説明

プロセスユニット

【課題】現像ローラを感光体に確実に接触させることができるとともに、感光体に対する現像ローラの押圧力を適正に調整できるプロセスユニットを提供すること。
【解決手段】
プロセスカートリッジ5に、現像カートリッジ7を感光ドラム8に向かって付勢する第1付勢部材38と、現像カートリッジ7を感光ドラム8から離間する方向へ付勢する第2付勢部材47とを設け、現像ローラ9が感光ドラム8に接触されているときに、第1付勢部材38の付勢力を第1の付勢力に調整するとともに、第2付勢部材47の付勢力を第1の付勢力よりも小さな第3の付勢力に調整し、現像ローラ9が感光ドラム8から離間されているときに、第1付勢部材38の付勢力を第1の付勢力よりも大きな第2の付勢力に調整するとともに、第2付勢部材47の付勢力を第3の付勢力よりも小さな第4の付勢力に調整する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、電子写真方式が採用される画像形成装置のプロセスユニットに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、各色に対応する複数の感光体と、複数の感光体のそれぞれにトナーを供給する複数の現像ユニットとを備え、モノクロ画像を形成するモノクロモードと、カラー画像を形成するカラーモードとに切り替え可能なカラープリンタが知られている。
【0003】
このようなカラープリンタとしては、例えば、感光ドラムを有するドラムカートリッジと、現像ローラを有し、ドラムカートリッジに装着される現像カートリッジとを備えるプリンタが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このプリンタでは、現像カートリッジは、ドラムカートリッジに設けられる押圧レバーにより、常には、感光ドラムに向かって押圧されている。
【0005】
そして、プリンタをカラーモードからモノクロモードに切り替えるときに、カラー(イエロー、マゼンタ、シアン)の現像カートリッジの現像軸受部材を、本体ケーシングに設けられる離間部材によって感光ドラムから離間する方向に押圧し、押圧レバーの押圧力に抗して、現像カートリッジを感光ドラムから離間させている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2009−162912号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかるに、上記した特許文献1に記載のプリンタでは、離間された現像カートリッジは、押圧レバーからの押圧力によって、感光ドラムへ向かって、現像ローラが感光ドラムに接触されるまで移動される。
【0008】
ここで、押圧レバーには、離間された現像カートリッジを感光ドラム側へ移動させようとするときには、現像ローラを感光ドラムに確実に接触させるために、比較的強い押圧力が要求される。
【0009】
一方、現像ローラが感光ドラムに接触された後には、押圧レバーには、感光ドラムに対して現像ローラを押し付けすぎないように、比較的弱い押圧力が要求される。
【0010】
そこで、本発明の目的は、現像ローラを感光体に確実に接触させることができるとともに、感光体に対する現像ローラの押圧力を適正に調整できるプロセスユニットを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
(1)上記した目的を達成するために、本発明のプロセスユニットは、感光体を有する感光体ユニットと、現像剤を担持する現像ローラを有し、現像ローラが感光体に接触される接触位置と、現像ローラが感光体から離間される離間位置とに移動可能な現像ユニットとを備える。
【0012】
また、本発明のプロセスユニットは、現像ユニットが離間位置から接触位置に移動するように現像ユニットを付勢するように構成された第1付勢部材と、現像ユニットが接触位置から離間位置に移動するように現像ユニットを付勢するように構成された第2付勢部材とを備える。
【0013】
第1付勢部材は、現像ユニットが接触位置にあるときに現像ユニットを第1の付勢力で付勢し、現像ユニットが離間位置にあるときに現像ユニットを第1の付勢力よりも大きな第2の付勢力で付勢する。
【0014】
第2付勢部材は、現像ユニットが接触位置にあるときに現像ユニットを第1の付勢力よりも小さな第3の付勢力で付勢し、現像ユニットが離間位置から接触位置へ移動される間に、現像ユニットを第3の付勢力よりも小さな第4の付勢力で付勢する。
【0015】
このような構成によれば、現像ユニットは、接触位置にあるときには、第1の付勢力と第3の付勢力との差に相当する付勢力で、感光体に対して接触される。
【0016】
また、現像ユニットは、離間位置にあるときには、第1の付勢力よりも強い第2の付勢力で、感光体に向かって押圧される。
【0017】
そのため、離間位置における現像ユニットを比較的強い付勢力で付勢して、現像ローラを感光体に確実に接触させることができる。
【0018】
また、接触位置における現像ユニットを比較的弱い付勢力で付勢して、現像ローラの感光体に対する押圧力を適正に調整できる。
(2)また、感光体ユニットは、現像ユニットが離間位置から接触位置へ移動されるに従って、第2付勢部材の付勢力を第4の付勢力から第3の付勢力に変動させるように移動する移動部材を備えてもよい。
【0019】
このような構成によれば、移動部材によって、第2付勢部材の付勢力を、第4の付勢力から第3の付勢力に調整することができる。
【0020】
そのため、現像ローラの感光体に対する押圧力を確実に調整できる。
(3)また、移動部材は、現像ユニットを離間位置と接触位置とに移動させてもよい。
【0021】
このような構成によれば、別途、現像ユニットを移動させるための部材を設けることなく、第2付勢部材の付勢力を調整する移動部材を利用して、現像ユニットを離間位置と接触位置とに移動させることができる。
(4)また、移動部材は、回動可能に設けられていてもよい。
【0022】
このような構成によれば、簡易な構成で、移動部材を移動させることができる。
(5)また、移動部材は、外部から押圧される被押圧部と、現像ユニットに作用する作用部とを備えてもよい。
【0023】
このような構成によれば、簡易な構成で、外部からの押圧力を現像ユニットに作用させることができる。
(6)また、移動部材は、第2付勢部材と現像ユニットとの間に配置されていてもよい。
【0024】
このような構成によれば、第2付勢部材からの付勢力を、移動部材を介して現像ユニットに作用させることができる。
【0025】
そのため、移動部材を現像ユニットに対して安定に当接させることができながら、第2付勢部材からの付勢力を現像ユニットに作用させることができる。
(7)また、第2付勢部材は、現像ユニットが感光体から離間する方向に沿って伸縮可能に設けられていてもよい。
【0026】
このような構成によれば、第2付勢部材により、現像ユニットが感光体から離間する方向に現像ユニットを付勢することができる。
【0027】
そのため、第2付勢部材の付勢力を、より効率よく、現像ユニットの感光体からの離間動作に利用することができる。
(8)また、第2付勢部材は、現像ローラの軸線方向において、感光体ユニットの両端部に設けられていてもよい。
【0028】
このような構成によれば、現像ローラの軸線方向すべてにわたって、現像ユニットを感光体から安定に離間させることができる。
【発明の効果】
【0029】
本発明のプロセスユニットによれば、離間位置における現像ユニットを比較的強い付勢力で付勢して、現像ローラを感光体に確実に接触させることができるとともに、接触位置における現像ユニットを比較的弱い付勢力で付勢して、現像ローラの感光体に対する押圧力を適正に調整できる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】図1は、本発明の画像形成装置の第1実施形態としてのプリンタの中央断面図を示す。
【図2】図2は、図1に示すドラムカートリッジを示し、(a)は、左前側から見た斜視図であり、(b)は、(a)の要部拡大図である。
【図3】図3は、図2に示す現像カートリッジの左前側から見た斜視図である。
【図4】図4は、図1に示すプロセスカートリッジの左側面図であって、現像カートリッジが接触位置に配置されている状態を示す。
【図5】図5は、図1に示すプロセスカートリッジの左側面図であって、現像カートリッジが離間位置に配置されている状態を示す。
【図6】図6は、第2実施形態におけるドラムカートリッジの後上側から見た斜視図である。
【図7】図7は、第2実施形態における現像カートリッジの左前側から見た斜視図である。
【図8】図8は、図6に示すドラムカートリッジの平面図である。
【図9】図9は、第2実施形態におけるプロセスカートリッジにおいて、現像カートリッジが接触位置に配置されている状態を示し、(a)は、図8のA−A線に対応する断面図であり、(b)は、図8のB−B線に対応する断面図である。
【図10】図10は、第2実施形態におけるプロセスカートリッジにおいて、現像カートリッジが離間位置に配置されている状態を示し、(a)は、図8のA−A線に対応する断面図であり、(b)は、図8のB−B線に対応する断面図である。
【図11】図11は、第3実施形態におけるプロセスカートリッジであって、(a)は、現像カートリッジが接触位置に配置されている状態を示し、(b)は、現像カートリッジが離間位置に配置されている状態を示す。
【図12】図12は、第4実施形態におけるプロセスカートリッジであって、(a)は、現像カートリッジが接触位置に配置されている状態を示し、(b)は、現像カートリッジが離間位置に配置されている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0031】
1.プリンタの全体構成
図1に示すように、プリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラープリンタである。
【0032】
なお、以下の説明において、方向について言及する場合には、プリンタ1を水平に載置した状態を基準として、図1における紙面左側を前側とし、図1における紙面右側を後側とする。また、プリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
【0033】
プリンタ1は、略ボックス形状の本体ケーシング2を備えている。本体ケーシング2の上端部には、本体開口部3を開閉するトップカバー4が、その後端部を支点として揺動可能に設けられている。プリンタ1は、複数(4つ)のプロセスユニットの一例としてのプロセスカートリッジ5を備えている。
【0034】
すべてのプロセスカートリッジ5は、本体ケーシング2内に着脱可能に設けられている。また、複数のプロセスカートリッジ5のそれぞれは、複数(4つ)の色(ブラック、イエロー、マゼンタ、シアン)のうちの1つに対応し、前側から後側へ向かって、ブラックプロセスカートリッジ5K、イエロープロセスカートリッジ5Y、マゼンタプロセスカートリッジ5M、シアンプロセスカートリッジ5Cの順に、互いに間隔を隔てて並列配置されている。
【0035】
また、複数のプロセスカートリッジ5のそれぞれは、感光体ユニットの一例としてのドラムカートリッジ6と、ドラムカートリッジ6に着脱可能に装着される現像ユニットの一例としての現像カートリッジ7とを備えている。
【0036】
ドラムカートリッジ6は、感光体の一例としての感光ドラム8を備えている。
【0037】
感光ドラム8は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、ドラムカートリッジ6に回転可能に設けられている。
【0038】
現像カートリッジ7は、現像ローラ9を備えている。
【0039】
現像ローラ9は、左右方向(軸線方向)に延び、現像カートリッジ7の後端部において後側から露出されるように設けられ、感光ドラム8に対して前上側から接触されている。
【0040】
また、現像カートリッジ7は、現像ローラ9にトナーを供給する供給ローラ10、現像ローラ9に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード11を備え、それらの上側には、現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
【0041】
現像カートリッジ7内のトナーは、供給ローラ10と現像ローラ9との間で正極性に摩擦帯電され、層厚規制ブレード11により、一定厚さの薄層として現像ローラ9の表面に担持される。
【0042】
一方、感光ドラム8の表面には、感光ドラム8の後上側に対向配置されるスコロトロン型帯電器12によって一様に帯電された後、感光ドラム8の上側に対向配置されるLEDユニット13によって所定の画像データに基づいて露光されることにより、画像データに基づく静電潜像が形成される。そして、現像ローラ9に担持されるトナーが感光ドラム8の表面上の静電潜像に供給されることにより、感光ドラム8の表面上にトナー像(現像剤像)が担持される。
【0043】
用紙Pは、本体ケーシング2の底部に設けられる給紙トレイ14内に収容されており、ピックアップローラ15、給紙ローラ16、および、1対のレジストローラ17によって、後上側へUターンするように搬送されて、所定のタイミングで1枚ずつ、感光ドラム8と搬送ベルト18との間に給紙される。そして、搬送ベルト18によって、感光ドラム8と転写ローラ19との間を前側から後側に向かって搬送される。このとき、用紙Pに、すべての色のトナー像が順次転写され、カラー画像が形成される。
【0044】
そして、用紙Pは、加熱ローラ20と加圧ローラ21との間を通過するときに加熱および加圧される。このとき、用紙Pには、カラー画像が熱定着される。
【0045】
その後、用紙Pは、前上側へUターンするように搬送されて、トップカバー4に設けられる排紙トレイ22に排紙される。
2.プロセスカートリッジの詳細
(1)ドラムカートリッジ
(1−1)ドラムフレーム
以下、ドラムカートリッジ6の説明において、方向について言及するときには、ドラムカートリッジ6の下壁34が下側となるように水平面に載置した状態(図2参照)を基準とし、感光ドラム8が配置されている側をドラムカートリッジ6の後側とする。
【0046】
ドラムカートリッジ6は、図2に示すように、略矩形有底枠形状に形成されるドラムフレーム31を備えている。
【0047】
ドラムフレーム31は、左右1対の側壁32、両側壁32の前端部間に架設される前壁33、両側壁32の下端部間に架設される下壁34、および、両側壁32の後端部間の上方に架設される上壁35を備えている。
【0048】
両側壁32は、前後方向に延びる側面視略矩形状に形成されている。
【0049】
前壁33は、左右方向に延びる略平板形状に形成されている。
【0050】
下壁34は、前壁33の下端部に連続して、前後左右に延びる略平板形状に形成されている。
【0051】
上壁35は、左右方向に延びる略平板形状に形成され、感光ドラム8を上側から被覆するように設けられている。また、上壁35には、スコロトロン型帯電器12が支持されている。
【0052】
また、ドラムフレーム31において、下壁34の前側半分と、その下壁34の前側半分に対応する両側壁32および前壁33と、上壁35の前端縁とによって、現像カートリッジ7を装着するための現像カートリッジ装着部39が区画されている。
(1−2)押圧部材
図2および図4に示すように、ドラムフレーム31の前壁33には、現像カートリッジ装着部39内に臨むように、2つの押圧部材収容部36が形成されている。押圧部材収容部36内には、押圧部材37と第1付勢部材38とが1つずつ設けられている。
【0053】
押圧部材収容部36は、前壁33の左右方向両端部に1つずつ設けられ、前壁33の後面から前側へ凹むように、正面視略矩形状に形成されている。
【0054】
押圧部材37は、正面視略矩形の角柱形状に形成されている。押圧部材37は、押圧部材収容部36内において、前後方向にスライド可能に支持されている。
【0055】
第1付勢部材38は、押圧部材37のスライド方向に沿って圧縮可能な圧縮コイルばねであり、押圧部材37の前端部と、押圧部材収容部36の前壁との間に介在されている。
【0056】
これにより、押圧部材37は、現像カートリッジ7がドラムカートリッジ6に装着されていない状態で、押圧部材収容部36から後側へ進出するように付勢されている。
【0057】
なお、このとき、押圧部材37は、図示しない規制部材により、それ以上の後側への進出が規制されている。また、第1付勢部材38は、無負荷時の伸長長さよりもわずかに短い圧縮長さに、圧縮されている。
(1−3)離間部材および第2付勢部材
図2および図5に示すように、両側壁32の左右方向外側には、現像カートリッジ装着部39の後端部において、移動部材の一例としての離間部材41が1つずつ設けられている。また、両側壁32の左右方向外側には、離間部材41の前側において、支持部48が1つずつ設けられている。支持部48には、第2付勢部材47が支持されている。
【0058】
離間部材41は、回動軸42と、被押圧部43と、作用部44とを一体的に備えている。
【0059】
回動軸42は、左右方向に延びる略円柱形状に形成されている。
【0060】
被押圧部43は、回動軸42の下側部分から下方へ延びる略平板形状に形成され、その下側部分が前方へ向かって屈曲するように形成されている。また、被押圧部43は、第2付勢部材47と当接可能な第1当接部45と、本体ケーシング2内の本体側レバー81(後述、図5参照)と当接可能な第2当接部46とを備えている。
【0061】
第1当接部45は、被押圧部43の先端(下端部)に設けられている。
【0062】
第2当接部46は、第1当接部45の左右方向外側端部から左右方向外側へ延びる略杆形状に形成されている。
【0063】
作用部44は、回動軸42の上側部分から上方へ延びる略平板形状に形成され、その上側部分が前方へ向かって屈曲するように形成されている。
【0064】
そして、離間部材41は、回動軸42において、側壁32に回動可能に支持されている。
【0065】
離間部材41は、被押圧部43が第2付勢部材47に接触する第1位置(図4参照)と、被押圧部43が第2付勢部材47から後側に退避される第2位置(図5参照)とに、回動軸42を支点として回動される。
【0066】
支持部48は、側壁32の左右方向外面から左右方向外側へ突出する側面視略L字形状に形成されている。支持部48は、第2付勢部材47の圧縮方向を規制する規制軸49を備えている。
【0067】
規制軸49は、支持部48の前壁から後側へ突出する略円柱形状に形成され、第1当接部45の前側に対向配置されている。
【0068】
第2付勢部材47は、前後方向に圧縮可能な圧縮コイルばねである。第2付勢部材47の無負荷時の伸長長さ(前後方向長さ)は、規制軸49の前後方向長さよりも長い。また、第2付勢部材47の内径は、規制軸49の直径よりも大径である。また、第2付勢部材47のばね定数は、第1付勢部材38のばね定数よりも小さく設定されている。第2付勢部材47の一端部(前端部)は、その径方向内側に規制軸49が挿通されるように、支持部48の前壁に支持されている。また、第2付勢部材47の他端部(後端部)は、離間部材41の被押圧部43に当接可能に、被押圧部43の前側に配置されている。
(2)現像カートリッジ
以下、現像カートリッジ7の説明において、方向について言及する場合には、現像カートリッジ7の下壁56が下側となるように水平面に載置した状態(図3参照)を基準とし、現像ローラ9が支持されている側を現像カートリッジ7の後側とし、層厚規制ブレード11が支持されている側を上側とする。
【0069】
現像カートリッジ7は、図3に示すように、カートリッジフレーム51と、カートリッジフレーム51の左側に配置される駆動ユニット52と、カートリッジフレーム51の右側に配置される検知ユニット53とを備えている。
(2−1)カートリッジフレーム
カートリッジフレーム51は、左右方向に延びる略ボックス形状に形成されている。カートリッジフレーム51は、左右1対の側壁54と、前壁55と、下壁56と、上壁57とを一体的に備えている。なお、以下の説明において、左側の側壁54を左壁54Lとし、右側の側壁54を右壁54Rとする。
【0070】
両側壁54は、上下前後に延びる側面視略矩形状に形成され、互いに左右方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0071】
前壁55は、左右方向に延び、両側壁54の前端部間に架設されている。
【0072】
下壁56は、左右方向に延び、前壁55の下端部に連続するように、両側壁54の下端部間に架設されている。
【0073】
上壁57は、両側壁54の前側部分および前壁55の上端部に連結され、平面視略矩形の平板形状に形成されている。上壁57の後端部には、層厚規制ブレード11が、現像ローラ9に上側から接触されるように配置されている。
(2−2)駆動ユニット
駆動ユニット52は、現像カップリング61および駆動側ギヤカバー62を備えている。
【0074】
現像カップリング61は、左右方向に延びる略円柱形状に形成され、左壁54Lに回転可能に支持されている。現像カップリング61の左側面には、結合凹部63が形成されている。
【0075】
結合凹部63は、現像カップリング61の左面から右側へ凹むように、現像カップリング61の径方向に延び、その径方向中央が幅狭な側面視略長穴形状に形成されている。結合凹部63には、現像カートリッジ7が本体ケーシング2内に装着された状態で、本体ケーシング2内に備えられる本体カップリング(図示せず)の先端が相対回転不能に挿入され、本体カップリング(図示せず)を介して、本体ケーシング2から回転駆動力が入力される。現像カップリング61に入力された回転駆動力は、図示しないギヤ列を介して、現像ローラ9および供給ローラ10に伝達される。
【0076】
駆動側ギヤカバー62は、左右方向に延び、左端部が閉鎖された略角筒形状に形成されている。
【0077】
駆動側ギヤカバー62は、カップリングカラー65と、第1離間係合部66とを備えている。
【0078】
カップリングカラー65は、駆動側ギヤカバー62の前後方向略中央の左壁から左側へ突出する略円筒形状に形成されている。なお、カップリングカラー65の右端部は、駆動側ギヤカバー62内に連通されている。
【0079】
第1離間係合部66は、カップリングカラー65の後端部から後側へ向かって突出し、左右方向に延びる突条として形成されている。第1離間係合部66の後面75は、上下方向に延びている。
【0080】
そして、駆動側ギヤカバー62は、カップリングカラー65内に現像カップリング61の左端部が嵌合されるように、左壁54Lにねじ止めされている。なお、結合凹部63は、カップリングカラー65の左端部から露出されている。
(2−3)検知ユニット
検知ユニット53は、新品検知ギヤ71および検知側ギヤカバー72を備えている。
【0081】
新品検知ギヤ71は、右壁54Rに回転可能に支持されており、左右方向に延びる略円筒形状に形成されている。
【0082】
新品検知ギヤ71には、現像カップリング61から図示しないギヤ列を介して回転駆動力が伝達される。これにより、新品検知ギヤ71は、現像カートリッジ7が新品(未使用)の状態で本体ケーシング2に装着された後、所定の駆動量で不可逆的に回転される。このとき、新品検知ギヤ71の回転が本体ケーシング2の検知手段(図示せず)に検知され、その検知に基づいて、本体ケーシング2において、現像カートリッジ7の新旧および仕様に関する情報が判断される。
【0083】
検知側ギヤカバー72は、左右方向に延び、右端部が閉鎖された略角筒形状に形成されている。
【0084】
また、検知側ギヤカバー72には、新品検知ギヤ露出開口73が形成されている。また、検知側ギヤカバー72は、第2離間係合部74を備えている。
【0085】
新品検知ギヤ露出開口73は、検知側ギヤカバー72の前後方向略中央の右壁において、新品検知ギヤ71の右端部を露出させるように、側面視略円形状に貫通形成されている。
【0086】
第2離間係合部74は、検知側ギヤカバー72の後端部から後側へ向かって突出し、左右方向に延びる突条として形成されている。第2離間係合部74の後面76は、第1離間係合部66の後面75と同様に、上下方向に延びている。
【0087】
そして、検知側ギヤカバー72は、新品検知ギヤ露出開口73を介して新品検知ギヤ71を露出させるように、右壁54Rにねじ止めされている。
3.現像カートリッジのドラムカートリッジに対する着脱
本体ケーシング2にプロセスカートリッジ5を装着するには、まず、ドラムカートリッジ6に現像カートリッジ7を装着する。なお、現像カートリッジ7がドラムカートリッジ6から離脱された状態では、離間部材41は、第2位置に配置されており、離間部材41の被押圧部43は、第2付勢部材47から後下側へ離間されている(図5参照)。つまり、第2付勢部材47の長さは、無負荷時の伸長長さである。
【0088】
ドラムカートリッジ6に現像カートリッジ7を装着するには、現像カートリッジ7の後端部を、現像カートリッジ装着部39の後端部内に挿入する。
【0089】
すると、駆動側ギヤカバー62の第1離間係合部66、および、検知側ギヤカバー72の第2離間係合部74が、それぞれ、対応する離間部材41の作用部44に前側から当接される。
【0090】
次いで、現像カートリッジ7を、その後端部を支点として、その前端部を左側面視時計回り方向に回動させるように、現像カートリッジ7の前端部を現像カートリッジ装着部39の前端部内に押し込む。
【0091】
すると、図4に示すように、現像カートリッジ7は、押圧部材37を前側へ押圧するとともに離間部材41の作用部44を後側へ押圧しながら、現像カートリッジ装着部39内に収容される。
【0092】
これにより、現像カートリッジ7のドラムカートリッジ6への装着が完了する。このとき、現像ローラ9は、感光ドラム8に対して前側から接触されている。すなわち、現像カートリッジ7は、接触位置に配置されている。
【0093】
また、このとき、第1付勢部材38は、現像カートリッジ7がドラムカートリッジ6から離脱されているときの圧縮長さよりも短い圧縮長さに圧縮される。
【0094】
これにより、第1付勢部材38の付勢力は、第1付勢部材38が圧縮されるに従って増大し、現像カートリッジ7のドラムカートリッジ6への装着が完了したときに、第1の付勢力に調整される。
【0095】
また、離間部材41の第1当接部45が、後側から第2付勢部材47の後端部に当接されて、第2付勢部材47が圧縮される。
【0096】
これにより、第2付勢部材47の付勢力は、第2付勢部材47が圧縮されるに従って増大し、現像カートリッジ7のドラムカートリッジ6への装着が完了したときに、第1の付勢力よりも小さな第3の付勢力に調整される。すなわち、離間部材41は、現像カートリッジ7が離間位置(後述、図5参照)から接触位置へ移動されるに従って、第2付勢部材47の付勢力を第3の付勢力に変動させるように移動する。
【0097】
これにより、現像カートリッジ7は、ドラムカートリッジ6に装着された状態で、両押圧部材37によって第1の付勢力で後側へ付勢されるとともに、両離間部材41によって、第1の付勢力よりも小さな付勢力(第3の付勢力)で前側へ付勢される。
【0098】
つまり、現像カートリッジ7は、ドラムカートリッジ6に装着された状態で、第1の付勢力から第3の付勢力を差し引いた付勢力で、後側へ付勢される。
【0099】
なお、ドラムカートリッジ6から現像カートリッジ7を離脱させるには、まず、現像カートリッジ7の前端部を、ドラムカートリッジ6の現像カートリッジ装着部39から上側へ持ち上げる。
【0100】
そして、現像カートリッジ7の前端部を把持して、現像カートリッジ7をドラムカートリッジ6の現像カートリッジ装着部39から上側へ離脱させる。
【0101】
これにより、ドラムカートリッジ6からの現像カートリッジ7の離脱が完了する。
【0102】
そして、本体ケーシング2にプロセスカートリッジ5を装着するには、図1に示すように、トップカバー4を開放して、プロセスカートリッジ5を、本体ケーシング2内の所定の位置において、その後側がプリンタ1の後下側、その前側がプリンタ1の前上側となるように、上側から装着する。
【0103】
これにより、プロセスカートリッジ5の本体ケーシング2への装着が完了する。
4.現像カートリッジの感光ドラムに対する離間動作
プリンタ1では、カラーの画像を印刷するときには、すべての現像カートリッジ7の現像ローラ9が、対応する感光ドラム8に接触されている(図1参照)。
【0104】
一方、モノクロ(黒色)の画像を印刷するときには、ブラックプロセスカートリッジ5Kにおいて現像ローラ9を感光ドラム8に接触させるとともに、カラーのプロセスカートリッジ5(イエロープロセスカートリッジ5Y、マゼンタプロセスカートリッジ5Mおよびシアンプロセスカートリッジ5C)において現像ローラ9を感光ドラム8から離間させる。
【0105】
現像ローラ9を感光ドラム8から離間させるには、図5に示すように、本体ケーシング2内(外部の一例)に設けられる本体側レバー81により、左右両方の離間部材41の第2当接部46を後側へ押圧する。
【0106】
すると、両離間部材41が左側面視時計周り方向に回動され、両離間部材41の作用部44が、それぞれ、駆動側ギヤカバー62の第1離間係合部66、または、検知側ギヤカバー72の第2離間係合部74に後側から当接される。
【0107】
そして、両離間部材41が左側面視時計周り方向にさらに回動されると、押圧部材37の押圧力に抗して、現像カートリッジ7が前上側(離間方向)に移動される。
【0108】
すると、押圧部材37は、第1付勢部材38の付勢力に抗して、前上側へ移動される。
【0109】
このとき、第1付勢部材38は、現像カートリッジ7がドラムカートリッジ6に装着されたときの圧縮長さよりも、さらに短い圧縮長さに圧縮される。
【0110】
これにより、第1付勢部材38の付勢力は、第1の付勢力よりも大きな第2の付勢力に調整される。
【0111】
また、離間部材41の被押圧部43が、第2付勢部材47から後側へ退避されて、第2付勢部材47が圧縮状態から復元される。
【0112】
これにより、第2付勢部材47の付勢力は、第2付勢部材47が圧縮状態から復元されるに従って第3の付勢力から低減される。つまり、第2付勢部材47は、現像カートリッジ7が離間位置から接触位置へ移動される途中で、現像カートリッジ7を感光ドラム8から離間させる方向へ、第3の付勢力よりも小さな第4の付勢力で付勢する。
【0113】
そして、離間部材41が第2付勢部材47から後側へ離間されると、第2付勢部材47の離間部材41に対する付勢が解除される。また、このとき、第2付勢部材47は、自然長まで復元される。
【0114】
そして、離間部材41が、本体側レバー81からの押圧力によってさらに左側面視時計回りに回動され、第2位置に配置されると、現像カートリッジ7が離間位置に配置され、現像ローラ9の感光ドラム8からの離間が完了する。
5.作用効果
(1)このプロセスカートリッジ5によれば、図4および図5に示すように、現像カートリッジ7は、接触位置(図4参照)にあるときには、第1の付勢力と第3の付勢力との差に相当する付勢力で、感光ドラム8に対して接触される。
【0115】
また、現像カートリッジ7は、離間位置(図5参照)にあるときには、第1の付勢力よりも強い第2の付勢力で、感光ドラム8に向かって押圧される。
【0116】
そのため、離間位置における現像カートリッジ7を比較的強い付勢力で付勢して、現像カートリッジ7を感光ドラムに向かって確実に移動させることができる。
【0117】
また、接触位置においては、現像カートリッジ7を比較的弱い付勢力で付勢して、現像ローラ9の感光ドラム8に対する押圧力を適正に調整できる。
(2)また、このプロセスカートリッジ5によれば、離間部材41によって、第2付勢部材47の付勢力を、第3の付勢力に調整することができる。
【0118】
そのため、現像ローラ9の感光ドラム8に対する押圧力を確実に調整できる。
(3)また、このプロセスカートリッジ5によれば、図4および図5に示すように、離間部材41によって、現像カートリッジ7を離間位置と接触位置とに移動させる。
【0119】
そのため、第2付勢部材47の付勢力を調整する部材と、現像カートリッジ7を移動させるための部材とを別々に設けることなく、離間部材41で、第2付勢部材47の付勢力の調整と、現像カートリッジ7の感光ドラム8に対する接離とを実現することができる。
(4)また、このプロセスカートリッジ5によれば、離間部材41を、回動させるという簡易な構成で移動させることができる。
(5)また、このプロセスカートリッジ5によれば、図4および図5に示すように、現像カートリッジ7を接触位置(図4参照)から離間位置(図5参照)に移動させ始めるときに、本体側レバー81からの押圧力に加えて、第2付勢部材47からの付勢力を、現像カートリッジ7に作用させることができる。
【0120】
これにより、現像カートリッジ7を接触位置(図4参照)から離間位置(図5参照)へ円滑に移動させることができる。
(6)また、このプロセスカートリッジ5によれば、第2付勢部材47は、ドラムカートリッジ6の左右方向両側壁32に1つずつ設けられている。
【0121】
そのため、左右方向すべてにわたって、現像カートリッジ7を感光ドラム8から安定に離間させることができる。
6.第2実施形態
図6〜10を参照して、現像カートリッジ7の第2実施形態を説明する。なお、第2実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0122】
上記した第1実施形態では、ドラムカートリッジ6の両側壁32の左右方向外側において、離間部材41の前側に、第2付勢部材47を1つずつ設けている。しかし、第2付勢部材47の配置は、特に限定されない。
【0123】
具体的には、第2実施形態では、押圧部材37の左右方向内側に、現像カートリッジ7を前側へ引っ張る引張部材91を設ける。
(1)ドラムカートリッジ
図6および図8に示すように、ドラムフレーム31の前壁33には、現像カートリッジ装着部39内に臨むように、引張部材91を支持する2つの引張部材支持部93が形成されている。
【0124】
引張部材支持部93は、押圧部材収容部36の左右方向内側に隣接配置され、凹部94と、1対のガイド部92とを備えている。また、引張部材支持部93内には、引張部材91と第2付勢部材95とが1つずつ設けられている。
【0125】
凹部94は、前壁33の後面から前側へ凹む正面視略矩形状に形成されている。
【0126】
1対のガイド部92は、凹部94の左右方向両端部の周縁部から後側へ突出し、上下方向に延びる突条として形成されている。
【0127】
引張部材91は、側面視略矩形の角柱形状に形成されている。引張部材91は、引張部材支持部93内において、前後方向にスライド可能に支持されている。また、引張部材91には、嵌合溝96が形成されている。
【0128】
嵌合溝96は、引張部材91の上端縁から下側へ向かって切り欠かれるように、上側が開放された側面視略U字形状に形成されている。
【0129】
第2付勢部材95は、引張部材91のスライド方向に沿って伸縮可能な引張コイルばねであり、その一端が引張部材91の前端部に接続され、その他端が引張部材支持部93の前壁に接続されている。
【0130】
これにより、引張部材91は、常には、前側へ向かって付勢されている。
(2)現像カートリッジ
図7に示すように、カートリッジフレーム51は、引張部材91の嵌合溝96に嵌合される嵌合部98を備えている。
【0131】
嵌合部98は、カートリッジフレーム51の前壁55から前下側へ延び、その前下側端部がわずかに下側へ屈曲する略杆形状に形成されている。嵌合部98は、現像カートリッジ7がドラムカートリッジ6に装着されたときに、現像カートリッジ7の嵌合溝96内に嵌合される。
(3)現像カートリッジの感光ドラムに対する接離動作
第2実施形態において、ドラムカートリッジ6に現像カートリッジ7を装着すると、現像カートリッジ7は、押圧部材37を前側へ押圧するとともに、引張部材91を後側へ引っ張りながら、現像カートリッジ装着部39内に収容される。
【0132】
このとき、現像ローラ9は、感光ドラム8に対して前側から接触されている。すなわち、現像カートリッジ7は、接触位置に配置されている。
【0133】
また、このとき、第1付勢部材38は、図9(a)に示すように、現像カートリッジ7がドラムカートリッジ6から離脱されているときの圧縮長さよりも短い圧縮長さに圧縮される。これにより、第1付勢部材38の付勢力は、第1の付勢力に調整される。
【0134】
また、第2付勢部材95は、図9(b)に示すように、現像カートリッジ7がドラムカートリッジ6から離脱されているときの長さよりも伸長される。これにより、第2付勢部材95の付勢力は、第1の付勢力よりも小さな第3の付勢力に調整される。
【0135】
これにより、現像カートリッジ7は、ドラムカートリッジ6に装着された状態で、両押圧部材37によって第1の付勢力で後側へ付勢されるとともに、両引張部材91によって、第1の付勢力よりも小さな付勢力(第3の付勢力)で前側へ付勢される。
【0136】
つまり、現像カートリッジ7は、ドラムカートリッジ6に装着された状態で、第1の付勢力から第3の付勢力を差し引いた付勢力で、後側へ付勢される。
【0137】
そして、現像ローラ9を感光ドラム8から離間させるには、本体ケーシング2内に設けられる本体側レバー81により、左右両方の離間部材41の被押圧部43を後側へ押圧する。
【0138】
すると、両離間部材41が左側面視時計周り方向に回動され、両離間部材41の作用部44が、それぞれ、駆動側ギヤカバー62の第1離間係合部66、または、検知側ギヤカバー72の第2離間係合部74に後側から当接される。
【0139】
そして、両離間部材41が左側面視時計周り方向にさらに回動されると、押圧部材37の押圧力に抗して、現像カートリッジ7が前上側(離間方向)に移動される。
【0140】
すると、押圧部材37は、第1付勢部材38の付勢力に抗して、前上側へ移動される。
【0141】
このとき、第1付勢部材38は、現像カートリッジ7がドラムカートリッジ6に装着されたときの圧縮長さよりも、さらに短い圧縮長さに圧縮される。
【0142】
これにより、第1付勢部材38の付勢力は、第1の付勢力よりも大きな第2の付勢力に調整される。
【0143】
また、引張部材91が、前側へ退避されて、第2付勢部材95が引張状態から復元される。
【0144】
これにより、第2付勢部材95の付勢力は、第2付勢部材95が引張状態から復元されるに従って第3の付勢力から低減される。つまり、第2付勢部材95は、現像カートリッジ7が離間位置から接触位置へ移動される途中で、現像カートリッジ7を感光ドラム8から離間させる方向へ、第3の付勢力よりも小さな第4の付勢力で付勢する。
【0145】
そして、離間部材41が第2位置に配置されると、現像カートリッジ7が離間位置に配置され、現像ローラ9の感光ドラム8からの離間が完了する。
(4)作用効果
第2実施形態においても、上記した第1実施形態と同様の作用効果を得ることができる。
7.第3実施形態
図11を参照して、現像カートリッジ7の第3実施形態を説明する。なお、第3実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0146】
上記した第1実施形態では、第2付勢部材47を、離間部材41の被押圧部43の前側に配置している。
【0147】
対して、第3実施形態では、図11に示すように、第2付勢部材47を、離間部材41の作用部44の後側に配置する。
【0148】
詳しくは、第2付勢部材47は、その一端部(後端部)がドラムフレーム31の側壁32に支持され、その他端部(前端部)が離間部材41の作用部44に当接可能に、作用部44の前側に配置される。すなわち、第2付勢部材47と現像カートリッジ7との間に、離間部材41の作用部44が配置される。
【0149】
そして、図11(a)に示すように、現像カートリッジ7が接触位置に配置されているときには、第1付勢部材38の付勢力は、第1実施形態と同様に、第1の付勢力に調整されている。
【0150】
このとき、第2付勢部材47は、離間部材41の作用部44が、前側から第2付勢部材47の前端部に当接されて、前後方向に圧縮されている。
【0151】
これにより、第2付勢部材47の付勢力は、第1の付勢力よりも小さな第3の付勢力に調整されている。
【0152】
そして、図11(b)に示すように、現像カートリッジ7が離間位置に配置されると、第1付勢部材38の付勢力は、第1実施形態と同様に、第1の付勢力よりも大きな第2の付勢力に調整される。
【0153】
このとき、離間部材41の作用部44は、第2付勢部材47から前側へ退避されて、第2付勢部材47が圧縮状態から復元される。
【0154】
これにより、第2付勢部材47の付勢力は、第2付勢部材47が圧縮状態から復元されるに従って第3の付勢力から低減され、第3の付勢力よりも小さな第4の付勢力に調整される。
【0155】
第3実施形態によれば、第2付勢部材47からの付勢力を、離間部材41を介して現像カートリッジ7に作用させることができる。
【0156】
そのため、離間部材41を現像カートリッジ7に対して安定に当接させることができながら、第2付勢部材47からの付勢力を現像カートリッジ7に作用させることができる。
8.第4実施形態
図12を参照して、現像カートリッジ7の第4実施形態を説明する。なお、第4実施形態において、上記した第1実施形態と同様の部材には同様の符号を付し、その説明を省略する。
【0157】
上記した第1実施形態では、第2付勢部材47を、離間部材41の被押圧部43の前側に配置している。
【0158】
対して、第4実施形態では、図12に示すように、第2付勢部材47を、離間部材41の作用部44に左右方向に並ぶように、離間部材41の回動軸42と、現像カートリッジ7のカップリングカラー65との間に配置する。
【0159】
詳しくは、第2付勢部材47は、その一端部(後端部)が、離間部材41の回動軸42に支持され、その他端部(前端部)が、現像カートリッジ7のカップリングカラー65に当接可能に、回動軸42よりも前側に配置される。すなわち、第2付勢部材47は、前後方向に沿って配置される。
【0160】
そして、図12(a)に示すように、現像カートリッジ7が接触位置に配置されているときには、第1付勢部材38の付勢力は、第1実施形態と同様に、第1の付勢力に調整されている。
【0161】
このとき、第2付勢部材47は、現像カートリッジ7のカップリングカラー65が、前側から第2付勢部材47の前端部に当接されて、前後方向に圧縮されている。
【0162】
これにより、第2付勢部材47の付勢力は、第1の付勢力よりも小さな第3の付勢力に調整されている。
【0163】
そして、図12(b)に示すように、現像カートリッジ7が離間位置に配置されると、第1付勢部材38の付勢力は、第1実施形態と同様に、第1の付勢力よりも大きな第2の付勢力に調整される。
【0164】
このとき、現像カートリッジ7のカップリングカラー65は、第2付勢部材47から前側へ退避されて、第2付勢部材47が圧縮状態から復元される。
【0165】
これにより、第2付勢部材47の付勢力は、第2付勢部材47が圧縮状態から復元されるに従って第3の付勢力から低減され、第3の付勢力よりも小さな第4の付勢力に調整される。
【0166】
第4実施形態によれば、第2付勢部材47は、現像カートリッジ7が感光ドラム8から離間する方向(具体的には、後側から前側へ向かう方向)に沿って伸縮可能に設けられている。
【0167】
そのため、第2付勢部材47の付勢力を、より効率よく、現像カートリッジ7の感光ドラム8からの離間動作に利用することができる。
9.他の変形例
上記した各実施形態では、第1付勢部材38、および、第2付勢部材47、95を、プロセスカートリッジ5に設けたが、第1付勢部材38、および、第2付勢部材47、95を、本体ケーシング2に設けることもできる。
【0168】
また、上記した各実施形態では、第1付勢部材38、および、第2付勢部材47、95を、圧縮コイルばねや引張コイルばねとして構成したが、第1付勢部材38、および、第2付勢部材47、95は、例えば、ゴムや板ばねなどの弾性変形可能な部材から構成することもできる。
【符号の説明】
【0169】
5 プロセスカートリッジ
6 ドラムカートリッジ
7 現像カートリッジ
8 感光ドラム
9 現像ローラ
38 第1付勢部材
41 離間部材
43 被押圧部
44 作用部
47 第2付勢部材
95 第2付勢部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
感光体を有する感光体ユニットと、
現像剤を担持する現像ローラを有し、前記現像ローラが前記感光体に接触される接触位置と、前記現像ローラが前記感光体から離間される離間位置とに移動可能な現像ユニットと、
前記現像ユニットが前記離間位置から前記接触位置に移動するように前記現像ユニットを付勢するように構成された第1付勢部材と、
前記現像ユニットが前記接触位置から前記離間位置に移動するように前記現像ユニットを付勢するように構成された第2付勢部材と、を備え、
前記第1付勢部材は、前記現像ユニットが前記接触位置にあるときに前記現像ユニットを第1の付勢力で付勢し、前記現像ユニットが前記離間位置にあるときに前記現像ユニットを前記第1の付勢力よりも大きな第2の付勢力で付勢し、
前記第2付勢部材は、前記現像ユニットが前記接触位置にあるときに前記現像ユニットを前記第1の付勢力よりも小さな第3の付勢力で付勢し、前記現像ユニットが前記離間位置から前記接触位置へ移動される間に、前記現像ユニットを前記第3の付勢力よりも小さな第4の付勢力で付勢することを特徴とする、プロセスユニット。
【請求項2】
前記感光体ユニットは、前記現像ユニットが前記離間位置から前記接触位置へ移動されるに従って、前記第2付勢部材の付勢力を前記第4の付勢力から前記第3の付勢力に変動させるように移動する移動部材を備えることを特徴とする、請求項1に記載のプロセスユニット。
【請求項3】
前記移動部材は、前記現像ユニットを前記離間位置と前記接触位置とに移動させることを特徴とする、請求項2に記載のプロセスユニット。
【請求項4】
前記移動部材は、回動可能に設けられていることを特徴とする、請求項2または3に記載のプロセスユニット。
【請求項5】
前記移動部材は、
外部から押圧される被押圧部と、
前記現像ユニットに作用させる作用部と
を備えることを特徴とする、請求項2ないし4のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項6】
前記移動部材は、前記第2付勢部材と前記現像ユニットとの間に配置されていることを特徴とする、請求項2ないし5のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項7】
前記第2付勢部材は、前記現像ユニットが前記感光体から離間する方向に沿って伸縮可能に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし6のいずれか一項に記載のプロセスユニット。
【請求項8】
前記第2付勢部材は、前記現像ローラの軸線方向において、前記感光体ユニットの両端部に設けられていることを特徴とする、請求項1ないし7のいずれか一項に記載のプロセスユニット。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2013−114109(P2013−114109A)
【公開日】平成25年6月10日(2013.6.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−261254(P2011−261254)
【出願日】平成23年11月30日(2011.11.30)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】