説明

プロセスカートリッジ

【課題】画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジにおいて、露光開口を開閉する遮光板と、塵埃など異物侵入を遮蔽する遮蔽部材とを兼用できる簡素な構造を実現して、部品点数の半減化によってコストを低減させる。
【解決手段】カートリッジ枠体30aに露光開口27が設けられている。この露光開口27を塞ぐようにして可撓性シート形状の遮光遮蔽シート100が取り付けられている。遮光遮蔽シート100は、カートリッジ枠体30aを画像形成装置本体に着脱させる動作に伴い、装着状態では屈曲させた切り込み部100cで露光開口27とクリーニングユニット14(プロセス手段)14との間を遮蔽し、露光開口27は開放する。カートリッジ枠体30aが画像形成装置本体から取り外されている未装着状態では、遮光遮蔽シート100は露光開口27を遮蔽してそこから周囲の自然光や照明光がカートリッジ枠体30a内に侵入するのを防止している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式を用いた電子写真画像形成装置(以下、単に「画像形成装置」という)に関し、この画像形成装置に着脱されるプロセスカートリッジに関するものである。
【0002】
電子写真画像形成装置とは、電子写真画像形成プロセスを用いて記録媒体である転写材などのシートに画像を形成するものである。それには電子写真複写機、レーザープリンタやLEDプリンタなどの電子写真プリンタ、ファクミリ装置、ワードプロセッサ、そして多機能複合機などが含まれる。また、プロセスカートリッジとは、たとえばドラム形状の像担持体である電子写真感光体(以下、単に「感光体ドラム」という)を有し、この感光体ドラムに作用するプロセス手段として少なくとも現像手段を一体的にカートリッジ化したものをいう。
【背景技術】
【0003】
画像形成装置では、そうしたプロセスカートリッジをユーザが簡易に着脱できるようにしたプロセスカートリッジ方式が主流となってきている。このプロセスカートリッジ方式によれば、装置のメンテナンスをサービスマンに頼らずともユーザ自身で行うことができるので格段に操作性を向上させることができる。そのため、画像形成装置での使用がますます高まってきており、代表例として本出願人によって提案されたものがある(たとえば、特許文献1参照)。
【0004】
かかるプロセスカートリッジの場合、原稿の画像情報を読み取った露光光を導光して感光体ドラムに照射するための露光開口が、カートリッジ枠体の感光体ドラムに近い位置に設けられている。プロセスカートリッジを画像形成装置から取り出して机上などに放置したままにしておくと、周囲の自然光や照明光が露光開口からカートリッジ枠体内に入り、感光体ドラムに光メモリが発生したり、また塵埃などの異物が侵入したりすることがある。それを防ぐために、露光開口を必要に応じて開閉ドアで開閉する構造のものが既に実用に供されている。
【0005】
それについて、図9〜図12を参照してプロセスカートリッジ例を概略的に説明する。
【0006】
図9および図10に示すプロセスカートリッジ30の場合、カートリッジ枠体30aの上部に設けた露光開口27を遮光板28で開閉するようにしている。その遮光板28のクリーニングユニット14に臨む側にはL字形状に曲げた制止部としての凸部28aが設けられている。図11と図12は、画像形成装置に装填されているプロセスカートリッジ30が使用できる作動状態のときの遮光板28を示す。この状態からプロセスカートリッジ30を画像形成装置から取り出す場合、取り出し後に遮光板28を図11中の矢印aで示す方向に回転させて露光開口27を塞ぐ。すなわち、図9と図10に示すように、露光開口27を塞いで自然光や照明光をカートリッジ枠体30内に侵入しないように遮光するとともに、塵埃などの異物が侵入を阻止する。また、露光開口27に設けた上記凸部28aはクリーニングユニット14に臨んでL字形状に曲げ起こしてあり、その状態でカートリッジ30を画像形成装置に装填しようとすると、凸部28aが結像素子アレイ(図1参照:符号2)に当接する。すなわち、プロセスカートリッジ30の装填ができないようにして、ユーザに対して遮光板28で露光開口27が塞がれていることを認識させる。逆に、図11と図12の状態でプロセスカートリッジ30を画像形成装置に装填しようとすれば、凸部28aが結像素子アレイに当接しないので装填を可能とする。
【0007】
一方、図10および図12に示すように、クリーニングユニット14と露光開口27との間を仕切って遮蔽する遮蔽部材101が設けられている。この遮蔽部材101はシート状のPETやPEをL字形に曲げ加工したものであり、両面テープなどの接着手段でもってカートリッジ枠体30aの内面に貼り着けて固定されている。
【0008】
遮蔽部材101は次のように機能する。クリーニングユニット14のゴムブレード66で感光体ドラム3のドラム表面に残留して付着しているトナーを掻き落す。微視的にみた場合、画像に影響を及ぼさない程度の極微量のトナーはゴムブレード66を擦り抜けて感光体ドラム3のドラム表面上に残っている。画像形成装置の稼動中はそうした僅かなトナーが浮遊していることが本発明者らの研究と実験によって経験的に分かっている。結像素子アレイが露光開口27から十分な距離を有して配置されている場合は特に問題はない。画像形成装置を極力小型化するために、図示例の複写機では結像素子アレイなどを近接させて配置している。そうした機種の画像形成装置では、機体を長期間使用していると、浮遊トナーが露光開口27を通り抜けて結像素子アレイに付着し、遮光して画像不良を引き起こす場合がある。それを解消するために、クリーニングユニット14と開口部27との間を遮蔽部材101で仕切って遮断するようにしているのである。
【0009】
【特許文献1】特公平3−56472号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
ところで、この図9〜図12で示したプロセスカートリッジ30の場合、画像形成装置に挿入して装填するに備えて遮光板28を図11と図12に示す状態に開き、露光開口27を開放しておく必要がある。また、カートリッジ装填後は再びその遮光板28を閉じなければならず、ユーザに煩わしい幾通りもの操作を強いることになる。また、プロセスカートリッジ30を画像形成装置から取り出した後、遮光板28を図9と図10に示す状態に閉じて元通りに戻しておかなければならない。仮に、その戻し作業をユーザが忘れたり怠ったりすると、前述のように感光体ドラム3に光メモリが発生し、塵埃などの異物が侵入する不具合がある。それを防ぐために、プロセスカートリッジ30を着脱する際の動作に連動させて開閉する遮蔽部材101を設けているため、部品点数や組立工数が増加し、かなりのコスト高となっている。
【0011】
本発明の目的は、露光開口を開閉する遮光板と、塵埃など異物侵入を遮蔽する遮蔽部材とを兼用できる簡素な構造を実現して、部品点数の半減化による大幅なコスト低減が可能なプロセスカートリッジと、これを装備する画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記目的を達成するために本発明の代表的なプロセスカートリッジは、露光光を発する露光手段を有する画像形成装置本体に着脱されるプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体と、前記電子写真感光体に作用するプロセス手段とを支持するカートリッジ枠体と、
前記カートリッジ枠体に設けられた、前記電子写真感光体に前記露光光を導く露光開口と、
前記画像形成装置本体に前記カートリッジを装着する際に、前記画像形成装置本体に当接することによって移動する、前記カートリッジ枠体の外面に一端が固定されかつ他端が自由端となっているシート形状の遮光遮蔽部材であって、前記画像形成装置本体から前記カートリッジを取り外した際は前記露光開口を塞ぎ、前記画像形成装置本体に前記カートリッジを装着した際は、前記露光開口を開放する遮光部と、前記画像形成装置本体に前記カートリッジを装着した際は、前記電子写真感光体と前記プロセス手段との間に侵入する遮蔽部と、を有する遮光遮蔽部材と、
を有することを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0013】
本発明のプロセスカートリッジによれば、カートリッジ枠体に設けたシート形状の遮光遮蔽部材によって露光開口を開閉する機能と、その露光開口とプロセス手段との間から異物などが侵入するのを遮断する遮蔽機能とを兼用させている。そのため、部品点数が半減し、極めて簡単な構成で大幅なコスト低減が可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0014】
以下、本発明に係るプロセスカートリッジと画像形成装置のそれぞれ好適な実施形態について図面を参照して詳細に説明する。なお、図9〜図12で例示したプロセスカートリッジの各部材や各機器と同一もしくは同種のものには同一符号を付して重複する部分の説明は省き、本実施形態の要部となる部分には新規符号を付して図9〜図12の構造との違いを明確にしつつ説明する。
【0015】
図1は、本実施形態の画像形成装置の具体例として電子写真画像形成プロセスを用いた複写機を示す。図2は、その画像形成装置本体(以下、「装置本体」という)を開放してプロセスカートリッジが着脱操作できるようにした状態を示している。装置本体は上部枠体17と下部枠体18の2つの大きな部分からなっている。図2の開放状態とは、ヒンジシャフト19で回動可能に連結されたそれら上下部枠体17,18が離反する方向に開いた状態をいう。上部枠体17には結像素子アレイ(露光手段)2とプロセスカートリッジ30などが装着されている。下部枠体18には給送ローラ6と、転写帯電器8と、分離手段13と、ガイド9と、そして定着器10などがシート搬送路に沿って配置して装備されている。
【0016】
また、上部枠体17には、透明質の材料で形成された原稿載置台1が図1中矢印で示す左右水平方向に往復動可能となっている。結像素子アレイ2はその原稿載置台1上に載置された原稿の画像情報を読み取り、その画像の露光光をプロセスカートリッジ30の内部に装着されている感光体ドラム(電子写真感光体)3上にスリット露光方式で露光光を照射する。また、原稿を露光するための照明系15を有し、熱線吸収フイルタなどのフイルタ16を有している。
【0017】
ここで、図3以下の各図を参照して本実施形態のプロセスカートリッジ30の構造を説明する。カートリッジ枠体を構成するカートリッジ枠体30aの内部には、感光体ドラム3が支持され、この感光体ドラム3の周囲に沿ってプロセス手段である現像器ユニット5、クリーニングユニット14、そして帯電ローラ4などを一体的に配置して構成されている。カートリッジ枠体30aは遮光材で成形されている。感光体ドラム3は図1中矢印で示す時計回り方向に回転する。帯電ローラ4は感光体ドラム3のドラム表面に帯電バイアス電圧を印加して一様に帯電を施す。また、現像器ユニット5は、その一様に帯電された感光体ドラム3のドラム表面に結像素子アレイ2から読取画像の露光光を照射させることによって露光し、形成された静電潜像を現像剤(トナー)を用いて現像して可視化する。かかる画像形成プロセスにおいて、感光体ドラム3上に残った未転写の残トナーはクリーニングユニット14に回収される。
【0018】
一方、図1および図2において、記録媒体となる転写材などのシートPは給送ローラ6とレジストローラ7によってプロセスカートリッジ側の感光体ドラム3に向けて搬送され、転写用の帯電器8によって感光体ドラム3上のトナー像の転写を受ける。その後、シートPは分離手段13によって感光体ドラム3から分離され、ガイド9上を通って搬送路端部に位置する搬送ローラ9aによって定着器10に送られる。定着器10ではシートP上のトナー像を加熱しかつ加圧して永久定着し、定着を終えたシートPは排出ローラ11によって排紙トレイ12へと排出される。
【0019】
感光体ドラム3を新旧交換する際、プロセスカートリッジ30の内部の各機器やユニットを同時に交換できるようにして保守作業の簡易化と軽減化が図られている。装置本体へのプロセスカートリッジ30の着脱はこの場合上部枠体17に対して行われる。図1および図2に示すように、その上部枠体17には平行一対のレール31,32が設けられており、そのレール上にカートリッジ枠体30aを係合させて載せ、感光体ドラム3のドラム回転軸線の方向に移動させることで着脱が行われる。カートリッジ着脱時は、図2の状態に上下枠体17,18を分離させ、レール31,32上でカートリッジ枠体30aを押し込みまたは引き出す方向に移動させる。
【0020】
これから分かるように、本実施形態にあっては、上部枠体17が下部枠体18に対してヒンジシャフト19から回動することで分離結合ができるようになっているので、上部枠体17としては本体開閉カバーを兼用していることになる。
【0021】
一方、図3に示すように、結像素子アレイ2に対向する部分のカートリッジ枠体30aには、原稿を読み取った画像情報の露光光を感光体ドラム3のドラム表面に導光するための露光開口27が貫通して設けられている。この露光開口27は感光体ドラム3のドラム周面と近接した位置に設けてある。そのため、プロセスカートリッジ30を上部枠体17から取り出して机上などに放置したままにしておくと、周囲の自然光や照明光が原因で感光体ドラム3に光メモリが発生し、また塵埃などの異物が侵入したりすることがある。
【0022】
すなわち、露光開口27を開閉し、その露光開口27とクリーニングユニット14との間を仕切って遮断する図4に示す可撓性シート形状の遮光遮蔽シート(遮光遮蔽部材)100が設けたことが本実施形態の要旨である。この遮光遮蔽シート100は、図9〜図12で示した従来の遮光板28と遮蔽部材101の両機能を兼用する部材である。
【0023】
図4において、極めて簡素で低コストの平板状の遮光遮蔽シート100でもって、プロセスカートリッジが画像形成装置本体から取り外されている未装着状態では、カートリッジ枠体30aに設けた露光開口27を遮光部100eで塞いでいる。また、装着状態では、露光開口27を開放するとともに、露光開口27とクリーニングユニット14との間を遮蔽部100cで仕切って遮断している。この遮光遮蔽シート100は、遮光性を有するPETまたはPEなどの樹脂製であり、可撓性に優れたフィルム状のものを用いている。その遮光遮蔽シート100の一部に切断線で三方から囲まれたコ字形の切り込み部100cが施され、その切り込み部100cによって内部の遮蔽部100bと外部100aとに領域を区分している。また、遮光遮蔽シート100の長手方向の一端には両面テープなどによる接着部100dが設けられている。図示のように、遮光遮蔽シート100の裏側にも両面テープを貼り着けて接着部100dとしている。そして、接着部100dと遮蔽部100bとの間に、露光光を遮蔽するための遮光部100eが設けられている。
【0024】
かかる遮光遮蔽シート100は、図3とこの上部からみた要部拡大図の図5に示すように、カートリッジ枠体30aの上記露光開口27に臨む部分の外面に貼着されている。すなわち、遮光遮蔽シート100の両面テープで形成した接着部100dを現像器ユニット5に臨む側のカートリッジ枠体30aの上面に貼り着けて固定し、遮光遮蔽シート100の他端側は自由端にしてある。また、クリーニングユニット14に臨む側のカートリッジ枠体30aの上部に感光体ドラム30のドラム長さ寸法とほぼ同じ長さでスリット45がカートリッジ枠体30aの一部に形成されている。図6とこの上部からみた拡大図の図7に示すように、遮光遮蔽シート100の遮蔽部100bの先端がそのスリット45に差し込まれている。プロセスカートリッジ30が上部枠体17に挿入して装填された装着状態では、結像素子アレイ2がカートリッジ枠体30aに設けた凹部に侵入し、その底部に開口した露光開口27に近接して臨む。その挿入動作に伴い、結像素子アレイ2で図6のように遮光遮蔽シート100を上方から押圧し、可撓性を利用してカートリッジ枠体側凹部に押し込むようにして凹ませる。
【0025】
図7を参照し、遮光遮蔽シート100の中央部が撓んで露光開口27に近づき、遮光遮蔽シート100の自由端が矢印方向に引っ張られて露光開口27に向かってスライドして移動する。その移動で遮光遮蔽シート100の遮蔽部100bがカートリッジ枠体30aのスリット45に入り込んで曲がり、さらに奥方へと侵入して露光開口27とクリーニングユニット14と間を仕切って遮断する。遮光遮蔽シート100の遮蔽部100bがスリット45に侵入していくことで、遮光遮蔽シート100の切れ込み部100cの切断線が拡開し、露光開口27の上をスライドして結像素子アレイ2からの露光光が通過する開口部になる。この変形による遮光遮蔽シート100を図8に示す。すなわち、遮光遮蔽シート100は結像素子アレイ2によって下方に撓められ、図7に示す自由な他端側が矢印方向にスライドして、切れ込み部100cの遮蔽部100bがスリット45に入り込んで下方に向かって侵入していく。同時に、遮蔽部100bが下方に侵入したことで、切断線が拡開しつつコ字形の切れ込み部100cが大きく屈曲して露光開口27の上部にスライドしてくる。
【0026】
なお、画像形成時の稼動中はトナーが浮遊している。プロセスカートリッジ30を装置本体である上部枠体17から取り出した状態では露光開口27とクリーニングユニット14との間を仕切って遮断する必要はない。また、図4に示す状態において、遮光遮蔽シート100の切れ込み100cにおけるコ字形の外部100aが露光開口27を有するカートリッジ枠体30aの凹部を完全に覆っている。その切れ込み100cの幅寸法、つまり感光体ドラム30のドラム回転軸線の方向は結像素子アレイ2の長さ寸法よりもやや短く、かつ結像素子アレイ2の光が通過する幅よりも若干長くしている。したがって、プロセスカートリッジ30を装置本体である上部枠体17から取り出すと、遮光遮蔽シート100のその弾性復元力で平坦な形状に復元し、露光開口27を遮光することができる。
【0027】
また、本実施形態の場合、図6において、結像素子アレイ2が遮光遮蔽シート100に当接している状態で、プロセスカートリッジ30を上部枠体17に挿入し装填した下部枠体18との閉状態、つまり図1に示す状態について説明した。それは説明の便宜のために過ぎない。上部枠体17と下部枠体18とを分離して開放した状態、つまり図2に示す状態で上部枠体17側にプロセスカートリッジ30を装着した時点で結像素子アレイ2が遮光遮蔽シート100に当接している。換言すれば、プロセスカートリッジ30を装置本体から完全に取り出した状態にせずとも、上部枠体17を開いた装置本体の開放状態で、結像素子アレイ2が遮光遮蔽シート100に当接している。
【0028】
また、プロセスカートリッジ30のカートリッジ枠体30aと遮光遮蔽シート100として使用する材料や材質には、光をほぼ完全に遮断するノリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ABS樹脂、金属、そしてゴムなどの不透明物質を用いることができる。さらに、遮光遮蔽シート100としては感光体ドラム3に対する遮光だけでなく、ユーザの手が感光体ドラム3に触れるのを防止したり、異物が露光開口27から侵入したりするのを防ぐ保護カバーとしても役立つものである。
【0029】
以上、この第1実施形態によれば、可撓性フィルム状の遮光遮蔽シート100を設けるだけの極めて簡素な構成でもって大幅なコストダウンを実現することができる。すなわち、1枚の遮光遮蔽シート100をプロセスカートリッジ30の着脱動作に連動させ、露光開口27を開閉させる機能と、その露光開口27とクリーニングユニット14との間の仕切りによる遮断機能とを兼用させる。そのため、従来と比べて部品点数をほぼ半減することができる。
【0030】
(第2実施形態)
次に、本発明による第2実施形態について説明する。
【0031】
第1実施形態においては、プロセスカートリッジ30を装置本体から完全に取り出した状態にせずとも、プロセスカートリッジ30の着脱動作に伴って開閉する上下部枠体17,18を開き、結像素子アレイ2が遮光遮蔽シート100に当接している形態を示した。プロセスカートリッジ30を上部枠体17側に装填後、上部枠体17と下部枠体18とを閉じて装置本体を稼動可能な状態にする操作に連動させる。それにより、結像素子アレイ2をカートリッジ枠体30aの上部の一部に設けた凹部に侵入させ、その凹部に遮光遮蔽シート100に当接させて押し込むように構成することも可能である。
【0032】
以上、本発明の画像形成装置について数例の実施形態が説明されたが、それらに限定されるものではなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲内でその他の実施形態、応用例、変形例およびそれらの組み合わせも可能である。
【0033】
たとえば、上記各実施形態では結像素子アレイ2を感光体ドラム3に近接させた画像形成装置例として複写機を示した。そうした複写機に限らず、LEDプリンタやレーザビームプリンタなどにも適用可能である。LEDプリンタの場合、感光体ドラム3に近接するのはLEDであり、レーザビームプリンタの場合はレーザ光を反射させるミラーや屈折させるレンズなどである。また、遮光遮蔽シート100がクリーニングユニット14と露光開口27の間を仕切って遮断する構造を要旨として説明した。浮遊トナーは現像器ユニットからも発生することがあるので、現像器ユニット5とその露光開口27との間を遮蔽するようにした構造に対しても本発明を適用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0034】
【図1】本発明にかかる実施形態の画像形成装置の具体例である複写機を示す図。
【図2】同複写機において上部枠体と下部枠体を分離して開放した状態を示す図。
【図3】第1実施形態のプロセスカートリッジを装置本体である上部枠体から取り出した状態を示す断面図。
【図4】第1実施形態の要旨部材として遮光遮蔽シートを示す図。
【図5】図4の状態の遮光遮蔽シートを上から見て示す図。
【図6】遮光遮蔽シートにおいて露光開口の開閉機能とクリーニングユニットとの間の遮断機能を兼用する状態を示す図。
【図7】図6の状態の遮光遮蔽シートを上から見て示す図。
【図8】遮光遮蔽シートのみ単体で示す図。
【図9】従来のプロセスカートリッジの外観を示す斜視図。
【図10】同従来例のプロセスカートリッジにおいて露光開口を閉じた状態を示す断面図。
【図11】同従来例のプロセスカートリッジの外観を示す斜視図。
【図12】同従来例のプロセスカートリッジにおいて露光開口を開いた状態を示す断面
【符号の説明】
【0035】
1 原稿載置台
2 結像素子アレイ(露光手段)
3 感光体ドラム(電子写真感光体)
4 帯電ローラ
5 現像器ユニット
14 クリーニングユニット(プロセス手段)
27 露光開口
28 遮光板
30 プロセスカートリッジ
30a カートリッジ枠体
84 現像スリーブ
100 遮光遮蔽シート(遮光遮蔽部材)
100a 切断線の外側の外部
100b 遮蔽部
100c 切り込み部
100e 遮光部
t トナー(現像剤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
露光光を発する露光手段を有する画像形成装置本体に着脱されるプロセスカートリッジであって、
電子写真感光体と、
前記電子写真感光体と、前記電子写真感光体に作用するプロセス手段とを支持するカートリッジ枠体と、
前記カートリッジ枠体に設けられた、前記電子写真感光体に前記露光光を導く露光開口と、
前記画像形成装置本体に前記カートリッジを装着する際に、前記画像形成装置本体に当接することによって移動する、前記カートリッジ枠体の外面に一端が固定されかつ他端が自由端となっているシート形状の遮光遮蔽部材であって、前記画像形成装置本体から前記カートリッジを取り外した際は前記露光開口を塞ぎ、前記画像形成装置本体に前記カートリッジを装着した際は、前記露光開口を開放する遮光部と、前記画像形成装置本体に前記カートリッジを装着した際は、前記電子写真感光体と前記プロセス手段との間に侵入する遮蔽部と、を有する遮光遮蔽部材と、
を有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項2】
前記遮蔽部は、前記遮光遮蔽部材に切り込み部を設けることによって形成され、前記プロセスカートリッジを前記画像形成装置本体に装着する装着する際に、前記カートリッジ枠体に押圧されて屈曲することを特徴とする請求項1に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項3】
前記画像形成装置本体に前記カートリッジを装着した際に、前記遮蔽部が屈曲することによって形成された開口部を、前記露光光が通過することを特徴とする請求項2に記載のプロセスカートリッジ。
【請求項4】
前記遮光遮蔽部材は、前記露光手段と当接することによって移動することを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載のプロセスカートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2008−292790(P2008−292790A)
【公開日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−138630(P2007−138630)
【出願日】平成19年5月25日(2007.5.25)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】