説明

プロジェクター、プロジェクションシステム、及びプロジェクターの制御方法

【課題】画像の切り替えと、シャッターメガネの開閉との同期のずれを抑制することが容易なプロジェクター、プロジェクションシステム、及びプロジェクターの制御方法を提供する。
【解決手段】送信部24は、赤外線発光装置等で構成される複数の送信装置24a〜24eを含んでいる。各送信装置24a〜24eは、プロジェクター1に対して一体的に備えられており、左眼用の画像と右眼用の画像との切り替えに同期するための赤外線の同期信号を送信する。送信装置24a〜24eは、それぞれ筐体5の前面5a、天面5b、背面5c、及び左右両側の側面5d,5eに配置されており、赤外線の同期信号を、それぞれが備わる各面に対して略垂直に射出する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、投写する画像を鑑賞者に立体像として認識させるプロジェクター、プロジェクションシステム、及びプロジェクターの制御方法に関する。
【背景技術】
【0002】
プロジェクター等の画像表示装置が表示する画像を鑑賞者に立体像として認識させるために、鑑賞者の右目及び左目に、それぞれ異なる画像(視差画像)を視認させるシステムが種々提案されている。このようなシステムの1つとして、例えば、左目用の画像と右目用の画像とを画像表示装置が交互に時分割で表示する態様のシステムがある(例えば、特許文献1参照)。この態様では、鑑賞者は、画像の切り替えに同期して左右交互に開閉するシャッターメガネを通して画像を鑑賞することにより、立体像を認識することができる。例えば、特許文献1に記載のシステム(立体映像表示装置)は、画像表示装置(液晶ディスプレイ)と、画像表示装置に画像情報(映像データ)を供給する画像供給装置(映像データ出力装置)と、シャッターメガネと、シャッターメガネに同期信号(制御信号)を出力してシャッターメガネの開閉を制御する同期信号出力装置(液晶シャッター制御部)とを備えて構成されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2009−152897号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1に記載のシステムのように、同期信号出力装置が画像表示装置とは分離して配置される構成になっている場合には、画像表示装置と同期信号出力装置との間で同期のずれが生じやすくなるため、画像表示装置による画像の切り替えと、シャッターメガネの開閉動作との同期も大きくずれやすい。この結果、一方の目に左右両方の画像が認識されてしまうクロストークが発生する等、画像の表示品位が低下してしまうという問題を有している。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態又は適用例として実現することが可能である。
【0006】
[適用例1]本適用例に係るプロジェクターは、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に投写するプロジェクターであって、前記画像を所定の投写方向に投写する画像投写部と、前記プロジェクターに対して一体的に備えられ、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号を送信する送信部と、を備え、前記送信部は、前記投写方向とは異なる方向に向けて前記同期信号を送信する送信装置を含んでいることを特徴とする。
【0007】
このプロジェクターによれば、同期信号を送信する送信部を一体的に備えていることから、送信部が分離している場合に比べて、プロジェクターによる画像の切り替えと、シャッターメガネの開閉動作との同期のずれを抑制することが容易になる。また、送信部には、投写方向とは異なる方向に向けて同期信号を送信する送信装置が含まれていることから、画像を鑑賞する位置の自由度が高くなる。
【0008】
[適用例2]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記送信部は、互いに異なる方向に向けて前記同期信号を送信可能な複数の送信装置を含んでいることが望ましい。
【0009】
このプロジェクターによれば、送信部が、互いに異なる方向に同期信号を送信可能な複数の送信装置を含んでいるため、画像を鑑賞する位置の自由度がさらに向上する。
【0010】
[適用例3]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記複数の送信装置のうち、一部の送信装置を指定して前記同期信号を送信させる制御部をさらに備えることが望ましい。
【0011】
このプロジェクターによれば、複数の送信装置のうち、一部の送信装置から同期信号を送信させるため、同期信号の送信に伴う電力消費を抑制することが可能となる。
【0012】
[適用例4]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記制御部は、前記画像投写部からメニュー画像を投写させて、前記一部の送信装置を選択させるようにしてもよい。
【0013】
このプロジェクターによれば、同期信号を送信する送信装置を、メニュー画像から選択可能であるため、所望の送信装置から同期信号を送信させることが可能となる。
【0014】
[適用例5]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記制御部は、当該プロジェクターが、所定の基本姿勢、及び前記基本姿勢の天地を反転させた反転姿勢のいずれの姿勢で設置されているかに応じて前記一部の送信装置を選定するようにしてもよい。
【0015】
このプロジェクターによれば、同期信号を出力する送信装置が、プロジェクターの設置姿勢に応じて選定されるため、ユーザーは、送信装置を選択するための入力操作を行う必要がなくなり、ユーザーの利便性が向上する。
【0016】
[適用例6]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記画像が投写される投写面までの距離を検出する距離検出部をさらに備え、前記制御部は、前記距離検出部によって検出された前記投写面までの距離に基づいて前記一部の送信装置を選定するようにしてもよい。
【0017】
このプロジェクターによれば、同期信号を出力する送信装置が、投写面までの距離に応じて選定されるため、ユーザーは、送信装置を選択するための入力操作を行う必要がなくなり、ユーザーの利便性が向上する。
【0018】
[適用例7]上記適用例に係るプロジェクターにおいて、前記送信部は、前記同期信号を同一の方向に送信する複数の送信装置を含んでいることが望ましい。
【0019】
このプロジェクターによれば、同期信号が複数の送信装置から同一方向に送信されるため、1つの送信装置から送信される場合よりもシャッターメガネに受信されやすくなり、画像を鑑賞する位置の自由度がさらに高くなる。
【0020】
[適用例8]本適用例に係るプロジェクションシステムは、上記適用例に係るプロジェクターと、前記プロジェクターから送信される前記同期信号を受信し、受信した前記同期信号に同期させて左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネと、を備えたことを特徴とする。
【0021】
このプロジェクションシステムによれば、上記プロジェクターと同様の効果を得ることができる。
【0022】
[適用例9]本適用例に係るプロジェクターの制御方法は、左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に投写する画像投写部と、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号を互いに異なる方向に向けて送信可能な複数の送信装置を含む送信部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、前記複数の送信装置のうち、一部の送信装置を指定して前記同期信号を送信させる制御工程を備えたことを特徴とする。
【0023】
このプロジェクターの制御方法によれば、複数の送信装置のうち、一部の送信装置から同期信号を送信させるため、同期信号の送信に伴う電力消費を抑制することが可能となる。
【0024】
[適用例10]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記画像投写部からメニュー画像を表示させて前記一部の送信装置を選択させる選択工程をさらに備え、前記制御工程では、前記選択工程で選択された送信装置を指定して前記同期信号を送信させるようにしてもよい。
【0025】
このプロジェクターの制御方法によれば、同期信号を送信する送信装置を、メニュー画像から選択可能であるため、所望の送信装置から同期信号を送信させることが可能となる。
【0026】
[適用例11]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記プロジェクターが、所定の基本姿勢、及び前記基本姿勢の天地を反転させた反転姿勢のいずれの姿勢で設置されているかに応じて前記一部の送信装置を選定する第1の選定工程をさらに備え、前記制御工程では、前記第1の選定工程で選定された送信装置を指定して前記同期信号を送信させるようにしてもよい。
【0027】
このプロジェクターの制御方法によれば、同期信号を出力する送信装置が、プロジェクターの設置姿勢に応じて選定されるため、ユーザーは、送信装置を選択するための入力操作を行う必要がなくなり、ユーザーの利便性が向上する。
【0028】
[適用例12]上記適用例に係るプロジェクターの制御方法において、前記画像が投写される投写面までの距離を検出する距離検出工程と、前記距離検出工程で検出された前記投写面までの距離に基づいて前記一部の送信装置を選定する第2の選定工程と、をさらに備え、前記制御工程では、前記第2の選定工程で選定された送信装置を指定して前記同期信号を送信させるようにしてもよい。
【0029】
このプロジェクターの制御方法によれば、同期信号を出力する送信装置が、投写面までの距離に応じて選定されるため、ユーザーは、送信装置を選択するための入力操作を行う必要がなくなり、ユーザーの利便性が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】プロジェクションシステムの概略構成を示す斜視図であり、(a)は、後方から見た図、(b)は、前方から見た図。
【図2】第1実施形態に係るプロジェクターの内部構成を示すブロック図。
【図3】液晶シャッターメガネの内部構成を示すブロック図。
【図4】天吊りしたプロジェクターを示す斜視図。
【図5】送信装置を選択するための送信装置選択画像を示す説明図。
【図6】設置モードを選択するための設置モード選択画像を示す説明図。
【図7】第3実施形態に係るプロジェクターの内部構成を示すブロック図。
【図8】第4実施形態に係るプロジェクターの内部構成を示すブロック図。
【図9】変形例に係るプロジェクターを示す斜視図であり、(a)は、各面に複数の送信装置を備えたプロジェクターを示す図、(b)は、複数の方向に同期信号を射出する送信部が筐体の角部に配置されたプロジェクターを示す図、(c)は、複数の方向に同期信号を射出する送信部が筐体の天面に配置されたプロジェクターを示す図。
【発明を実施するための形態】
【0031】
(第1実施形態)
以下、第1実施形態のプロジェクションシステムについて、図面を参照して説明する。
図1は、本実施形態のプロジェクションシステムの概略構成を示す斜視図であり、(a)は、後方から見た図、(b)は、前方から見た図である。
図1(a)、(b)に示すように、プロジェクションシステム100は、両眼視差を利用して鑑賞者に立体像を認識させるシステムであり、プロジェクター1と、液晶シャッターメガネ2とを備えて構成されている。
【0032】
プロジェクター1は、装置本体(後述する画像投写部10等)を収容する筐体5を備えて構成されており、筐体5の天面5bには、ユーザーにより入力操作が行われる入力操作部21が配置されている。筐体5の背面5cには、複数の入力端子を備えた画像情報入力部22が設けられており、画像情報入力部22には、外部の画像供給装置(図示省略)から画像情報が入力される。筐体5の前面5aには、投写レンズ13を露出させるための開口部6が形成されており、この投写レンズ13から、画像情報に基づく画像が前方の投写面(例えば、スクリーン)SCに投写される。
【0033】
画像情報入力部22には、左眼用の画像を表す左眼用の画像情報と、右眼用の画像を表す右眼用の画像情報とが入力され、プロジェクター1は、左眼用の画像と右眼用の画像とをフレーム単位で時分割して投写面SC上に交互に投写(表示)する。また、プロジェクター1は、左眼用の画像と右眼用の画像との切り替えに同期するための赤外線の同期信号を送信する送信部24を備えており、本実施形態の送信部24は、複数(5つ)の送信装置24a〜24eを備えて構成される。
【0034】
液晶シャッターメガネ2は、プロジェクター1が投写する画像を鑑賞する鑑賞者に装着されるものであり、鑑賞者の左眼に対峙する左眼用の液晶シャッター44Lと、右眼に対峙する右眼用の液晶シャッター44Rとを備えている。また、液晶シャッターメガネ2の前面には、プロジェクター1から送信される赤外線の同期信号を受信するための受信部41が設けられている。液晶シャッターメガネ2は、左眼用の画像が鑑賞者の左眼のみで認識され、右眼用の画像が鑑賞者の右眼のみで認識されるよう、同期信号に同期して左右の液晶シャッター44L,44Rを交互に開放させる。
【0035】
図2は、本実施形態に係るプロジェクター1の内部構成を示すブロック図である。
図2に示すように、プロジェクター1は、画像投写部10、制御部20、入力操作部21、画像情報入力部22、画像処理部23、送信部24等を備えている。
【0036】
画像投写部10は、光源装置11、光変調装置としての3つの液晶ライトバルブ12R,12G,12B、投写光学系としての投写レンズ13、液晶駆動部14等で構成されている。画像投写部10は、表示部に相当するものであり、光源装置11から射出された光を液晶ライトバルブ12R,12G,12Bで変調して画像(画像光)を形成する。そして、形成した画像を、投写レンズ13から前方、即ち筐体5の前面5aに略垂直な方向に向けて拡大投写して、投写面SC等に表示する。
【0037】
光源装置11は、超高圧水銀ランプやメタルハライドランプ等からなる放電型の光源ランプ11aと、光源ランプ11aが放射した光を液晶ライトバルブ12R,12G,12B側に反射するリフレクター11bとを含んで構成されている。光源装置11から射出された光は、図示しないインテグレーター光学系によって輝度分布が略均一な光に変換され、図示しない色分離光学系によって光の3原色である赤色(R)、緑色(G)、青色(B)の各色光成分に分離された後、それぞれ液晶ライトバルブ12R,12G,12Bに入射する。
【0038】
液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、一対の透明基板間に液晶が封入された液晶パネル等によって構成される。液晶ライトバルブ12R,12G,12Bには、マトリクス状に配列された複数の画素が形成されており、液晶に対して画素毎に駆動電圧を印加可能になっている。そして、液晶駆動部14の駆動により、入力される画像情報に応じた駆動電圧が各画素に印加されると、各画素は、画像情報に応じた光透過率に設定される。このため、光源装置11から射出された光は、この液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを透過することによって変調され、画像情報に応じた画像光が色光毎に形成される。形成された各色の画像光は、図示しない色合成光学系によって画素毎に合成されてカラー画像となった後、投写レンズ13から拡大投写される。
【0039】
制御部20は、CPU(Central Processing Unit)や、各種データ等の一時記憶に用いられるRAM(Random Access Memory)、不揮発性のROM(Read Only Memory)等を備えており、ROMに記憶されている制御プログラムに従ってCPUが動作することによりプロジェクター1の動作を統括制御する。つまり、制御部20は、コンピューターとして機能する。
【0040】
入力操作部21は、ユーザーの入力操作を受け付けるものであり、ユーザーがプロジェクター1に対して各種指示を行うための複数の操作キーを備えている。本実施形態の入力操作部21が備える操作キーとしては、電源のオン・オフを切り替えるための電源キー、各種設定用のメニュー画像を表示させるメニューキー、メニュー画像における項目の選択等に用いられる方向キー、選択した項目を確定させるための決定キー等がある。ユーザーが入力操作部21の各種操作キーを操作すると、入力操作部21は、この入力操作を受け付けて、ユーザーの操作内容に応じた操作信号を制御部20に出力する。なお、入力操作部21として、遠隔操作が可能なリモコン(図示せず)を用いた構成としてもよい。この場合、リモコンは、ユーザーの操作内容に応じた赤外線の操作信号を発信し、図示しない受信手段がこれを受信して制御部20に伝達する。
【0041】
画像情報入力部22には、パーソナルコンピューターや各種映像再生装置等、図示しない外部の画像供給装置から、左眼用及び右眼用の画像情報が入力される。そして、画像情報入力部22は、入力された画像情報を画像処理部23に出力する。また、画像情報入力部22には、画像の表示タイミングを計るための同期信号(以降、「基準同期信号」と呼ぶ。)が画像情報とともに画像供給装置から入力され、画像情報入力部22は、この基準同期信号を制御部20に出力する。
【0042】
画像処理部23は、画像情報入力部22から入力される左眼用及び右眼用の画像情報を、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bの各画素の階調を表す画像情報に変換する。ここで、変換された画像情報は、R,G,Bの色光別になっており、各液晶ライトバルブ12R,12G,12Bのすべての画素に対応する複数の画素値によって構成されている。画素値とは、対応する画素の光透過率を定めるものであり、この画素値によって、各画素から射出する光の強弱(階調)が規定される。また、画像処理部23は、制御部20の指示に基づき、変換した画像情報に対して、明るさやコントラスト等を調整するための画質調整処理や、メニュー画像やメッセージ画像等のOSD(オンスクリーンディスプレイ)画像を重畳して表示するためのOSD処理等を必要に応じて行う。
【0043】
画像処理部23は、画像情報を一時的に記憶する画像メモリー(図示省略)を備えており、左眼用及び右眼用の画像情報は、各種処理が施された後、フレーム単位で画像メモリーに記憶される。そして、画像処理部23は、制御部20からの指示に基づいて、画像メモリーに記憶されている左眼用及び右眼用の画像情報を1フレームずつ交互に液晶駆動部14に出力する。
【0044】
液晶駆動部14が、画像処理部23から入力される画像情報に従って液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを駆動すると、液晶ライトバルブ12R,12G,12Bは、画像情報に応じた画像を形成し、この画像が投写レンズ13から投写される。この結果、投写面SCには、左眼用の画像と右眼用の画像がフレーム単位で交互に表示される。
【0045】
送信部24は、赤外線発光装置等で構成される複数の送信装置24a〜24eを含んでいる。各送信装置24a〜24eは、プロジェクター1の装置本体に対して一体的に備えられており、制御部20の指示に基づいて、左眼用の画像と右眼用の画像との切り替えに同期するための赤外線の同期信号を送信する。制御部20は、画像供給装置からの基準同期信号に基づいて、所定の周期で画像処理部23に指示を行い、左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とを1フレームずつ交互に出力させるとともに、送信部24に指示をして、所定の波形パターンからなる同期信号を、画像処理部23からの画像情報の出力に同期させて送信させる。送信部24は、制御部20からこの指示を受けると、すべての送信装置24a〜24eから赤外線の同期信号を送信する。
【0046】
図3は、液晶シャッターメガネ2の内部構成を示すブロック図である。
図3に示すように、液晶シャッターメガネ2は、上述した液晶シャッター44L,44Rに加えて、受信部41と、制御部42と、駆動部43とを有している。受信部41は、フォトセンサー等によって構成され、プロジェクター1から送信される赤外線の同期信号を受信(受光)して電気信号に変換する。
【0047】
制御部42は、受信した同期信号に基づいて、液晶シャッター44L,44Rの開閉を制御するための制御信号を生成し、駆動部43に出力する。駆動部43は、入力される制御信号に基づいて液晶シャッター44L,44Rの開閉(開放及び閉塞)を駆動する。
【0048】
液晶シャッター44L,44Rは、それぞれ液晶パネルの表裏両側に偏光板が貼り付けられた構成を有している。液晶シャッター44Lは、駆動部43の駆動により、左眼に入射する光を透過させる開放状態と、左眼に入射する光を遮蔽する閉塞状態とを切り替え、液晶シャッター44Rは、駆動部43の駆動により、右眼に入射する光を透過させる開放状態と、右眼に入射する光を遮蔽する閉塞状態とを切り替える。
【0049】
プロジェクションシステム100は、上記のように構成されているため、プロジェクター1の画像処理部23が、制御部20からの指示に基づいて、左眼用の画像の表示と右眼用の画像の表示とを切り替え、液晶シャッターメガネ2が、プロジェクター1から送信される同期信号に基づいて、開放する液晶シャッター44L,44Rを切り替えることにより、左眼用の画像を左眼のみに認識させ、右眼用の画像を右眼のみに認識させることができる。
【0050】
図1に戻って、送信部24の送信装置24a〜24eは、それぞれ筐体5の前面5a、天面5b、背面5c、及び左右両側の側面5d,5eに配置されており、赤外線の同期信号を、それぞれが備わる各面に対して略垂直に射出(送信)する。つまり、前面5aの送信装置24aは、前方、即ち画像の投写方向に向けて同期信号を射出し、背面5cの送信装置24cは、後方、即ち投写方向の反対方向に向けて射出する。また、天面5bの送信装置24bは、上方に向けて射出し、側面5d,5eの送信装置24d,24eは、それぞれ左右方向に向けて射出する。つまり、送信装置24b,24d,24eは、投写方向と垂直な方向に同期信号を射出する。
【0051】
このように、本実施形態の送信部24は、互いに異なる方向に同期信号を射出する複数の送信装置24a〜24eを備えているため、液晶シャッターメガネ2は、広い範囲内で同期信号を受信することが可能となる。つまり、鑑賞者は、広い範囲で画像を鑑賞することができる。
【0052】
また、鑑賞者が投写面SCの正面のプロジェクター1の後方で画像を鑑賞する場合において、同期信号がプロジェクター1から前方にのみ射出される場合には、プロジェクター1は、同期信号を投写面SCで反射させて液晶シャッターメガネ2に到達させる必要がある。これに対して、本実施形態では、プロジェクター1の後方に向けて同期信号を射出する送信装置24cを備えているため、同期信号を投写面SCに反射させる必要がなく、液晶シャッターメガネ2に直接到達させることができる。このため、液晶シャッターメガネ2に同期信号を受信させるために、送信装置の出力強度をさほど強くする必要はない。また、出力強度を一定にした場合には、同期信号を投写面SCに反射させる場合に比べて、より遠くまで同期信号を到達させることができる。
【0053】
また、図4に示すように、プロジェクター1は、天井等への取り付け(以降、「天吊り」とも呼ぶ。)も可能になっている。この場合には、プロジェクター1は、筐体5の底面(図示せず)に天吊り用の固定具7が装着され、この固定具7によって天地を反転させた姿勢(反転姿勢)で天井等に取り付けられる。つまり、通常の姿勢(基本姿勢)で机上等に設置される場合に上方を向く天面5bは、反転姿勢では下方を向くことになり、天面5bに配置された送信装置24bは、下方に向けて同期信号を射出する。このため、天吊りされたプロジェクター1の下方に鑑賞者がいる場合でも、液晶シャッターメガネ2に同期信号を受信させることが可能となる。
【0054】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクションシステム100によれば、以下の効果を得ることができる。
【0055】
(1)本実施形態のプロジェクションシステム100によれば、送信部24(送信装置24a〜24e)がプロジェクター1の装置本体に対して一体的に備えられているため、送信部24がプロジェクター1から分離している場合に比べて、画像の切り替えと液晶シャッターの開閉との同期のずれを抑制することができる。
【0056】
(2)本実施形態のプロジェクションシステム100によれば、送信装置24b〜24eは、画像の投写方向とは異なる方向に同期信号を送信するため、鑑賞者の鑑賞位置が投写面SCの正面に限定されず、画像の鑑賞位置の自由度が向上する。
【0057】
(3)本実施形態のプロジェクションシステム100によれば、互いに異なる方向に同期信号を射出する複数の送信装置24a〜24eを備えているため、鑑賞者に装着された液晶シャッターメガネ2は、広い範囲で同期信号を受信することが可能となり、画像の鑑賞位置の自由度がさらに向上する。
【0058】
(第2実施形態)
以下、第2実施形態のプロジェクションシステムについて、図面を参照して説明する。
第1実施形態では、送信部24のすべての送信装置24a〜24eから同期信号を送信する態様を示したが、本実施形態では、複数の送信装置24a〜24eの中から、実際に同期信号を送信する送信装置をユーザーが選択できるようになっている。これ以外の構成については、第1実施形態と同様である。
【0059】
入力操作部21に備わるメニューキーがユーザーによって操作されると、プロジェクター1の制御部20は、画像処理部23に指示をして、各種設定を行うための図示しないOSD画像(設定メニュー画像)を重畳表示させる。その後、ユーザーが設定メニュー画像の内容に従って所定の入力操作を行うと、制御部20は、画像処理部23に指示をして、送信装置24a〜24eを選択するためのメニュー画像(送信装置選択画像)を重畳表示させる。
【0060】
図5は、送信装置24a〜24eを選択するための送信装置選択画像を示す説明図である。
図5に示すように、送信装置選択画像Psには、選択を促すメッセージとともに、送信装置24a〜24eが配置されている位置(面)がリスト表示されている。ユーザーは、方向キーを操作して所望の位置を指定した後で決定キーを操作することにより、送信装置24a〜24eを選択することができる。なお、すべての送信装置24a〜24eのうち、いずれか1つのみを選択できるようにしてもよいし、複数の送信装置を選択できるようにしてもよい。ユーザーが選択した送信装置に関する情報は、制御部20のROMに記憶される。
【0061】
制御部20は、送信部24に同期信号の送信を指示する際に、ユーザーによって選択された送信装置を指定する。そして、送信部24は、指定された送信装置から同期信号を送信させ、他の送信装置からは同期信号を送信させない。このため、鑑賞者は、複数の送信装置24a〜24eのうち、鑑賞位置に向けて同期信号を射出する送信装置を選択するようにすればよい。
【0062】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクションシステム100によれば、複数の送信装置24a〜24eのうち、選択された一部の送信装置のみから同期信号を送信させ、他の送信装置からは同期信号を送信させないため、同期信号の送信に伴う電力消費を抑制することが可能となる。また、このプロジェクションシステム100によれば、同期信号を送信する送信装置を、送信装置選択画像Psから選択可能であるため、所望の送信装置から同期信号を送信させることが可能となる。
【0063】
(第3実施形態)
以下、第3実施形態のプロジェクションシステムについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクションシステム100は、複数の送信装置24a〜24eの中から、実際に同期信号を送信する送信装置を、プロジェクター1の設置姿勢に応じて選定するようになっている。これ以外の構成については、第1実施形態と同様である。
【0064】
第1実施形態と同様、プロジェクター1は、机上等に設置される場合には通常の基本姿勢(図1参照)で設置され、天井等に設置される場合には、基本姿勢の天地を反転させた反転姿勢(図4参照)で固定される。反転姿勢では、投写される画像も上下が逆さまになってしまうため、天吊りで利用する場合には、画像を意図的に上下反転(180°回転)させておく必要がある。プロジェクター1は、基本姿勢に対応する通常モードと、反転姿勢に対応する天吊りモードの2つの設置モードのうちのいずれか一方に設定されるようになっている。そして、設置モードが天吊りモードに設定された場合には、制御部20は、画像処理部23に指示をして画像を上下反転させる処理を行わせる。
【0065】
メニューキーの操作によって設定メニュー画像が重畳表示されている状態で、ユーザーが所定の入力操作を行うと、制御部20は、画像処理部23に指示をして、設置モードを選択するためのメニュー画像(設置モード選択画像)を重畳表示させる。
【0066】
図6は、設置モードを選択するための設置モード選択画像を示す説明図である。
図6に示すように、設置モード選択画像Pmには、選択を促すメッセージとともに、「通常モード」と「天吊りモード」の2つの項目が表示されている。ユーザーは、方向キーを操作して所望の設置モードを指定した後で決定キーを操作することにより、設置モードを選択することができる。ユーザーが選択した設置モードに関する情報は、制御部20のROMに記憶される。
【0067】
設置モードとして通常モードが選択された場合には、制御部20は、画像処理部23に指示をして、基本姿勢で画像を投写した際に正しい向きで画像が表示されるように、これ以降の画像処理を行わせる。一方、設置モードとして天吊りモードが選択された場合には、制御部20は、画像処理部23に指示をして、これ以降、反転姿勢で画像を投写した際に正しい向きで画像が表示されるよう、上下を反転させる処理を行わせる。
【0068】
また、設置モードとして通常モードが選択された場合には、制御部20は、同期信号を送信する送信装置として、前面5a、背面5c、左右両側の側面5d,5eに備わる4つの送信装置24a,24c,24d,24eを選定し、これらの送信装置24a,24c,24d,24eを指定して送信部24に同期信号の送信を指示する。そして、送信部24は、制御部20からの指示を受けて、指定された送信装置24a,24c,24d,24eから同期信号を送信させ、天面5bに備わる送信装置24bからは同期信号を送信させない。一方、設置モードとして天吊りモードが選択された場合には、制御部20は、同期信号を送信する送信装置として、天面5bに備わる送信装置24bを選定し、この送信装置24bを指定して送信部24に同期信号の送信を指示する。そして、送信部24は、制御部20の指示を受けて、指定された送信装置24bから同期信号を送信させ、前面5a、背面5c、側面5d,5eに備わる4つの送信装置24a,24c,24d,24eからは同期信号を送信させない。
【0069】
このように、設置モードとして通常モードが選択された場合には、プロジェクター1の前後左右に向けて同期信号が送信され、天吊りモードが選択された場合には、天吊りされているプロジェクター1から下方に向けて同期信号が送信される。
【0070】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクションシステム100によれば、同期信号を出力する送信装置が、プロジェクター1の設置姿勢、即ち設置モードの設定に応じて選定される。つまり、ユーザーは、設置モードを設定するための入力操作さえ行えば、制御部20が、設定された設置モード(設置姿勢)に適した送信装置を指定して同期信号を送信させるため、送信装置を選択するための入力操作を行う必要がなくなり、ユーザーの利便性が向上する。
【0071】
なお、図7に示すように、加速度センサー等を用いてプロジェクター1の姿勢を検出する姿勢検出部25を備えるようにして、制御部20が、姿勢検出部25の検出結果に基づいて、設置モード、及び同期信号を送信する送信装置を選定するようにしてもよい。例えば、姿勢検出部25が検出した姿勢が基本姿勢の場合には、制御部20は、設置モードを通常モードに設定するとともに、4つの送信装置24a,24c,24d,24eを指定して同期信号を送信させればよい。また、姿勢検出部25が検出した姿勢が反転姿勢の場合には、制御部20は、設置モードを天吊りモードに設定するとともに、送信装置24bを指定して同期信号を送信させればよい。このように、姿勢検出部25の検出結果に基づいて、設置モード及び送信装置を選定する場合には、設置モードを設定するための入力操作、及び送信装置を選択するための入力操作の双方とも必要がなくなり、ユーザーの利便性がさらに向上する。
【0072】
(第4実施形態)
以下、第4実施形態のプロジェクションシステムについて、図面を参照して説明する。
本実施形態のプロジェクションシステム100は、複数の送信装置24a〜24eの中から、実際に同期信号を送信する送信装置を、プロジェクター1と投写面SCとの距離に応じて選定するようになっている。これ以外の構成については、第1実施形態と同様である。
【0073】
図8は、本実施形態に係るプロジェクター1の内部構成を示すブロック図である。
図8に示すように、本実施形態のプロジェクター1は、CCD(Charge Coupled Device)センサー、或いはCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)センサー等の撮像素子を備えて構成される撮像部26を含んでいる。撮像部26は、投写面SCを撮像できるように配置されており、投写面SCに対するプロジェクター1の傾きの検出等に用いられる。
【0074】
また、制御部20が、画像処理部23に指示をして所定のパターン画像を投写レンズ13から投写させ、撮像部26が、このパターン画像を撮像して、撮像結果を制御部20に出力すると、制御部20は、三角測量の原理を適用することにより、投写面SCまでの距離を導出することができる。つまり、撮像部26及び制御部20は、投写面SCまでの距離を検出する距離検出部として機能する。
【0075】
そして、制御部20は、複数の送信装置24a〜24eの中から、実際に同期信号を送信する送信装置を投写面SCまでの距離に応じて選定する。具体的には、制御部20は、投写面SCまでの距離が所定の距離よりも長いか否かを判断し、長い場合には、同期信号を送信する送信装置として前面5aに備わる送信装置24aを選定し、この送信装置24aを指定して送信部24に同期信号の送信を指示する。この結果、同期信号は、送信装置24aから前方に向けて射出され、前方にいる鑑賞者の液晶シャッターメガネ2に直接、或いは投写面SCで反射した後で受信される。一方、投写面SCまでの距離が所定の距離以下の場合には、制御部20は、同期信号を送信する送信装置として背面5cに備わる送信装置24cを選定し、この送信装置24cを指定して送信部24に同期信号の送信を指示する。この結果、同期信号は、送信装置24cから後方に向けて射出され、後方にいる鑑賞者の液晶シャッターメガネ2に受信される。
【0076】
以上説明したように、本実施形態のプロジェクションシステム100によれば、同期信号を送信する送信装置が、プロジェクター1と投写面SCとの距離に応じて選定される。つまり、制御部20が、投写面SCまでの距離に応じて適切な送信装置を指定して同期信号を送信させるため、ユーザーは、送信装置を選択するための入力操作を行う必要がなくなり、ユーザーの利便性が向上する。
【0077】
なお、投写面SCまでの距離を検出する手段は、撮像部26を用いた構成に限定されず、赤外線等を照射して距離を測定する測距センサーを利用してもよいし、投写レンズ13のフォーカス状態に基づいて距離を導出するようにしてもよい。
【0078】
(変形例)
また、上記実施形態は、以下のように変更してもよい。
【0079】
上記実施形態では、筐体5の前面5a、天面5b、背面5c、左右両側の側面5d,5eにそれぞれ1つの送信装置を備えているが、図9(a)に示すように、各面に複数の送信装置を備えるようにしてもよい。つまり、複数の送信装置が同一の方向に同期信号を射出する態様としてもよい。この態様では、1つの方向に1つの送信装置から同期信号が送信される場合よりも液晶シャッターメガネ2に同期信号が受信されやすくなり、鑑賞する位置の自由度がさらに高くなる。
【0080】
上記実施形態では、複数の送信装置24a〜24eが筐体5の各面に分散して配置されていたが、複数の送信装置をユニット化してプロジェクター1の所定の位置に配置するようにしてもよい。例えば、図9(b)に示すように、直交する3方向に同期信号を射出する3つの送信装置を含んだ送信部24を、天面5b、背面5c、左側面5dが交わる角部、及び天面5b、背面5c、右側面5eが交わる角部に配置するようにしてもよい。また、図9(c)に示すように、前方、上方、後方、左方向、右方向等の複数の方向に同期信号を射出する複数の送信装置(一部は図示せず)を含んだ送信部24を、筐体5の天面5b等に配置させるようにしてもよい。
【0081】
上記実施形態では、液晶シャッターメガネ2の受信部41が、液晶シャッターメガネ2の前面に配置されているが、これに限定されない。つまり、液晶シャッターメガネ2は、鑑賞者の前方から送信される同期信号を受信する態様に限定されず、鑑賞者の後方や左右方向から送信される同期信号を受信可能な態様としてもよい。
【0082】
上記実施形態では、制御部20は、外部の画像供給装置から入力される基準同期信号に基づいて、赤外線の同期信号を送信させる指示を送信部24に行っているが、この基準同期信号は外部から入力される態様に限定されず、プロジェクター1自体(例えば、制御部20)が基準同期信号を生成する態様としてもよい。
【0083】
上記実施形態では、プロジェクター1の送信部24と、液晶シャッターメガネ2の受信部41との間で、赤外線の同期信号を送受信する態様を示したが、同期信号は、ワイヤレスで送受信されるものであれば赤外線に限定されない。例えば、赤外線以外の光通信を利用するようにしてもよいし、電波を利用するようにしてもよい。
【0084】
上記実施形態のプロジェクター1では、光変調装置として、透過型の液晶ライトバルブ12R,12G,12Bを用いているが、反射型の液晶ライトバルブ等、反射型の光変調装置を用いることも可能である。また、入射した光の射出方向を、画素としてのマイクロミラー毎に制御することにより、光源から射出した光を変調する微小ミラーアレイデバイス等を用いることもできる。
【0085】
上記実施形態において、画像供給装置からプロジェクター1に画像情報を供給する方式としては、左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とをフレーム単位で交互に出力するフレームシーケンシャル方式を採用することができるが、画像情報の供給方式はこれに限定されない。例えば、左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とを左右に並べて1フレーム内に収めるサイドバイサイド方式を採用することも可能である。この場合には、プロジェクター1が、供給される画像情報を左眼用の画像情報と右眼用の画像情報とに分離し、それぞれの画像情報に基づく画像を交互に表示すればよい。
【符号の説明】
【0086】
1…プロジェクター、2…液晶シャッターメガネ、5…筐体、5a…前面、5b…天面、5c…背面、5d,5e…側面、6…開口部、7…固定具、10…画像投写部、11…光源装置、11a…光源ランプ、11b…リフレクター、12R,12G,12B…液晶ライトバルブ、13…投写レンズ、14…液晶駆動部、20…制御部、21…入力操作部、22…画像情報入力部、23…画像処理部、24…送信部、24a〜24e…送信装置、25…姿勢検出部、26…撮像部、41…受信部、42…制御部、43…駆動部、44L,44R…液晶シャッター、100…プロジェクションシステム、SC…投写面、Ps…送信装置選択画像、Pm…設置モード選択画像。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に投写するプロジェクターであって、
前記画像を所定の投写方向に投写する画像投写部と、
前記プロジェクターに対して一体的に備えられ、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号を送信する送信部と、を備え、
前記送信部は、前記投写方向とは異なる方向に向けて前記同期信号を送信する送信装置を含んでいることを特徴とするプロジェクター。
【請求項2】
請求項1に記載のプロジェクターであって、
前記送信部は、互いに異なる方向に向けて前記同期信号を送信可能な複数の送信装置を含んでいることを特徴とするプロジェクター。
【請求項3】
請求項2に記載のプロジェクターであって、
前記複数の送信装置のうち、一部の送信装置を指定して前記同期信号を送信させる制御部をさらに備えたことを特徴とするプロジェクター。
【請求項4】
請求項3に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、前記画像投写部からメニュー画像を投写させて、前記一部の送信装置を選択させることを特徴とするプロジェクター。
【請求項5】
請求項3に記載のプロジェクターであって、
前記制御部は、当該プロジェクターが、所定の基本姿勢、及び前記基本姿勢の天地を反転させた反転姿勢のいずれの姿勢で設置されているかに応じて前記一部の送信装置を選定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項6】
請求項3に記載のプロジェクターであって、
前記画像が投写される投写面までの距離を検出する距離検出部をさらに備え、
前記制御部は、前記距離検出部によって検出された前記投写面までの距離に基づいて前記一部の送信装置を選定することを特徴とするプロジェクター。
【請求項7】
請求項2〜6のいずれか一項に記載のプロジェクターであって、
前記送信部は、前記同期信号を同一の方向に送信する複数の送信装置を含んでいることを特徴とするプロジェクター。
【請求項8】
請求項1〜7のいずれか一項に記載のプロジェクターと、
前記プロジェクターから送信される前記同期信号を受信し、受信した前記同期信号に同期させて左眼用のシャッターと右眼用のシャッターとを交互に開放させるシャッターメガネと、
を備えたことを特徴とするプロジェクションシステム。
【請求項9】
左眼用の画像と右眼用の画像とを交互に投写する画像投写部と、前記左眼用の画像と前記右眼用の画像との切り替えに同期するための同期信号を互いに異なる方向に向けて送信可能な複数の送信装置を含む送信部と、を備えたプロジェクターの制御方法であって、
前記複数の送信装置のうち、一部の送信装置を指定して前記同期信号を送信させる制御工程を備えたことを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項10】
請求項9に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記画像投写部からメニュー画像を表示させて前記一部の送信装置を選択させる選択工程をさらに備え、
前記制御工程では、前記選択工程で選択された送信装置を指定して前記同期信号を送信させることを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項11】
請求項9に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記プロジェクターが、所定の基本姿勢、及び前記基本姿勢の天地を反転させた反転姿勢のいずれの姿勢で設置されているかに応じて前記一部の送信装置を選定する第1の選定工程をさらに備え、
前記制御工程では、前記第1の選定工程で選定された送信装置を指定して前記同期信号を送信させることを特徴とするプロジェクターの制御方法。
【請求項12】
請求項9に記載のプロジェクターの制御方法であって、
前記画像が投写される投写面までの距離を検出する距離検出工程と、
前記距離検出工程で検出された前記投写面までの距離に基づいて前記一部の送信装置を選定する第2の選定工程と、をさらに備え、
前記制御工程では、前記第2の選定工程で選定された送信装置を指定して前記同期信号を送信させることを特徴とするプロジェクターの制御方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2012−108344(P2012−108344A)
【公開日】平成24年6月7日(2012.6.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−257580(P2010−257580)
【出願日】平成22年11月18日(2010.11.18)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】