説明

プロゲステロン受容体調節剤としてのチオアミド誘導体

チオアミド化合物、特に、チオアミドピロール化合物、及びそれらの製造を提供する。これらのチオアミド化合物は、避妊において、及びプロゲステロン関連疾患の治療において、プロゲステロン受容体調節剤として使用することができる(式I)。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロゲステロン受容体調節剤に関する。
【背景技術】
【0002】
細胞内受容体(IR)は、「リガンド依存性転写因子」として知られる構造的に関連する遺伝子調節剤のクラスを形成する。ステロイド受容体ファミリーは、プロゲステロン受容体(PR)、エストロゲン受容体(ER)、アンドロゲン受容体(AR)、糖質コルチコイド受容体(GR)及び鉱質コルチコイド受容体(MR)を含む、IRファミリーのサブセットである。IRに結合し、天然ホルモンの活性を模倣する化合物はアゴニストと称され、一方ホルモンの作用を阻害する化合物はアンタゴニストである。
【0003】
PRについての天然ホルモン又はリガンドはステロイドプロゲステロンであるが、同様にリガンドとして働く合成化合物、例えば酢酸メドロキシプロゲステロン又はレボノルゲストレルが製造されてきた。一旦細胞を取り巻く液体中にリガンドが存在すれば、受動拡散によって膜を通過し、IRに結合して受容体/リガンド複合体を形成する。この複合体は、細胞のDNAに存在する特定遺伝子プロモーターに結合する。一旦DNAに結合すると、複合体はその遺伝子によってコードされるmRNA及びタンパク質の生産を調節する。
【0004】
PRアゴニスト(天然及び合成)は、女性の健康において重要な役割を果たすことが知られている。PRアゴニストは、典型的にはERアゴニストの存在下で、産児調節製剤において使用され、あるいはPRアンタゴニストと共に使用されることもある。ERアゴニストは閉経期の症状を治療するために使用されるが、子宮癌の危険度上昇を導き得る、子宮への増殖作用に結びついてきた。PRアゴニストの同時投与はその危険度を低下させる又は除去する。
【0005】
参照により本明細書に組み込まれる、米国特許第6,407,101号は、プロゲステロン受容体調節剤として有用なシクロカルバメート誘導体の製造を開示する。例えば5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−2−シアノピロールを含む、これらのシクロカルバメート誘導体は、対応するベンズオキサジン−2−オンのチオ化(thionation)によって製造される(スキーム1)。
【化3】

【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
当技術分野において求められているのは、プロゲステロン受容体調節剤として有効な代替化合物である。
【課題を解決するための手段】
【0007】
1つの態様では、本発明は、構造式I:
【化4】

の化合物を提供する。
【0008】
もう1つの態様では、本発明は、化合物5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド、5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド、5−(2’−チオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−[3H]−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド、又はその製薬上許容し得る塩を提供する。
【0009】
さらなる態様では、本発明は、避妊;ホルモン補充療法;ホルモン依存性腫瘍性疾患の治療又は予防;機能不全性不正出血、子宮平滑筋腫、子宮内膜症又は多嚢胞性卵巣症候群の治療;発情の同期化;ざ瘡の治療;又は多毛症の治療に使用するための、本発明の化合物又はその製薬上許容し得る塩を含有する医薬組成物を提供する。
【0010】
さらにもう1つの態様では、本発明は、その必要のある哺乳動物における避妊;ホルモン補充療法;ホルモン依存性腫瘍性疾患の治療又は予防;機能不全性不正出血、子宮平滑筋腫、子宮内膜症又は多嚢胞性卵巣症候群の治療;発情の同期化;ざ瘡の治療;又は多毛症の治療に有用な薬剤の製造における、本発明の化合物の使用を提供する。
【0011】
さらにもう1つの態様では、本発明は、単位投与剤形の本発明の化合物又は組成物を有する容器を含む、避妊;ホルモン補充療法;ホルモン依存性腫瘍性疾患の治療又は予防;機能不全性不正出血、子宮平滑筋腫、子宮内膜症又は多嚢胞性卵巣症候群の治療;発情の同期化;ざ瘡の治療;又は多毛症の治療のための一連の治療を含む医薬キット又はパックを提供する。
【0012】
さらにもう1つの態様では、本発明は、本発明の化合物を製造するための方法を提供する。
【0013】
本発明の他の態様及び利点は、その好ましい実施形態についての以下の詳細な説明においてさらに述べる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
本発明は、チオアミド化合物を含む新規プロゲステロン受容体調節剤及びそれを製造するための方法を提供する。本発明のチオアミド化合物は、プロゲステロン受容体調節剤としての使用を含む様々な目的のため、特に、その必要のある哺乳動物に本発明の化合物を投与することにより、避妊;ホルモン補充療法;ホルモン依存性腫瘍性疾患の治療又は予防;機能不全性不正出血、子宮平滑筋腫、子宮内膜症又は多嚢胞性卵巣症候群の治療;発情の同期化;ざ瘡の治療;又は多毛症の治療のために有用である。
【0015】
I.定義

「アルキル」という用語は、本明細書では1〜約10個の炭素原子、又は1〜約8個の炭素原子を有する、直鎖及び分枝鎖の両方の飽和脂肪族炭化水素基を指すために使用される。「アルケニル」という用語は、本明細書では1又はそれ以上の炭素−炭素二重結合を有し、かつ約2〜約10個の炭素原子を含む、直鎖及び分枝鎖の両方のアルキル基を指すために使用される。1つの実施形態では、アルケニルという用語は、1又は2個の炭素−炭素二重結合を有し、かつ2〜約6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。「アルキニル」という用語は、本明細書では1又はそれ以上の炭素−炭素三重結合を有し、かつ2〜約8個の炭素原子を有する、直鎖及び分枝鎖の両方のアルキル基を指すために使用される。1つの実施形態では、アルキニルという用語は、1又は2個の炭素−炭素三重結合を有し、かつ2〜約6個の炭素原子を有するアルキル基を指す。
【0016】
「シクロアルキル」という用語は、本明細書では構造が環状であり、かつ約4〜約10個の炭素原子、又は約5〜約8個の炭素原子を有する、前述したアルキル基を指すために使用される。
【0017】
「置換アルキル」、「置換アルケニル」、「置換アルキニル」及び「置換シクロアルキル」という用語は、それぞれ、限定はされず、場合により置換されていてもよいハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アリール、ヘテロ環式、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ及びアリールチオを含む1又はそれ以上の置換基を有する、アルキル、アルケニル、アルキニル及びシクロアルキル基を指す。これらの置換基は、その結合が安定な化学成分を構成することを条件として、アルキル、アルケニル又はアルキニル基のいずれかの炭素に結合し得る。
【0018】
本明細書で使用する「アリール」という用語は、単環あるいは縮合又は結合環の少なくとも一部が共役芳香族系を形成する、縮合又は結合した多芳香環を含み得る芳香族系を指す。アリール基は、フェニル、ナフチル、ビフェニル、アントリル、テトラヒドロナフチル、フェナントリル、インデン、ベンゾナフチル、フルオレニル及びカルバゾリルを含み得るが、これらに限定されない。
【0019】
「置換アリール」という用語は、場合により置換されていてもよい、ハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アミノアルキル及びアリールチオを含む1又はそれ以上の置換基で置換されているアリール基を指す。1つの実施形態では、置換アリール基は1〜約4個の置換基で置換されている。
【0020】
本明細書で使用する「ヘテロ環式」という用語は、飽和、部分不飽和又は完全不飽和である安定な4〜7員の単環式又は多環式ヘテロ環を指す。ヘテロ環は、炭素原子、及び窒素、酸素及び硫黄原子を含む1又はそれ以上のヘテロ原子を有する。1つの実施形態では、ヘテロ環は、環の骨格内に1〜約4個のヘテロ原子を有する。ヘテロ環が環の骨格内に窒素又は硫黄原子を含むとき、その窒素又は硫黄原子は酸化されていてもよい。「ヘテロ環式」という用語はまた、ヘテロ環がアリール環に縮合した多環式環を指す。ヘテロ環は、生じるヘテロ環構造が化学的に安定であることを条件として、ヘテロ原子又は炭素原子を介してアリール環に結合していてもよい。
【0021】
様々なヘテロ環式基が当技術分野において公知であり、限定はされず、酸素含有環、窒素含有環、硫黄含有環、混合へテロ原子含有環、縮合へテロ原子含有環、及びそれらの組合せを含む。酸素含有環は、フリル、テトラヒドロフラニル、ピラニル、ピロニル及びジオキシニル環を含むが、これらに限定されない。窒素含有環は、限定はされず、ピロリル、ピラゾリル、イミダゾリル、トリアゾリル、ピリジル、ピペリジニル、2−オキソピペリジニル、ピリダジニル、ピリミジニル、ピラジニル、ピペラジニル、アゼピニル、トリアジニル、ピロリジニル及びアゼピニル環を含む。硫黄含有環は、限定はされず、チエニル及びジチオリル環を含む。混合へテロ原子含有環は、オキサチオリル、オキサゾリル、チアゾリル、オキサジアゾリル、オキサトリアゾリル、ジオキサゾリル、オキサチアゾリル、オキサチオリル、オキサジニル、オキサチアジニル、モルホリニル、チアモルホリニル、チアモルホリニルスルホキシド、オキセピニル、チエピニル及びジアゼピニル環を含むが、これらに限定されない。縮合へテロ原子含有環は、ベンゾフラニル、チオナフテン、インドリル、ベナザゾリル、プリンジニル、ピラノピロリル、イソインダゾリル、インドキサジニル、ベンズオキサゾリル、アントラニリル、ベンゾピラニル、キノリニル、イソキノリニル、ベンゾジアゾニル、ナフチルリジニル、ベンゾチエニル、ピリドピリジニル、ベンズオキサジニル、キサンテニル、アクリジニル及びプリニル環を含むが、これらに限定されない。
【0022】
本明細書で使用する「置換ヘテロ環式」という用語は、場合により置換されていてもよいハロゲン、CN、OH、NO2、アミノ、アルキル、シクロアルキル、アルケニル、アルキニル、アルコキシ、アリールオキシ、アルキルオキシ、アルキルカルボニル、アルキルカルボキシ、アミノアルキル及びアリールチオを含む1又はそれ以上の置換基を有する、ヘテロ環式基を指す。1つの実施形態では、置換ヘテロ環式基は1〜約4個の置換基で置換されている。
【0023】
本明細書で使用する「アルコキシ」という用語は、結合点が酸素原子を介したものであり、及びアルキル基が、場合により置換されているO(アルキル)基を指す。
【0024】
本明細書で使用する「アリールオキシ」という用語は、結合点が酸素原子を介したものであり、及びアリール基が、場合により置換されているO(アリール)基を指す。
【0025】
「アルキルオキシ」という用語は、ヒドロキシアルキルを含み、本明細書で使用するとき、結合点がアルキル基を介したものである、アルキルOH基を指す。
【0026】
本明細書で使用する「アリールチオ」という用語は、結合点が硫黄原子を介したものであり、及びアリール基が、場合により置換されていてもよいS(アリール)基を指す。
【0027】
本明細書で使用する「アルキルカルボニル」という用語は、結合点がカルボニル部分の炭素原子を介したものであり、及びアルキル基が、場合により置換されているC(O)(アルキル)基を指す。
【0028】
本明細書で使用する「アルキルカルボキシ」という用語は、結合点がカルボキシ部分の炭素原子を介したものであり、及びアルキル基が、場合により置換されているC(O)O(アルキル)基を指す。
【0029】
「アミノアルキル」という用語は、アルキルアミノを含み、本明細書で使用するとき、結合点が窒素原子を介したものであり、及びアルキル基が、場合により置換されている第二級及び第三級アミンを指す。アルキル基は、同じであるか、又は異なり得る。
【0030】
本明細書で使用する「チオアルコキシ」又は「チオアルキル」という用語は、結合点が硫黄原子を介したものであり、及びアルキル基が、場合により置換されているS(アルキル)基を指す。
【0031】
本明細書で使用する「ハロゲン」という用語は、Cl、Br、F又はI基を指す。
【0032】
「ざ瘡」という用語は、皮膚汗孔が閉塞状態になる及び/又はそれによって炎症状態になる皮膚疾患を含むことが意図されている。ざ瘡という用語は、限定はされず、面ぽう、炎症性丘疹、表在性嚢胞及び嚢疱を含む表在性ざ瘡;及び深在炎症性モジュール(deep inflaimed module)及び膿充満性嚢胞を含む深在性ざ瘡を含む。詳細なざ瘡状態は、尋常性ざ瘡、面ぽう形成性ざ瘡、丘疹性ざ瘡、月経前ざ瘡、前青年期ざ瘡、毒物性ざ瘡、化粧品ざ瘡、ポマードざ瘡、洗剤性ざ瘡(acne detergicans)、擦過創性ざ瘡(acne excoriee)、グラム陰性ざ瘡、しゅさ性ざ瘡、偽性ひげ毛嚢炎(pseudofolliculitis barbae)、毛嚢炎、口囲皮膚炎及び化膿性汗腺炎を含み得るが、これらに限定されない。
【0033】
「多毛症」という用語は、通常は過度の毛成長を受けない身体の領域において毛の発育過剰が認められる皮膚疾患を表わすことが意図されている。
【0034】
「選択的エストロゲン受容体調節剤」又は「SERM」という用語は、組織依存的に得受容体のアゴニスト又はアンタゴニストとしての活性を示す化合物を表わすことが意図されている。SERMは、一部の組織ではエストロゲン受容体アゴニストとして働き、また別の組織型ではアンタゴニストとして働くことができる。SERMという用語はまた、「抗エストロゲン」という用語と変換可能である。
【0035】
II.本発明の化合物

従って、本発明は、構造式I:
【化5】

[式中、R1及びR2は、独立して、H、C1−C6アルキル又は置換C1−C6アルキルであり得る。R1及びR2はまた、−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2C(CH32CH2CH2−、−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−又は−CH2CH2NR6CH2CH2−[式中、nは1〜5であり;pは1〜4であり;及びqは1〜4である]を含む環を形成するように縮合し得る。R3は、H、OH、NH2、CN、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル又はCORAであり得る。RAは、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり得る。R4は、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり得る。R5は、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル又はCORAであり得る。R6は、H又はC1−C6アルキルであり得る。Xは、O、S又は不在であり得る。Qは、O又はSであり得る。]
の化合物を提供する。
【0036】
本発明はまた、R1及びR2がC1−C6アルキルであり、R3がHであり、R4がHであり、及びR5がC1−C6アルキルである、式Iの化合物を提供する。
【0037】
1つの実施形態では、本発明は、R1〜R3及びR5が上述したように定義される、以下の式:
【化6】

の化合物を提供する。
【0038】
もう1つの実施形態では、本発明は、以下の化合物:
【化7】

を提供する。
【0039】
1及びR2の例はCH3であるか、又はR1とR2は縮合して、−CH2(CH2nCH2−を含む環を形成する。nの一例は3である。
【0040】
3の一例はHである。R4は、例えばHであり得る。
【0041】
5の一例はCH3である。
【0042】
Qは、一部の実施形態ではOであり得、又Qは、他の実施形態ではSである。
【0043】
Xの一例はOである。他の実施形態では、Xは存在しない。
【0044】
ピロール環は、例えば2,5−二置換されていてもよい。
【0045】
III.チオアミドを製造するための方法

本発明のチオアミドは、CN部分を含む化合物を塩基の存在下で硫黄含有物質と反応させることによって製造できる。CN部分を含む化合物は、CN部分以外の置換基を有していてもよい。CN部分を含む化合物及び他の選択的置換基の例は、R1〜R5、Q及びXが上述したように定義される、式IIの化合物を含む。1つの実施形態では、CN部分を含む化合物は、ピロール環に結合した1又はそれ以上のCN置換基を含むピロール基である。もう1つの実施形態では、CN部分はピロール環の2位、3位又は4位で結合される。さらにもう1つの実施形態では、CN部分は環の2位で結合される。しかし、CN部分の位置及び数は、本発明においては限定はされない。
【0046】
本発明のチオアミドは、シアノピロール化合物を、溶媒及び塩基の存在下で、場合により加熱しながら、硫黄含有物質と反応させることによって製造できる(R. Shabana, H. J. Meyer, S.-O. Lawesson Phosphorus and Sulfur 1985, 25, 297 による手順に基づく)。
【化8】

【0047】
溶媒は、反応混合物の成分と反応しない任意の試薬を含むことができ、エーテルを包含する。1つの実施形態では、溶媒は、1,2−ジメトキシエタン(DME)、テトラヒドロフラン(THF)又はジエチルエーテルである。もう1つの実施形態では、溶媒はDMEである。溶媒はまた、反応に干渉しない他の物質を含むことができ、限定はされず、水又はアルコールを包含する。
【0048】
硫黄含有物質は、ピロール基のニトリル部分と反応し得るものでなければならず、限定はされず、ジアルキルジチオホスフェート、ジアリールジチオホスフェート、硫化水素(H2S)、2,4−ビス(4−メトキシフェニル)−1,3−ジチア−2,4−ジホスフェタン−2,4−ジスルフィド(ローソン(Lawesson)試薬)、又は五硫化リンを含む。1つの実施形態では、硫黄含有物質はジアルキルジチオホスフェート又はジアリールジチオホスフェートである。もう1つの実施形態では、硫黄含有物質はジエチルジチオホスフェートである。
【0049】
1つの実施形態では、1:1〜3:1の範囲内である、1:1の比の硫黄含有物質と式IIの化合物とが使用される。当業者は、反応条件、試薬及び必要とされる精製に依存して、使用する硫黄含有物質の量を容易に決定することができる。例えば、約1:1、約1.5:1、約2:1比、約2.5:1、又は約3:1の比のものが使用できる。
【0050】
本発明により使用される塩基は、アミンであり得る。1つの実施形態では、アミンは、中でも特に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(ヒューニッヒ塩基)、トリエチルアミン及びピリジンを含むアルキル化アミンである。触媒量の塩基しか必要としないが、より多量の塩基も使用でき、当業者によって容易に決定され得る。
【0051】
本発明のチオアミドは、硫化水素(H2S)又はローソン試薬誘導体をシアノピロール基のニトリル部分に添加することによって形成できる。H2Sは、水によるローソン試薬又は五硫化リンの加水分解から生じ得る。H2Sはまた、溶媒中に存在する、メタノール(MeOH)又はイソプロパノール(iPrOH)を含む何らかのアルコールとローソン試薬との、ホスホノジチオ酸のO−エステルとH2Sを与える反応によって形成することができる。
【0052】
式Iの化合物は、当業者に公知の手法を用いて精製することができ、限定はされず、抽出、再結晶化、クロマトグラフィー、沈殿及び蒸留を含む。1つの実施形態では、式Iの化合物を、溶液を形成するための溶解溶媒に溶解することによって精製する。溶解溶媒は、その溶媒を加熱することを伴って又は伴わずに、式Iの化合物を溶解するいかなる溶媒も含み得る。溶解溶媒の選択は当業者によって容易に決定され得る。もう1つの実施形態では、溶解溶媒は、アセトン、2−ブタノン、テトラヒドロフラン又はDMEである。さらにもう1つの実施形態では、溶媒は、アセトン又はその沸点まで加熱したアセトンである。式Iの化合物を含む溶解溶媒を、次に、蒸留又は減圧によって濃縮することができる。さらにもう1つの実施形態では、式Iの化合物を含む溶解溶媒を蒸留によって濃縮する。その後、式Iの精製化合物を沈殿によって、場合により濃縮した溶解溶媒を冷却することによって、単離する。
【0053】
1つの実施形態では、本発明は、塩基、ジアルキルジチオホスフェート、並びにR1〜R5、Q及びXが上記で定義される構造式II:
【化9】

の化合物又はその製薬上許容し得る塩を組み合わせることにより、構造式I:
【化10】

[式中、R1及びR2は、独立して、H、C1−C6アルキル又は置換C1−C6アルキルであり得る。R1及びR2はまた、−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2C(CH32CH2CH2−、−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−又は−CH2CH2NR6CH2CH2−[式中、nは1〜5であり;pは1〜4であり;及びqは1〜4である]を含む環を形成するように縮合し得る。R3は、H、OH、NH2、CN、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル又はCORAであり得る。RAは、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり得る。R4は、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり得る。R5は、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル又はCORAであり得る。R6は、H又はC1−C6アルキルであり得る。Xは、O、S又は不在であり得る。Qは、O又はSであり得る。]
の化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。スキーム2参照。
【化11】

【0054】
前記方法は、式Iの化合物をアセトンに溶解して溶液を形成すること;アセトン溶液をアセトンの沸点まで加熱すること;アセトン溶液を蒸留によって濃縮すること;及び式Iの精製化合物を単離すること、を含む、式Iの化合物を精製することをさらに含み得る。
【0055】
さらなる実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン化合物、塩基及び硫黄含有物質を反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0056】
もう1つの実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン化合物、塩基及びジアルキルジチオホスフェートを反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0057】
さらなる実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン化合物、塩基及び硫化水素を反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0058】
さらにもう1つの実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン化合物、塩基及びジエチルジチオホスフェートを反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0059】
さらにもう1つの実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン化合物、ヒューニッヒ塩基及びジエチルジチオホスフェートを反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0060】
さらなる実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン−2−オン化合物、塩基及びジアルキルジチオホスフェートを反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン−2−オン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0061】
さらにもう1つの実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン−2−チオン化合物、塩基及びジアルキルジチオホスフェートを反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン−2−チオン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0062】
さらなる実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン化合物と硫化水素を反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0063】
さらにもう1つの実施形態では、本発明は、6−(2−シアノピロール)−ベンズオキサジン化合物とジエチルジチオホスフェートを反応させることを含む、6−(2−カルボチオアミド−ピロール)−ベンズオキサジン化合物又はその製薬上許容し得る塩を製造するための方法を提供する。
【0064】
IV.本発明の化合物を使用する方法

本発明のチオアミド化合物は、アンタゴニスト及びアゴニストを含む、プロゲステロン受容体調節剤として有用である。詳細には、本発明の化合物は、PRへのプロゲステロン結合の競合的阻害剤として働き、それ故インビトロ及びインビボのいずれか又は両方で、機能的モデルにおけるアゴニストとして働くことができる。
【0065】
本発明に従って使用される化合物は、1又はそれ以上の不斉中心を含むことができ、それ故光学異性体及びジアステレオマーを生じ得る。立体化学を考慮せずに述べるが、本発明の化合物は、光学異性体及びジアステレオマー;ラセミ型及び分割された鏡像異性的に純粋なR及びS立体異性体;R及びS立体異性体の他の混合物及びそれらの製薬上許容し得る塩を含み得る。
【0066】
前記化合物は、それ故男性及び女性の両方における経口避妊薬として有用である。前記化合物はまた、ホルモン補充療法において及びそのために役立つ薬剤を製造する上でも有用である。前記化合物はさらに、子宮内膜症、黄体期欠損、ホルモン依存性腫瘍性疾患、及び良性乳房及び前立腺疾患の治療において、及びそのために役立つ薬剤を製造する上で有用である。ホルモン依存性腫瘍性疾患は、子宮筋層類線維腫、子宮内膜症、良性前立腺肥大、並びに子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺、下垂体及び子宮の癌及び腺癌、並びに髄膜腫を含み得る。前記化合物はまた、多毛症又はざ瘡を治療すること及びそのために役立つ薬剤を製造する上で有用である。前記化合物はさらに、発情の同期化及びそのために役立つ薬剤を製造する上で有用である。
【0067】
本発明の化合物は、単独で又は単一治療薬として使用することができ、又は他の薬剤、例えば参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US-2004-0006122-A1号及び同第US-2004-0014798-A1号に開示されているようなエストロゲン、プロゲスチン、エストロン、アンドロゲン、エストロゲン受容体アゴニスト、又は参照により本明細書に組み込まれる、米国特許公開第US-2004-0002535-A1号及び同第US-2004-0006060-A1号に開示されているような選択的エストロゲン受容体調節剤と組み合わせて使用できる。
【0068】
本発明の化合物は、記載した構造の生物活性によって特徴付けられる、本明細書で提供する構造の互変異性体を包含する。さらに、本発明の化合物は、製薬上又は生理的に許容し得る酸、塩基、アルカリ金属及びアルカリ土類金属から誘導される、製薬上許容し得る塩の形態で使用することができる。
【0069】
生理的に許容し得る酸は、無機及び有機酸から誘導されるものを含む。多くの無機酸が当技術分野において公知であり、中でも特に、塩酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、硫酸、硝酸及びリン酸を含む。同様に、様々な有機酸が当技術分野において公知であり、限定はされず、中でも特に、乳酸、ギ酸、酢酸、フマル酸、クエン酸、プロピオン酸、シュウ酸、コハク酸、グリコール酸、グルクロン酸、マレイン酸、フロ酸、グルタミン酸、安息香酸、アントラニル酸、サリチル酸、酒石酸、マロン酸、リンゴ酸、フェニル酢酸、マンデル酸、エンボン酸、メタンスルホン酸、エタンスルホン酸、パンテノン酸、ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸、ステアリン酸、スルファニル酸、アルギン酸及びガラクツロン酸を含む。
【0070】
生理的に許容し得る塩基は、無機及び有機塩基から誘導されるものを含む。多くの無機塩基が当技術分野において公知であり、中でも特に、アルミニウム、カルシウム、リチウム、マグネシウム、カリウム、ナトリウム及び亜鉛の硫酸塩又はリン酸塩化合物を含む。多くの有機塩基が当技術分野において公知であり、限定はされず、中でも特に、N,N−ジベンジルエチレンジアミン、クロロプロカイン、コリン、ジエタノールアミン、エチレンジアミン、メグルミン及びプロカインを含む。
【0071】
生理的に許容し得るアルカリ塩及びアルカリ土類金属塩は、限定はされず、エステルの形態のナトリウム、カリウム、カルシウム及びマグネシウム塩、及びカルバメートを含み得る。他の従来の「プロドラッグ」形態も使用でき、そのような形態で送達されるときは、インビボで活性成分に転換する。
【0072】
これらの塩並びに本発明の他の化合物は、エステル、カルバメート及び他の従来の「プロドラッグ」形態であり得、そのような形態で投与されるときは、インビボで活性成分に転換する。現在好ましい実施形態では、プロドラッグはエステルである。例えばB. Testa and J. Caldwell, "Prodrugs Revisited: The "Ad Hoc" Approach as a Complement to Ligand Design", Medicinal Research Reviews, 16 (3):233-241, ed., John Wiley & Sons (1996)参照。
【0073】
本明細書で述べる化合物はまた、本発明の化合物を細胞又は患者によって処理することによって形成される固有の生成物である「代謝産物」を包含する。1つの実施形態では、代謝産物はインビボで形成される。
【0074】
本発明の化合物は、そのままで又は投与のための製薬担体と共に製剤することができ、その比率は、化合物の溶解度及び化学的性質、選択される投与経路及び標準薬理試験実施基準(standard pharmacological practice)によって決定される。製薬担体は、固体又は液体であり得る。
【0075】
固体担体は、香味料、潤滑剤、可溶化剤、懸濁化剤、充填剤、流動促進剤、圧縮助剤、結合剤又は錠剤崩壊剤としても働き得る1又はそれ以上の物質を含むことができる;固体担体はまた、封入材料でもあり得る。散剤では、担体は、微細分割された有効成分と混合された微細分割固体である。錠剤では、必要な圧縮特性を有する担体と有効成分とを適切な比率で混合し、所望形状及び大きさに圧縮成形する。散剤及び錠剤は、99%までの有効成分を含有し得る。適切な固体担体は、例えばリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、タルク、糖類、ラクトース、デキストリン、デンプン、ゼラチン、セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、ポリビニルピロリドン、低融点ろう及びイオン交換樹脂を含む。
【0076】
液体担体は、溶液、懸濁液、乳剤、シロップ、エリキシル剤及び加圧組成物を製造するときに使用される。有効成分を製薬上許容し得る液体担体、例えば水、有機溶媒、両方の混合物又は製薬上許容し得る油又は脂肪に溶解又は懸濁することができる。液体担体は、他の適切な医薬添加物、例えば可溶化剤、乳化剤、緩衝剤、防腐剤、甘味料、香味料、懸濁化剤、増粘剤、着色料、粘度調節剤、安定剤又は浸透圧調節剤を含むことができる。経口及び非経口投与用の液体担体の適切な例は、水(上記のような添加物、例えばセルロース誘導体、例えばカルボキシメチルセルロースナトリウム溶液を部分的に含む)、アルコール(一価アルコール及び多価アルコール、例えばグリコールを含む)及びそれらの誘導体、レシチン、及び油(例えばヤシ油及び落花生油)を含む。非経口投与用には、担体はまた、油性エステル、例えばオレイン酸エチル及びミリスチン酸イソプロピルであり得る。無菌液体担体は、非経口投与用の無菌液体形態の組成物において有用である。加圧組成物用の液体担体は、ハロゲン化炭化水素、又は他の製薬上許容し得る推進剤であり得る。
【0077】
本発明の化合物は、経口、皮膚、経皮、気管支内、鼻内、静脈内、筋肉内、皮下、非経口、腹腔内、鼻内、膣、直腸、舌下、頭蓋内などの経路によって、又は持続放出によって送達することができる。1つの実施形態では、送達は経口的又は経皮的である。
【0078】
1つの実施形態では、本発明の組成物は、錠剤、カプセル、マイクロカプセル、分散性粉末、顆粒、懸濁液、シロップ、エリキシル及びエアロゾルによって経口的に送達される。もう1つの実施形態では、組成物を経口的に送達するとき、送達は、錠剤、及び硬カプセル又は液体充填カプセルによるものである。
【0079】
もう1つの実施形態では、前記組成物は、無菌注射用溶液、懸濁液、分散体及び注射器で容易に使用できる程度に流動性である粉末の形態で、静脈内、筋肉内、皮下、非経口及び腹腔内経路で送達される。そのような注射用組成物は、無菌で、製造及び保存条件下で安定であり、微生物、例えば細菌及び真菌の汚染作用を含まない。
【0080】
注射用製剤は、前記組成物を液体と組み合わせることによって製造できる。液体は、水、グリセロール、エタノール、プロピレングリコール及びポリエチレングリコール、油、及びそれらの混合物の中から選択することができる。1つの実施形態では、液体担体は水である。もう1つの実施形態では、油は植物油である。場合により、液体担体は懸濁化剤を含む。もう1つの実施形態では、液体担体は等張媒質であり、約0.05〜約5%の懸濁化剤を含む。
【0081】
さらなる実施形態では、前記組成物は、従来の坐薬の形態で、直腸経路で送達される。
【0082】
もう1つの実施形態では、前記組成物は、従来の坐薬、クリーム、ゲル、リング又は被覆子宮内器具(IUD)の形態で、膣経路で送達される。
【0083】
さらにもう1つの実施形態では、前記組成物は、エアロゾルの形態で、鼻内又は気管支内経路で送達される。
【0084】
さらなる実施形態では、前記組成物は、前記組成物と、化合物に対して不活性であり、皮膚に非毒性であって、血流への全身性吸収のための化合物の送達を可能にする選択的担体とを含有する経皮パッチの使用を通して、経皮的に又は持続放出によって送達される。そのような担体は、クリーム、軟膏、ペースト、ゲル又は密封装置(occlusive device)であり得る。クリーム及び軟膏は、粘性液体又は半固体乳剤であり得る。ペーストは、石油又は親水性石油に分散した吸収性粉末を含み得る。さらに、活性試薬を血流に放出するために様々な閉鎖装置が利用でき、活性試薬を含有する半透膜レザバー又は反応性試薬を含有するマトリックスを含む。
【0085】
持続送達装置の使用は、患者が毎日薬剤を服用する必要を回避するために望ましい場合がある。「持続送達」という用語は、本明細書では、活性物質、すなわち本発明の組成物の放出を送達環境における設置後まで遅延させること、及びその後の薬剤の持続放出を指すために使用される。多くの持続送達装置が当技術分野において公知であり、ヒドロゲル(米国特許第5,266,325号;同第4,959,217号;同第5,292,515号); 浸透圧ポンプ(中でも特に、米国特許第4,295,987号及び同第5,273,752号及び欧州特許第314,206号);疎水性膜材料、例えばエチレンメタクリレート(EMA)及びエチレンビニルアセテート(EVA);生体吸収性ポリマー系(国際公開第WO98/44964号及び米国特許第5,756,127号及び同第5,854,388号);及び、例えばポリエステル、ポリ無水物又は乳酸/グリコール酸コポリマーからなる他の生体吸収性移植装置(米国特許第5,817,343号)を含む。そのような持続送達装置における使用のために、本発明の組成物を本明細書で述べるように製剤化することができる。米国特許第3,845,770号;同第3,916,899号;同第3,536,809号;同第3,598,123号;及び同第4,008,719号参照。
【0086】
用量必要条件は、使用する特定組成物、投与経路、示される症状の重症度及び治療する特定被験者によって異なる。標準薬理試験手順において得られた結果に基づき、活性化合物の1日あたりの予測量は、約0.1〜約500mg/kg、約1〜約100mg/kg、約2〜約80mg/kg、約5〜約50mg/kg、又は約5〜約25mg/kgである。治療は一般に化合物の最適用量未満の低用量で開始する。その後、その状況下での最適効果が達成されるまで用量を増加する。
【0087】
好都合には、特に強力なPR調節剤(例えば式Iのもの)は、本明細書で示す用量範囲の下限で有用であると考えられる。用量計画は、しかしながら、最適治療応答を与えるように調整し得る。例えばいくつかの分割用量(例えば1日に2〜4回の分割用量)を毎日投与し得るか、又は治療状況の緊急性によって指示されるように用量を比例的に低下させ得る。あるいは、単回用量を送達することができる。1つの実施形態では、送達は毎日、毎週又は毎月のベースであり得る。もう1つの実施形態では、送達は毎日である。1日あたりの用量は、定期的送達に基づいて低下又は上昇させることができる。
【0088】
経口、非経口、経鼻又は気管支内投与のための厳密な用量は、治療する個々の被験者に関する経験に基づき、投与する医師によって決定され得る。1つの実施形態では、医薬組成物は、例えば錠剤又はカプセルとして、単位投与剤形である。そのような形態では、組成物は、適切な量の有効成分を含有する単位用量に細分される;単位投与剤形は、包装された組成物、例えば包装された粉末、バイアル、アンプル、前充填注射器又は液体を含む小袋であり得る。単位投与剤形は、例えばカプセル又は錠剤自体であるか、又は包装形態での適切な数のそのような組成物であり得る。
【0089】
V.医薬キット

本発明は、本明細書で述べる式Iの化合物を含む医薬組成物のキット又は包装物を提供する。式Iの化合物を継続的に送達すべきであるときは、包装物又はキットは、各々の錠剤中の化合物を含み得る。化合物を定期的な停止期間をおいて送達すべきであるときは、包装物又はキットは、化合物が送達されない日数分の偽薬を含み得る。
【0090】
キットはまた、単一経口製剤又は、1つの実施形態では規定された各々の日に服用すべき経口錠剤を含み、もう1つの実施形態では1個の経口錠剤が指示される組合せ1日あたりの用量の各々を含む、周期の各々の日に服用すべき経口製剤の組合せを指示するように構成することができる。
【0091】
同様に、式Iの化合物が送達される、上述したタイプの他のキットも作製し得る。1つの実施形態では、式Iの化合物の1日あたりの用量は、それが送達される各々の特定期間中一定のままである。指示される1日あたりの用量単位が指示される順序で、すなわち第1期、続いて第2期、第3期の順序で送達されるようになっていることはさらに好ましい。各々の投与計画の遵守を促進するために、キットが周期の最後の日数分の上記偽薬を含むことも好ましい。
【0092】
キットはまた、薬剤、例えばエストロゲン、プロゲスチン、エストロン、アンドロゲン、エストロゲン受容体アゴニスト又は選択的エストロゲン受容体調節剤の中から選択される1又はそれ以上の薬剤も含み得る。当業者は、本発明のキットにおける使用のために上述した薬剤の適切な量を容易に決定することができる。
【0093】
経口使用のための薬剤を投薬するときに使用するための多くの包装物又はキットが当技術分野において公知である。1つの実施形態では、包装物は各々の日についての指示を有する。さらなる実施形態では、包装物は、ラベルを貼付したブリスター包装、ダイアル式ディスペンサー又はビンである。
【0094】
以下の実施例は本発明を例示するために提供するものであり、その範囲を限定しない。当業者は、特定の試薬及び条件が以下の実施例において概説されているが、修正を行うことができ、それらは本発明の精神及び範囲に包含されることが意図されていることを認識する。

実施例
【実施例1】
【0095】
5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミドの製造

磁気攪拌器、温度計、添加漏斗及び還流冷却器を備えた500mL丸底フラスコにおいて、5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(29.3g、98.6mmol)を1,2−ジメトキシエタン(DME;200mL)に懸濁した。ヒューニッヒ塩基(1mL、0.747g、5.75mmol)、次いで水(1mL、1.00g、55.6mmol)を添加し、その混合物を加熱して還流した。ジエチルジチオホスフェート(49.0g、263mmol、Aldrich、工業用)を滴下した。15分間加熱して84℃に達した後、混合物は均一になった。8分後、温度は既に90℃に達しており、固体が沈殿し始めた。5時間後に試料採取した液相の高速液体クロマトグラフィー(HPLC)のグラフは、20/80比率の基質/生成物を示した。さらなるジエチルジチオホスフェート(11.0g、59mmol)を添加し、その混合物をさらに30分間加熱した。加熱を停止し、混合物を室温で20時間攪拌して、冷却し、ろ過した。黄色固体を得た(16.6g、51%粗収率;HPLC面積%;12/81の基質/生成物)。
【0096】
機械的攪拌器及び還流冷却を備えた5L丸底フラスコに単離した固体(16.5g)を負荷し、アセトン(2700mL)を、冷却器を通して少しずつ添加しながら、懸濁液を加熱して還流した。還流冷却器を通常のものと交換し、アセトンを蒸留除去した。アセトン2130mLを蒸留した後、形成されたスラリーを室温に冷却し、一晩攪拌して、半融ガラス漏斗でろ過し、暗黄色の結晶性砂状固体を得た。ろ過した固体を真空中40℃で乾燥して、5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド12.5gを得た(76%再結晶化収率;38%全体収率)。LC純度:95.94%;1.65% NSP−989;rrt0.88。LC−MS:331(M+);不純物297(NSP−989)。融点:様々な形状の粒子;小さな粒子は210〜215℃で融解;次は218〜220℃;最後は223〜226℃で融解した。IR(KBr,cm-1):3375,3269,3165,2211,1624,1610,1540,1526,1466,1370,1294,1261,1186,1114,1086,959,880,822,779。1H NMR(DMSO−d6,ppm):12.28(s,1H),9.22(s,1H,S=CNH2),8.97(s,1H,S=CNH2),7.41(d,1H,J=7.05Hz),7.40(s,1H),7.12(d,1H,J=8.85Hz),6.72(d,1H,J=3.9Hz),6.23(d,1H,J=3.9Hz),3.83(s,3H),1.68(s,6H)。固体はジメチルスルホキシド(DMSO)に難溶性であった。13C NMR(DMSO−d6,ppm):189.3((NH2)C=S),183.1(HN(O)C=S),140.6,138.5,135.2,131.5,129.8,128.6,127.2,124.4,114.8,112.7,108.4,83.7,35.8,27.6。
【実施例2】
【0097】
5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミドの製造

この化合物は、5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(1.45g)を用いて実施例1の手順に従って製造し、5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド(0.79g、49%収率)を得た。1H NMR(DMSO−d6,ppm):9.17(s,1H,S=CNH2),8.93(s,1H,S=CNH2)。
【実施例3】
【0098】
5−(2’−チオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−[3H]−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミドの製造

この化合物は、5−(2’−チオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−[3H]−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボニトリル(1.45g)を用いて実施例1の手順に従って製造し、5−(2’−チオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−[3H]−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド(0.20g、55%収率)を得た。1H NMR(DMSO−d6,ppm):9.24(s,1H,S=CNH2),8.96(s,1H,S=CNH2)。
【実施例4】
【0099】
薬理学

5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド(1)及び5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド(2)を、T47D細胞質ゾルアルカリホスファターゼアッセイにおいて試験した(表1)。この機能アッセイの目的は、T47D細胞におけるアルカリホスファターゼ活性への化合物の作用を測定することによってプロゲスチン又は抗プロゲスチンを特定することであった。
【0100】
【表1】

【0101】
(i) 培地:
5%(v/v)チャコール処理ウシ胎児血清(非熱不活化)、100U/mL ペニシリン、100μg/mL ストレプトマイシン及び2mM GlutaMaxTM試薬(GIBCO,BRL)を添加した、DMEM:F12(1:1)(GIBCO, BRL)。
【0102】
(ii) アルカリホスファターゼアッセイ緩衝液:
I.0.2% TritonTM試薬X-100を含む、0.1M トリス-HCl,pH9.8
II.4mM p-ニトロフェニルホスフェート(Sigma)を含む、0.1M トリス-HCl,pH9.8
【0103】
(iii) 細胞培養及び処置:
凍結T47D細胞を37℃水浴で解凍し、培地中で280,000細胞/mLに希釈した。96ウェルプレート(Falcon,Becton Dickinson Labware)の各ウェルに、希釈した細胞懸濁液180μLを添加した。次に、培地に希釈した標準又は試験化合物20μLを各ウェルに加えた。プロゲスチンアンタゴニスト活性に関して試験するときは、1nM プロゲステロンの存在下で標準抗プロゲスチン又は試験化合物を添加した。細胞を5%CO2/加湿空気中で24時間、37℃でインキュベートした。
【0104】
(iv) アルカリホスファターゼ酵素アッセイ:
処置の終了時に、培地をプレートから取り出し、アッセイ緩衝液I 50μLを各ウェルに添加した。プレートをタイタープレート振とう機で15分間振とうした。次にアッセイ緩衝液II 150μLを各ウェルに添加した。5分間隔で30分間405nmの試験波長で光学密度測定を実施した。
【0105】
(v) 結果の分析:
用量−反応データの分析:標準及び試験化合物に関し、用量(X軸)に対する酵素反応速度(勾配)(Y軸)について、用量反応曲線を作成する。アゴニスト及びアンタゴニストモードの両方について、分散及び非線形用量反応曲線適合の分析のために平方根変換データを使用する。外れ値の効果を下方調節(downweight)するためにヒューバー荷重(Huber weighting)を使用する。EC50又はIC50値は、再変換した値から算定する。単回用量及び用量反応試験の両方における一元配置分散分析及び非線形用量反応分析のためにJMPソフトウエア(SAS Institute, Inc.)を使用する。
【0106】
(vi) 標準化合物:
プロゲステロン及びトリメゲストンが標準プロゲスチンであり、RU486が標準抗プロゲスチンであった。全ての標準化合物を完全用量反応曲線上で走行させ、EC50又はIC50値を算定する。
【0107】
【表2】

【0108】
【表3】

【0109】
本明細書の中で引用する全ての刊行物は、参照により本明細書に組み込まれる。本発明を特に好ましい実施形態を参照して説明したが、本発明の精神から逸脱することなく変更し得ることは認識される。そのような変更は添付の特許請求の範囲に含まれることが意図されている。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
構造式I:
【化1】

[式中、
1及びR2は、独立して、H、C1−C6アルキル又は置換C1−C6アルキルであるか;
又はR1及びR2は、−CH2(CH2nCH2−、−CH2CH2C(CH32CH2CH2−、−O(CH2pCH2−、−O(CH2qO−、−CH2CH2OCH2CH2−又は−CH2CH2NR6CH2CH2−を含む環を形成するように縮合しており;
nは1〜5であり;
pは1〜4であり;
qは1〜4であり;
3は、H、OH、NH2、CN、ハロゲン、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C2−C6アルケニル、置換C2−C6アルケニル、C2−C6アルキニル、置換C2−C6アルキニル又はCORAであり;
Aは、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり;
4は、H、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル、C1−C6アルコキシ、置換C1−C6アルコキシ、C1−C6アミノアルキル又は置換C1−C6アミノアルキルであり;
5は、C1−C6アルキル、置換C1−C6アルキル又はCORAであり;
6は、H又はC1−C6アルキルであり;
Xは、O、S又は不在であり;
Qは、O又はSである。]
の化合物又はその製薬上許容し得る塩。
【請求項2】
1及びR2がCH3である、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項3】
1及びR2が、−CH2(CH2nCH2−を含む環を形成するように縮合している、請求項1記載の式Iの化合物。
【請求項4】
nが3である、請求項3記載の式Iの化合物。
【請求項5】
3がHである、請求項1〜4のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項6】
4がHである、請求項1〜5のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項7】
5がCH3である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項8】
QがOである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項9】
QがSである、請求項1〜7のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項10】
XがOである、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項11】
Xが存在しない、請求項1〜9のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項12】
前記ピロール環が2,5−置換ピロールである、請求項1〜11のいずれか1項に記載の式Iの化合物。
【請求項13】
(a) 5−(4,4−ジメチル−2−チオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド;
(b) 5−(4,4−ジメチル−2−オキソ−1,4−ジヒドロ−2H−3,1−ベンズオキサジン−6−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド;及び
(c) 5−(2’−チオキソスピロ[シクロヘキサン−1,3’−[3H]−インドール]−5’−イル)−1−メチル−1H−ピロール−2−カルボチオアミド
からなる群より選択される、請求項1記載の式Iの化合物又はその製薬上許容し得る塩。
【請求項14】
その必要のある哺乳動物に請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物を投与することを含む、避妊;ホルモン補充療法;ホルモン依存性腫瘍性疾患の治療又は予防;機能不全性不正出血又は多嚢胞性卵巣症候群の治療;発情の同期化;ざ瘡の治療;又は多毛症の治療のための方法。
【請求項15】
前記ホルモン依存性腫瘍性疾患が、子宮筋層類線維腫、子宮内膜症、良性前立腺肥大、並びに子宮内膜、卵巣、乳房、結腸、前立腺及び下垂体の癌及び腺癌、並びに髄膜腫からなる群より選択される、請求項14記載の方法。
【請求項16】
エストロゲン、プロゲスチン、エストロン、アンドロゲン、エストロゲン受容体アゴニスト又は選択的エストロゲン受容体調節剤を投与することをさらに含む、請求項14又は15記載の方法。
【請求項17】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物又はその製薬上許容し得る塩、及び製薬上許容し得る担体又は賦形剤を含有する、医薬組成物。
【請求項18】
硫黄含有物質と、構造式II:
【化2】

の化合物又はその製薬上許容し得る塩とを、塩基の存在下で反応させることを含む、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物を製造するための方法。
【請求項19】
前記硫黄含有物質がジアルキルジチオホスフェートである、請求項18記載の方法。
【請求項20】
前記ジアルキルジチオホスフェートと前記式IIの化合物との比が、約1:1〜約3:1である、請求項19記載の方法。
【請求項21】
前記ジアルキルジチオホスフェートがジエチルジチオホスフェートである、請求項19又は20記載の方法。
【請求項22】
前記硫黄含有物質がH2Sである、請求項18記載の方法。
【請求項23】
前記塩基がアミンである、請求項18〜22のいずれか1項に記載の方法。
【請求項24】
前記アミンがヒューニッヒ塩基である、請求項23記載の方法。
【請求項25】
(a) 溶液を形成するために前記式Iの化合物をアセトンに溶解する工程;
(b) 前記アセトン溶液をアセトンの沸点まで加熱する工程;
(c) 前記アセトン溶液を蒸留によって濃縮する工程;及び
(d) 前記式Iの精製化合物を単離する工程
を含む、前記式Iの化合物を精製する、請求項18〜24のいずれか1項に記載の方法。
【請求項26】
溶媒をさらに含む、請求項18〜25のいずれか1項に記載の方法。
【請求項27】
前記溶媒がジメトキシエタンである、請求項26記載の方法。
【請求項28】
前記溶媒を前記溶媒の沸点まで加熱する、請求項26又は27記載の方法。
【請求項29】
請求項18〜28のいずれか1項に記載の方法により製造される式Iの化合物。
【請求項30】
請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物を含む、避妊;ホルモン補充療法;ホルモン依存性腫瘍性疾患の治療又は予防;機能不全性不正出血、子宮平滑筋腫、子宮内膜症又は多嚢胞性卵巣症候群の治療;発情の同期化;ざ瘡の治療;又は多毛症の治療に有用な医薬キット。
【請求項31】
エストロゲン、プロゲスチン、エストロン、アンドロゲン、エストロゲン受容体アゴニスト又は選択的エストロゲン受容体調節剤をさらに含む、請求項30記載のキット。
【請求項32】
その必要のある哺乳動物における避妊;ホルモン補充療法;ホルモン依存性腫瘍性疾患の治療又は予防;機能不全性不正出血、子宮平滑筋腫、子宮内膜症又は多嚢胞性卵巣症候群の治療;発情の同期化;ざ瘡の治療;又は多毛症の治療に有用な薬剤の製造における、請求項1〜13のいずれか1項に記載の式Iの化合物の使用。
【請求項33】
前記薬剤が、エストロゲン、プロゲスチン、エストロン、アンドロゲン、エストロゲン受容体アゴニスト又は選択的エストロゲン受容体調節剤をさらに含む、請求項32記載の使用。

【公表番号】特表2007−532564(P2007−532564A)
【公表日】平成19年11月15日(2007.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−507494(P2007−507494)
【出願日】平成17年4月7日(2005.4.7)
【国際出願番号】PCT/US2005/011757
【国際公開番号】WO2005/100346
【国際公開日】平成17年10月27日(2005.10.27)
【出願人】(591011502)ワイス (573)
【氏名又は名称原語表記】Wyeth
【Fターム(参考)】