説明

プロセスカートリッジおよび画像形成装置

【課題】
寿命が長いプロセスカートリッジおよび画像形成装置を提供する。
【解決手段】
プロセスカートリッジにおいて、露光を受けて潜像を保持しトナーによる現像を受けてトナー像を保持してトナー像を被転写体に転写する像保持体11と、像保持体上の潜像をトナーで現像して像保持体上にトナー像を形成する現像器13と、被転写体へのトナー像の転写後に像保持体11上に残存するトナーを除去することにより像保持体11を清掃する清掃器71とを有する画像形成部10、画像形成部から離れた位置に設けられた、現像器13への補給用のトナーが収容されたトナー容器が着脱自在に装着される容器装着部73、および画像形成部10と容器装着部72とに挟まれた空間に広がる、清掃器71により像保持体11から除去されたトナーを収容するトナー収容箱72を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プロセスカートリッジおよび画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置に着脱自在に装着されるプロセスカートリッジとして、例えば特許文献1には、感光体、帯電手段、クリーニングブレードを備えたプロセスカートリッジが示されている。
【0003】
また、特許文献2には、クリーニングブレード、廃トナー回収タンク部、およびトナー供給タンク部が結合されたユニット体が示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平09−197931号公報
【特許文献2】特開平06−83191号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、カートリッジ内により多くの廃トナーを収容することが可能なプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係るプロセスカートリッジは、
露光を受けて潜像を保持しトナーによる現像を受けてトナー像を保持してこのトナー像を被転写体に転写する像保持体と、像保持体上の潜像をトナーで現像して像保持体上にトナー像を形成する現像部と、上記被転写体へのトナー像の転写後に像保持体上に残存するトナーを除去することにより像保持体を清掃する清掃手段とを有する画像形成部、
上記画像形成部から離れた位置に設けられた、上記現像部への補給用のトナーが収容されたトナー容器が装着される容器装着部、および
上記画像形成部と上記容器装着部とに挟まれた空間に広がる、上記清掃手段により上記像保持体から除去されたトナーを収容するトナー収容部を備えたことを特徴とする。
【0007】
請求項2に係る画像形成装置は、
請求項1記載のプロセスカートリッジ、
上記プロセスカートリッジが装着されるカートリッジ装着部、
上記カートリッジ装着部に装着されたプロセスカートリッジを構成する上記像保持体を露光してこの像保持体上に潜像を形成する露光手段、
上記被転写体を、上記像保持体からトナー像の転写を受ける位置を経由する搬送経路上を搬送する搬送手段、および
上記像保持体から転写を受けたトナー像を上記被転写体上に定着する定着部を備えたことを特徴とする。
【0008】
請求項3に係る画像形成装置は、上記プロセスカートリッジを構成する上記画像形成部、上記トナー収容部および上記容器装着部が上記カートリッジ装着部への着脱方向に配列されていることを特徴とする。
【0009】
請求項4に係る画像形成装置は、上記プロセスカートリッジが、上記カートリッジ装着部に、上記容器装着部が装着方向最後尾に位置する向きに装着されるものであることを特徴とする。
【0010】
請求項5に係る画像形成装置は、
上記像保持体が横に延びる回転軸の回りに回転し、上記露光器がこの像保持体を光ビームにより横方向に走査することによってこの像保持体上に潜像を形成するものであって、
上記トナー収容部は、上記光ビームの走査領域よりも上に広がる第1収容部と、上記光ビームの走査領域の両脇からこの走査領域よりも下方にまで、この第1収容部から間仕切りなしに延在した一対の第2収容部とを有することを特徴とする。
【0011】
請求項6に係る画像形成装置は、上記トナー収容部が、上記プロセスカートリッジの着脱方向に広がる、上壁および下壁を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
請求項1に係るプロセスカートリッジおよび請求項2に係る画像形成装置は、トナー収容部が画像形成部と容器装着部とに挟まれた空間に広がらない場合と比較して、プロセスカートリッジ内に廃トナーをより多く収容することができる。
【0013】
請求項3に係る画像形成装置は、画像形成部、トナー収容部および容器装着部が着脱方向に配列されていない場合と比較してカートリッジを装着する開口の小型化が可能である。
【0014】
請求項4に係る画像形成装置は、プロセスカートリッジが装着された状態でも、トナー容器が単体で着脱できる。
【0015】
請求項5に係る画像形成装置は、第2収容部を有していない場合と比較してトナー収容箱の容量が増大する。
【0016】
請求項6に係る画像形成装置は、本構成を有していない場合と比較してプロセスカートリッジの着脱における他部品との接触が抑制される。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す断面図である。
【図2】図1に示す画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【図3】図2に示す画像形成装置の扉を開いた状態を示す斜視図である。
【図4】プロセスカートリッジを取り出す途中の状態を示す斜視図である。
【図5】プロセスカートリッジの構成を示す断面図である。
【図6】プロセスカートリッジの外観を示す斜視図である。
【図7】プロセスカートリッジの分解斜視図である。
【図8】プロセスカートリッジの廃トナー回収容器および感光体を示す図である。
【図9】図5に示すプロセスカートリッジに装着されるトナー容器を示す斜視図である。
【図10】容器装着部を示す透視図である。
【図11】トナー容器のロックが解除された状態を示す透視図である。
【図12】図1に示す画像形成装置から、プロセスカートリッジを取り除いた状態を示す断面図である。
【図13】プロセスカートリッジの側面を示す図である。
【図14】画像形成装置の本体にプロセスカートリッジが装着される途中の状態を示す図である。
【図15】画像形成装置の本体にプロセスカートリッジが装着された状態を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下図面を参照して本発明の実施の形態を説明する。
【0019】
[画像形成装置の全体構成]
図1は、本発明の一実施形態である画像形成装置の概略構成を示す断面図である。また、図2は、図1に示す画像形成装置の外観を示す斜視図である。
【0020】
図1および図2に示す画像形成装置1は、用紙上に電子写真方式により画像をプリントするプリンタである。画像形成装置1は、トナー像形成部10、露光器20、用紙搬送装置30、転写器40、定着器50、および用紙収容部60を備えている。トナー像形成部10は、感光体11、帯電器12、および現像器13を備えている。
【0021】
感光体11は、円筒状の表面を有しており、円筒の軸周りである矢印a方向に回転する。感光体11は、表面に形成される静電潜像およびトナー像を保持する。帯電器12は、感光体11の表面を帯電させる。帯電器12は、ここに示す例では、感光体11に接触して回転する帯電ロールであるが、他の例としては、例えばコロトロンによる非接触式の帯電手段も採用され得る。
【0022】
露光器20は、感光体11を露光して感光体11上に静電潜像を形成する。露光器20は、帯電器12によって帯電された感光体11の表面を、外部から供給される画像信号に基づいた光ビームBmで走査し、感光体11の表面上に潜像を形成する。露光器20は光ビームBmで感光体11の表面を、感光体11の回転軸が延びる軸方向Xに走査する。
【0023】
現像器13は、感光体11上の潜像をトナーで現像して感光体11上にトナー像を形成する。現像器13は、トナーおよび磁性キャリアを含む現像剤を攪拌する攪拌部材132,133と、攪拌された現像剤を感光体11上に搬送する現像ロール131とを有する。
【0024】
転写器40は、感光体11との間に用紙を挟んで回転するロールであり、感光体11上のトナー像を用紙上に転写する。定着器50は、感光体11から転写を受けたトナー像を用紙上に定着する。定着器50は、加熱ロール51および加圧ロール52を備えており、定着前のトナー像が形成された用紙を挟んで通過させることによりトナーを加熱および加圧する。
【0025】
用紙収容部60は、画像が形成される用紙を収容している。用紙収容部60は、3種類の用紙を収容する3つの用紙収容器61,62,63を備えている。3つの用紙収容器61〜63のうち、下に配置された2つの用紙収容器62,63は、作業者によって画像形成装置1の前面から前方向Fに引き出され、用紙が補給され、後ろ方向Bに押し込まれて画像形成装置1内に収容されることで、用紙に画像を形成し得る状態となる。3つの用紙収容器61〜63のうち残りの、上に配置された用紙収容器61は、画像形成装置1の前面に設けられた手差し扉81が前方向Fに開かれることで外部に露出し、用紙が補給される。
【0026】
用紙搬送装置30は、用紙を、転写位置を経由する搬送経路Rを搬送する。転写位置は、用紙が感光体11からトナー像の転写を受ける位置であり、感光体11と転写器40とに挟まれた位置である。用紙搬送装置30は、取出しロール31、捌きロール32、レジストレーションロール33、排出ロール34、および反転搬送ロール35を備えている。取出しロール31は、用紙収容器61〜63から用紙を取り出す。捌きロール32は、取出しロール31で取り出された用紙を1枚ずつに捌く。レジストレーションロール33は、感光体11にトナー像が形成されるタイミングに合わせて用紙を転写器40に送り込む。排出ロール34は、定着器50によってトナー像が定着された用紙を画像形成装置1の外部に排出する。排出ロール34によって排出された用紙は、画像形成装置1の上部に設けられた排出台83の上に排出される。排出された用紙のうち、排出台83からはみ出た一部が扉82の上に載る。扉82は、画像形成装置1の前面と上面を覆う部材である。扉82が画像形成装置1の前面に設けられた軸82aを中心として前方向Fに回転することで、画像形成装置1の内部の機構が露出する。排出ロール34は、両面プリントが実行される場合には、用紙を途中まで搬送した状態で逆転し、用紙を反転搬送経路R’に沿って搬送する。反転搬送ロール35は、用紙を反転搬送経路R’に沿って搬送し、レジストレーションロール33に送り込む。これによって用紙の、画像がすでに形成された面の反対面に新たな画像が形成される。
【0027】
本実施形態の画像形成装置1は、用紙は画像形成装置1の前面側から補給される。この画像形成装置1では、画像形成装置1より前方向Fの位置から用紙収容器61〜63に補給された用紙Pは、画像形成装置1の後部、具体的には、感光体11より後ろ方向Bに設けられた搬送経路Rを下から上に向かって搬送される。画像が形成された用紙Pは、画像形成装置1の上部にある排出台83の上に前方向Fに向かって排出される。この画像形成装置1では、作業者による新たな用紙の補給と、画像が形成された用紙の取り出しが装置より前方向Fの位置から行われる。したがって、画像形成装置1の軸方向Xの両脇に空間的な余裕がない場所にも設置され得る。また、画像形成装置1の上方には、用紙取出しおよび部品交換のための隙間をあけて、画像読取装置が配置され得る。さらに後述するように、プロセスカートリッジCR、および、トナー容器TCの着脱も前方向Fから行われる。
【0028】
また、画像形成装置1には、清掃器71、回収トナー収容箱72、容器装着部73、トナー供給器74、および制御部1Cも備えられている。
【0029】
清掃器71は、感光体11上に接触し、用紙へのトナー像の転写後に感光体11上に残存するトナーを除去することにより感光体11を清掃する。清掃器71は、感光体11に沿って延びた板状のブレードである。回収トナー収容箱72は、清掃器71により感光体11から除去されたトナーを収容する。容器装着部73は、トナー容器(トナーカートリッジ)TCが着脱自在に装着される。トナー容器TCには、現像器13への補給用のトナーが収容されている。トナーが消耗した場合には、作業者によってトナー容器TCが取り外され、新たなトナー容器TCと交換される。
【0030】
トナー供給器74は、トナー容器TCに収容されたトナーを現像器13に供給する。トナー供給器74は、トナー容器TCの下部から現像器13の上部まで延びた管の中に、螺旋形の羽根部材74aが配置された構造を有している。トナー供給器74は、羽根部材74aが回転することでトナーをトナー容器TCから現像器13に向けて搬送する。制御部1Cは、画像形成装置1の各部を制御する。
【0031】
上述したトナー像形成部10、清掃器71、回収トナー収容箱72、容器装着部73、およびトナー供給器74は、プロセスカートリッジCRに備えられている。プロセスカートリッジCRは、画像形成装置1の本体1Aに対し着脱自在に装着されている。トナー容器TCは、プロセスカートリッジCRに対し着脱自在に装着されている。ここで、プロセスカートリッジCRが本体1Aに装着される方向を装着方向Jと称し、装着方向Jの反対方向を取外し方向Kと称する。また、装着方向Jおよび取外し方向Kを含む双方向を着脱方向JKと称する。プロセスカートリッジCRには、本体1Aに着脱される際に作業者が掴む把手76も備えられている。プロセスカートリッジCRの具体的な構造については、後に説明する。
【0032】
ここで、プロセスカートリッジCRが本発明の一実施形態に相当し、トナー像形成部10が本発明にいう画像形成部の一例に相当する。また、感光体11が本発明にいう像保持体の一例に相当し、露光器20が本発明にいう露光手段の一例に相当する。また、現像器13が本発明にいう現像部の一例に相当し、用紙搬送装置30が本発明にいう搬送手段の一例に相当する。また、清掃器71が本発明にいう清掃手段の一例に相当し、回収トナー収容箱72が本発明にいうトナー収容部の一例に相当する。
【0033】
[画像形成装置の基本動作]
図1に示す画像形成装置1の基本動作を説明すると、トナー像形成部10では、感光体11が矢印a方向に回転駆動され、感光体11の表面に帯電器12によって電荷が付与される。露光器20は、外部から供給される画像信号に基づく露光光を感光体11の表面に照射することで、感光体11の表面に静電潜像を形成する。感光体11は、静電潜像を保持しながら回転する。
【0034】
現像器13は、感光体11上の静電潜像をトナーで現像することで、トナー像を形成する。現像器13には、トナー供給器74によって、トナー容器TCからトナーが供給される。感光体11は、現像器13によって形成されたトナー像を保持しながら回転する。
【0035】
用紙収容器61,62,63に収容された用紙Pは、取出しロール31によって取り出され、捌きロール32、およびレジストレーションロール33によって搬送経路Rを転写器40に向かって搬送される。用紙Pは、レジストレーションロール33によって、感光体11上にトナー像が形成されていくタイミングに合わせて、転写器40に送り込まれる。転写器40は、感光体11と用紙との間に転写用のバイアス電圧を与えることによって、感光体11のトナー像を用紙に転写する。転写器40によって、トナー像が転写された用紙は定着器50に搬送され、転写されたトナー像が用紙上に定着される。このようにして、用紙上に画像が形成される。画像が形成された用紙は排出ロール34によって排出台83の上に排出される。
【0036】
転写器40による転写後、感光体11に残存したトナーは、清掃器71によって除去される。清掃器71により感光体11から除去されたトナーは、回収トナー収容箱72に収容される。
【0037】
[プロセスカートリッジの着脱]
図3は、図2に示す画像形成装置の扉を開いた状態を示す斜視図である。
【0038】
図3および図1を参照して説明を続ける。プロセスカートリッジCRは、画像形成装置1の前面および上面を覆う扉82が前方向Fに開かれることで、画像形成装置1の外部に露出する。より詳細には、扉82が開かれることで、プロセスカートリッジCRのうち、容器装着部73とトナー容器TCと把手76とが露出する。プロセスカートリッジCRは、本体1Aの装着部90に設けられた空洞に配置されている。装着部90の空洞は、画像形成装置1の本体1Aの前方向F斜め上に向かって開口した装着開口91を有する。
【0039】
図4は、プロセスカートリッジを取り出す途中の状態を示す斜視図である。図4には、画像形成装置1の上部に配置され得る画像読取装置RDの配置位置が破線で示されている。画像読取装置RDは、原稿から画像を読み取る装置であり、読み取った画像データを画像形成装置1に供給することで、画像形成装置1を例えば複写機として機能させる。
【0040】
操作者が把手76を掴んで引くと、プロセスカートリッジCRは、画像形成装置1の本体1Aから、前方向F斜め上に、すなわち取外し方向Kに引き出される。画像形成装置1の上方に画像読取装置RDが配置される場合、画像形成装置1と画像読取装置RDとの間には、用紙を取り出すための空間が設けられる。プロセスカートリッジCRの着脱の際には、プロセスカートリッジCRが、この画像形成装置1と画像読取装置RDとの間の用紙を取り出すための空間内を移動することとなる。
【0041】
[プロセスカートリッジの構成]
図5は、プロセスカートリッジの構成を示す断面図である。また、図6は、プロセスカートリッジの外観を示す斜視図である。
【0042】
図5には、プロセスカートリッジCRが画像形成装置1の本体1A(図1参照)に装着された状態における露光器20および転写器40の位置も破線で示されている。図6には、プロセスカートリッジCRの、装着時の位置決めを担う突起CR1,CR2,CR3が示されている。
【0043】
プロセスカートリッジCRは、トナー像形成部10、清掃器71、回収トナー収容箱72、容器装着部73、トナー供給器74、および把手76が一体化された交換ユニットである。このうちトナー像形成部10は、感光体11、帯電器12、および現像器13を有する。したがって、画像形成装置1(図1参照)において、プロセスカートリッジCRが交換されると、感光体11、帯電器12、現像器13、清掃器71、および回収トナー収容箱72のすべてが新品と交換されることになる。なお、トナー容器TCは、プロセスカートリッジCRの容器装着部73に着脱自在に装着されるので、プロセスカートリッジCRが本体1A(図1参照)に装着されたままの状態で、容器装着部73から取り外して新しいものに交換される。
【0044】
[回収トナー収容箱の配置]
図5に示すプロセスカートリッジCRにおいて、トナー容器TCが装着される容器装着部73は、トナー像形成部10に隣接しておらず、トナー像形成部10から離れた位置に設けられている。回収トナー収容箱72は、トナー像形成部10と容器装着部73とに挟まれた空間に広がっている。
【0045】
回収トナー収容箱72を除く、トナー容器TCおよびトナー像形成部10は、プロセスカートリッジCRの中で、最も大きな空間を占める部位である。トナー容器TCおよびトナー像形成部10を互いに離れた位置に配置することで、プロセスカートリッジCRに突出部分を設けることなく、トナー容器TCおよびトナー像形成部10の間に大きな空間が確保される。回収トナー収容箱72は、トナー容器TCとトナー像形成部10とに挟まれた空間に広がっている。このため、例えば、トナー容器TCとトナー像形成部が隣接しプロセスカートリッジに突出部分を設けることなく他の部品の隙間を利用して回収トナー収容箱を配置した場合に比べ、大きい容量が確保される。
【0046】
回収トナー収容箱72は、トナーが内部に収容しきれない状態、すなわち、清掃器71によって感光体11から除去されたトナーが回収トナー収容箱72の内部に送り込まれない満杯状態となると、使用不能となる。したがって、プロセスカートリッジCRを新たなものに交換することが求められる。つまり、回収トナー収容箱72の容量は、プロセスカートリッジCRの寿命を決める要因の一つである。回収トナー収容箱72が大容量となることで、プロセスカートリッジCRが長寿命化する。
【0047】
プロセスカートリッジCRにおいて、トナー像形成部10、回収トナー収容箱72および容器装着部73は、プロセスカートリッジCRの着脱方向JKに配列されている。このため、プロセスカートリッジCRが、本体1A(図1,図3参照)に装着される場合および本体1Aから取り外される際、トナー像形成部10、回収トナー収容箱72および容器装着部73が、本体1Aの装着部90の装着開口91(図1,図3参照)を、同時ではなく順次に通過する。したがって、本実施形態の画像形成装置1における装着開口91は、例えば、トナー像形成部、回収トナー収容箱および容器装着部がプロセスカートリッジの着脱方向JKに配列されず、着脱方向JKと交わる方向に重なった構造の場合に比べて、小さい。また、プロセスカートリッジCRが着脱の移動の際に必要とする空間も小さい。例えば、プロセスカートリッジCRが移動の際に必要とする空間は、トナー容器TCが着脱の移動の際に必要とする空間とほぼ同等である。したがって、図4に示す、画像形成装置1と画像読取装置RDとの間の、用紙を取り出したり、トナー容器TCを交換するための隙間を利用してプロセスカートリッジCRが画像形成装置1に着脱される。
【0048】
また、プロセスカートリッジCRの向きは、図1に示すように、本体1Aに装着された状態では、容器装着部73が装着方向J最後尾に位置する向きとなっている。すなわち、プロセスカートリッジCRが本体1Aに装着された状態では、プロセスカートリッジCRの容器装着部73が画像形成装置1の本体1Aの装着部90における最も手前側に配置されている。このため、図3に示す、本体1Aの扉82が開かれた状態では、プロセスカートリッジCRのうち、容器装着部73とこの容器装着部73に装着されたトナー容器TCとが外部に露出する。したがって、プロセスカートリッジCRを画像形成装置1から取り出すことなしに、トナー容器TCが単体で着脱し得る。よって、例えば容器装着部が回収トナー収容箱よりも奥に位置する場合に比べて、作業者によるトナー容器TCの着脱および交換が容易である。
【0049】
また、画像形成装置1は、図1に示すように、感光体11を含むトナー像形成部10が、画像形成装置1内の後ろ方向B寄り、すなわち作業者から見て奥に配置されている。ここで、容器装着部73が装着方向最後尾に位置することで、容器装着部73およびトナー容器TCが画像形成装置1の手前すなわち前方向F寄りに配置される。したがって、プロセスカートリッジCRに大容量の回収トナー収容箱72が設けられていても、トナー容器TCの着脱は用紙の取り出しと同様に画像形成装置1の前方向Fの位置から行われる。そして、回収トナー収容箱72の交換が必要な場合には、トナー容器TCの取り出しと同様に装着開口91からプロセスカートリッジCRを取り出し交換する。トナー容器TCの装着については後述する。
【0050】
[回収トナー収容箱の形状]
図7は、プロセスカートリッジの分解斜視図である。図7には、プロセスカートリッジCRを構成する部品のうちの一部が示されている。
【0051】
回収トナー収容箱72は、上部材72aと下部材72bとを備えている。下部材72bは上部材72aより下に配置され上向きに開いた器状の部材である。下部材72bは、プロセスカートリッジCR全体の構造を支持する機能を担っている。下部材72bには、清掃器71および感光体11が取り付けられる。また、下部材72bには、容器装着部73を構成する固定部材731と、図7には示さない現像器13(図5参照)が取り付けられる。
【0052】
上部材72aは、下向きに開いた器状の部材である。上部材72aが下部材72bに対し蓋のように合わさることで、上部材72aおよび下部材72bの双方の縁が、清掃器71が配置された部分を除いて合わさり、図5に示すような、トナーを収容する空間が画定される。清掃器71が配置された部分には、清掃器71で回収されたトナーを受け入れる隙間が形成される。
【0053】
感光体11の軸方向Xにおける長さL1は、用紙の軸方向Xにおける幅に、用紙の位置ずれを吸収する余裕分や軸受11bを含んだ長さとなっている。また、回収トナー収容箱72の軸方向Xにおける長さL2は、プロセスカートリッジCRの装着の際に、感光体11が通過する装着開口91を通過し得る最大の長さ、すなわち、感光体11の長さL1とほぼ同等の長さを有している。また、容器装着部73の軸方向Xにおける長さL3も、感光体11の長さL1とほぼ同等の長さを有している。
【0054】
図8は、プロセスカートリッジの廃トナー回収容器および感光体を示す図である。図8のパート(A)は、廃トナー回収容器および感光体を画像形成装置の斜め下から見た斜視図であり、図8のパート(B)は、廃トナー回収容器および感光体を下から見た底面図である。なお、図8には、露光器20およびこの露光器20による光ビームBmの走査領域も示されている。
【0055】
ここで、図8および図5の双方を参照して説明する。回収トナー収容箱72は、光ビームBmの走査領域よりも上に広がる第1収容部721と、光ビームBmの走査領域よりも下方にまで延在した一対の第2収容部722とを有する。一対の第2収容部722は、軸方向Xにおける光ビームBmの走査領域の両脇から下方に、第1収容部721から間仕切りなしに延在している。
【0056】
光ビームBmの走査領域は、露光器20内に中心(かなめ)を有する扇形に広がっており、露光器20側が感光体11側より狭い。したがって、光ビームBmの照射方向における、感光体11と露光器20との中間の位置すなわち回収トナー収容箱72の位置では、軸方向Xにおける光ビームBmの走査領域の両脇に、光ビームBmが通過しない空間がある。この光ビームBmの走査領域の両脇の空間を利用した第2収容部722が回収トナー収容箱72に設けられることによって、第2収容部722の分だけ、回収トナー収容箱72の容量が増大する。
【0057】
また一対の第2収容部722のそれぞれは、図8のパート(B)に示すように、光ビームBmの走査領域の形に相応し、露光器20に近づくに従い軸方向Xにおける幅が広がる形状を有している。このため、回収トナー収容箱72は、光ビームBmの走査領域を避けつつも、幅が広がった分、容量が増大している。
【0058】
回収トナー収容箱72のうち、2つの第2収容部722のそれぞれの底である下壁723(図5,図8パート(A)参照)と、回収トナー収容箱72の上壁724(図5,図7参照)は、プロセスカートリッジCRの着脱方向JKに平面状に広がっている。このため、例えば上壁または下壁が着脱方向JKとは異なる方向に広がった場合に比べ、回収トナー収容箱72の容量が増大しつつ、プロセスカートリッジCRの着脱において、回収トナー収容箱72が不用意に本体1A(図1参照)の各部品に接触する可能性が低減する。また、回収トナー収容箱72のうち、光ビームBmの走査領域よりも上に広がる第1収容部721の底である上げ底725(図5,図7参照)は、光ビームBmの走査領域に沿って広がっている。したがって、例えば凹凸が設けられた場合に比べ、光ビームBmの走査領域を避けつつも、回収トナー収容箱72容量が増大する。
【0059】
また、図1に示すように、画像形成装置1の本体1Aに設けられた排出台83の底は、これに対向する回収トナー収容箱72の上壁724とはほぼ平行となっている。すなわち、排出台83の底は、着脱方向JKに広がっている。このため、プロセスカートリッジCRが着脱され、排出台83の下を通過する際に、回収トナー収容箱72が排出台83に引っかかる事態が回避される。
【0060】
また、図5に示すプロセスカートリッジCRにおいて、このプロセスカートリッジCRの着脱方向JKおよび軸方向Xの双方に垂直な方向を厚み方向Tとする。この厚み方向Tにおける回収トナー収容箱72の厚みh1、すなわち、下壁723から上壁724までの高さh1は、トナー容器TCが装着された容器装着部73の厚み方向Tにおける高さ(厚み)h2とほぼ等しい。厚み方向Tにおけるトナー像形成部10の高さ(厚み)h3は、回収トナー収容箱72の厚みh1よりも小さい。したがって、大容量の回収トナー収容箱72を有するプロセスカートリッジCRが通過する装着開口91(図1参照)の、厚み方向Tにおける寸法が、トナー容器TCを着脱するために必要な寸法に抑えられる。
【0061】
[トナー容器および容器装着部]
図9は、図5に示すプロセスカートリッジに装着されるトナー容器を示す斜視図である。
【0062】
図9に示すトナー容器TCは、側面の一部にこのトナー容器TCの向きを示す突部TC2が設けられた有底円筒形状を有しており、内部にはトナーが収容されている。トナー容器TCの周面にはトナーの通路を塞ぐ扉TC3が設けられている。また、トナー容器TCの円状の側面には、突起TC4が設けられている。トナー容器TCは、図5に示す容器装着部73に装着される。なお、図5には、トナー容器TCが装着された状態が示されている。
【0063】
ここで、再び図7の分解図を参照して容器装着部73について説明する。容器装着部73は、回収トナー収容箱72に固定される固定部材731と、操作によりトナー容器TCを固定部材731に拘束する拘束部材732とを備えている。
【0064】
固定部材731には、トナー容器TCの突起TC4を案内する直線状に延びた容器案内切欠き731aと、拘束部材732を保持しながら案内する円弧状の拘束部案内穴732bが設けられている。また、固定部材731には把手76が固定されている。
【0065】
拘束部材732は、側面の一部が欠如した有底円筒状であり、固定部材731に対し、回転自在に保持される。トナー容器TCは、拘束部材732の内側に収容される。円筒形状の拘束部材732における底面には、固定部材731の拘束部案内穴731bに嵌り込む突起732bが設けられている。拘束部材732の側面には、固定部材731の容器案内切欠き731aを開閉する開閉片732aが設けられている。また、拘束部材732の周面には、トナー容器TCの扉TC3と係合する扉係合部732dが設けられている。
【0066】
図10は、容器装着部を示す透視図である。図10には、容器装着部73にトナー容器TCが装着された状態が示されている。拘束部材732の突起732bは、固定部材731の拘束部案内穴732bに嵌り込んでおり、拘束部案内穴732bの円弧形状に沿って移動自在に保持されている。このことによって、拘束部材732が固定部材731に回転自在に保持されている。
【0067】
トナー容器TCの突起TC4は、固定部材731の容器案内穴731aに入り込んでいるが、図10に示す状態では、容器案内切欠き731が拘束部材732の開閉片732aによって閉じられている。このため、トナー容器TCが容器装着部73から取り出せないロック状態となっている。また、図10に示すロック状態では、トナー容器TCの扉TC3(図9参照)が拘束部材732の扉係合部732dに係合して開放状態になり、トナー容器TC内のトナーが、トナー供給器74(図1参照)に供給されるようになる。
【0068】
また、拘束部材732には、画像形成装置1の本体1A(図1参照)に設けられた掛止め部85に掛け止まる掛止め片732cが設けられている。ただし、図10に示すロック状態では、拘束部材732の掛止め片732cは、本体1A(図1参照)の掛止め部85から外れている。このため、ロック状態では、プロセスカートリッジCR(図1参照)が画像形成装置1の本体1A(図1参照)から取り出し得る状態となっている。
【0069】
図11は、トナー容器のロックが解除された状態を示す透視図である。
【0070】
作業者が操作によって、図10に示すロック状態から拘束部材732を回転させると、拘束部材732の開閉片732aが、容器案内切欠き731から退避するため、容器案内切欠き731が開いた状態となる。したがって、トナー容器TCの突起TC4が容器案内切欠き731から外に移動し得る。すなわち、トナー容器TCが容器装着部73から取外し得るロック解除状態となる。このときは、トナー容器TCの扉TC3(図9参照)が拘束部材732によって閉鎖状態になり、トナー容器TC内のトナーは外部に漏れない。また、拘束部材732がロック解除状態まで回転すると、拘束部材732の掛止め片732cが、本体1A(図1参照)の掛止め部85に係止する。このため、ロック解除状態では、プロセスカートリッジCR(図1参照)が画像形成装置1の本体1A(図1参照)から取り出し得ない。したがって、トナー容器TCが取り出し得る、図11に示すロック解除状態と、プロセスカートリッジCR(図1参照)が画像形成装置1の本体1A(図1参照)から取り出し得る、図10に示すロック状態とが、拘束部材732の操作によって、排他的に選択される。よって、トナー容器TCを取り外す際に、プロセスカートリッジCRが意図せず外れる事態や、プロセスカートリッジCRの位置がずれる事態が回避される。
【0071】
[プロセスカートリッジの位置決め]
図12は、図1に示す画像形成装置から、プロセスカートリッジを取り除いた状態を示す断面図である。図12には、画像形成装置1からプロセスカートリッジCR(図1参照)を除いた本体1Aが示されている。
【0072】
画像形成装置1の本体1Aには、プロセスカートリッジCRが装着される装着部90が備えられている。装着部90には、画像形成装置1の上部前方向F寄りの部分から装着方向Jに延びて転写器40まで達する空洞を有する。装着部90は、扉82が開くことで、画像形成装置1の外部に露出する。装着部90の軸方向Xにおける両脇の壁には、着脱方向JKに延びた案内溝92が設けられている。案内溝92は、画像形成装置1において、感光体11の軸受が配置される位置まで延びている。
【0073】
また、本体1Aの装着部90には、案内溝92を途中で閉鎖する閉鎖部材93と、扉82の開閉に応じて閉鎖部材93を移動させる閉鎖駆動部材94も備えられている。閉鎖駆動部材94は、一端が扉82に接続されており、扉82の回転運動を前方向Fまたは後ろ方向Bの運動に変換するクランク機構を形成している。また、閉鎖駆動部材94には、閉鎖駆動部材94の移動に応じて閉鎖部材93に作用するカム溝94aが設けられている。閉鎖駆動部材94は、扉82が閉じることで後ろ方向Bに移動し、閉鎖部材93は、閉鎖駆動部材94のカム溝94aからの作用によって、案内溝92を閉鎖する位置に駆動される。
【0074】
図13は、プロセスカートリッジの側面を示す図である。図13には、プロセスカートリッジCRの外形が示されている。
【0075】
プロセスカートリッジCRの、軸方向Xにおける側面CRaには、軸方向Xに突出した3つの突起CR1,CR2,CR3が設けられている。図13には、プロセスカートリッジCRの両側面のうち片面CRaにおける3つの突起CR1〜CR3が示されている。3つの突起CR1,CR2,CR3は円筒形状を有している。3つの突起CR1〜CR3のうちの第1の突起CR1は、感光体11の回転軸11aを支持する軸受11b(図7参照)と一体に設けられている。第3の突起CR3は、容器装着部73の位置から突出している。第1の突起CR1および第3の突起CR3は、画像形成装置1の本体1Aに設けられた案内溝92の中をガタつきなく移動できるように、案内溝92の幅と同程度の径を有している。また、第1の突起CR1および第3の突起CR3は、着脱方向JKに並んでいる。第2の突起CR2は、第1の突起CR1と第3の突起CR3とに挟まれた位置に配置されており、第1の突起CR1および第3の突起CR3の径よりも小さい径を有している。より詳細には、第2の突起CR2の径は案内溝92の幅よりも小さく、案内溝92に入った場合に、案内溝92に対し、この第2の突起CR2の径以上の隙間が生じる。第2の突起CR2は、第1の突起CR1および第3の突起CR3に下から接する共通の接線のうち、重力方向Z下側の接線L1に上から接している。すなわち、3つの突起CR1〜CR3は、共通の接線L1を有する位置に配置されている。
【0076】
図14は、画像形成装置の本体にプロセスカートリッジが装着される途中の状態を示す図である。
【0077】
画像形成装置1の本体1AにプロセスカートリッジCRを装着する場合、プロセスカートリッジCRの把手76を一方の手で把持するとともに、他方の手で回収トナー収容箱72の下壁723(図5参照)付近を支え、図14に示す姿勢に保持する。次に、プロセスカートリッジCRの第1の突起CR1を、本体1Aの案内溝92に合わせ、把手76を把持したまま、装着方向Jに移動させる。すると、第1の突起CR1が案内溝92に沿って移動し、プロセスカートリッジCRが本体1Aの装着部90に装着されていく(図4参照)。プロセスカートリッジCRの角は露光器20の上を通過し、排出台83の下を通過する。プロセスカートリッジCRが本体1Aの装着部90に完全に収納される前には、第3の突起CR3も案内溝92に入り込み、プロセスカートリッジCRの姿勢が固定されることとなる。第3の突起CR3が案内溝92に入る前、より詳細には、プロセスカートリッジCRの下部の角が、露光器20の上部の角の上を通過する前に、第2の突起CR2が案内溝92に入る。第2の突起CR2の径は案内溝92の幅に比べて小さいため、最終的には、プロセスカートリッジCRの位置決めには関与しない。しかし、第2の突起CR2が案内溝92に入ることによって、プロセスカートリッジCRが突起CR1を中心に回転して下方に下がる事態が回避される。このため、プロセスカートリッジCRの装着途中または取外し途中でプロセスカートリッジCRが露光器20に接触して露光器20の精度に影響を与える事態が回避される。また、第2の突起CR2の径は案内溝92の幅に比べて小さいため、プロセスカートリッジCRは、図13に示す姿勢から上方に持ち上げられる余裕を有している。
【0078】
図15は、画像形成装置の本体にプロセスカートリッジが装着された状態を示す図である。図15には、図1に示す画像形成装置1における、装着部90に関連する部分が示されている。
【0079】
画像形成装置1の本体1AにプロセスカートリッジCRが完全に装着された状態では、プロセスカートリッジCRの第1の突起CR1および第2の突起CR2が、本体1Aの案内溝92に入り、プロセスカートリッジCRの姿勢が固定されている。第1の突起CR1は、案内溝92の最先端の縁に当たって止まっている。
【0080】
扉82が閉じることで、閉鎖部材93は、閉鎖駆動部材94の動作およびカム溝94aとの係合によって、案内溝92を閉鎖する位置に移動する。このとき、閉鎖部材93は、第1の突起CR1と接する位置に移動する。このため、第1の突起CR1は、案内溝92と閉鎖部材93によって、三角印で示す3点で位置決めされる。閉鎖部材93によって、装着されたプロセスカートリッジCRの位置ずれが抑えられる。また、第1の突起CR1は、感光体11の回転軸11aを支持する軸受11b(図7参照)と一体であるため、感光体11が上記の3点を介して本体1Aに精密に位置決めされる。感光体11の転写器40に対する位置の精度は、形成される画像の画質に直接影響を及ぼすが、本実施形態の画像形成装置では、例えば、上記の3点で位置決めがされない場合に比べて、画質が向上する。
【0081】
なお、上述した実施形態では、本発明にいう画像形成部の例として、感光体11、帯電器12、および現像器13を備えたトナー像形成部10が示されている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、さらに転写器や定着器を備えたものであってもよい。
【0082】
また、上述した実施形態では、本発明にいうトナー収容箱の例として、上部材72aと下部材72bとを備えた回収トナー収容箱72が示されている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、トナー収容箱は、例えば、3つ以上の部品で構成されたものであってもよい。
【0083】
また、上述した実施形態では、本発明にいう像保持体の例として、円筒状の表面を有する感光体11が示されている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、像保持体は例えば、ベルト状であってもよい。
【0084】
また、上述した実施形態では、本発明にいう清掃器の例として、板状のブレードが示されている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、清掃器は例えば、ブラシであってもよい。
【0085】
また、上述した実施形態では、本発明にいう画像形成部の例として、感光体11上のトナー像が用紙に直接転写される構成が示されている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、例えば、像保持体上のトナー像が中間転写体への転写を経て用紙に間接転写される構成であってもよい。
【0086】
また、上述した実施形態では、本発明にいう被転写体の例として用紙が示されている。しかし、本発明はこれに限られるものではなく、被転写体は画像が形成される記録媒体であればよく、例えば、樹脂製のシートでもよい。
【0087】
なお、上述した実施形態では、画像形成装置の例としてモノクロプリンタが示されている。しかし、本発明にいう画像形成装置はこれに限られず、例えば、カラー画像を形成するカラープリンタであってもよい。
【0088】
また、上述した実施形態では、画像形成装置の例としてプリンタが示されている。しかし、本発明にいう画像形成装置はプリンタに限られず、例えば、複写機やファクシミリであってもよい。
【符号の説明】
【0089】
1 画像形成装置
1A 本体
10 トナー像形成部
11 感光体
12 帯電器
13 現像器
20 露光器
30 用紙搬送装置
40 転写器
50 定着器
71 清掃器
72 回収トナー収容箱
721 第1の収容部
722 第2の収容部
723 下壁
724 上壁
73 容器装着部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光を受けて潜像を保持しトナーによる現像を受けてトナー像を保持して該トナー像を被転写体に転写する像保持体と、該像保持体上の潜像をトナーで現像して該像保持体上にトナー像を形成する現像部と、前記被転写体へのトナー像の転写後に該像保持体上に残存するトナーを除去することにより該像保持体を清掃する清掃手段とを有する画像形成部、
前記画像形成部から離れた位置に設けられた、前記現像部への補給用のトナーが収容されたトナー容器が着脱自在に装着される容器装着部、および
前記画像形成部と前記容器装着部とに挟まれた空間に広がる、前記清掃手段により前記像保持体から除去されたトナーを収容するトナー収容部を備えたことを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
請求項1記載のプロセスカートリッジ、
前記プロセスカートリッジが着脱自在に装着されるカートリッジ装着部、
前記カートリッジ装着部に装着されたプロセスカートリッジを構成する前記像保持体を露光して該像保持体上に潜像を形成する露光手段、
前記被転写体を、前記像保持体からトナー像の転写を受ける位置を経由する搬送経路上を搬送する搬送手段、および
前記像保持体から転写を受けたトナー像を前記被転写体上に定着する定着部を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
前記プロセスカートリッジを構成する前記画像形成部、前記トナー収容部および前記容器装着部が前記カートリッジ装着部への着脱方向に配列されていることを特徴とする請求項2記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記プロセスカートリッジが、前記カートリッジ装着部に、前記容器装着部が装着方向最後尾に位置する向きに装着されるものであることを特徴とする請求項3記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記像保持体が横に延びる回転軸の回りに回転し、前記露光器が該像保持体を光ビームにより横方向に走査することによって該像保持体上に潜像を形成するものであって、
前記トナー収容部は、前記光ビームの走査領域よりも上に広がる第1収容部と、前記光ビームの走査領域の両脇から該走査領域よりも下方にまで、該第1収容部から間仕切りなしに延在した一対の第2収容部とを有することを特徴とする請求項2から4のうちいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記トナー収容部が、前記プロセスカートリッジの着脱方向に広がる、上壁および下壁を有することを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2012−230234(P2012−230234A)
【公開日】平成24年11月22日(2012.11.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−98169(P2011−98169)
【出願日】平成23年4月26日(2011.4.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】