でゲームをする場合にはチームプレイの質を向上させるように作用するので、プレーヤがよりゲームを楽しめるようになるサポート効果が得られる。
【0030】
第11の発明は、ゲーム開始からのプレイ時間又は所定の時間制限までの残時間を算出する計時手段として前記コンピュータを機能させ、
前記状況対応発言種類候補選択手段が、前記ゲーム進行状況の一パラメータとして前記プレイ時間又は前記残時間を用いて発言種類の候補を選択するように前記コンピュータを機能させるための第10の発明のプログラムである。
【0031】
第11の発明によれば、第10の発明と同様の効果を奏するとともに、発言種類の候補をゲームプレイ時間又は残時間を参考にして選択することができる。例えば、ゲーム開始直後のプレーヤ間の打ち合わせに係る発言や、ゲーム終了間際の意思統一・作戦確認に係る発言といった具合に時間経過に応じて使用頻度が変化する発言を適切なタイミングで利用できるようになる。特に、制限時間付のチーム対戦形式のマルチプレイゲームなどで、ゲームの楽しさ、ゲームプレイの奥深さを増すための工夫として特に有益である。
【0032】
第12の発明は、前記ゲームが対戦ゲームであって、ゲームの進行に伴って自プレーヤ側及び/又は相手プレーヤ側の戦況を示す戦況指数を算出する戦況指数算出手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、図20のステップS6、S24)として前記コンピュータを機能させ、
前記状況対応発言種類候補選択手段が、前記ゲーム進行状況の一パラメータとして前記戦況指数を用いて発言種類の候補を選択するように前記コンピュータを機能させるための第10又は第11の発明のプログラムである。
【0033】
第12の発明によれば、第10又は第11の発明と同様の効果を奏するとともに、対戦するチーム別の優勢/劣勢度合に応じて発言種類の候補を選択することができる。例えば、戦況に応じた作戦変更に係る発言を適切なタイミングで利用可能になる。また、同じ内容の発言でも、戦況の度合に応じて異なる発言を選択することで多様性を持たせることできるので、直接的な音声チャットでなくとも高い柔軟性、リアリティを実現できる。
【0034】
第13の発明は、前記ゲームが登場キャラクタが互いに交戦し、交戦によって受けたダメージによってプレーヤキャラクタが行動不能になるゲームであって、
ゲームの進行に伴って各キャラクタのダメージを算出するダメージ算出手段(例えば、図7の処理部200、ゲーム演算部210、図20のステップS24)として前記コンピュータを機能させ、前記状況対応発言種類候補選択手段が、前記ゲーム進行状況の一パラメータとして自ゲーム装置のプレーヤキャラクタの前記ダメージを用いて発言種類の候補を選択するように前記コンピュータを機能させるための第10〜第12の何れかの発明のプログラムである。
【0035】
第13の発明は、第10〜第12の何れかの発明と同様の効果を奏するとともに、自ゲーム装置に為された操作入力に従って動作制御されるプレーヤキャラクタ(自プレーヤキャラクタ)のダメージ度合に応じて発言種類の候補を選択できる。従って、例えば同じように味方に救援を求める発言をする場合でも、ダメージが少ない状態とダメージが多く、とにかく急いで助けて欲しい状態とで異なる発言の台詞を設定し、使い分けることができるようになる。よって、より発言に多様性を持たせ、高い柔軟性とリアリティとを実現できる。
【0036】
第14の発明は、前記音声データ抽出手段が、各プレーヤに対応付けて予め定められた音声役者別の音声データのうち、前記受信手段が受信した情報の送出元ゲーム装置のプレーヤに対応する音声役者の音声データの中から、該当する音声データを抽出するように前記コンピュータを機能させるための第1〜第13の何れか一項に記載のプログラムである。
【0037】
第14の発明によれば、第1〜第13の発明の何れかと同様の効果を奏するとともに、音声データは、各プレーヤに対応付けて予め定められた音声役者によって演じられる。例えば、各プレーヤが使用するプレーヤキャラクタそれぞれを演じる声優が予め用意されていて、その声優が発言内容を読み上げた音声データとなっている。従って、再生される発言の音声は一般人が音声チャットする場合よりも格段に聞き易く、またゲームの雰囲気を高める効果を生む。
【0038】
第15の発明は、前記コンピュータが、プレーヤが所有し、音声役者を特定可能な当該プレーヤの固有情報(例えば、図8の使用キャラクタ種類148)が記録された外部記録媒体(例えば、図2のゲームカード1332)から前記固有情報を読み取る読み取り手段(例えば、図2のゲームカードリーダライター1330、図7の情報記憶媒体リーダライター部130)を備えており、
前記送信手段が、更に、前記読み取り手段により読み取られた前記固有情報を送信し、
前記受信手段が、更に、前記他ゲーム装置から前記固有情報を受信し(例えば、図19のマッチングデータ530、使用キャラクタ種類530f)、
前記音声データ抽出手段が、前記受信手段により受信された固有情報に基づいて音声役者を特定して、特定した音声役者の音声データの中から発言内容を読み上げる、ように前
記コンピュータを機能させるための第14の発明のプログラムである。
【0039】
第15の発明によれば、第14の発明と同様の効果を奏するとともに、プレーヤが使用するプレーヤキャラクタを担当する音声役者、所謂声優によって読み上げられた発言の音声データが選択されて再生される。
【0040】
第16の発明は、前記ゲームが、所定の映像著作物の世界観を踏襲したゲームであり、
プレーヤが前記映像著作物の登場人物を選択する人物選択手段(例えば、図7の操作入力部100、処理部200、ゲーム演算部210、図20のステップS3)、
前記人物選択手段によって選択された登場人物を他ゲーム装置に通知する通知手段(例えば、図7の処理部200、マッチング処理部212、通信制御部270、通信部370、図20のステップS4)、として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記音声データ抽出手段は、前記映像著作物の登場人物別に音声役者が収録した音声データの中から、前記受信手段が受信した情報の送出元ゲーム装置のプレーヤが選択した登場人物に対応する音声データを抽出するように前記コンピュータを機能させるための第14の何れかの発明のプログラムである。
【0041】
映像著作物とは、映画、ビデオグラム、イメージのスクリプト制御による動画表示ファイルなど、映像と音声とがセットで形成されたものが含まれる。
第16の発明によれば、第14の何れかの発明と同様の効果を奏するとともに、発言の音声を像著作物の登場人物別の声で再生することができる。従来公知のオンラインマルチプレイゲームとして既存の映像著作物の世界観を踏襲したものは知られるところである。しかし、ゲーム中に音声チャットをするとその世界の登場人物とは似ても似つかないリアルな人(プレーヤ)の声が聞こえるために、せっかくゲームに集中してその世界観に没入していても、音声チャットで現実に引き戻されるといった味気なさを感じる場合が有った。ところが、本発明によれば、それを回避しプレーヤがよりゲーム世界への没入感を感じられるようにできる。
【0042】
第17の発明は、第1〜第16の何れか一つのプログラムを記憶したコンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体である。ここで言う「情報記憶媒体」とは、例えば磁気ディスクや光学ディスク、ICメモリなどを含む。本発明によれば、第1〜第16の何れか一つの発明のプログラムをコンピュータに読み取らせて実行させることによって、コンピュータに第1〜16の何れか一つの発明と同様の効果を発揮させることができる。
【発明の効果】
【0043】
本発明によれば、プレーヤの音声を音声認識して発言種類を特定し、特定された発言種類の情報を他ゲーム装置に送信することができる。反対に、他ゲーム装置から発言種類の情報を受信した場合には、受信した当該情報に対応する発言内容を読み上げる音声データを抽出し、これを再生することができる。従って、プレーヤが発音するだけでチャットが可能になるので、音声チャットのように発言に伴うプレーヤキャラクタの操作中断を低減できる。
【0044】
また、発言の内容や文言の多少に係わらず、データ通信は発言種類の情報に置換されて行われるので、テキストチャットのような低データ通信量を実現できる。
また、音声チャットのように発言をベースにしつつも、受信した側で発言を再生する際には、予め発言種類別に収録されている音声データを抽出・再生する。よって、仮に発言者が誹謗・中傷といった発言をしたとしてもそれが受信側では再生されることなく発言の趣旨だけが伝わるので、プレーヤは気持ちよくゲームを楽しむことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0045】
〔第1実施形態〕
次に、本発明を適用した第1実施形態として、複数のプレーヤが2チーム(2グループ)に分かれて対戦するオンラインマルチプレイゲームを実行する例を挙げて説明する。
【0046】
[システムの構成]
図1は、本実施形態におけるシステム構成例を示す図である。同図に示すように、複数の業務用ゲーム装置1300(1300−1〜1300−8)が、インターネットやローカルネットワーク、専用回線網、その他の回線網、及び通信を仲介する中継装置等でなる通信回線1を介して互いにデータ送受信可能に接続され、一台の業務用ゲーム装置1300を一人のプレーヤが使用する。本実施形態では4人1チーム合計8人がプレイするために8台の業務用ゲーム装置1300が図示されているが、1チーム当たりの業務用ゲーム装置1300の台数は適宜設定することができる。
【0047】
データ通信の形式については、ゲームスタート時にマッチングサーバ1400にアクセスして互いのIPアドレス等の情報を取得した後、ピアツーピア形式で実現するとしても良いし、マッチングサーバ1400を使用したクライアント/サーバー型で実現しても良く、公知のオンラインマルチプレイ対応のシステム構成を適宜適用できる。
【0048】
[業務用ゲーム装置の構成]
図2は、業務用ゲーム装置1300の構成例を示す斜視外観図である。業務用ゲーム装置1300は、ゲーム装置本体1301の前方に突設された操作台1304に、プレーヤが各種操作入力をするためのジョイスティック1306や複数のプッシュスイッチ1308といった入力デバイスを備える。また、ゲーム装置本体1301の上部には、ゲーム画像を表示させるための液晶パネルディスプレイやCRTといったビデオモニタ1322と、ゲーム音や効果音を放音するスピーカ1324と、携行型の情報記憶媒体であるゲームカード1332からのデータ読み出しや書き込みをするゲームカードリーダライター1330とを備える。そして、ゲーム装置本体1301の下部及び内部には、コインカウンタ1340と、制御ユニット1310と、図示されない電源装置とを備える。更に、マイク1372とヘッドホン1374を一体に備えたチャット用のヘッドセット1370を備える。
【0049】
制御ユニット1310は、CPU(Central Processing Unit)やGPU(Graphics Processing Unit)及びDSP(Digital Signal Processor)などの各種マイクロプロセッサ、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)、ICメモリなどの電気電子機器を備えたいわゆるコンピュータ基板を構成する。また、制御ユニット1310は通信装置1312を備え、インターネットやLAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)と言った通信回線1と有線又は無線接続し、外部装置(特に同型の他の業務用ゲーム装置1300やマッチングサーバ1400)との間でデータ通信を実現する。そして、制御ユニット1310は、搭載されているICメモリやハードディスクなどの情報記憶媒体からシステムプログラムやゲームプログラムを読み出して演算処理し、業務用ゲーム装置1300の各部を制御する。
【0050】
業務用ゲーム装置1300でオンラインマルチプレイゲームをプレイするためには、プレーヤは公知のオンラインマルチプレイゲームと同様に、事前にプレーヤ登録してプレーヤ情報(例えば、ハンドルネーム、使用するキャラクタの種類など)を記憶したゲームカード1332を入手する必要が有る。ゲームプレイに際しては、業務用ゲーム装置1300のゲームカードリーダライター1330にこれを差し込み、記憶されているプレーヤ情報を読み取らせる必要がある。プレーヤ登録及びゲームカード1332の発行は、公知のように別途専用の登録装置を設けて行うとしても良いし、業務用ゲーム装置1300が行うとしても良い。尚、プレーヤ登録情報はゲームカード1332の他にマッチングサーバ1400においても記憶・管理される。
【0051】
さて、コインカウンタ1340で所定額のコインの投入を検出したならば、制御ユニット1310がゲームプログラムとともに、ヘッドセット1370で集音したプレーヤの声を音声認識するための音声認識プログラムを読み出して実行し、業務用ゲーム装置1300は本発明を実現するゲーム装置として機能する。
【0052】
業務用ゲーム装置1300は、ゲーム開始に際して先ずゲームカードリーダライター1330でプレーヤのゲームカード1332からプレーヤ情報を読み出す。そして、公知のオンラインマルチプレイゲームと同様にマッチングサーバ1400にアクセスしてマッチング処理を行い、参加する他の業務用ゲーム装置1300(以下、単に「他ゲーム装置」とも言う。)のデータ送信先を特定するための情報(例えばIPアドレス)やプレーヤ情報を取得する。そして、ゲームプレイ中は、ジョイスティック1306やプッシュスイッチ1308に為された操作入力に基づく操作コードや、ヘッドセット1370のマイク1372で集音したプレーヤの声の音声認識結果から選択された発言ID(チャットの一発言に相当する発言種類を示す情報)を他ゲーム装置に所定サイクルで送信する一方、他ゲーム装置からは同様に送出された操作コードや発言IDを受信する。
【0053】
業務用ゲーム装置1300は、他ゲーム装置から受信した操作コードと自ゲーム装置への操作入力に基づく操作コードとに基づいて、仮想3次元空間内に形成されたゲーム空間に配置されたプレーヤキャラクタの動作等を制御する。そして、その様子を仮想カメラで撮影した画像をゲーム画面として生成し、適当なタイミングでBGMや効果音などのゲーム音を生成する。生成したゲーム画面はビデオモニタ1322で表示され、生成したゲーム音はスピーカ1324で放音される。プレーヤはビデオモニタ1322に映し出されるゲーム画面を見つつ、スピーカ1324から放音されるゲーム音を聞きつつゲームをプレイする。また、業務用ゲーム装置1300は、発言IDを受信したならば、予め用意されている音声データの中から受信した発言IDに対応する音声データを抽出して再生処理し、ヘッドホン1374から再生させる。
【0054】
[ゲーム概要の説明]
図3は、本実施形態におけるオンラインマルチプレイゲームの概要を説明するための図である。本実施形態では、4人1チーム(4人1グループ)を編成し、2チームが一つのゲーム空間10で銃器等の武器を使って交戦する対戦ゲームを実行する。
【0055】
例えば同図に示すように、仮想方位南北に長い直方体領域をゲーム空間10とし、各所に障害物12を配置するとともに南端及び北端それぞれに各チームの拠点14a、14bを配置する。一方のチームは戦車を含む合計4体のプレーヤキャラクタ20a、20b、20c、20dで編成され、他方のチームも戦車を含む合計4体のプレーヤキャラクタ22a、22b、22c、22dで編成されている。各プレーヤキャラクタは、業務用ゲーム装置1300と一対一で対応し、各プレーヤの操作入力に従って行動制御される。
【0056】
図4は、本実施形態におけるオンラインマルチプレイゲームにおけるゲーム画面例を示す図である。各業務用ゲーム装置1300にて表示されるゲーム画面W2は、各ゲーム装置が対応づけられたプレーヤキャラクタの一人称視点で描かれる。
【0057】
ゲーム画面内には、方位表示31や、マップ表示部32、照準マーク33、選択武器表示部34、ヒットポイントゲージ36、戦況指数表示部38、発言ログ表示部40が表示される。
【0058】
ヒットポイントゲージ36は、自プレーヤキャラクタの現在のヒットポイント値を示すゲージである。ヒットポイントが「0」になると戦闘不能になる。
戦況指数表示部38は、味方チームと敵チームとの戦況の優劣具合をバーの長さで示す。バーが中央より右側に伸びていれば味方が優勢、中央より左側なら劣勢に相当する。戦況指数そのものは、チーム対戦形式の公知ゲームの技術を適宜応用できる。例えば各チーム毎の指数が全プレーヤキャラクタのヒットポイント総合計が多い程高く、行動不能なプレーヤキャラクタが多いほど低くなるといった具合に所定のルールで算定され、算定された各チーム毎の指数の比で算出される。
【0059】
発言ログ表示部40には、他ゲーム装置から受信した発言IDに対応する発言テキスト42が、当該発言の送信元(送出元)を示す送信元識別表示44とともに受信順にスクロール表示される。
【0060】
プレーヤは、味方チームの他のプレーヤとチャットしてコミュニケーションをとりながら自プレーヤキャラクタを移動させ、画面内に表示される照準マーク33を視界内の敵チームのプレーヤキャラクタや拠点に合わせ射撃してこれを破壊する。チームを構成するプレーヤキャラクタ全てが戦闘不能になった場合、又は拠点が破壊された場合に、当該チームの負けとなる。
【0061】
[チャットの説明]
図5は、本実施形態におけるチャットにおける発言ルールを示す図であり、2号機(味方)に相当する業務用ゲーム装置1300−2のプレーヤから「2号機だ。敵に囲まれた!」との救援要請を受けて、3号機に相当する業務用ゲーム装置1300−3のプレーヤが味方チーム全員に対して2号機の援護に向かう旨発言したものである。
【0062】
本実施形態におけるチャットは、基本的には同チームの全プレーヤへ向けて発信される。同チームの他ゲーム装置へは生の音声データやキーボード等で入力されたテキストデータは送信されない。プレーヤの発した音声から音声認識によってキーワードをテキスト化し、予め登録されているキーワードを元に発言IDを判別し送信する。そして、発言IDを受信した側は、受信した発言IDに対応して予め用意されている発言音声データを再生することで疑似音声通信タイプのチャットを実現する。
【0063】
具体的には、ゲーム開始前に、発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50、宛先識別キーワード52、発言識別キーワード54、発言終了キーワード兼送信許可キーワード56、の各情報をこれらの順番で含めて発言するようにルール確認される。
【0064】
本実施形態のプレーヤキャラクタは、パイロットが搭乗するロボットや戦車などの移動兵器という設定なのでチャットは警察無線や軍事無線のような体裁をとる。そこで、発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50及び宛先識別キーワード52は、一方のチームでは「1号機」〜「4号機」、他方のチームでは「5号機」〜「8号機」といった呼称を使用する。勿論、これらに限らず各プレーヤのハンドルネームなどを適宜設定可能である。プレーヤキャラクタが兵器でなく人や動物などならばそのゲームでの名前でも良い。そして、これら各個呼称、味方全機対象を示す「各機」や「全機」、「1号機と2号機」や「1号機と3号機」といった呼称の組み合わせが、音声認識用の辞書データに予め登録されており音声認識可能になっている。
【0065】
また、発言識別キーワード54向けのキーワードとしては、ゲーム内で想定される会話に必要なキーワードが適宜設定されている。例えば本実施形態ではチームプレイによる攻撃・守備の作戦に関する「了解」「肯定」「否定」「不明」「援護」「挟撃」「裏に回る」「足止め」「救援」「移動」「先行」といった用語が設定されている。これらも音声認識用の辞書データに予め登録されている。
【0066】
発言終了キーワード兼送信許可キーワード56は、チャットの発言が終了したことを示し、また現在選択状態の発言内容で送信を許可するキーワードである。これも音声認識用の辞書データに予め登録されている。
【0067】
図6は、本実施形態におけるチャットの送受信に係る概念を説明するための図であって、図中(1)〜(3)の順で処理が進行する様子を示している。制御ユニット1310は、音声認識用の辞書データに予め登録されている上述のようなキーワードを認識する。そして、その認識順番から、当該発言の開始、発言の宛先、発言の内容、発言の終了・送信許可を判定する。
【0068】
具体的には、先ず図6(1)に示すように、業務用ゲーム装置1300−3のプレーヤP3が、「こちら3号機。」と発声すると、制御ユニット1310は音声認識によって自ゲーム装置における発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50のキーワード「3号機」を認識し、これからチャットの発言が開始されると判定する。
そして、発言セット自動選択処理を実行し、予め登録されている複数カテゴリーの発言セットの中から現在のゲーム進行状況に適当な発言セットを選択し、選択した発言セットに含まれる発言(メッセージ)の候補表示用テキスト61をゲーム画面内の発言候補表示部60に表示制御する。プレーヤは、この表示を見る事でゲームの世界観において現状適当な発言内容を知ることができる。
【0069】
図6(2)に示すように、業務用ゲーム装置1300−3のプレーヤP3が更に「各機へ。自分が援護に向かう!」と続けて発声すると、制御ユニット1310は音声認識処理によって、2番目のキーワードから宛先識別キーワード52に当たる「各機へ」と認識し、3番目以降のキーワードから発言識別キーワード54に相当する「援護」を認識する。そして、発言候補表示部60の該当発言の候補表示用テキストを強調表示するなどの特別な表示形態で表示制御して、現在選択されている発言種類をプレーヤに示す。
【0070】
図6(3)に示すように、プレーヤP3は特別に表示されている発言の候補表示用テキスト61を確認して、自身の発言の意図と相違なければ発言終了キーワード兼送信許可キーワード56に当たる「オーバー」を発声してチャット発言を終了する。
制御ユニット1310は、発言終了キーワード兼送信許可キーワード56を音声認識処理によって検出し、発言が終了し且つ送信許可が為されたと判断する。そして、宛先識別キーワード52に対応する宛先IDと、発言識別キーワード54に予め対応づけられている発言IDとを、(この例の宛先識別キーワード52が味方チームそれぞれを意味する「各機」なので)味方チームの全ての他ゲーム装置へ送信する。
【0071】
各業務用ゲーム装置1300の内部記憶装置には、予め複数の宛先ID及び発言IDと対応づけて、宛先を読み上げる宛先音声データや発言を読み上げる発言音声データを記憶しており、業務用ゲーム装置1300−3から受信した宛先ID及び発言IDに対応する宛先音声データ63と発言音声データ64とを抽出・再生処理してヘッドホン1374から放音させる。
【0072】
本実施形態では、発言音声データ64は本ゲームの元になった世界観を有する映画において、各プレーヤキャラクタを操縦するパイロットの声優別に予め収録されており、3号機から受信した発言IDを受信した場合には、3号機のプレーヤキャラクタのパイロットの声で収録された宛先音声データ63と発言音声データ64とが再生される。
【0073】
また、発言音声データ64で演じられる実際の台詞(つまりは発言)は趣旨が同じであれば良く、発言候補表示部60に表示される候補表示用テキスト61やプレーヤP3の発言と同じでなくても良い。同図の例では、業務用ゲーム装置1300−2で再生される「3号機だ!援護はまかせろ!」といった音声は、プレーヤP3の実際の発言と異なるがゲームの元になった映画作品中で3号機を操縦するパイロットの声で同じ趣旨の発言をしている。すなわち、チャットの使用に際しては、発言(メッセージ)の文言の並びとしての厳密さは要求されず、発言の趣旨を示すキーワードが含まれていれば良い。この例では、発言識別キーワード54に「援護」というキーワードさえ含まれていれば、プレーヤP3は「援護に行く」と発声しても良いし、「援護まかせろ」と発声しても良いことになる。
【0074】
このように本実施形態によれば、プレーヤは公知の音声チャットの利便性はそのままに、ジョイスティック1306や、ボタンスイッチ1308から手を離さずに他プレーヤとリアルタイムにコミュニケーションができる。
【0075】
また、発言セットが自動選択されて発言候補表示部60に表示されるので、いたずらにゲーム画面を多数の発言候補で埋めてしまう状態を防ぎ、視認性を高めることができる。そして、プレーヤP3は、発言候補表示部60の表示を見て、本ゲームの世界観から見た適当な発言の表現(例えば、味方同士を号機番号で呼称するパイロット風の表現、YES/NOを了解/否定と表現する警察・軍隊風の応答表現など)や、ゲームの進行状況に応じて交わされる適当な内容(例えば、チームとしての戦い方を左右する相互の位置や状況の報告の仕方)を知ることができる。従って、発言候補表示部60の表示を利用することで、プレーヤはゲームへのより高い没入感が得られるとともに本ゲームの醍醐味の一つであるチーム戦術性の理解や効率的な利用の習得を早めることができる。
しかも、従来の音声チャットのようにそのまま発言の声が相手に伝わるわけではないので、羞恥心を忘れて映画作品内のパイロットになり切ってチャットでは自分なりの言い回しで発言をして、ゲームを楽しむことができる。つまり、高いゲーム操作性とゲームへの没入感が得られる。
【0076】
一方、発言を受信し再生する側では、予め登録されている声優の声で規定の台詞が再生されるので、仮に送信側のプレーヤの発言に誹謗や中傷といったマナーに反した内容が含まれていたとしてもそれらが再生されることはなく、受信側のプレーヤは気持ちよく発言を聞くことができる。また、その音声は映画作品における声優によって演じられているので、受信側のプレーヤも高いゲームへの没入感が得られる。
【0077】
[機能ブロックの説明]
次に、こうしたチャットを実現するための機能構成について説明する。
図7は、本実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように本実施形態では、操作入力部100と、情報記憶媒体リーダライター部130と、処理部200と、音出力部350と、画像表示部360と、通信部370と、記憶部500とを備える。
【0078】
操作入力部100は、プレーヤによって為された各種の操作入力に応じて操作入力信号を処理部200に出力する。本実施形態では音声入力部110を含む。図2では、ジョイスティック1306、プッシュスイッチ1308、ヘッドセット1370のマイク1372(音声入力部110相当)が操作入力部100に該当する。
【0079】
情報記憶媒体リーダライター部130は、プレーヤ情報142等を記憶した外部記憶媒体である携行型情報記憶媒体140からデータを読み出したりデータを書き込むことのできる装置である。例えば、携行型情報記憶媒体140であるゲームカード1332が磁気カードであれば磁気カードリーダーライター装置、ICカードであればICカードリーダーライター装置で実現される。図2のゲームカードリーダライター1330がこれに該当する。
【0080】
プレーヤ情報142には、例えば図8に示すように、プレーヤID144と、ハンドルネーム146と、プレーヤキャラクタの種類を示す使用キャラクタ種類148と、プレーヤが参加したチームの通算成績150と、ゲーム世界における階級152の情報が含まれている。また更に、今まで味方として一緒にゲームプレイしたことのある他プレーヤIDと、その他プレーヤと遊んだ通算プレイ回数とを対応付けて格納する味方プレーヤ履歴154を含む。また、今まで敵としてゲームプレイしたことのある他プレーヤIDと、その他プレーヤと遊んだ通算プレイ回数とを対応付けて格納する対戦プレーヤ履歴156を含む。これらの情報管理は、公知のオンラインマルチプレイゲームにおけるプレーヤ情報142の管理と同様に実現され、本実施形態ではプレーヤID144及びハンドルネーム146はプレーヤ登録時に決定される。使用キャラクタ種類148はプレーヤ登録時又はゲーム開始時に決定・更新され、それ以外はゲーム終了時に随時更新される。
【0081】
処理部200は、例えばマイクロプロセッサやASIC(特定用途向け集積回路)、ICメモリなどの電子部品によって実現され、操作入力部100や記憶部500を含む各機能部との間でデータの入出力を行うとともに、所定のプログラムやデータ、操作入力部100からの操作入力信号に基づいて各種の演算処理を実行して、業務用ゲーム装置1300の動作を制御する。図2では、ゲーム装置本体1301に内蔵された制御ユニット1310が処理部200に該当する。
そして本実施形態における処理部200は、ゲーム演算部210と、音生成部250と、画像生成部260と、通信制御部270とを備える。
【0082】
ゲーム演算部210は、ゲームの進行に係る処理を実行する。例えば、ゲーム開始前に自プレーヤキャラクタの使用キャラクタ種類の選択・設定処理、ゲーム空間を仮想3次元空間中に形成する処理、仮想3次元空間中に配置されたプレーヤキャラクタの動作制御処理、ヒット判定処理、物理演算処理、参加チームの戦況を示す戦況指数の算出処理、レーダ画面等のゲーム画面を構成する各要素(例えば、図4の方位表示31や、マップ表示部32、ヒットポイントゲージ36、戦況指数表示部38など)の生成に係る処理などが実行対象に含まれる。そして、本実施形態のゲーム演算部210は、マッチング処理部212と、自操作コード送信制御部214と、発言選択送信制御部216と、音声データ抽出部230と、音声認識部232とを含んでいる。
【0083】
マッチング処理部212は、ゲーム開始に際してマッチングサーバ1400にアクセスしてゲームに参加する互いのIPアドレス等の情報を交換・取得する所謂「マッチング処理」を実行する。本実施形態では1チーム4プレーヤキャラクタで構成され、一方のチームが1号機〜4号機で編成され、他方のチームが5号機〜8号機で編成されるので、自ゲーム装置を含む合計8台分の業務用ゲーム装置のIPアドレス及び各プレーヤのプレーヤ情報などを取得することができる。そして、マッチング処理で得られた情報は、記憶部500にマッチングデータ530として記憶する。
【0084】
自操作コード送信制御部214は、操作入力部100から入力された操作入力信号に基づく自プレーヤキャラクタの動作制御に関する信号を、所定サイクルでゲームに参加する全ての他ゲーム装置に自動送信制御する。
【0085】
発言選択送信制御部216は、音声入力部110から入力されたプレーヤの発声に基づいて予め用意されている複数種類の中から発言種類を特定して他ゲーム装置に送信制御する。具体的には、音声認識部232による音声認識結果を所定のキーワードと照合することによって、(1)発言の開始の判定、(2)発言を伝えたい相手先の宛先IDの特定処理を実行する。次いで、(3)ゲーム進行状況やプレーヤ情報に基づく発言セットを選択し、(4)音声認識部232による音声認識結果を所定のキーワードと照合することによって選択された発言セットに含まれる候補の中から一の発言(メッセージ)を特定し発言IDを選択する。更に(5)発言終了を判定して、特定された宛先ID及び発言IDを味方チームの他ゲーム装置に向けて送信させる処理を実行する。
【0086】
音声データ抽出部230は、他ゲーム装置から受信した宛先IDや発言IDなどに対応する音声データを記憶部500より抽出し、音生成部250に再生処理させて音出力部350より放音させる。
【0087】
音声認識部232は、音声入力部110で集音された音に含まれるプレーヤの声から、同プレーヤの発した言葉を認識し、テキストデータとして出力することができる。尚、音声認識部232は、公知の音声認識技術を適宜利用することで実現できる。
【0088】
音生成部250は、例えばデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサやその制御プログラムによって実現され、ゲーム演算部210による処理結果に基づいてゲームに係る効果音やBGM、各種操作音、宛先音声データや発言音声データなどの音源・音声データに基づいて音信号を生成し、音出力部350に出力する。
【0089】
音出力部350は、音生成部250から出力された音信号に基づいて効果音やBGM等を音出力する装置によって実現される。図2ではスピーカ1324及びヘッドセット1370のヘッドホン1374がこれに該当する。
【0090】
画像生成部260は、例えば、GPUやデジタルシグナルプロセッサ(DSP)などのプロセッサ、その制御プログラム、フレームバッファ等の描画フレーム用ICメモリ等によって実現される。画像生成部260は、ゲーム演算部210による処理結果に基づいて1フレーム時間(例えば1/60秒)で1枚のゲーム画像を生成し、生成したゲーム画像の画像信号を画像表示部360に出力する。
【0091】
画像表示部360は、画像生成部260から出力される画像信号に基づいて各種ゲーム画像を表示する。例えば、フラットパネルディスプレイ、ブラウン管(CRT)、プロジェクター、ヘッドマウントディスプレイといった画像表示デバイスによって実現できる。図2ではビデオモニタ1322が該当する。
【0092】
通信制御部270は、データ通信に係るデータ処理を実行し、通信部370を介して外部装置(本実施形態では他ゲーム装置)とのデータのやりとりを実現する。
【0093】
通信部370は、通信回線2と接続して通信を実現する。例えば、無線通信機、モデム、TA(ターミナルアダプタ)、有線用の通信ケーブルのジャックや制御回路等によって実現され、図2では通信装置1312がこれに該当する。
【0094】
記憶部500は、処理部200に業務用ゲーム装置1300を統合的に制御させるための諸機能を実現するためのシステムプログラムや、ゲームを実行させるために必要なゲームプログラム、各種データ等を記憶する。また、処理部200の作業領域として用いられ、処理部200が各種プログラムに従って実行した演算結果や操作部100から入力される入力データ等を一時的に記憶する。この機能は、例えばRAMやROMなどのICメモリ、ハードディスク等の磁気ディスク、CD−ROMやDVDなどの光学ディスク、磁気カード、ICカードなどによって実現される。
【0095】
本実施形態では、記憶部500はシステムプログラム501と、ゲームプログラム502とを記憶している。ゲームプログラム502はミドルウェアとして音声認識プログラム504を含んでいる。処理部200はゲームプログラム502を読み出して実行することによってゲーム演算部210としての機能を実現する。
【0096】
また、記憶部500には、予め用意されるデータとしてゲーム空間設定データ510、キャラクタ設定データ512、音声認識用辞書データ514、エリア設定データ516、送信元呼称音声ライブラリ518、宛先音声ライブラリ520、エリア呼称音声ライブラリ521、発言再生時効果音ライブラリ522、発言セット選択条件TBL(テーブル)524、発言セットライブラリ526が記憶されている。
更にゲームの進行に伴って生成されたり随時書き換えられるデータとして、マッチングデータ530と、ゲーム進行状況データ540と、入力音声テキスト履歴550と、発言送信データ552とを記憶する。また、ゲームの進行に係る処理を実行するにあたり適宜必要となるタイマ値やパラメータ値なども記憶される。
【0097】
ゲーム空間設定データ510には、仮想3次元空間にゲーム空間10を形成するための各種データが格納されている。例えば、ゲーム空間10の境界、障害物12、拠点14a,14bなどのモデルデータやテクスチャデータが含まれる。設定によってはそれらのモーションデータも含まれる。
【0098】
キャラクタ設定データ512には、プレーヤキャラクタ20a〜20d,22a〜22dのモデルデータやテクスチャデータ、モーションデータ、ヒットポイントなどの各種パラメータの初期設定データが格納されている。
【0099】
音声認識用辞書データ514は、音声認識するための辞書データである。本実施形態では、キーワードによって発言開始の判定、発信者の識別、発言を向ける相手を示す宛先の特定、発言種類の特定、発言終了の判定を行うので、それぞれにおいて必要なキーワードが予め登録されている。例えば、発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50としては、「1号機」〜「8号機」のキーワードが設定されている。また、宛先識別キーワード52としては、「1号機へ」「1号機は」「1号機が」といった具合に各プレーヤキャラクタの呼び名に助詞がついたキーワードが設定されている。
【0100】
エリア設定データ516は、ゲーム空間10の特定エリアに対して設定されたゲーム内での呼称を格納する。例えば、図9に示すように破線で囲んだエリア16それぞれについて、図10に示すように、定義位置座標516aと、エリア識別ID516bとを対応付けて格納する。定義位置座標516aは、エリアの外周に含まれる点の位置座標である。或いは輪郭を定義する関数及び原点位置としても良い。
【0101】
送信元呼称音声ライブラリ518は、他ゲーム装置から受信した発言IDに基づいて発言を再生する際に、その発言の送信元(送出元)がどこであるかを読み上げる音声データを、各プレーヤが選択可能な使用キャラクタ種類毎に格納する。
例えば、図11に示すように、「1号機」〜「8号機」が割り当てられる送信元識別518a毎に、使用キャラクタ種類518b別の送信元呼称音声データ518cを対応付けて格納している。同図の例では「1号機」の業務用ゲーム装置1300−1を送信元とする発言で、同ゲーム装置のプレーヤが「キャラクタ01」を選択している場合には、発言の再生の際に、「こちら1号機」と言う音声が再生されることとなる。同じく「1号機」に割り当てられている業務用ゲーム装置1300−1からの発言を受信した場合でも同ゲーム装置のプレーヤが「キャラクタ02」を選択している場合には、発言の再生の際には「αリーダ」と言う音声が再生されることとなる。このように、同じ送信元でも使用キャラクタに応じた呼称音声が使用できるので、発言を聞く側からするとあたかも映画作品に登場するキャラクタからの無線通信であるかのように感じられる。
【0102】
宛先音声ライブラリ520は、例えば図12に示すように、使用キャラクタ種類520a毎に、宛先識別キーワード520bと、宛先ID520cと、宛先となるプレーヤキャラクタの呼称を読み上げる宛先音声データ520dとを対応づけて格納する。
宛先識別キーワード520bは、音声認識によって得られた入力音声テキストと比較されて該当性を判定するのに利用される。宛先音声データ520dは、プレーヤキャラクタID毎に「1号機へ」「1号機が」「1号機は」・・・といった具合に各プレーヤキャラクタの呼び名に助詞がつけて声優が読み上げた音声が設定されている。
【0103】
エリア呼称音声ライブラリ521は、エリア設定データ516で定義されている各エリアを呼称する音声データを格納する。例えば、図13に示すように、使用キャラクタ種類521a別に、エリアID521bとエリアの名前を声優が読み上げた音声データであるエリア呼称音声データ521cと、発言ログ表示部40の発言テキスト42(図4参照)として表示されるログ表示用テキスト521dとを格納している。
【0104】
発言再生時効果音ライブラリ522は、例えば図14に示すように、発言再生の際に、複数の音声データが連続して再生される場合に、次の音声データの再生までに生じる無音時間の違和感や、前後の音声の音程の差による違和感を軽減する為に、前後の音声データ間に挿入再生される効果音データ522bを、使用キャラクタ種類毎522aに格納する。
例えば、「こちら3号機。」の呼称音声と「応援はまかせろ!」の発言音声とを前後して再生する場合、両者の間に無音時間が生じたり、多少なりとも音声に差が生じると違和感を感じるが、これらの間にオーバーラップさせるようにして効果音データ522bを再生することで、呼称音声と発言音声との間で無音時間が生じるのを防ぐ。効果音は、各使用キャラクタ種類別に設定されている。
【0105】
発言セット選択条件TBL524は、プレーヤが選択可能な使用キャラクタ種類の数だけ予め複数用意されている。例えば図15に示すように、使用キャラクタ種類524a毎に、発言セットのセット選択条件524b別に発言セットID524cを対応付けて格納している。
【0106】
本実施形態ではセット選択条件524bは、ゲーム進行状況を示す様々なパラメータなどの組み合わせが設定されている。パラメータとしては、自プレーヤキャラクタの現在のヒットポイントや、戦況指数、ゲームのプレイ時間、視界内や攻撃可能レンジ内の敵の有無、自機の識別、等が考えられるがこれらに限らない。
例えば、敵の有無を条件に含める場合、同じ敵でも更に限定をかけて「タンク」「スナイパー」「赤十字」のように特定種の敵キャラクタ別の有無を条件とすることもできる。図15の例では、敵タンクが視界内に入っていれば、発言セットID524cの「MST006」が選択されるが、敵タンク以外が視界内に入っていても当該発言セットは選択されないことになる。またその他、ゲーム内容が本実施形態のようにアクションシューティングであれば、ゲーム空間の種類、ミッション番号やシナリオ番号、特定アイテムの所持/未所持、特定イベントのクリア/未クリア、NPCのチーム参加数などもパラメータとして適宜含めることができる。
【0107】
発言選択送信制御部216は、発言セット自動選択処理として、自プレーヤキャラクタの使用キャラクタ種類524aが合致するとチャットの発言開始判定後に発言セット選択条件TBL524を参照し、その時点におけるゲーム進行状況が条件を満たすセット選択条件524bに対応する発言セットID524cを選択し、選択した発言セットの候補表示用テキストを発言候補表示部60に表示させる。
例えば、発言セットID524c「MST001」は基本的な応答に係る発言を含むセットであり、自プレーヤキャラクタの識別が「1号機」以外の僚機に相当する場合には選択されるので、実質的にゲーム中は常に選択対象となる。一方、発言セットID524c「MST002」は、チームの初期段階の作戦について討議するための発言を含むセットであり、ゲームスタートから2分間までに選択可能であって、それ以降は選択されないことになる。
【0108】
発言セットライブラリ526は、発言セットID524cに対応する発言セット527を多数格納するライブラリデータである。ライブラリに格納されている各々の発言セット527は、例えば図16〜図18に示すように、発言セットID527a毎に用意され、発言識別キーワード527bと、詳細選択条件527cと、発言ID527dと、発言音声データ527eと、候補表示用テキスト527fと、ログ表示用テキスト527gとが対応づけて格納されている。また、図18に示すように付加情報ID527hが対応づけられている発言セットも有る。
【0109】
発言識別キーワード527bと詳細選択条件527cは、セットに分類されている発言を選択するための条件に相当する。
【0110】
発言識別キーワード527bは、音声認識処理によって求められたテキスト(入力音声テキスト)と比較されるキーワードの条件を定義する。キーワードは単独に限らず複数を論理式で定義することができる。本実施形態では発言識別キーワード527bは、認識順に論理式を用いて定義される。例えば図18の「敵∩タンク∩発見」では、「敵」「タンク」「発見」の各キーワードがこの順番で認識されることを条件としている。
【0111】
詳細設定条件527cは、発言識別キーワード527bに該当した上で、更に絞り込みをするための条件を定義している。詳細設定条件527cが「限定無し」は、他の条件の何れにも該当しなかった場合に選択される条件を意味する。
例えば、図16の発言識別キーワード527bが「オーケー」「了解」…に対応する発言の詳細選択条件527cには「味方の最小の通算プレイ回数が「5」以上」が含まれている。つまり、味方チームのチームメイトとしてプレイした他プレーヤで、最小の通算プレイ回数が5回以上と言った具合に、自プレーヤと他プレーヤとの親密度がある程度高いと判断される状態が設定されている。この場合、詳細選択条件527cが「限定無し」の場合の発言が「了解した」と言った具合に一般的な表現にとどまるところが、「味方の…」の場合には「OK,まかせろ」と言った具合に親しい者の間で交わされる表現が設定されている。従って、同じ他プレーヤと一緒にプレイするとやがて相手の発言がより親しみをもった表現がされるようになり、友情や信頼が得られてゆく感覚を得やすくしている。
【0112】
発言音声データ527eは、発言を声優が当読発言種類の内容を読み上げた音声データである。
候補表示用テキスト527fは、ゲーム画面の発言候補表示部60に表示するテキストデータである。
ログ表示用テキスト527gは、ゲーム画面の発言ログ表示部40に表示するテキストデータである。
【0113】
付加情報ID527hは、発言ID527dを他ゲーム装置に送信する際に付加される情報の種類を定義する。本実施形態では付加情報ID527hの種類としては、自プレーヤキャラクタの現在のゲーム空間内の位置情報(図18の例はこれに相当する)、自プレーヤキャラクタの視界内にあって選択されたりロックオンされている他プレーヤキャラクタの位置情報が設定されている。
勿論、付加情報ID527hの種類には、アイテムや特定目標物(例えば補充弾倉、倉庫、護衛対象のNPC、補給車両や偵察機などNPC)の位置情報や数、キャラクタの移動方角などを適宜設定することもできる。
【0114】
マッチングデータ530は、マッチング処理に伴って作成される。
例えば、図19に示すように、プレーヤキャラクタID530aに対応づけて、キャラクタ識別キーワード530bと、業務用ゲーム装置1300のデータ送信先の宛先情報に相当するIPアドレス530cと、敵味方識別530dを格納する。キャラクタ識別キーワード530bには、音声認識によって得られた入力音声テキストと比較することのできるテキストデータが設定されている。
また、マッチング処理に伴って通信先の業務用ゲーム装置1300を使用するプレーヤのプレーヤ情報からプレーヤID530eや、使用キャラクタ種類530f、通算プレイ回数530g、通算対戦回数530hといった情報が取得され、同じくプレーヤキャラクタID530aに対応づけて格納される。
【0115】
ゲーム進行状況540は、ゲームプレイの間、進行状況を示す各種パラメータ値を格納する。本実施形態では、例えばプレイ時間542や、戦況指数544、キャラクタステータスデータ546を格納する。キャラクタステータスデータ546は、各キャラクタ毎に現在の状態を示すパラメータ値として、例えばヒットポイントや、使用可能な武器のリスト情報、武器の状態(例えば、残弾数)、所持アイテムのリスト、受信した発言に係る情報(受信順番、受信した発言IDなど)、といった情報を格納する。
【0116】
入力音声テキスト履歴550は、音声認識処理によって認識されたテキストをある一定量認識順に格納する。
【0117】
発言送信データ552は、チャットの発言に係る送信前の各種データ、つまり次に送信する発言に係るデータを一時的に格納する。本実施形態では、宛先ID552aと、発言ID552bと、付加情報552cとを格納する。付加情報552cには、位置座標や数などが適宜格納される。
【0118】
[動作の説明]
次に、本実施形態における業務用ゲーム装置1300の動作について説明する。
図20は、オンラインマルチプレイゲームを実行するにあたり各業務用ゲーム装置1300で実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。ここで説明される処理は、処理部200がシステムプログラム501、ゲームプログラム502を読み出して実行することによって実現される。
尚、ゲーム空間10を自プレーヤキャラクタの一人称仮想カメラで撮影した画像や、ゲーム画面内に表示されるマップ表示部32等の各種情報表示の生成、合成、画像表示部360への表示出力に係る処理は、公知のビデオゲームと同様に所定サイクルで自動的に行われることとし、ここでの説明は省略する。また、BGMや環境音などのゲーム音の生成と音出力部350での出力制御についても同様である。
【0119】
処理部200は、先ず情報記憶媒体リーダライター部130で携帯型情報記憶媒体140に記憶されているプレーヤ情報142を読み出し(ステップS2)、公知のオンラインマルチプレイゲームと同様に、自プレーヤキャラクタの使用キャラクタ種類の設定処理を行う(ステップS3)。ここでは先に読み出したプレーヤ情報142の使用キャラクタ種類148を引き継いでも良い。
そして、処理部200はマッチング処理を実行する(ステップS4)。マッチング処理は、公知のオンラインマルチプレイゲームと同様に実現できる。そして、記憶部500にマッチングデータ530が生成・記憶される。
【0120】
次に、処理部200は仮想3次元空間にゲーム空間10を形成するとともにプレーヤキャラクタ20a〜20d,22a〜22dを配置し、ゲーム進行状況データ540を初期状態に設定してゲームを開始する(ステップS6)。ゲームが開始されたならば、操作入力部100から入力された操作入力信号に基づいてマッチングした他ゲーム装置へ操作入力コードを送信する(ステップS8)。また、他ゲーム装置から同様にして送出された操作入力コードを受信する(ステップS10)。
【0121】
処理部200は、操作入力部100からの操作入力信号と、他ゲーム装置から受信した操作入力コードとに基づいてゲーム空間10内の各プレーヤキャラクタ20a〜20d,22a〜22dの移動や攻撃など様々な動作を制御する(ステップS12)。
【0122】
次に、処理部200は音声入力部110から所定の音圧レベル以上の音入力が有るか否かを判定する(ステップS14)。音入力が有ると判定した場合(ステップS14のYES)、処理部200は音声認識処理によって、入力された音声を認識してテキストデータを生成し、記憶部500の入力音声テキスト履歴550に格納する(ステップS16)。そして、処理部200は発言選択送信制御処理を実行する(ステップS20)。
【0123】
図21〜図22は、本実施形態における発言選択送信制御処理の流れを説明するためのフローチャートである。
発言選択送信制御処理では、先ず処理部200は入力音声テキスト履歴550を参照し、音声認識処理で得られた最新の入力音声テキストが発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50に合致するか否かを判定する(ステップS60)。本実施形態では、発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50は、マッチングデータ530において自機に設定されたプレーヤキャラクタID530aの呼称を示すテキストとしてキャラクタ識別キーワード530bが用いられる。
【0124】
最新の入力音声テキストが発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50に合致した場合(ステップS60のYES)、処理部200は発言取り消しタイマの作動を確認し、同タイマが作動していなければ(ステップS62のNO)、これをリセットしてスタートさせる(ステップS64)。既に発言取り消しタイマが作動中であればステップS64は行わない。
【0125】
次に、処理部200は記憶部500に発言送信データ552の記憶領域を確保する(ステップS66)。
そして、発言セット自動選択処理として、自プレーヤのプレーヤ情報142の使用キャラクタ種類148に対応する発言セット選択条件TBL524(図15参照)を選択し(ステップS68)、ゲーム進行状況データ540と先に選択した発言セット選択条件TBL524とを参照して、発言セットライブラリ526の中から現在のゲーム進行状況に対応する発言セットID524cを選択する(ステップS70)。この時選択される発言セットは一つに限らず、セット選択条件524bを満たすもの全てを選択する。
【0126】
次いで処理部200は、選択した発言セットID524cに対応する発言セット527(図16〜図18参照)を発言セットライブラリ526より抽出し、抽出した発言セット527に含まれる全ての候補表示用テキスト527fを、ゲーム画面内にポップアップ表示した発言候補表示部60内に表示させる(ステップS72)。この段階が図6(1)に相当する。
【0127】
次に、処理部200は、入力音声テキスト履歴550を参照して、最新の発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50以降の入力音声テキストを抽出し、自プレーヤの使用キャラクタ種類148に対応する宛先音声ライブラリ520の宛先識別キーワード520bと照合し、宛先識別キーワード520bが合致する宛先ID520cの有無を判定する(ステップS74)。本実施形態では、発言ルール上、発言の二番目のキーワードを宛先識別キーワードとするので、最新の発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50に次ぐ入力音声テキストを照合して判定する。
【0128】
合致する宛先ID520cが有れば(ステップS74のYES)、処理部200はこれを発言送信データ552の宛先ID552aに格納する(ステップS76)。尚、ここで宛先音声ライブラリ520を参照して抽出される宛先ID520cは単数に限らず、該当するもの全てを抽出する。例えば、プレーヤが「1号機と2号機は…」と発音した場合には、「1号機と2号機は」に対応づけられた宛先ID520cが抽出されるが、「1号機と」「2号機は」のそれぞれについて宛先ID520cを抽出し、それらを発言送信データ552に格納する構成としても良い。
【0129】
次に、処理部200は入力音声テキスト履歴550を参照して、最新の発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50と宛先識別キーワード52の次に格納されている入力音声テキストを抽出し、ステップS70で選択された発言セット527の発言識別キーワード527bで定義されているキーワードとその順番の条件と照合して、合致するものを抽出する(ステップS78)。
【0130】
発言識別キーワード527bが合致すれば(ステップS78のYES)、当該合致した発言識別キーワード527bに対応づけられている詳細選択条件527cを参照して、詳細選択条件527cを満たす発言ID527dを抽出し、発言送信データ552に格納する(ステップS80)。これで、一の発言が仮選択されたことになる。
そして、処理部200は発言候補表示部60に表示されている候補表示用テキスト61の中から、選択した発言ID527dに該当するものを強調表示させる(ステップS82)。
【0131】
次いで、処理部200は当該合致した発言識別キーワード527bに付加情報ID527hが対応つけられている場合には(ステップS84のYES)、設定されている付加情報ID527hに対応する情報を取得してこれを発言送信データ552に格納する(ステップS86)。この段階が図6(2)に相当する。
尚、付加情報ID527hに対応する情報としては、自プレーヤキャラクタの現在位置や、視界内に有って選択或いはロックオンしている他プレーヤキャラクタやアイテムなどの現在位置が該当する。
【0132】
次に、処理部200は発言取り消しタイマが所定の制限時間(例えば、3〜5秒程度)に達しているか否かを判定する(ステップS88)。制限時間に達していれば(ステップS88のYES)、処理部200は発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50が認識されて発言開始の判定から時間が経過したので今回の発言が中止されたと判断して、記憶部500に確保されている発言送信データ552を削除して記憶領域を開放する(ステップS90)。そして、ゲーム画面への発言候補表示部60の表示を解除し(ステップS96)、発言取り消しタイマを停止・リセットして(ステップS98)、発言選択送信制御処理を終了する。
【0133】
一方、発言取り消しタイマが制限時間に達しておらず(ステップS88のNO)、且つ入力音声テキスト履歴550の最新の入力音声テキストが、所定の発言終了キーワード兼送信許可キーワード56に合致する場合(ステップS92のYES)、処理部200は味方の全ての他ゲーム装置に対して発言送信データ552の内容を送信し(ステップS94)、ゲーム画面への発言候補表示部60の表示を解除する(ステップS96)。尚、特に説明はしないが発言送信データ552には、公知のオンラインマルチプレイゲーム等に於けるデータ通信と同様に送信元識別情報等を含むヘッダーが付与される。
そして、発言送信データ552を送信したならば、処理部200は発言取り消しタイマを停止・リセットして(ステップS98)、発言選択送信制御処理を終了する。
【0134】
図20のフローチャートに戻って、次に処理部200は発言再生処理を実行する(ステップS22)。
図23は、本実施形態における発言再生処理の流れを説明するためのフローチャートである。同図に示すように、処理部200は先ず他ゲーム装置から発言送信データ552の受信の有無を判定する(ステップS100)。発言送信データ552を受信した場合(ステップS100のYES)、送信元呼称音声ライブラリ518を参照して、送信元識別518aに対応する送信元呼称音声データ518cを抽出する(ステップS102)。
具体的には、マッチングデータ530を参照して、受信した発言送信データ552のヘッダーに含まれる送信元IPアドレスに合致するキャラクタ識別キーワード530bを抽出し、抽出したキャラクタ識別キーワード530bが送信元識別518aと合致するデータセットを送信元呼称音声ライブラリ518の中から選択する(図11参照)。更にマッチングデータ530を参照して送信元IPアドレスに対応づけられている使用キャラクタ種類530fに対応する送信元呼称音声データ518cを抽出する。
【0135】
次に、処理部200は宛先音声ライブラリ520を参照して、受信した発信元データ522に含まれる宛先ID552cに合致する宛先ID520cを検索し、検索された宛先ID520cに対応づけられている宛先音声データ520dを抽出する(ステップS104)。次いで、発言セットライブラリ526に含まれる発言セット527(図16〜図18)を参照して、受信した発信元データ522に含まれる発言ID552bに合致する発言ID527dを検索し、検索した発言ID527d対応する発言音声データ527eを抽出する(ステップS106)。
【0136】
更に、受信した発言送信データ552に付加情報552cが含まれている場合には(ステップS108のYES)、当該付加情報552cを読み上げる音声データを抽出する(ステップS110)。
具体的には、本実施形態では付加情報552cには、自プレーヤキャラクタや他プレーヤキャラクタ等の現在位置座標が格納される。処理部200は、付加情報552cが位置座標である場合、エリア設定データ516を参照して受信した付加情報552cの位置座標が該当するエリア16のエリア識別ID516bを取得する。そして、エリア呼称音声ライブラリ521(図13参照)から送信元の使用キャラクタ種類に対応し、且つ取得したエリアIDに対応するエリア呼称音声データ521cを抽出する。
付加情報552cに数や方角などが設定可能な構成としても良く、その場合それらのパラメータ毎にエリア呼称音声ライブラリ521と同様の音声ライブラリを用意しておき、受信した発言送信データ552の付加情報552cに格納されていた情報の種類に応じて、該当する音声ライブラリから、送信元の使用キャラクタ種類の声優が読み上げている音声データを選択すれば良い。
【0137】
付加情報552cの音声データを抽出できたならば、次に処理部200はマッチングデータ530(図19参照)から受信した発言送信データ552の送信元の使用キャラクタ種類530fを参照し、発言再生時効果音ライブラリ522から当該使用キャラクタ種類530fに設定されている効果音データ522bを抽出する(ステップS112)。
【0138】
次に、処理部200はチャットに係わる現在再生中の音声データの有無を判断する(ステップS114)。先に受信した発言送信データ552があって、その発言に関して音声データが再生中であれば(ステップS114のYES)、先に抽出した音声データ等を再生の待機発言として記憶部500にバッファする(ステップS116)。
【0139】
再生中の音声データが無く(ステップS114のNO)、バッファされている待機発言があれば(ステップS118のYES)、バッファ順に待機発言を再生処理する(ステップS120)。再生処理では、抽出した各音声データを、送信元呼称音声データ518c、宛先音声データ520d、エリア呼称音声データ521c、発言音声データ527eの順に連続再生処理する。尚、この際、送信元呼称音声データ518cと宛先音声データ520dの間には、抽出した効果音データ522bに基づく効果音を、前後する音声データにオーバーラップさせて再生処理する。効果音データ522bの長さによっては送信元呼称音声データ518cから発言音声データ527eの再生までバックグラウンドで再生するように処理しても良い。
一方、バッファされている発言がなければ(ステップS118のNO)、処理部200は今回抽出した音声データを再生処理する(ステップS122)。
【0140】
そして、処理部200はゲーム画面の発言ログ表示部40に送信元識別表示44を表示させるとともに、再生処理された音声データのログ表示用テキスト527gを、ゲーム画面の発言ログ表示部40に発言テキスト42として表示させ(ステップS124)、発言再生処理を終了する。
【0141】
発言再生処理が終了したならば、図20のフローチャートに戻って、処理部200は次にゲーム結果の算出処理を実行する(ステップS24)。ゲーム結果の算出処理としては、プレイ時間の算出、プレーヤキャラクタ間の攻撃のヒット判定、被弾に伴うヒットポイントの減算、残弾数の変更、戦況指数の算出などの処理を行い、ゲーム進行状況データ540を更新する。
【0142】
そして、算出されたゲームの結果が所定のゲーム終了条件を満たしていなければ(ステップS26のNO)、処理部200は自プレーヤキャラクタが戦闘継続可能であるか判定する(ステップS28)。自プレーヤキャラクタのヒットポイントが「0」になっていなければ戦闘継続可能と判定して(ステップS28のYES)、ステップS8の処理に移行する。戦闘継続不可能でれば(ステップS28のNO)、公知のオンラインマルチプレイゲームと同様にしてゲーム画面表示用の仮想カメラを所定の観戦モードで制御し(ステップS30)、ステップS10に移行する。
【0143】
一方、ゲーム終了条件を満たしていれば(ステップS26のYES)、処理部200は本プレイの結果を元に対戦履歴の記憶処理を実行し、ゲームカード1332に記憶されているプレーヤ情報142が更新される(ステップS32)。
そして、所定のゲーム終了処理を実行して(ステップS34)、オンラインマルチプレイゲームに係る一連の処理を終了する。
【0144】
以上、本実施形態によれば、両手でジョイスティック1306やプッシュスイッチ1308の操作をしたまま、ヘッドセット1370のマイク1372に向けて自プレーヤキャラクタの識別情報(例えば「3号機」)を発言すればチーム内チャットへの発言が可能になる。チャット発言のために自プレーヤキャラクタの操作を中断する必要の無い、高い操作性を得る事ができる。
【0145】
また、発言の入力開始後に、現在のゲーム進行状況に応じた発言内容がセレクトされてゲーム画面の発言候補表示部60に表示される。従って、ゲーム画面をいたずらに発言候補のテキスト表示で埋めることを防ぐことができる。このことは、別の見方をすると、発言可能な内容をプレーヤが全て暗記していなくとも適切な発言内容がプレーヤにガイドされるので、ゲーム制作者側は様々な状況に応じたより多数の発言を設定して存分にゲームの品質を高めることができる。
【0146】
また、発言候補表示部60に表示されるキーワードを含めれば、そのキーワードが音声認識され、対応する発言IDが自動選択されて他ゲーム装置に送信される。従って、プレーヤの発言の文言に厳密さ(日本語・文章としての正確さ)は要求されないことになる。プレーヤはプレーヤキャラクタのパイロットになりきってキーワードを含めた発声さえすれば自身のスタイルで発言しても良いことになるので、ゲームへの高い没入感を得ることができる。
【0147】
また、他プレーヤの発言は、予め収録されている声優が読み上げた音声データとして再生されるので、仮に送信元のプレーヤが誹謗中傷の発言をしたとしてもこれが再生されることはなく、実質的なマナー違反発言の制限を実現できる。
【0148】
尚、本実施形態では発言送信データ552の送信先を味方チーム内に限定した例を挙げ
ているが、敵チームの他のゲーム装置に送信可能な構成とすることもできる。
【0149】
〔第2実施形態〕
次に、本発明を適用した第2実施形態について説明する。本実施形態は基本的には第1実施形態と同様の構成を有するが、(1)音声認識によって発言の送信先を特定し、特定送信先に発言送信データ552を送信可能にしている点、(2)特定送信先となる他ゲーム装置も、味方チームに限らず、敵チームも含まれている点、(3)発言の送信者と受信・再生者とのチームの異同に応じて再生される音声データにエフェクトがかけられる点、(4)戦況等の状況に応じて発言の前後に発言者の心境・感情の起伏などを表す状況対応語が自動的に付与される点が異なる。尚、ここでは第1実施形態との差異についてのみ説明することとし、同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略する。
【0150】
図24は、本実施形態における記憶部500に記憶されるプログラムやデータの構成例を示すブロック図である。同図に示すように、本実施形態では第1実施形態の機能構成に加えて、更に記憶部500に送信先識別TBL554と、状況対応語ライブラリ556とを含む。
【0151】
送信先識別TBL554は、例えば図25に示すように、自プレーヤキャラクタID554a別に、送信先識別キーワード554bに対応づけてプレーヤキャラクタID554cを格納する。本実施形態では、自プレーヤキャラクタID554aは、チーム別で設定される。つまり、送信先識別TBL554はチーム毎に一つ用意されることになる。また、送信先識別キーワード554bには「1号機へ」「2号機へ」・・・「8号機へ」「敵機へ」といった単独のプレーヤキャラクタの呼称に「へ(・・・に向けての意)」の助詞を付与したキーワードや、「1号機、2号機へ」「1号機、3号機へ」・・・「全機へ」「各機へ」といった複数のプレーヤキャラクタの呼称に「へ」の助詞を付与したキーワードが設定されている。「全機へ」及び「各機へ」には、味方の全ての他プレーヤキャラクタが設定されている。「敵機へ」は、自プレーヤキャラクタが標的として選択している他プレーヤキャラクタ、或いは視界内の最寄りの他プレーヤキャラクタを送信先とする意味であり、その都度該当する他プレーヤキャラクタを抽出する必要があるので特殊ID(図中の「PCE」)が設定されている。
【0152】
状況対応語ライブラリ556は、例えば図26に示すように、ゲーム内でプレーヤが選択可能な複数のキャラクタそれぞれに用意された状況対応語TBL557を含んでいる。
一つの状況対応語TBL557は、当該TBL(テーブル)が適用されるキャラクタの識別情報を格納する使用キャラクタ種類557aを含み、更に同種類で定義されたキャラクタの発言種類の識別情報を格納する対象発言ID557b毎に、選択条件557cと、状況対応音声データ557dと、ログ表示用テキスト557eとが対応づけて格納されている。
【0153】
選択条件557cは、チームとしての戦況や、発言者である使用キャラクタ種類557aで定義されているキャラクタ又は当該キャラクタの使用する機体の残耐力値、宛先となるプレーヤキャラクタ又は当該プレーヤキャラクタの機体の残耐力値、などを適宜設定することができる。戦況を表すパラメータとしては、ゲーム進行状況データ540の戦況指数544を用いても良いし、別途、使用キャラクタ種類557aで定義されているプレーヤキャラクタ又は当該プレーヤキャラクタの使用する機体の周囲所定範囲に存在する敵チームのキャラクタの数を算出して使用するとしても良い。
【0154】
状況対応音声データ557dは、使用キャラクタ種類557aを演じる声優によって、ログ表示用テキスト557eの状況対応語の台詞を読み上げた音声データである。状況対応語とは、本来の発言に付与されて心境や感情を表す語句である。
【0155】
図27は、本実施形態における発言選択送信制御処理の流れを説明するためのフローチャートの一部を示す図であって、第1実施形態における図22のフローチャートに相当する。
本実施形態の発言選択送信制御処理はステップS92までは第1実施形態と同様であるが、ステップS92の次に、処理部200は自プレーヤキャラクタIDの合致する送信先識別TBL554を参照し、最新の発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50以降に格納された入力音声テキスト(本実施形態では発言終了キーワード兼送信許可キーワード56の次の入力音声テキスト)が合致する送信先識別キーワード554bが有るか否かを判定する(ステップS93)。
【0156】
合致する送信先識別キーワード554bがなければ(ステップS93のNO)、第1実施形態と同様にしてステップS94、S96、S98を実行して発言選択送信制御処理を終了する。つまり、プレーヤが「3号機へ」といった具合に発言の宛先にしたいプレーヤキャラクタの呼称と「へ」の助詞をつけた送信先識別キーワードを発声しなければ、第1実施形態の味方内通信(味方内チャット)と同様に当該発言は味方チームの全員に向けて発信されることになる。また、送信先識別キーワードであっても「3号機は」「3号機が」など呼称に付与された助詞が「へ(・・・に向けての意)」と異なる場合には、勿論ステップS93では否定判定されるので、全味方チームへ共通に伝えたいが話しかけたり命令する先を特定する発言は第1実施形態と同様に可能である。
【0157】
一方、合致する送信先識別キーワード554bが有れば(ステップS93のYES)、処理部200は合致した送信先識別キーワード554bに対応づけられたプレーヤキャラクタID554cが特殊IDであるかを判定する(ステップS95a)。
特殊IDである場合(ステップS95aのYES)、処理部200は当該特殊IDに対応するプレーヤキャラクタIDを取得する(ステップS95b)。本実施形態では、攻撃目標として選択されている他プレーヤキャラクタや、ロックオンしている他プレーヤキャラクタのプレーヤキャラクタIDを再取得する。
そして、プレーヤキャラクタIDを再取得した後、或いは取得したプレーヤキャラクタID554cが特殊IDでない場合には(ステップS95aのNO)、処理部200はマッチングデータ530を参照して、当該取得/再取得したプレーヤキャラクタIDに対応づけられているIPアドレス530cへ発言送信データ552を送信する(ステップS95c)。そして、第1実施形態と同様にしてステップS96,S98を実行して発言選択送信制御処理を終了する。
【0158】
従って、本実施形態によれば第1実施形態と同様の効果を奏するとともに、更に発言送信データ552を発言の宛先とは別に、特定の他ゲーム装置に限定して送信することができる。
例えば、チームリーダの「1号機」のプレーヤが、初心者の「3号機」のプレーヤに向けて教育的指導のような発言をしたいが、味方の他プレーヤには聞かせたく無い場合には、「こちら1号機。3号機へ。どうした?それがお前の実力か!!」と発声すれば良い。当該発声の「3号機へ」が送信先識別TBL554で定める送信先識別キーワード554bに該当するので、ステップS93で肯定判定され「3号機」の他ゲーム装置に選択的に送信される。一方、この「3号機へ」のキーワードは、宛先音声ライブラリ520(図12参照)の宛先識別キーワード520bにおいても設定されているので、図21のステップS74において合致する宛先ID有りと判定されることになる。従って、「3号機」の他ゲーム装置に送信される発言送信データ552には「3号機へ」に対応する宛先ID520cが格納されるため、受信側では「こちら1号機。3号機へ。・・・・」といった具合に第1実施形態と同様に宛先音声データ520dも再生される。
【0159】
また、発言の送信先は味方チームに限らず、敵チームの他プレーヤキャラクタに送信することも可能になる。
例えば、「1号機」のプレーヤが、「こちら1号機。敵機へ。この間の借りは返すぜ!」と発声すれば、当該発声の「3号機へ」が送信先識別TBL554で定める送信先識別キーワード554bに該当するので、ステップS93で肯定判定され、その場合の敵機相当(例えば、前方視界中の最寄りの相手チームのプレーヤキャラクタなど)の他ゲーム装置に選択的に送信される。宛先音声ライブラリ520の宛先識別キーワード520bに「敵機へ」に対応する宛先ID520cと宛先音声データ520dを設定しておけば、受信側で当該再生する場合に「こちら1号機。敵機へ。・・・」といった具合に呼びかけを再生することができるので好適である。このように、敵機への選択的な発言を可能にすることで、リアルな軍事無線ならばあり得ないが、対峙した敵に対してエールを送るといった騎士道的行為を楽しむといった従来に無い楽しみを実現できる。
【0160】
図28は、本実施形態における発言再生処理(発言再生処理B)の流れを説明するためのフローチャートである。発言再生処理Bは、基本的には第1実施形態の発言再生処理と同様の流れを有するが、受信した発言ID552bに基づく発言音声データの選択(ステップS106)に次いで、処理部200は状況対応語ライブラリ556を参照して、送信元の使用キャラクタ種類と受信した発言ID552bに対応する状況対応音声データを選択する(ステップS107)。
【0161】
具体的には、マッチングデータ530(図19参照)を参照して、受信した発言発信データの送信元に対応づけられるプレーヤキャラクタID530aを取得する。そして、状況対応音声ライブラリ556から、取得したプレーヤキャラクタID530が使用キャラクタ種類557aに合致する状況対応語TBL557を選択し、受信した発言発信データに含まれていた発言ID552bが合致するは対象発言ID557bを選択する。次いで、この対象発言ID557bに対応づけられていて現在のゲーム進行状況に合致する選択条件557cを選択し、選択した選択条件557cに対応づけられている状況対応音声データ557dを選択する。
【0162】
また、処理部200は、第1実施形態と同様に、送信元の使用キャラクタ種類に対応する発言再生時効果音データを選択した後(ステップS112)、これまでのステップで選択された例えば、送信元呼称音声データ、宛先音声データ、発言音声データ、状況対応音声データ、エリア呼称音声データ、発言再生自効果音データ等の音声データに対して、発言の送信元と宛先とのチームの異同に応じて異なる音フィルタ処理を施す(ステップS113)。
【0163】
具体的には、送信元と宛先とで所属するチームが異なる場合には、敵の無線を傍受するシチュエーションに相当するので、無線通信特有のノイズや音飛び、圧縮データの解凍処理を思わせるノイズや音程の変化などのエフェクトがかかるように適当な音フィルタを施す。反対に送信元と宛先とが同じチームに所属する場合には、前者に比べてより好適な通信状況に合ったと想定されるので、よりノイズや音飛び等の少ない音フィルタを施す。
【0164】
以下、第1実施形態の発言再生処理と同様に、選択した音声データのバッファリングや再生に係る処理を実行する(ステップS114〜S124)。尚、音声データの再生の際には、状況対応音声データ557dを発言音声データの前或いは後の所定順で再生することとする。
【0165】
よって、本実施形態によれば、プレーヤが実際に発声しなくとも自動的に発言音声データの前後に状況に応じて発言者の心境や感情を表す状況対応語を再生することができるので、プレーヤの音声に代えて声優が演じた音声が選択され再生されるとしても、チャットのリアリティを損なうことなく臨場感を高めることができる。
【0166】
また、送信元と宛先とのチームの異同に応じて異なる音フィルタ処理を施すことができるので、敵味方間での特殊な無線通信環境であることとを演出し、更に臨場感を高めることができる。
【0167】
〔第3実施形態〕
次に、本発明を適用した第3実施形態について説明する。本実施形態は基本的には第1又は第2実施形態と同様の構成によって実現されるが、発言種類の特定を発言識別キーワード54によらず、階層構造に分類配置された発言種類を音声認識によって階層構造を選択して目的の発言種類を選択する構成とした点が異なる。尚、以下では本実施形態の特長点についてのみ述べる事とし、第1又は第2実施形態と同様の構成要素については同じ符号を付与して説明は省略する。
【0168】
本実施形態においても、第1実施形態と同様に発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50、宛先識別キーワード52、発言識別キーワード54、発言終了キーワード兼送信許可キーワード56の順にキーワードを発音するルールである。
但し、本実施形態では、発言種類は階層構造で分類・格納されており、プレーヤの発音を音声認識して得た入力音声テキストを各階層分類のキーワードと照合する。そして、合致する分類を順次選択することを繰り返して階層を下り、最終的に一つの発言種類を特定する方式をとる。その為、本実施形態における発言識別キーワード54は、階層の数や、目的とする発言種類の格納階層位置に応じて変化する。
【0169】
具体的には、図29は、発言種類の選択に伴ってゲーム画面内に表示されるポップアップウィンドウの例を示す図である。破線矢印は上位階層で選択された分類と、当該分類が選択されたことによってポップアップされるサブウィンドウの例の関連を示している。
【0170】
発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50が入力されると、ゲーム画面内にポップアップウィンドウW10を表示させる。同ウィンドウ内には第1及び第2実施形態における送信先や宛先に相当する分類が複数表示される。番号と宛先の呼称とで一つの分類を成しており、両者ともに当該分類を選択するためのキーワードを示している。
【0171】
プレーヤが、発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50に次いで、ポップアップウィンドウW10に表示された各分類の番号、又は呼称をマイク1372に向けて発音すれば、音声認識によって該当する分類が自動的に選択されて、ポップアップウィンドウW10に代えてポップアップウィンドウW12が表示される。
【0172】
ポップアップウィンドウW12からは、具体的な発言種類の選択に係わる。
本実施形態では、選択支援画面に相当するポップアップウィンドウW12には、第1階層に「1・返答」「2・救援要請」「3・攻撃要請」「4・行動指示」「5・敵情報」の分類が設定されており、各分類の番頭と呼称とがセットで表示される。第1階層の各分類は、第1実施形態における各発言セットに相当し、第1実施形態と同様にしてゲーム進行状況に応じて自動的に選択されて表示される。
【0173】
プレーヤは、ポップアップウィンドウW12を見て意図する発言の分類の番号又は呼称をマイク1372に向けて発音すると、キーワードが音声認識され該当する分類が自動的に選択される。すると、選択された下位階層の分類を示すサブウィンドウが表示される。
【0174】
同図の例では、第1階層の「2・救援要請」の下位には第2階層として「21・自分の救援」「22・仲間の救援」の分類が設定されている。ポップアップウィンドウW12を見て「2」又は「救援要請」と発音すれば、「2・救援要請」の分類が選択され、ポップアップウィンドウW12にサブウィンドウW14が追加表示される。サブウィンドウW14には、「21・自分の救援」「22・仲間の救援」の分類の番号と呼称とが表示される。
【0175】
第2階層の「21・自分の救援」の下位には、第3階層として具体的な発言種類の「211・『近接交戦中、救援を求む』」「212・『狙撃された。救援を求む』」「213・『砲撃を受けている。救援を求む』」が設定されている。
サブウィンドウW14の表示状態で、「21」又は「自分の救援」と発音すれば、「21・自分の救援」の分類が選択され、第3階層の内容を表示するサブウィンドウW16が追加表示される。そして、サブウィンドウW16で何れかの分類の番号又は発言内容をマイク1372に向けて発音すれば、送信する発言種類が選択されることとなる。
【0176】
また、別の階層構造及び画面表示例としては、第1階層の「5・敵情報」を選択すると、第2階層の「51・敵タンク」「52・敵狙撃兵」「53・拠点」の分類が表示されたサブウィンドウW18が表示される。更に第2階層の「51・敵タンク」を選択すると第3階層として「511・発見」の分類と、発言種類として「512・『敵タンクを撃破した』」「513・『敵タンクを攻撃中』」が表示されたサブウィンドウW20が表示される。第3階層の「511・発見」をすると、第4階層として発言種類の「5111・『中央広場で発見』」「5112・ビックウォール裏で発見」などを表示するサブウィンドウW22が表示される。勿論、発言種類に至るまでのそのた分類についても同様に下位階層が存在し、やがて様々な条件に適当な発言種類に到達するように設定されている。
【0177】
従って、本実施形態では、プレーヤは選択支援画面(ポップアップウィンドウ)に表示される選択肢のキーワードを次ぎ次ぎにマイク1372に向けて読み上げれば、目的とする発言種類に到達することができる。
【0178】
このような階層構造に分類された発言種類を音声認識によって選択するために、本実施形態の記憶部500には、第1実施形態の宛先音声ライブラリ520に代えて宛先音声ライブラリ520−3を記憶し、第1実施形態の発言セット選択TBL524に代えて発言セット選択条件TBL524−3を記憶する。また、第1実施形態の発言セット527に代えて発言セット527−3を記憶する。
【0179】
宛先音声ライブラリ520−3は、図30に示すように、使用キャラクタ種類520a毎に、宛先識別キーワード520fと、宛先ID520cと、宛先音声データ520dとを対応づけて格納する。宛先識別キーワード520fには、送信先・発言の宛先を示すプレーヤキャラクタの呼称と番号とが設定されている。
【0180】
発言セット選択条件TBL524−3は、例えば図31に示すように、使用キャラクタ種類524a毎に用意され、セット選択条件524bと、発言セット選択キーワード524dと、発言セットID524eを対応付けて格納している。セット選択条件524bは第1実施形態のそれと同様である。発言セット選択キーワード524dは、音声認識の結果得られた入力音声テキストと比較照合されるキーワードである。本実施形態では、番号と呼称が設定されている。
【0181】
図32は、本実施形態における発言セット527−3のデータ構成例を示す図である。同図に示すように、発言セット527−3は、発言セットID527a毎に、階層別の分類選択キーワード(図中の第2階層分類選択キーワード527j、第3階層分類キーワード527k、…、第n階層分類選択キーワード527mが該当)と、発言ID527dと、発言音声データ527eと、ログ表示用テキスト527gとが対応づけて格納されている。
【0182】
階層別分類選択キーワードは、階層の選択又は発言種類の選択に際して音声認識によって得られた入力音声テキストと比較・照合される。また、階層別分類選択キーワードは、サブウィンドウ表示時の番号及び分類呼称の表示テキスト、または番号及び発言内容を示す表示テキストを兼ねる。発言セット527−3では、最下位階層の階層別分類選択キーワードが、第1実施形態で言うところの発言識別キーワードに相当する。
【0183】
図33〜図34は、本実施形態における発言選択送信制御処理(発言選択送信制御処理C)の流れを説明するためのフローチャートである。
基本的には第1実施形態の発言選択送信制御処理と同様であるが、発言送信データ552の記憶領域を確保したならば(ステップS66)、処理部200は宛先音声ライブラリ520−3を参照し、自プレーヤの使用キャラクタ種類148に対応する宛先識別キーワード520fをポップアップウィンドウW10(図29参照)で表示させる(ステップS67)。
【0184】
次に、処理部200は、入力音声テキスト履歴550を参照して、最新の入力音声テキストを自プレーヤの使用キャラクタ種類148に対応する宛先識別キーワード520bと照合し、宛先識別キーワード520bが合致する宛先ID520cの有無を判定する(ステップS69)。そして、合致する宛先ID520cが有れば(ステップS69のYES)、処理部200はこれを発言送信データ552の宛先ID552aに格納する(ステップS76)。
【0185】
次に、処理部200は、自プレーヤの使用キャラクタ種類148に対応する発言セット選択条件TBL524−3を選択し(ステップS77a)、選択したTBLの発言セット選択キーワード524dをポップアップウィンドウW12で表示させる(ステップS77b)。そして、入力音声テキスト履歴550を参照し、最新の入力音声テキストがポップアップウィンドウW12に表示した発言セット選択キーワード524dに合致するか否かを判定する(ステップS77c)。
合致する場合には(ステップS77cのYES)、記憶部500に選択表示対象階層nを「2」として記憶し(ステップS77d)、合致した発言セット527−3を参照して第n階層分類選択キーワードをサブウィンドウ表示する(ステップS77e)。
【0186】
次に、処理部200は入力音声テキスト履歴550を参照する。最新の入力音声テキストが最も新しく表示されたサブウィンドウで表示されている第n階層分類選択キーワードと照合する(ステップS77f)。
合致した場合(ステップS77fのYES)、処理部200は更に発言セット527−3を参照して、この合致した第n階層分類選択キーワードに対応する更に下位階層の第n+1階層分類選択キーワードが設定されているか否かを判定する(ステップS77h)。
【0187】
肯定の場合(ステップS77hのYES)、選択表示対象回数nに「1」加算して(ステップS77g)、ステップS77eに移行する。つまり、次階層の第n階層分類選択キーワードをサブウィンドウ表示し、更にプレーヤの選択を促す。
下位階層の第n+1階層分類選択キーワードが設定されていない場合(ステップS77hのNO)、処理部200は当該第n階層分類選択キーワードが階層最下位であり発言識別キーワードに相当すると判断して、合致した第n階層分類選択キーワードの発言ID527dを発言送信データ552に格納し(ステップS77j)、サブウィンドウ内の合致した第n階層分類選択キーワードを強調表示させる(ステップS77k)。これで、一の発言が仮選択されたことになる。以下、第1実施形態と同様である。
【0188】
尚、本実施形態も第1実施形態と同様に発言送信データ552を味方チームの全ての他ゲーム装置に対して送信する構成となっているが、第2実施形態と同様にして宛先ID552aに設定された他プレーヤキャラクの他ゲーム装置に選択的に送信する構成としても良いのは勿論である。
【0189】
また、本実施形態では発言種類の階層分類を上位から下位へ順に選択する構成としているが、全ての発言種類に固有の番号を設定しておいて、ステップS77b以降においてその固有の番号が音声認識で認識された場合に、ステップS77d〜S77jを省略して、当該番号の発言ID527dを発言送信データ552に格納する処理の流れを追加しても良い。この場合、プレーヤがゲームプレイを重ねるにつれて自身が頻繁に使用する発言種類の番号を暗記できれば、階層表示を待つ事なくすぐさま目的とする発言種類が選択できる。
【0190】
〔第4実施形態〕
次に、本発明を適用した第4実施形態について説明する。本実施形態は、基本的には第1〜第3実施形態と同様に実現できるが、発言送信データに発言者の発声音データを含み、音声認識によって発言種類を特定する処理を、発言送信データを受信した側の装置で実現する点が異なる。
尚、ここでは第1実施形態を基礎として差異となる構成を中心に説明することとし、第1〜第3実施形態と同様の構成要素については同じ符合を付与し説明は省略するものとする。
【0191】
図35は、本実施形態における機能ブロックの構成例を示す図である。本実施形態では、処理部200のゲーム演算部210は、発言送信データ生成部215と、発言種類特定部217を含む。
【0192】
発言送信データ生成部215は、第1実施形態における発言選択送信制御部に相当し、ゲーム画面内の発言候補表示部60に表示させる候補表示用テキスト61を選択し表示させる機能と、音声入力部110から入力されたプレーヤの肉声を音声認識処理してチャット発言の送信元を判定する機能と、同肉声を音声データ化した発声データを生成する機能を実現する。これに伴って、本実施形態の発言送信データ552は、宛先ID552aと発声データ552dが含まれることになる。尚、発声データの生成については、公知の音声チャットにおける音声データの生成技術を適宜利用できる。
【0193】
発言種類特定部217は、他ゲーム装置から受信した発言送信データ552に含まれる発声データ552dを音声認識処理して、送信元のプレーヤの発言内容に適合する発言種類を特定する機能と、特定した発言種類に付加情報の付与が設定されている場合に、該当する付加情報を取得する機能とを実現する。
特定された情報として、発言ID558aと付加情報558bが、記憶部500に発言種類特定データ558として一時的に記憶される。
【0194】
図36は、本実施形態における付加情報が設定されている発言セット527−4のデータ構成例を示す図である。本実施形態では、発言種類の特定を、発言送信データを受信した側の装置で実施する。このため、第1実施形態において付加情報527hに、送信元のゲーム装置にとっての自プレーヤキャラクタの位置を指定する情報(図18で言うところの、IF01(自位置))を設定するところを、本実施形態では、送信元の他ゲーム装置のプレーヤキャラクタの位置を指定する情報(図36で言うところの、IF11(送信元位置))を設定するように変更する必要がある。
【0195】
図37は、本実施形態において各業務用ゲーム装置1300で実行される処理の流れを説明するためのフローチャートである。本実施形態では、音声入力部110から音声が入力されたことを検出したならば(ステップS14のYES)、処理部200は、入力された音声を音声認識処理して入力音声のテキストを生成し、入力音声テキスト履歴550に格納する(ステップS16)。そして、第1実施形態における発言選択送信制御処理の代わりに発言送信データ生成処理を実行する(ステップS18)。
【0196】
図38〜図39は、本実施形態における発言送信データ生成処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理は基本的には発言選択送信制御処理と同様の流れを有する。
第1の特徴点としては、発言取り消しタイマが未作動の場合(ステップS62のNO)、処理部200は同タイマをリセットして作動させ(ステップS64)、発声データ552dの生成を開始する(ステップS66)。
【0197】
また、第2の特徴点として、第1実施形態の発言送信データ生成選択送信制御処理における付加情報IDに係る処理(ステップS84〜S86)が省略されている。
【0198】
また、第3の特徴点として、処理部200は最新の入力音声テキストが発言終了キーワード兼送信許可キーワード56に合致した場合(ステップS92)、ステップS74〜S76で特定した宛先ID552aに対応する他ゲーム装置へ発言送信データ552を送信する(ステップS93)。
【0199】
図37のフローチャートに戻って、音声入力部110からの音声入力が検出されなかった場合(ステップS14のNO)、又は発言送信データ生成処理を実行した後、処理部200は他ゲーム装置から発言送信データを受信した場合(ステップS21aのYES)には、発言種類特定処理(ステップS21b)、発言再生処理D(ステップS21c)を順次実行する。
【0200】
図40は、発言種類特定処理の流れを説明するためのフローチャートである。発言種類特定処理では先ず、処理部200は受信した発言送信データ552に含まれる発声データ552dを音声認識処理して当該データの音声から入力音声テキストを生成する(ステップS150)。
【0201】
次いで、マッチングデータ530を参照して、受信した発言送信データの送信元のプレーヤが使用する使用キャラクタ種類530fを取得し、当該取得した使用キャラクタ種類530fに対応する発言セット選択条件TBL524を選択する(ステップS152)。
そして、選択した発言セット選択条件TBL524を参照して、発言セットライブラリ526の中から現在のゲーム進行状況に応じた発言セット527を選択する(ステップS154)。この時選択される発言セットは一つに限らず、発言セット選択条件TBL524のセット選択条件524bを満たすもの全てを選択する。
【0202】
次いで、処理部200は、入力音声テキスト履歴550を参照して、最新の発言開始キーワード兼発信者識別キーワード50と宛先識別キーワード52の次に格納されている入力音声テキストを抽出し、ステップS154で選択された発言セット527の発言識別キーワード527bで定義されているキーワードとその順番の条件と照合する(ステップS156)。
【0203】
発言識別キーワード527bが合致すれば(ステップS156のYES)、当該合致した発言識別キーワード527bに対応づけられている詳細選択条件527cを参照して、詳細選択条件527cを満たす発言ID527dを特定し、発言種類特定データ558にその発言ID558aを格納する(ステップS158)。
【0204】
次に、ステップS154で選択された発言セット527において、ステップS156で合致した発言識別キーワード527bに付加情報ID527hの設定が有れば(ステップS160のYES)、処理部200は更に付加情報ID527hの設定に対応する情報を取得し、発言種類特定データ558に付加情報558bとして格納して(ステップS162)、発言種類特定処理を終了する。勿論、付加情報ID527hの設定がなければステップS162をスキップして発言種類特定処理を終了する。
【0205】
図41は、発言再生処理Dの処理の流れを説明するためのフローチャートである。同処理において、処理部200は先ず、送信元呼称音声ライブラリ518を参照して、送信元識別518aに対応する送信元呼称音声データ518c(例えば、「こちら3号機」といった内容の音声)を抽出し(ステップS102)、次いで、宛先音声ライブラリ520を参照して、受信した発言送信データ552に含まれる宛先ID552aに合致する宛先音声データ520d(例えば、「2号機へ」といった内容の音声)を抽出する(ステップS104)。
【0206】
次いで処理部200は、第1実施形態のステップS106に代えて、発言セットライブラリ526を参照して、先に特定した発言ID558aに対応する発言音声データ527eを抽出する(ステップS105)。先に述べたステップS158における発言ID558bの特定は、送信元のプレーヤキャラクタの種類に対応した発言セット選択条件TBL524を元に、当該送信元のプレーヤキャラクタならばその状況でするであろう発言が集められた発言セット527の中から選択されているので、発言音声データ527eは、送信元のプレーヤキャラクタの声優によって演じられた音声となる。
【0207】
更に、第1実施形態のステップS108及びS110に代えて、処理部200は、発言種類特定データ558に付加情報558bが含まれている場合には(ステップS107のYES)、当該取得済みの付加情報558bを読み上げる音声データを抽出する(ステップS109)。
具体的には、本実施形態では付加情報558bには、自プレーヤキャラクタや他プレーヤキャラクタ等の現在位置座標が格納される。処理部200は、付加情報558bが位置座標である場合、エリア設定データ516を参照して付加情報558bの位置座標が該当するエリア16のエリア識別ID516bを取得する。そして、エリア呼称音声ライブラリ521(図13参照)から送信元の使用キャラクタ種類に対応し、且つ取得したエリアIDに対応するエリア呼称音声データ521cを抽出する。
付加情報558bに数や方角などが設定可能な構成としても良く、その場合それらのパラメータ毎にエリア呼称音声ライブラリ521と同様の音声ライブラリを用意しておき、付加情報558bに格納されていた情報の種類に応じて、該当する音声ライブラリから、送信元の使用キャラクタ種類の声優が読み上げている音声データを選択すれば良い。
【0208】
発言送信データ552に対応する音声データ(送信元呼称音声データと、宛先音声データと、発言音声データと、場合によってはエリア呼称音声データ)が抽出できたならば、以下第1実施形態における発言再生処理と同様に処理を実行し、これら抽出した音声データを音出力部350から出力・放音させ発言再生処理を終了する。
【0209】
〔変形例〕
以上、本発明を適用した第1〜第4実施形態について説明したが、本発明の実施形態はこれらに限定されるものではなく、適宜構成要素の変更・追加・省略を行うことができる。
【0210】
例えば、上記実施形態では業務用ゲーム装置1300の使用を前提としているが、ネットワーク通信機能、特にオンラインマルチプレイゲーム対応の家庭用ゲーム装置や携帯型ゲーム装置、パソコン、携帯電話機などを用いる構成としても良い。
【0211】
また、発言開始及び終了を音声認識によって実現しているが、専用のボタンスイッチを割り当て、スイッチを押して発言する構成としても良い。
【0212】
また、発言セット527(図16,図17参照)の詳細選択条件527cは、プレイ履歴に含まれる情報を条件パラメータにする例を示したがこれに限らず、送信元と宛先のプレーヤキャラクタの性別の異同、ゲーム内の仮想階級の差異、恋愛関係、血縁関係、友人関係などのキャラクタ設定を利用することもできる。
【図面の簡単な説明】
【0213】
【図1】システム構成例を示す図。
【図2】業務用ゲーム装置の構成例を示す斜視外観図。
【図3】第1実施形態におけるオンラインマルチプレイゲームの概要を説明するための図。
【図4】第1実施形態におけるオンラインマルチプレイゲームにおけるゲーム画面例を示す図。
【図5】第1実施形態におけるチャットにおける発言ルールを示す図。
【図6】第1実施形態におけるチャットの送受信に係る概念を説明するための図。
【図7】第1実施形態における機能構成の一例を示す機能ブロック図。
【図8】プレーヤ情報のデータ構成例を示す図。
【図9】ゲーム空間内へのエリア設定の概念を示す図。
【図10】エリア設定データのデータ構成例を示す図。
【図11】送信元呼称音声ライブラリのデータ構成の一例を示す図。
【図12】宛先音声ライブラリのデータ構成の一例を示す図。
【図13】エリア呼称音声ライブラリのデータ構成の一例を示すデータ構成図。
【図14】発言再生時効果音ライブラリのデータ構成の一例を示す図。
【図15】発言セット選択条件TBLのデータ構成の一例を示す図。
【図16】発言セットのデータ構成の一例を示す図。
【図17】発言セットのデータ構成の一例を示す図。
【図18】発言セットのデータ構成の一例を示す図。
【図19】マッチングデータのデータ構成の一例を示す図。
【図20】オンラインマルチプレイゲームを実行するにあたり各業務用ゲーム装置で実行される処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図21】発言選択送信制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図22】発言選択送信制御処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図23】発言再生処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図24】第2実施形態における記憶部に記憶されるプログラムやデータの構成例を示すブロック図。
【図25】第2実施形態における送信先識別TBLのデータ構成の一例を示す図。
【図26】状況対応語ライブラリのデータ構成の一例を示す図。
【図27】第2実施形態における発言選択送信制御処理の流れを説明するためのフローチャートの一部を示す図。
【図28】第2実施形態における発言再生処理(発言送信処理B)の流れを説明するためのフローチャート。
【図29】第3実施形態における発言種類の選択に伴ってゲーム画面内に表示されるポップアップウィンドウの例を示す図。
【図30】第3実施形態における宛先音声ライブラリのデータ構成例を示す図。
【図31】第3実施形態における発言セット選択条件TBLのデータ構成例を示す図。
【図32】第3実施形態における発言セットのデータ構成例を示す図。
【図33】第3実施形態における発言選択送信制御処理(発言選択送信制御処理C)の流れを説明するためのフローチャート。
【図34】第3実施形態における発言選択送信制御処理(発言選択送信制御処理C)の流れを説明するためのフローチャート。
【図35】第4実施形態における機能ブロックの構成例を示す機能ブロック図。
【図36】第4実施形態における発言セットのデータ構成例を示す図。
【図37】第4実施形態における各業務用ゲーム装置で実行される処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図38】第4実施形態における発言送信データ生成処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図39】図38より続くフローチャート。
【図40】発言種類特定処理の流れを説明するためのフローチャート。
【図41】第4実施形態における発言再生処理(発言再生処理D)の流れを説明するためのフローチャート。
【符号の説明】
【0214】
10 ゲーム空間
40 発言ログ表示部
42 発言テキスト
44 送信元識別表示
50 発言開始キーワード兼発信者識別キーワード
52 宛先識別キーワード
54 発言識別キーワード
56 発言終了キーワード兼送信許可キーワード
60 発言候補表示部
61 候補表示用テキスト
100 操作入力部
110 音声入力部
200 処理部
210 ゲーム演算部
212 マッチング処理部
216 発言選択送信制御部
230 音声データ抽出部
232 音声認識部
500 記憶部
502 ゲームプログラム
504 音声認識プログラム
514 音声認識用辞書データ
516 エリア設定データ
518 送信元呼称音声ライブラリ
520 宛先音声ライブラリ
521 エリア呼称音声ライブラリ
522 発言再生時効果音ライブラリ
524 発言セット選択条件TBL
526 発言セットライブラリ
540 ゲーム進行状況データ
1300 業務用ゲーム装置
1310 制御ユニット
1370 ヘッドセット
1372 マイク
1374 ヘッドホン

【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゲーム装置を構成するコンピュータに、他ゲーム装置と相互にデータ通信を行わせて、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実現させるためのプログラムであって、
自プレーヤの発声した音声を認識する音声認識手段、
前記音声認識手段による認識結果から、対応する発言種類を特定する発言種類特定手段、
前記発言種類特定手段によって特定された発言種類の情報を前記他ゲーム装置に送信する送信手段、
前記他ゲーム装置から送出された発言種類の情報を受信する受信手段、
予め定められた音声データの中から、前記受信手段が受信した発言種類の情報に対応した発言内容を読み上げる音声データを抽出する音声データ抽出手段、
前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づいて音出力制御する音出力制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項2】
前記発言種類特定手段によって特定された発言種類が自ゲーム装置のプレーヤキャラクタのゲーム空間中の位置を通知内容に含む発言種類であるか否かを判定する位置通知発言判定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記送信手段が、前記位置通知発言判定手段によって肯定判定された場合に、前記発言種類特定手段によって特定された発言種類の情報とともに自ゲーム装置のプレーヤキャラクタのゲーム空間中の位置の情報を前記他ゲーム装置に送信し、
前記受信手段が、前記他ゲーム装置から送出された位置の情報を受信し、
前記音出力制御手段が、前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データを、前記受信した位置の情報を用いて音出力させる、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1に記載のプログラム。
【請求項3】
前記音声認識手段が、プレーヤの発声したキーワード及びそのキーワードの発声順を識別するキーワード順次識別手段を有するように前記コンピュータを機能させ、
前記識別されたキーワードのうち、特定順位のキーワードに基づいて送信先の他ゲーム装置を判定する送信先判定手段として前記コンピュータを機能させ、
前記送信手段が、前記送信先判定手段によって判定された送信先に、前記発言種類特定手段によって特定された発言種類の情報を送信するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1又は2に記載のプログラム。
【請求項4】
ゲーム装置を構成するコンピュータに、他ゲーム装置と相互にデータ通信を行わせて、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実現させるためのプログラムであって、
自プレーヤが発声した音声のデータでなる発声データを前記他ゲーム装置に送信する送信手段、
前記他ゲーム装置から送信された当該他ゲーム装置の他プレーヤの発声データを受信する受信手段、
前記受信手段により受信された発声データに含まれる音声を認識する音声認識手段、
前記音声認識手段による認識結果から、対応する発言種類を特定する発言種類特定手段、
予め定められた音声データの中から、前記発言種類特定手段が特定した前記発言種類の情報に対応した発言内容を読み上げる音声データを抽出する音声データ抽出手段、
前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づいて音出力制御する音出力制御手段、
として前記コンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項5】
前記ゲームは、複数のプレーヤが通信対戦するゲームであり、
前記音声データには、同種の発言内容であるが親密度合いが異なる読み上げ方で読み上げられる音声データが用意されており、
自プレーヤと各他プレーヤとのプレイ履歴を取得するプレイ履歴取得手段として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記音声データ抽出手段が、前記受信手段が受信した情報の送出元ゲーム装置のプレーヤと自ゲーム装置のプレーヤとの前記プレイ履歴取得手段により取得されたプレイ履歴に基づいて、対応する親密度合いの読み上げ方の音声データを抽出するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜4の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項6】
前記音声認識手段が、プレーヤの発声したキーワード及びそのキーワードの発声順を識別するキーワード順次識別手段を有し、
前記発言種類特定手段が、前記キーワード順次識別手段により識別されたキーワード及びそのキーワードの発声順を用いて発言種類を特定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜5の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項7】
各プレーヤに対応付けて予め定められた効果音データの中から、前記受信手段が受信した情報の送出元ゲーム装置のプレーヤに応じた効果音データを抽出する効果音データ抽出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記音出力制御手段が、前記効果音データ抽出手段によって抽出された効果音データに基づく音と、前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づく音との再生順番及び合成再生を制御するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項1〜6の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項8】
前記ゲームは複数のプレーヤでグループを編成してグループ間で対戦ゲームであって、
前記音出力制御手段が、前記受信手段が受信した情報の送出元ゲーム装置のプレーヤが属するグループと自ゲーム装置のプレーヤが属するグループとの異同に基づいて音を加工して出力するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜7の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項9】
前記音出力制御手段が、ゲーム進行状況に応じて予め定められた状況対応音声データを、前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データとともに音出力制御するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜8の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項10】
ゲーム進行状況に基づいて複数の発言種類の中から前記発言種類特定手段が特定し得る発言種類の候補を選択する状況対応発言種類候補選択手段、
前記状況対応発言種類候補選択手段によって選択された発言種類の候補を画像表示させるように制御する発言種類画像表示制御手段、
として前記コンピュータを機能させ、
前記発言種類特定手段が、前記状況対応発言種類候補選択手段によって選択された発言種類の候補の中から発言種類を特定する、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜9の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項11】
ゲーム開始からのプレイ時間又は所定の時間制限までの残時間を算出する計時手段として前記コンピュータを機能させ、
前記状況対応発言種類候補選択手段が、前記ゲーム進行状況の一パラメータとして前記プレイ時間又は前記残時間を用いて発言種類の候補を選択するように前記コンピュータを機能させるための請求項10に記載のプログラム。
【請求項12】
前記ゲームは対戦ゲームであって、
ゲームの進行に伴って自プレーヤ側及び/又は相手プレーヤ側の戦況を示す戦況指数を算出する戦況指数算出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記状況対応発言種類候補選択手段が、前記ゲーム進行状況の一パラメータとして前記戦況指数を用いて発言種類の候補を選択するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項10又は11に記載のプログラム。
【請求項13】
前記ゲームは、登場キャラクタが互いに交戦し、交戦によって受けたダメージによってプレーヤキャラクタが行動不能になるゲームであって、
ゲームの進行に伴って各キャラクタのダメージを算出するダメージ算出手段として前記コンピュータを機能させ、
前記状況対応発言種類候補選択手段が、前記ゲーム進行状況の一パラメータとして自ゲーム装置のプレーヤキャラクタの前記ダメージを用いて発言種類の候補を選択するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項10〜12の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項14】
前記音声データ抽出手段が、各プレーヤに対応付けて予め定められた音声役者別の音声データのうち、前記受信手段が受信した情報の送出元ゲーム装置のプレーヤに対応する音声役者の音声データの中から、該当する音声データを抽出するように前記コンピュータを機能させるための請求項1〜13の何れか一項に記載のプログラム。
【請求項15】
前記コンピュータは、プレーヤが所有し、音声役者を特定可能な当該プレーヤの固有情報が記録された外部記録媒体から前記固有情報を読み取る読み取り手段を備えており、
前記送信手段が、更に、前記読み取り手段により読み取られた前記固有情報を送信し、
前記受信手段が、更に、前記他ゲーム装置から前記固有情報を受信し、
前記音声データ抽出手段が、前記受信手段により受信された固有情報に基づいて音声役者を特定して、特定した音声役者の音声データの中から発言内容を読み上げる、
ように前記コンピュータを機能させるための請求項14に記載のプログラム。
【請求項16】
前記ゲームは、所定の映像著作物の世界観を踏襲したゲームであり、
プレーヤが前記映像著作物の登場人物を選択する人物選択手段、
前記人物選択手段によって選択された登場人物を他ゲーム装置に通知する通知手段、
として前記コンピュータを機能させるとともに、
前記音声データ抽出手段は、前記映像著作物の登場人物別に音声役者が収録した音声データの中から、前記受信手段が受信した情報の送出元ゲーム装置のプレーヤが選択した登場人物に対応する音声データを抽出するように前記コンピュータを機能させる、
ための請求項14に記載のプログラム。
【請求項17】
請求項1〜16の何れか一項に記載のプログラムを記憶したコンピュータ読取可能な情報記憶媒体。
【請求項18】
他ゲーム装置と相互にデータ通信を行い、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実行するゲーム装置であって、
自プレーヤの発声した音声を認識する音声認識手段と、
前記音声認識手段による認識結果から、対応する発言種類を特定する発言種類特定手段と、
前記発言種類特定手段によって特定された発言種類の情報を前記他ゲーム装置に送信する送信手段と、
前記他ゲーム装置から送出された発言種類の情報を受信する受信手段と、
予め定められた音声データの中から、前記受信手段が受信した発言種類の情報に対応した発言内容を読み上げる音声データを抽出する音声データ抽出手段と、
前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づいて音出力制御する音出力制御手段と、
を備えたゲーム装置。
【請求項19】
他ゲーム装置と相互にデータ通信を行い、プレーヤ間の相互コミュニケーションが可能なゲームを実現するゲーム装置であって、
自プレーヤが発声した音声のデータでなる発声データを前記他ゲーム装置に送信する送信手段と、
前記他ゲーム装置から送信された当該他ゲーム装置の他プレーヤの発声データを受信する受信手段と、
前記受信手段により受信された発声データに含まれる音声を認識する音声認識手段と、
前記音声認識手段による認識結果から、対応する発言種類を特定する発言種類特定手段と、
予め定められた音声データの中から、前記発言種類特定手段が特定した前記発言種類の情報に対応した発言内容を読み上げる音声データを抽出する音声データ抽出手段と、
前記音声データ抽出手段によって抽出された音声データに基づいて音出力制御する音出力制御手段と、
を備えたゲーム装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【図36】
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【図37】
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【図38】
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【図39】
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【図40】
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【図41】
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【公開番号】特開2010−35908(P2010−35908A)
【公開日】平成22年2月18日(2010.2.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−204046(P2008−204046)
【出願日】平成20年8月7日(2008.8.7)
【出願人】(000134855)株式会社バンダイナムコゲームス (1,157)
【Fターム(参考)】